JP2014018753A - 抗シンタリング触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】シンタリング現象による性能低下が生じない抗シンタリング触媒を提供する。
【解決手段】多孔質体により構成された抗シンタリング触媒であって、前記多孔質体が、反応対象物質を前記多孔質体内部に進入可能とする細孔を有し、前記多孔質体に前記反応対象物質に対する触媒活性を付与する金属原子が、前記多孔質体内に分散して存在し、かつ、前記金属原子が、前記多孔質体に酸素原子を介して結合している抗シンタリング触媒。
【選択図】なし

Description

本発明は、排気浄化などの用途に用いることができる抗シンタリング性を有する触媒に関する。
浄化対象となる物質に対して触媒活性を有する金属からなる微粒子が内部に担持された多孔質体が、自動車(ガソリンエンジン、あるいは、ディーゼルエンジン)の排気ガス中の一般的な窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、粒子状物質(PM(Particulate Matter))などを分解する排気浄化触媒として一般に用いられている。
しかしながら、このような排気浄化触媒を長期間使用すると、微粒子を構成する上記の金属の融点未満での使用にもかかわらず、微粒子が移動して微粒子同士が凝集し、その結果、微粒子の比表面積が減少して、触媒活性が低くなると云うシンタリング現象と云われる問題が生じる。
このようなシンタリング防止のために、酸化セリウム膜上に上記金属からなる微粒子を配置する技術、あるいは、磁力を用いる技術(特許文献1)等の対策が検討されているが、前者では多孔質体内部でのシンタリング防止は困難であり、後者ではシンタリング防止のために設備が必要となるなど、ともに本質的な解決をもたらすものではなかった。
特開2006−55803号公報
本発明は、上記した従来の問題点を改善する、すなわち、シンタリング現象による性能低下が生じない抗シンタリング触媒を提供することを目的とする。
本発明の抗シンタリング触媒は上記課題を解決するため、請求項1に記載の通り、多孔質体により構成された抗シンタリング触媒であって、前記多孔質体が、反応対象物質を前記多孔質体内部に進入可能とする細孔を有し、前記多孔質体に前記反応対象物質に対する触媒活性を付与する金属原子が、前記多孔質体内に分散して存在し、かつ、前記金属原子が、前記多孔質体に酸素原子を介して結合していることを特徴とする抗シンタリング触媒である。
また、本発明の抗シンタリング触媒は、請求項2に記載の通り、請求項1に記載の抗シンタリング触媒において、前記多孔質体が、四面体の4つの頂点位置と中心位置とにそれぞれ原子が配置されて構成された四面体構造体が前記頂点位置の原子を互いに共有して多数連結されて構成されていることを特徴とする。
また、本発明の抗シンタリング触媒は、請求項3に記載の通り、請求項2に記載の抗シンタリング触媒において、前記頂点位置に配置された原子が酸素原子であり、かつ、前記中心位置に配置された原子が、ケイ素、リン、及び、アルミニウムから選ばれた1種または2種以上の原子であることを特徴とする。
また、本発明の抗シンタリング触媒は、請求項4に記載の通り、請求項2に記載の抗シンタリング触媒において、前記中心位置に配置された前記原子の一部が、前記金属原子に置換されていることを特徴とする。
また、本発明の抗シンタリング触媒は、請求項5に記載の通り、請求項3ないし請求項4のいずれか1項に記載の抗シンタリング触媒において、前記金属原子が、前記四面体の頂点の前記酸素原子と結合したセリウムと酸素原子を介して結合していることを特徴とする。
本発明の抗シンタリング触媒は、多孔質体が、反応対象物質を前記多孔質体内部に進入可能とする細孔を有し、前記多孔質体に前記反応対象物質に対する触媒活性を付与する金属原子が、前記多孔質体内に分散して存在し、かつ、前記金属原子が、前記多孔質体に酸素原子を介して結合している構成を有しているので、シンタリングによる性能低下が生じない、優れた抗シンタリング触媒である。
