JP2013527103A - 多孔質および非孔質のナノ構造体 - Google Patents

多孔質および非孔質のナノ構造体 Download PDF

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Abstract

微小でナノスコピックなスケールの、様々な多孔質および非孔質のワイヤ状構造体が開示される。例えば、多孔質の物体を含む構造体が開示され、その多孔質の物体は(i)第一の領域、および(ii)物体の軸に沿って第一の領域に隣接する第二の領域を含み、このとき第一の領域は第二の領域のものとは異なる少なくとも一つの多孔質特性を有する。同様に開示される構造体は(i)高抵抗率のシリコン、および(ii)物体の軸に対して実質的に垂直な横断面を有する。また、このような構造体を製造および使用する方法も開示される。例えば、本発明は多孔質の物体を製造する方法を提供し、この方法は(i)エッチング可能な支持体を得ること、(ii)支持体の表面上に、少なくとも一つの開口を有するパターン化した多孔質化補助金属層を形成すること、および(iii)続いて支持体を第一のエッチング溶液と第二のエッチング溶液に曝露することを含み、それにより多孔質物体の第一の領域と第二の領域がそれぞれ形成される。
【選択図】図1a

Description

関連出願についてのクロス・リファレンス
本出願は米国仮特許出願61/282627号(2010年3月9日提出)の優先権を主張し、その内容の全てが参考文献としてここに取り込まれる。
連邦政府が後援する研究についての陳述
本発明は、国家航空宇宙局によって認められた認可番号NNJO6HEO6A、国立衛生研究所によって認められた認可番号CA128797およびCA122864、国防高等研究計画局によって認められた認可番号W911NF−09−1−0044、および米国国防総省によって認められた認可番号W81XWH−07−2−0101およびW81XWH−09−1−0212の下での政府の支援を受けて成されたものである。政府は本発明に一定の権利を有する。
シリコンをベースとするナノ構造体のような多孔質および非孔質のナノ構造体は、電気光学デバイス、センサー、太陽電池、ナノワイヤ、およびドラッグデリバリー(薬物の輸送)における用途を含めた、多くの分野における多くの用途を有する。しかし、現在のナノ構造体は伝導性、抵抗、多孔度、および効率的な製作方法に関する多くの制限を有する。従って、より有効なナノ構造体とその製造方法を開発する必要性が現在において存在する。
幾つかの態様において、本発明は多孔質の物体を含む構造体を提供し、この物体は(i)第一の領域、および(ii)物体の軸に沿って第一の領域に隣接する第二の領域を含み、このとき第一の領域は第二の領域のものとは異なる少なくとも一つの多孔質特性を有する。そのような特性には、限定するものではないが、細孔の大きさ、多孔度および細孔の方向が含まれる。多孔質の物体はまた、軸に対して実質的に垂直な横断面を有し、この横断面は5ミクロン以下の少なくとも一つの側面の寸法を有する。さらに、物体のアスペクト比(縦横比)は4以上である。
他の態様において、本発明は多孔質の物体を含む構造体を提供し、この物体は(i)高抵抗率のシリコン、および(ii)物体の軸に対して実質的に垂直な横断面を有する。さらに、横断面は5ミクロン以下の側面の寸法を有する。さらに、物体のアスペクト比は4以上である。
さらなる態様において、本発明は多孔質の物体を製造する方法を提供する。この方法は、概して言えば、(i)エッチング可能な支持体を得ること、(ii)支持体の表面上に、少なくとも一つの開口を有するパターン化した多孔質化補助金属層を形成すること、および(iii)続いて支持体をエッチング溶液に曝露すること、を含む。その後、エッチング溶液はパターン化した多孔質化補助層を溶解し、それにより金属を含むエッチング溶液が形成される。次いで、金属を含むエッチング溶液は支持体の第一の部分を多孔質化し、そして支持体の第二の部分をエッチング除去し、それにより開口によって画定された横断面を有する多孔質の物体が形成される。
追加の態様において、本発明は多孔質の物体を形成するための追加の方法を提供し、この方法は、(i)エッチング可能な半導体基板を得ること、(ii)基板の表面上に多孔質化補助金属を堆積すること、および(iii)続いて基板を第一のエッチング溶液と第二のエッチング溶液に曝露し、それにより多孔質の物体の第一の領域と第二の領域をそれぞれ形成すること、を含む。曝露することによって、第一のエッチング溶液と第二のエッチング溶液の少なくとも一方においてエッチング補助金属が溶解し、これにより金属を含むエッチング溶液が形成され、この溶液が基板の一部を多孔質化する。形成された物体において、第二の領域はワイヤの軸に沿って第一の領域に隣接していて、そして第一の領域のものとは異なる少なくとも一つの多孔質特性を有する。そのような特性には、限定するものではないが、細孔の大きさ、多孔度および細孔の方向が含まれる。
本発明のさらなる態様によれば、多孔質の物体を製造する方法が提供され、この方法は、(i)0.02Ω・cmよりも高い抵抗を有するシリコン基板を得ること、(ii)基板の表面上に多孔質化補助金属を堆積すること、および(iii)続いて基板を、有効な濃度のHFと酸化剤を含むエッチング溶液に曝露し、それにより多孔質の物体を形成すること、を含む。
他の態様において、本発明は多孔質の物体を製造するための追加の方法を提供し、この方法は、(i)物体の軸に対して実質的に垂直な横断面を有する非孔質の物体を得ること(このとき、この物体の横断面は5ミクロン以下の少なくとも一つの側面の寸法を有し、またこの物体は少なくとも4のアスペクト比を有する)、および(ii)有効な濃度のHF、酸化剤、および多孔質化補助金属の少なくとも1種のイオンと原子を含む多孔質化溶液に非孔質の物体を曝露することを含む無電解手段によって、非孔質の物体から多孔質の物体を形成すること、を含む。
本発明の別の態様は、軸とこの軸に対して実質的に垂直な横断面とを有する多孔質の物体を含む構造体である。これらの態様において、横断面の側面の寸法は1ミクロンを超えない。さらに、この物体のアスペクト比は2以上である。
当業者は、本発明の多孔質の構造体および方法は多くの用途を有し得ることを認識するであろう。例えば、本発明の方法はナノワイヤ(例えば、多層のシリコンをベースとするナノワイヤ)を製作するのに利用することができる。同様に、本発明の構造体は、ドラッグデリバリーベクター(薬剤輸送ベクター)、ドラッグデリバリーナノニードル、バーコード化ワイヤ、およびイメージング剤などの用途を含めた、多くの用途をもつことが可能である。
上で列挙したやり方とその他の利点および本発明の目的が得られるように、上で簡単に説明された本発明についてのより詳細な説明は、添付した図面で例証されている特定の実施態様を参照することによって提示されるだろう。これらの図面は本発明の典型的な態様だけを示していて、従って本発明の範囲を限定するものとはみなされないことを理解しつつ、添付図面を用いることによって追加の特殊性と詳細とともに、本発明を以下で説明する。
図1(a)〜(f)は典型的な多色多孔質シリコンのバーコードタイプのナノワイヤおよびナノチェーンに関するものである。図1(a)はAg補助エッチング(0.05M Hで5分の後、0.2M Hで1分、これを3回繰り返す)によって得られた0.005Ω・cm未満の多孔質シリコンのナノチェーン(すなわち、バーコードナノワイヤ、シリコンナノワイヤまたはSiNWs)の走査型電子顕微鏡写真を示す。左:高多孔度のチェーンと低多孔度のチェーンが交互にリンクしている(つながっている)ことを示す、合成されたナノチェーンの側面の概観。右:単一のナノチェーンについての高多孔度と低多孔度の移行を示す近接写真(スケールバーは100nm)。図1(b)は多孔質SiNWsの共焦点顕微鏡画像を示す。上から下へ:0.005Ω・cm未満の0.1M H多孔質SiNWの明視野画像;500nmでの同じナノワイヤの蛍光画像;0.005Ω・cm未満の0.05M/0.2M H多孔質シリコンナノチェーンの500nmの波長での蛍光画像;同じナノチェーンの明視野画像。図1(c)はイソプロピルアルコール中での多孔質SiNWの光ルミネッセンススペクトルを示す。0.05M/0.2M Hナノチェーンに相当する光ルミネッセンススペクトルは0.05M Hスペクトルと0.2M Hスペクトルの重ね合わせによって得られるスペクトルと十分に一致する。最初の試料の濃度は不明である。従って、スペクトルは、ナノチェーンと重ね合わせのスペクトルとの間の絶対値の誤差を最小にするために調整された(初期の0.05M Hの90%、初期の0.2M Hの50%)。負の対照としてポリスチレンのビーズが採用され、またバックグラウンドを差し引くためにこれが用いられた。図1(d)は0.05M/0.2M Hナノチェーンの反射顕微鏡画像を示し、それぞれのチェーンのリンクと関連する異なった色を示している。図1(e)は458nmの励起でのQドット(量子ドット)を含む0.05M/0.2M Hナノチェーンの共焦点顕微鏡画像を示す。上から下へ:560nmでの蛍光信号、633nmでの蛍光信号、明視野信号、重ね合わせ。図1(f)はQドットを含む0.05M/0.2M Hナノチェーンの光ルミネッセンススペクトルを示し、560nmおよび633nmにおけるピークと関連するQドットを示している。 図2はBJHモデルを用いた細孔の大きさの測定結果を示す。細孔の大きさと多孔度はH濃度の関数として増大する。0.1M H中(上)および0.2M H中(下)で合成された0.005Ω・cm未満の多孔質シリコンナノワイヤについてのNの吸収/脱着の等温線。BJHモデルによって測定された細孔の大きさは6.1nmから11.4nmへと増大し、これはBETで測定された多孔度の47%から66%への増大と関連する。 図3は0.05M H溶液、2.9M HF溶液および0.2M H溶液の中でエッチングされた0.005Ω・cm未満の多孔質シリコンナノチェーンの走査型電子顕微鏡写真(上の図)および吸収スペクトル(下の図)を示す。 図4(a)〜(d)はナノパターン化した多孔質シリコン構造体の走査型電子顕微鏡写真である。図4(a)は400nm×2000nmで600nmピッチ(間隔)のフォトリソグラフィ(写真平版)パターンである。図4(b)は600nmの直径で1400nmピッチのフォトリソグラフィパターンである。図4(c)はシリコン上の20nmの厚さの電子衝撃加熱蒸着したAg薄膜であり、130nmの直径で30nmピッチのステンシルマスクを通して堆積させたものである。図4(d)は0.05M H中で20分間にわたって(c)に示すパターンの金属補助エッチングによって得られた、130nmの直径の多孔質シリコンナノピラー(ナノ柱)である。 図5(a)および(b)は多色多孔質シリコンナノピラーの走査型電子顕微鏡写真を示す。図5(a)は0.05M H中で20分間にわたってエッチングされた0.005Ω・cm未満の多色ナノピラーの走査型電子顕微鏡写真を示す。図5(b)は低多孔度と高多孔度のチェーンリンクの間の移行を示す、(a)におけるピラーの拡大図を示す。 図6は多孔質シリコンナノワイヤと中実の(solid)シリコンナノワイヤの分解を調査した走査型電子顕微鏡写真を示す。上の図はリン酸塩緩衝塩水の中に浸漬した後に酸化していない0.01〜0.02Ω・cmの中実のシリコンナノワイヤの走査型電子顕微鏡写真を示す。96時間の時間枠の範囲で分解は観察されない。下の図はリン酸塩緩衝塩水の中に浸漬した後に酸化した0.005Ω・cm未満の多孔質シリコンナノワイヤの走査型電子顕微鏡写真を示す。多孔質ナノワイヤは48時間で曲げ弾性率の低下を伴う分解の顕著な兆候を示し、このとき短縮化は示していない。ワイヤは72時間浸漬した後に完全に分解している。 図7(a)〜(f)は、エッチングのパラメーターの関数としてのシリコンナノ構造体の形態の調査において、金属補助エッチングによって得られた様々なシリコンナノ構造体の形態の断面走査型電子顕微鏡写真を示す。挿入写真は単一のナノワイヤの構造に焦点を当てた断面において示された試料の拡大図である。図7(a)は中実のシリコンナノワイヤを示す:1〜10Ω・cm、Ag、0.1M H、15分。図7(b)は多孔質のシリコンナノワイヤを示す:0.005Ω・cm未満、Ag、0.1M H、15分。図7(c)は多孔質のシリコン層の上にある太い多孔質シリコンナノワイヤを示す:0.005Ω・cm未満、Ag、0.1M H、3.5Mエタノール、5分。図7(d)は多孔質のシリコン層の上にある細いスパゲッティ状の多孔質シリコンナノワイヤを示す:0.0008〜0.001Ω・cm、Au、0.1M H、15分。図7(e)は多孔質のシリコン層を示す:0.01〜0.02Ω・cm、Ag、0.1M H、6.8Mエタノール、5分。図7(f)は光沢のあるシリコンの表面を示す:0.1〜0.2Ω・cm、Ag、0.78M H、5分。 図8(a)〜(f)はエッチングのパラメーターの関数としてのナノ構造体の形成について調査した結果を示す。図8(a)は、基板の抵抗率とHの濃度の関数としての、Ag補助エッチングによって得られた様々なシリコンナノ構造体の形態の相図を示す。図8(b)は、基板の抵抗率とHの濃度の関数としての、Au補助エッチングによって得られた様々なシリコンナノ構造体の形態の相図を示す。図8(c)はHの濃度の関数としてのSiナノワイヤのエッチング速度を示す。赤い四角は2.9M HF、0Mエタノール中での0.01〜0.02Ω・cmの基板のAu補助エッチングを示す。青い円は2.9M HF、0Mエタノール中での0.01〜0.02Ω・cmの基板のAg補助エッチングを示す。図8(d)は基板の抵抗率の関数としてのSiナノワイヤのエッチング速度を示す。赤い四角は0.2M H、2.9M HF、0Mエタノール中でのAu補助エッチングを示す。青い円は0.2M H、2.9M HF、0Mエタノール中でのAg補助エッチングを示す。図8(e)は、基板の抵抗率とエタノールの濃度の関数としての、Ag補助エッチングによって得られた様々なシリコンナノ構造体の形態の相図を示す。図8(f)はエタノールの濃度の関数としてのSiナノワイヤのエッチング速度を示す。赤い四角は0.1M H、2.9M HF中での1〜10Ω・cmの基板のAu補助エッチングを示す。青い円は0.1M H、2.9M HF中での0.1〜0.2Ω・cmの基板のAg補助エッチングを示す。 図9(a)〜(d)は多孔質ナノワイヤと多孔質シリコン薄膜上の多孔質ナノワイヤについての研究に関するものである。多孔質ナノワイヤと多孔質シリコン薄膜上の多孔質ナノワイヤとの間の細孔構造の相違は、異なるエッチング機構の結果であるかもしれない。図9(a)は多孔質シリコンナノワイヤの基部の断面走査型電子顕微鏡写真を示す:0.005Ω・cm未満、Ag、0.1M H、60分。多孔質化はナノワイヤの壁が形成された後に起こり、多孔質構造はナノワイヤの壁からその主軸に向かっていて、基部まで十分に延びていない。図9(b)は多孔質シリコン層の上の多孔質シリコンナノワイヤを示す:0.005Ω・cm未満、Au、0.4M H、15分。多孔質構造はナノワイヤの壁に平行になっていて、下にある多孔質シリコン薄膜の中へ連続した細孔として延びている。シリコンが最初に多孔質化して、その多孔質層の中でナノワイヤの壁がエッチングされる。金属のナノ粒子は多孔質シリコン薄膜の上に局在していて、このことはその金属のナノ粒子が多孔質化を触媒しないことを示す。図9(c)は図9(a)に示す状態についての可能性のある、かつ非限定的なエッチング機構を概略的に描いている。理論によって拘束されるものではないが、この表示における金属のナノ粒子は中実のシリコンの中へのエッチングを生じさせ、一方、そのイオンは電解液に曝露された表面に直交する細孔を形成するだろう。その経過時間Δtの間に、多孔質化の最前部は距離Δxだけ移動し、そしてナノワイヤのエッチングの最前部は距離Δxだけ移動するだろう。図9(d)は図9(b)に示す状態についての可能性のある、かつ非限定的なエッチング機構を概略的に描いている。理論によって拘束されるものではないが、金属のナノ粒子はイオンによって形成された多孔質シリコン層の中へ向けてナノワイヤをエッチングさせるだろう。 