JP2013526421A - 頑健な歯形態を有する鋸刃 - Google Patents

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Abstract

鋸身及びその鋸身沿いに延びる切れ刃を備え、その切れ刃に備わる歯の反復パターンに歯の2本連なりが現れる往復鋸刃を提供する。その連なりを構成する歯は、それぞれ、比較的急な一次逃げ角を呈する一次逃げ面、比較的緩やかな二次逃げ角を呈する二次逃げ面、刃先、その刃先から見て一次逃げ面の逆側にあるすくい面、深さのある刃溝、刃溝から見てすくい面とは逆側にあり第1刃溝半径を呈する部位、並びに刃溝・すくい面間にあり第2刃溝半径を呈する部位を有し、その刃溝の深さが第2刃溝半径より大きい構成とする。

Description

本願は、係属中の2010年5月7日付米国特許出願第12/776145号に基づく優先権を主張する出願であるので、この参照を以てその全内容を本願に繰り入れ本発明に関する明示的な説明の一部として扱うことにする。
本発明は鋸刃、特に往復歯鋸(レシプロソー)等で使用される鋸刃における歯形態の頑健化に関する。
往復歯鋸は手持ち動力鋸の一種であり、鋸刃(ソーブレード)を着脱可能なチャック及びその鋸刃を往復運動させる手段を有している。ワークピースはこの回転的、直線的乃至斜行的な往復運動を通じ切削される。その往復運動長即ちストロークは約1と1/2インチ以下であることが多い(1インチ=約0.025m)。なお、往復歯鋸はしばしばレシップソー、ジグソー、ポータブルパワーハックマシン等とも呼ばれるので、本願ではそれらを包含する意味で「往復歯鋸」なる語を使用することにする。往復歯鋸には電動機で駆動されるもの(例.コード鋸,コードレス鋸)が多いが空気圧で駆動されるものも知られている。周知の往復歯鋸としては、Milwaukee Electric Tool Corporationが販売しているSawzall(商標)やPorter−Cable Corporationが販売しているTiger Saw(商標)がある。
往復歯鋸用の鋸刃(レシプロソーブレード)では、一般に、鋸身のうち切れ刃となる辺に沿い複数本の歯がある軸方向間隔で並ぶ一方、鋸身を挟みその切れ刃と向かい合う辺が背になっている。鋸刃の本身には、往復歯鋸のチャックに着脱可能な小身も備わっている。なお、本願では、往復歯鋸で使用可能な鋸刃のことを指す意味で「往復鋸刃」なる語を使用することにする。
図1Aに、従来型往復鋸刃における典型的な歯形態として、刃先1、その刃先1の片側に位置するすくい面2、並びに刃先1から見て面2とは逆側に位置し逃げ角4を呈する逃げ面3がある形態を示す。この図の歯形態では、刃先4から対応する刃溝半径部位に亘り単一の逃げ面3が設けられている。この種の従来型往復鋸刃のなかには、切削速度向上のためその逃げ角を急(例.約35°以上)にしたものもある。一般的に、逃げ角が急な方が刃先1が先鋭になり切削速度が高まるからである。ただ、この種の従来技術には、逃げ角が急であるため歯が弱くて早期破損が生じやすい、特に硬質物体が埋まっていて切削しにくい軟質素材(例.釘入りの木材,釘乃至ねじ入りの石膏ボード,メタルラス付漆喰)を扱う解体作業をはじめ非理想的使用条件下で破損しやすい、という難点がある。
歯の早期破損という問題に対する従来型の解決策としては、まず、複数本の歯が同じ目立て幅となり、その目立て幅が近い歯同士が補強しあうよう、複数通りの目立てスタイルを併用する、という策がある。この策は無益ではないが、上掲の問題をうまく解決できるものではない。歯の早期破損という問題に対する従来型の解決策としては、更に、その逃げ角が非常に緩い部分を歯に設けることで歯の幅を広げ頑健にする、という策もある。図1Bに、そうした従来型往復鋸刃における典型的な歯形態として、刃先1、その刃先1の片側に位置するすくい面2、一次逃げ角4を呈する一次逃げ面3、並びに二次逃げ角6を呈する二次逃げ面5がある形態を示す。図示の通り、二次逃げ角6は一次逃げ角4より急である。一般的に、この種の鋸刃では一次逃げ角4が約20°、二次逃げ角6が約40°であることが多い。こうした形態の歯は、逃げ面が単一でその逃げ角が急な形態の歯に比し頑健な反面、同じ鉛直摩耗量で比べると、歯の刃先1・一次逃げ面3間境界部にて摩耗面の拡大が速く進みやすい。即ち、この種の形態の歯には、切削速度が低めになりやすいという難点に加え、歯の破損が主要な故障モードとならない使用条件下での寿命が短くなりやすいという難点がある。
