JP2014017072A - 正極合剤およびその製造方法、非水電解液二次電池 - Google Patents

正極合剤およびその製造方法、非水電解液二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】非水電解液二次電池のサイクル特性を向上させることができる正極合剤を提供することである。
【解決手段】本発明の一態様にかかる正極合剤は、正極活物質1と、正極活物質1の表面の少なくとも一部を被覆する添加剤2とを備える。そして、添加剤2は、少なくとも一部にクリストバライト型構造を有するLiMPO(Mは典型元素である)を含む。例えば、添加剤2はLiZnPOを含んでいてもよい。更に、添加剤はLiZnPOに加えてLiMgPOを含んでいてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は正極合剤、正極合剤の製造方法、および非水電解液二次電池に関する。
非水電解液二次電池の一つにリチウムイオン二次電池がある。リチウムイオン二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極および負極の間を、非水電解液中のリチウムイオンが移動することで充放電可能な二次電池である。
特許文献1には、LiMn1.5Ni0.54−w(式中、0<x<2、0≦w<2である)で表わされるリチウムマンガンニッケル系複合酸化物(正極活物質)の表面を、Mg、Al、Ti、Zr及びZnから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を含む金属酸化物で被覆することで、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上させる技術が開示されている。
特開2006−36545号公報
背景技術で説明したように、特許文献1に開示されている技術では、正極活物質の表面を金属酸化物で被覆することで、正極活物質に含まれるマンガンイオンが電解液中に溶出することを抑制し、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上させている。
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、リチウムイオン二次電池のサイクル特性の改善が不十分であるという問題がある。すなわち、特許文献1に開示されている技術では、正極活物質の表面を金属酸化物で被覆している。ここで、金属酸化物は酸および塩基と反応する両性酸化物であるため、正極に含まれる金属酸化物が電解液中に溶出して負極に析出し、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を悪化させるという問題がある。例えば、金属酸化物として酸化亜鉛(ZnO)を用いた場合、ZnOは酸性条件ではZn2+イオンとなり電解液中に溶出する。また、塩基性条件ではZn(OH) 2−イオンとなり電解液中に溶出する。このようにイオン化した亜鉛は電気化学反応によって負極に析出し、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を悪化させるという問題がある。よって、特許文献1に開示されている技術では、リチウムイオン二次電池のサイクル特性の改善が不十分である。
上記課題に鑑み本発明の目的は、非水電解液二次電池のサイクル特性を向上させることができる正極合剤、正極合剤の製造方法、および非水電解液二次電池を提供することである。
本発明の一態様にかかる正極合剤は、正極活物質と、前記正極活物質の表面の少なくとも一部を被覆する添加剤と、を備え、前記添加剤は、少なくとも一部にクリストバライト型構造を有するLiMPO(Mは典型元素である)を含む。
上記正極合剤において、前記添加剤はLiZnPOを含んでいてもよい。
上記正極合剤において、前記添加剤はLiMgPOを含んでいてもよい。
上記正極合剤において、前記添加剤はLiZnPOに由来するクリストバライト型構造とLiMgPOに由来するオリビン型構造の混合相を含んでいてもよい。
上記正極合剤において、前記正極活物質はニッケルマンガン酸リチウムを含んでいてもよい。
上記正極合剤は更に導電剤を含んでいてもよい。
本発明の一態様にかかる非水電解液二次電池は、上記正極合剤を有する正極と、負極活物質を含む負極合剤を有する負極と、リチウム塩および非水溶媒を含む非水電解液と、を有する。
本発明の一態様にかかる正極合剤の製造方法は、LiOとPと典型元素の酸化物とを含む原料を混合して混合粉末を調製する工程と、前記混合粉末に対してメカニカルミリング処理を行いクリストバライト型構造を有する添加剤を形成する工程と、前記添加剤と正極活物質とを混合して正極合剤を形成する工程と、を備える。
上記正極合剤の製造方法において、前記典型元素の酸化物はZnOであってもよく、前記添加剤はLiZnPOを含んでいてもよい。
上記正極合剤の製造方法において、前記添加剤を形成する際に、台盤回転数300〜550rpmで20〜50時間、メカニカルミリング処理を行なってもよい。
