JP3359203B2 - ペプチドのアミノ酸配列解析方法 - Google Patents

ペプチドのアミノ酸配列解析方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、質量分析法による
ペプチドのアミノ酸配列解析方法、及びそれに使用する
キットに関する。
【0002】
【従来の技術】ペプチドや蛋白質においてアミノ酸配列
に関する情報を得ることは、その機能などを理解する上
で重要なことである。近年、質量分析分野でソフトイオ
ン化法の開発によりそれまで測定がほとんど不可能であ
った蛋白質などの不安定な生体高分子の分子量や構造解
析が可能になってきた。更に、質量分析法において、衝
突活性化開裂法を用いることによりペプチドのアミノ酸
配列が決定できるようになった。アミノ酸の置換や修飾
を受けたペプチド・蛋白質の構造解析には、特に、質量
分析法が優れている。質量分析法によるアミノ酸配列解
析は、親イオンの質量データと衝突活性化開裂法により
生じたプロダクトイオンの質量データを用いて解析する
が、生じたプロダクトイオンの中にはN末端由来のもの
とC末端に由来のものが混在する上、そのいずれにも属
さないものもあるので質量データだけから配列を決定す
るのは容易ではない。この問題を解決する方法として、
2 18 Oを高濃度(40atm%)で含む反応液中でペ
プチド又は蛋白質をプロテアーゼで加水分解することに
よりC末端カルボキシル基を標識し衝突活性化開裂法に
より生じるプロダクトイオンの中から同位体分布の特異
なC末端由来プロダクトイオンを特定する方法が提案さ
れている〔ラピッド コミュニケーション イン マス
スペクトロメトリー(RAPIDCOMMUNICATION IN MASS S
PECTROMETRY) 、第5巻、第312〜315頁(199
1)〕。 また、4−ブロモフェニルイソチオシアネートでペプチ
ドのN末端アミノ基を修飾し臭素の天然同位体分布比を
利用してこの生成物を同定する方法が報告されている
〔ヨーロピアン ジャーナル オブ バイオケミストリ
ー(European Journal of Biochemistry) 、第20巻、
第72頁(1971)〕。当該方法は、衝突活性化開裂
法において、生成したプロダクトイオンからN末端由来
のプロダクトイオンを特定する場合にも利用できる。し
かし、ブロモフェニルイソチオシアネートで修飾された
ペプチドは荷電を持ちにくいという問題点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ペプチドのN末端アミ
ノ基とブロモフェニルイソチオシアネートを反応させ、
臭素の天然同位体分布比を利用して衝突活性化開裂法に
より生成した複雑なプロダクトイオンの中からN末端由
来のプロダクトイオンを特定し質量分析法によるアミノ
酸配列解析を容易にする方法において、ブロモフェニル
イソチオシアネートでペプチドを標識した場合、衝突活
性化開裂法により生成したN末端由来のプロダクトイオ
ンが荷電を持ちにくく、その結果として感度が低くなる
という問題点がある。本発明の目的は、プロダクトイオ
ンが荷電を持ち易い化合物(N末端標識試薬)を使用し
て、改良した質量分析法によるペプチドのアミノ酸配列
解析方法、及び当該方法に使用するキットを提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第1の発明は、ペプチドのアミノ酸配列解析方法
に関する発明であって、N末端標識試薬及び衝突活性化
開裂法を併用する質量分析法によるペプチドのアミノ酸
配列解析方法において、該N末端標識試薬として、少な
くとも塩素又は臭素が結合したピリジン環を含有し、か
つプロダクトイオンが荷電を持ち易い化合物を使用する
ことを特徴とする。本発明の第2の発明は、上記第1の
発明の方法において使用するペプチドのアミノ酸配列解
析用キットに関する発明であって、質量分析法によるペ
プチドのアミノ酸配列解析方法で使用するキットにおい
て、少なくとも塩素又は臭素が結合したピリジン環を含
有し、かつプロダクトイオンが荷電を持ち易い化合物
を、N末端標識試薬として含有していることを特徴とす
