以下、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例に挙げて本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、説明の便宜上、パチンコ遊技機(遊技盤)の遊技者側を「前」または「表」と称し、パチンコ遊技機(遊技盤)の遊技者とは反対側を「後」または「裏」と称す。また、遊技者にとって利益と成すことを総称して「入賞」と称す。したがって、入賞にはゲートや特定の位置に通過も含む。
パチンコ遊技機の遊技盤1は、図1に示すように、合板やプラスチックなどからなる矩形状の遊技盤本体2を備え、該遊技盤本体2の前面に枠状のサイドケース(区画部材)3を遊技盤本体2の各辺に沿う状態で止着して、遊技球が流下可能な遊技領域4を略円形状に区画形成している。また、遊技領域4内の略中央にはセンターケース6を配置し、該センターケース6の外周部分には、鎧部6aや側辺部6bで構成される流入規制枠を遊技盤本体2の表面から前方へ突出する状態で備え、遊技球がセンターケース6の内部へ流入することを流入規制枠により規制している。さらに、センターケース6の後方には、複数の識別情報を変動表示して変動表示ゲームの演出表示(飾り特図変動表示ゲーム)を行う変動表示装置7を備えている。そして、遊技領域4のうちセンターケース6の側方(図1中、左側方)には普図始動ゲート8を配置し、遊技球の普図始動ゲート8への入賞を始動条件(普図始動条件)として普図変動表示ゲームを実行可能としている。
また、遊技領域4のうちセンターケース6の下方には2つの始動入賞口、詳しくは上側に位置する第1始動入賞口11と、下側に位置する第2始動入賞口12とを上下に並べた状態で配置し、遊技球の始動入賞口11,12への入賞を始動条件(特図始動条件)として特図変動表示ゲームを実行可能としている。さらに、第2始動入賞口12には横長な平板状の開閉部材(普通電動役物)13を備え、該開閉部材13を開放(遊技球が第2始動入賞口12に入賞し易い開状態)と閉成(第2始動入賞口12への入賞を規制(阻止)する閉状態)とに変換可能とし、開状態においては開閉部材13が第2始動入賞口12の下側開口縁を回動軸位置として前方に回動して開放する姿勢に設定され、遊技球を開閉部材13上で受けて第2始動入賞口12内へ誘導するとともに、第2始動入賞口12の下方へ流下することを阻止するように構成されている。また、遊技領域4のうちセンターケース6の下部に形成されたステージ部6cを挟んで普図始動ゲート8側とは反対側(図1中、ステージ部6cの右側方)には横長な大入賞口(入賞装置)16を備えている。言い換えると、遊技領域4のうち大入賞口16よりも遊技領域4の中央側にはセンターケース6を配設している。そして、大入賞口16には横長な平板状の入賞開閉部材17を備え、該入賞開閉部材17を開放(遊技球が大入賞口16に入賞し易い開状態)と閉成(大入賞口16への入賞を規制(阻止)する閉状態)とに変換可能とし、開状態においては入賞開閉部材17が大入賞口16の下側開口縁を回動軸位置として前方に回動して開放する姿勢に設定され、遊技球を入賞開閉部材17上で受けて大入賞口16内へ誘導するとともに、大入賞口16の下方へ流下することを阻止するように構成されている。さらに、大入賞口16の上方(詳しくは大入賞口16の直上)には、遊技領域4を流下する遊技球を受入可能な入賞調整装置19を配設している。
そして、第1始動入賞口11の左右両側方であり、且つ大入賞口16よりも下方に位置する箇所には、遊技球が入賞可能な複数の一般入賞口(入賞具または入賞ユニット)21を入賞調整装置19とは別個に配設し、第2始動入賞口12の下方であって遊技領域4の最下部(下縁部)には、いずれの入賞口にも入賞せずに遊技領域4の最下部まで流下してきた遊技球を遊技領域4の外方へ排出するアウト口22を開設し、遊技領域4のうちセンターケース6、普図始動ゲート8、第1始動入賞口11、第2始動入賞口12、一般入賞口21、大入賞口16等の取付部分を除いた箇所には、遊技球が衝接可能な障害釘23を植設している。
さらに、遊技領域4を区画形成するサイドケース3の内縁部のうち普図始動ゲート8を挟んでセンターケース6とは反対側(図1中、左側)に位置する箇所には、縦長な円弧状の発射球案内路24を遊技領域4の側縁に沿うように設け、サイドケース3の上部のうちセンターケース6を挟んで発射球案内路24とは反対側に位置する箇所(図1中、右上部)には、ゴム、シリコン、ウレタン等の弾性材(衝撃・振動吸収材)で構成された弾性緩衝部材25を配置して遊技領域4に臨ませている。そして、発射球案内路24からサイドケース3の上辺部に沿って移動してきた遊技球が弾性緩衝部材25に衝接し、飛翔勢(移動勢)が弱められてサイドケース3の右側部とセンターケース6の間の遊技領域4を流下するように構成されている。さらに、サイドケース3の下部のうちアウト口22を挟んで発射球案内路24とは反対側に位置する箇所(図1中、右下部)には一括表示装置26を備え、該一括表示装置26において普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム、遊技状態の表示等を行う。なお、サイドケース3は、遊技領域4を区画形成するものであれば、枠状に限定されずどのような形状であってもよい。
次に、入賞調整装置19、およびその周辺に配設された構成について説明する。
入賞調整装置19は、図2に示すように、遊技領域4のうち大入賞口16の上方であり、且つ弾性緩衝部材25の下方に臨む箇所に配設された装置であり、入賞を発生させずに遊技球を遊技盤1の裏側へ回収するアウト穴として機能する。また、入賞調整装置19のうち前方に向かって突出した装飾部(遊技盤本体2よりも前方に突出し装飾効果を施した飾り板)を一般入賞口21のうち前方に向かって突出した装飾部と同じ形状とし、入賞調整装置19の内部には、当該入賞調整装置19が受け入れた遊技球を検出可能な入賞調整装置スイッチ28(図3参照)を備え、入賞調整装置19の後部には、遊技盤1の裏面側に設けられた調整流下路29の上流端を接続し、入賞調整装置19が受け入れた遊技球を遊技盤1の裏面側に誘導して流下させるように構成されている。なお、入賞調整装置スイッチ28は、入賞調整装置19の内部に備えることに限定されない。要は、入賞調整装置19に進入した遊技球を入賞調整装置スイッチ28により検出できれば、入賞調整装置スイッチ28をどこに配設してもよく、例えば、調整流下路29に配設してもよい。
さらに、入賞調整装置19の近傍、詳しくは上方には複数の障害釘23を植設し、障害釘23を曲げる等して姿勢の設定を変更することにより隣り合う障害釘23の間隔や遊技球の衝接し易さを変更して、遊技領域4を流下する遊技球が入賞調整装置19に到達する率、ひいては入賞調整装置19に進入する率を調整可能としている。また、大入賞口16のサイドケース3側に位置する一側部(図2中、右側部)と遊技領域4のうち大入賞口16が臨む一側縁(図2中、右側縁)との間には、遊技球を大入賞口16へ誘導可能な誘導手段として機能する誘導釘31を、複数の障害釘31aを連設することにより構成し、この誘導釘31を遊技領域4の側縁側から大入賞口16側に向かって下り傾斜した状態で配設している。そして、誘導釘31を構成して隣り合う障害釘31aの間隔や、誘導釘31の傾斜上端と遊技領域4の一側縁(図2中、右側縁)との間隔を遊技球よりも狭くして、遊技球が下方へ通過し得る空間が誘導釘31内、および誘導釘31と遊技領域4の一側縁(図2中、誘導釘31の傾斜上端側に位置する右側縁)との間に設定されることを避けている。
また、大入賞口16のセンターケース6側に位置する他側部(図2中、左側部)とセンターケース6の下部との間には、2本の障害釘23を遊技球の直径よりも広い間隔を空けて植設して、遊技球が通過し得る球通過空間部32を設定し、該球通過空間部32を通過した遊技球がセンターケース6の下方に流下して一般入賞口21や第1始動入賞口11や第2始動入賞口12へ入賞し得るように構成されている。そして、遊技領域4のうち大入賞口16と一括表示装置26との間に位置する領域、言い換えると大入賞口16を挟んでセンターケース6とは反対側であり、且つ大入賞口16よりも下方の領域を入賞不能領域33とし、遊技球が入賞し得る装置が入賞不能領域33に配設されることを避け、入賞不能領域33に遊技球が到達したとしても、この遊技球が入賞せずに通過して遊技領域4の下部(入賞不能領域33の下方)へ向けて流下するように構成されている。
次に、パチンコ遊技機の遊技進行等の制御を行う遊技制御装置40について説明する。
遊技制御装置40は、図3に示すように、遊技制御を司るCPU40a、遊技制御のための制御プログラム等を記憶しているROM40b、および遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAM40c、入力部(入力インターフェース)40d、出力部(出力インターフェース)40e等から構成されている。そして、各種検出装置(パチンコ遊技機に磁石などの不正部材が近づけられたことを検出する磁気センサスイッチ41、パチンコ遊技機が不正に叩かれる等して振動したことを検出する振動センサスイッチ42、第1始動入賞口11への遊技球の入賞を検出する第1始動口スイッチ(始動口1スイッチ)43、第2始動入賞口12への遊技球の入賞を検出する第2始動口スイッチ(始動口2スイッチ)44、普図始動ゲート8への遊技球の入賞を検出するゲートスイッチ45、一般入賞口21への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ46、大入賞口16への遊技球の入賞を検出するカウントスイッチ(入賞装置スイッチ)47、遊技盤1の前方を覆う透明部材保持枠(図示せず)の開放を検出する前枠開放検出スイッチ48、パチンコ遊技機の前側に設けられた前面枠(図示せず)の開放を検出する遊技枠開放検出スイッチ49、電源装置50等)からの検出信号を受けて、特別遊技状態(大当り状態)、遊技者に対する報知、停電対応処理等、種々の処理を行う。さらに、演出制御装置52や払出制御装置53の他、大入賞口16の入賞開閉部材17を開閉するための大入賞口ソレノイド54、第2始動入賞口12の開閉部材13を開閉するための普電ソレノイド55、一括表示装置26、外部情報端子56等に指令信号や駆動信号等を送信または出力等して、遊技を統括的に制御する。
次に、上記した遊技盤1の作用、特に、大入賞口16の周辺を流下する遊技球の挙動に及ぼす作用について説明する。なお、遊技制御装置40は、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム)を行っておらず、且つ特別遊技状態を発生していない状態(通常遊技状態)で遊技進行を制御しており、大入賞口16の入賞開閉部材17、および第2始動入賞口12の開閉部材13をいずれも閉状態に維持しているものとする。
発射装置(図示せず)から発射された遊技球が発射球案内路24を通って遊技領域4へ飛入し、入賞せずに遊技領域4の最下部まで到達すると、アウト口22に回収されて遊技領域4の外方へ排出される。また、遊技領域4を流下する遊技球が普図始動ゲート8へ入賞すると、遊技制御装置40が普図変動表示ゲームを実行し、この普図変動表示ゲームの結果態様に応じた結果態様を示す普通図柄を一括表示装置26で表示する制御を行うための駆動信号を一括表示装置26へ出力する。そして、普図変動表示ゲームの結果態様が「当り」を示す状態になった場合には、第2始動入賞口12の開閉部材13を遊技球が第2始動入賞口12へ入賞し易い開状態に変換し、「はずれ」を示す状態になった場合には開閉部材13の閉状態を維持する。
