JP2006231432A - ナノギャップ電極の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】先端が90度又は鋭角である角を備えた電極材料を基板上に形成し、この電極材料にレーザー光を照射して、鋭角の角の一部を切り離して微小電極を形成すると共に該微小電極と残余の電極本体との間にナノスケールのギャップを形成するナノギャップ電極の製造方法。基板上に10〜100μmのサイズのポリマー又はセラミックスビーズを均一に展開し、この上に電極材料をPVD法又はCVD法により被覆し、このビーズを除去することにより基板上に三角錐の電極材料を残存させ、この三角錐の電極材料にレーザー光を照射し、鋭角の角の一部を切り離して微小電極を形成し、該微小電極と残余の電極本体との間にナノスケールのギャップを形成するナノギャップ電極の製造方法。
【選択図】 図2
Description
その他、比較的簡便な方法として、機械的な方法や蒸着法を工夫してナノギャップ電極を作成することが行われているが、これらの方法で実現できるギャップは大きいという欠点がある。また、DNAを使った化学的な方法は同様に複雑な工程を経る方法であり、実用的でないという問題がある。
本出願をなすに当って、各種文献の調査結果を以下に示す。下記に示すものは、いずれも複雑な工程を経るものか又はギャップの小さい電極が安定して製造できないという問題を有するものである。
1)先端が90度又は鋭角である角を備えた電極材料を基板上に形成し、この電極材料にレーザー光を照射して、鋭角の角の一部を切り離して微小電極を形成すると共に、該微小電極と残余の電極本体との間に、ナノスケールのギャップを形成することを特徴とするナノギャップ電極の製造方法。
2)先端が90度又は鋭角である角を備え、平面的に見て多角形の電極材料を基板上に形成することを特徴とする上記1)記載のナノギャップ電極の製造方法。
3)電極材料が角錐形の立体構造を備えていることを特徴とする上記2)記載のナノギャップ電極の製造方法。
4)電極材料が金、銀、白金、パラジウム又はこれらの合金又はこれらを基とする合金であることを特徴とする上記1)〜3)のいずれかに記載のナノギャップ電極の製造方法。
5)物理的蒸着法(PVD法)、化学的蒸着法(CVD法)又はリソグラフィー法により、平面的に見て多角形の電極材料を基板上に形成することを特徴とする上記1)〜4)のいずれかに記載のナノギャップ電極の製造方法。
6)レーザー光照射により形成された微小電極及び/又は残余の電極本体が単結晶であることを特徴とする上記1)〜5)のいずれかに記載のナノギャップ電極の製造方法。
7)基板上に10〜100μmのサイズのポリマー又はセラミックスビーズを均一に展開し、次にこの上に電極材料を物理的蒸着法(PVD法)又は化学的蒸着法(CVD法)により被覆し、被覆した材料から前記ビーズを除去することにより基板上にビーズ間に形成されたほぼ三角錐の電極材料を残存させ、この残存した三角錐の電極材料にレーザー光を照射することにより、鋭角の角の一部を切り離して微小電極を形成すると共に、該微小電極と残余の電極本体との間に、ナノスケールのギャップを形成することを特徴とするナノギャップ電極の製造方法。
8)電極材料が金、銀、白金、パラジウム、又はこれらの合金であることを特徴とする上記7)記載のナノギャップ電極の製造方法。
9)レーザー光照射により形成された微小電極及び/又は残余の電極本体が単結晶であることを特徴とする上記7)又は8)記載のナノギャップ電極の製造方法。
10)ギャップが10〜70nmであることを特徴とする上記7)〜9)のいずれかに記載のナノギャップ電極の製造方法。
また、電極材料の被覆方法にも特に制限がない。微細な電極材料を形成できるものであれば、物理的蒸着法(PVD法)、化学的蒸着法(CVD法)又はリソグラフィー法により形成できる。このように、電極材料を被覆する方法は、既存の方法を採用することができ、特に制限されるものではないことを理解すべきである。
また、この電極材料は、角錐形の立体構造を備えていても良い。その具体的な例としては、三角錐、四角錐、五角錐などである。
レーザー光は例えば三角形の電極材料に照射されるが、三角形の各頂点は、中央の電極から分離してアイランド状に、微小電極が形成される。レーザー光照射の初期の段階では、三角形の電極本体との分離がまだはっきりしないが、レーザー光の照射を続けていくと、次第に小さな電極が分離してくる。そして、中央の電極本体は丸みを帯びてくる。
これは、弱いレーザー光に制御して照射されているために、電極材料は光を吸収して熱に変り、これにより単結晶化が進んだ原因と考えられる。このような電極材料の単結晶化は、構造的により安定化するので、電極の耐久性が向上するという好ましい効果がある
なお、レーザー出力を高めた場合には、レーザーアブレーションにより、電極材料を剥ぎ取る現象が生じるので、このような高出力のレーザー照射は、本願発明の目的を達成することができず、好ましくない。
