JP2007010026A - 円筒ころ軸受及び円筒ころ軸受用保持器 - Google Patents

円筒ころ軸受及び円筒ころ軸受用保持器 Download PDF

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Abstract

【課題】 最も潤滑の厳しい円筒ころの軸方向中央部へ潤滑油を容易に供給する。
【解決手段】 一対の円環部27とその円環部27同士を連結する複数の柱部28とで構成され、対向する円環部27と隣接する柱部28とで囲まれた空間に円筒ころを収容するためのポケット26が形成された円筒ころ軸受用保持器24であって、前記ポケット26の円周方向で対向して円筒ころの転動面を案内する柱部28の案内面32に、軸方向中央部で外径側に向けて軸方向幅が漸減する潤滑溜り部34を凹状に形成する。軸方向中央部で外径側に向けて軸方向幅が漸減する形状としては、外径側を頂部とする略三角形状がある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高速回転、高精度が要求される工作機械の主軸装置などの各種産業機械や自動車のトランスミッション等で幅広く利用される単列円筒ころ軸受などの円筒ころ軸受及び円筒ころ軸受用保持器に関する。
例えば、旋盤、マシニングセンタ等の工作機械の主軸装置は、ワークの加工効率や精度を高める等の理由から高速回転で運転される場合が多く、特に、最近の高機能、高効率化への動きに伴い、主軸装置に使用される軸受は、さらなる高速化、長寿命化に対応する必要がある。これら高速化、長寿命化の要求から、高速回転時の発熱を抑制する目的や、高速回転時で安定した性能を発揮させるために強度を向上させる目的から、保持器の形状を規定した単列円筒ころ軸受が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
この単列円筒ころ軸受は、例えば図9に示すように外周に軌道面1aを有する内輪1と、内周に軌道面2aを有する外輪2と、内輪1の軌道面1aと外輪2の軌道面2aとの間に転動自在に配された複数の円筒ころ3と、それら円筒ころ3を円周方向で所定間隔に保持する保持器4とを主要な構成要素としている。内輪2の外周両側には、円筒ころ3の軸方向移動を規制する鍔部5が形成されている。
ここで、前述した保持器の案内形式には、保持器を外輪の内周面または内輪の外周面で案内する外輪または内輪案内形式と、ころによって案内するころ案内形式とがある。前述したころ案内形式の保持器4は、軸方向に所定間隔で対向した一対の円環部4aと、その円環部4a同士を連結する複数の柱部4bとを備え、対向する円環部4aと隣接する柱部4bとで囲まれた空間に円筒ころ3を収容する窓形のポケット6が形成されている。
特開2003−278746号公報 特開2004−316757号公報 特開2002−147464号公報
ところで、前述した内輪鍔付タイプの単列円筒ころ軸受について、内輪回転を例示して説明するならば、ころ案内形式の保持器の場合、内輪の回転に伴い円筒ころが自転すると共に公転してポケットの案内面を押し、これによって保持器が回転する。ポケットの案内面の断面形状は、曲率半径が円筒ころより若干大きい円弧形状であり、円筒ころはこのポケットの円弧形状案内面に抱え込まれる形で案内される。
そのため、円筒ころとポケットの案内面との間では、回転により取り込まれた潤滑油により油膜が形成されるが、その潤滑油が多くなれば油膜粘性抵抗が大きくなり発熱に繋がる。また、潤滑油が少なすぎると、高速に自転する円筒ころとポケットの案内面との間は滑り接触していることから、この部分で油膜切れとなり、円筒ころの潤滑不良あるいはポケットの案内面の摩耗に繋がる。
工作機械の主軸装置などにおいて、軸受が高速で運転される場合、油膜粘性抵抗が増大して軸受の温度上昇に繋がる。この工作機械の主軸装置などをはじめとする各種産業機械に利用される円筒ころ軸受では、益々の高速化、高精度化の傾向にあり、軸受の温度上昇の低減が主軸の高速化および精度劣化低減に繋がる。