さらに、遊技領域4を流下する遊技球が第1始動入賞口11へ入賞して第1始動口スイッチ43により検出されると、遊技制御装置40が第1始動入賞口11への入賞を契機(始動条件)にして第1特図変動表示ゲームを実行し、第2始動入賞口12へ入賞して第2始動口スイッチ44により検出されると、遊技制御装置40が第2始動入賞口12への入賞を契機(始動条件)にして第2特図変動表示ゲームを実行する。さらに、遊技制御装置40は、各特図変動表示ゲームの結果態様に応じて異なる制御信号を演出制御装置52へ送信するとともに一括表示装置26に駆動信号を出力する。この結果、一括表示装置26では結果態様を示す特別図柄を表示し、演出制御装置52では、各特図変動表示ゲームの進行に応じた表示(ゲームの結果態様が決定する前の段階の演出表示(飾り特図変動表示ゲーム)であって、変動表示装置7における識別情報の変動表示)や演出用役物装置(図示せず)による装飾動作に応じた表示を変動表示装置7に実行させる制御を実行し、その後に、結果態様に対応する演出表示(具体的には、変動表示装置7において識別情報を変動表示した後に停止表示する演出表示)を変動表示装置7に実行させる制御を行う。そして、各特図変動表示ゲームの結果態様が「大当り」であった場合には、遊技制御装置40は、予め設定された期間に亘って特別遊技状態(大当り状態)を発生させて入賞開閉部材17を駆動し、遊技球が大入賞口16に入賞し易い開状態と、大入賞口16への入賞を規制する閉状態とを交互に繰り返して変換する一方、「はずれ」であった場合には、入賞開閉部材17の駆動を避けて大入賞口16を閉じた閉状態に維持して、遊技球の大入賞口16への入賞を規制する。
特別遊技状態の発生時には、大入賞口16を開状態とするラウンドが予め設定された所定回数(例えば、15ラウンド)繰り返して実行され、前回のラウンドと次回のラウンドとの間(インターバル)においては、大入賞口16が一旦閉状態に戻される。このとき、遊技者は、多くの遊技球を開状態の大入賞口16に入賞させようとするために、発射勢が最大となる状態で発射装置を調整して遊技球を発射する。すなわち、所謂右打ちを行う。この発射動作により発射球案内路24から遊技領域4へ飛入した遊技球は、サイドケース3の上辺部(遊技領域4の円弧状の上縁)に沿って勢いよく飛翔する。そして、弾性緩衝部材25へ衝接して飛翔勢(移動勢)を弱め、開状態の大入賞口16へ向けて流下(落下)する。
ここで、大入賞口16の上方には入賞調整装置19を配設しているので、大入賞口16へ向かって流下してきた遊技球が大入賞口16に到達する前に、アウト穴として機能する入賞調整装置19へ進入し得る。遊技球が入賞調整装置(アウト穴)19に進入した場合には、この遊技球は、入賞を発生させずに入賞調整装置19から遊技盤1の裏面側に案内されて調整流下路29を流下し、アウト球として処理される。したがって、開状態の大入賞口16に向かって上方から流下してくる遊技球を大入賞口16に到達する前に間引くことができる。また、遊技店側の作業員が入賞調整装置19の近傍(詳しくは上方)に植設された複数の障害釘23を曲げる等して遊技店側の所望の姿勢に設定しておけば、遊技球が入賞調整装置19に進入する率(入賞調整装置19へ上方から流下してきた複数の遊技球のうち幾つが入賞調整装置19に進入するかを示す割合)、すなわち入賞調整装置19に進入する遊技球数を調整することができる。したがって、遊技者の遊技意欲を削ぎ難くしながらも、遊技店の利益を確保することができる。また、入賞調整装置19の装飾部を一般入賞口21の装飾部と同じ形状にしているので、遊技球が入賞調整装置19に入ったところを目視した遊技者は、一般入賞口21に入賞した場合と同じ印象を受け易く、遊技意欲を著しく削がれ難い。なお、入賞調整装置19の装飾部は一般入賞口21の装飾部と同じであることに限定されない。要は、遊技球が入賞可能な状態で遊技領域4に配設された入賞ユニットであれば、入賞調整装置19が装飾部を同じ形状とする入賞ユニットは、どのような構成や機能を有するものでもよい。また、前記した同じ形状は完全に同一の形状でなくとも、遊技者が同じ入賞口の類と認識する程度に同一の外観であればよい。例えば、一般入賞口21の装飾部が樹脂製の飾り板に彫刻を施したものであることに対して、入賞調整装置19の装飾部は樹脂製の飾り板に前記彫刻を模したシールを貼付したものであってもよい。
入賞調整装置19の近傍の障害釘23に弾かれる等して入賞調整装置19に進入しなかった遊技球は、図2に示すように、入賞調整装置19の側方を通過して下方へ流下する。このとき、遊技球が入賞調整装置19とサイドケース3の側部との間(言い換えると、図2中、入賞調整装置19の右側方)を通過すると、この遊技球は、誘導釘31上へ落下する。ここで、誘導釘31内、および誘導釘31と遊技領域4の一側縁との間には、遊技球が通過し得る空間が設定されることを避けているので、落下した衝撃で上方へ大きく弾まなければ、誘導釘31に沿って転動して開状態の大入賞口16側へ誘導される。したがって、誘導釘31によって誘導された遊技球を大入賞口16へ入賞させ易くすることができ、遊技者の遊技意欲を一層削ぎ難くすることができる。そして、遊技領域4のうち大入賞口16を挟んでセンターケース6とは反対側であり、且つ大入賞口16よりも下方の領域を、入賞のチャンスがない入賞不能領域33に設定しているが、遊技球が誘導釘31の間から下方の入賞不能領域33へ流下しないので、遊技者が遊技の興趣を減衰させてしまう不都合がない。
一方、遊技球が入賞調整装置19とセンターケース6の側部との間(言い換えると、図2中、入賞調整装置19の左側方)を通過すると、この遊技球は、障害釘23に衝接して弾かれたり、あるいは何れの障害釘23にも衝接せずに流下したりして開状態の大入賞口16に入賞するか、または、2本の障害釘23の間に形成された球通過空間部32を通過する。球通過空間部32を通過した場合には、大入賞口16へ入賞せずに大入賞口16の側方(大入賞口16とセンターケース6との間)を流下し、大入賞口16よりも下方に位置する一般入賞口21、第1始動入賞口11、第2始動入賞口12に入賞するか、またはどの入賞口にも入賞せずにアウト口22に回収される。したがって、球通過空間部32を通過した遊技球が入賞具(一般入賞口21、第1始動入賞口11、第2始動入賞口12)に入賞するかもしれないという期待を遊技者に持たせることができ、遊技者の遊技意欲を削がずに興趣を向上させることができる。
次に、パチンコ遊技機で行われる遊技の制御を、図4から図11に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、パチンコ遊技機に電源が投入された場合に遊技制御装置40において実行されるメイン処理では、図4および図5に示すように、所定時間周期(例えば、4ミリ秒周期)で行われるタイマ割込みを禁止する処理(S1)、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(S2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域のスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(S3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(S4)を行う。その後、払出制御装置53のプログラムの正常起動を待つための待機(例えば4msの時間待ち)を行い(S5)、RAM40cやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセスを許可し(S6)、出力部の全ポートをオフ(出力が無い状態)に設定し(S7)、シリアルポートを設定する処理を行う(S8)。
さらに、電源装置50に設けられた初期化スイッチがONになっているか否かを判定し(S9)、初期化スイッチがONでないと判定された場合には、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるかをチェックし(S10,S11)、停電検査領域1の値が正常であれば、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であるかをチェックし(S12,S13)、停電検査領域2の値が正常であれば、RWMに記憶されているデータが正常なものであるか否かを判定するために、チェックサムが正常であるか否か調べる。具体的には、RWM内の領域のチェックサムを算出し(S14)、算出されたチェックサムと、停電があった際にRWMに記憶されていたチェックサムとが一致するか否かを判定する(S15,S16)。そして、チェックサムが正常であると判定された場合、すなわちRWMに記憶されているデータが正常であると判定された場合には、全ての停電検査領域およびチェックサム領域をクリアし(S17,S18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(S19)。また、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態(詳しくは、特図変動表示ゲームの結果態様が大当りとなる確率が通常の遊技進行時よりも高く設定された状態)であるか否かを判定し(S20)、高確率状態であると判定された場合には、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(S21)、一括表示装置26に設けられる高確率報知LEDを点灯させるONデータをセグメント領域に設定する(S22)。そして、ステップS20において高確率状態ではないと判定された場合、またはステップS22において高確率報知LEDを点灯させる準備を行った場合には、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置52へ送信する(S23)。
一方、ステップS9にて初期化スイッチがONであると判定された場合、またはステップS11,S13にて停電検査領域の値が異常であると判定された場合、またはステップS16にてチェックサムが異常であると判断された場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域のクリア(S24)、およびアクセス禁止領域より後の全スタック領域のクリア(S25)を実行し、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(S26)。そして、RWMクリアに関する外部情報(セキュリティ信号)の出力タイマ初期値をセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブし(S27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置52へ送信する(S28)。
そして、ステップS23にて停電復旧時のコマンドを演出制御装置52に送信した後、またはステップS28にて電源投入時のコマンドを演出制御装置52に送信した後には、タイマ割込み信号および乱数更新トリガ信号を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動し(S29)、乱数生成回路を起動設定する(S30)。さらに、電源投入時の乱数生成回路内のソフト乱数レジスタの値を抽出して各種初期値乱数(特図変動表示ゲームにおける大当り図柄を決定する乱数の初期値、または普図変動表示ゲームにおける当り図柄を決定する乱数の初期値)としてRWMにセーブし(S31)、ステップS1で禁止された割込みを許可し(S32)、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を行う(S33)。
ステップS33にて初期値乱数更新処理を実行したならば、停電が発生したか否かを判定するために、電源装置50から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(S34)、停電監視信号がONであるか否かを判定する(S35)。停電監視信号がONではない場合、すなわち、停電が発生していないと判定された場合にはステップS33に戻り、上記初期値乱数更新処理(S33)、停電監視信号のチェック回数の設定(S34)、停電監視信号の判定(S35)を繰り返し行う。一方、停電監視信号がONである場合には、ステップS34で設定したチェック回数分の停電監視信号のON状態が継続しているか否かを判定する(S36)。そして、チェック回数分の停電監視信号のON状態が継続していない場合には、ステップS35に戻って停電監視信号の判定を再び実行し、チェック回数分の停電監視信号のON状態が継続している場合、すなわち、停電が発生していると判定された場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。さらに、各停電検査領域に停電検査領域チェックデータをセーブする処理(S39,S40)、電源遮断時におけるRWMのチェックサムを算出する処理(S41)を行った後、チェックサムをセーブし(S42)、RWMへのアクセスを禁止する処理(S43)を行ってから、パチンコ遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