米国特許第603128号明細書 米国特許第820969号明細書 米国特許第1181529号明細書 米国特許第1381478号明細書 米国特許第1381930号明細書 米国特許第2126382号明細書 米国特許第2227864号明細書 米国特許第2241703号明細書 米国特許第2394035号明細書 米国特許第2534424号明細書 米国特許第2568870号明細書 米国特許第2635327号明細書 米国特許第2637355号明細書 米国特許第2682098号明細書 米国特許第2987086号明細書 米国特許第3028889号明細書 米国特許第3033251号明細書 米国特許第3111970号明細書 米国特許第3171457号明細書 米国特許第3292674号明細書 米国特許第3309756号明細書 米国特許第3314456号明細書 米国特許第3357462号明細書 米国特許第3576061号明細書 米国特許第3576200号明細書 米国特許第4179967号明細書 米国特許第4232578号明細書 米国特許第4292871号明細書 米国再発行特許第31433号明細書 米国特許第4557172号明細書 米国特許第4688458号明細書 米国特許第4727788号明細書 米国特許第4784033号明細書 米国特許第4784034号明細書 米国特許第4798001号明細書 米国特許第4802396号明細書 米国特許第4813324号明細書 米国特許第4827822号明細書 米国特許第4913022号明細書 米国特許第4958546号明細書 米国特許第5018421号明細書 米国特許第5094135号明細書 米国特許第5331876号明細書 米国特許第5340129号明細書 米国特許第5410935号明細書 米国特許第5425296号明細書 米国特許第5433457号明細書 米国特許第5477763号明細書 米国特許第5501129号明細書 米国特許第5603252号明細書 米国特許第5606900号明細書 米国特許第5697280号明細書 米国特許第5832803号明細書 米国特許第5848473号明細書 米国特許第5868058号明細書 米国特許第6003422号明細書 米国特許第6119571号明細書 米国特許第6145426号明細書 米国特許第6158324号明細書 米国特許第6167792号明細書 米国特許第6178646号明細書 米国意匠特許第438549号明細書 米国特許第6220139号明細書 米国特許第6220140号明細書 米国特許第6230411号明細書 米国特許第6244152号明細書 米国特許出願公開第2001/0004860号明細書 米国特許第6257226号明細書 米国特許第6269722号明細書 米国特許第6276248号明細書 米国特許第6276249号明細書 米国特許出願公開第2001/0015120号明細書 米国特許第6357122号明細書 米国特許第6357124号明細書 米国特許第6368827号明細書 米国特許出願公開第2002/0050196号明細書 米国特許第6439094号明細書 米国特許出願公開第2002/0184988号明細書 米国特許出願公開第2003/0010179号明細書 米国特許第6520722号明細書 米国特許第6532852号明細書 米国特許出願公開第2003/0051593号明細書 米国特許第6598509号明細書 米国特許第6601495号明細書 米国意匠特許第482945号明細書 米国特許出願公開第2004/0035282号明細書 