JP2013543110A - 標的化合物を濃縮するための方法およびデバイス - Google Patents

標的化合物を濃縮するための方法およびデバイス Download PDF

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Abstract

本発明は、液体サンプル中の1つ以上の標的化合物を濃縮するための方法、この方法を実施するためのデバイス、およびそのようなデバイスを含む生物学的サンプルを処理するためのキットに関する。現在の技術水準から公知である方法と比較して、本発明の方法およびデバイスは、非常に単純な様式での、標的化合物の速くて確実で再現可能な濃縮を可能にする。さらに、本発明の方法は、特に適合された装置を必要とすることなく、例えば、標準的なピペッティングデバイスを用いて、容易に、そして経済的に自動化され得る。

Description

本発明は、溶媒または溶媒の混合物中に溶解された1つ以上の標的化合物を含む液体サンプル中で、上記1つ以上の標的化合物を上記サンプルを吸収体に接触させることによって濃縮するための方法、液体サンプル中の1つ以上の標的化合物を濃縮させるためのデバイス、およびそのようなデバイスを含む生物学的サンプルを処理するためのキットに関する。
クロマトグラフィー手順による抽出または精製の後、標的化合物は通常、希釈溶液中に得られる。そのような希釈溶液の濃縮、すなわち、溶媒の少なくとも一部分を除去することによって溶媒の1体積単位あたりの標的化合物の量を増加させることは、その後のステップにおける処理液(process liquid)の体積を減らすために、または確実な分析を可能にする、サンプル溶液中の標的化合物の濃度を得るためにしばしば不可欠である。概して、高温および/または低圧における蒸留または蒸発は、液体サンプル溶液を濃縮するために最も一般的に使用されるプロセスである。
しかし、幾分感受性の高い分子、特に通常水性溶液中に存在する生体高分子(例えば、ペプチド、タンパク質、および核酸(リボ核酸(RNA)およびデオキシリボ核酸(DNA)が挙げられる))の水性溶液について、蒸留は、水の高い熱吸収能力に起因してえり抜きの方法ではない。他方、多くの生物学的標的化合物は、有機溶媒中で可溶性が乏しく、その結果、低沸点の有機溶媒を用いた抽出またはクロマトグラフィーは選択肢にならない。
この理由のために、沈殿、イオン交換クロマトグラフィー、限外濾過、減圧透析(vacuum−dialysis)、フリーズドライ(凍結乾燥)、および結合放出手順などのような方法は、生体高分子の希釈水性溶液を濃縮するために一般的に使用される。これらの方法は、蒸留と比較して温和であるが、それらの全ては高価で高度のメンテナンスを要する装置を必要とし、そして/または特に多数のサンプルを濃縮することを考慮する場合、幾分時間のかかるものである。
おむつまたは医学デバイス(例えば、創傷包帯)において吸水剤または湿度制御剤として以前に主に使用されたいわゆる高吸水ポリマー(SAP)は、近年、生物学的標的化合物の溶液を濃縮するための方法およびデバイスに関して調査されている。高吸水ポリマーは、大きな体積の水および水性溶液(例えば、それら自体の重量の100倍超を超える量)を吸収して保持する能力を有するポリマーである。SAPにおいて、吸水は、例えば、シリカゲルにおける場合のような、例えば、吸収体のミクロポア構造の化学的吸収メカニズムおよび/または物理的吸収メカニズムに基づくか、例えば、ポリウレタンスポンジにおいて見出されるマクロポア内での毛管現象の力を介した、水の物理的捕捉に基づくか、例えば、ティッシュペーパーにおいて見出される官能基の水和に基づくか、高分子鎖の本質的溶解および熱力学的に好まれる拡大に基づくか、または前述のメカニズムのうちの2つ以上の組み合わせに基づく場合がある。
生物学的サンプルを濃縮することについて、高分子ポリマーネットワーク(例えば、化学的に改変されたデンプン、セルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、および架橋ポリアクリル酸など)を有する水不溶性SAPが主に使用される。
SAPは優れた液体吸収能力を有するが、それらは生物学的標的分子を吸収しない、すなわち、それらは高度に選択的な濃縮剤である。このことは、種々の作用に起因し、それらの作用はまた、相互作用し得る。第一に、SAPは通常、架橋ポリマーを代表し、この架橋ポリマーは、水中で膨張するとその三次元ネットワークを広げ、特定の限定されたサイズの孔を形成する。孔のサイズは、幾分大きい生体分子を入れるには孔が小さすぎるような様式で上記ポリマー内の架橋剤の量によって制御され得る。第二に、SAPは通常、荷電した側鎖を有し、その側鎖の対イオンは、膨張したポリマーの拡大した三次元ネットワーク内を移動することができるが、ポリマーコアを離れることができない。従って、浸透作用が働く。さらに、SAPの表面は、例えば、荷電した官能基をSAPの表面に共有結合させることによって、標的分子のクラスを特異的に寄せつけないようにさらに改変され得る。
E.L.Cusslerらは、高分子量の溶質の溶液を濃縮するために、架橋および部分的に加水分解されたポリアクリルアミドゲルの使用を記載する(非特許文献1)。上記標的化合物を含む水性サンプル溶液は、乾燥ポリマーに加えられ、この乾燥ポリマーは、水性溶液と接触すると、標的分子ではなく溶媒を優先的に吸収して膨張する。上記ゲルが平衡膨張状態に到達するまでの適切な時間を待った後、今や濃縮された溶液である吸収されない「ラフィネート」は、例えば、濾過によって、膨張したポリマーから回収され得る。さらなるステップにおいて、保持された溶媒の放出を誘導し、従って上記ポリマーを収縮させることによって上記ゲルが取り出され得る。
E.Vasheghani−Farahaniらは、タンパク質溶液を濃縮するためにアクリルアミドとN−イソプロピルアクリルアミドとのイオン性コポリマー、およびN−イソプロピルアクリルアミドのホモポリマーを用いた同様のゲル抽出プロセスを記載する(非特許文献2)。同様のプロセスはまた、非特許文献3によって記載されている。
高吸水ポリマーを用いたウシ血清アルブミン(BSA)の濃縮は、非特許文献4によって記載されている。
特許文献1において、生物学的化合物の溶液を濃縮する目的に特に適合すると言われている高吸水性ポリマー(SAP)または高吸水性複合材料が記載される。本願は、大過剰のSAPを生物学的サンプル(例えば、ヒトの尿または血液のサンプル)に加え、液体がSAPによって完全に吸収されることを可能にすることによって、または規定量のSAPを液体サンプルに加え、次にSAPを平衡膨張状態に到達させた後に、例えば、ピペッティングによって残りの液体、すなわち、濃縮されたサンプルを取り出すことよってのいずれかで生物学的標的化合物の溶液を濃縮する方法をさらに記載する。後者の手順を用いる場合、原則、除去される溶媒の量は、サンプルに加えられるSAPの量、すなわち、全量におけるその重量によって制御され得る。しかし、正確に決定された再現可能な体積低減は、完璧に均等に形作られた形態で、すなわち、完璧に球形のビーズの形態でSAPが提供される場合にのみ可能であり、それは、そうでなければサンプル内の粒子が1重量単位あたり異なる吸収特性を有し、吸収される水の量が全量におけるSAPの重量によって厳密に決定され得ないからである。さらに、SAPの吸収特性に影響を与える濃縮されるべきサンプルの特性(例えば、イオン強度、pHなど)は知られなければならない。
