JP2014000929A - キャスタ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャスタの垂直面の回転と水平面での両回転を同時にロックする。
【解決手段】ロック装置200は揺動板210からなり、揺動板210の一端に係合素子230を、他端にロック構造240を有し、その略中央部で本体部100に軸着される。側輪300の側輪軸心部310の外周面には環状歯部320が設けられ、環状歯部320は前記係合素子230と歯合する。作動杆500は支軸600の軸心を貫通し、その下端にロック部510を有す。作動杆500が下向きに移動すると、ロック部510がロック構造240に当接しかつ係合素子230が上向きに移動して環状歯部320に歯合する。作動杆500が上向きに移動すると、ロック部510がロック構造240から離れかつ係合素子230が環状歯部320から離れアンロック状態となる。ロック部510とロック構造240との係合により支軸600の水平面での回転がロックされる。
【選択図】図2

Description

本発明は、キャスタの構造に関し、特にロック装置を有するキャスタの構造に関する。
キャスタは、オフィスチェア、家具、台車、病院のベッドなど、押し動かしたり、滑らせたりする必要のある物品に広く使用されており、キャスタは、移動に役立てるために、これらのキャスターが取り付けられる被取付物品(以下「被取付物品」という。)の複数の脚の底部に取り付けられている。
多くの使用状況において、キャスタはロックとアンロック(ロック解除)という2種類の状態を備える必要があり、アンロック状態ではその被取付物品を搬送または移動させる機能を持ち、ロック状態では被取付物品を静止させ、安定させる機能を持つ。
キャスタを取り付けた移動式ベッドで、その上に横たわった患者を搬送して診療を行うことを例に挙げると、例えばCT検査を行う場合、検査装置に到着すると、患者を起き上がらせて、または患者を支えてCT検査台に移動させなければならないが、この時、突発的な事故の発生を防ぐために、キャスタをロックして移動式ベッドを静止させ、安定させる必要がある。
従来のキャスタ構造に関しては、下記の特許文献を挙げることができる。
特許文献1に記載の発明は、キャスタ本体を、ブレーキ付きキャスタ用と、ブレーキ無しのキャスタ用のいずれにも体裁良く使用できるようにすることを目的とする。
その構成は、キャスタ本体におけるホイールカバーの一端部内側で、中間壁の一端部にブレーキ部材支持部を設け、ブレーキ部材の揺動杆の中間部に設けた枢軸を、支持部の切欠を経て軸受部に嵌め込むことにより、ブレーキ部材はホイールカバーを貫通せずに、キャスタ本体の中間壁に着脱自在にかつ揺動自在に支持できるものである。ブレーキ部材の一端にはホイールのウエブに係脱自在の制動杆を設け、他端に、中間壁及びホイールカバーを迂回する迂回部を介して揺動操作部を設けたものである。
特許文献2に記載の発明は、正確な位置決めができるストッパ付きキャスターを提供することを課題とする。
その構成は、一方向へのレバーの操作によりギヤストッパの摺動部が本体部材のカム面に沿うように案内されてその窪み部分に嵌合したときに、ギヤストッパのギヤ部がスプリングの弾性付勢力により進行して車輪の内歯に噛合することにより車輪の本体部材に対する相対回転が規制され、また他方向へのレバーの操作によりギヤストッパの摺動部が本体部材の窪み部分から脱出したときに、ギヤストッパのギヤ部が後退して車輪の内歯から脱出することにより車輪の本体部材に対する相対回転が許容されるようにしたものである。
特開平6−55903号公報 特開2005−178654号公報
本発明においては、上記従来のキャスタ構造とは異なる構成を採用して、容易に被取付物品にキャスタを取り付けることができるようにすることをその課題する。
また、被取付物品にキャスタを取り付ける際に、被取付物品側に設けられる操作レバー等の操作部との連結を容易にすることも本発明の課題である。
更に、本発明においては、ロック装置を改良することにより、側輪の垂直面でのロック及び支軸の水平面でのロックを1つの動作で行うことができ、かつロック解除の動作も1つの動作で行うことができるようにすることもその課題となる。
