JP2014018096A - フラビン結合型グルコースデヒドロゲナーゼを含む組成物の安定性を向上する方法 - Google Patents

フラビン結合型グルコースデヒドロゲナーゼを含む組成物の安定性を向上する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】充分な熱安定性を有するケカビ由来フラビン結合グルコースデヒドロゲナーゼ(FAD−GDH)を含む組成物を提供する。
【解決手段】FAD−GDHを含む組成物において、アミノグアニジン、アルギニン、リジン、オルニチン、グリシン、グルタミン酸、シトラコン酸、グリコール酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸並びにこれらの塩化合物、トレハロース、キシリトール、スクロース、αシクロデキストリン、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムおよび硫酸アンモニウムから選択される1種または2種以上の化合物を共存させる。
【効果】グルコース測定試薬、グルコースアッセイキット、グルコースセンサー作製時および保存時におけるFAD−GDHの失活を低減でき、FAD−GDHの使用量を低減できるとともに、測定試薬、アッセイキット、センサーの熱安定性や保存安定性の向上および測定精度の向上が可能となる。
【選択図】なし

Description

本発明は、フラビン結合型グルコースデヒドロゲナーゼを含む組成物の安定性を向上する方法および該方法を用いて得られる組成物に関する。
血中グルコース濃度(血糖値)は、糖尿病の重要なマーカーである。糖尿病患者が自己の血糖値を管理するための装置としては、電気化学的バイオセンサを用いた自己血糖測定(Self Monitoring of Blood Glucose:SMBG)機器が広く利用されている。SMBG機器に用いられるバイオセンサには、従来、グルコースオキシダーゼ(GOD)等のグルコースを基質とする酵素が利用されている。しかしながら、GODは酸素を電子受容体とするという特性を備えているため、GODを用いたSMBG機器では、測定サンプル中の溶存酸素が測定値に影響を与え、正確な測定値が得られない場合がある。
一方、グルコースを基質とするが、酸素を電子受容体としない別の酵素として、各種のグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)が知られている。具体的には、ニコチンアミドジヌクレオチド(NAD)やニコチンアミドジヌクレオチドリン酸(NADP)を補酵素とするタイプのGDH(NAD(P)−GDH)や、ピロロキノリンキノン(PQQ)を補酵素とするGDH(PQQ−GDH)が見出されており、SMBG機器のバイオセンサに使用されている。しかしながら、NAD(P)−GDHは、酵素の安定性が乏しく、かつ、補酵素の添加が必要という問題を有し、また、PQQ−GDHは基質特異性が低く、測定対象であるグルコース以外にも、マルトース、D−ガラクトースおよびD−キシロースなどの糖化合物に対して作用してしまうため、測定サンプル中のグルコース以外の糖化合物が測定値に影響し、正確な測定値が得られないという問題点が存在する。
近年、PQQ−GDHをバイオセンサとして用いたSMBG機器を用いて、輸液投与を受けていた糖尿病患者の血糖値を測定する際に、PQQ−GDHが輸液中に含まれるマルトースにも作用して、実際の血糖値よりも高い測定値が得られ、この値に基づく処置が原因となって患者が低血糖等を発症した例が報告されている。また、同様の事象はガラクトース負荷試験およびキシロース吸収試験を実施中の患者にも起こり得ることも判明している(例えば、非特許文献1参照)。これを受け、厚生労働省医薬食品局が、グルコース溶液に各糖類を添加した場合の血糖測定値への影響を調査する目的で交差反応性試験を行ったところ、600mg/dLのマルトース、300mg/dLのD−ガラクトース、あるいは、200mg/dLのD−キシロース添加を行った場合に、PQQ−GDH法を用いた血糖測定キットの測定値は実際のグルコース濃度より2.5〜3倍ほど高い値を示すことがわかった。すなわち、PQQ−GDHを用いた系において、測定試料中に存在し得るマルトース、D−ガラクトース、D−キシロースによって測定値が影響を受け、不正確になることが判明し、このような測定誤差の原因となる糖化合物の影響を受けずにグルコースのみを選択的に測定できる基質特異性の高いGDHの開発が切に望まれている。
上記のような背景の下、上記以外の補酵素を利用するタイプのGDHが着目されるようになってきている。例えば、基質特異性に関する詳細な記載はないが、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)由来のGDHについての報告(例えば、非特許文献2〜5参照)が知られている。また、アスペルギルス(Aspergillus)属およびペニシリウム(Penicillium)属由来のフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)を補酵素とするグルコースデヒドロゲナーゼ(以下FAD−GDH)が開示されており(例えば、特許文献1〜3参照)、さらにD−キシロースに対する作用性を低減させたアスペルギルス属由来のFAD−GDHも開示されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、上記の酵素は、D−グルコースではない1種または数種の糖化合物に対して反応性が低いという特性を示すものの、マルトース、D−ガラクトース、D−キシロースのいずれに対しても反応性が十分に低いという特性を有してはいない。
これらに対し、出願人は、ケカビの一種であるムコール(Mucor)属から見出されたフラビン結合型GDHが、マルトース、D−ガラクトース、D−キシロースのいずれに対しても反応性が十分に低いという優れた特性を有することを見出した(例えば、特許文献5参照)。また、このGDHを用いれば、マルトース、D−ガラクトース、D−キシロースが存在する条件下においても、それらの糖化合物による影響を受けることなくグルコース濃度を正確に測定することが可能であることを確認した(例えば、特許文献5参照)。このような優れた基質特異性は、ケカビ由来FAD−GDHの実用上の優位性を示す大きな特徴である。さらに、出願人は、特許文献5において、ケカビ由来FAD−GDHの遺伝子配列、アミノ酸配列もあわせて開示し、ケカビ由来FAD−GDHの遺伝子配列を利用した大腸菌および麹菌を宿主とする組換え発現についても開示している。加えて、出願人は、特許文献6において、チゴサッカロマイセス属の酵母で発現させたケカビ由来FAD−GDHが優れた基質特異性および、大腸菌や麹菌で発現させたとき以上に優れた耐熱性を有することも別途見出している。
