以下、図面に従って本発明の好ましい実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る例示的なゲーム装置1の外観を示す説明図である。
図示のように、ゲーム装置1は、主として基体2と、基体2から上方に延びる複数本(例えば6本)の柱3と、隣接する柱3間に配置された複数(例えば6台)のゲーム端末4と、これらのゲーム端末4の中央付近に配置された主抽選盤5と、柱3の上部に載置された天井部6を有している。隣接するゲーム端末4の間には、ボール供給装置7が配置され、当該ボール供給装置7から延びる給送ライン8が天井部6に連結されている。各ゲーム端末4の前面には透明の副抽選盤9を有する投入部20が配置されており、各ゲーム端末4の遊戯者は、副抽選盤9を介して主抽選盤5を透視することが可能である。
ゲーム端末4は、主抽選盤5での抽選の結果に応じたゲームを進行させるための入力及び/又は出力部を有する端末である。本実施形態の各ゲーム端末4は、賭媒体を投入する投入口11やゲーム操作を行う操作ボタン12などの入力部と、ゲーム情報を出力するためのタッチパネル式の表示装置13やスピーカー14、ゲームの結果に応じた賭媒体を払い出す払出口15などの出力部を備えている。上記賭媒体は、抽選及び/又はゲームの対価及び/又は配当として使用可能な硬貨、紙幣、メダル、ポイントなどの媒体である。賭媒体の種類や、対価及び配当に同種の賭媒体を用いるかなどは任意であるが、本実施形態では、メダルが投入口11及び払出口15での賭媒体として使用される。
図2A,Bには、投入部20の主要な機械的構造がそれぞれ正面及び背面から示されている。
図示のように、投入部20は、抽選媒体として使用されるボールBが移動可能な副抽選盤9と、ソレノイド23a等の駆動手段により進退するピン23bによって開閉する放出口23と、モーター24a等の駆動手段により左右に揺動するワイパー24を有している。
副抽選盤9は、手前側(ゲーム端末4側)に張設された透明の第1盤面(カバー)21と、その奧側(主抽選盤5側)に張設された透明の第2盤面22を有している。第1盤面21と第2盤面22は、ボールBの径よりも大きい寸法だけ相互に離間し、第2盤面22には、第1盤面21に向けて延びる複数のピン22aが立設されている。
副抽選盤9の下端には、ボールBが通過可能な第1スロット(副捕捉部)25a及び第2スロット25b(25b1〜25b6)が配置され、その左右にハズレルート25cが配置されている。本発明における第1、第2スロット25a,25bの目的、個数、配置等は任意であるが、本実施形態では、中央の第1スロット25aが副抽選における当選部として使用され、その左右それぞれ3つの第2スロット25bが後述のドロップ抽選における当選部として使用される。第1、第2スロット25a,25bは上下端が開放であり、第1、第2スロット25bは、光、磁気、圧力等の任意の方式によりボールBを検知するセンサー25dを有している。第1、第2スロット25a,25b、ハズレルート25cの下方には、副抽選盤9のボールBを回収する回収路26が設けられている。
第2盤面22は、第1スロット25aに対応する位置に形成されたボールBが通過可能な投入口27を有しており、第2盤面22の裏面には、投入口27に連続し、主抽選盤5に向けて下降する誘導路28が設けられている。
投入口27には、図3に示す切替部29が取り付けられている。
切替部29は、モーター29a等の駆動手段と、回転軸29bの周りで回転する十字カム29cと、モーター29aの駆動力を十字カム29cに伝達するベルト29dを有している。十字カム29cは、モーター29aの駆動によって正逆両方向R1,R2に回転可能である。十字カム29cが正方向R1に回転している間は、第1スロット25aは、捕捉したボールBを誘導路28から主抽選盤5に向けて投入する投入状態となり、十字カム29cが逆方向R2に回転している間は、第1スロット25aは、捕捉したボールBを下方の回収路26に導く回収状態となる。また、十字カム29cを所定の回転位置で停止させることにより、第1スロット25aは、ボールBを保持することが可能な保持状態となる。
上記投入部20では、各放出口23においてピン23bが1回の進退動をする毎に1つのボールBが副抽選盤9に放出され、ワイパー24により左右に振り分けられた後、ピン22aにより複雑に軌道を変化させながら副抽選盤9を下方に向けて移動する。
ボールBが副抽選盤9の下端に至り、第1スロット25aに捕捉された場合には、当該ボールBは第1スロット25aが投入状態と回収状態のいずれであるかに応じて回収路26又は誘導路28に導かれる。ボールBが、第2スロット25bに捕捉された場合はそのまま回収路26に回収される。第1、第2スロット25a,25bに捕捉されなかったボールBは、ハズレルート25cから回収路26に落下する。第1、第2スロット25a,25b及びハズレルート25cには、ボールBの捕捉、通過を検出するためのセンサー25dが取り付けられている。
図4は、主抽選部30の主要な機械的構造を示す説明図である。
図示のように、主抽選部30は、主抽選盤5と、主抽選盤5の下方に配置されたテーブル31と、主抽選盤5を回転駆動するモーター32等の駆動手段を有している。
主抽選盤5は、内周に向けて下降する傾斜が与えられ、ボールBが円滑に移動(転動)できる上面を有する円環盤面33と、その内側に填め込まれた円盤部材34を有している。円盤部材34には、主抽選盤5上で移動するボールBを捕捉することができる1又は複数のポケット(主捕捉部)35が形成されている。ポケット35の個数や配置、ボールBの捕捉方法等は任意であるが、本実施形態のポケット35は、等角度間隔で円盤部材34における所定の半径位置に配列された複数(図示の例では28個)のボールBが転がり込む(ボールBを捕捉する)ことが可能な開口である。各ポケット35には機械式、光学式、電磁式等の任意の方式でボールBの捕捉を検知するセンサー36が取り付けられている。主抽選盤5の上面には、モーター37などの駆動により上下動する1又は複数のフラップ38が取り付けられており、フラップ38の上下動により一部(図示の例では4つ)のポケット35を開閉することが可能である。各ポケット35の内周側には、ポケット35を識別するためのマーク39が表示されている。マーク39の種類は任意であるが、本実施形態ではフラップ38を有する4つのポケット35には星印が表示され、それ以外のポケット35には相互に異なる数字が表示されている。以下では、数字が表示されたポケット35を「第1ポケット35a」、星印が表示されたポケット35を「第2ポケット35b」と呼ぶ場合がある。
テーブル31は、外周付近に配置された複数のローラー40により主抽選盤5を回転自在に支承するものである。テーブル31上面には、ポケット35に対応する半径位置にボールBが移動(転動)可能な概略円環又は正多角形状の転動面41が形成されている。テーブル31は、転動面41の一部の位置に開口42を有している。開口42は、ボールBが転動可能な平滑な上面を有する開閉板44により覆われており、ソレノイド43等により開閉板44を上下動させることで開口42を開閉させることが可能である。開口42の下方にはボールBを回収するための回収路45が設けられている。
