JP2011020653A - インストルメントパネル構造 - Google Patents

インストルメントパネル構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2011020653A
JP2011020653A JP2009169856A JP2009169856A JP2011020653A JP 2011020653 A JP2011020653 A JP 2011020653A JP 2009169856 A JP2009169856 A JP 2009169856A JP 2009169856 A JP2009169856 A JP 2009169856A JP 2011020653 A JP2011020653 A JP 2011020653A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
instrument panel
airbag
airbag door
flange portion
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009169856A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasunobu Yamazaki
泰伸 山▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2009169856A priority Critical patent/JP2011020653A/ja
Publication of JP2011020653A publication Critical patent/JP2011020653A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】エアバッグ装置が展開される際に開裂されるインストルメントパネルについて、薄肉化を図りつつ強度を確保することができるインストルメントパネル構造を得る。
【解決手段】インストルメントパネル構造10は、エアバッグドア部材16とインパネ補強部材18とを備える。エアバッグドア部材16は、インストルメントパネル12の上壁20Aにおける内面に固定されたフランジ部24と、フランジ部24の内側に設けられたエアバッグドア26とを有し、エアバッグ22の展開圧によってエアバッグドア26がインストルメントパネル12を開裂させつつヒンジ28回りに回動される。インパネ補強部材18は、前側のフランジ部40においてエアバッグドア部材16のフランジ部24の後部24Bに連続すると共に、該フランジ部40の車両後方でインストルメントパネル12とで閉断面構造44を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内側にエアバッグ装置が設けられたインストルメントパネル構造に関する。
ニーパネルをエアバッグ収納用ハウジングの補強部材として利用することにより、特別な補強部材を別個に用いることなくエアバッグ収納用ハウジングの変形防止を図り得ると共に、ニーパネルの補強部材としてエアバッグ収納用ハウジングを利用する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、エアバッグリッドの車両後方側のフランジを車両前方側のフランジよりも長く設定し、後方側のフランジにリブを一体に形成したエアバッグリッド構造が知られている(例えば、特許文献2参照)。さらに、インストルメントパネルを補強する構造について、各種の工夫が考えられている(例えば、特許文献3〜5参照)。
特開平8−216816号公報 特開2002−144998号公報 特開平9−164861号公報 特開2003−154918号公報 特開2001−138847号公報
しかしながら、エアバッグ装置が展開される際にエアバッグドアと共に開裂されるインストルメントパネルについて、薄肉化を図りつつ強度を確保する観点から改善の余地がある。
本発明は、エアバッグ装置が展開される際に開裂されるインストルメントパネルについて、薄肉化を図りつつ強度を確保することができるインストルメントパネル構造を得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係るインストルメントパネル構造は、インストルメントパネルにおける上壁の内面に固定された矩形枠状のフランジ部と、前記フランジ部の内側に設けられたエアバッグドアとを有し、エアバッグの展開圧によって前記エアバッグドアが前記インストルメントパネルを開裂させつつ前記フランジ部との境界部分をヒンジとして回動されるエアバッグドア部材と、前記フランジ部における車両前後方向の後側で該フランジ部に連続するように前記インストルメントパネルに固定されると共に、該固定部の車両前後方向の後側で単独で又は前記インストルメントパネルとで車幅方向に長手とされた閉断面構造を成す補強部と、を備えている。