上記のように、FAD−GDHの安定性を向上させる方法の探索は精力的に行われてきているが、FAD−GDH実用化において見込まれるセンサーチップの作製時等においては、加熱乾燥処理を施す場合が想定され、そのような用途を含む過酷な熱条件に供する可能性を想定すると、FAD−GDHに望まれる安定性の向上ニーズは依然として継続的に存在しており、同時に、グルコース測定用試薬やグルコースアッセイキット等、FAD−GDHを含む実用化製品としての組成物としての安定性向上に関しても継続的なニーズが存在する。
このようなアプローチとしては、例えば、酵素を含む組成物の安定性を向上するための一般的に知られた安定化剤の中から、あるいは、これまでに安定化剤として知られていない物質の中から、特定の酵素を含む組成物の安定性の向上に寄与する成分を単独で、または組み合わせて選択する方法が考えられる。また、酵素のいわゆる安定pH範囲等のデータを参考にして、組成物としての安定性に正の効果を示すであろうpH範囲を設定する方法も考えられる。そのような観点から開示されている先行文献としては、コハク酸、マロン酸、フタル酸、マレイン酸等を共存させてFAD−GDHを安定化させる方法(例えば、特許文献7参照)や、トレハロースを共存させてFAD−GDHを安定化させる方法(例えば、特許文献8参照)や、グルコースセンサー作製時にFAD−GDH溶液を酸性域の特定範囲のpHに調製する方法(例えば、特許文献9参照)等、若干の知見が存在する。しかし、これらは特定のFAD−GDHに関して、いくつかの物質に関して確認された限定的な知見に留まっている。
特開2007−289148号公報 特許第4494978号公報 国際公開第07/139013号 特開2008−237210号公報 特許第4648993号公報 国際公開第2012/073986号 特許第4770911号公報 特開2009−195250号公報 特許第4381463号公報
医薬品・医療用具等安全性情報206号(Pharmaceuticals and Medical Devices Safety Information No.206)、2004年10月、厚生労働省医薬食品局 Studies on the glucose dehydrogenase of Aspergillus oryzae. I. Induction of its synthesis by p−benzoquinone and hydroquinone, T. C. Bak, and R. Sato, Biochim. Biophys. Acta, 139, 265−276 (1967). Studies on the glucose dehydrogenase of Aspergillus oryzae. II. Purification and physical and chemical properties, T.C. Bak, Biochim. Biophys. Acta, 139, 277−293 (1967). Studies on the glucose dehydrogenase of Aspergillus oryzae. III. General enzymatic properties, T.C. Bak, Biochim. Biophys. Acta, 146, 317−327 (1967). Studies on the glucose dehydrogenase of Aspergillus oryzae. IV. Histidyl residue as an active site, T.C. Bak, and R. Sato, Biochim. Biophys. Acta, 146, 328−335 (1967).
本発明は、ケカビ由来FAD−GDHを含む組成物の安定性を向上する方法および該方法を用いて得られる充分な安定性を有するグルコース測定用組成物を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、FAD−GDHを含む組成物において種々の化合物を共存させることにより、FAD−GDHの安定性が向上することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下に関する。
(1)ケカビ亜門、好ましくは、ケカビ綱、より好ましくは、ケカビ目、さらに好ましくは、ケカビ科に分類される微生物に由来するフラビン結合グルコースデヒドロゲナーゼ(FAD−GDH)を含む組成物において、安定化剤として、アミノグアニジン、アルギニン、リジン、オルニチン、グリシン、グルタミン酸、シトラコン酸、グリコール酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸並びにこれらの塩化合物、トレハロース、キシリトール、スクロース、αシクロデキストリン、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムおよび硫酸アンモニウムから選択される1種または2種以上の化合物を共存させる工程を含む、FAD−GDHの安定性を向上させる方法。
(2)配列番号1で示されるアミノ酸配列、該アミノ酸配列と90%以上同一なアミノ酸配列または該アミノ酸配列において1もしくは数個アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有するFAD−GDHを含む組成物における、上記(1)記載のFAD−GDHの安定性を向上させる方法。
(3)ケカビ亜門、好ましくは、ケカビ綱、より好ましくは、ケカビ目、さらに好ましくは、ケカビ科に分類される微生物に由来するFAD−GDHおよび、アミノグアニジン、アルギニン、リジン、オルニチン、グリシン、グルタミン酸、シトラコン酸、グリコール酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸並びにこれらの塩化合物、トレハロース、キシリトール、スクロース、αシクロデキストリン、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムおよび硫酸アンモニウムから選択される1種または2種以上の化合物を含むグルコース測定用組成物。
(4)配列番号1で示されるアミノ酸配列、該アミノ酸配列と90%以上同一なアミノ酸配列、または該アミノ酸配列において1もしくは数個アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有するFAD−GDHを含む上記(3)記載のグルコース測定用組成物。