たとえ上に記載される方法が、高価で高度のメンテナンスを要する装置を必要とすることなく、温和な条件下で生物学的サンプルを濃縮する可能性を提供しても、それらは依然として、規定された最終サンプル体積までサンプルを濃縮するために、すなわち、短時間で規定量の溶媒を除去するために最適化されない。現在の技術水準において記載されるSAPベースの方法は、特に、多数の生物学的サンプルの高スループット並行処理に適していない。
通常、規定量のSAPは、特定の量の溶媒を除去するために液体サンプルに加えられる。SAPの膨張は、平衡膨張状態に到達するために特定の量の時間を必要とする。さらに、膨張の程度および吸収される水/溶媒の量は、異なる要因(例えば、温度、溶媒中の塩濃度、サンプルのpHなど)に決定的に依存する。規定量の溶媒の除去が所望される場合、必要とされるSAPの量を計算するときにこれらの要因の全てが慎重に考慮されなければならない。さらに、平衡状態に到達するために必要とされる時間は通常、少なくとも20分間であり、ポリマー材料を残留溶媒から分離するための方法は、吸収された水を分離プロセス中に放出しないように慎重に選ばれなければならない。
他方、溶媒を完全に吸収するために大過剰の高吸収材料がサンプルに加えられる場合、乾燥標的分子を膨張したポリマーから分離するために、のちにさらなるステップが不可欠である。
従って、液体サンプル中の1つ以上の標的化合物を迅速に濃縮するための方法を提供することが本発明の目的であり、ここで最終サンプル体積、すなわち、上記サンプルから除去される溶媒の量は、サンプル溶液のpH、そこにおける塩濃度、およびその温度などのような要因を考慮および計算する必要なく容易に調整され得る。
国際公開第2005/058453 A1号
AIChE Journal 1984,30(4),578−582 Chem.Eng.Sci,1992,47(1),31−40 M.V.Badiger et al.Chem.Eng.Sci.,1992,47(1),3−9 D.M.F.Prazeres(J.Biotechn.1995,39,157−164)
このことは、本発明についての方法によって達成されている。本発明は、液体サンプル中の1つ以上の標的化合物を濃縮するための方法を提供し、上記サンプルは、溶媒または溶媒の混合物に溶解した上記1つ以上の標的化合物を含み、最初のサンプル体積Vを有し、上記方法は、容器内の上記サンプルを容器の底(垂直位置z)より上に位置決めされた吸収体と接触させるステップを含み、ここで上記最終サンプル体積(V)は、上記吸収体の下方末端(垂直位置z)と上記容器の底(z)との間の距離によって決定される。換言すると、上記最終サンプル体積は、上記吸収体の下方末端、すなわち、その垂直位置zと上記容器の底との間の距離の関数(f)である(V=f(z−z))。過剰な吸収体を容器の底zより上の特定の垂直位置zに位置決めし、その結果z>zであることによって、(それぞれ)規定された最終サンプル体積(またはサンプルから除去された規定量の溶媒)を非常に短時間で得ることが可能である。大過剰の吸収体が使用され得るので、膨張平衡の確立を待つ必要がない。上記吸収体(z)の下方末端より下に存在している上記容器内の液体サンプルの体積部分は、上記吸収体と接触せず、従って、溶媒は、上記液体サンプルのこの部分から除去されない。従って、上記溶媒は、上記吸収体と接触している上記液体サンプルのその体積部分から除去されるのみである。
現在の技術水準から公知である方法と比較して、本発明の方法およびデバイスは、非常に単純な様式での、標的化合物の速くて確実で再現可能な濃縮を可能にする。さらに、本発明の方法は、特に適合された装置を必要とすることなく、例えば、標準的なピペッティングデバイスを用いて、容易に、そして経済的に自動化され得る。本発明において、液体サンプルから除去される溶媒の量は、例えば、SAPを含むデバイスを上記液体サンプル中に浸すレベルによって、またはSAPを含むデバイス内での上記サンプルの溶媒充填レベルによってそれぞれ制御され得る。従って、大過剰のSAPが使用され得、そのことは次に単一のサンプルそれぞれについて、規定量のSAPを計算および計量する必要がないことを意味する。膨張平衡を待つ必要もない。正確で再現可能な体積低減はまた、未知の特性(例えば、イオン強度およびpH)のサンプル中で達成され得る。さらに、SAPは、完璧に均等に形作られた形態で供給されなくてもよいだけではなく、籠または袋の中に供給されたふぞろいの顆粒の形態、クモの巣状のものの形態、またはデバイス(例えば、チューブ、磁気ビーズ、棒、ピペットチップ、カラムなど)の表面にコーティングされたフィルムの形態でもあり得る。
図1は、本発明の方法およびデバイスの1つの実施形態を例証的に例示し、ここで吸収体3でその外表面がコーティングされたピペッティングチップは、特定の高さzにおいて液体サンプル1を含むサンプル収集器(容器)2に浸される。濃縮後、上記器中で高さzより上に前もって存在していた全ての溶媒が、上記吸収体3によって上記液体サンプルから除去される。 図2は、高さhおよび半径rを有し、高さzにおいて平らな容器の底を有する円筒形の容器を概略的に示す。所望される液体体積は、上記吸収体を高さzの低さまで上記容器に導入することによって得られ得る。 図3は、本発明を実施するためのデバイスおよび方法の別の実施形態を示し、ここで吸収体3は、特定の高さにおいてサンプルチューブ2の内表面にコーティングされる。液体サンプル1は、上記容器2に充填され、そこで上記吸収体3の下方末端zより上に存在している全ての溶媒が、上記吸収体を膨張させることよって上記サンプルから除去される。 図4は、傾斜した非透過性の上方末端5およびノズルの形態での透過性の底部末端6を有する中空本体4を含むデバイスを示し、上記中空本体4は、吸収体3および容器6内の特定の高さzにおいて上記デバイスを可逆的に固定するための手段7を含む。
本発明に関して、用語「液体サンプル」は、1つ以上の標的化合物と、溶媒または溶媒の混合物との液体または液体含有混合物を含み、ここで、上記標的化合物は、好ましくは上記溶媒または上記溶媒の混合物の中に溶解されるか、または懸濁される。上記溶媒は、好ましくは水、または水と水混和性の塩もしくは溶媒(例えば、エタノール、およびアセトニトリルなど)との混合物である。上記サンプルは、さらなる構成要素(例えば、非標的分子、塩、および細胞破片など)を含み得、それらはまた、上記溶媒もしくは溶媒の混合物の中に溶解され得るか、または沈殿物として存在し得る。
