JP2014014220A - インバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両 - Google Patents

インバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両 Download PDF

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Abstract


【課題】安全性を担保するインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両を提供する。
【解決手段】受信したトルク指令に応じて、電流振幅と、トルク指令に対応する第1電流位相およびトルク指令の値よりも低く同じ符号の出力トルク又はゼロの出力トルクに対応する第2電流位相の一方である電流位相とを出力する振幅位相設定部36Xと、電流振幅と、電流位相と、電動機10に供給される電流と、回転子12の位置および向きとから、電圧指令を出力する電流制御部36Cと、電流制御部36Cへ磁極位置判定指令を出力し、磁極位置判定指令により電動機10へ供給される電流を受信して回転子12の位置を判定する磁極位置判定部36Eと、電流制御部36Cへ磁極向き判定指令を出力し、磁極向き判定指令により電動機10へ供給される電流を受信して回転子12の磁極の向きを判定する磁極向き判定部36Fと、を備えた特徴とするインバータ制御装置。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、インバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両に関する。
永久磁石電動機を駆動する際には、所望のトルクを発生させるために回転子の磁極位置および磁極向きに対応した適切な位相で駆動電流をコイルに供給する必要がある。従来は、永久磁石電動機の回転中にコイルに発生する誘起電圧を利用して回転子の磁極位置を検出する方法が提案されている。
しかしながら、回転子の磁極向きを誤って検出した場合、エンジンを搭載した車両では逆走することはないが、例えば電動車両において、ノイズの影響や永久磁石電動機の故障等により回転子の磁極向きを誤って検出した場合、車両が逆走する可能性があった。
特開2010−95029号公報 特許第3312472号公報
本発明の実施形態は上記事情を鑑みて成されたものであって、安全性を担保するインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両を提供することを目的とする。
実施形態によれば、電気的突極性を有する回転子を備えた電動機と、前記電動機を駆動するインバータとを備えた電動車両に適用されるインバータ制御装置であって、受信したトルク指令に応じて、電流振幅と、前記トルク指令に対応する第1電流位相および前記トルク指令の値よりも低く同じ符号の出力トルクあるいはゼロの出力トルクを実現する第2電流位相のいずれか一方である電流位相とを出力する振幅位相設定部と、電流振幅と電流位相と、前記電動機に供給される電流と、前記回転子の位置と、前記回転子の磁極の向きとから、電圧指令を出力する電流制御部と、前記電圧指令を受信して前記インバータのスイッチング信号を出力するPWM制御部と、前記電流制御部へ磁極位置判定指令を出力し、磁極位置判定指令により前記電動機へ供給される電流を受信して前記回転子の位置を判定する磁極位置判定部と、前記電流制御部へ磁極向き判定指令を出力し、磁極向き判定指令により前記電動機へ供給される電流を受信して前記回転子の磁極の向きを判定する磁極向き判定部と、を備えた特徴とするインバータ制御装置が提供される。
図1は、第1実施形態のインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両の一構成例を概略的に示す図である。 図2は、図1に示す電動車両の永久磁石電動機の一構成例を概略的に示す図である。 図3は、電流位相と永久磁石電動機10の出力トルクとの関係の一例を示す図である。 図4は、電流位相と永久磁石電動機10の出力トルクとの関係の他の例を示す図である。 図5は、第1実施形態のインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両の動作の一例を説明するフローチャートである。 図6は、第1実施形態のインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両の他の構成例を概略的に示す図である。 図7は、第2実施形態のインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両の一構成例を概略的に示す図である。 図8は、第2実施形態のインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両の動作の一例を説明するフローチャートである。 図9は、第3実施形態のインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両の一構成例を概略的に示す図である。 図10は、第4実施形態のインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両の一構成例を概略的に示す図である。 図11は、第4実施形態のインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両の動作の一例を説明するフローチャートである。
以下、第1実施形態のインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態のインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両の一構成例を概略的に示す図である。
本実施形態の電動車両は、永久磁石電動機10と、バッテリ20と、インバータ30と、車両ブレーキ40と、車輪50L、50Rと、永久磁石電動機10の回転動力を車輪50L、50Rへ伝達する車軸60と、を備えている。
