JP2014009385A - 電解セル及び電解槽 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧力変動による振動を抑制できる電解セル及び電解槽を提供する。
【解決手段】電解セル3は、陽極室23と陰極室33とが隔壁40を挟んで配置された構造を有し、陽極室23及び陰極室33の上部には、陽極室23及び陰極室33に導入された電解液と当該電解液に混入する気体とを分離する気液排出室26,37が設けられており、気液排出室26,37は、仕切板27,38により陽極室23及び陰極室33と仕切られており、陽極室23及び陰極室33と気液排出室26,37とは、気液排出室26,37に配置されると共に仕切板27,38に立設された筒状部材28,39により連通している。
【選択図】図4

Description

本発明は、電解セル及び電解槽に関する。
アルカリ金属塩電気分解(以下、電解)とは、食塩水等のアルカリ金属塩化物水溶液を電気分解して、高濃度のアルカリ金属水酸化物、水素、塩素などを製造する方法である。その方法としては、水銀法や、隔膜法による電解が挙げられるが、近年では、電力効率の良いイオン交換膜法が主に用いられている。イオン交換膜法では、陽極と陰極を備えた電解セルを、イオン交換膜を介して、多数並べた電解槽を用いて電解を行う。電解セルは、陰極を取り付けた陰極部と、陽極を取り付けた陽極部が、隔壁(背面板)を介して、背中合わせに配置された構造を有している(例えば、特許文献1参照)。
電解では、陽極室にアルカリ金属塩化物水溶液を供給し、陰極室にアルカリ金属水酸化物を供給して、電解することで、陽極室では塩素ガスを生成し、陰極室ではアルカリ金属水酸化物や水素ガスを生成する。
特開2001−64793号公報
ところで、電解セルには、この電解セル上部に、生成したガスや液体を排出するための気液排出室が設けられている。この気液排出室では、陽極室及び陰極室との仕切部材に形成された穴を介して、液体及びガスを気液混相のまま流入している。このような構造では、気液が穴を介して気液排出室に流入し、電解セル外に排出される際、電解セル内の圧力変動による振動が発生し、さらにはイオン交換膜を破損するなどといった問題が生じるおそれがある。特に、電解槽において4kA/mよりも大きい電流密度で運転すると、振動が極端に大きくなり、これによりイオン交換膜の損傷が生じるため、長期間安定的に運転することが困難となる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、圧力変動による振動を抑制できる電解セル及び電解槽を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、電解セルにおいて陽極室及び陰極室と気液排出室とを連通する部分において特定の構造とすることにより容易に気液が分離でき、電解セル内の圧力変動による振動を低減できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る電解セルは、陽極室を有する陽極部と陰極室を有する陰極部とが隔壁を挟んで配置された電解セルであって、陽極室及び陰極室の上部には、陽極室及び陰極室に導入された電解液と当該電解液に混入する気体とを分離する気液排出室が設けられており、気液排出室は、仕切部材により陽極室及び陰極室と仕切られており、陽極室及び陰極室の少なくとも一方と気液排出室とは、気液排出室に配置されると共に仕切部材に立設された筒状部材により連通していることを特徴とする。
一実施形態においては、筒状部材は、仕切部材からの高さが20mm〜65mmとすることができる。
本発明に係る電解槽は、上記の電解セルがイオン交換膜を介して2つ以上直列に連結されていることを特徴とする。
本発明によれば、圧力変動による振動を抑制できる。
一実施形態に係る電解槽を模式的に示す図である。 電解セルが連結された状態の一部を断面図である。 電解セルを示す正面図である。 電解セルの断面構成を示す図である。 電解セルを示す斜視図である。 気液排出部を上から見た図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。また、添付図面は実施形態の一例を示したものであり、形態はこれに限定して解釈されるものではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。なお、図面中上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとし、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
