JP6276648B2 - 電動ポンプおよび車両用油圧回路 - Google Patents
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Description
また、近年、車両の静粛性向上や燃費改善のために、車両の一時停止時にエンジンを一旦オフする、所謂アイドルストップ機能を備えた車両が増えてきている。
このようなアイドルストップ機能を備えた車両に搭載される車両用油圧回路としては、車両のエンジンにより駆動され、油圧装置にオイルを供給する機械式ポンプと、エンジンを停止させた際に機械式ポンプに代わって油圧装置にオイルを供給する電動ポンプと、を備えている。
また、吸入ポート、吐出ポート、およびリリーフ手段を、それぞれ別々に設ける必要がなくなり、一体化できる。このため、部品点数を削減でき、製造コストを低減できると共に、電動ポンプの組付け性を向上できる。
さらに、開放ポートと吸入ポートとの構成を簡素化できると共に、それぞれ2つのポートの配置スペースを省スペース化できる。
本発明に係る車両用油圧回路では、前記ポンプ部は、前記オイルを吸入、吐出するポンプ本体と、前記ポンプ本体を前記被駆動部に取り付けるためのブラケットと、を備え、前記ブラケットに、前記吸入ポート、前記吐出ポート、および前記リリーフ手段と、を設けたことを特徴とする。
本発明に係る車両用油圧回路では、前記ブラケットは、前記ポンプ本体と前記被駆動部との間に配置される平板状の部材であって、前記リリーフ手段は、前記ブラケットの側面から前記ブラケットを端面からみて略中央となる位置に至る間に形成されたリリーフ孔と、該リリーフ孔と前記吐出ポートとを連通する第1連通部と、前記リリーフ孔の途中から前記開放ポートに至る間に形成され、前記リリーフ孔と前記開放ポートとを連通する第2連通部と、前記リリーフ孔内に配置され、前記第2連通部を閉塞可能な弁体と、前記リリーフ孔内に配置され、前記弁体を所定の押圧力で付勢するバネ部材と、を備え、前記バネ部材のバネ力は、前記吐出ポートから吐出されるオイルの圧力が所定値以上となった場合に前記弁体が移動して前記第2連通部を開放するように設定されていることを特徴とする。
本発明に係る車両用油圧回路では、前記開放ポートと前記吸入ポートは、一つの部屋で構成されており、前記吸入ポートと前記被駆動部とを連結するジョイント部材により、前記開放ポートと前記吸入ポートとが区画されていることを特徴とする。
本発明に係る車両用油圧回路では、前記ポンプ本体は、前記モータ部に取り付けられるポンプケースと、前記ポンプケースに設けられたポンプ室と、前記ポンプ室に回転自在に配置されたアウタロータと、前記モータ部の回転軸と一体回転し、前記アウタロータと協働して前記オイルを吸入して該オイルを吐出する作動室を形成するインナロータと、を有するトロコイド式ポンプであることを特徴とする。
また、吐出ポート、リリーフバルブおよび吸入ポートと、電動ポンプとにより閉回路が形成されることがない。このため、車両用油圧回路の作動信頼性を確実に向上することができる。
図1は、車両用油圧回路の概略構成図である。
同図に示すように、車両用油圧回路1は、車両に搭載された被駆動部としてのミッション3と、オイルタンク(オイルサンプ)4と、オイルタンク4に貯留されたオイルをミッション3に供給するための機械式ポンプ5、および電動ポンプ6と、ミッション3側に設けられ、電動ポンプ6とミッション3とを連結する接続部材2と、を主構成としている。
そして、機械式ポンプ5が駆動すると、第1吸入油路7を介してオイルタンク4から機械式ポンプ5にオイルが吸入され、このオイルが第1吐出油路8を介してミッション3に圧送される。ミッション3で使用されたオイルは、第1リターン油路9を介してオイルタンク4に戻される。
そして、機械式ポンプ5が停止して電動ポンプ6が駆動すると、第2吸入油路10を介してオイルタンク4から電動ポンプ6の後述するポンプ室24にオイルが吸入され、このオイルが第2吐出油路11および第1吐出油路8を介してミッション3に圧送される。
さらに、第2吐出油路11内のオイルの圧力が所定値以上になった場合、その圧力を開放するために、後述するリリーフ手段42により、オイルを第2リターン油路12を介して第1リターン油路9に戻すようになっている。