上記主抽選部30では、投入部20の誘導路28からある速度で主抽選盤5に投入されたボールBは、円環盤面33の外縁付近である時間に渡って不規則に転がった後に円盤部材34のいずれかのポケット35に捕捉される。ここで、フラップ38が図4Aに示す閉鎖状態にあるときは、第1ポケット35aのみがボールBを捕捉することが可能であり、フラップ38が図4Bに示す開放状態にあるときは、第1、第2ポケット35a,35bともボールBを捕捉することが可能である。ポケット35に捕捉されたボールBは、転動面41及び開閉板44の上面により転動可能に支持される。そのため、開口42が開閉板44で閉鎖されている限り、ポケット35に捕捉されたままの状態で主抽選盤5の回転ともに回転するが、開口42が開放されると、主抽選盤5が1回転する間にポケットと35に捕捉されたすべてのボールBが開口42から落下して回収路45に回収される。
図5は、ボール供給装置7の構造を示す説明図であり、図6は、ボール供給装置7の主要な要素のみを抽出して示す分解説明図である。
図示のように、本実施形態のボール供給装置7は、回収路26,45に接続された補給部50と、補給部50からボールBの補給を受ける攪拌部51と、中間板52を挟んで攪拌部51の下方に配置された受渡部53と、後述の回転体60及び受渡体70に回転力を付与する駆動部54と、コンプレッサー及び/又はレギュレータなどからなる高圧エアを生成するための高圧生成装置55と、受渡部53からボールBの供給を受ける給送ライン8を有している。
駆動部54は、主軸56aを連続的に回転させるモーター56と、主軸56aの回転を伝達して回転体60及び受渡体70を回転させる第1、第2伝達軸57a,57bを有している。第1、第2伝達軸57a,57bはともに概略鉛直方向を指向し、水平面内で相互に離間して配置される。
本発明において第1、第2伝達軸57a,57b、ひいては、回転体60及び受渡体70の回転の速度、方向、回転態様等は任意であるが、好ましい実施形態では、変換部58が主軸56aの連続的な回転を変換して従動車58aを間欠的に回転駆動し、従動車58aの間欠回転がギア機構59により分割されて、第1、第2伝達軸57a,57bを同期して等速で間欠回転させる。変換部58には、間欠回転を生じさせる任意の構成を採用できるが、好ましい実施形態では、従動車58aに作用する逆方向への回転力が主軸56aに伝達することを防止できるジェネバ機構が採用される。ジェネバ機構では、第1、第2伝達軸57a,57bが回転を継続する回転期間と、第1、第2伝達軸57a,57bが回転を停止する停止期間が交互に反復し、回転期間及び停止期間はそれぞれ一定である。好ましい実施形態のジェネバ機構は、各回転期間に第1、第2伝達軸57a,57bをそれぞれ60度回転させる。
攪拌部51は、回転体60と、回転体を60を同心に収容する筐体63を有している。
回転体60は、回転軸61と、回転軸61から外方に向けて放射方向に延びる1以上(図示の例では6枚)の翼片62を有している。回転体60は、回転軸61を第1伝達軸57aに結合されて、第1伝達軸57aとともに方向R3に向けて回転する。
翼片62は、可撓性の材料で形成された薄板状の部材である。翼片62は、第1伝達軸57aの回転力よりも小さい力で、翼片62と後述の外周壁64の間にボールBが通過できる隙間が形成されるところまで湾曲できる程度の可撓性を有することが好ましい。翼片62は、方向R3側の前面62aと、その裏面62bを有し、前面62aは、回転体60が回転したときに筐体63内のボールBを駆動する駆動面として機能する。前面62aは、図6の角度αに示されるように、方向R3側に向かうにつれて上昇する傾斜を有している。
筐体63は、外周壁64及び底面板65を有している。外周壁64は、回転体60の回転半径よりわずかに大径の概略円筒又は正多角筒状の部材である。底面板65は、外周壁64の下端に位置する平板状の部材であり、本実施形態では、中間板52のうち、外周壁64に囲繞される部分が底面板65となっている。筐体63は、外周壁64と底面板65で規定される所定体積の空間を有し、この空間に回転体60及び1又は複数のボールBを収容することが可能である。
底面板65は、外周壁64の内側で、かつ、回転軸61よりも外側の位置に、ボールBが通過可能な形状及びサイズの第1供給口65aを有している。好ましい実施形態では、第1伝達軸57aによって回転体60は間欠回転し、第1供給口65aは、停止期間にある回転体60の隣接する2つの翼片62の間のスペースと一致する位置に形成される円形孔である。
底面板65は更に、第1供給口65a以外の位置に、ボールBが通過できない形状及びサイズの複数の集塵口65bを有している。多数の集塵口65bを有する底面板65を容易に得るために、底面板65を網目部材で構成することが可能である。底面板65の下方には、出し入れ自在のダストボックス66が配置される。
受渡部53は、受渡体70及びこれを同心に収容する円筒部材76で構成されている。
受渡体70は、軸芯71と、軸芯71の周囲に配置されたボールBが通過可能な1又は複数の貫通孔72を有する。受渡体70は、軸芯71を第2伝達軸57bに連結されて第2伝達軸57bとともに方向R4に向けて回転する。貫通孔72の個数、形状、配置等は任意であるが、図示の例では、6個の円筒形の貫通孔72が軸芯71の周囲に等角度間隔で、かつ、同一の円周73上に配列されている。
受渡体70は、受渡体70が軸芯71の周りで回転する過程で、第1供給口65aと貫通孔72が一致する位置関係をもって、中間板52(底面板65)の下方に配置される。ただし、この位置関係は厳密である必要はなく、受渡体70が回転する過程で、ボールBが通過可能なサイズ及び形状の重なり領域が第1供給口65aと貫通孔72の間で形成される位置関係であれば良い。好ましい実施形態では、第2伝達軸57bによって受渡体70は間欠回転し、その停止期間中に第1供給口65aと貫通孔72が一致する。
受渡体70の外周には、隣接する貫通孔72の中間の角度位置に切欠74が形成されており、受渡体70の外周と円筒部材76の内面の間に所定面積の間隙75が形成される。円筒部材76の下端には、仕切板77が取り付けられており、貫通孔72の下端は仕切板77により塞がれる。
仕切板77は、水平面内で第1供給口65aから離間した位置にボールBが通過可能な形状及びサイズの第2供給口77aを有している。第2供給口77aは、受渡体70が軸芯71の周りで回転する過程で、第2供給口77aと貫通孔72が一致する位置関係をもって配置される。ただし、この位置関係は厳密である必要はなく、受渡体70が回転する過程で、ボールBが通過可能なサイズ及び形状の重なり領域が第2供給口77aと貫通孔72の間で形成される位置関係であれば良い。好ましい実施形態では、第2伝達軸57bによって受渡体70は間欠回転し、その停止期間中に第2供給口77aと貫通孔72が一致する。第2供給口77aは、水平面内において回転体60の回転半径の外側に位置することが好ましい。
本実施形態では、最適配置として、第1、第2供給口65a,77aは、受渡体70の軸芯71から等距離で、軸芯71から見て相互に180度離間した位置関係で形成される。
第2供給口77aには、ボールBが通過可能な中空管78が連結される。中空管78は、給送ライン8を通って天井部6内のボール送出装置80に接続される。
中間板52は、水平面内における第1供給口65aから離間した位置に、高圧生成装置55の送風口55aに連結された送風口52aを有している。送風口52aは、第2供給口77aと重なり合った貫通孔72に向けて十分量の送風を行い得るサイズ、形状、位置をもって形成される。本実施形態では、送風口52aは、貫通孔72と概略同径の円形開口であり、第2供給口77aの直上に配置されている。
