JP2014011094A - 有機el素子用基板および有機el素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】凹凸構造を有する基材に、凹凸構造を包埋する層が積層された有機EL素子用基板であって、凹凸構造を包埋する層が、下記一般式(1)で表されるオルガノシラン化合物で表面処理された無機酸化物微粒子を活性エネルギー線を照射して硬化した層である有機EL素子用基板。
(R1)m−Si−(X)4−m (1)
(ただし、一般式(1)中、R1 は、水素原子、アルキル基もしくはアリール基、または不飽和結合を有する置換基で置換されたアルキル基もしくはアリール基を表し、Xは、水酸基または加水分解可能な基を表し、mは、1〜3の整数を表す。)
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1には、ガラス基板上にエッチング液を塗布することによってガラス基板に溝や凹凸構造を形成した後、凹凸構造の間隙を充填するように高屈折率材料層をゾルゲル法により形成して凹凸構造を平坦化し、その上に第1電極、有機発光材料を含有する有機固体層および第2電極を形成した有機EL素子が提案されている。
(R1)m−Si−(X)4−m (1)
(ただし、一般式(1)中、R1 は、水素原子、アルキル基もしくはアリール基、または不飽和結合を有する置換基で置換されたアルキル基もしくはアリール基を表し、Xは、水酸基または加水分解可能な基を表し、mは、1〜3の整数を表す。)
本発明の有機EL素子用基板によれば、200℃以下の温和なプロセスで有機EL素子用基板を製造することができる。
本発明の有機EL素子用基板を用いれば、有機EL素子の発光効率を向上させることができる。
本発明の有機EL素子は、発光効率が高い。
本発明の有機EL素子は、表示装置の画素としての用途だけではなく、照明器具の発光素子としても用いることができる。
(有機EL素子用基板)
本発明における有機EL素子用基板は、ボトムエミッション型、トップエミッション型どちらのタイプのEL素子にも用いることができる。ボトムエミッション型とは、支持基板に積層して素子を作製し、支持基板を通して光を取り出すタイプのEL素子であり、トップエミッション型とは、支持基板とは反対側の基板から光を取り出すタイプのEL素子である。
図1は、ボトムエミッション型の有機EL素子用基板であり、図2は、トップエミッション型の有機EL素子用基板を示している。以下、図1と図2を例として、本発明における有機EL素子用基板を説明する。
まず、図1を例にとって、本発明の有機EL素子用基板の第1の態様について説明する。本発明の有機EL素子用基板の第1の態様においては、支持基材11上に凹凸構造を有する層21が形成された基材に、凹凸構造を包埋する層31が積層されている。
支持基材11としては、特に制限されないが、例えば、活性エネルギー線を透過し得る基材を用いることができる。ここで、活性エネルギー線とは、可視光線、紫外線、電子線、プラズマ、熱線(赤外線等)等を意味する。
支持基材11は、あらかじめ表面処理されていてもよい。表面処理としては、紫外線処理、コロナ処理、プラズマ処理等が挙げられる。
図1のように支持基材11の上に凹凸構造を有する層21が形成されている場合には、支持基材11と凹凸構造を有する層21との間に、接着層を有していてもよい。
接着層は、公知の接着剤からなる層である。接着剤としては、特に制限されないが、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシランカップリング剤を含むものが好ましい。
凹凸構造を有する層21を形成する材料としては、特に制限されないが、例えば、重合体を用いることができる。
重合体としては、特に制限されないが、例えば、重合性化合物および重合開始剤からなる組成物を硬化して得られたものや、ポリウレタン、セルロース系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
重合性化合物としては、特に制限はされないが、分子中にラジカル重合性結合および/またはカチオン重合性結合を有するモノマー、オリゴマー、反応性ポリマー等が挙げられる。
分子中にラジカル重合性結合を有するモノマーとしては、単官能モノマー、多官能モノマーが挙げられる。
オリゴマーまたは反応性ポリマーとしては、特に制限されないが、例えば、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等の不飽和ポリエステル類;ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物、側鎖にラジカル重合性結合を有する上述のモノマーの単独または共重合ポリマー等が挙げられる。
活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物としては、アルコキシシラン化合物、アルキルシリケート化合物等が挙げられる。
