JP2013529772A - 低コスト電極チップの変化形と多検体分析の手法、および陰極電子発光に基づいたリファレンス - Google Patents

低コスト電極チップの変化形と多検体分析の手法、および陰極電子発光に基づいたリファレンス Download PDF

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Abstract

本発明は、ホットエレクトロンに誘発される電気化学発光(HECL)および電子発光(EL)方式で使用される電極チップ(Eチップ)のカートリッジ機器、またとりわけ中央のラボ以外の場所や短時間でのスクリーニングテストといった場合における標識分子の電気的励起と、それに続く生物親和性分析での被分析物濃度を計量するための測定に基づいた機器類に関連するものである。

Description

この発明は、電子発光現象を利用した分析方法および装置に関するものである。本発明は、ポイント・オブ・ケア・テスト(患者の身辺での検査)などのポイント・オブ・ニード型の分析にとりわけ適しているだけでなく、短時間で行われるスクリーニング検査にも適している。
発明の背景
今日、高速で高感度な定量的診断技術が広く必要とされている。そのような診断技術は、公衆衛生、研究、農業、環境への配慮、獣医学、および特定の工業生産の分野を含む、幅広い市場分野に適している。診断技術として完成された、向上した感度、速度、ロバスト性、安定性、低い分析コストは、多くの新分野へ応用可能であろう。
特定の診断機器を使用すれば非常に高い感度を得ることが可能ではあるが、そのような機器はあまりに高価である。その一方で、イムノクロマト法などに代表されるある種の手法は安価ではあるが、市場のニーズの全てに応えることができない。こうした種々の要求を満たすことのできる技術は、将来の診断に重要な位置を占めるようになり、また巨大な市場可能性を持つことになるであろう。
実際の診断において使用される分析には様々な種類がある。例えば、放射能に基づく試験法、比色分析、蛍光測定、および電子発光(EL)を含む化学発光などである。ここでは、ELを電気的に誘発されたあらゆる発光と考える。従って、電子発光は、陽極およびホットエレクトロン誘起(陰極)電気化学発光(ECL)の両方を含むと考えられる。ホットエレクトロン誘起ECL(HECL)については、米国特許第6251690号において、S.クルマラらが詳述している。上に述べた様々な測定法は、感度、ロバスト性、安定性、速度、および価格といった特性においてそれぞれ異なる役割を果たしている。これらの技法の違いは、それらのもつ物理的制約や逆にその利点などを反映しているものである。例えば、放射性化合物を使用した測定法の欠点は、時間とともに崩壊する標識、そして安全性と環境面の両方の観点から見た放射性廃棄物にかかる余計なコストである。最も慎重を要する測定法の応用は、その技法や使用機器の複雑さによって限られてくるため、専門家のみが測定を行うことができる。ある分析法の複雑さは、一般に機器の価格か試験法のいずれか、あるいはその両方に比例している。機器の複雑さと言えば、陽極電気化学発光技術の人気がますます高まっていることに触れておくべきであろう。これに用いられる機器は複雑な実験用ロボットで、その操作には専門知識を必要とし、また測定プロセスでは頻繁な洗浄および調製手順を実行する必要があるため、こうした機器を用いることは廃棄物だけでなく分析のコストを増大させる要因となっており、したがって小さな研究所や診療所での試験(臨床、あるいはポイント・オブ・ケア・テスト)に使用することは不可能である。
商業的に有益な技法は、いわゆる標識化合物によって分析する物質の識別および測定を行うという原則に基づいている。免疫化学分析に見られるような、生体分子のユニークな特性に基づいた測定では、測定すべき検体(X)は、分子の混合物から固相結合した抗体へと選択的に吸着されることができ、次いで結合した分子は、(X)に選択的に結合する他の標識抗体とともに測定される。標識物質として使われるのは、抗体に共有結合した放射性同位体、酵素、光吸収性、蛍光性または燐光性の分子、特定の金属キレートなどである。あるいはまた、精製された(X)に標識し、標識の付いていない未知の標本(X)の量を競争反応により測定することもできる。DNAとRNAの分析もまた選択的結合(生体親和性)に基づいて行うことができる。他にも多くの測定法でコストの削減や測定精度の向上が実現可能であるが、現在の傾向としては、一つのサンプル内で同時に複数の異なるパラメータを測定するというものがある。そのような測定方法の一つの可能性として、異なる波長で蛍光あるいは燐光を示す、あるいは異なる発光寿命を有する複数の標識の使用が挙げられる。免疫診断に使用される測定原理と戦略については、次に挙げる文献に詳しい。
免疫学的検定ハンドブック、デイヴィッド・ワイルド編、ストックトンプレス社出版 ニューヨーク、1994年、1から618ページ。
標識物質として有機物と金属キレートが有益であること、またそれらに特有の発光を生じさせるために光によって、時には電気化学的に励起させることができることは先行技術で知られている。これらの方法は、特に高感度であり、多くの種類の生体親和性分析によく適している。しかしながら、測定濃度が非常に低いので、測定の難易度はそれぞれのケースに依存するところもある。蛍光の使用はとりわけチンダル, レイリー、ラマン効果によって妨害されることがある。生物学的物質の測定時には、ほぼ例外なく、励起パルスの後に急速に放電する高いバックグラウンド蛍光が見られる。溶液相における燐光が使用できるのは、ランタニドイオンおよび特別に合成された有機分子間とのキレートにほぼ限られる。光ルミネセンス標識を用いた励起手法の障害は、機器の複雑さと精密光学部品の高価さである。
一般に、ECLの利点は、低価格の電気励起コンポーネントとより単純な光学部品である。光ルミネセンス法に比較すると、いくつかの欠点を回避することが可能である。不活性金属電極を用いた、伝統的な陽極電気化学発光は、比較的単純な器具で、有機発光団を用いて非水性溶剤中で行うことができる。しかし、商業的な期待が最も寄せられている生物親和性試験法においては、水溶液が使用される。生物学的サンプルはほぼ常に非有機的な溶液で取られているため、測定システムは水性、または少なくともミセル水溶液中で動作するべきである。ごく限られた数の遷移金属キレートだけが、水またはミセル溶液中で陽 極ECLの中のECL標識としての機能を果たす。
これまでになされた陽極ECLの商業的に最も重要な分析化学的応用は、ミセル相で標識が検出される(訳者注:原文の文字化けにより数語不明)のキレート誘導体(同じく一語不明)である。教科書にもあるように、ミセル平衡の制御不能な複雑さのため、ミセル混合物は常に別の効果の影響を受けやすい状態にある。同様のシステムが、キャピラリー電気泳動システムの非常に小さな検出セルで使用可能である(A.オーロラら、アナリティカル・コミュニケーションズ第34号(1997)303から395ページまで。)。
