JP2013530228A - ニトリルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ロニトリル(MGN)が含まれ得る。
(i)反応ゾーン内で1,3−ブタジエン(BD)とシアン化水素(HCN)を含有して成る混合物の反応をゼロ価Niと燐含有配位子を含有して成る触媒の存在下で起こさせることで3−ペンテンニトリル(3PN)、2−メチル−3−ブテンニトリル(2M3BN)、アジポニトリル(ADN)およびメチルグルタロニトリル(MGN)を含有して成る反応生成物を生じさせ、
(ii)段階(i)の反応ゾーンから出て来た流出物に蒸留を受けさせることで1−3−ブタジエンを除去しかつ1,3−ブタジエンが除去された流れを得、
(iii)段階(ii)で得た前記1,3−ブタジエンが除去された流れに蒸留を受けさせることでペンテンニトリルが豊富な流れと触媒が豊富な流れを包含する流れを得、そして
(iv)段階(iii)の前記触媒が豊富な流れの少なくとも一部を段階(i)の反応ゾーンに再循環させる、
段階を含める。
性があり、そして前記側流れの流れには更にそのようなフェノール化合物の中の1種以上も入っている可能性がある。
ADN=アジポニトリル、BD=1,3−ブタジエン、c2PN=シス−2−ペンテンニトリル、c3PN=シス−3−ペンテンニトリル、C8H13C≡N=化学式C8H13C≡Nで表されるジオレフィン系非環式およびモノオレフィン系環式モノニトリル化合物、C8H14(C≡N)2=化学式C8H14(C≡N)2で表されるモノオレフィン系非環式および脂肪族環式ジニトリル化合物、ジニトリル1種または2種以上=特に限定しない限りADN、MGNおよびESN、ESN=エチルスクシノニトリル、HC≡NまたはHCN=シアン化水素(即ちシアン化水素酸)、2M2BN=2−メチル−2−ブテンニトリル[特に限定しない限り(E)−2M2BNおよび(Z)−2M2BN異性体の両方を包含]、2M3BN=2−メチル−3−ブテンニトリル、(E)−2M2BN=(E)−2−メチル−2−ブテンニトリル、(Z)−2M2BN=(Z)−2−メチル−2−ブテンニトリル、MGN=2−メチルグルタロニトリル、有機モノニトリル=ニトリル基を1個含有する有機化合物、例えばペンテンニトリルなど、有機ジニトリル=ニトリル基を2個含有する有機化合物、例えばADNなど、ペンテンニトリル1種または2種以上=特に限定しない限り4PN、3PN、2PN、2M3BNおよび2M2BN異性体、2PN=2−ペンテンニトリル(特に限定しない限りc2PNおよびt2PN異性体の両方を包含)、3PN=3−ペンテンニトリル(特に限定しない限りc3PNおよびt3PNの両方を包含)、4PN=4−ペンテンニトリル、ppm=特に明記しない限り重量で表す百万部当たりの部数、t2PN=トランス−2−ペンテンニトリル、t3PN=トランス−3−ペンテンニトリル、VN=バレロニトリル。
ッシャーは蒸留カラムであると見なす。
ペンテンニトリルの製造を2段階を包含する工程で実施する。1番目の段階[即ち段階(a)]で、1,3−ブタジエンとシアン化水素の反応を1番目の反応ゾーン(Z1)内でゼロ価ニッケル(Nio)と1番目の燐含有配位子を含有して成る1番目の触媒の存在下で起こさせることで3−ペンテンニトリル(3PN)と2−メチル−3−ブテンニトリル(2M3BN)を含有して成る反応槽流出物を生じさせる。2番目の段階[即ち段階(b)]で、1番目の段階で生じさせた2M3BNの少なくとも一部に異性化を2番目の反応ゾーン(Z2)内でゼロ価ニッケル(Nio)と2番目の燐含有配位子を含有して成る2番目の触媒の存在下で受けさせることで3PNを含有して成る反応生成物を生じさせる。
み、混合、保持、分離および再循環を行うための装置および工程段階を指す。3個の個別の抽出セクションまたはゾーンを用いる任意選択に従い、1番目の触媒の一部に抽出を1番目の液体/液体抽出ゾーン内で受けさせ、2番目の触媒の一部に抽出を2番目の液体/液体抽出ゾーン内で受けさせ、そして3番目の触媒の少なくとも一部、例えば全部に抽出を3番目の液体/液体抽出ゾーン内で受けさせる。これらの3ゾーンには専用の抽出装置が備わっていることから異なるゾーン内の装置を共用しない。
有して成るラフィネート相がもたらされる。そのラフィネート相にはまたアジポニトリルではない化合物、例えば(1)沸点がアジポニトリルより高い化合物および(2)沸点がアジポニトリルより低い化合物なども入っている。そのラフィネート相に蒸留を1つ以上の蒸留段階で受けさせることで精製されたアジポニトリル生成物流れを回収しかつアジポニトリルではない化合物を前記ラフィネート相から除去する。例えば、当該ルイス酸助触媒は大部分がラフィネート相に分配される傾向があるが、また、前記助触媒が少なくとも少量ではあるが溶媒相に分配される可能性もある。化合物をその2相の間で分配することは米国特許第3,773,809号の中で考察されている。前記ラフィネート相に入っているルイス酸助触媒の全部がアジポニトリル生成物の回収で用いる蒸留段階で除去されるようにしてもよい。分離を助長する必要性に応じて、その回収したアジポニトリル生成物を用いてジニトリルを前記1番目の触媒のための抽出ゾーンに供給してもよい。前記1番目の触媒の再生で用いる抽出ゾーンは、前記3番目の触媒の再生で用いる抽出ゾーンとは異なる。これらの抽出ゾーン内で用いる抽出用溶媒の組成は同じまたは異なってもよい。これらのゾーンから出るラフィネート相に蒸留を同じまたは異なる蒸留装置内で受けさせてもよい。
ってもよい。3PNとHCNを反応させるための3番目の反応ゾーン(Z3)に通して流す3番目の触媒の3番目の燐含有配位子は、例えば二座燐含有配位子であってもよい。前記1番目の燐含有配位子と2番目の燐含有配位子は同じまたは異なってもよい。前記2番目の燐含有配位子と3番目の燐含有配位子は同じまたは異なってもよい。前記1番目の燐含有配位子の例は式
P(OR2)(OR3)(OR4) (I)
[式中、R2、R3およびR4は同じまたは異なり、アリール基、例えばフェニルおよびトリル基などであり、ここで、前記アリールまたはフェニル基は各々場合により4個以下のアルキル基で置換されていてもよく、各アルキル基の炭素原子数は1−4である]
で表される単座配位子である。この1番目の燐含有配位子の特別な例はトリス(トリル)ホスファイト(TTP)および修飾形態のTTP(本明細書では“MTTP”と呼ぶ)である。MTTPではTTP中のトリル基の少なくとも1個がフェニル基に置き換わっている。TTPの製造はPCl3と1種以上のクレゾール異性体(これらは最終生成物中のトリル基の源である)を反応させることで実施可能である。MTTPの製造はPCl3をフェノール(これは最終生成物中のフェニル基の源である)と1種以上のクレゾール異性体の混合物と反応させることで実施可能である。TTPおよびMTTPは両方とも典型的に化合物の混合物を構成している。
たは段階の間で起こる触媒の移動を制限することによって、達成される3PNおよびADN生成物の品質およびBDおよびHC≡Nを基にした化学的収率が高くなる可能性がある。
代表的なアジポニトリル製造工程のより詳細な説明を図1を参照して行うが、図1は、そのような工程の簡略化した図式図を示すものである。図1に示す1番目の反応ゾーン(Z1)で、1,3−ブタジエンとシアン化水素を含有して成る混合物を1番目の触媒、例えばゼロ価Niと1番目の燐含有配位子を含有して成る1番目の触媒(総称的に1番目の触媒系と呼ぶ)の存在下で接触させることで、実質的に3−ペンテンニトリル(3PN)と2−メチル−3−ブテンニトリル(2M3BN)を含有して成る反応生成物を生じさせる。
媒および3PN生成物が入っている。この流出物流れ222を分離セクション225に送ることで、とりわけ、3PN生成物流れ300および濃触媒流れ240を得る。分離セクション225には1つ以上の蒸留装置が備わっていてもよい。図5に、そのような分離セクション225の一例を示す。
じる。その非極性相を抽出ゾーン250からライン234によって取り出して蒸留装置255に送る。前記極性相を抽出ゾーン250からライン710によって取り出して分離セクション2000に送る。分離セクション2000を図2により詳細に記述する。
3)にライン340に通して導入する。3PNとHCNが前記3番目の反応ゾーン(Z3)の中で反応することでアジポニトリルを含有する反応生成物がもたらされる。反応生成物流れを前記3番目の反応ゾーン(Z3)からライン400によって取り出す。この反応生成物流れには例えばアジポニトリル、触媒、助触媒および未反応の反応体が入っている。場合により、この反応生成物流れを分離セクション(図1には示していない)に通すことで未反応の反応体を除去しておいた後に触媒をアジポニトリル生成物から分離することも可能である。
図2に蒸留トレインを示し、これは図1に示す分離セクション1000または分離セクション2000として使用可能である。図2では、ライン515が図1のライン510またはライン710のいずれかを表す。ライン515によってラフィネート流れを抽出ゾーン150または抽出ゾーン250のいずれかから分離セクション1000または分離セクション2000に移動させる(図1に示すように)。ライン515に入っているラフィネ
ート流れは最初に蒸留カラムK1に送り込まれて、その中で抽出用溶媒がラフィネート流れに含まれている高沸点成分から分離される。特に、抽出用溶媒、例えばシクロヘキサンなどを蒸留カラムK1からライン525に通して取り出しそしてラフィネート流れに含まれていた高沸点成分を蒸留カラムK1からライン520に通して取り出す。
