JP2014019229A - 運転支援装置 - Google Patents

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Mayumi Iwao
眞由美 岩男
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Abstract

【課題】車両を転回させながら目標後退位置へ後退させる運転者を好適に支援する。
【解決手段】動作判定部30は、車速がゼロであり、サイドブレーキOFFであり、且つシフトポジションがRレンジのとき、車両が停車状態から後退状態へ移行する可能性が高い後退準備状態であると判定する。転回角度推定部28は、車両が後退準備状態であると判定されたとき、車両が後退状態へ移行した後の予想転回角度が所定転回角度以上であるか否かをハンドル操舵角に基づいて推定する。スイブル量演算部29は、予想転回角度が所定転回角度以上の場合の方が所定転回角度未満の場合よりも鏡面が外向きに傾斜するように鏡面の推奨ミラー角度を決定する。ミラー駆動制御部26は、決定された推奨ミラー角度で鏡面が傾斜するようにステッピングモータ9を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に搭載される運転支援装置に関する。
特許文献1には、乗員サイドミラーの水平チルト位置を検出し、ミラーの水平チルト位置が所定範囲内にあるときはミラーを下方に所定量傾斜し、ミラーの水平チルト位置が所定範囲外にあるときはミラーを所定範囲内の所定位置まで内側或いは外側に傾斜した後に下方に所定量傾斜するバックミラーのチルト方法が記載されている。
特許文献2には、トランスミッションがリバース位置に切り換えられたときに、リバース位置データに基づいてミラーの移動を制御するミラー制御装置及びミラー制御方法が記載されている。リバース位置データは、ミラーが下方へ向き且つ車体の写り込みが大きい左右位置が設定される。
特開2002-178835号公報 特開2002-283917号公報
例えば車庫入れや縦列駐車時などのように、車両を転回させながら所定の領域(目標後退位置)に向かって後退させる場合、バックミラーの鏡面の好適な水平スイブル量(前後方向に対する鏡面角度)は必ずしも一律ではなく、車両の転回角度によって相違する。
しかし、特許文献1及び特許文献2の方法では、車両の後退時の転回角度とは無関係にバックミラーの鏡面の水平スイブル量(水平チルト位置及び左右位置)が設定されるため、運転者の運転操作を十分に支援することができない可能性がある。
本発明は、上記実状に鑑み、車両を転回させながら後退させる運転者を好適に支援することが可能な運転支援装置の提供を目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明の第1の態様は、バックミラーとミラー駆動手段とを有する車両に搭載される運転支援装置であって、車両情報検出手段と車両状態判定手段と転回角度推定手段と推奨ミラー角度決定手段とミラー駆動手段と、を備える。バックミラーは、車両の側部に設けられ、上下方向に沿った回転軸を中心として傾動可能な鏡面によって車両の側後方を映す。ミラー駆動手段は、バックミラーの鏡面を上記回転軸を中心として傾動させる。
車両情報検出手段は、車両の状態に関する車両情報を逐次検出する。車両状態判定手段は、車両が停車状態から後退状態へ移行する可能性が高い後退準備状態であるか否かを、車両情報検出手段が検出した車両情報に基づいて判定する。転回角度推定手段は、車両が後退準備状態であると車両状態判定手段が判定したとき、車両が後退状態へ移行した後の予想転回角度が所定転回角度以上であるか否かを、車両情報検出手段が検出した車両情報に基づいて推定する。推奨ミラー角度決定手段は、予想転回角度が所定転回角度以上の場合の方が所定転回角度未満の場合よりも鏡面が外向きに傾斜するように鏡面の推奨ミラー角度を転回角度推定手段の推定結果に応じて決定する。ミラー駆動制御手段は、上記決定された推奨ミラー角度で鏡面が傾斜するようにミラー駆動手段を制御するミラー角度調整処理を実行する。
車両情報検出手段が検出する車両情報は、車両の速度(車速)と、エンジンと駆動輪軸との間に介設された変速機構のギヤ段(変速ギヤ段)を特定するシフトポジションと、運転者によって操舵操作されるハンドルの回転角度(ハンドル操舵角)とを含んでもよい。車両状態判定手段は、車両が停車中(車速がゼロ)であり且つ変速ギヤ段がリバース(シフトポジションがリバースポジション)であると判定したとき、車両が後退準備状態であると判定してもよい。
転回角度推定手段は、予想転回角度が所定転回角度以上であるか否かを、車両が後退準備状態へ移行する前に検出された車両情報に基づいて推定してもよい。
上記構成では、後退準備状態のバックミラーの鏡面は、その後に車両が後退したと仮定した場合の予想転回角度が所定転回角度以上の場合(大きい場合)の方が所定転回角度未満の場合(小さい場合)よりも外向きに傾斜するように設定される。例えば、車庫入れのように後退時の車両の転回角度が大きい場合の鏡面は、運転者が車両の周囲の状況を認識し易いように、車両の映り込み量が少ない外向きとなる。反対に、縦列駐車のように後退時の車両の転回角度が小さい場合の鏡面は、運転者が車両と車外構造物との位置関係を把握し易いように、車両の映り込み量が大きい内向きとなる。このように、予想転回角度に応じた的確な推奨ミラー角度に鏡面が設定されるので、鏡面に映る鏡像によって運転者の運転操作を好適に支援することができる。
また、車両を転回させながら目標後退位置に向かって後退させている最中において、車両の転回角度に応じて鏡面が水平方向にスイブルされると、運転者がミラー空間内にイメージする空間認識の軸が勝手に動いてしまう感覚となり、バックミラーでの外界状況把握を困難化してしまう可能性がある。これに対し、上記構成では、後退開始前の後退準備状態において、その後の後退時の予想転回角度を推定し、推定した予想転回角度に応じた推奨ミラー角度に鏡面を水平スイブルするので、車両の後退中において運転者がミラー空間内にイメージする空間認識の軸が固定され、空間認識の軸の移動による外界状況把握の困難化を招くことがない。
本発明の第2の態様は、第1の態様の運転支援装置であって、ミラー駆動制御手段は、車両が後退準備状態であると車両状態判定手段が判定している場合に限りミラー角度調整処理を実行する。
上記構成では、後退準備状態であることを条件にミラー角度調整処理を実行するので、車両が後退状態へ移行した後の鏡面の水平スイブルを確実に防止することができる。従って、運転者がミラー空間内にイメージする空間認識の軸が後退開始前に完全に固定され、空間認識の軸の移動による外界状況把握の困難化を確実に防止することができる。
本発明の第3の態様は、第2の態様の運転支援装置であって、車両を停車状態から後退状態へ移行させるために運転者が操作する所定の被操作部の状態を検出する被操作部検出手段をさらに備える。ミラー駆動制御手段は、車両が後退準備状態であると車両状態判定手段が判定し、且つ停車状態の維持に対応した被操作部の状態を被操作部検出手段が検出したとき、ミラー角度調整処理を開始する。また、ミラー駆動制御手段は、ミラー角度調整処理の実行中において、後退状態への移行に対応した被操作部の状態を被操作部検出手段が検出したとき、実行しているミラー角度調整処理を中断又は終了する。
被操作部検出手段は、車両情報検出手段とは別であってもよく、車両情報検出手段に含まれてもよい。被操作部検出手段は、車両の停車状態を維持するための維持操作と停車状態から他の状態へ移行させるための移行操作とを運転者が選択的に操作可能な被操作部の状態を検出してもよい。ミラー駆動制御手段は、車両が後退準備状態であると車両状態判定手段が判定し、且つ被操作部が維持操作された状態であると被操作部検出手段が検出したとき、ミラー角度調整処理を開始してもよい。ミラー駆動制御手段は、ミラー角度調整処理の実行中において、被操作部が維持操作された状態であると被操作部検出手段が検出している間はミラー角度調整処理の実行を継続し、被操作部が移行操作された状態であると被操作部検出手段が検出したときに実行中のミラー角度調整処理を中断又は終了してもよい。