アルキルシリケート化合物としては、特に制限されないが、メチルシリケート、エチルシリケート、イソプロピルシリケート、n−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、n−ペンチルシリケート、アセチルシリケート等が挙げられる。
ここで、レプリカモールドを製造する際に用いる重合性化合物は、上述した重合性化合物と同様の材料を用いることができる。
凹凸構造を包埋する層31の屈折率は、特に制限されないが、凹凸構造を有する層21の屈折率よりも高く、後述する第1電極51の屈折率よりも低いことが好ましい。凹凸構造を有する層21が、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するモノマーおよび/またはオリゴマーを含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物である場合、凹凸構造を有する層21の屈折率は1.49程度であり、また、第1電極51がITOである場合、第1電極51の屈折率は2.12程度であることから、凹凸構造を包埋する層31の屈折率は、1.55〜2.1が好ましい。凹凸構造を包埋する層31の屈折率が1.55以上の場合に、界面で全反射する光を取り出すことができる傾向にある。凹凸構造を包埋する層31の屈折率の下限値は、1.6以上がより好ましく、1.65以上がさらに好ましく、1.7以上が特に好ましい。また、凹凸構造を包埋する層31の屈折率の上限値は、2.0以下がより好ましい。
凹凸構造のピッチが200nm未満の場合、凹凸構造を包埋する層31の凹凸構造を有する側の界面、および凹凸構造を包埋する層31の後述する第1電極51側の界面における光の全反射を抑えることができ、その結果、フレネル反射低減効果が向上し、光の取り出し効率がさらに向上する傾向にある。
凹凸構造のピッチが1μm以上50μm以下の場合、第1電極51や発光層61に閉じ込められていた光を、散乱によって外部に取り出すことができる傾向にある。
また、凹凸構造を包埋する層31の凸部(または凹部)は、凹凸構造を有する層21の凹部(または凸部)とそれぞれ嵌合しており、光取り出し部の表面を平滑化する役割も果たす。光取り出し部の表面が平滑である場合、後述する発光部の各層を均一に形成しやすく、素子のリークが抑制され、安定したデバイスが得られる傾向にある。
無機酸化物微粒子の屈折率は、特に制限されないが、1.8以上であることが好ましい。
後述する一般式(1)で表されるオルガノシラン化合物の屈折率が1.45〜1.46程度であることから、無機酸化物微粒子の屈折率が1.8以上である場合に、凹凸構造を包埋する層31の屈折率が1.55以上となる傾向にある。無機酸化物微粒子の屈折率の下限値は、1.9以上がより好ましく、2以上が特に好ましい。また、無機酸化物微粒子の屈折率の上限値は、特に制限されないが、3以下が好ましい。
(R1)m−Si−(X)4−m (1)
ここで、一般式(1)中、R1 は、水素原子、アルキル基もしくはアリール基、または不飽和結合を有する置換基で置換されたアルキル基もしくはアリール基を表し、Xは、水酸基または加水分解可能な基を表し、mは、1〜3の整数を表す。
mが2または3の場合にはR1が複数存在し、mが1または2の場合にはXが複数存在するが、複数のR1またはXとしては、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
R1に関し、アリール基としては、特に制限されないが、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。中でも、フェニル基が好ましい。
ここで、一般式(2)中、R10 は、水素原子、メチル基、メトキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子または塩素原子を表す。アルコキシカルボニル基としては、特に制限されないが、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。
また、一般式(2)中、nは、0または1を表す。Xが複数存在するとき、複数のXはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。nとして好ましくは0である。
一般式(2)で表される化合物の具体例としては、例えば、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、メタクロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
溶媒の揮発方法は、特に制限されないが、例えば、IRヒーターや温風等で加温する方法が挙げられる。揮発条件は、特に制限されないが、40〜180℃、1〜60分の範囲が好ましく、60〜150℃、3〜30分の範囲がより好ましい。
これらの分散媒の中でも、特にプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが好ましい。
活性エネルギー線を照射して硬化を開始させる開始剤としては、前記凹凸構造を有する層21に用いられる光重合開始剤を用いることができる。
