JP2013529318A - 誘電体コーティングされたミラー - Google Patents

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Abstract

[誘電体コーティングを有するミラー]
基板(3)上に誘電体コーティング(2)を有し、エタロンへの利用が提案されるミラーであって、誘電体コーティング(2)は、基板上に高屈折率酸化物層(41)および低屈折率酸化物層(42)が交互に配置される第1積層(4)と、該第1積層(4)の上にフッ化物層(52)および酸化物層(51)が交互に配置された第2の積層(5)との、ちょうど2つの積層を有し、フッ化物層(52)の層数が誘電体コーティング(2)の全層数に対する割合として、0.45未満である。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板に誘電体コーティングが施されたミラーに関し、さらには、2枚の平面平行のミラーを具えるエタロンに関する。
基板に誘電体コーティングが施されたミラーは、特に、工程が紫外線放射を伴うときによく用いられる。誘電体コーティングには、低屈折率の誘電体層と高屈折率の誘電体層とが交互に配置され、ミラーは層の厚さに応じ、特定の波長にて著しく高い反射率を有する。この場合、屈折率の高低は、それぞれのミラーが用いられる波長における、相対的な屈折率差として理解されるものである。例えば、誘電体コーティングの低屈折率と称される層の材質は、当該誘電体コーティングが著しく高い反射率を有する波長において、前記誘電体コーティングの高屈折率と称される層よりも屈折率が低い。この低屈折率と称される層と高屈折率と称される層とは、交互に配置される。
誘電体コーティングが施されたミラーは、とりわけ、波長が157nm〜365nmの紫外線放射を伴うマイクロリソグラフィに用いられる。例えば、特許文献1には、低屈折率酸化物および高屈折率酸化物からなる少なくとも1つの酸化物積層と、低屈折率フッ化物および高屈折率フッ化物からなる少なくとも1つのフッ化物積層とを有し、この酸化物積層とフッ化物積層との間に、酸化物層とフッ化物層とが交互に連続する少なくとも1つの混合積層が配置される、誘電体ミラーが開示されている。この誘電体ミラーは、高い反射率を有するとともに、誘電体コーティングによって誘発される応力が小さい。
国際公開第2010/034367号パンフレット
誘電体コーティングが施されたミラーの更なる利用分野には、レーザー、特には157nm〜365nmの波長を放つエキシマレーザーがある。正確な波長は、ファブリーペロー干渉計を用いてモニターされる。この目的のために、誘電体コーティングが施された2つの平面平行のミラーを、スペーサーを介して用い、エタロンを形成する。エタロン内には、レーザーから放出された放射線の部分光線が放射されて、2つのミラーの間を多重反射する。2つのミラーの間隔に応じて、エタロンから出現する光線は、異なる光路差を有するとともに異なる干渉パターンを形成する。そこから、レーザーにより放出された放射線の波長を測定することができ、その波長が定義済みの波長から外れている場合には、レーザーを再調整できる。
本発明の目的の1つは、特に、エタロンに用いるのに好適な、誘電体コーティングが施されたミラーを提供することにある。
この目的は、基板上に誘電体コーティングが施されたミラーであって、誘電体コーティングは、基板上に、高屈折率酸化物層および低屈折率酸化物層が交互に配置される第1積層と、該第1積層の上に、フッ化物層および酸化物層が交互に配置される第2積層と、のちょうど2つの積層を有し、誘電体コーティングの全層数に占める割合としてのフッ化物層の層数が0.45未満、好ましくは0.35未満、より好ましくは0.30未満であるミラーによって達成される。
酸化物層からなる第1積層と、全体に占めるフッ化物層の割合がさほど大きくない、酸化物層とフッ化物層とからなる第2積層とを組み合わせることによって、所望の波長で高い反射率を有するミラーが提供される一方で、ミラーをエタロンに用いる際、所望の波長を良好な分解能で干渉計測するよう、エタロンから出現する部分光線を十分な強度とするために十分な透過性が保証されることが判明した。さらに、混合積層におけるいかなる引張応力も、酸化物層における圧縮応力で補填することができるので、誘電体コーティングにおけるクラックの形成を回避できる。
ミラーの光の吸収率は、好ましくは2%未満、より好ましくは1.5%未満、さらに好ましくは1%未満である。一定の反射率のもとで、光の吸収率が低いことは、すなわち光の透過率が高いということであり、かかるミラーを具えるエタロンの機能性は向上する。特には、部分光線が低強度であるレーザーの波長について、干渉法による制御測定を行うことができる。
