JP2014003972A - 餅又は団子用の老化防止剤、当該老化防止剤を使用する餅又は団子の製造方法、及び、当該老化防止剤を含む餅又は団子 - Google Patents
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Abstract
【課題】餅又は団子の老化を抑制するための老化防止剤、当該老化防止剤を使用する餅又は団子の製造方法、当該老化防止剤を含む餅又は団子を提供すること。
【解決手段】本発明の餅又は団子用の老化防止剤は、水溶性窒素指数が70〜100%であることを特徴とする。上記大豆粉は、リポキシゲナーゼ欠失大豆を原料とする大豆粉であってもよい。また、本発明の餅又は団子の製造方法は、米原料、葛粉、馬鈴薯澱粉、わらび粉、片栗粉、タピオカ澱粉、小麦粉、小麦澱粉、れんこん澱粉、甘藷澱粉、コーンスターチ、きび粉、及び加工澱粉から選ばれる1種又は2種以上の原料を加熱した後、成型前に、上記原料100質量部に対して、本発明の老化防止剤0.01〜1.0質量部を添加する添加工程を含むことを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の餅又は団子用の老化防止剤は、水溶性窒素指数が70〜100%であることを特徴とする。上記大豆粉は、リポキシゲナーゼ欠失大豆を原料とする大豆粉であってもよい。また、本発明の餅又は団子の製造方法は、米原料、葛粉、馬鈴薯澱粉、わらび粉、片栗粉、タピオカ澱粉、小麦粉、小麦澱粉、れんこん澱粉、甘藷澱粉、コーンスターチ、きび粉、及び加工澱粉から選ばれる1種又は2種以上の原料を加熱した後、成型前に、上記原料100質量部に対して、本発明の老化防止剤0.01〜1.0質量部を添加する添加工程を含むことを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、餅又は団子用の老化防止剤、当該老化防止剤を使用する餅又は団子の製造方法、及び、当該老化防止剤を含む餅又は団子に関する。
餅又は団子等の澱粉を多く含む食品においては、製造直後から経時的に澱粉の老化と呼ばれる現象が起きることが知られる。澱粉の老化により、餅又は団子等は硬化等してしまい、品質が劣化する。
澱粉の老化を防止するための老化防止剤として、特許文献1には、おから含有粒子とトレハロースを含む澱粉老化防止用組成物が開示されている。しかし、当該おから含有粒子を得るためには、浸漬、磨砕、分離等の煩雑な操作が要求される。
特許文献2には、大豆由来のβ−アミラーゼに、乳化剤、重合リン酸塩のうち、1種又は2種を必須成分とする耐熱性を高めた和菓子用老化防止剤が開示されている。しかし、より高い老化防止効果を求めるためには、乳化剤及び重合リン酸塩を併用する必要があるため、食品添加物の使用量の低減、又は、食品添加物の不使用をコンセプトとする商品においては、当該和菓子用老化防止剤の使用が制限される場合がある。
特許文献3には、リポキシゲナーゼL−1、L−2及びL−3の全てを欠失する大豆を生のまま粉砕した無臭大豆粉末を使用することで、不快臭のない良風味な小麦粉加工食品を得られることが記載されているが、小麦粉加工食品以外の食品(例えば、餅又は団子等)については、何ら検討がなされていない。
本発明は、餅又は団子の老化を抑制するための老化防止剤の提供を目的とする。また、本発明は、当該老化防止剤を使用する餅又は団子の製造方法の提供を目的とする。また、本発明は、当該老化防止剤を含む餅又は団子の提供を目的とする。
本発明者らは、水溶性窒素指数が所定範囲である大豆粉を使用することで餅又は団子の老化を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 水溶性窒素指数が70〜100%である大豆粉を含む餅又は団子用の老化防止剤。