電動ポンプ6は、モータ部14と、モータ部14に連結されモータ部14と同軸上に配置されたポンプ部15と、を備えている。
モータ部14は、例えば樹脂により形成されたモータケース16と、モータケース16内にインサート成形によって固定されたステータ17と、ステータ17の径方向内側に、回転自在に設けられたロータ18と、を備えたいわゆるブラシレスモータである。モータ部14に外部電源(例えば、バッテリ)からの電力を供給することにより、ロータ18が回転する。ロータ18の回転軸19は、ポンプ部15内に向かって突出しており、このポンプ部15と連結されている。
ポンプ本体21は、モータ部14およびブラケット22に挟持されるように固定されたポンプケース23を有している。ポンプケース23は、例えばアルミダイキャストにより形成されている。ポンプケース23内には、略円筒状のポンプ室24が形成されており、ここに略リング状のアウタロータ25が回転自在に設けられている。
そして、これらアウタロータ25とインナロータ26とにより、いわゆるトロコイド式ポンプが構成される。すなわち、アウタロータ25の図示しない内歯と、インナロータ26の図示しない外歯とにより形成される空間の容積を変化させることで、オイルを吸入してこのオイルを吐出する作動室27が形成される。
図2〜図5に示すように、ブラケット22は、例えばアルミダイキャストにより形成され、ポンプケース23の端面23aと接合可能に平板状に形成されている。そして、ブラケット22は、ポンプケース23側の端面22aとは反対側の端面22bに、接続部材2が連結される。
なお、ポンプケース23の端面23aには、このポンプケース23とブラケット22との間のシール性を確保するための図示しないOリングが設けられている。
また、以下の説明では、ブラケット22において、ポンプケース23側の端面22aを、ポンプケース側端面22aと称し、ポンプケース側端面22aとは反対側の端面22bを接続部材側端面22bと称して説明する。
また、ブラケット22の外周部には、このブラケット22を接続部材2に不図示のボルトによって締結固定するための3つのボルト座33(第1ボルト座33a、第2ボルト座33b、第3ボルト座33c)が、周方向にほぼ等間隔で3箇所形成されている。各ボルト座33には、不図示のボルトを挿通可能な挿通孔33dが形成されている。
また、ブラケット22には、ポンプケース23のポンプ室24に対応する箇所に、吸入ポート28および吐出ポート29が形成されている。
なお、吸入ポート28と開放ポート37との区画方法については後述する。
さらに、ブラケット22には、リリーフ孔34の大径孔34aにおける小径孔34b側と開放ポート37とを連通する第2連通孔36が形成されている。
また、ブラケット22の大径孔34aには、小径孔34b側から順に弁体38、コイルバネ39が収納されている。そして、大径孔34aにおけるブラケット22の側面22c側には、雌ネジ部40が刻設されており、ここにキャップボルト41がワッシャ41aを介在させて螺入されている。
また、接続部材2の第2吐出油路11と吐出ポート29の第1通路29aとが同軸上に配置され、これら第2吐出油路11と第1通路29aとが吐出側ジョイントパイプ44を介して連結される。そして、各ジョイントパイプ43,44の軸方向両端側には、それぞれOリング45a,45bが装着され、第2吸入油路10と吸入ポート28の第1通路28aとの接続箇所のシール性、および第2吐出油路11と吐出ポート29の第1通路29aとの接続箇所のシール性が確保されている。
また、開放ポート37は、接続部材2にブラケット22を取り付けた状態で、接続部材2の第2リターン油路12と連結されるようになっている。
なお、ブラケット22の接続部材側端面22bには、このブラケット22と接続部材2との間のシール性を確保するために環状溝22d内に図示しないOリングが設けられており、開放ポート37から吐出されたオイルが外部に流出しないようになっている。
次に、図1に基づいて、車両用油圧回路1の動作について説明する。