支持基材12としては、特に制限されないが、上述した支持基材11と同様の基材を用いることが出来る。
凹凸構造を有する層22としては、特に制限されないが、上述した凹凸構造を有する層21と同様の層を用いることが出来る。
本発明の有機EL素子用基板の第2の態様においては、凹凸構造を有する層22の上に、金属被膜41が形成されている。
トップエミッション型の有機EL素子は、支持基板とは反対側の基板から光を取り出すタイプのEL素子である。従って、後述する発光層62から発光した光を支持基板と反対側に反射させる必要があり、金属被膜41はその反射させる役割を果たす。
なお、蒸着した金属被膜41の凹凸構造は、凹凸構造を有する層21の凹凸構造を反映した凹凸形状となる。
凹凸構造を包埋する層32は、前述の凹凸構造を包埋する層31と同様の層を用いることができる。
図3は、ボトムエミッション型の有機EL素子であり、図4は、トップエミッション型の有機EL素子用基板を示している。以下、図3と図4を例として、本発明における有機EL素子を説明する。
第1電極51の材料としては、導電性を有する金属酸化物、光透過性を有する金属薄膜を形成し得る金属、導電性を有する有機高分子等が挙げられる。
導電性を有する金属酸化物としては、特に制限されないが、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド(IZO)等が挙げられる。
導電性を有する有機高分子としては、特に制限されないが、例えば、ポリアニリン、その誘導体、ポリチオフェン、PEDOT−PSS(poly(3, 4-ethylenedioxythiophene):poly(styrenesulfonate))、その誘導体等が挙げられる。
第1電極51の厚さは、特に制限されないが、光透過性および導電性の両立の点から、10〜1000nmが好ましく、50〜500nmがより好ましい。
第1電極は、陽極であってもよく、陰極であってもよい。第1電極は、通常、陽極とされる。
発光層61は、有機化合物の発光材料を含む層である。
有機化合物の発光材料としては、特に制限されないが、例えば、リン光性化合物のホスト化合物であるカルバゾール誘導体(4,4'−N,N'−ジカルバゾール−ジフェニル(以下、CBPと記す。)等)にイリジウム錯体(トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(以下、Ir(ppy)3と記す。)をドープしたもの(CBP:Ir(ppy)3等);8−ヒドロキシキノリンまたはその誘導体の金属錯体(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(以下、Alq3と記す。)等);その他、公知の発光材料が挙げられる。
発光層61の厚さは、特に制限されないが、1〜100nmが好ましく、10〜50nmがより好ましい。
発光層61は、1層であってもよく、2層以上であってもよい。例えば、有機EL素子を白色の有機EL照明として用いる場合、発光層61を、青発光層、緑発光層、および赤発光層を有する積層構造としてもよい。
第1電極51と発光層61との間に設けられる他の機能層としては、第1電極51の側から順に、正孔注入層、正孔輸送層が挙げられる。発光層61と第2電極71との間に設けられる他の機能層としては、発光層の側から順に、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層が挙げられる。
正孔注入材料としては、特に制限されないが、例えば、銅フタロシアニン(以下、CuPcと記す。);酸化バナジウム;導電性を有する有機高分子;その他、公知の正孔注入材料が挙げられる。
正孔注入層の厚さは、特に制限されないが、1〜100nmが好ましく、10〜50nmがより好ましい。
正孔輸送性材料としては、特に制限されないが、例えば、トリフェニルジアミン類(4,4'−ビス(m−トリルフェニルアミノ)ビフェニル(以下、TPDと記す。)等);その他、公知の正孔輸送性材料が挙げられる。
正孔輸送層の厚さは、特に制限されないが、1〜100nmが好ましく、10〜50nmがより好ましい。
正孔阻止材料としては、特に制限されないが、例えば、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(以下、BCPと記す。)等);その他、公知の正孔阻止材料が挙げられる。
正孔阻止層の厚さは、特に制限されないが、1〜100nmが好ましく、5〜50nmがより好ましい。
電子輸送性材料としては、特に制限されないが、例えば、8−ヒドロキシキノリンまたはその誘導体の金属錯体(Alq3等)、オキサジアゾール誘導体;その他、公知の電子輸送性材料が挙げられる。
電子輸送層の厚さは、特に制限されないが、1〜100nmが好ましく、10〜50nmがより好ましい。
電子注入材料としては、特に制限されないが、例えば、アルカリ金属化合物(フッ化リチウム等)、アルカリ土類金属化合物(フッ化マグネシウム等)、金属(ストロンチウム等);その他、公知の電子注入材料が挙げられる。
電子注入層の厚さは、特に制限されないが、1〜100nmが好ましく、10〜50nmがより好ましい。
