JP2014002810A - 不揮発性半導体記憶装置 - Google Patents

不揮発性半導体記憶装置 Download PDF

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Abstract

【課題】選択トランジスタの閾値電圧を調整可能な不揮発性半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】制御回路は、書込動作時、複数のビット線を、選択ビット線の両隣が非選択ビット線となるように設定する。制御回路は、選択ビット線に含まれる書込ビット線に第1電圧を印加し且つ選択ビット線に含まれる書込禁止ビット線に第1電圧よりも高い第2電圧を印加した後に非選択ビット線に第2電圧よりも高い第3電圧を印加する。これにより、制御回路は、書込禁止ビット線の電圧を上げる一方書込ビット線を第1電圧に保持する。次に、制御回路は、ドレイン側選択ゲート線にドレイン側選択トランジスタの書込動作に必要な第4電圧を印加する。
【選択図】図5

Description

本明細書に記載の実施の形態は、電気的にデータの書き換えが可能な不揮発性半導体記憶装置に関する。
NAND型フラッシュメモリ等の不揮発性半導体記憶装置のビット密度向上にあっては、微細化技術が限界に近づいてきたことから、メモリセルの積層化が期待されている。その一つとして縦型トランジスタを用いてメモリトランジスタを構成した積層型NAND型フラッシュメモリが提案されている。積層型NAND型フラッシュメモリは、積層方向に直列接続された複数のメモリトランジスタからなるメモリストリングと、そのメモリストリングの両端に設けられた選択トランジスタとを有する。
しかしながら、従来、選択トランジスタの閾値電圧の調整が十分になされておらず、その閾値電圧分布の幅は大きい。したがって、選択トランジスタの動作を十分に制御できていない。
特開2011−198435号公報
本発明は、選択トランジスタの閾値電圧を調整可能な不揮発性半導体記憶装置を提供することを目的とする。
一態様に係る不揮発性半導体記憶装置は、メモリストリング、複数のドレイン側選択トランジスタ、複数のビット線、ドレイン側選択ゲート線、及び制御回路を有する。メモリストリングは、電気的に書き換え可能な複数のメモリトランジスタを直列接続してなる。複数のドレイン側選択トランジスタは、複数のメモリストリングの各第1の端部側に一端がそれぞれ接続され且つ書込動作により閾値電圧を調整可能に構成される。複数のビット線は、複数のメモリストリングに対応させて互いに平行に配置され複数のドレイン側選択トランジスタの各他端にそれぞれ接続される。ドレイン側選択ゲート線は、複数のドレイン側選択トランジスタのゲートを共通接続する。制御回路は、複数のビット線及びドレイン側選択ゲート線に所定の電圧を印加することによりドレイン側選択トランジスタに対して書込動作を実行する。制御回路は、書込動作時、複数のビット線を、選択ビット線の両隣が非選択ビット線となるように設定する。制御回路は、選択ビット線に含まれる書込ビット線に第1電圧を印加し且つ選択ビット線に含まれる書込禁止ビット線に第1電圧よりも高い第2電圧を印加した後に非選択ビット線に第2電圧よりも高い第3電圧を印加する。これにより、制御回路は、書込禁止ビット線の電圧を上げる一方書込ビット線を第1電圧に保持する。次に、制御回路は、ドレイン側選択ゲート線にドレイン側選択トランジスタの書込動作に必要な第4電圧を印加する。
第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置のブロック図である。 第1の実施の形態に係るブロックMBの斜視図である。 第1の実施の形態に係るブロックMBの断面図である。 第1の実施の形態に係るセンスモジュール130を示す回路図である。 第1の実施の形態に係るドレイン側選択トランジスタSDTrの書込動作を示す概略図である。 第1の実施の形態に係るドレイン側選択トランジスタSDTrの書込動作を示す概略図である。 第1の実施の形態に係るドレイン側選択トランジスタSDTrの書込動作時における各種信号のタイミングチャートである。 第2の実施の形態に係るメモリアレイ11の構成、及びドレイン側選択トランジスタSDTrに対する書込動作の概略を示す図である。 第2の実施の形態に係るドレイン側選択トランジスタSDTrの書込動作時における各種信号のタイミングチャートである。 第3の実施の形態に係るドレイン側選択トランジスタSDTrに対する書込動作を示すフローチャートである。 第3の実施の形態に係るドレイン側選択トランジスタSDTrの閾値電圧分布の変化を示す図である。 第3の実施の形態に係るドレイン側選択トランジスタSDTrの閾値電圧分布の変化を示す図である。 第4の実施の形態に係るドレイン側選択トランジスタSDTrに対する書込動作を示すフローチャートである。 第4の実施の形態に係るドレイン側選択トランジスタSDTrの閾値電圧分布の変化を示す図である。 第4の実施の形態に係るドレイン側選択トランジスタSDTrの閾値電圧分布の変化を示す図である。 第5の実施の形態に係る降圧回路70を示す回路図である。 第6の実施の形態に係る予備書込動作を示す概略図である。 第7の実施の形態に係るドレイン側選択トランジスタSDTrの書込動作時における各種信号のタイミングチャートである。
以下、図面を参照して、不揮発性半導体記憶装置の実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
[概略構成]
先ず、図1を参照して、第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成について説明する。図1は、第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置のブロック図である。
第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、図1に示すように、データを記憶するメモリアレイ11、このメモリアレイ11のワード線WL等を制御するロウデコーダ12、メモリアレイ11のビット線BLをセンスしてデータを読み出すセンス回路13、ビット線BLを制御するカラムデコーダ14、及びこれら各部を制御する制御回路15を有する。
メモリアレイ11は、図1に示すように、基板に平行なカラム方向に配列された複数のブロックMBを有する。各ブロックMBはデータ一括消去の単位とされる。各ブロックMBは、基板に平行なロウ方向に配列された複数のメモリユニットMUにより構成される。カラム方向に配列された複数のメモリユニットMUの各一端は、共通のビット線BLに接続される。カラム方向及びロウ方向に配列された複数のメモリユニットMUの各他端は、メモリアレイ11内で共通のソース線SLに接続される。
メモリユニットMUは、メモリストリングMSと、その両端に接続されたソース側選択トランジスタSSTr及びドレイン側選択トランジスタSDTrとを有する。
メモリストリングMSは、図1に示すように、直列接続されたメモリトランジスタMTr1〜MTr8、及びバックゲートトランジスタBTrにて構成される。バックゲートトランジスタBTrは、メモリトランジスタMTr4とメモリトランジスタMTr5との間に接続される。なお、メモリストリングMSは、8つ以上のメモリトランジスタを有しても良い。
メモリトランジスタMTr1〜MTr8は、その電荷蓄積層に電荷を蓄積することによって閾値電圧を変化させて、データを保持する。バックゲートトランジスタBTrは、少なくともメモリストリングMSを動作の対象として選択した場合に導通状態とされる。
ブロックMB内でロウ方向に並ぶ複数のメモリトランジスタMTri(i=1〜8)のゲートには、ワード線WLi(i=1〜8)が共通に接続される。また、ブロックMB内でロウ方向に並ぶ複数のバックゲートトランジスタBTrのゲートには、バックゲート線BGが共通に接続される。
ソース側選択トランジスタSSTrは、メモリトランジスタMTr1のソースとソース線SLとの間に設けられる。ソース側選択トランジスタSSTrは、メモリトランジスタMTr1〜MTr8と同様、その電荷蓄積層に電荷を蓄積することによって閾値電圧を変化させることが可能になっている。ロウ方向に並ぶ複数のソース側選択トランジスタSSTrのゲートには、ソース側選択ゲート線SGSが共通に接続される。
ドレイン側選択トランジスタSDTrは、メモリトランジスタMTr8のドレインとビット線BLとの間に設けられる。ドレイン側選択トランジスタSDTrは、メモリトランジスタMTr1〜MTr8と同様、その電荷蓄積層に電荷を蓄積することによって閾値電圧を変化させることが可能になっている。ロウ方向に並ぶ複数のドレイン側選択トランジスタSDTrのゲートには、ドレイン側選択ゲート線SGDが共通に接続される。
