JP2014010473A - アンテナ回路部材、icインレット、icチップの保護方法、およびアンテナ回路部材の製造方法 - Google Patents

アンテナ回路部材、icインレット、icチップの保護方法、およびアンテナ回路部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】容易にICチップを保護することのできるアンテナ回路部材、及び当該アンテナ回路部材を用いたICインレットを提供すること。また、容易にICチップを保護することのできるICチップの保護方法、およびアンテナ回路部材の製造方法を提供すること。
【解決手段】アンテナ回路部材2Aは、基材3と、基材3に設けられたアンテナ配線4と、アンテナ配線4に設けられたICチップ実装部6と、を有し、ICチップ実装部6の周辺に塗布によって形成されたICチップ補強層7が設けられていることを特徴とする。ICインレット2は、アンテナ回路部材2Aと、ICチップ実装部6に実装されたICチップ5とを有することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、アンテナ回路部材、ICインレット、ICチップの保護方法、およびアンテナ回路部材の製造方法に関する。
近年、管理対象の物品(被着体)に貼付けられたICタグを情報取得装置にかざしてICタグから情報を入手し、物品の識別や管理などを行う非接触式RFID(Radio Frequency Identification)が開発されて、普及している。このICタグに内蔵されたICチップは、情報取得装置が発する電磁波によって起動して、情報取得装置との間で情報の送受信を行ったり、データの書き換えを行ったりできる。ICタグの利用分野としては、例えば各種の交通機関の定期券、企業等における建物や事業所への入出管理、商品の在庫管理、物流管理等多岐にわたる。
ICタグが普及してきた中で、外部からの応力(外部応力)によってICチップが割れたりして破損するという問題が出てきた。
例えば、ICタグのICチップが実装された部分は、ICチップが実装されていない部分と比べて厚さ寸法が大きく、隆起している。そのため、外部応力がICチップの実装された部分に集中して加わり易くなり、ICチップが割れたりする。
このようなICチップの破損を防止すべく、種々の技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、樹脂シート上にICチップが搭載されたRF−IDメディアにおいて、樹脂シートを介してICチップとは反対側に、ICチップを内部に含むのに十分な径を具備するリング形状の補強部材を配置したものが記載されている。そして、特許文献1には、この補強部材を印刷によって形成できるよう、インキから構成する旨も記載されている。
また、特許文献2には、インレット基材の一方の面に、ICチップの逃げ空間となる円形の開口が形成されたICチップ保護シートが接着され、インレット基材の他方の面に、アンテナパターンと、アンテナパターンに装着されたICチップとを備えたICタグラベルが記載されている。特許文献2に記載されたICタグラベルは、帯状に連続したインレットに対して所定形状、及び寸法の開口が形成されたICチップ保護シートを開口の中心にICチップが位置するようにラミネートし、その後、ラベル形状に型抜きして製造される。
その他、特許文献3には、外装体内部の収納空間に、アンテナ部、及びICチップを備えた基板、並びに孔部を有する保護板を重ねて非接着で収納したICタグが記載されている。このICタグでは、孔部の位置を、保護板と基板とを重ねたときにICチップが収まる位置としている。
特開2009−301099号公報 国際公開第2008/047630号 特開2009−211464号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたRF−IDメディアでは、ICチップが実装された樹脂シートの面とは反対側の面に補強部材をスクリーン印刷によって形成するので、印刷する際にICチップの位置が樹脂シート表面から視認できる必要があるため、樹脂シートは透明である必要があり、樹脂シートの材質に自由度がない。さらにICチップに対する補強部材の高度な印刷精度が必要となるため、印刷の位置合わせが難しいという問題がある。
また、特許文献2に記載されたICタグラベルでは、ICチップ保護シートをその開口の中心にICチップが位置するようにラミネートしなければならず、ラミネート時の高度な加工精度が要求されるため、貼り合わせの位置合わせが難しいという問題がある。また、ICチップ保護シートがシート状であるため、面状に貼り合わせなければならず、エア巻き込みやシワ発生等が生じるおそれもある。
また、特許文献3に記載されたICタグでは、ICチップが孔部に収まるように保護板を貼り合わせる必要があるため、貼り合わせ位置の調整が難しいという問題がある。また、保護板が硬い材質であるため、孔部を打ち抜きで形成するとバリが生じ易く、バリ取りが必要になる。
このように、従来のICチップ保護技術は、アンテナ回路にICチップを実装した後に、ICチップを避けながら補強用部材を貼り合わせたり、印刷したりしなければならないため、高精度なラミネート技術や高精度な印刷技術が必要となる。
さらに従来のアンテナ回路には無かった補強用部材を必要とするため、アンテナ回路全体の厚み及び原材料費が増し、ICタグの大型化及び高価格化につながる。