請求項1記載のインストルメントパネル構造では、エアバッグが展開する際には、該エアバッグの展開圧によってエアバッグドアがインストルメントパネルを開裂させつつ、車幅方向に沿ったヒンジ回りに回動する。これにより、インストルメントパネルに形成された開口部を通じて、エアバッグは車室側で展開される。このインストルメントパネルの開裂の際、インストルメントパネルには、車両前後方向に沿った引張応力が作用する。ここで、本インストルメントパネル構造では、エアバッグドア部材のフランジ部と補強部の車両前端側部分とが連続する(間隔を空けない)ように直接的又は間接的にインストルメントパネルに固定されることで、インストルメントパネルが車両前後方向に沿った引張応力に対し補強されている。このため、エアバッグの展開圧に対しインストルメントパネルが保護され、該インストルメントパネルはエアバッグドアの展開に伴って所定の部位にて開裂される。
また、車室で展開されたエアバッグが乗員を支持する際には、該エアバッグの車両前端側がインストルメントパネルに当接することで、反力が支持される。この際、インストルメントパネルには、車幅方向における反力支持部位を車両前方に撓ませる方向の曲げ荷重(応力)が作用する。ここで、インストルメントパネルにおける車両後部には、該インストルメントパネルの内面に固定された補強部によって閉断面構造が形成されており、該インストルメントパネルは曲げに対し補強されている。このため、エアバッグによる乗員支持に伴う反力を確保することができる。
このように、請求項1記載のインストルメントパネル構造では、エアバッグ装置が展開される際に開裂されるインストルメントパネルについて、薄肉化を図りつつ強度を確保することができる。また、閉断面構造を他の機能を果たす部分(例えば、空調用ダクト等)として用いることも可能である。
請求項2記載の発明に係るインストルメントパネル構造は、請求項1記載のインストルメントパネル構造において、前記補強部は、隔壁部を有し、該隔壁部の両側にそれぞれ前記閉断面構造が形成されている。
請求項2記載のインストルメントパネル構造では、補強部が隔壁を有するため、インストルメントパネルは曲げに対し一層補強されている。また、例えば閉断面構造を他の機能部として用いる場合に、該他の機能の性能向上に寄与し得る。
請求項3記載の発明に係るインストルメントパネル構造は、請求項2記載のインストルメントパネル構造において、前記隔壁は、前記閉断面構造の長手方向に直交する断面視で、前記エアバッグによる乗員拘束方向に沿って延在されている。
請求項3記載のインストルメントパネル構造では、隔壁がエアバッグによる乗員拘束方向に沿って延材しているので、インストルメントパネルが曲げに対し一層良好に補強される。
請求項4記載の発明に係るインストルメントパネル構造は、請求項1〜請求項3の何れか1項記載のインストルメントパネル構造において、前記補強部は、車両前後方向の前端側において前記フランジ部と連続するように、前記エアバッグドア部材と一体に形成されている。
請求項4記載のインストルメントパネル構造では、エアバッグドア部材のフランジ部と補強部の車両前端部とが一体に形成されている。すなわち、エアバッグドア部材に補強部が一体化されている。このため、インストルメントパネルの内面へのエアバッグドア部材、補強部の固定構造が簡単で、固定作業が容易である。
請求項5記載の発明に係るインストルメントパネル構造は、請求項1〜請求項3の何れか1項記載のインストルメントパネル構造において、前記補強部は、車両前後方向の前端側において前記フランジ部に重ね合わせ状態で接合されている。
請求項5記載のインストルメントパネル構造では、インストルメントパネルの内面に、フランジ部、補強部材の車両前端側が重ね合わせ状態で固定されている。これにより、エアバッグドア部材と補強部とを別部材で構成しながら、上記の通りエアバッグ装置が展開される際に開裂されるインストルメントパネルについて、薄肉化を図りつつ強度を確保することができる。
以上説明したように本発明に係るインストルメントパネル構造は、エアバッグ装置が展開される際に開裂されるインストルメントパネルについて、薄肉化を図りつつ強度を確保することができるという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係るインストルメントパネル構造におけるエアバッグの展開状態を示す側断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るインストルメントパネル構造におけるエアバッグの展開前の状態を示す側断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るインストルメントパネル構造の概略構成を示し一部切り欠いた斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るインストルメントパネル構造におけるエアバッグの展開状態を示す側断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るインストルメントパネル構造におけるエアバッグの展開前の状態を示す側断面図である。 本発明の実施形態との第1比較例に係るインストルメントパネル構造を示す側断面図である。 本発明の実施形態との第2比較例に係るインストルメントパネル構造を示す側断面図である。
