JP2013527430A - 赤血球生成刺激剤(esa)の効果を予測し投与量を決定するための方法及び装置 - Google Patents

赤血球生成刺激剤(esa)の効果を予測し投与量を決定するための方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013527430A
JP2013527430A JP2013500380A JP2013500380A JP2013527430A JP 2013527430 A JP2013527430 A JP 2013527430A JP 2013500380 A JP2013500380 A JP 2013500380A JP 2013500380 A JP2013500380 A JP 2013500380A JP 2013527430 A JP2013527430 A JP 2013527430A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
patient
concentration
hemoglobin
mass
esa
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013500380A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6223821B2 (ja
Inventor
チャムニー ポール
モイッスル ウーリッヒ
ワーベル ペーター
ヴィースコッテン セバスティアン
ニーア フォルカー
Original Assignee
フレゼニウス メディカル ケア ドイチェランド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from EP10008085.2A external-priority patent/EP2416154B1/en
Application filed by フレゼニウス メディカル ケア ドイチェランド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング filed Critical フレゼニウス メディカル ケア ドイチェランド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
Publication of JP2013527430A publication Critical patent/JP2013527430A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6223821B2 publication Critical patent/JP6223821B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/72Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving blood pigments, e.g. haemoglobin, bilirubin or other porphyrins; involving occult blood
    • G01N33/721Haemoglobin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
    • A61P7/06Antianaemics
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/72Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving blood pigments, e.g. haemoglobin, bilirubin or other porphyrins; involving occult blood
    • G01N33/721Haemoglobin
    • G01N33/726Devices
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2800/00Detection or diagnosis of diseases
    • G01N2800/52Predicting or monitoring the response to treatment, e.g. for selection of therapy based on assay results in personalised medicine; Prognosis

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • External Artificial Organs (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