また、遊技制御装置40は、メイン処理においてタイマ割込みを許可している場合には、所定時間周期毎にタイマ割込み処理を実行する。タイマ割込み処理について、図6に示すフローチャートを用いて説明すると、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移してレジスタ退避の処理を行い(S51)、各種センサ(第1始動口スイッチ43、第2始動口スイッチ44、ゲートスイッチ45等)からの入力を取込む入力処理(S52)、各種処理でセットされた出力データに基づいてソレノイド(大入賞口ソレノイド54、普電ソレノイド55)等のアクチュエータを駆動制御する出力処理(S53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置52や払出制御装置53等に出力するコマンド送信処理(S54)、乱数更新処理1(S55)、乱数更新処理2(S56)を行う。その後、第1始動口スイッチ43、第2始動口スイッチ44、入賞口スイッチ46等の遊技球検出用センサから正常な信号の入力があるか否かの監視や、パチンコ遊技機の前面枠(図示せず)や透明部材保持枠(図示せず)が開放されていないか等のエラーの監視を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(S57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(S58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(S59)を行う。
各変動表示ゲームの処理を実行したならば、一括表示装置26における各変動表示ゲームの表示内容や遊技に関する各種情報の表示内容を編集するセグメントLED編集処理(S60)、磁気センサスイッチ41や振動センサスイッチ42からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁気エラー監視処理(S61)、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(S62)を行う。そして、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言し(S63)、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰し(S64)、割込みを許可(S65)してタイマ割込み処理を終了する。
タイマ割込み処理にて行われる特図ゲーム処理(S58)においては、第1始動口スイッチ43および第2始動口スイッチ44からの入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特別図柄の表示の設定を行う。図7に示すフローチャートに基づいて具体的に説明すると、まず、第1始動口スイッチ43および第2始動口スイッチ44の遊技球の検出(言い換えると、第1始動入賞口11または第2始動入賞口12への入賞)を監視する始動口スイッチ監視処理(S71)と、大入賞口16内に設けられたカウントスイッチ47の遊技球の検出(言い換えると、大入賞口16への入賞)を監視するカウントスイッチ監視処理(S72)とを実行する。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか否か、または−1更新後にタイムアップしたか否かをチェックし(S73,S74)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルを設定する処理を実行し(S75)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S76)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(S77)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理を行う(S78)。
具体的には、ゲーム処理番号が「0」の場合には、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(S79)を行い、ゲーム処理番号が「1」の場合には、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(S80)を行う。また、ゲーム処理番号が「2」の場合には、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りとなっているので、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り状態における大入賞口16の開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(S81)を行う。
さらに、ゲーム処理番号が「3」の場合には、大入賞口16の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(S82)を行い、ゲーム処理番号が「4」の場合には、インターバルコマンドまたは大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(S83)を行う。そして、ゲーム処理番号が「5」の場合には、大当り状態の終了時において大入賞口16内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(S84)を行い、ゲーム処理番号が「6」の場合には、特図普段処理(S79)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(S85)を行う。
このようにしてゲーム分岐処理を実行した後、または、ステップS74において特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定された後には、一括表示装置26に設けられた第1特別図柄表示器(図示せず)の変動表示を制御するためのテーブルを準備し(S86)、第1特別図柄表示器に係る図柄変動制御処理を行う(S87)。さらに、一括表示装置26に設けられた第2特別図柄表示器(図示せず)の変動を制御するためのテーブルを準備し(S88)、第2特別図柄表示器に係る図柄変動制御処理を行う(S89)。
次に、特図ゲーム処理中に実行される特図表示中処理(S81)を、図8,9に示すフローチャートに基づいて説明する。特図表示中処理では、まず、特図普段処理(S79)中に行われた特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードして(S91)、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする処理(S92)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかをチェックして(S93,S94)、大当りであると判定すると、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(S100)を行う。次に、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(S101)、ラウンド数上限値テーブル(大当り時のラウンドの実行回数を決定するためのテーブル)を設定する処理(S102)を行う。
一方、ステップS94にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでないと判定すると、特図普段処理(S79)中に行われた特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードして(S95)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(S96)を行う。続けて、ロードされた大当りフラグ1が大当りかをチェックして(S97,S98)、大当りであると判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(S99)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(S102)を行う。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(S102)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得してRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(S103)。続けて、ラウンド数上限値情報対応するラウンドLEDポインタを取得してRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(S104)。
次に、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(S105)、コマンド設定処理(S106)を行う。続けて、停止図柄情報設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄パターン番号)に対応するファンファーレコマンドを準備して(S107)、コマンド設定処理(S108)を行う。その後、飾り特図変動表示ゲームに係る図柄情報(停止図柄パターン情報)に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(S109)、コマンド設定処理(S110)を行う。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(S111)。その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定し(S112)、大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S113)。そして、大入賞口16への不正入賞数をリセットした後(S114)、大入賞口不正監視期間フラグに不正監視期間外フラグをセーブする(S115)。
そして、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(S116)を行い、特図表示中処理を終了する。ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、例えば、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定する処理を行う。また、各種状態の切り替えに係る情報を設定する処理として、例えば、外部情報端子56に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口16への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報や、停電復旧時に演出制御装置52に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す情報や、大当り後の残り時間短縮変動回数のクリアに係る情報など)等を設定する処理を行う。
一方、ステップS98にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでないと判定すると、図9に示すように、時短時(時短状態)であるかを判定する(S117)。そして、時短時でない場合は、特図普段処理移行設定処理1を行い(S123)、特図表示中処理を終了する。特図普段処理移行設定処理1(S123)では、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定する処理等を行う。