本発明の実施形態に係るインストルメントパネル構造10について、図1〜図3に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印IN、矢印OUTは、それぞれインストルメントパネル構造10が適用された自動車の前方向(進行方向)、上方向、車幅方向の内側、外側を示している。
図2には、インストルメントパネル構造10が側断面図にて示されており、図3には、インストルメントパネル構造10が斜視図にて示されている。これらの図に示される如く、インストルメントパネル構造10は、インストルメントパネル12と、該インストルメントパネル12内に設けられたエアバッグ装置14のエアバッグドア部材16と、インストルメントパネル12を補強するための補強部としてのインパネ補強部材18とを主要部として構成されている。
インストルメントパネル12は、インストルメントパネル構造10が適用された自動車の車室の前部に設けられ、図示しないダッシュパネル及び車両用空調装置(の一部)を含む各種装置、部品などを車室側から覆っている。インストルメントパネル12の前上端は、図示しないウインドシールドガラスの下端に略一致され、該部分から車両後方に突出したインパネアッパパネル20と、該インパネアッパパネルの下方に乗員の足元スペースを形成するように設けられるインパネロアパネル(図示省略)とを有する。
エアバッグ装置14は、助手席用のエアバッグ装置とされ、インストルメントパネル構造10が適用された自動車の前面衝突の際に、助手席乗員に対する車両前後方向の前側でエアバッグ22を膨張、展開させるようになっている。このエアバッグ装置14は、インストルメントパネル12を構成するインパネアッパパネル20の上壁20Aの下側に設けられており、上記した前面衝突の際にインストルメントパネル12内から車室内へエアバッグ22を展開させる構成とされている。
具体的には、エアバッグ装置14を構成するエアバッグドア部材(リテーナ)16は、インパネアッパパネル20を構成する上壁20Aの内面(下面)に接合されている。エアバッグドア部材16は、上壁20Aに振動溶着等にて接合される矩形枠状のフランジ部24と、該フランジ部24の内側に設けられたエアバッグドア26とを有する。エアバッグドア26は、前後一対設けられており、それぞれヒンジ28を介してフランジ部24に連結されている。すなわち、前側のエアバッグドア26は、車両前後方向前側の端部がヒンジ28を介してフランジ部24における車両前後方向の前部24Aに連結されており、後側のエアバッグドア26は、車両前後方向後側の端部がヒンジ28を介してフランジ部24における車両前後方向の後部24Bに連結されている。
これにより、前後のエアバッグドア26は、車両下方から所定値以上の荷重で上方に押圧されると、ヒンジ28を変形させつつ該ヒンジ(車幅方向に沿った軸)回りに回動して展開するようになっている。
インストルメントパネル12を構成するインパネアッパパネルの上壁20Aには、その一部が開裂されてエアバッグドア26と共に展開されるように、内面側に溝状のティアライン30が形成されている。ティアライン30は、前後のエアバッグドア間及び前後のエアバッグドアとフランジ部24との左右側縁間とをつなぐように、底面視で略H字状を成している(図示省略)。上壁20Aは、上記の通りエアバッグドア26が車両下方から所定値以上の荷重で上方に押圧されると、ティアライン30に沿って開裂されることで、前後のエアバッグドア26と共に車両上方(インストルメントパネル12の外方)へ展開される構成である。このように前後のエアバッグドア26が上壁20Aの一部と共に展開することで、エアバッグ22の車室内での膨張、展開が許容されるようになっている。
また、エアバッグドア部材16は、フランジ部24の内周縁部から垂下された矩形筒状の周壁部32を有する。この周壁部32がエアバッグ装置14を構成するエアバッグモジュール34をインストルメントパネル12(車体)に支持するようになっている。エアバッグモジュール34は、助手席乗員の上体を拘束するための上記したエアバッグ22と、エアバッグ22にガスを供給するためのインフレータ36と、エアバッグ22及びインフレータ36を保持(一部収容)したエアバッグケース38とを主要部として構成されている。エアバッグモジュール34は、エアバッグケース38においてエアバッグドア部材16の周壁部32に保持されている。
この実施形態では、エアバッグモジュール34は、エアバッグケース38が車両上下方向のほぼ真上(若干車両後向き)に開口する姿勢で、該エアバッグケース38の開口縁に設けられた複数のフック38Aが周壁部32の係合孔32Aに挿入されている。このフック38Aと係合孔32Aとの係合によって、エアバッグケース38は、インストルメントパネル12に対し落下しないように保持され、またエアバッグ22が膨張、展開する際の反力が支持されるようになっている。なお、エアバッグケース38(エアバッグモジュール34)は、フック38Aと係合孔32Aとの係合に加えて、図示しない部分においてインストルメントパネル12(の骨格部材)等に固定されても良い。