患者はより早期の第1の時点で理論的に若しくは実際にある量の赤血球生成刺激剤(ESA)を投与され、その後の第2の時点での該患者の体液及び/又はその体外サンプルにおけるヘモグロビンの濃度若しくは質量又はその近似値を予測若しくは評価する方法及び装置において、修正されたヘモグロビン質量又は濃度を得るために、測定されたヘモグロビン濃度値又はその近似値をそれぞれ該患者の水分過剰に対して修正し、その修正された質量又は濃度から又はそれに基づき上記第2の時点でのヘモグロビンの質量又は濃度を予測する、方法及び装置が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、請求項1の前提部及び/又は請求項19及び/又は請求項33による、患者はより早期の第1の時点で理論的に若しくは実際にある量の赤血球生成刺激剤を投与され、その後の第2の時点での患者の体液又はその体外サンプルにおけるヘモグロビンの濃度若しくは質量又はその近似値を予測若しくは決定する方法に関する。更に本発明は、請求項7の前提部及び/又は請求項29、36及び/又は請求項39による、患者に投与すべき赤血球生成刺激剤の量を決定する方法、請求項13による、ヘモグロビンの減少を導く環境(状況?)に患者が影響されているかを判断する方法、及び対応する装置、及び貧血の治療に使用される赤血球生成刺激薬に関する。最後に、本発明は、請求項30及び/又は請求項40による、デジタル記憶手段、コンピュータプログラム製品、コンピュータプログラム及び貧血の治療方法に関する。
ある状況において、患者の体内に存在するヘモグロビン(赤血球における鉄含有酸素搬送金属蛋白質でありHb又はHgbとして知られている)の濃度若しくは質量は、赤血球生成刺激剤(ESA)の投与量又は服用量(共に本願では投薬量の類似語として使用)を決定する立場にある担当医師により、できる限り適切に検査若しくは監視されなければならない。
実際には、血液サンプルによりヘモグロビン濃度を測定して患者の貧血状態を評価する。測定値がある閾値未満であることは、血液中の赤血球(RBC)の正常な量からの減少又はヘモグロビンが正常量以下であることとして定義される、「貧血」の徴候のサインであると通常考えられる。これらの結果に基づき赤血球生成刺激剤(ESA)の投与量又は服用量が判定され、計算し決定される。医学的及び経済的等の理由からESAの投与量は可能性ばかりでなく必要性に適合させるべきで、一旦投与されるとESAがどのようにその後のヘモグロビン濃度に影響を与えるか予め知ることは大変関心がある。
しかし、赤血球生成促進因子(EPO)及び鉄の外生的投与により、規定されたガイドライン内にヘモグロビンHbを安定に維持することは臨床環境では困難である。
赤血球生成促進因子(EPO)の投与量に変化があれば赤血球もほぼ即時に変化する。もし正しい鉄の量が赤血球の生成のために与えられれば、ヘモグロビンの質量はほぼ即時に変化する。しかし赤血球の質量は、「応答時間」として知られる赤血球寿命(健康状態で典型的には120日)に依存する期間の経過まで安定しない。赤血球寿命は種々の病気、特に、炎症状態では短くなる。
通常、臨床業務においてHbは月単位での血液サンプリングによりモニターされる。新たなEPOの投与後1ヶ月経過すると、Hbの値は目標値外又は目標値範囲外となることが分かる。応答に必要な時間の経過前にEPOの投与量を変化すれば、Hbの値は変動するのみならず目標値範囲外の値に変動する。
実務上は、多量の医療リソースが血液中のHbレベルを連続的にモニターしEPOの投与量を調整することに費やされる。このリソースの大半は、適切な技術で自動的にHbをモニターし、長期に亘り安定なHb濃度を維持するための最適なEPOの投与量を得る方法により節約し得る。
従って、本発明によれば、ヘモグロビンの濃度又は質量を予測又は評価する方法、目標Hb濃度又は質量を達成するために施されるEPO及び鉄の投与を含む赤血球生成刺激剤(ESA)の投与量を決定する方法、が提案される。同様に、本発明によるその方法を達成するための装置が、デジタル記憶手段、コンピュータプログラム製品、コンピュータプログラムとともに提供される。最後に、所定の投与手順に従って使用される赤血球生成刺激薬が提案される。
本発明による予測又は決定する方法は請求項1の特徴により規定される。
即ち、本発明の一面によれば、その後の第2の時点での患者の血液サンプルのような体液及び/又はその体外サンプルにおけるヘモグロビンの濃度若しくは質量又はその近似値を予測する方法が示唆され、患者はより早期の第1の時点で理論的に若しくは実際にある量、即ち既知の量の赤血球生成刺激剤を投与される。
この方法は、修正されたHb質量又は濃度値を得るために、上記第1の時点又は第3の時点の様な他の時点で測定され得る、測定され又は計算されたヘモグロビン質量若しくは濃度値又はその近似値をそれぞれ、該患者の水分過剰又は超水分過剰に対して又は水分過剰の一部または水分過剰による歪みに対して修正するステップを備える。
この方法は更に、その修正された質量又は濃度値から又はそれに基づき上記第2の時点でのヘモグロビンの質量又は濃度を予測するステップを備える。
予測のための本発明による装置は請求項4の特徴により規定される。即ち、本発明の別の一面によれば、患者はより早期の第1の時点で理論的に若しくは実際にある量の赤血球生成刺激剤を投与され、その後の第2の時点での該患者の体液及び/又はその体外サンプルにおけるヘモグロビンの濃度若しくは質量又はその近似値を予測若しくは決定する装置が提案される。この装置は、修正されたヘモグロビン(Hb)質量又は濃度を得るために、測定されたヘモグロビン濃度値又はその近似値をそれぞれ該患者の水分過剰に対して計算により修正する修正手段を有する。この装置は更に、この修正された質量又は濃度から上記第2の時点でのヘモグロビンの質量又は濃度を予測する予測手段を備える。
本発明により決定する方法は請求項7の特徴により規定される。即ち、本発明の別の一面によれば、後の第2の時点での患者の体液及び/又はその体外サンプルにおけるヘモグロビンの所望の濃度若しくは質量(目標濃度又は質量ともいう)又はその近似値を得るために、より早期の第1の時点で患者に投与すべき赤血球生成刺激剤の量を決定する方法が示唆される。この方法は、修正された質量又は濃度を得るために、測定されたヘモグロビン質量若しくは濃度値又はその近似値をそれぞれ該患者の水分過剰により又は、それに対して修正するステップを備える。この方法は更に、上記修正されたヘモグロビン質量又は濃度値から赤血球生成刺激剤の投与量を決定するステップを備える。
本発明により投与量を決定する装置は請求項10の特徴により規定される。即ち、本発明の別の一面によれば、後の第2の時点での患者の体液及び/又はその体外サンプルにおけるヘモグロビンの目標又は所望の濃度若しくは質量又はその近似値を得るために、より早期の第1の時点で患者に投与すべき赤血球生成刺激剤の量を決定する装置は、修正された質量又は濃度値を得るために、測定されたヘモグロビン濃度値又はその近似値をそれぞれ該患者の水分過剰に対して修正する修正手段を備える。この装置は更に、上記修正されたヘモグロビン質量又は濃度値に基づき赤血球生成刺激剤の投与量を決定する予測手段を備える。
本発明により決定する他の方法は請求項13の特徴により規定される。即ち、本発明の別の一面によれば、失血、出血、非生理学的デグラデーション又は何らかの非生理学的原因のいずれかによるヘモグロビンの減少を導く環境に患者が影響されるか否かを判定する方法が提案される。この方法は、第2の時点での該患者の体液及び/又はその体外サンプルにおいて測定されたヘモグロビンの濃度若しくは質量又はその近似値を、請求項1乃至3のいずれか1に記載の方法により該第2の時点での予測された濃度と比較するステップを備える。
本発明による対応する装置は請求項14の特徴により規定される。即ち、本発明の別の一面によれば、失血、出血、非生理学的デグラデーション又は何らかの非生理学的原因のいずれかによるヘモグロビンの減少に導く環境に患者が影響されているか否かを判定する装置は、第2の時点での該患者の体液及び/又はその体外サンプルにおいて測定されたヘモグロビンの濃度若しくは質量又はその近似値を、請求項1乃至3のいずれか1に記載の方法により該第2の時点での予測された濃度と比較する比較手段を備える。
本発明の更に別の一面によれば、請求項13による、貧血の処置又は患者の血液中のヘモグロビン濃度を増加するために使用される赤血球生成刺激剤又は薬が示唆される。該薬の投与量及び/又は投与計画又は処方計画が請求項7乃至9のいずれか1に記載の方法に基づき計算又は設定される。当該薬はEPO又は鉄で良く、同様に少なくとも2つの異なる薬の処方/投与の組み合わせでも良い。
患者は人間でも動物でも良い。患者は健康でも病気でも良い。患者は医療を必要としてもしなくても良い。
本発明によるデジタル記憶手段は請求項16の特徴により規定される。即ち、本発明の別の一面によれば、特にディスク、CD、又はDVDのようなデジタル記憶手段は、本発明による方法が実行されるよう、プログラマブルコンピュータシステムと互いに作用しうる電気的に読み出し可能な制御信号を有する。
本発明によるコンピュータプログラムプロダクトは請求項17の特徴により規定される。即ち、本発明の別の一面によれば、コンピュータプログラムプロダクトは、当該プログラムプロダクトをコンピュータ上で実行する際に、本発明による方法を実行するための、機械的に読み出し可能なデータ媒体上に記憶されたプログラムコードを有する。
本発明によるコンピュータプログラムは請求項18の特徴により規定される。即ち、本発明の別の一面によれば、コンピュータプログラムは、当該プログラムをコンピュータ上で実行する際に、本発明による方法を実行するためのプログラムコードを有する。
本発明の態様は以下の特徴の1つ以上を備える。
本発明の特定の態様では、ヘモグロビンの質量又は濃度値を決定するための目標又は目標範囲は、患者の水分過剰に対して修正されたヘモグロビンの質量又は濃度値に基づき生成される。
本発明のある態様では、第2の時点での予測されるヘモグロビンの質量又は濃度は水分過剰に対して修正された値である。特定の態様においては、それは未修正値である。
本発明のある態様では、
内生的ESA生成、
残りの腎臓機能、
トランスフェリン飽和、
いかにEPO又はESAを投与されたか又は投与すべきかの投与モード、
現在の前赤芽球から生成される赤血球の割合、
生理学的内因性EPO又はESA制御の存在及び/又は程度を示す要素、
鉄吸収プロセスを示す要素、
種々のタイプの外因性EPO又はESAのキネティクスを示す要素、
該患者の水分過剰を反映した要素、
治療スケジュールを考慮した要素、
フェリチン及び/又はヘプシジンを考慮又は反映した要素、及び
機能上の又は完全な鉄欠乏を示す要素、
を少なくとも含む群から選ばれた少なくとも1つの要素が数学的に熟考又は考慮される。