る。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明の方法に用いるペプチドのN末端を標識する
試薬は、少なくとも塩素又は臭素が結合したピリジン環
を含有し、かつプロダクトイオンが荷電を持ち易い化合
物である。換言すれば、ペプチドのN末端アミノ基と縮
合反応する官能基を有し、ピリジン環を持ち、更に、結
合後にペプチドに導入される塩素若しくは臭素を含む化
合物である。その例には、臭素(又は塩素)置換ピリジ
ンのカルボン酸、その反応性誘導体、例えばエステル、
酸ハライド、酸無水物、若しくは塩、あるいは当該ピリ
ジン環含有のイソチオシアン酸エステルなどが挙げられ
る。その具体例としては、下記式(化1):
【0006】
【化1】
【0007】で表されるN−スクシンイミジル 5−ブ
ロモ−3−ピリジンカルボキシレート、下記式(化
2):
【0008】
【化2】
【0009】で表される5−ブロモ−2−ピリジルイソ
チオシアネートがある。標識されたペプチドは、高速液
体クロマトグラフィーなどの操作により精製しても良い
が、揮発性試薬や溶媒を用いれば溶媒を単に留去しただ
けでも衝突活性化開裂法を含む質量分析に利用すること
ができる。
【0010】標識されたペプチドの衝突活性化開裂法
は、未標識のペプチドの衝突活性化開裂法と同様、従来
の方法に従って行うことができる。すなわち、生成した
イオンを加速電圧で追い出して一方向へ飛ばせておき、
そこにヘリウムやアルゴンなどの中性のガスを導入し、
これら中性ガスと運動エネルギーをもったイオンとを衝
突させればよい。
【0011】得られた衝突活性化開裂法の結果の解析
は、まず、N末端由来のプロダクトイオンを選択する。
例えば、N末端由来のプロダクトイオンは図1に示すよ
うな特徴的な同位体分布を示すので容易に選択すること
ができる。すなわち、図1は、N末端由来のプロダクト
イオンの同位体分布の1例を示す図であり、縦軸は相対
強度(%)、横軸はm/z、すなわら質量/電荷数を意
味する。なお、以下の実施例に示す図2以下の各図にお
ける縦軸及び横軸も図1と同義である。
【0012】アミノ酸配列解析は、N末端由来のプロダ
クトイオンのデータを用いて解析し、その結果を基にし
てN末端に由来しないプロダクトイオンデータから確定
を行う。ペプチド中の酸アミド結合のフラグメント化は
一般に極めて簡単で、カルボニル基の両側での開裂が規
則的に起るだけである。そして、各アミノ酸は、そのほ
とんどのものについて、α−置換基の違いにより各フラ
グメントイオンの質量が違ってくるので、主なピークの
質量差を読めば、アミノ酸の同定を行うことができる。
【0013】本発明による上記解析方法に使用するため
の各試薬をセットとしてキット化しておくと便利であ
る。本発明のキットは、既述のように、少なくとも上記
した特定のN末端標識試薬を含有していればよい。本発
明のキットには、必要に応じて他の試薬をセットしても
よい。例えば、N末端標識化反応で使用する溶媒、例え
ばジメチルホルムアミド、ピリジン、反応用緩衝液、例
えばN−エチルモルホリンなどが挙げられる。また、マ
ススペクトル測定に常用される内標識試薬、あるいは従
来法と対照するために、公知の4−ブロモフェニルイソ
チオシアネートなどをセットしておいてもよい。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明
は、これら実施例に限定されるものではない。
【0015】実施例1 (1)N−スクシンイミジル 5−ブロモ−3−ピリジ
ンカルボキシレートの合成 5−ブロモニコチン酸2.02gとN−ヒドロキシスク
シンイミド1.27gをテトラヒドロフラン25mlに
溶解し、0℃に保つ。これに、N,N′−ジシクロヘキ
シルカルボジイミド2.27gを加え、5℃で20時間
反応させる。この反応液をろ過してN,N′−ジシクロ
ヘキシルウレアを除去する。ろ液を乾固し、再結晶して
N−スクシンイミジル 5−ブロモ−3−ピリジンカル
ボキシレートを得る。
【0016】(2)ロイシンエンケファリンのN−スク
シンイミジル 5−ブロモ−3−ピリジンカルボキシレ
ートによるN末端標識 配列表の配列番号1で表されるロイシンエンケファリン
10nmolとN−スクシンイミジル 5−ブロモ−3