また、前記多孔質体が、四面体の4つの頂点位置と中心位置とにそれぞれ原子が配置されて構成された四面体構造体が前記頂点位置の原子を互いに共有して多数連結されて構成されていると、機械的強度、耐摩耗性、及び、耐熱性が向上し、さらには多孔質対の細孔の形状、大きさが特定の範囲となる多孔質体が多く、そのような多孔質体を用いた場合に、細孔による物質選択性を高めることができるので、触媒反応の効率が高くなるとともに、触媒としての寿命も長くなる。
ここで、前記頂点位置に配置された原子が酸素原子であり、かつ、前記中心位置に配置された原子が、ケイ素、リン、及び、アルミニウムから選ばれた1種または2種以上の原子であると機械的強度、耐摩耗性、及び、耐熱性が向上する。
また、前記中心位置に配置された前記原子の一部が、前記金属原子に置換されているとより高いシンタリング防止効果が得られる。
また、前記金属原子が、前記四面体の頂点の前記酸素原子と結合したセリウムと酸素原子を介して結合していると、特に高いシンタリング防止効果が得られる。
図1(a)は抗シンタリング触媒AのX線回折分析結果である。図1(b)は国際ゼオライト学会によるZSM−5のX線解析パターンである。 図2は、排気ガス浄化性能評価及び抗シンタリング性の評価で用いた評価装置を示すモデル図である。 抗シンタリング触媒A(実施例1)と従来技術の触媒B(比較例)との抗シンタリング性を調べた結果を示すグラフである。 図4は抗シンタリング触媒BのX線回折分析結果である。 抗シンタリング触媒B(実施例2)の抗シンタリング性を調べた結果を示すグラフである。 図6(a)は実施例1及び比較例の触媒におけるシンタリング処理前後での400℃での触媒活性の保持率を比較したグラフである。図6(2)は実施例2及び比較例の触媒におけるシンタリング処理前後での300℃での触媒活性の保持率を比較したグラフである。
本発明における反応対象物質としては、有機物、無機物どちらであってもよく、反応が気相反応の場合には、反応対象物質としてはガス(あるいは蒸気)であっても固体粒子であってもよい。
このような反応対象物質の例として、排気ガス中に含まれる、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、あるいは、粒子状物質(PM)が挙げられる。
本発明の抗シンタリング触媒は、多孔質体により構成されていることが必要である。多孔質体は内部の面積が大きいので、多孔質体に前記反応対象物質に対する触媒活性を付与する金属原子からなる粒子、すなわち、触媒効果を付与するサイトを多く持つことができ、反応対象物質に対して高い触媒効果を得ることができるとともに、多孔質体の細孔により、反応対象物質を選択して内部に取り込むことができるので、触媒効果を妨げる物質を排除することができる等、触媒効果を高く、かつ、長期間維持させることが可能となる。
さらに、本発明における多孔質体は、例えば、多孔質性オキソ酸塩などのように、細孔を有しているものである必要があり、その細孔は反応対象物質を前記多孔質体内部に進入可能とすることが必要である。すなわち、用いる多孔質体は、反応対象物質に適した細孔径を有する細孔、例えば、細孔径が0.3nm〜1nmの細孔を有する多孔質体から選択する。
また、多孔質体の大きさとしては、0.01μm以上10μm以下であることが好ましく、より好ましい範囲は0.05μm以上0.2μm以下である。多孔質体の大きさが小さすぎると、取り扱い性が低下するとともに、多孔質体の強度が低く,壊れやすく、また、大きすぎると反応対象物質との接触効率が低くなりやすくなるとともに、例えばハニカム構造体に担持させるときの密着性が低下して脱落しやすい。