インフレータ36は、ガス噴出口36Aを含む一部がエアバッグ22内に挿入された状態で、エアバッグケース38に固定的に保持されている。この実施形態では、インフレータ36は、エアバッグ22に対し十分なガス容量が確保されている。なお、図1及び図2では、所謂ディスクタイプのインフレータが図示されているが、所定方向に長手の円柱状を成すインフレータを用いても良い。インフレータ36は、インストルメントパネル構造10が適用された自動車の前面衝突(の不可避)が検出又は予測された場合に、図示しない制御装置であるエアバッグECUによって作動され、多量のガスを発生するようになっている。
また、インパネ補強部材18は、図3に示される如く、車幅方向に長手とされると共に、車両上方及び車両後方を向いて開口する断面ハット形状を成している。このインパネ補強部材18は、前後のフランジ部40、41においてインストルメントパネル12の下面に振動溶着等にて接合されている。より具体的には、インパネ補強部材18は、インストルメントパネル12のインパネアッパパネル20の上壁20Aと、車両上方及び車両後方を向く後壁20Bとに跨がるように設けられており、前側のフランジ部40は上壁20Aに接合されると共に、後側のフランジ41は後壁20Bに接合されている。
この実施形態では、インストルメントパネル構造10を構成するインパネ補強部材18とエアバッグドア部材16とは、一体に形成されている。具体的には、エアバッグドア部材16におけるフランジ部24の後部24Bと、インパネ補強部材18における前側のフランジ部40とが連続するように、これらインパネ補強部材18とエアバッグドア部材16とが樹脂の射出成形にて単一部材として形成(構成)されている。したがって、この実施形態では、インパネ補強部材18における前側のフランジ部40(インパネ補強部材18自体)が、エアバッグドア部材16におけるフランジ部24の後部24Bの延長部であると捉えることも可能である。
そして、インストルメントパネル構造10では、それぞれインパネアッパパネル20の上壁20Aに直接的に接合された、エアバッグドア部材16におけるフランジ部24の後部24Bとインパネ補強部材18における前側のフランジ部40とで、インストルメントパネル12を車両前後方向(面方向)の引張応力に対し保護するための重ね合わせ接合部42が構成されている。重ね合わせ接合部42は、インパネアッパパネル20の上壁20Aの後端部(後壁20B)との境界部近傍とエアバッグドア26との間)に所定範囲に亘り設けられている。
また、インストルメントパネル構造10では、重ね合わせ接合部42の後下方に、インパネアッパパネル20の後壁20Bとインパネ補強部材18とで形成された閉断面構造44が配置されている。図1に示される如く、閉断面構造44は、展開されたエアバッグ22により乗員を拘束する荷重F(乗員の拘束に伴う反力)を主に支持する位置に配置されている。すなわち、インストルメントパネル12のインパネアッパパネル20は、荷重Fによる車幅方向の曲げに対して、閉断面構造44にて補強されている。
図3に示される如く、閉断面構造44は、車幅方向に長手とされており、その車幅方向の中央の位置は助手席のシート幅方向中央(エアバッグ22の車幅方向中央)の位置に略一致されている。そして、閉断面構造44の車幅方向の長さは、少なくとも乗員の頭部の幅(200mm程度)以上とされ、またエアバッグ22の車幅方向における展開幅(450mm〜500mm程度)以下とされている。
この実施形態では、閉断面構造44の内部空間は、車両用空調装置の空調空気を流通させるための流路44Aとされている。すなわち、インストルメントパネル構造10を構成する閉断面構造44は、空調用ダクトの一部を成している。図3示される如く、この実施形態では、閉断面構造44(流路44A)は、図示しない空調ユニットからの空調空気を助手席側における車幅方向外側の吹き出し口であるサイドレジスタ46に導く構成とされている。すなわち、閉断面構造44は、車幅方向外側の開口端44Bにおいて、一端がサイドレジスタ46とされたダクト部材48の開口部48Aに気密(シール)状態で接合されている。なお、図3は、左ハンドル車の例を示している。
次に、本実施形態の作用を説明する。
上記構成のインストルメントパネル構造10では、前突センサからの信号に基づいて適用された車両の前面衝突が検知又は予測されたと判断したエアバッグECUは、インフレータ36を作動させる。すると、インフレータ36にて多量のガスが発生され、このガスはエアバッグ22内に供給される。これにより、エアバッグ22は、膨張、展開しながらエアバッグドア26を車両上方に押圧する。この際、エアバッグ装置14は、先ず、インフレータ36の作動の反力でエアバッグケース38が車両下方に移動し、エアバッグケース38の各フック38Aと周壁部32の係合孔32Aと係合し、インパネアッパパネル20の上壁20Aには、下向き(エアバッグ22の展開側とは逆向き)に負荷が掛かる。
次いで、エアバッグ22がエアバッグドア26(を介してインパネアッパパネル20の上壁20A)を押圧し始めると、インパネアッパパネル20の上壁20Aにおけるエアバッグドア26の周囲の部分には、該エアバッグドア26側への引張応力(図2の矢印T参照)が作用する。