上記正極合剤の製造方法において、前記添加剤を形成する際に、台盤回転数450〜550rpmでメカニカルミリング処理を行なってもよい。
上記正極合剤の製造方法において、前記混合粉末を調製する際に更にMgOを加え、前記混合粉末に対してメカニカルミリング処理を行いLiZnPOとLiMgPOとを含む添加剤を形成してもよい。
本発明により、非水電解液二次電池のサイクル特性を向上させることができる正極合剤、正極合剤の製造方法、および非水電解液二次電池を提供することができる。
実施の形態にかかる正極合剤を示す図である。 正極合剤に含まれる添加剤の作製手順を示すフローチャートである。 添加剤のX線回折パターンを示す図である。 正極の作製手順を示すフローチャートである。 添加剤のX線回折パターンを示す図である。 作製した各サンプルの正極活物質、添加剤、添加剤の作製条件、および正極活物質と添加剤の割合を示す表である。 作製したサンプルの高温保存試験の流れを示すフローチャートである。 作製したサンプルの充放電曲線(1サイクル目)である。 作製したサンプルの充放電曲線(180サイクル目)である。 作製したサンプルの充放電曲線(60℃で3日間保存後)である。 作製したサンプルのサイクル数と放電容量との関係を示す図である(60℃で3日間保存後)。 実施例1にかかるサンプルの高温保存前におけるインピーダンス測定結果を示す図である。 実施例2にかかるサンプルの高温保存前におけるインピーダンス測定結果を示す図である。 比較例2にかかるサンプルの高温保存前におけるインピーダンス測定結果を示す図である。 実施例1にかかるサンプルの高温保存後におけるインピーダンス測定結果を示す図である。 実施例2にかかるサンプルの高温保存後におけるインピーダンス測定結果を示す図である。 比較例2にかかるサンプルの高温保存後におけるインピーダンス測定結果を示す図である。 各サンプルの添加剤、充放電効率、およびサイクル安定性を示す表である。 各サンプルの添加剤、充放電効率、高温保存後の容量、サイクル安定性、および抵抗増加率を示す表である。 実施例1にかかるサンプル表面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例2にかかるサンプル表面の走査型電子顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。以下では、本実施の形態にかかる正極合剤と、この正極合剤を用いた非水電解液二次電池(以下、リチウムイオン二次電池を例として説明する)について説明する。
<正極(正極合剤)>
図1は、実施の形態にかかる正極合剤を示す図である。図1に示すように、本実施の形態にかかる正極合剤は、正極活物質1と、正極活物質1の表面の少なくとも一部を被覆する添加剤2とを備える。更に、本実施の形態にかかる正極合剤は、導電剤3を備えていてもよい。
正極活物質1は、リチウムを吸蔵・放出可能な材料であり、例えばコバルト酸リチウム(LiCoO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、これらの混合物であるニッケルマンガン酸リチウムやニッケルコバルトマンガン酸リチウム等を用いることができる。ニッケルマンガン酸リチウムはスピネル構造を有し、組成としては例えばLiNi0.5Mn1.5が挙げられる。また、ニッケルコバルトマンガン酸リチウムの組成としては、例えばLiNi1/3Co1/3Mn1/3が挙げられる。
添加剤2は、少なくとも一部にクリストバライト型構造を有するLiMPOを含む。ここで、Mは典型元素であり、例えば、M=B、Mg、Al、Si、Ca、Zn、Ga、Ge、As、Sr、Cd、In、Sn、Sb、Ba、Hg、Tl、Pb、Bi、Poから選ばれる少なくとも一つの元素である。つまり、添加剤2は、リチウムと典型元素のリン酸塩からなる化合物である。例えば、添加剤2として、クリストバライト型構造を有するLiZnPOを用いることができる。また、添加剤2として、LiZnPOとLiMgPOとを含む材料を用いてもよい。この場合、添加剤2はLiZnPOに由来するクリストバライト型構造とLiMgPOに由来するオリビン型構造の混合相を含む。
添加剤2(以下では、LiZnPOを例として説明する)を作製する際は、例えば、原料であるLiO、ZnOおよびPを、LiZnPOの組成式で示される割合に秤量して密閉型粉砕容器に入れる。そして、これらの原料を、メカニカルミリング法を用いて機械的に混合・摩砕する。
メカニカルミリング法は、固体物質に粉砕、衝撃、摩擦等の機械的なエネルギーを加えることにより、物質表面を活性化させて物質を反応させたり構造変化させたりする方法である。メカニカルミリング法としては、例えばボールミル装置を用いる方法が挙げられる。