米国特許出願公開第2004/0050234号明細書 米国特許出願公開第2004/0182218号明細書 米国特許出願公開第2004/0255740号明細書 米国特許出願公開第2004/0255749号明細書 米国特許第6834573号明細書 米国特許出願公開第2005/0211046号明細書 米国特許出願公開第2005/0257660号明細書 米国特許出願公開第2006/0065098号明細書 米国特許第7036415号明細書 米国特許第7036417号明細書 米国特許出願公開第2006/0130628号明細書 米国特許出願公開第2006/0130629号明細書 米国特許出願公開第2006/0162526号明細書 米国特許第7127979号明細書 米国特許第7131365号明細書 米国意匠特許第534401号明細書 米国特許第7174823号明細書 米国特許第7225714号明細書 米国特許出願公開第2007/0193427号明細書 米国特許出願公開第2007/0199416号明細書 米国特許出願公開第2007/0214922号明細書 米国特許出願公開第2007/0251372号明細書 米国特許出願公開第2008/0121079号明細書 米国特許出願公開第2008/0307936号明細書 米国特許出願公開第2009/0144992号明細書 米国特許出願公開第2009/0145280号明細書 米国特許第7568416号明細書 米国特許第7600458号明細書 米国特許出願公開第2009/0293698号明細書 米国意匠特許第608611号明細書 独国特許第19501019号明細書(B4) 瑞国無審査特許第691438号明細書 仏国特許第2729321号明細書
ここに、本発明の目的は、上述した従来技術の難点乃至問題点のうち1個又は複数個を解決することにある。
本発明の第1実施形態は、鋸身及びその鋸身沿いに延びる切れ刃を備え、その切れ刃に備わる歯のうち複数本が、それぞれ、比較的急な一次逃げ角を呈する一次逃げ面、比較的緩やかな二次逃げ角を呈する二次逃げ面、刃先、その刃先から見て一次逃げ面の逆側にあるすくい面、並びに刃溝を有する往復鋸刃である。
その切れ刃における歯の反復パターンは、例えば、比較的急な一次逃げ角を呈する一次逃げ面、並びに比較的緩やかな二次逃げ角を呈する二次逃げ面を有する歯が、1本又は複数本現れるパターンである。その例は、比較的急な一次逃げ角を呈する一次逃げ面、並びに比較的緩やかな二次逃げ角を呈する二次逃げ面を、めいめいに有する歯の2本連なりが現れるパターンである。
連なる2本の歯は、それぞれ、刃溝から見てすくい面とは逆側にあり第1刃溝半径を呈する部位と、刃溝・すくい面間にあり第2刃溝半径を呈する部位と、を有し、その刃溝の深さが第2刃溝半径より大きい歯にするのが望ましい。
第2刃溝半径は第1刃溝半径より大きくするのが望ましく、一次逃げ角は約25〜45°、二次逃げ角は約15〜25°の範囲内とするのが望ましい。すくい面の深さは、先行する刃溝の深さに比し約20〜60%、特に約30〜50%の範囲内にするのが望ましい。一次逃げ面の深さは、後続する刃溝の深さに比し約10〜45%、特に約15〜40%の範囲内にするのが望ましい。本実施形態がことに適するのは歯のピッチが約14ピッチ以上と粗い往復鋸刃である。
反復パターン内で連なる2本の歯のうち一方は、例えば、他方の歯のそれに比し急な一次逃げ角及び緩やかな二次逃げ角を呈する形態にする。その例は、急な一次逃げ角及び緩やかな二次逃げ角を呈する方の歯が他方の歯に比し低背な形態である。それら2本の歯の目立て前高さ差は約0.002〜0.010インチ、特に約0.003〜0.005インチの範囲内とするのが望ましい。
