JP2014005846A - 転がり軸受及び工作機械用主軸装置 - Google Patents

転がり軸受及び工作機械用主軸装置 Download PDF

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Abstract

【課題】保持器音を抑制可能な転がり軸受及び工作機械用主軸装置を提供する。
【解決手段】転がり軸受1は、外輪2と、内輪3と、外輪2及び内輪3との間に転動自在に配置される複数のころ4と、円周方向に所定の間隔で形成され、該複数のころ4をそれぞれ保持する複数のポケット11を有する保持器10と、を備え、保持器10の案内方式が外輪案内または内輪案内である。保持器10は、ころ4の軸方向一方側と他方側に保持器案内面をそれぞれ有し、一方側の保持器案内面の幅をΔL1、他方側の保持器案内面の幅をΔL2、軸方向ポケットすきまをΔPとすると、ΔP≦ΔL1≦4×ΔP、且つ、ΔP≦ΔL2≦4×ΔPを満たす。
【選択図】図3

Description

本発明は、転がり軸受及び工作機械用主軸装置に関し、より詳細には、高速回転する工作機械用主軸装置、高速モータ等に用いられる転がり軸受及びそれを用いた工作機械用主軸装置に関する。
最近の工作機械の主軸においては、高効率加工のため高速化が進み、従来の歯車駆動及びベルト駆動では、歯のかみ合い部での摩擦、ベルトのスリップによる発熱など伝達効率がよくないため、カップリングによる駆動モータ直結タイプ若しくは主軸内部にモータを搭載したいわゆる、モータビルトインタイプが主流を占めている。これらの高速主軸の場合、主軸に使用される軸受のdmn値は50万以上がほとんどである。また、軸受の転動体に比重の小さい軽量のセラミック材料(例えば、窒化けい素など)を用いて高速回転時の転動体の遠心力を抑えた軸受では、dmn値が100万以上を越えるケースもある。
このような高速回転用途の軸受に使用される保持器では、軽量、かつ耐摩耗性のある合成樹脂材料保持器として、例えば、フェノール、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド(略称:PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(略称:PEEK)、ポリイミドなどが使用されており、さらには強化材として、ガラス繊維・カーボン繊維・アラミド繊維などが添加されている場合がある。
保持器は、円周方向に等間隔に形成されたポケットによって、転動体を円周方向に等間隔に配置させる。当然のことながら、転動体を円滑にポケット内で自転させるには、ポケット内面と転動体間に適正なすきま(ポケットすきま)を設ける必要がある。また、内外輪間で保持器は軸受の半径方向にもすきまを設けており、保持器の半径方向動き量は、外輪内周面と保持器外周面間、または、内輪外周面と保持器内周面間のいずれか小さい方のすきま(案内すきま)で規制される。
このような保持器を組み込んだ転がり軸受においては、保持器音と呼ばれる騒音や振動が発生することがある。保持器音等の発生を抑制する転がり軸受として、例えば特許文献1〜3の転がり軸受が知られている。
特開2004−19921号公報 特開平11−344035号公報 特開平2000−81042号公報
しかしながら、特許文献1〜3の転がり軸受においても、保持器音の発生を抑制するという点において改善の余地があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、保持器音を抑制可能な転がり軸受及び工作機械用主軸装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 外輪と、内輪と、前記外輪及び内輪との間に転動自在に配置される複数のころと、円周方向に所定の間隔で形成され、該複数のころをそれぞれ保持する複数のポケットを有する保持器と、を備え、該保持器の案内方式が外輪案内または内輪案内である転がり軸受であって、
前記保持器は、前記ころの軸方向一方側と他方側に保持器案内面をそれぞれ有し、
一方側の前記各保持器案内面の幅をΔL1、他方側の前記保持器案内面の幅をΔL2、軸方向ポケットすきまをΔPとすると、以下の(I)及び(II)式を満たすことを特徴とする転がり軸受。
ΔP≦ΔL1≦4×ΔP (I)
ΔP≦ΔL2≦4×ΔP (II)
(2) 外輪と、内輪と、前記外輪及び内輪との間に転動自在に配置される複数のころと、円周方向に所定の間隔で形成され、該複数のころをそれぞれ保持する複数のポケットを有する保持器と、を備え、該保持器の案内方式が外輪案内または内輪案内である転がり軸受であって、
前記保持器は、前記ころの軸方向一方側と他方側のいずれか一方に保持器案内面を有し、
前記保持器案内面の幅をΔL、軸方向ポケットすきまをΔPとすると、以下の(III)式を満たすことを特徴とする転がり軸受。
