JP2014006142A - 糖ペプチドの糖鎖結合位置決定法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アミノ酸配列が未知である糖ペプチドであっても適用可能な糖鎖結合位置決定法を提供する。
【解決手段】塩基性アミノ酸残基、含窒素塩基性基を有するアミノ酸残基、及び、正電荷を保持している硫黄、酸素,窒素又はリンを含む基を有するアミノ酸残基からなる群から選ばれるアミノ酸残基と、アスパラギン結合型糖鎖とを含む糖ペプチドを、カルボキシル基の修飾に供し、カルボキシル基が修飾基で保護された糖ペプチドを得る工程と、カルボキシル基が修飾基で保護された糖ペプチドを、アスパラギン結合型糖鎖の除去に供し、糖鎖結合部位のアスパラギン残基がアスパラギン酸残基に変換されたペプチドを得る工程と、ペプチドを質量分析に供し、アスパラギン酸残基のC末端側での開裂により生じたフラグメントイオンを特異的に検出する工程とを含む、糖ペプチドの糖鎖結合位置の決定方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、糖ペプチドの質量分析に関する。より具体的には、本発明は、糖ペプチドの糖鎖結合位置の決定法に関する。
非特許文献1(J. Mass.Spectrom. 2010, 45, 1416-1425)に、糖ペプチドの糖鎖結合位置の決定方法が記載されている。具体的にこの方法においては、アスパラギン結合型糖鎖を有する糖タンパク質を抗体などで精製し、還元アルキル化した後、トリプシンやLysCで酵素消化を行い、消化物としてペプチド断片と糖ペプチド断片とを得る。消化物を逆相クロマトグラフィに供し、糖ペプチド断片の分取を行う。糖ペプチド断片をPNGaseFを用いて糖鎖を切り出し、得られたペプチドを脱塩した後にLC−MS/MS解析する。ここで、糖鎖の切り出しによって、糖鎖結合位置のアスパラギン残基はアスパラギン酸残基に変換される。従って、LC−MS及びLC−MS/MS解析においては、糖鎖結合位置に由来するアスパラギン酸残基を有するフラグメントイオンのピークが、理論値(すなわち糖鎖結合位置が元来のアスパラギン残基である場合の質量値)より1Da高質量側にシフトした位置に現れることに基づいて、糖鎖結合位置を決定することができる。
非特許文献2(Anal. Chem. 2009, 81, 6140-6147)に、硫酸化糖ペプチドを単離する方法が記載されている。具体的にこの方法においては、硫酸化糖タンパク質を酵素消化し、末端リジン残基及び末端アルギニン残基を除去した後にアセトヒドラジドを用いてすべてのカルボキシル基を修飾し、硫酸化糖ペプチド断片を分取する。
さらに、非特許文献3(第58回質量分析総合討論会要旨集、17P-084、P248には、上記の硫酸化糖ペプチドを単離する方法で得られた硫酸化糖ペプチド断片に由来するフラグメントイオンを質量分析で検出する方法が記載されている。具体的にこの方法においては、硫酸化糖ペプチド断片から糖鎖を切り出すことによりペプチドを得て、糖鎖切り出し位置に出現したアスパラギン酸残基をジラールT試薬で修飾し、得られた修飾ペプチドのMS解析を行う。
J. Mass.Spectrom. 2010, 45, 1416-1425 Anal. Chem. 2009, 81, 6140-6147 第58回質量分析総合討論会要旨集、17P-084、P248
非特許文献1に記載された糖ペプチドの糖鎖結合位置決定法では、元々糖ペプチド配列中に含まれているアスパラギン酸残基と、糖鎖の切り出しによって生じたアスパラギン残基とが区別されないため、当該方法は、あらかじめアミノ酸配列が公知である糖ペプチドに対して適用できるに過ぎない。
非特許文献2に記載された方法を用いた、非特許文献3に記載された糖ペプチドの質量分析方法では、糖鎖が結合していた部位を含むペプチド断片をMS解析において高感度に検出するため、ジラールT試薬による修飾を当該ペプチド断片に施す必要がある。しかしながら、ジラールT試薬による修飾基に正電荷が固定されるため、MS/MS解析を行ってもペプチド配列由来のフラグメントイオンを得ることができない。すなわち、糖鎖結合部位の決定を行うことはできない。