上記原料を入れた密閉型粉砕容器を遊星型ボールミル装置に取り付けて、台盤回転数300〜550rpm、より好ましくは450〜550rpmで20〜50時間、メカニカルミリング処理を行なう。例えば、密閉型粉砕容器の材質はステンレスであり、ボールの材質はジルコニア、プラスチックポリアミド、窒化ケイ素、タングステンカーバイド、アルミナ、クロム鋼等が挙げられる。このように、原料であるLiO、ZnOおよびPを混合してメカニカルミリング処理を行なうことで、クリストバライト型構造を有するLiZnPOを作製することができる。LiZnPOの結晶構造はX線回折法を用いて確認することができる。
なお、メカニカルミリング処理において、台盤回転数が300rpm未満の場合は結晶が形成しにくくなり、また台盤回転数が550rpmよりも大きい場合はシンタリングが発生しやすくなるため、台盤回転数は300〜550rpmが好ましい範囲である。
そして、正極活物質1と添加剤2(LiZnPO)とを所定の割合で混合し、更に、導電剤3と溶媒と結着剤(バインダー)とを加えて混練することで正極合剤を作製することができる。このようにして作製した正極合剤を正極集電体に塗布して乾燥することによりリチウムイオン二次電池の正極を作製することができる。
ここで、導電剤3としては、例えばアセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、黒鉛(グラファイト)を用いることができる。また、溶媒としては、例えばNMP(N−メチル−2−ピロリドン)溶液を用いることができる。また、バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を用いることができる。また、正極集電体として、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金を用いることができる。
<負極>
リチウムイオン二次電池の負極は負極活物質を有する。負極活物質は、リチウムを吸蔵・放出可能な材料であり、例えば、黒鉛(グラファイト)等からなる粉末状の炭素材料や、天然黒鉛を非晶質炭素で被覆した非晶質炭素被覆天然黒鉛等を用いることができる。そして、正極と同様に、負極活物質と、溶媒と、バインダーとを混練し、混練後の負極合剤を負極集電体に塗布して乾燥することによって負極を作製することができる。ここで、負極集電体として、例えば銅やニッケルあるいはそれらの合金を用いることができる。
<非水電解液>
非水電解液は、非水溶媒に支持塩が含有された組成物である。ここで、非水溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等からなる群から選択された一種または二種以上の材料を用いることができる。また、支持塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiI等から選択される一種または二種以上のリチウム化合物(リチウム塩)を用いることができる。
<セパレータ>
本実施の形態にかかるリチウムイオン二次電池は、セパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、多孔性ポリエチレン膜、多孔性ポリオレフィン膜、および多孔性ポリ塩化ビニル膜等の多孔性ポリマー膜、又は、リチウムイオンもしくはイオン導電性ポリマー電解質膜を、単独、又は組み合わせて使用することができる。
<リチウムイオン二次電池>
以下、捲回電極体を備えるリチウムイオン二次電池を例として説明する。捲回電極体は、長尺状の正極シート(正極)と長尺状の負極シート(負極)とを長尺状のセパレータを介して積層し、この積層体を捲回し、得られた捲回体を側面方向から押しつぶすことで形成する。ここで、正極シートは、箔状の正極集電体の両面に正極活物質を含む正極合剤層が保持された構造を有している。負極シートも正極シートと同様に、箔状の負極集電体の両面に負極活物質を含む負極合剤層が保持された構造を有している。
リチウムイオン二次電池の容器は、上端が開放された扁平な直方体状の容器本体と、その開口部を塞ぐ蓋体とを備える。容器を構成する材料としては、アルミニウム、スチール等の金属材料が好ましい。または、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリイミド樹脂等の樹脂材料を成形した容器であってもよい。容器の上面(つまり、蓋体)には、捲回電極体の正極と電気的に接続される正極端子および捲回電極体の負極と電気的に接続される負極端子が設けられている。
そして、捲回電極体の両端部の正極シートおよび負極シートが露出した部分(正極合剤層および負極合剤層がない部分)に、正極リード端子および負極リード端子をそれぞれ設け、上述の正極端子および負極端子とそれぞれ電気的に接続する。このようにして作製した捲回電極体を容器本体に収容し、蓋体を用いて容器本体の開口部を封止する。その後、蓋体に設けられた注液孔から非水電解液を注液し、注液孔を封止キャップで閉塞することにより、本実施形態にかかるリチウムイオン二次電池を作製することができる。
<コンディショニング処理>