上記所定の被操作部は、例えば車両を前進状態から停車状態へ移行させる際に踏み込まれ、停車状態を維持している間は踏込が保持され、車両を停車状態から後退状態へ移行させる際に踏込が解除されるフットブレーキであってもよい。被操作部検出手段は、フットブレーキのON(踏込)/OFF(踏込解除)を検出してもよい。ミラー駆動制御手段は、車両が後退準備状態であると判定され、且つフットブレーキのONが検出されたとき、ミラー角度調整処理を開始してもよい。ミラー駆動制御手段は、フットブレーキのONが検出されている間はミラー角度調整処理の実行を継続し、フットブレーキのOFFが検出されたときミラー角度調整処理を中断又は終了してもよい。
上記構成では、ミラー角度調整処理の実行中に被操作部が運転者から操作され、被操作部が停車状態の維持に対応した状態から後退状態への移行に対応した状態に変化すると、ミラー駆動制御手段は、実行しているミラー角度調整処理を中断又は終了する。
従って、運転者は、被操作部への操作によって意図的に且つ任意のタイミングでミラー角度調整処理を中断又は終了させることができ、所望の水平スイブル量に鏡面を設定することができる。
また、被操作部は、停車状態の車両を後退状態へ移行させるための操作対象であるので、後退状態への移行の際に必要な一連の操作の中での付加的な操作によって、ミラー角度調整処理の開始と中断又は終了とを行うことができ、操作性が良好である。
本発明の第4の態様は、第3の態様の運転支援装置であって、ミラー駆動制御手段は、ミラー角度調整処理の中断中において、被操作部に対する所定の再開指示操作を被操作部検出手段が検出したとき、中断しているミラー角度調整処理を再開する。
所定の再開指示操作は、停車状態を維持する範囲内での操作であることが好ましい。
所定の被操作部が上記フットブレーキである場合、被操作部検出手段は、フットブレーキの踏込量を検出してもよい。ミラー駆動制御手段は、フットブレーキの踏込量が所定踏込量未満の間はミラー角度調整処理の中断を継続し、フットブレーキの踏込量が所定踏込量以上となったときにミラー角度調整処理を再開してもよい。
上記構成では、ミラー角度調整処理の中断中に運転者が被操作部に対して再開指示操作を行うと、ミラー駆動制御手段は、中断しているミラー角度調整処理を再開する。
従って、運転者は、被操作部への操作によって意図的に且つ任意のタイミングでミラー角度調整処理の中断及び再開を行うことができるので、鏡面の水平スイブルを一時的に停止させて鏡面に映る鏡像を都度確認しながら、所望の水平スイブル量に鏡面を設定することができる。
本発明の第5の態様は、第1の態様の運転支援装置であって、車両状態判定手段は、車両が停車状態から前進状態へ移行する可能性が高い前進準備状態であるか否か(停車+RレバーOFF)を、車両情報検出手段が検出した車両情報に基づいて判定する。ミラー駆動制御手段は、ミラー角度調整処理の実行後に車両が前進準備状態であると車両状態判定手段が判定したとき、ミラー角度調整処理を実行する前の調整前ミラー角度で鏡面が傾斜するようにミラー駆動手段を制御するミラー角度復帰処理を実行し、ミラー角度調整処理の実行中に車両が前進準備状態であると車両状態判定手段が判定したとき、実行中のミラー角度調整処理を終了してミラー角度復帰処理を実行する。
上記構成では、車両が停車状態から前進状態へ移行する可能性が高い前進準備状態であると車両状態判定手段が判定すると、バックミラーの鏡面は、ミラー角度調整処理の実行中又は実行後の何れであっても、ミラー角度調整処理が実行される前の調整前ミラー角度に戻される。従って、運転者は、車両の後退後の前進時において、鏡面角度の再調整を要することなく、後退前の鏡面角度で走行することができる。
本発明の第6の態様は、第5の態様の運転支援装置であって、車両を停車状態から前進状態へ移行させるために運転者が操作する被操作部の状態を検出する被操作部検出手段をさらに備える。ミラー駆動制御手段は、車両が前進準備状態であると車両状態判定手段が判定し、且つ前進状態への移行に対応した被操作部の状態を被操作部検出手段が検出したとき、ミラー角度復帰処理を開始する。
被操作部検出手段は、上記維持操作と上記移行操作とを運転者が選択的に操作可能な被操作部の状態を検出してもよい。ミラー駆動制御手段は、車両が前進準備状態であると車両状態判定手段が判定し、且つ被操作部が移行操作された状態であると被操作部検出手段が検出したとき、ミラー角度復帰処理を開始してもよい。
上記所定の被操作部は、上記フットブレーキであってもよく、被操作部検出手段は、フットブレーキのON/OFFを検出してもよく、ミラー駆動制御手段は、車両が前進準備状態であると判定され、且つフットブレーキのOFFが検出されたとき、ミラー角度調整処理を実行してもよい。
上記構成では、運転者は、被操作部を操作することによってミラー復帰処理の実行を開始するか否かの切り換えを行うことができる。
本発明の第7の態様は、第1〜第6の態様の運転支援装置であって、モード設定操作を受け付けて自動調整モードを設定し、モード解除操作を受け付けて自動調整モードを解除するモード設定手段を備える。ミラー駆動制御手段は、モード設定手段によって自動調整モードが設定されていることを条件として、ミラー角度調整処理を実行する。
上記構成では、ミラー角度調整処理を実行するか否かをモード設定手段によるモードの切り換えによって予め設定しておくことができる。
本発明によれば、車両を転回させながら目標後退位置に向かって後退させる運転者を好適に支援することができる。
本発明の一実施形態のバックミラーの鏡面を運転席から視た状態を示す模式図であり、(a)は外向きを、(b)は通常時を、(c)は内向きをそれぞれ示す。 本発明の一実施形態の運転支援装置の機能ブロック図である。 図2の運転支援装置によって制御される報知音の出力パターンを示す図である。 車両を左後退させて車庫入れする場合の後退前後のハンドル操舵角の変化と車両の挙動とを時系列的に表した図である。 転回角度の大小による操舵状況の違いをイメージとして示した図である。 本実施形態のデータ更新処理を示すフローチャートである。 本実施形態の転回角度推定処理を示すフローチャートである。 本実施形態のミラー角度調整処理を示すフローチャートである。 本実施形態のミラー角度復帰処理を示すフローチャートである。
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、運転支援装置3が搭載される車両1がトラック(商用車)の場合を説明するが、本発明の運転支援装置3は、乗用車など様々な種類の車両に搭載可能である。また、以下の説明において、前後方向は車両の前後方向であり、左右方向は車両前方を向いた状態での左右方向である。
図1に示すように、車両1のキャブ2の左右の側部前端(図1では左側のみを図示している)には、車室外に配置されて車両1の側後方を映すバックミラー(サイドミラー)4がそれぞれ設けられている。バックミラー4は、その鏡面5が上下方向に沿った回転軸(図示省略)を中心として傾動可能(水平スイブル可能)にキャブ2側に支持されている。バックミラー4(鏡面5)の水平スイブルは、図2に示すように、ステッピングモータ(ミラー駆動手段)9によって実行され、運転支援装置3のミラー駆動制御部(ミラー駆動制御手段)26は、ステッピングモータ9を制御してバックミラー4の水平スイブル量(前後方向に対する鏡面角度)を調節する。
なお、バックミラー4の鏡面5は、水平スイブルに加えて、左右方向に沿った回転軸を中心として傾動可能(垂直スイブル可能)であってもよい。また、車両が乗用車やピックアップトラックなどの場合、ドアミラーやフェンダーミラーがバックミラーとなる。
運転席に着座した運転者が視認可能なバックミラー4の鏡面5の鏡像は、バックミラー4の水平スイブル量によって相違する。例えば、図1(a)に示すように水平スイブル量が多くバックミラー4が外向きに大きく傾斜した状態(前後方向に対して垂直方向に近づいた状態)では、鏡面5の横幅DMに対する車両1の鏡像MVの横幅DVの占有率が低く、車両1の車幅方向外側の領域が広い範囲で映る。図1(a)の状態から水平スイブル量が減少する(鏡面5が内向きに傾動する)に従って、図1(b)及び(c)に示すように鏡面5の横幅DMに対する車両1の鏡像MVの横幅DVの占有率が増加し、車両1の車幅方向外側の視認可能範囲(左右方向の範囲)が狭まる。なお、鏡面5の横幅DMに対する車両1の鏡像MVの横幅DVの占有率は、図1(a)では約10%、図1(b)では約30%、図1(c)では約50%であり、通常の走行時(前進時)における占有率は、30%程度が好適である。