図10(a)および(b)は、細孔の形成は電解液に曝露された表面に直交することを証明するデータを示す。図10(a)は直径5μmのシリコンの柱状構造を貫く新しい裂開(cleave)のSEM写真を示し、金属補助無電解エッチングの間に形成された細孔を示す。図10(b)は、エッチングの初期の段階でナノ粒子が最初のSi表面にまだ固定されているときに生じる多孔質化によって上縁部から放射状に延びた細孔を示す、ピラー(柱状体)の近接写真を示す。矢印はナノ粒子が多孔質構造体を越える移行点を示す。5μmの柱状構造は、最初に0.005Ω・cm未満のp型Siウェハの表面上に90nmのSiの層を堆積し、次いでフォトリソグラフィとCFガスRIEによるパターン転写を行って下にあるシリコンの領域を露出させることによって得られた。Agのナノ粒子は、暗所の中で30秒にわたって2.9M HFと0.02M AgNOの溶液からSiの上に選択的に堆積させた。0.1M H、2.9M HFの中で15分にわたって無電解金属エッチングを行うことによって、多孔質のピラーが形成された。基板はすすぎ洗いされ、開裂され、そしてSEMによって分析された。 図11(a)〜(c)は多孔質化が金属イオンによって触媒されることを証明するものである。図11(a)は0.1M H、2.9M HFの中に30分間浸漬した後の0.005Ω・cm未満の裸のシリコン基板の新しい裂開のSEMを示す。図11(b)は0.1M H、2.9M HF溶液の中に10分間浸漬した後の上記のシリコン基板のSEMを示す。0.005Ω・cm未満の抵抗を有する、金属を堆積させたシリコン基板は、浸漬する直前にエッチングされた。図11(c)は0.1M H、2.9M HF溶液の中に10分間浸漬した後の上記のシリコン基板のSEMを示す。0.005Ω・cm未満の抵抗を有する、金属を堆積させたシリコン基板は、この浸漬を行うのと同時にエッチングされた。(b)と(c)における試料だけが多孔質化を示している。さらに、多孔質構造体の表面上または内部に金属のナノ粒子は存在しない。 図12(a)〜(f)は下記のものを示す。図12(a)はシリコンウェハの上に堆積させた銀のSEM画像を示す。図12(b)は製造されたシリコンナノワイヤのSEM画像を示す。図12(c)は多孔質シリコンナノワイヤの多孔質構造を示しているSEM画像を示す。図12(d)は非孔質のシリコンナノワイヤのSEM画像を示す。図12(e)は多孔質シリコンナノワイヤのTEM画像を示す。図12(f)は非孔質のシリコンナノワイヤのTEM画像を示す。 図13(a)〜(d)は下記のSEM画像を示す。図13(a)はN型シリコンウェハの上に堆積させた銀のSEM画像を示す。図13(b)は製造されたシリコンナノワイヤのSEM画像を示す。図13(c)は多孔質シリコンナノワイヤの多孔質構造を示しているSEM画像を示す。図13(d)は非孔質のシリコンナノワイヤのSEM画像を示す。 図14(a)〜(f)は銀補助エッチングを行った多孔質シリコンナノワイヤのSEM画像を示す。図14(a)は0.02オーム・cmのp型シリコン上にガルバニ置換によって堆積させたAuのSEM画像を示す。図14(b)は図14(a)に示す試料の無電解エッチングによって得られた多孔質シリコンナノワイヤのSEM画像を示す。図14(c)は0.005Ω・cm未満のp型シリコン上にガルバニ置換によって堆積させたAuのSEM画像を示す。図14(d)は図14(c)に示す試料の無電解エッチングによって得られた多孔質シリコンナノワイヤのSEM画像を示す。図14(e)は0.0008Ω・cm未満のp型シリコン上にガルバニ置換によって堆積させたAuのSEM画像を示す。図14(f)は図14(e)に示す試料の無電解エッチングによって得られた多孔質シリコンナノワイヤのSEM画像を示す。 図15(a)および(b)は、(a)多孔質シリコンロッドの配列、および(b)ナノ多孔質構造を示す多孔質シリコンロッドの断面、のSEM画像である。 図16(a)〜(f)は、(a)2分間のエッチングの後にパターン化された配列、(b)図16(a)の拡大写真、(c)5分間のエッチングの後にパターン化された配列、(d)図16(c)の拡大写真、(e)Ag粒子を示す多孔質構造の下部、および(f)Ag粒子を除去した後の図16(e)における多孔質構造の下部、のSEM画像である。 図17(a)および(b)は、(a)0.3%H溶液中で、および(b)0.6%H溶液中で、エッチングされた多孔質ナノワイヤのSEM画像である。 図18(a)〜(c)は0.6%H中でエッチングされたシリコンナノワイヤのSEM画像であり、(a)1〜10Ω・cm、非孔質、(b)0.01〜0.02Ω・cm、多孔質、および(c)0.005Ω・cm、高度に多孔質、のものである。 図19(a)〜(d)は次の各条件の下でエッチングされたシリコンナノワイヤのSEM画像である:(a)5%HF、(b)10%HF、(c)15%HF、および(d)20%HF。 図20(a)および(b)は次の各条件の下でエッチングされた多孔質シリコンナノワイヤのSEM画像である:(a)0.15%、0.6%および0.15%のH中で選択してエッチングされた、および(b)0.3%、0.6%および0.3%のH中で選択してエッチングされた。 図21は様々な時間にわたってPBS中で保持されたシリコンナノワイヤのSEM画像を示す。左の列はPBS中の0.02Ω・cmの多孔質シリコンナノワイヤに相当し、ここで貯蔵時間は、上から下に向かってそれぞれ0h、8h、16h、24h、48hおよび72hであった。中央の列はPBS中の0.005Ω・cmの中実のシリコンナノワイヤに相当し、ここで貯蔵時間は、上から下に向かってそれぞれ0h、8h、16hおよび24hであった。右の列は酸素プラズマで処理された0.005Ω・cmの多孔質シリコンナノワイヤに相当し、ここでPBSの貯蔵時間は、上から下に向かってそれぞれ0h、8h、16h、24h、48hおよび72hであった。 図22(a)および(b)は、(a)回転塗布した100nmのラテックスビーズ、および(b)Oプラズマ処理と銀の堆積を行った後の図22(a)における回転塗布したラテックスビーズ、のSEM画像である。 図23(a)〜(d)は、本発明の幾つかの態様に従う、シリコンをベースとする多孔質構造の様々な様相を説明するSEM画像を示す。図23(a)はシリコンウェハの両側でエッチングした40μmの長さのシリコンナノワイヤの一例を示す。図23(b)は構造的に弱い高度に多孔質のセグメントを含む多重セグメントのナノワイヤを示す。このようなセグメントは破断点として用いることができる。図23(c)は多重セグメント構造の破損を説明している。図23(d)はパターン化され、そして金属エッチングされて粒子の積層にされた、多孔質シリコンの薄膜を示す。
以上の概括的な説明と以下の詳細な説明は両者とも典型的なものであって説明上のものに過ぎず、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではない、ということが理解されるべきである。本願明細書において、特に示さない限り、単数形の語を用いているときは複数形を含み、単数形の語は「少なくとも一つのもの」であることを意味し、そして「または」を用いているときは「および/または」を意味する。さらに、「含む」という用語を用いるとき、限定的ではない。また、「要素」または「構成要素」といった用語は、特に示さない限り、一つのユニットからなる要素または構成要素と一つよりも多いユニットからなる要素または構成要素の両方を包含する。
本明細書で用いられている各節の表題は構成上の目的のものに過ぎず、説明されている主題を限定するものと解釈されるべきではない。(これらに限定されるのではないが)特許、特許出願、記事、著作および論文を含めて本明細書中で挙げられている全ての文献または文献の一部は、それらの全体が何らかの目的でここに参考文献として明白に取り込まれる。包含される一つ以上の文献や同様の資料が本願における用語の定義と矛盾するやり方でその用語を定義している場合、本願に従うものである。
本発明者らは多孔質および非孔質の構造体とそのような構造体を製造および使用する方法を開発した。その構造体は断面と軸を有することができて、軸は断面に対して垂直であるか、または実質的に垂直であってもよい。「実質的に垂直である」という用語は、構造体の断面の平面と軸との間の角度が90度から20度以下偏向しているか、15度以下、10度以下、または5度以下偏向していることを意味していてもよい。
構造体は長さによって特徴づけることができて、これは軸に沿っての構造体の寸法である。また、構造体は断面の側面の寸法によって特徴づけることもできる。例えば、断面の形状が円形であるとき、そのような断面の単一の側面寸法はその直径であろう。同様に、断面の形状が正方形であるとき、そのような断面の単一の側面寸法はその側部の長さであろう。同様に、断面の形状が長方形であるとき、その二つの側面寸法はその側部の長さであろう。
多くの態様において、構造体の断面の側面寸法の大きい方は、10ミクロン以下、5ミクロン以下、2ミクロン以下、1ミクロン以下、500nm以下、200nm以下、100nm以下、または50nm以下である。多くの態様において、構造体の断面の側面寸法の小さい方は、5ミクロン以下、2ミクロン以下、1ミクロン以下、500nm以下、200nm以下、100nm以下、または50nm以下である。
構造体は様々な断面形状を有していてもよい。幾つかの態様において、断面は丸い形すなわち円形であってもよい。幾つかの態様において、断面は長方形であってもよい。
多くの態様において、構造体は細長い構造体であってもよく、それは少なくとも2の、少なくとも4の、少なくとも10の、少なくとも20の、少なくとも50の、少なくとも100の、少なくとも200の、少なくとも500の、または少なくとも1000のアスペクト比を有する。構造体のアスペクト比は、円形の断面または正方形の断面のように、単一の側面寸法によって特徴づけられる断面を有する構造体については、構造体の長さとその側面寸法との間の比率として定義することができて、あるいは、長方形の断面のように、二つの側面寸法によって特徴づけられる断面を有する構造体については、構造体の長さと二つの側面寸法の積の平方根との間の比率として定義することができる。
幾つかの態様において、構造体はナノスケールの断面(例えば、断面の側面寸法の大きい方が1ミクロン以下、800nm以下、または500nm以下の断面)を有する細長い構造体であってもよい。幾つかの態様において、その細長い構造体はまた、少なくとも2の、少なくとも4の、少なくとも10の、または少なくとも20のアスペクト比を有する。
幾つかの態様において、細長い構造体はワイヤの構造体またはワイヤ状の構造体とみなすことができて、それは構造体の特定の寸法に応じてミクロワイヤ構造体またはナノワイヤ構造体であってもよい。ワイヤ状の構造体は、二つの互いに直交する側面寸法が実質的に同じ長さを有するような断面を有し、このことは断面の二つの互いに直交する側面寸法の間の比率が1.5以下であることを意味する。例えば、円形の断面を有する細長い構造体の場合、両方の互いに直交する寸法は断面の直径の長さを有する。従って、そのような細長い構造体はワイヤ状の構造体とみなすことができる。
細長い構造体は広い範囲の可撓性(曲げ弾性率)を有していてもよい。一般に、(理論によって拘束されるのではないが、)より多孔度が高く、より小さな断面を有する構造体は、より可撓性のものであろう。例えば、多孔度だけが異なっていて、その他の点では同一であるような二つの細長い構造体については、多孔度の高い方の構造体は、その他の点では同一であるけれども多孔度の低い方の構造体よりも可撓性が高いだろう。断面の厚さだけが異なっていて、その他の点では同一であるような二つの細長い構造体については、断面の厚みのない構造体は、断面の厚みのある構造体よりも可撓性が高いだろう。
また、幾つかの態様において、細長い構造体はベルト状またはリボン状の構造体とみなすことができて、それはその大きさに応じてミクロベルト、ミクロリボンまたはナノベルトであろう。そのベルト状またはリボン状の構造体は、二つの互いに直交する側面寸法が実質的に異なる長さを有するような断面を有し、このことは断面の二つの互いに直交する側面寸法の間の比率が1.5よりも大きいことを意味する。例えば、長方形の断面を有する細長い構造体であって、その側面の長さの間の比率が1.5よりも大きい構造体は、ベルト状またはリボン状の構造体とみなすことができる。幾つかの態様において、ベルト状またはリボン状の構造体について、その断面の二つの互いに直交する側面寸法の間の比率は、2よりも大きいか、3よりも大きいか、5よりも大きいか、または10よりも大きいだろう。
特定の態様において、構造体は多孔質の構造体(すなわち、少なくとも一つの多孔質の領域を含む構造体)であってもよい。様々な態様において、そのような多孔質の領域における平均の細孔の大きさは、200nm以下、100nm以下、50nm以下、25nm以下、20nm以下、15nm以下、10nm以下、1nm〜200nm、1nm〜100nm、1nm〜50nm、1nm〜20nm、または1nm〜10nmとすることができる。幾つかの態様において、多孔質の領域の多孔度は5%〜90%、10%〜90%、15%〜90%、20%〜90%、あるいはこれらの範囲内の整数によって定められる、任意のもっと狭い範囲とすることができる。
幾つかの態様において、細孔は構造体の軸に平行な方向を向いていてもよい。また、幾つかの態様において、細孔は構造体の軸に対して垂直な方向を向いていてもよい。
幾つかの態様において、構造体または構造体の一つ以上の領域は生分解性であってもよい。いかなる理論または定義によっても拘束はされないが、生分解性とは、PBS、細胞培養基または細胞質ゾルのような生理学的培養基の中で、または血漿、リンパ液、血液、間質流体および胃腸管流体のような体液の中で構造体が分解し得ることを意味する。生分解性の領域および構造体についての生分解速度は、細孔の大きさや多孔度のような幾つかのパラメーターに依存するだろう。例えば、Canham、Biomedical Applications of Silicon(シリコンの生物医学的応用)、In Canham LT編、Properties of porous silicon(多孔質シリコンの特性)を参照されたい。EMISデータはシリーズNo.18、London:371〜376ページを論評している。
生分解速度は表面の改質にも依存するだろう。例えば、細孔の表面の酸化(これは例えば酸素プラズマによって行われるだろう)は、生分解時間を増大させるかもしれない。PCT出願であるPCT/US2009/000239号は、親水性のポリマー鎖(例えば様々な分子量を有するPEGまたは合成糖衣鎖)のような多孔質表面のポリマー鎖の上に堆積させることによって、多孔質構造体(例えば多孔質シリコン構造体)の生分解速度を制御する方法を開示している。その領域または構造体の合計の生分解時間は、例えば0.1時間〜1000時間、0.2時間〜500時間、0.4時間〜200時間の範囲、あるいはこれらの範囲内の任意のもっと狭い範囲とすることができる。
幾つかの態様において、構造体の多孔質領域の細孔は、分子またはナノ粒子のような添加剤を含んでいてもよい。多孔質領域の細孔中に含んでいてもよい添加剤のタイプは、特定の添加剤が多孔質領域の細孔に貫入することのできる寸法を有する限り、特に限定されない。可能性のある添加剤の例は、例えば米国特許出願公開2008/0311182号、2008/0280140号および2003/0114366号に開示されている。幾つかの態様において、添加剤は、米国特許出願公開2008/0311182号、2008/0280140号および2003/0114366号に明示されているような治療薬および/またはイメージング剤であってもよい。
添加剤として用いることのできるナノ粒子の例としては、これらに限定するものではないが、金や銀のナノ粒子のような金属ナノ粒子、酸化鉄粒子、シリコン粒子、TiO粒子、アルミナ粒子のような金属酸化物粒子、カーボンナノチューブやフラーレンのような炭素をベースとする粒子、およびリポソームやミセルのような有機物粒子がある。理論によって拘束されるものではないが、添加剤として用いられる量子ドットは、多孔質の領域が蛍光性を有する多孔質半導体を含む場合、そのような領域からの蛍光を増進するだろう。そのような半導体の一例は多孔質シリコンであろう。