ロウデコーダ12は、アドレス及びデータに基づきワード線WL1〜WL8、ソース側選択ゲート線SGS、ドレイン側選択ゲート線SGD、及びソース線SLに印加する電圧を制御する。ロウデコーダ12は、複数の転送回路121、及び1つのソース線制御回路122を有する。転送回路121は、1つのブロックMBに対して1つ設けられる。転送回路121は、ワード線WL1〜WL8、バックゲート線BG、ソース側選択ゲート線SGS及びドレイン側選択ゲート線SGDに印加する電圧を制御する。ソース線制御回路122は、ソース線SLに印加する電圧を制御する。
センス回路13は、アドレス及びデータに基づきビット線BLの電圧を制御する。センス回路13は、複数のセンスモジュール130を有する。センスモジュール130は、1本のビット線BLに対して1つ設けられる。
カラムデコーダ14は、制御回路15からデータを受け付け、そのデータをセンス回路13に供給する。また、メモリトランジスタMTr1〜MTr8からセンス回路13で読み出したデータを制御回路15に送る。
制御回路15は、ロウデコーダ12、センス回路13、及びカラムデコーダ14を制御する。制御回路15は、電圧生成回路151、アドレスデコーダ152、及び電圧駆動回路153を有する。電圧生成回路151は、メモリアレイ11に対するデータの消去、書き込み及び読み出しに必要な所定電圧を生成する。アドレスデコーダ152は、アドレスをデコードする。電圧駆動回路153は、アドレスに基づき所定電圧をロウデコーダ12、センス回路13、及びカラムデコーダ14に供給する。
[積層構造]
次に、図2及び図3を参照して、ブロックMBの積層構造について説明する。図2はブロックMBの斜視図であり、図3はブロックMBの断面図である。ブロックMBは、図2及び図3に示すように、垂直に延びるU字パイプ型の半導体層を中心とする多層構造体で、基板20上に順次積層されたバックゲート層30、メモリ層40、選択トランジスタ層50、及び配線層60を有する。バックゲート層30は、バックゲートトランジスタBTrとして機能する。メモリ層40は、メモリトランジスタMTr1〜MTr8として機能する。選択トランジスタ層50は、ドレイン側選択トランジスタSDTr、及びソース側選択トランジスタSSTrとして機能する。配線層60は、ソース線SL、及びビット線BLとして機能する。
バックゲート層30は、図2及び図3に示すように、バックゲート導電層31を有する。バックゲート導電層31は、バックゲート線BG、及びバックゲートトランジスタBTrのゲートとして機能する。バックゲート導電層31は、基板20と平行なロウ方向及びカラム方向に広がる。バックゲート導電層31は、例えば、ポリシリコン(poly−Si)にて構成される。
バックゲート層30は、図3に示すように、バックゲート絶縁層32、及びバックゲート半導体層33を有する。
バックゲート絶縁層32は電荷を蓄積可能に構成される。バックゲート絶縁層32は、バックゲート半導体層33とバックゲート導電層31との間に設けられる。バックゲート絶縁層32は、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、及び酸化シリコン(SiO)の積層構造にて構成される。
バックゲート半導体層33は、バックゲートトランジスタBTrのボディ(チャネル)として機能する。バックゲート半導体層33は、バックゲート導電層31を掘り込むように形成される。バックゲート半導体層33は、例えば、ポリシリコン(poly−Si)にて構成される。
メモリ層40は、図2及び図3に示すように、バックゲート層30の上層に形成される。メモリ層40は、4層のワード線導電層41a〜41dを有する。ワード線導電層41aは、ワード線WL4、及びメモリトランジスタMTr4のゲートとして機能する。また、ワード線導電層41aは、ワード線WL5、及びメモリトランジスタMTr5のゲートとしても機能する。同様に、ワード線導電層41b〜41dは、各々、ワード線WL1〜WL3、及びメモリトランジスタMTr1〜MTr3のゲートとして機能する。また、ワード線導電層41b〜41dは、各々、ワード線WL6〜WL8、及びメモリトランジスタMTr6〜MTr8のゲートとしても機能する。
ワード線導電層41a〜41dは、図3に示すように、その上下間に層間絶縁層45を挟んで積層される。ワード線導電層41a〜41dは、ロウ方向(図3の紙面垂直方向)を長手方向として延びる。ワード線導電層41a〜41dは、例えば、ポリシリコン(poly−Si)にて構成される。
メモリ層40は、図2、図3に示すように、メモリゲート絶縁層43、メモリ柱状半導体層44を有する。
メモリゲート絶縁層43は電荷を蓄積可能に構成される。メモリゲート絶縁層43は、メモリ柱状半導体層44とワード線導電層41a〜41dとの間に設けられる。メモリゲート絶縁層43は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、及び酸化シリコンの積層構造にて構成される。
メモリ柱状半導体層44は、メモリトランジスタMTr1〜MTr8のボディ(チャネル)として機能する。メモリ柱状半導体層44は、ワード線導電層41a〜41d、及び層間絶縁層45を貫通し、基板20に対して垂直方向に延びる。一対のメモリ柱状半導体層44は、バックゲート半導体層33のカラム方向の端部近傍に整合するように形成される。メモリ柱状半導体層44は、例えば、ポリシリコン(poly−Si)にて構成される。
上記バックゲート層30及びメモリ層40において、一対のメモリ柱状半導体層44、及びその下端を連結するバックゲート半導体層33は、メモリストリングMSのボディ(チャネル)として機能し、ロウ方向からみてU字状に形成される。
上記バックゲート層30の構成を換言すると、バックゲート導電層31は、バックゲート絶縁層32を介してバックゲート半導体層33の側面及び下面を取り囲む。また、上記メモリ層40の構成を換言すると、ワード線導電層41a〜41dは、メモリゲート絶縁層43を介してメモリ柱状半導体層44の側面を取り囲む。
選択トランジスタ層50は、図2及び図3に示すように、ソース側導電層51a、ドレイン側導電層51bを有する。ソース側導電層51aは、ソース側選択ゲート線SGS、及びソース側選択トランジスタSSTrのゲートとして機能する。ドレイン側導電層51bは、ドレイン側選択ゲート線SGD、及びドレイン側選択トランジスタSDTrのゲートとして機能する。
ソース側導電層51aは、対となるメモリ柱状半導体層44の一方の上層に形成される。ドレイン側導電層51bは、ソース側導電層51aと同層であって、対となるメモリ柱状半導体層44の他方の上層に形成される。複数のソース側導電層51a及びドレイン側導電層51bは、カラム方向に所定ピッチをもって配置されロウ方向に延びる。ソース側導電層51a及びドレイン側導電層51bは、例えば、ポリシリコン(poly−Si)にて構成される。
選択トランジスタ層50は、図2及び図3に示すように、ソース側ゲート絶縁層53a、ソース側柱状半導体層54a、ドレイン側ゲート絶縁層53b、及びドレイン側柱状半導体層54bを有する。ソース側柱状半導体層54aは、ソース側選択トランジスタSSTrのボディ(チャネル)として機能する。ドレイン側柱状半導体層54bは、ドレイン側選択トランジスタSDTrのボディ(チャネル)として機能する。
ソース側ゲート絶縁層53aは電荷を蓄積可能に構成される。ソース側ゲート絶縁層53aは、ソース側導電層51aとソース側柱状半導体層54aとの間に設けられる。ソース側ゲート絶縁層53aは、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、及び酸化シリコンの積層構造にて構成される。
ソース側柱状半導体層54aは、ソース側導電層51aを貫通し、基板20に対して垂直方向に延びる。ソース側柱状半導体層54aは、ソース側ゲート絶縁層53aの側面及び対となるメモリ柱状半導体層44の一方の上面に接続される。ソース側柱状半導体層54aは、例えば、ポリシリコン(poly−Si)にて構成される。
ドレイン側ゲート絶縁層53bは電荷を蓄積可能に構成される。ドレイン側ゲート絶縁層53bは、ドレイン側導電層51bとドレイン側柱状半導体層54bとの間に設けられる。ドレイン側ゲート絶縁層53bは、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、及び酸化シリコンの積層構造にて構成される。
ドレイン側柱状半導体層54bは、ドレイン側導電層51bを貫通し、基板20に対して垂直方向に延びる。ドレイン側柱状半導体層54bは、ドレイン側ゲート絶縁層53bの側面及び対となるメモリ柱状半導体層44の他方の上面に接続される。ドレイン側柱状半導体層54bは、例えば、ポリシリコン(poly−Si)にて構成される。
配線層60は、ソース線層61、ビット線層62、及びプラグ層63を有する。ソース線層61はソース線SLとして機能し、ビット線層62はビット線BLとして機能する。