[運転支援の概要]
車両1を走行路8から転回させながら後退させて所定の領域(目標後退位置)6に進入させる転回後退時の態様には、走行路8に対して略直交する方向に車両1の前後方向が向くように後退させるいわゆる車庫入れ(図5(a)及び(c)参照)や、走行路8と略平行な方向に車両1の前後方向が向くように後退させるいわゆる縦列駐車(図5(b)参照)が含まれる。
運転支援装置3が実行する運転支援では、車両1を転回後退させる運転者にとって、転回後退時の態様に応じた好適な鏡像が映されるように、バックミラー4の鏡面5の水平スイブル量を調整する制御(ミラースイブル制御)を実行する。
具体的には、車庫入れのように後退時の車両1の転回角度が大きい場合には、運転者が車両1の周囲の状況を認識し易いように、バックミラー4のミラー調整値(前後方向に対する鏡面角度である鏡面5の水平スイブル量)を通常時よりもやや外側(車両1の映り込み量が少ない外向き)に設定する。一方、縦列駐車のように後退時の車両1の転回角度が小さい場合には、運転者が車両1と車外構造物との位置関係を把握し易いように、バックミラー4のミラー調整値(鏡面5の水平スイブル量)を通常時よりもやや内側(車両1の映り込み量が多い内向き)に設定する。通常時のミラー調整値とは、通常の走行時(前進時)の一般的な運転者にとって側後方の視認に好適な鏡面角度となるミラー調整値(例えば、鏡面5の幅DMに対する車両1の鏡像MVの幅DVの占有率が30%となるミラー調整値)である。
また、車両1が転回しながら後退している最中にバックミラー4の鏡面角度が車両1の転回角度の変動に応じて変更されると、運転者は、ミラー空間内にイメージしている空間認識の軸が勝手に動いてしまう感覚を持つため、かえってバックミラーによる外界状況把握を難しくしてしまう恐れがある。このため、本実施形態の運転支援装置3は、車両1の走行状態に関する車両情報を逐次取得し、取得した車両情報に基づいて車両1の後退開始時(後述する後退準備状態)であるか否かを判定し、車両1の後退開始時であると判定したとき、車両1の後退開始前に取得した車両情報を用いてその後の車両1の転回角度を推定(予測)する。そして、推定した転回角度に応じた好適なミラー調整値(推奨ミラー角度)を決定し、決定したミラー調整値にバックミラー4の鏡面角度を設定し、車両1の後退中はバックミラー4の鏡面角度をそのまま維持する。すなわち、車両1の後退中はミラースイブル制御を実行しない。
さらに、運転支援装置3は、実行中のミラースイブル制御の停止(中断)を指示する入力や、停止されたミラースイブル制御の再実行(再開)を指示する入力を、運転者から任意のタイミングで受け付ける。運転者は、ミラースイブル制御の停止や再実行を指示することによって、バックミラー4を所望の水平スイブル量に意図的に調節することができる。また、運転支援装置3は、特別ではない通常の後退時の車両制御操作(本実施形態ではブレーキペダルの踏込解除及び再踏み込み後の強い踏み増し)によって、ミラースイブル制御の停止及び再実行の指示入力を受け付ける。
[後退時の転回角度の推定]
次に、車両1の転回角度の推定方法について、図4及び図5を参照して説明する。図4は、車両1を左後退させて車庫入れする場合において、左後退時(ハンドルを左に切りつつ後退している時)の後退前後のハンドル操舵角θSの変化と車両1の挙動とを時系列的に表した図である。ハンドル操舵角θSは、ハンドルが全く切られていない状態をゼロとし、右にハンドルを切った状態をプラス側に、左をマイナス側にカウントする。
一般に、車庫入れや縦列駐車時などのように車両1を転回させながら後退させて目標後退位置6に進入させる場合、運転者は、目標後退位置6の入口前方の走行路8を低速で横切りながら前進走行して目標後退位置6を確認し(図4(a))、車両1を減速しながら車両1の前端を目標後退位置6よりも前方で目標後退位置6の反対側を向くように振った状態(事前の頭の逆振り状態)で一時停止した後(図4(b)及び(c))、目標後退位置6に向かって後退するようなアプローチを取る(図4(d)及び(e))。詳細には、車両1の一時停止に際し、運転者は、後退時の転回方向とは逆側に(車両1の後端を左側へ転回させる図4の例ではやや右側に)ハンドルを切り(図4(b))、停止直前にハンドルを切り戻し、さらにハンドルを転回方向と同側(図4の例では左側)に必要と思われる分だけ切って車両1を一時停止させる(図4(c))。そしてシフトをリバースに入れ、必要に応じてハンドルの切り増し調整をして、後退発進を開始する(図4(d))。後退開始後は、舵角が不足していればハンドルを切り増しし、最終的には目標後退位置6への到達時にハンドル操舵角θSがゼロになるように戻していく(図4(e))。なお、図4及び後述する図5において、後退時の転回方向とは逆側にハンドルを最も切った最大逆振り時Tsを(1)で示し、シフトレバーをリバースポジションPに入れるタイミング(リバースシフト時)Trを(2)で示している。
図5は、転回角度の大小による操舵状況の違いをイメージとして示した図であり、後退前後のハンドル操舵角θSの変化と車両1の挙動とを時系列的に表している。なお、図5(a)は目標後退位置6の対向位置に障害物が存在しない場合の車庫入れ時の状況を示し、図5(b)は縦列駐車時の状況を示し、図5(c)は目標後退位置6の対向位置に存在する障害物によってハンドル操舵角θSが制限される場合の車庫入れ時の状況を示す。
図5(a)に示すように、目標後退位置6の対向位置に障害物が存在しない車庫入れ時では、事前の頭の逆振りが大きいため図中(1)で示す最大逆振り時Tsのハンドル操舵角θSsの絶対値が大きく、一時停止後の車両1は大きな転回角度で後退するという挙動を示す。
図5(b)に示すように、縦列駐車時では、事前の頭の逆振りが小さいため図中(1)で示す最大逆振り時Tsのハンドル操舵角θSsの絶対値が小さく、一時停止後に小さな転回角度で後退するという挙動を示す。
図5(c)に示すように、目標後退位置6の対向位置に障害物が存在する車庫入れ時では、空間的な制約のために事前の頭の逆振りを大きく取ることができず、図中(1)で示す最大逆振り時Tsのハンドル操舵角θSsの絶対値は小さいが、一時停止後の車両1は大きな転回角度で後退するという挙動を示す。
また、ともに最大逆振り時Tsのハンドル操舵角θSsの絶対値が小さくなる図5(b)と図5(c)とを比較すると、両者は、図中(1)で示す最大逆振り時Tsから図中(2)で示すリバースシフト時Trにかけての単位時間当たりの操舵角変化(ハンドル操舵角θSの変化率ΔθS)が相違する。すなわち、一時停止後の車両1が小さな転回角度で後退する図5(b)では、ハンドル操舵角θSの変化率ΔθSが小さく、一時停止後の車両1が大きな転回角度で後退する図5(c)では、ハンドル操舵角θSの変化率ΔθSが大きい。
このように、車両1の後退時の転回角度の大小によって、最大逆振り時Tsのハンドル操舵角θSsの絶対値の大きさや、最大逆振り時Tsのハンドル操舵角θSsとリバースシフト時Trのハンドル操舵角θSrとの関係が相違するため、運転支援装置3は、これら(θSs,θSr)に基づいて、車両1の後退前に後退開始後の転回角度(予想転回角度)を推定(予想)する処理(転回角度推定処理)を実行する。具体的には、転回角度推定処理において、最大逆振り時Tsのハンドル操舵角θSsの絶対値が所定の判定基準角θc以上の場合には、予想転回角度が所定転回角度以上である(大きい)と推定する。また、最大逆振り時Tsのハンドル操舵角θSsの絶対値が所定の判定基準角θc未満であり、且つ最大逆振り時Tsからリバースシフト時Trまでのハンドル操舵角θSの変化率ΔθSが所定の判定基準値Δθc未満の場合には、予想転回角度が所定転回角度未満である(小さい)と推定する。また、最大逆振り時Tsのハンドル操舵角θSsの絶対値が所定の判定基準角θc未満であり、且つ最大逆振り時Tsからリバースシフト時Trまでのハンドル操舵角θSの変化率ΔθSが所定の判定基準値Δθc以上の場合には、予想転回角度が所定転回角度以上である(大きい)と推定する。