幾つかの態様において、多孔質構造体は複数の(二つ以上の)領域を有していてもよく、それらは異なる多孔質特性を有していてもよい。例えば、幾つかの態様において、構造体は第一の領域と第二の領域を有していて、第二の領域は細孔の大きさ、多孔度および細孔の方向から選択される少なくとも一つの特性において第一の領域とは異なっていてもよい。幾つかの態様において、第一の領域と第二の領域のうちの一方は非孔質の領域であってもよく、他方は多孔質の領域であってもよい。さらに、幾つかの態様において、第一および第二の領域の両者が多孔質の領域であってもよい。
多くの態様において、第一および第二の領域は構造体の軸に沿って互いに隣接して配置されていてもよい。幾つかの態様において、第一の領域と第二の領域の間の移行は急激であってもよく、これは、その移行領域が20nm以下、10nm以下、または5nm以下であることを意味するだろう。さらに、幾つかの態様において、第一の領域と第二の領域の間の移行は緩やかであってもよい(例えば、20nmよりも長いか、30nmよりも長いか、あるいは40nmよりも長い)。
構造体の各々の領域の軸に沿う長さは、幾つかの態様において異なっていてもよい。例えば、幾つかの態様において、構造体の各々の領域は少なくとも20nmの長さ、少なくとも40nmの長さ、少なくとも80nmの長さ、少なくとも20nmから1000nm以下までの長さ(20〜1000nm)、少なくとも40nmから約800nmまでの長さ、少なくとも80nmから約500nmまでの長さ、あるいは、このように定められる範囲内の任意のもっと狭い範囲であってもよい。
幾つかの態様において、第一の領域と第二の領域のうちの少なくとも一つは生分解性であってもよい。幾つかの態様において、第一および第二の領域の両者が多孔質または非孔質で生分解性の領域であってもよい。その場合、第一および第二の領域の生分解の動力学(または速度)は同じか、または異なっていてもよい。
幾つかの態様において、第一の領域と第二の領域のうちの少なくとも一つの細孔は、分子またはナノ粒子のような少なくとも一つの添加剤を含んでいてもよい。幾つかの態様において、第一および第二の領域の両者の細孔が少なくとも一つの添加剤を含んでいてもよい。幾つかの態様において、第一の領域の細孔は第一の添加剤を含んでいてもよく、一方、第二の領域の細孔は第二の添加剤を含んでいてもよく、このとき第二の添加剤は第一の添加剤とは異なっていてもよい。
幾つかの態様において、構造体はその軸に沿って二つ以上の領域を有していて、二つの隣接する各々の領域は異なる多孔質特性を有していてもよい。幾つかの態様において、そのような多重領域の構造体は、その軸に沿って一つ以上の領域で周期的に繰り返すパターンを有していてもよい。さらに、幾つかの態様において、多重領域の構造体は、その軸に沿ってランダムなパターンの領域を有していてもよい。多重領域の構造体は、例えばバーコードのような様々な用途のために用いられてもよい。
構造体は幾つかの化学的にエッチング可能な、または多孔質化が可能な物質から成っていてもよく、その物質は、シリコン、ゲルマニウム、GaAs、InP、SiGeまたはGaPなどの、化学的にエッチング可能であるかまたは多孔質化が可能な半導体材料であってもよい。多くの態様において、その半導体材料は単結晶シリコンまたは単結晶ゲルマニウムのような単結晶半導体材料であってもよい。
幾つかの態様において、構造体の半導体材料はドーピングされた半導体材料であってもよい。幾つかの態様において、半導体材料はp型にドーピングされていてもよい。さらに、幾つかの態様において、半導体材料はn型にドーピングされていてもよい。構造体の半導体材料は様々なドーピングレベルまたは濃度を有していてもよい。多くの態様において、構造体を形成するための基板の半導体材料は、基板が0.0002〜20Ω・cmの範囲、0.0005〜15Ω・cmの範囲、0.0008〜10Ω・cmの範囲、あるいはこれらの範囲内の任意のもっと狭い範囲の表面抵抗率を有するようなドーピングレベルまたは濃度を有していてもよい。
幾つかの態様において、構造体は高抵抗の構造体であってもよい。幾つかの態様において、高抵抗の構造体は、少なくとも0.02Ω・cm、少なくとも0.05Ω・cm、少なくとも0.1Ω・cm、少なくとも0.2Ω・cm、少なくとも0.5Ω・cm、少なくとも1.0Ω・cm、少なくとも0.02Ω・cmから12Ω・cm以下まで(0.02〜12Ω・cm)、0.05〜12Ω・cm、0.1〜12Ω・cm、0.2〜12Ω・cm、0.5〜12Ω・cm、または1.0〜12Ω・cmの高い抵抗率を有するバルク(塊状)の半導体のドーピングレベルまたは濃度に実質的に等しいドーピングレベルまたは濃度を有する。さらに、幾つかの態様において、構造体は低抵抗の構造体(例えば、0.02Ω・cm未満、0.01Ω・cm未満、または0.05Ω・cm未満の低い抵抗率を有するバルクの半導体のドーピングレベルまたは濃度に実質的に等しいドーピングレベルまたは濃度を有する構造体)であってもよい。
高抵抗および低抵抗の構造体の両者は、多孔質または非孔質のいずれかのものであってもよい。幾つかの態様において、半導体材料からなる構造体は多重にドーピングされた構造体であって、二つ以上の領域を有していて、それらの領域のドーピングタイプおよび/またはドーピングレベルまたは濃度および/または抵抗率が互いに異なっている構造体であってもよい。そのような多重にドーピングされた構造体は、第一のドーピング領域と、この第一のドーピング領域とはドーピングタイプ、ドーピングレベル、濃度、または抵抗率から選択される少なくとも一つの特性が異なっている第二のドーピング領域を有していてもよい。例えば、幾つかの態様において、第一のドーピング領域はN型にドーピングされた領域で、第二のドーピング領域はP型にドーピングされた領域で、あるいはこの逆であってもよい。幾つかの態様において、第一のドーピング領域は高抵抗の領域(例えば、上で明示したように、高い抵抗率を有するバルクの半導体のドーピングレベルまたは濃度に実質的に等しいドーピングレベルまたは濃度を有する領域)であってもよい。同様に、幾つかの態様において、第二のドーピング領域は低抵抗の領域(例えば、上で明示したように、低い抵抗率を有するバルクの半導体のドーピングレベルまたは濃度に実質的に等しいドーピングレベルまたは濃度を有する領域)であってもよい。幾つかの態様において、第一および第二のドーピング領域は構造体の軸に沿って配置されていてもよい。さらに、幾つかの態様において、第一および第二のドーピング領域は構造体の断面を横切って配置されていてもよい。
第一のドーピング領域と第二のドーピング領域は細孔の大きさ、多孔度および細孔の方向のような、同じかまたは異なる多孔質特性を有していてもよい。多重にドーピングされた構造体は、第一のドーピング領域と第二のドーピング領域の間の接合部または境界面を有していてもよい。多重にドーピングされた構造体はpn接合、ダイオードまたはトランジスタのような半導体デバイスとして用いることができる。
多孔質および非孔質の構造体は幾つかの方法によって調製することができる。幾つかの態様において、多孔質および非孔質の構造体の調製には、基板の表面上に多孔質化またはエッチングを補助する金属を堆積させることが含まれる。多孔質化またはエッチングを補助する金属は、ある一つの金属とすることができる。その金属はエッチング溶液中で少なくとも部分的に溶解して、金属を含有するエッチング溶液を形成することができる。金属を含有するエッチング溶液は、多孔質化またはエッチングを補助する金属のイオンと原子のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。多孔質化またはエッチングを補助する金属の例としては、銀および金のような貴金属がある。
多くの態様において、基板はシリコン、ゲルマニウム、GaAs、InP、SiGeまたはGaPなどの、化学的にエッチング可能であるかまたは多孔質化が可能な半導体材料を含む。多くの態様において、基板は単結晶シリコン基板または単結晶ゲルマニウム基板のような単結晶基板であってもよい。幾つかの態様において、基板はN型にドーピングされた基板であってもよい。さらに、幾つかの他の態様において、基板はP型にドーピングされた基板であってもよい。幾つかの態様において、基板は一定の濃度のドーパントを有していてもよく、それによりその体積を通して一定の抵抗率を有する。
幾つかの態様において、基板は多重にドーピングされた基板であってもよい。幾つかの態様において、多重にドーピングされた基板は、ドーパントのタイプとドーピングレベルまたは濃度のような少なくとも一つのドーピング特性が互いの間で異なっている複数の(二つ以上の)ドーピング領域を有していてもよい。例えば、基板は、第一のドーピング領域と、この第一のドーピング領域とはドーパントのタイプとドーパントの濃度またはレベルから選択される少なくとも一つのドーピング特性が異なっている第二のドーピング領域を有していてもよい。第一および第二のドーピング領域は基板の厚みに沿って配置されているか、あるいは基板の表面を横切って配置されていてもよい。
幾つかの態様において、多重にドーピングされた基板は、第一のドーピング領域と第二のドーピング領域の間の境界面において接合部を有していてもよい。そのような多重にドーピングされた基板は、上で説明したような多重にドーピングされた構造体を形成するために用いることができる。
幾つかの態様において、一定の抵抗率の基板の場合の基板、または多重にドーピングされた基板の場合のドーピング領域のうちの一つは、0.02Ω・cm未満の抵抗率を有する低い抵抗率の基板または領域であってもよい。さらに、幾つかの態様において、一定の抵抗率の基板の場合の基板、または多重にドーピングされた基板の場合のドーピング領域のうちの一つは、高い抵抗率の基板または領域であってもよく、それは、0.02Ω・cmよりも大きな、0.05Ω・cmよりも大きな、0.1Ω・cmよりも大きな、0.2Ω・cmよりも大きな、0.5Ω・cmよりも大きな、1.0Ω・cmよりも大きな、2.0Ω・cmよりも大きな、0.05から20Ω・cmまでの、0.1から20Ω・cmまでの、0.2から20Ω・cmまでの、0.5から20Ω・cmまでの、1.0から20Ω・cmまでの、0.05から12Ω・cmまでの、0.1から12Ω・cmまでの、0.2から12Ω・cmまでの、0.5から12Ω・cmまでの、または1.0から12Ω・cmまでの抵抗率を有していてもよい。
幾つかの態様において、多孔質化またはエッチングを補助する金属が、基板の表面上に溶液から堆積されていてもよく、その溶液は多孔質化またはエッチングを補助する金属の化合物(例えば塩)を含んでいてもよい。例えば、幾つかの態様において、多孔質化またはエッチングを補助する金属は、無電解の化学的沈着によって堆積されてもよい。さらに、幾つかの態様において、その金属は電気化学的沈着によって堆積されてもよい。
幾つかの態様において、多孔質化またはエッチングを補助する金属はナノ粒子の形で堆積されていてもよい。例えば、幾つかの態様において、金のナノ粒子がHAuClを含む溶液から堆積されてもよい。さらに、幾つかの他の態様において、銀のナノ粒子がAgNOを含む溶液から堆積されてもよい。
幾つかの態様において、多孔質化またはエッチングを補助する金属のナノ粒子は、そのようなナノ粒子を含む分散液から堆積されてもよい。例えば、ナノ粒子は分散液からスピンキャスト(回転流延)またはドロップキャスト(滴下流延)されてもよい。
幾つかの態様において、多孔質化またはエッチングを補助する金属は、スパッタリング、加熱蒸発または電子ビーム蒸発のような物理蒸着法によって堆積されてもよい。
幾つかの態様において、多孔質化またはエッチングを補助する金属はパターン化された層として堆積されてもよく、その層は基板の表面の一部が露出している開口を有していてもよい。
そのような開口の側面の寸法は、後に形成される多孔質ワイヤの断面の側面寸法を定めるだろう。パターン化された層はシャドウマスクを用いることによって形成することができて、そのマスクは開口の側面寸法を定めるだろう。幾つかの態様において、多孔質化またはエッチングを補助する金属の層は、マスクの上に堆積されるだろう。幾つかの態様において、マスクは基板の表面上に直接形成されるだろう。さらに、幾つかの態様において、マスクは、基板の表面上に直接にではなく、堆積される多孔質化またはエッチングを補助する金属の供給源と基板の表面との間に形成されるだろう。このようなやり方は、例えば、多孔質化またはエッチングを補助する金属が物理蒸着法を用いて堆積される場合に適用できるだろう。
シャドウマスクは幾つかの方法によって形成することができる。多くの態様において、シャドウマスクを形成するために用いられる方法は、フォトリソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、ナノインプリントリソグラフィ、ナノ粒子補助リソグラフィまたはディップペンナノリソグラフィのような、ミクロリソグラフィ法またはナノリソグラフィ法であろう。
幾つかの態様において、シャドウマスクは、窒化ケイ素のような誘電材料を含んでいてもよい。幾つかの態様において、シャドウマスクは1種以上のナノ粒子を含んでいてもよく、そのナノ粒子はポリスチレンビーズのようなポリマーナノ粒子であってもよい。
幾つかの態様において、シャドウマスクはパターン化されたポリマー層を含んでいてもよく、それは自己集合(self-assembled)ポリマー層であってもよい。
多孔質化またはエッチングを補助する金属の層はシャドウマスクの上に、無電解沈着や電気化学的沈着のような化学的な方法と加熱蒸発、電子ビーム蒸発およびスパッタリングのような物理的な方法を含めた、幾つかの方法によって堆積することができる。
シャドウマスクは除去するか、あるいは除去しなくてもよい。シャドウマスクを除去するために幾つかの方法を用いることができて、それには例えば、溶解、音波処理およびリフトオフ(剥離)がある。例えば、幾つかの態様において、マスクを溶解してもよい。特定の溶剤の使用は、マスクの材料によるだろう。例えば、SiNのマスクは、溶剤としてHFを用いることによって除去することができる。同様に、フォトレジストマスクは、アセトンのような有機溶剤を用いることによって除去することができる。同様に、ポリスチレンマスクを除去するためにはトルエンを用いてもよい。幾つかの態様において、マスクは音波処理(例えば、超音波の使用)によって除去してもよい。ナノ粒子補助リソグラフィにおいてナノ球体のようなナノ粒子を除去するためには、音波処理が好ましいだろう。
幾つかの態様において、多孔質化またはエッチングを補助する金属は基板をエッチング溶液に曝露する一部分として堆積してもよく、このときエッチング溶液としてはHFや、HまたはHNOのような酸化剤、または多孔質化またはエッチングを補助する金属の化合物(例えば、HAuClまたはAgNO)がある。
幾つかの他の態様において、基板の表面上に多孔質化またはエッチングを補助する金属が堆積された後、基板をエッチング溶液に曝露してもよく、このエッチング溶液は多孔質化またはエッチングを補助する金属を少なくとも部分的に溶解し、それにより金属を含む多孔質化溶液またはエッチング溶液が形成される。そのエッチング溶液はHFおよび酸化剤(例えばH)を含んでいてもよい。さらに、エッチング溶液は水と、場合により界面活性剤(例えばメタノールまたはエタノールのようなアルコール)も含んでいてもよい。(i)エッチング溶液の成分の濃度、(ii)基板の抵抗率、および(iii)用いられる多孔質化またはエッチングを補助する金属のタイプに応じて、エッチング溶液に曝露することによって次の構成のうちの一つが形成されるだろう:a)中実の、すなわち非孔質の構造体、b)多孔質の構造体、c)多孔質の基板上の多孔質の構造体、d)構造体を伴わない多孔質の基板、およびe)構造体を伴わない非孔質の光沢のある基板。
