JP2014000865A - 車両用サスペンション装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車載部品の損傷を回避しつつ中間ビームの捩じり性能をコントロールできるとともに、飛び石等による異音の発生を防止できる車両用サスペンション装置を提供する。
【解決手段】中間ビーム3の前側壁3bに車幅方向に延びる孔3eを形成するとともに、弾性部材からなるプロテクタ18を配設し、該プロテクタ18は、中間ビーム3の少なくとも前側壁3b部分を微小隙間s2を設けて覆うプロテクタ本体18aと、中間ビーム3の孔3eを挿通して該中間ビーム3の下端開口3fを略閉塞する舌片部18bとを有する。
【選択図】図1
【解決手段】中間ビーム3の前側壁3bに車幅方向に延びる孔3eを形成するとともに、弾性部材からなるプロテクタ18を配設し、該プロテクタ18は、中間ビーム3の少なくとも前側壁3b部分を微小隙間s2を設けて覆うプロテクタ本体18aと、中間ビーム3の孔3eを挿通して該中間ビーム3の下端開口3fを略閉塞する舌片部18bとを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、左,右のサスペンションアームと、該左,右のサスペンションアームを連結する中間ビームとを備えた車両用サスペンション装置に関する。
自動車のサスペンション装置として、例えば、特許文献1には、左,右のサスペンションアームを下方に開口する大略コ字形状の中間ビームにより連結した構造が開示されている。
この種のサスペンション装置では、例えば前記中間ビームの断面形状を乗り心地及び操縦安定性を高める観点から設定することにより、目標とする捩じり性能が得られるよう調整する場合がある。
ところが、小型自動車等では、中間ビームの周辺に燃料タンクや配管等の車載部品が配置されることから中間ビームの配置スペースの確保に制約があり、このため中間ビームの断面形状を大きく設定することができず、所望の捩じり性能に調整できない場合がある。特に、中間ビームの前壁近傍に燃料タンクを配置した場合には、車両衝突時に燃料タンクが中間ビームに当たって損傷するのを回避できる隙間を設ける必要があり、それだけ断面形状に対する自由度が低くなる。
また前述のように、中間ビームが下方に開口する形状の場合には、飛び石等が中間ビームの断面内に入り込むことにより耳障りな異音が発生し易く、商品性に悪影響を与えるという問題がある。
本発明は、前記従来の状況に鑑みてなされたもので、燃料タンク等の車載部品の損傷を回避しつつ、中間ビームを所望の捩じり性能に調整できるとともに、飛び石等による異音の発生を防止できる車両用サスペンション装置を提供することを課題としている。
本発明は、車両前後方向に延び、その一端側が車体フレームに上下揺動可能に支持され、その他端側に車輪が装着された左,右のサスペンションアームと、車幅方向に延び、前記左,右のサスペンションアームに結合された中間ビームとを備え、前記中間ビームの前方に所定の空間を設けて車載部品が配設された車両用サスペンション装置において、前記中間ビームは、前側壁と後側壁と該前,後側壁の上端同士を接続する上側壁とを有し、下方に開口する横断面大略コ字形状をなし、前記中間ビームの前側壁に車幅方向に延びる孔を形成するとともに、弾性部材からなるプロテクタを配設し、該プロテクタは、前記中間ビームの少なくとも前側壁部分を微小隙間を設けて覆うプロテクタ本体と、前記中間ビームの孔を挿通して該中間ビームの下端開口を略閉塞する舌片部とを有することを特徴としている。
ここで、前記プロテクタ本体で前側壁部分を微小隙間を設けて覆うとは、プロテクタ本体を前側壁に当接させる場合も含む。
本発明に係るサスペンション装置によれば、下方に開口する中間ビームの前側壁に車幅方向に延びる孔を形成するとともに、弾性部材からなるプロテクタを配設したので、中間ビームの孔の大きさ,位置等を適宜設定することにより、所望の捩じり剛性に調整することが可能となり、乗り心地,操縦安定性を高めることができる。
また前記プロテクタが車両衝突時の緩衝部材として機能することから、車載部品が中間ビームに直接当たることによる車載部品の損傷を回避することが可能となる。その結果、車載部品と中間ビームとの間のスペースを有効利用することにより、中間ビームの断面形状に対する自由度を高めることができ、この点からも中間ビームの捩じり剛性の調整が可能となる。
本発明では、プロテクタに中間ビームの孔を挿通して該中間ビームの下端開口を略閉塞する舌片部を形成したので、飛び石等が中間ビームの断面内に入り込むことによる異音の発生を防止することができる。
また本発明では、プロテクタを中間ビームの前側壁部分を微小隙間を設けて覆うように配置したので、このプロテクタが、車輪を介してサスペンションアームから中間ビームに伝わる微振動を抑制するダンパとして機能することとなり、防振効果を高めることができる。
このように本発明では、前記中間ビームに車幅方向に延びる孔を形成するとともに、弾性部材からなるプロテクタを配設するだけの簡単でかつ安価な構造で前記作用効果を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図5は、本発明の実施例1による車両用サスペンション装置を説明するための図である。