歯の2本連なりが現れる上掲の反復パターンは、例えば、第1目立て方向へと目立てされた1本又は複数本の第1方向目立て歯、並びに第1目立て方向とは逆の第2目立て方向へと目立てされた1本又は複数本の第2方向目立て歯を併せ、複数本の目立て歯が現れるパターンである。その例は、第1方向へと比較的軽く目立てされた1本又は複数本の第1方向軽目立て歯、第1方向へと比較的重く目立てされた1本又は複数本の第1方向重目立て歯、第2方向へと比較的軽く目立てされた1本又は複数本の第2方向軽目立て歯、並びに第2方向へと比較的重く目立てされた1本又は複数本の第2方向重目立て歯が現れるパターンである。このパターンにおいては、例えば、先行する第1方向軽目立て歯に第1方向重目立て歯が後続し、その第1方向重目立て歯に第2方向軽目立て歯が後続し、その第2方向軽目立て歯に第2方向重目立て歯が後続する。好ましくは、重目立て歯の刃先を軽目立て歯の刃先より低い位置にする。そうしたパターンにおいて、更に1本又は複数本の非目立て歯が現れるようにしてもよい。例えば、先行する第1方向軽目立て歯に第1方向重目立て歯が後続し、それらの歯からなる第1方向目立て歯対に非目立て歯の連なりたる非目立て歯対が後続し、その非目立て歯対に第2方向軽目立て歯が後続し、その第2方向軽目立て歯に第2方向重目立て歯が後続するパターンである。これらのパターンにおける重目立て歯の刃先は軽目立て歯の刃先より低い位置にするのが望ましい。
歯の2本連なりが現れる上掲の反復パターンは、例えば、先行する1本又は複数本の非目立て歯に、その鋸刃の切削方向に沿い1本又は複数本の目立て歯が後続するパターンとする。その例は、当該1本又は複数本の目立て歯として、第1方向へと目立てされた第1方向目立て歯、並びに第1方向とは逆の第2方向へと目立てされた第2方向目立て歯が現れるパターンである。その場合、例えば、先行する第1非目立て歯に第1方向目立て歯が後続し、その第1方向目立て歯に第2非目立て歯が後続し、その第2非目立て歯に第2方向目立て歯が後続するパターンとする。非目立て歯の刃先は、複数本ある目立て歯の刃先より高い位置にするのが望ましい。
歯の2本連なりが現れる上掲の反復パターンは、例えば、第1方向へと目立てされた第1方向目立て歯の連なりたる第1方向目立て歯対が先行し、第1方向とは逆の第2方向へと目立てされた第2方向目立て歯の連なりたる第2方向目立て歯対が後続するパターンにする。第1方向目立て歯対は例えば軽目立て歯及びそれに後続する重目立て歯を含み、第2方向目立て歯対は例えば軽目立て歯及びそれに後続する重目立て歯を含む。その場合、例えば、非目立て歯の連なりたる非目立て歯対が第1方向目立て歯対・第2方向目立て歯対間に差し挟まるパターンとする。その例は、歯の連なりたる対それぞれで先行している歯の刃先がその対内で後続している歯の刃先より高い位置を占めるパターンである。
上掲の反復パターンは、好ましくは、連なる歯2本で構成される対が他の歯を差し挟まずに反復するパターンとする。個々の歯が、更に、三次逃げ角を呈する三次逃げ面を有し、その三次逃げ角が対応する二次逃げ角よりも大きいパターンでもよい。好ましくは、個々の歯における三次逃げ角が対応する一次逃げ角よりも大きく、その一次逃げ角が対応する二次逃げ角よりも大きいパターンとする。
本実施形態の往復鋸刃は、鋸身の一端に小身、その小身から見て鋸身の他端に末身端がある構成とするのが望ましい。特に、その切れ刃のうち末身端付近の部位に逃げ面及び刃先を有する非目立て末身検歯が、またその非目立て末身検歯と他の歯の間に位置する部位に1本又は複数本の(i)比較的低背な歯、(ii)非目立て歯、又はその双方がある構成である。その切れ刃のうち、比較的高背な非目立て末身検歯と歯の2本連なりを含む反復パターンとに挟まれた部位には、例えば比較的低背な歯2本の連なりを設ける。好ましくは、それら比較的低背な歯それぞれを非目立て歯又は軽目立て歯とする。例えば、それら比較的低背な歯のうち少なくとも1本を、非目立て末身検歯に比し約30〜90%低背にする。
本発明の第2実施形態は、鋸身及びその鋸身沿いに延びる切れ刃を備え、その切れ刃に備わる歯のうち複数本が、それぞれ、刃先、その刃先の片側にあるすくい面、そのすくい面から見て刃先の逆側にある刃溝、刃先から見てすくい面の逆側にあり歯に切削速度を付与すると共に一次逃げ角を規定する第1手段、並びに第1手段から見て刃先の逆側にあり歯に頑健さを付与すると共に二次逃げ角を規定する第2手段を有し、その二次逃げ角が一次逃げ角より小さい往復鋸刃である。
