JP2013530734A - 矯正用足指靴下 - Google Patents

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Abstract

本発明は、足指の変形を矯正又は防止するために、矯正用足指靴下Sを提供することに基づいており、その靴下Sの足指部Wは、隣接する足指を受け入れるように配置された少なくとも2つの足指特定足指要素1、2、3、4、5を有する。隣接する足指要素は、足指の間の対応する空間I、II、III、IVにおいて、靴下が着用されているときに、例えば、当の足指、例えば、第2趾、第3趾、第4趾、第5趾の近位指節間関節部位から、又は、指元から/指元「上方」からその足指の指先まで、又は、ほとんどその足指の指先まで延びる領域A上で互いに付着される。

Description

本発明は、矯正用足指靴下、及び、矯正用足指靴下を製作する方法に関する。
外反母趾は、足の親指が他の足指の方へ曲がるという足の問題のことを言う。同時に、母趾の中足指節関節が変形し、関節とともに結合した滑液包が痛んで腫れる。構造が変形することで、皮膚硬結が形成されることになる。また、痛みが足の動きを変化させ、足関節や脚に痛みを発生させる可能性がある。
若干曲げられた足指を補助するために、くさびが利用可能となっており、そのくさびは、足指の変形を矯正し、症状を緩和させるために、足指の間に配置される。軽度から中等度の外反母趾の変形は、通常、外科治療による効果はない。一般的に行われる外反母趾手術では、第1中足骨頭が成形されることで、関節の変形が矯正される。手術の後、手術を受けた患者の約10から20%は変形を再発させる。外反母趾を防ぎ、且つ、軽度から中等度の状態の外反母趾を治療するためには、踵が低く、足指を囲う部分に十分な空間が設けられた靴を選ぶことが可能である。シリコン製の足指隔離具は、足指を正しい向きへと定める。足治療医によって特別に作られた足指間補助具を入手することもできる。足の親指を正しい位置へと延ばす夜間用装具を着用する患者もいる。傷ついた皮膚は、薬局で入手可能な発泡樹脂の保護具で保護することができる。腫れている部分は、例えば、シリコンの矯正器具、つまり、シリコン製の足指補助具、又は、夜間用装具を用いて圧力から保護することができる。外反母趾への圧力は、前方部分に十分な空間を有する靴を選ぶことで減少させることができる。足の矯正器具は、足の異常な動きを矯正することができることもあるため、変形が伝播するのを防止又は遅らせることができる。
上記の配置に伴う問題は、異なる補助具を使うのは難しいことである。例えば、補助具の中には夜間の睡眠中のみに着用することができるものがあるが、それは、その補助具を着用しているときは、靴を履くのが難しいからかもしれない。また、補助具が所定の位置により適切にとどまることが望まれており、また、補助具は、特に歩行中において、痛みを引き起こす可能性がある。
したがって、本発明の目的は、上記の問題を解決することができるように方法及び配置を提供することである。本発明の目的は、独立請求項で述べられることで特徴付けられる方法、矯正用足指靴下、及び使用することによって実現される。本発明の好ましい実施例は、従属請求項において開示される。
本発明は、足指の変形を矯正又は防止するために、矯正用足指靴下を提供することに基づいており、その靴下の足指部は、隣接する足指を受け入れるように配置された少なくとも2つの足指特定足指要素を有する。足指の間のそれぞれの空間では、隣接する足指要素が、靴下が使用されたときに、特定の足指の指元又は指元上方からその足指の指先のほぼ全てにわたって延びるように配置された領域上で互いに付着される。例えば、当の空間が足指の間の第1の空間である場合には、当の足指は第2の足指である。
本発明による方法及び配置の有利性は、このような矯正用足指靴下が、足に着用されているときに、所定の位置にうまくとどまり、使用するのに比較的快適であることである。矯正用足指靴下は、矯正器具及び靴下が同じもので提供されるため、使用するのもまたさらに容易である。
ここで、添付の図面を参照しつつ、好ましい実施例と関連して本発明をより詳細に説明する。
本解決策の第1実施例による矯正用足指靴下を例示する平面図である。 本解決策の第2実施例による矯正用足指靴下を例示する平面図である。 本解決策の第3実施例による矯正用足指靴下を例示する平面図である。 使用中の本解決策の実施例による矯正用足指靴下を例示する断面図である。