図において、1は自動車のトレーリングアーム式リヤサスペンション装置を示している。このリヤサスペンション装置1は、主として車両前後方向に延びる左,右一対のサスペンションアーム2,2と、車幅方向に延びる中間ビーム3とを備えている。
前記左,右のサスペンションアーム2は、パイプ状のものからなり、その前端部(一端側)2aがブッシュ部材5を介して左,右のサイドメンバ(車体フレーム)6の下面に固定されたブラケット6aにより上下揺動可能に支持されている。また前記左,右のサスペンションアーム2の後端部(他端側)2bには、後輪7が回転自在に装着されている。
前記左,右のサスペンションアーム2の後端部2bには、ばね受け部材8が車内方に突出するよう固定されている。該各ばね受け部材8は、その上端が前記サイドメンバ6に支持されたサスペンションばね9の下端を支持している。
前記左,右のばね受け部材8には、後方に突出する支持ブラケット10が固定されている。該左,右の支持ブラケット10には、その上端部が車体フレーム12に連結されたショックアブソーバ11の下端部が連結されている。
前記左,右のサスペンションアーム2の間には、燃料タンク(車載部品)15が配設されている。この燃料タンク15は、板金製のアッパタンク15aとロアタンク15bとのフランジ15c同士を溶接結合した構造を有し、前記中間ビーム3の車両前側に所定の空間s1を設けて配置されている。詳細には、ロアタンク15bに中間ビーム3が対向するよう配置されている。
前記中間ビーム3は、これの左,右端縁3a,3aが前記左,右のサスペンションアーム2に溶接結合されている。ここで、高走行性能仕様の車両の場合には、中間ビーム3内に左,右のサスペンションアーム2に連結されたスタビライザ16が配置される(図4参照)。
前記中間ビーム3は、車両側方視で下方に開口する横断面略逆U字形状をなしており、前側壁3bと後側壁3cと該前,後側壁3b,3cの上端同士を一体に接続する円弧状の上側壁3dとを有する。
そして前記中間ビーム3の前側壁3bには、車幅方向に延びる長孔3eが形成され、かつ弾性部材からなるプロテクタ18が配設されている。
前記長孔3eは、前記前側壁3bの下縁近傍に形成され、該前側壁3bの略全長に渡って形成されている。これにより所望の捩じり剛性に調整されている。ここで、中間ビーム3の長孔3eの上下寸法を大きくしたり、長孔3eを低い位置に形成したりすることにより捩じり剛性が小さくなる傾向があり、長孔3eの大きさや位置を設定することにより捩じり剛性の調整が可能である。
前記プロテクタ18は、所定量のゴム材料を含む低反発性樹脂により成形されたものであり、前記中間ビーム3の前側壁3b部分を所定の隙間s2を設けて覆うプロテクタ本体18aと、前記中間ビーム3の長孔3eを挿通して該中間ビーム3の下端開口3fを閉塞する舌片部18bとを有する。
前記プロテクタ本体18aは、前記前側壁3bとの間に1ミリ〜数ミリ程度の隙間s2をあけて配置されており、前側壁3bの下端から上側壁3dの上端付近架けて覆う上下長さを有し、かつ前記前側壁3bの車幅方向全長を覆う車幅長さを有する。ここで、プロテクタ本体18aを前側壁3bに当接するように配置してもよく、このようにした場合にも微振動に対する抑制効果が得られる。
前記舌片部18bは、前記プロテクタ本体18aの下端部に後方に延びるよう一体に形成されており、その厚さは前記長孔3eの上下寸法より若干厚く形成されている。この舌片部18bを若干弾性変形させた状態で長孔3e内に圧入することにより、舌片部18bは移動不能に挟持されている。このようにして前記プロテクタ18は中間ビーム3に抜け防止を図るように取り付けられている。
前記舌片部18bの後端面18cは、前記中間ビーム3の後側壁3cに当接又は近接しており、これにより中間ビーム3の下端開口3fは舌片部18bにより閉塞されている。
本実施例によれば、下方に開口する横断面略逆U字形状をなす中間ビーム3の前側壁3bに車幅方向に延びる長孔3eを形成するとともに、弾性部材からなるプロテクタ18を配設したので、中間ビーム3の長孔3eの大きさ,位置等を適宜設定することにより捩じり剛性を調整することが可能となり、乗り心地及び操縦安定性を高めることができる。
また前記プロテクタ18が車両衝突時の緩衝部材として機能することから、中間ビーム3に直接当たることによる燃料タンク15の変形や損傷を回避することが可能となる。その結果、燃料タンク15と中間ビーム3との間の空間s1を有効利用することにより、中間ビーム3の断面形状に対する自由度を高めることができ、この点からも捩じり剛性の調整が可能となる。ちなみに、近年においては、樹脂製の燃料タンクが採用される場合があり、この樹脂製燃料タンクを搭載した場合の損傷を大幅に緩和できる。
本実施例では、プロテクタ18に中間ビーム3の長孔3eを挿通して該中間ビーム3の下端開口3fを閉塞する舌片部18bを形成したので、飛び石等が中間ビーム3の断面内に入り込むことによる異音の発生を防止することができ、商品性への悪影響を回避できる。
また本実施例では、前記プロテクタ18を、中間ビーム3の前側壁3bを所定の隙間s2を設けて覆うように配置したので、プロテクタ18が後輪7を介してサスペンションアーム2から中間ビーム3に伝わる微振動を抑制するダンパとして機能することとなり、防振効果を高めることができる。
このように本実施例によれば、前記中間ビーム3に車幅方向に延びる長孔3eを形成するとともに、弾性部材からなるプロテクタ18を配設するだけの簡単でかつ安価な構造で前述の作用効果を得ることができる。