上記の方法で作製したリチウムイオン二次電池にコンディショニング処理を実施する。コンディショニング処理は、リチウムイオン二次電池の充電および放電を所定の回数繰り返すことで実施することができる。コンディショニング処理を実施する際の充電レート、放電レート、充放電の設定電圧は任意に設定することができる。
背景技術で説明したように、特許文献1に開示されている技術では、正極活物質の表面を金属酸化物で被覆することで、正極活物質に含まれるマンガンイオンが電解液中に溶出することを抑制し、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上させていた。
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、リチウムイオン二次電池のサイクル特性の改善が不十分であるという問題があった。すなわち、特許文献1に開示されている技術では、正極活物質の表面を金属酸化物で被覆している。ここで、金属酸化物は酸および塩基と反応する両性酸化物であるため、正極に含まれる金属酸化物が電解液中に溶出して負極に析出し、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を悪化させるという問題があった。例えば、金属酸化物として酸化亜鉛(ZnO)を用いた場合、ZnOは酸性条件ではZn2+イオンとなり電解液中に溶出する。また、塩基性条件ではZn(OH) 2−イオンとなり電解液中に溶出する。このようにイオン化した亜鉛は電気化学反応によって負極に析出し、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を悪化させるという問題があった。よって、特許文献1に開示されている技術では、リチウムイオン二次電池のサイクル特性の改善が不十分であった。
そこで本実施の形態にかかる発明では、少なくとも一部にクリストバライト型構造を有するLiMPO(Mは典型元素である)を含む添加剤を正極合剤に添加している。このように添加剤を添加することで、正極活物質の表面の少なくとも一部を添加剤で被覆することができ、高電圧下において正極活物質と電解液とが反応することを抑制することができる。換言すると、正極活物質の表面の少なくとも一部を添加剤で被覆することで、正極活物質の表面の活性を低下させることができる。このため、正極活物質の表面と電解液とが接触した際に電解液が分解することを抑制することができる。本実施の形態にかかる発明では、リチウムイオン二次電池の動作電圧の上限が4.2V以上、更に好ましくは4.5V以上の場合においても上記の効果を得ることができる。このことは、以下の実施例で説明する、3.0〜5.0(V vs.Li/Li)の電圧範囲で行なったリチウムイオン二次電池の充放電試験結果からも明らかである。
特に本実施の形態にかかる発明では、結晶構造が安定なクリストバライト型構造を有するリン酸塩を添加剤として用いている。リン酸塩は酸や塩基に対して安定した化合物であり、このため添加剤が電解液中に溶出することを抑制することができる。よって、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上させることができる。
更に本実施の形態にかかる発明では、添加剤にリチウムを含む材料を用いているので、添加剤に含まれるリチウムがリチウムイオン伝導体として機能する。よって、リチウムイオン二次電池のレート特性の低下や高温保存による電池抵抗の増加を抑制することができる。
以上で説明した本実施の形態にかかる発明により、非水電解液二次電池のサイクル特性を向上させることができる正極合剤、正極合剤の製造方法、および非水電解液二次電池を提供することができる。
次に、本発明の実施例について説明する。
<添加剤の作製>
まず添加剤の作製方法について説明する。図2は、添加剤の作製手順を説明するためのフローチャートである。添加剤であるLiZnPOを作製するために、まず、添加剤の原料であるLiO、ZnOおよびPを準備した(ステップS1)。その後、高純度アルゴンが充填されたグローブボックス内で、原料であるLiO、ZnOおよびPを、LiZnPOの組成式で示される割合に秤量して密閉型粉砕容器に入れて混合した(ステップS2)。そして、遊星型ボールミル装置(フリッチュ・ジャパン製、P−7)に密閉型粉砕容器を取り付けて、台盤回転数450rpmで20時間、メカニカルミリング処理を行なうことで添加剤(LiZnPO)を作製した(ステップS3)。このとき用いた密閉型粉砕容器の材質はステンレスであり、ボールの材質はジルコニアであった。
また、上記と異なるメカニカルミリング条件、つまり、台盤回転数550rpmで50時間、メカニカルミリング処理を行なうことで添加剤(LiZnPO)を作製した(実施例2)。
このようにして作製した添加剤(LiZnPO)の結晶構造を、X線回折装置(Rigaku製、Mini Flex)を用いて調べた。X線回折測定用のサンプルは、X線回折装置のサンプルフォルダに、メカニカルミリング処理後の粉末を空気中で均等に詰め込むことで作製した。X線源はCuKa線であり、X線管球の電圧は30kV、電流は15mAであった。そして、回折角5°≦2θ≦80°、スキャンスピード2°/min、サンプリング幅0.01°の条件で測定を行なった。