図3に蒸留トレインを示すが、これは図1に示したアジポニトリル精製セクション3000として使用可能である。ライン600によってラフィネート流れを抽出ゾーン370から蒸留カラムK'1に移動させ、その中で抽出用溶媒をラフィネート流れに含まれている高沸点成分から分離する。特に、抽出用溶媒、例えばシクロヘキサンなどを蒸留カラムK'1からライン625に通して取り出しそして前記ラフィネート流れに含まれていた高沸点成分を蒸留カラムK'1からライン620に通して取り出す。
んで、その中でアジポニトリルを低沸点ジニトリル、例えばMGNなどから分離する。特に、MGNを蒸留カラムK'4からライン650に通して取り出しそして精製されたアジポニトリル流れを蒸留カラムK'4からライン660に通して取り出す。
図4は、蒸留トレインの一例を示す図式図であり、これは図1に示した分離セクション125として使用可能である。3PN、2M3BN、少なくとも1種の触媒およびBDが入っている流れ122を蒸留の目的で装置810に移動させる。この装置の中で流れ122に蒸留を受けさせることでBDが豊富な流れ812およびBDが除去された流れ813を得るが、それには3PN、2M3BNおよび少なくとも1種の触媒が入っている。そのBDが豊富な流れ812を1番目の反応ゾーン(Z1)に再循環させてもよい。
図5は、蒸留トレインの一例を示す図式図であり、これは図1に示した分離セクション225として使用可能である。2番目の反応ゾーン内で得た流れ222としての異性化反応流出液に蒸留を受けさせることで触媒と生成物を回収する。図5に示していない蒸留段階として、軽質沸騰物を最初に流れ222から除去してもよい。低沸騰物はペンテンニトリルより低い温度で沸騰する化合物である。軽質沸騰物の例にはブタン、ブタジエンおよびシクロヘキサンが含まれる。ペンテンニトリルと同じ温度またはそれ以上の温度で沸騰する化合物(流れ222に入っている)を蒸留装置940に導入する。ペンテンニトリルが豊富な流れ942(3PN、2M3BNおよび(Z)−2M2BNが入っている)を蒸留装置940から得ることができる。流れ942はまた他のペンテンニトリル(4PN、(E)−2M2BNまたはこれらの組み合わせから選択)および場合により実験式C8H12で表される二量化BD化合物、例えばVCHおよびエチリデンシクロヘキセン異性体
なども入っている可能性がある。ペンテンニトリルが除去された流れ240(少なくとも1種の触媒が豊富に存在する)を釜残生成物として得ることができる。
図6に、上部流れ出口、下部流れ出口および側流れ出口が備わっている蒸留カラムの機構を例示する。ペンテンニトリルが豊富に存在する流れを上部流れ出口から取り出す。触媒が豊富に存在する流れを下部流れ出口から取り出す。この蒸留カラムは147から295℃の範囲で沸騰する液体(これを側流れ出口から取り出す)の収集が最適になるように
設計しかつ運転可能である。
1,3−ブテンニトリルをシアン化水素と反応させると3−ペンテンニトリルと2−メチル−3−ブテンニトリルの両方が生じる。2−メチル−3−ブテンニトリルの記載されている沸点は125℃であり、シス−2−ペンテンニトリルの記載されている沸点は127−128℃でありそしてトランス−3−ペンテンニトリルの記載されている沸点は144−147℃である。アジポニトリルを生じさせる一体式工程では、3−ペンテンニトリルをシアン化水素と反応させることでアジポニトリルを生じさせる。アジポニトリルの記載されている沸点は295℃である。
は高沸騰物と呼ぶ。
1,3−ブタジエンにヒドロシアン化を受けさせる目的で用いる触媒の特別な精製方法をアジポニトリル製造工程で用いることで、触媒分解生成物および反応副生成物の蓄積量を低下させることができる。その触媒に精製を液体/液体抽出処理で受けさせることができる。特に、1番目と3番目の触媒を精製する時に個別の抽出ゾーンを用いることができる。図1ではこれらのゾーンを抽出ゾーン150および抽出ゾーン370で示す。
1番目の反応ゾーン(Z1)内で反応を起こさせている過程ばかりでなく反応槽流出物を後で処理している間、例えば蒸留を行っている間に、1番目の触媒の一部が分解を起こすか失われる可能性がある。触媒が分解するか或は失われると触媒を補給する必要がある。図1に示すように、触媒が分解によって失われると、抽出処理後に触媒を補給する。図1では、当該触媒が抽出ゾーン150の中を通った後に補給用触媒を触媒再循環流れ146にライン145によって添加する。しかしながら、抽出ゾーン150の中を通った触媒に補給用触媒を供給しそして反応装置に別の場所で再び導入することも可能であることは理解されるであろう。
1番目の反応ゾーン(Z1)内で1,3−ブタジエンとHCNの反応を起こさせている時に生じる反応副生成物にはC8H13C≡N化合物が含まれる。そのC8H13C≡N化合物は1,3−ブタジエンの二量化およびその二量体のヒドロシアン化で生じ得る。そのようなC8H13C≡N化合物が3PNとHCNの反応でアジポニトリルを製造するための反応ゾーンの中に入り込むと、そのC8H13C≡N化合物がHCNと反応すること
で好ましくないC8H14(C≡N)2化合物が生じ得る。そのようなC8H13C≡N化合物を除去する方法を以下に考察する。
で3−ペンテンニトリルが示した沸点とアジポニトリルが示した沸点の中間に位置することと一致している。次に、GC/電子衝突イオン化方法を用いた質量分析を用い、m/e(質量/電荷比)=135[C8H13C≡N]+、134[C8H13C≡NマイナスH]+、120[C8H13C≡NマイナスCH3]+、106[C8H13C≡NマイナスC2H5]+、95[C8H13C≡NマイナスCH2C≡N]+、94[C8H13C≡NマイナスC3H5]+および81[C8H13C≡NマイナスC2H4C≡N]+から成る群より選択される1個以上の正イオンの実測値を用いることで、それらのピークの中のどれがC9モノニトリルのピークであるかを同定することができ、それによって工程サンプルに入っているC9モノニトリルの量をGC分析で量化することができる。
t−ブチルカテコール(TBC)は重合禁止剤であり、これは1,3−ブタジエン、特に貯蔵中の1,3−ブタジエンの重合を抑制する。1,3−ブタジエンの商業源にはしばしば1,3−ブタジエンの重合を抑制する目的でTBCが少量入っている。
344 770にTBCを様々な技術で除去することが記述されており、そのような技術には、蒸発または液状の1,3−ブタジエンを吸収剤の床、例えばアルミナなどの上に通すことが含まれる。
フェノール化合物、例えばフェノールおよびクレゾールなどはBDとHCNの反応または2M3BNの異性化で用いる触媒に入っている触媒不純物として存在する可能性がある。フェノール化合物は燐含有配位子の加水分解で生じ得る。フェノール化合物は3PNとHCNの反応で用いる触媒に入っている配位子と反応し得る。そのようにフェノール化合物が触媒の配位子と反応すると結果として3PNとHCNの反応の収率または効率が低下する可能性がある。
この分離を抽出ゾーン150内で実施する。次に、ラフィネート流れの中に入り込んだフェノール化合物を蒸留で除去することができる。図2では、フェノール化合物をアジポニトリルからカラムK4内で流れ420によって除去する。
ヒドロシアン化用触媒が燐含有配位子を含有すると、その配位子が加水分解または酸化反応の結果として分解を起こす可能性がある。そのような加水分解または酸化反応によって好ましくない不純物が生じる。燐含有配位子の加水分解および酸化生成物が米国特許第3,773,809号の中で考察されている。
1,3−ブタジエンをシアン化水素と反応させて3−ペンテンニトリル(これはモノニトリル化合物である)を生じさせる時、また、ジニトリル化合物も少量生じる可能性があり、それにはアジポニトリル(ADN)およびメチルグルタロニトリル(MGN)が含まれる。メチルグルタロニトリルが蓄積すると触媒の精製および再循環、触媒/配位子の安定性および触媒が蒸留カラムのリボイラー内で示す熱安定性に関連した問題の原因になり得る。
ペンテンニトリル、例えば3−ペンテンニトリルおよび2−メチル−3−ブテンニトリルなどは1,3−ブテンニトリルとシアン化水素の反応を触媒の存在下で起こさせている時に生じる。しかしながら、この反応では、また、ジニトリル、例えばアジポニトリルおよびメチルグルタロニトリルなども副生成物として生じる。ルイス酸助触媒をそのようにBDとHCNを反応させている時に存在させると、ジニトリル(メチルグルタロニトリルを包含)の生成量が増加する。好ましくないメチルグルタロニトリルが1,3−ブタジエンとHCNを反応させている過程で生じると、価値のある1,3−ブタジエン反応体(さもなければ望まれるアジポニトリルに変化するであろう)が事実上失われてしまう。
図1に示すように、1,3−ブタジエン(BD)を含有する原料を1番目の反応ゾーン(Z1)に例えばライン100によって送り込み、シアン化水素供給材料を前記1番目の反応ゾーン(Z1)に例えばライン120によって送り込みそして1番目の触媒を前記1番目の反応ゾーン(Z1)に例えばライン140によって送り込んでもよい。
1,3−ブタジエン原料の1,3−ブタジエン含有量は原料の総重量を基準にして少なくとも98重量%、好適には少なくとも99重量%、より好適には少なくとも99.5重量%であり得る。1つの態様では、そのような原料の1,3−ブタジエン含有量を原料の
総重量を基準にして99.5から99.9重量%にするる。その原料の残りは残りの濃度の好ましくない不純物、例えばブタン、ブテン、1,2−ブタジエンおよびアセチレン、例えばプロピンなどであり得る。その原料にはまたt−ブチルカテコール(TBC)、例えば、4−t−ブチルカテコールなども入っている可能性がある。そのTBCの少なくとも95%は4−t−ブチルカテコールの形態で存在し得る。場合により、その原料に存在するTBCの一部を1,3−ブタジエンを1番目の反応段階に仕込む前に除去しておくことも可能である。そのBD含有供給材料に入っているアセチレンの量は全体で100ppm未満であり得る。
