JP2014000845A - 車両用エアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エアバッグモジュール23に、樹脂製補強部材31の外周フランジ部36に対して固定可能なフランジ取付用アーム部51を設け、外周フランジ部36に、フランジ取付用アーム部51を固定可能なアーム固定部52を設ける。このアーム固定部52が、エアバッグリッド部材24のリッド外周部34の裏面側に溶着固定される溶着固定用座部53と、この溶着固定用座部53に一体に設けられて上記したフランジ取付用アーム部51の先端部を締結固定可能な取付用ボス部54を有するものとされる。そして、エアバッグモジュール23が作動した際の反力でエアバッグリッド部材24のリッド外周部34とアーム固定部52の溶着固定用座部53との間の溶着部分が剥がれるのを防止可能な剥離防止部71を設けるようにする。
【選択図】図3
Description
前記エアバッグモジュールに、前記外周フランジ部に対して固定可能なフランジ取付用アーム部を設け、前記外周フランジ部に、前記フランジ取付用アーム部を固定可能なアーム固定部を設けると共に、該アーム固定部が、前記リッド外周部の裏面側に溶着固定される溶着固定用座部と、該溶着固定用座部に一体に設けられて前記フランジ取付用アーム部の先端部を締結固定可能な取付用ボス部を有し、更に、前記エアバッグモジュールが作動した際の反力で前記リッド外周部と前記溶着固定用座部との間の溶着部分が剥がれるのを防止可能な剥離防止部を設けたことを特徴とする。
ここで、上記した「エアバッグモジュール23」は、特に明確には図示しないが、モジュール容器に対して、上記した袋状のエアバッグ本体と、このエアバッグ本体を膨張させるための作動流体を発生させるインフレータとを収納したものである。
図2、図3に示すように、上記したエアバッグモジュール23に、上記した外周フランジ部36に対して固定可能なフランジ取付用アーム部51を設ける。また、上記した外周フランジ部36に、上記したフランジ取付用アーム部51を固定可能なアーム固定部52を設ける。
上記した「フランジ取付用アーム部51」は、この場合、上記したフック部39の設置位置を避けて、エアバッグモジュール23の左右の側面に形成される。このフランジ取付用アーム部51は、板面がほぼ左右方向47へ向いた帯板状のものとされる。
図9(a)〜(c)に示すように、上記した剥離防止部71は、上記したフランジ取付用アーム部51に設けられて、上記したエアバッグモジュール23の作動時の反力を変形によって吸収可能な変形可能部72としても良い。
ここで、上記した「変形可能部72」は、要するに、エアバッグモジュール23の作動時の反力を変形によって吸収することができればどのようなものであっても良い。
図10(a)〜(c)に示すように、上記した変形可能部72は、上記したフランジ取付用アーム部51に設けられた屈曲形状部73としても良い。なお、図10(a)〜(c)は、図3の左側のフランジ取付用アーム部51に相当するものである。
ここで、上記した「屈曲形状部73」は、要するに、エアバッグモジュール23の作動時の反力を伸び変形によって吸収することができればどのようなものであっても良い。
図11に示すように、上記した屈曲形状部73は、変形力を設定・調整可能な変形力設定調整手段74を有するものとしても良い。
ここで、上記した「変形力設定調整手段74」は、屈曲形状部73の変形に要する力(変形力)の大きさを、走行時の振動によっては変形せず、エアバッグモジュール23の作動時の反力に対しては、リッド外周部34と溶着固定用座部53との間の溶着部分が剥がれるよりも先に変形されるように設定・調整するためのものである。
図8に示すように、上記した剥離防止部71は、上記したフランジ取付用アーム部51と上記した取付用ボス部54との間に設けられて、上記したエアバッグモジュール23の作動時の反力を、分離することによって遮断可能な分離可能部75としても良い。
ここで、上記した「分離可能部75」は、エアバッグモジュール23の作動時の反力によって、フランジ取付用アーム部51と取付用ボス部54とを確実に分離させることができればどのようなものであっても良い。