(5)ケカビ亜門、好ましくは、ケカビ綱、より好ましくは、ケカビ目、さらに好ましくは、ケカビ科に分類される微生物に由来するFAD−GDHと、アミノグアニジン、アルギニン、リジン、オルニチン、グリシン、グルタミン酸、シトラコン酸、グリコール酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸並びにこれらの塩化合物、トレハロース、キシリトール、スクロース、αシクロデキストリン、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムおよび硫酸アンモニウムから選択される1種または2種以上の化合物を共存させることを特徴とする、グルコース測定用組成物の製造方法。
(6)配列番号1で示されるアミノ酸配列、該アミノ酸配列と90%以上同一なアミノ酸配列または該アミノ酸配列において1もしくは数個アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有するFAD−GDHを含む上記(5)記載のグルコース測定用組成物の製造方法。
(7)上記(3)〜(4)記載の組成物を用いるグルコース濃度の測定方法。
(8)上記(3)〜(4)記載の組成物を含むグルコースアッセイキット。
(9)上記(3)〜(4)記載の組成物を含むグルコースセンサー。
グルコース測定試薬、グルコースアッセイキットおよびグルコースセンサー作製時および保存時におけるFAD−GDHの失活を低減でき、それにより、製造に必要とするFAD−GDHの使用量を低減できるとともに、製品として完成した試薬やキット、センサー等の保存安定性および測定精度を向上できる。
(本発明を適用し得るFAD−GDH)
本発明に適用するFAD−GDHは、公知の野生型または変異型FAD−GDH同様、電子受容体存在下でグルコースの水酸基を酸化してグルコノ−δ−ラクトンを生成する反応を触媒する。
本発明のFAD−GDHの活性は、この作用原理を利用し、例えば、電子受容体としてフェナジンメトサルフェート(PMS)および2,6−ジクロロインドフェノール(DCIP)を用いた以下の測定系を用いて測定することができる。
(反応1) D−グルコ−ス + PMS(酸化型)
→ D−グルコノ−δ−ラクトン + PMS(還元型)
(反応2) PMS(還元型) + DCIP(酸化型)
→ PMS(酸化型) + DCIP(還元型)
具体的には、まず、(反応1)において、D−グルコースの酸化に伴い、PMS(還元型)が生成する。そして、続いて進行する(反応2)により、PMS(還元型)が酸化されるのに伴ってDCIPが還元される。この「DCIP(酸化型)」の消失度合を波長600nmにおける吸光度の変化量として検知し、この変化量に基づいて酵素活性を求めることができる。
具体的には、フラビン結合型GDHの活性は、以下の手順に従って測定することができる。50mM リン酸緩衝液(pH6.5) 2.05mL、1M D−グルコース溶液 0.6mLおよび2mM DCIP溶液 0.15mLを混合し、37℃で5分間保温する。次いで、15mM PMS溶液 0.1mLおよび酵素サンプル溶液0.1mLを添加し、反応を開始する。反応開始時、および、経時的な吸光度を測定し、酵素反応の進行に伴う600nmにおける吸光度の1分間あたりの減少量(ΔA600)を求め、次式に従いフラビン結合型GDH活性を算出する。この際、フラビン結合型GDH活性は、37℃において濃度200mMのD−グルコース存在下で1分間に1μmolのDCIPを還元する酵素量を1Uと定義する。
Figure 2014018096
なお、式中の3.0は反応試薬+酵素試薬の液量(mL)、16.3は本活性測定条件におけるミリモル分子吸光係数(cm2/μmol)、0.1は酵素溶液の液量(mL)、1.0はセルの光路長(cm)、ΔA600blankは酵素希釈用緩衝液を酵素サンプル溶液の代わりに添加して反応開始した場合の600nmにおける吸光度の1分間あたりの減少量、dfは希釈倍数を表す。
(本発明を適用し得るFAD−GDHの由来)
本発明の方法に適用することができる、FAD−GDHとしては、ケカビ亜門、好ましくは、ケカビ綱、より好ましくは、ケカビ目、さらに好ましくは、ケカビ科に分類される微生物に由来するフラビン結合グルコースデヒドロゲナーゼが挙げられる。例えば、糸状菌のムコール(Mucor)属、アブシジア(Absidia)属、アクチノムコール(Actinomucor)属などの微生物に由来するものが挙げられる。
Mucor属に分類される微生物であって、具体的な好ましい微生物の例としては、ムコール・プライニ(Mucor prainii)、ムコール・ジャバニカス(Mucor javanicus)もしくはムコール・シルシネロイデス・f・シルシネロイデス(Mucor circinelloides f. circinelloides)、ムコール・ダイモルフォスポラス(Mucor dimorphosporus)が挙げられる。より具体的には、Mucor prainii NISL0103、Mucor javanicus NISL0111もしくはMucor circinelloides f. circinelloides NISL0117が挙げられる。Absidia属に分類される微生物であって、具体的な好ましい微生物の例としては、アブシジア・シリンドロスポラ(Absidia cylindrospora)、アブシジア・ヒアロスポラ(Absidia hyalospora)を挙げることができる。より具体的には、Absidia cylindrospora NISL0211、Absidia hyalospora NISL0218を挙げることができる。Actinomucor属に分類される微生物であって、具体的な好ましい微生物の例としては、アクチノムコール・エレガンス(Actinomucor elegans)を挙げることができる。より具体的には、Actinomucor elegans NISL9082を挙げることができる。なお、上記の菌株はNISL(公益財団法人 野田産業科学研究所)の保管菌株であり、所定の手続きを経ることにより、分譲を受けることができる。
本発明の方法に適用することができるFAD−GDHは、グルコースデヒドロゲナーゼ活性を有する限り、上記に例示されたものにさらに他のアミノ酸残基の一部が欠失または置換されていてもよく、また他のアミノ酸残基が付加されていてもよい。上記に例示されるようなフラビン結合型GDH生産微生物から公知の遺伝子工学的手法によって取得したフラビン結合型GDHをコードする遺伝子を利用し、必要によりそれを一部改変して、適当な宿主微生物に各種公知の手法により導入して生産された組換えFAD−GDHにも本発明を適用できる。