一方、油膜切れによる潤滑不良やポケットの案内面の摩耗を防止するため、潤滑油の溜り部となる凹部をポケットの案内面に設けた保持器が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、この保持器では、潤滑溜り部として軸方向に横長の凹部を設けているため、一度溜まった潤滑油は、凹部の任意の位置からポケットの案内面に流出される。特に、凹部の軸方向両端から流出した潤滑油は、円筒ころの両端側に排出され、その結果、潤滑溜まり部としての凹部から供給する潤滑油が分散されてしまう。
通常、円筒ころ軸受の場合、円筒ころの軸方向中央部は軌道面と常に接触する円筒面であり、その両端はクラウニング部を有し、数μm程度中央部より軸端に向けて小さくなっている。円筒ころの中央部は内輪の軌道面および外輪の軌道面と線接触で接しており、潤滑油が侵入し難くなっている。
そこで、本発明は、前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、最も潤滑の厳しい円筒ころの軸方向中央部へ潤滑油を容易に供給し得る円筒ころ軸受および円筒ころ軸受用保持器を提供することにある。
前記目的を達成するための技術的手段として、本発明は、一対の円環部とその円環部同士を連結する複数の柱部とで構成され、対向する円環部と隣接する柱部とで囲まれた空間に円筒ころを収容するためのポケットが形成された円筒ころ軸受用保持器であって、前記ポケットの円周方向で対向して円筒ころの転動面を案内する柱部の案内面に、軸方向中央部で外径側に向けて軸方向幅が漸減する潤滑溜り部を凹設したことを特徴とする。本発明は、外周に軌道面を有する内輪と、内周に軌道面を有する外輪と、前記内輪の軌道面と外輪の軌道面との間に転動自在に介在された複数の円筒ころと、その円筒ころを円周方向で所定間隔に保持する保持器とを備えた円筒ころ軸受において、前記保持器に適用可能である。
本発明では、保持器のポケットに保持または供給された潤滑油が、そのポケットの案内面に設けられた潤滑溜り部に取り込まれ、運転時の遠心力により外径側に移動する。その際、前述の潤滑溜り部は、軸方向中央部で外径側に向けて軸方向幅が漸減する形状をなすことから、潤滑溜り部に取り込まれた潤滑油は、外径側に移動しながら軸方向中央部に集められ、最も潤滑の厳しい円筒ころの軸方向中央部へ容易に供給される。
ここで、柱部の案内面における潤滑溜り部がなす形状、つまり、軸方向中央部で外径側に向けて軸方向幅が漸減する形状としては、例えば外径側を頂部とする略三角形状がある。なお、略三角形状としたのは、三つの直線で囲まれた形状だけでなく、曲線も含むことを意味し、また、頂部では、隣接する直線あるいは曲線が連続した状態で繋がっているものを含む。潤滑溜り部は、軸方向中央部で外径側に向けて軸方向幅が漸減する形状であればよく、前述した略三角形状に限定されるものではない。
また、前述した構成における潤滑溜り部は、その最内径側での軸方向幅を円筒ころの軸方向長さの50〜70%とすることが望ましい。このようにすれば、最適量の潤滑油を軸方向中央部に集めることができる。潤滑溜り部の最内径側での軸方向幅が円筒ころの軸方向長さの50%より小さいと、軸方向中央部に集められる潤滑油の量が不十分となり、また、70%より大きいと、円筒ころの軸方向長さに対して残されたポケットの案内面部分が小さくなり、その部分で油膜切れによる潤滑不良またはポケットの案内面の摩耗に繋がる場合が生じる。
さらに、前述した構成における潤滑溜り部は、その最大深さを円筒ころの外径の3〜10%とすることが望ましい。このようにすれば、軸受の高速回転時に、潤滑溜り部にて潤滑油を確実に保持することが容易となる。この潤滑溜り部の最大深さが円筒ころの外径の3%より小さいと、軸受の高速回転時に潤滑溜り部にて潤滑油を保持し難くなる。また、10%より大きいと、樹脂製保持器の場合、成形金型から保持器を内径側から外径側へ離型させる際に、潤滑溜り部の金型部分をスムーズに抜くことが困難となる。
また、前述した構成における潤滑溜り部の外径側に位置する案内面部分の径方向に沿う寸法は、円筒ころの外径の5〜15%とすることが望ましい。このようにすれば、潤滑溜り部での潤滑油の保持が確実となる。この案内面部分の径方向に沿う寸法が円筒ころの外径の5%よりも小さいと、潤滑溜り部での潤滑油の保持が困難となる。また、15%よりも大きくなると、潤滑溜り部の容積を確保することが困難となり、潤滑油保持性能が低下することになる。