人間の母趾、つまり足の親指(「第1趾」)は2つの関節を有しており、一方、他の足指、つまり、「第2趾、第3趾、第4趾、第5趾」(ここで第5趾は足の小指である)はそれぞれ三つの関節を有している。外反母趾に加えて、足指の変形には、槌状足指、収縮した足指、及び槌趾などの状態が含まれる。槌状足指の変形では、足指の中足指節関節及び遠位指節間関節が伸展される一方で、足指の近位指節間関節が収縮される。収縮した足指の変形では、足指の中足指節関節が伸展される一方で、足指の近位指節間関節及び遠位指節間関節が収縮される。槌趾の変形では、足指の中足指節関節及び近位指節間関節は正常位置にあるが、遠位指節間関節は重度に収縮された位置にある。
本解決策は、矯正用足指靴下、つまり、足指の位置を矯正する一種の補助靴下に関する。そのため、改良された足指靴下が、補助具を提供するために使用される。本解決策の実施例は、以下に説明されるように、足指間に提供される編物の密度や縫い目の形を変化させることに基づいている。
本解決策の実施例による矯正用足指靴下は、1つ又は複数の足指の変形を矯正又は防止することができる。本解決策による矯正用足指靴下の足指部は、隣接する足指を受け入れるように配置された、(靴下が設計される患者の変形する足指の数に依存する)少なくとも2つの足指特定足指要素を、隣接する足指要素が、足指の間の対応する空間において、靴下が使用されたときに、選択された足指の近位指節間関節部位から足指の指先まで、又は、ほとんど指先まで延びるように配置された領域上で互いに付着されるように有している。領域は、足指の遠位端から(足指の指先から、又は、ほとんど指先から)、当の足指の近位指節間関節部位まで、又は、近位より若干さらに近くまで延びていると考えることができる。その領域はまた、足指の指元から足指の指先まで、又は、ほとんど指先まで延びていてもよい。当の空間が足指の間の第1の空間(つまり、足の親指と第2趾との間の空間)である場合には、それぞれの隣り合う足指要素は、足指の間の第1の空間において、第2趾の指元又は指元上方から(例えば、近位指節間関節部位から)第2趾のほとんど指先まで延びるように配置された領域上で互いに付着される。当の空間が足指の間の第2の空間である場合には、それぞれの隣り合う足指要素は、足指の間の第2の空間において、第2趾又は第3趾の指元又は指元上方から(例えば、近位指節間関節部位から)第2趾又は第3趾のほとんど指先まで延びるように配置された領域上で互いに付着される。当の空間が足指の間の第3の空間である場合には、それぞれの隣り合う足指要素は、足指の間の第3の空間において、第3趾又は第4趾の指元又は指元上方から(例えば、近位指節間関節部位から)第3趾又は第4趾のほとんど指先まで延びるように配置された領域上で互いに付着される。当の空間が足指の間の第4の空間である場合には、それぞれの隣り合う足指要素は、足指の間の第4の空間において、第4趾又は第5趾の指元又は指元上方から(例えば、近位指節間関節部位から)第4趾又は第5趾のほとんど指先まで延びるように配置された領域上で互いに付着される。ここでは、「足指のほとんど指先まで」という言葉は、例えば、「最後」(「最も高い」、指先に最も近い)の領域まで、つまり、近位指節間関節までと言うことができる。
本解決策の別の実施例による矯正用足指靴下では、足指要素は、靴下が足に着用されているときに、他の足指の方へ曲げられた使用者の足の親指を、正常位置へと又は正常位置の近くへと押しやることができるように互いに付着される。これにより、使用者の外反母趾によって引き起こされる問題を、矯正用足指靴下を用いることで取り除く、又は、軽減させることができる。
本解決策のまた別の実施例による矯正用足指靴下では、足指要素は、靴下が足に着用されているときに、使用者の槌状足指、槌趾、又は収縮した足指を、正常位置へと又は正常位置の近くへと押しやることができるように互いに付着される。これにより、使用者の槌状足指、槌趾、及び/又は収縮した足指によって引き起こされる問題を、矯正用足指靴下を用いることで取り除く、又は、軽減させることができる。
本解決策のさらに別の実施例による矯正用足指靴下の足指部は、布地の足指靴下構造から形成されてもよく、その場合には、隣接する足指要素は適切なエラストマ材料を用いて互いに付着される。この材料は、例えば、シリコン又はゴムを含んでいてもよい。
本解決策のさらになお別の実施例の矯正用足指靴下の足指部は、一様な布地靴下構造から形成されてもよく、その場合には、足指要素は、靴下の関連する下部環と頂部環とを所望の領域にわたって(つまり、例えば、足指間の第1の空間では、第2趾の近位指節間関節部位から第2趾のほとんど足先まで延びるように配置された領域わたって)合わせるように編むことで形成される。