また、ステップS117の判定時において時短時である場合は、時短状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する時短変動回数を−1更新し(S118)、時短変動回数が0となったかを判定する(S119)。時短変動回数が0でない場合、すなわち次の特図変動表示ゲームでも時短状態が継続する場合は、特図普段処理移行設定処理1を行い(S123)、特図表示中処理を終了する。
また、ステップS119の判定時において時短変動回数が0である場合、すなわち今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する場合は、時短終了時の確率情報コマンドを準備し(S120)、コマンド設定処理(S121)を行う。その後、特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)を行い(S122)、特図表示中処理を終了する。
次に、演出制御装置52の1stCPU(主制御用マイコン)で行われる1stメイン処理を、図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
演出制御装置52の1stメイン処理においては、まず、割込みを禁止し(S131)、RAMを0クリアして(S132)、CPUを初期化するCPU初期化処理(S133)を行う。さらに、RAMの初期値を設定し(S134)、乱数を初期化する乱数初期化処理を行い(S135)、各種割込みのタイマを起動して(S136)、割込みを許可する(S137)。割込みを許可したならば、ループ処理を行う。ループ処理では、まず、WDT(Watchdog Timer)をクリアし(S138)、遊技者による遊技演出用ボタン(図示せず)の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理を行い(S139)、遊技制御コマンド解析処理を行う(S140)。この遊技制御コマンド解析処理(S140)では、遊技制御装置40から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
ステップS140において遊技制御コマンド解析処理を行ったならば、変動表示装置7や、パチンコ遊技機に設けられた装飾装置および演出装置(何れも図示せず)などのテストを行うためのテストモードに関する処理を行う(S141)。このテストモード処理(S141)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理を実行しないが、テストモードにおいて変動表示装置7の表示や、パチンコ遊技機の前面側に設けられたスピーカ(図示せず)からの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作などを行う場合には、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは、パチンコ遊技機への電源供給の遮断により終了する。
ステップS141においてテストモード処理を実行したならば、遊技の演出の制御に関する1stシーン制御処理(S142)、パチンコ遊技機でエラーが発生した場合に遊技制御装置40から送信されるエラー報知コマンドに基づいて報知を行う遊技機エラー監視処理(S143)、演出制御装置52の2ndCPU(映像制御用マイコン)に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(S144)、スピーカの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(S145)、装飾装置の発光制御を行う装飾制御処理(S146)、演出装置のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(S147)、飾り特図変動表示ゲームの実行態様(変動態様)の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(S148)を行って、WDTをクリアする処理(S138)に戻る。
次に、1stメイン処理中に実行される1stシーン制御処理(S142)を、図11に示すフローチャートに基づいて説明する。
1stシーン制御処理においては、まず、テストモード中であるかを判定し(S151)、テストモード中である場合には直ちに1stシーン制御処理を終了し、テストモード中でない場合には、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(S152)。なお、シーン変更コマンドは、遊技制御装置40から演出制御装置52に送信される遊技に関する各種のコマンド(電源投入コマンド、停電復旧コマンド、客待ちデモコマンド、変動パターンコマンド、図柄停止コマンド、大当り/小当りファンファーレコマンド、大入開放n回目コマンド、インターバルコマンド、大当り/小当りエンディングコマンドなど)である。ステップS152においてシーン変更コマンドを受信したと判定した場合には、更新する遊技状態を取得し(S153)、受信したシーン変更コマンドが取得した遊技状態に対して有効なものであるかを判定する(S154)。そして、有効なコマンドである場合には、受信コマンドをセーブし(S155)、シーンを変更するタイミングであることを示す演出リクエストフラグをセットする(S156)。
ステップS156において演出リクエストフラグをセットした後、または、ステップS152においてシーン変更コマンドを受信していない場合、または、ステップS154において有効なコマンドでなかったと判定された場合には、直近の有効であったコマンドのコマンド識別子による分岐処理を行い(S157)、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。具体的には、電源投入コマンドを受信した場合には、電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理を行い(S158)、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理を行い(S159)、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理などを行う客待ち処理を行い(S160)、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理などを行う変動中処理を行う(S161)。また、図柄停止コマンドを受信した場合には、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示を停止して結果態様を表示する処理である図柄停止処理を行い(S162)、ファンファーレコマンドを受信した場合には、特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理を行い(S163)、大入開放n回目コマンドを受信した場合には、大当り状態において実行されるラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理を行う(S164)。さらに、インターバルコマンドを受信した場合には、ラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理を行い(S165)、エンディングコマンドを受信した場合には、特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理を行う(S166)。
なお、ステップS161において実行される変動中処理では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定、例えば、遊技制御装置40から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づく演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。また、ステップS162において実行される図柄停止処理では、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報を停止させる処理などの設定を行う。
ステップS157における分岐処理により選択された上述の各処理を行ったならば、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。具体的には、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づいて実行される図柄コマンド受信処理(S167)、特図始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(第1特図保留数コマンド、第2特図保留数コマンド)に基づいて実行される保留数コマンド受信処理(S168)、事前判定コマンド(始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド)に基づいて実行される事前演出設定処理(S169)、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンド(転落情報コマンド、確率情報コマンド(低確率、高確率))に基づいて実行される確率情報コマンド受信処理(S170)を行う。なお、ステップS168において実行される保留数コマンド受信処理では、始動入賞時及び変動開始時に送信される保留数コマンドを受信して、当該保留数コマンドにより保留記憶数を更新(増減)する。また、ステップS170において実行される確率情報コマンド受信処理では、確率情報コマンドに応じた値を内部設定するとともに背景コマンドを演出制御装置52の2ndCPUへ送信する。
なお、図12および図13に示すように、第1始動入賞口11′および第2始動入賞口12′が一つの始動入賞ユニット60に上下に並んだ状態で備えられてもよい。また、始動入賞ユニット60に備えられた第2始動入賞口12′には、羽根状の開閉部材(普通電動役物)13′を当該第2始動入賞口12′の左右両側に備え、開閉部材13′を起立させると、当該開閉部材の上端部が上方の第1始動入賞口11′の下部に近づいて遊技球の第2始動入賞口12′への進入を規制(阻止)する閉状態となり、開閉部材13′を上端部が第2始動入賞口12′の側方に位置する姿勢で傾倒させると、第1始動入賞口11′と第2始動入賞口12′との間の空間が側方に開放されて、遊技球が第2始動入賞口12′に進入し易い開状態となるように構成してもよい。そして、図13に示すように、球通過空間部32を通過した遊技球が大入賞口16の側方を通過して一般入賞口21、第1始動入賞口11′、開閉部材13′を開状態にした第2始動入賞口12′へ入賞するようにしてもよい。
また、入賞調整装置19に受け入れて調整流下路29を流下する遊技球を遊技盤1の前方から視認可能としてもよい。例えば、図14に示す変形例においては、遊技盤本体2をポリカーボネイトやアクリル等の透明な樹脂で形成し、遊技盤本体2のうち調整流下路29の前方に位置する箇所を流下路視認窓62とし、遊技盤本体2の裏面側に配設される調整流下路29、および調整流下路29を流下する遊技球を遊技盤1の前方から流下路視認窓62を通して視認可能としている。また、調整流下路29の上流部を遊技領域4の側縁側(図14中、右側)に向かって湾曲させ、この湾曲部よりも下流側の部分を遊技盤1の前方から見て誘導釘31よりも上方の位置に配設するとともに、誘導釘31による遊技球の誘導方向に沿う状態で延設し、さらには、調整流下路29の下流部を大入賞口16の後方へ向けて延設している。このような調整流下路29および調整流下路29を視認可能とする構成を備えれば、入賞調整装置19に入って調整流下路29を流下する遊技球があたかも誘導釘31により誘導されるかのように見せること、さらには大入賞口16に向かって落下して大入賞口16に入賞するかのように見せることができ、遊技者の遊技意欲が削がれ難い。