ソース線層61は、ソース側柱状半導体層54aの上面に接し、ロウ方向に延びる。ビット線層62は、プラグ層63を介してドレイン側柱状半導体層54bの上面に接し、カラム方向に延びる。ソース線層61、ビット線層62、及びプラグ層63は、例えば、タングステン等の金属にて構成される。
次に、図4を参照して、センスモジュール130の構成について詳しく説明する。図4はセンスモジュール130を示す回路図である。図4に示すように、センスモジュール130は、センスアンプ131、ビット線選択回路132、プルダウン回路133、非選択ビット線バイアス回路134、ラッチ135、及びリセット回路136を有する。
センスアンプ131は、ビット線BLのセンス機能に付随してビット線BLに電源電圧Vddを供給する機能を有する。センスアンプ131において、クランプ用トランジスタnT1は、電流経路の一端が保護回路を兼ねたビット線選択回路132を介してビット線BLに接続され、他端がノードCOMに接続される。奇数番目のビット線BLに接続されたクランプ用トランジスタnT1のゲートは、信号BLCOを、偶数番目のビット線BLに接続されたクランプ用トランジスタnT1のゲートは、信号BLCEを受け付ける。信号BLCE/BLCOは、奇数番目のビット線BLを選択ビット線BL、偶数番目のビット線BLを非選択ビット線BLとする場合、奇数番目のビット線BLに接続されたクランプ用トランジスタnT1を信号BLCOの電圧に基づいて決まる電圧をビット線BLに転送するようにし、偶数番目のビット線BLに接続されたクランプ用トランジスタnT1をオフ状態にするように設定される。また、信号BLCE/BLCOは、偶数番目のビット線BLを選択ビット線BL、奇数番目のビット線BLを非選択ビット線BLとする場合、偶数番目のビット線BLに接続されたクランプ用トランジスタnT1を信号BLCEの電圧に基づいて決まる電圧をビット線BLに転送するようにし、奇数番目のビット線BLに接続されたクランプ用トランジスタnT1をオフ状態にするように設定される。
キャパシタCAPはセンスノードSENに接続される。電源ノードN_VDDとセンスノードSENの間には、pMOSトランジスタpT1と、信号HLLで駆動されるプリチャージ用のMOSトランジスタnT2とが直列接続される。センスノードSENとノードCOMとの間には、電荷転送用のMOSトランジスタnT3が接続される。一方、pMOSトランジスタpT1とノードCOMとの間には、電流継続供給用のMOSトランジスタnT4が接続される。これらMOSトランジスタpT1,nT2,nT3,nT4のゲートには、各々、ノードINVからの信号,信号HHL,信号XXL,信号BLXが供給される。
ゲートがセンスノードSENに接続されたMOSトランジスタpT2、MOSトランジスタpT2と電源ノードN_VDDとの間に接続されたMOSトランジスタpT3は、センスノードSENのレベルを弁別する弁別回路を構成する。この弁別回路の出力がラッチ135のノードINVに入力される。なお、MOSトランジスタpT3のゲートにはストローブ信号STBnが供給される。
ビット線選択回路132は、ビット線BLとセンスアンプ131とを接続すると共に、ビット線BLとセンスアンプ131とを接続しないときにはビット線BLから印加され得る高電圧からセンスアンプ131を保護する高耐圧に設計されたnMOSトランジスタnT5にて構成される。MOSトランジスタnT5は、クランプ用トランジスタnT1とビット線BLとの間に接続され、そのゲートには信号BLSが供給される。
プルダウン回路133は、ラッチ135に保持されたデータに基づきビット線BLを接地する。プルダウン回路133は、ノードCOMと接地端子N_VSSとの間に接続されたnMOSトランジスタnT6にて構成される。MOSトランジスタnT6のゲートにはラッチ135のノードINVに保持されたデータが供給される。
奇数番目のビット線BLに接続された非選択ビット線バイアス回路134は、信号BIASOによってオンオフされ、偶数番目のビット線BLに接続された非選択ビット線バイアス回路134は、信号BIASEによってオンオフされ、一端がビット線BLに接続されて他端から信号BLBIASを供給されるnMOSトランジスタnT7にて構成される。信号BIASE/BIASOは、奇数番目のビット線BLを選択ビット線BL、偶数番目のビット線BLを非選択ビット線BLとする場合、奇数番目のビット線BLに接続されたnMOSトランジスタnT7をオフ状態、偶数番目のビット線BLに接続されたnMOSトランジスタnT7をオン状態にするように設定される。また、信号BIASE/BIASOは、偶数番目のビット線BLを選択ビット線BL、奇数番目のビット線BLを非選択ビット線BLとする場合、偶数番目のビット線BLに接続されたnMOSトランジスタnT7をオフ状態、奇数番目のビット線BLに接続されたnMOSトランジスタnT7をオン状態にするように設定される。
ラッチ135は、互いに逆論理となるノードINV,LATにデータを保持する。ラッチ135は、電源ノードN_VDD及び接地端子N_VSSの間に相補対接続されたMOSトランジスタpT4,nT8からなるインバータと、同じくMOSトランジスタpT5,nT9からなるインバータとをクロスカップルして構成される。MOSトランジスタpT4,nT8には、直列にMOSトランジスタpT6,nT10が接続される。MOSトランジスタpT6,nT10のゲートには、各々、リセット信号RST_PCO、ストローブ信号STBnが供給される。
リセット回路136は、信号RST_NCOに基づきノードINVを接地する。リセット回路136は、MOSトランジスタpT2と接地端子N_VSSとの間に接続されたNMOSトランジスタnT11にて構成される。MOSトランジスタnT11のゲートには信号RST_NCOが供給される。
次に、ドレイン側選択トランジスタSDTrの閾値電圧の制御方法について説明する。通常、メモリトランジスタをベリファイ書込する場合には、書き込みを行う選択メモリトランジスタMTrに接続されたビット線BLをVssにすると共に、書き込みが終了して以後の書き込みが禁止される選択メモリトランジスタMTrに接続されたビット線BLを接地電圧Vssよりも高い電圧Vblにする。そして、メモリユニットMUのドレイン側選択トランジスタSDTrにも同じ電圧Vblを印加する。そして、選択メモリトランジスタMTrに書き込み電圧Vpgmを、非選択メモリトランジスタMTrにパス電圧Vpassを印加する。書き込みメモリユニットMUでは、ドレイン側選択トランジスタSDTrがオンしているため、ビット線BLの接地電圧Vssがチャネルに転送され、書き込みが行われる。一方、書込み禁止メモリユニットMUでは、ドレイン側選択トランジスタSDTrがカットオフするため、メモリトランジスタMTrのゲートとのカップリングで、チャネル電位が上昇し、書き込みが行われない。即ち、選択メモリトランジスタの書込/書込禁止の選択は、ドレイン側選択トランジスタSDTrのオン/オフによって実行する。しかし、ドレイン側選択トランジスタSDTr自体の書込を行う場合には、そのような選択ができないため、ブロックMB全体で一括書込を行うしかない。このため、ドレイン側選択トランジスタSDTrの閾値を精度良く調整することが困難である。一方、データに応じてビット線BL毎に書込電圧/書込禁止電圧を与えるようにすれば、書込終了後の書込禁止状態の設定が可能であるが、この場合、後述するように、膨大な面積の回路が必要になる。
そこで、本実施の形態では、このような回路規模の増大を招くことなく、ドレイン側選択トランジスタSDTrのベリファイ書込を実行する。以下、図5及び図6を参照して、ドレイン側選択トランジスタSDTrの閾値分布を適切な位置に制御する書込動作について説明する。図5及び図6はドレイン側選択トランジスタSDTrに対する書込動作を示す概略図である。
先ず、図5に示すように、偶数番目のビット線BL(2)、BL(4)が選択ビット線BL(2)、BL(4)とされ、奇数番目のビット線BL(1)、BL(3)が非選択ビット線BL(1)、BL(3)とされるとする。選択ビット線BL(2)、(4)に接続されるドレイン側選択トランジスタSDTrは書込動作の対象とされ、非選択ビット線BL(1)、(3)に接続されるドレイン側選択トランジスタSDTrは書込動作の対象とされない。
この場合、続いて、図6に示すように、図5における選択ビット線BLと非選択ビット線BLとの関係を反転させ、奇数番目のビット線BL(1)、BL(3)が選択ビット線BL(1)、BL(3)とされ、偶数番目のビット線BL(2)、BL(4)が非選択ビット線BL(2)、BL(4)とされる。以上、図5及び図6に示すように、本実施の形態は、偶数番目及び奇数番目のビット線BL(1)〜BL(4)を交互に選択してドレイン側選択トランジスタSDTrに対して書込動作を実行する。