このような多孔質体の内、四面体の4つの頂点位置と中心位置とにそれぞれ原子が配置されて構成された四面体構造体が上記頂点位置の原子を互いに共有して多数連結されて構成されている多孔質体であると、機械的強度、耐摩耗性、及び、耐熱性が向上し、さらには多孔質対の細孔の形状、大きさが特定の範囲となる多孔質体が多く、そのような多孔質体を用いた場合に、細孔による物質選択性を高めることができるので、触媒反応の効率が高くなるとともに、触媒としての寿命も長くなる。
このような四面体の4つの頂点位置と中心位置とにそれぞれ原子が配置されて構成された四面体構造体の例として、中心位置に配置された原子がケイ素、リン、及び、アルミニウムから選ばれた1つまたは2つ以上の原子であり、かつ、前記頂点位置に配置された原子が酸素原子である多孔質体が挙げられ、このような多孔質対では、特に機械的強度、耐摩耗性、及び、耐熱性が高い。このような多孔質体の代表例として、ゼオライトが挙げられ、このようなゼオライトの例としては、フォージャサイト、ゼオライトA、ゼオライトX、ゼオライトY、フェリエライト、モルデナイト、ZSM−5などが挙げられる。
さらに、本発明における多孔質体は、反応対象物質に対する触媒活性を付与する金属原子が前記多孔質体内に分散して存在し、かつ、このような金属原子が上記の多孔質体に酸素原子を介して結合している必要がある。このような構成により、本発明に係る抗シンタリング触媒では使用開始当初から高い触媒活性が得られるともに、長期間維持される。
このような、酸素を介して結合されている、反応対象物質に対する触媒活性を付与する金属原子を有する多孔質体は、多孔質体を合成する際に、多孔質体を形成する原料に対して、多孔質体に酸素原子を介して上記金属原子を結合させる原料を添加することで得ることができる。
反応対象物質に対する触媒活性を付与する金属原子の金属としては、求められる触媒活性を有する金属を遷移金属及び希土類元素から選択する。
本発明における多孔質体が、上述のように四面体の4つの頂点位置と中心位置とにそれぞれ原子が配置されて構成され、かつ、四面体の4つの頂点位置に配置された原子が酸素原子である四面体構造体から構成されるとき、触媒活性を付与する金属原子も同様の、4つの頂点位置に配置された原子が酸素原子である四面体構造体の中心原子として配置され、かつ、この触媒活性を付与する金属原子を有する四面体構造体が上記多孔質体と一体となっていると、非常に高い抗シンタリング性が得られるので好ましい。ここで、このような4つの頂点位置に配置された原子が酸素原子である四面体構造体の中心原子となる原子の例としては鉄、コバルト、マンガン、モリブデン、銅などが挙げられる。
これら金属原子の、最終的に上記のように多孔質体に酸素を介して結合を行う金属化合物としては水溶性、可溶性を有する化合物を選択する。
多孔質体がゼオライトである場合、そのケイ素やアルミニウムが上記金属原子に一部置換されたゼオライトは、例えばゼオライトの代表的な合成方法の一つであるアルカリ水熱反応法において、酸素を介して結合される金属の供給源となる金属化合物を、公知のゼオライト合成原料、例えば、シリカ源となる物質、アルミニウム源となる物質、水、水酸化ナトリウムなどのアルカリ剤、及び、必要に応じて添加される鋳型剤あるいはテンプレート剤と呼ばれる有機分子(以下、「テンプレート剤」と云う)等とともに配合して反応させることにより得ることができる。さらにこの合成に際して、合成条件の変更、例えば、シリカ源となる物質とアルミニウム源となる物質との配合比、温度、圧力、及び、テンプレート剤を適宜選択することで、ゼオライトのタイプを選択して合成することができるので、所望の、大きさ、構造、細孔径などを備えた抗シンタリング触媒を得ることができる。
ここで、四面体構造体の中心位置に配置されたケイ素、リン、及び、アルミニウムから選ばれた1種または2種以上の原子であり、その一部が反応対象物質に対する触媒活性を付与する金属原子により置換されていると、より高いシンタリング防止効果が得られるので好ましい。
さらに上記金属原子が、多孔質体に酸素原子を介して結合したセリウムと酸素原子を介して結合していると、より高いシンタリング防止効果が得られるので好ましい。