ミセルに依存しないHECLには、陽極ECLに比べて多くの重要な利点がある。免疫およびDNAハイブリダイゼーション法の両方に適用することができるのである。(G. ブラックバーンら、1991年、クリニカル・ケミストリー、第37号1534から1539ページ;J.ケンテンら、1992年、クリニカル・ケミストリー、第33号873から879ページ参照)。ロシュ・ダイアグノスティックス社による免疫学的検定とDNAまたはRNAプローブの応用は、磁性粒子を使用し、標識物質を金作用電極に捕捉させた(マッシー;J.リチャードら、米国特許第5746974号; リーランド;ジョナサンK.ら、米国特許第5705402号)。しかしながら、磁性ラテックス粒子の再現可能な処理は多くの意味で困難であるため、この方法の有益性は、複雑かつ精密な液体ハンドリングシステムを備えた高価な実験用ロボット(例:Elecsys 1010および2010)で使用する場合のみに限られる。加えて、巨大かつ恒久的な金作用電極は、分析毎に長時間のクリーニングと前処理を必要とする(Elecsysサービスマニュアル、p70)。
HECLは多くの点で優れているが、生物親和性分析におけるHECLの欠点は、分析精度を最適化するのに必要である反応分子の均衡状態を得るために、長いインキュベーション時間が必要なことである。後に、作用電極上に薄い多孔質膜を配置することにより、またCIPFデバイス(=Conductor/Insulator/Porous Film-Device、導体/絶縁体/多孔質膜デバイス、US 2009178924(Al)、アラ‐クレムら)を生成することによりパフォーマンスの大幅な改善が得られることが分かった。
従来の電気化学において、電極は時により同一平面上に統合されるが、理論的に言えばホットエレクトロンによる電気化学を使用する場合にはこれは機能しない。なぜならHECLは対極に最も近い作用電極(カソード)の外側の端にのみ放出されるべきであるからである。しかしながら、私達は試験中に、多量の電解質溶液が入った電解槽内において、HECLが何らかの理由で全体の作用電極表面上に均等に放出されることを発見した。たとえ対向電極が、通常ガラスやセラミックス、有機ポリマーのような絶縁材料で作られている電極チップ(集積電極チップ、IEチップ)と同一平面上に位置している場合であってもである。
ラブマスター株式会社(トゥルク、フィンランド)は、ほぼ10年間、彼らの診断ストリップを使用しているが、彼らが開発したソリューションは、プラスチックに埋め込まれ酸化物で被覆された1つのシリコンと、生物親和性分析のためのサンプルや試薬の入力に不可欠な多目的膜から成る比較的単純な装置である (US 2009178924、アラ‐クレムら)。こうしたテストストリップの主要な欠点は、すべての測定が、キャリーオーバーと測定器に組み込まれた対向電極の劣化を避けるために各測定毎に非常に慎重な洗浄が要求される測定器のセル内で行われるということである。
最近では、非常に正確で再現性のある電極を備え、従って実際の分析で非常に精度の高い結果を提供する使い捨てカートリッジを構築する方法が我々によって開示された(FI 20100246、S. クルマラら;FI 20100251、S. クルマラら;FI 20100253、S. クルマラら)。こうした発明は、HECL検出に使用される、一対の陽極と陰極を同一平面上に含む一体型電極チップ(IE Chips)か、カーボンペーストで作られ、ランタニドキレート標識のELを喚起するのに使用される任意の極性の電極対を含む電極/電極チップ(EE Chips)の使用に基礎を置いている。IEChipsとEEChipsは、免疫分析またはDNAプローブに使用されるカートリッジのような、使い捨ての生物親和性カートリッジに主に使用されている。以後、これらのチップを電極チップ(E chip)と総称する。
かなり早い時期から、光学的に透明な作用電極、また光学的に透明な対向電極をHECLに使用すれば(M. ハカンソンら、アナリティカ・シミカ・アクタ第541号(2005)137から141ページ)、2つの検体が特定できることが私達には分かっていた。しかしながら、一台の機器に二つのフォトン計数検出器を備えるのはあまりに高価に付き、はるかに優れたソリューション、すなわち一つの光検出ユニットしか必要としない電解セルが発明されている場合はなおさらである。最近の発明の問題は、単一の光検出器を使用した場合、ただ一つの検体(FI 20100246、S.クルマラら、FI 20100251、S.クルマラら)や、二つの検体(FI 20100253、S.クルマラら)しか決定できないということである。本発明は、どのように新しい多目的電極チップが作成されるか、さらに多検体であれ単一検体であれ、その特定にあたり内標準法又は標準添加法、あるいは以下に挙げる出願特許に基づく他のTmeto(訳者注:文字化け?)リファレンスを使用した分析にこの電極チップがどのように使用されるかを開示するものである。 それらの出願特許が本発明の新規性を妨げると考えられる場合のために、以下に挙げる。FI 20100246、S.クルマラら; FI 20100251、S.クルマラら;またはFI 20100253、S.クルマラら。
本発明によれば、多目的に使用できる電極チップの構築が可能であり、また特許請求1−10に記載するように、電極チップを含む使い捨てHECLとELカートリッジを利用してCIPFデバイスの使用を大幅に改善することもできる(US2009178924(Al)、アラ‐クレムら)。
図I(a) 円形の絶縁支持材とそれに取り付けられた電極から成る電極チップ。(1)円形基板(2)対極(3)作用電極(4)疎水性、またはセルを封印する粘着テープ(5)。(b)ディスクやプレートから矩形に切り取られた電極チップ、上図と同じ番号。(c)導体パッドが一方の端に集められている電極チップ、上図と同じ番号(時には、図I (c)に示すよりも、測定器の電子導体パッドにかなり長い導体膜を必要とする電極パッドが有用な場合がある)。(d)電極領域のための凹面ミラー形状を持つ電極チップ(e)チップを通して電子的接触を行う尖った電極を用いた凹面ミラー形状の電極チップ(f)チップとカバーを通して接触し、集光した光を検出器の感光部分の中心に向けるレンズの役目を果たす複数の電極を持つチップ(1)基板(2)チップを介した作用電極(3)チップ中央の対電極(4)レンズの形をしたPDMSカバー(5)アバランシェフォトダイオードまたは光電子増倍管のような光検出器
図2 電極チップ上でのhTSH試験における標準添加法。
図3 シリコン作用電極の付いた電極チップ上での二重免疫学的検定
図4 シリコン作用電極の付いた電極チップ上での二重免疫学的検定
図5 スクリーニングに使用される20ポジションの電極チップ(a)側面図(b)俯瞰図