第1手段及び第2手段を有する歯は、それぞれ、刃溝から見てすくい面とは逆側にあり第1刃溝半径を呈する部位と、刃溝・すくい面間にあり第2刃溝半径を呈する部位と、を有し、そのすくい面の深さが刃溝の深さより小さい形態とするのが望ましい。
一次逃げ角は約25〜45°、二次逃げ角は約15〜25°の範囲内とするのが望ましいく、すくい面の深さは先行する刃溝の深さに比し約20〜60%の範囲内とするのが望ましい。また、その切れ刃における歯の反復パターンは、他の歯を差し挟まないで連なる歯同士の対が複数個反復するパターンとするのが望ましい。各歯対を構成する歯のうち一方は、例えば、対をなす他方の歯のそれに比し大きな一次逃げ角を呈する部位と、当該他方の歯のそれに比し小さな二次逃げ角を呈する部位と、当該他方の歯のそれに比し低い位置を占める刃先と、を有する形態にする。好ましくは、第1手段を一次逃げ面、第2手段を二次逃げ面とする。
本発明の第3実施形態は、鋸身及びその鋸身沿いに延びる直線的な切れ刃を備え、その切れ刃における歯の反復パターンが、歯の2本連なりが他の歯を差し挟まずに現れるパターンである往復鋸刃である。その連なりを構成する歯は、それぞれ、比較的急な一次逃げ角を呈する一次逃げ面、比較的緩やかな二次逃げ角を呈する二次逃げ面、刃先、その刃先から見て一次逃げ面の逆側にあるすくい面、並びに刃溝を有する形態とする。
上掲の2本連なりを構成する歯は、それぞれ、刃溝から見てすくい面とは逆側にあり第1刃溝半径を呈する部位と、刃溝・すくい面間にあり第2刃溝半径を呈する部位と、を有し、その刃溝の深さが第2刃溝半径より大きい形態にするのが望ましい。
個々の対をなす歯のうち一方は、好ましくは、他方の歯のそれに比し急な一次逃げ角及び緩やかな二次逃げ角を呈し、且つ他方の歯のそれに比し低い位置を刃先が占める形態とする。
本発明に係る往復鋸刃の長所は、第1に、釘付木材の切削を伴う解体作業のような非理想的切削条件下でも実用できることである。例えば、本発明の諸特徴は、比較的粗な往復鋸刃、例えばそのピッチが14ピッチ以上と粗い鋸刃(例.14,10,8,6又はこれに類する粗なピッチ例えば5/8,6/10,6/8等)にてひときわ役立つ。本発明に係る往復鋸刃の長所は、第2に、釘付木材の切削を伴う解体作業のような非理想的切削条件下で加わる強い力に耐えられ、非理想的切削条件下での寿命が長く且つ切削速度が高いことである。非理想的条件(例.釘が埋まっている木材の切削や釘乃至ねじが打たれている石膏ボードの切削)では歯のうち刃先や一次逃げ面が破損する可能性もあるが、比較的緩やかな二次逃げ面は破損しにくいので、そのブレードを引き続き使用することができる。このように、比較的緩やかな二次逃げ角を付すことで非理想的使用条件下での歯の大規模損傷を抑えると共に、比較的急な一次逃げ角を付すことで高速且つ効率的な切削が実現される。
本発明の他の目的及び実施形態並びにその現下で好ましい実施形態については、それら実施形態に関する後掲の詳細な説明及び別紙図面を参照することでより明快にご理解頂けることとなろう。
従来型往復鋸刃の歯形態を示す側面図である。 他の従来型往復鋸刃の歯形態を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る鋸刃、例えば往復鋸刃の一部を示す側面図である。 本発明の他の実施形態に係り第1目立てパターンを呈する鋸刃の一部を示す側面図である。 図3に示した鋸刃の一部を示す頂面図である。 本発明の他の実施形態に係り第2目立てパターンを呈する鋸刃の一部を示す側面図である。 図5に示した鋸刃の一部を示す頂面図である。 本発明の他の実施形態に係り第3目立てパターンを呈する鋸刃の一部を示す側面図である。 図7に示した鋸刃の一部を示す頂面図である。 本発明の他の実施形態における歯形態を示す図である。 本発明の他の実施形態に係るプランジカット用鋸刃を示す側面図である。 図10に示した鋸刃の一部、特にその末身端に連なる歯を示す側面図である。 図10に示した鋸刃の一部、特にそれに備わる歯を示す側面図である。