本発明の目的は、高精度な技術を必要とせず容易にICチップを保護することのできるアンテナ回路部材、および当該アンテナ回路部材を用いたICインレットを提供することである。また、本発明の別の目的は、高精度な技術を必要とせず容易にICチップを保護することのできるICチップの保護方法、およびアンテナ回路部材の製造方法を提供することである。
本発明のアンテナ回路部材は、基材と、前記基材に設けられたアンテナ配線と、前記アンテナ配線に設けられたICチップ実装部と、を有し、前記ICチップ実装部の周辺に塗布によって形成されたICチップ補強層が設けられていることを特徴とする。
本発明のICインレットは、前記本発明のアンテナ回路部材と、前記ICチップ実装部に実装されたICチップと、を有することを特徴とする。
本発明のICチップ保護方法は、基材と、前記基材に設けられたアンテナ配線と、前記アンテナ配線に設けられたICチップ実装部と、を有するアンテナ回路部材において、前記ICチップ実装部の周辺にICチップ補強層を塗布により設けることを特徴とする。
本発明のアンテナ回路部材の製造方法は、巻回されたアンテナ配線及びICチップ実装部を基材に設け、前記巻回されたアンテナ配線の内側から外側に亘って前記アンテナ配線の一部を被覆する絶縁層と、前記ICチップ実装部の周辺に設けられるICチップ補強層と、を塗布により同時に形成することを特徴とする。
本発明のアンテナ回路部材では、前記ICチップ実装部の周辺にICチップ補強層が設けられており、このICチップ補強層は、塗布によって設けられている。つまり、ICチップを実装する前のアンテナ回路にICチップ補強層が形成されている。
そのため、予めICチップ実装部の周辺にICチップ補強層が設けられている状態で、ICチップを実装すればよいため、ICチップ実装後に印刷で補強層を形成したり、ICチップを避けながら補強用部材を貼り合わせたりする必要がない。ICチップが実装された後は、ICチップ補強層がICチップに加わる衝撃を低減する。
ゆえに、本発明のアンテナ回路部材によれば、高精度な技術を必要とせず容易にICチップを保護することができる。
そして、ICインレットは、本発明のアンテナ回路部材と、当該アンテナ回路部材のICチップ実装部に実装されたICチップとを備えており、上述と同様の理由により、高精度な技術を必要とせず容易にICチップを保護することができる。
本発明のICチップ保護方法では、ICチップ実装部の周辺にICチップ補強層を塗布により設けるので、上述と同様の理由により、高精度な技術を必要とせず容易にICチップを保護することができる。
また、本発明のアンテナ回路部材の製造方法によれば、上述の本発明のアンテナ回路部材を製造することが出来る。そのため、製造されたアンテナ回路部材によれば、上述と同様の理由により、高精度な技術を必要とせず容易にICチップを保護することができる。さらに、本発明のアンテナ回路部材の製造方法では、巻回されたループ状のアンテナ配線の内側から外側に亘って部分的に被覆する絶縁層と、ICチップ補強層とを塗布により同時に一工程で形成する。そのため、ループ状のアンテナ配線を有するアンテナ回路部材の製造において、絶縁層とICチップ補強層とを別々に形成する二工程の場合に比べて、効率が向上するばかりでなく、工程削減による歩留まりの向上及び製造コストの削減につながる。
なお、塗布により同時に形成するとは、同一の塗布工程において形成することをいうものであって、同一の塗布工程内でのタイムラグが存在する場合も含む。
第一実施形態に係るICタグの断面図である。 図1におけるICタグを構成するICインレットの平面図である。 第一実施形態に係るアンテナ回路部材のICチップ実装部とその周辺の一部拡大平面図である。 (A)は、図2におけるICインレットを構成するICチップ周辺の一部拡大断面図であり、(B)は、第二実施形態に係るアンテナ回路部材のICチップ周辺の一部拡大断面図であり、(C)は、さらに別の形態に係るアンテナ回路部材のICチップ周辺の一部拡大断面図である。 (A)は、第三実施形態に係るアンテナ回路部材のICチップ実装部とその周辺の一部拡大平面図であり、(B)は、さらに別の形態に係るアンテナ回路部材のICチップ実装部とその周辺の一部拡大平面図である。 アンテナ配線の変形例を示すICインレットの平面図である。
〔第一実施形態〕
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(ICタグの構成)
まず、ICタグの概略構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態のICタグ1は、パッシブ型のICタグであり、ICインレット2に対し、所定のタグ加工を施して得たタグ形状のものである。このICタグ1は、ICインレット2と、印字用表面シート11と、両面粘着シート12とを備える。
まず、ICインレット2について説明し、その後、印字用表面シート11及び両面粘着シート12について説明する。
(アンテナ回路部材の構成)
アンテナ回路部材2Aは、基材3と、アンテナ配線4と、ICチップ補強層7とを備える。