(1)絶縁体または導体支持材(2)支持材の上に接着された、真空蒸着またはスパッタされたアルミニウム膜またはアルミニウム箔(3)印刷や、適切な場所に穴を開けた接絶縁性の接着テープにより作られた絶縁膜(ca.300 nmより厚い)(4)チップ側面に導体パッドを付けた作用電極の空洞周囲に巻かれた厚い絶縁膜上の銀インクの上のカーボンペースト電極(5)作用電極と、むき出しの作用電極の周りの対電極の両方を残して、サンプルの空洞の最終的なサイズを決定する厚いポリマー層。例:2番目の粘着テープ、印刷されたポリマー層または電極チップの上に取り付けられたPDMSチップ。
図6 アルミニウム箔作用電極に基づく20ポジションの電極チップを使用した免疫学的検定
図7 毛管充填式PDMS室の付いたシリコンベースの4ポジション電極チップカートリッジ(1)シリコンチップ、(2)厚いフィールド酸化膜(灰色の部分)、(3)作用電極領域上の極薄4-nmの酸化膜(明るい灰色の部分)、(4)コンタクトパッドとフィールド酸化膜(黒)の上に作られた導体パッドを備えた対電極、(5)離れた対電極に電子的接触を行うためチップの隅を開けたままにしてあるPDMSカバー(6)試料室へつながる入口マイクロチャネル(試料室一つにつき一つずつ)(7)空気出口マイクロチャネル(3つのうち一つだけが描画されている)。
図8 シリコンベースの4ポジション電極チップカートリッジを使用した標準添加法。
発明の詳細
本発明によれば、免疫学的検定あるいはDNAハイブリダイゼーションが直接または多孔質膜を使用して電極チップの表面で行われる場合、単純かつ低価格な機器を使ってより複雑な機器を使用した場合と同様に、異なる分析を行うことができる。従って、従来の機器を使用しても大幅な改善が可能であり、複数の検体が一度の試験で決定できる。また、内標準法、とりわけ標準添加法が応用できる。それでも(訳者注:文字化けのため原文数語読解不可能)カートリッジはポイント・オブ・ニード分析には十分に安価であり、完全な使い捨て製品として製造可能である。よって分析毎のキャリーオーバーもなくなり、独立した作用電極がない場合は使い捨ての分析用カートリッジの製造がさらに容易になる。また対電極も従前のようにカートリッジに導入する必要がなくなる。
今回の発明では、複数の製造デザインを提案している。まず、全ての電極は真空蒸着かスパッタリングといった一段階の手順で、プラスチック、ガラス、セラミックスのような大きな絶縁基板上にマスクを使って製造される。最後に陽極として選択された電極が、スクリーンプリントやインクジェットといった手法を用いカーボンペーストでコーティングされ、基盤がチップ形状にダイシングされる。真空蒸着かスパッタリングを2段階、3段階の手順を踏んで行うことも可能である。ある種の基盤に関しては、接着剤層としてクロムで始めの層を形成したのちに作用電極や対電極をクロム層に加えてもよい。特定の目的のために、クロムを直接対電極として適用することもできる。そのような場合には、通常の空気圧を真空槽にかけることなく真空槽内に別のマスクを追加することができれば最も都合がよいのだが、析出にかかる時間が問題とならなければ、対電極領域を覆う(が作用電極を覆わない)2つ目のマスクを手で追加し、アルミまたは高濃度でドープされたシリコンを作用電極領域に追加する。こうして最終的にシリコンかアルミニウムから成る作用電極膜とクロムからなる対電極が得られる。クロムが対電極の材料として十分と見なされない場合は、クロムをカーボンペーストの薄膜で被覆することが可能である。また別の方法として、製造の第3段階でマスクを3つ目のマスクと交換し、対電極領域だけをオープンに残し、白金の薄膜を追加する。この場合、アルミニウムかシリコン製の作用電極と白金の対電極(単一あるいは複数の)が得られる。
アルミ電極は酸素雰囲気下で、あるいは単に大気中で酸化させれば十分であるためこれを使用するのが最も簡便である。また電極チップは、生体材料でコーティングしたり、あるいは直接プラスチックやポリマー製のカートリッジに取付けるためにセル面積を疎水的に保護するため、疎水性材料で被覆するとよい。
シリコン製の作用電極の場合、まず表面を短時間のプラズマ酸化か化学的酸化のいずれか、あるいはより不便な方法を選ぶならば、シリコンの陽極酸化中に陰極として製造された最終的な陽極を用いた陽極酸化で酸化させなければならない。また、シリコンは陽極パルスでのHECL測定中にその場で陽極酸化させることもできる。
場合によっては、基板上にクロム膜を作った後の最善の解決策は、アルミニウムか高濃度にドープされたシリコンも意図された電極領域全域にコーティングし、最後に対電極領域(陽極部分)にインクジェットやスクリーン印刷でカーボンペースト層を追加することである。カーボンペーストインクを全ての電極を覆う最終層にしたい場合に適したオプションは、カーボンペースト層下の最初の高導電層としてアルミニウムあるいはクロムのいずれかのみを使用することである。アルミ/カーボンペースト電極は、カーボンペーストが穴や空隙を介して電流を漏らしているケースに有益である。アルミニウムそれ自体が作用電極としてよく機能する。しかしクロムは、たとえ表面が酸化しておりその酸化膜が十分に薄くとも、ランタニドキレートのHECLやELを生成させることができない。
基板は、製造方式に応じ適切な段階でチップにダイシングされる。通常、ダイシングは、プラスチックやガラスといった絶縁材料で作られた基板ディスク上に最終的な電極層が追加された後直ちに行われる。しかし、場合によってはその前にインクジェットや印刷を利用して作用電極上に生体材料を追加する方が望ましい場合もある。
さいの目にカットされたチップは、作用電極領域をバイオコーティングした後最終的なカートリッジに追加されたり、チップ自体が直接最終カートリッジの半分(通常は底部)を形成したりする。流体、チャンバー、入口と出口を含む残りの半分は、チップの上に追加される。これは、例えばPDMSから非常に簡単に製作することができる。
とりわけ、多数の作用電極が同一平面上に製造(スクリーニング検査の場合など)されるような場合は、カートリッジの上部がレンズ形状になっているか、あるいは代替的にレンズの形状を有し、独立した作用電極から光検出器に光を集光する光学的に透明な窓を含んでいることが望ましい。これは、光電子増倍管内の限られた部分(訳者注:原文文字化けにより数語不明)作用電極スポットまたはストライプが少数である場合にも、検出器のノイズレベルが小さい程有益である 。したがって、このようなレンズを使用することで安価な光検出器の使用を可能にし、また検出器のノイズを抑えることができる。使い捨てカートリッジ内に取り付けられるこのタイプの低コストレンズとしては、PDMSは非常に優れた材料であるが、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタラートといった、他の光学的に透明な高分子材料も勿論同様に利用可能である。