ΔP≦ΔL≦4×ΔP (III)
(3) グリース潤滑で使用され、
前記保持器には、前記ころと前記保持器案内面との間に、グリース溜まりが設けられ、
前記グリース溜まりの幅は、前記保持器案内面の幅以上であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の転がり軸受。
(4) 前記保持器は、前記保持器案内面が案内輪の案内面端部よりも軸方向内側に設けられ、
前記保持器案内面から前記案内輪の案内面端部までの距離は、前記保持器案内面の幅以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の転がり軸受。
(5) 前記ころと前記保持器との径方向ポケットすきまは、案内すきまの2倍以上、且つ、案内輪の面取り長さ以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の転がり軸受。
(6) 前記保持器は、軸方向に並んで配置された一対のリング部と、該リング部間を繋ぐように、円周方向に所定の間隔で配置された複数の柱部と、を有し、
前記柱部は、円周方向両側の軸方向中間部に、前記ころ側に突出した爪部を有し、
前記径方向ポケットすきまは、前記爪部の内面から前記保持器の回転軸線と前記ころの回転軸線を結ぶ線分と平行に引いた線と前記ころとの交点との間の距離であることを特徴とする(5)に記載の転がり軸受。
(7)前記ころは、軸方向の両側をそれぞれの端部へ向けて全周に亘って徐々に縮径させてなるクラウニング部と、該クラウニング部を一定の径寸法で連続させてなるころ直線部と、を有し、
前記ポケットには、前記ころ直線部と対向する部分に直線形状を有するポケット直線部が形成され、
前記ポケット直線部の長さが、前記ころ直線部の長さ以下であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の転がり軸受。
(8) 前記ポケット直線部の長さは、前記ころ直線部の長さから前記軸方向ポケットすきまを差し引いた長さ未満であることを特徴とする(7)に記載の転がり軸受。
(9) (1)〜(8)のいずれかに記載の転がり軸受を備えたことを特徴とする工作機械用主軸装置。
上記(1)及び(2)に記載の転がり軸受によれば、保持器案内面の幅を狭くすることで保持器案内面と案内輪の摺接する面積が小さくなるので、保持器案内面と案内輪間の摩擦が小さくなり、保持器音の発生を抑制することができる。また、グリースが保持器案内面に入り込みやすくなり、保持器音の発生を抑制でき、さらに潤滑特性の向上により軸受の長寿命化することができる。
上記(3)に記載の転がり軸受によれば、ころの近傍にグリース溜まりを設けることにより、さらに潤滑特性の向上により軸受の長寿命化することができる。
上記(4)に記載の転がり軸受によれば、精度不良又は回転輪と固定輪との軸方向熱膨張差等により、保持器案内面が案内輪の案内面端部からはみ出すことが懸念される場合であっても、軸方向のずれに対する許容量を確保することができ、保持器案内面が案内輪の案内面端部からはみ出すことが抑制される。
上記(5)に記載の転がり軸受によれば、ころと保持器との径方向ポケットすきまは、案内すきまの2倍以上であるので、高速回転時に保持器がホワールし回転数に応じた力で外輪に押し付けられて変形しても、径方向ポケットすきまが十分大きく保たれているので、保持器音の発生を抑制することができる。なお、本明細書において、「ホワール」とは、回転軸の触れ回り、及び、遠心力に伴い保持器密度のばらつき等の影響で保持器が楕円状に変形することを含む趣旨である。
また、保持器ところ間の摩擦が増加することがないので、異常昇温により焼きつきも防止することができる。
さらに、径方向ポケットすきまは、案内輪の面取り長さ以下であるので、内輪、保持器、ころを組み付けた組立体を外輪に軸方向から挿入する際に、外輪端部にころが干渉することが抑制され、組み込み性の悪化を抑制することができる。
上記(6)に記載の転がり軸受によれば、保持器音の発生を抑制しながら、爪部によりころの脱落を確実に防止することができる。
上記(7)に記載の転がり軸受によれば、ポケット直線部の長さがころ直線部の長さ以下であるので、保持器が傾いた際にころ直線部端と保持器直線部が摺接することを抑制することができ、保持器音を抑制することができる。
上記(8)に記載の転がり軸受によれば、保持器は、軸方向ポケットすきまだけ軸方向に動くことができるので、保持器のポケット直線部の長さを、ころ直線部の長さから軸方向ポケットすきまを差し引いた長さ未満とすることで、保持器が軸方向ポケットすきま分移動しても、保持器音を抑制することができる。
上記(9)に記載の工作機械用主軸装置によれば、高速回転させた場合であっても保持器音を抑制することができる。