本発明を好ましく適用できるFAD−GDHの一例として、Mucor属由来のフラビン結合型GDHのアミノ酸配列を配列番号1に示す。例えば、本発明は、配列番号1で示されるアミノ酸配列、または該アミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有する配列、または該アミノ酸配列と80%以上相同なアミノ酸配列、好ましくは85%、より好ましくは90%、最も好ましくは95%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号1で示されるアミノ酸配列を有するFAD−GDHと同様な諸性質を有するFAD−GDHについても好ましく適用し得る。
上記のようなFAD−GDHを人為的に取得しようとする場合には、それぞれにをコードするDNA情報に基づいて、公知の蛋白質工学的手法を用いることができる。
蛋白質工学的手法を駆使する方法としては、一般的に、Site−Specific Mutagenesisとして知られる手法を用いることができる。例えば、Kramer法 (Nucleic Acids Res.,12,9441(1984):Methods Enzymol.,154,350(1987):Gene,37,73(1985))、Eckstein法(Nucleic Acids Res.,13,8749(1985):Nucleic Acids Res.,13,8765(1985):Nucleic Acids Res,14,9679(1986))、Kunkel法(Proc. Natl. Acid. Sci. U.S.A.,82,488(1985):Methods Enzymol.,154,367(1987))等が挙げられる。DNA中の塩基配列を変換する具体的な方法としては、例えば市販のキット(Transformer Mutagenesis Kit;Clonetech社, EXOIII/Mung Bean Deletion Kit;Stratagene製, Quick Change Site Directed Mutagenesis Kit;Stratagene製など)の利用が挙げられる。
(本発明を適用し得るFAD−GDHの入手)
本発明を適用し得るFAD−GDHは、公知文献に基づいて入手可能である。例えば、上記のFAD−GDHを生産する由来微生物を培養することにより、あるいは、天然のFAD−GDHをコードする遺伝子をそのまま、あるいは、変異させてから、適当な発現用ベクターに挿入し、適当な宿主(例えば大腸菌、酵母、麹菌)に形質転換させた形質転換体を培養し、培養液から遠心分離などで菌体を回収した後、該培養物よりFAD−GDHを採取する方法が挙げられる。
上記宿主細胞を培養する培地としては、例えば、酵母エキス、トリプトン、ペプトン、肉エキス、コーンスティープリカーあるいは大豆もしくは小麦ふすまの浸出液等の1種以上の窒素源に、塩化ナトリウム、リン酸第1カリウム、リン酸第2カリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化第2鉄、硫酸第2鉄あるいは硫酸マンガン等の無機塩類の1種以上を添加し、さらに必要により糖質原料、ビタミン等を適宜添加したものが用いられる。
培地の初発pHは、限定されないが、例えば、pH6〜9に調整することができる。
培養は、10〜42℃の培養温度、好ましくは25℃前後の培養温度で4〜24時間、さらに好ましくは25℃前後の培養温度で4〜8時間、通気攪拌深部培養、振盪培養、静置培養等により実施すればよい。
培養終了後、該培養物よりFAD−GDHを採取する。これには、通常の公知の酵素採取手段を用いればよい。例えば、常法により菌体を、超音波破壊処理、磨砕処理等するか、またはリゾチーム等の溶菌酵素を用いて本酵素を抽出するか、またはトルエン等の存在下で振盪もしくは放置して溶菌を行わせ、本酵素を菌体外に排出させることができる。そして、この溶液を濾過、遠心分離等して固形部分を除去し、必要によりストレプトマイシン硫酸塩、プロタミン硫酸塩、もしくは硫酸マンガン等により核酸を除去したのち、これに硫安、アルコール、アセトン等を添加して分画し、沈澱物を採取し、FAD−GDHの粗酵素を得る。
FAD−GDHの粗酵素を、公知の任意の手段を用いてさらに精製することもできる。精製された酵素標品を得るには、例えば、セファデックス、ウルトロゲルもしくはバイオゲル等を用いるゲル濾過法;イオン交換体を用いる吸着溶出法;ポリアクリルアミドゲル等を用いる電気泳動法;ヒドロキシアパタイトを用いる吸着溶出法;蔗糖密度勾配遠心法等の沈降法;アフィニティクロマトグラフィー法;分子ふるい膜もしくは中空糸膜等を用いる分画法等を適宜選択し、またはこれらを組み合わせて実施することにより、精製された本発明のFAD−GDH酵素標品を得ることができる。または適当な宿主ベクター系を用いることにより、発現したGDHを直接培養液中に分泌させることができる。
(FAD−GDHの熱安定性を向上させる方法)
本発明のFAD−GDHの熱安定性を向上させる方法の一形態は、FAD−GDHを含む組成物において、該酵素と、アミノグアニジン、アルギニン、リジン、オルニチン、グリシン、グルタミン酸、シトラコン酸、グリコール酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸並びにこれらの塩化合物、トレハロース、キシリトール、スクロース、αシクロデキストリン、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムおよび硫酸アンモニウムから選択される1種または2種以上の化合物を共存させる工程を含む。
上記の化合物の組み合わせにおいて、特に限定はないが、例えば、化合物としての性質が近似する塩化合物中で複数種を併用することが想定される。または、化合物としての性質が近似していない化合物を複数組み合わせることが想定される。本発明においては、FAD−GDHの安定化効果を損なわない範囲で、例えば、界面活性剤、安定化剤、賦形剤等、FAD−GDHを含む組成物の製造において必要とされるその他の各種成分を共存させることもできる。
(安定化剤の濃度)
FAD−GDHの熱安定性を向上させる目的で共存させる各化合物の濃度は、特に限定されるものではないが、測定条件によって適宜調整することができ、例えば、溶液中の場合、好ましくは、0.001〜30重量%、さらに好ましくは、0.01〜5%である。あるいは、0.1mM〜10M、さらに好ましくは1mM〜1M、さらに好ましくは10mM〜100mMである。粉末あるいは凍結乾燥物中でも同程度の濃度が望ましいが、粉末あるいは凍結乾燥物中では、溶液中の場合と比べて、さらに低濃度の化合物添加で有効性を発揮する傾向にある。