基材3としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリイミド樹脂などの合成樹脂フィルムや、上質紙、含浸紙、グラシン紙、コート紙、不織布などの紙材等のシート材料を用いることができる。基材3の厚さ寸法は、特に限定されるものではなく、例えば、3μm以上500μm以下が好ましく、特に5μm以上200μm以下が好ましい。厚みが3μm未満だと厚みが薄いために基材3のコシが弱く、各種ICタグ加工工程におけるアンテナ回路部材2Aの硬さが不足し、支持体としての機能を果たせないために各種加工工程で支障をきたす場合がある。厚みが500μmを超えると基材3のコシが強く、柔軟性が不足し、各種加工工程で支障をきたす場合や最終製品でのICタグ1においてフレキシブル性が損なわれて、曲面への追従貼付性が劣る場合がある。さらに厚みが増すことによりICタグ1の大型化につながり、小型化を求められている世の中の要求にそぐわないばかりか、原材料のコストアップにつながる。
基材3の形状は特に限定されることはないが、正方形や長方形などの矩形状や三角形、五角形、六角形などの多角形状、円形状、楕円形状、不定形状など最終製品の用途により様々選択されればよく、本実施形態においては平板長方形状に形成されている。
アンテナ配線4は、図2に示すように、面状の回路線41と、3つの接続体42A,42B,42Cと、絶縁層43と、ジャンパ44と、2つの接続体42Bと42C間に設けられたICチップ実装部6と、を備える。
回路線41は、基材3の周縁に沿って所定回数巻回されて形成され、主としてアンテナ機能や電力供給機能を担う。なお、回路線41の巻き数は、受信する電磁波の周波数や、基材3の大きさに応じて適宜決定される。
回路線41の形成方法としては、例えば、被覆銅線をループ状に巻く方法、導電性ペーストをループ状に印刷する方法、基材3にラミネートされた銅、アルミニウム等の導電性金属層をエッチングによりループ状に形成する方法が挙げられる。
また、導電性ペーストとしては、金、銀、ニッケル、銅等の金属の粒子をバインダーあるいは有機溶剤に分散させたものが使用できる。バインダーとしては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂が挙げられる。
接続体42Aは、ループ状の回路線41の内側端部に形成され、接続体42Cは、ループ状の回路線41の外側端部に形成されている。また、接続体42Bは、ループ状の回路線41の外周に沿って形成されている。これら接続体42A,42B,42Cは、回路線41と同様に形成される。
絶縁層43は、ジャンパ44と回路線41とを絶縁させるものであり、回路線41を横断するように覆っている。絶縁層43は、図2や図3に示すように、巻回された回路線41の内側から外側に亘って一部を被覆する。
絶縁層43を形成する材料としては、例えば、アクリルウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などを主成分とする絶縁性の樹脂を適用でき、紫外線硬化型のアクリルウレタン樹脂が好ましい。
ジャンパ44は、回路線41の接続体42Aと接続体42Bとを電気的に接続する。ジャンパ44は、回路線41を覆う絶縁層43の上を渡って、接続体42A及び接続体42Bに接続されている。
ジャンパ44を形成する材料としては、例えば、金、銀、ニッケルなどの金属粒子を分散させた導電性ペースト又は導電性インクを適用できる。
ICチップ実装部6は、図2や図3に示すように、接続体42Bと接続体42Cとの間に設けられ、ICチップ5が実装される部位である。
ICチップ実装部6には、図3や図4(A)に示すように、2つの回路電極61A,61Bが形成されている。一方の回路電極61Aは、接続体42BからICチップ5の略直下に延設するリード線45に接続されており、他方の回路電極61Bは、接続体42CからICチップ5の略直下に延設するリード線45に接続されている。
(ICインレットの構成)
ICインレット2は、アンテナ回路部材2Aと、ICチップ5とを備える。
ICチップ5は、図2に示すように、基材3面の法線方向での平面視で、矩形状の板状体からなり、図4(A)に示すように、回路電極61A,61Bに対向する実装面52を有する。
IC電極51は、ICチップ5の実装面52に形成され、バンプ54を介して接合材80により回路電極61A,61Bに導通されている。接合材80は、ICチップ5の実装後、熱圧着されることで硬化体となり、ICチップ5と基材3との間、及び、ICチップ5の周縁に配置される。ICチップ5の周縁に配置された接合材80の硬化体は、フィレット81を形成している。
接合材80としては、例えば、ハンダ、異方導電性フィルム(ACF)、異方導電性接着剤(ACA)、異方導電性ペースト(ACP)を適用できる。この異方導電性接着剤、異方導電性ペーストとしては、金、銀、銅、ニッケル等の金属粒子をアクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などのバインダーに分散させたものなどを用いることができ、本実施形態では熱硬化型のエポキシ樹脂をバインダーとしたものを用いている。
ICチップ補強層7は、図2,図3,図4(A)に示すように、ICチップ実装部6の周辺に塗布により形成され、ICチップ5に加わる衝撃を低減する。
ICチップ補強層7の形状は、ICチップ実装部6を取り囲むように形成されていれば特に限定されるものではなく、三角形、四角形、五角形等の多角形や円形、楕円形、図5のような不定形の中をくり抜いたような形状を例示できるが、環状である必要はなく、環状の一部が切断されているような形状でも良い。