第2電極71の材料としては、特に制限はされないが、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等が挙げられ、これらのうち2つ以上を組み合わせた合金、これらフッ化物等の金属塩類、もしくはこれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金等が挙げられる。合金の具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金等が挙げられる。
第2電極の厚さは、特に制限されないが、導電性および耐久性の点から、5〜1000nmが好ましく、10〜300nmがより好ましい。
第2電極は、陰極であってもよく、陽極であってもよい。第2電極は、通常、陰極とされる。
また、本発明の有機EL素子は、図5および図6に示すように、有機EL素子用基板の有機EL素子が形成されている面と反対側の面に、粘着層等を介して他の光取り出し部材(マイクロレンズアレイシート等)が貼着されたものであってもよい。
凹凸構造を埋包する層の屈折率は、凹凸構造を有する状態では測定できないため、凹凸構造のない層を有機EL素子用基板とは別に以下のようにして作製し、評価した。
まず、屈折率1.50のガラス基板の表面に、後述する無機酸化物微粒子が溶剤中に分散した液をスピンコート法にて塗布し、次いで、大気中、150℃で10分加熱して溶剤を揮発させて塗膜を得た。
次に、高圧水銀ランプ(セン特殊光源社製、HB100A-1)を用いて、2000mJ/cm2の積算光量にて紫外線を照射し、この塗膜を硬化させて、硬化物(凹凸構造のない層)を得た。この硬化物の屈折率を、プリズムカプラ(メトリコン社製)を用いて測定した。
有機EL素子用基板に形成された凹凸構造を包埋する層のクラックの有無を目視にて評価した。
○:クラックが認められなかった。
×:クラックが認められた。
発光面積2mm×2mmを有する有機EL素子を直径10mmのピンホールを介して積分球(ラブスフィア社製、8インチ)のサンプル開口部に貼付け、LED全光束・効率測定装置(浜松フォトニクス社製、C9920−22システム、PMA−12)を用いて、有機EL素子に1mA/cm2の電流を流したときの電圧および輝度を測定した。得られた有機EL素子の発光効率は、後述する参考例の有機EL素子の輝度を1(基準)として、相対値で評価した。
屈折率1.50で25mm×25mmのガラス基板(コーニング社、イーグルXG、厚み0.7mm)をスパッタリング装置のチャンバ内にセットし、スパッタ時チャンバ内の圧力:10−1Pa、蒸着速度(デポレート):0.05〜0.1nm/secの条件下で、ラインパターンを有するマスクを介してITOを蒸着し、ガラス基板上に厚さ200nmの透明電極を形成した。
得られた有機EL素子に1mA/cm2の電流を流したときの電圧は6.7Vで輝度は270cd/m2であった。
針状ニッケル合金メッキ基板(基材:5cm×5cmのアルミニウム板、ヱビナ電化工業社製)の表面に、ポリブチレングリコールジメタクリレート(三菱レイヨン社製、アクリルエステルPBOM(以下、「PBOM」と略す。)50質量部、トリメチロールエタン/アクリル酸/コハク酸(2/4/1:モル比)の縮合物(以下、「TAS」と略す。)50質量部およびベンゾイルエチルエーテル(以下、「BEE」と略す。)3質量部からなる活性エネルギー線硬化性組成物(J−1)を滴下し、その上にPETフィルム(東山フィルム社製、HK−31)を被せ、ハンドロールで活性エネルギー線硬化性組成物(J−1)を押し広げた。PETフィルムを介して積算光量:1000mJ/cm2の紫外線を照射し、活性エネルギー線硬化性組成物(J−1)を硬化させた。硬化物からPETフィルムおよび針状ニッケル合金メッキ基板を剥離し、針状ニッケル合金メッキの凹凸構造を転写したモールド(j−1)を得た。
(1)包埋用組成物(H−1)の製造例
前記一般式(2)において、Xがメトキシ基、R10がメチル基、Yがエステル基、Lがプロピレン基、n=0である3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理されたジルコニア微粒子(平均粒子径60nm)分散プロピレングリコールモノメチルエーテル液(ジルコニア100質量部に対して、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン20質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル250質量部:CIKナノテック社製)の固形分100質量部に対して、ベンゾイルエチルエーテル3質量部を混合して、包埋用組成物(H−1)を製造した。