また、ロック及びロック解除を行う作動部材に関してもキャスター外部から視認できないようにし、その外観をよりスマートなものとすることも本発明の課題である。
上記の課題を解決するために、本発明の第1のものは、本体部の両側にそれぞれ側輪が回転自在に設けられ、本体部内部にはロック装置が設けられ、作動部材の作動によって前記ロック装置によるロック又はロック解除が行われ、これによって側輪の回転が規制され又は規制解除が行われるキャスタ構造において、ロック装置が、その一方端に係合素子を有し、他方端にロック構造を有する揺動板からなり、この揺動板はその中間部で本体部に軸着され、前記係合素子は、側輪の軸心孔が設けられている軸心部の外側環状面に設けられた環状歯部と歯合することができ、前記ロック構造には、本体部の上下方向に設けられた支軸の軸心部を貫通するように設けられた作動杆の下端が当接し、作動杆の下端には前記揺動板のロック構造と適合し、共働するロック部が設けられ、作動杆を下向きにスライドさせることにより、前記ロック部が下向きに前記ロック構造と当接して押圧し、支軸の水平面での回転が規制され、かつ揺動板の前記係合素子が上向きに移動して側輪の環状歯部と歯合することにより側輪の垂直面での回転が規制され、他方、前記作動杆を上向きにスライドさせることにより、前記ロック部が上向きに移動して前記ロック構造から離れ、支軸の水平面での回転の規制が解除され、かつ前記係合素子が下向きに移動して前記環状歯部から離れることにより側輪の垂直面での回転の規制が解除されることを特徴とするキャスタ構造である。
本発明の第2のものは、上記第1の発明において、前記ロック構造の下方に、底端部が本体部に固定され、頂部が該ロック構造に下から当接する第1弾性部材が配設されていることを特徴とするキャスタ構造である。
本発明の第3のものは、上記第2の発明において、前記作動杆の下端に第2弾性部材を配設し、この第2弾性部材の頂部は本体部の支軸に下から当接し、その底端部はロック部に上から当接し、かつこの第2弾性部材の下向きの弾性力が前記第1弾性部材の上向きの弾性力より大きいことを特徴とするキャスタ構造である。
本発明の第4のものは、上記第1乃至第3の発明の何れかにおいて、前記作動杆の下端に設けられたロック部が、平面視においてその一方端に先の尖った尖端を有し、前記揺動板のロック構造が上向きに突設された二つの位置決め壁を有し、これにより前記ロック部がこれら位置決め壁の間に嵌合するように動作して前記ロック構造に適合することにより、支軸の水平面での回転を規制できることを特徴とするキャスタ構造である。
本発明の第5のものは、上記第4の発明において、で前記ロック構造の二つの位置決め壁は平面視八の字型に形成され、この二つの位置決め壁の間の距離が最も近い位置には、前記ロック部の尖端に対応する第1間隙があり、距離が最も遠い位置には、前記ロック部の尖端と反対側が対応する第2間隙があり、これにより前記作動杆が下向きにスライドしてそのロック部が前記ロック構造に下向きに当接することにより、前記尖端が該第1間隙に嵌合し、これにより支軸の水平面における回転を規制することを特徴とするキャスタ構造である。
本発明の第6のものは、上記第5の発明において、前記二つの位置決め壁が第2間隙に位置する部分から第1間隙に位置する部分に向って徐々にその高さが高くなるように形成され、これによりこれら二つの位置決め壁の頂面が傾斜面に形成されていることを特徴とするキャスタ構造である。
本発明の第7のものは、上記第1乃至第6の何れかの発明において、前記支軸が、その上方部の上部筒体と、その下方部の下部筒体と、これら上部筒体と下部筒体との間でその径方向外向きに延長する当接部とからなり、この支軸の下部筒体が本体部の上下方向に設けられた支軸受部の軸心貫通孔に嵌合し、当接部の下端が前記支軸受部の上端に当接して合体され、前記作動杆は、前記支軸の軸心貫通孔を貫通し、かつその上端が該支軸の上方に伸出し、その下端は本体部の内部に延長してロック装置の揺動板のロック構造と共働することを特徴とするキャスタ構造である。
本発明の第1のものにおいては、ロック装置の揺動板と作動杆との共働により、作動杆を下方にスライドさせることにより、揺動板の一方端に設けた係合素子が側輪の軸心部の外周面に設けた環状歯部と歯合して側輪の垂直面での回転をロックし、かつ作動杆の下端のロック部と揺動板の他方端に設けたロック構造とが適合して作動杆の回転をロックし、即ち、支軸の水平面での回転がロックされる。