なお、運転支援装置3は、ハンドル操舵角θSの変化率ΔθSを最大逆振り時Tsのハンドル操舵角θSsとリバースシフト時Trのハンドル操舵角θSrとから算出してもよく、最大逆振り時Tsからリバースシフト時Trまでの操舵角速度として測定してもよい。また、転回角度推定処理で用いる判定基準角θcや判定基準値Δθcは、予め実験的に求められて設定された固定値であってもよく、ユーザによってプリセットされた値であってもよい。
[運転支援装置3の構成]
車両1に搭載される運転支援装置3は、図2に示すように、支援処理実行部10と、シフトスイッチ11と、車速測定部(車速センサ)12と、クラッチスイッチ13と、ハンドル舵角測定部(舵角センサ)14と、サイドブレーキスイッチ15と、ブレーキ踏込量測定部(ブレーキ移動量検出センサ)16と、バックアイカメラ17と、アラウンドビューカメラ18と、自動スイッチ(モード設定手段)19と、調節スイッチ20と、ブザー21と、ミラー角度検出部32とを備える。
支援処理実行部10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、内部時計、タイマ22等を備えた電算処理装置である。CPUは、ROMに記憶された運転支援プログラムに従って処理を実行することにより、バックアイカメラ白線認識部24、アラウンドビューカメラ白線認識部25、ミラー駆動制御部(ミラー駆動制御手段)26、ブザー発令部27、転回角度推定部(転回角度推定手段)28、スイブル量演算部(推奨ミラー角度決定手段)29及び動作判定部(車両状態判定手段)30として機能する。ROM又はRAMはデータ記憶部31として機能し、データ記憶部31には、各処理で用いる閾値のデータを予め記憶する領域や、各処理で取得又は算出したデータを一時的に記憶する領域等が設定される。なお、以下の説明において、転回角度推定部28とスイブル量演算部29と動作判定部30とデータ記憶部31とを含む機能構成を演算部23と称する。
バックミラー4の鏡面5は、1ステップを制御単位とするステッピングモータ9によってスイブル(傾動)される。ミラー角度検出部32は、バックミラー4の鏡面5の角度(水平スイブル量)を所定時間毎に検出し、その検出結果を検出鏡面角度(現在のミラー角度)θMnとして支援処理実行部10へ送信する。
シフトスイッチ11は、シフトレバー(図示省略)のシフトポジションを所定時間毎に検出して支援処理実行部10へ送信する。シフトポジションは、エンジン(図示省略)と駆動輪軸(図示省略)との間に介設された変速機構(図示省略)のギヤ段(図示省略)を特定する情報である。本実施形態のシフトポジションは、車両1を前進させるためのドライブポジションDと、エンジン(図示省略)との接続を解除するニュートラルポジションNと、車両1を後退させるためのリバースポジションR(Rレンジ)と、車両1の停車状態を維持させるためのパーキングポジジョンP(Pレンジ)とを含む。なお、車両1がマニュアルトランスミッション(MT)車の場合、ドライブポジションDは、1速、2速、3速、・・・というシフトポジションになる。車速測定部12は、例えば車輪(図示省略)の回転速度を検出することによって車両1の速度(車速)Vを所定時間毎に検出し、検出した車速Vを支援処理実行部10へ送信する。クラッチスイッチ13は、クラッチ(図示省略)のON/OFF(断/接)を所定時間毎に検出し、その検出結果を支援処理実行部10へ送信する。ハンドル舵角測定部14は、運転者によって操舵操作されるハンドル(図示省略)の回転角度をハンドル操舵角θSとして所定時間毎に検出し、検出したハンドル操舵角θSを支援処理実行部10へ送信する。検出されるハンドル操舵角θSは、車両1を直進させる中立位置に対する左右方向の回転角度(絶対値)である。サイドブレーキスイッチ15は、車両1に対する制動力を継続させて車両1の停車状態を保持するために操作されるサイドブレーキ(図示省略)のON/OFF(制動付与/制動解除)を所定時間毎に検出し、その検出結果を支援処理実行部10へ送信する。ブレーキ踏込量測定部16は、車両1に対して所望の制動力を付与するために踏み込まれるフットブレーキ(図示省略)の踏込量(非踏込位置からの移動量)をブレーキ踏込量として所定時間毎に検出し、検出したブレーキ踏込量を支援処理装置10へ送信する。なお、ブレーキ踏込量がゼロの場合にはフットブレーキが踏込解除状態(OFF)であり、ブレーキ踏込量が正の値であるときはフットブレーキが踏込状態(ON)であるため、ブレーキ踏込量の検出によって、フットブレーキの状態(ON/OFF(踏込による制動付与/踏込解除による制動解除))も検出される。
シフトポジションと車速Vとハンドル操舵角θSとサイドブレーキの状態(ON/OFF)とは、車両1の状態に関する車両情報であり、シフトスイッチ11と車速測定部12とハンドル操舵角測定部14とサイドブレーキスイッチ15とは、車両の状態に関する車両情報を逐次検出する車両情報検出手段を構成する。
前進走行中の車両1を停車後に後退させる場合、運転者は、車両1を停車させる際(前進状態から停車状態へ移行させる際)にフットブレーキを踏み込み、停車状態を維持している間はフットブレーキの踏込を継続し、後退させる際(停車状態から後退状態へ移行させる際)にフットブレーキの踏込を解除する。同様に、後退中の車両1を停車後に前進させる場合、運転者は、車両1を停車させる際(後退状態から停車状態へ移行させる際)にフットブレーキを踏み込み、停車状態を維持している間はフットブレーキの踏込を継続し、前進させる際(停車状態から前進状態へ移行させる際)にフットブレーキの踏込を解除する。すなわち、フットブレーキは、車両1の停車状態を維持するための維持操作(踏込)と、停車状態から他の状態(後退状態又は前進状態)へ移行させるための移行操作(踏込解除)とを、運転者が選択的に操作可能な被操作部であり、ブレーキ踏込量測定部16は、被操作部の状態(フットブレーキのON(踏込)/OFF(踏込解除)、ブレーキ踏込量)を検出する被操作部検出手段として機能する。
バックアイカメラ17は、車両1の後端部に取り付けられて車両1の後下方を撮像し、その画像データ(動画像データ又は静止画像データ)をバックアイカメラ白線認識部24へ送信する。バックアイカメラ白線認識部24は、バックアイカメラ17から受信した画像データを解析し、車両1の後下方の白線7(図5に示す)を認識(抽出)する。アラウンドビューカメラ18は、車両1の側部に取り付けられて車両1の側下方を撮像し、その画像データ(動画像データ又は静止画像データ)をアラウンドビューカメラ白線認識部25へ送信する。アラウンドビューカメラ白線認識部25は、アラウンドビューカメラ17から受信した画像データを解析し、車両1の側下方の白線7を認識(抽出)する。バックアイカメラ白線認識部24及びアラウンドビューカメラ白線認識部25の認識対象となり得る白線7は、図5(a)及び(c)に示すように駐車スペース(目標後退位置6)の幅を規定する枠線7aか、或いは図5(b)に示すように走行路8の路肩を示す車線7bである。バックアイカメラ白線認識部24及びアラウンドビューカメラ白線認識部25は、認識した白線7に対する車両1の傾斜角度(白線7と車両1の前後方向との交叉角度)をそれぞれ算出し、算出した傾斜角度を演算部23へ出力する。なお、バックアイカメラ白線認識部24及びアラウンドビューカメラ白線認識部25は、白線7の抽出が困難なために傾斜角度が算出不能の場合には、傾斜角度が算出不能である旨を示す所定の情報を演算部23へ出力する。
動作判定部30は、車両1が停車状態から後退状態へ移行する可能性が高い後退準備状態であるか否か、車両1が停車状態から前進状態へ移行する可能性が高い前進準備状態であるか否か、ミラー角度調整処理の開始条件、中断条件及び再開条件の成立の可否、及び後述するミラー角度復帰処理の開始条件の成立の可否を、シフトスイッチ11が検出するシフトポジションと、車速測定部12が検出する車速Vと、サイドブレーキスイッチ15が検出するサイドブレーキの状態(ON/OFF)とに基づいて判定する。後退準備状態及び前進準備状態は、ともに停車状態に含まれる。
