JP2013545440A - マカカ・ファシキュラリス(Macacafascicularis)CCL17 - Google Patents

マカカ・ファシキュラリス(Macacafascicularis)CCL17 Download PDF

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Abstract

マカカ・ファシキュラリス(Macaca fascicularis)CCL17(CynoCCL17)をコードしている単離ポリヌクレオチド、これらのポリヌクレオチドの発現により入手可能なポリペプチド、組換え細胞及び使用方法が開示される。

Description

本発明は、マカカ・ファシキュラリス(Macaca fascicularis)(カニクイザル)CCL17及びその使用に関する。
CCL17(胸腺及び活性化制御ケモカイン、TARC)は、CCR4に対するケモカインリガンドである。CCL17は、胸腺において構成的に発現され、活性化されると、PBMC、単核細胞、マクロファージ、樹状細胞、内皮細胞及び気管支細胞などの多数の細胞により産生される(Imai et al.,J Biol Chem,271:21514〜21,1996;Sallusto et al.,Eur J Immunol,29:1617〜25,1999;Campbell et al.,Nature,400:776〜80,1999;Sekiya et al.,J Immunol,165:2205〜13,2000)。
CCL17は、CCR4発現細胞(主にTh2及び皮膚T細胞)の走化性を誘起し、ひいては、Th2免疫応答の維持(Imai et al.,Int Immunol,11:81〜8,1999)、並びに古典的経路によるマクロファージの活性化の抑制(Katakura et al.,J Immunol,172:1407〜13,2004)に関与する。アレルゲンにより誘起されるぜんそくでは、CCL17を中和することで、Th2サイトカイン、気道における好酸球の増多、及び過敏性の亢進が減少し(Kawasaki et al.,J Immunol,166:2055〜62,2001)、肺線維症が予防される(Belperio et al.,J Immunol,173:4692〜8,2004)ことが示されている。CCL17の発現レベルは、ぜんそく(Leung et al.,Eur Respir J,21:616〜20,2003)及びアトピー性皮膚炎(Jahnz−Rozyk et al.,Allergy 60:685〜8,2005)及び皮膚の紅斑性狼瘡(Wenzel et al.,J Invest Dermatol,124:1241〜8,2005)といった、慢性アレルギー病理における疾患表現型に相関する。それゆえに、CCL17シグナルの調節因子は、抗CCL17抗体を中和するなどして、炎症、アレルギー及び線維症に対し治療効果を示し得る。
いずれのヒト用CCL17調節因子についても、市場への流通が可能になる前に、薬物動態の推定試験、安全性試験及び有効性試験が必要とされる。このような試験には、in vitro試験、並びにCCL17に関連する病理に関する動物モデルを用いるin vivo試験が両方包含される。ヒトCCL17とオーソログの調節因子が交差反応性を欠如していると、これらの試験において問題が提起される可能性がある。それゆえに、抗体をCCL17調節因子として用いるには、種間の抗体交差反応性の評価、特定のモデル動物により発現させたCCL17ポリペプチドに対するサロゲート抗体の生成、並びに、このようなサロゲート抗体の有用性についてのin vitroでの特性評価が必要となる。交差反応性の評価、サロゲート抗体の生成及びin vitroでの特性評価には、好適な動物モデル由来のCCL17ポリヌクレオチド及びポリペプチドを使用する必要がある。
それゆえに、CCL17調節因子の、薬物動態の推定試験、安全性試験及び有効性試験に好適であるとして同定された動物モデルが発現するCCL17をコードしているポリヌクレオチド及びCCL17ポリペプチドを同定する必要がある。このようなポリペプチドを発現させる方法及びCCL17調節因子の交差反応性を試験する方法などの関連する方法も必要とされる。
本発明の一態様は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードしている単離ポリヌクレオチドである。
本発明の別の態様は、配列番号3に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードしている単離ポリヌクレオチドである。
本発明の別の態様は、本発明の単離ポリヌクレオチドを含むベクターである。
本発明の別の態様は、本発明のベクターを含む宿主細胞である。
本発明の別の態様は、配列番号1に示される配列を有するポリペプチドを含む単離ポリペプチドである。
本発明の別の態様は、配列番号3に示される配列を有する単離ポリペプチドである。
本発明の別の態様は、本発明の宿主細胞を用意する工程と、本発明の少なくとも1つのポリペプチドを発現するのに十分な条件下でこの宿主細胞を培養する工程と、を含む、ポリペプチドの発現方法である。
本発明の別の態様は、本発明のポリペプチドに特異的に結合する単離抗体である。