なお、前記実施例では、プロテクタ18の舌片部18bを中間ビーム3の後側壁3cに当接又は近接するように形成した場合を説明したが、本発明の舌片部の形状及び取り付けに関しては、以下のような各種の変形例が考えられる。
例えば、図4に示すように、舌片部18bに前側壁3bの背面に係合するストッパ部18dを形成してもよく、この場合には抜け防止効果をより高めることができる。また中間ビーム3の後側壁3cに前側壁3bの長孔3eに対応した孔3gを形成し、舌片部18bに孔3gを貫通して後方に突出する延長部18eを形成することにより、前,後の孔3e,3gにより舌片部18bを挟持してもよく、さらには舌片部18bの延長部18eに後側壁3cの背面に係合するストッパ部18fを形成してもよい。このようにした場合には、抜け防止効果をより一層高めることができる。
前記実施例では、中間ビーム3の長孔3eを車幅方向全長に渡る長さとしたが、本発明では、長孔を車幅方向において複数に分割してもよく、所望の捩じり剛性に応じた形状,大きさに設定すればよい。
また前記実施例では、車載部品として燃料タンク15を配置した場合を説明したが、本発明の車載部品は、これに限られるものではなく、例えば各種センサ,ハーネス,配管等も含まれる。
さらに前記実施例では、プロテクタ本体18aを前側壁3bから上側壁3dの前部分を覆うように形成したが、本発明では、プロテクタ本体を前側壁から上側壁の全域を覆うように形成してもよい。このようにした場合は、中間ビームの上方に配置されたフロア部材等の車載部品との干渉を緩和できる。
1 サスペンション装置
2 サスペンションアーム
2a 前端部(一端側)
2b 後端部(他端側)
3 中間ビーム
3b 前側壁
3c 後側壁
3d 上側壁
3e 長孔
3f 下端開口
6 サイドメンバ(車体フレーム)
7 後輪
15 燃料タンク(車載部品)
18 プロテクタ
18a プロテクタ本体
18b 舌片部
s2 隙間
2 サスペンションアーム
2a 前端部(一端側)
2b 後端部(他端側)
3 中間ビーム
3b 前側壁
3c 後側壁
3d 上側壁
3e 長孔
3f 下端開口
6 サイドメンバ(車体フレーム)
7 後輪
15 燃料タンク(車載部品)
18 プロテクタ
18a プロテクタ本体
18b 舌片部
s2 隙間
Claims (1)
- 車両前後方向に延び、その一端側が車体フレームに上下揺動可能に支持され、その他端側に車輪が装着された左,右のサスペンションアームと、
車幅方向に延び、前記左,右のサスペンションアームに結合された中間ビームとを備え、
前記中間ビームの前方に所定の空間を設けて車載部品が配設された車両用サスペンション装置において、
前記中間ビームは、前側壁と後側壁と該前,後側壁の上端同士を接続する上側壁とを有し、下方に開口する横断面大略コ字形状をなし、
前記中間ビームの前側壁に車幅方向に延びる孔を形成するとともに、弾性部材からなるプロテクタを配設し、
該プロテクタは、前記中間ビームの少なくとも前記前側壁部分を微小隙間を設けて覆うプロテクタ本体と、
前記中間ビームの孔を挿通して該中間ビームの下端開口を略閉塞する舌片部とを有する
ことを特徴とする車両用サスペンション装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012136684A JP2014000865A (ja) | 2012-06-18 | 2012-06-18 | 車両用サスペンション装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012136684A JP2014000865A (ja) | 2012-06-18 | 2012-06-18 | 車両用サスペンション装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014000865A true JP2014000865A (ja) | 2014-01-09 |
Family
ID=50034470
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012136684A Pending JP2014000865A (ja) | 2012-06-18 | 2012-06-18 | 車両用サスペンション装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014000865A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016079709A (ja) * | 2014-10-17 | 2016-05-16 | キャタピラー エス エー アール エル | 建設機械の旋回フレーム |
-
2012
- 2012-06-18 JP JP2012136684A patent/JP2014000865A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016079709A (ja) * | 2014-10-17 | 2016-05-16 | キャタピラー エス エー アール エル | 建設機械の旋回フレーム |
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