後退準備状態に関し、動作判定部30は、車速Vがゼロであり、サイドブレーキがOFFであり、且つシフトポジションがRレンジ(リバースON)であるときに、車両1が後退準備状態であると判定する。
前進準備状態に関し、動作判定部30は、車速Vがゼロであり、サイドブレーキがOFFであり、且つシフトポジションがRレンジ以外(リバースOFF)であるときに、車両1が後退準備状態であると判定する。
ミラー角度調整処理の開始条件に関し、動作判定部30は、車両1が後退準備状態であり、且つフットブレーキがONであるときに、ミラー角度調整処理の開始条件が成立していると判定する。
ミラー角度調整処理の中断条件に関し、動作判定部30は、ミラー角度調整処理の実行中において、フットブレーキがONである間はミラー角度調整処理の中断条件が成立せず、フットブレーキがONからOFFに変更されたときに、ミラー角度調整処理の中断条件が成立したと判定する。
ミラー角度調整処理の再開条件に関し、動作判定部30は、ミラー角度調整処理の中断中において、フットブレーキの踏込量が所定踏込量未満である間はミラー角度調整処理の再開条件が成立せず、フットブレーキの踏込量が所定踏込量以上である(停車保持のための通常の踏み込みよりも強く踏み増された)ときに、ミラー角度調整処理の再開条件が成立したと判定する。フットブレーキを強く踏み込む操作は、中断中のミラー角度調整を再開させるための所定の再開指示操作であり、停車状態を維持するフットブレーキのON状態の範囲内での操作である。
ミラー角度復帰処理の開始条件に関し、動作判定部30は、車両1が前進準備状態であり、且つフットブレーキがOFFであるときに、ミラー角度復帰処理の開始条件が成立していると判定する。また、動作判定部30は、車両1が前進準備状態であり、且つブレーキ踏込量が所定踏込量以上である(フットブレーキが強く踏み増された)ときに、ミラー角度復帰処理の開始条件が成立していると判定する。
車両1が後退準備状態へ移行した動作判定部30が判定すると、転回角度推定部28は転回角度判定処理を実行する。転回角度判定処理では、車両1が後退状態へ移行した後の予想転回角度が所定転回角度以上であるか否かを、車両1が徐行(低速走行)から停車して後退準備状態へ移行するまでの期間にハンドル操舵角測定部14が検出したハンドル操舵角θSに基づいて推定する。
具体的には、前進走行中の車両1が減速し、車速Vが所定速度(本実施形態では5km/h)以下になると、転回角度推定部28は、車両1が停車するまでの継続した期間において、一定周期(例えば0.1秒周期)でハンドル舵角測定部14が検出したハンドル操舵角θSを逐次取得し、ハンドル操舵角θSを取得する毎に、今回取得したハンドル操舵角θS(絶対値)が前回取得したハンドル操舵角θS(絶対値)を超えているか否かを判定し、超えている場合に限り今回のハンドル操舵角θSを更新して記憶し、車両1の停止時(車速Vがゼロ)に記憶されているハンドル操舵角θS(取得したハンドル操舵角θSの最大値)を最大逆振り時Tsのハンドル操舵角θSsとして記憶する。また、車両1が停止し(車速Vがゼロ)、サイドブレーキがOFFのままリバースレンジRにシフトチェンジされると、転回角度推定部28は、その時のハンドル操舵角θSをリバースシフト時Trのハンドル操舵角θSrとして記憶する。
そして、最大逆振り時Tsのハンドル操舵角θSsの絶対値が所定の判定基準角θc以上の場合には、予想転回角度が所定転回角度以上である(大きい)と推定する。最大逆振り時Tsのハンドル操舵角θSsの絶対値が所定の判定基準角θc未満であり、且つ最大逆振り時Tsからリバースシフト時Trまでのハンドル操舵角θSの変化率ΔθSが所定の判定基準値Δθc未満の場合には、予想転回角度が所定転回角度未満である(小さい)と推定する。最大逆振り時Tsのハンドル操舵角θSsの絶対値が所定の判定基準角θc未満であり、且つ最大逆振り時Tsからリバースシフト時Trまでのハンドル操舵角θSの変化率ΔθSが所定の判定基準値Δθc以上の場合には、予想転回角度が所定転回角度以上である(大きい)と推定する。
また、本実施形態では、バックアイカメラ17及びアラウンドビューカメラ18からの画像データを、予想転回角度の大小の推定に補助的に用いている。例えば、図5(b)に示すように車両1を白線7(車線7b)に沿って縦列駐車する場合において、最大逆振り時Tsからリバースシフト時Trまでの間に運転者がハンドルの切り増し調整を過剰に行い、ハンドル操舵角θSの変化率ΔθSが増大して判定基準値Δθc以上になると、予想転回角度が所定転回角度以上であると誤って推定される。このような不都合を回避するため、転回角度推定部28は、バックアイカメラ白線認識部24が算出した車両1の傾斜角度が所定の基準傾斜角度未満である場合、又はアラウンドビューカメラ白線認識部25が算出した車両1の傾斜角度が上記基準傾斜角度未満である場合には、最大逆振り時Tsのハンドル操舵角θSsの絶対値が所定の判定基準角θc未満であり、且つ最大逆振り時Tsからリバースシフト時Trまでのハンドル操舵角θSの変化率ΔθSが所定の判定基準値Δθc以上であっても、予想転回角度が所定転回角度未満である(小さい)と推定する。なお、転回角度推定部28は、バックアイカメラ白線認識部24から傾斜角度が算出不能である旨を示す情報が入力されている場合には、バックアイカメラ17からの画像データを用いた上記補助的な推定を実行せず、アラウンドビューカメラ白線認識部25から傾斜角度が算出不能である旨を示す情報が入力されている場合には、アラウンドビューカメラ18からの画像データを用いた上記補助的な推定を実行しない。また、バックアイカメラ17やアラウンドビューカメラ18が搭載されていない車両1では、上記処理は省略される。
データ記憶部31には、予想転回角度が所定転回角度未満である場合に好適な推奨ミラー角度θMB(内向き推奨ミラー角度θMBa)と、予想転回角度が所定転回角度以上である場合に好適な推奨ミラー角度θMB(外向き推奨ミラー角度θMBb)とが予め記憶されている。本実施形態の内向き推奨ミラー角度θMBaは、鏡面5の横幅DMに対する車両1の鏡像MVの横幅DVの占有率が35%〜40%程度となるミラー角度であり、外向き推奨ミラー角度θMBbは、鏡面5の横幅DMに対する車両1の鏡像MVの横幅DVの占有率が20%〜25%程度となるミラー角度である。
スイブル量演算部29は、予想転回角度が所定転回角度以上であると転回角度推定部28が推定した場合には、データ記憶部31から外向き推奨ミラー角度θMBbを読み出し、予想転回角度が所定転回角度未満であると転回角度推定部28が推定した場合には、データ記憶部31から内向き推奨ミラー角度θMBaを読み出す。スイブル量演算部29は、読み出した推奨ミラー角度θMBとミラー角度検出部32が検出した検出鏡面角度(現在のミラー角度)θMn1との差分ΔθM1(θMB−θMn1)を算出し、算出した差分ΔθM1をステッピングモータ9のステップ数に換算し、そのステップ数をミラー駆動制御部26に出力する。差分ΔθM1が正の値の場合には、鏡面9を外向きに傾動させる方向にステッピングモータ9の回転方向を規定する正の値のステップ数が出力され、差分ΔθM1が負の値の場合には、鏡面9を内向きに傾動させる方向にステッピングモータ9の回転方向を規定する負の値のステップ数が出力される。なお、本処理において検出した検出鏡面角度θMn1は、後述するミラー角度復帰処理のために用いる調整前ミラー角度θMrとして記憶される。
ミラー駆動制御部26は、ミラー角度調整処理の開始条件が成立した動作判定部30が判定したとき、予想転回角度に対応した推奨ミラー角度θMBで鏡面5が傾斜するようにステッピングモータ9を制御するミラー角度調整処理を開始する。ミラー角度調整処理において、ミラー駆動制御部26は、スイブル量演算部29から入力されたステップ数(調整目標ステップ数)の回転をステッピングモータ9に指示する。