図3は、添加剤(LiZnPO)のX線回折パターンを示す図である。図3に示すように、LiZnPOのX線回折パターン(450rpm、20h:実施例1)は、LiZnPO(クリストバライト型構造)のJCPDSカードに示されるX線回折パターン(PDF#051−1662)と一致した。同様に、異なるメカニカルミリング条件で作製したLiZnPOのX線回折パターン(550rpm、50h:実施例2)も、LiZnPO(クリストバライト型構造)のJCPDSカードに示されるX線回折パターン(PDF#051−1662)と一致した。よって、これらの添加剤(LiZnPO)がクリストバライト型構造を有することが確認された。
<正極の作製>
次に、正極の作製方法について説明する。図4は、正極の作製手順を説明するためのフローチャートである。まず、正極活物質であるLiNi0.5Mn1.5と添加剤であるLiZnPOをそれぞれ99:1(重量比)の割合で混合して正極混合粉末を調製した(ステップS11)。次に、調製した正極混合粉末に導電剤であるアセチレンブラック(AB)を混合した。更にこの混合粉末に、バインダーであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)を溶解したNMP(N−メチル−2−ピロリドン)溶液を混合した(ステップS12)。そして、この溶液を2時間撹拌して混合することで、スラリーを作製した(ステップS13)。このときの正極混合粉末(正極活物質+添加剤)と導電剤(AB)とバインダー(PVdF)との混合比は、85:5:10(重量比)とした。このようにして得られたスラリーが正極合剤である。
その後、得られた正極合剤をドクターブレード法により正極集電体であるAl箔(15μm厚)に塗布した(ステップS14)。そして、正極合剤が塗布されたAl箔を空気中において80℃で2時間乾燥してNMP溶液を除去した(ステップS15)。更に、120℃で10時間、真空乾燥を行なった(ステップS16)。真空乾燥後、正極合剤を成形してプレスすることで正極合剤を正極集電体に圧着した(ステップS17)。その後、更に120℃で10時間、真空乾燥を行なった(ステップS18)。作製した正極の面積は1.77cm(直径1.5cmの円形)とした。
<リチウムイオン二次電池の作製>
上記のようにして作製した正極を用いてCR2032型の2極式コインセルを作製した。このとき、負極として金属リチウムを用いた。また、電解液として、EC(エチレンカーボン)とEMC(エチルメチルカーボネート)とを体積比率3:7で混合した混合溶媒に、支持塩である六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を濃度1mol/dmとなるように溶解したものを用いた。
図6は、作製した各サンプルの正極活物質、添加剤、添加剤の作製条件、および正極活物質と添加剤の割合を示す表である。本実施例では、台盤回転数450rpmで20時間、メカニカルミリング処理を行なって作製した添加剤を添加したサンプルを実施例1とし、台盤回転数550rpmで50時間、メカニカルミリング処理を行なって作製した添加剤を添加したサンプルを実施例2とした。実施例1と実施例2の異なる点は、メカニカルミリング処理の条件のみであり、これ以外は同一とした。
<比較例1>
比較例1として、添加剤にZnOを用いたサンプルを作製した。比較例1の正極を作製する際は、正極活物質であるLiNi0.5Mn1.5と添加剤であるZnOをそれぞれ99:1(重量比)の割合で混合して正極混合粉末を調製した。これ以降の作製手順は実施例1、2の正極の作製手順(図4のステップS12以降参照)と同様であるので、重複した説明は省略する。そして、上記と同様に、作製した正極を用いてCR2032型の2極式コインセルを作製した。このとき、負極として金属リチウムを用いた。また、電解液として、EC(エチレンカーボン)とEMC(エチルメチルカーボネート)とを体積比率3:7で混合した混合溶媒に、支持塩である六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を濃度1mol/dmとなるように溶解したものを用いた。
<比較例2>
比較例2として、添加剤を添加しないサンプルを作製した。比較例2の正極を作製する際は、正極活物質であるLiNi0.5Mn1.5に導電剤であるアセチレンブラック(AB)を混合した。更にこの混合粉末に、バインダーであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)を溶解したNMP(N−メチル−2−ピロリドン)溶液を混合した。このときの正極活物質とABとバインダーとの混合比は、85:5:10(重量比)とした。これ以降の作製手順は実施例1、2の正極の作製手順(図4のステップS13以降参照)と同様であるので、重複した説明は省略する。そして、上記と同様に、作製した正極を用いてCR2032型の2極式コインセルを作製した。このとき、負極として金属リチウムを用いた。また、電解液として、EC(エチレンカーボン)とEMC(エチルメチルカーボネート)とを体積比率3:7で混合した混合溶媒に、支持塩である六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を濃度1mol/dmとなるように溶解したものを用いた。