さらに、エアバッグ22の展開圧によりティアライン30においてインパネアッパパネル20の上壁20Aが開裂されると、該上壁20Aの開裂部分と共にエアバッグドア26が展開され、これにより形成された開口部を通じて、エアバッグ22は車室側にて所定の展開形状まで膨張、展開される。そして、助手席の乗員が衝突の慣性によって車両前下方へ移動(図1の荷重F方向へ移動)されると、この乗員は展開されたエアバッグ22に接触し、該エアバッグ22を変形させつつエネルギ吸収されて、車両前方への移動が拘束(抑制)される。これにより、インストルメントパネル構造10が適用された車両では、その前面衝突に対して助手席の乗員が保護される。
ここで、インストルメントパネル構造10では、エアバッグドア部材16に隣接してインパネ補強部材18が設けられているので、インストルメントパネル12を構成するインパネアッパパネル20を薄肉化しつつ、エアバッグ22の展開、エアバッグ22による乗員拘束に対する要求強度を確保することができる。以下、具体的に説明する。
インストルメントパネル構造10では、インパネアッパパネル20の上壁20Aは、ティアライン30において開裂される際に、上記の通り図2に矢印Tにて示す方向の引張応力が作用する。例えば図6に示す第1比較例では、インパネ補強部材18が設けられていないので、矢印Tで示す如き引張応力が作用したインパネアッパパネル20は、ティアライン30において開裂される前に、エアバッグドア部材16におけるフランジ部24の後部24Bの後端近傍(インパネアッパパネル20におけるフランジ部24の非接合部との境界である厚みの急変部100)に応力が集中して、該部分にてインパネアッパパネル20が破断されることが懸念される。このため、インパネ補強部材18を備えない構成においては、図7に示される第2の変形例の如くインパネアッパパネル20を全体として厚肉に形成することとなる。
これに対してインストルメントパネル構造10では、インパネ補強部材18の重ね合わせ接合部42が形成されているので、インパネアッパパネル20における上記引張応力を受ける部分が部分的に厚肉化された効果により、該引張応力によるインパネアッパパネル20の破断が防止又は効果的に抑制される。すなわち、インストルメントパネル構造10では、第1比較例と比較して、フランジ部24が車両後方に延長されてインパネアッパパネル20との溶着による接合面積(厚肉部の面積)が増大され、上記引張応力によるインパネアッパパネル20の破断が防止又は効果的に抑制されるものと考えることができる。
また、エアバッグ22による乗員保護の際には、これに伴う荷重F(反力)がエアバッグ22を介してインパネアッパパネル20の後壁20Bに作用する。例えば図6に示す第1比較例では、インパネ補強部材18が設けられていないので、荷重Fによりインパネアッパパネル20に曲げが生じてしまい、十分な反力を得ることができないことが懸念される。このため、インパネ補強部材18を備えない構成においては、図7に示される第2の変形例の如くインパネアッパパネル20を全体として厚肉に形成することとなる。
これに対してインストルメントパネル構造10では、インパネ補強部材18によってインパネアッパパネル20の後壁20Bの内側(車両前側)には閉断面構造44が形成されているので、該閉断面構造44による曲げ剛性の向上効果により、エアバッグ22による乗員拘束に伴う反力が良好に支持される(十分な反力を確保することができる)。
このように、本実施形態に係るインストルメントパネル構造10では、エアバッグ22が展開される際に開裂されるインパネアッパパネル20について、薄肉化を図りつつ強度を確保することができる。
そして、インストルメントパネル構造10では、インパネ補強部材18の閉断面構造44が空調用の流路44Aを成している。したがって、インストルメントパネル構造10では、空調用の流路44Aを形成する部材であるインパネ補強部材18(ダクト部材)を利用して、部品点数の増加を抑えつつ、インパネアッパパネル20を引張応力、曲げ荷重(応力)に対し良好に抑制することができる。
しかも、インストルメントパネル構造10では、インパネ補強部材18がエアバッグドア部材16に一体に形成されている。このため、インストルメントパネル構造10では、インパネアッパパネル20の内面へのエアバッグドア部材16、インパネ補強部材18の固定構造が簡単で、固定作業が容易である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。なお、上記第1の実施形態と基本的に同一の部品・部分については、上記第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。図4には、本発明の第2の実施形態に係るインストルメントパネル構造50が、図1に対応する側断面図にて示されている。この図に示される如く、インストルメントパネル構造50は、エアバッグドア部材16とは別部材とされた補強部としてのインパネ補強部材52を備える点で、第1の実施形態に係るインストルメントパネル構造10とは異なる。