上記に示す安定化のための種々の化合物の添加時期は特に限定されない。すなわち、FAD−GDHの製造工程において任意の時期に添加することができる。例えば、精製工程の初期段階に添加してもよく、抽出・精製工程の途中で添加してもよく、製造工程の後半、例えば、凍結乾燥・粉末化・規格調整の段階で添加してもよい。また、グルコース測定用試薬の調整や、グルコースアッセイキットあるいはグルコースセンサーを作製する段階で添加することもできる。
(FAD−GDHの濃度)
本発明におけるFAD−GDHの濃度には特に制約がない。用いる酵素の特性等によって適切な範囲は異なるが、実用上、当該酵素を用いてグルコースを十分な信頼性をもって測定できると当業者が判断できる濃度であればよい。
例えば、本発明におけるFAD−GDHの濃度は特に制約がないが、溶液中の場合、好ましくは、0.01〜1000U/mL、さらに好ましくは、0.1〜100U/mL、さらに好ましくは0.1〜10U/mLである。粉末あるいは凍結乾燥物中でも同程度の濃度が望ましいが、粉末標品を調製する目的では、100U/mL以上の濃度にすることができる。
本発明のFAD−GDHを含む組成物は液状で供することもできるが、凍結乾燥、真空乾燥あるいはスプレードライ等により粉末化することができる。このとき、GDHは緩衝液等に溶解したものを用いることができ、さらに賦形剤、安定化剤として、本発明で用いる上記化合物以外の糖・糖アルコール類、アミノ酸、タンパク質、ペプチド等を添加することができる。また、粉末化工程の後で、さらに造粒工程に供することもできる。
上記に示すFAD−GDHの抽出・精製・粉末化、および安定性試験に用いる緩衝液の組成は特に限定しないが、好ましくはpH4〜8の範囲で緩衝能を有するものであればよく、例えばホウ酸、トリス塩酸、リン酸カリウム等、公知の市販の緩衝剤や、BES、Bicine、Bis−Tris、CHES、EPPS、HEPES、HEPPSO、MES、MOPS、MOPSO、PIPES、POPSO、TAPS、TAPSO、TES、Tricineといった市販のグッド緩衝剤が挙げられる。上記のような緩衝剤は、いずれか1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
緩衝剤の濃度は、必要とされる緩衝能を有する範囲であれば特に限定されないが、好ましい上限は100mM以下、より好ましくは50mM以下である。好ましい下限は5mM以上である。粉末あるいは凍結乾燥物中においては緩衝剤の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.1%(重量比)以上、特に好ましくは0.1〜30%(重量比)の範囲で使用される。
(FAD−GDHの安定性の向上)
本発明でいう「安定性の向上」とは、「溶液状態における熱安定性の向上」のみならず、「乾燥状態における熱安定性の向上」、または「乾燥工程における熱安定性の向上」、または「溶液状態における保存安定性(長期安定性)の向上」や、「乾燥状態における保存安定性(長期安定性)の向上」をも含む。
すなわち、まり、本発明でいう「安定性が向上した」とは、FAD−GDHを含む組成物を、特定の安定化剤と共存させた状態において、一定の温度条件下、一定時間熱処理後、あるいは長期保存後に維持されているFAD−GDHの残存活性率(%)が、前記の安定化剤を共存させない場合と比較して増大していることをいう。
具体的には、残存活性率(%)は、熱処理前あるいは長期保存前の溶液のGDH活性値(a)と、熱処理後あるいは長期保存後のGDH活性値(b)をそれぞれ測定し、((b)/(a)×100)を計算することによって得られる。特定の安定化剤候補の化合物と共存させた状態における熱処理後あるいは長期保存後の残存活性率(%)を算出し、これをAとし、安定化剤候補の化合物と共存させずに同様の処理に供して算出した残存活性率(%)をBとした場合に、A>Bとなった場合、FAD−GDHの安定性が向上したと評価し、このとき共存させた化合物はFAD−GDHの安定性の向上に寄与したと評価する。
安定性の向上程度は、測定条件によって異なるが、例えば、安定化剤候補の化合物と共存させない場合の残存活性率(%)が5〜10%程度であるのに対し、15%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上であり得る。また、例えば、安定化剤候補の化合物と共存させない場合の残存活性率(%)が10〜30%程度であるのに対し、35%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上である。また、また、例えば、安定化剤候補の化合物と共存させない場合の残存活性率(%)が30〜35%程度であるのに対し、35%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上である。
(FAD−GDHを含有する組成物の製造)
上述のようなFAD−GDHの安定性を向上させる各種の安定化剤を、FAD−GDHと共存させることにより、FAD−GDHの安定性が向上した組成物を製造することができる。本発明の酵素を含む組成物は凍結乾燥物に限られず、乾燥物を再溶解した溶液状態であってもよい。具体的には、本発明の組成物は、FAD−GDHと各種安定剤とを任意の方法で共存させればよい。例えば、両者が溶液状態である場合には、それを混合することにより組成物を製造することができ、両者が粉末状態である場合には粉末状態でそれらを混合することにより組成物を製造することができる。FAD−GDHを粉末化し、その後の造粒工程において安定化剤を添加することもできる。また、複数種の安定化剤を、一部はFAD−GDHの製造工程において共存させ、残りはグルコース測定試薬の調整段階やグルコースセンサーへの固定化工程において共存させることもできる。
(メディエーター)
本発明の方法に適用できるメディエーターは特に限定されないが、フェナジンメトサルフェート(PMS)と2,6−ジクロロインドフェノール(DCIP)との組み合わせ、PMSとニトロブルーテトラゾリウム(NBT)との組み合わせ、DCIP単独、フェリシアン化物イオン(化合物としてはフェリシアン化カリウムなど)単独、フェロセン単独などが挙げられる。中でもフェリシアン化物イオン(化合物としてはフェリシアン化カリウムなど)が好ましい。
これらの各メディエーターは感度に様々な違いが存在するために、添加濃度を一律に規定する必要性はないが、一般的には1mM以上の添加が望ましい。各種メディエーターはグルコース測定時に添加してもよいし、グルコース測定用試薬、グルコースアッセイキットあるいはグルコースセンサーを作製するときに予め含有させておくこともできる。なお、その際には、液体状態、乾燥状態などの形態は問われず、測定時に反応時に解離してイオンの状態になるようにしておけばよい。