(2) 上記大豆粉が、リポキシゲナーゼ欠失大豆を原料とする大豆粉である(1)に記載の老化防止剤。
(3) 米原料を蒸した後、成型前に、上記米原料100質量部に対して、(1)又は(2)に記載の老化防止剤0.01〜1.0質量部を添加する添加工程を含み、上記米原料は、もち米、うるち米、又は、もち米及びうるち米を原料とする粉末のうちのいずれか1つ以上である餅又は団子の製造方法。
(4) 上記添加工程における品温は75〜85℃である(3)に記載の餅又は団子の製造方法。
(5) 米原料100質量部に対して、(1)又は(2)に記載の老化防止剤を0.01〜1.0質量部含み、
上記米原料は、もち米、うるち米、又は、もち米及びうるち米を原料とする粉末のうちのいずれか1つ以上である餅又は団子。
上記米原料は、もち米、うるち米、又は、もち米及びうるち米を原料とする粉末のうちのいずれか1つ以上である餅又は団子。
(6) 米原料、葛粉、馬鈴薯澱粉、わらび粉、片栗粉、タピオカ澱粉、小麦粉、小麦澱粉、れんこん澱粉、甘藷澱粉、コーンスターチ、きび粉、及び加工澱粉から選ばれる1種又は2種以上の原料を加熱した後、成型前に、上記原料100質量部に対して、(1)又は(2)に記載の老化防止剤0.01〜1.0質量部を添加する添加工程を含む餅又は団子の製造方法。
(7) 上記添加工程における品温が、75〜85℃である(6)に記載の餅又は団子の製造方法。
(8) 米原料、葛粉、馬鈴薯澱粉、わらび粉、片栗粉、タピオカ澱粉、小麦粉、小麦澱粉、れんこん澱粉、甘藷澱粉、コーンスターチ、きび粉、及び加工澱粉から選ばれる1種又は2種以上の原料100質量部に対して、(1)又は(2)に記載の老化防止剤を0.01〜1.0質量部含む餅又は団子。
本発明によれば、餅又は団子の老化を抑制するための老化防止剤が提供される。また、本発明によれば、当該老化防止剤を使用する餅又は団子の製造方法が提供される。また、本発明によれば、当該老化防止剤を含む餅又は団子が提供される。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
(大豆粉)
本発明における大豆粉は、通常の大豆粉の製造方法によって得ることができる。具体的には、本発明における大豆粉は、大豆の脱皮工程、乾燥工程及び粉砕工程等を経て得られる。ここで、一般に流通している大豆粉は、脱臭工程を経て得られた大豆粉が多いが、大豆を脱臭すると、後述する水溶性窒素指数が低下し、所望の老化抑制効果が奏されにくいため、本発明における大豆粉の製造においては、大豆の脱臭工程は行わないことが好ましい。従って、本発明における大豆粉は、好ましくは、脱臭工程を経ずに得られた大豆粉、すなわち、未脱臭大豆粉である。
本発明における大豆粉は、通常の大豆粉の製造方法によって得ることができる。具体的には、本発明における大豆粉は、大豆の脱皮工程、乾燥工程及び粉砕工程等を経て得られる。ここで、一般に流通している大豆粉は、脱臭工程を経て得られた大豆粉が多いが、大豆を脱臭すると、後述する水溶性窒素指数が低下し、所望の老化抑制効果が奏されにくいため、本発明における大豆粉の製造においては、大豆の脱臭工程は行わないことが好ましい。従って、本発明における大豆粉は、好ましくは、脱臭工程を経ずに得られた大豆粉、すなわち、未脱臭大豆粉である。
脱皮工程では、脱皮機及び風力選別機を用いて大豆の脱皮を行うことができる。脱皮工程においては、脱皮機で大豆の脱皮を行った後、風力選別機により皮が取り除かれる。得られる大豆粉の風味をより向上させるために、皮だけではなく胚軸も取り除くことが好ましい。
乾燥工程では、温風乾燥機や流動式乾燥装置等を使用することができる。乾燥工程においては、大豆を、60〜85℃、好ましくは60〜80℃で、5〜60分間、好ましくは10〜30分間乾燥してもよい。
