JP2001194526A - 多層膜反射ミラー - Google Patents

多層膜反射ミラー

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐環境性能に優れ、また、表面にクラックが
発生する恐れの少ない紫外線反射用の多層膜反射ミラー
を提供する。 【解決手段】 紫外域の波長を反射する多層膜反射ミラ
ーにおいて、該反射ミラーの基板上に高屈折率膜と低屈
折率膜とを交互に積層することにより形成される積層膜
と、該積層膜に生じる内部応力を緩衝させるための緩衝
膜であって、積層膜の中に形成される緩衝膜とからな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線レーザを照
射するレーザ装置等に使用される紫外線反射用の多層膜
反射ミラーに関する。
【0002】
【従来技術】治療等のために紫外域のレーザ光を利用す
るレーザ装置では、レーザ光源からのレーザ光の光路を
変えるために反射ミラーが使用されている。この反射ミ
ラーは高屈折率膜と低屈折率膜とを交互に積層した多層
膜を基板上に形成することにより高反射率を得ている
が、特定の光を反射させる場合、その波長領域によって
膜材料を選択する必要がある。
【0003】例えば、248nm付近の波長のレーザ光
を効率よく反射させるためには高屈折率膜にHfO
2を、低屈折率膜にSiO2を使用するが、異なる波長域
である193nm付近のレーザ光を反射させようとする
場合、前述した膜構成では高い反射率が得られない。こ
のため、193nm付近の波長のレーザ光を効率よく反
射させるために高屈折率膜に弗化ランタン(LaF3
を、低屈折率膜にクリオライト(Na3AlF6)を使用
した多層膜反射ミラーが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高屈折
率膜に弗化ランタン(LaF3)を、低屈折率膜にクリ
オライト(Na3AlF6)を使用した反射ミラーは、1
93nm付近の波長のレーザ光を効率よく反射する反
面、クリオライトが持つ潮解性のため湿度に弱く、反射
ミラーの作成過程や保存性において安定しない等、耐環
境性能に難点がある。
【0005】これを改善する膜構成としては、潮解性を
持たない弗化マグネシウム(MgF 2)をクリオライト
の代わりに使用することも考えられるが、この場合、内
部応力の高いMgF2を多層に亘って積層することによ
り、表面にクラックが生じ易いという問題がある。
【0006】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、
耐環境性能に優れ、また、表面にクラックが発生する恐
れの少ない紫外線反射用の多層膜反射ミラーを提供する
ことを技術課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とす
る。
【0008】(1) 紫外域の光を反射する多層膜反射
ミラーにおいて、該反射ミラーの基板上に高屈折率膜と
低屈折率膜とを交互に積層することにより形成される積
層膜と、該積層膜に生じる内部応力を緩衝させるための
緩衝膜であって、積層膜の中に形成される緩衝膜と、か
らなることを特徴とする。
【0009】(2) (1)の緩衝膜は、前記積層膜を
形成する高屈折率膜の一部又は低屈折率膜の一部の代替
膜として形成されることを特徴とする。
【0010】(3) (1)の多層膜反射ミラーにおい
て、前記緩衝膜は前記高屈折率膜に対して低屈折率の特
性を持つ膜であり、前記基板側から高屈折率膜、低屈折
率膜の順に順次形成された下層の積層膜の内部応力を打
ち消すべく、高屈折率膜の次ぎに形成されることを特徴
とする。
【0011】(4) (1)の緩衝膜の構成物質はSi
2からなることを特徴とする。
【0012】(5) (1)の高屈折率膜の構成物質は
LaF3であり、低屈折率膜の構成物質はMgF2である
ことを特徴とする。
【0013】(6) (1)〜(5)の何れかの多層膜
反射ミラーは、193nm付近の波長において95%以
上の反射率を有することを特徴とする。