本発明の抗シンタリング触媒は、粉状など、いかなる形状であってもよいが、処理対象である排気ガスとの接触効率が良好となるように、公知の手段を用いて粒状形状やハニカム形状とすることが好ましい。
以上、本発明について、好ましい実施形態を挙げて説明したが、本発明の抗シンタリング触媒は、排気浄化や気相反応用触媒等の上記実施形態の構成に限定されるものではない。
当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の抗シンタリング触媒を適宜改変することができる。このような改変によってもなお本発明の抗シンタリング触媒の構成を具備する限り、もちろん、本発明の範疇に含まれるものである。
[実施例1(ZSM−5タイプのフレームワークを有する多孔質体により構成された抗シンタリング触媒)]
<抗シンタリング触媒Aの作製>
ZSM−5タイプのフレームワークを有する多孔質体により構成された抗シンタリング触媒、すなわち、多孔質体が基本的にZSM−5タイプのフレームワークを有するゼオライト構造を有し、この多孔質体に自動車の排気ガス中のNOxに対する触媒活性を付与する金属原子として鉄が、前記多孔質体内に分散して存在し、かつ、前記の鉄が前記多孔質体に酸素原子を介して結合している抗シンタリング触媒を作製した。
すなわち、ケイ素源としてオルトケイ酸テトラエチルを105g、アルミニウム源としてアルミニウムブトキシドを2g、テンプレート剤としてはテトラプロピルアンモニウムブロマイドを15g、触媒活性を付与する金属原子源として硝酸鉄(III)3g、さらに、0.14mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液400gをオートクレーブに仕込み、170℃に保ち、72時間反応させた。得られた粉末を濾別し、水で洗浄した後に十分乾燥させて、抗シンタリング触媒A(実施例1)105gを得た。
上記で得られた抗シンタリング触媒Aの個数平均粒径は2μm(顕微鏡写真を撮影し、各粒子(約100個)の該当円直径を測定し、平均した値)であった。
さらに、上記の抗シンタリング触媒Aについて、多孔質体の性状、触媒活性を付与する金属である鉄の化学結合状態を解析した。
抗シンタリング触媒Aの多孔質体の性状について、X線回折分析を行って調べた。その結果を図1(a)に、また、国際ゼオライト学会によるZSM−5のX線解析パターン(Database of Zeolite structures Zeolite Powder Diffraction Patterns MFI)を図1(b)に、それぞれ示す。これらデータより、抗シンタリング触媒Aにおける多孔質がZSM−5のフレームワークを有するものであることが確認された。
また、抗シンタリング触媒A中の鉄の含有量について、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX−720 島津製作所社製)で分析したところ、ケイ素(抗シンタリング触媒A中ケイ素量は30質量%)に対しての存在量(重量比)は5%であることが判った。
また、触媒活性を付与する金属である鉄の化学結合状態をXPS(アルバック・ファイ社製PHI5000 Versa Probe)により調べた。同時に比較のために水酸化鉄(III)(試薬。特級)、及び、鉄橄欖石(化学組成Fe2SiO4)についてもそれらの鉄の化学結合状態を調べた、これら結果を表1に示す。
Figure 2014018753
表1のデータにより、抗シンタリング触媒Aにおいては、鉄原子は、Fe−O−Si状に、酸素原子を介して多孔質体を構成するケイ素原子に結合していることが確認された。
また、電子線マイクロアナライザ(EPMA)日本電子社製JXA−8200によって、上記抗シンタリング触媒Aの粒子の断面を観察したところ、鉄が触媒粒子内に均一に分散していることが確認された。
<抗シンタリング触媒Aの評価>
《排気ガス浄化性能評価方法》