上記ボール供給装置7では、回収路26,45から補給部50を介して筐体63内に導入されたボールBは、方向R3に向けて回転する翼片62によって筐体63内で攪拌される(移動する)、これにより、第1供給口65aからのボール供給の確実性が向上する。また、本実施形態の翼片62は、方向R3側に向かうにつれて上昇する傾斜を有するため、ボールBには下方への付勢力が作用し、ボール供給の確実性は一層向上する。
更に、翼片62が可撓性の材料で形成されているため、第1供給口65aでボールBがつっかえるなどで詰まりを生じたとしても、回転体60は停止することなくそのまま回転を継続することができ、及び/又は、ボールBに傷や変形を生じることを防止し得る。回転体60が回転動作を継続することで翼片62からの付勢力が反復して作用するため、詰まりの解消を容易化する効果も達成され得る。
更にボール供給装置7では、筐体63内での攪拌によるボールBのクリーニング効果も期待できる。ボールBのクリーニングにより生じ得る塵埃は、集塵口65bからダストボックス66に回収可能であり、装置のメインテナンスの容易化を図り得る。
受渡体70は第1供給口65aの下方で回転し、貫通孔72が第1供給口65aに一致する位置まで回転したところで、筐体63内のボールBが第1供給口65aからその貫通孔72に渡される。ボールBを受け取った貫通孔72は受渡体70の回転とともに移動し、第2供給口77aと一致する位置まで移動したところで、ボールBを中空管78に供給する。中空管78に供給されたボールBは、送風口55aからの送風によって給送ライン8に沿って天井部6のボール送出装置80に送られる。このように、第1、第2供給口65a,77aが水平面内で相互に離間した位置に配置されているため、簡略な構成による空気搬送が可能である。
受渡体70を間欠回転させる場合、その停止期間中に、貫通孔72と第1供給口65a及び/又は第2供給口77aが一致する回転位置で受渡体70が停止するように受渡体70を駆動すれば、貫通孔72及び/又は中空管78へのボール供給の確実性を高めることができる。
受渡体70の回転に伴って送風口52a及び/又は第2供給口77aと貫通孔72の重なり面積が変化し、これにより、貫通孔72を通る風量は増減し得る。しかし、ボール供給装置7では、隣接する貫通孔72の間に間隙75が形成されているため、上記重なり面積の変化による風量の増減が補われ、脈動が低減された安定なボール給送を行い得る。
図7は、より好ましい実施形態に係る回転体60Aを示す説明図である。
回転体60Aは、翼片62Aが回転軸61に植設された複数の可撓性の繊維、毛又はロッド62cを有するブラシで形成されている点を除いて回転体60と同様の構成を有している。
本実施形態では、翼片62Aがブラシで形成されているため、翼片62AとボールBの接触によりボールBに傷や変形を生じる可能性を一層低減することが可能であり、ブラッシング効果によって稼働中のクリーニング効果を一層高めることが可能である。
各翼片62Aには任意の繊維62cを使用し得るが、ボールBの傷や変形を防止し、クリーニング効果を高めるためには、概略同一方向に指向する細い繊維62cを多数行×多数列で配列することが好ましい。繊維62cは強靱性及び柔軟性に優れるナイロン等の樹脂で形成することが可能である。
図8は、他の実施形態に係るボール供給装置7Bを示す切欠説明図である。
図示のように、ボール供給装置7Bは、ボール供給装置7と同様の補給部50、攪拌部51、高圧生成装置55、モーター56及び給送ライン8を有する一方で、受渡体70及びこれに付随する構成(第2伝達軸57b等)が省略され、高圧生成装置55の送風口55aが攪拌部51の天井に開口し、攪拌部51の底面に形成された第1供給口65aが直接給送ライン8に連結されている。
ボール供給装置7Bでは、補給部50から攪拌部51に導入されたボールBは、モーター56に駆動されて回転する可撓性の翼片62により攪拌され、高圧生成装置55の送風口52aからの送風によって第1供給口65aから給送ライン8を経てボール送出装置80に供給される。
このボール供給装置7Bでは、受渡体70の省略による装置コストの低減が可能であり、翼片62による攪拌と送風口55aからの送風により、第1供給口65aから給送ライン8へのボール供給の確実性が確保される。また、翼片62が可撓性であるため、詰まりの解消の容易化やボールBの損傷防止などの効果も達成される。
ボール供給装置7Bでは、図示のように、翼片62の取付角度を鉛直にする(図6の角度αをゼロにする)とともに、高圧生成装置55の送風口55aを第1供給口65aと上下方向で一致する位置に配置することが好ましく、これにより、装置コストの一層の低減するとともに、送風口525aから第1供給口65aへの送風の円滑化を図り得る。図8では、板状の翼片62が示されているが、図7のようなブラシで構成された翼片62Aを使用することも可能である。
図9は、天井部6に設けられたボール送出装置80を示す説明図であり、図9Aには、一部の係止部材88が取り外されたボール送出装置80の側面図が、図9Bには、外壁82が取り外されたボール送出装置80の斜視図が示されている。
図示のように、ボール送出装置80は、支持台81と、支持台81に支持された外壁82及び係止部材88と、モーター89などの駆動手段により回転する移動体83を有している。
支持台81は、その上面に概略円環状を成す底面81aを有している。
外壁82は、底面81aの外周縁から起立する好ましくは透明な樹脂等で形成される断面円形のドーム状部材である。外壁82の上方には、3台のボール供給装置7からの中空管78を受容する3つの開口82aが形成されている。
移動体83は、不図示のローラー等により回転軸83aの周りで回転自在に支持されており、モーター89の駆動によって方向R5に向けて回転する。
移動体83は、回転軸83aに垂直な断面が上方ほど小径となる回転軸83aに円対称な側面84を有している。図示の例では、側面84は、その下縁84aを下底とし、上縁84bを上底とした円錐台乃至ドーム状の形状である。側面84には、その下縁84a又はその近傍の高さに位置する基部85aから上縁84b又はその近傍の高さに位置する端部85bに渡って1又は複数の螺旋状の突条85が形成されている。突条85は、側面84の表面から半径方向外方に向けて所定長だけ突起し、突条85の上面には、ボールBが移動(転動)可能な移送面85cが形成される。基部85aは端部85bよりも方向R5に所定角度回転した位置にあり、したがって、突条85は、方向R5に向かうにつれて下降する傾斜を有している。移送面85cは、半径方向内方に向けて下降する傾斜を有することができる。
移動体83は、上縁84bよりも内周側で下方の位置に設けられた底面86と、底面86の外周から上縁84bに向けて起立する仕切壁86cを有し、底面86にはボールBが通過可能な送出口86a,86bが形成されている。送出口86a,86bは、連絡路87を介して送出口86a,86bよりも下方に位置する放出口23に連結されている。送出口86a,86bの個数は任意であるが、本実施形態では、各送出口86a,86bが各投入部20の各放出口23に1対1で対応し、合計で12の送出口86a,86bが形成されている。底面86の内周側には、所定径の中央柱86dが立設されている。
移動体83と外壁82の中間位置には、側面84と所定の間隔を保って上下方向に延びる1又は複数の係止部材88が立設されている。本実施形態における側面84と係止部材88の間隔は、突条85の突起長よりも大きく、ボールBの径より小さい。この間隔は、上下方向で変化しても良く、係止部材88毎に相違しても構わない。