図2に、本発明の一実施形態に係る鋸刃の概略を参照符号10で示す。この鋸刃10は、鋸身12及びその鋸身12沿いに延びる切れ刃14を備えており、その切れ刃14上には二種類の歯16,18の連なりが反復するパターンで歯が形成されている。連なっている2本の歯16,18は、それぞれ、比較的急な一次逃げ角22を呈する一次逃げ面20、比較的緩やかな二次逃げ角26を呈する二次逃げ面24、刃先28、その刃先28から見て一次逃げ面20の逆側に位置するすくい面30、その深さがD1の刃溝32、その刃溝32から見てすくい面30の逆側にあり第1刃溝半径R1を呈する部位、並びに刃溝32・すくい面30間にあり第2刃溝半径R2を呈する部位を備えている。
図示の通り、各刃溝32の深さD1は第2刃溝半径R2より大きく、その第2刃溝半径R2は第1刃溝半径R1より大きい。一次逃げ角22は約25〜45°、二次逃げ角26は約15〜25°の範囲内である。反復パターン内で連なる歯のうち第2歯18は、第1歯16に比し急な一次逃げ角22及び緩やかな二次逃げ角26を呈している。各第1歯16の一次逃げ角22は約20〜30°、二次逃げ角26は約17〜27°の範囲内にするのが望ましく、各第2歯18の一次逃げ角22は約30〜40°、二次逃げ角26は約15〜25°の範囲内にするのが望ましい。図示例では、各第1歯16の一次逃げ角22を約25°、二次逃げ角26を約22°、各第2歯18の一次逃げ角22を約35°、二次逃げ角26を約20°としてある。本件技術分野で習熟を積まれた方々(いわゆる当業者)にとっては本願による教示から自明な通り、これらの逃げ角は一例であり、他の値の逃げ角も遜色なく使用することができる。
各すくい面30の深さD2は、鋸刃の切削方向に沿い先行する刃溝の深さD1に比し約20〜60%、特に約30〜50%の範囲内にするのが望ましい。また、各第1歯16のすくい面深さD2は、それと対をなす第2歯18のそれに比し大きい。図示例では、各第1歯16のすくい面深さD2を約0.03インチ、各第2歯18のそれを約0.04インチとしてある。各一次逃げ面20の深さD3は、この鋸刃の切削方向に沿い後続する刃溝の深さD1に比し約10〜45%、例えば約15〜40%の範囲内にするのが望ましい。図示例では、第1歯16・第2歯18間で一次逃げ面20の深さD3をほぼ等しくしてある。一次逃げ面深さD3は、約0.005〜0.040インチの範囲内にするのが望ましいので、図示例では約1/50インチとしてある。同じく図示の通り、各第1歯16の刃溝深さD1は各第2歯18のそれより大きい。図示例では、各第1歯16の刃溝深さD1を約0.09インチ、各第2歯18のそれを約0.08インチとしてある。いわゆる当業者には本願による教示に基づきご理解頂ける通り、こうしたすくい面深さD2及び逃げ面深さD3は一例に過ぎず、他の値の深さも遜色なく使用することができる。
図示の通り、各第2歯18は他の歯に比しその一次逃げ角22が急、二次逃げ角26が緩やかであると共に、他の歯に比しその目立て前高さが小さい歯、即ち先行する第1歯16のそれに比し目立て前刃先位置が低い歯である。歯16・18間目立て前高さ差ΔHは約0.002〜0.010インチ、好ましくは約0.002〜0.008インチ、できれば約0.003〜0.005インチの範囲内とする。本発明に係る鋸刃に備わる長所の一つは、比較的頑健な歯形態であるため歯同士の高さ差をこのように比較的大きな値(例.最大約0.010インチ)にすることができ、ひいてはそうした歯間高さ差がない鋸刃に比べ切削を迅速化及び効率化できる点にある。歯間高さ差が大きいと、歯間高さ差がない鋸刃に比べ大きな切削力に曝されやすくなるが、本発明の歯形態であれば、そうした大きい切削力に曝されても歯の早期破損があまり生じない。
