JP2014001170A - 分泌型IgA誘導剤、及びその分泌型IgA誘導剤を含む飲食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】分泌型IgAの産生量を増加させる効果を有する新規な分泌型IgA産生誘導剤を提供すること。
【解決手段】本発明の分泌型IgA産生誘導剤は、アホエンを有効成分とすることを特徴とする。前記アホエンはニンニクから抽出されると好ましい。本発明の飲食品は、上記の分泌型IgA産生誘導剤を含むことを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の分泌型IgA産生誘導剤は、アホエンを有効成分とすることを特徴とする。前記アホエンはニンニクから抽出されると好ましい。本発明の飲食品は、上記の分泌型IgA産生誘導剤を含むことを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、分泌型IgA誘導剤、及びその分泌型IgA誘導剤を含む飲食品に関する。
人類は食物を通して、多種多様な抗原やウイルスなどを体内へ取り入れている。体内に取り入れられた抗原やウイルスは、様々な感染症、炎症性腸疾患、あるいはアレルギー疾患を引き起こす原因になる。様々な感染症や疾患を防ぐために、人類は腸管に達した各種抗原やウイルスなどが体内に取り込まれるのを防御する機構を備えている。防御する機構は腸管免疫と呼ばれる。腸管免疫は、腸管粘膜表面に点在するパイエル板(Payer’s patch)から分泌された分泌型IgAが、抗原やウイルスを捕捉して、糞便として体外へ排出することによって生体内へ抗原やウイルスが侵入することを防ぐ機構である。この機構において、分泌型IgAが、腸管粘膜等の粘膜面に十分に産生誘導されていると腸管免疫はより活性化されることになる。
分泌型IgAの産生誘導作用のあるものとして、例えば、特開2003−155249号公報には、シイタケ菌糸体抽出物を含むIgA産生促進剤が報告されている(特許文献1)。また、特開2012−25691号公報には、ごぼう由来抽出物を有効成分とするIgA産生促進剤が報告されている(特許文献2)。また、特開2012−87102号公報には、大豆などの穀物をテンペ菌により発酵させて得られた組成物であるテンペを有効成分として含有するIgA産生促進剤が報告されている(特許文献3)。特許文献1〜特許文献3のIgA産生促進剤を、それぞれラットに投与することによって、ラットの糞中の分泌型IgA量が増加することが示されている。
従来、特許文献1〜特許文献3に記載のIgA産生促進剤のような種々のIgA産生促進剤が報告されている。しかしながら、抗原やウイルスを起因とした様々な感染症や疾患は、近年益々増加しており、これら感染症や疾患を防ぐためには、従来のIgA産生促進剤とは別に、分泌型IgAの産生量を増加させる効果を有する新規な分泌型IgA産生誘導剤の開発が依然として望まれていた。本発明は、分泌型IgAの産生量を増加させる効果を有する新規な分泌型IgA産生誘導剤を提供することを目的とする。
本発明の分泌型IgA産生誘導剤は、アホエンを有効成分とすることを特徴とする。
本発明の分泌型IgA産生誘導剤は、アホエンを有効成分とすることによって、分泌型IgAの産生量を高くする効果を奏する。
本発明の分泌型IgA産生誘導剤は、アホエンを有効成分とすることによって、分泌型IgAの産生量を高くする効果を奏する。
さらに、発明者の知る限りではアホエンの副作用についての報告例もないことから、アホエンは、人体への安全性が高い物質である。したがって、本発明の分泌型IgA産生誘導剤を長期的に連続して使用しても人体への安全性が高く、副作用の心配をせず使用することができる。
アホエン(Ajoene)は、[E,Z]‐4,5,9‐トリチアドデカ‐1,6,11−トリエン‐9‐オキシド([E,Z]‐4,5,9‐trithiadodeca‐1,6,11‐triene‐9‐oxide)のことである。アホエンには、シス型(Z−アホエン)とトランス型(E−アホエン)の2つの幾何異性体が存在する。本発明の分泌型IgA産生誘導剤には、シス型又はトランス型のアホエンを使用しても良いし、シス型及びトランス型のアホエンの混合物を使用しても良い。また、アホエンは天然物から公知の方法を利用して得られたアホエンであってもよいし、化学合成等によって合成されたアホエンであってもよい。