ミラーの最大反射率は、好ましくは93%〜97%、さらに好ましくは94%〜97%である。この範囲の最大反射率は、不十分になる程度にまで透過率を減少させることなく、上述した誘電体コーティングが施された、エタロンの2つのミラーの間における部分光線の反射数を最大にする。エタロン内における反射数が多いと、波長を測定したり、非常に高い分解能を有する定義済みの波長から偏差を測定したりするのに有利である。
ミラーは、有利には、石英ガラスでできた基板を有する。原則として、例えば、フッ化カルシウムのような、特に紫外線波長帯について比較的高い透過率を有する他の基板の部材もまた、好適である。基板の部材として石英ガラスが特別に有利なのは、石英ガラスは容易に調達できる点である。さらには、酸化物層からなる第1積層を基板上に配置することに、特に正の効果がある。酸化物層は、石英ガラス基板と同様の応力値および熱膨張係数を有するため、誘電体コーティングにおけるクラックの発生リスクを最小化する。
第2積層の酸化物層が高屈折率酸化物で形成される一方で、第2積層のフッ化物層が低屈折率フッ化物で形成されれば有利であることが判明した。従って、混合積層において交互に配置される層の間に、著しく大きな屈折率差を実現し、それ故に著しく大きな光学コントラストを実現することが可能であり、これは反射率に正の影響を及ぼす。好適な低屈折率のフッ化物は、例えば、フッ化マグネシウム、フッ化ナトリウムまたはフッ化アルミニウムである。
ミラーは、好ましくは、フッ化物層としてフッ化マグネシウムを有し、酸化物層として酸化アルミニウムおよび/または二酸化ケイ素を有する。特に、さらに短波の紫外線波長帯においては、これらの材料によって高反射率と高透過率とを両立して達成することができる。このことから、上記の材料からなる誘電体コーティングが施されたミラーは、特に、エタロンへの利用に適していると言える。
好適な実施形態において、ミラーの誘電体コーティングの第2積層は2つの下位積層を有し、第1下位積層はフッ化物層と第1酸化物層とを交互に有し、第2下位積層は当該フッ化物層と第2酸化物層とを交互に有する。このようにすれば、高反射率と高透過率とを同時に実現するよう、誘電体コーティングをさらに最適化することができる。これらの酸化物は、特に好適に選択される。すなわち、基板から遠い方の下位積層には所望の波長における光の吸収率が低い酸化物が選択され、一方、その下の下位積層には、下位積層の積層構造によって反射率を最大化するのと同時に光の吸収を最小化するように、フッ化物層について特に大きな屈折率差を有することを視野に入れて、当該酸化物が予め選択される。
さらに好適な実施形態において、ミラーの誘電体コーティングの第2積層は2つの下位積層を有し、第1下位積層は、1つのフッ化物層と2つの酸化物層とを交互に有し、第2下位積層は、1つの当該フッ化物層と、2つの当該酸化物層のどちらか一方とを交互に有する。第2積層よりも基板寄りに好適に配置される第1積層に、3層周期、すなわち、1つのフッ化物層と2つの酸化物層を1つの周期として配置すると、良好な透過率と同時に良好な反射率を同様に達成できることが分かっている。
誘電体コーティングの終端層として、基板と酸化物積層との変わり目、酸化物積層と混合積層との変わり目、適当であれば2つの混合下位積層間の変わり目に、またはその他において、例えば光学的に適合するか、層応力に適合する個別の層を配置することができる。しかしながら、好ましくは、個別の層を誘電体コーティングに配置することなく、第1積層と第2積層とで構成することが好ましい。
さらに好適な実施形態において、ミラーは、基板から最も遠い層として、酸化アルミニウム層を有する。酸化アルミニウムはきわめて不活性であり、酸化アルミニウムでできた最外層は、ある意味、その下に配置される層の保護層として配置されて、ミラーの寿命を延ばすという利点がある。
さらに、本発明の目的は、上述した2枚の平面平行のミラーを具えるエタロンによって達成される。
上述の特徴および更なる特徴は、特許請求の範囲のみならず、明細書および図面から集積することができる。個々の特徴は、それぞれ、本発明の一実施形態では、他の分野でのサブコンビネーションの形で単独またはグループで具体化することができ、有利な実施形態や、自らを保護することのできる実施形態を示すことができる。
本発明を、好適な例示的実施形態を参照して、さらに詳細に説明する。