他方、作動杆を上方にスライドさせることにより、その下端のロック部が揺動板の他方端に設けられたロック構造と離れ、かつ揺動板の一方端に設けた係合素子が側輪の環状歯部と離れ、側輪の垂直面及び水平面での回転が可能となるのである。
このように、作動杆の1方向の動作により、キャスタの垂直面及び水平面での回転が規制され且つ規制解除が簡単に行われることができるのである。
また、本発明においては、その作動杆が支軸の軸心部を貫通するように設けられており、揺動板を作動させるこの作動杆は外部から視認することができず、そのキャスタの外観は極めてスマートなものとなる。
この点は、従来の作動ペダルや操作べダル等がキャスター外部に現われている点と比較すると、極めてスマートな外観を呈するものと言える。
本発明の第2のものにおいては、前記揺動板のロック構造の下方に第1弾性部材を配設したため、揺動板の一方端に設けた係合素子が側輪の環状歯部と常に離れた状態にすることができる。
即ち、通常の状態で、本発明に係るキャスタはアンロック状態と成すことができるのであり、作動杆を押し下げる操作を行うことにより、ロック状態とすることができるものとなる。
本発明の第3のものにおいては、上記第2の発明の第1弾性部材に加えて、作動杆の下端に第2弾性部材を配設し、この第2弾性部材の弾性力を前記第1弾性部材の弾性力よりも大きくしたものである。これにより、揺動板の一方の係合素子が常に上方に押し上げられ、側輪の環状歯部と常に歯合する状態となる。
即ち、通常の状態において、このロック装置はロック状態となるのであり、作動杆を上方にスライドさせて始めてロック解除の状態を得ることができることとなるものである。
本発明の第4のものにおいては、作動杆の下端に設けたロック部と、揺動板のロック構造との構成をより限定したものである。
即ち、作動杆の下端に設けられたロック部が、平面視においてその一方端に先の尖った尖端を有し、前記揺動板のロック構造が上向きに突設された二つの位置決め壁を有し、これにより前記ロック部がこれらの位置決め壁の間に嵌合するように動作して前記ロック構造に適合することにより、支軸の水平面での回転を規制できるようにしたものである。
本発明の第5のものは、上記第4の発明において、ロック構造の二つの位置決め壁の構成をより限定したものであり、即ち、その二つの位置決め壁を平面視八の字型に形成したものであり、その効果は、上記第4の発明と同じである。
本発明の第6のものは、更に上記二つの位置決め壁の形態をより限定したものであり、即ち、これらの二つの位置決め壁が第2間隙に位置する部分から第1間隙に位置する部分に向って徐々にその高さが高くなるように形成され、これによりこれら二つの位置決め壁の頂面を傾斜面に形成したものである。
これにより、作動杆の下端のロック部と揺動板のロック構造の両者の適合又は係合をより良好に行うことができるようにしたものである。
本発明の第7のものにおいては、本体部の上下方向に設けられる支軸の構成をより限定したものである。
即ち、この支軸は、その上方部の上部筒体と、その下方部の下部筒体と、これら上部筒体と下部筒体との間でその径方向外向きに延長する当接部とからなり、この支軸の下部筒体が本体部の上下方向に設けられた支軸受部の軸心貫通孔に嵌合し、当接部の下端が前記支軸受部の上端に当接して合体され、前記作動杆は、前記支軸の軸心貫通孔を貫通する構成を採用したものである。
これにより、支軸の上方の上部筒体は、このキャスタが取り付けられる被取付物品に簡単に固定されるという効果を発揮することとなるのである。
また、作動杆が支軸の軸心部を貫通して被取付物品に連絡するために、被取付物品側に設けられる連結杆や操作部との連結・固定をも簡易なものとすることができるのである。
本発明の一実施形態に係るキャスタ構造の外観を示す斜視図である。 上記実施形態に係るキャスタ構造の分解図である。 上記実施形態に係る揺動板と側輪の環状歯部を示す斜視図である。 上記実施形態に係るロック部とロック構造を示す斜視図である。 上記実施形態に係るキャスタ構造のアンロック状態を示す説明図である。 上記実施形態に係るキャスタ構造のロック状態を示す説明図である。