好ましい標的化合物は、天然由来、半合成由来、または合成由来の有機分子であり、より好ましくは有機高分子である。特定の好ましい標的化合物は、生物学的ポリマーである。これらの生体分子は、好ましくはDNA、RNA、ペプチド、タンパク質、多糖類、およびポリペプチド、またはそれらの混合物を含む群から選択され、最も好ましくは核酸に代表される。好ましいペプチドおよびタンパク質としては、酵素、抗体、血液凝固因子、インスリン、インターフェロン、ホルモン、サイトカイン、転写因子、および他の調節タンパク質もしくはそのフラグメント、またはそれらの混合物が挙げられる。核酸(DNAおよびRNA)は、一本鎖または二本鎖、高分子量または低分子(short molecule)(例えば、miRNA、siRNA、または高度に分解した核酸)であり得、好ましくはウイルスのRNA、細菌のRNA、真菌類のRNA、もしくは細胞のRNA、PCR産物、ゲノムDNAもしくはcDNA、ウイルスのDNAもしくはcDNA、細菌のDNAもしくはcDNA、真菌類のDNAもしくはcDNA、プラスミドのDNAもしくはcDNAに代表される。さらなる標的化合物は、超分子構造(例えば、ウイルス粒子(例えば、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、レトロウイルス、レンチウイスル、ポックスウイルス、HIV、またはペルペスウイルス)、原核生物の細胞、または真核生物の細胞)を含む。前述の生物学的標的化合物は、天然供給源もしくは生物工学による(biotechnical engineered)供給源から収集され得るか、または組換え技術、および化学合成などによって合成され得る。
上に記載されるように、上記液体サンプルは、溶媒または溶媒の混合物中に溶解されるか、または懸濁される1つ以上の標的化合物を含む任意のサンプルに代表され得る。本発明に関して、好ましいサンプルは、ヒト、動物、もしくは植物の組織、細胞培養物、組織培養物、骨髄、ヒトもしくは動物の体液、例えば、血液、血清、血漿、尿、精子、脳脊髄液、痰、スワップ(swap)、ヒトもしくは動物の糞便、植物、植物の部分および抽出物、原核生物もしくは真核生物の微生物、例えば、細菌、真菌類、ウイルス、土壌サンプル、泥、廃水、飲料水、または食物から得られる。
上記サンプルは、その由来から収集されたまま使用され得るか、または本発明の方法を用いる前に、例えば、細胞溶解、細胞材料または破片の除去(例えば、遠心分離およびクロマトグラフィーなどによる)によって処理され得る。前もって精製された生物学的標的分子の希釈された溶液、例えば、一般的に使用されるクロマトグラフィー、スピンカラム、または磁気ビーズベースの精製プロトコルおよび製品を用いて得られる溶出液が特に好ましい。
本発明を実施する異なる手法が存在する。1つの好ましい実施形態において、吸収体は、容器内の液体サンプル中に少なくとも部分的に浸されるデバイス中に含まれるか、またはそのデバイスに取り付けられる。この実施形態において、上記吸収体は、好ましくは透過性の袋(ティーバッグから公知である原理)、透過性の籠、または透過性の下方末端を有するカラムの形態で、好ましくは、溶媒について少なくとも部分的に透過性である中空の物体中に含まれ、ここで上記透過性の下方末端は、好ましくは穴あき網目プレート、膜、フリット、フィルター、ガーゼ、またはノズルの形態である。上記透過性の袋または膜が、例えば、サイズ排除限界を有する限外濾過または透析膜を用いてのような、特定のサイズの高分子が通るのを排除するものであることは不可欠ではなく、特に好まれるわけではない。従って、好ましい実施形態において、上記透過性の袋または上記膜は、特定の化合物選択的特性または特定のサイズ選択的特性を有さない。実際に、液体透過性の袋または膜は、好ましくは分離可能な手段またはデバイスにおいて、吸水性材料を保持するために使用されるのみであるが、上記液体サンプルの任意の溶解した化合物および成分について非選択的に透過性でもあり得る。
上記デバイスが上記液体サンプル中に浸される場合、上記吸収体はまた、上記溶媒に曝されるそのような表面の少なくとも一部分に上記吸収体を取り付けたデバイスの形態で上記液体サンプル中に浸され得、上記デバイスは、好ましくは少なくとも部分的に上記吸収体でコーティングされたディップスティック、ピペットチップ、または棒の形態である。上記コーティングは、好ましくは任意の化合物選択材料またはサイズ選択的材料(例えば、限外濾過または透析膜など)によって覆われない。上記コーティングは、任意の他の材料によって覆われないことが特に好ましい。他の形は可能であり、本発明の範囲内である。上記デバイス、または上記デバイスのコーティングは、より速い吸収のために、より大きな表面を提供するような手法で構築され得る。
これらの実施形態は、自動化液体取り扱いシステム(例えば、自動化ピペッティング装置)に特に適している。ここで最終サンプル体積(V)は、自動化ハンドラーのz−高(垂直位置)をプログラミングすることによって容易に制御され得る。上記ハンドラーは、次に個々のサンプルの中で、上記吸収体を含む上記デバイスを位置決めするか、またはその内表面もしくは外表面に特定の高さにおいて上記デバイスに取り付けられ、従って体積低減を開始する。濃縮後の最終サンプル体積(V)は、上記吸収体の下方末端(垂直位置z)と上記容器の底(垂直z)との間の距離によって決定される。図1は、ピペットチップの形態でのそのようなデバイスの概略的な描写を示し、上記吸収体の層がその表面の下方末端に取り付けられている。
上記最終サンプル体積は、上記吸収体の下方末端(垂直位置z)と上記容器の底(垂直位置z)との間の距離の関数である(V=f(z−z))。関数fを含む厳密な関係式(exact relation)は、上記容器の寸法および形に依存し、そのことは当業者に周知である。例えば、上記容器が、図2に例示されるような、半径rおよび高さh(ここで高さは、上記容器の底におけるzと等しい)を有する平らな容器の底を有する円筒形を有する場合、上記最終サンプル体積は、以下の式:V=πr2(z−z)に従って計算され得る。異なる形の容器についての最終サンプル体積を計算するための式も当業者に公知である。
別の好ましい実施形態において、濃縮されるべき液体サンプルは、容器に充填され、上記容器は、すでに容器の底(z)より上の特定の高さ(z)に位置決めされた吸収体を含み、上記吸収体は、好ましくは上記容器の内表面の1つ以上の領域に取り付けられ、ここでコーティングされた上記領域の下方末端は、上記容器の底より上である(z>z)。上記吸収体はまた、上記容器の底(z)より上の特定の高さに位置決めされたデバイス中に含まれ得るか、またはそのデバイスに取り付けられ得、ここで上記デバイスは、上記液体サンプルが容器中に充填されるとき、すでに容器中に含まれ得る。この実施形態において、上記デバイスは、除去可能、移動可能な様式で、または除去できない様式で上記容器に一体化され得る。