そして、本実施の形態は、上記書込動作の後にベリファイ動作を行う。ベリファイ動作においては、ドレイン側選択トランジスタSDTrの閾値電圧が所定値に達したか否かが判定される。この判定結果に基づき閾値電圧が所定値に達していないドレイン側選択トランジスタSDTrに対しては再び書込動作が実行され、閾値電圧が所定値に達しているドレイン側選択トランジスタSDTrに対しては書込動作が禁止される。以上により、本実施の形態は、ドレイン側選択トランジスタSDTrの閾電圧分布の位置、及びその幅を調整する。
次に、図5に示す動作を具体的に説明する。図5に示す例では、選択ビット線BL(2),BL(4)のうち、選択ビット線BL(2)がドレイン側選択トランジスタSDTrに対して書込動作を禁止するための書込禁止ビット線BL(2)とされ、選択ビット線BL(4)がドレイン側選択トランジスタSDTrに対して書込動作を実行するための書込ビット線BL(4)とされる例を示している。
この場合、図5に示すように、書込禁止ビット線BL(2)は電源電圧Vddまで充電され、書込ビット線BL(4)は接地されてその電圧は接地電圧Vssとされる。選択ビット線BL(2),(4)に電圧転送後、信号BLSを電源電圧Vddまで下げてから、非選択ビット線BL(1)、BL(3)の電圧、及びソース線SLの電圧はパス電圧Vpassとされる。すると、この非選択ビット線BL(1)、BL(3)及びソース線SLのパス電圧Vpassとのカップリングによって、書込禁止ビット線BL(2)の電圧が上昇する。その結果、書込禁止ビット線BL(2)に接続される図4のクランプ用トランジスタnT1がオフ状態になるので、書込禁止ビット線BL(2)はフローティング状態(Floating)になり、その電圧はパス電圧Vpass近傍まで上昇する。一方、書込ビット線BL(4)の電圧は接地電圧Vssに保持されたままとなる。なお、上記のようにソース線SLの電圧をパス電圧Vpassまで上げることによって、上述のブースト促進効果の他、書込禁止ビット線BLからソース線SLへのリークを抑制できるという効果もある。
また、図5に示すように、選択ブロックMB内のワード線WL1〜WL8の電圧及びバックゲート線BGの電圧は、パス電圧Vpassとされる。選択ブロックMB内において、ソース側選択ゲート線SGSの電圧は接地電圧Vssとされ、ドレイン側選択ゲート線SGDの電圧はプログラム電圧Vpgmとされる。
以上の制御により、選択ブロックMB内の書込ビット線BL(4)に接続されたドレイン側選択トランジスタSDTrのボディとゲートとの間には大きな電位差が生じる。これにより、そのドレイン側選択トランジスタSDTrに対して書込動作が実行される。
一方、以上の制御により、選択ブロックMB内の書込禁止ビット線BL(2)及び非選択ビット線BL(1)、BL(3)に接続されたドレイン側選択トランジスタSDTrのボディとゲートの間には大きな電位差は生じない。これにより、そのドレイン側選択トランジスタSDTrに対する書込動作は禁止される。
なお、図5に示すように、非選択ブロックMB内において、ワード線WL1〜WL8はフローティング状態とされる。また、ソース側選択ゲート線SGS及びドレイン側選択ゲート線SGDの電圧は接地電圧Vssとされる。これにより、非選択ブロックMBにおいては、書込動作は実行されない。この書き込み動作が終了するとベリファイ動作が実行され、ベリファイ動作においてパスしたら、図4のラッチ135のノードINVにLレベルが保持される。
次に、図6に示す動作を具体的に説明する。図6に示す例では、選択ビット線BL(1)が書込ビット線BL(1)とされ、選択ビット線BL(3)が書込禁止ビット線BL(3)とされる。その他、図6において、ビット線BL(1)〜BL(4)、ソース線SL、ワード線WL1〜WL8、バックゲート線BG、ソース側選択ゲート線SGS及びドレイン側選択ゲート線SGDに印加する電圧は、図5に示す制御と同様であるため、その説明は省略する。
次に、図4及び図7を参照して、図5に示した制御を実行する際の各種信号のタイミングについて説明する。図7はドレイン側選択トランジスタSDTrの書込動作時における各種信号のタイミングチャートである。図7に示すように、先ず、時刻t11にて、信号BLS及び信号BIASOの電圧が電圧VHHまで上げられる。なお、時刻t11にて信号BIASEの電圧は接地電圧Vssのままにしておく。次に、時刻t12にて、信号BLX,XXLの電圧が各々電圧Vddhまで上げられ、信号BLCEの電圧が電圧Vblcまで上げられる。なお、時刻t12にて信号BLCOの電圧は接地電圧Vssのままにしておく。
ここで、図4に示すように、書込禁止ビット線BL(2)に対応するセンスモジュール130内では、ラッチ135のノードINVに保持されたデータに基づきMOSトランジスタnT6は非導通状態に保持される。したがって、上記時刻t11、t12の制御により、図4の経路P1に示すように、クランプ用トランジスタnT1、MOSトランジスタpT1、nT2〜nT5を介して書込禁止ビット線BL(2)は電源ノードN_VDDに接続され、電源電圧Vddまで充電される。
一方、書込ビット線BL(4)に対応するセンスモジュール130内では、ラッチ135のノードINVに保持されたデータに基づきMOSトランジスタnT6は導通状態とされる。したがって、上記時刻t11、t12の制御の後、図4の経路P2に示すように、クランプ用トランジスタnT1、MOSトランジスタnT5、nT6を介して書込ビット線BL(4)は接地され、その電圧は接地電圧Vssとされる。
時刻t12の後、図7に示すように、時刻t13にて、信号BLSの電圧は、電源電圧Vddまで下げられる。これは、時刻t13の後にビット線BLの電位をパス電圧Vpass程度まで上げた際に、その高電圧がクランプ用トランジスタnT1まで転送されることを防ぐためである。信号BLSの電圧を電源電圧Vddに下げておくことで、クランプ用トランジスタnT1には、電圧Vdd−Vtn(nMOSトランジスタnT5の閾値電圧)までしか転送されない。
次に、時刻t14にて、信号BLBIASの電圧はパス電圧Vpassまで上げられる。この時、信号BIASOの電圧は電圧VHHとされているため、非選択ビット線BL(1)、(3)に対応するセンスモジュール130内においては、MOSトランジスタnT7は導通状態となる。したがって、図4の経路P3に示すように、MOSトランジスタnT7を介して非選択ビット線BL(1)、BL(3)にはパス電圧Vpassが供給される。
また、図7に示すように、時刻t14にて、ソース線SLの電圧もパス電圧Vpassまで上げられる。これら非選択ビット線BL(1)、BL(3)及びソース線SLのパス電圧Vpassに伴うカップリングによって書込禁止ビット線BL(2)の電圧は上昇するので、書込禁止ビット線BL(2)に接続されたクランプ用トランジスタnT1がカットオフ状態になる。これにより、書込禁止ビット線BL(2)がフローティング状態となり、非選択ビット線BL(1),BL(3)及びソース線SLとのカップリングにより、書込禁止ビット線BL(2)の電圧はパス電圧Vpass近傍まで上げられる。
また、時刻t14にて、選択ブロックMB内のワード線WL1〜WL8、バックゲート線BGの電圧はパス電圧Vpassまで上げられる。
次に、時刻t15にて選択ブロックMB内のドレイン側選択ゲート線SGDの電圧は、電圧Vsgまで上げられ、更に時刻t16にてプログラム電圧Vpgmまで上げられる。これにより、選択ブロックMB内の書込ビット線BL(4)に接続されたドレイン側選択トランジスタSDTrに対して書込動作が実行される。
ここで、前述のように、データに応じて書込禁止ビット線BLにパス電圧Vpassを印加すると共に書込ビット線BLに接地電圧Vssを印加して、偶数番目及び奇数番目のビット線BLに対して一度に書込動作をする比較例を考える。この比較例では、図4のラッチ135のデータに応じて、ビット線BLの書込・書込禁止を設定し、書込ビット線BLには接地電圧Vssを印加し、書込禁止ビット線BLにはパス電圧Vpassを印加する。よって、ラッチ135のデータから決まる書込禁止ビット線BLにパス電圧Vpassを印加するためのレベルシフタがセンスモジュール130毎に必要となる。しかしながら、レベルシフタはその占有面積が大きく、ビット線BLの数だけ設けると膨大な回路面積となってしまう。そこで、本実施の形態は、上記比較例の構成ではなく、偶数番目又は奇数番目の非選択ビット線BLにまとめてパス電圧VpassをnMOSトランジスタnT7を介して印加する構成としている。そして、本実施の形態は、非選択ビット線BLとのカップリングによってフローティングとした書込禁止ビット線BLの電圧をパス電圧Vpass近傍まで上げる。これにより、本実施の形態においてレベルシフタはセンスモジュール130毎に必要なく、本実施の形態は比較例よりもその占有面積を小さくできる。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成及びその動作について説明する。ここで、第1の実施の形態において、図5に示したように、ソース側選択ゲート線SGSの電圧は接地電圧Vssに設定され、ソース線SLの電圧はパス電圧Vpassに設定される。したがって、これらソース側選択トランジスタSSTrのソース及びゲートに印加される電圧Vpass、Vssによってソース側選択トランジスタSSTrのソース近傍ではGIDL電流が生じ、誤動作が生じ得る。