<比較例3>
比較例3として、添加剤にLiMgPOを用いたサンプルを作製した。添加剤であるLiMgPOの作製方法については、図2に示した作製手順と基本的に同様である。まず、添加剤の原料であるLiO、MgOおよびPを準備した。その後、高純度アルゴンが充填されたグローブボックス内で、原料であるLiO、MgOおよびPを、LiMgPOの組成式で示される割合に秤量して密閉型粉砕容器に入れて混合した。そして、遊星型ボールミル装置(フリッチュ・ジャパン製、P−7)に密閉型粉砕容器を取り付けて、台盤回転数450rpmで20時間、メカニカルミリング処理を行なった。このとき用いた密閉型粉砕容器の材質はステンレスであり、ボールの材質はジルコニアであった。
このようにして作製した添加剤(LiMgPO)の結晶構造を、X線回折装置(Rigaku製、Mini Flex)を用いて調べた。X線回折測定用のサンプルは、X線回折装置のサンプルフォルダに、メカニカルミリング処理後の粉末を空気中で均等に詰め込むことで作製した。X線源はCuKa線であり、X線管球の電圧は30kV、電流は15mAであった。そして、回折角5°≦2θ≦80°、スキャンスピード2°/min、サンプリング幅0.01°の条件で測定を行なった。
図5は、添加剤(LiMgPO)のX線回折パターンを示す図である。図5に示すように、LiMgPOのX線回折パターンは、LiMgPO(オリビン型構造)のJCPDSカードに示されるX線回折パターン(PDF#00−032−0574)と一致した。よって、この添加剤(LiMgPO)がオリビン型構造を有することが確認された。
比較例3の正極を作製する際は、正極活物質であるLiNi0.5Mn1.5と添加剤であるLiMgPOをそれぞれ99:1(重量比)の割合で混合して正極混合粉末を調製した。これ以降の作製手順は実施例1、2の正極の作製手順(図4のステップS12以降参照)と同様であるので、重複した説明は省略する。そして、上記と同様に、作製した正極を用いてCR2032型の2極式コインセルを作製した。このとき、負極として金属リチウムを用いた。また、電解液として、EC(エチレンカーボン)とEMC(エチルメチルカーボネート)とを体積比率3:7で混合した混合溶媒に、支持塩である六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を濃度1mol/dmとなるように溶解したものを用いた。
図6に、実施例1、2、および比較例1〜3にかかるサンプルの正極活物質、添加剤、添加剤の作製条件、および正極活物質と添加剤の割合を示す。
上記のようにして作製した各サンプルについて、充放電試験、インピーダンス測定、高温保存試験をそれぞれ実施した。各試験の方法と試験結果を以下に示す。
<充放電試験>
試験電極を正極、金属リチウムを負極とした場合、正極からリチウムイオンを脱離させる過程を「充電」とし、正極にリチウムイオンを挿入させる過程を「放電」として測定を行なった。測定装置には、充放電試験装置(北斗電工社製:HJ−1001 SM8A)を使用した。測定条件は、1サイクル目の充放電時の電流密度を0.2mA/cmとし、2サイクル目以降の充放電時の電流密度を0.5mA/cmとし、電圧範囲を3.0〜5.0(V vs.Li/Li)、測定温度を25℃とした。
<インピーダンス測定>
試験電極(正極)の抵抗(交流インピーダンス)を測定するために、EIS(Electrochemical impedance Spectroscopy)測定を行なった。測定装置には、電気化学測定装置(オランダIVIUM社製:ポテンショスタット/ガルバノスタット)を使用した。測定条件は、AC振幅を10mV、周波数範囲を10mHz〜100kHzとした。
<高温保存試験>
作製した各サンプルに対して高温保存試験を実施した。高温保存試験の流れを図7のフローチャートに示す。まず、作製した各サンプルに対して電流密度0.2mA/cm(室温)で1サイクル目の充放電を行なった(ステップS21)。1サイクル目の充放電後、各サンプルを電流密度0.5mA/cm(室温)で充電した(2サイクル目の充電:ステップS22)。その後、各サンプルの室温でのインピーダンスを測定した(ステップS23)。このとき測定したインピーダンスは、高温保存前のインピーダンスである。
その後、各サンプルを60℃の環境下で3日間保存して高温保存試験を実施した(ステップS24)。高温保存後、各サンプルを室温環境下に放置して、各サンプルの室温におけるインピーダンスを測定した(ステップS25)。このとき測定したインピーダンスは、高温保存後のインピーダンスである。そして、各サンプルを電流密度0.5mA/cmで放電(2サイクル目の放電)した後、3サイクル目以降の充放電試験を行なった(ステップS26)。