本解決策のさらになお別の実施例の矯正用足指靴下の足指部は、一様な布地靴下構造から形成されてもよく、その場合には、足指要素は、柔軟性のある縫い方で、靴下の下部と頂部とを関連する領域にわたって(つまり、例えば、足指間の第1の空間では、第2趾の近位指節間関節部位から第2趾のほとんど足先まで延びるように配置された領域にわたってなど)合わせるように縫うことで形成される。
本解決策のさらになお別の実施例による矯正用足指靴下の母指球部分は、リブ編みを含むリブ部を有していてもよく、そのリブ部は、使用中に使用者の母指球に圧縮効果を生じさせるように構成されている。これにより、使用者の足指を、互いから分かれるようにすることで、分離させるように押しやることができる。これにより、他の足指の方へ曲げられた使用者の足の親指を、矯正用足指靴下を用いることで、正常位置又は正常位置の近くへと押しやることができる。このような靴下は、特に、外反母趾の手術後の「術後靴下」として使用するのに有益である。
本解決策のさらになお別の実施例による矯正用足指靴下の足底弓部分は、リブ編みを含むリブ部を有しており、そのリブ部は、使用中に使用者の足底弓に圧縮効果を生じさせるように構成されている。これにより、他の足指の方へ曲げられた使用者の足の親指を、矯正用足指靴下を用いることで、正常位置又は正常位置の近くへと押しやることができる。このような靴下は、例えば、外反母趾を防ぐために使用される「市販の靴下」として有益である。市販の靴下はまた、目的が第4趾/第5趾の変形を防止/矯正することではない場合は、同一の足指要素に第4趾及び第5趾を受け入れるように、つまり、靴下に第4趾及び第5趾用の1つの共通した足指要素が設けられるように実施されてもよい。これにより、例えば、第4趾/第5趾に問題はないが、外反母趾を発生させる傾向のある人にとって、靴下はより履きやすくなる。
上記のリブ部は、靴下の幅方向において靴下の周囲に延び、靴下の長さ方向において、例えば、約1から15cmの長さであり得る。術後靴下のリブ部は、市販の靴下のリブ部(例えば、約5cm)より長くてもよい(例えば、約12cm)。リブに代えて、或いは、リブに加えて、母指球及び/又は足底弓に圧縮効果を生じさせるために、靴下に相当する先細部を用いることも実行可能である。
本解決策のさらになお別の実施例による矯正用足指靴下は、右足及び/又は左足に合う形状とされていてもよい。靴下は、例えば、使用者の踵を受け入れる形状とされた部分を有していてもよい。一方、靴下は、右足及び左足の両方への使用に適切とされていてもよい。本解決策の実施例による矯正用足指靴下は、足指要素がそれぞれの足指をしっかりと包囲するように足指を受け入れる形状とされていてもよい。矯正用足指靴下を使用者に専用の形状にすることもできる。例えば、隣接する足指要素が互いに付着される、足指の間の空間の領域(つまり、例えば、靴下の下部と頂部との間の共通する環、足指要素を形成する柔軟性のある縫い方、或いは、分離する足指要素を連結するためのシリコン又は別のエラストマ材料の領域(縫い目とも呼ばれることがある))は、使用者の必要に応じた(例えば、足指の近位指節間関節と足指の指元との間の距離、或いは、第1の箇所における使用者の足指の長さ及び/又は幅に応じた)寸法とされていてもよい。
本解決策のさらになお別の実施例による矯正用足指靴下は、足首までの靴下(又はふくらはぎまでの靴下)、膝下までの靴下、袖なし靴下、長い靴下、又はパンティーストッキングつまりタイツを含んでいてもよく、また、例えば、エラステイン、綿、ポリアミド、ポリエステル、羊毛、絹、アクリル、亜麻、及び/又は竹繊維及び/又はそれらの混紡又は任意の他の織糸を含む糸から作られていてもよい。
本解決策のさらになお別の実施例による矯正用足指靴下は、編み機(例えば、横編機、丸編機、3次元横編機(島精機、ストールなど))によって、横編み又は縦編みされてもよい。ここで、縦編みとは、かぎ針編み状の編物を作ることであり、横編みとは、通常の編物に似た布地を作ることである。使用される編み機は、工業用及び/又は家庭用に設計されたものであってもよい。