本発明の別の態様は、CCL17調節因子及び本発明のマカカ・ファシキュラリスCCL17単離ポリペプチドを用意する工程と、CCL17調節因子をマカカ・ファシキュラリスCCL17単離ポリペプチドと接触させる工程と、CCL17調節因子がマカカ・ファシキュラリスCCL17単離ポリペプチドに結合しているかどうかを評価する工程と、を含む、マカカ・ファシキュラリスCCL17に対するヒトCCL17調節因子の交差反応性を評価するための方法である。
本発明の別の態様は、CCL17調節因子及び本発明のマカカ・ファシキュラリスCCL17単離ポリペプチドを用意する工程と、CCR4を発現している細胞を用意する工程と、CCR4を発現している細胞をCCL17調節因子及びマカカ・ファシキュラリスCCL17ポリペプチドと接触させる工程と、CCL17生物活性に対するCCL17調節因子の効果を評価する工程と、を含むマカカ・ファシキュラリスCCL17に対するヒトCCL17調節因子の交差反応性を評価するための方法であり、CCL17生物活性の調節は、CCL17がマカカ・ファシキュラリスCCL17に対して治療的交差反応を生じることを示す。
本発明の別の態様は、CCL17調節因子、第一のマカカ・ファシキュラリス猿及び第二のマカカ・ファシキュラリス猿を用意する工程と、CCL17調節因子を第一のマカカ・ファシキュラリス猿に投与する工程と、第一のマカカ・ファシキュラリス猿が第二の猿と比較して有害な症状を示すかどうかを評価する工程と、を含む、CCL17調節因子の安全性を評価するための方法であり、第一のマカカ・ファシキュラリス猿が有害な症状を示す場合、CCL17調節因子がヒトに対する使用するにあたり安全でない可能性があることを示し、第一のマカカ・ファシキュラリス猿が有害な症状を示さない場合は、CCL17治療薬がヒトに対し使用するにあたり安全である可能性があることを示す。
マカカ・ファシキュラリスCCL17(cynoCCL17)(配列番号1)とヒトCCL17(配列番号5)のタンパク質配列のアラインメント。番号付与はcynoCCL17配列に従う。シグナル配列と推定される配列には下線を付した。 CCRF−CEM細胞のCynoCCL17誘起カルシウム流量。
本明細書に引用する、特許及び特許出願を含むがそれらに限定されない刊行物はすべて、それらがあたかも本明細書に完全に記載されているのとまったく同様に本願に組み込まれるものである。
別段の規定がない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されている意味と同一の意味を有する。本発明を実施又は試験するにあたって、本明細書に記載されているのと同様又は同等のあらゆる組成物及び方法を使用することが可能であるが、代表的な組成物及び方法を本明細書に記載する。
用語「ポリヌクレオチド」は、糖−リン酸骨格又は他の等価な共有結合化学によって共有結合されたヌクレオチド鎖を含む分子を意味する。二本鎖及び一本鎖のDNA及びRNAが、ポリヌクレオチドの典型的な例である。
用語「相補配列」は、第一の単離ポリヌクレオチド配列と逆平行であり、第一のポリヌクレオチド配列中のヌクレオチドに対して相補的なヌクレオチドを含む第二の単離ポリヌクレオチド配列を意味する。
用語「ベクター」は、生体系内で複製させることができる、又はこうした系間を移動させることのできる、ポリヌクレオチドを意味する。ベクターポリヌクレオチドは、典型的に、生体系においてこれらのポリヌクレオチドの複製又は維持を促進するように機能する複製起点、ポリアデニル化シグナル又は選択マーカーなどの配列を含有する。このような生体系の例としては、細胞、ウイルス、動物、及び植物を挙げることができ、及びベクターを複製することのできる生物学的構成成分を利用して再構成された生体系を挙げることができる。ベクターを構成するポリヌクレオチドは、DNA若しくはRNA分子又はこれらのハイブリッド分子であってもよい。
「発現ベクター」という用語は、生体系又は再構成された生体系において、その発現ベクター中に存在するポリヌクレオチド配列によってコードされたポリペプチドの翻訳を指示するために使用することができるベクターを意味する。
「ポリペプチド」又は「タンパク質」という用語は、ペプチド結合により連結されポリペプチドを生成する少なくとも2つのアミノ酸残基を含む分子を意味する。50個未満のアミノ酸からなる小さなポリペプチドは「ペプチド」と呼ばれる場合もある。
用語「抗体」は、抗体全体及びそれらの任意の断片を包含する。抗体断片は、抗体重鎖又は軽鎖のいずれか由来の相補性決定領域(CDR)、可変領域、定常領域又はフレームワーク領域などといった、免疫グロブリン分子の少なくとも一部分を含む。抗体は、Fab、F(ab’)、F(ab’)2、scFv、dsFv又は二重特異性抗体であり得る。抗体は、キメラ抗体、ヒト化抗体、若しくはヒト抗体、二量体、四量体、又は多量体であってもよい。上述の抗体断片の構造、並びに抗体及びその断片の調製及び使用法は、当該技術分野において周知である(Ausubel,et al.,ed.