誘電体コーティングが施されたミラーの、第1実施形態を示す概略図である。 誘電体コーティングが施されたミラーの、第2実施形態を示す概略図である。 誘電体コーティングが施されたミラーの、第3実施形態を示す概略図である。 第2実施形態による、波長の関数として、ミラーの反射率の測定値を示す図である。 第2実施形態による、波長の関数として、ミラーの透過率の測定値を示す図である。 第2実施形態による、波長の関数として、ミラーの光の吸収率の測定値とを示す図である。 第3実施形態による、波長の関数として、ミラーの反射率の測定値を示す図である。 第3実施形態による、波長の関数として、ミラーの透過率の測定値を示す図である。 第3実施形態による、波長の関数として、ミラーの光の吸収率の測定値とを示す図である。 誘電体コーティングが施された2枚のミラーを具える、エタロンを示す概略図である。
図1は、基板3に誘電体コーティング2が施されたミラー1の、第1実施形態を示す概略図である。このミラー1の誘電体コーティング2は、基板3上に、高屈折率酸化物層41および低屈折率酸化物層42が交互に配置される第1積層4と、その上に、酸化物層51およびフッ化物層52が交互に配置される第2積層5と、のちょうど2つの積層4および5を有している。この実施形態において、フッ化物層52の層数は、誘電体コーティングの全層数に占める割合として、0.35未満である。
好適な他の様態において、基板3は石英ガラスでできている。石英ガラスは、紫外線波長帯にさえも透過性があるので、石英ガラスでできた基板を有するミラー1は、とりわけ、紫外線波長帯に用いるエタロンに好適である。というのも、エタロン内の2つの反射面間に放射光を通して、再度、その放射光をエタロンの外へ放出するように、放射光は誘電体コーティングのみならず基板をも透過しなければならない。
基板3上に適用される積層4は、純粋に酸化物層41および42から構成されるので、酸化物として二酸化ケイ素も有する場合は特に、基板3の熱膨張係数を積層4のそれと同等にすることができる。さらに、石英ガラスでできた基板上の酸化物層の付着性は良好である。酸化物積層4を用いて、フッ化物層52と酸化物層51とからなる混合積層5に生じ得る引張応力は、酸化物積層4に生じる圧縮応力によって、補填することができる。個々の層は、任意の従来のコーティング方法を用いて接着可能である。混合積層5の引張応力は、プラズマ助長方式により接着された積層4の酸化物層41および42によって、特に有効に補填できる。
図1の例において、両積層ともに、基板3側に対向する側は高屈折率層41および51で始まっていることが指摘されべきである。積層4は、低屈折率酸化物層42で終わり、積層5は、高屈折率酸化物層51で終わる。さらに異なる態様では、一方または他方の積層において、上記の順番を逆にすることもできる。一方または他方の積層において、始端も終端も低屈折率層とすること、または、始端も終端も高屈折率層とすることもできる。
積層5は、化学的に不活性な酸化アルミニウム層で終ることが好ましい。これは、誘電体コーティング2の残りの層を外部の影響から保護し、ミラー1の寿命を延ばすためである。ここでは、最外層の酸化アルミニウム層を、積層5の一部とすることもできるし、または積層5の上に追加的に配置することもできる。
図2は、誘電体コーティングが施されたミラー1の、さらなる実施形態を例示している。この実施形態は、第2積層が2つの下位の積層5Aおよび5Bを有する点において、図1の実施形態と異なる。第1下位積層5Aは、第1酸化物層501と第1フッ化物層502とを交互に有し、第2下位積層5Bは、第2酸化物層511と第2フッ化物層512とを交互に有して、この図示例において第2下位積層5Bは、第1下位積層5Aのフッ化物層502に合わさっている。図1の実施形態に関して、このように、誘電体コーティング2が終る下位積層5Bにおいて光の吸収率をできる限り抑える目的で酸化物を選択する一方で、基板3寄りに位置する下位積層5Aにおいてフッ化物層502について可能な限り光学コントラストを高める目的で酸化物を選択することによって、光の反射率と吸収率とを同時に最適化することができる。
ここには記載されていない、図2に示す実施形態の他の態様において、2つの下位積層のフッ化物を、酸化物とは異なり、変化させることもできる。同様に、当該2つの下位積層の酸化物およびフッ化物の両方を変化させることもできる。酸化物層とフッ化物層との混合積層は、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上の下位積層を有することもできることが指摘されるべきである。同様にして、酸化物積層は、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上の、異なる酸化物を有することができる。
図3は、誘電体コーティングが施されたミラー2の、第3実施形態を示す概略図であり、図2に示す実施形態とは、2つの下位積層5C、5Bを有し、第1下位積層5Cは交互に配置された層521、522、523であってフッ化物層523、酸化物層521および酸化物層を有し、第2下位積層5Bは交互に配置された層511,512であってフッ化物層512および第1下位積層5Cと同様の2つの酸化物層のうち1つの酸化物層511を有する点で異なる。3層周期の下位積層であっても、光の低吸収性と同時に、所望の波長で高い反射率を達成することができる。