フォトルミネッセンスを用いたスクリーニング検査で複数の試験スポットを検査する場合、十分な正確さで全スポットをスキャンできるような光源と検出システムを構築するのには非常に高いコストがかかる。この点において、私達の提案する複数の作用電極スポットやストライプを持つHECLとELに基づく電源チップは桁違いの低コストを実現する。また、フォトルミネッセンスの応用においては、励起光がカートリッジ材料を通過しなければならない場合、カートリッジのプラスチックがUV領域において光学的に十分透明なものを選ぶ必要がある。私達の発明により、発光波長においてカートリッジのウィンドウまたは蓋が十分に光学的な透明さを持つことが可能である。
効率的な集光のための代替的なソリューションとして、例の一つとして本出願書類の後半で述べられているように、”凹面鏡”の焦点に位置する小さな光感知領域で検知器への集光を行うこともできるよう、電源チップ基板を初めから凹面鏡の形状にすることが挙げられる。
もう一つの電源チップ製作方法案は、強くドープされたシリコンチップを基板材料として使用するというものである。この基板上には(i)ca.4 nmの酸化膜で覆われた作用電極部を作成し、そして(ii)チップの他の部分は、まず厚いフィールド絶縁性シリカ層で被覆し、その上に(iii)対向電極をスパッタリング法、真空蒸着法、あるいは銀インクかカーボンペーストインクを使用した印刷、またはその2つを組み合わせたレイヤーを使用して作成する。この場合、すべての作用電極に対して単一の電子接点があるが、各対向電極に対し個別の接点がある。この方法の欠点として、実際に使用されているセルの設計が、間違った作用電極領域に電流を流すのを防止しなければならないという点が挙げられる。このためには通常、各作用電極室を他の作用電極室から分離する役目を果たす、光学的に透明な蓋を使用する必要がある。シリコン基板は、スクリーニング検査で高い精度と再現性が要求される場合に優れた性能を発揮し、作用電極スポットはインクジェットまたは印刷といったコーティング方法によりバイオコーティングされる。
スクリーニングテストにおける代替案
(i)まず強くドープされたシリコン上に厚い熱フィールド酸化膜を形成し、(ii)続いて作用電極空洞のエッチングを行い、ウェルの底に4 nmの極薄熱酸化物を作成、(iii)白金または他の素材の電極導体をフィールド酸化膜(対電極)上に追加、(iv)ウエハー全体の上にSU-8層を追加し、サンプルの空洞から遠ざけるようにSU-8層をエッチングする(全ての作用電極と対電極のペアが露出するように、作用電極の空洞よりも十分に大きくし、右側の対電極を選択することで電気的励起に使用される個別のウェルをSU-8が最終的に形成する。)。
同様に、(i)まずプラスチックまたはガラス基板上にアルミニウム膜を作ること、または基板にアルミニウム箔を接着することから始めることが可能である。次に、(ii)意図された作用電極領域をそのまま残しながら、絶縁性ポリマー、ラッカーを印刷したり、または塗膜を作ることで、あるいは意図された作用電極部に当たる部分に穴を開けた粘着テープを追加することによって作用電極部を形成する。この後、(iii)対向電極が手順2で説明する絶縁性の副層に印刷される。最後に、(iv)個別にアドレスすることが可能な作用電極と対電極のペアを伴う最終的なサンプル空洞を形成するため、もう一つの絶縁膜(ただし以前のものよりも厚い)を印刷することでサンプル空洞を形成する。これは空洞の大きさに適した大きさの分厚い粘着テープ片を適切な位置に貼ることによっても行うこともできる。通常の大量生産に適した方法とは言えないが、予備的な試験のためにはこれでも十分である。
第3の製造ラインは非常にシンプルである。すべての電極領域は印刷または十分な導電性を有するカーボンペーストのインク噴射により、単一工程で製造される。カーボンペーストの導電性が低い場合、この問題はまず銀インク層やその他の高い導電性を有する層、例えば導電性高分子層を印刷し、続いてこの高導電性インクの上にカーボンペースト層を乗せることで解決できる。
次に、本発明に関する略図と非限定的な実施例、およびこれらの例に関連する図面を用いて詳細を明らかにする。
例1.電源チップの製作および電極チップを用いた異種TSH免疫学的検定
例えば円形チップの縁の電子接点がある狭い部分といったように、セル面積を分割することも容易にできるようなプラスチック基板(図 la)。しかし通常は、チップはまず大きな基板プレートやディスク上に作製され、その後に矩形状にダイシングする方法が最も簡便である。作用電極が小さくなるほど、抗体、抗原、オリゴヌクレオチドなどのバイオコーティング追加にインクジェット方式を使用するのが望ましい。実際のテストでは、かなり大きな作用電極スポットを有する標本を選択した。
非常に小さな電極スポット(スクリーニング検査)が比較的大きなセル面積で使用される場合、時により成形、熱エンボス加工等により凹面鏡の形にされた基板を使用し、光検出器がこの架空のミラーの焦点にあたる位置に設置されることが望ましい場合がある(図 Id)。この種の機器に関しては、PDMSに埋め込まれ両端がカーボンペーストで被膜された導体棒がよいことが判明した。このタイプの機器のテストは、型(直径20mm)に入ったPDMSにアルミニウムワイヤーの束(少しだけ大きい一本のステンレス鋼棒の周りに30本のワイヤ)(陽極)を埋め込むことによって行われた。続いて”凹面鏡”の内側表面は、全ての電極がPDMSで覆われていないようにするため、まず非常に滑らかな研磨紙で機械的に研磨されたのち、最後に水に入れた酸化アルミニウムスラリーで仕上げられた。この後、これらの電極は大気中で酸化させるため一晩放置された。1マイクロモルのTb(III)キレート溶液を使用した試験では、アルミニウムワイヤーで作られた先の尖った作用電極の各々が機能するのが観察されたが、CVは “凹面鏡”の形状が完璧ではなかったことを示す12%であった。PDMSおよび他のタイプのポリマーの中に複数の尖った電極を生成するための簡単な手段は、まずチップに穴を開け、その後導電性を持つインク、できれば十分な導電性を有するカーボンペーストインクでその穴を埋めるのだが、最終的にはカーボンインクでコーティングされるところの銀インクを用いることも可能である。銀インクがチップと接触しているために、カーボンペースト電極が生成されるのである。多孔質のセラミック材料と、多孔質酸化アルミニウムフィルタのような材料は、細孔内でアルミニウムを溶融し、下から接点を配置することにより、非常に小さな尖ったHECL電極を多数製造できるが、簡単な方法とは言えない。