HF、酸化剤(例えばH)および/または界面活性剤(例えばエタノール)など、エッチング溶液の一つ以上の成分の濃度は、用いられる特定の多孔質化金属および基板の抵抗率について特定の望ましい構成((a)〜(e)の構成)が生成するのに有効であるように選択されるだろう。そのような有効な濃度を決定するために、シリコン基板について図8に示すもののような相図を用いることができる。
生成する多孔質構造体または構造体の多孔質領域の細孔の大きさ、多孔度または細孔の方向などの一つ以上の多孔質特性を調整するために、酸化剤や界面活性剤など、エッチング溶液の一つ以上の成分の濃度も用いることができる。例えば、Hなどの酸化剤の濃度が高いエッチング溶液を用いると、その他の点では同一の条件の下で酸化剤の濃度が低いエッチング溶液を用いるよりも、大きな細孔サイズと多孔度が得られるだろう。
エッチングの速度(すなわち、構造体の周囲の基板の一部をエッチング除去する速度)に対する多孔質化の速度(すなわち、多孔質構造体または多孔質領域において細孔が形成される速度)の相対的な比率を変化させることによって、細孔の方向を調整することができて、これは、例えば溶液中の界面活性剤(例えばエタノール)の濃度を変えることによってなされるだろう。
幾つかの態様において、HF、酸化剤(例えばH)および/または界面活性剤(例えばエタノール)など、エッチング溶液の一つ以上の成分の濃度は、用いられる特定の多孔質化金属および基板の抵抗率について、細孔の大きさ、多孔度および細孔の方向のような予め選択される多孔質特性を有する多孔質構造体または多孔質領域が生成するのに有効であるように選択されるだろう。そのような有効な濃度を決定するために、シリコン基板について図8に示すもののような相図を用いることができる。
幾つかの態様において、エッチング溶液の少なくとも一つの成分の濃度は、曝露が行われる間に変わるかもしれない。例えば、多孔質化またはエッチングを補助する金属を伴った基板は、最初に第一の組成のエッチング溶液に曝露され、次いで、この第一の組成のエッチング溶液の濃度とは異なる少なくとも一つの成分の濃度を有する第二の組成のエッチング溶液に曝露される。例えば、第一の組成物と第二の組成物は、異なる濃度の酸化剤(例えばH)または異なる濃度の界面活性剤(例えばエタノール)を有し、あるいは酸化剤と界面活性剤の両者について異なる濃度を有するかもしれない。
エッチング溶液の少なくとも一つの成分の濃度を変えると、構造体の長さに沿って互いに隣接していて、細孔の大きさ、多孔度および細孔の方向などの少なくとも一つの多孔質特性が異なっている二つの別個の領域が形成されるかもしれない。例えば、その濃度を変えると、第二の領域が第一の領域の特性とは異なる少なくとも一つの多孔質特性を有するような、第一の領域と第二の領域が形成されるかもしれない。幾つかの態様において、第一の領域と第二の領域の両者を多孔質の領域にすることができる。さらに、幾つかの態様において、第一または第二の領域のうちの一方だけを多孔質のものにして、他方の領域を非孔質のもの(すなわち、中実のもの)にしてもよい。中実の領域を形成するために、所定の金属および所定の抵抗率について中実のワイヤ状の構造体を形成するためのエッチング溶液中の濃度を用いることができる。エッチング溶液の組成を変えると、パターン化された多孔質特性を有する構造体が生成するかもしれない。エッチング溶液の組成を変えると、各々の領域の相対的な位置を、一つ以上の他の領域に対して制御することができるかもしれない。
幾つかの態様において、多孔質領域の細孔の表面を、例えば化学的および/または静電的に改質してもよい。例えば、幾つかの態様において、構造体がシリコンを含む場合、その細孔の表面を、例えば酸素プラズマを用いて酸化してもよい。細孔の表面を改質するための様々な方法が、例えば次の特許出願において開示されている:米国特許公開2008/0311182号、2008/0280140号および2003/0114366号、およびPCT出願であるPCT/US2009/000239号。表面の改質は、多孔質構造体または多孔質領域の生分解速度に影響を及ぼすかもしれない。
多孔質構造体または多孔質領域が形成されると、その細孔に添加剤を添加してもよく、その添加剤は例えば分子またはナノ粒子である。ミクロスケールまたはナノスケールの多孔質粒子の中に分子およびナノ粒子を添加する方法は、例えば次の特許出願において開示されている:米国特許公開2008/280140号および2003/0114366号、およびPCT公開公報であるWO/2008/0219082号およびWO/1999/53898号。多孔質構造体が一つよりも多い多孔質領域を含む場合、一つの多孔質領域に第一の添加剤を添加し、別の多孔質領域には第一の添加剤とは異なる第二の添加剤を添加してもよい。例えば、多孔質構造体が第一の多孔質領域と、この第一の領域よりも小さな細孔サイズを有する第二の多孔質領域を含む場合、最初に第一の領域の細孔に第一の添加剤を添加することができて、このとき、この第一の添加剤は第二の領域の細孔サイズよりも大きなサイズを有するが、しかし第一の領域の細孔サイズよりも小さな粒子を含むことができる。次いで、第二の領域の細孔に第二の添加剤を添加することができる。
幾つかの態様において、多孔質のワイヤ状の構造体または多孔質のリボン状またはベルト状の構造体のような細長い多孔質構造体を含む多孔質構造体を、非孔質構造体から、それらを多孔質化溶液に無電解的に曝露することによって調製してもよい。非孔質構造体は上に開示したようにして得ることができる。多孔質化溶液は、HF、酸化剤(例えばH)、多孔質化またはエッチングを補助する金属の少なくとも1種の原子のイオン、および場合により界面活性剤(例えばエタノール)を含んでいてもよい。多孔質化溶液は、多孔質化またはエッチングを補助する金属のイオンおよび/または原子を含んでいてもよい。多孔質化溶液は、新しい多孔質化溶液とするか、または使用された多孔質化溶液(すなわち、別の多孔質構造体を調製するために前に用いられた溶液)とすることができる。
用途
上で開示された多孔質および非孔質の構造体は多くの用途を有するだろう。そのような用途としては、これらに限定するものではないが、電子光学デバイスなどのデバイス、センサー、太陽電池、ナノメカニカルデバイス、ドラッグデリバリーナノニードルやバーコード化ワイヤなどのナノワイヤ、およびイメージング剤があるだろう。特に、上で開示された多孔質構造体については、その用途としては、大表面積電極、生分解性回路、熱電デバイス、バイオセンサー、電気機械式デバイス、ドラッグデリバリービヒクル(例えば治療剤および/またはイメージング剤である作用剤を輸送するための媒体)、およびバイオラベリング(バイオ標識化)があるだろう。
幾つかの態様において、多孔質構造体は超コンデンサまたは光電池などのデバイスにおいて用いてもよい。そのようなデバイスは、大きな表面積を有する電極によって顕著な利点を有するだろう。というのは、そのような電極は電荷の貯蔵と収納のそれぞれのための有効界面を増大させるだろうからである。
幾つかの態様において、シリコンの多孔質構造体が、様々な理由から好ましいだろう。例えば、シリコンは電荷の収納のための、そして有効界面を増大させるための最も性能の良い材料であろう。同時に、シリコンは、電荷が集められる前に移動する必要のある特性長を短くするかもしれない。従って、出願人は、そのような特性によってデバイスの効率が改善し得ると考える。従って、より具体的な態様において、本発明の多孔質および非孔質の構造体は、多層ナノポーラスシリコンワイヤのようなシリコンナノワイヤである。
幾つかの態様において、シリコンの多孔質構造体の配列のような多孔質構造体の配列は、pn接合の二つの部分のうちの少なくとも一つとして用いることができて、それは太陽電池の効率を改善するだろう。超コンデンサは電極中での電荷の分離を拠りどころとするものである。従って、多孔質シリコン構造体のような多孔質構造体は、それらの適切な電気特性と大きな表面積のために、活性炭、ナノチューブおよびグラフェンなどの現行の超コンデンサデバイスにおける炭素をベースとする材料を使用するのと同様のやり方で、超コンデンサデバイスにおいて利用されるかもしれない。
幾つかの態様において、多孔質シリコン構造体のような多孔質構造体は、生分解性回路において用いられるかもしれない。幾つかの態様において、生分解性回路の全体(すなわち、能動要素と受動要素の両方)は、多孔質シリコン構造体のような多孔質の細長い構造体を含むかもしれない。特定の態様において、これは、最初にシリコン基板などの基板上の回路をリソグラフィによるパターン化(例えばフォトリソグラフィによるパターン化)などによってパターン化し、次いで、このパターン化された回路を生分解性の基板に移すことによって達成することができる。さらに、幾つかの態様において、生分解性回路は生分解性の基板の上に直接、ガイドアセンブリによって、細長い多孔質構造体から組み付けてもよい。幾つかの態様において、生分解性回路の能動要素(例えば接合やトランジスタ)だけが多孔質シリコン構造体を含むかもしれない。そのような態様における受動要素は、薄い金属の層またはシート、あるいは多孔質構造体の生分解性材料とは異なる生分解性の導電性材料を含むかもしれない。
幾つかの態様において、そのような生分解性回路のための多孔質構造体は、シリコン基板などの基板上にある構造体をリソグラフィによるパターン化(例えばフォトリソグラフィによるパターン化)などによってパターン化することによって形成されてもよい。続いて、構造体を生分解性の基板に移すことができる。さらに、幾つかの態様において、生分解性の回路は生分解性の基板上に直接の組み付けによって組み付けてもよい。
幾つかの態様において、多孔質構造体は、外部環境に対する高い感受性を有する電子デバイス(例えばセンサー)において利用してもよい。そのようなデバイスにおいては多孔質構造体の大きな表面積を利用することができる。幾つかの態様において、そのデバイスにおいて用いられる多孔質構造体は生分解性のものであってもよく、それによりデバイスを移植可能なデバイスとして用いることができる。高い感受性を有するデバイスの特性は、細孔の大きさを調整することによって、あるいはラベリング剤(標識化剤)を用いた細孔表面の機能化によって、あるいはこれらの組み合わせによって、調整することができる。
幾つかの態様において、開示された多孔質構造体は電気機械式感知デバイスにおいて用いられてもよく、このデバイスは、多孔質構造体の環境との相互作用と関連するこの構造体の質量特性または機械的特性の変化を測定することができる。多孔質構造体の大きな表面積によって高い感受性および/または特性がもたらされ、そのような性質は、細孔の大きさを調整することによって、および/またはラベリング剤(標識化剤)を用いた表面の機能化によって、あるいはこれらの組み合わせによって、調整することができる。
構造体の多孔質特性、生分解性および生体適合性のために、本発明の開示された多孔質構造体は、治療剤および/またはイメージング剤などの作用剤を生体内で輸送するために利用してもよい。構造体の軸に沿っての一つ以上の特性および表面の機能化の制御を、構造体の様々な部分の内部で作用剤を区別的に添加するために利用することができる。そのような制御を、構造体の分解速度、ひいては作用剤の放出速度を調整するために行うこともできる。より具体的な態様において、その作用剤は抗がん剤であってもよい。さらなる態様において、作用剤はナノ粒子の中に収容されていてもよい。
幾つかの態様において、開示された多孔質構造体を一次デリバリービヒクルとして用いてもよい。さらに、幾つかの態様において、多孔質構造体を多段階デリバリーシステムの各段階のうちの一つとして用いてもよく、そのようなシステムは米国特許出願公開2008/031182号またはTasciotti他、Nature Nanotechnology, vol. 3., 151-158, 2008に開示されている。構造体の光ルミネッセンスのような光量子(photonic)特性は、光学スペクトル(例えば反射スペクトル)の変化を観察することによって構造体の負荷状態を光学的に分析することによって決定することができる。より具体的な態様において、癌を治療するか、または腫瘍を小さくするためにデリバリービヒクルを用いてもよい。
幾つかの態様において、構造体の軸に沿っての光ルミネッセンスのような、光量子特性を調整する構造体の能力を、標識としての目的で利用してもよい。例えば、構造体の表面への認識成分の結合によって、非漂白、生分解性および生体適合性のタグの使用による独特な標識化が可能になり、これは明視野顕微鏡、蛍光顕微鏡、または明視野顕微鏡と蛍光顕微鏡の同時使用によって観察することができる。
幾つかの態様において、構造体の軸に沿って様々な光量子特性を伴う複数の領域を有する、開示された多孔質構造体を、バーコードまたは指標として用いてもよい。ここに記載された態様を、非限定的な以下の実施例によってさらに説明する。
実施例1
シリコンナノワイヤは、それらの一次元半導体特性と機械的性質から発生する独特な特性によるエネルギーの生成と貯蔵、可撓性の電子装置、および生物医学のような種々の分野において、集中的に調査されている。ここで、我々は、0.0008Ω・cmから10Ω・cmまでの範囲の抵抗率を有する単結晶シリコンの金属補助無電解エッチングによる生分解性多孔質シリコンナノワイヤの合成を提示する。周期的に変化する多孔度を有する単一の多孔質シリコンナノチェーンからの多色反射と光ルミネッセンスについて、特徴付けを行った。多孔質ナノワイヤの形状をナノリソグラフィによって確定した。用いられた金属、Hの濃度、エタノールの濃度、およびシリコンの抵抗率の関数としての様々なナノ構造体の合成について説明するために、相図を作成した。これらの観察結果を説明するための機構も提示した。多孔質シリコンナノワイヤは生分解性であり、それらの寿命を表面処理によって調整できることが判明した。
多孔質シリコン(pSi)の量子スポンジ構造は、量子閉じ込め効果1−3(上付き数字は後掲する参考文献のリストを指す)、分子およびナノ粒子への浸透性4−7、および相互作用のための大きな内部表面活性8,9の組み合わせによる多様な分野における可能性のある用途について、興味を引くものである。pSiの生分解性、生体適合性11およびスポンジ状の構造は、移植可能なデバイス12,13、薬物輸送システム8,14−16および組織工学の足場17−19における生物医学的な用途についての研究を刺激した。赤外領域から可視領域までにおけるpSiの調整可能な光ルミネッセンスは、生体外および生体内での生物標識化のための生体適合性で非漂白性の蛍光体の開発を有望にしている8,20,21。電気化学的にエッチングされたpSiの細孔構造の規則性は、結果的に限定された吸収帯と放射帯を生じさせる。そのような結果は、細孔構造に対する制御をあまり保証しない染料エッチングまたは光化学エッチングとは対照をなしている22,23
シリコンナノワイヤ(すなわち、SiNWs)は、光電池24、エネルギー貯蔵25、ナノスケールの電子装置26−28および可撓性の電子装置29について集中的に調査されている。多孔質シリコン30およびシリコンナノワイヤの配列31の多色ルミネッセンスは、多目的の光電子デバイスの実現について、かなり興味を引くものである。SiNWsの一次元構造と機械的性質が、運動たんぱく質の挙動を研究するために利用された32。SiNWsでテンプレートした表面は、細胞の接着機構を理解するのに寄与した。クルコースのモニタリング34、複合たんぱく質の検出35、標識のないDNAの検出36、単一ウイルスの検出37および薬剤の発見38のために、SiNWsをベースとする幾つかのバイオセンサーが開発された。最近になって、多孔質シリコン39とシリコンナノワイヤ40の両方を得るための方法として、酸化剤のHF溶液中での金属補助エッチングが出てきた。最近になって、SiNWsの階層的超構造体が、ダイオードとトランジスタ41の実現のために合成され、そして用いられた。我々はこの研究にたずさわっているので、HF、HおよびAgNOの溶液中での無電解エッチングによる低抵抗率のp型シリコンからの多孔質シリコンナノワイヤ(pNWs)の形成42、およびHFとAgNOの溶液中でのAgナノ粒子の堆積を行った後のHFとHの溶液中での無電解エッチングによる低抵抗率のn型シリコンからのpNWsの形成43について報告した。高抵抗率のシリコンからのpNWsの形成、あるいはナノワイヤの形状と多孔質構造体の制御については、これまで何らの報告もされていない。