更に、必要に応じて、上記したエアバッグモジュール23が作動した際の反力で上記したリッド外周部34と上記した溶着固定用座部53との溶着部分(座部溶着部55、図5参照)が剥がれた場合に、当該剥がれが上記したリッド外周部34と上記した外周フランジ部36との溶着部分(外周溶着部42)に進展しないようにするための剥離進展防止部56を設けるようにする。
上記した「剥離進展防止部56」については、以下の通りである。
図5〜図7に示すように、上記した剥離進展防止部56は、上記したリッド外周部34と上記した外周フランジ部36との間を溶着する外周溶着部42と、上記したリッド外周部34と上記した溶着固定用座部53との間を溶着する座部溶着部55との間を分離する分離部61としても良い。
ここで、上記した「分離部61」は、外周溶着部42と座部溶着部55とを不連続にするための隙間部分とされる。図5の場合、分離部61は、溶着固定用座部53が外周フランジ部36と接する内側の辺部分に沿う直線状の部分に設けられる。また、図6、図7の場合、分離部61は、溶着固定用座部53が、外周フランジ部36およびモジュール取付枠部37と接する3辺を取囲むように「コ」字状に設けられる。この分離部61は、溶着リブを有さないリブ無部分、または、外周溶着部42と座部溶着部55とが分断されるリブ不連続部分などとされる。
または、図12に示すように、上記した剥離進展防止部56は、上記した外周溶着部42の、上記した座部溶着部55周辺に設けた溶着強化部62としても良い。
ここで、上記した「溶着強化部62」は、例えば、図12(a)〜(d)に示すように、外周溶着部42の端部に止形状部を設けたものなどとされる。このうち、図12(a)の止形状部62aは、座部溶着部55の端部を他の部分よりも僅かに大きくした膨張部とされる。また、図12(b)の止形状部62bは、座部溶着部55の端部をL字状に曲げたL字状部とされる。そして、図12(c)の止形状部62cは、座部溶着部55の端部をT字状に広げたT字状部とされる。更に、図12(d)の止形状部62dは、隣接する複数の座部溶着部55の端部間を連結した複数連結部とされる。
類は、例えば、図13〜図16に示すように、上記した剥離進展防止部56は、上記した分離部61に設けた、上記した外周フランジ部36に対する上記した溶着固定用座部53の変形または分離を許容可能な変形分離許容部63としても良い。
ここで、上記した「変形分離許容部63」は、外周フランジ部36に対して溶着固定用座部53を変形させる変形許容部と、外周フランジ部36に対して溶着固定用座部53を分離させる分離許容部とを含む脆弱部などとされる。この変形分離許容部63(脆弱部)は、溶着固定用座部53を、リッド外周部34に対して区画するように設けられる。
そして、上記した溶着固定用座部53は、上記した外周フランジ部36の外側または内側に設けられるようにしても良い。
溶着固定用座部53が、上記した外周フランジ部36の外側に設けられるとは、既に上記した図5のような場合である。
更に、図17に示すように、上記した溶着固定用座部53は、上記した外周フランジ部36の外側に張出すように設けられると共に、上記した溶着固定用座部53が、上記した外周フランジ部36との境界部分に応力集中形状部64を有するものとしても良い。
ここで、上記した「応力集中形状部64」は、溶着固定用座部53を、例えば、外周フランジ部36側の辺部が上底となり、反対側の辺部が下底となる台形状(非矩形状)にして、溶着固定用座部53と外周フランジ部36とが交わる部分に鋭角のコーナー部を有するものとすることができる。
エアバッグモジュール23にフランジ取付用アーム部51を設けると共に、外周フランジ部36にアーム固定部52を設けて、フランジ取付用アーム部51をアーム固定部52に固定することにより、エアバッグモジュール23のガタ付きや、異音の発生を防止することができる。また、エアバッグモジュール23のフック部39と、モジュール取付枠部37の係止用孔部38とが確実に係止されている、ということを保証できるようになる。