また、図5に示したように、選択ブロックMB内において、メモリトランジスタMTr8のドレインはドレイン側選択トランジスタSDTrを介して非選択ビット線BLからパス電圧Vpassを供給される。そこで、選択ブロックMB内のワード線WL8の電圧を接地電圧Vssとし、メモリトランジスタMTr8にてソース側選択トランジスタSSTrからのリーク電流をカットオフさせることも考えられる。特に、書込禁止ビット線BLをフローティングにして、隣接ビット線BLとのカップリングで電圧を上げる。よって、書込禁止ビット線BLに接続されたドレイン側選択トランジスタSDTrのチャネルがすべて導通状態で、そのチャネルのワード線WLに対する容量が見えると、ブースト効率が悪くなり、結果として、ビット線BLの電圧が十分に上がらなくなることが考えられる。その場合には、メモリトランジスタMTr8でカットオフさせておくことが有効である。しかしながら、上記の場合、選択ブロックMB内のメモリトランジスタMTr8のドレイン及びゲートに印加される電圧Vpass、Vssによって、そのメモリトランジスタMTr8のドレイン近傍ではGIDL電流が生じ得る。
また、図5に示したように、非選択ブロックMB内のドレイン側選択ゲート線SGDの電圧は接地電圧Vssとされ、非選択ビット線BL(1)、BL(3)の電圧はパス電圧Vpassとされる。したがって、これら非選択ブロックMB内のドレイン側選択トランジスタSDTrのドレイン及びゲートに印加される電圧Vpass、Vssによって、そのドレイン側選択トランジスタSDTrのドレイン近傍ではGIDL電流が生じ得る。
以上の問題を考慮し、図8に示すように、第2の実施の形態は第1の実施の形態と異なるメモリユニットMUを有する。図8は、第2の実施の形態に係るメモリアレイ11の構成、及びドレイン側選択トランジスタSDTrに対する書込動作の概略を示す。第2の実施の形態に係るメモリユニットMUは、図8に示すように、第1の実施の形態の構成に加え、通常のメモリトランジスタとしても、またダミートランジスタとしても使用可能なメモリトランジスタ(以下、ソース側ダミートランジスタSDMTr、及びドレイン側ダミートランジスタDDMTr)を有する。ソース側ダミートランジスタSDMTrはメモリストリングMSとソース側選択トランジスタSSTrとの間に設けられ、ドレイン側ダミートランジスタDDMTrはメモリストリングMSとドレイン側選択トランジスタSDTrとの間に設けられる。ロウ方向に配列された複数のソース側ダミートランジスタSDMTrのゲートにはソース側ダミーワード線SDWLが共通接続される。ロウ方向に配列された複数のドレイン側ダミートランジスタDDMTrのゲートにはドレイン側ダミーワード線DDWLが共通接続される。
上記構成を有する第2の実施の形態において、偶数番目の選択ビット線BL(2)、BL(4)に接続されるドレイン側選択トランジスタSDTrに対して書込動作を実行する際、各種配線は図8に示すように制御される。すなわち、図8に示すように、ビット線BL、ソース線SL、及び選択ブロックMB内のドレイン側選択ゲート線SGDに印加する電圧は第1の実施の形態と同じである。
一方、第2の実施の形態の選択ブロックMBにおいて、ワード線WL1〜WL8及びバックゲート線BGの電圧は接地電圧Vssに設定される。また、選択ブロックMBにおいて、ソース側選択ゲート線SGSの電圧は接地電圧Vssより大きく且つパス電圧Vpassより小さい電圧Vsg(Vss<Vsg<Vpass)に設定され、ソース側選択トランジスタSSTrにおけるGIDL電流の発生は抑制される。また、選択ブロックMBにおいて、ソース側ダミーワード線SDWLの電圧は接地電圧Vssに設定され、ソース側ダミートランジスタSDMTrは非導通状態とされる。これにより、ソース側選択トランジスタSSTrからのリーク電流はソース側ダミートランジスタSDMTrにてカットオフされる。また、選択ブロックMBにおいて、ドレイン側ダミーワード線DDWLの電圧は電圧Vsgに設定され、ドレイン側ダミートランジスタDDMTrにおけるGIDL電流の発生は抑制される。また、ドレイン側ダミートランジスタDDMTrによって、メモリトランジスタMTr8のドレインにはパス電圧Vpassよりも小さい電圧が供給されるため、メモリトランジスタMTr8におけるGIDL電流の発生は抑制される。
更に、第2の実施の形態の非選択ブロックMBにおいて、ソース側選択ゲート線SGS及びドレイン側選択ゲート線SGDの電圧は電圧Vsgに設定される。これにより、ソース側選択トランジスタSSTr及びドレイン側選択トランジスタSDTrにおけるGIDL電流の発生は抑制される。また、非選択ブロックMBにおいて、ソース側ダミーワード線SDWL及びドレイン側ダミーワード線DDWLの電圧は接地電圧Vssに設定され、ソース側ダミートランジスタSDMTr及びドレイン側ダミートランジスタDDMTrは非導通状態とされる。これにより、ソース側選択トランジスタSSTr及びドレイン側選択トランジスタSDTrからのリーク電流はソース側ダミートランジスタSDMTr及びドレイン側ダミートランジスタDDMTrにてカットオフされる。
次に、図9を参照して、図8に示した制御を実行する際の各種信号のタイミングについて説明する。図9はドレイン側選択トランジスタSDTrの書込動作時における各種信号のタイミングチャートである。なお、図9において第1の実施の形態と同様の制御については説明を一部省略する。図9に示すように、先ず、時刻t21にて、書込禁止ビット線BL(2)の電圧が電源電圧Vddまで上げられる。次に、時刻t22にて、非選択ビット線BL(1),(3)及びソース線SLの電圧は、パス電圧Vpassまで上げられる。これに伴うカップリングにより、書込禁止ビット線BL(2)の電圧はパス電圧Vpass近傍まで上げられる。また、時刻t22にて、ソース側選択ゲート線SGS及びドレイン側選択ゲート線SGDの電圧は、電圧Vsgまで上げられ、選択ブロックMB内のドレイン側ダミーワード線DDWLの電圧も電圧Vsgまで上げられる。そして、時刻t23にて、選択ブロックMB内のドレイン側選択ゲート線SGDの電圧はプログラム電圧Vpgmまで上げられる。以上により、ドレイン側選択トランジスタSDTrに対する書込動作が実行される。
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明する。ここで、上記実施の形態においては、偶数番目の選択ビット線BL(2)、BL(4)に接続されたドレイン側選択トランジスタSDTrに対して書込動作を実行した後、奇数番目の選択ビット線BL(1)、BL(3)に接続されたドレイン側選択トランジスタSDTrに対して書込動作を実行する。プロセス段階でドレイン側選択トランジスタSDTrの閾値分布の大部分が所望の閾値レベルに達していれば良いが、そうでない場合、書込動作の初期段階においては殆ど全てのドレイン側選択トランジスタSDTrが書込動作の対象となる。すなわち、偶数番目又は奇数番目の選択ビット線BLがすべて書込ビット線BLとなる。したがって、書込動作の初期段階においては隣接ビット線BLの容量が大きく、非選択ビット線BLに印加するためのパス電圧Vpassの昇圧は困難となる。また、非選択ビット線BLの電圧を時間をかけてパス電圧Vpassまで充電する方法もあるが、リークによって非選択ビット線BLの電圧は上がらない可能性もある。
上記問題に対して、第3の実施の形態は、第1の実施の形態と異なる制御によってドレイン側選択トランジスタSDTrに対して書込動作を実行する。以下、図10及び図11を参照して、第3の実施の形態に係るドレイン側選択トランジスタSDTrに対する書込動作を説明する。図10は第3の実施の形態に係るドレイン側選択トランジスタSDTrに対する書込動作を示すフローチャートである。図11は第3の実施の形態に係るドレイン側選択トランジスタSDTrの閾値電圧分布の変化を示す図である。
先ず、第3の実施の形態においては、書込動作の前に、予備書込動作が実行される(図10、S101)。ここで、予備書込動作は、選択ブロックにおいて、偶数番目及び奇数番目のビット線BLに接続された全てのドレイン側選択トランジスタSDTrの閾値電圧を正方向に移動させる動作である。したがって、偶数ビット線BL又は奇数ビット線BLにパス電圧Vpassを印加することはしない。第3の実施の形態の予備書込動作において、全てのビット線BLに接地電圧Vssが印加され、ドレイン側選択ゲート線SGDにプログラム電圧Vpgmが印加される。