本発明の特定の態様では、上記した要素の全て又はいくつかは本発明による方法又は装置を用いて明白に述べられなければならない。例えば、ある値が、問題の要素に対して、本発明による方法又は装置のユーザにより提供されて良い。ある態様では、いくつかの要素が推定されて良い。ある態様では、いくつかの要素がデフォルト値で置き換えられて良い。その場合、問題の要素に対して値は設定も提供もされてはならず、むしろ文献又は検索された参照文献等から公知の値が用いられて良い。
本発明に関して、ESAは貧血の処置において使用される外部から投与される薬であり、EPO又は鉄等で良い。
本発明のある態様では、上記装置はヘモグロビンの質量又は濃度値を決定するための目標又は目標範囲を生成する手段を有し、該目標又は目標範囲は水分過剰に対して修正されたヘモグロビンの質量又は濃度値に基づき生成される。
本発明の特定の態様では、上記装置は、
内生的ESA生成、
残りの腎臓機能、
トランスフェリン飽和、
いかにEPO又はESAを投与されたか又は投与すべきかの投与モード、
現在の前赤芽球から生成される赤血球の割合、
生理学的内因性EPO又はESA制御の存在及び/又は程度を示す要素、
鉄吸収プロセスを示す要素、
種々のタイプの外因性EPO又はESAのキネティクスを示す要素、
該患者の水分過剰を反映した要素、
治療スケジュールを考慮した要素、
フェリチン及び/又はヘプシジンを考慮又は反映した要素、及び
機能上の又は完全な鉄欠乏を示す要素、
を少なくとも含む群から選ばれた少なくとも1つの要素を数学的に熟考又は数学的に考慮する手段を備える。
本発明のある態様では、鉄欠乏が以下の様に予測できる。即ち、a)欠乏が測定され、b)血液量が推定され、不足している鉄投与量が、例えば、以下のアルゴリズムに基づき計算される。
総鉄不足量[mg]=体重[kg]´(目標Hb−実Hb)[g/l] ´0.24+デポ鉄[mg]
上記のアルゴリズムにおいて、係数0.24=0.0034´0.07y1000(ヘモグロビンの鉄成分)=0.34%であり、血液量は体重のほぼ7%に等しく、係数1000はgからmgへの変換に使用される。通常、体重35kg未満の人は目標Hbは130g/lに、デポ鉄は15mg/kg体重に、体重35kg以上の人は目標Hbは150g/lに、デポ鉄は500mgに設定される。更に、上記アルゴリズムにおいて、実際の及び目標のHbは正常水和Hb濃度値で良い。血液量を推定する際に以下のアルゴリズムを使用して良い。即ち、BVo=0.1´LTM+0.01´ATM、ここでLTMはリーン組織量、ATMは脂肪組織量を示す。
本発明の特定の態様では、測定されたヘモグロビンの質量若しくは濃度値又はその近似値をそれぞれ、修正された質量若しくは濃度値を得るために患者の水分過剰に対して修正することは、測定された(第1の時点若しくは第3の時点のような他の時点で測定された)ヘモグロビンの質量若しくは濃度値又はその近似値を水分過剰の観点から評価することを意味し又は含む。
ある態様では、本発明による装置は、測定/修正されたHb及びHCTの評価に基づき機能的(性)鉄欠乏を検出する手段、及び/又は修正された計算に基づき鉄欠乏の検出及び定量化を行う手段、及び/又は同様にTsat、低色素性赤血球、Hb等と称されるTSATを評価する手段を更に備える。
本発明の特定の態様では、上記方法は、測定/修正されたHb及びHCTの評価に基づき機能的鉄欠乏を検出するステップ、及び/又は修正された計算に基づき鉄欠乏の検出及び定量化を行うステップ、及び/又はTSAT、低色素性赤血球、Hb等を評価するステップの1つ以上を備える。
本発明のある態様では、値を予測することは、値を概算すること、補完すること、外挿すること、又は計算することとして理解できる。
本発明の特定の態様では、薬物動態原理が適用される。
本発明の特定の態様では、目標Hb濃度は、同様に薬剤の期待される効果に基づき計算又は決定される。
本発明のある態様では、赤血球生成刺激剤は赤血球生成促進因子(EPO)又はそれを含むものである。特定の態様では、赤血球生成刺激剤は鉄(Fe)である。
本発明のある態様では、体液は血液である。血液サンプルの場合、特定の態様では血液サンプルは体外血液回路から得られ、他の態様では患者の血管から得られる。ある態様では当該サンプルは尿サンプルである。
本発明のある態様では、投薬量の決定とはその値を近似するか計算することを意味する。
本発明の特定の態様では、ヘモグロビンの濃度又は質量は、例えば血液サンプルから直接測定され、又は例えば従来より知られている様に血管から血を導かずに光学的方法により測定される。更に又はそれに代わり、上記値は他の値、パラメータ等から得ても良く、それによりヘモグロビン(Hb)又はヘモグロビン(Hb)状態の正しい計算又は少なくとも十分な近似値が得られる。
特定の態様では、水分過剰は、患者の測定値及び/又は水分過剰(OH)又は相対的水分過剰(relOH:細胞外液(ECW)に対する水分過剰(OH))を反映した計算結果に基づき概算、計算又は決定される。水分過剰(OH)の定義に関しては、OHはaECW+bICW+c体重に等しいとする国際公開第2006/002685号が参照される。国際公開第2006/002685号の開示内容は本願に引用して援用される。OHは当業者に公知の異なる方法で決定される。これらの方法の1つは希釈状態を測定しそれ基づきOHを計算することを含む。
ある態様では、水分過剰を考慮すべく、透析前(pre−Dx)の値又は計算結果は次の透析処置が始まる直前、即ち、数分前に得られたデータである。本発明はしかしこれに限られない。データは同様に他の時点で得られたものでも良い。pre−Dxデータは他のデータより安定している。従って、これらを用いることは有利である。
特定の態様では、目標又は目標範囲は1つの閾値又は複数の閾値の組み合わせにより定義される。
水和状態又は水分過剰を判定するために、生体インピーダンス又は希釈技術に基づくモニターのような適切なモニターを用いて良い。
水和状態に関連するデータを得るためのモニターは国際公開第2006/002685号に記載されているもので良い。国際公開第2006/002685号の開示内容は本願に引用して援用される。勿論、本発明は国際公開第2006/002685号に記載されているような生体インピーダンス測定により患者の水和状態を判定するモニターに限定されるものではない。希釈測定のような当該分野で知られた他の方法及び当業者に知られた他の方法も同様に本発明により意図されかつ含まれる。
特定の態様では、上記装置は、Drukker、Parson及びMaher著、「透析による腎臓機能の置換」、Kluwer Academic出版、第5版、2004年、Dordrecht、オランダ、397−401頁(「血液透析及びモニター」)に記載されているような、Hb濃度(例えば[g/dl]における)を測定するための及び/又は血液量を決定するためのモニターを備えて良く、その開示内容は本願に引用して援用される。
ある態様では、モニターは、電導率を測定する手段により血液量及び/又はHb濃度を測定するよう構成されている。
特定の態様では、モニターは、光学密度を測定する手段により血液量及び/又はHb濃度を測定するよう構成されている。
ある態様では、HCT及びHbは独立して測定されて機能的鉄欠乏を検出するようにして良い。
特定の態様では、研究所の結果の組み合わせ(例えば、低色素性赤血球、TSAT、Hb、HCT、ヘプシジン・・・)を機能的鉄欠乏又は鉄不足を検出するために使用して良い。
ある態様では、モニターは、粘度を測定する手段により血液量及び/又はHb濃度を測定するよう構成されている。
特定の態様では、モニターは、濃度を測定する手段により血液量及び/又はHb濃度を測定するよう構成されている。
ある態様では、モニターは、1つ以上の対応するプローブ及び/又は電導センサ、光学センサ、粘度センサ、濃度センサ等の測定を行う1つ以上のセンサを有する。
特定の態様では、上記装置は透析により患者を処置するために用いられても良い。
他の態様では、上記装置は血液濾過、限外濾過、血液透析等により患者(又は患者の血液)を処置するために用いられても良い。
本発明の追加の態様は添付された請求の範囲の特徴の組み合わせにより規定される。繰り返しを避けるため、これらの特徴の組み合わせは参照により本願明細書の一部とする。
態様は以下の利点の1つ以上を提供する。
本発明の特定の態様では、(頻繁に行われる)Hb測定(例えば、正常水和Hbの計算)による体液状態変化の影響を除去できる。
本発明の特定の態様では、予め定義されたHbの目標範囲に正しく到達する。
本発明の特定の態様では、所与の目標範囲でのHbの予測制御が行われる。
本発明のある態様では、Hbのばらつき(変動)が防止される。
本発明の特定の態様では、定常状態のHbプラトー(所与及び一定EPO投与量の定常状態Hb)を予測できる。
本発明のある態様では、例えば出血、赤血球溶血等のHb劣化、Hb損失の変化を予測可能となる。
本発明のある態様では、予めいつ患者が目標範囲内で定常状態に達するか予測可能となる。
本発明のある態様では、システムダイナミクスの先行知識がESA投与と時宜に適って相互作用することを許容する。
本発明の特定の態様では、当該生理学的プロセスを考慮して予測により自然にHbの安定性が達成できるシステムが提供される。
本発明のある態様では、始めて、体液状態、鉄状態、ESA(特にEPO)投与量、EPO及び/又は鉄投与量及びHbキネティクスの効果を組み合わせたシステム又はモデルが提供される。
本発明の特定の態様では、クローズドESA又はEPO及びHbループがモデル化される。
本発明のある態様では、鉄とEPOの両方の効果及び相互作用の組み合わせが提案される。従って、患者の体の鉄バランスによるHbへの効果はEPO投与の際に考慮されて良い。
本発明のある態様では、定常状態のHbプラトーが好都合に予測される。
本発明の特定の態様では、目標Hbを達成するためのESA投与量が好都合に予測される。
本発明のある態様では、Hb変動が好都合に除去できる。
本発明の特定の態様では、Hb質量の非生理学的な変化が好都合に予測される。従って、内出血、失血、凝血、感染等が好都合に検出される。
本発明のある態様では、種々のESA又はEPOタイプのキネティクスが含まれて良い。従って、異なる半減期のような特徴が考慮されうる。
本発明の特定の態様では、投与スケジュール(毎週、毎日、毎月・・・)が考慮されて良い。
本発明のある態様では、鉄、その結果としてのEPOの最適な投与量は、TSATが鉄又はフェリチンの赤血球への取り込みへの制限要素となりうるという理解の基で見出される。トランスフェリンの飽和を判断することで鉄の過剰投与を防ぐ。本発明の原理に従い充分な量の鉄を投与又は計算することで、鉄が患者の体内での炎症過程に寄与するので、意に沿わない鉄の過剰投与が好都合に防止される。トランスフェリンの飽和は、低色素性の赤血球(ヘモグロビンが少ない赤血球)の数により容易に判断できる。