上記吸収体が容器の内表面に取り付けられる場合、内表面の1つの連続した領域は上記吸収体でコーティングされ得るか、または内表面のいくつかの離れた領域は上記吸収体でコーティングされ得る。コーティング自体は、好ましくは任意のさらなる材料(例えば、膜)によってコーティングされない。この実施形態の1つの例は、図3に示され、吸収体でコーティングされたチューブの内表面の、2つ以上の離れた領域または1つの連続したリングの形をした領域を有するいわゆるエッペンドルフチューブを示す。
図4は、除去可能な様式でサンプル容器に一体化された上記吸収体を含むデバイスを、側面図(左)および上面図(右)から示す。この実施形態は、下に詳細に議論される。
本発明の方法を用いて、除去されるべきサンプル体積に対して大過剰の吸収体を使用することが可能である。従って、膨張平衡に到達するまで待つ必要がなく、そのことは吸収体を用いた現在の技術水準から公知である方法と比較して、濃縮するプロセスを著しく加速する。液体サンプルを最初のサンプル体積(V)から、規定された最終サンプル体積(V)まで濃縮するために必要とされる時間は、45分間未満、好ましくは30分間未満、より好ましくは20分間未満、さらにより好ましくは10分間未満であり、そして最も好ましくは、5分間、1分間、30秒間、またはそれ未満である。
本発明の方法を用いて達成され得る、最初のサンプル体積 対 最終サンプル体積の比(V/V)として表される体積低減は、使用される吸収体の量および種類に特に依存して幅広い範囲において選ばれ得る。しかし、V/Vが2/1〜50/1の範囲、好ましくは4/1〜30/1の範囲、より好ましくは5/1〜20/1の範囲、および最も好ましくは8/1〜12/1の範囲であることが好ましい。
上記吸収体は、好ましくは、親水性ポリマーまたはコポリマーを含み、上記ポリマーまたはコポリマーは、溶解することなく、水および/または水性溶液中で膨張することによって、ある量の水および/または水性溶液をその構造内に保持することが可能である。上記吸収体内に保持される水または水性溶液の量 対 乾燥吸収体材料の量の比[g/gで示される]は、好ましくは少なくとも2/1、より好ましくは少なくとも5/1、さらにより好ましくは20/1、および最も好ましくは少なくとも50/1である。水および/または水性溶液を吸収して保持する能力は、当業者に周知である種々の要因に依存する。上記吸収体自体、すなわち、その化学的構成、構造、および架橋などが重要な役割を果たす。さらなる重要な要因は溶媒の性質である。例えば、多くのSAPは、水分子と水素結合を形成することによって水または水性溶液を吸収する。SAPの水を吸収する能力は、従って、上記水性溶液におけるイオン強度の要因である。脱イオン水および蒸留水において、SAPは通常、それら自体の重量の100倍超を吸収することができるが、例えば、0.9%の食塩水溶液において、吸収性は、水素結合によって水分子を保持するポリマーの能力を妨げる上記溶液中のカチオン(Na)の存在に起因して、しばしば劇的に落ちる。ポリマーの吸収性に影響を与える他の重要な要因は、環境条件(例えば、温度および圧力など)である。
上で示された、吸収体内に保持される水または水性溶液の量 対 乾燥吸収体材料の量の比についての値[g/gで]は、好ましくは、室温(23℃±2℃)において0.9%の食塩水溶液から水を吸収する能力に関係する。これらの値は通常、吸収材料の製造者によって提供されるが、また当業者によって容易に決定され得る。
上記親水性ポリマーまたはコポリマーは、好ましくは有機ポリマーまたはコポリマーを含む。これらの有機ポリマーまたはコポリマーは、好ましくは重合されたビニルモノマーを含み、アニオン性、カチオン性および/または双性イオン性の側鎖、またはそれらの混合物を有する。特に好ましい実施形態において、上記親水性ポリマーまたはコポリマーは、ビニルモノマーおよびアニオン性側鎖を含む。
本発明に関して、ビニルモノマーは、少なくとも1つの−CH=CH基を含む任意の低重量有機化合物(300g/mol未満または300g/molと等しい分子量)である。そのようなビニルモノマーを重合する場合、それらのC=C二重結合は、互いに反応し、ポリマー/コポリマーの骨格を形成する。使用されるモノマー、架橋剤、および/またはコモノマーに依存して、上記ポリマーは、アニオン性、カチオン性および/または双性イオン性の側鎖を含み得る。本発明に関して、アニオン性側鎖が好ましい。
プロトン化状態または脱プロトン化状態のいずれかでpHに依存して存在し得るアニオン基(例えば、カルボキシレート基−COH/−CO )が特に好ましい。そのような基は、水分子と水素結合を形成することができ、従って、上記吸収体の水和を達成することができる。これらの側鎖が少なくとも部分的に中和されること(すなわち、水酸化ナトリウムによって)が特に好ましく、その結果、乾燥(非膨張)ゲルにおいて、特定の量の側鎖が荷電した状態で存在し、ここで荷電した基は、互いに反発する。陰性基が中和のために使用される塩基に由来する陽性対イオンによって平衡を保たれているので、乾燥ポリマーの全般的な電気的中性は維持される。これらの対イオンは、水と接触すると水和し、そのことは、水の高誘電率に起因して、反対に荷電したイオン性側鎖への引力を低減する。水和された対イオンは、次に、ポリマーネットワーク内を自由に移動することができ、ゲル内部の浸透圧の一因となる。しかし、対イオンは、依然として、ポリマー骨格における反対に荷電した基によって弱く引きつけられるので、それらはゲルを離れず、いわば捕捉される。ゲルの内部の浸透圧とゲルの外部の浸透圧との間の、結果として生じる差異は、膨張のための駆動力である。ゲルの外部のナトリウムのレベルを増加させることは、従って浸透圧を低下させ、それゆえにゲルの膨張能力を低減する。
ビニルモノマーは、好ましくはアクリルモノマーであり、より好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリレート、メタクリレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、およびメタクリルアミド、またはそれらの混合物を含む群から選択される。
好ましい吸収ポリマーまたはコポリマーは、現在の技術水準から公知である「古典的な」吸収材料(例えば、おむつ、またはティッシュペーパー)と比較して、並外れた大量の水または水性溶液を吸収して保持する能力を有する、いわゆる高吸収ポリマーである。さらに、SAPは、吸収および膨張後、水を保存することができる。膨張したゲルの強度として表されるこの能力は、SAPを他のヒドロゲル、または搾られると大量の吸収された水を失う慣習的な吸収材料(例えば、ティッシュペーパー、または綿板(cotton board))と区別する。
高吸収ポリマーを特徴付ける代表的なパラメーターは、荷重下吸収性(AUL)、膨張速度、膨張したゲルの強度、可溶性画分、およびイオン感受性であり、それらは、M.J.Zohuriaan−Mehr and K.Kabiri Iranian Polymer Journal,2008,17(6),451−477による概説論文に記載されるように決定され得る。
荷重下吸収性は通常、試験サンプルが指定された荷重によって加圧される間の水または0.9%の食塩水溶液の取り込みを含意する。