本発明の分泌型IgA産生誘導剤は、アホエンを有効成分とするものであれば、具体的な形態については特に限定されない。例えば、アホエンのみを単独の成分とするものであってもよく、賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤沢剤、コーティング剤等を含有させてもよい。他にも、希釈剤、緩衝剤、懸濁剤、乳化剤等、医薬品の製造技術分野において通常使用しうる添加剤を含有させてもよい。また、必要に応じて他の薬剤を調合してもよい。
賦形剤としては、特に限定されないが、例えば、白糖、乳糖、マンニトール、グルコース等の糖類、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン等のデンプン類、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等の無機物、結晶セルロース、蒸留水、精製水、ゴマ油、ダイズ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油等を挙げることができる。
結合剤としては、特に限定されないが、例えば、キトサン、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、グアーガム、アラビアゴム、寒天等の多糖類、トラガント、ゼラチン、グルテン等の天然高分子類、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、酢酸ビニル樹脂等の合成高分子等を挙げることができる。
崩壊剤としては、特に限定されないが、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、部分α化デンプン等のデンプン類等を挙げることができる。
潤沢剤としては、特に限定されないが、例えば、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、コロイダルシリカ、含水二酸化ケイ素、ワックス類、硬化油等を挙げることができる。
コーティング剤としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルアミノエチルメタアクリレート・メタアクリル酸共重合体、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アクリル酸エチル・メタアクリル酸共重合体、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体、エチルセルロース等の水不溶性高分子、メタアクリル酸・アクリル酸エチル共重合体、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート等の腸溶性高分子、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等の水溶性高分子等を挙げることができる。
また、投与形態は限定されることはなく、例えば、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、シロップ剤などの形態で経口投与されるものであってもよいし、注射剤等の非経口投与されるものであってもよい。
本発明の分泌型IgA産生誘導剤において、アホエンはニンニクから抽出されると好ましい。
アホエンがニンニクから抽出されることにより、本発明の分泌型IgA産生誘導剤は、分泌型IgAの産生量を一層高くする効果を奏する。
アホエンがニンニクから抽出されることにより、本発明の分泌型IgA産生誘導剤は、分泌型IgAの産生量を一層高くする効果を奏する。
さらに、アホエンがニンニクから抽出される場合には、ニンニクが長年食料として使用されていることから、長期的に連続して使用しても人体への安全性が一層高い。したがって、本発明の分泌型IgA産生誘導剤を副作用の心配をせず使用することができる。
アホエンは、ニンニクから公知の方法を使用して抽出することができる。例えば、特許第2680252号に記載と同様の方法を使用して、ニンニクからアホエンを含有した油溶性成分を得た後、物質の精製に一般的に用いられる液体分配や液体クロマトグラフィーなどの公知の方法を使用して油溶性成分からアホエンを抽出することができる。また、特公平6−43323に記載と同様の方法を使用して、ニンニクをアルコール等の有機溶媒中において酸性加温条件下で加工することによって、アホエンを生成蓄積したニンニク組成物を得た後、物質の精製に一般的に用いられる液体分配や液体クロマトグラフィーなどの公知の方法を使用してニンニク組成物からアホエンを抽出することができる。
なお、アホエンをニンニクから抽出する際に、液体分配や液体クロマトグラフィーなどによる精製過程は必須ではない。また、本発明の分泌型IgA産生誘導剤は、アホエンをニンニクから抽出する際に得られたアホエン以外の成分を不純物として含んでいてもよい。