図2は、永久磁石電動機10の一構成例を概略的に示す図である。
永久磁石電動機10は、U相、V相、W相の3相のコイル10U、10V、10Wを有するステータと、このステータの界磁空間に配置された永久磁石の回転子12とを備えた同期モータである。永久磁石電動機10はインバータ30から印加された電流によってトルクを発生する。永久磁石電動機10で発生したトルクは車軸60により車輪50L、50Rに伝達されて、電動車両の前進または後進の動力となる。
バッテリ20は、例えばリチウムイオン電池、ニッケル水素電池等の蓄電池を搭載している。バッテリ20から出力された直流電力はインバータ30へ供給されるとともに、インバータ30を介して接続されている機器が発電する電気エネルギーを充電する。
インバータ30は、バッテリ20の直流電力を3相の交流電力に変換して永久磁石電動機10へ供給する。インバータ30は、インバータスイッチ部32と、電流検出部34と、インバータ制御装置36と、を有している。
インバータスイッチ部32は、インバータ制御装置36から受信したスイッチング信号により切り替わる複数のスイッチを備え、バッテリ20とU相、V相、W相の出力ラインとの間の接続を切り替えて、永久磁石電動機10に所定の電流を印加する。
電流検出部34は、インバータスイッチ部32から永久磁石電動機10へ出力される電流(電動機電流)を検出する。検出された電動機電流はインバータ制御装置36へ出力される。
インバータ制御装置36は、外部からトルク指令を受け取り、電流検出部34で検出された電動機電流情報をもとに、永久磁石電動機10が指令のトルクを出力するように、インバータスイッチ部32にスイッチング信号を出力する。
インバータ制御装置36は、振幅位相設定部36Xと、電流制御部36Cと、PWM制御部36Dと、磁極位置判定部36Eと、磁極向き判定部36Fと、を有している。振幅位相設定部36Xは、電流指令設定部36Aと、電流位相角補正部36Bとを備えている。
電流指令設定部36Aは、外部からトルク指令を受信して、そのトルクを実現する永久磁石電動機10の電流振幅および電流位相を出力する。電流指令設定部36Aは、トルクを出すために最も効率のよい動作点(最適動作点)における電流振幅(第1電流振幅)と電流位相(第1電流位相)とを格納した第1テーブルTB1を備える。
電流位相角補正部36Bは、電流指令設定部36Aから出力された電流振幅および電流位相と、磁極位置判定部36Eから出力された永久磁石電動機10の回転数を受信する。電流位相角補正部36Bは第2テーブルTB2を備えている。第2テーブルTB2は、受信した電流振幅に対応する位相選択範囲(図3および図4に示す第2位相範囲)から選択された第2電流位相を格納する。
電流位相角補正部36Bは、第2テーブルTB2を用いて第2位相範囲から選ばれた値を電流位相として出力するとともに、受信した電流振幅とを出力する。このとき、第2位相範囲から選択される値は、予めユーザにより設定された値である。電流位相角補正部36Bは、インバータ30が起動してから、受信した回転数が所定値以下である間は上記処理を行い、回転数が所定値より大きくなると処理を停止し、受信した電流振幅と電流位相とをそのまま出力する。
電流位相と永久磁石電動機10の出力トルクとの関係は、永久磁石電動機10の電気的特性、永久磁石電動機10の回転数、および、バッテリ20の電圧によって変化する。そのため、本実施形態では、電流位相と永久磁石電動機10の出力トルクとの関係を格納したテーブルTB1、TB2を電流指令設定部36Aおよび電流位相角補正部36Bに予め記憶している。
図3は、電流位相と永久磁石電動機10の出力トルクとの関係の一例を示す図である。なお、
電流指令設定部36Aの第1テーブルTB1には、外部から受け取ったトルク指令を永久磁石電動機10が最も効率良く発生するときに、永久磁石電動機10に印加される電流の電流振幅と電流位相とが格納されている。ここでは、電流指令設定部36Aが電流位相角補正部36Bへ出力する電流位相はβである。
電流位相角補正部36Bの第2テーブルTB2には、電流指令設定部36Aから受信する電流振幅と電流位相βに基づいて、第2位相範囲からユーザにより選択された第2電流位相が予め格納されている。
第2位相範囲は、電流位相βの場合と同じ符号又はゼロの出力トルクが得られる位相範囲(第1位相範囲)であって、かつ、電気角で180°ずれた位相で同じ符号又はゼロの出力トルクが得られる位相範囲である。なお、電流位相βは電気角で180°ずれた位相では異なる符合の出力トルクが得られるため、第2位相範囲には含まれない。
図4は、電流位相と永久磁石電動機10の出力トルクとの関係の他の例を示す図である。ここでは、電流位相角補正部36Bが電流指令設定部36Aから受信する電流位相はβであるとして説明する。
この場合も図4に示す場合と同様に、第2位相範囲は、電流位相βの場合と同じ符号又はゼロの出力トルクが得られる位相範囲(第1位相範囲)であって、かつ、電気角で180°ずれた位相で同じ符号又はゼロの出力トルクが得られる位相範囲である。なお、電流位相βは電気角で180°ずれた位相では異なる符合の出力トルクが得られるため、第2位相範囲には含まれない。
このような第2電流位相範囲から第2電流位相を選択すると、例えば永久磁石電動機10の回転子12の磁極向き判定が誤っている場合であっても、所望のトルクと逆のトルクが発生することがない。
ユーザが第2電流位相を第2位相範囲から選択して、第2電流位相は所定の電流振幅に対応する第2電流位相として第2テーブルTB2に格納される。例えば、ユーザは第2位相範囲から位相αを選択すると、永久磁石電動機10の駆動時に、選択可能な出力トルク中の最大値を得ることができる。