そこで本発明の目的は、アミノ酸配列が未知である糖ペプチドであっても適用可能な糖鎖結合位置決定法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、アスパラギン結合型糖鎖を有する糖ペプチドであって特定のアミノ酸残基を含むものにおいて、すべてのカルボキシル基をブロックし、その後、糖鎖を切り出し除去して得られたペプチドを質量分析し、糖鎖結合位置のC末端側で切断されたフラグメントイオンを優先的に出現させることによって、上記本発明の目的が達成させることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の発明を含む。
(1)
塩基性アミノ酸残基、含窒素塩基性基を有するアミノ酸残基、及び、正電荷を保持している硫黄、酸素、窒素又はリンを含む基を有するアミノ酸残基からなる群から選ばれるアミノ酸残基と、アスパラギン結合型糖鎖とを含む糖ペプチドを、カルボキシル基の修飾に供し、カルボキシル基が修飾基で保護された糖ペプチドを得る工程と、
前記カルボキシル基が修飾基で保護された糖ペプチドを、前記アスパラギン結合型糖鎖の除去に供し、糖鎖結合部位のアスパラギン残基がアスパラギン酸残基に変換されたペプチドを得る工程と、
前記ペプチドを質量分析に供し、前記アスパラギン酸残基のC末端側での開裂により生じたフラグメントイオンを特異的に検出する工程とを含む、糖ペプチドの糖鎖結合位置の決定方法。
本明細書においては、塩基性アミノ酸残基、含窒素塩基性基を有するアミノ酸残基、及び、正電荷を保持している硫黄、酸素、窒素又はリンを含む基を有するアミノ酸残基からなる群から選ばれるアミノ酸残基を、まとめて、特定のアミノ酸残基と記載することがある。
前記糖ペプチドが、糖タンパク質の断片化によって得られた糖ペプチドフラグメントであり且つ前記断片化によって前記糖ペプチドフラグメントと同時に得られたペプチドフラグメントとの混合物として用意されたものであり、前記混合物が前記カルボキシル基の修飾に供される、(1)に記載の方法。この方法では、糖鎖の除去工程及び質量分析工程においても、前記ペプチドフラグメント由来の分子種を、前記糖ペプチドフラグメント由来の分子種から分離精製する必要はない。
(2)
前記カルボキシル基の修飾に、ヒドラジド化合物を修飾試薬として用いる、(1)に記載の方法。
(3)
前記ヒドラジド化合物が、アセトヒドラジド、セミカルバジド及びジラールD試薬からなる群から選ばれる、(2)に記載の方法。
本発明により、アミノ酸配列が未知である糖ペプチドであっても適用可能な糖鎖結合位置決定法が可能になる。
本発明の態様(a)及び比較態様(b)の概念図を示す。 比較例1で得られたMS/MS解析結果(a)及び実施例1で得られたMS/MS解析結果(b)を示す。 実施例2で得られたMS/MS解析結果(a)〜(d)を示す。 参考例で得られたMS/MS解析結果(a)〜(c)を示す。
[1.糖ペプチド]
本発明の解析対象となる糖ペプチドは、アスパラギン結合型糖鎖が結合した糖ペプチドである。本発明における糖ペプチドには、糖タンパク質も含まれる。
ペプチド部は、例えば糖タンパク質をタンパク質分解酵素により消化して得られるフラグメントに相当する程度の鎖長を有するものでありうる。この場合、ペプチド部の鎖長は例えば6〜30残基程度である。他方、ペプチド部は、通常のMS/MSによるシーケンス情報を得ることが困難な高分子量のタンパク質であってもよい。この場合、ペプチド部の分子量は例えば3,000以上(分子量の上限としては特に限定されないが、例えばm/z 10,000である。)
ペプチド部の配列は、未知及び既知を問わない。ただし、ペプチド部の配列には、特定のアミノ酸残基、すなわち、塩基性アミノ酸残基、含窒素塩基性基を有するアミノ酸残基、並びに、正電荷を保持している元素としてS、O、N又はPを含む基を有するアミノ酸残基からなる群から選ばれるアミノ酸残基が含まれる。
塩基性アミノ酸残基は等電点が7以上のアミノ酸に由来するアミノ酸残基をいう。塩基性アミノ酸残基の例としては、アルギニン残基、リジン残基及びヒスチジン残基が挙げられる。