本発明の飲食品は、上記記載の分泌型IgA産生誘導剤を含むことを特徴とする。
このような飲食品には、上記記載の分泌型IgA産生誘導剤が含まれている。したがって、このような飲食品は、分泌型IgAの産生量を高くする効果が高い。また、ニンニクから抽出されたアホエンを使用する場合には、安全性を一層高くすることができる。
このような飲食品には、上記記載の分泌型IgA産生誘導剤が含まれている。したがって、このような飲食品は、分泌型IgAの産生量を高くする効果が高い。また、ニンニクから抽出されたアホエンを使用する場合には、安全性を一層高くすることができる。
飲食品としては、上記記載の分泌型IgA産生誘導剤を直接任意の食品に加えた物や、香料等の添加剤と混合して、粉末状、顆粒状、塊状等の任意の形態の固形食品や飲料食品とした物等が挙げられる。
また、任意の賦形剤、結合剤、希釈剤等を混合して、例えば粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、飲料等の任意の形態の健康食品とした物等も挙げられる。
次に、本発明の実施形態について一例を挙げて説明する。但し、本発明はこれら実施形態になんら限定されるものではない。
1.分泌型IgA産生誘導剤の製造
アホエンは公知の方法(特許2680252号)に従って調製した。まず、生ニンニク(ホワイト6片)1kgに水300gを加え、フードプロセッサー(Cuisinart社製、DLC−X PLUS型)を用いて粉砕し、ナイロンろ過布を使用して手で絞り、800gの搾汁を得た。これに中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)(日清オイリオ製、スコレー)800gを加えて、ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製、M型)を用いて混合し、その後、37℃にて24時間保持し、アホエン含有油脂を得た。
1.分泌型IgA産生誘導剤の製造
アホエンは公知の方法(特許2680252号)に従って調製した。まず、生ニンニク(ホワイト6片)1kgに水300gを加え、フードプロセッサー(Cuisinart社製、DLC−X PLUS型)を用いて粉砕し、ナイロンろ過布を使用して手で絞り、800gの搾汁を得た。これに中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)(日清オイリオ製、スコレー)800gを加えて、ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製、M型)を用いて混合し、その後、37℃にて24時間保持し、アホエン含有油脂を得た。
このアホエン含有油脂から、シリカゲルクロマトグラフィーを用いて次に記載のように分離・精製することによってアホエンを得た。アホエン含有油脂を遠心分離(5000rpm、10分)して沈殿物を除き、上清をシリカゲル(Wakogel Q63)カラム(50×3cm)を使用して各成分に分離することによって、400mgのアホエンを抽出した。
得られたアホエンをHPLC(High Performance Liquid Chromatography、高速液体クロマトグラフィー)で分析した。測定条件は以下に示す通りである。
測定機器:UV−VIS検出器:SPD―6A((株)島津製作所),カラムオーブン:CTO−6A((株)島津製作所),ポンプ:LC−6A((株)島津製作所),カラム:SUPELCOSIL LC−Si 内径4.6mm×長さ250mm(スペルコジャパン株式会社製),サンプル注入量:20μL,流量:2.0mL/min,UV−VIS検出器設定波長:240nm,カラムオーブン設定温度:33℃,溶出溶媒:ヘキサン:2−プロパノール=95:5(V/V)
分析の結果、得られたアホエンは、純度99.4%以上のZ‐アホエン、純度98.9%以上のE‐アホエンであることが確認できた。
測定機器:UV−VIS検出器:SPD―6A((株)島津製作所),カラムオーブン:CTO−6A((株)島津製作所),ポンプ:LC−6A((株)島津製作所),カラム:SUPELCOSIL LC−Si 内径4.6mm×長さ250mm(スペルコジャパン株式会社製),サンプル注入量:20μL,流量:2.0mL/min,UV−VIS検出器設定波長:240nm,カラムオーブン設定温度:33℃,溶出溶媒:ヘキサン:2−プロパノール=95:5(V/V)
分析の結果、得られたアホエンは、純度99.4%以上のZ‐アホエン、純度98.9%以上のE‐アホエンであることが確認できた。