上記予備書込動作の後、ベリファイ動作が実行される(図10、S102)。ステップS102におけるベリファイ動作は、図11に示すように、ドレイン側選択トランジスタSDTrのいずれか一つがベリファイレベルVUに達した否か、即ちドレイン側選択トランジスタSDTrの閾値電圧分布ST2の上端がベリファイレベルVUに達したか(パス)、否か(フェイル)を判定する。このベリファイ動作によりフェイルと判定された場合(図10、S102のNo)、再びステップS101の動作が実行される。
一方、ベリファイ動作によりパスと判定された場合(図10、S102のYes)、ベリファイ動作が実行される(図10、S103)。このステップS103のベリファイ動作では、図11に示すように、ベリファイレベルVS(但し、VS<VU)未満の閾値電圧を有するドレイン側選択トランジスタSDTrが特定される。また、このステップS103においては、全てのドレイン側選択トランジスタSDTrの閾値がベリファイレベルVUよりも小さいベリファイレベルVSに達したか(パス)、否か(フェイル)を判定する。
上記ベリファイ動作(S103)によりフェイルと判定された場合(図10、S103のNo)、書込動作が実行される(図10、S104)。このステップS104の書込動作は、先の実施の形態と同様、偶数ビット線BLと奇数ビット線BLとを分ける方法により行われ、図11に示すように、ベリファイレベルVS(但し、VS<VU)未満の閾値電圧を有するドレイン側選択トランジスタSDTrに対してのみ実行され、その他のドレイン側選択トランジスタSDTrは書込禁止とされる。この後、再びステップS103が実行される。
一方、ステップS103のベリファイ動作によりパスと判定された場合(図10、S103のYes)、ドレイン側選択トランジスタSDTrに対する書込動作は完了したものとして動作は終了する。
以上のように、書込動作の前にパス電圧Vpassを使用しない予備書込動作を実行することにより、メモリアレイ11中の大部分のドレイン側選択トランジスタSDTrの閾値電圧はベリファイレベルVSに達している。そして、続く先の実施の形態と同様のベリファイ書込動作においては書込対象のドレイン側選択トランジスタSDTrの数は限定されている。したがって、パス電圧Vpassの負荷として見える実質的なビット線BLの容量は小さく抑えられ、非選択ビット線BLに印加するためのパス電圧Vpassの生成は容易となる。
なお、第3の実施の形態において、予備書込動作に対するベリファイ動作(S102)は、いずれかのドレイン側選択トランジスタSDTrが上限のベリファイレベルVUに達したときに終了する方法に代えて、図12の閾値電圧分布ST2aに示すように、下限のベリファイレベルVS′を超えるドレイン側選択トランジスタSDTrの数が所定数以上であると判定されるか否かによりパス及びフェイルを判定してもよい。続くベリファイ書込動作が、ベリファイレベルVS′以下のドレイン側選択トランジスタSDTrに対してのみ実行される点は先の実施の形態と同様である。この場合には、後半のベリファイ書込動作におけるパス電圧Vpassを印加するビット線BLの容量が予め計算できるという利点がある。
[第4の実施の形態]
次に、図13及び図14を参照して、第4の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明する。図13は第4の実施の形態に係るドレイン側選択トランジスタSDTrに対する書込動作を示すフローチャートである。図14は第4の実施の形態に係るドレイン側選択トランジスタSDTrの閾値電圧分布の変化を示す図である。第4の実施の形態は、第3の実施の形態と同様の問題を解消するためのものである。
第4の実施の形態においては、先ず、第3の実施の形態と同様にパス電圧Vpassを使用しない予備書込動作(図13、S101)、及びベリファイ動作(図13、S102)が実行される。一方、第4の実施の形態においては、続くベリファイ書込動作を、ベリファイレベルVL未満のドレイン側選択トランジスタSDTrに対する第1の書込動作と、ベリファイレベルVL〜VHのドレイン側選択トランジスタSDTrに対する第2の書込動作とに分ける(但し、VL<VH<VU)。
即ち、ステップS102の後、次のベリファイ動作、及び第1の書込動作が実行される(図13、S203、S204)。ステップS203におけるベリファイ動作は、閾値電圧がベリファイレベルVL未満のドレイン側選択トランジスタSDTrを特定する。ステップS204の第1の書込動作は、特定されたベリファイレベルVL未満の閾値電圧を有するドレイン側選択トランジスタSDTrに対してのみ実行され、その他のドレイン側選択トランジスタSDTrは書込禁止とされる。
第1の書込動作(ステップS204)が実行されたら、次のステップS205のベリファイ動作が実行される。このベリファイ動作は、図14に示すように、第1の書込動作の対象とした全てのドレイン側選択トランジスタSDTrの閾値がベリファイレベルVHに達したか(パス)否か(フェイル)を判定する。
ステップS205によりフェイルと判定された場合(図13、S205のNo)、再び第1の書込動作(図13、S204)が実行される。
一方、ステップS205によりパスと判定された場合(図13、S205のYes)、次のベリファイ動作、及び第2の書込動作が実行される(図13、S206、S207)。ステップS206におけるベリファイ動作は、閾値電圧がベリファイレベルVH未満のドレイン側選択トランジスタSDTrを特定する。ステップS207の第2の書込動作は、特定されたベリファイレベルVH未満の閾値電圧を有するドレイン側選択トランジスタSDTrに対してのみ実行され、その他のドレイン側選択トランジスタSDTrは書込禁止とされる。
第2の書込動作(ステップ207)が実行されたら、次のステップS208のベリファイ動作が実行される。このベリファイ動作は、図14に示すように、第2の書込動作の対象とした全てのドレイン側選択トランジスタSDTrの閾値がベリファイレベルVHに達したか(パス)否か(フェイル)を判定する。
ステップS208によりフェイルと判定された場合(図13、S208のNo)、再び第2の書込動作(図13、S207)が実行される。
ステップS208によりパスと判定された場合(図13、S208のYes)、ドレイン側選択トランジスタSDTrに対する書込動作は完了したものとして動作は終了する。
以上の制御により、第4の実施の形態は第3の実施の形態と同様の効果を奏する。また、第4の実施の形態は、ステップS204及びS207の書込動作により、一度に書込動作の対象とされるドレイン側選択トランジスタSDTrの数を制限する。これにより、第4の実施の形態においては、パス電圧Vpassの負荷となる実質的な隣接ビット線BLの容量を更に小さく抑えられ、非選択ビット線BLに印加するためのパス電圧Vpassの生成は第3の実施の形態よりも更に容易となる。
なお、第4の実施の形態においても、予備書込動作に対するベリファイ動作(S102)は、いずれかのドレイン側選択トランジスタSDTrが上限のベリファイレベルVUに達したときに終了する方法に代えて、図15の閾値電圧分布ST2aに示すように、下限のベリファイレベルVH′を超えるドレイン側選択トランジスタSDTrの数が所定数以上であるか否かによりパス及びフェイルを判定してもよい。続く2段階の書込動作は、先の実施の形態と同様である。
[第5の実施の形態]
次に、図16を参照して、第5の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明する。第5の実施の形態は、図16に示すように、外部電源から供給される外部電圧Vexthを降圧させてパス電圧Vpassを生成する降圧回路70を有する。降圧回路70は、pMOSトランジスタ71、抵抗72、73、及び比較器74を有する。
pMOSトランジスタ71は、外部電圧Vexthを印加されるノードN1とパス電圧Vpassを出力するノードN2との間に設けられる。抵抗72、73は直列接続され、ノードN2と接地端子N_VSSとの間に設けられる。比較器74は、抵抗72と抵抗73との間のノードN3にその非反転入力端子を接続され、その反転入力端子に参照電圧Vrefを印加される。また、比較器74の出力端子はpMOSトランジスタ71のゲートに接続される。
本実施の形態は、上記降圧回路70によりパス電圧Vpassを生成する。よって、上記第3、第4の実施の形態で説明したように、昇圧能力を考慮する必要なくパス電圧Vpassを生成できる。
[第6の実施の形態]
次に、第6の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明する。
ここで、上記第3の実施の形態の図12に示す例においては、ベリファイレベルVS′を超えるドレイン側選択トランジスタSDTrの数が所定数以上であると判定されるまで、全てのドレイン側選択トランジスタSDTrに対して同時に予備書込動作が実行される。これに対して、第6の実施の形態においては、図12のベリファイレベルVS′未満の閾値電圧を有するドレイン側選択トランジスタSDTrに対してのみ予備書込動作を実行する。一方、図12のベリファイレベルVS′を超えた閾値電圧を有するドレイン側選択トランジスタSDTrに対しては予備書込動作を抑制する。