前記一般式(2)において、Xがメトキシ基、R10がメチル基、Yがエステル基、Lがプロピレン基、n=0である3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理されたジルコニア微粒子(平均粒子径60nm)分散プロピレングリコールモノメチルエーテル液(ジルコニア100質量部に対して、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン40質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル250質量部:CIKナノテック社製)の固形分100質量部に対して、ベンゾイルエチルエーテル3質量部を混合して、包埋用組成物(H−2)を製造した。
前記一般式(2)において、Xがメトキシ基、R10がメチル基、Yがエステル基、Lがプロピレン基、n=0である3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理されたジルコニア微粒子(平均粒子径60nm)分散プロピレングリコールモノメチルエーテル液(ジルコニア100質量部に対して、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン100質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル250質量部:CIKナノテック社製)の固形分100質量部に対して、BEE3質量部を混合して、包埋用組成物(H−3)を製造した。
前記一般式(1)において、Xがメトキシ基、R1がグリシジルプロピル基、m=0である3−グリシジルプロピルトリメトキシシランで表面処理されたジルコニア微粒子(平均粒子径60nm)分散プロピレングリコールモノメチルエーテル液(ジルコニア100質量部に対して、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン20質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル250質量部:CIKナノテック社製)の固形分100質量部に対して、ベンゾイルエチルエーテル3質量部を混合して、包埋用組成物(H−4)を製造した。
前記一般式(2)において、Xがメトキシ基、R10がメチル基、Yがエステル基、Lがプロピレン基、n=0である3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理されたチタニア微粒子(平均粒子径60nm)分散プロピレングリコールモノメチルエーテル液(チタニア100質量部に対して、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン20質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル250質量部:CIKナノテック社製)の固形分100質量部に対して、ベンゾイルエチルエーテル3質量部を混合して、包埋用組成物(H−5)を製造した。
(6)高屈折率材料液:H−6の調整
前記一般式(2)において、Xがメトキシ基、R10がメチル基、Yがエステル基、Lがプロピレン基、n=0である3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理されたジルコニア微粒子(平均粒子径60nm)分散プロピレングリコールモノメチルエーテル液(ジルコニア100質量部に対して、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン20質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル250質量部:CIKナノテック社製)の固形分100質量部に対して、ベンゾイルパーオキサイド3質量部を混合して、包埋用組成物(H−6)を製造した。
(有機EL素子用基板の作製)
25mm×25mmのガラス基板(コーニング社、イーグルXG、厚み0.7mm)と上記製造例で製造した凹凸構造を有するモールド(j−1)との間に、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(以下、「C6DA」と略す。)50質量部、TAS50質量部およびBEE3質量部からなる活性エネルギー線硬化性組成物(J−2)をはさみこみ、1000mJ/cm2の紫外線を照射して活性エネルギー線硬化性組成物(J−2)を硬化させた後、凹凸構造を有するモールド(j−1)を剥離して、ガラス基板上に凹凸構造を有する樹脂層が積層された基板を得た。
次いで、この凹凸構造の上に包埋用組成物(H−1)をスリットコート法により、溶剤を揮発させた後の膜厚が1.5μmになるような厚みで塗布し、150℃で10分間加熱して溶剤を揮発させた。なお、ここでの膜厚とは、凹凸構造を有する層の凹部の底部から測定した凹凸構造を包埋する層の厚みである。その後、高圧水銀ランプ(セン特殊光源社製、HB100A-1)を用いて2000mJ/cm2の積算光量の紫外線を照射して硬化させ、凹凸構造を包埋する層を形成して平坦化し、有機EL素子用基板を得た。
有機EL素子用基板には、クラックの発生は認められなかった。なお、前述した方法で測定した包埋用組成物(H−1)の硬化物の屈折率は1.73であった。