この研究においては、多層で多孔質のシリコンナノワイヤを合成するために、金属補助無電解エッチングが用いられた。多色ナノチェーンを得るために、各々の層に特徴的な細孔の大きさが、UV〜可視吸光および発光スペクトルと関連づけられた。量子ドット(Qドット)の区別的な添加によって多色蛍光を増進するために、層に依存する細孔サイズが利用された。リソグラフィによって画定される形状を有する多孔質シリコン一次元ナノ構造体を製作する能力が証明された。得られるシリコンナノ構造体、中実のナノワイヤ、多孔質ナノワイヤ、多孔質シリコン薄膜上の多孔質ナノワイヤ、多孔質シリコン薄膜および光沢表面に及ぼす、使用される金属ナノ粒子、エッチング溶液の組成、Siのドーピングタイプと濃度の影響を記述するために、相図が作成された。多孔質シリコンナノワイヤは模擬された生理学的条件において分解すること、そしてそれらの分解速度は表面の機能化によって制御できることが証明された。
多孔質シリコンナノチェーン
多色光輝性の多孔質シリコンナノチェーン(またはバーコードナノワイヤ)を、ナノワイヤの主軸に沿って多孔度を周期的に変化させることによって合成した(図1a)。各々のチェーンリンク(チェーンのつながり)の色−光ルミネセンス特性を、その多孔度によって決定した。2.9MのHF水溶液中の時間可変性の過酸化水素の濃度によって多孔度を調整し、高濃度のHにより、Nの吸収/脱着等温線によって示される高い多孔度と大きな細孔が生じた。0.1M H中でエッチングされた0.005Ω・cm未満の抵抗率を有するP型シリコンウェハにおいて、47%の多孔度と6.1nmのピーク細孔サイズが得られたが、これらはそれぞれBrunauer-Emmett-Teller(BET)分析およびBarrett-Joyner-Halenda(BJM)法に従って分析されたものである。しかし、0.2M H中でエッチングされた同様の基板においては、66%の多孔度と11.4nmの細孔が得られた(図2)。走査型電子顕微鏡(SEM)分析により、数ナノメートル以内で生じるチェーンリンクの間の多孔度の移行が示され、これは、変化するH濃度に対して迅速に反応したことを示す(図1aおよび図3)。
二色のナノチェーンは、各々のチェーンリンクと関連する異なる反射スペクトルの結果として、白色光(3200Kのハロゲンランプ)の下で明瞭に区別される空間的に変化する色を示した(図1d)。合成されたナノチェーンの多色光ルミネセンスを光ルミネセンス分光計において測定した。イソプロピルアルコール中に浮遊した低多孔度ナノワイヤ(0.05M Hを含む溶液中で合成されたもの)、高多孔度ナノワイヤ(0.2M H)および二色のナノチェーン(6つの交互にある低多孔度と高多孔度のリンク)の光ルミネセンスを測定した。低多孔度ナノワイヤは450nmを中心とする広い発光ピークを示し、一方、高多孔度ナノワイヤは540nmを中心とする同様のピークを示した(図1c)。
理論によって拘束されるものではないが、ナノチェーンの光ルミネセンスは、低多孔度および高多孔度のチェーンリンクからの空間的に区別される寄与の重なりの結果であると考えられる。実際に、ナノチェーンの光ルミネセンススペクトルは、高多孔度ナノワイヤと低多孔度ナノワイヤの個々のスペクトルの重なりと調和する(図1c)。さらに、458nmのレーザーの下での二色のナノチェーンの共焦点顕微鏡分析によって、高多孔度および低多孔度のチェーンリンクのそれぞれと調和する交互の暗い領域と明るい領域が示された(図1b)。
多孔質シリコンの光ルミネセンス量子の効率は低いことが知られていて44、高いバックグラウンドノイズを伴う環境中で適用するのには十分でないだろう。また、多孔質シリコンナノワイヤの吸収帯は紫外線の範囲に入るかもしれない(図3、高多孔度ナノワイヤ(0.2M H)の吸収スペクトル)。このことにより、ひいてはそれらの実際的な応用が限定されるだろう。
ナノチェーンの細孔中へのQドットの区別的な添加によって高効率の多色蛍光ナノチェーン(図1e)が得られた。裸のCdSeの赤いQドット(6.6nmの直径、633nmの放射)および黄色いQドット(3.3nmの直径、560nmの放射)をナノチェーンの細孔中に添加した。添加されたナノチェーンのスペクトルは、Qドットと関連する放射波長を中心とする二つの明瞭なピークを示した(図1f)。三つのチャネルの共焦点蛍光顕微鏡分析によって、大きな赤いQドットは大きな細孔と高多孔度のチェーンリンクの中だけに添加され、一方、小さな黄色いQドットは大部分がもっぱら小さな細孔と低多孔度のチェーンリンクの中に添加され、その結果、高効率の蛍光性二色ナノチェーンが得られたことが示された(図1e)。
パターン化された多孔質シリコンナノワイヤ
HFと金属塩の溶液からの金属の簡単な堆積によって多孔質シリコンナノワイヤの簡易な合成が可能であったが、それはナノワイヤの形状、大きさおよび配列の密度の全体についての制御を可能にはしなかった。さらに、多孔質シリコンナノ構造体の厳密に制御された形態が、統合された光学および感知システムのような実際的な適用のために望まれている。ナノリソグラフィプロセスを、多孔質シリコンナノワイヤの二段階の金属補助合成と合体させた。多孔質シリコンナノ構造体の形態の制御が、ナノ球体リソグラフィとフォトリソグラフィの両者を用いて実証された。ナノ球体リソグラフィは、ナノピラーの直径を制御するための簡易で安価な方法を提供した。フォトリソグラフィは、ナノ多孔質構造体の位置、密度、形状および大きさの全体についての制御を可能にした(図7)。ナノ球体リソグラフィをナノチェーンを形成する能力と結合させることにより、多重リンクナノピラーがもたらされた(図5)。
多孔質シリコンナノワイヤの生分解
生分解性の回路のためのブロックを構築するものとしての多孔質シリコンナノワイヤとナノチェーンの妥当性を調べるために、模擬された生理学的条件においてナノワイヤの挙動を調査した。ナノワイヤをリン酸塩緩衝塩水の中に96時間以内にわたって置き、そして走査型電子顕微鏡検査によって分析した(図6)。合成したままの0.005Ω・cm未満の多孔質シリコンナノワイヤは24時間で完全に分解し、酸素プラズマ酸化を受けた同じナノワイヤは72時間で分解したことが観察された。このことは、表面の機能化が分解速度に影響を及ぼすことを示している。反対に、0.01〜0.02Ω・cmの非孔質ナノワイヤは、96時間の実験時間にわたって明白な分解を示さなかった。pNWは、顕著な短縮化は示さずに太さが次第に低下し、そして次第に撓みやすくなったが、これはそれらが自然に曲がったことによって明らかである(図6、多孔質SiNW、48時間)。分解速度に従って細孔の大きさは増大した。合成したままの多孔質シリコンナノワイヤは16時間以内に細孔の大きさが二倍以上になり、一方、酸化されたナノワイヤは48時間まで明らかな細孔の大きさの増大を示さなかった。
シリコンナノ構造体の形成
シリコンの金属補助エッチングによって、幾つかの重要なプロセスパラメーターに依存する様々な形態を有するナノ構造体の合成が行われた。図7はシリコンのAuおよびAg補助エッチングによって得られた次の五つの区別できる形態のSEM顕微鏡写真を示す:中実のシリコンナノワイヤ(図7a、sNWs)、多孔質のナノワイヤ(図7b、pNW)、多孔質のシリコン薄膜の上にある多孔質ナノワイヤ(図7cおよびd、pNW+PS)、多孔質のシリコン薄膜(図7e、PS)、および光沢のあるシリコンの表面(図7f)。生じる形態を制御する重要なパラメーターは、シリコンの抵抗率、Hの濃度、用いられる金属、および界面活性剤(エタノール)の濃度であった。HFの濃度はエッチング速度だけに影響を及ぼした。
パラメーターを制御する影響を一連の相図で説明する(図8)。これらの相図は、sNWsからpNWs、pNW+PS、PS(存在する場合)、そして光沢のある表面までの、明確で滑らかな形態の移行の連続を示している。低い抵抗率の基板は、それらの高い抵抗率の対応物よりも低いHの濃度において、それぞれの連続する形態の状態に移行した。0.005Ω・cm未満の基板には、0.03Mよりも低いH濃度においてのみsNWが形成され、一方、0.0008〜0.001Ω・cmの基板には、試験されたいかなる条件においてもsNWは形成されなかったが、しかし低いH濃度の場合に多孔質シリコンの上に非常に撓みやすい細いスパゲッティ状のpNWsが形成された(図7d)。これらのスパゲッティ状のpNWsの壁は、下にある多孔質層の壁と一致していた。これらと同様のナノ構造体はn型シリコンを用いる同等の条件の下でも得られ、このことは、ドーピングのタイプは、得られるナノ構造体のタイプを決定づけるのに重要な役割を演じないことを示している。
他の全てのパラメーターを固定した場合、シリコンの抵抗率を低下させることにより、形態の相図においてsNWsから光沢のある表面へ向かう滑らかな移行が生じた(図8a、b、e)。他の全てのパラメーターを固定しながらエッチング溶液中のHの濃度を増大させた場合、sNWsから光沢のある表面への同様の滑らかな移行が観察された(図8a、b)。Hを増大させると、多孔質ナノワイヤの断面の直径は、それが下にある多孔質シリコンの壁の厚さと同一になるまで低下した。Hの濃度をさらに増大させると、SiNWsの消滅が起こり、その結果、PSまたは光沢のある表面のいずれかが生じた。Hの濃度とシリコンの導電率も、多孔質ナノワイヤの平均の細孔の大きさおよび多孔度と明確な相関性があった(図2)。SEM分析によって、より細いナノワイヤおよびより大きな細孔を有するナノワイヤは自然に曲がる傾向が強く、これは曲げ弾性率が低下することを示す。
用いられた貴金属は形態の移行境界線に影響を及ぼす。Au補助エッチングにより1〜10Ω・cmの高い抵抗率を有する基板のための多孔質構造体が形成され、一方、Agによれば0.1〜0.2Ω・cmまでの多孔質構造体しか形成されなかった。pNWの形成のための相間隔(phase space)領域は、AgについてのものよりもAuについての方が広かった。さらに、表面の研磨は、AgよりもAuを用いる場合の方が起こりにくかった。さらに、Auをベースとする表面の研磨は、Agを用いる場合よりも高いH濃度で起こった。
(水をベースとする溶液のシリコン表面での湿潤を改善するために)エタノールを添加すると、sNWから光沢のある表面までの滑らかで連続した移行が再び観察された。これは、pNW+PSと光沢段階との間でのPS形態の段階の存在によって特徴づけられた(図8e)。
SiNWのエッチング速度は0.0008〜0.001Ω・cmから1〜10Ω・cmまでの基板の抵抗率と明確な相関性があった(図8c)。エッチング速度は0.05Mから0.8MまでのH濃度と明確な相関性があった(図8d)。一方、エタノールの濃度が増大すると、SiNWのエッチング速度は低下した(図8f)。AuとAgについてのエッチング速度は全ての場合において同等であった。エタノールの増大と関連するエッチング速度の低下は、基板の抵抗率の低下と関連するエッチング速度の低下と結びついていて、このことは、高いエタノール濃度において0.01〜0.02Ω・cmよりも低い抵抗率を有する基板について観察されるpNWsの欠乏とPSの形成を説明している。
pNWsおよびpNW+PSの多孔質構造体における顕著な相違が観察された(図9)。pNWsの細孔はSiNWの壁の側面からその主軸に向かって成長した(図9a)。しかし、pNW+PSの細孔は、SiNWのエッチング方向に沿って、SiNWの壁に平行に成長した(図9b)。さらに、細孔はpNW層から下にあるPS層の中へと連続した構造として伸びた。pNWの壁に直交する細孔構造の展開は、拡大されたナノワイヤのパターンにおいて説明される(5μmの円形の配列、図10)。これらのパターンは、pNWsとpNW+PSとの間の細孔構造の相違は異なる形成機構の結果であるかもしれないことを示している。SiNWのエッチング速度よりも遅い多孔質化速度は中実の、または部分的に多孔質化したSiNWsを特徴づけていて、そして金属ナノ粒子補助エッチングによってSiNWが形成された後のSiNWの壁の多孔質化が生じた(図9a、c)。SiNWのエッチング速度と調和する多孔質化速度はpNWsを特徴づける(図7b)。それに対して、SiNWのエッチング速度よりも速い多孔質化速度はpNW+PSを特徴づけていて、その結果、多孔質シリコン層が形成され、次いでこれは金属ナノ粒子の作用によってSiNWsへと部分的にエッチングされる(図9b、d)。
最近提案された一つのモデルは、二段階の金属補助エッチングを用いるナノワイヤの形成は最初に堆積される金属ナノ粒子(NPs)によって触媒され、一方、多孔質化はその一次ナノ粒子によって発せられるイオンの凝集から生じる二次ナノ粒子によって触媒されることを示しているようである43。本発明は作用についてのその理論によって限定されないが、本発明の結果は前に提案されたモデルを支持しないと思われ、代替の仮説を提示できる。それは、SiNWの形成は一次ナノ粒子(NPs)によって触媒され、一方、多孔質化は溶液中の金属イオンによって触媒されるのであって、二次的なNPsは形成されない、というものである。この仮説に対する支持は、SEMまたはTEM分析によって、SiNWの細孔の中または多孔質層の下部において金属のNPは検出されないという観察から得られる。さらに、pNW+PS中で検出できる全てのNPsはナノワイヤと多孔質層の間の境界面に蓄積したので、それらはPS層の形成のための触媒にはなりそうにない(図7c〜e、図9b)。
また、金属を堆積させたものと同じ溶液中にウェハの素材を置いたときに、金属補助エッチングの間に、またはそれが完了した後に、ウェハの素材の上に多孔質シリコンの層が形成されたことが観察され、このウェハの素材の上に金属のNPは何ら検出されなかった。しかし、電解質溶液だけの中ではウェハの素材の上で多孔質化は起こらなかった(図11)。このモデルの枠組みの中で、得られる様々な形態は、多孔質化の速度を決定するイオンの相対的触媒活性度(C)およびSiNWのエッチング速度を決定するナノ粒子の触媒活性度(C)に関して説明することができ、CとCは演算上、多孔質化の速度(v)およびSiNWのエッチング速度(v)に関して、それぞれ次のように定義される:
=v=Δx/Δt
=v=Δx/Δt
ここで、Δxは多孔質化の時間Δtの間に形成される多孔質層の厚さであり、Δxはエッチングの時間Δtの間に得られるナノワイヤの長さである(図9c、d)。このとき、常にΔt=Δtを選択することができるので、触媒活性率(C)は、
=C/C=v/v=Δx/Δx
と定義することができる。
この仮説を支持するものとして、実験によって、エタノールの濃度が増大するとvが低下することが示され、このことは、触媒としてAgを含む(Auについても同様)次の酸化還元反応によるCの低下(図8f)はエタノールの寄与を必要としないことを示している。
4Ag+Si+6F+2H+4H → 4Ag+[SiF2−+4H
従って、エタノールの濃度はCには影響しない。
の低下の単独の影響はCを増大させることであり、エタノールの濃度が増大することに関連する形態の移行を説明するだろう。この仮説において、sNWsはC<<1の結果であり、このときナノ粒子はSiNWを速くエッチングし、一方、イオンはSiNWを緩慢に多孔質化し、それによりSiNWの先端がわずかに粗くなるだろう。pNWsへの移行はCが約1のときに起こり、そしてSiNWsの壁は電解液に曝露した後に容易に多孔質化する(図8c)。pNWs+PSへの移行はC>1のときに起こり、そしてシリコンはSiNWsが形成される前に多孔質化した(図8d)。PS層の形成はC>>1のときに起こった。これはナノ粒子の活性度のほぼ完全な抑制のためであり(Cは約0)、そして低抵抗率と高いエタノール濃度(Cを低下させるために実験的に観察される二つの条件)においてのみ観察された。最後に、光沢のある表面への移行は、Cの増大と、高い濃度のHと関連する多孔度および細孔サイズの増大の組み合わせによるものであろう。
結論