なお、流下路視認窓は、調整流下路29を流下する遊技球が遊技盤1の前方から視認できればどのような構成でもよい。例えば、遊技盤本体2が不透明である場合には、この遊技盤本体2のうち調整流下路29の前方に位置する箇所にスリットや複数の孔等の開口部を開設したり、調整流下路29の前方に位置する箇所に透明部材を嵌め込んだりして流下路視認窓を構成し、この流下路視認窓を通して調整流下路29内の遊技球を視認できるようにしてもよい。また、調整流下路29は、下流部を大入賞口16の後方へ向けて延設して、調整流下路29内の遊技球が大入賞口16へ向かうように見せることができれば、調整流下路29を誘導釘31に沿わせることに限定されない。例えば、調整流下路29を湾曲させずに大入賞口16の後方に向かって直線状に延設してもよい。
ところで、上記実施形態では、入賞調整装置19の側方を通過した遊技球が誘導釘31上に到達するように構成されたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図15に示す第2実施形態では、基本的には第1実施形態と同じであるが、誘導釘31により誘導されている遊技球が誘導釘から外れて下方の入賞調整装置19に進入し得るように構成されている点で異なる。具体的に説明すると、図15に示すように、大入賞口16のサイドケース3側に位置する一側部(図15中、右側部)と遊技領域4のうち大入賞口16が臨む一側縁(図15中、右側縁)との間には、遊技球を大入賞口16へ誘導可能な誘導手段として機能する誘導釘65を、遊技領域4の側縁側から大入賞口16側に向かって下り傾斜した状態で障害釘65aを並べて植設することで配設している。
誘導釘65は、大入賞口16側に配設される複数本(本実施形態では6本)の障害釘65aで構成された第1誘導部66と、遊技領域4の一側縁側(図15中、右側縁側)に配設される複数本(本実施形態では11本)の障害釘65aで構成された第2誘導部67とを備え、第1誘導部66と第2誘導部67との間には、遊技球が誘導釘65の下方へ通過可能な誘導通過空間部68を設けて構成されている。そして、遊技領域4のうち誘導通過空間部68の下方(直下)には、入賞を発生させずに遊技球を遊技盤1の裏側へ回収するアウト穴として機能する入賞調整装置19を備えている。このような構成の誘導釘65および入賞調整装置19を備えた遊技盤1において大入賞口16が開状態であれば、誘導釘65上を転動して誘導される遊技球が途中の誘導通過空間部68に落下して入賞調整装置19に進入するのか、それとも、誘導通過空間部68に落下せずに誘導釘65の傾斜下端まで到達して大入賞口16に入賞するのかに注目して遊技者が遊技を楽しむことができる。したがって、遊技者の遊技意欲を削ぎ難くしながらも、遊技店の利益を確保することができる。
ところで、上記実施形態では、入賞調整装置19をアウト穴として機能させたが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記した入賞調整装置19をアウト穴としてではなく、遊技球の進入により入賞を発生させる入賞口として機能させ、複数個の遊技球が入賞したことにより、賞球を払い出す払出条件が成立するように設定してもよい。また、賞球の払い出し単位は、1個でもよいし予め設定された複数個であってもよい。例えば、入賞調整装置19への複数個の遊技球の入賞に対して、1個の賞球の払い出しを行ってもよいし、あるいは入賞調整装置19への入賞数よりも少ない数の賞球を1組として払い出すようにしてもよい。
また、入賞調整装置19を入賞口として機能させる場合には、入賞調整装置19に遊技球が入賞したことを遊技者に報知できるようにしてもよい。例えば、図16に示す第3実施形態では、基本的には第1実施形態と同じであるが、入賞調整装置の機能や構成が異なる。具体的に説明すると、第3実施形態の入賞調整装置19′は、遊技球の進入により入賞を発生させる入賞口として機能する装置であり、当該入賞調整装置19′の下部には、入賞調整装置19′への遊技球の入賞を発光により報知するLED等の入賞報知ランプ(報知手段)72を備えている。そして、入賞調整装置19′に遊技球が入賞する毎に0.5個の賞球、詳しくは0.5ポイントの調整賞球ポイントが発生するように設定されており、調整賞球ポイントの累積値が1以上となると、賞球が払い出されるように構成されている。言い換えると、複数個(本実施形態では2個)の遊技球の入賞により賞球を払い出す払出条件が成立するように構成されている。
このような構成および設定の入賞調整装置19′においては、遊技球が1個入賞すると、遊技制御装置40が0.5ポイントの調整賞球ポイントを発生させて累積するとともに、入賞報知ランプ72を制御して点灯させる。したがって、賞球の払い出しが実行されなかったとしても、遊技球が入賞調整装置19′に入賞したことを遊技者に知らせることができる。そして、調整賞球ポイントの累積値が1以上になると、遊技制御装置40は、この累積値の整数部と同じ数の遊技球数(即ち、1個)の賞球を遊技者に払い出す制御を実行するとともに、調整賞球ポイントの累積値から前記整数部の数値を減算して累積値を更新する。遊技球1個の入賞に対して0.5ポイント(1/2ポイント)の調整賞球ポイントが発生する場合には、2個の遊技球が入賞調整装置19′に入賞して調整賞球ポイントの累積値が1になると、1個の賞球が払い出され、調整賞球ポイントの累積値から1を減算して累積値を0で更新する。また、点灯状態の入賞報知ランプ72を消灯させ、調整賞球ポイントの累積値が0であることを報知する。したがって、大入賞口16側へ向かって流下する遊技球が入賞調整装置19′に進入して間引かれたとしても、賞球を獲得できるまで調整賞球ポイントが貯まるか否かに関心を持って遊技者が遊技を楽しむことができる。これにより、遊技者の遊技意欲を削ぎ難くしながらも、遊技店の利益を確保することができる。
なお、入賞報知ランプ72は、賞球の払出条件の成立に応じて複数個備えてもよい。例えば、遊技球1個の入賞に対して発生する調整賞球ポイントが0.1ポイント(1/10ポイント)に設定されている場合には、入賞報知ランプ72を9個備え、遊技球が1個入賞する毎に入賞報知ランプ72を1個ずつ点灯し、9個全ての入賞報知ランプ72の点灯時(すなわち、調整賞球ポイントの累積値が0.9ポイントである時)に、入賞調整装置19′に遊技球が1個入賞すると、調整賞球ポイントの累積値が1となり払出条件が成立して、賞球を払い出すとともに全ての入賞報知ランプ72を消灯させるようにしてもよい。また、遊技球1個の入賞に対して発生する調整賞球ポイントが0.2ポイント(1/5ポイント)に設定されている場合には、入賞報知ランプ72を4個備え、遊技球が1個入賞する毎に入賞報知ランプ72を1個ずつ点灯し、4個全ての入賞報知ランプ72の点灯時(すなわち、調整賞球ポイントの累積値が0.8ポイントである時)に、入賞調整装置19′に遊技球が1個入賞すると、調整賞球ポイントの累積値が1となり払出条件が成立して、賞球を払い出すとともに全ての入賞報知ランプ72を消灯させるようにしてもよい。
さらに、入賞報知ランプ72を備えた入賞調整装置19′を遊技領域4に複数配置し、各入賞調整装置19′への入賞により発生した調整賞球ポイントを合算し、この合算値が払出条件を満たした場合に賞球払い出しを実行するように構成してもよい。例えば、0.5ポイントの調整賞球ポイント発生させる入賞調整装置19′を遊技領域4に2つ配置し、一方の入賞調整装置19′に遊技球が入賞すると、2つの入賞調整装置19′の入賞報知ランプ72をそれぞれ点灯し、この後で他方の入賞調整装置19′に遊技球が入賞すると、各入賞調整装置19′への入賞により発生した0.5ポイントの調整賞球ポイントを合算して賞球払出条件を成立させることにより賞球を1個払い出し、払い出し実行後に2つの入賞調整装置19′の入賞報知ランプ72をそれぞれ消灯するように構成してもよい。また、遊技領域4に入賞調整装置19′を複数配置した場合には、各入賞調整装置に対応する調整賞球ポイントを全て同じ値にすることに限られない。例えば、各入賞調整装置19′に対応する調整賞球ポイントを0.1ポイント、0.2ポイント、0.3ポイントとして互いに異ならせて設定してもよい。
また、図17に示すように、入賞報知ランプ72の代りに7セグLED等の入賞報知表示器73を報知手段として入賞調整装置19″に備え、入賞調整装置19″へ入賞した遊技球数(入賞球数)を遊技者に報知するように構成してもよい。入賞報知表示器73に入賞球数を表示すれば、賞球の払い出しが実行されなかったとしても、遊技球が入賞調整装置19″に入賞したことを遊技者に知らせることができる。また、前記入賞球数に限らず、賞球の払い出しが発生するまで(言い換えると、払出条件が成立するまで)に必要な入賞調整装置19″への入賞球数(必要入賞球数)を入賞報知表示器73に表示して遊技者に報知するように構成してもよい。入賞報知表示器73に必要入賞球数を表示すれば、入賞調整装置19″に遊技球を入賞させて賞球の払出条件を成立させようとする意欲を遊技者に沸かせることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。
そして、上記した調整賞球ポイントを採用して入賞調整装置への入賞に基づく賞球の払い出し、および一般入賞口21や始動入賞口11,12などの入賞具への入賞に基づく賞球の払い出しを制御する処理は、遊技制御装置(払出制御手段)40にて行われる。ここで、遊技制御装置40には、図3に示すように、入賞調整装置19′,19″および入賞具への入賞に基づいて賞球払い出しの制御に関わる数値を記憶するRAM(記憶領域)40cと、RAM40cに記憶された数値に基づいて、払い出される賞球の数を算出するCPU(演算手段)40aと、を備えている。そして、RAM40Cには第1記憶領域(記憶領域1)と第2記憶領域(記憶領域2)とを備え、第1記憶領域においては、調整賞球ポイントに、10が所定回数累乗されて設定された整数化係数(10n)を乗じて整数化し、この整数化した値を第1記憶値として記憶するように構成されている。一方、第2記憶領域においては、入賞具への遊技球の入賞により整数で発生する賞球ポイントを第2記憶値として記憶するように構成されている。
次に、払出制御手段として機能する遊技制御装置40が実行する賞球払出処理について、図18および図19に示すフローチャートに基づいて説明する。遊技制御装置40は、入賞調整装置や入賞具に遊技球が入賞すると、賞球払出処理を実行する。賞球払出処理では、図18に示すように、払い出す賞球の数を算出する入賞処理(S181)、入賞調整装置への入賞により必要となる入賞報知ランプ72や入賞報知表示器73の点灯(報知動作)を制御する未払い出し数報知処理(S182)、賞球を払い出す払出処理(S183)の順に実行する。入賞処理(S181)については、図19に示すように、まず、入賞調整装置に遊技球が入賞する毎に、該入賞に基づいて算出された前記第1記憶値(調整賞球ポイント×10n)を第1記憶領域に加算して更新し(S191)、第1記憶領域内に記憶された第1記憶値の累積値を整数化係数(10n)で除算して調整側払出判定値を算出し、この調整側払出判定値が1以上であるか否かを判定し(S192)、調整側払出判定値が1未満であった場合には、直ちに入賞処理を終了する。一方、1以上であった場合には、調整側払出判定値の整数部(記憶領域1mod10nで算出される値)を第2記憶領域の第2記憶値に加算して賞球の払い出し数を設定し(S193)、調整側払出判定値の整数部に整数化係数を積算した値((記憶領域1mod10n)×10nで算出される値)を第1記憶値の累積値から減算して第1記憶値の累積値を更新し(S194)、入賞処理を終了する。このようにして調整賞球ポイントを整数化して処理を実行すれば、2進数では取り扱い難い小数を含む値で調整賞球ポイントが設定されていたとしても、賞球払い出しの処理を支障なく実行することができる。
なお、上記整数化係数(10n)を決定するnは、調整賞球ポイントの小数部の最下位が整数となるように決定する。例えば、調整賞球ポイントの小数部が小数第1位で表現される場合(0.5や0.1など)ではn=1とし、小数第2位まで表現される場合(0.01など)ではn=2とする。