インパネ補強部材52は、車幅方向に長手とされると共に、車両上方及び車両後方を向いて開口する断面形状を成している。このインパネ補強部材52は、前後のフランジ部56、58においてインストルメントパネル12の下面に振動溶着等にて接合されている。より具体的には、インパネ補強部材52は、インパネアッパパネル20の上壁20Aと、車両上方及び車両後方を向く後壁20Bとに跨がるように設けられており、前側のフランジ部56は上壁20Aに接合されると共に、後側のフランジ部58は後壁20Bに接合されている。
この実施形態では、インパネ補強部材52の前側のフランジ部56は、その先端側の一部が、エアバッグドア部材16を構成するフランジ部24の後部24Bに重ね合わされ、該後部24Bに振動溶接等にて接合されている。フランジ部56の他の部分は、上壁20Aの下面に振動溶接等にて接合されている。これにより、インストルメントパネル構造50においても、重ね合わせ接合部42がインストルメントパネル12の下面側に形成されている。
また、インストルメントパネル構造50では、補強部材の底壁60の幅方向中央部が開口側に隆起されることで、隔壁62が形成されている。隔壁62の先端は、インパネアッパパネル20の後壁20Bに振動溶接等にて接合されている。これにより、インストルメントパネル構造50では、隔壁62にて前後(上下)に区画された2つの空間を有する閉断面構造54が形成されている。換言すれば、閉断面構造54は、隔壁62の両側にそれぞれ閉断面構造が形成された2分割構造の中空断面として捉えることができる。
この2つに分割された中空断面が空調装置の流路54Aとして用いられるようになっている。インストルメントパネル構造50における他の構成は、インストルメントパネル構造10の対応する構成と同じである。
したがって、第2の実施形態に係るインストルメントパネル構造50によっても、エアバッグドア部材16とインパネ補強部材18とが一体に形成されていることによる作用効果を除いて、基本的に第1の実施形態に係るインストルメントパネル構造10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。
また、インストルメントパネル構造50では、閉断面構造54が2分割構造とされているので、荷重Fによる曲げに対する剛性が一層向上する。特に、隔壁62が荷重Fの入力方向に略沿って設けられているので、他の方向に隔壁が形成される構成と比較しても荷重Fによる曲げに対する断面係数が大きくなり、曲げ剛性がより一層向上する。これにより、インストルメントパネル構造50では、エアバッグ22による乗員拘束時の反力を確保しながら、インパネアッパパネル20の更なる薄肉化を図ることが可能になる。
さらに、インストルメントパネル構造50では、エアバッグドア部材16と別部材のインパネ補強部材52にて重ね合わせ接合部42、閉断面構造54が形成される。このため、エアバッグドア部材16及びインパネ補強部材52のそれぞれに対する制約が少なく、例えば、複数の車種でエアバッグドア部材16及びインパネ補強部材52の少なくとも一方を共通化することができる。
またさらに、インストルメントパネル構造50では、閉断面構造54が2分割構造とされているので、空調装置の流路54A(ダクト)として用いるため、流路内での空調空気の乱れが抑制される。すなわち、閉断面構造54を2分割する隔壁62は、空調空気の流れ方向に沿って延在しており、該空調空気の流れを整流する効果を奏する。特に、閉断面構造54による流路54Aが大きく曲げられる部分においては、隔壁62が設けられていない(流路断面が大きい)構成では渦流(乱れ)が発生しやすいが、インストルメントパネル構造50では、曲げ部においても空調空気の流れ方向に沿って延在する隔壁62によって渦流の発生が抑制される。このため、インストルメントパネル構造50の閉断面構造54では、インストルメントパネル構造10のインパネ補強部材18と比較して、空調空気の良好な整流効果を得ることができる。
なお、第2の実施形態では、エアバッグドア部材16とインパネ補強部材52とが別部材である例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、インストルメントパネル構造10と同様に、フランジ部56がフランジ部24の後部24Bと一体に形成される構成としても良い。
また逆に、閉断面構造44を形成するインストルメントパネル構造10において、フランジ部40がフランジ部24の後部24Bに重ね合わされて接合されるように、エアバッグドア部材16とインパネ補強部材18とを別部材として形成しても良い。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。なお、上記第1の実施形態と基本的に同一の部品・部分については、上記第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。図5には、本発明の第3の実施形態に係るインストルメントパネル構造70が、図2に対応する側断面図にて示されている。この図に示される如く、インストルメントパネル構造70は、エアバッグドア部材16とは別部材とされた補強部としてのインパネ補強部材72を備える点で、第1の実施形態に係るインストルメントパネル構造10とは異なる。