生物親和性分析の最初の試験では、かなり大きい作用電極スポットを有する標本を使用することにした。図1(c)に示すタイプの電極チップは、ガラス製ウエハー上に作られ、これにクロムの層(99,99%、Alpha-Ventron社)がマスクを通して全ての電極領域にスパッタされた(図1(c)の2および3参照)。その後、アルミニウムの層(99,99%、Alpha-Ventron社)が対電極領域(すなわち作用電極(図1(c)3参照))をスクリーニングした別のマスクを介して、クロム膜上にスパッタされた。次のステップにおいて、作用電極領域をスクリーニングする3番目のマスクを用いて白金がスパッタされた。続いてウエハーは20mm×20mmの長方形にダイシングされ、チップはデシケーターに移された。そして、アルミニウム電極は酸化させるために室温で酸素雰囲気中に一晩放置された。
電極チップのセル面積(図1(c)5参照)は、セル面積を閉じ込める直径11,0 mmの穴が開けられた粘着テープによって生成された、それらの疎水性リングを使ってコーティングされた。コーティング液(180μΤ)はMES 0.1M、H3BO3 0.03M、K-クエン酸0.5mM、グルタルアルデヒド0.025%、ウシガンマグロブリン0.05%および抗体10μg/ mL(MIT0406 MOAB (=モノクロナール抗体)抗hTSH 米国Medix Biotech社)からなる。閉じられたプラスチック箱の中で室温で2時間インキュベートした後、コーティング溶液が吸引され、チップのウェルは洗浄溶液で(50 mM Tris-HCL、pH 7.8、NaCl 0.9%、アジ化ナトリウム0.09%、ツイーン20 0.05%を含む)2回洗浄された。続いてウェルに飽和溶液180μΕ(50mMのトリズマベース、BSA0.1%、アジ化ナトリウム0.1%、ツイーン20 0.1%、pH 7.5に硫酸で調整)を添加して飽和させた。飽和後、一体型電極チップ(IEChips)は30℃で2.5時間乾燥させられた。
標識抗体(モノクローナル抗hTSH、クローン5404、5.5 mg / mL、Medix Biochemica社)は、テルビウム(III)キレート(TB -2,6-bis N、N-bis(カルボキシメチル)アミノメチル] -4 - ベンゾイルフェニルキレート)のイソチオシアネート誘導体を室温で一晩放置してpH9.5で80倍モル過剰に反応させることにより調製された。直径1cmの列はセファデックスG-50で5.5 cmまで充填し、さらに52cmまでは過剰試薬から共役タンパク質画分を分離するためにセファロース6Bが使用された。免疫学的検定は、多孔質膜の使用(厚さ6-1 1um、lXl 05-6xl08 holes/cm2、ワットマン)に基づいて行われた。標識抗体(0.5μL、80μg/ mL)は、50mMトリス-HCl緩衝液、pH 7.7、アジ化ナトリウム0.05%、NaCl 0.9%、BSA 0.5%、ウシガンマグロブリン0.05%およびツイーン 20 0.01%を含む溶液に入れられ、1 1x1 1 mmの膜片上に分注された後、室温で一晩乾燥させられた。
標準試料(TSH濃度10.0、30.0、100.0 mlU / L)は、試験管内でTSHの標準溶液(ワラック、DELFIA hTSHキット、324 mlU / mLのTSH)を希釈溶液(50mMトリズマベース、アジ化ナトリウム0.05%、NaCl 0.9%、BSA 0.5%、1mMの塩化カルシウム* H20、HClでpH7.7に調整)で希釈することにより調製された。
免疫学的検定のためには、乾燥された、標識二次抗体を含有する膜片が、電解液滴で電解セルを形成するように設計された親水性の電極領域に付けられた。 30.0-mlU / LのTSH標準溶液から採られた10μΙの試料は、電極チップ上にある多孔質膜の中央に分注された。サンプルは標識された抗体を溶解し、膜と電極のネットワークとの間の空洞を素早く充填した。8分後、免疫反応は十分に平衡状態に近づき、膜はピンセットを用いて除去された。電極チップは、洗浄・測定溶液混合液(50 raM Na2B407、アジ化ナトリウム0.1%、ツイーン20 0.003%、H 2 SO 4でpHは7.8に調整)で2回洗浄された。
次に120の測定バッファを添加し、TR-HECL(時間分解されたHECL)の強度が、各作用電極に順番にパルス発生器を切り替えることで、電気化学発光メーターを用いて測定した。測定器は、スタンフォード・リサーチ・インスツルメンツSR 400ゲーテッドフォトンカウンター、NucleusのMCS マルチスケーラカード、手製のクーロスタティックパルス発生器、手製の単体電池区画(黒いプラスチック)、そしてCPMモジュールを数えるパーキンエルマー社のフォトンカウンティングCPMモジュールで構成されていた。パルス振幅が-25 V、パルスチャージ15μu/ρυ^ε、パルス周波数20 Hzであり、TR-HECL強度は100励起サイクル以上、遅延時間は0.05ミリ秒、ゲート時間6.0ミリ秒にわたって統合された。
このように、同じサンプルから5反復測定が短時間で得られた。信号は以下の通りであった:875、814、856、802、819光子計数。したがって、平均は832.2とCV 3.7%であった。この方法で、各濃度の5反復測定の検量線は、短時間で測定することができる。
図1(e)と図1(f)によれば、尖った作用電極の配置はTb(III)キレート溶液を用いて試験されたが、唯一の細かな改善は凹状(訳者注:原文の文字化けにより1語不明)によってのみ得られることが観察された。
しかし、図1(f)に示されている、比較的大きなPDMSのレンズのセットアップによってわずかながら良い結果が得られた。
例2. 標準添加法の使用
電極チップは例1に説明したように作成されたが、単一の大きな円形の穴を開けた粘着テープの代わりに、作用電極(直径3.0 mm)のサイズに正確に合わせた5つの丸い穴が開いた0.25 mm厚さのテフロン(登録商標)シール(Irpola 社、トゥルク、フィンランド)が電極チップに取り付けられた。
電極チップの作用電極領域は、MES 0.1M、 H3B03 0.03M、K-クエン酸0.5 raM、グルタルアルデヒド0.025%、ウシガンマグロブリン0.05%、および抗体10μg/mLの溶液からなるコーティング液(50μL)を添加することによりコーティングされた(MIT0406 MOAB抗hTSH 米国Medix Biotech社)。閉じられたプラスチック箱の中で室温で1時間インキュベートした後、コーティング溶液が吸引され、粘着テープのためのウェルが洗浄溶液(トリス-HCl 50mM、pH7.8、NaCl 0.9%、アジ化ナトリウム0.09%、ツイーン20 0.05% を含む)とで2回洗浄された。続いてウェルに飽和溶液50(50mMのトリズマベース、BSA0.1%、アジ化ナトリウム0.1%、ツイーン20 0.1%、pH 7.5に硫酸で調整)を添加して飽和させた。飽和後、電極チップは30℃で2.5時間乾燥させられた。