粉砕工程では、ピンミルやハンマーミル等の粉砕機を用いて大豆の粉砕を行うことができる。粉砕工程においては、大豆が100〜200メッシュパスの粉末になるよう粉砕を行うことが好ましい。なお、乾燥工程と粉砕工程との間には、10〜25℃で5〜10分間の冷却工程を設けてもよい。
得られた大豆粉中の水分含有量は、特に限定されないが、大豆粉中の水分含有量が多い場合は大豆粉の品質劣化を招くおそれがあるため、8質量%以下であることが好ましく、4〜8質量%であることがより好ましく、4〜7質量%であることがさらにより好ましく、5〜7質量%であることが最も好ましい。
本発明における大豆粉は、リポキシゲナーゼが欠失していない大豆を原料とした大豆粉を使用することもできるが、リポキシゲナーゼ欠失大豆を原料とした大豆粉を使用することが好ましい。リポキシゲナーゼとは、油脂の酸化を促進することが知られる酸化還元酵素である。リポキシゲナーゼ欠失大豆を粉末化して得られた大豆粉(すなわち、リポキシゲナーゼ欠失大豆を原料とする大豆粉)を老化防止剤の成分として使用することで、保存時においても不快な米粉臭や油臭さが発生せず、風味が良好な餅又は団子を得ることができる。
リポキシゲナーゼ欠失大豆としては、市販のものを使用することができ、例えば、「NI−50」(株式会社日清商会販売)、「NI−396」(株式会社日清商会販売)、「NISHA」(日清オイリオグループ株式会社販売)等を使用できる。
(大豆粉の水溶性窒素指数)
本発明における大豆粉は、水溶性窒素指数が所定の範囲内であることを特徴とする。水溶性窒素指数(以下、「NSI」とも言う)とは、試料中に含まれる全窒素に占める水溶性窒素の割合を示す指数(単位;%)である。具体的には、水溶性窒素指数は、試料に含まれる全窒素を100としたときの、試料の水抽出液に含まれる窒素量を相対量として表す。
本発明における大豆粉は、水溶性窒素指数が所定の範囲内であることを特徴とする。水溶性窒素指数(以下、「NSI」とも言う)とは、試料中に含まれる全窒素に占める水溶性窒素の割合を示す指数(単位;%)である。具体的には、水溶性窒素指数は、試料に含まれる全窒素を100としたときの、試料の水抽出液に含まれる窒素量を相対量として表す。
大豆粉の水溶性窒素指数は、基準油脂分析法44444−131に基づき、下記の方法に基づいて算出する。まず、試料2.5gを水100mLとともに40℃で1.5時間振とうした後、当該混合物をろ過してろ過液を得る。得られたろ過液を遠心分離(3000g、5分間)して、分離された上清20mLを分解蒸留管に移し、ケルダール法により当該上清中の全窒素の含有量を測定する。具体的には、当該分解蒸留管に、分解促進剤3.5g、濃硫酸10mL、過酸化水素水8mLを加え、420℃で1時間加熱分解を行い、放冷後、蒸留を行い、常法により測定を行う。また、同様にして、試料中の全窒素を測定し、下式に基づき水溶性窒素指数を算出する。
水溶性窒素指数(NSI)=上清中の全窒素の含有量(%)×100/試料中の全窒素(%)
水溶性窒素指数(NSI)=上清中の全窒素の含有量(%)×100/試料中の全窒素(%)
本発明における大豆粉の水溶性窒素指数は、70〜100%、好ましくは70〜95%、より好ましくは70〜93%、最も好ましくは75〜93%である。水溶性窒素指数が上記範囲である大豆粉を老化防止剤の成分として使用することにより、餅又は団子に対して老化抑制効果を発揮することができる。
(その他の成分)
本発明の老化防止剤は、水溶性窒素指数が70〜100%である大豆粉のみからなるものであってもよいが、水溶性窒素指数が70〜100%である大豆粉以外の成分が含まれていてもよい。このような成分として、脱臭された大豆粉(例えば、水溶性窒素指数が70%未満である大豆粉)、デキストリン、澱粉、糖類、大豆蛋白、乳化剤、着色料、香料等が挙げられる。