1番目の反応ゾーン(Z1)および3番目の反応ゾーン(Z3)に送り込むHC≡N供給材料は、Andrussow工程の生成物であり得、それをオレフィンヒドロシアン化反応ゾーンに入れる前にそれに蒸留による乾燥を受けさせておくことで水の量を約250ppm未満、例えば水の量を125ppm未満、例えば水の量を80ppm未満にしておく。しかしながら、HCN供給材料には通常は水が少なくともいくらか含まれているであろう。非常に乾燥しているHCNは不安定であり、この理由で、完全に無水のHCNを供給するのは好ましくない可能性がある。従って、HCN供給材料の水含有量を少なくとも10ppm、例えば少なくとも25ppm、例えば少なくとも50ppmにしてもよい。
HC≡N供給材料、BD含有供給材料および触媒組成物を反応ゾーン内で接触させるが、その反応ゾーンは当業者に公知の適切ないずれかの装置内であってもよい。1つ以上の通常の装置を用いて反応ゾーン、例えば連続撹拌型タンク反応槽、ループ型バブルカラム反応槽、気体循環型反応槽、バブルカラム反応槽、管状反応槽またはこれらの組み合わせを生じさせてもよく、場合により反応熱の少なくとも一部を除去するための装置を伴わせてもよい。
非酸化で無水の環境にすると当該触媒の酸化による失活が遅れる。従って、通常は無水の不活性な雰囲気、例えば窒素などを用いるが、触媒の一部が酸化および加水分解によって失われることを犠牲にするならば空気も使用可能である。
ものでないが、実用の目的で、その圧力を一般に約15psiaから約300psia(約1.03バールから約20.7バール)の範囲にしてもよい。
BDヒドロシアン化反応ゾーンから出て来た反応生成物混合物(BD、3PN、2M3BNおよび触媒が入っている)に蒸留を1つ以上の蒸留装置内で受けさせることでBDが豊富な流れ、ペンテンニトリルが豊富な流れ(3PNおよび2M3BNが入っている)および触媒が豊富な流れ(触媒が入っている)を回収してもよい。そのBDが豊富な流れおよび触媒が豊富な流れをBDヒドロシアン化反応に再循環させてもよい。前記ペンテンニトリルが豊富な流れにさらなる蒸留を受けさせることで2M3BNが豊富な流れおよび2M3BNが除去された流れ(3PNが入っている)を得ることができる。
特に、これらの蒸留段階を1つ以上の蒸留カラム内で起こさせることで下記を得ることができる:
1)少なくとも1種の1,3−ブタジエンが豊富な流れ812および824、
2)1番目の2−メチル−3−ブテンニトリルが豊富な流れ200、
3)1番目の3−ペンテンニトリルが豊富な流れ838、および
4)1番目の触媒が豊富な流れ140。
で回収した3−ペンテンニトリルを3番目の反応ゾーン(Z3)に供給材料として送り込んでもよい。
中間沸騰物、例えばMGN、C8H13C≡N化合物、フェノールおよびクレゾールなどを反応系から除去する時、1番目の反応ゾーン(Z1)から出て来た反応生成物の流れの蒸留を特別な様式で実施することで除去を助長することができる。例えば、未反応の1,3−ブタジエンおよびシアン化水素を1番目の反応ゾーン(Z1)から出て来た反応生成物流れから除去した後、ペンテンニトリル、ゼロ価ニッケルおよび1番目の燐含有配位子が入っている流れを供給材料入り口と上部流れ出口と下部流れ出口が備わっている蒸留カラムに送り込んでもよい。その蒸留カラムにストリッピングセクション、精留セクションまたは両方を装備してもよい。分離段階を少なくとも1段含有して成る精留セクションを供給材料入り口と上部流れ出口の間に設ける。ペンテンニトリルが豊富な流れを上部流れ出口から取り出す。触媒が豊富な流れを下部流れ出口から取り出す。その蒸留カラムを触媒が豊富な流れがペンテンニトリル(3−ペンテンニトリルと2−メチル−3−ブテンニトリルの合計を包含)を少なくとも5重量%含有するような様式で操作する。このようにすると、中間沸騰物が触媒が豊富な流れの中に入り込む傾向がある。次に、これらの化合物を少なくともある程度ではあるが反応系から除去することができるが、これは、この上に記述した如きラフィネート処理工程によってラフィネートに出入りする抽出過程で可能になる。
1番目の触媒が豊富な流れを分離セクション125からライン140に通して流す。ライン140に入っている前記触媒が豊富な流れの一部を取り出すことで1番目の触媒パージ流れを生じさせて、それをライン126に通して流す。このパージ流れには1番目の触媒、触媒分解生成物および反応副生成物が入っている。ライン126に入っている前記1番目の触媒パージに由来する1番目の触媒の少なくとも一部を液体−液体抽出が備わっている1番目の触媒再生ゾーンに送り込むことで触媒分解生成物および反応副生成物を前記1番目の触媒から少なくともある程度分離する。
利用する。1番目の触媒再循環流れ140の一部をパージ流れ126として取り出すことで精製と回収を実施する。この開示する方法の態様として、取り出し、精製し、回収しそして場合によりニッケル含有量を高くする処理を受けさせる循環している触媒の最低限量をその循環している触媒の2、5、10、15および20重量%から選択する。他の態様では、取り出し、精製し、回収しそして場合によりニッケル含有量を高くする処理を受けさせる循環している触媒の量を100、75、50、25重量%未満にしてもよい。次に、その精製して回収した触媒を1番目(Z1)または2番目(Z2)いずれかの反応ゾーンに戻す。
1)ジニトリルが入っているジニトリル流れおよび抽出用溶媒が入っている抽出用溶媒
流れを抽出ゾーンに導入し、
2)前記抽出ゾーン内で触媒パージと前記抽出用溶媒流れに由来する抽出用溶媒と前記
ジニトリル流れに由来するジニトリルを接触させることで前記抽出ゾーン内に抽出
相とラフィネート相を包含する少なくとも2つの混和しない液相を得、
3)前記抽出相から抽出用溶媒と触媒が入っている抽出流れを取り出し、
4)前記ラフィネート相からジニトリルと触媒分解生成物と反応副生成物が入っている
ラフィネート流れを取り出し、
5)前記抽出流れに蒸留を受けさせることで少なくとも1種の抽出用溶媒が豊富な流れ
と抽出用溶媒が除去された流れ(即ち触媒が豊富な流れ)(これには分離された触
媒が入っている)を得、そして
6)場合により、前記ラフィネート相に1段階以上の蒸留を受けさせることで触媒分解
生成物を除去しかつそのような触媒分解生成物が除去されたジニトリル流れを生じ
させる。触媒分解生成物が示す沸点はアジポニトリルのそれよりも低いか或は高い
可能性があり、従って、通常の技術者は、留出させるべき成分が示す蒸気−液体平
衡データを取得することによって、そのような任意の蒸留段階を構築することがで
きるであろう。
1番目の抽出ゾーンを図1に示す。触媒パージ流れ126を液体/液体抽出ゾーン150に送り込む。非極性溶媒、例えばアルカンなどを前記液体/液体抽出ゾーン150にライン130に通して送り込む。また、極性溶媒(これは前記非極性溶媒に混和しない)も前記液体/液体抽出ゾーン150にライン500に通して送り込む。抽出ゾーン150にライン500に通して導入する極性溶媒にはアジポニトリルが入っている。触媒パージ流
れ126には1番目の反応ゾーン(Z1)内で生じた反応副生成物および触媒分解副生成物が入っている。抽出ゾーン150内では、非極性溶媒および触媒が入っている非極性相と極性溶媒および例えば反応副生成物および触媒分解生成物などが入っている極性相(例えばラフィネート)が生じる。その非極性相を抽出ゾーン150からライン134によって取り出して蒸留カラム155に送る。前記極性相を抽出ゾーン150からライン510によって取り出して分離セクション1000に送る。
材料の質量流量の合計で割った比率が約2未満、例えば1.5未満、例えば1.2未満になるようにしてもよい。更に、前記抽出ゾーンから取り出すラフィネート流れの流量および前記抽出ゾーンの中に流れ込む触媒流れの流量も調節すべきである。例えば、前記抽出ゾーンから取り出すラフィネート流れの質量流量をペンテンニトリルが除去された流れ(前記抽出ゾーンに接触の目的で流れ込ませる)の質量流量で割った比率が約0.9以上になるようにしてもよい。Walterの米国特許第3,773,809号に適切な液体/液体抽出工程の一例が教示されている。
非極性溶媒を蒸留で回収して抽出ゾーンに再循環させることで、触媒の精製(即ち再生)を行ってもよい。例えば図1に示すように、非極性溶媒を蒸留カラム155内の蒸留によって回収した後に抽出ゾーン150にライン130によって戻してもよい。抽出ゾーン150、ライン134、蒸留カラム155およびライン130が集合的に非極性溶媒を抽出ゾーン150に再循環させるための回収用ループを構成している。抽出ゾーン150、ライン510、分離セクション1000およびライン500が集合的に極性溶媒を抽出ゾーン150に再循環させるための回収用ループを構成している。
前記抽出ゾーンから出て来たラフィネート流れに蒸留を1基以上の蒸留カラム内で受けさせることでジニトリルを前記ラフィネート流れに入っている他の成分、例えば抽出用溶媒、ペンテンニトリル、反応副生成物および触媒分解生成物などから分離してもよい。次に、前記ラフィネート流れに入っている他の成分から分離したジニトリルを抽出ゾーンに再循環さてもよい。
得る。そのような抽出用溶媒の一例はシクロヘキサンであり、これの沸点(BP)は81℃である。