ICチップ補強層7の形状を略環状とした場合の幅寸法は、100μm以上が好ましく、300μm以上がさらに好ましく、500μm以上が特に好ましい。幅寸法が100μm未満であると、ICチップ5の補強効果が不足することがある。当該幅寸法は、基材3をはみ出さなければ、より多くの面積を塗布した方がICチップ5の補強効果が向上するので好ましい。
図2に示すような基材3面の法線方向での平面視で、ICチップ補強層7の内周縁とICチップ5の外周縁との最短距離は、5mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがさらに好ましく、1.5mm以下であることが特に好ましい。5mmを超えてICチップ補強層7が設けられていると、ICチップ5に加わる衝撃を低減する効果が不足する場合がある。
また、ICチップ補強層7の厚さ寸法は、特に限定されず、大きくすることが好ましいが、ICインレット2が厚くなり過ぎない程度に大きくすることが好ましい。例えば、ICチップ補強層7は、アンテナ回路部材2Aに実装されたICチップ5の天面よりも高い位置となる厚さ寸法で形成されていてもよいが、ICチップ5の天面と同じ高さ位置となる程度の厚さ寸法で形成されていることが好ましい。このようにICチップ補強層7をICチップ5の天面と同じ高さになるように形成することでICインレット2の表面全体に圧力が加わった場合に、さらに確実にICチップ5を保護することができる。
ICチップ補強層7を形成する材料としては、絶縁性の材料であることが好ましく、絶縁層43を形成する材料と同様の材料を用いることができる。例えば、アクリルウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などを主成分とする絶縁性の樹脂を適用でき、絶縁層43と同じ材料を用いることがより好ましい。
ICチップ補強層7を形成する塗布方法としては、スクリーン印刷、ロータリースクリーン印刷、ソルベントコーティング法、グラビア印刷、インクジェット印刷、さらには、凸版印刷、凹版印刷、平版印刷、孔版印刷、スプレー塗装、ディスペンサー塗布等のあらゆる塗布方法を挙げることができ、塗料やインクを基材3に部分塗布できる限りにおいて何ら限定されるものではない。
本実施形態のICチップ補強層7は、絶縁層43を形成する材料と同じ材料で形成されている。そして、本実施形態では、ICチップ補強層7と絶縁層43とは、スクリーン印刷により同一の工程で形成されている。
印字用表面シート11は、基材3のアンテナ配線4が形成された面と反対側の面に設けられており、ICインレット2を保護する。この印字用表面シート11には、例えば商品の情報等の可視情報が印刷される。印字用表面シート11の可視情報としては、例えば、商品情報(例えば商品番号や商品名等)、値段、バーコード、模様、マークが挙げられる。印字用表面シート11は、基材3のアンテナ配線4が形成された面に設けても良い。
また、印字用表面シート11としては、その表面に印字適性を有していることが好ましく、その材質は広く適用でき、例えば、合成樹脂フィルム、合成紙、不織布、紙を用いることができる。また、必要に応じて、これらに感熱記録、感圧記録、熱転写記録、レーザー光記録、インクジェット記録等の各種印字印刷を施すための被印字層を形成したものを用いることができる。
また、印字用表面シート11は、透明であっても良いし、又は不透明であっても良い。さらに、複数の印字用表面シート11を、例えば、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリエステル系などの接着剤や、後述する粘着剤層122として挙げられる粘着剤と同様の粘着剤を用いて、積層したものを用いることができる。
両面粘着シート12は、基材3のアンテナ配線4が形成された面に設けられ、アンテナ配線4やICチップ5を保護する。両面粘着シート12は、シート状の保護基材121と、この保護基材121の一面に設けられた粘着剤層122と、保護基材121の他面に設けられた貼付剤層123とを備える。
保護基材121は、前述で例示した基材3と同様の材質の中から適宜選択して用いることができる。
保護基材121の厚さ寸法は、3μm以上500μm以下が好ましく、5μm以上300μm以下がさらに好ましく、10μm以上200μm以下が特に好ましい。保護基材121の厚さ寸法を3μm以上500μm以下とすることで、搬送中にアンテナ配線4およびICチップ5を外部からの衝撃からより確実に守ることができ、また、搬送中のICタグ1全体の厚さ寸法が過剰に大きくなることが防止されるので、軽量かつコンパクトになって搬送が容易になる。
粘着剤層122は、保護基材121を基材3に貼り合わせるものであり、粘着剤層122は、保護基材121のアンテナ配線4側の面に設けられ、アンテナ配線4、実装されたICチップ5、及びICチップ補強層7の凹凸に追従して封止する。粘着剤層122は、アンテナ配線4、ICチップ5、及びICチップ補強層7を保護基材121に接着することができる充分な接着力があれば、その材質は特に限定されず広く適用でき、例えば、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系の粘着剤を用いることができる。中でも、アクリル系粘着剤は接着力及び耐久性の面でバランスがとれているので、好ましい。