本発明によれば、EPO(生成される赤血球数に影響)と鉄(酸素結合容量に関する赤血球の品質に関連)の特定の相互作用を好都合に考慮して、鉄及びEPOが異なる時点で投与されるという時間計画が提案されても良い。
他の観点、特徴、効果は明細書、図面、請求の範囲の記載から明らかとなる。しかしながら、本発明はこの例に制限されないことを理解しなければならない。
本発明による方法を実行するためのコントローラを含む第1の装置を示す図である。 本発明による方法を実行するためのコントローラを含む第2の装置を示す図である。 2つの基準範囲の概念を示す図である。 健康状態でのHb調整の概念を示す図である。 腎機能(RF)を部分的または全く有しない場合のHbの調整を示す図である。 日単位での赤血球寿命に関し、赤血球のグラム当たりの質量分率を示す図である。 毎日生成される赤血球の各新しいパルスによるHb質量の累積を示す図である。 FIFOバッファ列を用いた循環におけるHb質量を示す図である。 トランスフェリン飽和に亘る赤芽球変換を示す図である。 赤芽球の搬送関数を示す図である。 図10の赤芽球の搬送関数についてのEPOの拡大された部分を示す図である。 腎臓機能の関数としてのEPOのゲインを示す図である。 血管スペースに現れるEPO濃度の導出を示す図である。 EPOの静脈注入の方法を示す図である。 腎臓のクレアチニン・クリアランスによる腎臓機能を示す図である。
図1は本発明による方法を実行するためのコントローラ11を含む装置9を示す。装置9は、本発明による方法で必要とされるデータ及び測定結果を記録した外部データーベース13に接続されている。データーベース13は内部手段であっても良い。装置9は、データをコントローラ11又は装置9に入力する手段14を備えても良い。データは上記した様にHbの質量、体積、濃度に関する情報である。装置9に入力されるそのようなデータは、更に又はそれに代り、患者の水分過剰又はその類似の情報であっても良い。コントローラ及び/又は装置9によりなされる予測、評価、計算、比較、査定等はモニター15に表示され、もしくは表示されずに所望により含まれることとなるプロッタによりプロットされても良い。データーベース13は実行の際に本発明の方法を開始するコンピュータプログラムを有して良い。
特に、コントローラ11は本発明による全ての方法を実行するよう構成される。
図2に示されるように、水和状態又は水分過剰状態を測定又は計算する手段の一例として、生体インピーダンス測定手段17に、対応する測定として、装置9を(有線又は無線で)接続して良い。一般に、水和状態又は水分過剰状態を測定又は計算する手段は、測定結果及び本発明による方法に必要なデータを含む外部データーベース13に加えて、又は外部データーベース13に代り(即ち、代替として)設けられる。
生体インピーダンス測定手段17は自動的に接触抵抗値のようなインピーダンスデータの影響を補償できる。
そのような生体インピーダンス測定手段17の一例は、国際公開92/19153号に記載されたXitron TechnologiesからHydra(登録商標)として出荷されている装置である。なお、国際公開92/19153号の開示内容は本願に引用して援用する。
生体インピーダンス測定手段17は種々の電極を有して良い。図2では2つの電極17a、17bが生体インピーダンス測定手段17に取り付けられたものとして示される。勿論、電極を追加することも考えられる。
各電極は2つ以上の(「サブ」)電極を有して良い。即ち、図2に示す電極17a、17bは2つの注入電極と2つの電圧測定電極(即ち、合計4つの電極)を有する。
一般に、水和状態又は水分過剰状態を測定又は計算する手段は、計量手段、要求されるデータを入力するキーボード、タッチスクリーン等、センサ、研究所との相互接続又は通信線、他の入力手段等で提供され得る。
同様に、装置9は、物質の質量、体積又は濃度を反映した値を得るための測定又は計算する手段19を、測定結果及び本発明による方法に必要なデータを含む外部データーベース13に加えて、又は外部データーベース13に代り(即ち、代替として)設けても良い。
手段19は、計量手段、要求されるデータを入力するキーボード、タッチスクリーン等、センサ、研究所との相互接続又は通信線、Hb濃度プローブ、他の入力手段等で提供される。
また、図面はどのようにして本発明の実施例が実施され得るかを示す例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の実施例は、以下に説明する1つ以上の特徴を有する。これらは技術的に結合可能であれば、本願明細書のいずれかに記載の特徴と結合され得る。
以下に、本発明の目標を達成するための3つの異なる方法を詳細に説明する。しかし、これらは本発明を限定するものではない。
本発明の第1の実施例は単純なアプローチと称されるもので、以下に図面を参照せずに説明する。この単純なアプローチは以下のステップ、知見、検討を含む。
単純なアプローチにおいて、予め測定された(即ち、本発明の方法を実施する前に測定された)ヘモグロビン(Hbと称す)の1つ以上の濃度値又は質量値が、従来の知識に基づき、ガイドラインにより示唆され又は特定の患者を担当する医師により要求される目標範囲未満であることが仮に検知されると、患者のESA(特にEPO)の処方は、特に精神的又は学術的行為の形で、即ち、EPOの処方に関する示唆の形として、段階的に増加される。
また、頻繁な測定により得られたHbの濃度値又は質量値(ある実施例では、これらは本発明の方法の一部ではなく、透析治療毎にその前及び/又は後に得られる値)は本発明の単純なアプローチで考慮される。
更に、患者の体液過剰、特に、本発明による方法を実施する前の非日常的又は日常的な測定で得られる体液過剰を反映した値が考慮される。患者の体液過剰を反映した値は、同様にHbの濃度値又は質量値を得る際に得られる。
別のステップにおいて、Hbの測定値の全て又は一部は、体液過剰に対してコンピュータにより又は数学的に修正され正常水和なHbレベルが得られる。
同様に、更に別のステップにおいて、他の精神的又は学術的行為として少なくとも流体の状態を修正するために 測定が要求されるか考慮され、−それは少なくとも例えばTAFO(時間平均体液過剰、同様に以下参照)=0.3−0.5リットル(L)のレベルの体液状態を修正することを意図して良い。治療により体液状態を修正する行為は本発明の特定の実施例において本発明による方法の一部では無いが、他の例として一部であっても良い。勿論、体液状態の修正は熟考され又はここに記載される方法とは独立に行われても良い。TAFO、時間平均体液過剰、は1週間に亘る平均体液状態を示す時間平均体液過剰を意味し、従って血液透析セッション前のピーク水分過剰及び血液透析セッション後に生じうる脱水症を補償する。TAFOは同様に血液透析患者及び腹膜透析患者を比較する時に使用され、腹膜透析患者で測定された体液状態はTAFOに非常に近い。研究により0.3−0.5LのTAFOが達成しうることが示された。
この補償を実行するために非常に適切な時間は、特定の実施例においてEPO投与変更とHb質量の予期される変化の開始との間のタイムラグのオーダである。通常このタイムラグは約20日である。ある実施例において、外生的なEPOの最後の投与後約20日後にこの修正は実行される。EPOは赤血球生成刺激剤のみの一例であることを理解すべきである。
曲線(線又は一次関数)は、ある実施例では正常水和なHb値により適切な図(例えば、正常水和なHb超過時間)に適合され推定される。
いずれにしても、単純なアプローチは、最終的にはこの推定が従来のHb目標値又は目標値範囲を満たすかどうか、いつ満たすかのチェックを含む。Hb上昇の傾斜はEPO濃度に依存する。赤血球の寿命はどの安定状態のHbレベルが達成されるかを決定する。この点、ある病気又は肉体的状態が赤血球(RBC)の寿命に悪い影響を及ぼす。即ち、文献に記載されているように急性炎症状態はRBCの寿命を著しく減少する。一般的に健康な被検者では、平均RBC寿命は120日付近で一定していると推測される。しかし、慢性腎臓疾患(CKD)患者は短いRBC寿命を有する可能性がある。
本発明による単純なアプローチにより得られる利点の1つは、EPO又はHb反応速度論を考慮した洗練されたモデルを必ずしも必要としないということである。従って、このアプローチは扱いが容易で特別な努力もコンピュータ資源も必要としない。
単純なアプローチについて上記した方法を実行するための装置は少なくとも実行すべき各ステップのための手段を備える。
図3を参照して、正常水和なHbに基づく単純なHb制御と称される本発明による第2の実施例について説明する。
第2実施例の主な特徴は正常水和なHbに基づき目標範囲を規定している。以下においてこの目標範囲は、第1の目標範囲の有無に拘わらず、共通に知られた、従って、例えばガイドラインにより提案されている「第1」Hb目標範囲と称されるものとの区別のために第2の目標範囲と称される。
正常水和なHbの第2の目標範囲は殆どの場合、(第1の)Hbガイドライン測定値より高い。即ち、このガイドラインは、患者が2L体液過剰にある状態に設定する典型的な透析前状態を示す。
第2の実施例又はモデルにおいて、Hb濃度は頻繁に測定される。体液状態は同様に頻繁に測定される。ある実施例においては、「頻繁」とは例えば週に1回又は毎日を意味し、急性患者においては1日に数回を意味する。
本発明によれば、Hbの制御は第2の基準範囲(正常水和なHb)に基づく。
第2の基準範囲は同様に、品質制御の理由により異なる透析センターでの異なる体液状態との比較を許容する。現在、Hb濃度を処理センター間で比較するのは困難である。現在、ほとんどのセンターは体液管理に関して異なるポリシーを有し、測定された(透析前又は後の)Hb濃度はこれにより影響を受ける。しかし、もし正常水和なHb値がセンター間で比較されれば体液のこのような影響は既に補償され、比較はより容易となる。
図3は2つの基準範囲を有する概念を示す。1つは正常水和なHbであり、別の1つは現在のガイドラインで示唆されるHb濃度範囲である。若しくは1つの基準範囲のみを有して良く、それは正常水和なHbである。
図3から明らかなように、この図は(複数日(d)間の)時間tに亘る特定の透析患者のHb濃度(d/l)を示す。測定されたHb曲線31(実線)は、時間に亘る測定されたHb濃度を示す。正常水和なHb曲線33(太線)は、Hb濃度値が体液過剰に対して修正された後のHb濃度測定値を示す(従って、曲線33は「正常水和」と称す)。