なる蒸留を受けさせて前記流れからMGNを除去することで、アジポニトリルが豊富に存在する流れを生じさせて、それを抽出ゾーンに再循環させてもよい。2−MGNが示すおおよその沸点は269℃から271℃である一方、アジポニトリルが示すおおよその沸点は295℃である。t−ブチルカテコール、特に4−t−ブチルカテコールが示す沸点は285℃である。また、ラフィネート流れを処理するための上述した3番目の蒸留段階の塔頂溜分点をMGNがC8H13C≡N化合物、フェノールおよびクレゾールと一緒に側流れが備わっている単一蒸留カラムの場合には塔頂流れとしてか或は2基のカラムを用いる場合には2番目の蒸留カラムの塔頂流れとして取り出されるように調整してもよい。MGNをアジポニトリルから除去するとMGNの好ましくない蓄積が防止される。MGNを除去するとまたC8H13C≡N化合物、フェノールおよびクレゾールを触媒再循環流れおよび全体の反応系から除去することも助長される。MGNを除去すると更にいくらか存在する2−エチルスクシノニトリル、ADNおよびMGNの異性体の除去も助長される。2−エチルスクシノニトリルが示す沸点は264℃である。ジニトリル流れにいくらか存在するt−ブチルカテコールの少なくとも一部もMGNと一緒に除去され得る。前記蒸留カラムから回収したMGN含有流れにさらなる精製を不純物、例えばフェノール、クレゾールおよびTBCなどを除去することで受けさせてもよい。精製されたMGNは商業的に販売可能である。MGNは溶媒/中間体として繊維産業で用いるに有用である。
触媒を非極性溶媒を触媒から蒸留するための蒸留装置に通した後、その精製された(即ち再生された)触媒を1番目の反応ゾーンに再循環させてもよい。1番目と2番目の触媒が同じ燐含有配位子を含有して成る場合、その精製(即ち再生された)2番目の触媒の少なくとも一部を1番目の反応ゾーンに再循環させてもよい。例えば図1を参照して、蒸留カラム155から出て来たカラム釜残にはある程度精製された触媒が入っている。このある程度精製された触媒を蒸留カラム155からライン156および146に通して取り出して、1番目の反応ゾーン(Z1)に再循環させるための触媒再循環ライン140に導入してもよい。場合により、側流をライン246から取り出してライン200または240に送り込んでもよく、そしてこの側流を2番目の反応ゾーン(Z2)に送り込む触媒供給材料として用いてもよい。1番目の触媒のある程度精製された流れ(これを後で2番目の反応ゾーン(Z2)に供給する)に例えば追加的ゼロ価Niなどおよび/または1番目の燐含有配位子をライン245によって供給してもよい。図1には示していないが、場合により、ライン245をライン240の代わりにライン246またはライン248に直接向かわせることも可能である。
図1に示すように、2−メチル−3−ブテンニトリル(2M3BN)含有原料を2番目の反応ゾーン(Z2)に例えばライン222によって送り込んでもよくそして2番目の触媒を前記2番目の反応ゾーン(Z2)に例えばライン240によって送り込んでもよい。
2番目の反応ゾーン(Z2)に送り込む2−メチル−3−ブテンニトリル供給材料を本明細書の上に記述した蒸留段階で得る。この供給材料に入っている2M3BNの量は少なくとも30重量%であってもよい。また、この供給材料に入っている2M3BN以外のペンテンニトリルの量は70重量%未満であってもよくかつ1番目の燐含有配位子の量は1重量%未満、例えば0.1重量%未満であってもよい。
2M3BN含有供給材料と触媒組成物を反応ゾーン内で接触させるが、その反応ゾーンは当業者に公知の適切ないずれかの装置内であってもよい。1つ以上の通常の装置を用いて反応ゾーン、例えば連続撹拌型タンク反応槽、ループ型バブルカラム反応槽、気体循環型反応槽、バブルカラム反応槽、管状反応槽またはこれらの組み合わせを生じさせてもよく、場合により反応熱の少なくとも一部を除去するための装置を伴わせてもよい。
異性化反応段階で用いる2M3BNと触媒の供給モル比を一般に1:1以上、通常は約5:1から20,000:1の範囲内、例えば約100:1から約5,000:1にする。
2M3BN異性化反応ゾーンか出て来た反応生成物混合物には特定の軽質沸騰物、3PN、2M3BN、(Z)−2M2BNおよび触媒が入っている可能性がある。その軽質沸騰物の少なくともいくらかを1番目の蒸留段階で除去してもよい。次に、軽質沸騰物が除去された流れに蒸留を1つ以上の蒸留装置内で受けさせることで(Z)−2M2BNが豊富な流れ、(Z)−2M2BNが除去された流れ(3PNおよび2M3BNが入っている)および触媒が豊富な流れ(触媒が入っている)を回収してもよい。前記触媒が豊富な流れの少なくとも一部を2M3BN異性化反応に再循環させてもよい。
1)2番目の2−メチル−3−ブテンニトリルが豊富な流れ967、
2)2番目の3−ペンテンニトリルが豊富な流れ222、および
3)2番目の触媒が豊富な流れ240。
な流れに蒸留を受けさせることで(Z)−2−メチル−3−ブテンニトリルが豊富な流れ(2−メチル−3−ブテンニトリルおよび(Z)−2−メチル−2−ブテンニトリルに加えてこの上に記述した如き他の低沸騰物が入っている)を上部生成物として得そして(Z)−2−メチル−2−ブテンニトリルが除去された流れ(3−ペンテンニトリル、2−メチル−3−ブテンニトリルおよび蒸留条件に応じて(Z)−2−メチル−2−ブテンニトリルがいくらか入っている)を釜残生成物として得ることができる。
2番目の触媒が豊富な流れを分離セクション225からライン240に通して流す。ライン240に入っている前記触媒が豊富な流れの一部を取り出して2番目の触媒パージ流れを生じさせて、それをライン226に通して流してもよい。このパージ流れには2番目の触媒、触媒分解生成物および反応副生成物が入っている。ライン226に入っている前記2番目の触媒パージ流れに由来する2番目の触媒の少なくとも一部を液体−液体抽出が備わっている2番目の触媒再生ゾーンに送り込むことで、分離した1番目の触媒から触媒分解生成物および反応副生成物を少なくともある程度分離してもよい。図1には示さなかった任意選択に従い、ライン226に入っている2番目の触媒パージの少なくとも一部を1番目の触媒再生ゾーンに送り込むことも可能である。そのような任意選択の場合、2番目の触媒再生ゾーンを省いてもよい。
1)ジニトリルの流れ(ジニトリルが入っている)および抽出用溶媒の流れ(抽出用溶
媒が入っている)を抽出ゾーンに導入し、
2)触媒パージと前記抽出用溶媒流れに由来する抽出用溶媒と前記ジニトリル流れに由
来するジニトリルを抽出ゾーン内で接触させることで前記抽出ゾーン内で抽出相と
ラフィネート相を包含する少なくとも2つの混和しない液相を得、
3)前記抽出相から抽出流れ(抽出用溶媒および触媒が入っている)を取り出し、
4)前記ラフィネート相からラフィネート流れ(ジニトリル、触媒分解生成物および反
応副生成物が入っている)を取り出し、
5)前記抽出流れに蒸留を受けさせることで少なくとも1種の抽出用溶媒が豊富な流れ
および抽出用溶媒が除去された流れ(即ち触媒が豊富な流れ)(分離された触媒が
入っている)を得、そして
6)場合により、前記ラフィネート相に蒸留を1つ以上の段階で受けさせることでパー
ジ触媒分解生成物を生じさせかつそのような触媒分解生成物が除去されたジニトリ
ル流れを生じさせる。触媒分解生成物が示す沸点はアジポニトリルのそれより低い
か或は高い可能性があり、従って、通常の技術者は、留出させるべき成分が示す蒸
気−液体平衡データを取得することによって、そのような任意の蒸留段階を構築す
ることができるであろう。
2番目の抽出ゾーンを図1に示す。触媒パージ流れ226を液体/液体抽出ゾーン250に送り込む。非極性溶媒、例えばアルカンなどを前記液体/液体抽出ゾーン250にライン230に通して送り込む。また、前記非極性溶媒と混和しない極性溶媒も前記液体/液体抽出ゾーン250にライン700によって送り込む。抽出ゾーン250にライン700に通して導入する極性溶媒には1番目の反応ゾーン(Z1)内で生じた反応副生成物および触媒分解副生成物が入っている。抽出ゾーン250内では、非極性溶媒および触媒が入っている非極性相と極性溶媒および例えば反応副生成物および触媒分解生成物などが入っている極性相(例えばラフィネート)が生じる。その非極性相を抽出ゾーン250からライン234によって取り出して蒸留カラム255に送る。前記極性相を抽出ゾーン250からライン710によって取り出して分離セクション2000に送る。
ンテンニトリルが豊富な流れを上部流れとして得かつ触媒が豊富な流れを下部流れとして得る時に生じ得る。触媒パージ流れおよび側流れの流れには両方ともジニトリルおよび中間沸騰物、例えばC8H13C≡N化合物、フェノールおよびクレゾールなどが入っている可能性がある。前記抽出ゾーン内で抽出相とラフィネート相が向流様式で流れるようにしてもよい。上述した側流れの流れ(中間沸騰物が入っている)を多段階抽出ゾーンおよび抽出段階の1番目の段階よりも近い抽出段階(ラフィネート相を取り出す)に仕込んでもよい。抽出用溶媒を前記抽出ゾーンの同じ抽出段階(ラフィネート相を抽出ゾーンから取り出してラフィネート流れを得る)に仕込んでもよい。前記触媒が豊富な流れを前記抽出ゾーンの同じ抽出段階(抽出相を抽出ゾーンから取り出して抽出流れを得る)に仕込んでもよい。多段階抽出ゾーンでは、また、前記触媒が豊富な流れの一部も前記抽出ゾーンの同じ抽出段階(ラフィネート相を抽出ゾーンから取り出してラフィネート流れを得る)に仕込んでもよい。
非極性溶媒を蒸留で回収した後、触媒を精製(即ち再生)させるための抽出ゾーンに再循環させてもよい。例えば図1に示すように、非極性溶媒を蒸留カラム255内の蒸留で回収した後、抽出ゾーン250にライン230に通して戻してもよい。抽出ゾーン250、ライン234、蒸留カラム255およびライン230が集合的に非極性溶媒を抽出ゾーン250に再循環させるための回収用ループを構成している。抽出ゾーン250、ライン710、分離セクション2000およびライン700が集合的に極性溶媒を抽出ゾーン150に再循環させるための回収用ループを構成している。