また、第2テーブルTB2には、電流位相βから第2電流位相へ電流位相を変更することにより減少する出力トルク量を補正した電流振幅が格納されていてもよい。この場合には、振幅位相設定部36Xは、第1電流位相と第2電流位相とのいずれか一方を電流位相として出力するとともに、前記第1電流振幅と、1電流位相を第2電流位相とすることにより減少したトルクを補正した第2電流振幅とのいずれか一方を電流振幅として出力する。このことにより、電流位相を第2電流位相にした場合であっても所望のトルクを実現することができる。
電流制御部36Cは、電流位相角補正部36Bから電流振幅と電流位相とを受信し、電流検出部34から電動機電流を受信し、磁極位置判定部36Eから磁極位置と磁極位置判定指令とを受信し、磁極向き判定部36Fから磁極向き判定指令を受信する。電流制御部36Cは、受信した電流振幅、電流位相角、磁極位置、および、電動機電流、を用いて、永久磁石電動機10への電圧指令を演算し、出力する。後述するように、磁極位置判定指令は高周波電圧指令であり、磁極向き判定指令は磁極位置に対向する電流指令である。
PWM制御部36Dは、電流制御部36Cから電圧指令を受信して、位相をずらした複数の搬送波と電圧指令とを比較することにより、インバータスイッチ部32へのスイッチング信号を生成し、インバータスイッチ部32へ出力する。
磁極位置判定部36Eは、永久磁石電動機10の回転子12の磁極位置を検出する。磁極位置判定部36Eは、高周波電圧である磁極位置判定指令を電流制御部に入力して、その磁極位置判定指令の高周波電圧と、電流検出部34で検出する電動機電流の高周波成分とをもとに磁極位置を検出する。なお、磁極位置判定部36Eは、磁極位置判定指令により永久磁石電動機10の磁極位置のみを検出し、回転子12の磁極の向きを判定せず、後述する磁極向き判定部36Fから磁極向き(N極向き)を受信して、N極向きと磁極位置とを合わせて判定磁極位置として出力する。
また、磁極位置判定部36Eは、自身で検出した磁極位置の時間変化により、永久磁石電動機10の回転数を演算して、電流位相角補正部36Bへ出力する。
磁極向き判定部36Fは、磁極位置判定部36Eから判定指令を受信すると、磁極位置判定部36Eで検出した磁極位置に対向する電流指令である磁極向き判定指令を電流制御部に入力する。その時の磁極位置判定部36Eの磁極位置判定指令と、電流検出部34が検出する電動機電流の高周波成分とから、磁極位置に対向する電流によって回転子12内の磁束が飽和した量、つまりインダクタンスの変化量を求めて、磁石の磁極向きを判定する。磁極向き判定部36Fは図示しないメモリに判定した結果を記憶する。なお、磁極向き判定部36Fは、インバータ制御装置36の起動時に一度磁極向きを判定し、判定結果を記憶すれば磁極向き判定指令を停止する。
車両ブレーキ40は、その車両が意図せず前進および後進させないために車軸の回転を抑止し、車輪を回転させない機能を有する。
図5は、本実施形態のインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両の動作の一例を説明するフローチャートである。図5では、電動車両が起動してから、所定の走行速度となるまでの間の動作の一例を示している。
まず、電動車両が起動する。このときに永久磁石電動機10およびインバータ30が起動する。
その後、磁極位置判定部36Eは、磁極位置判定指令として高周波電圧を電流制御部へ出力し、電流検出部34で検出された電動機電流の高周波成分から回転子12の磁極位置を検出する(ステップSTA1)。
続いて、磁極向き判定部36Fは、磁極位置に対向する電流指令である磁極向き判定指令を電流制御部36Cへ出力し、その時の磁極位置判定部36Eの磁極位置判定指令と、電流検出部34が検出する電動機電流の高周波成分とから、磁極位置に対向する電流によって回転子12内の磁束が飽和した量、つまりインダクタンスの変化量を求めて、磁石のN極の向きを判定する。磁極向き判定部36Fは、判定したN極の向きを記憶するとともに磁極位置判定部36Eへ出力する(ステップSTA2)。
磁極位置判定部36Eは、磁極向き判定部36FからN極向きを受信して、N極向きを考慮した磁極位置を判定磁極位置として電流制御部36CとPWM制御部36Dとへ出力する。
続いて、電流指令設定部36Aは外部からトルク指令を受信し、第1テーブルTB1を用いてトルク指令に対応する電流振幅と電流位相とを取得し、電流位相角補正部36Bへ出力する(ステップSTA3)。
電流位相角補正部36Bは、第2テーブルTB2を用いて、電流指令設定部36Aから受信した電流振幅に対応する第2電流位相を電流位相として出力する(ステップSTA4)。なお、第2テーブルTB2に電流位相βから第2電流位相へ電流位相を変更することにより減少する出力トルク量を補正した電流振幅が格納されている場合には、電流位相角補正部36Bは第2電流位相を出力するとともに、受信した電流振幅に替えて第2テーブルTB2に格納された電流振幅を出力する。
すなわち、振幅位相設定部36Xは、受信したトルク指令に応じて、電流振幅と、前記トルク指令に対応する第1電流位相および前記トルク指令の値よりも低く同じ符号の出力トルクあるいはゼロの出力トルクを実現する第2電流位相のいずれか一方である電流位相とを出力する。
続いて、電流制御部36Cは、電流位相角補正部36Bから受け取る電流振幅と電流位相とを実現するために、電流検出部34が検出した電動機電流と磁極位置判定部36Eから受信した判定磁極位置とをもとに永久磁石電動機10に印加する電圧指令を設定する(ステップSTA5)。なお、この電圧指令には磁極位置判定部36Eが磁極位置を判定するための高周波電圧(磁極位置判定指令)と、磁極向き判定部36Fが磁石の磁極向きを判定するために永久磁石電動機の回転子の永久磁石のN極またはS極に対向するように流す電流(磁極向き判定指令)のための電圧が重畳される。
続いて、PWM制御部36Dは、電流制御部36Cから受信した電圧指令を実現するために、判定磁極位置に基づいてインバータスイッチ部32のスイッチを切り替えるスイッチング信号を生成する(ステップSTA6)。
インバータスイッチ部32は受信したスイッチング信号に従って、複数のスイッチの接続を切り替えて、U相、V相、W相の交流電力を出力する。インバータスイッチ部32から出力された電流により永久磁石電動機10が駆動される(ステップSTA7)。