本発明の老化防止剤は、水溶性窒素指数が70〜100%である大豆粉のみからなるものであってもよいが、水溶性窒素指数が70〜100%である大豆粉以外の成分が含まれていてもよい。このような成分として、脱臭された大豆粉(例えば、水溶性窒素指数が70%未満である大豆粉)、デキストリン、澱粉、糖類、大豆蛋白、乳化剤、着色料、香料等が挙げられる。
(本発明の老化防止剤を含む餅又は団子の製造方法)
本発明における餅又は団子とは、米原料、葛粉、馬鈴薯澱粉、わらび粉、片栗粉、タピオカ澱粉、小麦粉、小麦澱粉、れんこん澱粉、甘藷澱粉、コーンスターチ、きび粉、及び加工澱粉(澱粉に酵素的、物理的及び/又は化学的な加工を施したもの)から選ばれる1種又は2種以上の原料を、本発明の老化防止剤及び水等とともに公知の方法で成型した食品を指す。以下、上記の原料、つまり、米原料、葛粉、馬鈴薯澱粉、わらび粉、片栗粉、タピオカ澱粉、小麦粉、小麦澱粉、れんこん澱粉、甘藷澱粉、コーンスターチ、きび粉、及び加工澱粉から選ばれる1種又は2種以上の原料を「本発明における原料」とも言う。
本発明における餅又は団子とは、米原料、葛粉、馬鈴薯澱粉、わらび粉、片栗粉、タピオカ澱粉、小麦粉、小麦澱粉、れんこん澱粉、甘藷澱粉、コーンスターチ、きび粉、及び加工澱粉(澱粉に酵素的、物理的及び/又は化学的な加工を施したもの)から選ばれる1種又は2種以上の原料を、本発明の老化防止剤及び水等とともに公知の方法で成型した食品を指す。以下、上記の原料、つまり、米原料、葛粉、馬鈴薯澱粉、わらび粉、片栗粉、タピオカ澱粉、小麦粉、小麦澱粉、れんこん澱粉、甘藷澱粉、コーンスターチ、きび粉、及び加工澱粉から選ばれる1種又は2種以上の原料を「本発明における原料」とも言う。
米原料としては、もち米、もち米を原料とする粉末(白玉粉等)、うるち米、うるち米を原料とする粉末(上新粉等)、ならびに、うるち米及びもち米を原料とする粉末(団子粉)等が挙げられる。これらの米原料は、1種のみ使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明における原料のうち、加工澱粉は老化しにくい原料であるが、本発明の老化防止剤とともに使用することにより、餅又は団子の外観の白濁や、糊状感を抑制できる。
本発明の餅又は団子は、本発明の老化防止剤を添加する添加工程を行うこと以外は、通常の餅又は団子の製造方法に基づいて製造できる。例えば、本発明における原料を、本発明の老化防止剤以外の材料と混練して加熱した後、本発明の老化防止剤を添加し、さらに混練し、得られた生地を成型することで本発明の餅又は団子を製造できる。
材料の加熱方法としては、蒸し、直火、湯煎等の方法が挙げられる。
本発明の老化防止剤は、本発明における原料を加熱した後、成型前に添加される。本発明の老化防止剤を添加する時点での品温は、本発明における原料を加熱した直後における高い品温(例えば、75〜85℃)であってもよい。
本発明の老化防止剤を添加する時点での生地の粘度は、本発明の老化防止剤とともに混練可能な範囲であればよい。
添加工程において添加される本発明の老化防止剤の量は、本発明における原料100質量部に対して、0.01〜1.0質量部、好ましくは0.05〜0.7質量部、より好ましくは0.1〜0.5質量部である。添加される本発明の老化防止剤が、原料100質量部に対して0.01質量部以上であると、良好な老化抑制効果が得られる。添加される本発明の老化防止剤が、原料100質量部に対して1.0質量部以下であると、餅又は団子の色の黄変、餅又は団子の弾力の低下、餅又は団子の付着性等を抑制でき、良好な餅又は団子が得られる。
(本発明の老化防止剤を含む餅又は団子)
本発明の餅又は団子は、本発明の老化防止剤を含むため、澱粉の老化、硬化等の品質劣化等が抑制されている。