次のようにして、抗シンタリング触媒Aの排気ガス浄化性能を評価した。評価では、図2にモデル的に示す評価装置を用いた。図中、円筒状の電気炉1の中空部に石英製の反応管2(内径:21mm)が挿入されている。反応管2内部には、反応管2を通過するガスが評価対象の抗シンタリング触媒Aに接触するように抗シンタリング触媒Aを空間密度が200g/Lとなるよう、直径21mm、長さ20mmの(嵩体積:7mL)金属製の、一辺が25.4mmの正方形中に300セルが形成されるセル密度(300cpsi)の円筒形ハニカム形状体の壁面に均一に添着させて作製されたサンプル3が設置されている。この評価装置ではサンプル3付近の温度が、熱電対4により測定可能となっている。
反応管3には、上方から水蒸気供給ラインと、2つ標準ガス供給ラインとが接続されている。水蒸気供給ラインには、水用ポンプ7と水蒸発器8とを介して水供給ラインが接続されており、必要に応じて反応管3に水蒸気を供給することができるようになっている。一方、2つの標準ガス供給ライン(排気ガス浄化性能評価用ガスライン5、及び、後述する抗シンタリング性評価用ガスライン)はそれぞれマスフローコントローラー5及び6を介して、各種標準ガスをそれぞれ所定の流量で反応管3に供給することができるようになっている。
サンプル3を通過したガスは、クーラ9で冷却されベント(排気)されるが、その一部がサンプリングされ、分析計10で必要な項目について分析される。
評価は次のようにして行った。
上記サンプル3を200℃前後の温度から毎分10℃の昇温速度で550℃付近まで昇温させながら、窒素(N2)をベースとして体積比で、一酸化窒素(NO)を250ppm、二酸化炭素(CO2)を6.5%、酸素(O2)を10%、アンモニア(NH3)を225ppm(アンモニアの一酸化窒素に対するモル比は0.9である)、及び、水蒸気(H2O)を10%、それぞれ含有する、自動車のガソリンエンジンの排気ガスを想定したガスを、上記の反応管2に、0.174m3/h(標準状態、すなわち1気圧、0℃換算)(サンプルに対するSV:25000h-1)の流速で供給した。このとき、反応管出口ガスの一酸化窒素濃度を測定し、反応管入り口側のその一酸化窒素の濃度(100%とする)と比較し、一酸化窒素濃度の減少率をNOx分解率として調べた。
《抗シンタリング性の評価方法》
抗シンタリング性については、図2に示した装置を用い、次のようにして評価した。すなわち、サンプルの温度を650℃に保ちながら50時間、窒素ガスをベースとし、体積比で、酸素10%、及び、水蒸気10%を含む、空気を想定したガスを、標準状態、すなわち1気圧、0℃換算でサンプルに対するSVが3000h-1となる流速でサンプルに供給し、エージングを行った。
このようにエージングを行ったサンプルについても上記同様に排気ガス浄化性能を調べた。
[比較例 従来技術に係る排気浄化触媒Z]
従来技術に係る、すなわち、抗シンタリング性のない排気浄化触媒Zとして、硝酸鉄(III)の添加を行わない以外は、上記抗シンタリング性触媒A同様にして、多孔質体を合成し、洗浄及び乾燥後(収量は105g、個数平均粒径は3.5μm。X線回折分析よりZSM−5とおなじフレームワークを有するものであることを確認)、硝酸鉄(III)水溶液(0.03mol/L)400mL中に入れ、攪拌をしながら180分間浸漬した後、乾燥させて、従来技術に係る触媒Zを作製した。
この触媒Zにおける鉄含有量を上記同様に蛍光X線により分析したところ、ケイ素(抗シンタリング触媒A中ケイ素量は30質量%)に対する鉄の存在量(重量比)は5%であることが判った。
この従来技術に係る触媒ZについてXPS分析を行った。結果を表1に併せて示す。この結果より従来技術に係る触媒Zでは、鉄原子は、多孔質体を構成するケイ素原子に結合していないことが確認された。
上記の従来技術に係る触媒Zを用いて、上記排気浄化触媒Aと同様にして抗シンタリング性を評価した。
これら結果を図3に併せて示す。