図1は、一実施形態に係る電解槽を模式的に示す正面図である。図2は、電解セルが連結された状態の一部を示す断面図である。図1及び図2に示すように、電解槽1は、複数の電解セル3がイオン交換膜5を介してプレス器7により直列に接続されて構成されている複極式イオン交換膜法電解槽である。電解槽1では、両端に位置する電解セル3の一方に陽極端子9が接続されており、他方に陰極端子11が接続されている。
電解槽1における電解は、図2に示すように、電解セル3の陽極室23(後述)と、隣接する電解セル3の陰極室33(後述)との間のイオン交換膜5において分離されることで行われる。例えばナトリウムイオンは、電解セル3の陽極室23から、イオン交換膜5を通過して、隣接する電解セル3の陰極室33へ移動することになり、電解中の電流は、直列に連結した電解セル3の方向に沿って流れることになる。
イオン交換膜5は、特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、塩化アルカリ等の電気分解により塩素とアルカリを製造する場合、耐熱性及び耐薬品性等に優れるという観点から、含フッ素系イオン交換膜が好ましい。含フッ素系イオン交換膜としては、電解時に発生する陽イオンを選択的に透過する機能を有し、かつイオン交換基を有する含フッ素系重合体を含むもの等が挙げられる。ここでいうイオン交換基を有する含フッ素系重合体とは、イオン交換基、又は、加水分解によりイオン交換基となり得るイオン交換基前駆体、を有する含フッ素系重合体をいう。例えば、フッ素化炭化水素の主鎖からなり、加水分解等によりイオン交換基に変換可能な官能基をペンダント側鎖として有し、かつ溶融加工が可能な重合体等が挙げられる。
続いて、電解セル3について説明する。図3は、電解セルを示す正面図である。図4は、電解セルの断面構成を示す図である。図5は、電解セルを示す斜視図である。図3及び図4に示すように、電解セル3は、陽極部20と、陰極部30と、陽極部20と陰極部30(陽極室23と陰極室33)とを隔てる隔壁40を備えている。陽極部20と陰極部30とは、電気的に接続されている。なお、以下の説明では、図3における左右方向を電解セル3の横方向とし、図4における左右方向を電解セル3の幅方向とする。
なお、本実施形態の電解セル3は、陰極とイオン交換膜を接触せずに電解するファイナイトギャップ電解セル、陰極とイオン交換膜を接触させ電解するゼロギャップ電解セルであってもよい。ゼロギャップ電解セルでは、陽極は比較的剛性を強くして、イオン交換膜を押しつけても変形の少ない構造とし、陰極側のみを柔軟な構造にして、電解セルの製作精度上の公差や電極の変形等による凹凸を吸収してゼロギャップを保つような構造としている。そのため、陽極を陽極室枠内に具備し、陰極、マットレス、集電体を陰極室枠内に具備する。集電体と陰極の間にマットレスを有している。
[陽極部]
陽極部20は、陽極21と、陽極側電解液供給部22と、陽極側電解液供給部22により電解液が供給される陽極室23と、陽極室23の上部に設けられる気液排出部24とを含んで構成されている。なお、陽極部20は、陽極室23内にバッフル板が設けられていてもよい。陽極21は、電解セル3の一側面側に設けられており、チタン基材の表面にルテニウム、イリジウムを成分とする酸化物を被覆したいわゆるDSA等の金属電極を用いることができる。
陽極側電解液供給部22は、陽極室23に電解液を供給する。なお、陽極室23に供給される電解液は、例えばアルカリ金属塩化物水溶液である。陽極側電解液供給部22は、陽極室23内の下部に配置される。陽極側電解液供給部22としては、例えば、表面に開口部を有するパイプ(分散パイプ)等を用いることができる。陽極側電解液供給部22は、電解セル3に電解液を導入する陽極側電解液導入ノズル25に接続されている。これにより、陽極側電解液導入ノズル25から導入された電解液が陽極側電解液供給部22を介して陽極室23に供給される。