本発明の一実施形態の転がり軸受の断面図である。 図1の保持器の斜視図である。 図1の転がり軸受の一部を示す平面図である。 図3のC−C線断面図である。 (a)はころの平面図である、(b)は保持器の平面図である。 保持器の移動及び変形を説明する転がり軸受の断面図である。 (a)図1の転がり軸受におけるグリース溜まりを説明する図であり、(b)比較例の転がり軸受におけるグリース溜まりを説明する図である。 (a)図1の転がり軸受におけるスライド許容量を説明する図であり、(b)比較例の転がり軸受におけるスライド許容量を説明する図である。 変形例に係る転がり軸受の断面図である。 図9の転がり軸受の一部を示す平面図である。 保持器が傾いた状態における比較例の転がり軸受の一部を示す平面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る転がり軸受について図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態の転がり軸受の断面図、図2は図1の保持器の斜視図、図3は図1の転がり軸受の一部を示す平面図、図4は図3のC−C線断面図、図5(a)はころの平面図、図5(b)は保持器の平面図である。
本発明の一実施形態に係る転がり軸受1は、図1に示すように、内周面に外輪軌道面2aを有する外輪2と、外周面に内輪軌道面3aを有する内輪3と、外輪軌道面2a及び内輪軌道面3a間に転動自在に配置される複数のころ(転動体)4と、円周方向に所定の間隔で形成され、複数のころ4をそれぞれ保持する複数のポケット11を有する保持器10と、を備え、グリース潤滑で使用される。
ころ4は、図5(a)に示すように、回転軸線Q方向の両側をそれぞれの端部へ向けて全周に亘って徐々に縮径させてなるクラウニング部5、5と、これらのクラウニング部5、5を一定の径寸法で連続させてなるころ直線部6と、から構成される。なお、クラウニング部5、5及びころ直線部6の長さや、クラウニング部5、5ところ直線部6との間の傾斜角度などは、使用条件や使用目的などに応じて任意に設定すればよいため、ここでは特に限定しない。
保持器10は、図2〜4に示すように、軸方向に並んで配置された一対のリング部12と、両リング部12間を繋ぐように、円周方向に所定の間隔で配置された複数の柱部13と、を有し、一対のリング部12と隣り合う柱部13によってポケット11を構成している。
柱部13の円周方向両側の軸方向中間部には、図5(b)に示すように、直線形状を有するポケット直線部15が形成されている。このポケット直線部15は、保持器10の回転軸線Rと平行になるように形成されており、円周側壁部16を構成している。従って、保持器10が傾いていない状態においては、保持器10の回転軸線Rところ4の回転軸線Qが平面視で一致するので、ポケット直線部15(円周側壁部16)ところ直線部6が平行となる(図3参照)。円周側壁部16は、ころ4の転動面であるころ直線部6と対向し転動体保持面として機能する。
また、柱部13の円周方向両側の軸方向中間部には、柱部13の円周側壁部16から僅かにころ4側に突出し、円筒ころ4を確実に保持するための爪部14が柱部13の径方向外面から突出して設けられている。
円周側壁部16は、図4に示すように回転軸方向から見て平坦面をなしており、爪部14の内面から回転軸線Rと回転軸線Qを結ぶ線分Xと平行に引いた線Yところ4との交点Zと、保持器10の爪部14の内面との間に、径方向ポケットすきまΔDが設けられている(図4参照)。軸方向においては、ころ4とポケット11との間に軸方向ポケットすきまΔP(ころ4の円周方向両側にそれぞれΔP/2)が設けられている(図3参照)。
また、柱部13の円周方向両側の軸方向両端部には、円周側壁部16から窪むようにグリース溜まり17が設けられている。
リング部12の軸方向中間部には、周方向に亘って柱部13の径方向外面よりも大径の環状突起部18が形成されており、この環状突起部18の外周面18aが保持器案内面として機能している。即ち、保持器10は、環状突起部18の外周面18aが外輪軌道面2aによって案内される外輪案内方式である。
ここで、環状突起部18の外周面18aは、一方側の外周面18aの幅(軸方向長さ)をΔL1、他方側の外周面18aの幅(軸方向長さ)をΔL2とすると、以下の(I)及び(II)式を満たすように設定される。
ΔP≦ΔL1≦4×ΔP (I)
ΔP≦ΔL2≦4×ΔP (II)
この外周面18aの幅ΔL1、ΔL2は、たわみ等の変動を考慮した実際の幅を意味しており、ΔL1<ΔL2、ΔL1=ΔL2、ΔL1>ΔL2の関係をとり得るが、いずれの場合であっても上記(I)及び(II)式を満たすように設定される。