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,Inc.,NY 1987〜2001;Sambrook,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition,Cold Spring Harbor,NY,1989;Harlow and Lane,Antibodies,a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,NY,1989;Colligan,et al.,ed.,Current Protocols in Immunology,John Wiley & Sons,Inc.,NY 1994〜2001;Colligan et al.,Current Protocols in Protein Science,John Wiley & Sons,NY,NY,1997〜2001;Kohler et al.,Nature,256:495〜497,1975;Queen et al.,Proc Natl Acad Sci,86:10029〜33,1989;米国特許第4,816,567号)。例えば、完全なヒトモノクローナル抗体は、ヒト免疫グロブリンを発現しているトランスジェニックマウスから、又はファージディスプレイライブラリから調製され得る(Lonberg et al.,Nature,368:856〜9,1994;Fishwild et al.,Nature Biotech,14:845〜51,1996;Mendez et al.,Nature Genetics,15:146〜56,1997;Knappik et al.,J Mol Biol,296:57〜86,2000;Krebs et al.,J Immunol Meth,265:67〜84,2001)。
用語「有害な症状」とは、動物に害をなす何らかの症状が発生したことが動物により示されたことを意味する。
用語「調節因子」は、CCL17生物活性を活性化又は抑制することにより、ヒト及び他の動物において少なくともある程度治療効果をもたらすと考えられている分子又は調製物を意味する。CCL17治療薬の例としては、抗CCL17抗体、抗体断片、ペプチド、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド、低分子量化合物及びこれらに類するものが挙げられる。既知のCCL17調節因子としては、例えば、米国特許第7,585,968号に開示されているsiRNA分子、又は、Morita et al.Clinica Chimica Acta,322:67〜75,2002に開示されているモノクローナル抗体が挙げられる。
「CCL17生物活性の調節」は、CCL17生物活性を一部又は完全に、阻害する、活性化する若しくは増大させることを意味する。
本明細書で使用するとき、「CCL17生物活性」は、CCL17がその受容体CCR4に結合した結果として生じる、細胞における任意の活性を指す。代表的なCCL17生物活性は、受容体結合時に細胞内カルシウム流動を誘起するものであり、この活性は、慣用的な方法を用いFluo−8などのカルシウム感受性染料を使用して測定することができる(Imai et al.,J Biol Chem,272:15036〜42,1997)。また、CCL17の生物活性は、例えば、既に確立されている方法を用いて、CCL17に反応したTリンパ球の遊走を測定することにより、モニターすることもできる(Imai et al.,J Biol Chem,272:15036〜42,1997)。使用できる好適な細胞株は、CCRF−CEM、Jurkat又はHut78などの、CCR4を内因的に若しくは組換えにより発現する任意の細胞株である。
本発明はまた、単離されたマカカ・ファシキュラリス(カニクイザル)CCL17(cynoCCL17)ポリヌクレオチド、これらのポリヌクレオチドを含むベクター、単離された宿主細胞、これらのポリヌクレオチドを発現させることで得られるポリペプチド、本発明のポリペプチドを発現する方法、及び本発明のポリヌクレオチド及びポリペプチドの使用方法を提供する。
本発明のポリヌクレオチド及びベクターは、cynoCCL17ポリペプチドを発現するために使用することができる。CynoCCL17ポリペプチドは、cynoCCL17の活性又は他の種由来のCCL17の活性を抑制することを目的とした治療用抗体を生成するために使用することができる。また、CynoCCL17ポリペプチドは、CynoCCL17の活性又は他の種由来のCCL17の活性を調節できる、低分子又はペプチドなどの他の治療薬を同定するためのin vitro又はin vivoアッセイで使用することもできる。開示されている他の方法は、安全性及びCCL17治療薬の動物種間の交差反応性の評価に有用である。本発明の全長cynoCCL17ポリペプチド配列(配列番号1)は、ヒトCCL17ポリペプチド(配列番号5)と84%同一であり、89%類似であり、CCL17治療薬の薬物動態の推定試験、安全性試験及び有効性試験、並びに他の用途を可能にする。
本発明の一態様は、配列番号2、4又は13に示される配列又はそれらの相補配列を有するポリヌクレオチドを含む単離されたポリヌクレオチドである。配列番号2に示されるポリヌクレオチド配列は、完全長のcynoCCL17を含むポリペプチドをコードしている。配列番号4に示されるポリヌクレオチド配列は、成熟型cynoCCL17を含むポリペプチドをコードしている。配列番号13に示されるポリヌクレオチド配列は、成熟型cynoCCL17をコードし、大腸菌におけるタンパク質発現にあたってコドンが最適化されている。
本発明のポリヌクレオチドは、自動式ポリヌクレオチド合成装置での固相ポリヌクレオチド合成などの化学合成により製造され、完全一本鎖又は二本鎖分子に構築され得る。別の方法としては、本発明のポリヌクレオチドは、PCRに続いて慣用的なクローニングを行うなどの他の手法により製造され得る。所与の既知の配列のポリヌクレオチドを製造する又は得るための手法は、当該技術分野において周知である。