さらに他の態様において、第2下位積層5Bまたは全ての下位積層を、3層周期とすることもできることが指摘されるべきである。酸化物積層4を3層周期とすることもできる。さらに、下位積層5Cおよび5Bに含まれるフッ化物および酸化物を異なるものとすることができる。原則として、4層以上の周期を有する積層も提供し得る。
特に193nm周辺の波長帯において良好な反射率のために、ミラーを、原則として図2に示す実施形態に従って製作した。このため、まず、高屈折率層としての酸化アルミニウムと、低屈折率層としての酸化ケイ素とを交互に有する10層の酸化物積層を、石英ガラスでできた基板上に、酸化アルミニウムからプラズマ助長方式により接着した。その上に、高屈折率層としての酸化アルミニウムと、低屈折率層としてのフッ化マグネシウムとを交互に有する10層を接着し、第1下位積層を形成した。続けて、高屈折率層としての酸化ケイ素と、低屈折率層としてのフッ化マグネシウムとを交互に有する5層の第2下位積層を接着した。第2下位積層における3つの酸化ケイ素層と、第1下位積層における5つの酸化アルミニウム層をプラズマ助長方式により接着し、7つのフッ化マグネシウム層を電子ビーム蒸着を用いて接着した。フッ化マグネシウム層の層数の、誘電体コーティングの全層数に対する割合は、およそ0.28であった。193nmの波長における反射率を最大にするため、従来のシミュレーションプログラムを用いて層厚を最適化した。
ミラーの反射率を、184nm〜202nmの波長帯にわたって、ほぼ直角入射で測定した。結果を、図4aに示す。反射率は、約187nm〜約199nmの範囲で93%以上、約188nm〜約198nmの範囲で94%以上、そして約191nm〜約195nmの範囲で96%以上に達し、193nmにて最大反射率96.5%弱である。
ミラーの透過率を、同様の境界条件のもと、反射率と並行して測定した。結果を、図4bに示す。193nm周辺の最も反射率が高い波長帯においてさえも、透過率は2%をはっきりと超える。反射率と透過率の和を100%から減じることによって、反射率および透過率の測定値から、光損失や光の吸収率を計算することができる。結果を、図4cに示す。吸収率は、約188nm〜202nmを超える波長帯で2%未満、約190nm〜約202nmの波長帯で1.5%未満であり、約192nm〜約201nmの波長帯では1%にさえ満たない。
原則として図3に示す実施形態に従い、酸化物層を再びプラズマ助長方式により接着し、フッ化物層を電子ビーム蒸着により接着したミラーも製作した。酸化アルミニウムと二酸化ケイ素とを交互に有し、酸化アルミニウムから始まる9層を第1積層として、石英ガラスでできた基板上に接着した。第2積層中の第1下位積層として、フッ化マグネシウム、二酸化ケイ素、および酸化アルミニウムからなる配列を6周期接着する。最後に、第2積層中の第2下位積層として、フッ化マグネシウムおよび二酸化ケイ素からなり、フッ化マグネシウムから始まる配列を3周期接着した。フッ化マグネシウム層の層数の、誘電体コーティングの全層数に対する割合は、およそ0.28であった。193nmの波長における反射率を最大化するため、従来のシミュレーションプログラムを用いて層厚を同様に最適化した。これらの最適化に照らして、いくつかの個々の層を、同種のほかの層よりもかなり厚くまたは薄くすることが可能であること、例外的に、積層内の個々の層を省くことも可能であることが指摘されるべきである。
反射鏡の反射率および透過率を、184nm〜202nmの波長帯にわたって、ほぼ直角入射で測定した。結果を、図5aおよび図5bに示す。それから、光の吸収率も上述のようにして確認した(図5cを参照のこと)。反射率は、約186nm〜約195nmの範囲で93%以上、約187nm〜約194nmの範囲で94%以上、約189nm〜約192nmの範囲で95%以上に達し、そして約191nmにて最大反射率95.7%弱である。透過率は、約188nm〜約191nmの範囲のみで、ちょうど4%を未満である。193nmでは、透過率がほとんど5%に達し得る。このミラーにおいては、それゆえ従前のミラーに比し、193nmで達する透過率がかなり高い。光の吸収率は、約186nm〜約201nmの波長帯で2%未満、約187nm〜約200nmの範囲で1.5%未満、そして約189nm〜約195nmの範囲では1%にさえ満たない。