図3は更に第1の目標範囲35を示し、それは測定されたHbの目標範囲と称される。それは現在考えられるガイドラインに従って設定される。図3において、第1の目標範囲35は、従来の方法との比較の際に本発明の実施例に従ったモデルとの差異及び利点を説明するためだけに示される。図3は更に、それぞれ曲線33で示す修正されたHb濃度又は正常水和なHbに対して、本発明の手段として提案される第2の目標範囲37を示す。
図3から明らかなように、点線のモデル予測曲線39で示された単純化されたモデル予測は、予測されるHb濃度値用の第2の目標範囲37により評価される。
図3において、0日目に行われたESAの増加投与40により、測定Hb曲線31及び正常水和なHb曲線33の両者は増加する。
図3から明らかなように、修正された「正常水和Hb」曲線33は測定Hb曲線31に比べるとはるかに滑らかである。240日目に測定された最大Hb値を示す参照符号41で示されるようなHb濃度の所与の変動により、医師がESA投与量の修正を行うという衝動は、正常水和Hb曲線33及び第2目標範囲内のその位置が測定Hb曲線31及びその第1目標範囲35に代わり考慮されれば、より低下できる。
更に図3から明らかなように、測定Hb曲線31に比べ正常水和Hb曲線33のより滑らかな特性から、320日目の参照符号43で示されるように、例えば出血による失血のような事態は、図3から理解されるようにより早期に発見される。
図3において、矢印45はモデル予測曲線39と測定された正常水和Hb曲線33との差を示す。上記したように、図3の特定した例では、この差又は偏差は理由が内出血であることが分かる。
本発明の第3実施例は本願発明社等によってHbキネティクスモデルと称され、図4乃至14を参照して以下に説明する。
このモデルの全体的なアイデアを以下に述べる。
健康状態では、酸素運搬をモニターする受容体は、コロニー形成部からの、前赤芽球生産を管理する赤血球生成促進因子(赤血球生成刺激剤、即ちESAであるEPOとも称される)の分泌を制御する。利用可能な鉄のレベル(即ち、TSATレベルと共に測定)に依存して、赤血球(RBC)のヘム又はヘモグロビンの内容が影響を受ける。TSATはRBCの数に影響は与えず、むしろRBCにヘモグロビンを十分備えさせる必要がある。低いTSAT及び高いフェリチンレベルは考えられる鉄欠乏のマーカである。赤血球の供給及び破壊は、究極的には被検者に維持されるHbの質量を決定する。通常、Hbレベルが減少するとEPO濃度の上昇を招き、赤血球をより生産するよう刺激する。
図4は健康状態におけるHb制御の概念を示す。対象のモデルを以下に説明する。
参照符号51で示すオペレータからの指示から明らかなように、健康状態におけるHb制御はフィードバックループ53により同様に行われる。
赤血球の生成はベースライン内因性EPO生成55のみから刺激される。血管内のEPO濃度(例えば静脈の血サンプルから測定可能)は参照符号57で示される。EPO濃度は参照符号58で示されるEPOキネティクスの影響を受ける。
あるEPO濃度からの前赤芽球の生成を示す関数f1に依存して、前赤芽球59はこのモデルで製造/生成される。
体内のトランスフェリン(TSAT)の所与の飽和61は、生成されたヘモグロビン64の生成率G Hb(t)に他の関数f2を介して影響を与える。TSATはHb含有細胞(HCT)数に影響を与えないが、これら細胞のヘム(ヘモグロビン)の内容に影響を与える。この効果は品質指標Qによりモデル化され、それはTSATに依存する。
最後に、MHb(t)として示される結果としてのHb質量は、赤血球キネティクス65の影響を受ける。比率u/vは対応するHb濃度Hb(t)の計算を可能とし、その逆もある。EPOは血漿量内に配分されるためVpが計算される。Vpは体液状態(水和)に影響され、Vpの変化率はこのようにEPO投与量に関連し、即ち、数式34及び図5に参照されるように、Vpが減少すればEPO濃度は上昇する。
図4に関して参照される多数の事項をより詳細に以下に説明する。
病気の場合、腎機能を部分的にのみ有し生理的にHbを調整する機能が失なわれている可能性があり(KEPOが減少)、外生的EPOの投与が要求される。図5は、腎機能(RF)を部分的または全く有しない場合のHbの制御を示す。腎機能が無い場合には、フィードバックループが妨げられてHbの生理的調整はなされない。どちらの場合も、EPOレベルは通常、外生的EPO71及び/又は鉄72により、例えば、静脈内投与により補充されなければならない。フィードバックループ53は再構築又は、例えば、診療室での月単位でのHbの測定により、血液サンプルを評価する手段により、また外生的な例えばEPO投与量の調整により、差し替えられる。血漿キネティクスは74で示され、BV(t)は血液源を示す。
患者の身体容積をモニターする手段73、患者の身体に含まれるHb濃度又は質量を測定する手段75のような技術の出現により、より頻繁にモニターを行うことが可能となった。患者の身体容積をモニターする手段73は容積情報を得るために、例えば2週間毎に使用される。Hb濃度測定手段75は処置毎に容易にHbをモニターできる。このような手段は当業者に周知である。この段落で説明した目的に適切な手段の例は例えば図1、2に示されている。
フィードバックセンサとして手段73、75を使用することで、共にESA制御76の手段(図5の例のEPOと鉄に関するESA)により、合理的なHbを安定に維持しつつ目標Hbを達成しうる外生的なEPO及び/又は鉄のレベルを決定することができる。
本発明の第3実施例のこのモデルにおいて、赤血球寿命とHb質量は以下のように決定されて良い。
赤血球は破壊されるまで典型的には120日の寿命を有し、そのほとんどの構成成分は再利用される。赤血球の寿命は通常図6に示すように分布し、それは患者の回路即ち体から除去される赤血球のグラム当たりの質量分率を示す。図6から明らかなように“0”日目に生成されたRBCは最初のものが67日目に除去され、最後のものは174日目に除去され、平均寿命は120日である。典型的な寿命範囲を知ることで、ある実施例では生成率を計算可能である(もしHbが知られていれば)。これは少なくとも安定状態に適用される。
多様な寿命がヘモグロビン質量の累積にいかに影響するかを把握するために、例え赤血球の生成が連続的であっても別々の生成プロセスを考慮するのが便利である。
毎日、赤血球の「パルス」が生成され、それは毎日の生成率GHb(t)で表される。このパルス内に赤血球のサブユニットが以下のような特別の寿命で生成される。
Figure 2013527430
ここで、Nは分布において考慮される寿命要素の数であり、iは寿命の指数、「i」は時間の単位、例えば、時間、日、週等である。日の場合、「i」は例えば1から始まり180までである。
図7は毎日生成される赤血球の各新しいパルスによるHb質量の累積を示す。パルス分布における特別の寿命を有するサブユニットgの合計は毎日の生成率と称す。
サブユニットgの値は以下のガウス関数により計算される。
Figure 2013527430
ここで、μは赤血球の平均寿命でありσは分布の標準偏差であり、従って赤血球寿命(eLT)は以下の範囲を有する。
Figure 2013527430
計算のオーバーヘッドの減少を許容しつつ、平均寿命の3つの標準偏差が99.7%の分布を考慮する。μを120日、σを15日とすると典型的な分布となる。
Hbの質量MHb(t)はFIFO(先入れ先出し)バッファ列を考慮して計算され、各バッファの長さは特定の赤血球寿命を示す。図8はFIFOメモリ81を構成するFIFOからFIFOを備えたFIFOバッファ列を用いた循環におけるHb質量を示す。図8において異なる赤血球寿命はeLTからeLTで示す。パルス分布はgで表され、Hb質量合計83はμで重みづけされた各FIFOバッファに関連する各合計85を基に計算される。
赤血球の各パルスは図7に示すように生成され、パルスは各FIFOバッファを通過する。該循環におけるHb質量合計83はFIFOバッファの全ての記憶素子FIFOからFIFOの合計である。
質量合計83は以下の通りである。
Figure 2013527430
しかし、質量はある瞬間のFIFOバッファに入出する質量のみに依存する。この質量は以下のようにより効率的に計算される。
Figure 2013527430
Figure 2013527430
赤血球64生成
図4及び図5の赤血球キネティクス65の一部として参照される赤血球生成に含まれるプロセスは3つの主な要素を含む。即ち、図4及び図5の機能f1に基づく所与のEPO濃度からの前赤芽球生成、TAST(f2)に影響されるヘムを有する前赤芽球の「ローディング」、及び生成搬送遅延63である。
ほとんどの実際の場合、赤血球64の生成率は測定から容易に決定される。同様に、生成率はHb濃度(既知)、ガウス分布寿命(同様に例えば文献から公知)から計算し得るもので、これに基づき逆の方法で生成率は計算され得る。一旦計算されると、生成率は文献から公知のデータと比較される。生成率に関して、このモデルは特定の患者に採用され得る。
本発明は所与の生成率をサポートするのに必要なEPO濃度を計算することに寄与する。図4、図5に示されるf1、f2及び生成時定数63の引き続く3つのプロセスは特定の実施例に適切である。従って、これらを逆の順に、即ち、図4、図5を参照して右から左に説明する。
生成時定数63
赤血球の生成は、EPO投与量変化から生成率の変化が観測される(若しくは生じる)までの幾つかのプロセスを含む。Guytonによれば、EPO投与量変化後、新たな赤血球は2−4日の循環では現れず、新たな生成の最大率は5日以上経過後に現れる。この効果は2.5日のオーダの時定数τという1次遅延として特徴付けられる。これは搬送遅延であり、我々はこれを以下のような単純な1次遅延とする。
Figure 2013527430
Hb(t)は赤血球の生成率を表す。G Hb(t)は1次遅延前の生成率であり、GHb(t)は1次遅延後の生成率である。言い換えれば、GHb(t)はG Hb(t)に遅れ、定常状態ではGHb(t)=G Hb(t)である。
トランスフェリン飽和61(TSAT)
ヘムを有する前赤芽球59のローディングは鉄の有用性に依存し、それはTSATを用いることで単純化される。従って、TSATは赤血球の品質を決めるもので、どの程度のヘモグロビンがRBCにあるかを示し明らかにする。TSATとk(RBCの品質指標)との関係は、ある飽和効果を要する非線形であると推定される。これは第1の提案として、指数関数としてモデル化される。従って、Hbの生成、GHb(t)はf1及びRBCにおけるヘムのローディング(f2)を介して前赤芽球の生成率GHCT(t)に関連する。
Figure 2013527430
逆形式で、前赤芽球の生成率は以下の通りである。
Figure 2013527430
ここで、kはトランスフェリン飽和率に依存して、ヘムを有する前赤芽球のローディングを示す定数であり、ガイドライン(即ち、欧州の最も実務的なガイドライン)は透析患者用に閾値TAST>20%を提案している(図9の矢印参照)。