本発明のポリヌクレオチドはまた、リボソーム結合部位、mRNA安定化配列、イントロン、及びポリアデニル化シグナルなどの、少なくとも1つの非コード配列を含んでもよい。また、ポリヌクレオチド配列は、追加のアミノ酸をコードしている追加の配列を含んでもよい。これらの追加のポリヌクレオチド配列には、例えば、タンパク質の精製又は検出を容易に行うことを目的として、ヘキサ−ヒスチジン及びHAタグなどのマーカー又はタグ配列をコードさせることもできる。
本発明の別の実施形態は、配列番号2、4又は13に示す配列を有する単離ポリヌクレオチドを含むベクターである。本発明のベクターは、ポリヌクレオチドを維持し、ポリヌクレオチドを複製し、又は再構成した生体系を包含する生体系において本発明のベクターによりコードされたポリペプチドの発現を促進させるのに有用である。ベクターは、細菌プラスミド、バクテリオファージ、トランスポゾン、酵母エピソーム、挿入因子、酵母染色体因子、バキュロウイルス、SV40などのパポバウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、家禽ジフテリアウイルス、仮性狂犬病ウイルス、ピコロナウイルス及びレトロウイルスに由来するベクター、並びにコスミド及びファージミドなどのこれらの組み合わせに由来するベクターなどの、染色体由来、エピソーム由来及びウイルス由来のものであってよい。
本発明のベクターは、アジュバント、脂質、緩衝液又は特定用途に適当なその他の賦形剤とともに、微小粒子として配合することもできる。
本発明の一実施形態では、ベクターは発現ベクターである。発現ベクターは、典型的に、このようなベクターによってコードされたポリペプチの発現を制御し、調整し、誘導又は許可することができる核酸配列因子を含む。このような因子は、転写エンハンサー結合部位、RNAポリメラーゼによる転写開始部位、リボソーム結合部位、及び所与の発現系にコードされたポリペプチドの発現を促進する他の部位を含んでよい。このような発現系は、当該技術分野において周知の、細胞を用いる、又は無細胞の系であってよい。コードされたポリペプチドの発現に使用するのに好適な核酸配列因子及び親ベクター配列もまた、周知である。本発明のポリペプチドの発現のために有用な代表的なプラスミド由来発現ベクターは、大腸菌複製起点、aph(3’)−1aカナマイシン耐性遺伝子、イントロンAを有するHCMV前初期プロモーター、合成ポリA配列及びウシ成長ホルモンターミネータを含む。他の代表的なプラスミド由来の発現ベクターは、大腸菌複製起点、ant(4’)−1aカナマイシン耐性遺伝子、ラウス肉腫ウイルス長末端反復配列、HCMV前初期プロモーター、及びSV40 lateポリA配列を含む。
本発明の他の実施形態は、本発明のベクターを含む単離宿主細胞である。代表的な宿主細胞の例としては、古細菌細胞、細菌細胞、例えば連鎖球菌、ブドウ球菌、腸球菌、大腸菌、ストレプトミセス、シアノバクテリア、枯草菌、及び黄色ブドウ球菌、真菌細胞、例えばクリベロマイセス(Kluveromyces)、サッカロミセス、担子菌(Basidomycete)、カンジダアルビカンス、又はアスペルギルス、昆虫細胞、例えばドロソフィラS2及びスポドプテラSf9、動物細胞、例えばCHO、COS,HeLa、C127、3T3、BHK、293、CV−1、ボーズメラノーマ(Bowes melanoma)、及び骨髄腫、並びに植物細胞、例えば裸子植物又は被子植物細胞が挙げられる。本発明の方法における宿主細胞は、個々の細胞として提供されても細胞集団として提供されてもよい。細胞集団には、単離された又は培養された細胞集団、又は組織などのマトリックス中に存在する細胞を含んでよい。
宿主細胞へのベクターなどのポリヌクレオチドの導入は、周知の方法を用いて行うことができる(Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,2001)。このような方法の代表的なものは、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン介在型トランスフェクション、顕微注入法、カチオン性脂質介在性トランスフェクション、電気穿孔法及び感染である。
本発明の別の態様は、配列番号1に示される配列を有するポリペプチドを含む単離ポリペプチドである。配列番号1は、完全長cynoCCL17タンパク質を含むポリペプチドである。
本発明の別の態様は、配列番号3に示される配列を有する単離ポリペプチドである。配列番号3は、成熟型cynoCCL17タンパク質を含むポリペプチドである。
本発明のポリペプチドは、自動ペプチド合成機で固相ペプチド合成などの化学合成により生成されてよい。あるいは、本発明のポリペプチドは、ポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドをもとに、網状赤血球溶血液に基づく発現システム、小麦胚抽出物に基づく発現システム、及び大腸菌抽出物に基づく発現システムなどの無細胞発現系を用い得ることができる。本発明のポリペプチドはまた、周知の技術を使用する組換え法により得ることができる。