金属補助無電解エッチングの間の過酸化水素の濃度を調整することによる様々な多孔度の複数の層とのシリコンナノワイヤの合成が実証された。得られた構造体は、多孔質シリコンナノチェーンと呼ばれた。ナノチェーンの光学特性が調査された。層に特有の反射と発光スペクトルが観察された。ナノスフェアリソグラフィとナノスケールフォトリソグラフィによるナノ構造体のサイズ、形状および配列密度の制御が実証された。
模擬された生理学的条件において多孔質ナノワイヤは生分解性であった。さらに、分解速度は表面の機能化によって制御することができる。エッチングのパラメーターを制御することによって、様々な形態を有するシリコンナノ構造体(すなわち、中実のナノワイヤ、多孔質ナノワイヤ、多孔質層上の多孔質ナノワイヤ、多孔質シリコン層または光沢のある表面)が形成された。そのようなパラメーターには、シリコンの抵抗率、Hの濃度、およびエタノールの濃度が含まれる。
相図が適宜に作成された。観察結果を説明する機構が提示された。0.0008〜0.001Ω・cmから1〜10Ω・cmまでの範囲の抵抗率を有する基板から多孔質シリコンナノワイヤが得られた。
シリコンナノチェーンの可変性の多孔質構造体は、超コンデンサのための電極における多孔質シリコンの代替物として48、あるいはシリコンをベースとする光電池の効率を改善するために49、利用することができる。ナノチェーンの反射スペクトルおよび光ルミネッセンススペクトルは、標識化と明視野および蛍光顕微鏡による検出を同時に行うためのナノチェーンバーコードを合成するために利用することができる。これらの多色光ルミネッセンスナノチェーンは、それらの十分な生分解性による活性イメージング剤および生体内イメージング剤としての用途があるだろう。多孔質シリコンナノワイヤはまた、グルコースのような生体分子の検出のためにすでに存在する非生分解性のデバイスの上に確立される、可撓性で生分解性かつ移植可能なデバイスの開発のための実現可能な候補でもある。それらの合成の容易さ、大表面積、生分解性、機械的、電子的および光電子的特性は、高感度の検出のための短期的で移植可能なカンチレバーをベースとするバイオセンサーまたは光電子バイオセンサーにおいて利用することができる。
方法
金属の堆積
金属塩の溶液からAgまたはAuのナノ粒子を、4インチのP型(100)0.0008〜0.001Ω・cm(Unisill、韓国)、0.005Ω・cm未満、0.01〜0.02Ω・cm、0.1〜0.2Ω・cm、および1〜10Ω・cm(Silicon Quest、Santa Clara、CA、米国)のシリコンウェハの上に無電解沈着40によって堆積させた。基板を清浄にし、そして2.9MのHF溶液中に浸漬することによって自然の酸化物を除去した。次いで、Agを堆積させるために、基板を暗闇の中で2.9MのHF、0.02MのAgNO(Sigma-Aldrich、St. Louis、MO、米国)の堆積用溶液に、またAuを堆積させるために、2.9MのHF、0.002MのHAuCl(Sigma-Aldrich、St. Louis、MO、米国)の堆積用溶液に移した。一定で均一なAuまたはAgのナノ粒子の層を得るために、金属の堆積時間を基板の抵抗率に応じて調節した(20秒から4分まで)。金属を堆積した基板を脱イオン水で入念にすすぎ洗いし、そして乾燥させた。
金属補助化学エッチング
金属触媒を堆積させた後、SiウェハをHF、Hおよびエタノールの水溶液中でエッチングした。Agを堆積させたウェハを、0.2MのHを含む1.5M、2.9M、4.5Mまたは5.8MのHFの水溶液中で5分間エッチングすることによって、HF濃度の影響を調査した。AgまたはAuを堆積させたウェハを、2.9MのHFにおいて0.05M、0.1M、0.2M、0.4M、0.8M、2Mまたは4MのH中で5分間エッチングすることによって、H−抵抗率の相図とエッチング速度を調査した。Agを堆積させたウェハを、0.2MのHを含む0M、1.7M、3.4M、6.9Mまたは13.7Mのエタノール中で5分間エッチングすることによって、エタノール−抵抗率の相図とエッチング速度を調査した。エッチング処理の後、基板を過剰な水ですすぎ洗いし、乾燥させ、そして電子顕微鏡画像化のために調製した。
多色シリコンナノチェーン
様々なH濃度における0.005Ω・cm未満のp型SiウェハのAg補助エッチングによって、多色で多孔質のシリコンナノチェーンを得た。金属の堆積の節で説明したようにして、Agを基板の上に堆積させた。二段階のサイクルは、0.05MのHと2.9MのHFの中での10分間のエッチングからなっていた。これに続いて、0.2MのHと2.9MのHFの中での1分間のエッチングを行った。このサイクルを三回繰り返すことによって、二色で6個のリンクを有するナノチェーンを得た。この方法と組み合わせたナノスフェアリソグラフィを用いて、多色ナノピラーを製作した。
光ルミネッセンス
二色のシリコンナノチェーンと多孔質ナノワイヤ(Ag補助、0.05Mおよび0.2MのH)を基板から機械的に除去し、そしてイソプロピルアルコール中に個別に回収した。蛍光計(Quanta Master C、Photon Technologies International、Birmingham、NJ、米国)を用いて、360nmの励起波長を有する石英キュベットにおいて4mlの試料から光ルミネッセンススペクトルを得た。イソプロピルアルコール中のポリスチレンビーズを負の対照(negative control)として用いた。ガラススライド上に封じ込めた試料から、ライカTCS SP5共焦点顕微鏡(Leica Microsystems、Bannockburn、IL、米国)を用いて光ルミネッセンス画像を得た。20μlの多孔質ナノワイヤに2mg/mlの黄色(3.3nmの直径、560nmの発光波長、NN-Labs、Fayetteville、AR、米国)CdSeのQドットの100μlを30分にわたって添加することによって、Qドット促進光ルミネッセンス試料を調製した。これに続いて、2mg/mlの赤色(6.6nmの直径、633nmの発光波長、NN-Labs、Fayetteville、AR、米国)CdSeのQドットの200μlを30分にわたって添加した。この試料をヘキサン中ですすぎ洗いした。この試料もガラススライド上に延ばして封じ込め、そしてライカ共焦点顕微鏡を用いて分析した。
パターン化多孔質シリコンナノワイヤ
多孔質シリコンナノピラーを調製するためのナノスフェアリソグラフィの方法を用いた45。160nmのポリスチレン球体(Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA、米国)の10%ゾル水懸濁液を、400:1(v/v)のメタノール/トリトン1000(Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA、米国)中の2%ゾルまで希釈した。50mlの懸濁液を0.005Ω・cm未満のp型Si基板の上に2500rpmで60秒にわたって回転塗布し、それにより稠密なポリスチレン球体の単層を得た。球体の大きさをOプラズマエッチングによって130nmまで低下させた(1分20秒、25sccmのO、10ミリトル、100W RF、Oxford Plasmalab 80、Oxford Instruments、Abingdon、英国)。代わりに、ナノメートル尺度のマスク(HTAフォトマスク、San Jose、CA、米国)を用いて標準的なフォトリソグラフィを用い(Futurrex NR9-250Pレジスト、Futurrex、Franklin、NJ、米国)、それによりナノリボン(400nm×2μmのパターン、600nmのピッチ)と広い間隔のナノピラー(600nmの直径のパターン、1400nmのピッチ)を得た。ステンシルマスクとして作用するポリスチレン球体またはフォトリソグラフィパターンを用いた加熱蒸発によって、20nmの厚さのAgフィルムを基板上に堆積させた。続いて、トルエン中での30分にわたる音波処理によって、基板から球体を除去した。次いで、基板を2.9MのHFと0.1MのHの水溶液中で5分にわたってエッチングした。
生分解
0.1MのH、2.9MのHFの中で5分にわたってエッチングしたウェハであって、Agを堆積した0.005Ω・cm未満および0.01〜0.02Ω・cmのp型ウェハから、多孔質および中実のSiNWsをそれぞれ合成した。SiNWを形成した後、金属のナノ粒子を30秒間の銀エッチング液(タイプTFS、Transene、Danvers、MA、米国)によって除去した。基板を1cmの試料に切断し、中実および多孔質のSiNW試料の半分を1分間の酸素プラズマ(PX-250、Asher、March Plasma Systems、Concord、CA、米国)によって酸化した。各々の試料を、実験の全体の時間にわたって20rpmで作動する揺り板の上の50mlのリン酸塩緩衝塩水(Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA、米国)の中に置いた。試料を0、2、4、8、16、20、24、48、72および96時間の時点で回収した。次いで、試料を過剰な脱イオン水ですすぎ洗いし、乾燥し、そしてツァイス・ネオン40FE−SEM(Carl Zeiss SMT、Peabody、MA、米国)を用いて画像化した。
実施例2
本実施例においては、P型またはN型のシリコンウェハの二段階の金属補助無電解化学エッチングによって、多孔質シリコンナノワイヤを製作する。この方法とナノリソグラフィまたはナノパターニングの組み合わせは、ナノロッド、ナノベルト、ナノストリップまたはナノチェーンのような様々な形状と大きさの多孔質シリコンナノ構造体を製作するために適用することができる。シリコン基板の比抵抗率とエッチング溶液の組成が、得られるナノ構造体の多孔度と細孔サイズ(あるいはそれらが無いこと)を決定し得る。シリコンのドーピング、金属触媒のタイプ、Hの濃度、および溶剤の全てが、シリコンの様々な抵抗率の範囲における多孔質ナノ構造体の形成に影響を及ぼすかもしれない。多孔質化とドーピング、金属のタイプ、Hの濃度、および溶剤のタイプとの間の関係を要約する相図を作成することができる。
序論
シリコンナノワイヤの金属イオン補助無電解エッチングは、容易で信頼できて、生産性の高い製作方法として多くの注目を集めてきた。そのようなシリコンナノワイヤは、電気光学、センサー、太陽電池およびナノ機構学を含めた幾つかの分野において用途が見いだされている。最近、非孔質シリコンナノワイヤの制御された薬剤の輸送への応用と生分解が評価された。一方、生分解性の多孔質シリコンの粒子または薄膜は、生物医学の用途のための有望な生体材料であるとみなすことができる。それらの大きな表面積のために、多孔質シリコンナノ粒子は病気の治療のための薬剤輸送担体として用いられてきた。多孔質シリコンナノワイヤは、それらの先駆物質としての二つの重要な特徴、すなわちナノワイヤおよび生分解性の多孔質シリコンとしての特徴を兼ね備えることができる。さらに、多孔質シリコンナノワイヤは、生分解性回路、熱電気、バイオセンサー、電気機械および薬剤輸送など、広範囲の用途を提供するかもしれない。
説明
ナノワイヤ、ナノベルト、ナノストリップおよびナノチェーンのような高いアスペクト比の多孔質シリコンナノ構造体を、無電解化学エッチング法によって単結晶シリコンから製作した。最初に、金属薄膜、金属ナノフィーチャー(nanofeatures)または金属ナノ粒子をシリコン基板の上に被覆し、次いでHFと過酸化水素の溶液を用いてシリコンを非等方的にエッチングし、それにより多孔質シリコンナノ構造体を形成した。数百ミクロンまでの長さの高いアスペクト比の多孔質シリコンナノ構造体を製作することができる。さらに、多孔質シリコン構造体の断面のパターンを、フォトリソグラフィ、ナノリソグラフィまたはナノ粒子補助パターニングによって制御することができる。多孔度は、シリコン基板の抵抗率の範囲、金属触媒、化学物質の濃度、および添加剤の溶剤と関係していた。製作された多孔質シリコンナノ構造体は生分解性であった。さらに、分解の時間を、表面の処理によって制御することができる。典型的な二つの工程のプロセスを以下で説明する。
無電解化学沈着または電気化学沈着によって、ナノ構造の金属層をシリコン基板の上に堆積することができる。この工程が最終的なナノワイヤの形状を決定し得る。あるいは、金属層を形成するために金属ナノ粒子をシリコン表面の上に回転塗布することができる。金属層は、ナノパターン化されたシャドウマスクによってシリコンの上に物理的または化学的に堆積することもできる。
多孔質シリコンのナノワイヤを製造するために、金属を被覆したシリコンをHF、水およびHの溶液中でエッチングすることができる。溶液に溶媒を添加することによって、多孔質シリコンナノワイヤの特徴を調整することができる。多孔質シリコンナノワイヤを製作するために、P型シリコンとN型シリコンの両方を用いることができる。
シリコンナノワイヤは、シリコン基板の抵抗率が特定の溶液について特定の範囲内にあるだけで、多孔質にすることができる。多孔質ナノワイヤにするシリコン基板の抵抗率の範囲は、金属のタイプ、Hの濃度、または溶剤の濃度を選択することによって調整することができる。例えば、多孔質シリコンナノワイヤを製造するためのプロセスにおいて、銀と金の両方を用いることができる。しかし、金を用いると、銀を用いるよりも広いシリコンの抵抗率の範囲において多孔質シリコンナノワイヤを製造することができる。Hの濃度は、多孔質シリコンナノワイヤを形成するためのシリコンの多孔度と抵抗率の範囲に影響を及ぼすかもしれない。エタノールのような溶剤は、部分的に水に代えて用いることができる。さらに、溶剤は多孔質シリコンナノワイヤのためのシリコンの多孔度と抵抗率の範囲を変化させる。
金属補助化学エッチングのために用いられる溶液は、同時にウェハをエッチングするために用いることができる。さらに、その溶液は後続のエッチングのために再使用してもよい。素材としてのシリコン基板(ブランクのシリコン基板)は、多孔質シリコンナノワイヤの金属補助による製造のエッチング工程を受けるシリコン基板と一緒に同じ容器中に置くと、多孔質になり得る。素材としてのシリコン基板は、金属補助エッチングによって多孔質シリコンナノワイヤを製造するために別の基板をエッチングするために用いられたのと同じ溶液中に置くと、多孔質になり得る。シリコンナノワイヤは一つの溶液中で非孔質にすることができて、次いで、多孔質ナノ構造体を形成するための高い抵抗率の範囲を対象とする別の溶液中で多孔質にすることができる。
多孔質シリコン構造体の断面を、フォトリソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、ナノインプリント、またはナノ粒子補助パターニングなどのナノリソグラフィを用いて予め画定することができる。多孔質シリコンナノワイヤに対するのと同じプロセスを用いて、そしてナノリソグラフィで補助することによって、様々な構造体を製造することができる(例えば、多孔質シリコンナノストリップ、多孔質シリコンナノリボン、多孔質シリコンナノベルトまたは多孔質シリコンナノロッド)。
窒化ケイ素のような誘電体の層をマスキング層として用いることができる。ナノ構造体の断面を画定するために、誘電体の層をパターン化してもよい。パターニングはポリスチレンビーズのようなナノ粒子を用いて行うことができる。パターニングはポリマーの自己集合(self-assembly)によって行うこともできる。
金属の層を基板の上に、無電解化学的プロセスまたは電気化学的プロセスによって堆積することができる。金属の層は、加熱蒸発、電子ビーム蒸発、またはスパッタリングなどの物理的プロセスによって基板の上に堆積することもできる。さらに、金属の層を形成するために、金属のナノ粒子をウェハの上に被覆してもよい。金属を堆積したパターンを有する基板は、画定された断面を有する多孔質シリコン構造体を製造するために用いることができる。
多孔質シリコン構造体の多孔度と細孔サイズは、シリコンのドーピング、抵抗率、金属、およびエッチング溶液中の化学物質と溶剤の濃度のうちの少なくとも一つの関数であり得る。層の多孔質化は、大部分が、ナノワイヤのエッチング前面、あるいはさらには基板の中へ向かって起こり得る。エッチングプロセスの間に溶液を変えることによって、シリコン構造体に沿っての多孔度を変化させることができる。