陽極側電解液供給部22して分散パイプを用いる場合、その内径は特に限定されないが、圧力損失を低減し、横方向に電解液を均一に供給させる観点から、20〜30mmであることが好ましい。分散パイプは、電解セル3の幅方向に沿って配置されていることが好ましい。また、分散パイプの断面積が大きいほうが、分散パイプにおける圧力損失を抑制でき、電解液の流量をより均一に維持できる。かかる観点から、陽極側電解液供給部22としての分散パイプの内径は、20〜30mmであることが好ましく、22〜28mmであることがより好ましい。
気液排出部24は、陽極室23の上部に設けられており、気液排出室26を有している。気液排出部24は、電解中において、陽極室23において発生した塩素ガス等の生成ガスと電解液を分離する機能を有する。気液排出室26は、仕切板(仕切部材)27により陽極室23と仕切られることにより画成されている。気液排出室26には、筒状部材28が配置されている。
筒状部材28は、陽極室23と気液排出室26とを連通する部材である。図3〜5に示すように、筒状部材28は、例えば円筒状のパイプであり、仕切板27に立設されている。筒状部材28の長さ(高さ)は、仕切板27から20mm〜65mm程度である。筒状部材28の長さが20mmよりも短くなると、筒状部材28の側面を流れ落ちる距離が短くなるため、気泡が十分に引き伸ばされず、消泡効果が小さくなる。また、筒状部材28の長さが65mmよりも長くなると、排出口上端に接近するため、圧力損失が大きくなり、振動が大きくなるおそれがある。
また、筒状部材28は、陽極室23と気液排出室26とを連通する穴すべてに配置することがより好ましい。部分的に筒状部材28を配置した場合には、配置されていない部分から主に液や発生したガスが排出され、片流れしている状態になる恐れがある。
図6は、気液排出部を上から見た図である。図6に示すように、筒状部材28は、間隔D3で配置されたリブ29の間に設けられており、電解セル3の横方向に沿って配置されている。リブ29同士の間隔D3は、例えば125mm程度である。筒状部材28は、間隔D1をあけて並設されている。間隔D1は、例えば30mm程度である。リブ29を間に介して配置される筒状部材28,28同士の間隔D2は、例えば35mm程度である。
筒状部材28は、陽極部20(気液排出室26)において、30〜100個設けられることが好ましい。筒状部材28が100個より多く設けられると、強度が落ちるため好ましくない。また、筒状部材28の内径(仕切板27に形成される穴の径)は、5mm〜30mm程度が好ましい。筒状部材28の内径が小さすぎると、圧力損失が大きくなり、筒状部材28の内径が大きすぎると、強度が落ちるため好ましくない。筒状部材28の内側面の形状(穴の形状)は円形形状、四角形形状等とすることができ、特に限定されない。
なお、筒状部材28は、陽極室23内に突出しない(筒状部材28が陽極室23内に入り込まない)構造とする。筒状部材28が陽極室23内に突出する構成である場合には、筒状部材28の入口よりも上部に発生ガスが溜まるため好ましくない。
さらに、筒状部材28に穴を開けたり、筒状部材28上部(出口側)に網を取り付けたりする必要はない。例えば、筒状部材28に網を取り付けることにより、網に気泡を衝突させて気泡をある程度消すことが出来るが、この効果は小さいため、このような形状にする必要はない。また、網等で流路の断面積が小さくなり、結果、圧力損失が大きくなり、振動が大きくなるため、好ましくない。
[陰極部]
陰極部30は、陰極31と、陰極側電解液供給部32と、陰極側電解液供給部32により電解液が供給される陰極室33と、集電板34と、陰極室33の上部に設けられる気液排出部35とを含んで構成されている。陰極31は、電解セル3の他側面側に設けられており、ニッケル基材上に、ニッケル、酸化ニッケル、ニッケルとスズの合金、活性炭と酸化物、酸化ルテニウム、白金などをコーティングした陰極等が挙げられる。その製造方法としては、合金めっき、分散・複合めっき、熱分解、溶射およびその組み合わせ等が挙げられる。
陰極側電解液供給部32は、陰極室33に電解液を供給する。陰極側電解液供給部32は、陰極室33の下部に配置される。陰極側電解液供給部32は、陽極側電解液供給部22と同様に、例えば、表面に開口部を有するパイプ(分散パイプ)等を用いることができる。陰極側電解液供給部32は、電解セル3に電解液を導入する陰極側電解液導入ノズル36に接続されている。これにより、陰極側電解液導入ノズル36から導入された電解液が陰極側電解液供給部32を介して陰極室33に供給される。