<試験結果1(室温における充放電試験結果)>
図8Aに、実施例1、比較例1、2にかかるサンプルの充放電曲線(1サイクル目)を示す。図8Bに、実施例1、比較例1、2にかかるサンプルの充放電曲線(180サイクル目)を示す。ここで、実施例1は正極の添加剤としてLiZnPO(メカニカルミリング処理条件:台盤回転数450rpmで20時間)を添加したサンプル、比較例1は正極の添加剤としてZnOを添加したサンプル、比較例2は正極に添加剤を添加していないサンプルである。
図8Aに示すように、1サイクル目の充放電試験では、各サンプルの充放電容量および充放電電圧は同程度となった。一方、図8Bに示すように、180サイクル目の充放電試験では、各サンプルの容量が低下した。このとき、実施例1のサンプルでは比較例1、2のサンプルと比べて、容量の低下が抑制された。つまり、正極の添加剤としてLiZnPOを添加した実施例1では、室温での電極特性が改善した。
<試験結果2(高温保存試験の結果)>
図9Aに、実施例2、比較例2、3にかかるサンプルの充放電曲線(60℃で3日間保存後)を示す。図9Aに示す充放電曲線は3サイクル目の充放電曲線である(図7のステップS26参照)。ここで、実施例2は正極の添加剤としてLiZnPO(メカニカルミリング処理条件:台盤回転数550rpmで50時間)を添加したサンプル、比較例2は正極に添加剤を添加していないサンプル、比較例3は正極の添加剤としてLiMgPOを添加したサンプルである。
図9Aに示すように、正極の添加剤としてLiZnPOを添加した実施例2では、比較例2、3よりも容量の低下を抑制することができた。また、比較例2、3を比べると、正極の添加剤としてLiMgPOを添加した比較例3では、正極に添加剤を添加していない比較例2よりも容量の低下を抑制することができた。よって、正極に添加剤を添加することで容量の低下を抑制することができた。特に、正極の添加剤としてLiZnPOを用いた場合は容量の低下を最も抑制することができた。
図9Bに、実施例2、比較例2、3にかかるサンプルを60℃で3日間保存した後のサイクル数と放電容量との関係を示す。図9Bに示す試験結果は、図7のステップS26における充放電サイクル試験の結果である。図9Bに示すように、正極の添加剤としてLiZnPOを添加した実施例2では優れたサイクル安定性を示した。
<試験結果3(インピーダンス測定結果)>
図10A〜図10Cにそれぞれ、実施例1、実施例2、比較例2にかかるサンプルの高温保存前におけるインピーダンス測定結果を示す。また、図11A〜図11Cにそれぞれ、実施例1、実施例2、比較例2にかかるサンプルの高温保存後におけるインピーダンス測定結果を示す。ここで、実施例1は正極の添加剤としてLiZnPO(メカニカルミリング処理条件:台盤回転数450rpmで20時間)を添加したサンプル、実施例2は正極の添加剤としてLiZnPO(メカニカルミリング処理条件:台盤回転数550rpmで50時間)を添加したサンプル、比較例2は正極に添加剤を添加していないサンプルである。
図10A〜図10Cに示すように、正極に添加剤(LiZnPO)を添加しても、インピーダンスが増加しないことがわかった。また、図11A〜図11Cに示すように、正極に添加剤(LiZnPO)を添加することで、高温保存後におけるインピーダンスの増加を抑制することができた。つまり、比較例2では高温保存後にインピーダンスが大幅に増加したが(図10Cと図11C参照)、実施例1、2では高温保存後のインピーダンスの増加を抑制することができた(図10A、Bと図11A、B参照)。これは、添加剤にリチウムを含む材料を用いることで、添加剤に含まれるリチウムがリチウムイオン伝導体として機能し、これによって、高温保存後におけるインピーダンスの増加を抑制することができたからであると考えられる。
<試験結果4>
図12に、実施例1、比較例1、2にかかるサンプルの添加剤、充放電効率、およびサイクル安定性を示す。
なお、充放電効率(100サイクル平均)は、nサイクル目の充放電効率=(nサイクル目の放電量/nサイクル目の充電量)×100とし、この式を用いて1サイクル目から100サイクル目までの充放電効率をそれぞれ求め、求めた各サイクルの充放電効率の平均値を算出することで求めた。
また、サイクル安定性(180サイクル後)は、各サンプルの1サイクル目の容量(図8A参照)に対する各サンプルの180サイクル目の容量(図8B参照)の割合(%)である。つまり、実施例1の場合は、1サイクル目の容量が137mAh/gであり、180サイクル目の容量が56mAh/gであるので、サイクル安定性(180サイクル後)は41%(=56/137×100)となる。
図12に示すように、正極の添加剤としてLiZnPOを添加した実施例1では、比較例1、2よりも充放電効率およびサイクル安定性(180サイクル後)が良好であった。よって、正極の添加剤としてLiZnPOを添加した場合は、電極の特性が改善した。
<試験結果5>