得られたZ−アホエンについて、0.18μgのZ−アホエンを0.1mLの0.5%CMC・Na(Carboxy methyl cellulose Sodium)水溶液に混和することによって分泌型IgA産生誘導剤1を得た。また、0.54μgのZ−アホエンを0.1mLの0.5%CMC・Na水溶液に混和することによって分泌型IgA産生誘導剤2を得た。
また、得られたE−アホエンについて、0.18μgのE−アホエンを0.1mLの0.5%CMC・Na水溶液に混和することによって分泌型IgA産生誘導剤3を得た。また、0.54μgのE−アホエンを0.1mLの0.5%CMC・Na水溶液に混和することによって分泌型IgA産生誘導剤4を得た。
2.分泌型IgA産生誘導剤の評価
分泌型IgA産生誘導剤1〜4について分泌型IgA産生誘導作用を試験した。試験方法は次のとおりとした。
(i)試験用サンプルの調製
生後6週令のICR(Institute of Cancer Research)マウス雄性を1週間固形飼料(日本クレア製 CE−2)で予備飼育した後、平均体重が均等になるように群分けした。ある群のICRマウスに対して、分泌型IgA産生誘導剤1を投与した。飼料および水は自由摂取とした。分泌型IgA産生誘導剤1を投与したマウスの排泄から24時間以内の糞便を採取した後、予備凍結を経て、凍結乾燥を行った。乾燥糞便に10mMリン酸緩衝液(pH7.4)を0.1g/ml濃度となるように加え、ホモジナイザーにより均質化した。その後、遠心分離(8000rpm×20分、5℃)し、上清を試験用サンプルAとした。なお、分泌型IgA産生誘導剤2〜4をそれぞれ投与した場合も上記と同様に試験用サンプルを調製し、それぞれをサンプルB、サンプルC、サンプルDとした。また、Z−アホエン、E−アホエンのいずれのアホエンも含まれていない0.5%CMC・Na水溶液のみを0.1mL投与した場合においても、上記と同様に試験用サンプルを調製し、対照群とした。
(ii)分泌型IgA濃度の測定
分泌型IgA濃度の測定は、Mouse IgA ELISA Quantitation Kit(Bethyl Laboratories,Inc製)を用い、そのプロトコールに従って行った。
2.分泌型IgA産生誘導剤の評価
分泌型IgA産生誘導剤1〜4について分泌型IgA産生誘導作用を試験した。試験方法は次のとおりとした。
(i)試験用サンプルの調製
生後6週令のICR(Institute of Cancer Research)マウス雄性を1週間固形飼料(日本クレア製 CE−2)で予備飼育した後、平均体重が均等になるように群分けした。ある群のICRマウスに対して、分泌型IgA産生誘導剤1を投与した。飼料および水は自由摂取とした。分泌型IgA産生誘導剤1を投与したマウスの排泄から24時間以内の糞便を採取した後、予備凍結を経て、凍結乾燥を行った。乾燥糞便に10mMリン酸緩衝液(pH7.4)を0.1g/ml濃度となるように加え、ホモジナイザーにより均質化した。その後、遠心分離(8000rpm×20分、5℃)し、上清を試験用サンプルAとした。なお、分泌型IgA産生誘導剤2〜4をそれぞれ投与した場合も上記と同様に試験用サンプルを調製し、それぞれをサンプルB、サンプルC、サンプルDとした。また、Z−アホエン、E−アホエンのいずれのアホエンも含まれていない0.5%CMC・Na水溶液のみを0.1mL投与した場合においても、上記と同様に試験用サンプルを調製し、対照群とした。
(ii)分泌型IgA濃度の測定
分泌型IgA濃度の測定は、Mouse IgA ELISA Quantitation Kit(Bethyl Laboratories,Inc製)を用い、そのプロトコールに従って行った。
プロトコールに従った測定方法について次に説明する。
ヤギ抗マウスIgA抗体を1次抗体として、各ウェルに注入した後、一晩コーティング処理を行った。翌日、各ウェルを、0.05%tween20を含む50mM Tris,0.14M NaCl(pH8.0)(洗浄液A)で5回洗浄し、各ウェルに1%BSAを含む50mM Tris,0.14M NaCl(pH8.0)を加え、25℃で30分間ブロッキングした。適当な濃度に希釈した試験用サンプルA〜D、対照群のそれぞれとマウスIgA抗体の標準品を、1%BSA,0.05%tween20を含む50mM Tris,0.14M NaCl(pH8.0)で希釈した。各ウェルを5回洗浄液Aで洗浄後、サンプルA〜D、対照群のそれぞれと、マウスIgA抗体の標準品とを加えて25℃で1時間保持した。その後、各ウェルを洗浄液Aで5回洗浄後、HRP(Horseradish peroxidase:西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼ)標識したヤギ抗マウスIgA抗体を各ウェルに加え、25℃で1時間インキュベートした。各ウェルを5回洗浄後、OPD(o−Phenylenediamine:オルト−フェニレンジアミン)発色液(ナカライテスク製)を加えアルミホイルで遮光しながら25℃で30分間反応させた。その後0.18M H2SO4を100μl加えて反応を停止し、反応液の450nmにおける吸光度をマイクロプレートリーダーにより測定した。