本発明によれば、ポケットの円周方向で対向して円筒ころの転動面を案内する柱部の案内面に、軸方向中央部で外径側に向けて軸方向幅が漸減する潤滑溜り部を凹設したことにより、軸受の回転時、潤滑溜り部に取り込まれた潤滑油が外径側に移動しながら軸方向中央部に集められ、その潤滑油を最も潤滑の厳しい円筒ころの軸方向中央部へ容易に供給することができる。
これにより、供給すべき潤滑油を減量することができ、僅かな潤滑油を効率的に円筒ころの転動面中央部に供給することができる。その結果、工作機械の主軸装置などにおいて円筒ころ軸受の高速運転時、潤滑油の減量に伴い油膜粘性抵抗を低減することができ、運転時の軸受温度の上昇を抑制することができる。
本発明に係る円筒ころ軸受の実施形態を以下に詳述する。
まず、図8は、マシニングセンタ、研削盤などの工作機械における主軸装置の一構造例を示す。この主軸装置はビルトイン・タイプと呼ばれるもので、モータ11が主軸装置の軸方向中央部に配設され、主軸12の外周に設けられたロータ13とハウジング14の内周に設けられたステータ15とで構成される。ステータ15に電流を印加すると、ロータ13との間に励磁力が発生し、その励磁力によって主軸12が回転する。主軸12は、モータ11を挟んでフロント側(工具側)とリア側(反工具側)にそれぞれ配置された転がり軸受でハウジング14に対して回転自在に支持される。通常、リア側は、運転時の熱による主軸12の軸方向膨張量を吸収しまたは逃がすため、主軸12の軸方向変位を許容できる構造とされる(自由側)。この例では、フロント側に組合せアンギュラ玉軸受16(一対のアンギュラ玉軸受)を使用し、リア側に単列円筒ころ軸受17を使用している。
図2は、前述した工作機械の主軸装置(図8参照)のリア側に配置される円筒ころ軸受17の一例として単列円筒ころ軸受の内輪鍔付タイプ(N形)を示す。この円筒ころ軸受は、外周に軌道面21aを有する内輪21と、内周に軌道面22aを有する外輪22と、内輪21の軌道面21aと外輪22の軌道面22aとの間に転動自在に配された複数の円筒ころ23と、それら円筒ころ23を円周方向で所定間隔に保持する、例えば樹脂製の保持器24とを主要な構成要素としている。内輪21の外周両側には、円筒ころ23の軸方向移動を規制する鍔部25が形成されている。
この実施形態では、樹脂製の保持器24を例示しているが、保持器24の材料は、樹脂材の他、高力黄銅鋳物、アルミ材をはじめとする金属材料を使用することができる。樹脂材の例としては、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、PA66、PA46、PPS等にガラス繊維または炭素繊維を20〜40wt%配合したものが挙げられる。
保持器24は、図1〜図6に示すように軸方向に所定間隔で対向した一対の円環部27と、その円環部27同士を連結する複数の柱部28とで構成されている。対向する円環部27と隣接する柱部28とで囲まれた空間に円筒ころ23を収容するためのポケット26が形成されている。ポケット26の円周方向の壁面を構成する円環部27の内側面には、円筒ころ23の端面を案内する、僅かに凸状となったころ端面案内部としての接触面29が設けられている。また、柱部28には、基部30から略半径方向に二股状に延びる一対の舌片31が設けられている。
図7に拡大して示すように、ポケット26の軸方向の壁面を構成する柱部28の側面は、互いに滑らかに連続した内径側のストレート面32aと外径側の円弧面32bとからなる。ストレート面32aは、主に基部30の一方の側面によって形成され、円弧面32bは、主に舌片31の一方の側面によって形成されている。円弧面32bは、円筒ころ23の転動面23aの曲率半径よりも僅かに大きな曲率半径を持った円弧で描かれ、円筒ころ23がポケット26内で外径方向に所定量相対移動すると円弧面32bと係合し、これにより、円筒ころ23の外径方向への抜けが規制される。この保持器24は、円筒ころ23によって回転を案内される、いわゆるころ案内形式のもので、ストレート面32aと円弧面32bは、円筒ころ23の転動面23aを案内する案内面32となる。なお、舌片31の他方の側面間に凹状の逃げ部33が設けられている。