構造体に沿っての多孔度を変化させることによって、多孔質シリコン構造体を好ましい長さに切断することができる。周期的に変化する多孔度を有するナノチェーンを製造することができる。多孔質シリコンナノ構造体の機械的性質を、多孔度によって調整することができる。
多孔質シリコンナノ構造体は生分解性であってもよい。分解の時間は表面の化学的性質によって調整することができる。
1:二段階の銀補助エッチングを用いて製作されるP型多孔質シリコンナノワイヤ
この研究においては、1〜10Ω・cm、0.01〜0.02Ω・cm、0.005Ω・cm、および0.0008Ω・cmの抵抗率を有するP型シリコンウェハ(Silicon Quest)を用いた。5%HFと0.02MのAgNOの400mlの溶液をテフロン(登録商標)の深皿の中で調製した。シリコンウェハを、抵抗率に応じて30秒〜1分にわたって溶液中に沈め、それによりシリコンの表面上にナノサイズの特徴寸法を有する銀の層が形成された(図12a)。銀を堆積したウェハを脱イオン水を用いてすすぎ洗いし、そして10%HFと0.3%Hの水溶液中に15分にわたって浸した。SEM画像が得られ、そしてツァイス・ネオン40FE−SEM走査型電子顕微鏡を用いて処理した。
図12(b)は0.005Ω・cmのシリコンウェハから製造されたナノワイヤのSEM画像を示す。それらの多孔質構造は図12(c)(SEM)および図12(e)(TEM)で例証されている。図12(d)は1〜10Ω・cmのシリコンウェハから製造されたシリコンナノワイヤのSEM画像を示す。TEM画像(図12(f))によって実証されているように、多孔質構造は観察されなかった。この解明において、シリコンの抵抗率が0.005Ω・cm以下の場合にのみ、多孔質ナノワイヤを得ることができる。
2:二段階の銀補助エッチングを用いて製作されるN型多孔質シリコンナノワイヤ
この研究においては、3〜5Ω・cmおよび0.004Ω・cmの抵抗率を有するN型シリコンウェハ(Silicon Quest)を用いた。5%HFと0.02MのAgNOの400mlの溶液をテフロン(登録商標)の深皿の中で調製した。シリコンウェハを、抵抗率に応じて30秒〜1分にわたって溶液中に沈めた。この処理によって、シリコンの表面上に銀の層が形成された(図13a)。銀を堆積したウェハを脱イオン水を用いてすすぎ洗いし、そして10%HF、0.6%Hおよび水の溶液中に10分にわたって浸し、それにより図13bに示すナノワイヤが製造された。図13cは0.004Ω・cmのN型ウェハから得られたナノワイヤの多孔質構造を示し、一方、図13dは3〜5Ω・cmのウェハから得られた非孔質ナノワイヤを示す。
3:二段階の金補助エッチングを用いて製作されるP型多孔質シリコンナノワイヤ
この研究においては、0.01〜0.02Ω・cm、0.005Ω・cm、および0.0008Ω・cmの抵抗率を有するP型シリコンウェハ(Silicon Quest)を用いた。5%HFと0.002Mまたは0.02MのHAuClの400mlの溶液をテフロン(登録商標)の深皿の中で調製した。シリコンウェハを1〜5分にわたって溶液中に沈めた。シリコンの表面上に金の層が堆積した(図14a、c、e)。ウェハを脱イオン水を用いてすすぎ洗いした。次いで、この金を堆積したウェハを、10%HFと0.3%Hの水溶液中に15分にわたって浸した。金を用いると、0.01〜0.02Ω・cm、0.005Ω・cm、および0.0008Ω・cmの抵抗率を有する多孔質ナノワイヤを製造することができる。0.0008Ω・cmのウェハについては、多孔度が非常に高いので、ナノワイヤは柔らかい髪の毛のように見えた。
4:二段階の銀補助エッチングを用いて製作される、パターン化された多孔質シリコンナノロッドの配列
0.005Ω・cmの抵抗率を有するP型シリコンウェハ(Silicon Quest)を用い、多孔質シリコンのナノロッドを製作した。シリコン基板の上に、LPCVDによって100nmの窒化ケイ素(SiN)の薄膜を堆積させた。3μmの円の配列をフォトリソグラフィによってパターン化した。CF反応性イオンエッチング(RIE)を用いて、露出した領域から窒化ケイ素を除去した。5%HFと0.02MのAgNOの400mlの溶液をテフロン(登録商標)の深皿の中で調製した。シリコンウェハを1分にわたって溶液中に沈めた。ウェハを脱イオン水を用いてすすぎ洗いした。次いで、銀を堆積したウェハを10%HFと0.3%Hの水溶液中に2分にわたって浸した。ツァイス・ネオン40FE−SEM走査型電子顕微鏡を用いてSEM画像(図15)を測定した。
5:多孔質シリコンナノ構造体の形成
多孔質シリコンナノ構造体の形成機構を研究するために、ミクロシリンダー(ナノシリンダーが拡張したもの)の配列の多孔質構造の展開について調査した。 0.005Ω・cmの抵抗率を有するP型シリコンウェハ(Silicon Quest)の上に、LPCVDによって100nmの窒化ケイ素(SiN)の薄膜を堆積させた。3μmの円の配列をフォトリソグラフィによってパターン化した。CFのRIEを用いて、露出した領域から窒化ケイ素を除去した。次いで、基板の上に銀を堆積させ、そして基板を10%HFと0.3%Hの水溶液中で2〜5分にわたってエッチングした。
ツァイス・ネオン40FE−SEM走査型電子顕微鏡を用いてSEM画像(図16)を得た。図16aおよび図16cは、側壁から中央へのナノポア(ナノ細孔)構造の展開経路を示す。図16eは、銀のナノ粒子が、それらの下にあるシリコンから除去されつつあることを示す。図16fは、ナノ粒子が除去された後の、銀のナノ粒子の周りのナノポアを示す。この場合、ナノ粒子のエッチングの前面に先んじてナノポアの形成が起こったことを示している。
6:シリコンナノワイヤの多孔度のH 濃度への依存
この研究においては、1〜10Ω・cm、0.01〜0.02Ω・cm、0.005Ω・cm、および0.0008Ω・cmの抵抗率を有するP型シリコンウェハ(Silicon Quest)を用いた。5%HFと0.02MのAgNOの400mlの溶液をテフロン(登録商標)の深皿の中で調製した。シリコンウェハを30秒〜1分にわたって溶液中に沈めた。ウェハを脱イオン水を用いてすすぎ洗いした。0.15%、0.3%および0.6%のHを含む三つの10%HF溶液を調製した。溶液のうちの一つの中でウェハを15分間エッチングした。Hの濃度が、得られたナノワイヤの多孔度を決定した(図17)。Hの濃度は、多孔質ナノワイヤを形成するためのシリコンの抵抗率の範囲にも影響を及ぼした(図18)。
上の結果は、Hの濃度がシリコンナノワイヤの多孔度を決定づけることを示している。例えば、4インチのウェハの両側に40μmの長さの多孔質ナノワイヤをエッチングするためには、均一な多孔質構造を維持するために、約1Lの0.6MのH溶液が必要であろう。従って、Hのレベルを一定の濃度に維持するために、シリンジポンプのようなHの注入手段が用いられるかもしれない。
7:シリコンナノワイヤに及ぼすHF濃度の影響
この研究においては、0.005Ω・cmの抵抗率を有するP型シリコンウェハ(Silicon Quest)を用いた。5%HFと0.02MのAgNOの400mlの溶液をテフロン(登録商標)の深皿の中で調製した。次いで、この溶液中で無電解沈着によって銀を堆積させた。ウェハを脱イオン水を用いてすすぎ洗いし、そして乾燥した。5%、10%、15%および20%HFの三つの溶液を調製した。ウェハを溶液中で5〜15分間エッチングした。HF濃度が高いほど、エッチング速度が速かった(図19)。多孔度に対しては顕著な影響は認められなかった。
8:シリコンナノワイヤの多孔度に及ぼすエタノールの影響
銀のナノ構造の層を、0.005Ω・cmの抵抗率を有するP型シリコンウェハ(Silicon Quest)の上に、5%HFと0.02MのAgNOの400mlの溶液の中で無電解沈着によって堆積させた。ウェハを脱イオン水を用いてすすぎ洗いし、そして乾燥した。0.6%のHと0%、30%、40%および80%のエタノールを含む四つの溶液を調製した。各々のウェハを0%の溶液中で2分間エッチングし、次いで、30%、40%または80%の溶液のうちの一つの中で2分間エッチングした。その結果、溶剤としてのエタノールが存在することによって、高い多孔度のシリコンナノワイヤが製造されることが示された。
9:二段階の銀補助エッチングを用いるときの溶液のH 濃度を変化させることによる、シリコンワイヤに沿っての多孔度の変化
銀のナノ構造の層を、0.005Ω・cmの抵抗率を有するP型シリコンウェハ(Silicon Quest)の上に、5%HFと0.02MのAgNOの400mlの溶液の中で無電解沈着によって堆積させた。ウェハを脱イオン水を用いてすすぎ洗いし、そして乾燥した。0.15%、0.3%および0.6%のHを含む三つの10%HF溶液を調製した。ウェハを0.15%の溶液中で2分間エッチングし、次いで、0.6%の溶液の中で2分間エッチングした。このプロセスを3サイクル繰り返した。
別のウェハを0.3%の溶液中で2分間エッチングした。次いで、同じウェハを0.6%の溶液中で2分間エッチングした。このプロセスを3サイクル繰り返した。得られた多孔質シリコンナノワイヤを図20に示す。
10:二段階の銀補助エッチングを用いて製作される多孔質シリコンナノチェーン
銀のナノ構造の層を、0.005Ω・cmの抵抗率を有するP型シリコンウェハ(Silicon Quest)の上に、5%HFと0.02MのAgNOの400mlの溶液の中で無電解沈着によって堆積させた。ウェハを脱イオン水を用いてすすぎ洗いし、そして乾燥した。0.15%Hおよび0.6%Hの二つの溶液を調製した。ウェハを0.15%の溶液中で10分間エッチングし、次いで、0.6%の溶液の中で1分間エッチングした。このプロセスを5サイクル繰り返した。得られた多孔質シリコンナノチェーンは撓みやすかった。
11:多孔質シリコンナノワイヤの生分解
0.01〜0.02Ω・cmおよび0.005Ω・cmの抵抗率を有するP型シリコンウェハ(Silicon Quest)から、多孔質シリコンナノワイヤを製作した。銀の層をゴールドエッチング剤(Transene)の中で除去し、そしてすすぎ洗いした。シリコンナノワイヤを含む試料のウェハを1cm×1cmのピースに切断した。0.005Ω・cmの試料のうちの一つを酸素プラズマの中で1分にわたって酸化した。試料をプラスチックビーカーの中の50mlのリン酸塩緩衝塩水(PBS)溶液の中に置いた。全てのビーカーを20RPMで作動する回転板の上に装着した。2、4、8、16、20、24、48、72および96時間の後に、試料をPBSから取り出した。次いで、試料を過剰な水ですすぎ洗いし、そしてツァイス・ネオン40FE−SEMにおいて画像化した。0.005Ω・cmのウェハから製造された非酸化多孔質シリコンナノワイヤは、24時間未満で分解した。同じウェハからの酸化したナノワイヤは72時間で分解した。0.01〜0.02Ω・cmのウェハからの非孔質シリコンナノワイヤは96時間以内に分解しなかった。
12:ポリスチレンビーズのナノパターニングによって製作される、予め定められた直径を有する多孔質シリコンナノワイヤ
100nmの直径を有するポリスチレンのナノ粒子の10%水溶液(Sigma-Aldrich)をメタノールと水で希釈し、そしてシリコン基板の上に回転塗布することによって、単層の薄膜を形成した(図22a)。この薄膜を酸素プラズマの中で30秒にわたって処理した。次に、10〜40nmの厚さの銀の層をCHA電子ビーム蒸発器の中で堆積させた(図22b)。このウェハを0.3%Hと10%HFの溶液中で10分間エッチングした。70nmの直径を有する多孔質シリコンナノワイヤが得られた。
13:追加の変形例
上で説明した方法には多数の変形例があってもよい。例えば、リソグラフィパターニングと統合させたナノワイヤの金属補助化学合成を用いて、数千程度の高いアスペクト比を有する中実のナノピラーまたはミクロピラーを製作することができる(図23a)。この方法は、反応性イオンディープシリコンエッチングに対する低コストの代替方法となり得る。そのナノピラーまたはミクロピラーは、多段階の電気化学多孔質化プロセスによる多層多孔質シリコン粒子の製造のために、さらに用いることもできる。
さらに、多層多孔質シリコン粒子の直接合成のために、多重セグメントナノワイヤ法を用いることができる。寸法を定めるためにリソグラフィ(ナノスフェアリソグラフィ、フォトリソグラフィ、ナノインプリント、電子ビームリソグラフィ)を適用することにより、合成を行う間のエッチング溶液を周期的に変えることによって多孔質シリコン構造からなる多重セグメントの積み重ねを形成することができる(図23b)。さらに、その積み重ねの多孔度の高い部分は、粒子を放出するための機械的分離点として用いることができる(図23c)。同様に、多層多孔質シリコン薄膜を通してエッチングを行って粒子の多層の積み重ねを製造するために、金属ナノ粒子補助エッチングを用いることができる(図23d)。
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さらに詳しく説明しなくても、当業者であれば、本明細書の説明を用いて本発明を最大限に利用することができると考える。ここで説明した態様は例示のものであると解釈され、この開示の残りのものをいかなるやり方でも制限しないと解釈されるべきである。好ましい態様が示され、そして説明されたが、それらの多くの変形や修正が、本発明の精神と教示から逸脱することなく当業者によって成され得る。従って、保護の範囲は上で示した記載によっては制限されず、それは特許請求の範囲によってのみ制限され、その保護の範囲には特許請求の範囲の主題の全ての同等物も含まれる。ここで挙げた全ての特許、特許出願および刊行物の開示は、本明細書で示したものと一致してそれを補足する手順上の詳細またはその他の詳細を提供する限り、本明細書に参考文献として取り込まれる。

Claims (109)

  1. 多孔質の物体を含む構造体であって、多孔質の物体は、
    (i)第一の領域、および
    (ii)物体の軸に沿って第一の領域に隣接する第二の領域を含み、
    このとき第一の領域は第二の領域のものとは異なる少なくとも一つの多孔質特性を有し、
    前記特性は、細孔の大きさ、多孔度および細孔の方向からなる群から選択され、そして
    前記物体は軸に対して実質的に垂直な横断面を有し、この横断面は5ミクロン以下の少なくとも一つの側面の寸法を有し、そして前記物体は4以上のアスペクト比を有する、前記構造体。
  2. 多孔質の物体は多孔質半導体の物体である、請求項1に記載の構造体。
  3. 多孔質の物体はシリコンの多孔質ワイヤ、リボンまたはベルトである、請求項2に記載の構造体。
  4. 物体の横断面は1ミクロン以下の少なくとも一つの側面の寸法を有する、請求項1に記載の構造体。
  5. 物体の側面の寸法は500nm以下である、請求項1に記載の構造体。
  6. 物体のアスペクト比は10以上である、請求項1に記載の構造体。
  7. 物体のアスペクト比は20以上である、請求項6に記載の構造体。
  8. 第一の領域と第二の領域はそれぞれが多孔質の領域である、請求項1に記載の構造体。
  9. 第一の領域における細孔の大きさと第二の領域における細孔の大きさは、それぞれ100nm未満である、請求項1に記載の構造体。
  10. 第一の領域の細孔の大きさは第二の領域の細孔の大きさと異なっている、請求項1に記載の構造体。
  11. 第一の領域と第二の領域の間の移行領域は、物体の軸に沿って10nm未満の長さである、請求項1に記載の構造体。
  12. 第一の領域の細孔の内側に第一の添加剤を含む、請求項1に記載の構造体。
  13. 第一の添加剤はナノ粒子を含む、請求項12に記載の構造体。
  14. ナノ粒子は量子ドットを含む、請求項13に記載の構造体。
  15. 第二の領域の細孔の内側に第二の添加剤をさらに含む、請求項12に記載の構造体。
  16. 第一の領域と第二の領域のうちの少なくとも一つは生分解性の領域である、請求項1に記載の構造体。
  17. 前記物体は生分解性の物体である、請求項1に記載の構造体。
  18. 多孔質の物体の配列をさらに含み、多孔質の物体の各々は、
    (i)第一の領域、および