なお、環状突起部18は、上記(I)及び(II)式を満たす限り、必ずしもリング部12の軸方向中間部に形成する必要はないが、環状突起部18の外周面18aがリング部12の両端部から離れた位置、好ましくは軸方向中間部に形成することにより以下で説明する効果を有する。
図7(a)は本実施形態の転がり軸受の断面図であり、(b)比較例の転がり軸受の断面図である。
比較例の転がり軸受100では、保持器110が、リング部12の外周面12aが外輪軌道面2aによって案内される外輪案内方式であって、図7(b)に示すように、柱部13の径方向外面よりも大径の両リング部12の外周面12aが保持器案内面として機能している。外周面12aの幅ΔL1、ΔL2は、ΔL1>4×ΔP、且つ、ΔL2>4×ΔPとなっており、外周面12aの幅ΔL1、ΔL2以外、本実施形態の転がり軸受1と同じ構成となっている。
従来の転がり軸受100によれば、保持器案内面(外周面12a)の幅が広く、外輪軌道面2aと摺接する面積が大きいので、保持器案内面(外周面12a)と外輪軌道面2aの摩擦が大きく、保持器音が大きくなっていた。
また、保持器案内面(外周面12a)がころ4のすぐ両脇にあるため、軸受が回転すると保持器110の外側にグリース溜まり19aができるが、保持器案内面(外周面12a)が広いと基油がこの保持器案内面(外周面12a)と外輪軌道面2aの間に入り込みにくく、保持器110の摩擦が増加するという問題があった。また、保持器110の摩擦の増加により、保持器音が発生しやすくなり、軸受寿命が低下するという問題があった。
また、軸受が回転すると保持器110の外側にグリース溜まり19aができ、ころ4の近傍(両脇)にはグリース溜まりができにくく、そのため、基油がころ4まで届きにくいため油膜が切れやすく、軸受寿命が若干低下するという問題があった。
さらに、従来の転がり軸受100が工作機械用主軸に組み込まれる場合を想定すると、工作機械用主軸としては内輪回転の場合が主であり、スピンドルの温度分布としては、回転側部材(内輪側)温度>停止側部材(外輪側)温度となる。また、主軸前側軸受(固定側)と後側軸受(自由側)との間にモータを設けた所謂モータビルトイン主軸の場合、モータの発熱の影響が付加される。その結果、従来の外輪案内の保持器110では、自由側軸受となる本軸受部で外輪2に対して内輪側が主軸後方に膨張移動し、保持器案内面(外周面12a)が外輪軌道面2aからはみ出してしまうおそれがある。
これに対し本実施形態の転がり軸受1によれば、図7(a)に示すように、保持器案内面(外周面18a)の幅を狭くすることで保持器案内面(外周面18a)と外輪軌道面2aの摺接する面積が小さくなるので、保持器案内面(外周面18a)と外輪軌道面2aとの摩擦が小さくなり、保持器音の発生を抑制することができる。また、基油が保持器案内面(外周面18a)と外輪軌道面2aの間に入り込みやすくなり、保持器音の発生を抑制でき、潤滑特性の向上により軸受の長寿命化することができる。
また、保持器案内面(外周面18a)の幅ΔL1、ΔL2を狭くし、ころ軸方向端部より離間した位置に保持器案内面(外周面18a)を形成させているので、環状突起部18ところ4との間、即ちころ4の両脇に、グリース溜まり19bを確保することができる。グリース溜まり19bの幅(軸方向長さ)は、環状突起部18の幅ΔL1、ΔL2以上であることが好ましい。このように、ころ4の近傍にグリース溜まり19bを設けることにより、より多くのグリースを軸受内に残存させることができるので、潤滑特性の向上により軸受の長寿命化することができる。
さらに、保持器案内面(外周面18a)は、案内輪である外輪2の外輪軌道面2aの端部より従来の転がり軸受100に比べて軸方向内側に設けられている。環状突起部18から外輪軌道面2aの端部までの距離Δr1は、保持器案内面(外周面18a)の幅ΔL1、ΔL2以上であることが好ましい。このように保持器案内面(外周面18a)から外輪軌道面2aの端部までの距離Δr1を大きくすることで、工作機械用主軸装置に組み込まれた際に、主軸装置を構成する部材の精度及び組み込み精度、あるいは上記した運転時の回転輪と固定輪との軸方向熱膨張差により、保持器案内面が案内輪(外輪2)の案内面(外輪軌道面2a)端部からはみ出すことが懸念される場合であっても、内輪3のスライド量の限界値が従来の保持器110より増加(Δr2<Δr1)するので、軸の伸びに対する許容量を増すことができ、保持器案内面(外周面18a)が(外輪2)の案内面(外輪軌道面2a)端部からはみ出すことが抑制される。
なお、保持器案内面(外周面18a)の幅ΔL1、ΔL2を軸方向ポケットすきまΔPより小さくすると、保持器10の姿勢が安定しなくなり保持器音が大きくなる可能性があることから、軸方向ポケットすきまΔP以上に設定している。
さらに、本発明の転がり軸受1では、図3及び図5に示すように、保持器10のポケット直線部15の長さBが、ころ4のころ直線部6の長さA以下となるように設定されることが好ましい。