貼付剤層123は、保護基材121のアンテナ配線4と対向する面とは反対側の面に設けられ、ICタグ1を商品等の被着体に貼り付ける。また、貼付剤層123は、ICタグ1を被着体に貼り付けることができれば、その材質は広く適用でき、例えば、粘着剤層122で例示したものと同様の粘着剤を用いることができる。粘着剤層122と貼付剤層123の厚さ寸法は特に限定されないが、例えば、1μm以上300μm以下が好ましく、5μm以上150μm以下が更に好ましい。粘着剤層122と貼付剤層123の厚さ寸法を1μm以上300μm以下とすることで、粘着剤層122と貼付剤層123が衝撃を緩和して、搬送中にアンテナ配線4およびICチップ5を外部からの衝撃からより確実に守ることができる。また、粘着剤層122と貼付剤層123の厚さ寸法を300μm以下とすることで、搬送中のICタグ1全体の厚さ寸法が過剰に大きくなることが防止されるので、軽量かつコンパクトになって搬送が容易になる。粘着剤層122と貼付剤層123の厚さ寸法を1μm以上とすることで、基材3や被着体に対して十分な接着力を有することができる。
両面粘着シート12は、基材3のICチップ5が実装されていない面に積層されていても良いし、基材3の両面に積層されていても良い。
また、両面粘着シート12のアンテナ配線4に積層される面とは反対側の貼付剤層123に剥離シートを積層されてもよい。剥離シートは、商品などの被着体に貼り付ける前の状態においては、貼付剤層123とともに、基材3を保護する機能を担うものであり、必要により貼付剤層123に接する面に剥離剤層を設けることが好ましい。剥離シートとしては、例えば、ポリエチレンラミネート紙、コート紙、グラシン紙等の紙やポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルムを用いることができる。また、剥離シートの剥離剤層に用いる剥離剤としては、例えば、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、長鎖アルキル系樹脂を用いることができる。
(アンテナ回路部材の製造方法)
本実施形態におけるアンテナ回路部材2Aの製造方法を説明する。
まず、基材3にラミネートされた銅、金、銀、ニッケル、アルミニウム等の導電性金属層をエッチングによりコイル状の回路線41を形成すると共に、接続体42A,42B,42C、回路電極61A,61B、リード線45を形成する。
次に、スクリーン印刷法により、絶縁層43とICチップ補強層7とを同時に形成する。具体的には、絶縁層43は、接続体42Aと接続体42Bとの間に亘って、回路線41を横断するように印刷領域を設定する。ICチップ補強層7は、ICチップ実装部6の周辺であって、ICチップ5が実装される位置から所定距離離間した位置に印刷領域を設定する。そして、紫外線硬化型のアクリルウレタン樹脂を、絶縁層43及びICチップ補強層7のそれぞれの印刷領域にスクリーン印刷法により塗布し、塗布後、紫外線を照射して、塗布されたアクリルウレタン樹脂を硬化させる。
次に、絶縁層43上に金属粒子を分散させた導電性ペースト又は導電性インクを印刷して、ジャンパ44を形成し、接続体42Aと接続体42Bとを電気的に接続する。
(ICチップの実装方法)
ICチップ5の実装は、フリップチップ方式により行われる。具体的には、基材3の回路電極61A,61B上に、接合材80を所定量塗布する。一方、ICチップ5に予めバンプ54を設けておき、基材3の回路電極61A,61Bに、塗布された接合材80の上からICチップ5のバンプ54のある実装面52を押し付けて、接合材80の中にバンプ54を入り込ませる。その際、ICチップ5の周縁にも接合材80が行きわたる。そして、平板状の圧着板により基材3に向かってICチップ5を所定時間加熱圧着する。ここで、用いる圧着板としては、金属又は樹脂から形成され、ICチップ5の周縁のフィレットより大きな面積の平面部を有し、その平面部には接合材80が接着しないように剥離処理を施したものが好ましい。その後、接合材80の硬化によりICチップ5の周縁にフィレット81が形成される。
なお、フリップチップ方式による実装方法としては、例えば、ESC工法、C4工法、超音波フリップチップ工法などが挙げられる。
(本実施形態の効果)
本実施形態のアンテナ回路部材2Aでは、ICチップ実装部6の周辺にICチップ補強層7が設けられており、このICチップ補強層7は、塗布によって設けられている。つまり、ICチップ5を実装する前のアンテナ配線4にICチップ補強層7が形成されている。そのため、予めICチップ実装部6の周辺にICチップ補強層7が設けられている状態で、ICチップ5を実装すればよいため、ICチップ5実装後に印刷でICチップ補強層7を形成したり、ICチップ5を避けながら補強用部材を貼り合わせたりする必要がない。そして、ICチップ5実装後は、ICチップ補強層7がICチップ5に加わる衝撃を低減する。ICチップ補強層7がICチップ5の周辺に形成されているので、ICチップ5の側方からの衝撃に対して特に保護効果を奏する。
したがって、アンテナ回路部材2Aによれば、容易にICチップ5を保護することができる。
本実施形態のICチップ補強層7は、絶縁層43を形成する材料と同じ材料で形成されている。そして、本実施形態では、ICチップ補強層7と絶縁層43とは、スクリーン印刷により同一の工程で形成されている。
そのため、本実施形態のアンテナ回路部材2Aの製造方法によれば、ICチップ補強層7と絶縁層43とを別々に形成する場合に比べて、製造効率が向上する。
〔第二実施形態〕
次に、図面を参照して、本発明の第二実施形態を説明する。
図4(B)は、本発明の第二実施形態に係るアンテナ回路部材2BのICチップ5周辺の一部拡大断面図である。