以下に、本発明の好適な実施形態を挙げ、添付の図面と対照させて詳細な説明を行う。図1から図6を共に利用して以下説明する。
図1は本発明に係るキャスタ構造に係る一実施形態の外観を示す概略図であり、図2は、その分解図である。
本発明に係るキャスタ構造は、本体部100と、本体部100内部に設備されるロック装置200と、本体部の両側に位置する側輪300と、水平中心軸400と、支軸600と、作動杆500とを有している。
本体部100は、本体軸心部110、支軸受部120及び収容スペース130を含み、そのうち収容スペース130は本体100の内部に形成されており、本体軸心部110には本体軸心孔111が貫設され、本体軸心孔111は本体部100の片側の側面から他側の側面まで水平に延伸している。
支軸受部120は本体部100の上方に位置し、かつ垂直方向に沿って軸心貫通孔121が貫設されており、軸心貫通孔121は収容スペース130へと接続されている。
収容スペース130内にはロック装置200が設置されており、ロック装置200は揺動板210と、台座220と、ピン250を有する。
揺動板210の先端には係合素子230があって、基端にはロック構造240が設けられている。
台座220は本体100の側に設けられ、かつ回動軸穴221を有し、この回動軸穴221は水平方向に設けられ、本体軸心孔111と平行である。
揺動板210には、下向きに延長する軸着板211がその両側に設けられ、この軸着板211に回動軸穴212が設けられ、これら回動軸穴212が前記台座220に設けられた回動軸穴221と合致する。
これら回動軸穴221、212にピン250が貫通して、揺動板210が台座220を支点として支持され、揺動するのである。
そのため、揺動板210が台座220の部位で、ピン250を軸心としてシーソーのような機構を形成し、係合素子230とロック構造240がこのようなシーソー機構の両端となっている。
側輪300の軸心部には側輪軸心部310があり、側輪軸心部310は、本体軸心孔111と軸方向に合致する側輪軸心孔311を有し、側輪軸心部310の外側環状面には環状歯部320が取り囲むように形成されている。
環状歯部320には複数の歯溝321が設けられている。
本実施形態では、側輪300は本体100の両側に設けているが、別の実施形態としては、片側だけに設置してもよい。
水平中心軸400は、本体軸心孔111と側輪軸心孔311を貫通して設けられ、側輪300の垂直面における回転時の軸心となる。
また、サイドパネル700には複数の係止フック701が設けられており、側輪300に環状に設けられた複数の係止溝301に対応しており、係止フック701と係止溝301が係合することにより、サイドパネル700がそれぞれの側輪300の外側面をカバーすることができる。
係合素子230は、本体軸心孔111に平行な細長い棒状のものであり、かつその長さは本体軸心部110の軸方向の長さを超えるので、係合素子230の本体軸心部110を超える部分は歯溝321に歯合することにより側輪300をロックし、垂直面で回転できないようにすることができる。
支軸600には、本体100の支軸受部120の軸心貫通孔121と軸方向で合致する軸心貫通孔601が貫設され、かつ上部筒体610と下部筒体620に分けることができ、また両者の間で径方向外向きに当接部630が突設又は延設されている。
下部筒体620は、支軸受部120の軸心貫通孔121を貫通し、かつその外壁が軸心貫通孔121の内壁と整合するように形成されており、当接部630は支軸受部120の頂部に上から当接する。上部筒体610は、被取付物品(図中に表示なし)に連結され、前記当接部630の上縁部が被取付物品に下から当接するのである。
作動杆500は、本体100の支軸受部120の軸心貫通孔121及び支軸600の軸心貫通孔601を貫通し、かつこの両者の共通の軸心位置に位置するように配置されている。
作動杆500はその下端部に位置する下端501と上端502を有する。下端501は本体部100の収容スペース130内に位置し、かつ揺動板210のロック構造240に適合するロック部510を有し、上端502は支軸受部120上方に向って支軸600の上方に伸出するまで延伸している。