前赤芽球の生成率は血管スペースのEPOの濃度に依存する。血管EPOは[EPOagg]vで示す。添字「v」は、以下にEPOの外生的投与について述べる様に、血管(又は血漿)内のEPOの濃度を皮下の濃度と区別するためである。添字「agg」は内生的又は外生的生成源により形成されたEPOの総濃度を示す。その異なる生成源に基づき、EPOはそれぞれ[EPOe]v、[EPOx]vとして示される。この相違は、内生的EPOは外生的EPOと異なる半減期を有するので有用である。
混乱を避けるため、以下の説明は、内生的EPOのみであるか内生的及び外生的EPOの組み合わせであるかに拘わらず変数[EPOagg]vで行う。血漿体積内の[EPOagg]vの生理学的範囲は10−30[u/L]である。特別な場合、濃度は健康な被検者で100−1000フォールドに増加する。これが前赤芽球の生成率に比例的な増加をもたらすかは以下の議論で理解できる。
まず、定常状態での循環におけるHb質量は、以下の様に平均赤血球寿命と生成率の積であり、これは同様に現在のHbと血液量との積である。
Figure 2013527430
「SS」は「定常状態」を示す。
典型的な血液量を50dl、Hbを14g/dlとすると、
Figure 2013527430
定常状態のGHbはGeryに等しい。従って、トランスフェリン飽和TASTが20%であれば、対応する前赤芽球の生成は図9から11.68ml/日である。
proにおいて1.168kg/日という100フォールド増加はほとんど起こり得ない。またGproにおいて11.68kg/日という1000フォールド増加は完全に信じ難い。それは飽和関数によるもので、指数の単純なフォームでモデル化すると以下の通りである。
Figure 2013527430
生理学的範囲の中間として血管内スペースのEPO濃度を20u/Lの[EPOagg]vとし、これが100フォールド増加するとする。従って、2000u/Lは前赤芽球の最大生成率の99.99%となり、従って
Figure 2013527430
これからk=0.002
Figure 2013527430
図10は、前赤芽球の搬送関数f1を示すもので、1ミリリッタ当り単位[u/ml](「ml」は血量に関する)における[EPOagg]vに対する前赤芽球[g/d、即ち、グラム/日]を示す。図10において、通常の生理学的範囲は参照符号101で示される。
298ml/日というピーク生成率はもっともらしいが、これは極端な条件を表すことに留意すべきである。10フォールドの顕著な偏差を例え有しても、通常の生理学的範囲ではこの関数はほぼ線形である。
図11は前赤芽球の搬送関数f1についてのEPOの拡大された部分を示す。この線形関数はEPOの10フォールドの増加に対しても良く近似している。
基準内生的EPO生成55
上記と同様の原理を用いて基準内生的EPO生成率を推定可能である。この場合、EPOの生成源は明確なので、変数[EPOe]vの使用は適切である。これを達成するための最も容易な方法は、健康な被検者を考慮することであり、それは体液過剰による貧血を発症するからである。血量は5Lから6L増加され、患者の定常状態Hbは8g/dlに低下する。
ある実施例において、平均赤血球寿命は通常120日のままと推測される。またある実施例において、適切な鉄治療でTASTは40%の健康な範囲に維持されると推定される。
数式9と11を組み合わせて前赤芽球の生成率は以下のように与えられる。
Figure 2013527430
上記の値を代入すると、前赤芽球の生成率は6.66g/日となる。
数式12をアレンジすると以下の様になる。
Figure 2013527430
このように、8g/日の前赤芽球生成率に対応するEPO濃度は13.61u/Lであり、「L」は血漿量に関する。
血管システムへのEPO(生成率)基準フラックスFEPO_baselineは肝臓クリアランスにより生じる血管システムのフラックスアウトとバランスしなければならない。フラックスアウトはEPO濃度と肝臓クリアランスの積である。
Figure 2013527430
上記式よりFEPO_baseline=0.0136´1.75=0.0238U/分である(肝臓クリアランスの判定に関する下記の項目参照)。言い換えると、生理学的調整が無い場合、基準内生的EPOフラックスは8g/dlのHbという定常状態をサポートする。これは50dLという通常の血量を有する被検者に有用である。より高い又は低いBVsを有する被検者はそれに従って見積もられなければならない。従って、
Figure 2013527430
EPO_baselineは図13、14ではF1に短縮されている。
生理学的に制御されたEPO生産
「生理学的に制御されたEPO生産」を参照する場合は、腎臓を含む全ての生産が考慮される。しかし「基準内生的EPO生成」は腎臓を除いた(例えば、肝臓を含む)全ての組織から内生的に生成されたEPOに関する。
単純な比例制御は、比例制御要素F3で示されたフラックスはHb設定ポイントと測定されたHbとの差に比例するように生成される。これは以下のように表される。
Figure 2013527430
ここで、KEPO_gainは比例ゲインを示す。KEPO_gainは健康な状態において、失血を引き起すx日という時間フレーム内でHbを通常レベルに回復するために要求されるゲインとして容易に決定できる。被検者が部分的な腎臓機能を持っていれば、減少したKEPO_gainを期待できる。これは以下のように容易にモデル化できる。
Figure 2013527430
ここで、R(ディメンションの無いエンハンスメント、図12参照)は腎臓機能であり、krfは減衰定数である。
図12は[%]表示の腎臓機能の関数としてKEPOのゲインを示す。
EPOキネティクス65
EPOの皮下投与
血管スペースでのEPO濃度の導出を図13に示す。EPOのダイナミクスは、皮下コンパートメント131と血管コンパートメント133である2つのプール、EPOの質量搬送係数KSCV(皮下から血管スペースに)及び肝臓によるEPOのクリアランスKliverにより決定される。参照符号135で示される基準内生的EPO濃度[EPOe]vは関数F1による現モデルに組み込まれ、参照符号137で示されるその生理学的調整は関数F2による現モデルに組み込まれる。
例えば、質量搬送係数KSCVは0.005ml/分で良い。0.005ml/分は発明者等により好ましいとされるが、KSCVはこれに限らない。むしろいかなる好ましい値もKSCVとして使用できる。発明者等により0.0001ml/分から0.1ml/分の範囲が適切な値として発見され、更に0.001ml/分から0.01ml/分の範囲及び0.0025ml/分から0.0075ml/分の範囲も適切な値として発見された。
内生的EPOの定常的な基本生成は上記したように推定される。EPO濃度は質量濃度と区別すべく四角の括弧で示される。
図13は2−プールモデルによるEPOの皮下投与139に影響を及ぼすパラメータを示す。
血管コンパートメント133におけるEPO質量はEPOの内生的及び外生的成分の合計である。
Figure 2013527430
以下の算出式において複雑な表現を避けるべく、M=M_EPOagg_v、Ce=[EPOe]v、Cx=[EPOx]vとして示す。しかし、明確化のために、オリジナル変数名の使用の切り替え及び差し替えを行う必要がある。数式21を差し替えると以下の通りである。
Figure 2013527430
Ce、Cx、Vpは全て変数であり、従ってEPO質量の変化は以下となる。
Figure 2013527430
これから、時間に対する質量の変化率は以下となる。
Figure 2013527430
従って、
Figure 2013527430
dt→0とすると以下となる。
Figure 2013527430
血管コンパートメント内のEPOの瞬時混合を想定すると、単純な質量バランス原理を適用してEPOフラックス(単位時間当たりの質量搬送)は以下となる。
Figure 2013527430
フラックスF1は基準内生的EPOの生成率を示す。F3はある程度の腎臓機能(図15の「C」示されるクレアチニン・クリアランス機能により評価される)が推定される場合の、生理学的に調整されたEPOフラックスの場合である。慢性の腎臓疾患の場合にはこれは0に設定される。フラックスF2は皮下及び血管プール内のEPO濃度に依存する。しかしながら、特に、2つのプール間の濃度傾斜は血管スペース内のEPO成分により影響されず、単に総濃度により以下の様に影響される。
Figure 2013527430
マイナス符号は皮下プールのフラックスアウトの方向を示す。肝臓を通過するフラックスは濃度とクリアランスの割合に依存するが、EPO成分の半減期に依存して異なる。その結果、2つの肝臓時定数が内生的及び外生的成分用に定義される。これは以下に表される。
Figure 2013527430
数式26と27を組み合わせて内生的濃度変化率を以下のように導く。
Figure 2013527430
また、外生的濃度変化率を以下のように導く。
Figure 2013527430
また、数式28から以下が得られる。
Figure 2013527430
肝臓が破壊された場合の内生的EPOの半減期は8時間である。これは以下の肝臓クリアランスKliver_eに関連する。
Figure 2013527430
ここで、血漿量Vpは以下の通りである。
Figure 2013527430
このように、分に換算すると血量は5000mlでHctは0.36であり、従って
Figure 2013527430
外生的肝臓クリアランスKliver_xは同様に決定されて良い。あるESA剤で半減期は21時間となり1.76ml/分のKliver_x値を導く。EPO投与後の血中の[EPOagg]vのピーク濃度の時間は質量搬送係数KSCVと肝臓クリアランスに支配される。このピークは典型的には注入後5−24時間に現れる。12時間とするとKSCVはシミュレーションにより容易に決定される。
EPOの静脈投与
静脈注入(iv)の方法を図14に示す。キネティクスの導出は皮下注入と類似であるがフラックスF2がなく単純である。
図14は静脈注入(IV)のEPOキネティクスを示す。IVキネティクスは図13での皮下キネティクスと類似でF2を0に設定するものである。
Figure 2013527430
Figure 2013527430
F2は、インパルスとして投与されるEPOフラックスを考慮することが意味をなさないように0に設定される。それに代り、IV注入の効果は、[EPOagg]vを外生的EPO注入質量により生じる新たな値にリセットすることである。従って、EPO注入の際には以下となる。
Figure 2013527430
ここで、Vinjは典型的には注入の際に1mlである。これは決定的にEPO投与量の設定に重要であり、明らかに血漿量に無視できない影響を持つ。