【0014】(7) (1)〜(6)の多層膜反射ミラ
ーにおいて、さらにアンダーコートとしてHfO2膜と
SiO2膜との積層膜が予め施されていることを特徴と
する。
【0015】(8) (1)〜(7)の多層膜反射ミラ
ーにおいて、最外層の膜がSiO2膜からなることを特
徴とする。
【0016】(9) 紫外域の光を反射する多層膜反射
ミラーにおいて、該反射ミラーの基板反射面上に高屈折
率膜と低屈折率膜とを交互に積層し、最上層を高屈折率
膜とする第一積層膜と、該第一積層膜と同順にて積層形
成した第二積層膜と、前記第一積層膜と第二積層膜との
間に形成され、前記第一積層膜に生じる内部応力を緩衝
させる応力を備える緩衝膜と、からなることを特徴とす
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照しながら説明す
る。図1は本発明の実施形態である紫外域の光を反射す
る反射ミラー10に形成される膜の積層構成を示す模式
図である。1は反射ミラー10の基板であり、合成石英
等の一般的なガラス材料が用いられる。基板1の反射面
側には多層膜2が形成されている。この多層膜2は高屈
折率膜2aと低屈折率膜2bとが交互に積層されるよう
に形成される。
【0018】本実施の形態で使用する反射ミラー10
は、紫外域である193nm付近の波長の光を特に効率
よく反射させるようにするために、高屈折率膜を構成す
る物質として、YF3、YbF3、DyF3、LaF3、N
dF3、Al23、Sc23、HfO2やこれらを主成分
とした複合材料等を使用することが好ましい。また、低
屈折率膜には潮解性を有しないMgF2やMgF2を主成
分とした複合材料が使用される。このような構成物質を
使用して高屈折率膜2aと低屈折率膜2bとを基板1上
に交互に積層していくことにより、波長193nm付近
の波長域において、高反射率を示す反射ミラー10を製
作することが可能となる。
【0019】しかしながら、高屈折率膜2aと低屈折率
膜2bのみで構成される多層膜では、積層する膜の層数
が多くなるにしたがって、形成している膜の内部応力に
よるクラックが生じ易くなる。このため適当な積層膜数
に達したら、図のように内部応力を打ち消すための緩衝
膜層2cを形成しておき、さらにこの緩衝膜層2cの上
に先程と同じように高屈折率膜2aと低屈折率膜2bと
を交互に積層していく。
【0020】このときの緩衝膜2cは高屈折率膜2a、
低屈折率膜2bによって生じる内部応力を打ち消す(緩
衝させる)応力を生じさせる特性を持つ物質を使用す
る。例えば、高屈折率膜2aにLaF3、低屈折率膜2
bにMgF2を使用する場合、これらを積み重ねた積層
膜に発生する内部応力は引っ張り応力となる。この引っ
張り応力を緩衝させるためには、その反対の応力となる
圧縮応力が生じる膜を緩衝膜2cとして使用する必要が
ある。膜の形成時に圧縮応力が生じるような膜の構成物
質は種々考えられるが、代表的なものとしては、MgF
2と同程度の低屈折率の特性を持つSiO2が挙げられ
る。
【0021】このように緩衝膜2cを高屈折率膜2aと
低屈折率膜2bからなる積層膜の間に配置することによ
り、その下に積層された膜構成の内部応力を緩衝させる
ため、総積層膜数が増えてもクラックを生じさせなくす
ることができる。
【0022】なお、反射させる波長域によっては、所望
する反射率を得るために高屈折率膜2aと低屈折率膜2
bとをさらに積層していく必要が生じることもある。こ
の場合も適当な積層膜数に達したら、再び緩衝層2cを
形成しておくことでクラックを抑えながらさらに積層数
を増やしていくことが可能である。
【0023】また、基板1上に積層する膜数は、使用す
る膜材料、所望する反射率等により適宜選択されるが、
なるべく総積層膜数を少なくしつつ反射率を上げること
が好ましい。例えば、緩衝層2cを形成する前までの高
屈折率膜2aと低屈折率膜2bとからなる積層膜の数を
少なくした場合、当然クラックの発生は抑制されるが、
使用する緩衝膜2cの数が多くなるため、結果として総
積層膜数が増えることとなり効率が悪い。
【0024】また反対に、緩衝層2cを形成する前まで
の高屈折率膜2aと低屈折率膜2bとからなる積層膜の