矯正用足指靴下を製作するための本解決策のなおさらなる実施例による方法は、隣接する足指を受け入れるように配置された少なくとも2つの足指特定足指要素を有する靴下足指部を形成するステップで、その隣接する足指要素は、足指の間の対応する空間において、選択された足指の近位指節間関節部位から(又は指元から/指元の上方から)その足指の指先まで、又は、ほとんど指先まで延びるように配置された領域上で互いに付着されるステップを含む。当の空間が足指の間の第2の空間である場合には、対応する隣り合う足指要素は、足指の間の第2の空間において、第2趾又は第3趾の近位指節間関節部位から(或いは、例えば、指元から又は指元上方から)第2趾又は第3趾のほとんど指先まで延びるように配置された領域上で互いに付着される。当の空間が足指の間の第3の空間である場合には、対応する隣り合う足指要素は、足指の間の第3の空間において、第3趾又は第4趾の近位指節間関節部位から(或いは、例えば、指元から又は指元上方から)第3趾又は第4趾のほとんど指先まで延びるように配置された領域上で互いに付着される。当の空間が足指の間の第4の空間である場合には、対応する隣り合う足指要素は、足指の間の第4の空間において、第4趾又は第5趾の近位指節間関節部位から(或いは、例えば、指元から又は指元上方から)第4趾又は第5趾のほとんど指先まで延びるように配置された領域上で互いに付着される。ここでは、「足指のほとんど指先まで」という用語は、特定の足指の(指先の最も近くにある)最後の関節の領域までと言うことができる。
矯正用足指靴下を製作するための本解決策のなおさらなる実施例による方法は、靴下が足に着用されているときに足指を正常位置又は正常位置の近くへと押しやるために、布地の足指靴下構造を形成すること、並びに、隣接する足指要素を適切なエラストマ材料を用いて互いに付着することで、靴下足指部を形成するステップを含んでいる。
矯正用足指靴下を製作するための本解決策のなおさらなる別の実施例による方法は、靴下が足に着用されているときに足指を正常位置又は正常位置の近くへと押しやるために、一様な布地靴下構造を形成すること、並びに、靴下のそれぞれの下部環と頂部環とを所望の領域にわたって合わせるように横編みすることによって足指要素を形成することで、靴下足指部を形成するステップを含んでいる。
矯正用足指靴下を製作するための本解決策のなおさらなる別の実施例による方法は、靴下が足に着用されているときに足指を正常位置又は正常位置の近くへと押しやるために、一様な布地靴下構造を形成すること、並びに、柔軟性のある縫い方で、靴下の下部と頂部とをそれぞれの領域にわたって合わせるようにして縫うことで足指要素を形成することで、靴下足指部を形成するステップを含んでいる。
矯正用足指靴下を製作するための本解決策のなおさらなる別の実施例による方法は、リブ編みを含むリブ部を形成することで、靴下の母指球部を形成するステップであって、リブ部は、靴下が着用されているときに使用者の母指球に圧縮効果を生じさせるように構成されているステップを含んでいる。
矯正用足指靴下を製作するための本解決策のなおさらなる別の実施例による方法は、リブ編みを含むリブ部を形成することで、靴下の足底弓部を形成するステップであって、リブ部は、靴下が着用されているときに使用者の足底弓に圧縮効果を生じさせるように構成されているステップを含んでいる。
矯正用足指靴下を製作するための本解決策のなおさらなる別の実施例による方法は、編み機によって矯正用足指靴下を横編みするステップ、又は、編み機によって縦編みするステップを含んでいる。
本解決策のさらになお別の実施例による矯正用足指靴下は、例えば、槌状足指、槌趾、収縮した足指、及び/又は皮膚硬結の治療又は防止における使用に適している。
図1は、本解決策の第1実施例による矯正用足指靴下を示している。図1を参照すると、本解決策の第1実施例による矯正用足指靴下Sは、隣接する足指を受け入れるように配置された5つの足指特定足指要素1、2、3、4、5を、隣接する足指要素(つまり、1+2、2+3、3+4、4+5)が、足指の間の対応する空間I、II、III、IVにおいて、靴下が着用されているときに、選択された足指の近位指節間関節部位から(又は、指元から/指元「上方」から)その足指のほとんど指先まで(又は、指先まで)延びるように配置された領域A上で互いに付着されるように有している。図1に示す状態では、靴下の足指部Wは一様な布地靴下構造から形成されており、この場合、足指要素1、2、3、4、5は、靴下のそれぞれの下部環と頂部環とを所望の領域Aにわたって合わせるように編むことで形成されている。図1による靴下は、例えば、横編みによって作ることができる。足指の指先を受け入れる目的のため、足指要素1、2、3、4、5の指先Kは、例えば、靴下Sの指先部Kを形成するように、輪を適切に細くしつつ成型することで編まれてもよい。靴下の母指球部及び/又は足底弓部は、リブ編みを含むリブ部Rを有していてもよく、そのリブ部Rは、使用中に使用者の母指球/足底弓に圧縮効果をそれぞれ生じさせるように構成されている。靴下Sの幅方向において、リブ部Rは、靴下の周囲に延び、靴下Sの長さ方向において、好ましくは約1から15cmの長さ、さらに好ましくは約5から12cmの長さであり得る。