ここで、比較例として、図11に、保持器のポケット直線部15の長さBが、ころ4のころ直線部6の長さAより大きくなるように設定された転がり軸受を示す。なお、図11は、B=1.1×Aの場合である。
この比較例の転がり軸受100では、回転中に保持器110が傾いた場合、ころ直線部6とクラウニング部5の接続部である直線部端7が保持器110のポケット直線部15から構成される円周側壁部16に摺接し、大きな摩擦力が発生する。また、図11では、クラウニング部5は円周側壁部16と接触していないが、実際のクラウニング部5と円周側壁部16との距離は数μm程度であるので、直線部端7のみならず、クラウニング部5も円周側壁部16と接触するおそれがあり、さらに大きな摩擦力が発生するおそれがある。このように、ころ4の直線部端7及びクラウニング部5が、円周側壁部16と接触し大きな摩擦力が発生することで、保持器音が発生する。
これに対し、保持器10のポケット直線部15の長さBが、ころ4のころ直線部6の長さA以下となるように設定することで、回転中に保持器10が傾いても、直線部端7及びクラウニング部5が、円周側壁部16と接触することが回避され、大きな摩擦力が発生せず、保持器音の発生が抑制される。
保持器10のポケット直線部15の長さBは、ころ4のころ直線部6の長さA未満であることがより好ましく、保持器10は、軸方向ポケットすきまΔP(図3参照)だけ軸方向に動くことができるので、保持器10のポケット直線部15の長さBは、ころ4のころ直線部6の長さAから軸方向ポケットすきまΔPを差し引いた、A−ΔP未満であることがさらに好ましい。ただし、ポケット直線部15の長さBが小さすぎると、保持器10の強度が得られないため、ポケット直線部15の長さBは0.5mm以上であることが好ましい。
さらに、本発明の転がり軸受1では、径方向ポケットすきまΔDは、外輪内径(転がり軸受1の回転軸線を通る外輪軌道面2a間の径方向距離)と保持器外径(転がり軸受1の回転軸線を通る環状突起部18の外周面18a間の径方向距離)の差である案内すきまをΔEとすると、案内すきまΔEの2倍以上、且つ、案内輪である外輪2の面取り長さF(図1参照)以下となるように、その大きさが設定されていることが好ましい。
以下にその理由について、図6に基づいて説明する。図6は、保持器の移動及び変形を説明する転がり軸受の断面図である。
転がり軸受1においては、図6で示したころ4側及びその反対側(図6で示したころ4から180°の位置、)でそれぞれ案内すきまΔE/2が確保されている。そのため、図6で示したころ4側において、保持器10は内径側にΔE/2だけ動くことができる。図6中、実線は保持器10の非回転時における中立位置、即ちころの公転軸線(転がり軸受1の回転軸線)と保持器10の回転軸線が一致した状態の保持器10の位置を示しており、一点鎖線は、保持器10が内径側にΔE/2だけ動いた状態を示している。したがって、理論上は、径方向ポケットすきまΔDがΔE/2より大きければ、ころ4が保持器10と接触することがないこととなる。
しかしながら、高速回転時に保持器10がホワールすると、回転数に応じた力で保持器10が外輪2に押し付けられて変形する。即ち、保持器10が内径側にΔE/2だけ動いてさらに外輪内周面に押し付けられると、楕円状に変形し、図6で示したころ4側において、保持器10は内径側にさらに動くこととなる。図6中の二点鎖線は、保持器10がホワールによりさらに内径側に動いた(変形した)状態を示している。なお、図6中、円周方向における保持器10の変形については無視している。
保持器10がホワールにより内径側にさらに動くと、径方向ポケットすきまΔDはさらに減少する。このホワールによる径方向ポケットすきまΔDの減少量は、保持器10の材質、形状等により変わるが、本発明では、ホワールによる保持器10の移動を案内すきまΔEの1.5倍以上確保することとし、ΔE/2の移動分も考慮して、全体として、径方向ポケットすきまΔDを、案内すきまΔEの2倍以上としている。これにより、保持器10がホワールしても、ころ4が保持器10と摺接することが防止される。従って、ころ4が保持器10と摺接することによって摩擦力が大きくなることが抑制され、保持器音の発生が抑制される。
一方で、径方向ポケットすきまΔDが大きすぎると、ころ4がずれ、内輪3、保持器10、ころ4を組み付けた組立体を外輪2に軸方向から挿入する際に、外輪端部にころ4が干渉し、組み込むことが困難となる。そのため、径方向ポケットすきまΔDを、案内輪である外輪2の面取り長さF(図1参照)以下としている。これにより、内輪3、保持器10、ころ4を組み付けた組立体を外輪2に軸方向から挿入する際に、外輪端部にころ4が干渉することが抑制され、組み込み性の悪化を抑制することができる。