図6は、上述したように、基板62と、誘電体コーティング63とを有する2枚のミラー61を具える、エタロン60の概略図である。2枚のミラー61は、平面状であり、互いに平行に配置され、これらのミラーの間隔はスペーサー64によって定められる。2つのミラー61の反射面63の間に空隙65を有し、空隙65の幅は、出現する部分光線67が干渉して、干渉パターン68が形成されるときの波長を決定する。部分光線67は、ミラー61に施された誘電体コーティング63においてエタロン60に入射する部分光線66各々の反射によって現れる。明瞭にするために、一方に現れる部分光線67のみを示している。誘電体コーティング63の高屈折率によって、部分光線66が、2つのミラー61の間のエタロン60の空隙65を往復するように反射する回数が多いほど、より多くの部分光線67が生成され、部分光線66の波長の分解能が大きくなる。透過率が高いことにより、出現する部分光線67の強度は可能な限り大きいことが保証される。同様に、波長の測定値の精度も上がる。
例えば、レーザーの波長を確認するために、レーザーによって放射される放射線から、部分光線66を分光することができる。レーザー動作を連続的に起こす制御測定が定義済みの波長からあまりにも大きな偏差を測定した場合、レーザーの動作パラメータを再調整できる。本明細書に説明したようなエタロンを用いたレーザーによって確保できる高精度な波長は、とりわけ、157nm〜365nmの波長の紫外線リソグラフィーにおいて重要である。
1 ミラー
2 誘電体コーティング
3 基板
4 酸化物積層
5、5A、5B、5C 酸化物−フッ化物混合積層
41 高屈折率酸化物層
42 低屈折率酸化物層
51、501、511、521、522 酸化物層
52、502、512、523 フッ化物層
60 エタロン
61 誘電体ミラー
62 基板
63 誘電体コーティング
64 スペーサー
65 空隙
66 入射する部分光線
67 出現する部分光線
68 干渉パターン

Claims (11)

  1. 基板(3)上に、誘電体コーティング(2)を有するミラーであって、
    前記誘電体コーティング(2)は、ちょうど2つの積層(4、5)であって、前記基板上に高屈折率酸化物層(41)および低屈折率酸化物層(42)が交互に配置される第1積層(4)と、該第1積層(4)の上にフッ化物層(52、512、502、523)および酸化物層(51、511、501、521、522)が交互に配置される第2積層(5、5A、5B、5C)とを有し、
    フッ化物層(52、512、502、523)の層数が、前記誘電体コーティング(2)の全層数に対する割合として、0.45未満であるミラー。
  2. 吸収率が2%未満である、請求項1に記載のミラー。
  3. 最大反射率が93%以上97%以下である、請求項1または2に記載のミラー。
  4. 石英ガラスでできた基板を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載のミラー。
  5. 前記第2積層(5、5A、5B、5C)の前記フッ化物層(52、512、502、523)は、低屈折率フッ化物からなる、請求項1から4のいずれか1項に記載のミラー。
  6. フッ化物層(52、512、502、523)として、フッ化マグネシウムを有し、酸化物層(51、511、501、521、522)として、酸化アルミニウムおよび/または二酸化ケイ素を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載のミラー。
  7. 前記第2積層(5)は2つの下位積層(5A、5B)を有し、第1下位積層(5A)はフッ化物層(502、512)と第1酸化物層(501)とを交互に有し、第2下位積層(5B)は前記フッ化物層(502、512)と第2酸化物層(511)とを交互に有する、請求項1から6のいずれか1項に記載のミラー。
  8. 前記第2積層(5)は2つの下位積層(5C、5B)を有し、第1下位積層(5C)はフッ化物層(523、512)と2つの酸化物層(512、522)とを交互に有し、第2下位積層(5B)は前記フッ化物層(523、512)と前記2つの酸化物層(521、522)のどちらか一方とを交互に有する、請求項1から6のいずれか1項に記載のミラー。
  9. 前記誘電体コーティング(2)は、前記第1積層(4)と前記第2積層(5、5A、5B、5C)とで構成される、請求項1から8のいずれか1項に記載のミラー。
  10. 基板(3)から最も離れている前記層(51、511)として、酸化アルミニウム層を有する、請求項1から9のいずれか1項に記載のミラー。
  11. 請求項1から10に記載のいずれか1項に記載の、2枚の平面平行のミラー(61)を具えるエタロン。
JP2013511684A 2010-05-27 2011-05-26 誘電体コーティングされたミラー Pending JP2013529318A (ja)

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