含窒素塩基性基は、好ましくは置換されていてもよい含窒素複素環基である。より具体的な含窒素複素環基の例としては、ピペリジニル基、ピリジニル基、ピペラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピロリジニル基、及びピロリル基等の単環式含窒素複素環基、並びに単環式含窒素複素環基にさらに縮環した多環式含窒素複素環が挙げられる。
置換されている含窒素複素環基が有する置換基の例としては、有機基、例えば炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。置換されているピペリジニル基の例としては、TMT(R)(Tandem Mass Tag)試薬(サーモサイエンティフィック社)に含まれるような2,6−ジアルキル−1−ピペリジニル基が挙げられる。置換されているピリニジル基の例としては、ICPL(TM)(Isotope Coded Protein Labeling)試薬(セルバ社)に含まれるような3−ピリジル基が挙げられる。置換されているピペラジニル基の例としては、iTRAQ(R)(Isobaric Tags for Relative and Absolute Quantitation)試薬(エービーサイエックス社)に含まれるような4−アルキル−1−ピペラジニル基が挙げられる。
含窒素塩基性基を有するアミノ酸残基は、例えば、アミノ酸残基側鎖に存在するアミノ基、カルボキシル基、水酸基及びチオール基、並びにN末端アミノ基及びC末端カルボキシル基からなる群から選択される官能基に対して、上記の窒素含有塩基性基を有する化合物で修飾を行うことにより生じさせることができる。
正電荷を保持しているS、O、N又はPを含む基は、通常、S、O、N又はPのオニウム塩構造を有する基である。具体的には、多置換の、スルホニウム基、ピリリウム基、アンモニウム基又はホスホニウム基であることが好ましい。これらオニウム基における置換基としては、例えば、置換されていてもよいC6〜C14のアリール基及びC1〜C6のアルキル基が挙げられる。
ホスホニウム基のより具体的な例としては、TMPP(tris(trimethoxyphenyl)phosphonium)試薬に含まれるようなトリス(2,4,6−トリアルコキシフェニル)ホスホニウム基が挙げられる。スルホニウム基のより具体的な例としては、DMBNHS(S,S’-Dimethylthiobutanoylhydroxysuccinimide ester)試薬に含まれるようなジアルキルスルホニウム基が挙げられる。
正電荷を保持しているS、O、N又はPを含む基を有するアミノ酸残基は、例えば、アミノ酸残基側鎖に存在するアミノ基、カルボキシル基、水酸基及びチオール基、並びにN末端アミノ基及びC末端カルボキシル基からなる群から選択される官能基に対して、上記の正電荷を保持しているS、O、N又はPを含む基を有する化合物で修飾を行うことにより生じさせることができる。
糖ペプチドは、糖タンパク質のタンパク質分解酵素処理や化学処理によるペプチド鎖の断片化によって得られた糖ペプチドフラグメントであってよい。この場合、糖ペプチドフラグメントは、当該断片化によって糖ペプチドフラグメントと同時に生じた糖不含ペプチドフラグメントとの混合状態で(すなわち糖不含ペプチドフラグメントから糖ペプチドフラグメントを分離精製することなく)本発明に供されることができる。
[2.カルボキシル基修飾]
本発明の概要を図1(a)に示す。図1(a)において、ペプチド鎖及び糖鎖は模式的に示しており、ペプチド鎖におけるN末端アミノ基、側鎖カルボキシル基、側鎖アミノ基、及びC末端カルボキシル基と、糖鎖結合部位であるアスパラギン残基の側鎖のアミド結合とを具体的に示している。また、本発明との比較態様として、糖が結合していないペプチドが図1(a)と同じ工程に供された場合の態様を図1(b)に示す。図1(b)においては、アスパラギン残基の側鎖のアミド基を具体的に示している。なお、本発明が、糖タンパク質から生じた糖ペプチドフラグメントと糖不含ペプチドフラグメントとの混合物に対して適用される場合、同一の混合物中に図1(a)と図1(b)の両方の態様が共存する。