本発明のポリペプチドは、第二のポリペプチドと融合させた本発明のポリペプチドを含む融合ポリペプチドを含み得る。このような第二のポリペプチドは、リーダー若しくは分泌シグナル配列、天然プレ−若しくはプレプロ−タンパク質配列、又は、部分若しくは完全合成配列であり得る。代表的な融合タンパク質は、配列番号1又は3に示されるアミノ酸配列を有するcynoCCL17ポリペプチドと、CH1、CH2、及びCH3ドメインなどの免疫グロブリン定常ドメインに由来する1つ以上のドメインか又はFcドメインと複合させて生成することができる。このようなコンストラクトは、例えば、米国特許第5116964号、米国特許第5709859号、国際公開第04/002417号及び国際公開第05/081687号に記載のように、当該技術分野において周知である。
安定性、溶解性、受容体結合性及びこれらに類する性質を向上させるといった目的のために本発明のポリペプチド又は断片の構造を改変することができる。例えば、アミノ酸置換、欠失、又は付加などにより、アミノ酸配列が変更された改変ポリペプチドを製造できる。ロイシンとイソロイシン若しくはバリン、アスパラギン酸塩とグルタミン酸塩、トレオニンとセリンの単独置換(isolated replacement)、又は構造的に関連したアミノ酸による同類置換(即ち、保存的変異)は、すべてではないが場合によっては、生じる分子の生物学的活性に大きな影響を与えるものではないと想到される。保存的置換とは、側鎖の相関するアミノ酸ファミリー内で起こる置換である。遺伝的にコードされるアミノ酸は、(1)酸性アミノ酸(アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩)、(2)塩基性アミノ酸(リシン、アルギニン、ヒスチジン)、(3)非極性アミノ酸(アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、及び(4)電荷を持たない極性アミノ酸(グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロシン)、の4つのファミリーに分類され得る。フェニルアラニン、トリプトファン、及びチロシンは、芳香族アミノ酸として共に分類される場合もある。あるいは、アミノ酸レパートリーは、(1)酸性アミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸)、(2)塩基性アミノ酸(リジン、アルギニン、ヒスチジン)、(3)脂肪族性アミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン)(セリン及びスレオニンは、所望により脂肪族ヒドロキシル基として別にグループ化される)、(4)芳香族性アミノ酸(フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン)、(5)アミド性アミノ酸(アスパラギン、グルタミン)、並びに(6)硫黄含有性アミノ酸(システイン及びメチオニン)にグループ化することができる(Stryer(ed.),Biochemistry,2nd ed,WH Freeman and Co.,1981)。ポリペプチド又はその断片のアミノ酸配列の変化が機能的相同体をもたらすかどうかは、本明細書に記載のアッセイを用いて、改変されていないポリペプチド又は断片と同様のやり方で、この改変ポリペプチド又は断片による反応性を評価することによって、容易に評価され得る。1箇所以上で置換が生じたペプチド、ポリペプチド又はタンパク質を、同様のやり方で容易に試験することができる。
本発明のポリペプチドはまた、製薬上許容できるキャリア又は希釈剤を用い処方することができる。例えば、0.4%生理食塩水又は0.3%グリセリンなどの、種々の水性キャリアを選択することができる。これらの溶液は滅菌液であり、粒子状物質を含まない。これらの溶液は、従来の公知の滅菌法(例えば濾過)によって滅菌することができる。組成物には、生理学的条件に近づけるために必要とされるpH調整剤及び緩衝剤、安定剤、増粘剤、潤滑剤及び着色剤などの製薬学的に許容され得る補助物質を含有させることができる。こうした製薬学的組成物に含まれる本発明の薬剤濃度は、重量にして約0.5%未満、通常は約1%又は少なくとも約1%から、最大で15又は20%までと大きく異なってよく、選択される投与方法に従って、主として必要とされる用量、液体の体積、粘度などに基づいて選択される。
本発明のポリペプチドは、保存の際に凍結乾燥させ、使用前に好適なキャリアに溶解することができる。この手法は、従来のタンパク質調製で有効であることが示されている。凍結乾燥及び溶解法は、当該技術分野において周知である。
本発明の別の実施形態は、本発明の宿主細胞を用意する工程と、配列番号1に示される配列を含む又は配列番号3に示される配列を有するポリペプチドを発現するのに十分な条件下で宿主細胞を培養する工程と、場合により、配列番号1に示される配列を含む又は配列番号3に示される配列を有する少なくとも1つのポリペプチドの発現を確認する工程と、を含む、ポリペプチドを発現させるための方法である。
宿主細胞は、所与のタイプの宿主細胞を維持し又は増殖させるのに好適な、かつポリペプチドを発現させるために十分なあらゆる条件下で培養することができる。ポリペプチドの発現に十分な培養条件、培地、及び関連する方法は、当該技術分野において周知である。例えば、多くの哺乳動物の細胞型は、適切に緩衝化したDMEM培地を用いて37℃において好気的に培養することができ、一方、細菌、酵母及び他の細胞型は、LB培地を用い適切な雰囲気下で37℃にて培養することができる。