図13に、実施例1、比較例2、3にかかるサンプルの添加剤、充放電効率、高温保存後の容量、サイクル安定性、抵抗増加率を示す。ここで、充放電効率の算出方法は図12の場合と同様である。高温保存後の容量は、図9Aに示す容量に対応している。また、サイクル安定性(100サイクル後)は高温保存後のサイクル安定性であり、高温保存後の1サイクル目の容量に対する100サイクル目の容量の割合である。つまり、サイクル安定性が高いほど電池の容量が維持されていることを示している。
抵抗増加率は各サンプルの高温保存後の抵抗値を初期抵抗値で割った値である。実施例1の初期抵抗値は18Ω(図10A参照)、高温保存後の抵抗値は75Ω(図11A参照)であり、抵抗増加率は4.1倍であった。比較例2の初期抵抗値は23Ω(図10C参照)、高温保存後の抵抗値は200Ω(図11C参照)であり、抵抗増加率は8.7倍であった。比較例3の初期抵抗値は16Ω、高温保存後の抵抗値は89Ωであり、抵抗増加率は5.5倍であった。
図13に示すように、正極の添加剤としてLiZnPOを添加した実施例1では、比較例2、3よりも充放電効率およびサイクル安定性(100サイクル後)が良好であった。また、実施例1では高温保存後の容量も最も大きく、更に抵抗増加率が最も低かった。よって、正極の添加剤としてLiZnPOを添加した場合は、電極の特性が改善した。
また、正極の添加剤としてLiMgPOを添加した比較例3では、正極に添加剤を添加していない比較例2と比べて、充放電効率およびサイクル安定性(100サイクル後)が良好であった。また、比較例3は比較例2と比べて高温保存後の容量も大きく、更に抵抗増加率が低かった。よって、正極に添加剤を添加しない場合よりも、正極にLiMgPOを添加したほうが電極の特性が改善した。しかし、実施例1と比較例3の試験結果を比べると、正極の添加剤としてLiZnPOを添加した場合に電極の特性が最も改善した。
図14、図15はそれぞれ、実施例1、実施例2にかかるサンプル表面の走査型電子顕微鏡写真である。図14、図15に示すように、正極活物質であるLiNi0.5Mn1.5の表面の一部が、添加剤であるLiZnPO(円で囲った箇所)によって被覆されていることがわかる。正極活物質の20個の平均粒子径は約780nmであった(最小粒子径400nm、最大粒子径1.2μm)。
以上、本発明を上記実施の形態および実施例に即して説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
1 正極活物質
2 添加剤
3 導電剤

Claims (12)

  1. 正極活物質と、
    前記正極活物質の表面の少なくとも一部を被覆する添加剤と、を備え、
    前記添加剤は、少なくとも一部にクリストバライト型構造を有するLiMPO(Mは典型元素である)を含む、
    正極合剤。
  2. 前記添加剤はLiZnPOを含む、請求項1に記載の正極合剤。
  3. 前記添加剤は更にLiMgPOを含む、請求項2に記載の正極合剤。
  4. 前記添加剤はLiZnPOに由来するクリストバライト型構造とLiMgPOに由来するオリビン型構造の混合相を含む、請求項3に記載の正極合剤。
  5. 前記正極活物質はニッケルマンガン酸リチウムを含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の正極合剤。
  6. 前記正極合剤は更に導電剤を含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の正極合剤。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の正極合剤を有する正極と、
    負極活物質を含む負極合剤を有する負極と、
    リチウム塩および非水溶媒を含む非水電解液と、
    を有する非水電解液二次電池。
  8. LiOとPと典型元素の酸化物とを含む原料を混合して混合粉末を調製する工程と、
    前記混合粉末に対してメカニカルミリング処理を行いクリストバライト型構造を有する添加剤を形成する工程と、
    前記添加剤と正極活物質とを混合して正極合剤を形成する工程と、を備える、
    正極合剤の製造方法。
  9. 前記典型元素の酸化物はZnOであり、前記添加剤はLiZnPOを含む、請求項8に記載の正極合剤の製造方法。
  10. 前記添加剤を形成する際に、台盤回転数300〜550rpmで20〜50時間、メカニカルミリング処理を行なう、請求項8または9に記載の正極合剤の製造方法。
  11. 前記添加剤を形成する際に、台盤回転数450〜550rpmでメカニカルミリング処理を行なう、請求項10に記載の正極合剤の製造方法。
  12. 前記混合粉末を調製する際に更にMgOを加え、
    前記混合粉末に対してメカニカルミリング処理を行いLiZnPOとLiMgPOとを含む添加剤を形成する、
    請求項8乃至11のいずれか一項に記載の正極合剤の製造方法。
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