−ピリジンカルボキシレート1μmolをジメチルホル
ムアミド160μlに溶解し、これに50%N−エチル
モルホリンを40μl加えた。37℃で3時間反応させ
た後、コンセントレーターで反応に用いた溶媒を除去し
た。
【0017】(3)ロイシンエンケファリンの4−ブロ
モフェニルイソチオシアネートによるN末端標識 ロイシンエンケファリン10nmolと4−ブロモフェ
ニルイソチオシアネート1μmolを50%ピリジン2
00μlに溶解し、50℃で3時間反応させた。反応
後、コンセントレーターで反応に用いた溶媒を除去し
た。
【0018】(4)N末端標識ロイシンエンケファリン
の質量分析 N−スクシンイミジル 5−ブロモ−3−ピリジンカル
ボキシレートで標識したロイシンエンケファリンの質量
分析及び衝突活性化開裂法を用いた質量分析を行った。
同時に対照実験として4−ブロモフェニルイソチオシア
ネートで標識したロイシンエンケファリンの質量分析及
び衝突活性化開裂法を用いた質量分析を行った。質量分
析装置としては、高性能四重極三連質量分析装置API
・III 〔パーキン−エルマー サイエックス(Perkin-E
lmer Sciex) 社製〕を使用した。質量分析の結果をそれ
ぞれ図2、図3に示す。図2より、N−スクシンイミジ
ル 5−ブロモ−3−ピリジンカルボキシレート標識反
応したロイシンエンケファリンは、測定値739.4を
示し、N−スクシンイミジル 5−ブロモ−3−ピリジ
ンカルボキシレートにより標識されていること〔理論
値:739.21(モノアイソトピックマス)〕が確認
された。図3より、4−ブロモフェニルイソチオシアネ
ート標識反応したロイシンエンケファリンは、測定値7
69.3を示し、4−ブロモフェニルイソチオシアネー
トにより標識されていること〔理論値:769.20
(モノアイソトピックマス)〕が確認された。次に、N
−スクシンイミジル 5−ブロモ−3−ピリジンカルボ
キシレート及び4−ブロモフェニルイソチオシアネート
でN末端標識したロイシンエンケファリンの衝突活性化
開裂法を用いた質量分析の結果をそれぞれ図4、図5に
示す。N−スクシンイミジル 5−ブロモ−3−ピリジ
ンカルボキシレート標識した場合、図4の結果から分か
るように、N末端標識されたすべてのプロダクトイオン
が検出されロイシンエンケファリンのアミノ酸配列が容
易に決定された。一方、4−ブロモフェニルイソチオシ
アネート標識した場合、図5の結果より、N末端由来の
プロダクトイオンは2つのピークが検出されたのみで充
分な情報は得られなかった。これは、N末端アミノ基が
4−ブロモフェニルイソチオシアネートの結合により荷
電を持ちにくくなったことによる感度の低下に起因する
と推測される。N−スクシンイミジル 5−ブロモ−3
−ピリジンカルボキシレート標識の場合は、荷電を持ち
やすいピリジン環が存在するので感度良くすべてのプロ
ダクトイオンが検出されたと考えられる。
【0019】実施例2 (1)合成ペプチドGYTWLE(Gly−Tyr−T
hr−Trp−Leu−Glu)の5−ブロモ−2−ピ
リジルイソチオシアネートによるN末端標識 配列表の配列番号2で表される合成ペプチドGYTWL
E10nmolと5−ブロモ−2−ピリジルイソチオシ
アネート1μmolを50%ピリジン200μlに溶解
し、50℃で3時間反応させた。反応後、コンセントレ
ーターで反応に用いた溶媒を除去した。
【0020】(2)合成ペプチドGYTWLEの4−ブ
ロモフェニルイソチオシアネートによるN末端標識 合成ペプチドGYTWLE10nmolと4−ブロモフ
ェニルイソチオシアネート1μmolを50%ピリジン
200μlに溶解し、50℃で3時間反応させた。反応
後、コンセントレーターで反応に用いた溶媒を除去し
た。
【0021】(3)N末端標識合成ペプチドGYTWL
Eの質量分析 5−ブロモ−2−ピリジルイソチオシアネートで標識し
た合成ペプチドGYTWLEの質量分析及び衝突活性化
開裂法を用いた質量分析を行った。同時に対照実験とし
て4−ブロモフェニルイソチオシアネートで標識した合
成ペプチドGYTWLEの質量分析及び衝突活性化開裂
法を用いた質量分析を行った。質量分析装置としては、
高性能四重極三連質量分析装置API・III (パーキン