本発明の方法では、ポリペプチドの発現は、当該技術分野において周知の種々の異なる技術を用いて確認することができる。例えば、ポリペプチドの発現は、発現させるポリペプチドに特異的な抗体などの検出試薬と、それに続いてSDS−PAGE又はFACSを用いて確認することができる。本発明のcynoCCL17ポリペプチドに特異的に結合する又はこれと交差反応する抗体は、このような試薬の一例である。
本発明の別の実施形態は、本発明の方法によって製造されたポリペプチドである。このようなポリペプチドには、例えばグリコシル化又はリン酸化反応などの翻訳後修飾がなされていてもよい。このようなポリペプチドには、スプライスバリアント、末端切断(truncated)型、又はタンパク質分解が施された形態などの別のポリペプチド形態も含まれる。
本発明の別の実施形態は、本発明のポリペプチドに特異的に結合する抗体である。本発明のポリペプチドは、cynoCCL17に対するポリクローナル又はモノクローナル抗体を製造するために使用することができる。タンパク質又は核酸による免疫付与を行いマウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、及び完全ヒトモノクローナル抗体を製造する手法は、当業者には慣習的なものであり、周知である。こうした技術についての更なる議論及び説明は、上記に見出すことができる。
本発明の別の実施形態は、マカカ・ファシキュラリスCCL17に対するCCL17調節因子の交差反応性を評価する方法である。たとえポリペプチド及びエピトープが、調節因子のための推定モデルを考慮して種間で及び種において保存されていたとしても、調節因子の交差反応性はそれ以降の実験を実施する前に確証すべきである(Loisel et al.,Crit.Rev.in Onc.Hematol.62:34〜42,2007)。ポリペプチド及び他の抗原に対する、調節因子、本発明の抗体及び他のCCL17抗体の交差反応性は、例えば、BIAコア分析、FACS分析、免疫蛍光法、免疫細胞化学法、ラジオイムノアッセイ、ELISA、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、ウエスタンブロット、イムノラジオメトリックアッセイ、蛍光イムノアッセイ及びプロテインAイムノアッセイなどの手法を用いる競合的及び非競合的アッセイ系を使用して解析することができる。このようなアッセイは慣行法であり、当該技術分野において周知である(Ausubel et al.,eds,1994,Current Protocols in Molecular Biology,Vol.1,John Wiley & Sons,Inc.,New York)。交差反応性はまた、CCL17の活性に関連する生物活性の調節についてアッセイを行うことにより評価することもできる。例えば、cynoCCL17ポリペプチドに対するヒト抗CCL17抗体の交差反応性は、ヒト抗CCL17抗体がCCL17受容体CCR4を発現している細胞においてcynoCCL17生物活性をブロックする効果を評価するアッセイを用いて、評価することができる。CCR4は、細胞又は過剰発現系において内因性に発現され得る。ヒトCCR4又は他の種からのCCR4を使用してもよい。ヒトCCR4は、配列番号9に示されるアミノ酸配列を有する。使用できる代表的な細胞は、内因性発現についてはCCRF−CEM、Jurkat及びHut78であり、CCR4の過剰発現についてはL1.2、HEK293及びB300−19である。
本発明の別の実施形態は、CCL17調節因子、第一のマカカ・ファシキュラリス猿及び第二のマカカ・ファシキュラリス猿を用意する工程と、CCL17調節因子を第一のマカカ・ファシキュラリス猿に投与する工程と、第一のマカカ・ファシキュラリス猿が第二の猿と比較して有害な症状を示すかどうかを評価する工程と、を含む、ヒトに対し使用するにあたりCCL17調節因子が安全である可能性があるのか又は安全でない可能性があるのかのどちらであるかを評価するための方法であり、第一のマカカ・ファシキュラリス猿が有害な症状を示す場合、CCL17調節因子がヒトに対する使用するにあたり安全でない可能性があることを示し、第一のマカカ・ファシキュラリス猿が有害な症状を示さない場合は、CCL17治療薬がヒトに対し使用するにあたり安全である可能性があることを示す。
本発明の方法では、第一のマカカ・ファシキュラリス猿が第二のマカカ・ファシキュラリス猿と比較して有害症状を示しているかどうかの評価は、容易に実施される。例えば、獣医、獣医の助手、動物技術者、又は研究者などの当業者は、動物の示す症状が有害なものであるのかを評価できる。有害症状の例としては、死、昏睡、痙攣、発熱、臓器不全、組織異常、臓器機能障害、組織機能障害、癌、腫瘍、潰瘍、出血、感染等が挙げられる。試験できるCCL17調節因子としては、抗体、抗体部分若しくは断片、ペプチド、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド、低分子、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
ここで、以下の具体的及び非限定的な実施例を参照して、本発明を説明する。
(実施例1)
マカカ・ファシキュラリスCC17(CynoCCL17)をコードしているポリヌクレオチドの単離