なお、陰極側電解液供給部32とし分散パイプを用いる場合、その内径は特に限定されないが、圧力損失を低減し、横方向に液を均一に供給させる観点から、5〜15mmであることが好ましく、6〜14mmであることがより好ましい。陽極部20と同様に、陰極部30の分散パイプは、電解セル3の幅方向に沿って配置されていることが好ましく、例えば、陰極側電解液導入ノズル36に近い開口部と、陰極側電解液導入ノズル36から遠い開口部とが存在する場合がある。この場合、それぞれの開口部に流れる電解液の液量を等しくなるように制御することで、電解セル3の幅方向の濃度分布をより均一に維持できる。また、分散パイプの断面積が大きいほうが、分散パイプにおける圧力損失を抑制でき、電解液の流量をより均一に維持できる。かかる観点と、通常、陽極室10に比べて陰極室33は小さく設計されるという観点から、陰極室33の分散パイプの内径は5〜15mmであることが好ましい。
集電板34は、陰極31に沿って配置されている。集電板34は、陰極31の集電効果を高めるためのものである。集電板34としては、公知のものを用いることができ、導電性の高い金属により構成されていることが好ましい。
気液排出部35は、陰極室33の上部に設けられており、気液排出室37を有している。気液排出部35は、電解中において、陰極室33において発生した水素ガス等の生成ガスと電解液を分離する機能を有する。気液排出室37は、仕切板38により陰極室33と仕切られることにより画成されている。気液排出室37には、筒状部材39が配置されている。
筒状部材39は、陰極室33と気液排出室37とを連通する部材である。筒状部材39は、例えば円筒状のパイプであり、仕切板38に立設されている。筒状部材39の長さ(高さ)は、仕切板38から20mm〜65mm程度である。筒状部材39の長さが20mmよりも短くなると、筒状部材39の側面を流れ落ちる距離が短くなるため、気泡が十分に引き伸ばされず、消泡効果が小さくなる。また、筒状部材39の長さが65mmよりも長くなると、排出口上端に接近するため、圧力損失が大きくなり、振動が大きくなるおそれがある。
筒状部材39は、陽極部20の筒状部材28と同様の構成を有しており、陰極部30(気液排出室37)において、30〜100個設けられることが好ましい。
隔壁40は、陽極室23と陰極室33(陽極部20と陰極部30)の間に配置されている。隔壁40は、セパレータと称されることもあり、陽極室23と陰極室33とを区画するものである。隔壁40は、電解用のセパレータとして公知のものを使用することができ、例えば、陰極側にニッケル、陽極側にチタンからなる板を溶接した隔壁等が挙げられる。
従来の電解セルでは、陽極室や陰極室で発生したガスや電解液を気液排出室に排出するために、気液排出室の下端(上記の仕切板27,38)に穴が形成されている。従来の電解セルでは、この穴を通して、ガスや液を気液排出室へ排出する構造となっている。このような構造では、電解セル内の圧力変動による振動が発生し、さらにはイオン交換膜を破損するなどといった不具合が生じ得る。特に、4kA/mよりも大きい電流密度で電解槽1を運転させる場合には、振動が極端に大きくなり、電解槽1を長期間安定的に運転することが難しかった。
これに対して、本実施形態では、気液排出室26,37に筒状部材28,39が設けられており、陽極室23及び陰極室33と各気液排出室26,37とは、筒状部材28,39により連通している。このように、筒状部材28,39を介して生成ガス及び電解液を陽極室23及び陰極室33から気液排出室26,37に排出することにより、筒状部材28,39を流れ落ちる際に気泡が引き伸ばされるため、気泡を除去する消泡効果を得ることができ(気液を分離でき)、気液をスムーズに排出することができる。したがって、電解セル3内の圧力変動による振動を抑制することができる。その結果、4kA/mよりも大きい電流密度で電解槽1を運転させた場合であっても、長期間安定的に運転することが可能となる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、陽極部20及び陰極部30において気液排出部24,35のそれぞれに筒状部材28,39を設けているが、気液排出部24,35のいずれか一方のみに筒状部材が設けられる構成であってもよい。なお、陽極側は気泡が多く発生するため、気液の排出が断続流となりやすい。そのため、筒状部材は、少なくとも陽極側に取り付けられることが好ましい。