前述した構成からなる保持器24において、ポケット26の円周方向で対向して円筒ころ23の転動面23aを案内する柱部28の案内面32に、軸方向中央部で外径側に向けて軸方向幅が漸減する潤滑溜り部34を凹状に形成する。この実施形態では、案内面32の軸方向中央部でストレート面32aから円弧面32bの下部に亘って、外径側を頂部とする略三角形状の潤滑溜り部34を形成している。
案内面32における潤滑溜り部34の形状、つまり、外径側を頂部とする略三角形状とは、図1に示すようにその最内径側での軸方向幅Wを底辺とし、他の二辺を頂部で滑らかに連続した曲線で繋いだ形状としている。なお、この実施形態では、潤滑溜り部34を略三角形状で例示しているが、軸方向中央部で外径側に向けて軸方向幅が漸減する形状であれば、略三角形状に限定されず、他の形状であってもよい。
保持器24のポケット26に保持または供給された潤滑油は、そのポケット26の案内面32に設けられた凹状の潤滑溜り部34に取り込まれ、運転時の遠心力により外径側に移動する。その際、前述の潤滑溜り部34は、軸方向中央部で外径側に向けて軸方向幅が漸減する略三角形状をなすことから、潤滑溜り部34に取り込まれた潤滑油は、外径側に移動しながら軸方向中央部に集められ、その結果、潤滑油を最も潤滑の厳しい円筒ころ23の軸方向中央部へ容易に供給することができる。
前述した潤滑溜り部34の最内径側での軸方向幅Wは、図1に示すように円筒ころ23の軸方向長さの50〜70%としている。このようにすれば、最適量の潤滑油を軸方向中央部に集めることができる。潤滑溜り部34の最内径側での軸方向幅Wが円筒ころ23の軸方向長さの50%より小さいと、軸方向中央部に集められる潤滑油の量が不十分となり、また、70%より大きいと、円筒ころ23の軸方向長さに対して残されたポケット26の案内面部分が小さくなり、その部分で油膜切れによる潤滑不良または案内面32の摩耗に繋がる場合が生じる。
また、この潤滑溜り部34の最大深さDは、図7に示すように円筒ころ23の外径の3〜10%としている。このようにすれば、軸受の高速回転時に、潤滑溜り部34にて潤滑油を確実に保持することが容易となる。この潤滑溜り部34の最大深さDが円筒ころ23の外径の3%より小さいと、軸受の高速回転時に潤滑溜り部34にて潤滑油を保持し難くなる。また、10%より大きいと、樹脂製保持器の場合、成形金型から保持器24を内径側から外径側へ離型させる際に、潤滑溜り部34の金型部分をスムーズに抜くことが困難となる。
さらに、潤滑溜り部34の外径側に位置する案内面部分、つまり、案内面32の円弧面32bの上部の径方向に沿う寸法Lは、図7に示すように円筒ころ23の外径の5〜15%としている。このようにすれば、潤滑溜り部34での潤滑油の保持が確実となる。この円弧面32bの上部の径方向に沿う寸法Lが円筒ころ23の外径の5%よりも小さいと、潤滑溜り部34での潤滑油の保持が困難となる。また、15%よりも大きくなると、潤滑溜り部34の容積を確保することが困難となり、潤滑油保持性能が低下することになる。
例えば、内輪21に鍔部25がある場合、保持器24の外径側に円筒ころ23の脱落を防止し、円筒ころ23と保持器24のポケット26により径方向が位置決めされるための舌片31がある。成形金型ではポケット26よりも舌片31が小さくなっており、このため、ポケット金型を外径側に無理抜きして成形する場合は、舌片31が弾性変形して無理抜きを許容する。また、円筒ころ23を組み込む場合は、外径側から組み込むため、円筒ころ23が通過する時、舌片31が弾性変形する。この舌片31の弾性変形を助けるために、柱部28の中央部に逃げ部33が形成されている。