図2は、本解決策の第2実施例による矯正用足指靴下を示す。図2を参照すると、本解決策の第2実施例による矯正用足指靴下Sは、隣接する足指を受け入れるように配置された5つの足指特定足指要素1、2、3、4、5を、隣接する足指要素(つまり、1+2、2+3、3+4、4+5)が、足指の間の対応する空間I、II、III、IVにおいて、靴下が着用されているときに、選択された足指の近位指節間関節部位から(又は、指元から/指元「上方」から)その足指のほとんど指先まで(又は、指先まで)延びるように配置された領域A上で互いに付着されるように有している。図2に示す状態では、靴下の足指部Wは布地の足指靴下構造から形成されており、この場合、隣接する足指要素1、2、3、4、5は、シリコン或いは適切なゴム又は樹脂などの適切なエラストマ又は熱可塑性プラスチック材料によって互いに付着される。これは、例えば、適切な裁縫技術によって実現され得る。エラストマ又は熱可塑性プラスチック材料はまた、例えば、図2に示すように、足指の間においてだけでなく、足指部W全体又はほとんど全体にわたって、靴下S上に拡げられてもよい。材料は、例えば、刷毛塗り、噴霧、又は浸漬によって拡げることができる。図2による靴下は、例えば、縦編みによって作ることができる。靴下の母指球部及び/又は足底弓部は、リブ編みを含むリブ部Rを有していてもよく、そのリブ部Rは、使用中に使用者の母指球及び/又は足底弓に圧縮効果をそれぞれ生じさせるように構成されている。靴下Sの幅方向において、リブ部Rは、靴下の周囲に延び、靴下Sの長さ方向において、好ましくは約1から15cmの長さ(さらに好ましくは約5から12cmの長さ)であり得る。
図3は、本解決策の第3実施例による矯正用足指靴下を示す。図3を参照すると、本解決策の第3実施例による矯正用足指靴下Sは、隣接する足指を受け入れるように配置された5つの足指特定足指要素1、2、3、4、5を、隣接する足指要素(つまり、1+2、2+3、3+4、4+5)が、足指の間の対応する空間I、II、III、IVにおいて、靴下が着用されているときに、選択された足指の近位指節間関節部位から(又は、指元から/指元「上方」から)その足指のほとんど指先まで(又は、指先まで)延びるように配置された領域A上で互いに付着されるように有している。図3に示す状態では、靴下の足指部Wは一様な布地靴下構造から形成されており、この場合、足指要素1、2、3、4、5は、柔軟性のある縫い方(縫い目)で、靴下の下部と頂部とをそれぞれの領域Aにわたって合わせるようにして縫うことで形成されている。図3による靴下は、例えば、横編み又は縦編みによって作ることができる。裁縫は、例えば、かがり縫ミシン又は鎖縫ミシンによって実施することができる。靴下の母指球部及び/又は足底弓部は、リブ編みを含むリブ部Rを有していてもよく、そのリブ部Rは、使用中に使用者の母指球及び/又は足底弓に圧縮効果をそれぞれ生じさせるように構成されている。靴下Sの幅方向において、リブ部Rは、靴下の周囲に延び、靴下Sの長さ方向において、好ましくは約1から15cmの長さ、さらに好ましくは約5から12cmの長さであり得る。代替で、そのような矯正用足指靴下は、足指靴下型構造から作られてもよく、その構造では、足指要素は指先から近位指節間関節部位へと延びるように配置されており、この場合、隣接する足指要素は、足指の間の適切な領域にわたって(つまり、近位指節間関節部位から指先まで、又は、ほとんど指先まで)合わせるようにして縫うことで互いに付着される(図3には示されていない)。
図4は、使用中(つまり、靴下Sが足Jに着用されているとき)の本解決策の実施例による矯正用足指靴下を例示する。図4を参照すると、本解決策の実施例による矯正用足指靴下Sは、隣接する足指11、22、33、44、55を受け入れるように配置された5つの足指特定足指要素1、2、3、4、5を、隣接する足指要素(つまり、1+2、2+3、3+4、4+5)が、足指の間の対応する空間I、II、III、IVにおいて、靴下が着用されているときに、選択された足指22、33、44、55の近位指節間関節部位から(又は、指元から/指元上方から)その足指22、33、44、55のほとんど指先まで(又は、指先まで)延びるように配置された領域A上で互いに付着されるように有している。その結果、領域Aは、足指11、22、33、44、55の指元/中足指節関節にわたって延びてはいない。領域Aは、例えば、足指22、33、44、55の遠位指節間関節の近くの場所まで延びていればよい。