上記実施形態では、一対のリング部12の軸方向中間部に、周方向に亘って柱部13の径方向外面よりも大径の環状突起部18が形成されていたが、必ずしも一対のリング部12の両方に環状突起部18が形成されている必要はなく、いずれか一方にのみ環状突起部18が形成されていてもよい。
図9は、変形例に係る転がり軸受の断面図であり、図10は図9の転がり軸受の一部を示す平面図である。なお、上記実施形態の転がり軸受1と同一の構成部分については同一の符号を付して説明を省略する。
本変形例に係る転がり軸受1Aでは、保持器10Aの一方側のリング部12の軸方向中間部にのみ環状突起部18が形成され、この環状突起部18の外周面18aが保持器案内面として機能している。また、ころ4Aは、クラウニング部5、5が形成されていない、直線部6によって構成された単純な円筒ころである。
ここで、環状突起部18の外周面18aは、環状突起部18の外周面18aの幅(軸方向長さ)をΔLとすると、以下の(III)式を満たすように設定される。
ΔP≦ΔL≦4×ΔP (III)
このように、上記(III)式を満たすことで、本変形例に係る転がり軸受1Aにおいても上記実施形態の転がり軸受1と同様の作用効果を奏する。その他、上記実施形態の転がり軸受1で説明した、保持器10のポケット直線部15の長さBところ4のころ直線部6の長さAとの関係、径方向ポケットすきまΔDと案内すきまをΔEとの関係についても、本変形例に係る転がり軸受1Aに適用することで、上記実施形態の転がり軸受1と同様の作用効果を奏する。
<保持器音評価1>
続いて、本発明の効果を、以下に示す実施例及び比較例に基づいて検証した。
まず、呼び番号N1011KR(内径φ55mm、外径φ90mm、幅18mm、外輪つばなし、内輪両つば、ころ径φ8mm、ころ長さ8mm)の転がり軸受を用意した。組込後のラジアルすきまを−15μmとし、潤滑材としてNBU8EP(NOKクリュ−バー株式会社製)を1.5cc充填した。
保持器は、カーボン繊維を含有したポリエーテルエーテルケトン(PEEK)からなる樹脂性保持器を用いて、保持器案内面の幅ΔL1、ΔL2を軸方向ポケットすきまΔPの1〜6倍に変化させたときの、4000〜12000rpmの回転数における保持器音を評価した。なお、この保持器は、図1に記載の保持器のように保持器案内面が両側に設けられており、ΔL1とΔL2は等しいものとした。
表1に示すように、保持器案内面の幅ΔL1、ΔL2が軸方向ポケットすきまΔPと等しいものを実施例1、ΔPの2〜4倍としたものをそれぞれ実施例2〜4、ΔPの5、6倍としたものをそれぞれ比較例1、2とした。なお、実施例1〜4及び比較例1、2において、保持器案内面の幅ΔL1、ΔL2以外の条件は全て同じである。
表1には、保持器音評価の結果について3段階で示している。評価は○、△、×の3段階とした。○は、保持器音がなく、使用上全く支障がないことを示しており、△は、小さな保持器音があるものの、使用上支障がないことを示しており、×は、大きな保持器音があり、使用できないことを示している。
Figure 2014005846
表1の結果から、保持器案内面の幅ΔL1、ΔL2を軸方向ポケットすきまΔPの5倍、6倍とした比較例1、2では、ほぼ回転数によらず、使用できないほどの大きな保持器音が発生する結果となった。これに対し、保持器案内面の幅ΔL1、ΔL2を軸方向ポケットすきまΔPの1〜4倍とした実施例1〜4では、回転数によらず、保持器音が小さいか、又は保持器音がないに分類されており、保持器音が抑制されていることが分かる。
以上説明したように、本発明の転がり軸受1によれば、保持器案内面の幅ΔL1、ΔL2、軸方向ポケットすきまをΔPとしたときに、ΔP≦ΔL1≦4×ΔP、且つ、ΔP≦ΔL2≦4×ΔPとすることにより、保持器案内面と案内輪の摺接する面積が小さくなるので、保持器案内面と案内輪間の摩擦が小さくなり、保持器音の発生を抑制することができることが分かった。
<潤滑特性評価>
続いて、呼び番号N1011KR(内径φ55mm、外径φ90mm、幅18mm、外輪つばなし、内輪両つば、ころ径φ8mm、ころ長さ8mm)の転がり軸受を用意した。組込後のラジアルすきまを−5μmとし、潤滑材としてNBU8EP(NOKクリュ−バー株式会社製)を1.5cc充填した。
保持器は、カーボン繊維を含有したポリエーテルエーテルケトン(PEEK)からなる樹脂性保持器を用いて、12000rpmで2000時間の耐久試験を行い、グリースの残存割合、油分離率、鉄粉量を評価した。
表2に示すように、保持器案内面の幅ΔL1、ΔL2を軸方向ポケットすきまΔPの3倍としたものを実施例5、ΔPの6倍としたものをそれぞれ比較例3とした。
Figure 2014005846