上記ボール送出装置80では、底面86、仕切壁86c、中央柱86dに囲われる空間に複数のボールBを収容できる第1収容部が規定され、底面81a、側面84及び外壁82に囲われる空間に複数のボールBを収容できる第2収容部が規定される。底面81a,86、外壁82、側面84、仕切壁86c、中央柱86dの寸法、形状等は、第2収容部が第1収容部よりも大きい容積を有し、第1収容部よりも多数のボールBを収容できるように設定される。
ボール送出装置80では、各ボール供給装置7の中空管78からのボールBが開口82aから次々に供給されて第2収容部に収容される。第2収容部に幾つものボールBが収容された状態で移動体83が方向R5に向けて回転すると、いずれかボールBがいずれかの突条85といずれかの係止部材88の間に挟まれる。このとき、ボールBには、突条85及び係止部材88からの抗力が、図9Bに示す斜め上方に向かう合力Mとなって作用する。その結果、ボールBは移動体83の回転とともに突条85と係止部材88に挟まれた状態で側面84に沿って上方に向けて移送され、やがては上縁84bを越えて第1収容部に収容される。
ここで、第1収容部へのボールBの移送能力は、突条85及び係止部材88の個数や移動体83の相対移動の速度等によって調整することが可能である。また、突条85及び係止部材88の個数や配置によって、各突条85でのボールBの移送態様を変化させることが可能であり、これにより、見た目の演出効果を高めることが可能である。例えば、突条85及び係止部材88が同数で、それぞれが等間隔であれば、ボールBが各突条85において同じ高さで移送されるが、係止部材88と突条85の個数を相違させ、それぞれを等間隔で配置した場合には、ボールBが各突条85において少しずつ異なる高さで搬送されるようになる。
第1収容部に収容されたボールBは、底面86の送出口86a,86bから落下し、その自重によって放出口23に導かれる。
ボール送出装置80では、第1収容部のボールBは、機械的動作機構を用いることなく、自重によって底面86の送出口86a,86bから放出口23に移送されるため、低コストで故障の少ないボール移送を実現できる。また、ボール送出装置80は、2つの分離された収容部(第1収容部と第2収容部)を有し、より容量の小さい第1収容部に送出口86a,86bが形成されている。このため、第1収容部の比較的少数のボールBを取り除くことで送出口86a,86bでの目詰まりの確認やその除去を行うことが可能となる。このように、収容部全体での大量のボールBの収容とメインテナンスに係る負荷軽減を両立することが可能である。
更に、第2収容部から第1収容部へのボールBの移送が単一の移動体83の回転というシンプルな機構で実現されるため、装置の製造や保守等に係るコストの低減を達成しうる。加えて、第1収容部の容量を越えたボールBは上縁84bから溢れて自然に第2収容部に戻されるため、第1収容部の容量調整のために移動体83の回転制御を行うことも不要である。これにより、装置の製造や保守等に係るコストの一層の低減を達成し得る。
なお、この効果は、移動体83と係止部材88が相対的に回転することで達成されるのであり、移動体83を回転させる代わりに、係止部材88を回転させ、又は、移動体83と係止部材88の双方を回転させても構わない。
また、本実施形態では、移動体83の側面84が回転対称である場合を説明したが、側面84を平板状等の他の形状とすることも可能であり、この場合は、移動体83と係止部材88を水平面内における側面84に平行な方向に相対移動させることで第1収容部へのボール移送を行い得る。
図10は、ゲーム装置1が有する主要なハードウェア構成を示す説明図である。
図示のように、本実施形態のゲーム装置1は、電源基板100に接続された制御基板(処理装置)101,111を有している。制御基板101は基体2に収容され、CPU102、記憶装置103、入出力ポート104等を有している。制御基板111は各ゲーム端末4に収容され、それぞれが、CPU112、記憶装置113、入出力ポート114等を有している。制御基板101,111は、入出力ポート104,114により相互に接続されている。
CPU102,112は、ゲーム装置1及びゲーム端末4の制御動作の中枢となって装置全体を統括的に制御する情報処理装置である。
記憶装置103には、主抽選部30における抽選等を行うために必要なプログラム及びデータが記憶されている。記憶装置113には、各ゲーム端末4におけるビンゴゲームやドロップ抽選等を行うために必要なプログラム及びデータが記憶されている。記憶装置103,113は、ROM、RAM、ハードディスク、フラッシュメモリ、DVD、CD−ROM、FD等の公知の記憶装置を単独又は組み合わせて構成することができる。
制御基板101,111には、入出力ポート104,114を介して各種周辺機器が接続されており、CPU102,112がそれぞれの記憶装置103,113に記憶されたプログラムに従ってこれら周辺機器との間で信号の授受を行うことにより、ゲーム装置1の動作が制御される。ゲーム装置1の動作は、制御基板101のみによって制御することも可能であり、この場合は、各ゲーム端末4の制御基板111は省略し得る。
入出力ポート104,114により制御基板101,111に接続される周辺機器には、投入部20のソレノイド23a、センサー25d、モーター29a、主抽選部30のセンサー36、モーター37、ソレノイド43、各ゲーム端末4において投入口11に投入されたメダルを検出するメダル検出装置115、装置内部にストックしたメダルを計数して払出口15から払い出すためのメダル払出装置116、操作ボタン12、表示装置13、スピーカー14等の入出力装置が含まれる。
好ましい実施形態では、モーター24a,32,56,89等は電源基板100に直結されており、投入部20のワイパー24、主抽選部30の主抽選盤5、ボール供給装置7の高圧生成装置55、回転体60及び受渡体70、ボール送出装置80の移動体83は、ゲーム装置1の稼働中は常時、揺動又は回転駆動される。
図11は、CPU102,112が記憶装置103,113に記憶されるプログラムを実行することによりゲーム装置1において実現される例示的な機能ブロックを示す説明図である。
図示のように、ゲーム装置1は、主として基体2(制御基板101)に属する中央処理部120及び主として各ゲーム端末4(各制御基板111)に属する端末処理部130を有しており、中央処理部120は、配列情報設定部121、特典情報設定部122及びポケット特定部123を有し、端末処理部130は、表示制御部131、特典決定部132、手動識別子移動部133、自動識別子移動部134、スターボール処理部135及びゲーム結果決定部136を有している。
配列情報設定部121は、複数種類の識別子の配列を規定した情報である配列情報ADを設定するものである。本発明において、識別子の種類や個数、配列の態様、配列情報ADの設定方法や設定のタイミング等は任意に定め得るが、本実施形態では、「1」〜「25」の25種類の数字が識別子として使用され、これらの識別子を5行×5列のマトリクス状に重複無く配列するように配列情報ADが設定される。本実施形態では、各ゲーム端末4で2つのカード220A,220B(図13参照)を用いたゲームを行うことができるようになっており、これに対応して、配列情報設定部121は、各ゲームの実行毎に、抽選等の方法によって、各ゲーム端末4に対して2組の配列情報AD(AD1,AD2)を設定する。各ゲームにおいて設定される全ての配列情報ADは、相互に相違することが好ましい。配列情報設定部121が設定した配列情報ADは、各ゲーム端末4(端末処理部130)に通知される。