50℃未満、例えば約140℃未満、例えば約130℃未満、または例えば約120℃未満にして受けさせてもよい。そのベース温度をある程度ではあるが触媒組成物の熱安定性が維持されるように選択する。
前記抽出ゾーンから出て来たラフィネート流れに蒸留を1基以上の蒸留カラム内で受けさせることでジニトリルを前記ラフィネート流れに入っている他の成分、例えば抽出用溶媒、ペンテンニトリル、反応副生成物および触媒分解生成物などから分離してもよい。次に、前記ラフィネート流れに入っている他の成分から分離したジニトリルを抽出ゾーンに再循環さてもよい。
を蒸留カラムから側流れとして取り出し、そして沸点が例えば300℃以上の化合物を下部流れとして取り出す。3番目の蒸留段階のこの例では、塔頂流れにC8H13C≡N化合物、フェノールおよびクレゾールなどの如き化合物が入っている可能性があり、側流れにt−ブチルカテコールおよびジニトリルなどの如き化合物が入っている可能性がありそして下部流れに触媒分解生成物などの如き化合物が入っている可能性があり、それには例えばNi(CN)2およびオルガノホスファイト配位子の酸化で生じたオルガノホスフェートが含まれる。例えば、トリス(トリル)ホスフェートはトリス(トリル)ホスファイトの酸化副生成物である。
触媒を非極性溶媒を触媒から蒸留するための蒸留装置に通した後、その精製された(即ち再生された)2番目の触媒を2番目の反応ゾーンに再循環させてもよい。1番目と2番目の触媒が同じ燐含有配位子を含有して成る場合、その精製(即ち再生された)2番目の触媒の少なくとも一部を1番目の反応ゾーンに再循環させてもよい。前記2番目と3番目の触媒が同じ燐含有配位子を含有して成る場合、その精製(即ち再生された)2番目の触媒の少なくとも一部を3番目の反応ゾーンに再循環させてもよい。例えば図1を参照して、蒸留カラム255から出て来たカラム釜残にはある程度精製された触媒が入っている。このある程度精製された触媒を蒸留カラム255からライン248に通して取り出して、2番目の反応ゾーン(Z2)に再循環させるための触媒再循環ライン240に導入してもよい。場合により、1番目と2番目の触媒が同じ燐含有配位子を含有して成る場合、側流をライン248から取り出してライン247に送り込んでもよく、そしてこの側流を1番目の反応ゾーン(Z1)に送り込む触媒供給材料として用いてもよい。2番目の触媒のある程度精製された流れのいずれか(これを後で1番目の反応ゾーン(Z1)に供給する)に追加的ゼロ価Niなどおよび/または1番目の燐含有配位子をライン145によって供給してもよい。図1には示していないが、場合により、ライン145をライン146の代わりにライン140に直接向かわせることも可能である。2番目の反応ゾーン(Z2)と3番目の反応ゾーン(Z3)に触媒を共用する態様では、前記2番目の反応ゾーン(Z2)に補給する補給用触媒を前記3番目の反応ゾーン(Z3)の触媒再循環流れから回収してもよい。この態様は本図に示していない。
図1に示すように、3−ペンテンニトリル(3PN)含有原料を3番目の反応ゾーン(Z3)に例えばライン300によって送り込み、シアン化水素供給材料を前記3番目の反応ゾーン(Z3)に例えばライン220によって送り込みそして3番目の触媒を前記3番目の反応ゾーン(Z3)に例えばライン340によって送り込んでもよい。また、前記触媒供給材料にルイス酸助触媒も含有させる。
3番目の反応ゾーン(Z3)に送り込む3−ペンテンニトリル供給材料は本明細書の上に記述した蒸留段階で得ものである。この供給材料の3PN含有量は少なくとも95重量%であってもよい。また、この供給材料に入っている3PN以外のペンテンニトリルの含有量は5重量%未満であってもよくかつ1番目の燐含有配位子の含有量は0.1重量%未満であってもよい。
は1000ppm未満、例えばC9モノニトリルの含有量は600ppm未満であってもよい。
1番目の反応ゾーン(Z1)と3番目の反応ゾーン(Z3)に送り込むHC≡N供給材料はAndrussow工程の生成物であってもよく、それをオレフィンヒドロシアン化反応ゾーンに送り込む前にそれに蒸留による乾燥を受けさせることで水含有量を約250ppm未満、例えば水含有量を125ppm未満、例えば水含有量を80ppm未満にしておく。しかしながら、HCN供給材料には通常水が少なくともいくらか入っているであろう。非常に無水のHCNは不安定であるが、無水のHCNを用いる方が好適である。従って、HCN供給材料の水含有量を少なくとも10ppm、例えば少なくとも25ppm、例えば少なくとも50ppmにしてもよい。
HC≡N供給材料と3PN含有供給材料と触媒組成物の接触を反応ゾーン内で起こさせるが、その反応ゾーンは当業者に公知の適切ないずれかの装置内であってもよい。1つ以上の通常の装置を用いて反応ゾーン、例えば連続撹拌型タンク反応槽、ループ型バブルカラム反応槽、気体循環型反応槽、バブルカラム反応槽、管状反応槽またはこれらの組み合わせを生じさせてもよく、場合により反応熱の少なくとも一部を除去するための装置を伴わせてもよい。
3PNのヒドロシアン化はHC≡Nと3PNを蒸気、液体またはこれらの混合物として反応させることで実施可能である。別法として、シアノヒドリンをHC≡N源として用いることも可能である。
3番目の反応ゾーン(Z3)から出て来た流出物にはアジポニトリル、3番目の触媒、触媒助触媒および触媒分解生成物が入っている。図1では、3番目の反応ゾーン(Z3)から出て来たその反応流出物をライン400に通して液体/液体抽出ゾーン370に送り込む。1段階以上の蒸留段階(示していない)を前記3番目の反応ゾーン(Z3)と液体/液体抽出ゾーン370の間に含めることで未反応3−ペンテンニトリルを包含する低沸点成分を除去することができる。抽出用溶媒を抽出ゾーン370にライン330に通して送り込む。抽出ゾーン370内に抽出相とラフィネート相が生じる。その抽出相には抽出用溶媒と3番目の触媒が入っているおり、そしてラフィネート相にはアジポニトリル、触媒分解生成物および助触媒が入っている。その抽出相をライン334に通して蒸留カラム375に送り込み、その中で抽出用溶媒を触媒から分離する。蒸留カラム375から出て来た抽出用溶媒をライン330に通して抽出ゾーン370に再循環させて戻す。触媒流れを蒸留カラム375から取り出して3番目の反応ゾーン(Z3)に再循環させて戻す。ラフィネート相を抽出ゾーン370から取り出してライン600に通してアジポニトリル精製セクション3000に送り込む。精製されたアジポニトリル生成物流れをライン660によって回収する。
媒分解生成物および助触媒が入っている)を前記抽出ゾーンから取り出す。前記抽出流れを蒸留装置に仕込んでもよい。
630に入っているペンテンニトリル(4−ペンテンニトリル、3−ペンテンニトリルおよび2−ペンテンニトリルの合計を包含)の量は重量で表して例えば全体で少なくとも0.01%であり得る。この2番目の蒸留段階で塔頂流れ650として取り出すことが可能なペンテンニトリルの例には、2−メチル−3−ブテンニトリル、トランス−3−ペンテンニトリル、シス−3−ペンテンニトリル、トランス−2−ペンテンニトリルおよびシス−2−ペンテンニトリルが含まれる。このペンテンニトリルが除去されたラフィネート流れに入っているペンテンニトリル(4−ペンテンニトリル、3−ペンテンニトリルおよび2−ペンテンニトリルの合計を包含)の量は重量で表して例えば全体で少なくとも0.01%、例えば0.07%、例えば0.1%、例えば1%未満であり得る。そのようにして取り出したペンテンニトリルが示すおおよその沸点は120℃から150℃の範囲内であり得る。
1,3−ブタジエンを基にしたアジポニトリルの化学的収率は60%以上、例えば85%以上または90%以上であり得、そしてシアン化水素を基にしたアジポニトリルの化学的収率は60%以上、例えば85%以上または90%以上であり得る。
触媒分解生成物および反応副生成物を除去することで触媒に精製をある程度受けさせる本明細書に記述するゾーンを本明細書では精製ゾーンまたは再生ゾーンと呼ぶ。1番目と2番目の触媒の燐含有配位子が同じ場合、1番目と2番目の触媒再生ゾーンを液体−液体抽出を包含する共用触媒再生ゾーンとして一緒にしてもよい(一緒に混ざり合わせてもよい)。この任意選択に、更に、分離した触媒から触媒分解生成物および反応副生成物を少なくともある程度分離する目的で、共用触媒再生ゾーンに1番目の触媒パージで得た1番目の触媒の少なくとも一部を送り込むか、2番目の触媒パージで得た2番目の触媒の少なくとも一部を送り込むか或はこれらの組み合わせを送り込むことも含める。
本明細書で用いる如き用語“触媒”には、これの意味の範囲内に、触媒前駆体組成物も含まれる。この意味は、ゼロ価ニッケルがある時点で少なくとも1種の燐含有配位子と結合することを示している。更に、ヒドロシアン化中に追加的反応も起こり、例えば初期の触媒組成物とエチレン系不飽和化合物の錯体形成などが起こる。本明細書で用いる如き用語“触媒”にはまたこれの意味の範囲内に再利用触媒、即ちゼロ価ニッケルと少なくとも1種の燐含有配位子を含有して成るが、本発明の工程で用いられたか、本工程に戻されるか或は戻される可能性がありかつ再び使用可能であるか或は繰り返し使用可能である触媒も含まれる。そのような触媒に適した溶媒には、本工程で用いるに有用な抽出用溶媒、例えば極性溶媒、例えばニトリル、例えばペンテンニトリル、例えば3−ペンテンニトリルなどおよび非極性溶媒、例えば脂肪族炭化水素、例えばシクロヘキサンなどが含まれる。
って本明細書に組み入れられる)に教示されている。