また、上記の筒状部材は、既存の電解セルにも取り付けることができる。具体的には、陽極室及び陰極室と気液排出室とを仕切る仕切板に穴が形成されている構造において、穴と筒状部材とが連通するように筒状部材を取り付ける。
以下の実施例により本実施形態を更に詳しく説明するが、本実施形態は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
[電解槽の構成]
横幅が2400mm、高さが1200mm、気液排出室下端に直径10mmの円形の穴が幅方向中央に76個あいた電解セルを用いた。電解槽として、この電解セルを10個直列に並べ、両端には、陽極室のみを有する電解セル(陽極ターミナルセル)と、陰極室のみを有する電解セル(陰極ターミナルセル)を配置し、陽極ターミナルセルに陽極端子、陰極ターミナルセルに陰極端子を配置した。各電解セルの開口部の周縁部には、陽極側ガスケットと陰極側ガスケットを接着剤で貼り付け、各電解槽の間に、イオン交換膜ACIPLEX(登録商標)F6801をはさんで、電解槽を組み立てた。
陽極はエクスパンデッドメッシュ加工したチタン板の表面に、ルテニウム、イリジウム、チタンを成分とする酸化物を被覆することにより製作し、陰極はニッケル製ファインメッシュ基材にルテニウムの酸化物を被覆したものを用いた。
各電解セルを並べた電解槽の陽極室に、陽極液として300g/Lの塩水を供給し、陰極室には、排出付近で、苛性ソーダ濃度が32重量%となるように希薄苛性ソーダを供給し、電解温度90℃、陽極室側ガス圧を40kPa、陰極室側ガス圧を44kPa、電流密度4.5kA/mで1ヶ月間電解した。また、陽極液の排出付近の塩水のpHが3となるように、供給する塩水に塩酸を添加して電解を行った。
また、電解セル内の振動は、電解セル陽極室中央に内径4mmのチューブを挿入し、圧電素子により電気信号に変換し測定した。サンプリング周波数100Hzで40秒間、圧力変動を測定し、圧力の最大値と最小値の差(単位は、水柱の高さ[cm]に換算して表した。)を電解セル内の振動の大きさとした。
[実施例]
陽極室内から気液排出室へ繋がる円形の流路76ヶ所全てに、直径9.8mm、長さ50mm、厚み0.5mmのTi製円筒形状のパイプを溶接し取り付けた。電解中は、電解セルから排出ホースへと排出される電解液において、気液が分離された状態で流れ、断続流や脈動は観測されず、スムーズに電解液が排出されていることを目視にて確認した。電解中の陽極室内の振動を測定した結果、水柱5.1cm(0.5kPa)であり、振動は十分に抑制されたことがわかった。
[比較例]
陽極室内から気液排出口へ繋がる円形の流路76ヶ所には何も取り付けなかった。電解中は、電解セルから排出ホースへと排出される電解液において、気液が混ざった状態であり、断続流で排出されていることを目視にて確認した。電解中の陽極室内の振動を測定した結果、水柱19.5cm(1.9kPa)であった。
1…電解槽、3…電解セル、5…イオン交換膜、20…陽極部、23…陽極室、30…陰極部、33…陰極室、27,38…仕切板(仕切部材)、28,39…筒状部材、40…隔壁。

Claims (3)

  1. 陽極室を有する陽極部と陰極室を有する陰極部とが隔壁を挟んで配置された電解セルであって、
    前記陽極室及び前記陰極室の上部には、前記陽極室及び前記陰極室に導入された電解液と当該電解液に混入する気体とを分離する気液排出室が設けられており、
    前記気液排出室は、仕切部材により前記陽極室及び前記陰極室と仕切られており、
    前記陽極室及び前記陰極室の少なくとも一方と前記気液排出室とは、前記気液排出室に配置されると共に前記仕切部材に立設された筒状部材により連通していることを特徴とする電解セル。
  2. 前記筒状部材は、前記仕切部材からの高さが20mm〜65mmであることを特徴とする請求項1記載の電解セル。
  3. 請求項1又は2記載の電解セルがイオン交換膜を介して2つ以上直列に連結されていることを特徴とする電解槽。
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