数をあまり多くしてしまうと、緩衝膜2cを形成する前
にクラックが生じてしまう。したがって所望する反射率
に対して、反射ミラー10上の総積層膜数をなるべく少
なくするためには、緩衝層2cを形成する前までの高屈
折率膜2aと低屈折率膜2bとからなる積層膜の数を、
クラックが生じない程度の積層膜数内にてなるべく多く
の膜数になるように積層させることが必要となる。
【0025】図1では積層膜数が5層毎に緩衝膜2cを
1層形成するように示しているが、実際に高屈折率膜2
aにLaF3を低屈折率膜2bにMgF2を使用する場合
には、積層膜数が20層前後に対して緩衝膜2cを1層
形成するようにするのが好ましい。
【0026】また、図1では緩衝膜2cを高屈折率膜2
aの間に形成しているが、これは緩衝膜2cを構成する
物質の屈折率が低屈折率の場合であり、低屈折率膜2b
の代わりとして緩衝膜2cが形成されることによるもの
である。したがって、高屈折率である構成物質を用いて
緩衝膜2cを形成させる場合には、高屈折率膜2aの代
わりとして低屈折率膜2bの間に緩衝膜2cを形成す
る。
【0027】基板1上に形成された膜の最外層は高屈折
率膜2a、低屈折率膜2bのどちらでもかまわないが、
レーザ光の照射時の耐久性を向上させるためには低屈折
率膜2bを最外層に形成させておくことが好ましい。ま
た、最外層に形成される膜の光学膜厚は光学的な影響の
少ない膜厚となる(1/2)λが好ましい。
【0028】次に、このような多層膜を形成するための
成膜方法を説明する。多層膜を形成するには真空蒸着法
やスパッタ法等の一般的な膜形成方法にて行うことがで
きる。図2は真空蒸着法にて成膜する様子を模式的に示
したものである。
【0029】20は真空蒸着器であり、内部には蒸着物
質22(膜を構成する物質となる)を蒸発させるための
蒸着源21が備わっている。蒸着源21には抵抗加熱器
や電子銃等の一般的に知られているものが真空蒸着に使
用される。蒸着面(反射面)を下側にした基板1を図の
ように蒸着器20内上部に取り付けておき、真空ポンプ
23にて蒸着器内20を真空度1.0×10-2〜1.0
×10-4Pa程度に保ちながら、蒸着源21により蒸着
物質22を加熱し、蒸発させる。蒸発時の蒸着器20内
の温度はあまり高いと成膜時にクラックが生じてしまう
ため、常温〜200℃程度が好ましい。
【0030】基板1への最初の反射用成膜は高屈折率膜
2a用の蒸着物質にて行ない、所定量の膜厚に達するま
で成膜を行う。膜厚は反射波長域に応じて決定され、そ
の膜厚形成状況は図示無き光学モニター上に目的の波長
の光を投光し、その反射率の変化によって検知すること
ができる。所定量の膜厚に達したら、蒸着物質を低屈折
率膜2b用の蒸着物質に切り替えて2層目の成膜を行
う。このようにして高屈折率膜2aと低屈折率膜2bと
を交互に積層していく。積層膜数が所定積層数に達した
ら、緩衝膜2c用の蒸着物質に切り替えて高屈折率膜2
a上に1層分だけ緩衝膜2cを形成する。緩衝膜2cの
形成が終了したら、緩衝膜2cの上に先程と同じように
高屈折率膜2a→低屈折率膜2b→高屈折率膜2a…の
順に積層していき、多層膜の反射ミラー10を完成させ
る。
【0031】また、反射用の成膜を行う前に基板1上に
アンダーコート等を行っておき、その上から前述した多
層膜を成膜することも可能である。
【0032】上述した多層膜反射ミラーにおいては、湿
度に対する耐久性が高いものが得られるが、湿度に対す
る高耐久性に加え、さらに耐熱性の高い多層膜反射ミラ
ーを得るためには、上述の多層膜反射ミラーに対して最
外層直前の層をMgF2(1/2)λとし、最表面(最
外層)にSiO2をオーバーコートしておく。
【0033】最外層に成膜されるSiO2の光学膜厚
は、光学的な影響の少ない膜厚となる(1/2)λが好
ましい。最外層にSiO2をオーバーコートしておくこ
とにより、湿度に対する高耐久性を維持しつつ、耐熱性
に優れた多層反射ミラーを得ることができる。
【0034】以下に、より具体的な実施例を挙げ、本発
明を説明する。
【0035】<実施例1>高屈折率膜2aにLaF