特典情報設定部122は、後述のドロップ抽選等において遊戯者に付与される特典に関する特典情報PDの設定を行うものである。特典の内容や種類、設定の方法、タイミング等は任意であるが、本実施形態における特典は、追加オッズAOZの付与、識別子(本実施形態では、「1」〜「25」の識別子のいずれか)の選択、識別子の移動許可等であり、特典情報設定部122は、各ゲームの実行毎に、抽選等の方法によって、各ゲーム端末4に表示される2つのカード220A,220Bに対応して、特典の内容及び/又は特典付与の条件を規定する2組の特典情報PD(PD1,PD2)を設定する。
図12は、本実施形態の特典情報設定部122が設定する例示的な特典情報PD1,PD2を示す説明図である。
図示のように、特典情報PD1,PD2は、種々の特典を、投入部20の各第2スロット25b1〜25b6(スロット欄)におけるボールBの捕捉回数に対応付けて表形式で規定したものであり、表中のAOZはカッコ内の数字で示される追加オッズAOZが付与されることを、SIDはカッコ内の数字で示される識別子が選択されることを、CADは、カッコ内の数字により指定される可動領域にある識別子の移動(配列情報ADの変更)が許可されることを示している。可動領域及び識別子の移動の態様等については後述する。
ゲーム毎に設定される全ての特典情報PDは、相互に相違することが好ましい。特典情報設定部122により設定された特典情報PDは、各ゲーム端末4(端末処理部130)に通知される。
ポケット特定部123は、主抽選部30のセンサー36からの信号に基づいて、後述の第1、第2抽選においてボールBを捕捉した第1又は第2ポケット35a,35bの特定を行うものである。また、第1ポケット35aには、「1」〜「25」の識別子が対応付けられており、第1ポケット35aにボールBが捕捉された場合には、ポケット特定部123は、その第1ポケット35aに対応する識別子を選択する。選択された識別子及びボールBを捕捉した第2ポケット35bを示す情報は、各ゲーム端末4(端末処理部130)に通知される。
表示制御部131は、中央処理部120から通知される配列情報ADや特典情報PD等に基づいて表示装置13にゲーム画面200を表示するものである。
図13は、表示制御部131により表示装置13に表示される例示的なゲーム画面200を示す説明図である。
図示のように、ゲーム画面200では、カード220A,220Bを表示するカード表示部210A,210B、特典表示部230A,230B、オッズ表示部240A,240B、賭数表示部250A,250B、ボーナス表示部260、クレジット表示部270及び自動移動ボタン280A,280Bが配置されている。本実施形態では、2つのカード220A,220Bを用いたゲームを行い得るように、カード表示部210A,210B、特典表示部230A,230B、オッズ表示部240A,240B、賭数表示部250A,250B及び自動移動ボタン280A,280Bが2組表示されている。
図14は、カード表示部210(カード表示部210A又は210B)の例示的な画像を示す説明図である。
図示のように、カード表示部210には、「1」〜「25」の識別子221が5行×5列のマトリクス状に配列されたカード220(220A又は220B)が表示される。左側のカード220Aにおける識別子221の配列は、配列情報AD1に従って決定され、右側のカード220Bにおける識別子221の配列は、配列情報AD2に従って決定される。
各カード220に配列される識別子221のうち、ポケット特定部123又は後述の特典決定部132、スターボール処理部135により選択された識別子221は有効化され、有効化されていない識別子221と区別可能な態様で表示される。図の例では、「22」、「16」、「1」、「9」、「15」、「11」、「19」の7つの識別子221が有効化されており、背景色を他の識別子221と異なる色で表示することで両者の区別が可能となっている。なお、ポケット特定部123、特典決定部132又はスターボール処理部135により選択され得る識別子の種類が、各カード220に配列される識別子221の種類よりも多い場合(例えば、各カード220に「1」〜「25」のうちの一部の識別子のみが配列される場合)には、ポケット特定部123、特典決定部132又はスターボール処理部135により選択された識別子のうち、各カード220に配列される識別子221のみを有効化することが可能である。
カード220には、有効化された識別子221の配置に関して特定配置が設定されている。特定配置の態様や個数等は任意であるが、本実施形態では、縦、横及び対角線方向の12本のビンゴラインl1〜l12が特定配置であり、いずれかのビンゴラインの5つの識別子221がすべて有効化されたときにビンゴが成立となり、遊戯者に対してビンゴが成立したビンゴラインl1〜l12の数に応じた配当(メダルの払い出し)が行われる。
各カード220には、複数の識別子221を含む1又は複数の可動領域が設定される。どのような領域(形状、広さ等)を可動領域として設定するかは任意であるが、本実施形態では、縦方向の各ビンゴラインl1〜l5上の領域が可動領域m1〜m5として設定される。特典決定部132によりいずれかの可動領域m1〜m5が選択された場合には、当該可動領域m1〜m5は有効となり、遊戯者は、手動移動ボタン223、自動移動ボタン280を操作することにより、当該可動領域m1〜m5の識別子221を移動させる(配列情報ADを変更する)ことが可能になる。
各カード220には、更に、主抽選部30の4つの第2ポケット35bに対応した4つの星印222が表示される。
特典表示部230A,230Bは、中央処理部120から通知される特典情報PD1,PD2の内容を表示するものである。特典表示部230A,230Bは、投入部20の左右それぞれ3つの第2スロット25b1〜25b3, 25b4〜25b6に対応して3列の特典表示列230a〜230cを有し、各特典表示列230a〜230cには、各第2スロット25b1〜25b3,25b4〜25b6におけるボールBの補足回数に対応して3段で特典が表示される。
ボーナス表示部260は、ビンゴゲーム終了時点で遊戯者に付与されるボーナスを表示するものである。ボーナスの内容や種類は任意であるが、本実施形態では、左右のカード220A,220Bにおいて、いずれかの横ビンゴラインl6〜l10が同時にビンゴ成立となったときに所定のボーナス数BMのメダルが追加で払い出される。
オッズ表示部240A,240B、賭数表示部250A,250B及びクレジット表示部270には、所定のオッズOZ、賭数BN及びクレジットCRがそれぞれ表示される。
図11に戻って、特典決定部132は、後述のドロップ抽選において、中央処理部120から通知される特典情報PD1,PD2及び投入部20の各第2スロット25b1〜25b6に取り付けられたセンサー25dからの信号に応じて追加オッズAOZの付与、識別子221の選択及び識別子221の移動許可等の特典を遊戯者に付与するものである。例えば、図12の特典情報PD1,PD2が割り当てられている場合であれば、第2スロット25b1に最初にボールBが捕捉されたときには、左側のカード220Aについて「5」の追加オッズAOZが決定され、2度目にボールBが捕捉されたときには、左側のカード220Aについて「3」の識別子221が選択され、3度目にボールBが捕捉されたときには、左側のカード220Aにおける2番目の可動領域m2が選択される。