靴下が1つ又は複数の足指を欠損した使用者によって着用される場合、そのような欠損した足指に相当する足指要素は省かれてもよく、その足指要素に隣接する足指要素は互いに付着されない。例えば、第3足指が欠損している場合、第3足指要素が靴下から省かれ、この場合、第2及び第4の足指要素は互いに付着されない。同様に、使用者が過剰な足指を有している場合、靴下には相当する数の過剰な足指要素が設けられていてもよい。
本解決策による矯正用足指靴下はまた、足指要素が指先で開いているように実施されてもよい。
本解決策のなおさらなる実施例による矯正用足指靴下は、専門的な使用に向けた(例えば、外反母趾手術の後の使用に向けた)術後靴下として実施されてもよく、その場合、靴下は、通常、使用者の採寸に従って製作される。そのため、最も適切なのは、上記のシリコン又は相当する材料による方法で、分離する足指要素が互いに付着された靴下を使用することであるかもしれない。靴下はまた、より大量生産向けのものとして実施されてもよく、その場合、同じ大きさの靴下が複数の使用者に合う。このような場合には、例えば、靴下を上記の方法で横編みによる一様な構造として製作することができ、それにより、足指要素は、足指要素を形成するために特定の下部環と頂部環とを一緒に編むことで、編む段階においてすでに形成される。
通常の(手袋のような)足指靴下は、足指の互いに対する動きが通常の靴下と比較してあまり変わらないため、外反母趾、槌状足指、槌趾、収縮した足指、及び/又は皮膚硬結の処置又は防止に使うことはできないことに留意されたい。その結果、通常の足指靴下を使用する場合は、例えば、外反母趾を患っている患者の足の親指は、正しくない位置へと、つまり、他の足指の方へ自在に曲がることができてしまう。代わりに、本解決策による矯正用足指靴下を使用する場合は、足指要素が、互いから分離する手袋のような方法となっておらず、足指の間で接着、裁縫、又は編むことで、足指の中間近くで互いに付着されるように配置されている場合に、できるだけ効率的に足指を正しい位置に導くことができる。足指要素は、足指の指元まで延びている必要はなく、指元の上方、例えば、使用者の足指の近位指節間関節の近くで始まればよい。本解決策による靴下を使用する場合、一列に並ぶ他の足指は、当の足指を補助することになる。
本解決策による矯正用足指靴下は、製作するのが容易で低コストである。例えば、横編みの靴下の場合には、靴下全体を、横編み機によって、一回の進行で数分間で製作することができる。このような場合、製作工程は、(上記のリブ部で設けられる可能性がある)筒構造を提供する、靴下の口部から始まる。製作が足指部へと進むにつれて、編み機は、足指要素を形成するために、それぞれの下部環と頂部環とが一緒に編まれるように、一様な構造として足指部をさらに編んでいくように構成されている。次に、足指部の指先は、足指の指先を受け入れるように、例えば、輪を適切に細くしつつ成型することで編まれる。編み機は、電子式のプログラム可能な編み機であってもよく、その場合、本解決策による矯正用足指靴下を製作するようにプログラム可能である。
本解決策による矯正用足指靴下では、足指要素、足指部、及び/又はリブ部などの有効部は、異なる色で編まれ/かぎ針編みされてもよく、それにより、使用者は、自身の足形状に合った矯正用足指靴下を選んだり、有効部が足の適切な位置に定まるように履いたりするのが容易になる。
当業者には、技術が進歩するにつれて、本発明の根本的な概念が異なる多くの方法で実施可能となることは明白である。したがって、本発明及びその実施例は、上記の実例に限定されず、特許請求の範囲内において変化することができる。

Claims (30)

  1. 1つ又は複数の足指の変形を矯正又は防止するための矯正用足指靴下であって、
    前記靴下の足指部(W)は、隣接する足指を受け入れるように配置された少なくとも2つの足指特定足指要素(1、2、3、4、5)を、前記隣接する足指要素が、前記足指の間の対応する空間(I、II、III、IV)において、前記靴下が足に着用されているときに、選択された足指の指元上方から前記足指の指先まで、又は、前記足指のほとんど指先まで延びるように配置された領域(A)上で互いに付着されるように有しており、それにより、当の前記足指の間の前記空間が第1の空間である場合に、前記選択された足指は第2の足指であることを特徴とする矯正用足指靴下。