ミラー角度調整処理の実行中において、ミラー角度調整処理の中断条件が成立したと動作判定部30が判定すると、ミラー駆動制御部26は、実行しているミラー角度調整処理を中断し、タイマ22によって指示待ち時間の計時を開始する。指示待ち時間が所定時間に達する前にミラー角度調整処理の再開条件が成立したと動作判定部30が判定した場合、ミラー駆動制御部26は、中断しているミラー角度調整処理を再開する。一方、指示待ち時間が所定時間に達した場合、ミラー駆動制御部26は、中断しているミラー角度調整処理をそのまま終了する。これにより、ステッピングモータ9は、調整目標ステップ数まで回転せずに途中で停止する。
また、ミラー角度調整処理の実行中にシフトポジションがPレンジに変更され、車両1が後退準備状態ではないと動作判定部30が判定すると、ミラー駆動制御部26は、実行中のミラー角度調整処理を終了する。
ミラー角度調整処理が実行され、車両1が後退して停車し、車両1が前進準備状態へ移行したと動作判定部30が判定すると、スイブル量演算部29は、ミラー角度調整処理を実行する前の調整前ミラー角度θMrとミラー角度検出部32が検出した検出鏡面角度(現在のミラー角度)θMn2との差分ΔθM2(θMr−θMn2)を算出し、ΔθM1の場合と同様に、算出した差分ΔθM2をステッピングモータ9のステップ数に換算し、そのステップ数(復帰目標ステップ数)をミラー駆動制御部26に出力する。また、スイブル量演算部29は、ミラー角度調整処理の途中で車両1が前進準備状態へ移行したと動作判定部30が判定した場合も、スイブル量演算部29は、差分ΔθM2を算出して対応するステップ数を出力する。
ミラー駆動制御部26は、ミラー角度復帰処理の開始条件が成立したと動作判定部30が判定したとき、調整前ミラー角度θMrで鏡面5が傾斜するようにステッピングモータ9を制御するミラー角度復帰処理を実行する。ミラー角度復帰処理において、ミラー駆動制御部26は、スイブル量演算部29から入力されたステップ数(復帰目標ステップ数)の回転をステッピングモータ9に指示する。
なお、ミラー角度復帰処理についても、ミラー角度調整処理と同様に、処理の中断及び再開が可能な制御としてもよい。この場合、例えば、動作判定部30は、ミラー角度復帰処理の実行中において、フットブレーキがOFFである間はミラー角度復帰処理の中断条件が成立せず、フットブレーキがOFFからONに変更されたときに、ミラー角度復帰処理の中断条件が成立したと判定し、ミラー角度復帰処理の中断中において、フットブレーキがONであり且つブレーキ踏込量が所定踏込量未満である間はミラー角度復帰処理の再開条件が成立せず、ブレーキ踏込量が所定踏込量以上となったとき(強く踏み込まれたとき)に、ミラー角度復帰処理の再開条件が成立したと判定してもよい。ミラー駆動制御部26は、ミラー角度復帰処理の実行中において、ミラー角度復帰処理の中断条件が成立したと動作判定部30が判定すると、実行しているミラー角度復帰処理を中断し、タイマ22によって指示待ち時間の計時を開始し、指示待ち時間が所定時間に達する前にミラー角度復帰処理の再開条件が成立したと動作判定部30が判定した場合には、中断しているミラー角度復帰処理を再開し、指示待ち時間が所定時間に達した場合には、中断しているミラー角度復帰処理をそのまま終了してもよい。ミラー角度復帰処理の再開条件に関しフットブレーキの継続踏込時間(継続してONとなる時間)が所定時間以上であることを成立条件としてもよい。
自動スイッチ19は、通常モードと自動調整モードとの切替操作を受けるスイッチである。支援処理実行部10は、自動スイッチ19の自動調整モード側への切替操作(モード設定操作)によって自動調整モードに設定され、自動スイッチ19の通常モード側への切替操作(モード解除操作)によって通常モードに設定される。ミラー駆動制御部26は、自動調整モードが設定されていることを条件として、ミラー角度調整処理及びミラー角度復帰処理を実行する。調節スイッチ20は、通常モードにおいて、鏡面5のスイブル量の調節入力を受け付け、入力された調整量を指示する信号をミラー駆動制御部26へ送信する。運転者は、通常モードにおいて、調節スイッチ20を操作することによって、鏡面5のスイブル量を手動(マニュアル)で調節することができる。
ブザー発令部27は、演算部23からの指示に応じて、ブザー21から出力(発令)させる。本実施形態では、報知音(ブザー音)の出力パターンとして、図3に示すように、スイブル状況を示す単音と、モード切替えを示すニ連音と、目標スイブル値到達を示す長音の3パターンが予め設定されている。運転者は、ブザー21からの報知音によって、容易に現在のミラー調整作動状況を認識することができる。
[支援処理実行部10が実行する処理]
次に、支援処理実行部10が実行する処理について、図6〜図7のフローチャートを参照して説明する。本処理は、運転者がエンジンを始動することによって開始される。
図6に示すように、本処理を開始すると、自動スイッチ19がONであるか否かを判定し(ステップS1)、自動スイッチ19がONであれば(ステップS1:Yes)、スタンバイ状態へ移行する(ステップS2)。自動スイッチ19がOFFであれば(ステップS1:No)、自動スイッチ19がONに変更されるまで以降の処理を実行しない。
スタンバイ状態へ移行すると、まず、車速Vが5km/h以下であるか否かを判定する(ステップS3)。車速Vが5km/hを超えていれば(ステップS3:No)、スタンバイ状態(ステップS2)に戻り、車速Vが5km/h以下であれば(ステップS3:Yes)、ハンドル操舵角θSを測定し(ステップS4)、今回測定したハンドル操舵角θSが前回記憶したハンドル操舵角θS(最大逆振り時Tsのハンドル操舵角θSsの候補となる元のデータ)を超えているか否かを判定する(ステップS5)。なお、車速Vが最初に5km/h以下になったとき、タイマ22によって判定継続時間の計時を開始し、車速Vが5km/hを超えたとき(ステップS3:No)、判定継続時間の計時を終了してクリアする。
今回測定したハンドル操舵角θSが元のデータを超えている場合(ステップS5:Yes)、今回測定したハンドル操舵角θSを、元データに上書きして記憶し(ステップS6)、車速Vが最初に5km以下になってから所定時間が経過したか否か(判定継続時間が所定時間に達したか否か)を判定し(ステップS7)、判定継続時間が所定時間に達していれば(ステップS7:Yes)、車速Vが0km/h(停車状態)であるか否かを判定する(ステップS8)。車速Vが0km/hであれば(ステップS8:Yes)、シフトポジションがPレンジであるか否か、及びサイドブレーキがONであるか否かを判定する(ステップS9)。シフトポジションがPレンジ以外であり、且つサイドブレーキがOFFであれば(ステップS9:No)、シフトポジションがRレンジであるか否かを判定する(ステップS10)。
上記処理において、今回測定したハンドル操舵角θSが元のデータ以下の場合(ステップS5:No)、判定継続時間が所定時間に達していない場合(ステップS7:No)、車速Vが0km/hではない場合(ステップS8:No)、シフトポジションがPレンジであるか又は、サイドブレーキがONである場合(ステップS9:Yes)、シフトポジションがRレンジではない場合(ステップS10:No)には、スタンバイ状態(ステップS2)に戻る。すなわち、車速Vが0km/hを超えて5km/h以下の間は、ハンドル操舵角θSを一定周期(例えば0.1秒周期)で測定し(ステップS4)、元データよりも絶対値が大きくなった場合には更新して記憶する(ステップS5:Yes、ステップS6)。このデータ更新処理は、車速Vが0km/hであり、サイドブレーキがOFFであり、且つシフトポジションがRレンジとなるまで継続される。
シフトポジションがRレンジであれば(ステップS10:Yes)、ハンドル操舵角θSを測定してリバースシフト時Trのハンドル操舵角θSrとして記憶し(ステップS11)、バックアイカメラ画像の白線から転回角度(車両1の傾斜角度)を推定(算出)し(ステップS12)、アラウンドカメラ画像の白線から転回角度(車両1の傾斜角度)を推定(算出)して(ステップS13)、図7に示す転回角度判定処理へ移行する。
なお、転回角度判定処理へ移行時において、直近のステップS6の処理により更新して記憶されたハンドル操舵角θSが最大逆振り時Tsのハンドル操舵角θSsである。