3を、低屈折率膜2bにMgF3、緩衝膜2cにSiO 2
を使用した。基板1上の総積層膜数を46層とし、成膜
方法は真空蒸着法を使用し、真空度1.0×10-3Pa
以下、蒸着器の内部温度を150℃にして蒸着を行っ
た。この時の膜構成を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1に示すように、基板1の反射面側の下
層から光学膜厚をそれぞれ(1/4)λ(ただし、λ=
193nm)として高屈折率膜2a−低屈折率膜2bの
順に交互に積層し、15層目を高屈折率膜2aとする第
1の積層膜を形成した。そして、16層目に緩衝膜Si
2を光学膜厚(3/4)λだけ形成した。続いて、こ
の第1の積層膜と同順の第2の積層膜をもう1周期(1
7層〜31層)形成した後、32層目に再び緩衝膜Si
2を光学膜厚(3/4)λだけ形成した。さらに33
層目から45層目まで高屈折率膜2a−低屈折率膜2b
の順に交互に積層していき、最表面(46層目)に低屈
折率膜2bを光学膜厚(1/2)λだけ形成した。
【0038】このような多層膜を形成した反射ミラー1
0の多層膜表面を顕微鏡にて倍率400倍で観察を行っ
た。観察の結果、表面にクラックは生じていなかった。
【0039】また、分光光度計にて反射特性(45度反
射率)を検査した。その結果を図3に示す。図に示すよ
うに、波長200nmより短波長側で80%以上の反射
率が得られ、波長193nm付近においては97%以上
の高反射率を得ることができた。
【0040】<実施例2>基板1上には、HfO2とS
iO2とを交互に積層したアンダーコートを予め行い、
基板1上の総積層膜数を54層とし、表2に示すような
膜構成の多層膜の反射ミラー10を真空蒸着法により製
作した。成膜に使用する蒸着物質は高屈折率膜、低屈折
率膜、緩衝膜とも実施例1と同じ物質を使用した。な
お、表2の成膜順序の欄において、(U)と記している
のはアンダーコート用の膜であることを示している。
【0041】
【表2】
【0042】実施例1と同様に顕微鏡にて観察を行った
が、クラックは生じていなかった。また、その光学特性
を図4に示す。この図に示すようにアンダーコートを行
った上で本発明の多層膜を成膜することにより、紫外領
域の波長193nm付近にて94%以上、236nm付
近にて80%以上の反射率が得られた。また、可視領域
においても560nm〜680nmの波長域では70%
以上、さらに620nm〜650nmでは80%以上の
高反射率を得ることができた。このような光学特性を備
える反射ミラーは、紫外域のレーザ光と可視域のレーザ
光を使用するレーザ装置等に特に好適に用いることがで
きる。
【0043】<実施例3>実施例3では実施例1で得ら
れた多層膜に、さらに最外層(47層目)としてSiO
2膜を光学膜厚(1/2)λだけオーバーコートさせて
多層膜反射ミラーを完成させた。また、得られた多層反
射ミラーをオーブンに入れ、130℃にて12時間おく
加熱試験を行った。この加熱前と加熱後の多層膜反射ミ
ラーの各々について分光光度計にて反射特性(45度反
射率)を検査した。その結果を図5に示す。図に示すよ
うに、波長200nmより短波長側では加熱前の多層膜
反射ミラーの反射率と殆ど差がない結果となった。
【0044】<比較例1>実施例1で得られた多層反射
ミラーを、実施例3と同様な加熱試験を行い、その耐熱
性について評価を行った。その結果を図6に示す。
【0045】最外層にSiO2膜がオーバーコートされ
ていない実施例1の多層反射ミラーの場合、波長200
nmより短波長側では加熱前の多層膜反射ミラーの反射
率に比べ、加熱後の多層反射ミラーの反射率が格段に低
下した。
【0046】このように、多層反射ミラーを形成する各
層の屈折率に影響を及ぼすような環境(例えば、高温
下)で使用する必要がある場合は、実施例3のようなS
iO2膜を最外層にオーバーコートさせて使用すること
が好ましい。また、各層の屈折率に影響を及ぼさない環
境下であれば、実施例1、2のような多層反射ミラーを
使用すればよい。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、紫外域