同図に示すように、車両のミッション3を駆動させる場合、不図示のエンジンが駆動している間は、機械式ポンプ5が作動される。つまり、エンジンの動力が機械式ポンプ5に伝達されてこの機械式ポンプ5が駆動し、オイルタンク4から第1吸入油路7を介してオイルが吸入される。機械式ポンプ5に吸入されたオイルは、第1吐出油路8を介してミッション3に圧送される。ミッション3で使用されたオイルは、第1リターン油路9を介してオイルタンク4に戻される。
ミッション3で使用されたオイルは、機械式ポンプ5の駆動時と同様、第1リターン油路9を介してオイルタンク4に戻される。
このため、電動ポンプ6内に吸入されるオイルにエア等の異物が混入していても、リリーフバルブ42のリリーフ孔34と弁体38との隙間を通過して排出されるエアが直接吸入ポート28側に戻ることがないので、電動ポンプ6がエア等の異物を含んだ状態のオイルを、直接吸入することがない。このため、オイルの吐出圧を速やかに高めることができると共に、オイルを確実に吐出させることができる。よって、電動ポンプ6の作動信頼性を確実に向上することができる。
また、ポンプ部15を、アウタロータ25とインナロータ26とからなるいわゆるトロコイド式ポンプとした場合であっても、オイルにエア等の異物の混入時にポンプ性能の低下を抑えることができる。このため、電動ポンプ6、車両用油圧回路1の作動信頼性を向上できる。
また、リリーフバルブ42を市販されているものに代えて、リリーフバルブ42のみをブラケット22とは別体としてもよい。
2…接続部材
3…ミッション(被駆動部)
4…オイルタンク
5…機械式ポンプ
6…電動ポンプ
7…第1吸入油路(油路)
8…第1吐出油路(油路)
9…第1リターン油路(油路)
10…第2吸入油路(吸入孔)
11…第2吐出油路(吐出孔)
12…第2リターン油路(リターン孔)
14…モータ部
15…ポンプ部
21…ポンプ本体
22…ブラケット
23…ポンプケース
24…ポンプ室
25…アウタロータ
26…インナロータ
27…作動室
28…吸入ポート
29…吐出ポート
34…リリーフ孔
35…第1連通孔(第1連通部)
36…第2連通孔
37…開放ポート
38…弁体
39…コイルバネ(バネ部材)
42…リリーフバルブ(リリーフ手段)
43…吸入側ジョイントパイプ(ジョイント部材)
Claims (9)
- モータ部と、
前記モータ部により駆動されるポンプ部と、
一端が前記ポンプ部に連結され、オイルを前記ポンプ部へと導くための吸入ポートと、
一端が前記ポンプ部に連結され、前記ポンプ部から吐出される前記オイルを被駆動部へと導くための吐出ポートと、
前記吐出ポートに連結され、該吐出ポートから吐出される前記オイルの圧力が所定値以上になった場合に、該圧力を低減させるために前記吐出ポートを開放する開放ポートを有するリリーフ手段と、
を備え、
ポンプ部は、
前記オイルを吸入、吐出するポンプ本体と、
前記ポンプ本体を前記被駆動部に取り付けるためのブラケットと、を備え、
前記ブラケットに、前記吸入ポート、前記吐出ポート、および前記リリーフ手段と、を設け、
前記開放ポートと前記吸入ポートは、一つの部屋で構成されており、前記吸入ポートと前記被駆動部とを連結するジョイント部材により、前記開放ポートと前記吸入ポートとが区画され、
前記吸入ポートの他端、前記吐出ポートの他端、および前記開放ポートは、それぞれ別々の油路に連結されていることを特徴とする電動ポンプ。 - 前記ブラケットは、前記ポンプ本体と前記被駆動部との間に配置される平板状の部材であって、
前記リリーフ手段は、
前記ブラケットの側面から前記ブラケットを端面からみて略中央となる位置に至る間に形成されたリリーフ孔と、
該リリーフ孔と前記吐出ポートとを連通する第1連通部と、
前記リリーフ孔の途中から前記開放ポートに至る間に形成され、前記リリーフ孔と前記開放ポートとを連通する第2連通部と、
前記リリーフ孔内に配置され、前記第2連通部を閉塞可能な弁体と、
前記リリーフ孔内に配置され、前記弁体を所定の押圧力で付勢するバネ部材と、を備え、
前記バネ部材のバネ力は、前記吐出ポートから吐出されるオイルの圧力が所定値以上となった場合に前記弁体が移動して前記第2連通部を開放するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の電動ポンプ。 - 前記ポンプ本体は、