表2の結果から、保持器案内面の幅ΔL1、ΔL2を軸方向ポケットすきまΔPの3倍とした実施例5では、保持器案内面の幅ΔL1、ΔL2を軸方向ポケットすきまΔPの6倍とした比較例3に比べて、グリースの残存割合も多く、油分離率が低く、鉄粉量も低くなった。これは、実施例5では、グリース溜まりのスペースが多いことからグリース残存量が多く、またグリース残存量が多いことからころや保持器案内面への潤滑が十分に行われ摩耗が生じなかったものと考えられる。
<保持器音評価2>
続いて、上記<保持器音評価1>における実施例4、即ち、保持器案内面の幅ΔL1、ΔL2を軸方向ポケットすきまΔPの4倍としたものを用いて、ポケット直線部の長さBところ直線部の長さAとの関係を変えて、4000〜12000rpmの回転数における保持器音を評価した。
表3に示すように、ポケット直線部の長さBところ直線部の長さAとの関係において、B=0.6×Aとしたものを実施例4a、B=A−ΔPとしたものを実施例4b、B=Aとしたものを実施例4c、B=1.5×Aとしたものを実施例4dとした。なお、評価基準は、上記した<保持器音評価1>と同じである。
Figure 2014005846
表3の結果から、保持器のポケット直線部の長さBが、ころ直線部の長さA以下となるように設定した実施例4a〜4cでは、回転数によらず、保持器音が小さいか、又は保持器音がないに分類されており、保持器音が抑制されていることが分かる。
このように、保持器案内面の幅ΔL1、ΔL2をΔP≦ΔL1≦4×ΔP、且つ、ΔP≦ΔL2≦4×ΔPに設定することに加えて、保持器10のポケット直線部15の長さBがころ直線部6の長さA以下とすることで、保持器10が傾いた際にころ直線部端7とポケット直線部15とが摺接することを抑制することができ、保持器音をより抑制することができる。
<保持器音評価3>
続いて、上記<保持器音評価1>における実施例4、即ち、保持器案内面の幅ΔL1、ΔL2を軸方向ポケットすきまΔPの4倍としたものを用いて、ころと保持器との径方向ポケットすきまΔDを変えて、4000〜12000rpmの回転数における保持器音を評価した。
表4に示すように、径方向ポケットすきまΔDを案内すきまΔEの1.5倍としたものを実施例4e、径方向ポケットすきまΔDを案内すきまΔEの2倍としたものを実施例4fとした。なお、評価基準は、上記した<保持器音評価1>と同じである。
Figure 2014005846
表4の結果から、径方向ポケットすきまΔDを案内すきまΔEの2倍とした実施例4fでは、回転数によらず、保持器音が小さいか、又は保持器音がないに分類されており、保持器音が抑制されていることが分かる。径方向ポケットすきまΔDを案内すきまΔEの2倍とした実施例4fでは、ΔE/2の移動分を除いて、ホワールによる径方向ポケットすきまΔDの減少分を案内すきま1.5×ΔEだけ確保しているので(2×ΔE−ΔE/2)、径方向ポケットすきまΔDが十分確保され、ころが保持器と接触することがなく、保持器音の発生が抑制されているものと考えられる。
このように、保持器案内面の幅ΔL1、ΔL2をΔP≦ΔL1≦4×ΔP、且つ、ΔP≦ΔL2≦4×ΔPに設定することに加えて、径方向ポケットすきまΔDを、案内すきまΔEの2倍以上とすることにより、高速回転時に保持器10がホワールし回転数に応じた力で外輪2に押し付けられて変形しても、径方向ポケットすきまが十分大きく保たれているので、保持器音の発生をより抑制することができる。また、保持器10ところ4間の摩擦が増加することがないので、異常昇温により焼きつきも防止することができる。
<保持器音評価4>
続いて、上記<保持器音評価1>における実施例4、即ち、保持器案内面の幅ΔL1、ΔL2を軸方向ポケットすきまΔPの4倍としたもの、及び、上記<保持器音評価1>における比較例1、即ち、保持器案内面の幅ΔL1、ΔL2を軸方向ポケットすきまΔPの5倍としたものを用いて、ポケット直線部の長さBところ直線部の長さAとの関係を、B=A−2×ΔPとし、且つ、ころと保持器との径方向ポケットすきまΔDをΔD=2×ΔEとし、4000〜12000rpmの回転数における保持器音を評価した。
表5に示すように、上記<保持器音評価1>における実施例4に対応するものを実施例4g、上記<保持器音評価1>における比較例1に対応するものを比較例1aとした。なお、評価基準は、上記した<保持器音評価1>と同じである。
Figure 2014005846
表5の結果から、保持器案内面の幅ΔL1、ΔL2を軸方向ポケットすきまΔPの4倍として他の条件を好適な条件とした実施例4gでは、保持器案内面の幅ΔL1、ΔL2を軸方向ポケットすきまΔPの5倍として他の条件を好適な条件とした比較例1aに比べて、保持器音が抑制されていることが分かる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、適宜、変更、改良、等が可能である。