上端502は、被取付物品と接続され、例えば上端502にネジ山を設ければ、被取付物品の側にこのねじ山に対応する雌ねじ部が設けられた連接杆(その他方端部には操作レバー等が設けられたもの)等と連結することができ、作動杆500を被取付物品側と連接することができる。
被取付物品の側には、複数のキャスタのロックとアンロックの状態を同時に切り換えるための連動装置を設けることができ、例えば上下に引き動かすことができるスイッチやレバーなど、同時に複数の作動杆500を牽引し、上向きまたは下向きにスライドさせることができる。このような連動装置については、当業者は熟知しているので、ここでは改めて述べない。
図3は上記実施形態に係る揺動板と側輪の環状歯部を示す斜視図であり、図6は上記実施形態に係るキャスタ構造のロック状態を示す説明図である。
これらの図に示す通り、作動杆500が下向きにスライドすると、ロック部510が下向きに力を及ぼし、ロック構造240に上から当接し、これを押圧する。
それと同時に、シーソーの原理により、係合素子230が上向きに環状歯部320の歯溝321に歯合する。これがロック状態である。
図5は上記実施形態に係るキャスタ構造のアンロック状態を示す説明図である。
この図に示すように、作動杆500が上向きにスライドすると、ロック部510が上向きに移動し、ロック構造240から離れ、かつ係合素子230が下向きに移動し、歯溝321から離れる。これがアンロック状態である。
注意しなければならないのは、ロック部510がロック構造240から離れる時、係合素子230が落下するので、設計上で係合素子230の重さをロック構造240より重くすることができれば、シーソーの原理で、ロック構造240に特別な下向きの作用力を与えなければ、係合素子230は自然に落下するという点である。これが通常状態のアンロックの構造である。
この好適な実施形態では、図2、図5及び図6に示すように、2つの弾性部材260、520を使用することによりによりロック・アンロックの状態を規制している。
ロック構造240の下方に第1弾性部材260が配置されており、第1弾性部材260の下端部は本体100に固定され、第1弾性部材260の頂部はロック構造240に下から当接している。
作動杆500の下端501には、第2弾性部材520が介装されており、第2弾性部材520の頂部は支軸600の下端に下から当接し、第2弾性部材520の下端部はロック部510に上から当接している。
そして、第2弾性部材520の下向きの弾性力は第1弾性部材260の上向きの弾性力より大きい。そのため、ロック部510は、下向きの弾性力の影響を受けて、常にロック構造240を下向きに押圧し、係合素子230は、常に上向きに歯溝320に歯合する状態となる。これが通常状態のロック構造であり、ロック解除には作動杆500を上方に引き上げる必要がある。
他の実施形態としては、第1弾性部材260のみを設置し、第2弾性部材520は取り外してもよい。ロック構造は第1弾性部材の上向きの作用力の影響を受けて常に上昇し、係合素子は常に下向きに歯溝から離れる。これが通常状態のアンロック構造であり、キャスタをロックするには作動杆を下方に押圧しなければならない。
本実施形態では、第1及び第2弾性部材260、520はコイルバネであるが、他の実施形態としては、同等の効果を持つ弾性部材を用いてもよい。
図4は上記実施形態に係るロック部とロック構造を示す斜視図である。
図3、図4及び図6に示すように、ロック部510とロック構造240が相互に適合又は係合する際には、キャスタの水平面における回転も規制することができる。
図4に示した通り、ロック部510は尖端511と鈍端512を有し、その水平断面は水滴形状である。
ロック構造240はロック部510に対応し、かつ上向きに突設された二つの位置決め壁241を有しており、俯瞰すると、この二つの位置決め壁241は八の字型を呈しており、それぞれの間の距離が最も近い部分には、尖端511に対応する第1間隙242があり、距離が最も遠い部分には第2間隙243があり、かつ、位置決め壁241はそれぞれ、第2間隙に位置する部分から第1間隙に位置する部分に向ってその高さが徐々に高くなる態様を呈し、即ち、位置決め壁241の頂面は傾斜面244となっている。
作動杆500が下向きにスライドすると、ロック部510が下向きにロック構造240に当接し、かつ尖端511が第1間隙242の中に位置し、対向する鈍端が第2間隙243の間に位置する時、位置決め壁241が尖端511の回転を規制し、作動杆500及びキャスタの水平面での回転運動を規制する。