プライマーをヒトCCL17遺伝子(配列番号6、GenBank Acc.No.NM_002987)の5’及び3’未翻訳領域から設計した。設計したプライマー(5’UTR1:配列番号11及び3’UTR:配列番号12)及びマカカ・ファシキュラリス精巣cDNA(BioChain)を鋳型として使用して、PCRを実施した。約300bpの増幅断片を単離し、慣用的方法を用いてTOPO−PAキット(Invitrogen,Carlsbad,CA)を使用してサブクローニングした。複数の形質転換体からプラスミドDNAを単離し、配列決定した。クローン化cynoCCL17 cDNAのコード領域は、ヌクレオチド300個分の長さであること、及び予測されたアミノ酸32個分のシグナルペプチドを有する、アミノ酸100個分の長さをもつ、予測されるタンパク質をコードしていることが判明した。cynoCCL17タンパク質とヒトCCL17タンパク質の間の同一性及び類似性は各々84%及び89%である。cynoCCL17は、ヒトCCL17と比較すると、予測されたシグナルペプチド領域に9個のアミノ酸挿入を有する。加えて、ヒトCCL17と比較した場合に、cynoCCL17 3’ヌクレオチド配列内の終止コドンにより、タンパク質のアミノ酸が3個分短縮されている。cynoCCL17の最も近いオーソログは、マカカ・ムラタ(Macaca mulatta)(アカゲザル)cDNAのCCL17(配列番号12、GenBank Acc.No.NM_001032852)である。CynoCCL17及び予測されたアカゲザルポリヌクレオチドがコードしている完全長CCL17及び完全長CCL17タンパク質は、各々94.7%及び91%である。これらのcynoCCL17及び予測されたアカゲザル成熟型タンパク質は、アカゲザルと比較すると、cynoCCL17C−末端のアミノ酸が3個短縮化されたことを除いて同一である。
ヒトCCL17とクローン化cynoCCL17ポリペプチド配列のアラインメントは、図1に示す。
(実施例2)
CynoCCL17 cDNAは、機能性タンパク質をコードしている
−タンパク質発現−成熟型cynoCCL17(配列番号4)に加えてN末端メチオニンをコードしている、大腸菌発現についてコドンを最適化させたcDNA配列(配列番号13)を、細菌発現に関する慣用法を用い、pET24dベクターにクローニングした。得られたベクターをBL21(DE3)細胞にトランスフェクトし、IPTG誘導後に、成熟型cynoCCL17タンパク質を封入体(IB)として発現させた。6Lフラスコの振盪培養物から得られた33gの凍結湿潤細菌ペレットからcynoCCL17を含有する封入体(IB)を調製した。この細菌ペレットを300mLの溶菌緩衝液(20mMトリス(pH 8.5)、5mMのEDTA、100mMのNaCl)中に再懸濁し、この細胞をマイクロフルイダイザーに2回通すことにより破砕した。5000rpmで10分間の遠心分離によりIBを回収し、各々約200mLの洗浄緩衝液(溶菌緩衝液+1%のTriton X−100)で2回洗浄した。4gの湿潤IBペレットを得た。
8Mの尿素と5mMのEDTAと20mMのトリスHClを含有させた30mLの可溶化緩衝液(pH 7)にこのIB(4gの湿潤ペレット)を再懸濁した。室温にて2時間続けて一定速度で撹拌し、可溶化を行った。4℃/18000gでの10分間の遠心分離により可溶化IBを清澄化し、その後、縦列に接続した2×5mLのHiTrap SP−Sepharose Fast Flow(SPFF)カラムに充填した。流量は1mL/分であった。その後、ベースラインが平らになるまでカラムを緩衝液A(10mMのリン酸ナトリウム(pH 7)、8Mの尿素)で洗浄した。タンパク質の溶出については、14CV(140mL)にわたって0〜100%のB(1MのNaClを加えた緩衝液A)の勾配を1.5mL/分の流量で用いた。画分は1.5mL/画分で回収した。主要なピーク画分をプールし、リフォールディングした。最終濃度で0.1MのNaHCO3、2MのグアニジンHCl、3mMのシステイン及び0.3mMのシスチンを含有するよう調製した108mLのリフォールディング緩衝液に、上記プールした画分(12mL)を添加することにより、リフォールディングを開始した。室温にて穏やかに撹拌しながら(約50rpm)リフォールディングを進行させた。
4.6×250mmのC18逆相カラムを使用して、RP−HPLCによる分析を行い、リフォールディングの進行をモニターした。移動相AはH2O/0.1%のTFAであり、一方、相Bはアセトニトリル/0.1%のTFAであった。0.5mL/分で80分間25〜55%のBの勾配を用いてタンパク質を溶出させた。リフォールディングは63時間の時点で完了した。リフォールディング混合物をpH約3の酢酸で酸性化し、0.45μmフィルターを通して濾過し、その後、0.8mL/分の流量で10×250mmのC18カラムに充填した。移動相AはH2O/0.1%のTFAであり、一方、相Bはアセトニトリル/0.1%のTFAであった。0.8mL/分の流量でカラムの3倍量の体積にわたって25〜55%のBの勾配を用いタンパク質を溶出させた。主要なピーク画分をプールし、3,500MWCOの透析カセットを用いて1XD−PBSに対して透析した。透析液を回収し、0.2μmフィルターを通して濾過した。リフォールディングさせた精製済みcynoCCL17の分子量は、還元処理下でのSDS−PAGEで約7kDであった。インタクトなタンパク質の質量分析では、タンパク質のN末端がアラニンで開始していたことが示された。