(グルコース測定用試薬、グルコースアッセイキット、グルコースセンサー)
本発明のFAD−GDHを含有する組成物を用いて、FAD−GDHの安定性が向上したグルコース測定用試薬、グルコースアッセイキット、グルコースセンサーを製造することができ、これを用いてグルコースの測定を行うことができる。
本発明のグルコース測定用試薬は、典型的には、FAD−GDH、緩衝液、メディエーターなど測定に必要な試薬、キャリブレーションカーブ作製のためのグルコース標準溶液、ならびに使用説明書を含み、FAD−GDHの安定性を向上させることに寄与する安定化剤を含む。
本発明のグルコース測定用試薬は、例えば、凍結乾燥された試薬として、または適切な保存溶液中の溶液として提供することができる。本発明のグルコース測定用試薬は従来のグルコース測定用試薬と同様に用いてグルコースを測定することができ、本発明のグルコース測定用試薬を用いた場合には、FAD−GDHの安定性が向上していることから、本発明のグルコース測定用試薬は、より優れた熱安定性および保存安定性を示す。
(グルコースアッセイキット)
本発明のグルコースアッセイキットには、典型的には、少なくとも1回のグルコース測定に十分な量のFAD−GDHと、アッセイに必要な緩衝液、メディエーター、キャリブレーションカーブ作製のためのグルコース標準溶液を含み、FAD−GDHの安定性を向上させることに寄与する安定化剤を含む。本発明のグルコースアッセイキットは従来のグルコースアッセイキットと同様に用いてグルコースを測定することができ、本発明のグルコースアッセイキットを用いた場合には、FAD−GDHの安定性が向上していることから、本発明のグルコースアッセイ用キットは、より優れた熱安定性および保存安定性を示す。
(グルコースセンサー)
本発明はまた、FAD−GDHの熱安定性が向上しているグルコースセンサーを提供できる。電極としては、カーボン電極、金電極、白金電極などを用い、この電極上に本発明の酵素を固定化する。固定化方法としては、架橋試薬を用いる方法、高分子マトリックス中に封入する方法、透析膜で被覆する方法、光架橋性ポリマー、導電性ポリマー、酸化還元ポリマーを用いる方法などがあり、あるいはメディエーターとともにポリマー中に固定あるいは電極上に吸着固定してもよく、またこれらを組み合わせて用いてもよい。典型的には、グルタルアルデヒドを用いて本発明のFAD−GDHをカーボン電極上に固定化した後、アミン基を有する試薬で処理してグルタルアルデヒドをブロッキングする。
グルコース濃度の測定は、以下のようにして行うことができる。恒温セルに緩衝液を入れ、メディエーターを加えて一定温度に維持する。作用電極として本発明のGDHを固定化した電極を用い、対極(例えば白金電極)および参照電極(例えばAg/AgCl電極)を用いる。カーボン電極に一定の電圧を印加して、電流が定常になった後、グルコースを含む試料を加えて電流の増加を測定する。標準濃度のグルコース溶液により作製したキャリブレーションカーブに従い、試料中のグルコース濃度を計算することができる。
本発明のグルコースセンサーは従来のグルコースセンサーと同様に用いてグルコースを測定することができ、本発明のグルコースセンサーを用いた場合には、FAD−GDHの安定性が向上していることから、本発明のグルコースセンサー用キットは、より優れた熱安定性および保存安定性を示す。また、センサーにFAD−GDHを固定化する工程においても、固定化の際の熱による失活の程度を低減できるため、固定化に用いるFAD−GDHの量を低減できるという効果を奏する。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、それらの例により何ら限定されるものではない。
1.FAD−GDH標品の精製
FAD−GDH生産菌として、Mucor prainii NISL0103株を用いた。前培養用培地(イーストエキス 2.0 %、グルコース 4%、pH6.0)0.1Lを0.5L容坂口フラスコに入れ、予めプレート培地上で培養したMucor prainii NISL0103株を、約1cm2分それぞれ接種し、30℃、130rpmで2日間回転振とう培養した。これを種培養として、30L容ジャーファメンターに入れた上記培地20Lに0.2Lずつ接種し(ジャーファメンター2基)、30℃、200rpm、0.5vvmで3日間培養した。培養終了後、培養液40Lを濾布で濾過し、菌体を回収した。次いで、得られた菌体を10mM 酢酸緩衝液(pH5.0)に懸濁した。
上記の菌体懸濁液を、ダイノミルに送液(150ml/分)して破砕し、6,000×gで30分遠心して上清を回収した。この上清を分画分子量6,000の中空糸膜AIP2013(旭化成ケミカルズ社製)を用いて濃縮し、濃縮後の酵素液に硫酸アンモニウムを70%飽和となるよう徐々に添加し、余分な蛋白質を沈殿させた。一晩、4℃で放置後、遠心分離(200,000×g、60分)により上清を回収した。この上清を、緩衝液A(10mM 酢酸緩衝液、2M 硫酸アンモニウム、pH5.0)にて予め平衡化したブチルトヨパール650Cカラム(26φ×28.5cm、東ソー社製)にかけ、緩衝液Aから緩衝液B(10mM 酢酸緩衝液、pH5.0)のリニアグラジエントによって溶出させた。溶出された活性画分をセントリコンプラス−70(ミリポア社製)で濃縮後、緩衝液C(10mM 酢酸緩衝液、pH4.5)で透析し、予め緩衝液Cで平衡化したSPセファロースFastFlowカラム(26φ×28.5cm、GEヘルスケア社製)にかけ、緩衝液Cから緩衝液D(10mM 酢酸緩衝液、200mM 塩化カリウム、pH4.5)のリニアグラジエントで溶出させた。溶出された活性画分を濃縮し、精製酵素を得た。取得した精製酵素をFAD−GDH標品として使用した。なお、配列番号1はMucor prainii NISL0103株由来FAD−GDHのアミノ酸配列である(特許文献5参照)。
2.FAD−GDHの活性測定
FAD−GDHの活性は、以下の手順に従って測定した。
具体的には、まず、(反応1)において、D−グルコースの酸化に伴い、PMS(還元型)が生成する。そして、続いて進行する(反応2)により、PMS(還元型)が酸化されるのに伴ってDCIPが還元される。この「DCIP(酸化型)」の消失度合を波長600nmにおける吸光度の変化量として検知し、この変化量に基づいて酵素活性を求めることができる。