インパネ補強部材72は、それ自体中空板状に形成されたパネル部材として構成されており、インストルメントパネル構造10における重ね合わせ接合部42、閉断面構造44の設置範囲に亘って、インパネアッパパネル20の上壁20A、後壁20Bに接合されている。このインパネ補強部材72について補足すると、波型(三角波等を含む)の樹脂製中しん72Aの両側に樹脂製のライナ72Bを張り合わせたダンボール構造とされており、樹脂製のダンボールシート(所謂プラダン又はダンプラ)として把握することができる。この実施形態では、中しん72Aは、側断面視で波型を成しており、車幅方向に長手の多数の閉断面構造が一対のライナ72B間に形成されている。
以上説明したインストルメントパネル構造70では、インパネ補強部材72をインパネアッパパネル20の下面に接合することで、引張応力を支持する厚肉部と、曲げ荷重を支持する閉断面構造とが該補強部材の設置全範囲に均一に設けられている。インストルメントパネル構造50における他の構成は、インストルメントパネル構造10の対応する構成と同じである。したがって、第3の実施形態に係るインストルメントパネル構造70によっても、エアバッグドア部材16とインパネ補強部材18とが一体に形成されていることによる作用効果を除いて、基本的に第1の実施形態に係るインストルメントパネル構造10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。なお、インストルメントパネル構造70では、荷重Fによる曲げに対する補強効果を向上するために、少なくとも該曲げ荷重が作用する部分において、インパネ補強部材72を複数枚重ねて設けても良い。
なお、上記した第1、第2の実施形態では、インパネ補強部材18、52がインパネアッパパネル20とで閉断面構造44、54を成す断面ハット形状である例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、インパネ補強部材18として単独で閉断面構造を成す筒状部分を有するものを用いても良い。
また、上記した各実施形態では、本発明に係るインストルメントパネル構造が助手席用エアバッグ装置に適用された例を示したが、本発明はこれに限定されない。したがって例えば、本発明に係るインストルメントパネル構造は、車幅方向に3人の乗員が着座し得るシートのうち車幅方向中央のシート等に適用することができる。また、このような中央座席が本発明においては助手席に含まれると捉えることも可能である。
10 インストルメントパネル構造
12 インストルメントパネル
16 エアバッグドア部材
18 インパネ補強部材(補強部)
22 エアバッグ
24 フランジ部
26 エアバッグドア
28 ヒンジ
40 フランジ部(補強部の前端側)
44 閉断面構造
50・70 インストルメントパネル構造
52・72 インパネ補強部材
54 閉断面構造
56 フランジ部(補強部の前端側)
62 隔壁

Claims (5)

  1. インストルメントパネルにおける上壁の内面に固定された矩形枠状のフランジ部と、前記フランジ部の内側に設けられたエアバッグドアとを有し、エアバッグの展開圧によって前記エアバッグドアが前記インストルメントパネルを開裂させつつ前記フランジ部との境界部分をヒンジとして回動されるエアバッグドア部材と、
    前記フランジ部における車両前後方向の後側で該フランジ部に連続するように前記インストルメントパネルに固定されると共に、該固定部の車両前後方向の後側で単独で又は前記インストルメントパネルとで車幅方向に長手とされた閉断面構造を成す補強部と、
    を備えたインストルメントパネル構造。
  2. 前記補強部は、隔壁部を有し、該隔壁部の両側にそれぞれ前記閉断面構造が形成されている請求項1記載のインストルメントパネル構造。
  3. 前記隔壁は、前記閉断面構造の長手方向に直交する断面視で、前記エアバッグによる乗員拘束方向に沿って延在されている請求項2記載のインストルメントパネル構造。
  4. 前記補強部は、車両前後方向の前端側において前記フランジ部と連続するように、前記エアバッグドア部材と一体に形成されている請求項1〜請求項3の何れか1項記載のインストルメントパネル構造。
  5. 前記補強部は、車両前後方向の前端側において前記フランジ部に重ね合わせ状態で接合されている請求項1〜請求項3の何れか1項記載のインストルメントパネル構造。
JP2009169856A 2009-07-21 2009-07-21 インストルメントパネル構造 Pending JP2011020653A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009169856A JP2011020653A (ja) 2009-07-21 2009-07-21 インストルメントパネル構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009169856A JP2011020653A (ja) 2009-07-21 2009-07-21 インストルメントパネル構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011020653A true JP2011020653A (ja) 2011-02-03