剥離防止部71が、図9(a)〜(c)に示すように、フランジ取付用アーム部51に設けられて、エアバッグモジュール23の作動時の反力を変形によって吸収可能な変形可能部72であることにより、エアバッグモジュール23の作動時の反力に対し、剥離防止部71としての変形可能部72が、フランジ取付用アーム部51を少なくとも部分的に変形させることによって、上記した反力を吸収する。これにより、リッド外周部34と溶着固定用座部53との間の溶着部分の剥がれを確実に防止することができる。
変形可能部72が、図10(a)〜(c)に示すように、フランジ取付用アーム部51に設けられた屈曲形状部73であることにより、エアバッグモジュール23の作動時の反力に対し、変形可能部72としての屈曲形状部73が、フランジ取付用アーム部51を伸び変形させることによって、上記したエアバッグモジュール23の作動時の反力を吸収することができる。これにより、リッド外周部34と溶着固定用座部53との間の溶着部分の剥がれを確実に防止することができる。また、屈曲形状部73は、フランジ取付用アーム部51に対して容易に設けることができると共に、大きな変形量を確保し易いので、効果が大きく構造的に有利である。
変形可能部72が、図11に示すように、変形力設定調整手段74を有することにより、走行時の振動によっては変形せず、エアバッグモジュール23の作動時の反力に対しては、リッド外周部34と溶着固定用座部53との間の溶着部分が剥がれるよりも先に変形するように、変形力設定調整手段74にて、変形可能部72の変形力を設定し調整することができる。これにより、変形可能部72の変形力を最適に設定調整することができる。
剥離防止部71が、図8に示すように、フランジ取付用アーム部51と取付用ボス部54との間に設けられて、エアバッグモジュール23の作動時の反力を、分離することによって遮断可能な分離可能部75であることにより、エアバッグモジュール23の作動時の反力に対し、剥離防止部71としての分離可能部75が、フランジ取付用アーム部51と取付用ボス部54との間(の締結固定部分)を分離させることによって、上記した反力の伝達を遮断することができる。これにより、リッド外周部34と溶着固定用座部53との間の溶着部分の剥がれを確実に防止することができる。
エアバッグモジュール23にフランジ取付用アーム部51を設けると共に、外周フランジ部36にアーム固定部52を設けて、フランジ取付用アーム部51をアーム固定部52に固定することにより、エアバッグモジュール23のガタ付きや、異音の発生を防止することができる。また、エアバッグモジュール23のフック部39と、モジュール取付枠部37の係止用孔部38とが確実に係止されている、ということを保証できるようになる。
剥離進展防止部56が、図5〜図7に示すような、リッド外周部34と外周フランジ部36との間を溶着する外周溶着部42と、リッド外周部34と溶着固定用座部53との間を溶着する座部溶着部55との間を分離する分離部61であることにより(リブ無部分、または、リブ不連続部分)、剥離進展防止部56としての分離部61が、外周溶着部42と座部溶着部55との間を分離して独立のものとしているので、座部溶着部55に生じた剥離がそのまま直ちに外周溶着部42へ進展して行くのを防止することができる。
剥離進展防止部56が、図12(a)〜(e)に示すような、外周溶着部42の、座部溶着部55周辺に設けた溶着強化部62であることにより、剥離進展防止部56としての溶着強化部62が、外周溶着部42の座部溶着部55周辺の溶着力を強化するので、座部溶着部55に剥離が生じたとしても、剥離が進展しないように外周溶着部42自体の溶着力で耐えることができる。
剥離進展防止部56が、図13〜図16に示すような、分離部61に設けた、外周フランジ部36に対する溶着固定用座部53の変形または分離を許容可能な変形分離許容部63であることにより、剥離進展防止部56としての変形分離許容部63が、外周フランジ部36に対して溶着固定用座部53を変形または分離させることで、上記した反力が吸収されるので、座部溶着部55に生じた剥離が外周溶着部42へ進展するのを防止することができる。
図5に示すように、溶着固定用座部53が、外周フランジ部36の外側に設けられたことにより、溶着固定用座部53を外周フランジ部36から構造的に独立させると共に、外周フランジ部36を周方向に連続したものとすることができるので、外周フランジ部36のリッド外周部34に対する溶着力を高めると共に、剥離進展防止部56をより有利に設けることができる。