この実施形態の円筒ころ軸受は、図8に示すように内輪21を主軸12の外周に嵌合させ、外輪22をハウジング14の内周に嵌合させる。運転時のラジアル内部すきまは例えば負すきま(予圧状態)に設定され、軸受内部はエアオイル潤滑、オイルミスト潤滑、ジェット潤滑、グリース潤滑などの潤滑方式によって潤滑される。主軸装置に内蔵されたモータ11によって主軸12が高速で回転駆動されると、フロント側のアンギュラ玉軸受16とリア側の円筒ころ軸受17で主軸12がハウジング14に対して回転自在に支持される。また、運転時の温度上昇によって、主軸12が軸方向に熱膨張すると、その軸方向膨張量が、円筒ころ軸受17の外輪22と円筒ころ23との間のスライド変位によって吸収されまたは逃がされる。
なお、前述した実施形態では、ポケット26の柱部28の軸方向中央部に一つの舌片31を設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、ポケットの柱部の軸方向に複数(例えば二つ)の舌片を配設した構造にも適用可能である。この場合、ポケットの案内面の軸方向に二つの潤滑溜り部を形成すればよい。前述した舌片が一つの場合でも、二つ以上の潤滑溜り部を軸方向に配設するようにしてもよい。
本発明の実施形態における保持器で、図3のA−A線に沿う断面図である。 本発明の実施形態における単列円筒ころ軸受を示す部分断面図である。 図1の保持器を外径側から見た平面図である。 図3のB−B線に沿う断面図である。 図3のC−C線に沿う断面図である。 図1の保持器を内径側から見た平面図である。 図4の柱部の案内面を示す要部拡大断面図である。 工作機械の主軸装置の一例を示す断面図である。 単列円筒ころ軸受の従来例を示す部分断面図である。
符号の説明
21 内輪
21a 軌道面
22 外輪
22a 軌道面
23 円筒ころ
23a 転動面
24 保持器
26 ポケット
27 円環部
28 柱部
32 案内面
34 潤滑溜り部

Claims (10)

  1. 外周に軌道面を有する内輪と、内周に軌道面を有する外輪と、前記内輪の軌道面と外輪の軌道面との間に転動自在に介在された複数の円筒ころと、その円筒ころを円周方向で所定間隔に保持する保持器とを備えた円筒ころ軸受において、
    前記保持器は、一対の円環部とその円環部同士を連結する複数の柱部とで構成され、対向する円環部と隣接する柱部とで囲まれた空間に円筒ころを収容するためのポケットが形成され、前記ポケットの円周方向で対向して円筒ころの転動面を案内する柱部の案内面に、軸方向中央部で外径側に向けて軸方向幅が漸減する潤滑溜り部を凹設したことを特徴とする円筒ころ軸受。
  2. 前記潤滑溜り部は、柱部の案内面において外径側を頂部とする略三角形状に形成されている請求項1に記載の円筒ころ軸受。
  3. 前記潤滑溜り部は、その最内径側での軸方向幅を円筒ころの軸方向長さの50〜70%とした請求項1又は2に記載の円筒ころ軸受。
  4. 前記潤滑溜り部は、その最大深さを円筒ころの外径の3〜10%とした請求項1又は2に記載の円筒ころ軸受。
  5. 前記潤滑溜り部の外径側に位置する案内面部分の径方向に沿う寸法を、円筒ころの外径の5〜15%とした請求項1又は2に記載の円筒ころ軸受。
  6. 一対の円環部とその円環部同士を連結する複数の柱部とで構成され、対向する円環部と隣接する柱部とで囲まれた空間に円筒ころを収容するためのポケットが形成された円筒ころ軸受用保持器であって、前記ポケットの円周方向で対向して円筒ころの転動面を案内する柱部の案内面に、軸方向中央部で外径側に向けて軸方向幅が漸減する潤滑溜り部を凹設したことを特徴とする円筒ころ軸受用保持器。
  7. 前記潤滑溜り部は、柱部の案内面において外径側を頂部とする略三角形状に形成されている請求項6に記載の円筒ころ軸受用保持器。
  8. 前記潤滑溜り部は、その最内径側での軸方向幅を円筒ころの軸方向長さの50〜70%とした請求項6又は7に記載の円筒ころ軸受用保持器。
  9. 前記潤滑溜り部は、その最大深さを円筒ころの外径の3〜10%とした請求項6又は7に記載の円筒ころ軸受用保持器。
  10. 前記潤滑溜り部の外径側に位置する案内面部分の径方向に沿う寸法を、円筒ころの外径の5〜15%とした請求項6又は7に記載の円筒ころ軸受用保持器。
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