図7に示すように、転回角度判定処理(転回角の大小判定)を開始すると、直近のステップS6の処理により更新して記憶された最大逆振り時Tsのハンドル操舵角θSsが十分大きいか否か(ハンドル操舵角θSsの絶対値が所定の判定基準角θc以上か否か)を判定する(ステップS21)。ハンドル操舵角θSsが十分大きくない(判定基準角θc未満である)場合には(ステップS21:No)、最大逆振り時Tsからリバースシフト時Trまでのハンドル操舵角θSの変化率ΔθSが十分大きいか否か(変化率ΔθSが判定基準値Δθc以上か否か)を判定する(ステップS22)。ハンドル操舵角θSsが十分大きい(判定基準値Δθc以上である)場合には(ステップS22:Yes)、ステップS12で推定したバックアイカメラ画像からの推定角度が大きいか否か(車両1の傾斜角度が所定の基準傾斜角度以上か否か)を判定し(ステップS23)、推定角度が大きい(傾斜角度が基準傾斜角度以上である)場合(ステップS23:Yes)、ステップS13で推定したアラウンドカメラ画像からの推定角度が大きいか否か(車両1の傾斜角度が所定の基準傾斜角度以上か否か)を判定する(ステップS24)。
最大逆振り時Tsのハンドル操舵角θSsが十分大きい場合(ステップS21:Yes)、或いは、最大逆振り時Tsのハンドル操舵角θSsは十分大きくなく(ステップS21:No)、最大逆振り時Tsからリバースシフト時Trまでのハンドル操舵角θSの変化率ΔθSが十分大きく(ステップS22:Yes)、バックアイカメラ画像からの推定角度が大きく(ステップS23:Yes)、且つアラウンドカメラ画像からの推定角度が大きい場合(ステップS24:Yes)は、予想転回角度が所定転回角度以上である(大きい)と推定し、対応する推奨ミラー角度θMB(外向き推奨ミラー角度θMBb)を選択する(ステップS25)。
一方、最大逆振り時Tsのハンドル操舵角θSsと最大逆振り時Tsからリバースシフト時Trまでのハンドル操舵角θSの変化率ΔθSとが、ともに十分大きくない場合(ステップS21:No、ステップS22:No)、或いは、最大逆振り時Tsのハンドル操舵角θSsが十分大きくなく(ステップS21:No)、最大逆振り時Tsからリバースシフト時Trまでのハンドル操舵角θSの変化率ΔθSが十分大きく(ステップS22:Yes)、且つバックアイカメラ画像及びアラウンドカメラ画像からの各推定角度の少なくとも一方が小さい場合(ステップS23:No、ステップS24:No)は、予想転回角度が所定転回角度未満である(小さい)と推定し、対応する推奨ミラー角度θMB(内向き推奨ミラー角度θMBa)を選択する(ステップS26)。
推奨ミラー角度θMBを選択すると(ステップS25、ステップS26)、図8に示すスイブル調整へ移行する。
図8に示すように、ミラー角度調整処理(スイブル調整)を開始すると、現在のミラー角度(検出鏡面角度)θMn1を取得し(ステップS31)、ステップS25又はステップS26で選択した推奨ミラー角度θMB(θMBb又はθMBa)と現在のミラー角度θMn1との差分ΔθM1(θMB−θMn1)を算出し、算出した差分ΔθM1をステップ数に換算し(ステップS32)、シフトポジションがRレンジ以外か否か(リバースOFFか否か)を判定する(ステップS33)。
リバースONであれば(ステップS33:No)、フットブレーキがOFFか否かを判定し(ステップS34)、フットブレーキがOFFであれば(ステップS34:Yes)、ミラー角度を1ステップスイブルするとともに、単音のブザー音を発令し(ステップS35)、総ステップ数が差分ΔθM1を満たしたか否かを判定し(ステップS36)、差分ΔθM1を満たしていなければ(ステップS36:No)、ステップS33へ戻る。すなわち、リバースONで(ステップS33:No)、フットブレーキOFF(ステップS34:Yes)である場合には、差分ΔθM1を満たすまで(推奨ミラー角度θMBに達するまで)、ステップS33〜ステップS36の処理(ミラー角度調整処理)を継続して実行する。
ミラー角度調整処理の実行中にフットブレーキがOFFになると(ステップS34:Yes)、ミラー角度調整処理の実行中であればその処理を中断し、指示待ち時間の計時を開始し、現在のミラー角度(検出鏡面角度)θMn2を取得するとともに、長音のブザー音を発令し(ステップS38)、フットブレーキがONか否かを判定する(ステップS38)。
フットブレーキがONであれば(ステップS38:Yes)、さらにフットブレーキが強く踏み増されたか否かを判定し(ステップS39)、強く踏み込み増されていなければ(ステップS39:No)、指示待ち時間が所定時間に達したか否かを判定し(ステップS40)、所定時間に達していれば(ステップS40:Yes)、ステップS31へ戻る。
フットブレーキが強く踏み増されると(ステップS39:Yes)、二連音のブザー音を発令して、ステップS31へ戻る。すなわち、ミラー角度調整処理を中断している場合には、その処理を再開する。
スイブル調整において、シフトポジションがRレンジから他のレンジへ変更されると(ステップS33:Yes)、図9に示すミラー角度復帰処理へ移行する。また、スイブル調整移行後の最初のステップS31の処理によって取得したミラー角度θMn1は、ミラー角度調整処理を実行する前の調整前ミラー角度θMrとして記憶する。なお、最後のステップS37の処理で取得したミラー角度θMn2は、調整後ミラー角度として記憶される。
図9に示すように、ミラー角度復帰処理(復帰判定)を開始すると、フットブレーキがONか否かを判定し(ステップS41)、フットブレーキがOFFであれば(ステップS41:No)、ステップS42以降の処理へ移行する。フットブレーキがONであれば(ステップS41:Yes)、フットブレーキがOFFに変更されるまで以降の処理を実行しない。
フットブレーキがOFFであれば(ステップS41:No)、調整前ミラー角度θMnrを読み込み(ステップS42)、直近(スイブル調整における最後)のステップS37の処理により取得されたミラー角度θMn2を調整後ミラー角度として読み込み(ステップS43)、調整前ミラー角度θMnrと調整後ミラー角度θMn2とが一致しているか否かを判定し(ステップS44)、一致していれば(ステップS44:Yes)、本処理を終了する。
調整前ミラー角度θMnrと調整後ミラー角度θMn2とが相違していれば(ステップS44:No)、調整前ミラー角度θMnrと調整後ミラー角度θMn2との差分ΔθM2(θMnr−θMn2)を算出し、算出した差分ΔθM2をステップ数に換算し(ステップS45)、フットブレーキがON(再踏み込み)か否かを判定する(ステップS46)。フットブレーキがOFFであれば(ステップS46:No)、ミラー角度を差分ΔθM2だけスイブルして(ステップS47)、本処理を終了する。
フットブレーキがONであれば(ステップS46:Yes)、二連音のブザー音を発令し、ミラー角度を調整後ミラー角度θMn2のまま所定時間保持し、所定時間内にフットブレーキが強く踏み増されたか否かを判定する(ステップS49)。踏み増されなければ(ステップS49:No)、そのまま本処理を終了し、踏み増されると(ステップS49:Yes)、二連音のブザー音を発令し、ミラー角度を差分ΔθM2だけスイブルして(ステップS47)、本処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、後退準備状態のバックミラー4の鏡面5は、その後に車両1が後退したと仮定した場合の予想転回角度が所定転回角度以上の場合(大きい場合)の方が所定転回角度未満の場合(小さい場合)よりも外向きに傾斜するように設定される。例えば、車庫入れのように後退時の車両1の転回角度が大きい場合の鏡面5は、運転者が車両1の周囲の状況を認識し易いように、車両1の映り込み量が少ない外向きとなる。反対に、縦列駐車のように後退時の車両1の転回角度が小さい場合の鏡面5は、運転者が車両1と車外構造物との位置関係を把握し易いように、車両1の映り込み量が大きい内向きとなる。このように、予想転回角度に応じた的確な推奨ミラー角度に鏡面5が設定されるので、鏡面5に映る鏡像によって運転者の運転操作を好適に支援することができる。