さらに、賞球払出処理においては、調整賞球ポイントの累積値を判定せず、その代わりに入賞調整装置19′,19″への入賞回数(入賞球数)をカウントして賞球払い出しの処理を実行するようにしてもよい。例えば、図20に示すフローチャートでは、調整賞球ポイントが1/m(mは整数)で設定されている場合(例えば、0.1,0.2,0.5の場合)において、入賞調整装置19′,19″への入賞回数(入賞球数)をカウントして賞球払い出しの処理を実行し、第1記憶領域には、第1記憶値の代りに入賞調整装置への入賞のカウントを記憶する。具体的に説明すると、まず、第1記憶領域に+1をカウントアップし(S201)、第1記憶領域のカウント値が上限値(賞球払出条件を成立させる遊技球の入賞回数と同じ値)を超えたか否かを判定する(S202)。第1記憶領域のカウント値が上限値に到達していなければ、入賞調整装置に複数設けられた入賞報知ランプ(入賞報知LED)72の1つを点灯して(S203)、賞球払出処理を終了する。一方、第1記憶領域のカウント値が上限値まで到達していれば、全ての入賞報知ランプ(入賞報知LED)72を消灯し(S204)、入賞調整装置における賞球払出条件が成立した分の賞球として第2記憶領域の第2記憶値に+1を加算し(S205)、第1記憶領域から上限値を減算し(S206)、払出処理を実行して(S207)、賞球払出処理を終了する。
なお、払出制御手段として機能して上記賞球払出処理を実行する構成は、遊技制御装置に限定されない。例えば、払出制御装置53や他の制御装置を払出制御手段として機能させて上記賞球払出処理を実行するように構成してもよい。
ところで、上記各実施形態では、入賞調整装置19,19′,19″を常時遊技球が進入可能な状態に設定したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図21および図22に示す第4実施形態では、基本的には第1実施形態と同じであるが、入賞調整装置を開閉する調整開閉部材を備えた点で異なる。具体的に説明すると、第4実施形態における入賞調整装置75の左右両側には羽根状の調整開閉部材76を備え、該調整開閉部材76の下端部を入賞調整装置75に回動可能な状態で軸着している。そして、調整開閉部材76を起立させると、当該調整開閉部材76の上端部同士が当接(または、遊技球が通過不能な間隔を空けて近接)して入賞調整装置75の球入口75aを上方から覆い、入賞調整装置75への遊技球の受け入れを規制(阻止)する閉状態となる(図21参照)。一方、調整開閉部材76を上端部が入賞調整装置75の側方に位置する姿勢で傾倒させると、球入口75aが上方に開放されるとともに調整開閉部材76が遊技球を球入口75aに誘導して入賞調整装置75に遊技球を受け入れ易い開状態となるように構成されている(図22参照)。
このような構成の調整開閉部材76を入賞調整装置75に備えれば、入賞調整装置75が遊技球を受け入れない状態に変換すること、言い換えると大入賞口16へ向かって流下する遊技球が間引かれない状態を設定することができ、遊技者の遊技意欲が削がれる不都合を抑制することができる。また、障害釘23を曲げる等して姿勢を調整すれば、調整開閉部材76を開状態としたときに入賞調整装置75に入る遊技球数を調整することができる。したがって、遊技者の遊技意欲を削ぎ難くしながらも、遊技店の利益を確保することができる。
また、所定条件の成立(具体的には、特図変動表示ゲームの結果態様が「大当り」となったこと)により当り状態が発生した場合には、すると、大入賞口16を開状態にするとともに入賞調整装置75の調整開閉部材76を予め設定された当り動作態様で変換動作させることが好ましい。例えば、特図変動表示ゲームの結果、識別情報の表示態様が「777」の当り態様で大当りとなった場合には、図23(a)に示すように、大入賞口16においては、最長20秒間(T1)の開状態を1ラウンドとして、閉状態に戻す2秒間のインターバル(時間T2)を挟みながら複数回のラウンド(例えば、15ラウンド)を実行する。さらに、入賞調整装置75においては、0.5秒間(T3)の開状態と3秒間(T4)の閉状態とを交互に繰り返して開閉動作を実行する。また、識別情報の表示態様が「444」の当り態様で大当りとなった場合には、図23(b)に示すように、大入賞口16においては、最長20秒間(T5)の開状態1ラウンドとして、閉状態に戻す2秒間のインターバル(時間T6)を挟みながら複数回のラウンド(例えば、15ラウンド)を実行する。さらに、入賞調整装置75においては、3秒間(T7)の開状態と0.5秒間(T8)の閉状態とを交互に繰り返して開閉動作を実行する。なお、大入賞口16は、所定の遊技球数が入賞した場合は、20秒間の開状態時間(T1)が経過する前であっても閉状態に変換して次回のラウンドを開始する。また、大当りの時に入賞調整装置75の調整開閉部材76を開閉動作させることに限らず、中当りや小当りの時に調整開閉部材76を開閉動作させてもよい。
このように、遊技における当たり態様が複数種類設定された場合に、調整開閉部材76の当り動作態様を前記当り態様毎に異ならせて設定すれば、遊技者の遊技意欲の向上を図ることができる。また、入賞調整装置75の動作の結果、大入賞口16に入賞する遊技球が減少することにより大入賞口12への入賞に基づく賞球が少なくなること、あるいは消費される遊技球数が多くなる(詳しくは、大入賞口16が閉状態に変換する条件である所定の遊技球数が大入賞口16に入賞するまでに発射される遊技球が増加する)ことにより遊技者が獲得する出玉が少なくなる場合には、遊技店の利益を確保することができる。さらに、遊技における2種類の当り態様において、大入賞口16が入賞開閉部材17を同一の動作態様で変換動作させる一方、入賞調整装置75が調整開閉部材76を当り態様毎に異なる動作態様で変換動作させるので、大入賞口16の動作態様が同じ場合でも、遊技者が獲得する出玉の数に差異を生じさせることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。なお、遊技における当り態様は、上記した2種類に限らず3種類以上に設定してもよい。この場合には、複数種類の当り態様のうち少なくとも2種類の当り態様において、大入賞口16が入賞開閉部材17を同一の動作態様で変換動作させる一方、入賞調整装置75が調整開閉部材76を当り態様毎に異なる動作態様で変換動作させることが好適であるが、少なくとも前記した2種類の当り態様で異なっていればよい。さらに、遊技における当り態様が識別情報の表示態様(変動表示ゲームの結果態様)に基づいて異なることに限定されない。例えば、複数の特定入賞口を遊技領域4に配設し、特図変動表示ゲームの結果態様が「大当り」となったことにより当り状態を発生させ、その後の何れかの特定入賞口への入賞に基づいて、遊技における当り態様を異ならせ、ひいては調整開閉部材76の当り動作態様を異ならせるように設定してもよい。また前記の場合に特図変動表示ゲームの結果態様が「大当り」となったことにより当り状態を発生させるのではなく、特定入賞口の入賞により当り状態を発生させてもよい。
また、図23に示したタイミングチャートでは、大入賞口16の開状態から閉状態への動作タイミングと、入賞調整装置75の開状態から閉状態への動作タイミングとが非同期であるが、大入賞口16が閉状態であるときには入賞調整装置75も閉状態とする設定であってもよい。そして、大入賞口16のラウンド開始時(開状態への変換)のタイミングに合わせて、入賞調整装置75を開放し始めれば、ラウンド開始直後から遊技球が大入賞口16へ入賞することが起こり難い。したがって、ラウンド開始から所定数の大入賞口16への入賞完了までの時間が長くなり、遊技者がより多くの遊技球を消費し易い。この結果、遊技店の利益を確保し易い。
ところで、上記各実施形態では、大入賞口16の上方に入賞調整装置を離間して配設したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図24に示す第5実施形態では、基本的には第1実施形態と同じであるが、大入賞口として機能する構成と、入賞調整装置として機能する構成とを単一の球受入ユニットに備えた点で異なる。具体的に説明すると、第5実施形態においては、遊技領域4のうちセンターケース6の下部を挟んで発射球案内路24とは反対側には、遊技球を受入可能な球受入ユニット80を配設し、該球受入ユニット80のサイドケース3側に位置する一側部(図24中、右側部)と遊技領域4のうち大入賞口が臨む一側縁(図24中、右側縁)との間には、複数の障害釘31aから構成されて遊技球を球受入ユニット80へ誘導可能な誘導手段として機能する誘導釘31を、遊技領域4の側縁側から球受入ユニット80側に向かって下り傾斜した状態に並べて植設している。そして、隣り合う障害釘31aの間隔や、誘導釘31の傾斜上端と遊技領域4の一側縁(図24中、右側縁)との間隔を遊技球よりも狭くして、遊技球が下方へ通過し得る空間が誘導釘31内、および誘導釘31と遊技領域4の一側縁(図24中、誘導釘31の傾斜上端側に位置する右側縁)との間に設定されることを避けている。
また、球受入ユニット80のセンターケース6側に位置する他側部(図24中、左側部)とセンターケース6の下部との間には、2本の障害釘23を遊技球の直径よりも広い間隔を空けて植設して、遊技球が通過し得る球通過空間部32を設定し、該球通過空間部32を通過した遊技球がセンターケース6の下方に流下して一般入賞口21や第1始動入賞口11や第2始動入賞口12へ入賞し得るように構成されている。
球受入ユニット80は、遊技球が進入可能である横長な第1球受入口81および第2球受入口82を上下に並べた状態で開設し、下側に位置する第1球受入口81を大入賞口(言い換えると、遊技球の入賞により1個以上の賞球を払い出す払出条件が成立する主入賞開口)として機能させ、上側に位置する第2球受入口82を入賞調整装置(言い換えると、入賞を発生させるに遊技球を回収するアウト開口)として機能させている。なお、第2球受入口82を、複数個の遊技球の入賞により賞球を払い出す払出条件が成立する入賞口(副入賞開口)として機能させてもよい。
また、球受入ユニット80の下側に位置する第1球受入口81には横長な平板状の第1受入開閉部材83を備え、該第1受入開閉部材83を開状態(第1球受入口81に遊技球を受け入れ易い開状態)と閉状態(第1球受入口81への受け入れを規制(阻止)する閉状態)とに変換可能とし、開状態においては第1受入開閉部材83が第1球受入口81の下側開口縁を回動軸位置として前方に回動して開放する姿勢に設定され、遊技球を第1受入開閉部材83上で受けて第1球受入口81内へ誘導するとともに、第1球受入口81の下方へ流下することを阻止するように構成されている。さらに、球受入ユニット80の上側に位置する第2球受入口82には横長な平板状の第2受入開閉部材84を備え、該第2受入開閉部材84を開放(第2球受入口82に遊技球を受け入れ易い開状態)と閉成(第2球受入口82への受け入れを規制(阻止)する閉状態)とに変換可能とし、開状態においては第2受入開閉部材84が第2球受入口82の下側開口縁を回動軸位置として前方に回動して開放する姿勢に設定され、遊技球を第2受入開閉部材84上で受けて第2球受入口82内へ誘導するとともに、第2球受入口82の下方へ流下することを阻止するように構成されている。
また、球受入ユニット80には、第1球受入口81に進入した遊技球を検出する下入口スイッチ86と、第2球受入口82に進入した遊技球を検出する上入口スイッチ87とを備えている。そして、図25に示すように、遊技制御装置40には上入口スイッチ87および下入口スイッチ86を接続し、上入口スイッチ87および下入口スイッチ86から送信される遊技球の検出信号を遊技制御装置40で受信できるように構成されている。
このような構成の球受入ユニット80を備えた遊技盤1においては、所定条件の成立(具体的には、特図変動表示ゲームの結果態様が「大当り」となったこと)により当り状態が発生すると、球受入ユニット80が開状態と閉状態とを交互に繰り返す反復動作態様で第1受入開閉部材83および第2受入開閉部材84をそれぞれ変換動作させる。そして、第1受入開閉部材83が開状態であるとき(大入賞口として機能する第1球受入口81が開放しているとき)には、第2受入開閉部材84を閉状態に変換して、入賞調整装置として機能する第2球受入口82を閉成する。一方、第1受入開閉部材83が閉状態であるとき(大入賞口として機能する第1球受入口81が閉成しているとき)には、第2受入開閉部材84を開状態に変換して、入賞調整装置として機能する第2球受入口82を開放する。また、第2受入開閉部材84の反復動作態様が、遊技における当り態様毎に異なって設定される。