Claims (40)

  1. 患者はより早期の第1の時点で理論的にまたは実際にある量の赤血球生成刺激剤(ESA)を投与され、その後の第2の時点での当該患者の体液及び/又はその体外サンプルにおけるヘモグロビンの濃度若しくは質量又はその近似値を予測若しくは評価する方法において、
    修正された当該ヘモグロビン質量又は濃度値を得るために、測定されたヘモグロビン濃度値又はその近似値をそれぞれ当該患者の水分過剰に対して修正するステップと、
    当該修正された質量又は濃度値から又はそれに基づき上記第2の時点でのヘモグロビンの質量又は濃度を予測若しくは評価するステップと
    からなる、ことを特徴とする方法。
  2. 前記ヘモグロビン質量又は濃度値を評価するための目標値又は目標範囲は前記患者の水分過剰に対して修正された前記ヘモグロビン質量又は濃度値に基づき得られる、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 内生的ESA生成、
    残りの腎臓機能、
    トランスフェリン飽和、
    いかにESAを投与されたか又は投与すべきかの投与モード、
    現在の前赤芽球から生成される赤血球の割合、
    生理学的内因性ESA又はEPO制御の存在及び/又は程度を示す要素、
    鉄吸収プロセスを示す要素、
    種々のタイプの外因性ESA又はEPOのキネティクスを示す要素、
    該患者の水分過剰を反映した要素、
    治療スケジュールを考慮した要素、
    フェリチン及び/又はヘプシジンを考慮又は反映した要素、及び
    機能上の又は完全な鉄欠乏を示す要素、
    を少なくとも含む群から選ばれた少なくとも1つの要素が数学的に考慮される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 患者はより早期の第1の時点で理論的に若しくは実際にある量の赤血球生成刺激剤(ESA)を投与され、その後の第2の時点での当該患者の体液及び/又はその体外サンプルにおけるヘモグロビンの濃度若しくは質量又はその近似値を予測若しくは評価する装置において、
    修正された当該ヘモグロビン質量又は濃度を得るために、測定された当該ヘモグロビン濃度値又はその近似値をそれぞれ該患者の水分過剰に対して修正する修正手段と、
    当該修正された質量又は濃度から又はそれに基づき上記第2の時点での当該ヘモグロビンの質量又は濃度を予測する予測手段と、
    を備えることを特徴とする装置。
  5. 更に、上記ヘモグロビン質量又は濃度値を評価するための目標値又は目標範囲を、上記患者の水分過剰に対して修正された上記ヘモグロビン質量又は濃度値に基づき得る手段を備える、ことを特徴とする請求項4に記載の装置。
  6. 内生的ESA生成、
    残りの腎臓機能、
    トランスフェリン飽和、
    いかにESAを投与されたか又は投与すべきかの投与モード、
    現在の前赤芽球から生成される赤血球の割合、
    生理学的内因性ESA又はEPO制御の存在及び/又は程度を示す要素、
    鉄吸収プロセスを示す要素、
    種々のタイプの外因性ESA又はEPOのキネティクスを示す要素、
    該患者の水分過剰を反映した要素、
    治療スケジュールを考慮した要素、
    フェリチン及び/又はヘプシジンを考慮又は反映した要素、及び
    機能上の又は完全な鉄欠乏を示す要素、
    を少なくとも含む群から選ばれた少なくとも1つの要素を数学的に考慮する手段を備える、ことを特徴とする請求項4又は5に記載の装置。
  7. 修正された質量又は濃度を得るために、測定されたヘモグロビン濃度値又はその近似値をそれぞれ該患者の水分過剰に対して修正するステップと、
    上記修正されたヘモグロビン質量又は濃度値から又はそれに基づき赤血球生成刺激剤の投与量を決定するステップと、
    を備えることを特徴とする、
    後の第2の時点での患者の体液及び/又はその体外サンプルにおけるヘモグロビンの目標又は所望の濃度若しくは質量又はその近似値を得るために、より早期の第1の時点で患者に投与すべき赤血球生成刺激剤の量を決定する方法。
  8. 内生的ESA又はEPO生成、
    残りの腎臓機能、
    トランスフェリン飽和、
    いかにESA又はEPOを投与されたか又は投与すべきかの投与モード、
    現在の前赤芽球から生成される赤血球の割合、
    生理学的内因性ESA又はEPO制御の存在及び/又は程度を示す要素、
    鉄吸収プロセスを示す要素、
    種々のタイプの外因性ESA又はEPOのキネティクスを示す要素、
    該患者の水分過剰を反映した要素、
    治療スケジュールを考慮した要素、
    フェリチン及び/又はヘプシジンを考慮又は反映した要素、及び
    機能上の又は完全な鉄欠乏を示す要素、
    を少なくとも含む群から選ばれた少なくとも1つの要素が数学的に考慮される、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 上記患者の水分過剰に対して修正されるHb濃度又は質量の目標範囲が決定される請求項7又は8に記載の方法。
  10. 修正された質量又は濃度値を得るために、測定されたヘモグロビン濃度値又はその近似値をそれぞれ該患者の水分過剰に対して修正する修正手段と、
    上記修正されたヘモグロビン質量又は濃度値に基づき赤血球生成刺激剤の投与量を決定する予測手段と、
    を備えることを特徴とする、
    後の第2の時点での患者の体液及び/又はその体外サンプルにおけるヘモグロビンの目標又は所望の濃度若しくは質量又はその近似値を得るために、より早期の第1の時点で患者に投与すべき赤血球生成刺激剤の量を決定する装置。
  11. 更に、上記ヘモグロビン質量又は濃度値を評価するための目標値又は目標範囲を、上記患者の水分過剰に対して修正された上記ヘモグロビン質量又は濃度値に基づき得る手段を備える、ことを特徴とする請求項10に記載の装置。
  12. 内生的ESA又はEPO生成、
    残りの腎臓機能、
    トランスフェリン飽和、
    いかにESA又はEPOを投与されたか又は投与すべきかの投与モード、
    現在の前赤芽球から生成される赤血球の割合、
    生理学的内因性ESA又はEPO制御の存在及び/又は程度を示す要素、
    鉄吸収プロセスを示す要素、
    種々のタイプの外因性ESA又はEPOのキネティクスを示す要素、
    該患者の水分過剰を反映した要素、
    治療スケジュールを考慮した要素、
    フェリチン及び/又はヘプシジンを考慮又は反映した要素、及び
    機能上の又は完全な鉄欠乏を示す要素、
    を少なくとも含む群から選ばれた少なくとも1つの要素が数学的に考慮される手段を備える、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の装置。
  13. 第2の時点での該患者の体液及び/又はその体外サンプルにおいて測定されたヘモグロビンの濃度若しくは質量又はその近似値を、請求項1乃至3のいずれか1に記載の方法により当該第2の時点での予測された濃度と比較するステップを備える、
    失血、出血、非生理学的デグラデーション又は何らかの非生理学的原因のいずれかによるヘモグロビンの減少を導く環境に患者が影響されるか否かを判定する方法。
  14. 第2の時点での該患者の体液及び/又はその体外サンプルにおいて測定されたヘモグロビンの濃度若しくは質量又はその近似値を、請求項1乃至3のいずれか1に記載の方法により当該第2の時点での予測された濃度と比較する比較手段を備える、
    失血、出血、非生理学的デグラデーション又は何らかの非生理学的原因のいずれかによるヘモグロビンの減少に導く環境に患者が影響されているか否かを判定する装置。
  15. 赤血球生成刺激薬の投与量が請求項1乃至3のいずれか1に記載の方法に基づき計算又は設定される、ことを特徴とする貧血の処置又は患者の血液中のヘモグロビン濃度を増加するために使用される赤血球生成刺激薬。
  16. 請求項1乃至3、請求項7乃至9および請求項13のいずれか1に記載の方法が実行されるよう、プログラマブルコンピュータシステムと互いに作用しうる電気的に読み出し可能な制御信号を用いた、特にディスク、CD、又はDVDのようなデジタル記憶手段。
  17. プログラムをコンピュータ上で実行する際に、請求項1乃至3、請求項7乃至9および請求項13のいずれか1に記載の方法を実行するための、機械的に読み出し可能なデータ媒体上に記憶されたプログラムコードを有するコンピュータプログラムプロダクト。
  18. プログラムをコンピュータ上で実行する際に、請求項1乃至3、請求項7乃至9および請求項13のいずれか1に記載の方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム。
  19. 第1の時点で該患者の体液中のHbの濃度又は質量又はその近似値を測定し、
    当該測定されたHb濃度又はその近似値を該患者の水分過剰又は水分不足に対して修正し、修正された上記第1の時点でのHb濃度値を得、
    当該修正された上記第1の時点でのHb濃度値に基づき第2の時点でのHb濃度を予測する、
    ある量の赤血球生成刺激剤(ESA)を投与された患者の体液中のヘモグロビンHb濃度を予測する方法。
  20. 上記測定されたHb濃度値の修正ステップの前に、上記第1の時点での患者の水分状態を判定するステップを更に備える請求項19に記載の方法。
  21. 上記水分状態は生体インピーダンス測定により判定される請求項20に記載の方法。
  22. 上記修正されたHb濃度値は正常水和患者に近い、請求項19に記載の方法。
  23. 更に、
    上記修正されたHb濃度値に基づきHb濃度値の目標範囲を決定し、
    上記第2の時点での上記患者の体液中のHbの濃度又は質量又はその近似値を測定し、
    該測定されたHb濃度又はその近似値を該患者の水分過剰又は水分不足に対して修正し、修正された上記第2の時点でのHb濃度値を得、
    上記修正された第2の時点でのHb濃度値が上記目標範囲より低ければ、上記患者はヘモグロビンの減少を導く環境に影響されていると判定する、
    請求項19に記載の方法。
  24. 上記環境は、失血、出血、非生理学的デグラデーション又は何らかの非生理学的原因から成る群から選ばれる、請求項23に記載の方法。
  25. 上記体液は体外サンプルである、請求項19に記載の方法。
  26. 上記体液は血または尿を含む、請求項19に記載の方法。
  27. 上記ESAは赤血球生成促進因子(EPO)または鉄を含む、請求項19に記載の方法。
  28. 上記方法はコンピュータ上で実行される、請求項19に記載の方法。
  29. 第1の時点で該患者の体液中のHbの濃度又は質量又はその近似値を測定し、
    当該測定されたHb濃度又はその近似値を該患者の水分過剰又は水分不足に対して修正し、修正された当該第1の時点でのHb濃度値を得、
    当該修正された当該第1の時点でのHb濃度値に基づき、目標Hb濃度が第2の時点で達成されるようESAの投与量を決定する、
    患者への赤血球生成刺激剤(ESA)の投与量を決定する方法。
  30. 第1の時点で患者のヘモグロビン濃度を測定し、
    測定された当該患者の当該ヘモグロビン濃度を修正し、修正された上記第1の時点での正常水和ヘモグロビン濃度を得、
    当該修正されたヘモグロビン濃度に基づき、ESAの投与スケジュールを決定する、
    患者の血液中のヘモグロビン(Hb)濃度を増加することにより貧血の処置を行う方法。
  31. プロセッサにより実行される命令は、
    測定されたHb濃度又はその近似値を該患者の水分過剰又は水分不足に対して修正し、修正された第1の時点でのHb濃度値を得、
    当該修正された第1の時点でのHb濃度値に基づき第2の時点でのHb濃度を予測する、
    当該プロセッサにより実行される命令を符号化した、コンピュータで読み取り可能な記録媒体。
  32. 上記測定されたHb濃度値の修正は、
    内生的ESA生成、残りの腎臓機能、トランスフェリン飽和、いかにESAを投与されたか又は投与すべきかの投与モード、現在の前赤芽球から生成される赤血球の割合、生理学的内因性ESA又はEPO制御の存在又は程度を示す要素、鉄吸収プロセスを示す要素、種々のタイプの外因性ESA又はEPOのキネティクスを示す要素、該患者の水分過剰を反映した要素、治療スケジュールを考慮した要素、フェリチン又はヘプシジンを考慮又は反映した要素、及び機能上の又は完全な鉄欠乏を示す要素、
    のうちの少なくとも1つの要素を考慮する、請求項19に記載の方法。
  33. 患者はより早期の第1の時点で理論的に若しくは実際にある量の赤血球生成刺激剤(ESA)を投与され、その後の第2の時点での該患者の体液及び/又はその体外サンプルにおけるヘモグロビンの濃度若しくは質量又はその近似値を予測若しくは評価するための、コンピュータで実行される方法において、
    修正されたヘモグロビン質量又は濃度値を得るために、測定されたヘモグロビン濃度値又はその近似値をそれぞれ該患者の水分過剰に対して修正し、
    当該修正された質量又は濃度値から又はそれに基づき当該第2の時点でのヘモグロビンの質量又は濃度値を予測若しくは評価し、
    該修正又は予測の少なくとも一方は、プログラマブルコンピュータシステムにより実行される方法。
  34. 上記ヘモグロビン質量又は濃度値を評価するための目標又は目標範囲は、上記患者の水分過剰に対して修正されたヘモグロビン質量又は濃度値に基づき生成される、請求項33に記載の方法。
  35. 内生的ESA生成、
    残りの腎臓機能、
    トランスフェリン飽和、
    いかにESAを投与されたか又は投与すべきかの投与モード、
    現在の前赤芽球から生成される赤血球の割合、
    生理学的内因性ESA又はEPO制御の存在及び/又は程度を示す要素、
    鉄吸収プロセスを示す要素、
    種々のタイプの外因性ESA又はEPOのキネティクスを示す要素、
    該患者の水分過剰を反映した要素、
    治療スケジュールを考慮した要素、
    フェリチン及び/又はヘプシジンを考慮又は反映した要素、及び
    機能上の又は完全な鉄欠乏を示す要素、
    から成る群から選ばれた少なくとも1つの値を数学的に考慮する、請求項33に記載の方法。
  36. 後の第2の時点での患者の体液及び/又はその体外サンプルにおけるヘモグロビンの目標又は所望の濃度若しくは質量又はその近似値を得るために、より早期の第1の時点で患者に投与すべき赤血球生成刺激剤の量を決定するための、コンピュータで実施される方法において、
    修正された質量又は濃度値を得るために、測定されたヘモグロビン濃度値又はその近似値を該患者の水分過剰に対して修正し、
    当該修正されたヘモグロビン質量又は濃度値から又はそれに基づき赤血球生成刺激剤の投与量を決定し
    当該修正又は決定の少なくとも一方はプログラマブルコンピュータシステムにより実行される方法。
  37. 内生的ESA生成、
    残りの腎臓機能、
    トランスフェリン飽和、
    いかにESAを投与されたか又は投与すべきかの投与モード、
    現在の前赤芽球から生成される赤血球の割合、
    生理学的内因性ESA又はEPO制御の存在及び/又は程度を示す要素、
    鉄吸収プロセスを示す要素、
    種々のタイプの外因性ESA又はEPOのキネティクスを示す要素、
    該患者の水分過剰を反映した要素、
    治療スケジュールを考慮した要素、
    フェリチン及び/又はヘプシジンを考慮又は反映した要素、及び
    機能上の又は完全な鉄欠乏を示す要素、
    から成る群から選ばれた少なくとも1つの値を数学的に考慮する、請求項36に記載の方法。
  38. 上記患者の水分過剰に対して、修正されるHb濃度又は質量の目標範囲が決定される、請求項36に記載の方法。
  39. 失血、出血、非生理学的デグラデーション又は何らかの非生理学的原因によるヘモグロビンの減少を導く環境に患者が影響されるか否かを判定するための、コンピュータで実施される方法において、
    第2の時点での該患者の体液及び/又はその体外サンプルにおいて測定されたヘモグロビンの濃度若しくは質量又はその近似値を、請求項33に記載の方法の実行により当該第2の時点での予測された濃度と比較するステップを備える方法。
  40. 患者の体液中のヘモグロビン濃度若しくは質量又はその近似値を測定し、
    当該測定されたヘモグロビン濃度又はその近似値を該患者の水分過剰に対して修正し、修正された第1の時点でのヘモグロビン濃度値を得、
    当該修正された上記第1の時点でのヘモグロビン濃度値に基づき、目標ヘモグロビン濃度が上記第1の時点後の第2の時点で達成されるよう赤血球生成刺激剤の投与量を決定し、
    当該決定された量の赤血球生成刺激剤を上記患者に投与する、患者を処置する方法。
JP2013500380A 2010-03-23 2011-03-21 赤血球生成刺激剤(esa)の効果を予測し投与量を決定するための方法及び装置 Active JP6223821B2 (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP10003050.1 2010-03-23
EP10003050 2010-03-23
US37013010P 2010-08-03 2010-08-03
US61/370,130 2010-08-03
EP10008085.2A EP2416154B1 (en) 2010-08-03 2010-08-03 Method and apparatuses for predicting the effects of erythropoesis stimulating agents (ESA), and for determining a dose to be administered
EP10008085.2 2010-08-03
PCT/EP2011/001387 WO2011116919A1 (en) 2010-03-23 2011-03-21 Methods and apparatuses for predicting the effects of erythropoesis stimulating agents (esa), and for determining a dose to be administered