カルシウム流量−CCRF−CEM細胞(ATCC)を40,000個/25μLで384ウェルのポリDリジンコーティング黒色プレート(白色底)に蒔いた。25μLのFluo−8 NW染料を0.5%プルロニックF127/HBSS溶液に溶かし、これを細胞に添加した。この細胞を37℃にて30分間(5% CO2)インキュベートし、室温にて更に30分間インキュベートした。0.1%のBSA/HBSS溶液を用い、12.5μLのCynoCCL17を、5000ng/mL〜3pg/mLの範囲で連続希釈してウェルに添加した。490nm励起及び525nm発光を使用して蛍光強度を測定した。EC50の計算値は0.665ng/mLであった(図2)。
以上、本発明の全容を述べたが、付属の特許請求の範囲の趣旨又は範囲を逸脱することなく本発明に多くの変更及び改変をなし得ることは、当業者にとって明白であろう。

Claims (16)

  1. 配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードしている、単離ポリヌクレオチド。
  2. 配列番号2に示される配列又はその相補配列を有する、請求項1に記載の単離ポリヌクレオチド。
  3. 配列番号3に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードしている、単離ポリヌクレオチド。
  4. 配列番号4若しくは13に示される配列又はその相補配列を有する、請求項3に記載の単離ポリヌクレオチド。
  5. 配列番号2、4又は13に示される配列を有する単離ポリヌクレオチドを含む、ベクター。
  6. 発現ベクターである請求項5に記載のベクター。
  7. 請求項5に記載のベクターを含む、単離された宿主細胞。
  8. 配列番号1に示される配列を有するポリペプチドを含む単離ポリペプチド。
  9. 配列番号3に示される配列を有する単離ポリペプチド。
  10. ポリペプチドを発現させる方法であって、
    a.請求項7に記載の宿主細胞を用意する工程と、
    b.配列番号1に示される配列を含む又は配列番号3に示される配列を有する少なくとも1つのポリペプチドを発現するのに十分な条件下で前記宿主細胞を培養する工程と、を含む、方法。
  11. 請求項1に記載のポリペプチドに特異的に結合する、単離抗体。
  12. マカカ・ファシキュラリスCCL17に対するヒトCCL17調節因子の交差反応性を評価するための方法であって、
    a.CCL17調節因子、及び配列番号1に示される配列を含む又は配列番号3に示される配列を有するマカカ・ファシキュラリスCCL17単離ポリペプチドを用意する工程と、
    b.前記CCL17調節因子を前記マカカ・ファシキュラリスCCL17単離ポリペプチドと接触させる工程と、
    c.前記CCL17調節因子が前記マカカ・ファシキュラリスCCL17単離ポリペプチドに結合しているかどうかを評価する工程と、を含む、方法。
  13. マカカ・ファシキュラリスCCL17に対するヒトCCL17調節因子の交差反応性を評価するための方法であって、
    a.CCL17調節因子、及び配列番号1に示される配列を含む又は配列番号3に示される配列を有するマカカ・ファシキュラリスCCL17単離ポリペプチドを用意する工程と、
    b.CCR4を発現している細胞を用意する工程と、
    c.前記CCR4を発現している細胞を前記CCL17調節因子及び前記マカカ・ファシキュラリスCCL17ポリペプチドと接触させる工程と、
    d.CCL17生物活性に対する前記CCL17調節因子の効果を評価する工程と、を含み、前記CCL17生物活性の調節により、前記CCL17が前記マカカ・ファシキュラリスCCL17に対し治療的に交差反応することが示される、方法。
  14. 前記CCL調節因子が抗体若しくは抗体断片、ペプチド、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド、低分子量化合物又はこれらの組み合わせである、請求項13に記載の方法。
  15. CCL17調節因子の安全性を評価するための方法であって、
    a.CCL17調節因子、第一のマカカ・ファシキュラリス猿及び第二のマカカ・ファシキュラリス猿を用意する工程と、
    b.前記CCL17調節因子を前記第一のマカカ・ファシキュラリス猿に投与する工程と、
    c.前記第一のマカカ・ファシキュラリス猿が前記第二の猿と比較して有害な症状を示すかどうかを評価する工程と、を含み、前記第一のマカカ・ファシキュラリス猿が有害な症状を示す場合、前記CCL17調節因子が、ヒトに対し使用するにあたり安全でない可能性があることを示し、前記第一のマカカ・ファシキュラリス猿が有害な症状を示さない場合は、前記CCL17治療薬がヒトに対し使用するにあたり安全である可能性があることを示す、方法。
  16. 前記CCL17調節因子が抗体若しくは抗体断片、ペプチド、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド、低分子量化合物又はこれらの組み合わせである、請求項15に記載の方法。
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