アンテナ回路部材2BにおけるICチップ補強層7Bは、第一実施形態のアンテナ回路部材2AにおけるICチップ補強層7と積層構成において相違する。
なお、以降の説明に当たり、第一実施形態と同一の構成については同符号を付し、その説明を簡略または省略する。
アンテナ回路部材2Bにおいては、ICチップ補強層7Bは、塗布により形成された複数の層が積層されて構成される。ICチップ補強層7Bは、第一補強層71と、第二補強層72とで構成され、ICチップ補強層7Bは、ベース層46上に形成されている。すなわち、基材3側からベース層46、第一補強層71及び第二補強層72がこの順に積層されている。このように、基材3上のICチップ実装部6周辺に設けられたICチップ補強層7Bとベース層46とでICチップ補強積層体が構成される。
ベース層46は、本実施形態では、アンテナ配線4と同じ材料で構成される。ただし、ベース層46は、アンテナ配線4とは電気的に独立している。ベース層46は、第一実施形態で説明した回路線41の形成の際、ICチップ実装部6の周辺に導電性金属層をエッチングで除去せずに残すことによって形成することができる。この際、ベース層46は、接続体42B、接続体42C、及びリード線45と導通しないように形成することが好ましい。ベース層46が、接続体42B、接続体42C、及びリード線45と導通してしまった場合には、ICチップ5に電流が流れ難くなったり、共振周波数が変化してデータのやり取りができなくなってしまう可能性がある。
ICチップ補強層7Bを構成する第一補強層71は、本実施形態では、第一実施形態のICチップ補強層7と同様に形成され、絶縁層43を形成する材料と同じ材料で形成されている。そして、第一補強層71と、絶縁層43とは、スクリーン印刷により同じ工程で形成されている。
また、第二補強層72は、本実施形態では、第一実施形態のジャンパ44を形成する材料と同じ材料で形成されている。そして、第二補強層72と、ジャンパ44とは、印刷により同じ工程で形成されている。第二補強層72は、第一補強層71からはみ出さないように形成されることが好ましい。第二補強層72が第一補強層71からはみ出して、接続体42B、接続体42C、及びリード線45と導通してしまった場合には、ICチップ5に電流が流れ難くなったり、共振周波数が変化してデータのやり取りができなくなってしまう可能性がある。
(第二実施形態の効果)
本実施形態のアンテナ回路部材2Bによれば、ICチップ5の周辺にICチップ補強層7Bとベース層46とでICチップ補強積層体が形成され、第一実施形態の場合よりも多層構造とすることで厚さ寸法を大きくすることができるため、ICチップ5の保護効果が向上する。
また、ICチップ補強積層体を構成する各層46,71,72は、それぞれアンテナ回路部材の製造方法におけるエッチング工程、絶縁層形成工程、ジャンパ形成工程と同時に形成することができる。すなわち、ICチップ補強積層体を形成するために別途工程を実施する必要が無いため、製造効率の低下を招くことなく、ICチップ5の保護効果に優れるアンテナ回路部材2Bを製造することができる。
〔第三実施形態〕
以下、図面を参照して、本発明の第三実施形態を説明する。
図5(A)は、本発明の第三実施形態に係るアンテナ回路部材2DのICチップ実装部6周辺の一部拡大平面図である。
アンテナ回路部材2DにおけるICチップ補強層7Dの形状が、第一実施形態のアンテナ回路部材2AにおけるICチップ補強層7と相違する。
なお、以降の説明に当たり、第一実施形態及び第二実施形態と同一の構成については同符号を付し、その説明を簡略または省略する。
アンテナ回路部材2DのICチップ実装部6の周辺であって接続体42Bと接続体42Cとの間には、ガイド部47が設けられている。
ガイド部47は、ICチップ5をICチップ実装部6に実装する際に、実装装置による位置決めを行うための目印となる。ガイド部47は、図5(A)に示すように、実装されるICチップ5の近傍に設けられている。
ガイド部47は、本実施形態では、アンテナ配線4と同じ材料で構成される。ただし、ガイド部47は、アンテナ配線4とは電気的に独立している。ガイド部47は、第一実施形態で説明した回路線41等の形成の際、ICチップ実装部6の周辺に導電性金属層をエッチングで除去せずに残すことによって形成することができる。この際、接続体42B、接続体42C、及びリード線45と導通しないように形成することが好ましい。
ICチップ補強層7Dは、ICチップ実装部6の周辺において塗布により形成されるが、ガイド部47を露出させるように塗布領域が設定されている。これは、ICチップ補強層7Dを構成する材料の光透過率が低く、不透明である場合、ガイド部47を被覆してしまうと、実装装置のカメラ等でICチップ実装部6やガイド部47の位置を認識し難くなり、ICチップ5の実装が難しくなるからである。
(第三実施形態の効果)
本実施形態のアンテナ回路部材2Dによれば、上記第一実施形態と同様の効果を奏する他に、さらに次のような効果を奏する。
アンテナ回路部材2Dでは、ガイド部47を露出させた状態でICチップ実装部6の周辺に塗布によりICチップ補強層7Dが形成されている。よって、アンテナ回路部材2Dによれば、ICチップ5を実装する際の位置認識精度を確保しつつ、ICチップ5の保護効果を向上させることができる。