において高反射率を有すると共に、耐環境性能に優れ、
クラックの発生を抑えた反射ミラーを得ることができ
る。また、最外層にSiO2膜をオーバーコートするこ
とにより、耐熱性の高い反射ミラーを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の膜構成の概略を示す図である。
【図2】真空蒸着法にて成膜する様子を模式的に示した
図である。
【図3】実施例1の反射ミラーの光学特性を示したグラ
フである。
【図4】実施例2の反射ミラーの光学特性を示したグラ
フである。
【図5】実施例3の反射ミラーにおける加熱前と加熱後
との光学特性を比較したグラフである。
【図6】実施例1の反射ミラーにおける加熱前と加熱後
との光学特性を比較したグラフである。
【符号の説明】
1 基板 2 多層膜 2a 高屈折率膜 2b 低屈折率膜 2c 緩衝膜 10 反射ミラー 20 真空蒸着器 21 蒸着源 22 蒸着物質 23 真空ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H042 DA01 DA08 DA12 DA14 DA18 DB02 DC02 DE07 2H048 FA05 FA07 FA09 FA15 FA18 FA24

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外域の光を反射する多層膜反射ミラー
    において、該反射ミラーの基板上に高屈折率膜と低屈折
    率膜とを交互に積層することにより形成される積層膜
    と、該積層膜に生じる内部応力を緩衝させるための緩衝
    膜であって、積層膜の中に形成される緩衝膜と、からな
    ることを特徴とする多層膜反射ミラー。
  2. 【請求項2】 請求項1の緩衝膜は、前記積層膜を形成
    する高屈折率膜の一部又は低屈折率膜の一部の代替膜と
    して形成されることを特徴とする多層膜反射ミラー。
  3. 【請求項3】 請求項1の多層膜反射ミラーにおいて、
    前記緩衝膜は前記高屈折率膜に対して低屈折率の特性を
    持つ膜であり、前記基板側から高屈折率膜、低屈折率膜
    の順に順次形成された下層の積層膜の内部応力を打ち消
    すべく、高屈折率膜の次ぎに形成されることを特徴とす
    る多層膜反射ミラー。
  4. 【請求項4】 請求項1の緩衝膜の構成物質はSiO2
    からなることを特徴とする多層膜反射ミラー。
  5. 【請求項5】 請求項1の高屈折率膜の構成物質はLa
    3であり、低屈折率膜の構成物質はMgF2であること
    を特徴とする多層膜反射ミラー。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかの多層膜反射ミラ
    ーは、193nm付近の波長において95%以上の反射
    率を有することを特徴とする多層膜反射ミラー。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の多層膜反射ミラーにおい
    て、さらにアンダーコートとしてHfO2膜とSiO2
    との積層膜が予め施されていることを特徴とする多層膜
    反射ミラー。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の多層膜反射ミラーにおい
    て、最外層の膜がSiO2膜からなることを特徴とする
    多層膜反射ミラー。
  9. 【請求項9】 紫外域の光を反射する多層膜反射ミラー
    において、該反射ミラーの基板反射面上に高屈折率膜と
    低屈折率膜とを交互に積層し、最上層を高屈折率膜とす
    る第一積層膜と、該第一積層膜と同順にて積層形成した
    第二積層膜と、前記第一積層膜と第二積層膜との間に形
    成され、前記第一積層膜に生じる内部応力を緩衝させる
    応力を備える緩衝膜と、からなることを特徴とする多層
    膜反射ミラー。
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