JP2014001882A - 熱交換器および空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】扁平管2は軸方向の端部側で曲げられ、少なくとも2段以上の扁平管2で1つの冷媒流路が構成され、扁平管2内の冷媒流路の短軸方向の長さをA、長軸方向の長さをBとした場合、1.5≦A/B≦2.1なる関係を満たすものである。
【選択図】図1
Description
このため、例えば扁平管をU字状(ヘアピン状)に曲げて扁平管の軸方向の片側に接続配管等を集中させる構成など、1つのパスを複数段の扁平管で構成してパス数を少なくした場合には、圧力損失が大きくなるという問題点があった。
また、管内熱伝達率の向上を図り、熱交換器の処理能力を向上することができる熱交換器および空気調和機を得るものである。
図1は、本発明の実施の形態1に係る熱交換器の断面図である。
図1に示すように、熱交換器は、板状フィン1と、扁平管2とを備えている。この熱交換器は、例えば空気調和機の室外機に搭載され、熱交換器を通過する空気等の流体と扁平管2内を流通する冷媒(媒体)とを熱交換するものである。
扁平管2は、例えば、短軸方向の外径である短軸径DAが3.5mm、長軸方向の外径である長軸径DBが15mm、冷媒流路の短軸方向の長さである短軸方向管内長さAが3.1mm、冷媒流路の長軸方向の長さである長軸方向管内長さBが1.5mmである。
扁平管2は、段方向の配置間隔であるピッチDpが15.3mmで配置されている。
また板状フィン1の流体の流通方向の幅Lは17.7mmとなっている。また、扁平管2の外壁および内部隔壁肉厚は0.45mmとなっている。
なお、これらの寸法は一例であり本発明はこれに限られるものではなく、後述する寸法の条件を満たす形状であればよい。
図3は、本発明の実施の形態1に係る熱交換器のヘアピン側の外観図である。
図4は、本発明の実施の形態1に係る扁平管の外観図である。
図2に示すように、熱交換器の一方の端部側(配管側)は、扁平管2と円管とを繋ぐジョイント3が接続されている。そして、上流側の列のジョイント3と下流側の列のジョイント3とがUベンド4により接続されている。
また、熱交換器の他方の端部側(ヘアピン側)は、図3、図4に示すように、扁平管2が軸方向の端部側で例えばU字状に曲げられたヘアピン形状を有している。すなわち、1つの冷媒流路(パス)が2段の扁平管2で構成されている。
なお、ここでは扁平管2をU字状に曲げた場合を説明するが本発明はこれに限るものではない。扁平管2の軸方向の端部を、他の段の扁平管2と接続するようにしても良い。
図5の例では、熱交換器を空気調和機の室外機に用い、R410Aの冷媒を用いた場合の扁平管内形状とパス数/段数の関係を示している。
なお、必要なパス数は、熱交換器が蒸発器として用いられる場合の管内圧力損失が所定値(一定)となるように定められる。
図5に示されるように、A/Bが2.1を超えるとパス数/段数が0.5を超える。すなわち、A/Bが2.1を超えると、必要なパス数が段数の1/2以上となるため、A/Bは2以下である必要がある。
図6の例では、熱交換器を空気調和機の室外機に用い、R410Aの冷媒を用いた場合の扁平管内形状と耐圧/必要耐圧(=約21MPa)の関係を示している。
図6に示されるように、A/Bが1.5を下回ると、耐圧/必要耐圧は1を下回る。すなわち、A/Bが1.5を下回ると、耐圧が必要耐圧を下回るため、A/Bは1.5以上とする必要がある。
このため、1.5≦A/B≦2.1の関係を満たす必要がある。
図7の例では、A/B=3.1mm/1.5mmで固定し、短軸径DAを変化させた時の特性を示している。
図7に示されるように、DAを小さくすると流体相当直径が小さくなり、管内圧力損失が大きくなり、必要なパス数が大きくなる。3.6≦DAにおいてパス数/段数が0.5以下となる。
図8の例では、扁平管2の外壁および内部隔壁の肉厚を所定値(一定)として長軸径DBおよびA/Bを固定し、DAの変化に応じて冷媒流路穴数を変化させた時のDB/DAの特性を示している。つまり、DB/DAが大きく扁平率が大きい場合には冷媒流路穴数を多くしてA/Bを一定とし、DB/DAが小さく扁平率が小さい場合には冷媒流路穴数を少なくしてA/Bを一定としている。