具体的に説明すると、特図変動表示ゲームの結果、識別情報の表示態様が「444」の当り態様で大当り(発生時間T1)となった場合には、図26(a)に示すように、インターバル(時間T3)を挟みながら複数回のラウンド(時間T2)を実行する。そして、第1球受入口(大入賞口)81においては、時間T4に亘る開状態、時間T5に亘る閉状態、時間T4と同じ時間T6に亘る開状態、時間T5と同じ時間T7に亘る閉状態のように、開状態と閉状態とを交互に繰り返す動作を行う。また、第2球受入口(入賞調整装置)82においては、時間T4に亘る閉状態、時間T5に亘る開状態、時間T6に亘る閉状態、時間T7に亘る開状態のように、第1球受入口81とは逆の開閉状態にして開状態と閉状態とを交互に繰り返す動作を行う。さらに、前回のラウンド終了から次回のラウンド開始までのインターバル(時間T3)においては、第1球受入口(大入賞口)81を閉状態に変換する一方、第2球受入口(入賞調整装置)82を開状態に変換する。
また、識別情報の表示態様が「777」の当り態様で大当り(発生時間T1)となった場合には、図26(b)に示すように、インターバル(時間T3)を挟みながら複数回のラウンド(時間T2)を実行する。そして、第1球受入口(大入賞口)81においては、「444」の当り態様における時間T4よりも長い時間T9に亘る開状態、「444」の当り態様における時間T5よりも短い時間T10に亘る閉状態を交互に繰り返す動作を行う。また、第2球受入口(入賞調整装置)82においては、第1球受入口81とは逆の開閉状態にして閉状態(時間T9に亘る閉状態)と開状態(時間T10に亘る開状態)とを交互に繰り返す動作を行う。さらに、前回のラウンド終了から次回のラウンド開始までのインターバル(時間T3)においては、第1球受入口(大入賞口)81を閉状態に変換する一方、第2球受入口(入賞調整装置)82を開状態に変換する。
このような態様で球受入ユニット80が第1球受入口81と第2球受入口82とを開閉させれば、球受入ユニット80に受け入れられる全ての遊技球が大入賞口(主入賞開口)として機能する第1球受入口81に入賞することを避けることができ、遊技店の利益を確保することができる。また、遊技者には、第2球受入口82が大入賞口の一種であるかのように思わせることができ、第2球受入口82に遊技球が進入して間引かれたとしても、遊技者の遊技意欲が減衰し難い。さらに、大入賞口(主入賞開口)として機能する下側の第1球受入口81と、入賞調整装置(アウト開口または副入賞開口)として機能する上側の第2球受入口82との反復動作態様が、遊技における当り態様毎に異なって設定されるので、遊技者に遊技進行の変化を楽しませることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、第1球受入口(大入賞口)81の開放時間を比較すると、「777」の当り態様における場合(T9)の方が「444」の当り態様における場合(T4,T6)よりも長い一方、第1球受入口(大入賞口)81の閉成時間を比較すると、「777」の当り態様における場合(T10)の方が「444」の当り態様における場合(T5,T7)よりも短い。このため、「444」の当り態様の場合の方が「777」の当り態様の場合よりも第1球受入口81への入賞チャンス、ひいては第1球受入口81への入賞に基づく賞球の獲得が少ない。しかしながら、何れの当り態様においても、第1球受入口81または第2球受入口82のいずれか一方が常に開放している状態となるため、入賞チャンスのバラつきがあるという印象を遊技者に与え難くすることができ、遊技者の遊技意欲を削ぎ難い。さらに、球受入ユニット80の上方に誘導釘31を備えたので、誘導釘31によって誘導された遊技球を球受入ユニット80へ進入させ易い。
なお、上記第5実施形態では、第1球受入口81を大入賞口として機能させる一方,第2球受入口82を入賞調整装置として機能させたが、本発明はこれに限定されない。例えば、遊技における当り態様の種類に基づき、第1球受入口81および第2球受入口82の設定を入れ替えるようにしてもよい。具体的に説明すると、この入れ替えを実行可能とするために、遊技制御装置40が球受入口設定手段として機能して、第1球受入口81または第2球受入口82の一方を大入賞口(主入賞開口)として予め設定するとともに、他方を入賞調整装置(アウト開口または副入賞開口)として予め設定しておく。そして、遊技進行の結果、遊技において特定の態様(特定の識別情報が表示される態様)で「大当り」となると、遊技制御装置40が第1球受入口81および第2球受入口82の設定を入れ替える。このようにして、当り態様の種類に基づき、第1球受入口81および第2球受入口82の設定を入れ替えれば、同じ球受入口に遊技球が入賞したとしても、この入賞に基づいて遊技者が獲得できる出玉の数を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、第1球受入口81および第2球受入口82の設定の入れ替え処理(電動役物機能設定処理)を、図8の特図表示中処理中に実行されるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(S116)とともにフローチャートに基づいて説明する。まず、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、図27に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理を実行するために処理番号を「3」に設定し(S211)、特図ゲーム処理番号領域に設定された処理番号をセーブする(S212)。次に、大当りの開始に関する信号の外部情報出力データ領域へのセーブ(S213)、高確率状態(特図高確率状態)及び時短状態(特定遊技状態)の終了に関する信号の試験信号出力データ領域へのセーブ(S214)、大入賞口に不正入賞したと判定された遊技球の数が記憶された大入賞口不正入賞数領域のリセット(S215)、特別遊技におけるラウンド数のリセット(S216)を実行する。
さらに、遊技状態表示番号表示領域に低確率状態であることを表示させるために、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブし(S217)、普図ゲームモードフラグ領域に普図変動表示ゲームの当選確率が低確率、及び、普電サポートなしを設定するフラグをセーブし(S218)、変動図柄判別フラグ領域のリセット(S219)、さらに、高確率報知フラグ領域のリセット(S220)を実行する。続いて、特図ゲームモードフラグ領域に特図変動表示ゲームの当選確率が低確率であることを示す特図低確率フラグのセーブ(S221)、停電復旧時送信コマンド領域への確率情報コマンド(低確率)のセーブ(S222)、大当り終了後(特別遊技状態終了後)の特定遊技の実行回数(普電サポートが継続される変動表示ゲームの実行回数)を格納する特定遊技変動回数領域のリセット(S223)、振り分け用の特殊演出情報領域のリセット(S224)、電動役物機能設定処理(S225)を行い、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。
電動役物機能設定処理(S225)においては、図28に示すように、球受入口設定手段として機能する遊技制御装置40が、遊技における当り態様、詳しくは識別情報の表示態様(図柄情報)が特定の態様(特殊態様)であるか否かを判定し(S231)、特定の態様であれば上入口スイッチ87に入賞装置スイッチフラグ(カウントスイッチフラグ)をセット(S232)する一方、下入口スイッチ86には入賞調整装置スイッチフラグをセット(S233)して、上側の第2球受入口82への入賞が大入賞口への入賞であり、且つ下側の第1球受入口81への入賞が入賞調整装置への進入であることを設定して、電動役物機能設定処理を終了する。また、ステップS231において識別情報の表示態様(図柄情報)が特定の態様ではないと判定されたならば、上入口スイッチ87に入賞調整装置スイッチフラグをセット(S234)する一方、下入口スイッチ86には入賞装置スイッチフラグ(カウントスイッチフラグ)をセット(S235)して、上側の第2球受入口82への入賞が入賞調整装置への進入であり、且つ下側の第1球受入口81への入賞が大入賞口への入賞であることを設定して、電動役物機能設定処理を終了する。
ところで、上記第5実施形態では、球受入ユニット80に球受入口81,82を上下に並べた状態で備えたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図29および図30に示す第6実施形態では、基本的には第5実施形態と同じであるが、球受入ユニットに2つの球受入口を左右に並べた状態で備えた点で異なる。具体的に説明すると、第6実施形態の球受入ユニット90は、遊技球が進入可能である第1球受入口91および第2球受入口92を左右に並べた状態で開設し、左側(センターケース6側)に位置する第1球受入口91を大入賞口(言い換えると、遊技球の入賞により1個以上の賞球を払い出す払出条件が成立する主入賞開口)とし、右側(遊技領域4の側縁側)に位置する第2球受入口92を入賞調整装置(言い換えると、入賞を発生させずに遊技球を回収するアウト開口)として機能させている。なお、第2球受入口92を、複数個の遊技球の入賞により賞球を払い出す払出条件が成立する入賞口(副入賞開口)として機能させてもよい。
また、球受入ユニット90の左側に位置する第1球受入口91には平板状の第1受入開閉部材93を備え、該第1受入開閉部材93を開状態(第1球受入口91に遊技球を受け入れ易い開状態)と閉状態(第1球受入口91への受け入れを規制(阻止)する閉状態)とに変換可能とし、開状態においては第1受入開閉部材93が第1球受入口91の下側開口縁を回動軸位置として前方に回動して開放する姿勢に設定され、遊技球を第1受入開閉部材93上で受けて第1球受入口91内へ誘導するとともに、第1球受入口91の下方へ流下することを阻止するように構成されている。さらに、球受入ユニット90の右側に位置する第2球受入口92には平板状の第2受入開閉部材94を備え、該第2受入開閉部材94を開放(第2球受入口92に遊技球を受け入れ易い開状態)と閉成(第2球受入口92への受け入れを規制(阻止)する閉状態)とに変換可能とし、開状態においては第2受入開閉部材94が第2球受入口92の下側開口縁を回動軸位置として前方に回動して開放する姿勢に設定され、遊技球を第2受入開閉部材94上で受けて第2球受入口92内へ誘導するとともに、第2球受入口92の下方へ流下することを阻止するように構成されている。
そして、第1受入開閉部材93および第2受入開閉部材94は、一方が閉状態であるときは他方も閉状態に変換し(図29参照)、一方が開状態であるときは他方も開状態に変換するように構成されている(図30参照)。さらに、球受入ユニット90の上方には複数の障害釘23を植設し、障害釘23を曲げる等して姿勢の設定を変更することにより隣り合う障害釘23の間隔や遊技球の衝接し易さを変更して、遊技領域4を流下する遊技球が球受入ユニット90に到達する率(第1球受入口91へ進入する率または/および第2球受入口92へ進入する率)を調整可能としている。また、球受入ユニット90と遊技領域4の一側縁との間には、遊技球を球受入ユニット90へ誘導可能な誘導釘31を配設している。
このような球受入口91,92が横並びで備えられた球受入ユニット90を遊技領域4に配設すれば、球受入ユニットに受け入れられる遊技球が全て大入賞口に入賞することを避けることができ、遊技店の利益を確保することができる。また、遊技者には、第2球受入口92が大入賞口の一種であるかのように思わせることができ、第2球受入口92に遊技球が進入して間引かれたとしても、遊技意欲が減衰し難い。さらに、障害釘23を曲げる等して姿勢を調整することにより、球受入ユニット90に入る遊技球数を調整することができる。したがって、遊技者の遊技意欲を削ぎ難くしながらも、遊技店の利益を確保することができる。そして、球受入ユニット90の上方に誘導釘31を備えたので、誘導釘31によって誘導された遊技球を球受入ユニット90へ進入させ易い。