膨張速度は、特定の時点の後の残りの体積を測定することによって決定される。
可溶性画分(sol)は、溶液中に放出され得る、吸収体中の全ての水溶性種(非架橋オリゴマー、および未反応出発材料、すなわち、残留モノマーが挙げられる)の合計である。可溶性画分は、吸収材料のサンプルを蒸留水を用いて抽出し、膨張したサンプルを濾過し、オーブンでの乾燥後に上記サンプルを計量することによって容易に決定され得、サンプル重量の損失が可溶性画分を表す。
本発明に関して、脱イオン水および蒸留水と比較して塩溶液において、低い吸収性損失を示す吸収体の使用が好ましい。無次元膨張係数sf(sf=1−(所与の流体における吸収/蒸留水における吸収))は、水性流体の種類に対する吸収材料の感受性の相対的な尺度を提供する。
本発明の方法において使用される吸収体は、1つ以上のタイプの架橋剤を含む有機ポリマーまたはコポリマー、好ましくは架橋ポリマーであり得、好ましくはN,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド、1,3,5−トリアクロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン(THHT)、ペンタエリトリトールテトラアクリレート(PETA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、およびジエチレングリコールジアクリレート、またはそれらの混合物を含む群から選択される。
ポリマー鎖を架橋することによって、上記吸収体において三次元ネットワークが得られ、それは、ポリマーがその弾性収縮力によって無限に膨張することを防ぐ。吸収ポリマーにおける架橋の程度は、荷重下吸収性だけではなく膨張能力にも影響を与える。高度に架橋したポリマーは、低い膨張能力を有し、他方、非常に低度に架橋したポリマーは、高い膨張能力を示すが、荷重下吸収性が乏しい、すなわち、上記ポリマーは、吸収した水のほとんどを圧力下で損失する。上記ポリマーにおける架橋剤の好ましい量は、0.01重量%〜5重量%の範囲、特に好ましくは0.1重量%〜1重量%の範囲である。
異なるモノマーの組み合わせ、または相互浸透ネットワークの形態での2つ以上の異なるポリマー系の組み合わせを用いることによって、SAPの所望される特性を微調整することが可能である。
従って、好ましい実施形態において、上記ポリマーまたはコポリマーは、少なくとも1つのタイプのビニルモノマー、好ましくは少なくともアクリルモノマー、および好ましくは1つ以上のさらなるタイプのモノマーを含み、好ましくは、例えば、アクリル酸、アクリル酸無水物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートを含む群から選択される。
別の好ましい実施形態において、上記ポリマーは、コポリマー系であり、少なくとも1つのアクリルポリマー、ならびにポリエチレングリコール(PEG)、および多糖類を含む群から選択される1つ以上のさらなるポリマー(複数可)である。上記1つ以上のさらなるポリマー(複数可)は、好ましくは、PEG、デキストロース、アガロース、およびキトサン、またはそれらの混合物を含む群から選択されるポリマーを含む。進歩した特性を有する特に好ましいコポリマー系は、酸性条件下で高い膨張を示すアクリル−キトサンコポリマー系、側鎖の凝集によってメッシュ幅が容易に制御され得るアクリル−PEGコポリマー系、および純粋なアクリルポリマー系と比較して高められた安定性を有するアクリル−アガロースコポリマー系である。
上記吸収体が水和すると、メッシュの平均直径およびその幾何学的形態によって規定された特定のメッシュ幅および特定のメッシュパターンを有する三次元ネットワークが形成される。上記幾何学的形態およびメッシュサイズは通常、高分子についてキロダルトン(kDa)または塩基対(bp)で示される上記メッシュの分子カットオフ特性を規定する。分子カットオフは上方サイズ限界を規定し、その上方サイズ限界より上では、分子が大きすぎてポリマーネットワークに入ることができず、従って、ポリマーネットワークによって捕捉され得ない。上記分子カットオフの値は、上記ポリマーにおける架橋剤のタイプおよび量によって制御され得る。ゲル内の上記メッシュ幅(分子カットオフ)は、溶媒中で膨張する際に親水性ポリマーまたはコポリマーによって形成される。上記メッシュ幅は、コイル状態から拡大した状態に移ることに起因して、水性媒体に曝される間、最大に到達するまで、時間の経過とともに変動することは当業者に公知である。好ましいメッシュ幅についての前述の値は、最大メッシュ幅を指す。特定の濃縮プロセスにおいて選ばれるメッシュ幅は、濃縮されるべき標的化合物に依存する。好ましくは、上記メッシュ幅は、上記標的化合物のサイズよりも小さく、その結果、上記標的化合物は、たとえ、水和したネットワークが完全に拡大されても上記吸収ポリマーに入ることができない。
好ましい標的化合物は、生体分子に代表され、より好ましくはDNA、RNA、ペプチド、タンパク質、多糖類、およびポリケチドを含む群から選択され、最も好ましくは、約18〜20と最大数百または数千ヌクレオチドとの間のサイズを有するDNAおよびRNAに代表される。
従って、上記吸収材料の上記メッシュ幅(分子カットオフ)は、上記標的分子の分子量に依存して、例えば、500ダルトン、1,000ダルトン、5,000ダルトン、10,000ダルトン、20,000ダルトン、30,000ダルトン、40,000ダルトン、もしくは50,000ダルトン〜100,000ダルトン、150,000ダルトン、200,000ダルトン、250,000ダルトン、もしくは300,000ダルトンであり得るか、あるいは例えば、10、15、20、30、100bpもしくはヌクレオチドを有するオリゴ核酸、または100超、250超、500超、または1,000超、および例えば、3,000まで、5,000まで、10,000まで、25,000まで、もしくは50,000までのbpもしくはヌクレオチドを有するポリ核酸が上記吸収材料を通ることができないようなものであり得る。
本発明に関して、SAPは、粒子(例えば、不規則な顆粒、または球形ビーズ)、繊維、クモの巣状のもの、フィルム、および表面コーティングなどの形態であり得る。
SAPの膨張速度および圧力下(例えば、遠心分離の間)でのその溶媒保持特性をさらに高めるために、粒子、繊維、またはフィルムの表面もしくはシェルは、特異的に架橋され得る。SAPのポリマーネットワークを形成するための第一の重合ステップ後、架橋溶液は、次に粒子、繊維、またはフィルムの形態で乾燥SAPに付与される(いわゆる後架橋)。架橋剤として、側鎖の官能基と反応することができる少なくとも2つの官能基を有する分子(例えば、ポリアクリルポリマーの場合のカルボキシル基)が使用される(例えば、多価アルコール(例えば、グリセリン))。この後架橋は、ビーズ、繊維、フィルムなどの表面における架橋の密度を増加させ、ある種のコアシェル粒子、繊維、またはフィルムをもたらす。そのような粒子、繊維、またはフィルムのコアは、軽度に架橋したポリマーからなるが、上記シェルは、その表面において、より高い架橋密度を有する。