    (ii)物体の軸に沿って第一の領域に隣接する第二の領域を含み、
    このとき第一の領域は第二の領域のものとは異なる少なくとも一つの多孔質特性を有し、
    前記特性は、細孔の大きさ、多孔度および細孔の方向からなる群から選択される、請求項1に記載の構造体。
  19. 物体の横断面は長方形の形状または円形の形状を有する、請求項1に記載の構造体。
  20. 多孔質の物体を含む構造体であって、多孔質の物体は、
    (i)高抵抗率のシリコン、および
    (ii)物体の軸に対して実質的に垂直な横断面を有し、このとき前記横断面は5ミクロン以下の側面の寸法を有し、そして
    物体のアスペクト比は4以上である、前記構造体。
  21. 物体の側面の寸法は500nm以下である、請求項20に記載の構造体。
  22. 物体のアスペクト比は10以上である、請求項20に記載の構造体。
  23. 物体のアスペクト比は20以上である、請求項22に記載の構造体。
  24. 物体の細孔の大きさは100nm以下である、請求項20に記載の構造体。
  25. 前記物体は生分解性の物体である、請求項20に記載の構造体。
  26. 支持体をさらに含み、前記物体はこの支持体の上に配置されている、請求項20に記載の構造体。
  27. 前記支持体は多孔質の支持体である、請求項26に記載の構造体。
  28. 物体の横断面は長方形の形状または円形の形状を有する、請求項20に記載の構造体。
  29. 多孔質の物体を製造する方法であって、この方法は、
    (i)エッチング可能な支持体を得ること、
    (ii)支持体の表面上に、少なくとも一つの開口を有するパターン化した多孔質化補助金属層を形成すること、および
    (iii)支持体をエッチング溶液に曝露すること、
    を含み、
    前記エッチング溶液はパターン化した多孔質化補助層を溶解し、それにより金属を含むエッチング溶液が形成され、そして
    金属を含むエッチング溶液は支持体の第一の部分を多孔質化し、そして支持体の第二の部分をエッチング除去し、それにより開口によって画定された横断面を有する多孔質の物体が形成される、前記方法。
  30. 支持体はシリコン基板である、請求項29に記載の方法。
  31. 基板は均一なドーピングレベルを有する、請求項30に記載の方法。
  32. シリコン基板は0.02Ω・cmよりも大きな抵抗率を有する、請求項30に記載の方法。
  33. 基板は第一のドーピング領域と第二のドーピング領域を含み、
    第二のドーピング領域は、ドーパントのタイプおよびドーパントの濃度からなる群から選択される少なくとも一つの特性において第一のドーピング領域と異なっていて、そして
    形成される物体は、基板の第一のドーピング領域から形成される第一のドーピング領域と、基板の第二のドーピング領域から形成される第二のドーピング領域を含む、請求項30に記載の方法。
  34. 形成される物体は第一のドーピング領域と第二のドーピング領域の間の接合を含む、請求項33に記載の方法。
  35. 前記の形成する工程は、
    開口の横断面を画定するシャドウマスクを用いること、および
    シャドウマスクの上に多孔質化補助金属層を堆積させること、
    を含む、請求項29に記載の方法。
  36. 前記の形成する工程は、基板の表面上にシャドウマスクを堆積させることをさらに含む、請求項35に記載の方法。
  37. パターン化した多孔質化補助金属層を形成するために、ステンシルマスクを除去することをさらに含む、請求項36に記載の方法。
  38. 前記ステンシルマスクを形成することは、ミクロリソグラフィまたはナノリソグラフィによって行われる、請求項36に記載の方法。
  39. 前記ステンシルマスクを形成することは、ナノ粒子補助パターニングによって行われる、請求項38に記載の方法。
  40. 前記ステンシルマスクを形成することは、フォトリソグラフィによって行われる、請求項38に記載の方法。
  41. ステンシルマスクの上に多孔質化補助金属層を堆積させることは、多孔質化補助金属を無電解化学プロセスによって堆積させることを含む、請求項35に記載の方法。
  42. ステンシルマスクの上に多孔質化補助金属層を堆積させることは、多孔質化補助金属を電気化学的に堆積させることを含む、請求項35に記載の方法。
  43. ステンシルマスクの上に多孔質化補助金属層を堆積させることは、多孔質化補助金属を物理蒸着法によって堆積させることを含む、請求項32に記載の方法。
  44. 前記ステンシルマスクは誘電材料を含む、請求項35に記載の方法。
  45. 前記誘電材料は窒化ケイ素である、請求項43に記載の方法。
  46. 前記ステンシルマスクは自己集合ポリマー層を含む、請求項35に記載の方法。
  47. 前記パターン化した多孔質化補助金属は貴金属を含む、請求項35に記載の方法。
  48. 前記パターン化した層は50nm未満の厚さを有する、請求項29に記載の方法。
  49. 前記開口は5ミクロン以下の少なくとも一つの側面寸法を有する、請求項29に記載の方法。
  50. 前記開口は2ミクロン以下の少なくとも一つの側面寸法を有する、請求項49に記載の方法。
  51. 前記開口は0.5ミクロン以下の少なくとも一つの側面寸法を有する、請求項50に記載の方法。
  52. 前記開口は0.2ミクロン以下の少なくとも一つの側面寸法を有する、請求項51に記載の方法。
  53. 前記開口は円形または長方形の形状を有する、請求項29に記載の方法。
  54. 前記エッチング溶液はHFと酸化剤を含む、請求項29に記載の方法。
  55. 前記酸化剤はHである、請求項54に記載の方法。
  56. 前記溶液は界面活性剤をさらに含む、請求項54に記載の方法。
  57. 界面活性剤はエタノールである、請求項56に記載の方法。
  58. 多孔質物体の細孔の大きさ、多孔度および細孔の方向からなる群から選択される少なくとも一つのパラメーターを選択することをさらに含み、
    前記の選択することは、選択される少なくとも一つのパラメーターのために有効なエッチング溶液の成分の一つ以上の濃度を選択することによって行われ、そして
    前記の選択することは、前記の曝露を行う前に行われる、請求項29に記載の方法。
  59. 前記の曝露を行うことは、
    (a)支持体を第一のエッチング溶液に曝露し、それにより物体の第一の領域を形成すること、および
    (b)支持体を第二のエッチング溶液に曝露し、それにより物体の第二の領域を形成すること、を含み、
    このとき前記第二の領域は物体の軸に沿って第一の領域に隣接していて、
    前記第二の領域は第一の領域のものとは異なる少なくとも一つの多孔質特性を有し、
    前記特性は細孔の大きさ、多孔度および細孔の方向からなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
  60. 前記パターン化した多孔質化補助金属層は複数の開口を有し、そして前記の曝露を行うことにより複数の多孔質物体が形成される、請求項29に記載の方法。
  61. 多孔質物体の細孔に第一の添加剤を添加することをさらに含む、請求項29に記載の方法。
  62. 形成された多孔質物体の細孔の表面を改質することをさらに含む、請求項29に記載の方法。
  63. 前記の改質を行うことにより、多孔質物体の生分解時間が増大する、請求項62に記載の方法。
  64. 多孔質の物体を形成する方法であって、この方法は、
    (i)エッチング可能な半導体基板を得ること、
    (ii)基板の表面上に多孔質化補助金属を堆積すること、および
    (iii)続いて、基板を第一のエッチング溶液と第二のエッチング溶液に曝露し、それにより多孔質の物体の第一の領域と第二の領域をそれぞれ形成すること、
    を含み、
    このとき、前記の曝露を行うことによって、第一のエッチング溶液と第二のエッチング溶液の少なくとも一方においてエッチング補助金属が溶解し、これにより金属を含むエッチング溶液が形成され、
    この金属を含むエッチング溶液が基板の一部を多孔質化し、そして
    前記第二の領域は物体の軸に沿って第一の領域に隣接していて、そして第一の領域のものとは異なる少なくとも一つの多孔質特性を有し、
    前記特性は細孔の大きさ、多孔度および細孔の方向からなる群から選択される、前記方法。
  65. 基板はシリコン基板である、請求項64に記載の方法。
  66. シリコン基板は0.02Ω・cmよりも大きな抵抗率を有する、請求項65に記載の方法。
  67. 前記多孔質化補助金属を堆積することは無電解化学プロセスによって行われる、請求項64に記載の方法。
  68. 前記多孔質化補助金属を堆積することは電気化学的に行われる、請求項64に記載の方法。
  69. 前記多孔質化補助金属を堆積することは、多孔質化補助金属のナノ粒子を堆積することを含む、請求項64に記載の方法。
  70. 前記多孔質化補助金属を堆積することは、物理蒸着法によって堆積することを含む、請求項64に記載の方法。
  71. 前記多孔質化補助金属は貴金属を含む、請求項64に記載の方法。
  72. 第一のエッチング溶液と第二のエッチング溶液の各々はHF、酸化剤、および場合により界面活性剤を含み、このとき第一の溶液の中のHF、酸化剤、および任意の界面活性剤のうちの少なくとも一つの濃度は、第二の溶液の中の対応するものの濃度と異なっている、請求項64に記載の方法。
  73. 酸化剤はHであり、そして第一の溶液中のHの濃度は第二の溶液中のHの濃度と異なっている、請求項72に記載の方法。
  74. 第一の領域と第二の領域は多孔質の領域である、請求項64に記載の方法。
  75. 第一の領域の細孔の中に第一の添加剤を添加することをさらに含む、請求項64に記載の方法。
  76. 前記第一の添加剤はナノ粒子を含む、請求項75に記載の方法。
  77. 前記第一の添加剤は量子ドットを含む、請求項76に記載の方法。
  78. 第二の領域の細孔の中に第二の添加剤を添加することをさらに含む、請求項75に記載の方法。
  79. 多孔質の物体を製造する方法であって、この方法は、
    (i)0.02Ω・cmよりも高い抵抗を有するシリコン基板を得ること、
    (ii)基板の表面上に多孔質化補助金属を堆積すること、および
    (iii)続いて、基板をエッチング溶液に曝露すること、
    を含み、
    このとき、エッチング溶液はHFと酸化剤を含み、
    そしてHFと酸化剤は、多孔質の物体を形成するのに有効な濃度レベルにある、前記方法。
  80. シリコン基板の抵抗は0.1Ω・cmよりも大きい、請求項79に記載の方法。
  81. 前記多孔質化補助金属を堆積することは無電解化学プロセスによって行われる、請求項79に記載の方法。
  82. 前記多孔質化補助金属を堆積することは電気化学的に行われる、請求項79に記載の方法。
  83. 前記多孔質化補助金属を堆積することは、多孔質化補助金属のナノ粒子を堆積することを含む、請求項79に記載の方法。
  84. 前記の堆積することは、シャドウマスクの上に多孔質化補助金属層を堆積することを含む、請求項79に記載の方法。
  85. 基板の表面上にシャドウマスクを形成することをさらに含む、請求項84に記載の方法。
  86. パターン化した多孔質化補助金属層を形成するために、ステンシルマスクを除去することをさらに含む、請求項85に記載の方法。
  87. 前記多孔質化補助金属は貴金属を含む、請求項79に記載の方法。
  88. 酸化剤はHである、請求項79に記載の方法。
  89. エッチング溶液は界面活性剤をさらに含む、請求項79に記載の方法。
  90. 界面活性剤はエタノールである、請求項89に記載の方法。
  91. 多孔質の物体を製造する方法であって、この方法は、
    (i)物体の軸に対して実質的に垂直な横断面を有する非孔質の物体を得ること、
    このとき、前記横断面は5ミクロン以下の少なくとも一つの側面の寸法を有し、そして
    前記物体のアスペクト比は少なくとも4である、および
    (ii)無電解手段によって非孔質の物体から多孔質の物体を形成すること、このとき、この形成する工程は、非孔質の物体を、有効な濃度のHF、酸化剤、および多孔質化補助金属の少なくとも1種のイオンと原子を含む多孔質化溶液に曝露することを含む、前記方法。
  92. 前記の非孔質の物体を得ることは、エッチング可能な支持体を得ることと、その支持体から非孔質の物体を形成することを含む、請求項91に記載の方法。
  93. 前記の形成することは、支持体の表面上にエッチング補助金属を堆積させることと、このエッチング補助金属を溶解するエッチング溶液に支持体を曝露し、それにより支持体の一部をエッチング除去して非孔質の物体を形成する金属含有エッチング溶液を形成することを含む、請求項91に記載の方法。
  94. 酸化剤はHである、請求項91に記載の方法。
  95. 多重にドーピングされた構造体を製造する方法であって、この方法は、
    (i)第一のドーピング領域と第二のドーピング領域を含む半導体基板を得ること、
    このとき、第二のドーピング領域は第一のドーピング領域とはドーパントのタイプとドーパントの濃度のうちの少なくとも一つが異なっている、および
    (ii)構造体の軸に対して実質的に垂直な横断面を有する多重にドーピングされた構造体を形成すること、
    を含み、
    このとき、前記横断面は5ミクロン以下の少なくとも一つの側面の寸法を有し、そして
    前記構造体は、基板の第一のドーピング領域から形成される第一のドーピング領域と、基板の第二のドーピング領域から形成される第二のドーピング領域を含む、前記方法。
  96. 半導体基板はシリコンを含む、請求項95に記載の方法。
  97. 多重にドーピングされた構造体を形成することは、基板の表面上にエッチング補助金属を堆積させることと、基板をエッチング溶液に曝露することを含み、
    このとき、エッチング溶液はエッチング補助金属を溶解して、それにより金属を含有するエッチング溶液が形成され、
    金属を含有するエッチング溶液が基板の一部をエッチング除去して、それにより構造体が形成される、請求項95に記載の方法。
  98. 構造体は少なくとも4のアスペクト比を有する、請求項95に記載の方法。
  99. 構造体は非孔質の構造体である、請求項95に記載の方法。
  100. 構造体は少なくとも一つの多孔質領域を含む、請求項95に記載の方法。
  101. エッチング補助金属は少なくとも1種の貴金属を含む、請求項95に記載の方法。
  102. エッチング溶液はHFと酸化剤を含む、請求項95に記載の方法。
  103. 酸化剤はHである、請求項102に記載の方法。
  104. 半導体の多孔質ワイヤ物体を含む構造体であって、その物体は、
    (i)第一のドーピング領域、および
    (ii)第二のドーピング領域
    を含み、
    このとき、第二のドーピング領域は第一のドーピング領域とはドーパントのタイプとドーパントの濃度のうちの少なくとも一つが異なっていて、
    物体は、ワイヤの軸に対して実質的に垂直な横断面を有し、そして
    前記横断面は5ミクロン以下の少なくとも一つの側面の寸法を有する、前記構造体。
  105. ワイヤはシリコンの多孔質ワイヤである、請求項104に記載の構造体。
  106. 物体は少なくとも4のアスペクト比を有する、請求項104に記載の構造体。
  107. ワイヤは第一のドーピング領域と第二のドーピング領域の間の接合を含む、請求項104に記載の構造体。
  108. 軸とこの軸に対して実質的に垂直な横断面とを有する多孔質の物体を含む構造体であって、
    このとき、横断面の側面の寸法は1ミクロンを超えず、そして
    物体のアスペクト比は2以上である、前記構造体。
  109. 構造体はシリコンの多孔質ワイヤである、請求項108に記載の構造体。
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