本発明の餅又は団子は、本発明の老化防止剤を含むため、澱粉の老化、硬化等の品質劣化等が抑制されている。
本発明の餅又は団子の老化が抑制されているかどうかは、例えば、Stable Micro Systems社製のTexture Analyserによる押込み試験によって餅又は団子の硬さを測定することで評価することができる。この場合、硬さの数値が低いほど老化が抑制されていると言える。
本発明の餅又は団子は、弾力性に富み、優れた食感を有する。特に、老化防止剤の成分としてリポキシゲナーゼ欠失大豆を原料とする大豆粉を使用した場合、本発明の餅又は団子は、保存時においても不快な米粉臭等の穀物臭や油臭さが発生せず、優れた風味を有する。
成型された本発明の餅又は団子は、慣用名に基づき、「くず餅」、「わらび餅」、又は「きび団子」等とも称される。例えば、葛粉が原料である餅は、「くず餅」として知られるが、小麦粉、又は小麦澱粉を原料としても、くず餅に類似した餅を製造できる。わらび粉が原料である餅は、「わらび餅」として知られるが、馬鈴薯澱粉、片栗粉、タピオカ澱粉、れんこん澱粉、甘藷澱粉、又はコーンスターチを原料としても、わらび餅に類似した餅を製造できる。きび粉が原料である団子は、「きび団子」として知られる。
以下、本発明の実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら限定されるものではない。
[試験1]
表1又は2記載の材料を使用して、下記の方法で生地を作製し、得られた生地について老化抑制効果の検討及び官能評価を行った。
表1又は2記載の材料を使用して、下記の方法で生地を作製し、得られた生地について老化抑制効果の検討及び官能評価を行った。
表1記載の大豆粉として、下記のいずれかの大豆粉又は大豆の粉砕物を使用した。
脱臭全脂大豆粉;アルファプラスHS−600(以下、表中、「HS−600」と記載する)、NSI=50、日清オイリオグループ株式会社製
未脱臭全脂大豆粉;ソーヤフラワーNSA(以下、表中、「NSA」と記載する)、NSI=90、日清オイリオグループ株式会社製
リポキシゲナーゼ欠失大豆;NI−50(以下、表中、「リポ欠」と記載する。なお、この大豆は、全てのリポキシゲナーゼ(リポキシゲナーゼL−1、L−2、及びL−3)が欠失した大豆である。)、NSI=86、株式会社日清商会販売
脱臭全脂大豆粉;アルファプラスHS−600(以下、表中、「HS−600」と記載する)、NSI=50、日清オイリオグループ株式会社製
未脱臭全脂大豆粉;ソーヤフラワーNSA(以下、表中、「NSA」と記載する)、NSI=90、日清オイリオグループ株式会社製
リポキシゲナーゼ欠失大豆;NI−50(以下、表中、「リポ欠」と記載する。なお、この大豆は、全てのリポキシゲナーゼ(リポキシゲナーゼL−1、L−2、及びL−3)が欠失した大豆である。)、NSI=86、株式会社日清商会販売
表2記載の大豆粉として、下記の大豆の粉砕物を使用した。
リポキシゲナーゼ欠失大豆;NI−50(なお、この大豆は、全てのリポキシゲナーゼ(リポキシゲナーゼL−1、L−2、及びL−3)が欠失した大豆である)、NSI=86、株式会社日清商会販売
リポキシゲナーゼ欠失大豆;NI−50(なお、この大豆は、全てのリポキシゲナーゼ(リポキシゲナーゼL−1、L−2、及びL−3)が欠失した大豆である)、NSI=86、株式会社日清商会販売
なお、以下、表中、「対照」とは、大豆粉を含まない生地を示す。また、「対粉(%)」とは、米原料(本実施例においては上新粉)の量を100とした場合の大豆粉の割合を示す。