前記モータ部に取り付けられるポンプケースと、
前記ポンプケースに設けられたポンプ室と、
前記ポンプ室に回転自在に配置されたアウタロータと、
前記モータ部の回転軸と一体回転し、前記アウタロータと協働して前記オイルを吸入して該オイルを吐出する作動室を形成するインナロータと、を有するトロコイド式ポンプであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動ポンプ。 - 電動ポンプと、
オイルが供給されて駆動する被駆動部と、
前記被駆動部に連結され、車両のエンジンにより駆動される機械式ポンプと、を備え、
前記被駆動部は、該被駆動部と前記電動ポンプとを連結する接続部材を含んでいる車両用油圧回路であって、
前記電動ポンプは、
モータ部と、
前記モータ部により駆動されるポンプ部と、
一端が前記ポンプ部に連結され、前記オイルを前記ポンプ部へと導くための吸入ポートと、
一端が前記ポンプ部に連結され、前記ポンプ部から吐出される前記オイルを前記被駆動部へと導くための吐出ポートと、
前記吐出ポートに連結され、該吐出ポートから吐出される前記オイルの圧力が所定値以上になった場合に、該圧力を低減させるために前記吐出ポートを開放する開放ポートを有するリリーフ手段と、
を備え、
前記吸入ポートの他端、前記吐出ポートの他端、および前記開放ポートは、それぞれ別々の油路に連結されており、
前記接続部材は、
前記オイルが貯留されるオイルタンクに接続される吸入孔と、
前記被駆動部に前記オイルを供給する吐出孔と、
前記被駆動部から前記オイルタンクに前記オイルを戻すリターン油路に接続されるリターン孔と、
を備え、
前記吸入孔と前記吸入ポートとが連結され、前記吐出孔と前記吐出ポートとが連結され、前記リターン孔と前記開放ポートとが連結されることを特徴とする車両用油圧回路。 - 前記開放ポートと前記吸入ポートは、一つの部屋で構成されており、
前記吸入ポートと前記被駆動部とを連結するジョイント部材により、前記開放ポートと前記吸入ポートとが区画されていることを特徴とする請求項4に記載の車両用油圧回路。 - 前記ポンプ部は、
前記オイルを吸入、吐出するポンプ本体と、
前記ポンプ本体を前記被駆動部に取り付けるためのブラケットと、を備え、
前記ブラケットに、前記吸入ポート、前記吐出ポート、および前記リリーフ手段と、を設けたことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の車両用油圧回路。 - 前記ブラケットは、前記ポンプ本体と前記被駆動部との間に配置される平板状の部材であって、
前記リリーフ手段は、
前記ブラケットの側面から前記ブラケットを端面からみて略中央となる位置に至る間に形成されたリリーフ孔と、
該リリーフ孔と前記吐出ポートとを連通する第1連通部と、
前記リリーフ孔の途中から前記開放ポートに至る間に形成され、前記リリーフ孔と前記開放ポートとを連通する第2連通部と、
前記リリーフ孔内に配置され、前記第2連通部を閉塞可能な弁体と、
前記リリーフ孔内に配置され、前記弁体を所定の押圧力で付勢するバネ部材と、を備え、
前記バネ部材のバネ力は、前記吐出ポートから吐出されるオイルの圧力が所定値以上となった場合に前記弁体が移動して前記第2連通部を開放するように設定されていることを特徴とする請求項6に記載の車両用油圧回路。 - 前記開放ポートと前記吸入ポートは、一つの部屋で構成されており、前記吸入ポートと前記被駆動部とを連結するジョイント部材により、前記開放ポートと前記吸入ポートとが区画されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の車両用油圧回路。
- 前記ポンプ本体は、
前記モータ部に取り付けられるポンプケースと、
前記ポンプケースに設けられたポンプ室と、
前記ポンプ室に回転自在に配置されたアウタロータと、
前記モータ部の回転軸と一体回転し、前記アウタロータと協働して前記オイルを吸入して該オイルを吐出する作動室を形成するインナロータと、を有するトロコイド式ポンプであることを特徴とする請求項6〜請求項8の何れか1項に記載の車両用油圧回路。
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