このようにして得た有機EL素子用基板を用いて、参考例と同様の方法で、凹凸構造を包埋する層の上に、透明電極層、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層および背面電極をこの順番に積層した後、エポキシ系封止剤で封止して有機EL素子を得た。
得られた有機EL素子に1mA/cm2の電流を流したときの電圧は6.7Vであり、輝度は410cd/m2(参考例の1.52倍)であった。
有機EL素子用基板の作製において、包埋用組成物として(H−1)の代わりに(H−2)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、有機EL素子用基板および有機EL素子を作製した。評価結果を表1に示す。
有機EL素子用基板の作製において、包埋用組成物として(H−1)の代わりに(H−5)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、有機EL素子用基板および有機EL素子を作製した。評価結果を表1に示す。
有機EL素子用基板の作製において、包埋用組成物として(H−1)の代わりに(H−3)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、有機EL素子用基板および有機EL素子を作製した。評価結果を表1に示す。
包埋用組成物として(H−1)の代わりに(H−4)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、有機EL素子用基板を作製した。
得られた有機EL素子用基板は、(H−4)を塗布して乾燥させた段階でクラックが発生したため、有機EL素子を作製できなかった。
実施例1と同様の手法にて、ガラス基板上に凹凸構造を有する樹脂層が積層された基板を得た。次いで、この凹凸構造の上に包埋用組成物(H−6)をスリットコート法により、溶剤を揮発させた後の膜厚が1.5μmになるような厚みで塗布し、80℃で60分間加熱して硬化させた後、150℃10分で溶剤を間然に揮発させ、凹凸構造を包埋する層を形成して平坦化し、有機EL素子用基板を得た。
得られた有機EL素子用基板は、包埋用組成物の硬化が進行せず、有機EL素子用基板の凹凸構造を包埋する層を指先で触れると包埋用組成物が指先に付着する状態であった。従って、得られた有機EL素子用基板を用いて有機EL素子を作製することが出来なかった。
実施例1と同様の手法にて、ガラス基板上に凹凸構造を有する樹脂層が積層された基板を得た。次いで、この凹凸構造の上に包埋用組成物として酸化チタン(TiO2 )膜成膜用の有機金属分解法塗布液(高純度化学研究所製:Ti−05)をスリットコート法により、溶剤を揮発させた後の膜厚が1.5μmになるような厚みで塗布し、400℃60分で乾燥・硬化させた。
得られた有機EL素子用基板は、400℃に加熱すると同時にクラックが発生し、有機EL素子を作製できなかった。
実施例1と同様の手法にて、ガラス基板上に凹凸構造を有する樹脂層が積層された基板を得た。次いで、この凹凸構造の上に包埋用組成物として酸化ジルコニウム(ZrO2 )膜成膜用の有機金属分解法塗布液(高純度化学研究所製:Zr−05)をスリットコート法により、溶剤を揮発させた後の膜厚が1.5μmになるように塗布し、400℃60分で乾燥・硬化させた。
得られた有機EL素子用基板は、400℃に加熱すると同時にクラックが発生し、有機EL素子を作製できなかった。
21、22 凹凸構造を有する層
31、32 凹凸構造を包埋する層
41 金属被膜
51、52 第1電極
61、62 発光層
71、72 第2電極
81、82 封止材
91、92 光取り出し部材(マイクロレンズアレイシート等)
Claims (6)
- 凹凸構造を有する基材に、凹凸構造を包埋する層が積層された有機EL素子用基板であって、凹凸構造を包埋する層が、下記一般式(1)で表されるオルガノシラン化合物で表面処理された無機酸化物微粒子を活性エネルギー線を照射して硬化した層である有機EL素子用基板。
(R1)m−Si−(X)4−m (1)
(ただし、一般式(1)中、R1 は、水素原子、アルキル基もしくはアリール基、または不飽和結合を有する置換基で置換されたアルキル基もしくはアリール基を表し、Xは、水酸基または加水分解可能な基を表し、mは、1〜3の整数を表す。) - 凹凸構造を包埋する層の屈折率が、1.55以上2.1以下である請求項1に記載の有機EL素子用基板。
- 凹凸構造を有する基材が、支持基材と該基板上の凹凸構造を有する層からなる請求項1記載の有機EL素子用基板。
- 凹凸構造が、金属で被覆されている請求項1に記載の有機EL素子用基板。
- 無機酸化物微粒子が、無機酸化物微粒子100質量部に対して、前記一般式(1)で表されるオルガノシラン化合物15〜50質量部で表面処理されている請求項1に記載の有機EL素子用基板。
- 請求項1〜5に記載の有機EL素子用基板と、有機EL素子用基板の上に設けられた第1電極と、第1電極と離間して設けられた第2電極と、第1電極と第2電極との間に設けられた発光層と、を有する有機EL素子。
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