試料は30.0-mIU/L のhTSH標準溶液から採取し、それを試験管に5 30μΕアリコートに分けた。それらのうちの2つに、アッセイ緩衝液が10.0 iLのみ添加および混合され、もう一つの30μΕアリコートには3.0のアッセイ緩衝液を添加および混合、続いて324-mIU/mL hTSH標準6.0 iLとアッセイ緩衝液4.0 iLがさらにもう一つのアリコートに添加および混合され、最後に324-mIU/mL hTSH標準9.0μLとアッセイ緩衝液1.0μLが添加、混合された。次に、各試験管から25μlのサンプルが1.0μΕの標識抗体(50mM のTris-HCl緩衝液に40 μg/mL、pH 7.7、アジ化ナトリウム0.05%、NaGL0.9%、BSA(訳者注:文字化けのため数値表記なし)、ウシガンマグロブリン0.05%)と共にピペッティングされた。(訳者注:以下の語は原文の文字化けで表記されていない部分があるために、先行する部分との関連が分からず翻訳不可能:「ミニチュア粘着テープのウェル」”miniature adhesive tape wells”)15分間インキュベーションさせた後、チップは流れる洗浄溶液(トリス-HCl 50mM、pH 7.8、アジ化ナトリウム0.09%、ツイーン20 0.05%)で洗浄され、テープが除去されて、電極チップに固定されたPDMSスライド(厚さ2.0mm、PDMSチップに開けられた円形の穴が最終的な測定セルを提供している)に交換された。続いて200μLの測定緩衝剤(50mMのNa2B407、アジ化ナトリウム0.1%、ツイーン20 0.003%、硫酸でpH7.8に調整)が添加された。
最後に、各作用電極のHECL強度が例1に示したものと同様の測定パラメータを利用して順番に測定された。結果を図2に示す。
例3.電源チップ上でのTSHとCRPの同時測定
C反応性蛋白(hCRP)と甲状腺刺激ホルモン(hTSH)が同時に測定された。作用電極のうち一つがキャプチャー抗体の両方でコーティングされ、さらに二つがhTSHキャプチャー抗体で、残りの二つがhCRPのキャプチャー抗体でコーティングされた。抗hTSHと抗hCRPは、例1と同様にテルビウム(III)キレート(Tb(III)-2,6-bis[N、N-bis(カルボキシメチル)アミノメチル] -4 - ベンゾイルフェニルキレート)のイソチオシアネート誘導体を用いて標識された。
図1(c)に示されたタイプの、シリコン電極を用いた電源チップは、ドープされたシリコン(0.005から0.018Ω-cmの抵抗率と(1 1 1)オリエンテーション、フィンランド、Okmetic社)のソースとして<<型シリコンウエハーを使用して、スパッタ法によりガラス基板上に作成された。電極は、その後デシケーターに入れられ、酸化させるため室温で酸素雰囲気中に一晩放置された。続いて、対電極にチップのマスクを介して手動でカーボンペースト(Creative Materials 110-04 カーボンインク、チングズバロ、マサチューセッツ、米国)が重ねられたのち、硬化させるために一晩放置された。
一次抗体でのコーティングは、例2におけるように、インキュベーション手順のための微小ウェルを作成してテフロン(登録商標)シールを用いて行った。30の抗hTSH(30μL中に125μg、抗hTSH、MIT0406、米国Medix Biotech社、MES0.1M、ホウ酸0.03M、K-クエン酸0.5mM、グルタルアルデヒド0.025%、ウシガンマグロブリン0.05%)が、選択された各微小ウェルに分注され、抗CRPコーティング(下記参照)と共に室温で2時間インキュベートされた。3つの微小ウェルが抗hCRPでコーティングされた。(訳者注:原文は文字化けしているが「3つ」と推測。ほかの数字の可能性もあり)30μLの抗hCRP(抗hCRP、6404、フィンランドMedix Biochemic社、30 μL中100 μg■、トリス-HCl緩衝液50mM、pH 7.8、アジ化ナトリウム0.05%、NaCl 0.9%、ウシガンマグロブリン0.05%)が、残りの微小ウェルでピペッティングされた。インキュベーション時間は、上記で述べたように2時間であった。
その後、微小ウェルは洗浄溶液(トリス-HCl緩衝液50mM、pH7.8、NaCl 0.9%、アジ化ナトリウム0.09%、ツイーン 20 0.05%)で2回洗浄され、吸引により空にされた。続いて、電極は30μLの飽和溶液(トリス-HCl 50mM、pH7.8、アジ化ナトリウム0.05%、NaCl 0.9%、BSA0.1%、D-ソルビトール6%)を分注して飽和され、45分間インキュベートされた。それから微小ウェルは吸引により空にされ、30℃で2.5時間乾燥させられた。
二重免疫学的検定のためには、以下の標準溶液が用意された:hCRP0 ng / mlおよびhTSH0 mlU/ ml(ブランク溶液); hTSH10 mlU/ ml、hTSH100 mlU/ ml、hCRP10 ng / ml、hCRP100。
二重免疫学的検定の手順では、20μLのhTSH標準溶液がウェル2-3に追加され、1.0 μLの標識抗hTSH(80μの^πιL、クローン5404、Medix Biochemica社、トリス-HClバッファ50mM、pH7.7、アジ化ナトリウム0.05%、NaCl0.9%、BSA0.5%、ウシガンマグロブリン0.05%、ツイーン20 0.01%、1mMの塩化カルシウム* H20)か加えられた。
また、20μLのhCRPの標準溶液がウェル4-5に追加され、1.0μLTbのキレートで標識した抗hCRP溶液(74μg/ ml、Medix Biochemica社 抗hCRPクローン6404、pH7.7 、アジ化ナトリウム0.05%、NaCl 0.9%、BSA0.5%、ウシガンマグロブリン0.05%、ツイーン20 0.01%、1mMのCaC12* H20)も加えられた。ブランク溶液もウェル1と同様の方法で追加された。
15分間のインキュベーション後、ウェルは測定バッファー(硫酸でpH7.8に調整したナトリウムテトラホウ酸緩衝液0.05 M、アジ化ナトリウム0.1%)で洗浄され、もとのテフロン(登録商標)シールは慎重に取り除かれ、直径11.0 mmの使用中の円形セル一つを残して粘着テープに取り換えられた。120μLの測定バッファーが添加され、各電極のHECL強度が分版に測定された。測定には、測定前に20の陽極■6Vパルス(20 - μ-Gパルス) が作用電極に与えられた以外には、例1と同様の測定パラメータが使用された。結果を図3に示す。例1の電極テスト時には、本例のシリコン電極と比べやや良好な結果が得られた。
例4. カーボンペースト電極を有する電極チップ上におけるTSHとCRPの同時測定
我々は最近、Tb(III)の標識がカーボンペースト電極で励起させられ得ることに気付いた(FI-20100253、S.クルマラら)が、以下に記述する測定はこの未知のメカニズムを持つELが陰極から起こっていることを明確にするものである。これらの電極とELのパワーは、電極が陰極と陽極の両方として使われることであり、よって何らかの理由がある場合には一回の測定時に両方の極が使用され得ると言うことである。