糖ペプチドは、カルボキシル基の修飾工程に供される。この工程において修飾されるカルボキシル基は、糖ペプチドに存在するすべてのカルボキシル基であり、具体的には側鎖カルボキシル基やC末端カルボキシル基である。糖ペプチドが、糖不含ペプチドフラグメントとの混合状態の糖ペプチドフラグメントである場合は、これら糖ペプチドフラグメント及び糖不含ペプチドフラグメントに存在するすべてのカルボキシル基が修飾される。
修飾試薬としては、アミド結合が生じるようにカルボキシル基をブロック可能な試薬(アミド化試薬)が当業者によって適宜選択される。本発明においては、特にヒドラジド化合物を用いることが好ましい。ヒドラジド化合物としては、具体的には、アセトヒドラジド、セミカルバジド、ジラールD試薬、ジラールT試薬、及びジラールP試薬が挙げられる。図1(a)においてはアセトヒドラジドを用いた例を示している。ヒドラジド化合物の使用量は、糖ペプチドの100〜1,000,000当量とすることができる。
ヒドラジド化合物は、液性を酸性に調整した条件下で用いる。具体的なpHとして、例えば4.0以下であることが好ましい。
ヒドラジド化合物は、カルボジイミド存在下で使用されることができる。カルボジイミドとしては、例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウム塩酸塩、ジシクロヘキシルカルボジイミド、及びジイソプロピルカルボジイミドが挙げられる。カルボジイミドの使用量は、糖ペプチドの10〜100,000当量とすることができる。
カルボキシル基修飾時の反応条件は、例えば20℃〜60℃、0.1〜4時間である。
酸性条件でカルボジイミドによるカルボキシル基へのアミド化反応を行う場合、反応溶液中のヒドラジド化合物がカルボキシル基と反応し、環状化されずにカルボキシル基がアミド化された糖ペプチドを得ることができる。
[3.糖鎖の除去]
上記の工程により糖ペプチドのカルボキシル基を全てブロックした後に、糖鎖の除去を行う。
糖鎖の除去法としては、アスパラギン残基に結合しているGluNAc残基と当該アスパラギン残基との間の結合を分解して、当該アスパラギン残基をアスパラギン酸残基に変換可能な方法であれば、特に限定することなく用いることができる。従って、酵素的手法及び化学的手法を問わない。酵素的手法の例としては、PNGase AやPNGase Fなどの、ペプチドN−グリカナーゼ(PNGase)を用いた方法が挙げられる。化学的手法の例としては、ヒドラジン分解が挙げられる。これらの方法は、当業者によく知られているため、具体的なプロトコルは当業者が適宜決定することができる。
糖鎖の除去により、糖鎖結合部位がアスパラギン酸残基に変換されたペプチドが得られる。
[4.質量分析]
上記の工程によって得られたペプチド(すなわち糖鎖が結合していた部位を有するペプチド)は、質量分析に供される。
質量分析におけるイオン化法としては、具体的には、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(Matrix Assisted Laser Desorption Ionization; MALDI)法及びエレクトロスプレーイオン化(Electrospray ionization; ESI)法等が挙げられる。
質量分析におけるイオンの開裂操作法としては、具体的にはポストソース型である。イオン化法に応じて当業者によって適宜選択されるが、より具体的には、ポストソース分解(Post Source Decay; PSD)によるもの及び衝突誘起解離(Collision Induced Dissociation; CID)、赤外多光子解離(IRMPD)、及び光誘起解離(UV-PD)のいずれかによるものが挙げられる。特に、低エネルギー(イオンに運動エネルギーを与える加速電圧が:数V〜1000V、例えば2〜1000V)CIDによるものが好ましい。
質量分析に供されるペプチドは、糖鎖が結合していた部位がアスパラギン残基からアスパラギン酸残基に変換されているため、このペプチドの分子量関連イオンは、図1(a)のMSスペクトル中実線で示されるように、糖鎖が結合していた部位がアスパラギン残基である場合の質量(すなわち理論質量、より具体的には、図1(a)のMSスペクトル中点線で示される位置における質量)より1Da高質量側に生じる。なお、理論質量は既知である必要はない。