表1又は2記載の材料(大豆粉以外)を、ホームベーカリー(練りモード、3分間)を使用して混練した。混練後、スチームコンベクションオーブンにて97℃で、15分間蒸した。次いで、生地を冷却することなく、大豆粉を添加し、ホームベーカリー(練りモード、10分間)で混練した。なお、大豆粉を添加したときの生地の温度は、75〜85℃だった。得られた生地をラップで包み、高さ2cmに成形し、4℃にて冷蔵保存した。
冷蔵保存中の生地を、冷蔵保存前、冷蔵保存1日目、冷蔵保存3日目、冷蔵保存5日目、冷蔵保存7日目の各時点で回収した。なお、以下の表中、「当日」、「DAY1」、「DAY3」、「DAY5」、「DAY7」は、それぞれ、冷蔵保存前、冷蔵保存1日目、冷蔵保存3日目、冷蔵保存5日目、冷蔵保存7日目の各時点で回収した生地を指す。
(老化抑制効果の検討)
回収した各生地を、3cm×3cmにカットし、押込み試験機によって硬さを測定した。その結果を表3〜6に示す。表中、数値の単位は「g」である。
回収した各生地を、3cm×3cmにカットし、押込み試験機によって硬さを測定した。その結果を表3〜6に示す。表中、数値の単位は「g」である。
硬さの測定条件は下記の通りである。
測定機;Texture Analyser Texture Exponet32、Stable Micro Systems社製、英弘精機株式会社販売
プランジャー;円盤型φ7.5cm
メソッド;Hardness(押込み試験)
なお、本測定条件においては、5000g以上の数値は測定することはできない。
測定機;Texture Analyser Texture Exponet32、Stable Micro Systems社製、英弘精機株式会社販売
プランジャー;円盤型φ7.5cm
メソッド;Hardness(押込み試験)
なお、本測定条件においては、5000g以上の数値は測定することはできない。
表3〜6に示される通り、本発明の老化防止剤を含む生地は、保存開始時から時間が経過しても、生地の硬さの値が低く、老化が抑制されていることが認められる。米原料100質量部に対して、本発明の老化防止剤0.01〜1.0質量部を含む生地は特に長時間にわたって老化が抑制されていた。
(官能評価)
製造した各生地の食感、風味及び色について官能評価を行った。その結果を表7〜10に示す。
製造した各生地の食感、風味及び色について官能評価を行った。その結果を表7〜10に示す。
表7〜9に示される通り、本発明の老化防止剤(NSA、リポ欠)を対粉0.05〜0.7質量%含む生地は、DAY7においても弾力性を有していた。
表10に示される通り、本発明の老化防止剤(リポ欠)を対粉0.5質量%含む生地は、DAY7においても弾力性を有していた。また、本発明の老化防止剤(リポ欠)を対粉1.0質量%含む生地は、DAY5、及びDAY7において弾力が弱くなったものの、通常の生菓子の流通期間であるDAY3の時点では弾力が保たれており、商品価値はあるものと判断できる。
また、表7〜10に示される通り、本発明の老化防止剤(リポ欠)を対粉0.05〜1.0質量%含む生地は、保存開始時から時間が経過しても、不快な米粉臭や油臭さはなく、良好な風味を保っていることが認められた。
一方、表10に示される通り、老化防止剤(リポ欠)を対粉1.5質量%含む生地は、通常の生菓子の流通期間であるDAY3の時点で弾力が弱くなり、また、風味も粉っぽさを感じ、僅かに大豆粉の味がするものであった。
[試験2]
試験1における米原料の代わりに各種原料を使用し、表11記載の配合で、下記の方法で餅を作製した。得られた餅について老化抑制効果の検討及び官能評価を行った。
試験1における米原料の代わりに各種原料を使用し、表11記載の配合で、下記の方法で餅を作製した。得られた餅について老化抑制効果の検討及び官能評価を行った。
表11記載の大豆粉として、下記の大豆の粉砕物(本発明の老化防止剤に相当する)を使用した。