特典決定部132により選択された可動領域m1〜m5は有効化され、当該可動領域m1〜m5の識別子221の移動が許可される。有効化された可動領域m1〜m5の下方には、手動移動ボタン223が表示される。図14では、2つの可動領域m2,m3が有効化されており、当該可動領域m2,m3の下方に2つの手動移動ボタン223a,323bが表示されている。
手動識別子移動部133は、遊戯者による手動移動ボタン223の操作に従って、有効化された可動領域m1〜m5の識別子221を移動させる(配列情報ADを変更する)処理を実行する。
図15,16は、手動識別子移動部133による例示的な識別子221の移動態様を示す説明図であり、図14の状態から手動移動ボタン223aが操作される毎に図15の(A)→(B)→(C)→(D)のように可動領域m2の識別子221が移動し、図14の状態から手動移動ボタン223bが操作される毎に図16の(A)→(B)→(C)→(D)のように可動領域m3の識別子221が移動する。
このように、遊戯者は、手動移動ボタン223a,323bを操作することにより、自己の有利なように(ビンゴが成立し易くなるように、或いは、配当の期待値が高くなるように)識別子221を移動することが可能である。例えば、図15(D)のように移動すれば、ビンゴラインl6がリーチ状態となるため、有利である。
しかし、図15,16に例示した識別子221の移動のパターンは多様なものとなり得る。例えば、1つの可動領域m1〜m5が有効であるときの移動のパターンは5通りであり、n個の可動領域m1〜m5が有効であるときの移動のパターンは5n通りである。そのため、そのような多数のパターンの配列から自己に有利な配列を短時間の内に見極めることは遊戯者にとっては困難であり得る。また、可動領域m1〜m5毎に手動移動ボタン223を操作しなければならないため、識別子221の移動のための操作に相当の時間が必要になる。
自動識別子移動部134は、カード220上の識別子221を様々に移動させることで得られる様々な配列に関して有効度Vを求め、その有効度Vに基づいて識別子221を移動させる(配列情報ADを変更する)処理を行うものである。
ここでの処理において、どのような配列について有効度Vを求めるのか、有効度Vとしてどのような指標を使用するか、有効度Vに基づいてどのように識別子221を移動させるかなどについては種々の変形例が考えられるが、本実施形態では、以下の態様で上記処理が行われる。
すなわち、有効化された可動領域m1〜m5の識別子221を図15,16に例示した態様で移動させることにより得られる全てのパターンについての配列情報(候補配列情報)ADNが生成される。有効化された可動領域m1〜m5の個数がnであれば、5n通りの候補配列情報ADNが生成される。例えば、図14の場合では、可動領域m2,m3の識別子221を移動させることにより図14〜16に示すものを含む全部で52=25通りの候補配列情報ADNが生成される。
また、各ビンゴラインl1〜l12に対し、各ビンゴラインl1〜l12における有効化された識別子221の個数に応じたポイントが付与され、各候補配列情報ADNにおける全てのビンゴラインl1〜l12についてのポイントの集計値が有効度Vとして算出される。
上記ポイントの設定は任意であるが、例えば、各ビンゴラインl1〜l12における有効化された識別子221の個数が多いほど高いポイントを設定することが可能であり、本実施形態では、5個の場合に「20」、4個の場合に「5」、3個の場合に「1」のポイントが付与される。
例えば、図15(A)、(B)、図16(D)の配列では、単一のビンゴラインl6に、図16(B)、(C)の配列では、単一のビンゴラインl11に、それぞれ、3つの有効化された識別子が有るため有効度Vは「1」となり、図15(C)の配列では、2つのビンゴラインl6及びl11に3つの有効化された識別子が有るため有効度Vは「2」となり、図15(D)の配列では、1つのビンゴラインl6に4つの有効化された識別子が有るため有効度Vは「5」となる。
上記有効度Vの算出は、生成された全ての候補配列情報ADNについて行われ、最も有効度Vの高い候補配列情報ADNに配列情報ADが変更される。図14の場合の25通りの候補配列情報ADNの中では、図17(A)に示す配列の有効度Vが「6」で最も高いため、配列情報ADは、図17(A)の候補配列情報ADNに変更される。
表示制御部131は、手動識別子移動部133又は自動識別子移動部134による配列情報ADの変更が行われた場合、変更後の配列情報ADに従ってカード220の表示を更新する。自動識別子移動部134による配列情報ADの変更の場合は、例えば、自動移動ボタン280の操作からカード220A,220Bの表示更新までの所定の時間に渡って、図17(B)に例示する画像224等によって、識別子221が移動中であることを示す変動表示を行うことが好ましく、これにより、例えば、自動識別子移動部134による変更の前後で識別子221の配置が同一であった場合でも、自動移動ボタン280が有効に機能していることを遊戯者に示すことができる。
スターボール処理部135は、後述の第2抽選において第2ポケット35bにボールBが捕捉された場合に識別子221の選択を行うものである。スターボール処理部135による識別子221の選択方法に特別の制限は無いが、本実施形態では、主抽選部30の4つの第2ポケット35bとカード220A,220Bに表示される4つの星印222が相互に対応付けられており、スターボール処理部135は、ボールBを捕捉した第2ポケット35bに対応する星印222の周囲に位置する4つの識別子221を選択する。
ゲーム結果決定部136は、カード220A,220Bにおける、ポケット特定部123、特典決定部132、スターボール処理部135による選択によって有効化された識別子221の配置に基づいてゲーム結果を決定するものである。本発明では、どのような条件のときにどのようなゲーム結果を決定するかに特別の制限は無いが、例えば、いずれかのビンゴラインl1〜l12の全ての識別子221が有効化されたときにゲーム結果としてビンゴの成立を決定し、或いは、ビンゴが成立したビンゴラインl1〜l12の数に応じた配当をゲーム結果として決定することが可能である。
図18は、本実施形態のゲーム装置1において実行される例示的な処理の流れを示す説明図である。
処理が開始すると、ステップS11において、モーター37、ソレノイド43の駆動によってフラップ38及び開口42を閉鎖するなどの初期動作が実行され、続くステップS12では、配列情報設定部121及び特典情報設定部122により配列情報AD及び特典情報PDが設定され、更に、ステップS13では、表示制御部131により、各ゲーム端末4の表示装置13において図13に例示したゲーム画面200が表示される。
その後、ステップS14では、各ゲーム端末4においてモーター29aが十字カム29cを逆回転させることで第1スロット25aが回収状態に切り替えられ、ステップS15では、各ゲーム端末4の投入部20を用いたドロップ抽選が実行される。
図19は、ドロップ抽選での処理の流れを示す説明図である。
図示のように、ドロップ抽選が開始すると、ステップS41において、オッズOZを所定値(例えば10)に設定し、タイマーT1、賭数BN及び投入数INをゼロにセットするなどの処理が実行される。
その後、ステップS42では、メダル検出装置115からの信号に基づいて投入口11へのメダル投入が検査される。