−エルマー サイエックス社製)を使用した。質量分析
の結果をそれぞれ図6、図7に示す。 図6より、5−
ブロモ−2−ピリジルイソチオシアネート標識反応させ
た合成ペプチドGYTWLEは、測定値982.3を示
し、5−ブロモ−2−ピリジルイソチオシアネートによ
り標識されていること〔理論値:982.28(モノア
イソトピックマス)〕が確認された。図7より、4−ブ
ロモフェニルイソチオシアネート標識反応させた合成ペ
プチドGYTWLEは、測定値981.3を示し、4−
ブロモフェニルイソチオシアネートにより標識されてい
ること〔理論値:981.28(モノアイソトピックマ
ス)〕が確認された。
【0022】次に、5−ブロモ−2−ピリジルイソチオ
シアネート及び4−ブロモフェニルイソチオシアネート
でN末端標識した合成ペプチドGYTWLEの衝突活性
化開裂法を用いた質量分析の結果をそれぞれ図8、図9
に示す。なお、図8及び図9において、測定値711.
2を示すC末端由来プロダクトイオンのペプチドのアミ
ノ酸配列を配列表の配列番号3に示す。また、本発明に
よる5−ブロモ−2−ピリジルイソチオシアネート標識
した場合のスペクトルを示す図8において、測定値72
2.1を示すN末端由来プロダクトイオンのアミノ酸配
列を配列表の配列番号4に、そして測定値835.2を
示すアミノ酸配列を配列表の配列番号5に示す。他方、
従来の4−ブロモフェニルイソチオシアネート標識した
場合のスペクトルを示す図9において、N末端由来プロ
ダクトイオンのうち、測定値721.1を示すもののア
ミノ酸配列を配列表の配列番号6に、同じく測定値83
4.1を示すものを配列表の配列番号7に示す。図8と
図9の対比より、C末端由来プロダクトイオンに対する
N末端由来プロダクトイオンのシグナル強度の比は、5
−ブロモ−2−ピリジルイソチオシアネートで標識した
方が4−ブロモフェニルイソチオシアネートで標識した
場合より高く、ピリジン環を持つ5−ブロモ−2−ピリ
ジルイソチオシアネートで標識した方が衝突活性化開裂
法により生じたプロダクトイオンが感度よく検出される
ことがわかる。
【0023】実施例3 キットの配合例 N末端標識試薬、N末端標識試薬溶解用溶媒、反応用緩
衝液をセットにして、アミノ酸配列解析用ペプチドN末
端標識キット(20回分)を表1に示すように構築し
た。なお、N末端標識試薬としてN−スクシンイミジル
5−ブロモ−3−ピリジンカルボキシレート、N末端
標識試薬溶解用溶媒としてジメチルホルムアミド、反応
用緩衝液として50mM N−エチルホルモリン(pH
7.5:酢酸にて調製)を使用した。
【0024】
【表1】表 1 ──────────────────────── N末端標識試薬 1mg N末端標識試薬溶解用溶媒 100μl 反応用緩衝液 1ml ────────────────────────
【0025】
【発明の効果】本発明により、質量分析法を用いたアミ
ノ酸配列解析が感度良くできるようになった。本発明の
方法は、蛋白質・ペプチドの構造解析に有用である。
【0026】
【配列表】
【0027】配列番号:1 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Tyr Gly Gly Phe Leu 1 5
【0028】配列番号:2 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly Tyr Thr Trp Leu Glu1 5
【0029】配列番号:3 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Tyr Thr Trp Leu Glu 1 5
【0030】配列番号:4 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:1番目のGlyのアミノ基は、5−ブロモ
−2−ピリジルイソチオシアネートと結合している。 配列 Gly Tyr Thr Trp 1
【0031】配列番号:5 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:1番目のGlyのアミノ基は、5−ブロモ