図3より、耐久試験後の実施例1の排気浄化触媒Aは、低温域(200℃程度)から中温域(350℃)にかけては耐久試験後の比較例(従来技術)の触媒Zと同等のNOx分解率しか得られないものの、350℃から500℃超の高音域では高くなり、500℃付近では、耐久試験前の性能の80%以上の性能を有していることが判る。この結果により、本発明に係る抗シンタリング触媒の優れた抗シンタリング性が確認された。
また、実施例1及び比較例の触媒におけるシンタリング処理前後での400℃での分解率、すなわち、触媒活性の保持率(シンタリング処理前の触媒での分解率を100%とする)を図6(a)に示した。このグラフにより実施例1の抗シンタリング触媒が触媒活性に重要な温度(低中温域)において高い抗シンタリング性を有することが判る。
[実施例2(ZSM−5タイプの抗シンタリング触媒(その2))]
<抗シンタリング触媒Bの作製>
抗シンタリング触媒Aと同様にして、但し、硝酸鉄(III)を3gではなく、9g用いて、抗シンタリング触媒Bを得た。この抗シンタリング触媒Bの多孔質体はX線回折分析(結果を図4に示す)により抗シンタリング触媒Bにおける多孔質はZSM−5のフレームワークを有することが確認された。
この触媒Bにおける鉄含有量を上記同様に蛍光X線により分析したところ、ケイ素(抗シンタリング触媒B中ケイ素量は30質量%)に対する鉄の存在量(重量比)は15%であることが判った。
また、触媒活性を付与する金属である鉄の化学結合状態をXPSにより調べた。結果を上記表1に併せて示す。
表1のデータにより、抗シンタリング触媒Bにおいても、抗シンタリング触媒A同様に、鉄原子が、Fe−O−Si状に、酸素原子を介して多孔質体を構成するケイ素原子に結合していることが確認された。
また、電子線マイクロアナライザ(EPMA)によって、上記抗シンタリング触媒Bの粒子の断面を観察したところ、鉄が触媒内に均一に分散していることが確認された。
この抗シンタリング触媒B(実施例2)について抗シンタリング性を上記同様に調べた。結果を図5に示す。
図5より、本発明に係る抗シンタリング触媒Bでは、実際の自動車の排気ガスのNOx転換性能において重要な、低音域での高いNOx転換性能が維持されており、本発明の抗シンタリング触媒Bの優れた抗シンタリング性が確認された。
また、実施例2及び比較例の触媒におけるシンタリング処理前後での300℃での分解率、すなわち、触媒活性の保持率(シンタリング処理前の触媒での分解率を100%とする)を図6(b)に示した。このグラフにより実施例2の抗シンタリング触媒が触媒活性に重要な温度(低中温域)において高い抗シンタリング性を有することが判る。

Claims (5)

  1. 多孔質体により構成された抗シンタリング触媒であって、
    前記多孔質体が、反応対象物質を前記多孔質体内部に進入可能とする細孔を有し、
    前記多孔質体に前記反応対象物質に対する触媒活性を付与する金属原子が、前記多孔質体内に分散して存在し、かつ、
    前記金属原子が、前記多孔質体に酸素原子を介して結合していることを特徴とする抗シンタリング触媒。
  2. 前記多孔質体が、四面体の4つの頂点位置と中心位置とにそれぞれ原子が配置されて構成された四面体構造体が前記頂点位置の原子を互いに共有して多数連結されて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の抗シンタリング触媒。
  3. 前記頂点位置に配置された原子が酸素原子であり、かつ、
    前記中心位置に配置された原子が、ケイ素、リン、及び、アルミニウムから選ばれた1種または2種以上の原子であることを特徴とする請求項2に記載の抗シンタリング触媒。
  4. 前記中心位置に配置された前記原子の一部が、前記金属原子に置換されていることを特徴とする請求項3に記載の抗シンタリング触媒。
  5. 前記金属原子が、前記四面体の頂点の前記酸素原子と結合したセリウムと酸素原子を介して結合していることを特徴とする請求項3ないし請求項4のいずれか1項に記載の抗シンタリング触媒。
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