電流制御部36CとPWM制御部36Dとは、判定磁極位置を使用することで、外部から入力されるトルク指令を実現するインバータスイッチ部32のスイッチング信号を生成可能である。
続いて、磁極位置判定部36Eは、演算した永久磁石電動機10の回転数と電流検出部34から受信する電動機電流とトルク指令から磁極向き判定を誤ったか否かを判断する(ステップSTA8)。すなわち、磁極向き判定が誤った場合、永久磁石電動機10の出力は本来の電流位相とは電気角で180°異なる位相となり、永久磁石電動機10が発生するトルクが異なる値になり、永久磁石電動機10の回転数の変化が影響する。よって、磁極位置判定部36Eは、演算した永久磁石電動機10の回転数と電流検出部34から受信する電動機電流とトルク指令とから磁極向き判定を誤ったか否かを判断する。
なお、なんらかの異常により、磁極向き判定部36Fが、誤ってS極の向きを磁極位置判定部36Eに入力した場合、永久磁石電動機10に印加される電動機電流の位相は図3および図4の位相αから電気角で180°ずれるが、外部からのトルク指令の反対符号の出力トルクは発生しない。
磁極向き判定を誤ったと判断した場合には、磁極位置判定部36Eは磁極向き判定部36Fへ判定指令を出力してステップSTA1の処理に戻る。磁極向き判定部36Fは磁極向きを判定し、磁極位置判定部36Eは新たに判定された磁極向きを磁極向き判定部36Fから出得して判定磁極位置を出力する。
このとき判定を誤った回数Kが所定回数以上か否かを判断し(ステップSTA9)、所定回数以上判定を誤った場合には故障の可能性があるため、磁極位置判定部36Fは、例えば車両ECUへ異常(あるいは停止要求)を通知することによりインバータ30を停止してユーザに故障の可能性を知らせる。この場合には電動車両は停止する。なお、磁極向き確認制御部36Gは、処理を終了するまでに誤り判定回数Kをゼロとする。
磁極向き判定が誤っていない場合には、磁極位置判定部36Eは、磁極向き判定部36Fに記憶されたN極の向きを用いて判定磁極位置を出力する(ステップSTA10)。
続いて、磁極位置判定部36Eは電流位相角補正部36Bへ回転数を送信する。電流位相角補正部36Bは、磁極位置判定部36Eから受信した回転数の絶対値が所定値以上であるか否かを判断する(ステップSTA11)。
回転数の絶対値が所定値以上である場合、電流位相角補正部36Bは動作を停止する(ステップSTA12)。すなわち、車両が低速運転でなくなったら、電流指令設定部36Aで設定される電流振幅および電流位相が電流制御部36Cへ入力される。回転数の絶対値が所定値未満である場合、ステップSTA2へ戻って磁極位置判定部36Eが磁極位置を検出する。電流位相角補正部36Bは車両が起動してから低速運転の間だけ動作する。
永久磁石電動機10の回転数が所定値未満である場合、電動車両は低速運転していることとなる。したがって、電動車両が低速運転の間は、電流位相角補正部36Bにより電流位相が第2位相範囲内の値に設定される。
なお、磁極位置判定部36Eは、永久磁石電動機10の回転数が低速領域(所定値未満)では、高周波電圧を重畳する第1磁極位置判定手段を用いる。永久磁石電動機10の回転数が中速および高速領域(所定値以上)では、磁極位置判定部36Eは、永久磁石電動機10のコイルに生じる誘起電圧から回転子12の磁極位置判定する第2磁極位置判定手段を用いる。その第2磁極位置判定手段は磁石の磁極向きを判定することができる。
磁極位置判定部36Eは、第1磁極位置判定手段と第2磁極位置判定手段との少なくともいずれかにより、永久磁石電動機10の回転数を演算する。その回転数が低速領域であれば、第1磁極位置判定手段を実施し、回転数が中速および高速領域であれば第2磁極位置判定手段を実施する。ここで、第2磁極位置判定手段を実施するときには、電流位相角補正部36Bを停止させて、最適動作点における電流振幅と電流位相βとを電流制御部36Cに入力することで、外部からのトルク指令に対して、インバータ30および永久磁石電動機10の効率の良い動作点で電動機の電流制御を実施する。
上記のように、本実施形態のインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両では、電動車両の起動時に、磁極向き判定を誤った場合であっても、永久磁石電動機10で要求されたトルクの逆符号のトルクが発生することがない。すなわち、電動車両が起動時に逆走することを回避することができる。したがって、本実施形態によれば、安全性を担保するインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両を提供することができる。
図6は、第1実施形態のインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両の他の構成例を概略的に示す図である。
この例では、インバータ制御装置36は電流位相角補正部36Bを備えず、電流指令設定部36Aが第3テーブルTB3を備え、電流指令設定部36Aから出力された電流振幅および電流位相が電流制御部36Cに入力される点が図1に示す場合と異なっている。
第3テーブルTB3は、トルク指令に対応する電流振幅と電流位相との値を予め格納している。第3テーブルTB3に格納されている電流位相は第2位相範囲に含まれる。すなわち、この例では、電流指令設定部36Aは、常に第2位相範囲に含まれる電流位相を出力する。
なお、電流指令設定部36Aは永久磁石電動機10の回転速度が一定速度以上となったら最適動作点の電流位相に切り替える機能を有していても良い。
なお、この例においても、第3テーブルTB3には、電流位相を第2位相範囲から選択した場合に減少する出力トルク量を補正する電流振幅が格納されていてもよい。
電流指令設定部36Aはトルク指令を受信すると、第3テーブルTB3を参照して電流振幅と電流位相とを取得し、電流制御部36Cへ出力する。本実施形態では、電流位相角補正部36Bを設けず、電動車両の速度に応じた値が格納された第3テーブルTB3を用いるため、永久磁石電動機10の回転数に応じて電流位相角補正部36Bを停止することもなくなる。