(iii)ICRマウス糞便中の分泌型IgA濃度(mg/g 糞便)の測定結果
上記(ii)に記載の測定方法によって、試験開始時(0週間)から4週間の期間、1週間ごとにサンプルA〜D、対照群のICRマウス糞便中の分泌型IgA濃度(mg/g 糞便)を測定した。その結果を表1に示す。
ヤギ抗マウスIgA抗体を1次抗体として、各ウェルに注入した後、一晩コーティング処理を行った。翌日、各ウェルを、0.05%tween20を含む50mM Tris,0.14M NaCl(pH8.0)(洗浄液A)で5回洗浄し、各ウェルに1%BSAを含む50mM Tris,0.14M NaCl(pH8.0)を加え、25℃で30分間ブロッキングした。適当な濃度に希釈した試験用サンプルA〜D、対照群のそれぞれとマウスIgA抗体の標準品を、1%BSA,0.05%tween20を含む50mM Tris,0.14M NaCl(pH8.0)で希釈した。各ウェルを5回洗浄液Aで洗浄後、サンプルA〜D、対照群のそれぞれと、マウスIgA抗体の標準品とを加えて25℃で1時間保持した。その後、各ウェルを洗浄液Aで5回洗浄後、HRP(Horseradish peroxidase:西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼ)標識したヤギ抗マウスIgA抗体を各ウェルに加え、25℃で1時間インキュベートした。各ウェルを5回洗浄後、OPD(o−Phenylenediamine:オルト−フェニレンジアミン)発色液(ナカライテスク製)を加えアルミホイルで遮光しながら25℃で30分間反応させた。その後0.18M H2SO4を100μl加えて反応を停止し、反応液の450nmにおける吸光度をマイクロプレートリーダーにより測定した。
(iii)ICRマウス糞便中の分泌型IgA濃度(mg/g 糞便)の測定結果
上記(ii)に記載の測定方法によって、試験開始時(0週間)から4週間の期間、1週間ごとにサンプルA〜D、対照群のICRマウス糞便中の分泌型IgA濃度(mg/g 糞便)を測定した。その結果を表1に示す。
したがって、分泌型IgA産生誘導剤1〜4を使用することよって、分泌型IgA濃度を向上させることができることが明らかとなった。
3.本発明の分泌型IgA産生誘導剤を含む飲食品
本発明の分泌型IgA産生誘導剤を、直接任意の食品に添加することができる。また、任意の賦形剤、結合剤、希釈剤と混合して、粉末、顆粒、カプセル剤、飲料等の形態の健康食品に加工することもできる。
3.本発明の分泌型IgA産生誘導剤を含む飲食品
本発明の分泌型IgA産生誘導剤を、直接任意の食品に添加することができる。また、任意の賦形剤、結合剤、希釈剤と混合して、粉末、顆粒、カプセル剤、飲料等の形態の健康食品に加工することもできる。
本発明の飲食品は、本発明の分泌型IgA産生誘導剤を含むので、これらを含まない飲食品と比較して、分泌型IgAの産生量を高くする効果が高い。
尚、本発明は前記実施の形態になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
尚、本発明は前記実施の形態になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
Claims (3)
- アホエンを有効成分とすることを特徴とする分泌型IgA産生誘導剤。
- 前記アホエンはニンニクから抽出されることを特徴とする、請求項1に記載の分泌型IgA産生誘導剤。
- 請求項1又は請求項2に記載の分泌型IgA産生誘導剤を含むことを特徴とする、飲食品。
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- 2012-06-19 JP JP2012137819A patent/JP2014001170A/ja active Pending
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