車両1を転回させながら目標後退位置6に向かって後退させている最中において、車両1の転回角度に応じて鏡面5が水平方向にスイブルされると、運転者がミラー空間内にイメージする空間認識の軸が勝手に動いてしまう感覚となり、バックミラー4での外界状況把握を困難化してしまう可能性がある。これに対し、本実施形態では、後退開始前の後退準備状態において、その後の後退時の予想転回角度を推定し、推定した予想転回角度に応じた推奨ミラー角度に鏡面5を水平スイブルする。また、推奨ミラー角度への鏡面5の水平スイブルは、車両1が後退準備状態であることを条件に実行されるので、車両1が後退状態へ移行した後は、鏡面5は水平スイブルせず、鏡面5の位置は固定される。従って、運転者がミラー空間内にイメージする空間認識の軸が後退開始前に完全に固定され、空間認識の軸の移動による外界状況把握の困難化を確実に防止することができる。
運転者は、フットブレーキの踏み込み操作によって意図的に且つ任意のタイミングでミラー角度調整処理の開始、中断、再開及び終了を行うことができるので、鏡面の水平スイブルを一時的に停止させて鏡面に映る鏡像を都度確認しながら、所望の水平スイブル量に鏡面を設定することができる。
フットブレーキは、停車状態の車両1を後退状態へ移行させるための操作対象であるので、後退状態への移行の際に必要な一連の操作の中での付加的な操作によって、ミラー角度調整処理の開始と中断又は終了とを行うことができ、操作性が良好である。
前進準備状態のバックミラー4の鏡面5は、ミラー角度調整処理の実行中又は実行後の何れであっても、ミラー角度復帰処理が実行されることによって、ミラー角度調整処理が実行される前の調整前ミラー角度に戻される。従って、運転者は、車両1の後退後の前進時において、鏡面角度の再調整を要することなく、後退前の鏡面角度で走行することができる。
運転者は、フットブレーキの踏み込み操作によってミラー復帰処理の実行を開始するか否かの切り換えを行うことができる。
また、運転者、ミラー角度調整処理を実行するか否かを自動スイッチ19によるモードの切り換えによって予め設定しておくことができる。
なお、上述の実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は上述の実施形態に限定されることはなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、上述の実施形態以外であっても種々の変更が可能であることは勿論である。
例えば、上記実施形態ではフットブレーキの踏み込み操作によってミラー角度調整処理の開始や中断等の指示を行っているが、例えばシフトレバーのシフト操作など他の操作部への操作によって係る指示を行うように構成してもよい。
また、処理の簡略化のため、ミラー角度調整処理における開始条件や中断条件等の付加は省略可能である。
本発明は、運転支援装置として種々の車両に搭載することができる。
1:車両
3:運転支援装置
4:バックミラー
5:鏡面
6:目標後退位置
9:ステッピングモータ(ミラー駆動手段)
10:支援処理実行部
11:シフトスイッチ(車両情報検出手段)
12:車速測定部(車両情報検出手段)
14:ハンドル操舵角測定部(車両情報検出手段)
15:サイドブレーキスイッチ(車両情報検出手段)
16:ブレーキ踏込量測定部(被操作部検出手段)
19:自動スイッチ(モード設定手段)
23:演算部
26:ミラー駆動制御部(ミラー駆動制御手段)
28:転回角度推定部(転回角度推定手段)
29:スイブル量演算部(推奨ミラー角度決定手段)
30:動作判定部(車両状態判定手段)

Claims (7)

  1. 車両の側部に設けられ、上下方向に沿った回転軸を中心として傾動可能な鏡面によって前記車両の側後方を映すバックミラーと、前記バックミラーの鏡面を前記回転軸を中心として傾動させるミラー駆動手段と、を有する前記車両に搭載される運転支援装置であって、
    前記車両の状態に関する車両情報を逐次検出する車両情報検出手段と、
    前記車両が停車状態から後退状態へ移行する可能性が高い後退準備状態であるか否かを、前記車両情報検出手段が検出した車両情報に基づいて判定する車両状態判定手段と、
    前記車両が後退準備状態であると前記車両状態判定手段が判定したとき、前記車両が停車状態から後退状態へ移行した後の予想転回角度が所定転回角度以上であるか否かを、前記車両情報検出手段が検出した車両情報に基づいて推定する転回角度推定手段と、
    予想転回角度が所定転回角度以上の場合の方が所定転回角度未満の場合よりも前記鏡面が外向きに傾斜するように前記鏡面の推奨ミラー角度を前記転回角度推定手段の推定結果に応じて決定する推奨ミラー角度決定手段と、
    前記推奨ミラー角度で前記鏡面が傾斜するように前記ミラー駆動手段を制御するミラー角度調整処理を実行するミラー駆動制御手段と、を備えた
    ことを特徴とする運転支援装置。
  2. 請求項1に記載の運転支援装置であって、
    前記ミラー駆動制御手段は、前記車両が後退準備状態であると前記車両状態判定手段が判定している場合に限りミラー角度調整処理を実行する
    ことを特徴とする運転支援装置。
  3. 請求項2に記載の運転支援装置であって、
    前記車両を停車状態から後退状態へ移行させるために運転者が操作する所定の被操作部の状態を検出する被操作部検出手段をさらに備え、
    前記ミラー駆動制御手段は、前記車両が後退準備状態であると前記車両状態判定手段が判定し、且つ停車状態の維持に対応した前記被操作部の状態を前記被操作部検出手段が検出したとき、ミラー角度調整処理を開始し、ミラー角度調整処理の実行中において、後退状態への移行に対応した前記被操作部の状態を前記被操作部検出手段が検出したとき、実行しているミラー角度調整処理を中断又は終了する
    ことを特徴とする運転支援装置。
  4. 請求項3に記載の運転支援装置であって、
    前記ミラー駆動制御手段は、ミラー角度調整処理の中断中において、前記被操作部に対する所定の再開指示操作を前記被操作部検出手段が検出したとき、中断しているミラー角度調整処理を再開する
    ことを特徴とする運転支援装置。
  5. 請求項1に記載の運転支援装置であって、
    前記車両状態判定手段は、前記車両が停車状態から前進状態へ移行する可能性が高い前進準備状態であるか否かを、前記車両情報検出手段が検出した車両情報に基づいて判定し、
    前記ミラー駆動制御手段は、前記ミラー角度調整処理の実行後に前記車両が前進準備状態であると前記車両状態判定手段が判定したとき、前記ミラー角度調整処理を実行する前の調整前ミラー角度で前記鏡面が傾斜するように前記ミラー駆動手段を制御するミラー角度復帰処理を実行し、前記ミラー角度調整処理の実行中に前記車両が前進準備状態であると前記車両状態判定手段が判定したとき、実行中のミラー角度調整処理を終了して前記ミラー角度復帰処理を実行する
    ことを特徴とする運転支援装置。
  6. 請求項5に記載の運転支援装置であって、
    後退準備状態の前記車両を前進状態へ移行させるために運転者が操作する被操作部の状態を検出する被操作部検出手段をさらに備え、
    前記ミラー駆動制御手段は、前記車両が前進準備状態であると前記車両状態判定手段が判定し、且つ前記被操作部が前進状態への移行に対応した状態であると前記被操作部検出手段が検出したとき、ミラー角度復帰処理を開始する
    ことを特徴とする運転支援装置。
  7. 請求項1〜請求項6のうち何れか1項に記載の運転支援装置であって、
    モード設定操作を受け付けて自動調整モードを設定し、モード解除操作を受け付けて前記自動調整モードを解除するモード設定手段を備え、
    前記ミラー駆動制御手段は、前記モード設定手段によって前記自動調整モードが設定されていることを条件として、前記ミラー角度調整処理を実行する
    ことを特徴とする運転支援装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016181870A1 (ja) * 2015-05-12 2016-11-17 株式会社東海理化電機製作所 車両用視認制御装置
JP2017210166A (ja) * 2016-05-26 2017-11-30 アルパイン株式会社 車載表示システム

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