よって、キャスタの垂直面での回転運動が規制されると同時に、水平面での回転運動も規制されるのである。
また異なる状況において、ロック部510がロック構造240と下向きに当接する場合、尖端511は必ずしも直接に第1間隙242の中に適合するわけではない。
例を挙げると、鈍端512は、第1間隙242の上方に押し付けられても第1間隙242に進入できないので、この時、キャスタは依然として水平面に回転可能であるが、回転の過程で、鈍端512が斜面244に沿って下に移動すると、尖端511が同時に斜面244を這い上がるので、最終的に尖端511が第1間隙242に入っていくことになる。
従って、キャスタは、水平面での極めて限られた回転を経て、最終的にはやはりその水平面での回転運動が規制されることになるのである。
本実施形態では、ロック構造240とロック部510が互いに適合するため、キャスタを被取付物品に取り付ける際に、特別な手段を講じなくてもロック用の作動杆500が固定され、スムーズに連結し、取り付けすることが可能である。
但し、他の実施形態として、作動杆の上端に近接する軸心を半円形の柱体または類似する形状に設計することができ、それによりこのような形状に適合する連接杆を用いて作動杆に連結し固定し、組立を進めることもできる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明においては以下の通り各種設計変更することができる。
キャスタの本体部及び側輪のサイズは自由に設計変更することができる。
ロック装置の揺動板の形状も自由に設計変更可能であり、その両端部に係合素子とロック構造を備えていればよい。
揺動板の軸着方法も自由に設計変更可能である。
側輪の軸心部外周面に設けた環状歯部の歯数も自由に設定できる。
支軸の形態も種々設計変更可能であり、当接部の位置及び形状・サイズも自由に設計可能である。
特に支軸の上部筒体は被取付物品の側に取り付けられるものであり、その形態も自由に設計変更できる。
更に、支軸の軸心を貫通する作動杆の太さや長さも自由に設計することができる。
以上の通り、本発明においては、上記の好適な実施形態によりその内容を開示しているが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の要旨及び範囲内において、各種の変更や修正を行うことはできるが、本発明の保護範囲は特許請求の範囲に記載され、限定された範囲を有するものである。
100…本体部、110…本体軸心部、111…本体軸心孔、120…支軸受部、121…軸心貫通孔、130…収容スペース、200…ロック装置、210…揺動板、211…軸着板、212…回動軸穴、220…台座、221…回動軸穴、230…係合素子、240…ロック構造、241…位置決め壁、242…第1間隙、243…第2間隙、244…傾斜面、250…ピン、260…第1弾性部材、300…側輪、301…係止溝、310…側輪軸心部、311…側輪軸心孔、320…環状歯部、321…歯溝、400…水平中心軸、500…作動杆、501…下端、502…上端、510…ロック部、511…尖端、512…鈍端、520…第2弾性部材、600…支軸、601…軸心貫通孔、610…上部筒体、620…下部筒体、630…当接部、700…サイドパネル、701…係止フック

Claims (7)

  1. 本体部の両側にそれぞれ側輪が回転自在に設けられ、本体部内部にはロック装置が設けられ、作動部材の作動によって前記ロック装置によるロック又はロック解除が行われ、これによって側輪の回転が規制され又は規制解除が行われるキャスタ構造において、
    ロック装置(200)が、その一方端に係合素子(230)を有し、他方端にロック構造(240)を有する揺動板(210)からなり、この揺動板(210)はその中間部で本体部(100)に軸着され、
    前記係合素子(230)は、側輪(300)の軸心孔(311)が設けられている軸心部(310)の外側環状面に設けられた環状歯部(320)と歯合することができ、
    前記ロック構造(240)には、本体部(100)の上下方向に設けられた支軸(600)の軸心部を貫通するように設けられた作動杆(500)の下端が当接し、