を除去することで受けさせてもよい。その濃ニッケル錯体(ゼロ価ニッケルと少なくとも1種の燐含有配位子を含有して成る)の少なくとも一部を1番目の(Z1)反応ゾーン内で1,3−ブタジエンおよびシアン化水素と接触させて1番目の反応流出物を生じさせそして2番目(Z2)反応ゾーン内で2−メチル−3−ブテンニトリルと接触させて2番目の反応流出物を生じさせるか或はそれらの組み合わせを行う前に、そのような蒸留段階で回収した触媒に入っているニッケル錯体の濃度を高くしておくことも可能である。抽出用溶媒が除去された流れの少なくとも一部とニッケル金属をオルガノニトリル溶媒中で接触させることでニッケル錯体の濃度を高くすることができる。
本発明の方法で用いる触媒は、ゼロ価ニッケルおよび少なくとも1種の燐含有(P含有)配位子、例えばホスファイト、ホスホナイト、ホスフィナイト、ホスフィンおよび混合P含有配位子などまたはそのような員の組み合わせを含有する。
X11、X12、X13、X21、X22、X23は独立して酸素または単結合を表し、R11、R12は独立して同一もしくは異なる単一もしくは橋状有機基を表し、
R21、R22は独立して同一もしくは異なる単一もしくは橋状有機基を表し、そして
Yは橋渡し基を表す]
を有する。
X1、X2、X3は独立して酸素または単結合を表し、そして
R1、R2およびR3は各々独立して同一もしくは異なる有機基である]
を有する。R1、R2およびR3は各々独立してアルキル基、好適には炭素原子数が1から10のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチルなど、アリール基、例えばフェニル、o−トリル、m−トリル、p−トリル、1−ナフチル、2−ナフチルなど、またはヒドロカルビル、好適には炭素原子数が1から20のヒドロカルビル、例えば1,1'−ビフェノール、1,1'−ビナフトールなどである。R1、R2およびR3基は一緒に直接結合していてもよい、即ち単独で中心の燐原子を通して結合していなくてもよい。R1、R2およびR3基が一緒に直接結合していていないのが好適である。好適な態様におけるR1、R2およびR3基はフェニル、o−トリル、m−トリルおよびp−トリルから成る群より選択した基である。特に好適な態様では、R1、R2およびR3基の中でフェニル基である数は最大で2であるべきである。別の好適な態様では、R1、R2およびR3基の中でo−トリル基である数は最大で2であるべきである。使用可能な特に好適な化合物は以下の式(IVa):
で表される化合物である。
で表される化合物が含まれる。
同様な参照文字は全部更に明確に限定しない限り同じ意味を有し、
R41およびR45は独立してC1からC5ヒドロカルビルから成る群より選択され、そしてR42、R43、R44、R46、R47およびR48は各々独立してHおよびC1からC4ヒドロカルビルから成る群より選択される]
で表される群の員から選択される配位子が含まれる。
R41がメチル、エチル、イソプロピルまたはシクロペンチルであり、
R42がHまたはメチルであり、
R43がHまたはC1からC4ヒドロカルビルであり、
R44がHまたはメチルであり、
R45がメチル、エチルまたはイソプロピルであり、そして
R46、R47およびR48が独立してHおよびC1からC4ヒドロカルビルから成る群より選択される、
式Xおよび式XIで表される群の員から選択可能である。
R41、R44およびR45がメチルであり、
R42、R46、R47およびR48がHであり、そして
R43がC1からC4ヒドロカルビルであるか、
或は
R41がイソプロピルであり、
R42がHであり、
R43がC1からC4ヒドロカルビルであり、
R44がHまたはメチルであり、
R45がメチルまたはエチルであり、
R46およびR48がHまたはメチルであり、そして
R47がH、メチルまたはt−ブチルである、
式Xで表される群の員から選択可能であるか、
或は二座ホスファイト配位子は、
R41がイソプロピルまたはシクロペンチルであり、
R45がメチルまたはイソプロピルであり、そして
R46、R47およびR48がHである、
式XIで表される群の員から選択可能である。
3番目の反応ゾーン(Z3)内で3−ペンテンニトリルにヒドロシアン化を受けさせてアジポニトリルを生じさせる目的で実施する反応を好適にはこの反応を助長させる助触媒の存在下で行う。この助触媒はルイス酸、例えば無機化合物、有機金属化合物またはこれらの組み合わせであってもよく、その中のルイス酸のカチオンをスカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、カドミウム、レニウム、ランタン、エルビウム、イッテルビウム、サマリウム、タンタルおよび錫から成る群より選択する。しかしながら、1番目の反応ゾーン(Z1)内で1,3−ブタジエンにヒドロシアン化を受けさせる時に実施する反応および2番目の反応ゾーン(Z2)内で2−メチル−3−ブテンニトリルに異性化を受けさせる時の反応を好適にはそのような助触媒を存在させないでか或は実質的に存在させないで実施する。実質的に存在させないといった表現は助触媒が測定可能な量でいくらか存在することは許容されるが但しその助触媒の量が1番目の反応ゾーン(Z1)および2番目の反応ゾーン(Z2)内で起こさせる反応の選択性にも収率にも有意な影響を与えないほどであることを条件とすることは理解されるであろう。
酸が1番目の反応ゾーン内に全く入り込まなかった時に生じるジニトリルの量の5重量%以内であることを条件とする。
本明細書に記述する蒸留段階は当業者に公知の適切ないずれかの装置内で実施可能である。この蒸留で用いるに適した通常の装置の例には、シーブトレーカラム、バブルトレーカラム、規則的パッキングが備わっているカラム、不規則に詰め込まれたカラムまたは1段階蒸発器、例えば流下膜式蒸発器、薄膜蒸発器、フラッシュ蒸留蒸発器、多相らせんコイル蒸発器、自然循環蒸発器または強制循環フラッシュ蒸発器が含まれる。この蒸留は1つ以上の装置内で実施可能である。
この実施例1では、1,3−ブタジエンにヒドロシアン化を受けさせるための1番目の反応ゾーン(Z1)、混合ペンテンニトリルに異性化を受けさせてその混合物中の3−ペンテンニトリルを多くするための2番目の反応ゾーン(Z2)および3−ペンテンニトリルにヒドロシアン化を受けさせてアジポニトリルを生じさせるための3番目の反応ゾーン(Z3)の各々に共用の単一の触媒精製装置を用いて1,3−ブタジエンのヒドロシアン化でアジポニトリルを製造する2段階工程の操作を記述する。本実施例では、その示す反応ゾーン(Z1、Z2またはZ3)に加えてそれに関連した触媒取り扱い装置(これには触媒を分離、精製および再利用するばかりでなく新鮮な補給用触媒を添加するための工程装置が含まれ得る)を包含させる目的で用語“触媒ループ”を用いる。
1番目の反応ゾーン(Z1)内のニッケル用量を約500ppm(重量)(総供給材料を基準)に維持する。配位子用量を二座配位子:ニッケルのモル比が約3:1になるように調節する。
この実施例2では隔離触媒回収システムを例示する。特に、この実施例2では3個の個別の触媒回収システムを用いた工程を例示するが、ここでは、反応ゾーンZ1、Z2およびZ3の各々にニッケルとこの上に示した式IIIで表される構造を有する二座ホスファイト含有配位子を含有する触媒を入れる。
Nを含有して成る反応生成物を生じさせる。この異性化用触媒を本明細書ではまた2番目の触媒とも呼ぶ。この異性化用触媒は前記1番目の反応ゾーン(Z1)に導入した触媒と同じであってもよい。場合により、この異性化用触媒は前記1番目の反応ゾーン(Z1)に導入した触媒と異なっていてもよい。
いる。抽出ゾーン250、ライン710、分離セクション2000およびライン700が集合的に極性溶媒を抽出ゾーン250に再循環させるための回収用ループを構成している。
から蒸留カラムK'1に移動させ、その中で抽出用溶媒をラフィネート流れに入っている高沸点成分から分離する。特に、抽出用溶媒、例えばシクロヘキサンなどを蒸留カラムK'1からライン625に通して取り出しそして前記ラフィネート流れに入っていた高沸点成分を蒸留カラムK'1からライン620に通して取り出す。
他の蒸留システムを設計して運転することは当該技術分野の技術の範囲内であることは理解されるであろう。例えば、触媒が示す熱安定性に応じて、蒸留装置810と蒸留装置820を組み合わせて単一の蒸留装置にすることも可能であり、その中でBNが豊富な流れを上部流れとして取り出し、PNが豊富な流れを測流として取り出しそして触媒が豊富な流れを下部流れとして取り出す。
挿入することも可能である。また、1番目の反応ゾーンから出て来た流出物の蒸留で用いる装置と共用することも可能である。例えば、2番目の反応ゾーン(Z2)から出て来た流出物の蒸留で得た流れ(3PNおよび2M3BNが入っている)を1番目の反応ゾーン(Z1)から出て来た流出物の蒸留で用いる蒸留装置、例えば蒸留装置830などに送り込むことで3PNが豊富な流れと2M3BNが豊富な流れを得ることも可能である。
実施例1では、1番目(Z1)および2番目(Z2)のゾーンの触媒に残存しているルイス酸の濃度が高い。この触媒に入っているルイス酸の物理的状態は危機的であるようには見えず、溶液の状態の触媒または飛沫同伴によって存在している可能性がある。そのルイス酸の存在は1番目の反応ゾーン(Z1)内で起こる1,3−ブタジエンからMGNへの変換率が高くなったことと相互に関係していることが観察される。このように最初に1,3−ブタジエンがMGNに変化すると結果としてADNの収率が失われる。
実施例3では、単座配位子がZ1/Z2触媒ループに入りそして二座配位子がZ3触媒ループに入ることでZ1とZ2の触媒ループが1番目の触媒回収セクションを共用しそしてZ3の触媒ループが専用の2番目の触媒回収システムを有するようにある程度隔離された触媒回収システムを例示する。この実施例3では、Z1/Z2触媒回収セクションとZ3触媒回収セクションを分けることで、Z1/Zの単座配位子がZ3の二座配位子に流れ込む度合を最小限にしかつZ3の二座配位子およびルイス酸がZ1/Z2の単座配位子に流れ込む度合を最小限にする。