上記ポリマーは、上記吸収体の特性(例えば、生体適合性を高めるための、または上記標的化合物と上記吸収体との間の相互作用を最小にするための)を調整するために、上記吸収体の表面を異なるポリマーでコーティングすることによってさらに改変され得る。特定の好ましい実施形態において、上記吸収体の表面は、好ましくは(i)重合後に、上記吸収体の表面を選択的に架橋することによって、(ii)さらなる分子を上記吸収体の表面に共有結合させることによって、および/または(iii)さらなるポリマーで上記吸収体の表面をコーティングすることによって、上記標的化合物と上記吸収体との間のあらゆる引力相互作用を最小にするために改変され、上記さらなるポリマーは、好ましくはポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリリジン(PL)、およびポリビニルピロリドン(PVP)、またはそれらの混合物を含む群から選択される。
上記ポリマーの吸水能力に影響を与え得るさらなるパラメーターは、温度(好ましくは室温)、濃縮されるべきサンプルのpH(好ましくは中性近くまたはわずかに塩基性、すなわち、6〜9、7〜8.5)、濃縮前のサンプルにおける上記標的分子の濃度、サンプル溶液における塩の含有量(イオン強度)(0mM〜200mM)、および吸収ポリマーの平均分子量である。
上記吸収体が球形ビーズの形態で提供される場合、直径は、好ましくは0.1mm〜1mmの範囲、より好ましくは0.2mm〜0.4mmの範囲である。上記吸収体がフィルムまたはクモの巣状のものの形態で使用される場合、上記フィルムまたはクモの巣状のものは、好ましくは0.01mm〜1mmの範囲、より好ましくは0.1mm〜0.4mmの範囲の層の厚さを有する。上記標的分子が核酸を含む場合、あらゆるアルギネートおよびヌクレアーゼを含まない吸収ポリマーを使用することが好ましい。
本発明は、上に記載される方法に従って容器内の液体サンプル中の1つ以上の標的化合物を濃縮するために特に適合されたデバイスをさらに提供し、ここで図4に例示されるように、上記デバイスは、透過性の底部末端6、および非透過性であり得る上方末端5を有する中空本体4を含み、上記中空本体4は、上に記載されるような吸収体3、および必要に応じて容器2内の特定の高さzにおいて上記デバイスを可逆的に固定するための手段7を含む。非透過性の上方末端5は、好ましくは傾斜した非透過性の上方末端の形態であり、透過性の底部末端6は、好ましくは穴あき網目プレート、膜、好ましくは溶解した成分について非選択的、および特に上記標的化合物について非選択的である膜、フリット、フィルター、ガーゼ、またはノズルの形態である。そのようなデバイスは、除去可能な様式で容器2(例えば、収集チューブ、またはマルチウェルプレート)に一体化され得、手段7によって上記容器内の特定の高さzに容易に固定され得る。上記デバイスは、空の容器中に置かれ、濃縮後の最終サンプル体積Vを決定する特定の高さzに固定され得る。液体サンプルは、次に上記容器に充填され、それにより上記吸収体と接触することなく上記デバイスを通り過ぎ、上記容器の底において収集される。この実施形態において、傾斜した非透過性の上方末端は、上記液体サンプルが迅速に上記デバイスを通り過ぎることを確実にするために好ましい。上記液体サンプルはまた、上記容器中および上記液体中の両方に上記デバイスが置かれる前に上記容器に充填され得る。上記デバイスの下方末端および/または側面は、例えば、穴あき網目プレート、膜、好ましくは溶解した成分について非選択的、および特に上記標的化合物について非選択的である膜、フリット、フィルター、またはノズルの形態で透過性のものである。上記容器内の充填レベルが上記デバイスの下方末端に到達するとすぐに、このレベルよりも上に存在する溶媒は、上記デバイス内の上記吸収材料によって吸収される。上記デバイスは、上記サンプル/上記サンプルを含む容器から容易に除去され得るので、非常に大過剰の上記吸収体を使用することが可能である。上記デバイス内に含まれる吸収体の量およびタイプを選択することによって、体積低減の間の時間の浪費を最小にするデバイス、すなわち、事実上、上記容器への上記サンプルの充填のプロセスが終わると同時に体積低減も終わるデバイスを作り出すことが可能である。上記デバイス内の上記吸収体中に閉じ込められた吸収された溶媒は、上記デバイス全体を除去することによって上記サンプル容器から容易に除去され得、のちに捨てられ得る。
上記デバイスは、さらに、少なくとも部分的に上記吸収体でコーティングされたディップスティック、ピペットチップ、カラム、または棒に代表され得る。上記デバイスはまた、上記吸収体で充填された袋、籠、または他の容器に代表され得、それらは溶媒について透過性である。上記吸収体を取り囲む材料は、存在する場合、液体サンプル中に含有される溶解した成分について本質的に非選択的であり、特に上記標的化合物について非選択的であることが特に好ましい。さらなる実施形態において、上記デバイスは、その内表面が部分的に上記吸収体でコーティングされた容器に代表され得、ここでコーティングされた領域の下方末端は、上記容器の底(z)より上、すなわち、z>zである。
本発明に従う上記吸収体を含むデバイスの実施形態から独立して、上記デバイスが、好ましくは可逆的に、上記デバイスの下方末端(z)が上記容器の底より上で、すなわち、z>zで間隔をあけられた様式で、容器中に上記デバイスを位置決めする、または固定するための手段を含むことが好ましい。好ましくは、吸収デバイスの下方末端と上記容器の底部末端との間の間隔は、規定された体積、特にこの領域に含有される場合、規定された体積の液体をもたらす。
さらに本発明に従って、上記吸収体を含む上記デバイスの前述の実施形態のうちのいずれかを含む容器が提供され、ここで上記容器は、好ましくは可逆的に、上記容器の底より上の所与の間隔(z)において、すなわち、z>zで上記容器中に上記デバイスを位置決めする、または固定するための手段をさらに含む。好ましくは、上記吸収デバイスの下方末端と上記容器の底部末端との間の間隔は、規定された体積、特にこの領域に含有される場合、規定された体積の液体をもたらす。
架橋ポリマー吸収体材料の好ましい使用に起因して、上記吸収体を任意の材料のさらなるコーティングまたは層と組み合わせて、液体サンプルの成分の選択を可能にすることは不可欠ではなく、特に好まれるわけではない(例えば、限外濾過または透析膜の提供など)。上記吸収体は、上記液体サンプルとの直接接触において使用され得る。「直接接触」とは、上記吸収体が上記液体サンプルと接触する表面において任意の材料(例えば、選択的もしくは非選択的コーティング、選択的もしくは非選択的フィルム、選択的もしくは非選択的膜、選択的もしくは非選択的層、または同様のもの)によって覆われないか、あるいは上記吸収体が実際は袋、籠、または容器(網目プレート、フリット、フィルター、ノズル、もしくは膜と一緒に提供される)の中に含有されるかのいずれかを意味する。しかし、上記袋、籠、網目プレート、フリット、フィルター、ノズル、または膜は、上記吸収体を上記液体サンプルから分離可能に保持するための手段として役立つのみであるが、溶解した成分のあらゆる選択なしに、特に上記標的化合物のあらゆる選択なしに、上記液体サンプルが通ることを可能にする。