上記以外は図1に示す電動車両と同様である。したがって、この例によっても同様に、安全性を担保するインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両を提供することができる。
次に、第2実施形態のインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では上述の第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図7は、第2実施形態のインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両の一構成例を概略的に示す図である。本実施形態では、インバータ制御装置36の構成が上述の第1実施形態と異なっている。
インバータ制御装置36は、電流指令設定部36Aと、電流制御部36Cと、PWM制御部36Dと、磁極位置判定部36Eと、磁極向き判定部36Fと、磁極向き確認制御部36Gとを備えている。
磁極向き確認制御部36Gは、判定磁極位置と、車両速度と、ブレーキ状態とを受信し、ブレーキ要求と磁極(N極)向き確認トルク指令とを出力する。磁極向き確認制御部36Gは、外部の車両ECUへブレーキ要求を出力し、外部から受信した車両速度と、ブレーキ状態とから車両が停止していることを確認した後、磁極(N極)向き確認トルク指令を電流指令設定部36Aへ出力する。
磁極向き確認制御部36G以外の構成は上述の第1実施形態と同様である。
以下、本実施形態のインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両の動作の一例について説明する。
図8は、第2実施形態のインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両の動作の一例を説明するフローチャートである。
電動車両が起動すると、最初に永久磁石電動機10の磁極位置を検出する。まず、永久磁石電動機10の回転子12の磁極位置を設定するために、磁極位置判定部36Eは高周波電圧である磁極位置判定指令を電流制御部36Cに入力し、その高周波電圧と電流検出部34が検出する電動機電流の高周波成分とに基づいて磁極位置を検出する(ステップSTB1)。磁極位置判定部36Eは、永久磁石電動機10の磁極位置を検出することができるが、その磁極がN極であるかS極であるか判定することができない。
続いて、磁極向き判定部36Fは、磁極位置判定部36Eから判定指令を受信すると、磁極位置判定部36Eで検出した磁極位置に対向する電流指令である磁極向き判定指令を電流制御部36Cに入力する。その時の磁極位置判定部36Eの磁極位置判定指令と電流検出部34が検出する電動機電流の高周波成分とから、磁極位置に対向する電流によって回転子12内の磁束が飽和した量、つまりインダクタンスの変化量を求めて、磁石の磁極向きを判定する(ステップSTB2)。磁極向き判定部36Fは判定した磁極向きを磁極位置判定部36Eへ出力し、判定した磁極向きを記憶する。
磁極向き判定部36Fは判定した結果を磁極位置判定部36Eへ出力し、磁極向きを記憶する。磁極向き判定部36Fは、インバータ制御装置36の起動時に一度磁極向きを判定し、判定結果を記憶すれば磁極向き判定指令を停止する。磁極位置判定部36Eは、磁極向き判定部36Fに記憶した磁極向きを取得して、磁極向きを考慮した判定磁極位置を設定する。
続いて、磁極向き確認制御部36Gは、判定磁極位置を受信すると、外部の車両ECUへブレーキ要求を出力する(ステップSTB3)。
続いて、磁極向き確認制御部36Gは、外部からブレーキ状態と、車両速度とを受信して、電動車両が停止しているか否かを確認する(ステップSTB4)。磁極向き確認制御部36Gは、ブレーキがかかっている状態でかつ車両速度がゼロであるときに電動車両が停止していると判断する。
電動車両が停止していないと判断した場合、磁極向き確認制御部36Gは、ステップSTB2へ戻りブレーキ要求を出力する。
電動車両が停止していると判断した場合、磁極向き確認制御部36Gは、車両が前進する方向のトルク指令と、車両が後進する方向のトルク指令を磁極(N極)向き確認トルク指令として、電流指令設定部36Aに入力する。
例えば、磁極向き確認制御部36Gは、まず、電動車両が前進する方向のトルク指令を電流指令設定部36Aへ入力する(ステップSTB5)。電流指令設定部36Aは、トルク指令を受信すると、第1テーブルTB1よりトルクを実現する最適動作点となる電流振幅及び電流位相を電流制御部36Cへ出力する。電流制御部36Cは、受信した電流振幅と電流位相と判定磁極位置とに基づいて、電圧指令を生成しPWM制御部36Dへ出力する。PWM制御部36Dは、受信した電圧指令と判定磁極位置とに基づいて、インバータスイッチ部32の複数のスイッチについてスイッチング信号を生成し、インバータスイッチ部32へ出力する。インバータスイッチ部32は、受信したスイッチング信号に基づいて複数のスイッチを切り替えて、永久磁石電動機10へ電流を出力する。
このとき、ブレーキがかかっているため、永久磁石電動機10は駆動しないが、永久磁石電動機10と車輪50L、50Rとの間にはクラッチやギヤのバックラッシや伝達シャフトのたわみがあるため、永久磁石電動機10は微小角度だけ回転することができる。そこで、磁極向き確認制御部36Gは、永久磁石電動機10の微小回転方向を磁極位置判定部36Eの判定磁極位置から求め、微小回転方向が電動車両の進行方向を検出する(ステップSTB6)。
続いて、磁極向き確認制御部36Gは、電動車両の進行方向が電動車両を前進させる方向か否かを判断する(ステップSTB7)。
微小回転方向が電動車両を前進させる方向でない場合、磁石N極向きは正常に判定されていないため、磁極向き確認制御部36Gは、誤り判定回数Kに1を加算して、誤り判定回数Kが所定値以上か否か判断する(ステップSTB8)。