以下、図17を参照して第6の実施の形態の予備書込動作を説明する。図17は、第6の実施の形態に係る予備書込動作を示す概略図である。図17において、ビット線BL(1),BL(4)に接続されたドレイン側選択トランジスタSDTrはベリファイレベルVS′未満の閾値電圧を有し、ビット線BL(2),BL(3)に接続されたドレイン側選択トランジスタSDTrはベリファイレベルVS′を超えた閾値電圧を有する。よって、ビット線BL(1),BL(4)は予備書込ビット線BL(1),BL(4)とされ、それらに接続されたドレイン側選択トランジスタSDTrに対して予備書込動作が実行される。ビット線BL(2),BL(3)は予備書込抑制ビット線BL(2),BL(3)とされ、それらに接続されたドレイン側選択トランジスタSDTrに対して予備書込動作は抑制される。
上記第3の実施の形態の図12に示す例における予備書込動作は、全てのビット線BLに接地電圧Vssを印加する。これに対して、第6の実施の形態における予備書込動作は、図17に示すように、予備書込ビット線BL(1),BL(4)に接地電圧Vssを印加し、予備書込抑制ビット線BL(2),BL(3)に電源電圧Vddを印加する。なお、ソース線SLは電源電圧Vddを印加され、その他の配線は第1の実施の形態の書込動作と同様の電圧を印加される。
以上、図17に示す制御において予備書込抑制ビット線BL(2),BL(3)の電圧は電源電圧Vddまでしか上げられないため、それらに接続されたドレイン側選択トランジスタSDTrに対しては十分に書込動作を禁止させることはできず、そのドレイン側選択トランジスタSDTrの閾値電圧は正方向に移動する。しかしながら、予備書込ビット線BL(1),BL(4)に接続されたドレイン側選択トランジスタSDTrよりも、予備書込抑制ビット線BL(2),BL(3)に接続されたドレイン側選択トランジスタSDTrの閾値電圧の移動は抑制される。したがって、第6の実施の形態において、予備書込動作によるドレイン側選択トランジスタSDTrの閾値電圧分布の幅は第3の実施の形態よりも狭くできる。また、予備書込動作後の書込動作時にその対象となるドレイン側選択トランジスタSDTrの数を低減できるので、第3の実施の形態で説明したパス電圧Vpassに係る問題を改善できる。なお、第6の実施の形態の予備書込動作は、第4の実施の形態にも適用できる。
[第7の実施の形態]
次に、図18を参照して、第7の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明する。図18は第7の実施の形態に係るドレイン側選択トランジスタSDTrの書込動作時における各種信号のタイミングチャートである。
ここで、上記第1の実施の形態において、信号BLBIAS、ソース線SLの電圧、ワード線WL1〜WL8の電圧及びバックゲート線BGの電圧は、時刻t14にて、パス電圧Vpassまで一度に上げられる(図7参照)。これに対して、第7の実施の形態においては、図18に示すように、信号BLBIAS、ソース線SLの電圧、ワード線WL1〜WL8の電圧及びバックゲート線BGの電圧は、時刻t14にて電源端子により電源電圧Vddまで上げられた後、時刻t14aにて昇圧回路によりパス電圧Vpassまで上げられる。
以上図18に示す制御によって、第7の実施の形態においては、パス電圧Vpassに上げるまでに昇圧回路によって供給しなければいけない電荷量が第1の実施の形態よりも減り(Q=CVでVが小さくなる)、昇圧回路の負荷を減らすことができる。
[その他の実施の形態]
本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、選択ビット線BLと非選択ビット線BLを交互に設定したが、選択ビット線BLの両隣が必ず非選択ビット線BLとなるようにすれば、選択ビット線BLがn本おき(nは2以上の整数)に配置されていても良い。要は、選択ビット線及び非選択ビット線が空間上に規則的に配置されるようにすれば、非選択ビット線にパス電圧Vpassを印加する回路は、少ない面積で構成することができる。
また、上述したドレイン側選択トランジスタSDTrに対する書込動作を正確に実行するためには、ソース側選択トランジスタSSTrの閾値電圧が問題となる。よって、第1の実施の形態において、ソース側選択トランジスタSSTrが負の閾値電圧を有する場合、メモリアレイ11中の全てのソース側選択トランジスタSSTrに対して書込動作を実行して、それらの閾値電圧を正の閾値電圧に調整する。これにより、ドレイン側選択トランジスタSDTrに対する書込動作において、ソース側選択トランジスタSSTrは非導通状態に保持される。
また、第1の実施の形態において、ソース側選択トランジスタSSTrが負の閾値電圧を有する場合、書込ビット線BLの電圧を、接地電圧Vssではなく正の電圧Vbllに設定する。これにより、ソース側選択トランジスタSSTrのソースの電圧が電圧Vbllとなり、ゲート−ソース間電圧を負にできる。したがって、ドレイン側選択トランジスタSDTrに対する書込動作において、ソース側選択トランジスタSSTrは非導通状態に保持される。
また、第2の実施の形態においてドレイン側選択トランジスタSDTrに対する書込動作を正確に実行するためには、ソース側選択トランジスタSSTrと同様にソース側ダミートランジスタSDMTr及びドレイン側ダミートランジスタDDMTrの閾値電圧が問題となる。よって、第2の実施の形態において、ソース側ダミートランジスタSDMTr及びドレイン側ダミートランジスタDDMTrが負の閾値電圧を有する場合、メモリアレイ11中の全てのソース側ダミートランジスタSDMTr及びドレイン側ダミートランジスタDDMTrに対して書込動作を実行して、それらの閾値電圧を正の閾値電圧に調整する。
また、上記各実施の形態では、積層型NANDフラッシュメモリを例示したが、3次元構造を持たない通常のNANDフラッシュメモリにも本発明は適用可能であることは言うまでも無い。
また、上記実施の形態ではロウ方向からみてU状に形成されたチャネルを有するメモリストリングMSを一例として説明したが、本実施の形態はロウ方向及びカラム方向からみてI字状に形成されたチャネルを有するメモリストリングMSにも適用可能である。
11…メモリアレイ、 12…ロウデコーダ、 13…センス回路、 14…カラムデコーダ、 15…制御回路、 MB…ブロック、 MU…メモリユニット、 MS…メモリストリング、 MTr1〜MTr8…メモリトランジスタ、 SSTr…ソース側選択トランジスタ、 SDTr…ドレイン側選択トランジスタ、 BTr…バックゲートトランジスタ。

Claims (10)

  1. 電気的に書き換え可能な複数のメモリトランジスタを直列接続してなる複数のメモリストリングと、
    前記複数のメモリストリングの各第1の端部側に一端がそれぞれ接続され且つ書込動作により閾値電圧を調整可能に構成された複数のドレイン側選択トランジスタと、
    前記複数のメモリストリングに対応させて互いに平行に配置され前記複数のドレイン側選択トランジスタの各他端にそれぞれ接続された複数のビット線と、
    前記複数のドレイン側選択トランジスタのゲートを共通接続するドレイン側選択ゲート線と、
    前記複数のメモリストリングの各第2の端部側に一端がそれぞれ接続された複数のソース側選択トランジスタと、
    複数の前記ソース側選択トランジスタの他端を共通接続するソース線と、
    前記複数のドレイン側選択トランジスタの各一端と前記複数のメモリストリングの前記各第1の端部との間にそれぞれ設けられた複数のドレイン側ダミートランジスタと、
    前記複数のドレイン側ダミートランジスタのゲートを共通接続するドレイン側ダミーワード線と、
    前記複数のソース側選択トランジスタの各一端と前記複数のメモリストリングの前記各第2の端部との間にそれぞれ設けられた複数のソース側ダミートランジスタと、
    前記複数のソース側ダミートランジスタのゲートを共通接続するソース側ダミーワード線と、
    前記複数のビット線及び前記ドレイン側選択ゲート線に所定の電圧を印加することにより前記ドレイン側選択トランジスタに対して前記書込動作を実行する制御回路とを備え、
    前記メモリストリングは、
    基板に対して垂直方向に延びる柱状部を含み、前記メモリトランジスタのボディとして機能する第1半導体層と、
    前記柱状部の側面に電荷を蓄積可能に構成された第1電荷蓄積層と、
    前記第1電荷蓄積層を介して前記柱状部の側面に前記メモリトランジスタのゲートとして機能する第1導電層とを備え、
    前記ドレイン側選択トランジスタは、
    前記基板に対して垂直方向に延び、前記ドレイン側選択トランジスタのボディとして機能する第2半導体層と、