なお、DBは板状フィン1の幅Lにより制約されるため、L>DBを満たす必要がある。
図8に示されるように、DB/DAが大きくなると、扁平率が増加し冷媒流路穴数が増える。一方で、流体相当直径が小さくなり、管内圧力損失が増加し、必要なパス数は増加する。DB/DAは4.3を超えるとパス数/段数が0.5を超えるため、DB/DA≦4.3となる必要がある。
また、DB/DAが1未満とすると、扁平管2の流体の流通方向の幅が段方向よりも短くなり、扁平形状の長軸を流体の流通方向とすることによる効果(例えば円管熱交換器と比べて投影断面積が小さく、通風抵抗が小さいという効果)を得ることができないため、1<DB/DAとなる必要がある。
このため、1<DB/DA≦4.2の関係を満たす必要がある。
図9に示すように、扁平管2は、内部に複数の隔壁2aが設けられ、扁平形状の長軸方向に並ぶ複数の冷媒流路が形成されている。
この複数の媒体流路のうち、長軸方向の端部に形成された冷媒流路(以下、端部の流路5という)は、当該扁平管2の端部形状に対応して内壁面が湾曲した曲部(R部)が形成されている。R部は、例えば半円形状を有しており、図9に示すようにR部の中心7は、端部の流路5の内部に位置している。
また、複数の媒体流路のうち、端部以外の他の冷媒流路であって隔壁2aと扁平管2の壁面(略直線)とによって冷媒流路(以下、その他の流路6という)が形成されている。
そして、端部の流路5の長軸方向管内長さB(長軸方向の長さの最大値)と、その他の流路の長軸方向管内長さBとが、略同等となるように形成されている。
このように、長軸方向管内長さBを揃え、各流路の断面積を概ね同等とすることで、押し出し成形の安定性を保つことができる。また、概ね流路断面を同等とすることで、冷媒流量の偏りを抑えることができ、熱交換器処理能力が向上する。
図10に示すように、端部の流路5の、R部の内壁面および隔壁2aには、軸方向に延びる複数の溝8が形成されている。また、その他の流路6の、内壁面および隔壁2aには、軸方向に延びる複数の溝9が形成されている。
端部の流路5のR部に形成された溝8の間隔W1は、その他の流路6の、隔壁2aに形成された溝9の間隔W2、および、内壁面に形成された溝9の間隔W3よりも小さく設定している。例えば、間隔W2とW3とを同じ長さとして、W1<W2=W3の関係を満たしている。
これにより、端部の流路5のR部に付設される溝8は、外壁が直接空気と接触し、熱流束がその他の部分よりも大きいため、溝数を大きくすることにより、冷媒の相変化を促進することができ、管内熱伝達率は向上する。
これは、根元R部10に溝8、9を設けるのに困難を伴うのと、根元R部10には液冷媒が表面張力により集中するため、管軸方向への排液性を向上させ、溝部の液膜厚さを低減し、管内熱伝達率を向上させるためである。
図11の例では、Aを固定した状態で溝高さhを変化させた時のh/Aの特性を示している。
図11に示されるように、溝高さhを大きくしてh/Aを大きくすると、伝熱面積が増加し、ベア(溝無し)管に対する管内熱伝達率は向上する。しかし、h/Aが増加するのに従い溝8、9のフィン効率が低下し、管内熱伝達率の増加量は小さくなる。例えば、h/Aが0.1以上になると管内熱伝達率の増加量は小さくなる。
図12の例では、Aを固定した状態で溝高さhを変化させた時のh/Aの特性を示している。
図12に示されるように、溝高さhを大きくしh/Aを増加させると、流路断面積の低下と形状抵抗により、管内圧力損失が増加して必要なパス数が増加する。h/Aが0.1以上ではパス数/段数が0.5を超えるため、h/A<0.1とする必要がある。
また、溝高さはh/Aが0.015以下では、押し出し成形不可能となる。
このため、0.015<h/A<0.1の関係を満たす必要がある。
熱交換器が空気調和機の凝縮器として用いられる場合、図13に示すように、W/hが大きい状態から、W/hを小さくしていくと、溝数が増え、伝熱面積が増加して管内熱伝達率が増加する。例えばW/hが2.6以下では、管外熱伝達率が最大値の2%以上となる。