誤り判定回数Kが所定値未満である場合には、磁極向き確認制御部36Gは、ステップSTB1に戻り、磁極位置の検出を行う。
誤り判定回数Kが所定値以上である場合には故障の可能性があるため、磁極向き確認制御部36Gは、例えば車両ECUへ異常(あるいは停止要求)を通知することによりインバータ30を停止してユーザに故障の可能性を知らせる。この場合には電動車両は停止する。なお、磁極向き確認制御部36Gは、処理を終了するまでに誤り判定回数Kをゼロとする。
微小回転方向が電動車両を前進させる方向である場合には、磁石の磁極向きは正常に判定されているため、磁極向き確認制御部36Gは続いて、電動車両が後進する方向のトルク指令を電流指令設定部36Aへ入力する(ステップSTB9)。
前進の場合と同様に、磁極向き確認制御部36Gは、永久磁石電動機10の微小回転方向を磁極位置判定部36Eの判定磁極位置から求め、微小回転方向から電動車両の進行方向を検出する(ステップSTB10)
続いて、磁極向き確認制御部36Gは、微小回転方向が電動車両を後進させる方向か否かを判断する(ステップSTB11)。
微小回転方向が電動車両を後進させる方向でない場合、磁石N極向きは正常に判定されていないため、磁極向き確認制御部36Gは、誤り判定回数Kに1を加算して、誤り判定回数Kが所定値以上か否か判断する(ステップSTB8)。
誤り判定回数Kが所定値未満である場合には、磁極向き確認制御部36Gは、ステップSTB1に戻り、磁極位置の検出を行う。
誤り判定回数Kが所定値以上である場合には故障の可能性があるため、例えばインバータを停止してユーザに故障の可能性を知らせる。なお、磁極向き確認制御部36Gは、処理を終了するまでに誤り判定回数Kをゼロとする。
微小回転方向が電動車両を後進させる方向である場合には、磁石磁極向きは正常に判定されているため、磁極向き確認制御部36Gは続いて、車両ECUへのブレーキ要求を解除する(ステップSTB12)。
上記のように、電動車両が起動した後に、永久磁石電動機10へ磁極(N極)向き確認トルク指令による電流を印加して、その回転方向を検出することにより磁極位置およびN極向きが正しく検出されているか否かを判断することができる。したがって、磁極位置およびN極向きの判定が誤ったことにより、起動時に電動車両が所望の方向と逆に走行することを回避することができる。
すなわち、本実施形態によれば、安全性を担保するインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両を提供することができる。
次に、第3実施形態のインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両について図面を参照して説明する。
図9は、第3実施形態のインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両の一構成例を概略的に示す図である。本実施形態では、電動車両が駆動シャフト回転センサ70を更に備えるとともに、インバータ制御装置36の構成が上述の第1実施形態および第2実施形態と異なっている。
駆動シャフト回転センサ70は、永久磁石電動機10の回転数を検出して、車両ECUへ出力する。車両ECUは、通信バスを介して永久磁石電動機10の回転数をインバータ30へ出力する。
磁極向き確認制御部36Gは外部の車両ECUから永久磁石電動機10の回転数を受信する。磁極向き確認制御部36Gは、永久磁石電動機10の回転数の符号から永久磁石電動機10の回転方向、すなわち、電動車両の進行方向を判定する。
本実施形態のインバータ制御装置36、インバータ30、および、電動車両の上記以外の構成は第2実施形態と同様である。
本実施形態では、上記のように外部の車両ECUから駆動シャフトの回転数情報を受け取ることで、磁極向き判定部36Fだけでなく、磁極位置判定部36Eが判定した判定磁極位置が誤っている場合も誤り検出として判定することができる。
すなわち、本実施形態によれば、安全性を担保するインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両を提供することができる。
次に、第4実施形態のインバータ制御装置、インバータ、および、電動車両について図面を参照して説明する。
図10は、第4実施形態のインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両の一構成例を概略的に示す図である。
本実施形態の電動車両は、磁極向き判定部36Fを備えていない。すなわち、インバータ制御装置36は、電流指令設定部36Aと、電流位相角補正部36Bと、電流制御部36Cと、PWM制御部36Dと、磁極位置判定部36Eと、を有している。
他の実施形態と同様に、磁極位置判定部36Eは、永久磁石電動機10の磁極位置を判定することができるが、その磁極がN極であるか、S極であるか判定することができない。そこで、本実施形態では、磁極位置判定部36Eは永久磁石の磁極向きの判定を実施せずに任意に設定して記憶する。
図11は、第4実施形態のインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両の動作の一例を説明するフローチャートである。
まず、電動車両が起動する。このときに永久磁石電動機10およびインバータ30が起動する。
その後、磁極位置判定部36Eは、磁極位置判定指令として高周波電圧を電流制御部へ出力し、電流検出部34で検出された電動機電流の高周波成分から回転子12の磁極位置を検出する(ステップSTC1)。
続いて、磁極位置判定部36Eは、磁極の任意の方向をN極としてN極向きを設定する(ステップSTC2)。磁極位置判定部36Eは磁極位置および任意に設定したN極向きに基づいて、判定磁極位置を電流制御部36CおよびPWM制御部36Dへ出力する。