溶着固定用座部53が、図17に示すように、外周フランジ部36の外側に張出すように設けられると共に、溶着固定用座部53が、外周フランジ部36との境界部分に応力集中形状部64を有することにより、溶着固定用座部53と外周フランジ部36との境界部分に意図的に設けられた応力集中形状部64が、エアバッグモジュール23が作動した際の反力が集中し易い位置となるので、この応力集中形状部64に上記した各剥離進展防止部56を設けることにより、剥離進展防止部56をより有効に機能させることができるようになる。
22 エアバッグ装置
23 エアバッグモジュール
24 エアバッグリッド部材
31 樹脂製補強部材
32 開裂溝部
33 リッド部
34 リッド外周部
35 開閉ドア部
36 外周フランジ部
37 モジュール取付枠部
38 係止用孔部
39 フック部
42 外周溶着部
51 フランジ取付用アーム部
52 アーム固定部
53 溶着固定用座部
54 取付用ボス部
55 座部溶着部
56 剥離進展防止部
61 分離部
62 溶着強化部
63 変形分離許容部
64 応力集中形状部
71 剥離防止部
72 変形可能部
73 屈曲形状部
74 変形力設定調整手段
75 分離可能部
Claims (6)
- エアバッグリッド部材の裏面側に、樹脂製補強部材を介してエアバッグモジュールが取付けられると共に、
前記エアバッグリッド部材が、閉ループ状の開裂溝部により区画形成された、エアバッグモジュールの作動によって膨出用開口部を開成させるリッド部と、該リッド部の外周側を取囲むリッド外周部とを有し、
前記樹脂製補強部材が、前記リッド部の裏面側に溶着固定される開閉ドア部と、
前記リッド外周部の裏面側に溶着固定される外周フランジ部と、
前記開閉ドア部と外周フランジ部との間に、前記膨出用開口部を包囲するように設けられるモジュール取付枠部とを有し、
前記エアバッグモジュールが、前記モジュール取付枠部の内部にその上部を挿入した状態で、前記モジュール取付枠部の側面に形成された係止用孔部に対し、遊嵌状態で挿入および係止可能なフック部を有する車両用エアバッグ装置において、
前記エアバッグモジュールに、前記外周フランジ部に対して固定可能なフランジ取付用アーム部を設け、
前記外周フランジ部に、前記フランジ取付用アーム部を固定可能なアーム固定部を設けると共に、
該アーム固定部が、前記リッド外周部の裏面側に溶着固定される溶着固定用座部と、該溶着固定用座部に一体に設けられて前記フランジ取付用アーム部の先端部を締結固定可能な取付用ボス部を有し、
更に、前記エアバッグモジュールが作動した際の反力で前記リッド外周部と前記溶着固定用座部との間の溶着部分が剥がれるのを防止可能な剥離防止部を設けたことを特徴とする車両用エアバッグ装置。 - 前記剥離防止部が、前記フランジ取付用アーム部に設けられて、前記エアバッグモジュール作動時の反力を変形によって吸収可能な変形可能部であることを特徴とする請求項1に記載の車両用エアバッグ装置。
- 前記変形可能部が、前記フランジ取付用アーム部に設けられた屈曲形状部であることを特徴とする請求項2に記載の車両用エアバッグ装置。
- 前記変形可能部が、変形力を設定・調整可能な変形力設定調整手段を有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車両用エアバッグ装置。
- 前記剥離防止部が、前記フランジ取付用アーム部と前記取付用ボス部との間に設けられて、前記エアバッグモジュール作動時の反力を、分離することによって遮断可能な分離可能部であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用エアバッグ装置。
- 前記エアバッグモジュールが作動した際の反力で前記リッド外周部と前記溶着固定用座部との溶着部分が剥がれた場合に、当該剥がれが前記リッド外周部と前記外周フランジ部との溶着部分に進展しないようにするための剥離進展防止部を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両用エアバッグ装置。
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