−2−ピリジルイソチオシアネートと結合している。 配列 Gly Tyr Thr Trp Leu 1 5
【0032】配列番号:6 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:1番目のGlyのアミノ基は、4−ブロモ
フェニルイソチオシアネートと結合している。 配列 Gly Tyr Thr Trp 1
【0033】配列番号:7 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:1番目のGlyのアミノ基は、4−ブロモ
フェニルイソチオシアネートと結合している。 配列 Gly Tyr Thr Trp Leu 1 5
【図面の簡単な説明】
【図1】N末端由来のプロダクトイオンの同位体分布の
1例を示す図である。
【図2】本発明の1例であるN−スクシンイミジル 5
−ブロモ−3−ピリジンカルボキシレートで標識したロ
イシンエンケファリンの質量分析の結果を示す図であ
る。
【図3】従来法の1例である4−ブロモフェニルイソチ
オシアネートで標識したロイシンエンケファリンの質量
分析の結果を示す図である。
【図4】図2の化合物に、更に衝突活性化開裂法を適用
した場合の質量分析の結果を示す図である。
【図5】図3の化合物に、更に衝突活性化開裂法を適用
した場合の質量分析の結果を示す図である。
【図6】本発明の1例である5−ブロモ−2−ピリジル
イソチオシアネートで標識した合成ペプチドGYTWL
Eの質量分析の結果を示す図である。
【図7】従来法の1例である4−ブロモフェニルイソチ
オシアネートで標識した合成ペプチドGYTWLEの質
量分析の結果を示す図である。
【図8】図6の化合物に、更に衝突活性化開裂法を適用
した場合の質量分析の結果を示す図である。
【図9】図7の化合物に、更に衝突活性化開裂法を適用
した場合の質量分析の結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋爪 克仁 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒 造株式会社中央研究所内 (72)発明者 綱澤 進 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒 造株式会社中央研究所内 (72)発明者 加藤 郁之進 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒 造株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭58−146540(JP,A) 特開 平5−249121(JP,A) 特開 昭62−257064(JP,A) 特開 昭63−196858(JP,A) 特開 昭61−233371(JP,A) 特開 平5−133958(JP,A) 特開 昭63−91564(JP,A) 特開 平6−189784(JP,A) 特開 平7−53481(JP,A) 特表 平6−506196(JP,A) 特表 平7−504271(JP,A) 特表 平7−507394(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/68 ZNA G01N 33/58

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N末端標識試薬及び衝突活性化開裂法を
    併用する質量分析法によるペプチドのアミノ酸配列解析
    方法において、該N末端標識試薬として、少なくとも塩
    素又は臭素が結合したピリジン環を含有し、かつプロダ
    クトイオンが荷電を持ち易い化合物を使用することを特
    徴とするペプチドのアミノ酸配列解析方法。
  2. 【請求項2】 質量分析法によるペプチドのアミノ酸配
    列解析方法で使用するキットにおいて、少なくとも塩素
    又は臭素が結合したピリジン環を含有し、かつプロダク
    トイオンが荷電を持ち易い化合物を、N末端標識試薬と
    して含有していることを特徴とするペプチドのアミノ酸
    配列解析用キット。
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