    作動杆(500)の下端には前記揺動板(210)のロック構造(240)と適合し、共働するロック部(510)が設けられ、
    作動杆(500)を下向きにスライドさせることにより、前記ロック部(510)が下向きに前記ロック構造(240)と当接して押圧し、支軸(600)の水平面での回転が規制され、かつ揺動板(210)の前記係合素子(230)が上向きに移動して側輪(300)の環状歯部(320)と歯合することにより側輪(300)の垂直面での回転が規制され、他方、前記作動杆(500)を上向きにスライドさせることにより、前記ロック部(510)が上向きに移動して前記ロック構造(240)から離れ、支軸(600)の水平面での回転の規制が解除され、かつ前記係合素子(230)が下向きに移動して前記環状歯部(320)から離れることにより側輪(300)の垂直面での回転の規制が解除されることを特徴とするキャスタ構造。
  2. 前記ロック構造(240)の下方に、底端部が本体部(100)に固定され、頂部が該ロック構造(240)に下から当接する第1弾性部材(260)が配設されていることを特徴とする請求項1に記載のキャスタ構造。
  3. 前記作動杆(500)の下端に第2弾性部材(520)を配設し、この第2弾性部材(520)の頂部は本体部(100)の支軸(600)に下から当接し、その底端部はロック部(510)に上から当接し、かつこの第2弾性部材(520)の下向きの弾性力が前記第1弾性部材(260)の上向きの弾性力より大きいことを特徴とする請求項2に記載のキャスタ構造。
  4. 前記作動杆(500)の下端に設けられたロック部(510)が、平面視においてその一方端に先の尖った尖端(511)を有し、前記揺動板(210)のロック構造(240)が上向きに突設された二つの位置決め壁(241)を有し、これにより前記ロック部(510)がこれら位置決め壁(241)の間に嵌合するように動作して前記ロック構造(240)に適合することにより、支軸(600)の水平面での回転を規制できることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のキャスタ構造。
  5. 前記ロック構造(240)の二つの位置決め壁(241)は平面視八の字型に形成され、この二つの位置決め壁(241)の間の距離が最も近い位置には、前記ロック部の尖端(511)に対応する第1間隙(242)があり、距離が最も遠い位置には、前記ロック部(510)の尖端(511)と反対側が対応する第2間隙(243)があり、これにより前記作動杆(500)が下向きにスライドしてそのロック部(510)が前記ロック構造(240)に下向きに当接することにより、前記尖端(511)が該第1間隙(242)に嵌合し、これにより支軸(600)の水平面における回転を規制することを特徴とする請求項4に記載のキャスタ構造。
  6. 前記二つの位置決め壁(241)が第2間隙(243)に位置する部分から第1間隙(242)に位置する部分に向って徐々にその高さが高くなるように形成され、これによりこれら二つの位置決め壁(241)の頂面が傾斜面(244)に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のキャスタ構造。
  7. 前記支軸(600)が、その上方部の上部筒体(610)と、その下方部の下部筒体(620)と、これら上部筒体(610)と下部筒体(620)との間でその径方向外向きに延長する当接部(630)とからなり、
    この支軸(600)の下部筒体(620)が本体部(100)の上下方向に設けられた支軸受部(120)の軸心貫通孔(121)に嵌合し、当接部(630)の下端が前記支軸受部(120)の上端に当接して合体され、
    前記作動杆(500)は、前記支軸(600)の軸心貫通孔(601)を貫通し、かつその上端が該支軸(600)の上方に伸出し、その下端は本体部(100)の内部に延長してロック装置(200)の揺動板(210)のロック構造(240)と共働することを特徴とする請求項1乃至6に記載のキャスタ構造。
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