この実験の電源チップは、当初、例1のために作成されたものである。チップ上に既に作成された電極は、スクリーン印刷を模倣したマスクを介してカーボンペースト(Creative Materials 110-04 カーボンインク、チングズバロ、マサチューセッツ、米国)でコーティングされた。その後カーボンペーストを硬化させるため、室温で24時間放置された。
続いてhTSHとhCRPの二重免疫学的検定が、測定バッファがNa2B407液0.05 M (pH 9.2、2×10〜4 M K2S208を含む)でパルス電圧が-35 Vに設定されたことを除き、例3に示すのと同様に行われた。結果を図4に示す。
例5. スクリーニング目的のための電源チップ
スクリーニング検査のためのシンプルな電源チップが、アルミニウム箔(Pirkka Vahva Alumiinifolio、Kesko社、フィンランド)をプラスチックチップ(lOX 36 mm)上に接着して作成された。対電極の形状(4、図5)を作るため、銀インク(Bison electro G-22, Bison社, Netherlands、オランダ)がマスクを介して本にカバーをかけるための接着フィルムに塗布された。銀インクを硬化させた後に、同じマスクを使用して別の層が加えられたが、この層はカーボンペースト(Creative Materials 110-04 カーボンインク、チングズバロ、マサチューセッツ、米国)で形成された。このように対電極がスクリーン印刷された後、対電極で覆われていた粘着テープを貫通する穴がテープと同じ直径を持つ(訳者注:文字化けの部分「diameter-of-ih^ tape」を「diameter of the tape」と読んで翻訳した)コルクドリルで慎重に開けられ、アルミ箔の右端を作用電極(図5)への電子接点として露出したまま残すようなやり方でフィルムが貼り付けられた。この後、4 mmのコルクのドリルで作られた空洞の穴があるテフロン(登録商標)シール(厚さ0.25 mm、Irpola社、トゥルク、フィンランド)が先程の接着剤層の上に接着された。こうして高さ0.25 mm直径4.0 mmのサンプル空洞が作成された。空洞の底に直径3.0mmの円形の作用電極があり、その周囲を幅0.5mmの円形のカーボンペースト対電極が囲んでいた。このチップの唯一の問題点は、我々の電子化学発光測定器の光測定用の空洞中で正しい位置に移動させなければならない、すなわち一つの一で2つの測定しか行えず、その後でチップを再び正位置に移動させねばならないということであった。実際の製造においては、この問題は現在それ程高額ではないステッパモータを使用することで解決可能である。
個別にアドレスすることが可能なこの種の空洞は、まず望みの材料でバイオコートすることができる。あるいはまた、この種のチップは同様に標準添加の測定値を利用したり、単一の検体から多数の反復測定値を得るなど、定量的多検体測定に使用することが十分可能である。我々のケースでは、抗hTSH抗体でサンプル空洞をコーティングし、同じ標準液を用いて例1と同様にhTSH測定を行ったが、今回2つの個別の空試験、重複測定を持つ3つの基準の検量線、および10 mlU/L と100 mlU/Lの基準を1対1の割合(すなわち、試料の濃度は55 mlU / L、つまり55μLυ/ mL)で混合して得られる 「未知」のサンプルが得られた。検量プロットと試料の測定を図6に示す。
例6.カーボンペースト電極ペアを使用したスクリーニング検査用の電極チップ
まず例5.で示したものと同様のチップが作成されたが、ただし、アルミニウム箔表面全体に例5で使われたものと同じカーボンペーストが塗布された。こうして個別にアドレス可能なカーボン‐カーボン電極のペアが個々の空洞に作られた。それらの機能は1.0マイクロモルのTb(III)-2,6-bis[N,N-bis(カルボキシメチル)アミノメチル]-4-ベンゾイルフェニルキレート(pH 9.2, 2xl0"4 M K2S2O8、パルス電圧 -65 V, パルス充電25 μθρυ^ε,、パルス周波数 20 Hz)溶液で試験されたが、 TR-EL(時間分解電子発光)強度が1000%以上統合された。これはこうした手製の機器としては悪くない性能である。電極は本来のEL強度を失うことなく、1000回の刺激サイクルに耐えた。
例7. シリコンベースの電極チップカートリッジの電極にバイオコーティングを必要としないHECLのエネルギー移動の分析をシミュレーションする標準添加法
本例で扱うチップは、高い伝導性を持つシリコン(図7、1)で形成されているが、その表面の酸化膜(図7、2)を厚さ300 nm以上にするため、熱酸化されている。このフィールド酸化膜が対電極のメタライゼーションとシリコン基板との間の絶縁体となる。それは作用電極領域からウェットエッチングされ、そこに熱酸化により4 nm厚さのトンネル酸化物が形成される。図中の濃い灰色の箇所はフィールド酸化膜が残っている箇所を示している。
4つのワイヤ型の対電極が、接着性を高めるための10-nm のクロム層の上から200 nm のプラチナによる被膜で作られた(図7、4)。このメタライゼーションは、サンプルのセル面積に対電極を形成するため、そして導体パッドをチップの各隅に配置するため、リフトオフ法を使用してなされた。メタライゼーションは、図中の黒い部分に示されている。
チップの裏側はエッチングで酸化物が除かれ、よりよい電気接触のためアルミニウムで金属化され、ウエハーはチップ(20 x 20 mm)に裁断される。PDMSのベースと硬化剤の混合物をマスターの鋳型に入れてPDMSの蓋が作成された。硬化した後、蓋は型から外されサンプルチェンバー(図 7、3)、サンプルの取り入れ口(図 7、6)、空気の排気チャンネル(図 7、7)を形成するため電極チップに接着された。図中の点線で囲まれた箇所がPDMSの蓋を示している(図 7、5)。これによりチップ四隅の対電極の導体パッドがむき出しになっている。
蓋の内側では、PDMSはチャンネルやサンプルチェンバーを除き、直接電極と接触している。円形のサンプルチェンバー(図 7、3)内、長方形の支柱(訳者注:文字化けにより2語不明)サンプルチェンバーは15.0 μL であった。
PDMSはチャンネル又はサンプルの空間を除いて直接電極と接触している。円形のサンプルの空間(図7の3)内ではサンプル空間はμL.である。
Tb(III)-2,6-bis[N,N-bis(カルボキシメチル) アミノメチル]-4-ベンゾイルフェニルキレートはこの実験ではモデル検体であった。「未知」の検体のサンプル内での濃度は100 pMであった。試験では、第一のサンプルチェンバーは空のままに置かれ、その他の3つのチェンバーには各々3.0、6.0 、9.0 μLの1.0マイクロモルTb(III)キレート溶液が分注され、蓋は乾燥するまで放置された(すなわち、3.0 、6.0、9.0 pmolのキレートがチェンバーに加えられた )。蓋は、蓋とEチップの間に水と空気を遮断するのに充分な圧力を保証するフレームの中のEチップに載せられた。