一方、もともと糖が結合していなかったペプチドの分子量関連イオンは、図1(b)のMSスペクトルで示されるように、理論質量を有するものとして生じる。
また、本発明が糖タンパク質から生じた糖ペプチドフラグメントと糖不含ペプチドフラグメントとの混合物に対して適用される場合、それぞれのペプチドフラグメントが同一系中でカルボキシル基修飾工程及び糖鎖除去工程に供されて生じた混合物が質量分析に供されるため、図1(a)のMSスペクトルにおけるピークと図(b)のMSスペクトルにおけるピークとが同一MSスペクトル上に現れる。
図1(a)の態様において質量分析に供されるペプチドに存在するカルボキシル基は、元々糖鎖が結合していた位置に生じたカルボキシル基のみである。一方で、当該ペプチドは、特定のアミノ酸残基、すなわち、塩基性アミノ酸残基、含窒素塩基性基を有するアミノ酸残基、及び、正電荷を保持しているS、O、N又はPを含む基を有するアミノ酸残基からなる群から選ばれるアミノ酸残基を依然として有する。
このような構造のペプチドの分子量関連イオンは、質量分析における開裂操作において特徴的な開裂を生じる。具体的には、唯一カルボキシル基が存在するアスパラギン酸残基(すなわち糖鎖が結合していた部位)のC末端側で優先的に開裂が起こる。このような優先性は、本発明において質量分析に供されるペプチド中に、カルボキシル基が存在することと、上記特定のアミノ酸残基が存在することとによってもたらされる。
ここで、ペプチドのフラグメントイオンが生じる一般的な機構としては、プロトン誘導開裂(Mobile Proton induced Fragmentation)及びプロトンに誘導されない開裂(Charge-Remote Fragmentation)が知られている。プロトン誘導開裂は、質量分析装置のイオントラップ内でプロトン(モバイルプロトン)が自由に移動することによって生じる。ペプチドは主にプロトン誘導型の開裂が生じるが、カルボキシル基を持つアミノ酸残基のC末端ではプロトン非誘導型の開裂も生じることが報告されている。
例えば、本発明において、質量分析に供されるペプチドが、特定のアミノ酸残基として、塩基性アミノ酸残基及び含窒素塩基性基を有するアミノ酸残基の少なくともいずれかを有するものである場合、これらアミノ酸残基はプロトンアフィニティが高いため、イオン化の際にプロトンを引き付けやすい。このプロトンは、当該アミノ酸残基のプロトンアフィニティの高さゆえに、引き付けられたままの状態を維持しやすい。すなわち、当該プロトンはモバイルプロトンになりにくい。従って、プロトン誘導開裂が生じにくく、プロトンに依存しない開裂が起こりやすくなる。その結果、カルボキシル基を持つアミノ酸残基のC末端でのプロトン非誘導型の開裂が優先的に生じると考えられる。
例えば、本発明において、質量分析に供されるペプチドが、特定のアミノ酸残基として、正電荷を保持しているS、O、N又はPを含む基を有するアミノ酸残基を有するものである場合、アミノ酸残基に既に正電荷が保持されているため、イオン化の際にプロトンが付加しない。すなわち、モバイルプロトンも生じない。従って、プロトン誘導開裂が生じにくく、プロトンに依存しない開裂が起こりやすくなる。その結果、カルボキシル基を持つアミノ酸残基のC末端でのプロトン非誘導型の開裂が優先的に生じると考えられる。
従って、図1(a)のMS/MS解析で得られるMS/MSスペクトル中に示されるように、ペプチドから生じたフラグメントイオンのうち、前記の優先的な開裂によって生じたフラグメントイオンが特異的に検出される。より具体的には、ペプチドから生じたフラグメントイオンのうち、アスパラギン酸残基をC末端に有するフラグメントイオン(b系列イオン)及び/又は前記アスパラギン酸残基のC末端側に隣接していたアミノ酸残基をN末端に有するフラグメントイオン(y系列イオン)が最も高い強度で検出される。特に、図1(a)のMS/MS解析で得られるMS/MSスペクトルでは、アスパラギン酸残基のC末端側に隣接していたアミノ酸残基をN末端に有するフラグメントイオン(y系列イオン)が特異的に検出される例を図示しており、この場合は理論値どおりの質量値のyイオンが強く出現する。一方でアスパラギン酸残基をC末端に有するフラグメントイオン(b系列イオン)が出現する場合は、このフラグメントイオンは、糖鎖が結合していた部位がアスパラギン残基である場合の質量(理論質量)より1Da高質量側に検出される。ピーク強度に基づいてピークを識別する際、アスパラギン酸残基のC末端側以外の場所における開裂で生じたフラグメントイオンのうち最も強いピークの2倍以上を目安とした強度で検出されるピークを、アスパラギン酸残基のC末端側における優先的開裂で生じたピークと決定することができる。