具体的には、フラビン結合型GDHの活性は、以下の手順に従って測定することができる。50mM リン酸緩衝液(pH6.5) 2.05mL、1M D−グルコース溶液 0.6mLおよび2mM DCIP溶液 0.15mLを混合し、37℃で5分間保温する。次いで、15mM PMS溶液 0.1mLおよび酵素サンプル溶液0.1mLを添加し、反応を開始する。反応開始時、および、経時的な吸光度を測定し、酵素反応の進行に伴う600nmにおける吸光度の1分間あたりの減少量(ΔA600)を求め、次式に従いフラビン結合型GDH活性を算出する。この際、フラビン結合型GDH活性は、37℃において濃度200mMのD−グルコース存在下で1分間に1μmolのDCIPを還元する酵素量を1Uと定義する。
Figure 2014018096
なお、式中の3.0は反応試薬+酵素試薬の液量(mL)、16.3は本活性測定条件におけるミリモル分子吸光係数(cm2/μmol)、0.1は酵素溶液の液量(mL)、1.0はセルの光路長(cm)、ΔA600blankは10mM 酢酸緩衝液(pH5.0)を酵素サンプル溶液の代わりに添加して反応開始した場合の600nmにおける吸光度の1分間あたりの減少量、dfは希釈倍数を表す。
3.FAD−GDHの安定性向上効果の評価
FAD−GDHの安定性向上の評価は、所定の条件下で処理後の残存活性率(%)を元に行った。具体的には、まず、評価対象のFAD−GDHを所定の濃度となるように酵素希釈液(所定濃度のリン酸カリウム緩衝液(pH7.0))にて希釈し、上述の活性測定法に従ってGDH活性を測定した。そして所定の条件下で処理後、各サンプルのGDH活性を測定し、熱処理を施す前の酵素活性を100としたときの、処理後の活性値を「活性残存率(%)」として算出した。この活性残存率(%)を、各種FAD−GDHの安定性向上の評価の指標とした。つまり、本発明でいう安定性の向上とは、活性残存率(%)が増大することを意味する。この残存率(%)が該化合物無添加のものと比べて増大していた場合、GDHの安定性が向上したと判断した。
4.種々の化合物添加によるFAD−GDHの安定性向上効果の検証1
上記で取得したFAD−GDH標品を酵素濃度が約2U/mLとなるように酵素希釈液(50mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.0))で希釈した。この酵素溶液(約2U/mL)に、5%の表1記載の各種化合物(適宜NaOHもしくはHClを用いてpH7.0に調製)を同量添加して混合した。この酵素と各種化合物の混合組成物(酵素濃度:約1U/mL、化合物濃度:2.5%)について、3.記載の方法に従って35℃15分処理後の活性残存率(%)を算出した。なお、コントロールには、各種化合物の代わりに蒸留水を添加したものを用いた。
これらの検討の結果、塩酸アミノグアニジン、アルギニン塩酸塩、リジン塩酸塩、グリシン、グリコール酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、リンゴ酸、クエン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、トレハロース、キシリトール、スクロース、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウムを添加することにより、FAD−GDHの安定性が向上することが明らかとなった(表1)。
特に、アルギニン塩酸塩、リジン塩酸塩、酒石酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、トレハロース、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウムを添加した場合には、コントロールの活性残存率(%)が26.1%であるのに対し、活性残存率(%)が50%を越え、高い安定性が確認された。それらの中でも、トレハロース、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムは活性残存率(%)が60%を越え、顕著に高い安定性が確認された。
Figure 2014018096
5.種々の化合物添加によるFAD−GDHの安定性向上効果の検証2
上記で取得したFAD−GDH標品を酵素濃度が約200U/mLとなるように酵素希釈液(50mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.0))で希釈した。この酵素溶液(約200U/mL)に、5%の表2記載の各種化合物(適宜NaOHもしくはHClを用いてpH7.0に調製)を同量添加して混合した。この酵素と各種化合物の混合組成物(酵素濃度:約100U/mL、化合物濃度:2.5%)について、3.記載の方法に従って40℃15分処理後の活性残存率(%)を算出した。なお、コントロールには、各種化合物の代わりに蒸留水を添加したものを用いた。
これらの検討の結果、塩酸アミノグアニジン、アルギニン塩酸塩、リジン塩酸塩、オルニチン塩酸塩、グリシン、グルタミン酸ナトリウム、シトラコン酸、グリコール酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、リンゴ酸、クエン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、トレハロース、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウムを添加することにより、コントロールに比べてFAD−GDHの安定性が向上することが明らかとなった(表2)。 特に、リジン塩酸塩、オルニチン塩酸塩、シトラコン酸、グルコール酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、リンゴ酸、クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウムを添加した場合には、コントロールの活性残存率(%)が6.1%であるのに対し、活性残存率(%)が50%を越え、高い安定性が確認された。それらの中でも、シトラコン酸、リンゴ酸、硫酸アンモニウムは活性残存率(%)が80%を越え、顕著に高い安定性が確認された。
Figure 2014018096
6.種々の化合物添加によるFAD−GDHの安定性向上効果の検証3
上記で取得したFAD−GDH標品を酵素濃度が約200U/mLとなるように酵素希釈液(200mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.0))で希釈した。この酵素溶液(約200U/mL)に、100mMの表3記載の各種化合物(適宜NaOHもしくはHClを用いてpH7.0に調製)を同量添加して混合した。この酵素と各種化合物の混合組成物(酵素濃度:約100U/mL、化合物濃度:50mM)について、3.記載の方法に従って40℃15分処理後の活性残存率(%)を算出した。なお、コントロールには、各種化合物の代わりに蒸留水を添加したものを用いた。