PDMS-Eチップの左右の端が交互にサンプル溶液(Tb(III) キレート溶液100 pM )に漬けられ、液体は毛管力で取り入れ口チャンネル(図 7、6)から4つのサンプルチェンバーに取り込まれた。チェンバーに液体が入ってくるにつれ空気は細いチャンネルからPDMSの蓋の端へ排出された(図 7、7。各チェンバーの3つの空気排気チャンネルの内、一つだけが描画されている)。
このように、一つのチェンバーにはサンプルだけが入れられ、他のものにはサンプルと標準溶液が入った。チップは、標準溶液を溶解するために8分間インキュベートされ、HECL強度が例2に述べるように測定された。ただし、今回のパルス電圧は-30 V、パルス充電は20.0 μθρυ^ε、そしてHECL強度は1000回の刺激サイクルを通じて統合された。作用電極領域がこのチップ内で非常に大きくなったので、チップは各測定ごとに
従って、一つの空間にはサンプルだけが入り、他の空間にはサンプルと標準溶液が入った。チップは加えられた標準溶液を溶解するために8分間培養されてHECLの強度が範例2のように測定された。ただし、今回パルス電圧は−30V、パルス充電は20μθρυ^ε、そしてHECLの測定値は1000回の刺激サイクル分が統合された。作動している電極が現在のチップ内で非常に大きくなったのでチップは各測定毎に測定空間で移動させなければなかった。図8に実験の標準添加プロットを示す。

Claims (10)

  1. 電気化学発光分析器:これにおいては、
    ‐単一の陽極と多数の陰極、あるいは多数の陰極と単一の陽極または多数の両極が、絶縁材または部分的に導電材と絶縁材で作られた同一の電極サポート・チップ上に統合されている
    ‐作用電極の材料は導体あるいは強くドープされた半導体であり、いずれも極薄の(0,5 - 50 nm)絶縁体のレイヤーに覆われており、 - 対電極は金属を使用し、スパッタリングや真空蒸発、またはその他の標準的な金属化によって、あるいは導電性インクでの印刷やそのようなインクに浸して作られており、
    - 作用電極と対電極は、例えば電極チップの反対側の端やチップの隅、またはチップを貫通するなどしてチップの適切な箇所に接触する導体ストリップを備えている。これにより電極は発光測定機器の刺激電子機器に接続することができる、
    ‐作用電極が機器の陰極として機能し、

    - 対電極が機器の陽極として機能し、

    - 励起パルスを適用中あるいは適用後、分析されるサンプルは、対象となる検体の量に比例する発光信号を出す。
  2. 請求項1による機器においては、作用電極がシリコンまたはアルミニウムで作られ、その表面が極薄の酸化物レイヤー(0.5-50 nm)で覆われ、意図された陽極領域はまず比較的厚い絶縁膜(200 nmかそれ以上)をそこに作り、続いて真空蒸着かスパッタリングによって金属製の膜を追加するか、導電性を有する膜を印刷あるいはインクジェット方式で機器に追加することで、導電性膜でコーティングする。
  3. 請求項1による機器においては、全電極はカーボンペーストを用いて作成されるか、あるいはその代替として銀インクまたは他の導電性インクを塗布した上からカーボンペーストで被膜される。
  4. 請求項1から3のいかなる機器においても
    -厚さが100 μηより薄い多孔質膜が電極上に載せられる
    -分析されるサンプルは多孔質フィルム/膜に載せられる
    -多孔質フィルム/膜に載せられたサンプルおよび他の試薬あるいは陰極、またはそのいずれもが互いに反応しあう
    -励起パルスを適用中あるいは適用後、分析されるサンプルは、対象となる検体の量に比例する発光信号を出す。
  5. 請求項1から4 のいかなる機器においても
    単一あるいは複数の陰極および陽極を有する電極チップはポリマーのカートリッジで統合され、カートリッジの空洞は毛管力、圧力あるいは吸引力で満たされる、
    サンプルあるいは希釈されたサンプルがチップの空洞を満たす時、チップは機器の入り口の空洞化ら必要な試薬のすべてを溶解する、
    -励起パルスを適用中あるいは適用後、分析されるサンプルは、対象となる検体の量に比例する発光信号を出す。
  6. 請求項1から6 のいかなる機器においても

    - 単一あるいは複数の陰極および陽極を有する電極チップはポリマーのカートリッジで統合され、カートリッジの空洞は毛管力、圧力あるいは吸引力で満たされる、

    - カートリッジの蓋又は上部はレンズの形をしているか、そのような使い捨てのレンズが蓋又は上部に埋め込まれており、多数の作用電極から集光した光を検知器のセンサーに導くのに適している、

    ‐サンプルあるいは希釈されたサンプルがチップの空洞を満たす時、チップは機器の入り口の空洞化ら必要な試薬のすべてを溶解する、
    ‐ 電極チップの空洞は刺激を与える前に測定バッファーと一緒に一度洗浄される;
    -励起パルスを適用中あるいは適用後、分析されるサンプルは、対象となる検体の量に比例する発光信号を出す。
  7. 核酸の探査分析あるいは免疫学的検定のような生物親和性分析が電極または電極チップの上で行われ、その上には請求項1−5の全てあるいはいずれかに基づいて、導電性、半導性、あるいは絶縁性を有する基盤に継続的に導電体、半導体、絶縁体をレイヤリングすることにより陰陽両極の領域が構築され、その結果として最終的に両極領域は互いに電気的接触を持たず、ホットエレクトロンに誘発される電気化学発光を、電気的励起に用いるために個別にチップの電極対を選別することにより発生させる方法。
  8. 核酸の探査分析あるいは免疫学的検定のような生物親和性分析が請求項1−6中の任意の電極チップの上で行われ、そこにおいて電極の極性が電気的励起中に少なくとも1度変えられて、その結果、測定中に両局が陽極および陰極として作動する方法。
  9. 核酸の探査分析あるいは免疫学的検定のような生物親和性分析が請求項1−6中の任意の集積電極チップの上で行われ、サンプルと試薬を取り入れ、また分析に使用される電気化学発光標識の励起のための複合反応およびホットエレクトロンに誘発される電気化学発光チェンバーのための空洞を確保するため、電極チップがポリマーのカートリッジに完全に埋め込まれているか、単にポリマーの蓋に覆われている方法。
  10. 核酸の探査分析又は免疫学的検定のような生物親和性分析が、試薬またはサンプル、あるいはその両方を加えるために電極上に多孔質フィルム/膜を載せたり、血球を除去するか生物親和性反応を早めるなどの方法で疎水的に閉じ込められたセル面積中の電極で行われる、またはより簡単に、多孔質フィルム/膜を使用せず直接疎水的に閉じ込められたセル面積中で行うような、請求項7−9中の任意の方法。
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