一方、もともと糖が結合していなかった図1(b)の構造のペプチドは質量分析時にカルボキシル基を有しないため、分子量関連イオンからは、図1(a)におけるような特徴的な開裂は生じない。つまり、特異的に検出されるフラグメントイオンは認められない。
従って、本発明が糖タンパク質から生じた糖ペプチドフラグメントと糖不含ペプチドフラグメントとの混合物に対して適用される場合、特徴的な開裂を生じさせることができたプレカーサイオンが図1(a)の態様におけるものであったと判断することができ、そうでないプレカーサイオンは図1(b)の態様におけるものであったと判断することができる。
アスパラギン酸残基のC末端側における優先的開裂で生じたピークを決定した後、次の方法により、糖ペプチドの糖鎖結合部位を同定することができる。糖ペプチドのペプチド部の配列が既知の場合は、MS/MSイオンサーチを用いて糖鎖結合位置を決定することができる。一方、糖ペプチドのペプチド部の配列が未知である場合は、de novoシーケンシングを実行してアミノ酸配列を決定し、さらに、フラグメントが優先的に出現するイオンが糖鎖結合位置であると判断することで、糖ペプチド中の糖鎖結合部位を同定することができる。
上述のように、本発明では、あらかじめ酸性アミノ酸残基のカルボキシル基をブロックしていることと、糖結合部位に由来するアスパラギン酸残基のC末端で優先的に切断が生じることとから、元々ペプチドに含まれていたアスパラギン酸と、糖鎖切り出しによって生じたアスパラギン酸とが明確に区別される。このため、糖タンパク質を消化する場合であっても、ペプチドフラグメントから糖ペプチドフラグメントを有する断片を分離精製する必要がなく、消化物(ペプチドフラグメントと糖ペプチドフラグメントとの混合物)をカルボキシル基修飾工程、糖鎖除去工程、及び質量分析工程に供することができる。ペプチドフラグメントに含まれていたアスパラギン酸と、糖ペプチドフラグメントの糖鎖切り出しによって生じたアスパラギン酸とが区別されているため、上記の分離精製を行わなくとも質量分析における開裂の優先性が維持され、糖鎖結合位置の決定を行うことができる。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[比較例1]
この比較例では、糖ペプチドのカルボキシル基修飾を行わずに糖鎖を切り出して質量分析を行った。
100pmol/μlのAsialofetuin GP3(LZPDZPLLAPLNDSR(配列番号1))水溶液10μlをSpeed Vacに供して溶媒除去した。残留物を、0.1Mの炭酸水素アンモニウム水溶液を45μl滴下して溶解し、0.5U/μlのPNGaseF溶液を5μl滴下して37℃で3時間反応させ、配列LZPDZPLLAPLDDSR(配列番号2)を有するペプチドを得た。その後、Zip−Tipにより脱塩精製を行い、MALDI−QIT TOFMS(AXIMA-Resonance;島津製作所製)を用いたMS及びMS/MS測定を行った。
MS/MS測定によって得られた配列LZPDZPLLAPLDDSR(配列番号2)を有するペプチドのMS/MSスペクトルを図2(a)に示す。MS/MSスペクトル中に検出されたピークのうち、帰属されたイオンは、y6、y7、y8、y9、b9、y10、y11、b12、y13、b13であった。このように、質量分析に供されたペプチド(LZPDZPLLAPLDDSR(配列番号2)に含まれる全てのアスパラギン酸の部位で優先的な切断が起こり(なお、図2(a)においては、Low Massカットオフにより、より低質量側に生じているy3イオンが表示されていない。)、さらに、信号強度が他のイオンに比べて顕著に高いフラグメントイオンも検出されなかった。よって、このMS/MSスペクトルから糖鎖結合位置を判定することは困難であった。