ステップS42でメダル投入が検出された場合(Yes)には、ステップS43において賭数BN及び投入数DNに「1」が加算される。そして、ステップS44では、投入数DNが所定数DNL(例えば5枚)に到達したか否かが検査され、到達している場合(Yes)には、ステップS45においてソレノイド23aの駆動により各放出口23からボールBが1つ副抽選盤9に放出され、ステップS46において投入数DNがクリアされた後、処理はステップS42に戻される。
ステップS42,S44の判定が「No」の場合は処理はステップS47に移行する。
ステップS47では、センサー25dからの信号に基づいて第2スロット25b1〜25b6でのボールBの捕捉が検査され、捕捉が検出された場合(Yes)には、ステップS48において、特典決定部132が、ボールBを捕捉した第2スロット25b1〜25b6及び特典情報PD1,PD2に基づいて特典を決定し、ステップS50〜52では、特典決定部132が決定した特典を遊戯者に付与する処理が実行される。
すなわち、追加オッズAOZが決定された場合には、ステップS49においてオッズOZに追加オッズAOZを加算する処理が行われ、識別子221又は可動領域m1〜m5が選択された場合には、それぞれ、ステップS50,S51において、選択された識別子221又は可動領域m1〜m5が有効化される。
その後、ステップS52では、ステップS43,S49〜S51の処理を反映するようにゲーム画面200が更新される。これにより、オッズ表示部240A,240B、賭数表示部250A,250Bの数値が更新され、有効化された識別子221の背景色が変更され、有効化された可動領域m1〜m5の下方に手動移動ボタン223が表示される。
ステップS47の検査でボールBの捕捉が検出されなかった場合(No)は、ステップS48〜S52はスキップとなる。
その後、ステップS53では、タイマーT1による制限時間(例えば45秒)の経過判定が行われる。好ましい実施形態では、ステップS53において、所定の割込時間ΔTを待機し、タイマーT1に割込時間ΔTを加算することでタイマーT1を更新し、更新したタイマーT1が制限時間を越えているかどうかを判定する処理が実行される。
ステップS53において制限時間が未経過の場合(No)は、処理はステップS42に移行し、これにより、制限時間の範囲でステップS42〜S52が反復実行され、メダルの投入数に応じて次々にボールBが放出され(ステップS45)、これが第2スロット25b1〜25b6に捕捉される毎に遊戯者に特典が付与される(ステップS48〜S51)。
ステップS53において、制限時間が経過していた場合(Yes)は、処理はステップS54に移行する。
ステップS54では、ステップS51で有効化された可動領域m1〜m5の識別子221を移動させることで得られる全てのパターンの識別子221の配列を規定する候補配列情報ADNが生成されるとともに、候補配列情報ADNの個数NTが特定される。有効化された可動領域m1〜m5の個数がnであれば、NT=5nである。
これにより、ドロップ抽選は完了となり、処理はステップS16に移行する。
ステップS16では、すべての投入部20においてモーター29aが十字カム29cを正回転させることで第1スロット25aが投入状態に切り替えられ、続くステップS17では、主抽選部30及び各投入部20を用いた第1抽選が行われる。
図20は、例示的な第1抽選の流れを示す説明図である。
第1抽選では、ステップS61においてタイマーT2及び捕捉数HNがゼロにセットされ、続くステップS62において、各投入部20の放出口23から副抽選盤9にボールBが放出される。
放出口23から放出されたボールBは、副抽選盤9を落下した後、ある確率で中央の第1スロット25aに捕捉され、第1スロット25aに捕捉されたボールBは投入口27から主抽選部30に投入される。第1スロット25aに捕捉されなかったボールBは、第2スロット25b又はハズレルート25cから回収路26に回収される。
ステップS63では、センサー36からの信号に基づいて、主抽選部30における各第1ポケット35aでのボールBの捕捉が検査され、捕捉が検出された場合(Yes)には、ステップS64において、ポケット特定部123により、ボールBを捕捉した第1ポケット35aに対応付けられた識別子221が選択されて各ゲーム端末4に通知される。ステップS65では、捕捉数HNに「1」を加算する処理が実行される。
ステップS63においてボールBの捕捉が検出されなかった場合は、ステップS64,S65はスキップとなる。
ステップS66では、捕捉数HNが所定の値HNL(例えば「6」)と比較され、HN<HNLであれば(No)、処理はステップS67に移行する。
ステップS67では、タイマーT2による放出時間(例えば1秒)の経過判定が行われ、放出時間が未経過の場合(No)には、処理はステップS63に復帰し、経過していた場合(Yes)は、ステップS68においてタイマーT2をリセットした後に、処理はステップS61に復帰する。
このように、各投入部20の各放出口23から副抽選盤9に所定の放出時間毎に次々にボールBが放出され、これが各投入部20の第1スロット25aに捕捉される毎に主抽選盤5にボールBが投入される。
ステップS67での放出時間の経過判定は、ステップS52と同様の態様で行うことができる。
ステップS66の結果がHN≧HNLの場合(Yes)は、第1抽選が終了となり、処理はステップS18に移行する。
図21,22は、上記第1抽選の実行中に各ゲーム端末4において実行される処理を示す説明図である。なお、図21,22では、左右のカード220A,220Bのいずれか一方についての処理が示されている。
図21のステップS71では、ポケット特定部123からの識別子221の通知(ステップS64)があったか否かが検査され、通知があった場合(Yes)には、ステップS72でその識別子221が有効化される。
続くステップS73では、手動移動ボタン223の操作の有無が検査され、操作があった場合(Yes)には、ステップS74において、操作された手動移動ボタン223に対応する可動領域m1〜m5の識別子221が図15,16に例示した態様で移動するように配列情報ADが変更される。操作が検出されなければ(No)、ステップS74はスキップとなる。
ステップS75では、自動移動ボタン280A,280Bの操作の有無が検査され、操作があった場合(Yes)には、ステップS76において、有効度Vに基づく配列情報ADの変更が実行される。
図22は、ステップS76の処理の詳細を示す説明図である。
図22のステップS81では、ステップS15のドロップ抽選で有効化された可動領域m1〜m5において図17(B)に例示した画像224等を用いた変動表示が行われる。変動表示は、ステップS77におけるゲーム画面の更新が行われるまで継続して行うことが可能である。
その後、ステップS82では、パラメータN及び最大有効度Vmaxがゼロにセットされ、ステップS83では、パラメータNに「1」が加算され、ステップS84では、第N番目の候補配列情報ADNについての有効度V(ADN)が算出され、ステップS85では、ステップS84の有効度V(ADN)が最大有効度Vmaxと比較される。
そして、V(ADN)>Vmaxであれば(Yes)、ステップS86において、最大有効度Vmax及び配列情報ADが、ぞれぞれ、有効度V(ADN)及び候補配列情報ADNに置換される。V(ADN)≦Vmaxの場合(No)は、ステップS86はスキップとなる。
その後、ステップS87において、パラメータNが候補配列情報ADNの個数NTと比較され、N<NTであれば(No)、処理はステップS83に移行し、N≧NTであれば(Yes)は、処理はステップS77に移行する。