一方、W/hをさらに小さくしていくと、管内熱伝達率が低下する。これは、W/hを小さくし過ぎると、溝間に液冷媒を溜め込む容積が無くなり、溝頂部にまで液冷媒で満たされるため、ガス冷媒と溝が直接接することが無くなることによる。例えばW/hが2を下回ると、管外熱伝達率の最大値の2%未満となる。なお、凝縮管内熱伝達率は液膜の厚さに反比例するため、ガス冷媒と直接接触する部分が最も大きい。
このため、2≦W/h≦2.6の関係を満たすと、管外熱伝達率を最大値の2%以内とすることができる。
図14は、本発明の実施の形態2に係る熱交換器を用いた空気調和機の冷媒回路図である。
図14に示す冷媒回路は、圧縮機33、凝縮熱交換器34、絞り装置35、蒸発熱交換器36により構成されている。また、凝縮熱交換器34と蒸発熱交換器36には、空気を送風する送風機37と、この送風機37を回転駆動する送風機用モータ38とが設けられている。
上記実施の形態1による熱交換器を、凝縮熱交換器34または蒸発熱交換器36、もしくは両方に用いることにより、エネルギー効率の高い空気調和機を実現することができる。
ここで、エネルギー効率は、次式で構成されるものである。
暖房エネルギー効率=室内熱交換器(凝縮器)能力/全入力
冷房エネルギー効率=室内熱交換器(蒸発器)能力/全入力
Claims (9)
- 所定の間隔で複数配置されその間を流体が流れる複数の板状フィンと、
扁平形状の長軸の向きが前記流体の流通方向を向き、該流通方向に対して直交する段方向に間隔を空けて複数配置され、前記流体と熱交換する媒体が流れる複数の扁平管と、
を備え、
前記扁平管は、軸方向の端部側で曲げられ、または、他の段の前記扁平管と接続され、
少なくとも2段以上の前記扁平管で1つの媒体流路が構成され、
前記扁平管内の媒体流路の短軸方向の長さをA、長軸方向の長さをBとした場合、
1.5≦A/B≦2.1
なる関係を満たす
ことを特徴とする熱交換器。 - 前記扁平管の短軸方向の外径をDA、長軸方向の外径をDBとし、前記板状フィンの前記流体の流通方向の幅をLとした場合、
3.6mm≦DA、
L>DB、
且つ、
1<DB/DA≦4.3
なる関係を満たす
ことを特徴とする請求項1記載の熱交換器。 - 前記扁平管は、
内部に複数の隔壁が設けられ、扁平形状の長軸方向に並ぶ複数の媒体流路が形成され、
前記複数の媒体流路のうち長軸方向の端部に形成された媒体流路は、当該扁平管の端部形状に対応して内壁面が湾曲した曲部が形成され、
前記複数の媒体流路のうち長軸方向の端部に形成された媒体流路の、長軸方向の長さの最大値と、
前記複数の媒体流路のうち他の媒体流路の長軸方向の長さとが、略同等である
ことを特徴とする請求項1または2記載の熱交換器。 - 前記扁平管は、
内壁面及び前記隔壁に、軸方向に延びる複数の溝が形成され、
前記複数の媒体流路のうち長軸方向の端部に形成された媒体流路の、前記曲部に形成された前記溝の間隔が、
前記複数の媒体流路のうち他の媒体流路の、前記内壁面及び前記隔壁に形成された前記溝の間隔より小さい
ことを特徴とする請求項3記載の熱交換器。 - 前記扁平管は、
前記内壁面と前記隔壁との接続部分が湾曲した根元曲部が形成され、
前記内壁面及び前記隔壁の前記根元曲部以外の部分に、前記溝が形成された
ことを特徴とする請求項4記載の熱交換器。 - 前記扁平管は、
前記媒体流路の短軸方向の長さをA、前記溝の高さをhとした場合、
0.015<h/A<0.1
なる関係を満たす
ことを特徴とする請求項4または5記載の熱交換器。 - 前記扁平管は、
前記溝の間隔をW、前記溝の高さをhとした場合、
2≦W/h≦2.6
なる関係を満たす
ことを特徴とする請求項4〜6の何れか一項に記載の熱交換器。 - 圧縮機、凝縮器、膨張手段、及び蒸発器を順次配管で接続し冷媒を循環させる冷媒回路を備え、
前記凝縮器及び前記蒸発器の少なくとも一方に、請求項1〜7の何れか一項に記載の熱交換器を用いた
ことを特徴とする空気調和機。 - 前記冷媒としてR410AまたはR32を用いる
ことを特徴とする請求項8記載の空気調和機。
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