これらの検討の結果、塩酸アミノグアニジン、リジン塩酸塩、オルニチン塩酸塩、シトラコン酸、酒石酸ナトリウム、リンゴ酸、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、αシクロデキストリンを添加することにより、FAD−GDHの安定性が向上することが明らかとなった(表3)。
特に、オルニチン塩酸塩、シトラコン酸、リンゴ酸、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウムを添加した場合には、コントロールの活性残存率(%)が32.0%であるのに対し、活性残存率(%)が50%を越え、高い安定性が確認された。それらの中でも、シトラコン酸は活性残存率(%)が80%を越え、顕著に高い安定性が確認された。また、表2の条件(緩衝液終濃度25mM)における添加物なしの活性残存率(%)と表3の条件(緩衝液終濃度100mM)における添加物なしの活性残存率(%)を比べると、表3の条件の方が安定であることから、緩衝液の濃度が高いほどFAD−GDHが安定であることがわかる。
Figure 2014018096
7.種々の化合物添加によるFAD−GDHの安定化効果の検証4
上記で取得したFAD−GDH標品を酵素濃度が約500U/mLとなるように酵素希釈液(100mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.0))で希釈した。この酵素溶液(約500U/mL)に、100mMの表4中の各種化合物(適宜NaOHもしくはHClを用いてpH7.0に調製)を同量添加して混合した。この酵素と各種化合物の混合組成物(酵素濃度:約250U/mL、化合物濃度:50mM)をスライドガラス上に2μLずつスポットし、45℃15分の加熱処理により、酵素と各種化合物の混合組成物を乾燥させた。加熱乾燥処理後、酵素と各種化合物の混合組成物を100mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.0)に溶解させ、3.記載の方法に従って、加熱乾燥処理前の溶液中の活性を100%として、45℃15分加熱乾燥処理後の活性残存率(%)を算出した。なお、コントロールには、各種化合物の代わりに蒸留水を添加したものを用いた。
これらの検討の結果、グルコースセンサー作製時のような加熱乾燥処理条件においても、トレハロース、オルニチン塩酸塩、シトラコン酸、硫酸アンモニウムを添加することにより、FAD−GDHの安定性が増大することが明らかとなった(表4)。このことから、これら各該化合物を含むFAD−GDHの組成物は、加熱乾燥時における酵素の安定性向上効果を有し、グルコースセンサー作製に用いた場合も非常に有効であることがわかる。
Figure 2014018096

Claims (9)

  1. ケカビ亜門、好ましくは、ケカビ綱、より好ましくは、ケカビ目、さらに好ましくは、ケカビ科に分類される微生物に由来するフラビン結合グルコースデヒドロゲナーゼ(FAD−GDH)を含む組成物において、安定化剤として、アミノグアニジン、アルギニン、リジン、オルニチン、グリシン、グルタミン酸、シトラコン酸、グリコール酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸並びにこれらの塩化合物、トレハロース、キシリトール、スクロース、αシクロデキストリン、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムおよび硫酸アンモニウムから選択される1種または2種以上の化合物を共存させる工程を含む、FAD−GDHの安定性を向上させる方法。
  2. 配列番号1で示されるアミノ酸配列、該アミノ酸配列と90%以上同一なアミノ酸配列または該アミノ酸配列において1もしくは数個アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有するFAD−GDHを含む組成物における、請求項1記載のFAD−GDHの安定性を向上させる方法。
  3. ケカビ亜門、好ましくは、ケカビ綱、より好ましくは、ケカビ目、さらに好ましくは、ケカビ科に分類される微生物に由来するFAD−GDHおよび、アミノグアニジン、アルギニン、リジン、オルニチン、グリシン、グルタミン酸、シトラコン酸、グリコール酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸並びにこれらの塩化合物、トレハロース、キシリトール、スクロース、αシクロデキストリン、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムおよび硫酸アンモニウムから選択される1種または2種以上の化合物を含むグルコース測定用組成物。
  4. 配列番号1で示されるアミノ酸配列、該アミノ酸配列と90%以上同一なアミノ酸配列、または該アミノ酸配列において1もしくは数個アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有するFAD−GDHを含む請求項3記載のグルコース測定用組成物。
  5. ケカビ亜門、好ましくは、ケカビ綱、より好ましくは、ケカビ目、さらに好ましくは、ケカビ科に分類される微生物に由来するFAD−GDHと、アミノグアニジン、アルギニン、リジン、オルニチン、グリシン、グルタミン酸、シトラコン酸、グリコール酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸並びにこれらの塩化合物、トレハロース、キシリトール、スクロース、αシクロデキストリン、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムおよび硫酸アンモニウムから選択される1種または2種以上の化合物を共存させることを特徴とする、グルコース測定用組成物の製造方法。
  6. 配列番号1で示されるアミノ酸配列、該アミノ酸配列と90%以上同一なアミノ酸配列または該アミノ酸配列において1もしくは数個アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有するFAD−GDHを含む請求項5記載のグルコース測定用組成物の製造方法。
  7. 請求項3〜4記載の組成物を用いるグルコース濃度の測定方法。
  8. 請求項3〜4記載の組成物を含むグルコースアッセイキット。
  9. 請求項3〜4記載の組成物を含むグルコースセンサー。
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