続いて、電流指令設定部36Aは外部からトルク指令を受信し、第1テーブルTB1を用いてトルク指令に対応する電流振幅と電流位相とを取得し、電流位相角補正部36Bへ出力する(ステップSTC3)。なお、第1テーブルTB1には、外部から受け取ったトルク指令を永久磁石電動機10が最も効率良く発生するときに、永久磁石電動機10に印加する電流振幅と電流位相とが格納されている。
電流位相角補正部36Bは、第2テーブルTB2を用いて、第2電流位相範囲から選択された第2電流位相を電流位相として出力する(ステップSTC4)。
続いて、電流制御部36Cは、電流位相角補正部36Bから受け取る電流振幅と電流位相とを実現するために、電流検出部34が検出した電動機電流と磁極位置判定部36Eが検出した磁極位置とをもとに永久磁石電動機10に印加する電圧指令を設定する(ステップSTC5)。なお、この電圧指令には磁極位置判定部36Eが磁極位置を検出するための高周波電圧(磁極位置判定指令)が重畳される。
続いて、PWM制御部36Dは、電流制御部36Cから受信した電圧指令を実現するために、判定磁極位置に基づいてインバータスイッチ部32が有するスイッチのスイッチング信号を生成する(ステップSTC6)。
インバータスイッチ部32は受信したスイッチング信号に従って、複数のスイッチの接続を切り替えて、U相、V相、W相の交流電力を出力する。インバータスイッチ部32から出力された電流により永久磁石電動機10が駆動される(ステップSTC7)。
電流制御部36CとPWM制御部36Dとは、判定磁極位置を使用することで、外部から入力されるトルク指令を実現するインバータスイッチ部32のスイッチング信号を生成可能である。
例えば、任意に設定されたN極の向きが正しいN極の向きであった場合、永久磁石電動機10に印加される電動機電流の位相は図4および図5の位相αとなり、外部からのトルク指令と同じ量の出力トルクを発生する。
任意に設定されたN極の向きが誤っている(任意に設定したN極の向きが実際のS極の向きである)場合、永久磁石電動機10に印加される電動機電流の位相は図4および図5の位相αから電気角で180度ずれるが、外部からのトルク指令の反対符号の出力トルクは発生しない。
磁極位置判定部36Eは、トルク指令と電流検出部34から受信する電動機電流と永久磁石電動機10の回転数の変化とからN極の向き判定を誤ったか判断することができる。(ステップSTC8)。
磁極位置判定部36Eが任意に設定した磁石のN極の向きが実際の電動機回転子12の永久磁石のN極の向きと一致している場合、磁極位置判定部36Eは電流位相角補正部36Bに停止指令を出力し、電流位相角補正部36Bが停止する(ステップSTC9)。
磁極位置判定部36Eが任意に設定した磁石のN極の向きが実際の電動機回転子12の永久磁石のN極の向きと一致している場合、永久磁石電動機10に印加される電動機電流の位相は図3および図4の電流位相αとなり、外部からのトルク指令と略等しい出力トルクを実現することができる。この時、電動機回転子12の永久磁石N極向きの判定を実施しないことにより、インバータ制御装置36の起動を早くすることができる。その結果、電動車両を起動してから走行開始までに要する時間を短縮することができる。
磁極位置判定部36Eが任意に設定したN極の向きが実際の電動機回転子12の永久磁石のS極の向きと一致している場合、永久磁石電動機10に印加される電動機電流の位相は図3および図4の電流位相αから電気角で180度ずれるが、外部からのトルク指令の反対符号の出力トルクは発生しないため、車両が逆走することは無い。この場合、磁極位置判定部36Eは上位制御手段である車両ECUへ異常(あるいは停止要求)を通知してインバータ30を停止する。この場合には電動車両は走行せずに停止する。
上記のように、本実施形態のインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両では、電動車両の起動時に、N極の向き判定を行わず、任意に設定したN極の向きを用いて永久磁石電動機10を駆動するため、電動車両の起動から走行開始までに要する時間を短縮することができる。さらに、例え任意に設定したN極の向きが誤っている場合であっても、電動車両が逆走することがない。したがって、本実施形態によれば、安全性を担保するインバータ制御装置、インバータ、及び、電動車両を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
TB1…第1テーブル、TB2…第1テーブル、TB3…第3テーブル、10…永久磁石電動機、10U、10V、10W…コイル、12…回転子、20…バッテリ、30…インバータ、32…インバータスイッチ部、34…電流検出部、36…インバータ制御装置、36A…電流指令設定部、36B…電流位相角補正部、36C…電流制御部、36D…PWM制御部、36E…磁極位置判定部、36F…磁極向き判定部、36G…磁極向き確認制御部、40…車両ブレーキ、50L、50R…車輪、60…車軸、70…駆動シャフト回転センサ。

Claims (11)

  1. 電気的突極性を有する回転子を備えた電動機と、前記電動機を駆動するインバータとを備えた電動車両に適用されるインバータ制御装置であって、
    受信したトルク指令に応じて、電流振幅と、前記トルク指令に対応する第1電流位相および前記トルク指令の値よりも低く同じ符号の出力トルクあるいはゼロの出力トルクを実現する第2電流位相のいずれか一方である電流位相とを出力する振幅位相設定部と、
    電流振幅と電流位相と、前記電動機に供給される電流と、前記回転子の位置と、前記回転子の磁極の向きとから、電圧指令を出力する電流制御部と、
    前記電圧指令を受信して前記インバータのスイッチング信号を出力するPWM制御部と、
    前記電流制御部へ磁極位置判定指令を出力し、磁極位置判定指令により前記電動機へ供給される電流を受信して前記回転子の位置を判定する磁極位置判定部と、
    前記電流制御部へ磁極向き判定指令を出力し、磁極向き判定指令により前記電動機へ供給される電流を受信して前記回転子の磁極の向きを判定する磁極向き判定部と、
    を備えた特徴とするインバータ制御装置。