実施例2に比べて、単座配位子を代わりに用いていることに加えてZ1/Z2触媒回収セクションをZ3触媒回収セクションから隔離していることで、1番目の反応ゾーン(Z1)に1回通す毎に生じるC9モノニトリルの生成量が1,3−ブタジエン供給材料を基準にして約0.3%低くなる。このC9モノニトリルは3番目の反応ゾーン(Z3)内で容易にC10ジニトリル(またデセンジニトリルまたはDDNとも呼ぶ)に変化し、生じたままのADNの品質を低下させかつ結果として1,3−ブタジエンを基にしたADN収率の損失をもたらす。
るからである。
以下の実施例4から7では、TBCを1,3−ブタジエンから除去する方法を例示する。1番目の反応ゾーン(Z1)に送り込む1,3−ブタジエン供給材料からTBCを除去しておくとZ1に存在させるホスファイト配位子とTBCの反応によって生じる好ましくない副生成物の生成量が低下する。
実施例4では、3種類の商業的1,3−ブタジエン供給材料を個別かつ逐次的に1番目の反応ゾーン(Z1)に仕込む。この3種類の商業的1,3−ブタジエン供給材料に入っているTBC(t−ブチルカテコール)の量は50、100および500ppmである。比較の目的で、TBC含有量が50ppmの供給材料を適切な吸着剤、例えば活性炭または活性アルミナなどに接触させることでTBCの実質的に全部を1,3−ブタジエン供給材料から抽出することで比較実施例4用の供給材料を生じさせたが、これのTBC含有量は約1ppm(重量)未満である。この実施例4では通常の当業者に公知の如き適切な如何なる吸着剤も使用可能である。
実施例5では、TBCを1,3−ブタジエン供給材料から除去するための2つの方法の中の1番目を例示する。
1,3−ブタジエンに瞬間蒸発を受けさせた後、それを向流気体−液体接触装置の下方入り口に仕込む一方、NaOH水溶液を前記接触装置の上部に液体分配装置に通して仕込む。次に、その精製しておいた湿った状態の1,3−ブタジエン塔頂流れを多床モレキュラーシーブ乾燥装置(選択的吸着と再生が起こるように管と弁を平行に取り付けておいた)に仕込む。無水窒素または無水フレアガスを前記再生用モレキュラーシーブ床の中に逆方向に仕込む。その乾燥と苛性による洗浄を受けた1,3−ブタジエンが含有するTBCの量は約5ppm未満である。
液状の1,3−ブタジエンをDiazの米国特許第4,547,619号に教示されているように活性炭吸着剤を入れておいた2個の吸着床の1番目に仕込む。実施例6のモレキュラーシーブ乾燥装置に関して記述したように、その活性炭吸着床に管と弁を平行に取り付けることで選択的吸着と再生が起こるようにする。必要に応じて、非酸化性ガス、例えば窒素または過熱蒸気を加熱するか或は吸着床の中に通すことで吸着剤床を選択的に再生させる。商業的に販売されている1,3−ブタジエンを前記吸着剤床に通す時の流量を調節することで精製された1,3−ブタジエン中間生成物流れのTBC含有量が約5ppm未満になるようにする。
実施例2および3を繰り返しそしてVCHの生成量を監視する。VCHは1番目の反応ゾーン(Z1)の好ましくない副生成物である。VCHは1,3−ブタジエンから生じる環式二量体生成物であり、従ってアジポニトリルの収率損失に相当する。通常の連続運転中に、実施例2の1番目の反応ゾーン(Z1)の粗反応生成物のVCH含有量を測定しそして実施例3の1番目の反応ゾーン(Z1)の粗反応生成物のVCH含有量と比較する。実施例2の粗ペンテンニトリル生成物流れに入っているVCH生成量は実施例3のそれより約1%高い。
装置開始および装置休止中に実施例8を繰り返す。装置開始および休止中には1,3−ブタジエンの再循環量を多くする、と言うのは、ある程度ではあるが、1回通す毎の変換率が低くなりかつまた装置の操作を安定化させることを意図するからである。VCH生成量は1番目の反応ゾーンの触媒と1,3−ブタジエンの接触時間の関数として増加し、実施例3(Z1およびZ2内に単座配位子、Z3内に二座配位子)の処理形態におけるVCH生成量は一貫して実施例2の形態(Z1、Z2およびZ3反応ゾーン全部の中に二座配位子)のそれよりも低い。
この実施例10では、C9モノニトリルが一体式触媒回収/再生ループ内に蓄積することを例示する。実施例1を繰り返しそしてC9モノニトリルの濃度を1番目の反応ゾーン
(Z1)の出口の所で測定する。濃度は実験中に変動し、反応ゾーン流出物総量を基準にして約1000ppmから約10,000の範囲である。実施例1の一体式触媒精製システムを用いると、C9モノニトリルが触媒ループ内に蓄積する。触媒ループ内に蓄積するC9モノニトリルの濃度が増すにつれて、そのC9モノニトリルは少なくともある程度であるが3番目の反応ゾーン(Z3)に送り込む3−ペンテンニトリルが豊富な供給材料の中に移動し、その中でそれらは容易にDDNに変化することで、生じたままの粗ジニトリル生成物の品質が低下する。
実施例3を繰り返す。
実施例3を繰り返す。
物中のC9モノニトリルの濃度が1500ppm未満、例えば1000ppm未満、500ppm未満または100ppm未満になるように調整する。
実施例12を繰り返す。
実施例2および3を繰り返すことで、1番目の反応ゾーン(Z1)で生じるC9モノニトリルの総生成量を測定する。
この実施例15では3番目の反応ゾーン(Z3)に送り込む供給材料に入っているC9モノニトリルの濃度を低くする別の任意選択を例示する。
この実施例16では実施例13を繰り返す。
この実施例17では、t−ブチルカテコール(TBC)がこの開示する方法で示す挙動を例示する。
Cは1番目の反応ゾーン(Z1)内で配位子と反応を起こすことで、ニッケルと錯体を形成するTBC副生成物および触媒配位子と反応するTBC副生成物が生じる。そのようなニッケル含有錯体は1番目の触媒のニッケル−配位子錯体に比べて触媒活性が低いと思われる。1番目の反応ゾーン(Z1)内で起こるTBC反応の反応性TBC副生成物には更にフェノールおよびクレゾールの如き化合物も含まれ、それらは3番目の反応ゾーン(Z3)内で触媒配位子と更に反応する可能性がある。そのような反応性TBC副生成物と触媒配位子の反応が3番目の反応ゾーン(Z3)内で起こると新しいニッケル含有錯体が生じる点で同様な問題が引き起こされる。そのような新しく生じたニッケル含有錯体が示す触媒活性は3番目の触媒のニッケル−配位子錯体のそれよりも低い。以下に記述するように、反応性TBC副生成物の一部が液体/液体抽出セクションのラフィネート相に入り込まないようにすることでそれを工程から除去する。
実施例2を繰り返す。1番目、2番目および3番目の反応ゾーン(Z1、Z2およびZ3)内の触媒は二座ホスファイト配位子を含有する。
実施例3を繰り返す。1番目と2番目の反応ゾーン(Z1およびZ2)内の触媒は単座ホスファイト配位子を含有しそして3番目の反応ゾーン(Z3)内の触媒は二座ホスファイト配位子を含有する。
実施例3を繰り返す。1番目の反応ゾーンの粗生成物には主にペンテンニトリルおよび未反応の1,3−ブタジエンが入っているが、またジニトリル(アジポニトリル(ADN)およびメチルグルタロニトリル(MGN)を包含)も少量入っている。
Z2)または1番目と2番目両方の反応ゾーン(Z1およびZ2)に再循環させる。
3番目の反応ゾーンZ3に由来するZnCl2(ルイス酸)を1番目の反応ゾーン(Z1)に戻して仕込む以外は実施例3を繰り返す。前記1番目の反応ゾーン(Z1)から出て来た粗生成物をジニトリル含有量に関して連続的に監視する。3番目の反応ゾーンに由来するルイス酸を1番目の反応ゾーンに1番目の反応ゾーンに仕込む総触媒を基準にした亜鉛の濃度が約100ppmになるように制御弁をある程度開けることで戻して仕込んでから数分後に前記制御弁を更に開放して1番目の反応ゾーンへの亜鉛仕込み量を多くして約500ppmにする。亜鉛の量が100ppmの時の粗生成物に入っているMGNの量は約0.5重量%である。ルイス酸仕込み量を500ppmにまで高くすると1番目の反応ゾーン(Z1)の粗生成物に含まれるMGN生成量が約1.0重量%まで高くなる。
実施例1を繰り返す。共用触媒抽出システムから出て来たシクロヘキサン抽出物にZnに関する分析をWalterの米国特許第3,778,809号に教示されているようにして受けさせる。
この実施例23はペンテンニトリルを製造する工程である。
実施例23を繰り返す。
実施例23および24を繰り返す。
実施例23から25を繰り返す。
実施例23から26を繰り返す。
実施例23から27を繰り返す。
実施例23から28を繰り返す。
実施例29を繰り返す。
実施例23から30を繰り返す。
、±7%、±8%、±9%または±10%を包含し得る。加うるに、語句「約‘x’から‘y’」は「約‘x’から約‘y’」を包含する。
Claims (18)
- アジポニトリルの製造方法であって、
(a)1番目の反応ゾーン内で1,3−ブタジエン(BD)とシアン化水素(HCN)を含有して成る混合物の反応をゼロ価Niと1番目の燐含有配位子を含有して成る1番目の触媒の存在下で起こさせることで3−ペンテンニトリル(3PN)と2−メチル−3−ブテンニトリル(2M3BN)を含有して成る反応生成物を生じさせ、
(b)段階(a)の2M3BNの少なくとも一部に異性化を2番目の反応ゾーン内でゼロ価Niと2番目の燐含有配位子を含有して成る2番目の触媒の存在下で受けさせることで3PNを含有して成る反応生成物を生じさせ、そして