  2. 前記靴下の足指部(W)は、隣接する足指を受け入れるように配置された少なくとも2つの足指特定足指要素(1、2、3、4、5)を、前記隣接する足指要素が、前記足指の間の対応する空間(I、II、III、IV)において、前記靴下が前記足に着用されているときに、選択された足指の近位指節間関節部位から前記足指の指先まで、又は、ほとんど指先まで延びるように配置された領域(A)上で互いに付着されるように有しており、それにより、当の前記足指の間の前記空間が第1の空間である場合に、前記選択された足指は第2の足指であることを特徴とする請求項1に記載の矯正用足指靴下。
  3. 当の前記足指の間の前記空間が第2、第3、又は第4の空間である場合に、前記選択された足指は、それぞれ、第2、第3、第4、又は第5の足指であることを特徴とする請求項1又は2に記載の矯正用足指靴下。
  4. 前記足指要素は、前記靴下が足に着用されているときに、他の足指の方へ曲げられた使用者の母趾を、正常位置又は正常位置の近くへと押しやるように互いに付着されることを特徴とする請求項1、2、又は3のいずれか一項に記載の矯正用足指靴下。
  5. 前記足指要素は、前記靴下が足に着用されているときに、使用者の槌状足指、槌趾、又は収縮した足指を、正常位置へと又は正常位置の近くへと押しやるように互いに付着されることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載の矯正用足指靴下。
  6. 前記靴下の前記足指部が布地の足指靴下状の構造から形成されることで、前記隣接する足指要素は適切なエラストマ材料を用いて互いに付着されることを特徴とする請求項1から5までのいずれか一項に記載の矯正用足指靴下。
  7. 前記エラストマ材料は、シリコンを含んでいることを特徴とする請求項6に記載の矯正用足指靴下。
  8. 前記靴下の前記足指部が一様な布地靴下構造から形成されることで、前記足指要素は、前記靴下のそれぞれの下部環と頂部環とを所望の領域にわたって合わせるように編むことで形成されていることを特徴とする請求項1から5までのいずれか一項に記載の矯正用足指靴下。
  9. 前記靴下の前記足指部が一様な布地靴下構造から形成されることで、前記足指要素は、柔軟性のある縫い方で、前記靴下の下部と頂部とを前記それぞれの領域にわたって合わせるようにして縫うことで形成されていることを特徴とする請求項1から5までのいずれか一項に記載の矯正用足指靴下。
  10. 前記靴下の前記足指部が布地の足指靴下状の構造から形成されることで、隣接する足指要素は、柔軟性のある縫い方で、前記隣接する足指要素を前記それぞれの領域にわたって合わせるようにして縫うことで互いに付着されることを特徴とする請求項1から5までのいずれか一項に記載の矯正用足指靴下。
  11. 前記靴下の母指球部がリブ編みを含むリブ部(R)を有し、前記リブ部(R)は、使用中に使用者の母指球に圧縮効果を生じさせるように構成されていることを特徴とする請求項1から10までのいずれか一項に記載の矯正用足指靴下。
  12. 前記靴下の足底弓部がリブ編みを含むリブ部(R)を有し、前記リブ部(R)は、使用中に使用者の足底弓に圧縮効果を生じさせるように構成されていることを特徴とする請求項1から11までのいずれか一項に記載の矯正用足指靴下。
  13. 前記リブ部は、前記靴下の幅方向において前記靴下の周囲に延び、前記靴下の長さ方向において、好ましくは約1から15cmの長さ、さらに好ましくは約5から12cmの長さであることを特徴とする請求項11又は12に記載の矯正用足指靴下。
  14. 前記靴下は右足及び/又は左足に合う形状とされていることを特徴とする請求項1から13までのいずれか一項に記載の矯正用足指靴下。
  15. 前記靴下は、各足指要素が、前記靴下が使用されるときに、対応する足指をしっかりと包囲して配置されるように、足指を受け入れる形状とされていることを特徴とする請求項1から14までのいずれか一項に記載の矯正用足指靴下。
  16. 前記靴下は使用者に専用の形状とされていることを特徴とする請求項1から15までのいずれか一項に記載の矯正用足指靴下。
  17. 前記靴下は、足首までの靴下、膝下までの靴下、袖なし靴下、長い靴下、又はパンティーストッキングを含むことを特徴とする請求項1から16までのいずれか一項に記載の矯正用足指靴下。