リポキシゲナーゼ欠失大豆;NI−396(なお、この大豆は、全てのリポキシゲナーゼ(リポキシゲナーゼL−1、L−2、及びL−3)が欠失した大豆である。)、NSI=93、株式会社日清商会販売
リポキシゲナーゼ欠失大豆;NI−396(なお、この大豆は、全てのリポキシゲナーゼ(リポキシゲナーゼL−1、L−2、及びL−3)が欠失した大豆である。)、NSI=93、株式会社日清商会販売
なお、表11中、「対粉」とは、原料(葛粉、片栗粉、わらび粉又はタピオカ澱粉)の量を100とした場合の大豆粉の割合を示す。また、本試験で使用した「片栗粉」は馬鈴薯澱粉からなるものであり、「混合わらび粉」は、れんこん澱粉、わらび粉及び加工澱粉からなる。
表11記載の材料(大豆粉以外)を鍋に入れ、鍋を中火にかけながら、材料を混練した。混練後、粘りが出てから、弱火にし、ツヤが出るまで約5分混練し、生地を得た。次いで、鍋を火からおろした後、生地を冷却することなく、大豆粉を添加し混練した。なお、大豆粉を添加したときの生地の温度は、70〜75℃だった。得られた生地を、縦14cm、横11.5cm、高さ4.5cmの型に流し入れ、常温で粗熱を取った。次いで、生地から餅を成型し、冷蔵庫で冷蔵保存した。冷蔵保存3日目、及び6日後の餅を以下の検討に供した。
(老化抑制効果の検討)
試験1と同様に、回収した各餅の硬さを押込み試験機によって測定した。その結果を表12に示す。表中、数値の単位は「g」である。
試験1と同様に、回収した各餅の硬さを押込み試験機によって測定した。その結果を表12に示す。表中、数値の単位は「g」である。
表12に示される通り、本発明の老化防止剤を含む餅は、保存開始時から時間が経過しても、餅の硬さの値が低く、老化が抑制されていることが認められる。
(官能評価)
製造した各餅の外観及び食感について官能評価を行った。その結果を表13及び14に示す。
製造した各餅の外観及び食感について官能評価を行った。その結果を表13及び14に示す。
表13及び14に示される通り、本発明の老化防止剤を含む餅は、外観及び食感が良好であった。
Claims (8)
- 水溶性窒素指数が70〜100%である大豆粉を含む餅又は団子用の老化防止剤。
- 前記大豆粉が、リポキシゲナーゼ欠失大豆を原料とする大豆粉である請求項1に記載の老化防止剤。
- 米原料を蒸した後、成型前に、前記米原料100質量部に対して、請求項1又は2に記載の老化防止剤0.01〜1.0質量部を添加する添加工程を含み、
前記米原料は、もち米、うるち米、又は、もち米及びうるち米を原料とする粉末のうちのいずれか1つ以上である餅又は団子の製造方法。 - 前記添加工程における品温は75〜85℃である請求項3に記載の餅又は団子の製造方法。
- 米原料100質量部に対して、請求項1又は2に記載の老化防止剤を0.01〜1.0質量部含み、
前記米原料は、もち米、うるち米、又は、もち米及びうるち米を原料とする粉末のうちのいずれか1つ以上である餅又は団子。 - 米原料、葛粉、馬鈴薯澱粉、わらび粉、片栗粉、タピオカ澱粉、小麦粉、小麦澱粉、れんこん澱粉、甘藷澱粉、コーンスターチ、きび粉、及び加工澱粉から選ばれる1種又は2種以上の原料を加熱した後、成型前に、前記原料100質量部に対して、請求項1又は2に記載の老化防止剤0.01〜1.0質量部を添加する添加工程を含む餅又は団子の製造方法。
- 前記添加工程における品温が、75〜85℃である請求項6に記載の餅又は団子の製造方法。
- 米原料、葛粉、馬鈴薯澱粉、わらび粉、片栗粉、タピオカ澱粉、小麦粉、小麦澱粉、れんこん澱粉、甘藷澱粉、コーンスターチ、きび粉、及び加工澱粉から選ばれる1種又は2種以上の原料100質量部に対して、請求項1又は2に記載の老化防止剤を0.01〜1.0質量部含む餅又は団子。
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