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013527430A true JP2013527430A (ja) 2013-06-27
JP6223821B2 JP6223821B2 (ja) 2017-11-01

Family

ID=43825260

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013500380A Active JP6223821B2 (ja) 2010-03-23 2011-03-21 赤血球生成刺激剤(esa)の効果を予測し投与量を決定するための方法及び装置

Country Status (6)

Country Link
US (2) US20130052136A1 (ja)
EP (1) EP2550531B1 (ja)
JP (1) JP6223821B2 (ja)
CN (1) CN103270414B (ja)
TW (1) TWI576091B (ja)
WO (1) WO2011116919A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015000109A (ja) * 2013-06-13 2015-01-05 株式会社ナノメディカル 赤血球造血刺激因子製剤の投与量決定方法
WO2018229739A1 (ja) * 2017-06-14 2018-12-20 ニプロ株式会社 投与量決定プログラムおよび投与量決定装置
WO2021145369A1 (ja) * 2020-01-17 2021-07-22 国立大学法人横浜国立大学 投与管理装置、投与管理方法、プログラム

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2856261T3 (es) 2013-10-01 2021-09-27 Fresenius Medical Care Deutschland Gmbh Método y aparatos para determinar una pérdida diaria de hierro de un paciente
US10109377B2 (en) * 2013-12-03 2018-10-23 Cura Technologies Inc. System and method for facilitating delivery of patient-care
US11295866B2 (en) * 2014-12-18 2022-04-05 Fresenius Medical Care Holdings, Inc. System and method of conducting in silico clinical trials
US11485987B2 (en) 2015-12-15 2022-11-01 University Of Delaware Methods for inducing bioorthogonal reactivity
WO2017106427A1 (en) 2015-12-15 2017-06-22 Joseph Fox Methods for inducing bioorthogonal reactivity
CN108780085A (zh) * 2016-01-15 2018-11-09 辛辛那提大学 先进的电穿孔装置和用于获得生物流体中的分析物的方法
US20190365317A1 (en) * 2017-02-01 2019-12-05 Shire Human Genetic Therapies, Inc. Physiological sensing and therapeutic administration system and method

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03118446A (ja) * 1989-09-18 1991-05-21 Minnesota Mining & Mfg Co <3M> 水分含量を有する生物学的物質の性質の分析方法
JP2003520942A (ja) * 1998-08-27 2003-07-08 アボット・ラボラトリーズ 生体試料の無試薬分析
JP2003523940A (ja) * 1999-05-11 2003-08-12 オーソ−マクネイル ファーマシューティカル インコーポレイテッド エリスロポエチン投与の薬物速度論的および薬力学的モデリング
JP2004517300A (ja) * 2000-07-28 2004-06-10 アボット・ラボラトリーズ 組織の水分補給効果の補償による分析物濃度の非観血的決定方法
JP2008504082A (ja) * 2004-06-29 2008-02-14 フレゼニウス メディカル ケア ドイッチェランド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 患者の水分状態及び/又は栄養状態を判断するための方法及び装置
JP2010501073A (ja) * 2006-08-17 2010-01-14 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー 赤血球生成促進薬物による治療の層別化のためのbnp型ペプチドの使用
WO2010056740A1 (en) * 2008-11-13 2010-05-20 Beckman Coulter, Inc. Method of correction of particle interference to hemoglobin measurement
US20100261648A1 (en) * 2008-01-09 2010-10-14 Cho Daniel J Use of blood flow parameters to monitor or control the dosing of erythropoiesis-stimulating agents

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5280429A (en) 1991-04-30 1994-01-18 Xitron Technologies Method and apparatus for displaying multi-frequency bio-impedance
US8135448B2 (en) * 2001-03-16 2012-03-13 Nellcor Puritan Bennett Llc Systems and methods to assess one or more body fluid metrics
JP2005530678A (ja) * 2001-11-28 2005-10-13 オーソーマクニール ファーマシューティカル, インコーポレイテッド 貧血治療用のエリスロポエチン投与療法
JP2009507569A (ja) * 2005-09-13 2009-02-26 エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション 総ヘモグロビンの継続的な分光測定
US9370324B2 (en) * 2008-11-05 2016-06-21 Fresenius Medical Care Holdings, Inc. Hemodialysis patient data acquisition, management and analysis system

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03118446A (ja) * 1989-09-18 1991-05-21 Minnesota Mining & Mfg Co <3M> 水分含量を有する生物学的物質の性質の分析方法
JP2003520942A (ja) * 1998-08-27 2003-07-08 アボット・ラボラトリーズ 生体試料の無試薬分析
JP2003523940A (ja) * 1999-05-11 2003-08-12 オーソ−マクネイル ファーマシューティカル インコーポレイテッド エリスロポエチン投与の薬物速度論的および薬力学的モデリング
JP2004517300A (ja) * 2000-07-28 2004-06-10 アボット・ラボラトリーズ 組織の水分補給効果の補償による分析物濃度の非観血的決定方法
JP2008504082A (ja) * 2004-06-29 2008-02-14 フレゼニウス メディカル ケア ドイッチェランド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 患者の水分状態及び/又は栄養状態を判断するための方法及び装置
JP2010501073A (ja) * 2006-08-17 2010-01-14 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー 赤血球生成促進薬物による治療の層別化のためのbnp型ペプチドの使用
US20100261648A1 (en) * 2008-01-09 2010-10-14 Cho Daniel J Use of blood flow parameters to monitor or control the dosing of erythropoiesis-stimulating agents
WO2010056740A1 (en) * 2008-11-13 2010-05-20 Beckman Coulter, Inc. Method of correction of particle interference to hemoglobin measurement

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
PORT R E: "PREDICTING THE TIME COURSE OF HAEMOGLOBIN IN CHILDREN TREATED WITH ERYTHROPOIETIN FOR RENAL ANAEMIA", BRITISH JOURNAL OF CLINICAL PHARMACOLOGY, vol. V46 N5, JPN5013004580, November 1998 (1998-11-01), pages 461 - 466, ISSN: 0003633772 *

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015000109A (ja) * 2013-06-13 2015-01-05 株式会社ナノメディカル 赤血球造血刺激因子製剤の投与量決定方法
US10496794B2 (en) 2013-06-13 2019-12-03 Nipro Corporation Method of determining dose of erythropoiesis-stimulating agent
WO2018229739A1 (ja) * 2017-06-14 2018-12-20 ニプロ株式会社 投与量決定プログラムおよび投与量決定装置
JP2019002898A (ja) * 2017-06-14 2019-01-10 ニプロ株式会社 投与量決定プログラムおよび投与量決定装置
US11467170B2 (en) 2017-06-14 2022-10-11 Nipro Corporation Dose determination program and dose determination device
WO2021145369A1 (ja) * 2020-01-17 2021-07-22 国立大学法人横浜国立大学 投与管理装置、投与管理方法、プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
TWI576091B (zh) 2017-04-01
CN103270414A (zh) 2013-08-28
EP2550531B1 (en) 2017-05-31
US20130052136A1 (en) 2013-02-28
US20180284140A1 (en) 2018-10-04
WO2011116919A1 (en) 2011-09-29
EP2550531A1 (en) 2013-01-30
JP6223821B2 (ja) 2017-11-01
CN103270414B (zh) 2015-02-04
TW201132335A (en) 2011-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6223821B2 (ja) 赤血球生成刺激剤(esa)の効果を予測し投与量を決定するための方法及び装置
Chazot et al. Importance of normohydration for the long-term survival of haemodialysis patients
EP2469431B1 (en) A method for calculating or approximating a value representing the relative blood volume and devices
US10551370B2 (en) Method and apparatus for evaluating values representing a mass or a concentration of a substance present within the body of a patient
US10737009B2 (en) Method for assessing a patient&#39;s fluid status and/or sensitivity to fluid removal, controller, and devices
JP6208193B2 (ja) ろ過率の制御方法を行うコントローラ、装置及びデバイス
EP2416154B1 (en) Method and apparatuses for predicting the effects of erythropoesis stimulating agents (ESA), and for determining a dose to be administered
JP2016533206A (ja) 患者の毎日の鉄の損失量を決定するための方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140318

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141028

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141031

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20150124

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20150325

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150901

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20151128

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20151223

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20160131

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170331

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170614

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170809

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171004

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6223821

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250