  18. 前記靴下は、エラステイン、綿、ポリアミド、ポリエステル、羊毛、絹、アクリル、亜麻、及び/又は竹繊維を含む糸から作られていることを特徴とする請求項1から17までのいずれか一項に記載の矯正用足指靴下。
  19. 前記靴下は編み機によって横編みされていることを特徴とする請求項1から18までのいずれか一項に記載の矯正用足指靴下。
  20. 前記靴下は編み機によって縦編みされていることを特徴とする請求項1から19までのいずれか一項に記載の矯正用足指靴下。
  21. 1つ又は複数の足指の変形を矯正又は防止するための矯正用足指靴下を製造する方法であって、
    隣接する足指を受け入れるように配置された少なくとも2つの足指特定足指要素(1、2、3、4、5)を含む靴下足指部(W)を編み機によって編むことで形成するステップであって、隣接する足指要素は、前記足指の間の対応する空間(I、II、III、IV)において、前記靴下が足に着用されているときに、選択された足指の指元上方から前記足指の指先まで、又は、前記足指のほとんど指先まで延びるように配置された領域(A)上で互いに付着され、それにより、当の前記足指の間の前記空間が第1の空間である場合に、前記選択された足指は第2の足指であるステップを特徴とし、
    前記靴下が足に着用されているときに足指を正常位置又は正常位置の近くへと押しやるために、一様な布地靴下構造を形成すること、並びに、前記靴下のそれぞれの下部環と頂部環とを所望の領域にわたって合わせるように横編みすることによって編む段階の最中に前記足指要素を形成することで、前記靴下足指部を形成するステップ、又は、
    前記靴下が足に着用されているときに足指を正常位置又は正常位置の近くへと押しやるために、布地の足指靴下状の構造を形成し、隣接する足指要素を適切なエラストマ材料を用いて互いに付着することで、前記靴下足指部を形成するステップ
    を含む方法。
  22. 隣接する足指を受け入れるように配置された少なくとも2つの足指特定足指要素(1、2、3、4、5)を有する靴下足指部(W)を形成するステップであって、前記隣接する足指要素は、前記足指の間の対応する空間(I、II、III、IV)において、前記靴下が足に着用されているときに、選択された足指の近位指節間関節部位から前記足指の指先まで、又は、ほとんど指先まで延びるように配置された領域(A)上で互いに付着されており、それにより、当の前記足指の間の前記空間が第1の空間である場合に、前記選択された足指は第2の足指であるステップを特徴とする請求項21に記載の矯正用足指靴下。
  23. 当の前記足指の間の前記空間が第2、第3、又は第4の空間である場合に、前記選択された足指は、それぞれ、第2、第3、第4、又は第5の足指であることを特徴とする請求項21又は22に記載の方法。
  24. 前記エラストマ材料は、シリコンを含んでいることを特徴とする請求項21、22又は23のいずれか一項に記載の方法。
  25. リブ編みを含むリブ部(R)を形成することで、前記靴下の母指球部を、編み機によって編むことで形成するステップであって、前記リブ部(R)は、前記靴下が着用されているときに使用者の母指球に圧縮効果を生じさせるように構成されているステップを特徴とする請求項21から24までのいずれか一項に記載の方法。
  26. リブ編みを含むリブ部(R)を形成することで、前記靴下の足底弓部を、編み機によって編むことで形成するステップであって、前記リブ部(R)は、前記靴下が着用されているときに使用者の足底弓に圧縮効果を生じさせるように構成されているステップを特徴とする請求項21から25までのいずれか一項に記載の方法。
  27. 矯正用足指靴下を右足及び/又は左足に合う形状にするステップを含むことを特徴とする請求項21から26までのいずれか一項に記載の矯正用足指靴下。
  28. 矯正用足指靴下を使用者に専用の形状にするステップを含むことを特徴とする請求項21から27までのいずれか一項に記載の矯正用足指靴下。
  29. 矯正用足指靴下を編み機によって横編みするステップを含むことを特徴とする請求項21から28までのいずれか一項に記載の矯正用足指靴下。
  30. 矯正用足指靴下を編み機によって縦編みするステップを含むことを特徴とする請求項21から29までのいずれか一項に記載の矯正用足指靴下。
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