したがって、レーザー光の出力と照射時間を調整することにより、10〜100nm、さらには10nm以下の任意のギャップを形成することができる。レーザー光の出力は、電極材料の種類に応じて適宜選択できるが、300 mJ/cm2以下とするのが望ましい。しかし、この範囲外でも、必要に応じて採用できることは知るべきである。
この残存した三角錐の電極材料にレーザー光を照射する。これによって、平面から見た三角形の各頂点から、すなわち60度近い、鋭角の各頂点の一部が本体から切り離されて微小電極を形成するようになる。また残余の電極本体は、少しずつ丸みを帯びるようになる。
そして、この微小電極と残余の電極本体との間に、ナノスケールのギャップが形成される。このギャップは10nm〜70nm程度であり、また10nm以下のものも得ることができる。また、このようにして形成された電極は単結晶であることが確認できた。
このように、本願発明は、少ない工程数で、ギャップ間距離が小さく、電極材料を選択する必要がなく、電極形状及びギャップが調製可能であるという多くの利点があり、さらに一度に大量のナノギャップと電極の製造が可能であるという著しい特徴を備えている。
次に、この基板上に配列したビーズ上に金を蒸着した。その後、溶剤により前記ポリスチレンビーズを溶解し、それと共にビーズ上に被覆した金電極材料を除去することにより、ビーズの痕跡の周囲に、規則的に配列した三角錐の金電極構造(底面が三角形、高さ70nm)を得た。この状態のSEM画像を図1に示す。この図1から明らかなように、ビーズ部分の被覆した金は除去され、各ビーズを除去した跡の周囲に、6個の三角錐の金電極が整列して得られているのが分かる。
図2のA及びBに、その様子を示す。このような形態は、分子スイッチング素子用基板として利用可能である。パルス数を100に増やすと小さなナノ粒子はさらに小さくなるが、一方本体の大きな粒子は球形に近くなっていく。この様子を図2のCに示す。
前記、電極材料として金を使用したが、銀、白金、パラジウム又はこれらの合金又はこれらを基とする合金でも同様の結果が得られた。また、他の電極材料を使用しても同様であり、ビーズ溶解の際に、電極材料が同時に溶解しない材料を選択すれば良いだけである。
また、電極材料を被覆するのに蒸着法を用いたが、スパッタリング法等の他のPVD法あるいはCVD法、その他の被覆方法を用いても同様の結果になる。それは単に被覆方法を替えた程度であり、特に困難性はない。
上記においては、約30nmのナノギャップが形成されたが、条件制御により10nm〜100nmのナノギャップ又は10nm以下のギャップの作成も可能である。
Claims (10)
- 先端が90度又は鋭角である角を備えた電極材料を基板上に形成し、この電極材料にレーザー光を照射して、鋭角の角の一部を切り離して微小電極を形成すると共に、該微小電極と残余の電極本体との間に、ナノスケールのギャップを形成することを特徴とするナノギャップ電極の製造方法。
- 先端が90度又は鋭角である角を備え、平面的に見て多角形の電極材料を基板上に形成することを特徴とする請求項1記載のナノギャップ電極の製造方法。
- 電極材料が角錐形の立体構造を備えていることを特徴とする請求項2記載のナノギャップ電極の製造方法。
- 電極材料が金、銀、白金、パラジウム又はこれらの合金又はこれらを基とする合金であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のナノギャップ電極の製造方法。
- 物理的蒸着法(PVD法)、化学的蒸着法(CVD法)又はリソグラフィー法により、平面的に見て多角形の電極材料を基板上に形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のナノギャップ電極の製造方法。
- レーザー光照射により形成された微小電極及び/又は残余の電極本体が単結晶であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のナノギャップ電極の製造方法。
- 基板上に10〜100μmのサイズのポリマー又はセラミックスビーズを均一に展開し、次にこの上に電極材料を物理的蒸着法(PVD法)又は化学的蒸着法(CVD法)により被覆し、被覆した材料から前記ビーズを除去することにより基板上にビーズ間に形成されたほぼ三角錐の電極材料を残存させ、この残存した三角錐の電極材料にレーザー光を照射することにより、鋭角の角の一部を切り離して微小電極を形成すると共に、該微小電極と残余の電極本体との間に、ナノスケールのギャップを形成することを特徴とするナノギャップ電極の製造方法。
- 電極材料が金、銀、白金、パラジウム、又はこれらの合金であることを特徴とする請求項7記載のナノギャップ電極の製造方法。
- レーザー光照射により形成された微小電極及び/又は残余の電極本体が単結晶であることを特徴とする請求項7又は8記載のナノギャップ電極の製造方法。
- ギャップが10〜70nmであることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のナノギャップ電極の製造方法。
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