例えば、上記実施形態では転がり軸受1にクラウニング型のころ4を採用し、変形例に係る転がり軸受1Aに単純な円筒ころ4Aを採用したが、ころ4、4Aはいずれを採用してもよい。
また、例えば、円周側壁部16は、平面視で直線形状となるポケット直線部15を有する限り、回転軸方向から見てころ4の曲率に沿って円弧面をなしていてもよい。
また、上記実施形態では、保持器10の案内方式が外輪案内である転がり軸受1について説明したが、保持器10の案内方式が内輪案内であってもよい。
1、1A 転がり軸受
2 外輪
3 内輪
4、4A ころ
5 クラウニング部
6 ころ直線部
10、10A 保持器
11 ポケット
12 リング部
13 柱部
14 爪部
15 ポケット直線部
18 環状突起部
18a 外周面(保持器案内面)
19b グリース溜まり
A ころ直線部の長さ
B ポケット直線部の長さ
ΔD 径方向ポケットすきま
ΔE 案内すきま
F 面取り長さ
ΔL1 一方側の保持器案内面の幅
ΔL2 他方側の保持器案内面の幅
ΔL 保持器案内面の幅
ΔP 軸方向ポケットすきま
Q ころの回転軸線
R 保持器の回転軸線

Claims (9)

  1. 外輪と、内輪と、前記外輪及び内輪との間に転動自在に配置される複数のころと、円周方向に所定の間隔で形成され、該複数のころをそれぞれ保持する複数のポケットを有する保持器と、を備え、該保持器の案内方式が外輪案内または内輪案内である転がり軸受であって、
    前記保持器は、前記ころの軸方向一方側と他方側に保持器案内面をそれぞれ有し、
    一方側の前記保持器案内面の幅をΔL1、他方側の前記保持器案内面の幅をΔL2、軸方向ポケットすきまをΔPとすると、以下の(I)及び(II)式を満たすことを特徴とする転がり軸受。
    ΔP≦ΔL1≦4×ΔP (I)
    ΔP≦ΔL2≦4×ΔP (II)
  2. 外輪と、内輪と、前記外輪及び内輪との間に転動自在に配置される複数のころと、円周方向に所定の間隔で形成され、該複数のころをそれぞれ保持する複数のポケットを有する保持器と、を備え、該保持器の案内方式が外輪案内または内輪案内である転がり軸受であって、
    前記保持器は、前記ころの軸方向一方側と他方側のいずれか一方に保持器案内面を有し、
    前記保持器案内面の幅をΔL、軸方向ポケットすきまをΔPとすると、以下の(III)式を満たすことを特徴とする転がり軸受。
    ΔP≦ΔL≦4×ΔP (III)
  3. グリース潤滑で使用され、
    前記保持器には、前記ころと前記保持器案内面との間に、グリース溜まりが設けられ、
    前記グリース溜まりの幅は、前記保持器案内面の幅以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の転がり軸受。
  4. 前記保持器は、前記保持器案内面が案内輪の案内面端部よりも軸方向内側に設けられ、
    前記保持器案内面から前記案内輪の案内面端部までの距離は、前記保持器案内面の幅以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の転がり軸受。
  5. 前記ころと前記保持器との径方向ポケットすきまは、案内すきまの2倍以上、且つ、案内輪の面取り長さ以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の転がり軸受。
  6. 前記保持器は、軸方向に並んで配置された一対のリング部と、該リング部間を繋ぐように、円周方向に所定の間隔で配置された複数の柱部と、を有し、
    前記柱部は、円周方向両側の軸方向中間部に、前記ころ側に突出した爪部を有し、
    前記径方向ポケットすきまは、前記爪部の内面から前記保持器の回転軸線と前記ころの回転軸線を結ぶ線分と平行に引いた線と前記ころとの交点との間の距離であることを特徴とする請求項5に記載の転がり軸受。
  7. 前記ころは、軸方向の両側をそれぞれの端部へ向けて全周に亘って徐々に縮径させてなるクラウニング部と、該クラウニング部を一定の径寸法で連続させてなるころ直線部と、を有し、
    前記ポケットには、前記ころ直線部と対向する部分に直線形状を有するポケット直線部が形成され、
    前記ポケット直線部の長さが、前記ころ直線部の長さ以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の転がり軸受。
  8. 前記ポケット直線部の長さは、前記ころ直線部の長さから前記軸方向ポケットすきまを差し引いた長さ未満であることを特徴とする請求項7に記載の転がり軸受。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の転がり軸受を備えたことを特徴とする工作機械用主軸装置。
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