[実施例1]
この実施例では、アセトヒドラジドを用いた糖ペプチドのカルボキシル基修飾を行った後に糖鎖を切り出して質量分析を行った。
100pmol/μlのAsialofetuin GP3(LZPDZPLLAPLNDSR(配列番号1))の水溶液10μlをSpeed Vacに供して溶媒除去した。残留物を、pH3.7に調整した1Mアセトヒドラジド溶液を50μl滴下することによって溶解した。10mg/mLのWSC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)を5μl滴下し、室温で15分反応させた。同量のWSCを追加滴下し室温で15分反応させる工程をさらに3回繰り返した。その後、1Mの酢酸水溶液5μlを滴下することで未反応のWSCの不活性化を行った。ゲルろ過クロマトグラフィを用いて生成物を回収し、Speed Vacによって溶媒除去した。残留物を、0.1Mの炭酸水素アンモニウム水溶液を45μl滴下して溶解し、0.5U/μlのPNGaseF溶液を5μl滴下して37℃で3時間反応させ、配列(LZPDZPLLAPLDDSR(配列番号2)、ただし4番目及び13番目のアスパラギン酸残基の側鎖カルボキシル基が修飾されている)を有するペプチドを得た。その後、Zip−Tipにより脱塩精製を行い、MALDI−QIT TOFMS(AXIMA-Resonance;島津製作所製)を用いたMS及びMS/MS測定を行った。
MS/MS測定によって得られた配列(LZPDZPLLAPLDDSR(配列番号2)、ただし4番目及び13番目のアスパラギン酸残基の側鎖カルボキシル基が修飾されている)を有するペプチドのMS/MSスペクトルを図2(b)に示す。なお、図2(b)中に示した糖鎖構造における表示Acは、アセトヒドラジド修飾によって生じた修飾基を表す。検出されたピークのうち、帰属されたイオンは、y3、y4、y6、y7、y8、y9、y10、y11、b12、y13であった。特にy系列イオンの中でも、y3が他のフラグメントイオンに比べて、顕著に信号強度が高かった。なお、本実施例では、MS/MS測定を行ったペプチドのC末端アミノ酸残基がアルギニンであり、N末端側アミノ酸残基に塩基性基がないため、y系列が検出された。
よって、正電荷を有するアミノ酸残基を含む糖ペプチドのカルボキシル基をブロックし、糖鎖切り出し操作後に得られたペプチドをMS/MS測定することによって、信号強度が顕著に高いフラグメントイオンを、糖鎖結合部位由来のアミノ酸残基のC末端側で切断されることによって生成したフラグメントイオンであると同定できることがわかった。
[実施例2]
この実施例では、セミカルバジド又はジラールD試薬を用いた糖ペプチドのカルボキシル基修飾を行った後に糖鎖を切り出して質量分析を行った。
具体的には、アセトヒドラジドの代わりにセミカルバジド又はジラールD試薬を用いたことを除いて実施例1と同様の操作を行った。
得られたMS/MSスペクトルを図3に示す。図3においては、比較例1のスペクトル(図3(a))及び実施例1のスペクトル(図3(b))と比較して、セミカルバジドを用いた場合(図3(c))とジラールD試薬を用いた場合(図3(d))とを示している。また、図中に示した糖鎖構造における表示xは、セミカルバジド修飾又はジラールD試薬修飾によって生じた修飾基を示す。
図3(b)〜図3(d)に示されるように、糖鎖切り出しの前にカルボキシル基を修飾することによって、糖鎖結合位置に由来するアスパラギン酸残基のC末端における開裂で生じたフラグメントイオン(y3)が相対的に強い強度で得られ、その他の配列由来のフラグメントイオンは微弱な強度で得られるにとどまった。
なお、セミカルバジドを用いた場合にはy3より低質量側でいくつかフラグメントイオンが検出されているが、これらのフラグメントイオンは、セミカルバジドがイオントラップ内で構造的に不安定なため、セミカルバジド構造内での開裂により生じたと考えられる。しかし、ペプチド鎖由来のフラグメントは抑えられているため、糖鎖結合位置の決定を行うことは可能である。
[参考例]