    前記第2半導体層の側面に電荷を蓄積可能に構成された第2電荷蓄積層と、
    前記第2電荷蓄積層を介して前記第2半導体層の側面に前記ドレイン側選択トランジスタのゲートとして機能する第2導電層とを備え、
    前記制御回路は、前記書込動作時、前記複数のビット線を、選択ビット線の両隣が非選択ビット線となるように設定し、前記選択ビット線に含まれる書込ビット線に第1電圧を印加し且つ前記選択ビット線に含まれる書込禁止ビット線に第1電圧よりも高い第2電圧を印加した後に前記非選択ビット線に前記第2電圧よりも高い第3電圧を印加し、前記書込禁止ビット線の電圧を上げる一方前記書込ビット線を前記第1電圧に保持し、次に前記ドレイン側選択ゲート線に前記ドレイン側選択トランジスタの書込動作に必要な第4電圧を印加し、
    前記制御回路は、前記書込動作時、前記ソース線の電圧を前記第3電圧まで上げ、
    前記制御回路は、前記書込動作時、前記ドレイン側ダミーワード線に前記第1電圧より大きく前記第3電圧より小さい第5電圧を印加し、
    前記制御回路は、前記書込動作時、前記ソース側選択ゲート線に前記第5電圧を印加し、前記ソース側ダミーワード線に前記第1電圧を印加し、
    前記制御回路は、
    前記書込動作の前に、所定数の前記ドレイン側選択トランジスタの閾値電圧が所定レベルを超えるまで、前記ドレイン側選択トランジスタの閾値電圧を正方向に移動させる予備書込動作を実行し、
    前記予備書込動作において、前記所定レベル未満の閾値電圧を有するドレイン側選択トランジスタに接続されたビット線を予備書込ビット線とし、前記所定レベルを超えた閾値電圧を有するドレイン側選択トランジスタに接続されたビット線を予備書込抑制ビット線とし、前記予備書込ビット線に前記第1電圧を印加し、前記予備書込抑制ビット線に前記第2電圧を印加し、前記ドレイン側選択ゲート線に前記第4電圧を印加し、
    前記制御回路は、前記予備書込動作の後、前記閾値電圧が前記下限レベルに達していない前記ドレイン側選択トランジスタを前記閾値電圧の大きさに応じて分類し、分類毎に前記ドレイン側選択トランジスタに対する前記書込動作を実行する
    ことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  2. 電気的に書き換え可能な複数のメモリトランジスタを直列接続してなる複数のメモリストリングと、
    前記複数のメモリストリングの各第1の端部側に一端がそれぞれ接続され且つ書込動作により閾値電圧を調整可能に構成された複数のドレイン側選択トランジスタと、
    前記複数のメモリストリングに対応させて互いに平行に配置され前記複数のドレイン側選択トランジスタの各他端にそれぞれ接続された複数のビット線と、
    前記複数のドレイン側選択トランジスタのゲートを共通接続するドレイン側選択ゲート線と、
    前記複数のビット線及び前記ドレイン側選択ゲート線に所定の電圧を印加することにより前記ドレイン側選択トランジスタに対して前記書込動作を実行する制御回路とを備え、
    前記制御回路は、前記書込動作時、前記複数のビット線を、選択ビット線の両隣が非選択ビット線となるように設定し、前記選択ビット線に含まれる書込ビット線に第1電圧を印加し且つ前記選択ビット線に含まれる書込禁止ビット線に第1電圧よりも高い第2電圧を印加した後に前記非選択ビット線に前記第2電圧よりも高い第3電圧を印加し、前記書込禁止ビット線の電圧を上げる一方前記書込ビット線を前記第1電圧に保持し、次に前記ドレイン側選択ゲート線に前記ドレイン側選択トランジスタの書込動作に必要な第4電圧を印加する
    ことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  3. 前記複数のメモリストリングの各第2の端部側に一端がそれぞれ接続された複数のソース側選択トランジスタと、
    複数の前記ソース側選択トランジスタの他端を共通接続するソース線とを備え、
    前記制御回路は、前記書込動作時、前記ソース線の電圧を前記第3電圧まで上げる
    ことを特徴とする請求項2記載の不揮発性半導体記憶装置。
  4. 前記複数のドレイン側選択トランジスタの各一端と前記複数のメモリストリングの前記各第1の端部との間にそれぞれ設けられた複数のドレイン側ダミートランジスタと、
    前記複数のドレイン側ダミートランジスタのゲートを共通接続するドレイン側ダミーワード線とを備え、
    前記制御回路は、前記書込動作時、前記ドレイン側ダミーワード線に前記第1電圧より大きく前記第3電圧より小さい第5電圧を印加する
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の不揮発性半導体記憶装置。
  5. 前記複数のソース側選択トランジスタの各一端と前記複数のメモリストリングの前記各第2の端部との間にそれぞれ設けられた複数のソース側ダミートランジスタと、
    前記複数のソース側ダミートランジスタのゲートを共通接続するソース側ダミーワード線とを備え、
    前記制御回路は、前記書込動作時、前記ソース側選択ゲート線に前記第1電圧より大きく前記第3電圧より小さい第5電圧を印加し、前記ソース側ダミーワード線に前記第1電圧を印加する
    ことを特徴とする請求項3記載の不揮発性半導体記憶装置。
  6. 前記制御回路は、
    前記書込動作の前に、前記ビット線に前記第1電圧を印加し、前記ドレイン側選択ゲート線に前記第4電圧を印加することにより、前記複数のドレイン側選択トランジスタのいずれかの閾値電圧が上限レベルに達するか、又は所定数の前記ドレイン側選択トランジスタの閾値電圧が下限レベルを超えるまで、前記ドレイン側選択トランジスタの閾値電圧を正方向に移動させる予備書込動作を実行する
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項5いずれか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  7. 前記制御回路は、
    前記書込動作の前に、所定数の前記ドレイン側選択トランジスタの閾値電圧が所定レベルを超えるまで、前記ドレイン側選択トランジスタの閾値電圧を正方向に移動させる予備書込動作を実行し、
    前記予備書込動作において、前記所定レベル未満の閾値電圧を有するドレイン側選択トランジスタに接続されたビット線を予備書込ビット線とし、前記所定レベルを超えた閾値電圧を有するドレイン側選択トランジスタに接続されたビット線を予備書込抑制ビット線とし、前記予備書込ビット線に前記第1電圧を印加し、前記予備書込抑制ビット線に前記第2電圧を印加し、前記ドレイン側選択ゲート線に前記第4電圧を印加する
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項5いずれか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  8. 前記制御回路は、前記予備書込動作の後、前記閾値電圧が前記下限レベルに達していない前記ドレイン側選択トランジスタを前記閾値電圧の大きさに応じて分類し、分類毎に前記ドレイン側選択トランジスタに対する前記書込動作を実行する
    ことを特徴とする請求項6又は請求項7記載の不揮発性半導体記憶装置。
  9. 前記制御回路は、外部電圧を降圧させて前記第3電圧を生成する降圧回路を備える
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項5いずれか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  10. 前記メモリストリングは、
    基板に対して垂直方向に延びる柱状部を含み、前記メモリトランジスタのボディとして機能する第1半導体層と、
    前記柱状部の側面に電荷を蓄積可能に構成された第1電荷蓄積層と、
    前記第1電荷蓄積層を介して前記柱状部の側面に前記メモリトランジスタのゲートとして機能する第1導電層とを備え、
    前記ドレイン側選択トランジスタは、
    前記基板に対して垂直方向に延び、前記ドレイン側選択トランジスタのボディとして機能する第2半導体層と、
    前記第2半導体層の側面に電荷を蓄積可能に構成された第2電荷蓄積層と、
    前記第2電荷蓄積層を介して前記第2半導体層の側面に前記ドレイン側選択トランジスタのゲートとして機能する第2導電層とを備える
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項9いずれか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
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