なお、ICチップ補強層7Dを構成する材料の光透過率が高く、実装装置のカメラ等による認識に支障がない程度であれば、図5(B)に示すアンテナ回路部材2Eのように、ガイド部47を被覆するようにICチップ補強層7Eを塗布により形成しても良い。この場合、ICチップ5の周辺の近接した位置にICチップ補強層7Eを設けることができるので、ICチップ5実装の位置認識精度を確保しつつ、ICチップ5の保護効果をさらに向上させることができる。
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
アンテナ配線4の形状は、上記実施形態で示した矩形状に限定されず、円形、楕円形、三角形、五角形等の多角形、その他不定形などを用途や要望に合わせて適宜選択して用いることができる。更にループ状に限らず、電波を受信できる形状であれば特に限定されない。
例えば、図6に示すようなICインレット20のように、直線状のダイポール型アンテナ形状のアンテナ配線4Aであっても良い。ICインレット20は、ICチップ5と、アンテナ回路部材2Fとを備え、ICチップ実装部6の周辺には、ICチップ補強層7Fが塗布により形成されている。なお、ダイポール型アンテナ形状は、図6に示すような形状に限定されない。
ICチップ補強層は、上記実施形態で示したように、ICチップ5の周囲全体を囲うように形成されていなくても良い。
例えば、ICチップ実装部6の周辺において、ICチップ補強層が断続的に形成されていても良い。
また、ICチップ補強層は、ICチップ実装部6の周辺に形成されていればよく、上記実施形態のように、枠状のように形成せず、基材3のアンテナ配線4が設けられた面の全体(ただし、ICチップ実装部6を除く。)に塗布形成されていてもよい。
また、ICチップ実装部6の周辺にディスペンサー等によって、インク等を多点塗布し、ICチップ補強層を形成してもよい。
ICチップ補強層やICチップ補強積層体の構成は、上述の構成に限定されない。
例えば、第一実施形態では、ICチップ補強層7を、絶縁層43と同じ材料で、さらに同じ工程で形成する態様を挙げて説明したが、この態様とは異なり、絶縁層形成工程とは別の工程を設け、そこでICチップ補強層7を形成しても良い。この場合、絶縁層43とは異なる膜厚設定が容易になるので、ICチップ補強層7の厚さ寸法を大きくしたい場合には好ましい。通常、絶縁層43の厚さ寸法は、その上に設けられるジャンパ44の断線を防止するために、大きくし難いからである。
また、例えば、図4(C)に示すアンテナ回路部材2Cのように、ベース層46を設けずに、第一補強層71と、第二補強層72とで構成されるICチップ補強層7Cを形成しても良い。
ICチップ補強層やICチップ補強積層体は、複数の層を積み重ねた構成とすることができ、上記実施形態のように2層ではなく、さらに3層以上にしても良い。積層数を増やすことで、ICチップ補強層の厚さ寸法を大きくすることができる。一方で、積層数を増やすと、その分だけ工程数が増えることにもなるので、ICチップの保護効果と製造効率とのバランスで適宜設計することが好ましい。
ICチップ補強層の塗布による形成は、ICチップをICチップ実装部に実装する前でも後でもよい。ただし、ICチップを実装した後にICチップ補強層を形成する場合には、ICチップへの負荷が生じない塗布方法を選択することが好ましい。
上記第三実施形態では、ガイド部47の数は1つとしたが、これに限定されず、2つであっても、3つ以上であっても良い。
また、ジャンパ44としては、接続体42Aと接続体42Bとに貫通孔を設け、ここに導電性ペーストを埋め込み、基材3の裏側で接続体42Aと接続体42Bとを導電性ペースト等で接続させた構成を適用しても良い。
上記実施形態では、回路線41のループ状の巻き線の外側でICチップ5を実装したが、内側や複数の巻き線の途中において実装しても良い。その場合には、接続体の位置や個数を適宜変更する必要がある。
上記実施形態では、パッシブ型RFIDのICインレットを用いたが、アクティブ型RFIDでも良い。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例の記載内容に何ら制限されるものではない。
本実施例では、ICチップ補強層を設けたICインレットと、ICチップ補強層を設けなかったICインレットとを作製し、荷重を付加することで、実装されたICチップの保護効果を確認した。以下に詳細を説明する。
<実施例1>
以下のようにして、実施例1のICタグを作製した。
(アンテナ回路部材の作製工程)
銅箔/PET(ポリエチレンテレフタレートフィルム)貼り合わせ品であるニカフレックス(ニッカン工業(株)製(銅箔/PET=18μm/50μm))の銅箔表面に、スクリーン印刷法にてエッチングレジストパターン(ループ状のアンテナ回路形状)を印刷した。その後、エッチングにて不要な銅箔を除去し、回路線、接続体、回路電極、及びリード線を作製した。
次に、回路線の内側の接続体と外側の接続体とを電気的に結合するために、絶縁レジストインク(日本アチソン(株)製、製品名:ML25089)を回路線上にスクリーン印刷法により塗布し、絶縁層を形成した。実施例1では、この絶縁層の形成工程と同じ工程で、回路電極が形成されたICチップ実装部の周辺にICチップ補強層を塗布により形成した。ICチップ補強層は、基材(PET)面の法線方向での平面視で、幅寸法が1.0mmの図3に示すような四角形枠状に形成し、ICチップ補強層の内周縁と、後に実装するICチップの外周縁との最短距離が0.5mmとなるように形成した。また、ICチップ補強層の厚さ寸法は、25μmとした。