参考例は、本発明によるペプチド鎖のMS/MS測定における開裂メカニズムを考察するために行った実験である。ペプチド試料としては次の(a)から(c)の3種類を用意し、MS/MS解析を、MALDI−QIT TOFMS(AXIMA-Resonance;島津製作所製)により行った。図5(a)〜図5(c)に各々のペプチドのMS/MSスペクトルを示す。
(a)DSIP(WAGGDASGE(配列番号3))
(b)TMT-DSIP(TMT-AGGDASGE(配列番号3、ただしN末端アミノ酸残基がTMT(Tandem Mass Tag)試薬によりラベル化されている))
(c)[Glu1]-Fibrinopeptide B(EGVNDNEEGFFSAR(配列番号4))
DSIPは、特定のアミノ酸残基のいずれも含まない難イオン化ペプチドである。図5(a)に示されるように、イオントラップ内でCID操作によってイオンの開裂を行う質量分析装置でDSIPのMS/MS解析を行うと、フラグメントの出現パターンには配向性があまり見られず、均一な強度のフラグメントイオンが出現した。アスパラギン残基又はグルタミン残基のC末端側で開裂して生成したフラグメントはy4とb5であるが、信号強度は高くなかった。
TMT-DSIPは、特定のアミノ酸残基として含窒素塩基性基を有するアミノ酸残基(より具体的には、3級アミンを含むTMTラベル基を有するアミノ酸残基)を含むペプチドである。図5(b)に示されるように、TMT-DSIPのMS/MS解析を行うと、Asp残基のC末端側で切断の生じたフラグメントイオンのうちb5イオンのピークが強い強度で出現するようになった。なお、TMT-DSIPのN末端にはTMTラベル基が存在する一方で、C末端側には塩基性基がないため、b系列イオンが検出され、特に、b5が特異的に検出された。
[Glu1]-Fibrinopeptide Bは、特定のアミノ酸残基としてアルギニン残基を含むペプチドである。図5(c)に示されるように、[Glu1]-Fibrinopeptide BのMS/MS解析を行うと、Asp残基やGlu残基のC末端側で切断されたフラグメントイオンであってy系列イオンが優先的に出現した。なお、[Glu1]-Fibrinopeptide Bは、N末端側に塩基性基がないため、y系列イオンが検出された。
参考例の結果から、本発明によってフラグメントイオンの特徴的な出現パターンが得られたことについて、以下のように考えられる。
DSIPのMS/MS解析を行った場合、分子内にプロトンアフィニティの高いアミノ酸残基が含まれていないため、イオントラップ内で自由にプロトンが移動し(すなわちモバイルプロトンが生じ)、プロトン誘導型開裂が生じやすくなっていた。一方、TMT試薬でラベル化したDSIP及びアルギニン残基を含む[Glu1]-Fibrinopeptide BのMS/MS解析を行った場合、イオントラップ内でもそれぞれTMT及びアルギニン残基に強くプロトンが引き付けられ、モバイルプロトンが生じにくい状態であった。その結果、プロトンに誘導されない開裂が起こる可能性が高くなり、アスパラギン酸残基及びグルタミン酸残基での優先的なフラグメント化が生じた。

Claims (3)

  1. 塩基性アミノ酸残基、含窒素塩基性基を有するアミノ酸残基、及び、正電荷を保持している硫黄、酸素、窒素又はリンを含む基を有するアミノ酸残基からなる群から選ばれるアミノ酸残基と、アスパラギン結合型糖鎖とを含む糖ペプチドを、カルボキシル基の修飾に供し、カルボキシル基が修飾基で保護された糖ペプチドを得る工程と、
    前記カルボキシル基が修飾基で保護された糖ペプチドを、前記アスパラギン結合型糖鎖の除去に供し、糖鎖結合部位のアスパラギン残基がアスパラギン酸残基に変換されたペプチドを得る工程と、
    前記ペプチドを質量分析に供し、前記アスパラギン酸残基のC末端側での開裂により生じたフラグメントイオンを特異的に検出する工程とを含む、糖ペプチドの糖鎖結合位置の決定方法。
  2. 前記カルボキシル基の修飾に、ヒドラジド化合物を修飾試薬として用いる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ヒドラジド化合物が、アセトヒドラジド、セミカルバジド及びジラールD試薬からなる群から選ばれる、請求項2に記載の方法。
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