Family

ID=43631093

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009169856A Pending JP2011020653A (ja) 2009-07-21 2009-07-21 インストルメントパネル構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011020653A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014210467A (ja) * 2013-04-17 2014-11-13 トヨタ車体株式会社 インストルメントパネル及びその製造方法
JP2015131576A (ja) * 2014-01-14 2015-07-23 日本プラスト株式会社 エアバッグ装置、その製造方法、及びエアバッグ装置の製造装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09164861A (ja) * 1995-12-19 1997-06-24 Toyoda Gosei Co Ltd インストルメントパネル
JP2003154918A (ja) * 2001-09-04 2003-05-27 Toyota Auto Body Co Ltd エアバッグ用車室内装部材

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09164861A (ja) * 1995-12-19 1997-06-24 Toyoda Gosei Co Ltd インストルメントパネル
JP2003154918A (ja) * 2001-09-04 2003-05-27 Toyota Auto Body Co Ltd エアバッグ用車室内装部材

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014210467A (ja) * 2013-04-17 2014-11-13 トヨタ車体株式会社 インストルメントパネル及びその製造方法
JP2015131576A (ja) * 2014-01-14 2015-07-23 日本プラスト株式会社 エアバッグ装置、その製造方法、及びエアバッグ装置の製造装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102069226B1 (ko) 조수석용 탑승자 보호 장치
US7556285B1 (en) Airbag cover, instrument panel, airbag device and airbag casing
US9688230B2 (en) Vehicle seat incorporating side airbag
AU2014385973B2 (en) Pedestrian protecting air-bag device
JP2008037280A (ja) シート取付乗員拘束装置
JP2007190988A (ja) 座席シート装置
JP2008037142A (ja) エアバッグカバー、インストルメントパネル、エアバッグ装置
JP2019131002A (ja) フロントピラー構造
US7896388B2 (en) Seat airbag
JP5562009B2 (ja) カーテンエアバッグ展開補助部材の車両への取付け構造
JP2009056874A (ja) カーテンエアバッグ装置の配設構造
JP2011240884A (ja) カーテンエアバッグ装置
JP3821076B2 (ja) 車両のエアバック装置
JP2011020653A (ja) インストルメントパネル構造
JP4155870B2 (ja) エアバッグドア付インストルメントパネル
JP2012245859A (ja) 助手席用エアバッグ装置
JP7004897B2 (ja) 乗物用シート
JP3695345B2 (ja) 頭部保護エアバッグ装置
JP2019031133A (ja) 乗物用シート
JP6091104B2 (ja) サイドエアバッグ装置
JP2019156173A (ja) サイドエアバッグ装置
JP5299370B2 (ja) 乗員保護装置
JP5229260B2 (ja) 車両用ニーエアバッグ装置
JP5169606B2 (ja) カーテンエアバッグを備えた車両の内装構造
JP5408081B2 (ja) 助手席用エアバッグ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111013

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120904

A02 Decision of refusal

Effective date: 20121211

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02