その後、絶縁層上に、銀ペースト材(東洋紡績(株)製、製品名:DW250L−1)を用いてジャンパを形成した。ジャンパは、スクリーン印刷法で形成した。
このようにして、アンテナ回路部材を作製した。
(ICインレットの作製工程)
次に、上記のようにして作製されたアンテナ回路部材へ、RFID−ICチップ(NXP(株)製、製品名:I−CODE SLIX)をフリップチップ方式により実装することにより図2に示すような形状のICインレットを作製した。ICチップのサイズは、縦寸法が520μm、横寸法が484μm、厚さ寸法が120μmであった。
ICチップの実装には、フリップチップ実装機(九州松下(株)製、製品名:FB30T−M)を用いた。接合材には、異方導電性ペースト(ACP、京セラケミカル(株)製、製品名:TAP0602F)を使用した。そして、ACPへの加熱温度がICチップにおいて220℃、ICチップへの荷重が2N(200gf)、加圧加熱時間が7秒間となるような条件で、実装を行った。
(ICタグの作製工程)
上記のように作製されたICインレットのICチップが実装された面に、両面粘着シート(リンテック株式会社製、製品名:PET25W PA-T1 8KX 8EC*)の剥離紙8ECを剥がして貼り合わせた。このとき、両面粘着シートの実装面に対向する面とは反対側の面の貼付剤層には、剥離シート8KXが貼り合わされた状態とした。
また、ICインレットの両面粘着シートを貼り合わせた面の反対面には、印字用表面シート(リンテック株式会社製、製品名:FR4415−50)を貼り合わせることで、ICタグを作製した。
同様の方法により、実施例1のICタグを合計で10枚作製した。
<実施例2>
実施例2のICタグは、ICチップ補強層の内周縁と、ICチップの外周縁との最短距離が1.0mmとなるようにICチップ補強層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
<実施例3>
実施例3のICタグは、ICチップ補強層の内周縁と、ICチップの外周縁との最短距離が1.5mmとなるようにICチップ補強層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
<比較例1>
比較例1のICタグは、ICチップ補強層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
(ICタグの保護効果の評価)
実施例1〜3並びに比較例1のICタグを、以下の手順(1)〜(3)により評価した。
(1)印字用表面シートが貼り付けられている面を上にし、両面粘着シートの剥離シートが貼り合わされている面を下にしてICタグをステンレス板上に載置した。ステンレス板は、株式会社パルテック製の製品名:SUS304を用いた。
(2)ローラを転がしてICタグに荷重を加えた。ローラは、直径80mm、幅80mm、重量3.7kgの円柱状に形成され、表面がステンレス製のものを用いた。
ローラをICタグの幅方向にわたって当接させ、転動させながらICインレット全体に荷重を加えた。
(3)ICタグ上でローラを転動させ、1往復転動させる毎にハンディーリーダ/ライタ(Welcat(株)製、製品名:XIT−150−BR)にて動作確認を実施し、ICチップの破損の有無を確認した。ICチップの動作が確認できないものを破損と判定した。
各実施例および比較例のICタグについて、試験数を10個として評価を行った。その結果を表1に示す。表1には、回数ごとに不良率(単位%)が示されており、この不良率は、試験数10個に対する破損して動作が確認されなかったICタグの個数の割合である。
表1に示すように、ICチップ補強層を形成した実施例1〜3のICタグによれば、ICチップ補強層を形成しない比較例1のICタグと比べて、ICチップの保護効果が優れていることが分かった。特に、表1に示すように、本実施例のようにICチップ周辺にICチップ補強層を塗布により形成することで、ローラの転動によるICチップの側方からの衝撃に対して、優れた保護効果を容易に得られることが分かった。
2,20…ICインレット
2A,2B,2C,2D,2E,2F…アンテナ回路部材
3…基材
4,4A…アンテナ配線
43…絶縁層
5…ICチップ
6…ICチップ実装部
7,7B,7C,7D,7E,7F…ICチップ補強層

Claims (4)

  1. 基材と、前記基材に設けられたアンテナ配線と、前記アンテナ配線に設けられたICチップ実装部と、を有し、前記ICチップ実装部の周辺に塗布によって形成されたICチップ補強層が設けられていることを特徴とするアンテナ回路部材。
  2. 請求項1に記載のアンテナ回路部材と、前記ICチップ実装部に実装されたICチップと、を有することを特徴とするICインレット。
  3. 基材と、前記基材に設けられたアンテナ配線と、前記アンテナ配線に設けられたICチップ実装部と、を有するアンテナ回路部材において、前記ICチップ実装部の周辺にICチップ補強層を塗布により設けることを特徴とするICチップの保護方法。
  4. 巻回されたアンテナ配線及びICチップ実装部を基材に設け、前記巻回されたアンテナ配線の内側から外側に亘って前記アンテナ配線の一部を被覆する絶縁層と、前記ICチップ実装部の周辺に設けられるICチップ補強層と、を塗布により同時に形成することを特徴とするアンテナ回路部材の製造方法。
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