本発明の方法および/またはデバイスは、生物学的サンプル中の1つ以上の標的化合物を濃縮するために使用され得る。好ましくは上記方法および/または上記デバイスは、好ましくは例えば、体液中の病原体または核酸を濃縮するために使用され得、上記体液は、好ましくは尿、および血漿、または血清を含む群から選択され;体液などの流体、培地、溶液、または液体環境サンプル中の原核生物もしくは真核生物の細胞を濃縮するために使用され;生物学的サンプルを、クロマトグラフィーによって精製した後、またはクロマトグラフィーによって精製している間に得られる溶出液中の核酸、好ましくはRNAを濃縮するため;例えば、スピンカラム、重力流カラム、もしくは正圧カラム、磁気ビーズ、または他の一般的に使用される形式を用いて;血液サンプル、血漿、もしくは血清中の自由循環(free−circulating)RNAおよび/もしくはDNAを濃縮するため、または母親の血漿もしくは血清中の自由循環胎児性RNAおよび/もしくはDNAを濃縮するため;液体環境サンプル(例えば、水のサンプル)中の核酸、タンパク質、炭水化物、または目的の任意の他の、より大きな分子などの分子標的を濃縮するために使用される。本発明の方法およびデバイスは、生物学的標的化合物を迅速におよび確実に濃縮するために使用され得るので、感染または腫瘍の分子的診断(例えば、血漿中の自由循環腫瘍性DNAまたはRNAの検出)においても使用され得る。
本発明は、生物学的液体サンプルを処理するためのキットをさらに提供し、上記キットは、本発明に従うデバイス、およびバッファー、液体反応物または試薬、凍結乾燥された酵素または試薬、手順のために最適化されたプラスチック製消耗品(例えば、濃縮機デバイス、サンプルチューブまたはプレートを支援/保持する)、およびサンプル中の1つ以上の標的化合物の精製のためのクロマトグラフィーカラム、またはそれらの混合物を含む群から選択されるさらなる構成要素を含む。
上記キットに含まれる上記デバイスは、好ましくは非透過性の上方末端5および好ましくはノズルの形態での透過性の底部末端6を有する中空本体4を含み、上記中空本体4は、吸収体3、および必要に応じて収集チューブ内の特定の高さzにおいて上記デバイスを可逆的に固定するための手段7を含む。
別の好ましい実施形態において、上記キットは、容器、好ましくは収集チューブを含み、その内表面は、部分的に上記吸収体でコーティングされ、コーティングされた領域(複数可)の下方末端は、上記容器の底zより上、すなわち、z>zである。

Claims (17)

  1. 液体サンプル(1)中の1つ以上の標的化合物を濃縮する方法であって、該サンプルは、溶媒または溶媒の混合物中に溶解された該1つ以上の標的化合物を含み、最初のサンプル体積Vを有し、
    該方法は、容器(2)内でサンプル(1)を該容器の底(z)より上に位置決めされた吸収体(3)と接触させるステップを含み、
    ここで最終サンプル体積(V)は、該吸収体(3)(垂直位置z)の下方末端と該容器の底(z)との間の距離によって決定される、
    方法。
  2. 前記吸収体(3)は、前記容器(2)内の前記液体サンプル(1)中に少なくとも部分的に浸されるデバイス中に含まれるか、または該デバイスに取り付けられ、
    該デバイスは、該吸収体(3)を含み、前記溶媒について少なくとも部分的に透過性の、好ましくは中空の物体の形態であり、より好ましくは透過性の袋、透過性の籠、または透過性の下方末端を有するカラムの形態であり、該透過性の末端は、好ましくは穴あき網目プレート、膜、フリット、フィルター、ガーゼ、またはノズルの形態であるか、
    または該デバイスは、該デバイスが該液体サンプル(1)中に浸される場合、該溶媒に曝されるそのような(内または外)表面の少なくとも一部分に該吸収体(3)を取り付けたデバイスの形態であり、より好ましくは少なくとも部分的に該吸収体(3)でコーティングされたディップスティック、または棒の形態である、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記液体サンプル(1)は、前記容器(2)に充填され、該容器は、すでに該容器の底(z)より上の特定の高さに位置決めされた前記吸収体(3)を含み、
    該吸収体(3)は、好ましくは該容器の内表面の1つ以上の領域に取り付けられ、ここでコーティングされた該領域の下方末端zは、該容器の底より上であり(z>z);
    または該吸収体(3)は、該容器の底(z)より上に位置決めされたデバイス中に含まれるか、または該デバイスに取り付けられる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記液体サンプル(1)を前記最初のサンプル体積(V)から、規定された最終サンプル体積(V)まで濃縮するために必要とされる時間は、45分間未満、好ましくは30分間未満、より好ましくは20分間未満、さらにより好ましくは10分間未満であり、そして最も好ましくは、5分間、またはそれ未満である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記最初のサンプル体積 対 前記最終サンプル体積の比(V/V)は、2/1〜50/1の範囲、好ましくは4/1〜30/1の範囲、より好ましくは5/1〜20/1の範囲、および最も好ましくは8/1〜12/1の範囲にある、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記吸収体(3)は、親水性ポリマーまたはコポリマーを含み、
    該ポリマーまたはコポリマーは、溶解することなく、水および/または水性溶液中で膨張することによって、ある量の水および/または水性溶液をその構造内に保持することが可能であり、
    該吸収体内に保持される水または水性溶液の量 対 乾燥吸収体材料の量の比[g/gで示される]は、好ましくは少なくとも2/1、より好ましくは少なくとも5/1、さらにより好ましくは20/1、および最も好ましくは少なくとも50/1である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記親水性ポリマーまたはコポリマーは、有機ポリマーまたはコポリマーを含み、該有機ポリマーまたはコポリマーは、好ましくは重合されたビニルモノマーを含み、アニオン性、カチオン性および/または双性イオン性の側鎖、またはそれらの混合物、より好ましくはアニオン性側鎖を有する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記ビニルモノマーは、アクリルモノマーであり、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリレート、メタクリレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、およびメタクリルアミド、またはそれらの混合物を含む群から選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記有機ポリマーまたはコポリマーは、1つ以上のタイプの架橋剤を含む架橋ポリマーであり、
    該架橋剤は、好ましくはN,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド、1,3,5−トリアクロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン(THHT)、ペンタエリトリトールテトラアクリレート(PETA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、およびジエチレングリコールジアクリレート、またはそれらの混合物を含む群から選択され、
    ここで該ポリマーにおける架橋剤の量は、好ましくは0.01重量%〜5重量%の範囲、である、
    請求項6〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記ポリマーは、コポリマーであって、該コポリマーは、少なくとも1つのタイプのビニルモノマー、および1つ以上のさらなるタイプのモノマーを含む、コポリマー、
    またはコポリマー系であって、該コポリマー系は、少なくとも1つタイプのアクリルポリマー、ならびにポリエチレングリコール(PEG)、および多糖類を含む群から選択される1つ以上のさらなるポリマーであり、該さらなるポリマーは、好ましくは、PEG、デキストロース、アガロース、およびキトサン、またはそれらの混合物を含む群から選択される、コポリマー系
    のいずれかである、請求項6〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記溶媒中で膨張する際に前記親水性ポリマーまたはコポリマーによって形成されるゲル内のメッシュ幅(分子カットオフ)は、50nm未満、好ましくは10nm以下である、請求項6〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記標的化合物は、生体分子に代表され、より好ましくはDNA、RNA、ペプチド、タンパク質、多糖類、およびポリケチドを含む群から選択され、より好ましくは、DNAまたはRNAである、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記吸収体の表面は、好ましくは
    (i)重合後に、該吸収体の表面を選択的に架橋することによって、
    (ii)さらなる分子を該吸収体の表面に共有結合させることによって、および/または
    (iii)好ましくはポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリリジン(PL)、およびポリビニルピロリドン(PVP)、またはそれらの混合物を含む群から選択されるさらなるポリマーで該吸収体の表面をコーティングすることによって、
    前記標的化合物と該吸収体との間の任意の引力相互作用を最小にするために改変される
    、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の、容器(2)内で液体サンプル(1)中の1つ以上の標的化合物を濃縮する方法において使用するためのデバイスであって、
    該デバイスは、非透過性の上方末端(5)、および透過性の底部末端(6)を有する中空本体(4)を含み、該非透過性の上方末端(5)は、好ましくは傾斜した非透過性の上方末端の形態であり、該透過性の底部末端(6)は、好ましくは穴あき網目プレート、膜、フリット、フィルターまたはノズルの形態であり、
    該中空本体(4)は、吸収体(3)、および必要に応じて該容器内の特定の高さ(z)において該デバイスを可逆的に固定するための手段(7)を含むか;
    該デバイスは、少なくとも部分的に該吸収体でコーティングされたディップスティック、または棒に代表されるか;
    該デバイスは、該吸収体で充填された袋、または籠に代表され、前記溶媒について透過性であるか;
    または該デバイスは、その内表面が部分的に該吸収体でコーティングされた容器に代表され、ここでコーティングされた領域の下方末端は、前記容器の底(z)より上であるか
    のいずれかである、デバイス。
  15. 生物学的サンプル中の1つ以上の標的化合物を濃縮するための請求項1〜13のいずれかに記載の方法あるいは請求項14に記載のデバイスの使用であって、
    好ましくは体液中の病原体もしくは核酸を濃縮するためであり、該体液は、好ましくは尿、および血漿、もしくは血清を含む群から選択され;より好ましくは血液中の自由循環RNAおよび/もしくはDNAを濃縮するため、または
    該生物学的サンプルを、スピンカラム、(磁気)ビーズなどを用いてクロマトグラフィーによって精製した後、またはクロマトグラフィーによって精製している間に得られる溶出液中の核酸、好ましくはRNAおよび/もしくはDNAを濃縮するため、または
    血液サンプル中の自由循環RNAおよび/もしくはDNAを濃縮するため、または
    母親の血漿もしくは血清中の自由循環胎児性RNAおよび/もしくはDNAを濃縮するため、または
    該血漿もしくは血清中の自由循環腫瘍性RNAおよび/もしくはDNAを濃縮するため、または
    液体環境サンプル(例えば、水のサンプル)中の核酸、タンパク質、炭水化物、もしくは目的の任意の他の、より大きな分子などの分子標的を濃縮するための、
    使用。
  16. 生物学的サンプルを処理するためのキットであって、該キットは、請求項14に記載のデバイス、ならびにバッファー、液体反応物または試薬、凍結乾燥された酵素または試薬、手順のために最適化されたプラスチック製消耗品(例えば、濃縮機デバイスを支持/保持する)、および前記サンプル中の1つ以上の標的化合物の精製のためのクロマトグラフィーカラム、またはそれらの混合物を含む群から選択されるさらなる構成要素を含む、キット。
  17. 前記デバイスは、必要に応じて非透過性の上方末端(5)および透過性の底部末端(6)を有する中空本体(4)を含み、該透過性の底部末端(6)は、好ましくは穴あき網目プレート、膜、フリット、フィルター、もしくはノズルの形態であり、
    該中空本体(4)は、吸収体(3)、および必要に応じて前記容器(2)内の特定の高さ(z)において該デバイスを可逆的に固定するための手段(7)を含むか、
    または、該デバイスは、その内表面が部分的に該吸収体(3)でコーティングされた容器(2)に代表され、コーティングされた領域(z)の下方末端は、該容器の底(z)より上であるか、
    のいずれかである、請求項16に記載のキット。
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