  2. 前記振幅位相設定部は、前記トルク指令を実現する第1電流振幅と第1電流位相とを格納する第1テーブルを備え、前記第1電流振幅と前記第1電流位相とを出力する電流指令設定部と、
    前記第1電流位相のときと同じ符号又はゼロの出力トルクが得られる位相範囲であって、かつ、電気角で180°ずれた位相で同じ符号又はゼロの出力トルクが得られる位相範囲に含まれる前記第2電流位相を前記第1電流振幅と関連付けて格納した第2テーブルを備え、前記第1電流振幅と前記第2電流位相とを出力する電流位相角補正部と、を備えたことを特徴とする請求項1記載のインバータ制御装置。
  3. 前記磁極位置判定部は、前記回転子の位置の変化から前記回転子の単位時間当たりの回転数を検出する手段を備え、
    前記電流位相角補正部は、前記単位時間当たりの回転数の絶対値が所定値以上である場合に処理を停止することを特徴とする請求項2記載のインバータ制御装置。
  4. 前記振幅位相設定部は、前記トルク指令を実現する前記第1電流振幅と、前記1電流位相を前記第2電流位相とすることにより減少したトルクを補正した第2電流振幅とのいずれか一方を電流振幅として出力することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のインバータ制御装置。
  5. 前記第2電流位相は、前記第1電流位相のときと同じ符号又はゼロの出力トルクが得られる位相範囲であって、かつ、電気角で180°ずれた位相で同じ符号又はゼロの出力トルクが得られる位相範囲において、最も大きいトルクが得られる電流位相であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のインバータ制御装置。
  6. 電気的突極性を有する回転子を備えた電動機と、前記電動機を駆動するインバータとを備えた電動車両に適用されるインバータ制御装置であって、
    受信したトルク指令に応じて、電流振幅および電流位相を出力する電流指令設定部と、
    電流振幅と、電流位相と、前記電動機に供給される電流と、前記回転子の位置と、前記回転子の磁極の向きとから、電圧指令を出力する電流制御部と、
    前記電圧指令を受信して前記インバータのスイッチング信号を出力するPWM制御部と、
    前記電流制御部へ磁極位置判定指令を出力し、磁極位置判定指令により前記電動機へ供給される電流を受信して前記回転子の位置を判定する磁極位置判定部と、
    前記電流制御部へ磁極向き判定指令を出力し、磁極向き判定指令により前記電動機へ供給される電流を受信して前記回転子の磁極の向きを判定する磁極向き判定部と、
    電動車両が停止しているときに、前記電動機の第1回転方向に対応する第1トルク指令と、第2回転方向に対応する第2トルク指令とを前記電流指令設定部へ出力し、前記磁極位置判定部で判定された前記回転子の位置から前記磁極向き判定部で判定された前記回転子の磁極の向きが正しいか否か判断し、前記回転子の向きが所定回数以上誤って判断された場合に上位制御手段へ停止要求を出力する磁極向き確認制御部と、を備えることを特徴とするインバータ制御装置。
  7. 前記磁極向き確認制御部は、外部からブレーキ状態と速度とを受信し、速度がゼロでありかつブレーキがかかっているときに前記電動車両が停止していると判断することを特徴とする請求項6記載のインバータ制御装置。
  8. 前記磁極向き確認制御部は、外部から駆動シャフト回転数を受信し、前記駆動シャフト回転数がゼロであるときに前記電動車両が停止していると判断することを特徴とする請求項6記載のインバータ制御装置。
  9. 電気的突極性を有する回転子を備えた電動機と、前記電動機を駆動するインバータとを備えた電動車両に適用されるインバータ制御装置であって、
    受信したトルク指令に応じて、電流振幅と、前記トルク指令に対応する第1電流位相および前記トルク指令の値よりも低く同じ符号の出力トルクあるいはゼロの出力トルクを実現する第2電流位相のいずれか一方である電流位相とを出力する振幅位相設定部と、
    電流振幅と、電流位相と、前記電動機に供給される電流と、前記回転子の位置と、前記磁極の向きとから、電圧指令を出力する電流制御部と、
    前記電圧指令を受信して前記インバータのスイッチング信号を出力するPWM制御部と、
    前記電流制御部へ磁極位置判定指令を出力し、磁極位置判定指令により前記電動機へ供給される電流を受信して前記回転子の位置を判定し、判定した前記回転子の位置と任意に設定した前記磁極の向きとを前記電流制御部へ出力するとともに、判定した前記回転子の位置と任意に設定した前記回転子の向きとに基づいて前記電動機へ供給される電流から任意に設定した前記磁極の向きが誤っているか否かを判定し、任意に設定した磁極の向きが異なる場合に停止要求を出力する磁極位置判定部と、を備えたことを特徴とするインバータ制御装置。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載のインバータ制御装置と、
    バッテリに接続され、前記PWM制御部から受信したスイッチング信号により切り替わる複数のスイッチを備えたインバータスイッチ部と、
    前記インバータスイッチ部から出力される電流を検出する電流検出部と、を備えたことを特徴とするインバータ。
  11. バッテリと、
    請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載のインバータ制御装置と、前記バッテリに接続され、前記PWM制御部から受信したスイッチング信号により切り替わる複数のスイッチを備えたインバータスイッチ部と、前記インバータスイッチ部から出力される電流を検出する電流検出部と、を備えたインバータと、
    回転子に電気的突極性を有し、前記インバータスイッチ部から出力された電流により駆動する電動機と、
    前記電動機の動力を車輪に伝達する車軸と、を備えたことを特徴とする電動車両。
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