(c)3番目の反応ゾーン内で段階(b)で得た3PNとシアン化水素(HCN)を含有して成る混合物の反応をゼロ価Niと3番目の燐含有配位子を含有して成る3番目の触媒の存在下およびルイス酸助触媒の存在下で起こさせることでアジポニトリルを含有して成る反応生成物を生じさせる、
段階を含んで成り、かつ
触媒を前記1番目、2番目および3番目の反応ゾーンの中に反応体および生成物と一緒に流し、
段階(a)の反応生成物が更にアジポニトリル(ADN)およびメチルグルタロニトリル(MGN)を包含するジニトリルも含有して成り、
前記1番目の反応ゾーンから流れ出る触媒の少なくとも一部を1つ以上の蒸留段階で濃縮しそして少なくとも1つの触媒再循環流れとして前記1番目の反応ゾーンに再循環させ、前記触媒再循環流れの一部と1番目の抽出用溶媒の接触を1番目の液体/液体抽出段階で起こさせることで溶媒相とラフィネート相を生じさせ、
前記1番目の液体/液体抽出段階で前記3番目の触媒が前記抽出用溶媒と接触しないようにし、
前記1番目の液体/液体抽出段階が前記触媒再循環流れの一部、1番目の抽出用溶媒流れおよびアジポニトリル(ADN)を包含するジニトリル再循環流れを1番目の液体/液体抽出ゾーンに導入することを含んで成り、
前記1番目の液体/液体抽出段階が更に前記1番目の液体/液体抽出ゾーン内の液体を分離させて1番目の抽出用溶媒および触媒を含有して成る1番目の溶媒相とアジポニトリル(ADN)、メチルグルタロニトリル(MGN)、沸点がアジポニトリル(ADN)のそれよりも高い化合物および沸点がメチルグルタロニトリル(MGN)のそれよりも低い化合物を含有して成る1番目のラフィネート相を生じさせることを含んで成り、
前記液体/液体抽出段階で得た前記溶媒相に由来する触媒を前記1番目の反応ゾーンまたは前記2番目の反応ゾーンまたは前記1番目と2番目両方の反応ゾーンに再循環させ、
前記1番目のラフィネート相に蒸留を1つ以上の蒸留段階で受けさせることでアジポニトリル(ADN)およびメチルグルタロニトリル(MGN)を沸点がアジポニトリル(ADN)のそれよりも高い化合物および沸点がメチルグルタロニトリル(MGN)のそれよりも低い化合物から分離することで1番目の精製ジニトリル流れを得、
前記1番目の精製ジニトリル流れにさらなる蒸留を受けさせることでメチルグルタロニトリル(MGN)を前記1番目の精製ジニトリル流れから除去することでアジポニトリルが豊富に存在する2番目の精製ジニトリル流れを得、そして
前記2番目の精製ジニトリル流れの少なくとも一部を前記液体/液体抽出段階に再循環させる、
ことを含んで成る方法。 - 前記沸点がアジポニトリル(ADN)のそれよりも高い化合物に触媒分解生成物が含まれる請求項1記載の化合物。
- 前記触媒分解生成物にNi(CN)2およびホスフェート配位子から成る群より選択さ
れる少なくとも1種の化合物が含まれる請求項2記載の方法。 - 前記沸点がメチルグルタロニトリル(MGN)のそれよりも低い化合物に前記抽出用溶媒および3PNおよび2M3BNから成る群より選択される少なくとも1種のペンテンニトリルが含まれる請求項1記載の方法。
- 前記1番目の燐含有配位子が単座燐含有配位子でありそして前記3番目の燐含有配位子が二座燐含有配位子である請求項1記載の方法。
- 前記1番目の燐含有配位子と前記2番目の燐含有配位子が同じである請求項5記載の方法。
- 段階(a)で得た反応生成物流れに蒸留を受けさせることで未反応の1,3−ブタジエンを除去しかつ1,3−ブタジエンが除去された反応生成物流れを生じさせ、
前記1,3−ブタジエンが除去された反応生成物流れを供給材料入り口、上部流れ出口、下部流れ出口および精留セクションが備わっている蒸留カラムに導入し、
前記精留セクションが前記供給材料入り口と前記上部流れ出口の間に備わっており、
前記精留セクションが分離段階を少なくとも1段含有して成り、
ペンテンニトリルが豊富な流れを前記上部流れ出口から取り出し、
前記触媒再循環流れを前記下部流れ出口から取り出し、そして
前記触媒再循環流れが含有するペンテンニトリルの量が少なくとも5重量%である、
請求項1記載の方法。 - 前記蒸留カラムに更に側流れ出口も備わっており、
前記精留セクションが分離段階を少なくとも2段含有して成り、
前記精留セクションが更に液体収集装置も含有して成り、
液体が前記液体収集装置の中に集められそして前記側流れ出口を通ることで側流れの流れが生じ、
前記側流れの流れにメチルグルタロニトリル(MGN)が入っており、そして
前記側流れの流れを供給材料として前記1番目の液体/液体抽出段階に送り込む、
請求項7記載の方法。 - 2つの個別の液体/液体抽出段階を含んで成り、
1番目の液体/液体抽出段階を前記1番目の触媒に抽出を受けさせる目的で用いるが、前記3番目の触媒に抽出を受けさせる目的では用いず、そして別の液体/液体抽出段階を前記3番目の触媒に抽出を受けさせる目的で用いるが、前記1番目の触媒に抽出を受けさせる目的では用いない、
請求項1記載の方法。 - 前記別の液体/液体抽出段階が反応生成物および前記段階(c)で用いた3番目の触媒を前記1番目の液体/液体抽出段階で用いた抽出用溶媒とは異なる抽出用溶媒と接触させることで前記3番目の触媒を含有して成る溶媒相と段階(c)で生じたアジポニトリル生成物を含有して成るラフィネート相を生じさせることを含んで成り、
前記別の液体/液体抽出段階で得た溶媒相に由来する触媒を前記3番目の反応ゾーンに再循環させるが、前記1番目の反応ゾーンにも前記2番目の反応ゾーンにも前記1番目と2番目両方の反応ゾーンにも再循環させず、そして
段階(c)で得たアジポニトリル生成物が入っている前記ラフィネート相に蒸留を1つ以上の蒸留段階で受けさせることで精製されたアジポニトリル生成物流れを回収する、
請求項9記載の方法。 - 前記精製されたアジポニトリル生成物流れの一部を前記1番目の触媒に抽出を受けさせる目的で用いる前記1番目の液体/液体抽出段階に再循環させるが、前記3番目の触媒に抽出を受けさせる目的で用いる前記別の液体/液体抽出段階には再循環させない請求項10記載の方法。
- 前記精製されたアジポニトリル生成物流れのいずれも前記1番目の液体/液体抽出段階に再循環させない請求項10記載の方法。
- 前記1番目の液体/液体抽出段階で得たラフィネートおよび前記別の液体/液体抽出段階で得たラフィネートに蒸留を同じまたは異なる蒸留装置内で受けさせる請求項10記載の方法。
- 前記1番目の触媒に抽出を受けさせる目的で用いる前記1番目の液体/液体抽出段階から出て来たラフィネート流れまたは前記3番目の触媒に抽出を受けさせる目的で用いる前記別の液体/液体抽出段階から出て来たラフィネート流れまたは両方のラフィネート流れに蒸留を受けさせることで抽出用溶媒を除去しかつ抽出用溶媒が除去されたラフィネート流れを得、
前記抽出用溶媒が除去されたラフィネート流れに蒸留を受けさせることでペンテンニトリルを除去しかつペンテンニトリルが除去されたラフィネート流れを得、
前記ペンテンニトリルが除去されたラフィネート流れに蒸留をジニトリルカラム内で受けさせて触媒分解生成物を除去することでMGNが豊富に存在する1番目のジニトリル流れとアジポニトリルが豊富に存在する2番目のジニトリル流れを得、
前記ジニトリルカラムに供給材料入り口、上部流れ出口、側流れ出口および下部流れ出口が備わっており、
触媒分解生成物を前記ジニトリルカラムの前記下部流れ出口に通して取り出し、
アジポニトリルを前記ジニトリルカラムの前記側流れ出口に通して取り出し、そして
MGNおよび沸点がより低い化合物を前記ジニトリルカラムの前記上部流れ出口に通して取り出す、
請求項13記載の方法。 - 前記1番目の触媒に抽出を受けさせる目的で用いる前記1番目の液体/液体抽出段階から出て来たラフィネート流れに蒸留を受けさせることで抽出用溶媒を除去しかつ抽出用溶媒が除去されたラフィネート流れを得、
前記抽出用溶媒が除去されたラフィネート流れに蒸留を受けさせることでペンテンニトリルを除去しかつペンテンニトリルが除去されたラフィネート流れを得、
前記ペンテンニトリルが除去されたラフィネート流れに蒸留をジニトリルカラム内で受けさせて触媒分解生成物を除去することでMGNが豊富に存在する1番目のジニトリル流れとアジポニトリルが豊富に存在する2番目のジニトリル流れを得、
前記ジニトリルカラムに供給材料入り口、上部流れ出口、側流れ出口および下部流れ出口が備わっており、
触媒分解生成物を前記ジニトリルカラムの前記下部流れ出口に通して取り出し、
アジポニトリルを前記ジニトリルカラムの前記側流れ出口に通して取り出し、そして
MGNおよび沸点がより低い化合物を前記ジニトリルカラムの前記上部流れ出口に通して取り出し、そして
前記ジニトリルカラムの前記側流れ出口から出て来たアジポニトリルを前記1番目の液体/液体抽出装置に再循環させる、
請求項13記載の方法。 - 前記1番目の液体/液体抽出ゾーンから出て来たラフィネートおよび前記別の液体/液体抽出ゾーンから出て来たラフィネートに蒸留を別々の蒸留装置内で受けさせる請求項1
4記載の方法。 - 前記ジニトリルカラムの前記下部流れ出口に通して取り出した前記触媒分解生成物にアジポニトリルが入っており、そして
前記ジニトリルカラムの前記下部流れ出口に通して取り出した前記触媒分解生成物をワイプトフィルム蒸発装置(WFE)に送り込むことで前記ジニトリルカラムの前記下部流れ出口に通して取り出した前記触媒分解生成物からアジポニトリルを分離回収する、
請求項16記載の方法。 - 同じワイプトフィルム蒸発装置(WFE)を用いて前記1番目の液体/液体抽出ゾーンから出て来たラフィネート流れおよび前記別の液体/液体抽出ゾーンから出て来たラフィネート流れの両方から分離した触媒分解生成物からアジポニトリルを回収する請求項17記載の方法。
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