なお、左側(センターケース6側)に位置する第1球受入口91を入賞調整装置として機能させるとともに、右側(遊技領域4の側縁側)に位置する第2球受入口92を大入賞口として機能させてもよい。また、球受入ユニット90に3つ以上の球受入口を横に並べた状態で開設し、各球受入口を大入賞口または入賞調整装置としてそれぞれ機能させるようにしてもよい。
ところで、上記第5実施形態および第6実施形態では、球受入ユニット80,90に2つの球受入口を備えたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図31に示す第7実施形態においては、基本的には第6実施形態と同じであるが、遊技球を受入可能な球受入ユニットに備えられた球受入口および受入開閉部材がそれぞれ1つのみであり、球受入ユニットの内部には複数の球進入領域を設けた点で異なる。具体的に説明すると、第7実施形態における球受入ユニット100は、遊技球が進入可能である横長な球受入口101を開設し、球受入口101には横長な平板状の受入開閉部材102を備え、受入開閉部材102を開状態(球受入口101に遊技球を受け入れ易い開状態)と閉状態(球受入口101への受け入れを規制(阻止)する閉状態)とに変換可能とし、開状態においては受入開閉部材102が球受入口101の下側開口縁を回動軸位置として前方に回動して開放する姿勢に設定され、遊技球を受入開閉部材102上で受けて球受入口101内へ誘導するとともに、球受入口101の下方へ流下することを阻止するように構成されている。
また、球受入ユニット100のうち球受入口101に連通する内部(球受入口101を進入した遊技球が流入する内部)の底面には、大入賞口として機能する第1球進入領域103と、該第1球進入領域103の左右両側方に設定され、入賞調整装置として機能する第2球進入領域104とを備えている。そして、第1球進入領域103には、カウントスイッチ105に開設された球通過孔(言い換えると、遊技球の入賞により1個以上の賞球を払い出す払出条件が成立する主入賞開口)を臨ませ、第2球進入領域104には、入賞調整装置スイッチ106に開設された球通過孔(言い換えると、入賞を発生させずに遊技球を回収するアウト開口、または複数個の遊技球の入賞により賞球を払い出す払出条件が成立する副入賞開口)を臨ませている。さらに、球受入ユニット100の上方には複数の障害釘23を植設し、障害釘23を曲げる等して姿勢の設定を変更することにより隣り合う障害釘23の間隔や遊技球の衝接し易さを変更して、遊技領域4を流下する遊技球が球受入ユニット100に到達する率、ひいては球受入口101へ進入する率を調整可能としている。また、球受入ユニット100と遊技領域4の一側縁との間には、遊技球を球受入ユニット100へ誘導可能な誘導釘31を配設している。
このような第1球進入領域103と第2球進入領域104とが内部に設けられた球受入ユニット100を遊技領域4に配設すれば、球受入ユニットに受け入れられる遊技球が全て大入賞口に入賞することを避けることができ、遊技店の利益を確保することができる。また、遊技者には、球受入口101が大入賞口の一種であるかのように思わせることができ、球受入口101内に進入した後で遊技球が第2球進入領域104に進入して間引かれたとしても、遊技意欲が減衰し難い。さらに、障害釘23を曲げる等して姿勢を調整することにより、球受入ユニット100に入る遊技球数を調整することができる。したがって、遊技者の遊技意欲を削ぎ難くしながらも、遊技店の利益を確保することができる。そして、球受入ユニット100の上方に誘導釘31を備えたので、誘導釘31によって誘導された遊技球を球受入ユニット100へ進入させ易い。なお、球受入ユニット100内には、第1球進入領域103と第2球進入領域104とを1つずつ設定してもよいし、あるいは合計して4つ以上となる状態に設定してもよい。また、第1球進入領域103と第2球進入領域104とをどのような並び方で設定してもよい。
ところで、上記各実施形態では、入賞調整装置、または入賞調整装置として機能する球受入口を遊技領域4のうちセンターケース6の下部の側方に配設したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図32に示す第8実施形態および図33に示す第9実施形態では、基本的には第1実施形態と同じであるが、遊技領域4の上部、詳しくは遊技領域4のうち大入賞口16の上方であり、且つ弾性緩衝部材25の下方に臨む箇所に入賞調整装置を配設した点で異なる。具体的に説明すると、図32に示す第8実施形態において、センターケース6の上部、詳しくは、弾性緩衝部材25側(図32中、センターケース6の上部の右側)の側辺部6bの上部は、遊技領域4を流下する遊技球を受入可能な入賞調整装置110を球入口110aが弾性緩衝部材25側(図32中、右側)を向いた状態で備え、該入賞調整装置110を弾性緩衝部材25の下方に臨ませている。また、入賞調整装置110の近傍、詳しくは遊技領域4のうち入賞調整装置110と弾性緩衝部材25との間に位置する箇所には、複数本の障害釘23を遊技球が通過可能な間隔を空けて植設し、障害釘23に衝接した遊技球が入賞調整装置110に飛入したり、あるいは障害釘23の間を下方へ通過して大入賞口16へ向かって流下したりするように構成されている。
また、図33に示す第9実施形態においては、サイドケース3の上部のうち弾性緩衝部材25の下方に臨む縁部に入賞調整装置112を球入口112aがセンターケース6側(図33中、左側)を向いた状態で備え、この入賞調整装置112の近傍、詳しくは遊技領域4のうち入賞調整装置112とセンターケース6の側辺部6bとの間に位置する箇所や、入賞調整装置112の下方に位置する箇所には、複数の障害釘23を遊技球が通過可能な間隔を空けて植設し、障害釘23に衝接した遊技球が入賞調整装置112に飛入したり、あるいは障害釘23の間を下方へ通過して大入賞口16へ向かって流下したりするように構成されている。
図32および図33に示すように、遊技領域4のうち大入賞口16の上方であり、且つ弾性緩衝部材25の下方に臨む箇所に入賞調整装置110,112および障害釘23を配設すれば、多数の遊技球を勢いよく発射してサイドケース3の上辺部に沿わせた場合(例えば、所謂右打ちを行った場合)、これらの遊技球が入賞調整装置110,112に進入し易い。したがって、遊技球の大入賞口16への入賞数を調整し易くなり、遊技店の利益を確保することができる。また、大入賞口16と入賞調整装置110,112とを上下に離間させて配設することができ、遊技者が大入賞口16への遊技球の入賞を注視しているときには、この遊技者の視線から入賞調整装置110,112が外れることになる。したがって、遊技者は、入賞調整装置110,112に遊技球が進入するところを確認し難くなり、遊技意欲を削がれ難い。
さらに、センターケース6の上部に入賞調整装置110を備えた場合では、大入賞口16と入賞調整装置110とを支障なく離間させることができ、大入賞口16への遊技球の入賞を注視する遊技者の視線から入賞調整装置110を十分に外すことができる。したがって、遊技者は、入賞調整装置110に遊技球が進入するところを更に確認し難くなり、遊技意欲を一層削がれ難い。また、センターケース6の上部のうち弾性緩衝部材25の下方に臨む箇所に入賞調整装置110を備えたことにより、弾性緩衝部材25に衝突して飛翔勢(移動勢)が弱められた遊技球は、障害釘23による流下方向のコントロールが容易になる。この結果、センターケース6側に跳ね返った遊技球を入賞調整装置110に受け入れさせ易い。したがって、入賞調整装置110に進入する遊技球の数が極端に少なくなることを避けて調整し易くなり、遊技店の利益を確保することができる。また、所謂右打ちで遊技球が集中して流下する矮小な遊技領域4に入賞調整装置110を配設しているため、入賞調整装置110に流入する遊技球数を増加させ易い。
また、図33に示すように、サイドケース3の上部に入賞調整装置112を備えた場合では、大入賞口16と入賞調整装置112とを支障なく離間させることができ、大入賞口16への遊技球の入賞を注視する遊技者の視線から入賞調整装置112を十分に外すことができる。したがって、遊技者は、入賞調整装置112に遊技球が進入するところを更に確認し難くなり、遊技意欲を一層削がれ難い。それだけではなく、演出部材の駆動機構等を内蔵したセンターケース6に入賞調整装置を備える場合に比べて、入賞調整装置112が受け入れた遊技球を流下させる調整流下路(図示せず)を通す空間を確保し易い。また、センターケース6の上部に入賞調整装置110を配設した場合と同様に、サイドケース3の上部のうち弾性緩衝部材25の下方に臨む箇所に入賞調整装置112を備えたことにより、弾性緩衝部材25に衝突して飛翔勢(移動勢)が弱められた遊技球は、障害釘23による流下方向のコントロールが容易になる。この結果、遊技球を入賞調整装置112に受け入れさせ易い。したがって、入賞調整装置112に進入する遊技球の数が極端に少なくなることを避けて調整し易くなり、遊技店の利益を確保することができる。また、所謂右打ちで遊技球が集中して流下する矮小な遊技領域に入賞調整装置112を配設しているため、入賞調整装置112に流入する遊技球数を増加させ易い。
そして、上記各実施形態と同様に、大入賞口16とセンターケース6との間に球通過空間部32を設けている(図33では図示せず)ので、球通過空間部32を通過した遊技球が一般入賞口21や始動入賞口11,12へ入賞するかもしれないという期待を遊技者に持たせることができ、遊技者の視線を球通過空間部32へ向けさせることができる。これにより、遊技者が入賞調整装置に入る遊技球を更に確認し難くなり、遊技者の遊技意欲を一層削ぎ難くすることができる。
ところで、上記各実施形態では、本発明における入賞装置として大入賞口を例示したが、本発明はこれに限定されない。要は、遊技球が入賞可能であればどのような構成の入賞装置であってもよい。また、本発明における誘導手段として誘導釘31,65を例示したが、本発明はこれに限定されない。要は、遊技球を入賞装置に誘導可能であればどのような構成の誘導手段でもよく、例えば、球誘導面が入賞装置に向けて下り傾斜した樹脂製の誘導部材であってもよい。さらに、入賞調整装置と入賞装置とを遊技領域4の右側に配設したが、遊技領域4の左側(発射球案内路24側)に配設したり、あるいは遊技領域4の左右方向の中央部に配設したりしてもよい。遊技領域4の左右方向の中央部に配設した場合には、入賞装置の左右両側方に誘導手段をそれぞれ配設してもよい。
また、変動表示ゲームおよび図柄変動は、停止時に表示される図柄を順に表示させるものでなくてもよい。例えば、停止時に表示されることのない2つの図柄を交互に表示するものであってもよい。さらに、始動入賞口への入賞を契機(始動条件)にして変動表示ゲームを実行したが、例えば、常態において図柄を変動表示し、始動入賞口への入賞を契機に図柄を停止表示させるものでもよい。つまり、変動と停止を区別できればよい。さらに、特別遊技状態の発生時にラウンド数が決められなくてもよい。例えば、大当りの途中で継続か否かを決めてもよい。
また、上記実施形態では、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例にして説明したが、本発明はこれに限らず、遊技盤には、遊技球が流下する遊技領域を区画形成し、該遊技領域には、遊技球が入賞可能な入賞装置と、遊技球が衝接可能な障害釘と、を備えた遊技機であればどのような遊技機でもよい。例えば、封入球式パチンコ機、アレンジボール式遊技機、雀球式遊技機等の遊技機であってもよい。
なお、前記した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、上記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれるものである。