JP2001300308A - エンドトキシン吸着材 - Google Patents

エンドトキシン吸着材

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JP2001300308A
JP2001300308A JP2000129635A JP2000129635A JP2001300308A JP 2001300308 A JP2001300308 A JP 2001300308A JP 2000129635 A JP2000129635 A JP 2000129635A JP 2000129635 A JP2000129635 A JP 2000129635A JP 2001300308 A JP2001300308 A JP 2001300308A
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group
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polymer
meth
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Nobuyuki Hayashi
伸幸 林
Chieko Okada
千恵子 岡田
Shuhei Nakaji
修平 中路
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンドトキシンを容易かつ確実に吸着除去す
ると同時に血液適合性が優れているエンドトキシン吸着
材を提供すること。 【解決手段】 担体に親水性高分子物質を被覆してなる
エンドトキシン吸着材により達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンドトキシン吸
着材に関する。さらに詳しくは、担体に親水性高分子物
質を被覆してなり、水、体液、或いは血液中に含まれる
エンドトキシンを容易にかつ確実に除去するためのエン
ドトキシン吸着材に関する。該吸着材は、例えば、敗血
症患者血液中のエンドトキシンを除去するための治療用
として好適である。
【0002】
【従来の技術】エンドトキシンは、体内に感染したサル
モネラ菌、ジフテリア菌、コレラ菌、髄膜炎菌、大腸
菌、百日咳菌、アシネトバクター、結核菌などのグラム
陰性菌が溶菌する際、その細胞壁から遊離してくる毒素
であり、活性部位のリピドAとコア多糖体とO抗原特異
的多糖体とが結合してなる複雑な構造のリポ多糖類(L
PS)である。
【0003】このようなエンドトキシンは、動物の血中
に入ると発熱作用、致死作用、抗潰瘍作用、白血球や血
小板の減少、骨髄出血壊死などをはじめ種々の作用を示
し、感染症ショックの原因となり、従来から前述のグラ
ム陰性菌に感染した患者特に敗血症患者の血中よりエン
ドトキシンを除去する試みが行われている。
【0004】これまでエンドトキシンを除去するのに、
血液透析器、持続血液濾過器といった膜による濾過ある
いはエンドトキシン吸着物質を用いる方法が提案されて
いる。しかしながら、血液透析器、持続血液濾過器を用
いる方法は、濾過膜を使用する方法であるため、エンド
トキシンの吸着・分解能が低く、短時間で確実にエンド
トキシン含有液からエンドトキシンのみを除去すること
は困難である。また、除去効率を上げるために通液速度
を上げるとエンドトキシンが十分吸着されない恐れもあ
る。
【0005】他のエンドトキシンを除去する方法とし
て、吸着法がある。例えば、特開昭62−19178号
公報、特開昭60−209525号公報等に、ポリスチ
レン繊維の担体に抗生物質であるポリミキシンBを結合
させ、エンドトキシンを吸着させる方法が知られてい
る。しかし、ポリミキシンBは、生物由来のもので入手
が困難であり、極めて高価な物質である。しかも、滅菌
時に変性するおそれもあり、取り扱いも容易でないとい
う問題がある。また、陰イオン交換樹脂を使用してエン
ドトキシンを吸着除去する方法も知られているが、陰イ
オン交換樹脂は血液中の成分を吸着するといった血液適
合性の問題が指摘されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】陰イオン交換樹脂を親
水性高分子物質で被覆し、血液又は血漿浄化用に使用す
ることも試みられている(人工臓器22巻1号,190
−193(1993))。しかしながら、親水性高分子
物質を被覆することにより、血液適合性の問題は改善さ
れるものの、吸着能力が低下するという別の問題が発生
している。したがって、本発明の目的は、血液適合性に
優れ、エンドトキシンを容易かつ確実に吸着除去するこ
とができ、しかも製造が容易で安価なエンドトキシン吸
着材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討を重ねた結果、意外にも、担体
に親水性高分子物質を被覆することにより、エンドトキ
シンの吸着能力を低下させることなく、血液適合性にも
優れた吸着材となることを見出し、本発明に至った。す
なわち、本発明は、担体に親水性高分子物質を被覆して
なるエンドトキシン吸着材である。
【0008】
【発明の実施の態様】本発明に使用する担体としては、
例えば、セルロース系担体、ポリビニルアルコール系担
体、ポリアクリルアミド系担体、アガロース系担体、イ
オン交換樹脂等の有機質担体或いは、ガラスなどの無機
質担体等を挙げることができ、粒子状、繊維状、シート
状、中空糸状など各種形状ものを使用することが出来
る。そのうちでも特に粒子状のものは、容量に対する吸
着有効面積が大きいので好ましい。担体として、有機質
担体を使用する場合は、アミノ基、カルボキシル基、水
酸基等の反応性の官能基を多く有するものが好ましく、
かかる点でイオン交換樹脂、なかでも陰イオン交換樹脂
は好適な担体である。
【0009】イオン交換樹脂は、3次元結合を有する高
分子の母体にイオン交換性を有する交換基が共有結合に
より、安定に結合した構造を有する高分子電解質であ
る。3次元結合を有する高分子の母体は特に限定せず、
イオン交換基を安定的に導入し得る3次元結合を有する
高分子であれば広範囲に使用できる。例えば、スチレン
に少量のジビニルベンゼンを加えて共重合して得られた
ポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー、フェノール系
ポリマー或いは各種アミンの縮合系ポリマー等である。
【0010】これらのポリマーの中、スチレンージビニ
ルベンゼン共重合体は母体およびイオン交換基を導入し
たポリマーが化学的に安定で交換容量が大きく、且つパ
ール重合により容易に均一な球形粒子にする事が出来る
ため、最も広く用いられている。本発明のイオン交換樹
脂の母体としても好ましい性質を持っている。
【0011】陰イオン交換樹脂は、前記の3次元構造の
母体ポリマーに塩基性交換基を導入したものである。塩
基性交換基は共有結合により母体ポリマーに安定に結合
できるものであれば、その種類は限定せず、広範囲の交
換基が使用できる。このような交換基としては例えば1
級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アミノ
基等が最も広く使用されている。なかでも4級アミノ基
は本発明の陰イオン交換樹脂のイオン交換基として好ま
しい。
【0012】イオン交換樹脂の材質には非多孔性のゲル
型のものと多孔性のポーラス型のものがあるが、本発明
にはいずれの型も使用できる。さらに樹脂の形状は球状
粒子、破砕状粒子或いは膜状等多くの形態にすることが
出来るが、いずれの形状を有するものでも良い。
【0013】本発明のエンドトキシン吸着材には、前記
のように広範囲な化学組成を有するイオン交換樹脂を使
用することが出来るが、母体ポリマーとしては、スチレ
ンージビニルベンゼン共重合体、塩基性交換基としては
4級アンモニウム基を有する多孔性強塩基性陰イオン交
換樹脂が最も好ましい。さらに、イオン交換樹脂の混合
物に生理作用等を有する第3の官能基を導入したもの、
或いは第3の機能性物質を混合して使用してもよい。
【0014】本発明におけるエンドトキシン吸着材にお
いて、担体は親水性高分子物質で被覆されて使用される
が、かかる被覆に用いられる親水性高分子物質とは、水
に溶解する高分子、水で膨潤する高分子或いは水に濡れ
やすい高分子物質であり、官能基としてカルボキシル
基、スルホン酸基、第4級アミン基のような解離基を持
っているか、或いは水酸基、アクリルアミド基、エーテ
ル基のような非イオン性の親水基を持った高分子物質で
ある。このような高分子物質としては、(メタ)アクリ
レート系、ポリビニルアルコール系、エチレンビニルア
ルコール系、セルロース系、エチレングリコール系、ビ
ニルピロリドン系重合体等を例示することができるが、
なかでも(メタ)アクリレート系重合体が好ましい。
【0015】(メタ)アクリレート系重合体の主成分と
して用いられる単量体としては、一般式(1)で示され
る置換もしくは未置換のヒドロキシ又はアルコキシアル
キル(メタ)アクリレート類、アミノ又はアルキルアミ
ノ(メタ)アクリレート類、ポリ(アルキレングリコー
ル)(メタ)アクリレート類などの親水性(メタ)アク
リレート類からなる単量体の群から選択される1種また
は2種以上の単量体を挙げることができる。
【0016】
【化1】 (式中、R1は水素又はメチル基;R2は置換基を有しも
しくは有しない炭素数2〜3の2価アルキレン基又はポ
リ(オキシアルキレン)基;R3は水素又は炭素数1〜
3のアルキル基で該アルキル基はさらに水酸基、アミノ
基などの極性置換基を有してもよい)で表される。)具
体的には、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチル
(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0017】本発明に用いられる親水性高分子物質は、
血液親和性が高く、凝血、溶血、血液有形成分や血漿タ
ンパクの付着などを起こしにくく、生体適合性に優れて
おり、イオン交換樹脂と血液または血漿の直接接触によ
る前述の問題を防止する上で優れた材料である。これら
の親水性高分子物質としては、ポリヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ポリヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリ
レート、ポリメトキシエチル(メタ)アクリレート、ポ
リビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、
ポリビニルピロリドンなどが挙げられるが、なかでもポ
リヒドロキシエチルメタクリレートが好ましい。以下、
ヒドロキシエチルメタクリレートをHEMA、ポリヒド
ロキシエチルメタクリレートをpHEMAと略記する。
【0018】本発明において用いられる(メタ)アクリ
レート系重合体は前述のように血液適合性に優れ、陰イ
オン交換樹脂と血液又は血漿との直接接触に対して優れ
た材料であるが、親水性のため水中での被覆層の強度が
低く、被覆層の一部が剥落または溶出するという可能性
もあるので、被覆層の剥落又は溶出をなくすようにする
のが望ましい。
【0019】このためには、陰イオン交換樹脂を被覆す
る際に用いる重合体溶液中に適当な2官能性単量体又は
架橋剤を混合して、被覆後の熱処理によって架橋させる
ことが考えられるが、この方法によっても未反応の単量
体や架橋剤がわずかに被覆層中に混入し、使用時に血液
中へ溶出する可能性がある。これを防止するためには、
被覆後に被覆層を自己架橋すればよく、エポキシ基を有
する重合性単量体を重合成分の一つとする(メタ)アク
リレート系重合体を陰イオン交換樹脂の被覆層として用
いればよい。このような自己架橋を実施することによ
り、被覆層の強度を向上し、陰イオン交換樹脂自身およ
び被覆層からの微粒子の発生を防止し、かつ未反応で残
存すると溶出する可能性をなくすことができる。
【0020】エポキシ基を有する重合性単量体として
は、一般式(2)、(3)又は(4)で表される単量体
群から選択される単量体、具体的にはグリシジル(メ
タ)アクリレート、グリシジルクロトネート、アリルグ
リシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテル、ブタ
ジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシドなどが好
ましく、(メタ)アクリレート系単量体との共重合のし
やすさから特にグリシジル(メタ)アクリレートが好ま
しい。
【0021】
【化2】
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】 (ただし、一般式(2)、(3)又は(4)において、
1、R’1、R”1は(1)におけるR1と同じ、また
(3)においてR2は置換基を有しもしくは有しない炭
素数1〜3の2価アルキレン基またはポリオキシアルキ
レン基である。)
【0024】(メタ)アクリレート系共重合体は、上記
一般式(1)から選択された単量体を主成分とし、必要
に応じて一般式(2)、(3)又は(4)から選択され
たエポキシ基を有する単量体を共重合成分として、メタ
ノール、エタノール(含水エタノールを含む)、ジメチ
ルホルムアミドなどの溶媒中、アゾビスイソブチロニト
リル、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ター
シャリーブチルパーオクトエート、ベンゾイルパーオキ
サイドなどの通常のラジカル重合開始剤を用いて40〜
100℃で数時間重合することにより得られる。全単量
体中のエポキシ基含有単量体の仕込割合は、架橋効果及
び製造中又は保存中のゲル化を防ぐ観点から、0.1〜
10重量%が適当である。
【0025】陰イオン交換樹脂に重合体を被覆するに
は、例えば重合体のエタノール溶液に陰イオン交換樹脂
を浸漬した後、取り出し、熱風乾燥、減圧乾燥などの手
段により乾燥すればよい。エタノール溶液中の重合体の
濃度は通常0.1〜5重量%で実施されるが、この濃度
を変えることによって被覆層の厚さを変えることが出来
る。被覆層の厚さは通常1μm以下とするが特に限定さ
れない。
【0026】本発明のエンドトキシン吸着材は、上記重
合体で被覆された陰イオン交換樹脂を血液又は血漿の導
出入口を有する容量50〜500ミリリットル(mL)
程度の円筒状カラムに、例えば注射用蒸留水、生理食塩
水等の充填液とともに充填し、高圧蒸気滅菌、ガンマ線
滅菌等により滅菌し、血液を20mL/分(min)〜
200mL/minまたは血漿を10〜70mL/mi
nで流せばよい。以下、実施例を挙げて本発明を更に具
体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定され
るものではない。
【0027】
【実施例】実施例1〜6、比較例1 HEMA99.5重量部、グリシジルメタクリレート
0.5重量部、ジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト0.1重量部、95%エタノール700重量部の混合
液を窒素中60℃で8時間攪拌して得た重合体を95%
エタノールに溶解し、濃度0.75%の溶液とした。
【0028】この溶液に、陰イオン交換樹脂(三菱化学
株式会社製 DIAION HPA25)を室温で4時
間浸漬した後取り出し、1晩風乾後、80℃で5時間熱
風乾燥し、次いで110℃、2時間熱処理した。この操
作をそれぞれ2回(実施例1)、4回(実施例2)、6
回(実施例3)、8回(実施例4)、10回(実施例
5)、12回(実施例6)繰り返し、pHEMAで被覆
されたエンドトキシン吸着材を得た。
【0029】pHEMAを2回(実施例1)、4回(実
施例2)、6回(実施例3)、8回(実施例4)、10
回(実施例5)、12回(実施例6)被覆した吸着材お
よびpHEMAを被覆していない吸着材(比較例1)5
mgを臭化カリウム100mgとそれぞれ混合し、粉末
状に粉砕後、400kgf/cm2で5分間加圧して錠
剤形状に成型し、試料とした。
【0030】各試料および既知量のpHEMAの二置換
ベンゼン環、エーテル結合およびケトン基の赤外線吸収
波長域における吸光度をフーリエ変換赤外分光光度計
(堀場製作所製)で測定し、 pHEMAの被覆量を算
出した。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】実施例7、比較例2〜4 エンドトキシン(生化学工業株式会社製 トキシカラー
ET2)495pgを添加した注射用生理食塩水(大塚
製薬社製)0.5mLに、上記実施例1で得られた吸着
材50mgを加えた試験液(実施例7)、 pHEMA
で被覆されていない陰イオン交換樹脂(三菱化学株式会
社製 DIAION HPA25)50mgを加えた試
験液(比較例2)、市販のエンドトキシン吸着器(東レ
株式会社製 トレミキシンPMX−20R)に使用され
ている吸着材50mgを加えた試験液(比較例3)及び
コントロールとして何も加えない試験液(比較例4)を
各々37℃で2時間懸濁させた。懸濁物を遠心分離し、
上清中のエンドトキシンの濃度を測定し、吸着率(%)
=((コントロール液の濃度−試験液の濃度)/コント
ロール液の濃度)×100により吸着率を算出し、表2
に示した。なお、エンドトキシンの濃度は、エンドトキ
シンSPテスト(生化学工業株式会社製)を用いて、次
に述べる方法により測定した。
【0033】試験液各5μLをエンドトキシンフリーの
マイクロプレートのウェルに採取し、上記エンドトキシ
ンSPテストキットに付属した、アルカリ試験液(0.
1%TritonX−100、0.1mol/L KO
H、0.1%ポリブレン、0.03mol/L N,N
−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、0.07%
エチレンイミンポリマー、0.01mol/L CaC
2:TPP−BEC試薬)を20μL加え、マイクロ
プレートを37℃、10分間加温後、ウェルにトキシカ
ラーを加え、37℃、30分リムルス反応させ、ジアゾ
カップリング後マイクロプレートリーダーで吸光度を2
波長(545−630nm)で測定し、試験液中のエン
ドトキシン濃度を測定した。
【0034】
【表2】
【0035】トレミキシンを使用した場合の吸着率7
9.6%に対して、pHEMAで被覆されていない陰イ
オン交換樹脂(三菱化学株式会社製 DIAION H
PA25)を使用した場合の吸着率は97.5%、 p
HEMAを被覆した陰イオン交換樹脂(三菱化学株式会
社製 DIAION HPA25)を使用した場合の吸
着率は97.8%であった。
【0036】実施例8、比較例5〜7 トキシカラーET2(生化学工業株式会社製)495p
gを添加した正常ヒト血清0.9mLに、実施例1で得
られた吸着材50mgを加えた試験液(実施例8)、p
HEMAで被覆されていない陰イオン交換樹脂(三菱化
学株式会社製DIAION HPA25)50mgを加
えた試験液(比較例5)、市販のエンドトキシン吸着器
(東レ株式会社製 トレミキシンPMX−20R )に
使用されている吸着材50mgを加えた試験液(比較例
6)及びコントロールとして何も加えない試験液(比較
例7)を37℃で2時間懸濁させた。懸濁物を遠心分離
し、上清中のエンドトキシン濃度を測定し、吸着率
(%)=((コントロール液の濃度−試験液の濃度)/
コントロール液の濃度)×100により吸着量を算出
し、表3に示した。なお、エンドトキシンの濃度は、エ
ンドトキシンSPテスト(生化学工業株式会社製)を用
いて、次に述べる方法により測定した。
【0037】血漿100μLに0.18M NaOH1
00μLを加え、37℃、5分間加温した後、0.32
M 過塩素酸100μLを加え、再度37℃で10分間
加温する。この血漿に0.18M−NaOH 200μ
Lを加え、そのうち50μLに0.2M−Tris−H
Cl緩衝液(pH8.0)50μLを加えたものを前処
理液とする。この前処理液100μLをエンドトキシン
フリーのマイクロプレートのウェルに採取し、ウェルに
トキシカラー100μLを加え、37℃、30分リムル
ス反応させ、ジアゾカップリング後マイクロプレートリ
ーダーで吸光度を2波長(545−630nm)で測定
し、試験液中のエンドトキシン濃度を測定した。
【0038】
【表3】
【0039】トレミキシンを使用した場合の吸着率1
7.8%に対して、pHEMAで被覆されていない陰イ
オン交換樹脂(三菱化学株式会社製 DIAION H
PA25)を使用した場合の吸着率は57.7%、 p
HEMAを被覆した陰イオン交換樹脂(三菱化学株式会
社製 DIAION HPA25)を使用した場合の吸
着率58.2%であった。
【0040】実施例9〜14、比較例8〜9 20mLのポリエチレン製チューブに、実施例1〜6で
得られた吸着材及びpHEMAで被覆されていない陰イ
オン交換樹脂(三菱化学株式会社製 DIAION H
PA25、比較例8)0.25gと2.5mLのヒト正
常血漿(オーソ凝固コントロールI)を加えた試験液を
37℃で30分振とうした後、遠心分離し、吸着材或い
は樹脂を含まないヒト正常血漿を採取して血液凝固系第
XIII因子活性を発色性APTT法により測定した。
また、ポリエチレン製チューブに2.5mLのヒト正常
血漿(オーソ凝固コントロールI)を加えて37℃で3
0分振とうした後、ヒト正常血漿の血液凝固系第XII
I因子活性を測定した(比較例9)。結果を表4に示す
が、比較例8の吸着材を使用した場合、第XIII因子
活性が著しく低下しており、pHEMAの被覆回数にし
たがって第XIII因子活性が増加し、比較例9に示す
ヒト正常血漿の第XIII因子活性に近づく傾向にある
ことがわかる。
【0041】
【表4】
【0042】
【発明の効果】本発明の吸着材によれば、エンドトキシ
ンを含有する血液、血漿または体液中からエンドトキシ
ンを容易かつ確実に吸着除去することができ、例えば敗
血症患者の治療用として好適である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担体に親水性高分子物質を被覆してなる
    エンドトキシン吸着材。
  2. 【請求項2】 該親水性高分子物質が(メタ)アクリレ
    ート系重合体である請求項1に記載のエンドトキシン吸
    着材。
  3. 【請求項3】 該担体が陰イオン交換樹脂である請求項
    1又は2に記載のエンドトキシン吸着材。
  4. 【請求項4】 担体1重量部に対して親水性高分子物質
    を0.01重量部以上被覆してなる請求項1〜3いずれ
    かに記載のエンドトキシン吸着材。
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