ステップS77では、ステップS72,S74,S76での処理を反映するようにゲーム画面200が更新される。これにより、ステップS72で有効化された識別子221の背景色が変更され、ステップS74,S76において変更された配列情報ADに従ってカード220A,220B上の識別子221が移動する。
ステップS77の後、処理はステップS71に復帰し、以降、第1抽選が終了するまで、ステップS71〜S77が反復して実行される。
図18に戻って、ステップS18では、所定の制限時間(例えば15秒)内で追加ベットの受付が行われる。この間、各ゲーム端末4の遊戯者は、その時点におけるカード220でのビンゴの進捗度等を勘案し、投入口11へのメダル投入等より賭数BNを増加させることが可能である。
その後、ステップS19では、モーター37の駆動により各フラップ38が開放状態とされて第2ポケット35bがボールBを捕捉可能となり、続くステップS20では、主抽選部30及び各投入部20を用いた第2抽選が行われる。
図23は、例示的な第2抽選の流れを示す説明図である。
第2抽選が開始すると、ステップS91において、モーター29aの制御により十字カム29cを所定の回転位置に停止させることで第1スロット25aが保持状態に切り替えられ、続くステップS92では、放出口23から所定数のボールBが次々に副抽選盤9に放出され、ステップS93では、センサー25dからの信号をモニタすることにより第1スロット25aでのボールBの捕捉が待ち受けられ、ボールBが捕捉された時点で放出口23からボールBの放出は停止する(ステップS94)。これにより、各ゲーム端末4の第1スロット25aにボールBが1つずつ保持された状態となる。
その後、ステップS95において、タイマーT3がゼロにセットされた後に、ステップS96において操作ボタン12が有効化され、ステップS97では操作ボタン12への操作が待ち受けられ、この操作が検出されたタイミングでモーター29aが十字カム29cを正方向R1に回転させることにより、第1スロット25aに保持されていたボールBが主抽選盤5に投入される(ステップS98)。
なお、上記ステップS93の待ち受けに制限時間を設け、この制限時間内にボールBが捕捉されなかった場合には、その時点で処理をステップS94に移行させることも可能である(この場合、ボールBが捕捉されなかったゲーム端末4におけるステップS97のボール投入は行われない)。
また、ステップS96の待ち受けに制限時間を設け、この制限時間内に操作ボタン12が操作されない場合には、制限時間の経過のタイミングでステップS97のボール投入を行うことも可能である。
ステップS99では、ポケット特定部123により、センサー36からの信号に基づいて各第1ポケット35a,第2ポケット35bにおけるボールBの捕捉が検査される。そして、第1ポケット35aでの捕捉が検出された場合には、ステップS100においてボールBを捕捉した第1ポケット35aに対応する識別子が選択されて各ゲーム端末4に通知され、第2ポケット35bでの捕捉が検出された場合には、ボールを捕捉した第2ポケット35bを特定する情報が各ゲーム端末に通知される。
その後、ステップS101では、タイマーT3による制限時間の経過判定が行われ、制限時間が未経過の場合(No)は、処理はステップS99に移行し、制限時間を経過していた場合(Yes)には、第2抽選は終了となり、処理は、ステップS21に移行する。
図24は、上記第2抽選の実行中に各ゲーム端末4において実行される処理を示す説明図である。
図24のステップS111では、ポケット特定部123からの通知(ステップS100)が待ち受けられ、識別子の通知があった場合には、ステップS112において、カード220A,220B上のその識別子221が有効化され、ボールBを捕捉した第2ポケット35bを特定する情報の通知があった場合には、ステップS113において、スターボール処理部135により、カード220A,220B上の星印222の周りの4つの識別子221が選択され、ステップS114では、ステップS113で選択された識別子が有効化される。
その後、ステップS115では、ゲーム画面200の更新が行われ、ステップS102,S104で有効化された識別子221の背景色が変更される。
ステップS115の後、処理はステップS111に復帰し、以降、第2抽選が終了するまで、ステップS111〜S115が反復して実行される。
第2抽選が終了となると、ステップS21において、図25に例示される処理によりゲーム結果が決定される。
図示のように、この処理では、ステップS121において各カード220A,220Bにおける各ビンゴラインl1〜l12について、全ての識別子221が有効化されているか否かによりビンゴの成否が検査され、ステップS122では、ビンゴの成立したビンゴラインl1〜l12の数がビンゴ成立数BSとして特定され、続くステップS123では、ビンゴ成立数BS及びオッズOZに応じた払出数PNが算出される。更に、ステップS124では、左右のカード220A,220Bの両方で上、中又は下段の横ビンゴラインl6,l8,l10でビンゴが成立したか否かによるボーナス検査が実行され、ボーナスが成立している場合(Yes)には、対応するボーナス数BMが払出数PNに加算される(ステップS125)。その後、ステップS123又はS125で算出された払出数PNのメダルが遊戯者に対する配当としてクレジットCRに加算され(ステップS126)、処理はステップS22に移行する。
ステップS22では、ソレノイド43の駆動により開口42を開放することにより各ポケット35a,35bに捕捉されたボールBが回収されて、一連の処理は終了となる。
上記ゲーム装置1では、ビンゴ成立の可能性又は配当の期待値と相関を有する有効度Vが使用され、自動識別子移動部134による識別子221の移動(配列情報AD1,AD2の変更)(ステップS76)は、有効度Vが最も高くなるように行われるため、当該移動によって、ビンゴ成立の可能性又は配当の期待値を高めることが可能である。
従って、遊戯者は、難易度の高い見極めを行わなくても自動移動ボタン280A,280Bを操作することで適切に識別子221を移動させることが可能となり、どのように識別子221を移動させると有利になるかの見極めの困難性が緩和され、及び/又は、遊戯者の納得感や満足感を損なうことなく考慮時間を短縮することが可能になるという効果が達成される。
その一方、有効度Vの高低に関わらず、識別子221が所定の配置となった場合に配当を与えるようにすることで、自動識別子移動部134による識別子221の移動(ステップS76)では配当の期待値が最も高くなるとは限らなくなる。そのため、遊戯者は、自動識別子移動部134による識別子221の移動(ステップS76)が行われた後で、手動移動ボタン223を用いて更に識別子221を移動させる(ステップS73,S74)ことで、配当の期待値を一層高めることも可能である。従って、上記効果を達成しつつ、思考型のゲームとしての興趣性を維持することが可能である。
また、自動移動ボタン280A,280Bを一度操作するだけで、複数の可動領域m1〜m5の識別子221を移動させることが可能であるため、手動移動ボタン223を用いて可動領域m1〜m5毎に識別子221を移動させる場合よりも、識別子221の移動に要する時間が短縮され得る。
以上、好ましい実施形態に基づいて本発明を説明したが、上記実施形態におけるゲーム装置又はこれを構成する部材の形状、寸法、材質、機能構成、動作態様、制御態様、ゲーム装置の動作において使用するパラメータの種類、大小、算出方法等は単なる例として記載したものであり、これらは特許請求の範囲の記載内において任意に変更することが可能である。