同じく図示の通り、歯16,18は、それぞれ三次逃げ角36を呈する三次逃げ面34を有している。三次逃げ角36は対応する二次逃げ角26に比し大きい。好ましくは、各歯16,18の三次逃げ角36を対応する一次逃げ角22より大きくし、その一次逃げ角22を対応する二次逃げ角26より大きくする。図示例では、第1歯16・第2歯18間でその三次逃げ角36を互いにほぼ等しくしてある。三次逃げ角36は約40〜50°の範囲内にするのが望ましいので、図示例ではその値を約45°としてある。いわゆる当業者には本願による教示に基づきご理解頂ける通り、これらの逃げ角22,26,34は一例であり、他の値の逃げ角も遜色なく使用することができる。
本実施形態に係る鋸刃は、好ましいことに、直線状の切れ刃を有する往復鋸刃として構成されている。本実施形態の往復鋸刃を使用する際には、ワークピースに対する込み角を約3〜7°の範囲内とするのが望ましい。そうすることの利点の一つは、鋸刃の歯がワークピースに食い込む角度が、その歯の刃先が属する平面(即ち非目立て歯の刃先に沿った平面)によって規定される角度と異なる角度になる点にある。そのため、鋸刃を攻めに保ちつつワークピース内に深く食い込ませてより効率的な切削を行うことができる。また、本発明では頑健な歯形態の下で込み角を攻めにしているので、非理想的乃至切迫的条件下での込み角を攻めにした場合にしばしば生じる歯の早期破損を、概ね防ぐことができる。更に、本実施形態では、好ましいことに、他の歯を差し挟まずに連なる歯16,18同士の対、複数個によって、歯の反復パターンが画定されている。この反復パターンにおける歯16,18のピッチは、約14ピッチ以上の粗さ、例えば14、10、8、6ピッチ等や、同様に粗な他のピッチ、例えば5/8、6/10、6/8等にするのが望ましい。このように比較的粗なピッチにすることで、木材の切削や解体作業、例えば釘が埋まっている木材や釘付又はねじ付の石膏ボードの切削に適した往復鋸刃を得ることができる。但し、いわゆる当業者には本願による教示からご理解頂ける通り、これらのピッチは一例に過ぎず、他の値のピッチも遜色なく使用することができる。
図3及び図4に、歯16,18の2本連なりを伴うかたちで鋸刃10上に現れる反復パターン、特に第1目立て方向(例.左目立て方向)へと目立てされた1本又は複数本の第1目立て歯、並びに第1目立て方向とは逆の第2目立て方向(例.右目立て方向)へと目立てされた1本又は複数本の第2目立て歯を含め、複数本の目立て歯が関わるパターンの例を示す。図4でいえば、左目立て方向とは鋸刃の切削方向から見て鋸身の左側、右目立て方向とは右側になる方向のことである。この鋸刃10における目立てパターンは、第1方向に向かい比較的軽く目立てされた第1方向軽目立て歯(左軽目立て歯)16及び重く目立てされた第1方向重目立て歯(左重目立て歯)18、並びに第2方向に向かい比較的軽く目立てされた第2方向軽目立て歯(右軽目立て歯)16及び重く目立てされた第2方向重目立て歯(右重目立て歯)18が現れるパターンである。具体的には、先行する第1方向乃至左軽目立て歯16に第1方向乃至方向重目立て歯18が後続し、その第1方向乃至左重目立て歯18に第2方向乃至右軽目立て歯16が後続し、その第2方向乃至右軽目立て歯16に第2方向乃至右重目立て歯18が後続する、というように、四歯目立てパターン乃至二歯ミルパターンを有する二歯連なり反復パターンとなっている。図3に示す通り、重目立て歯の刃先は低い位置(低を示す文字Lを参照)、軽目立て歯の刃先は高い位置にある(高を示す文字Hを参照)。
図5及び図6に、本発明の他の実施形態に係る鋸刃の概略を参照符号110で示す。この鋸刃110は図2〜図4を参照して上述した鋸刃10に似ているので、鋸刃10の構成部材の参照符号に「1」を冠した符号を、それに対応する部材の参照符号として使用することにする。歯形態は鋸刃10のそれと同じであるので、図2における描写及びそれに関連する詳細な説明は図5及び図6の鋸刃110にも問題なく当てはまる。鋸刃110が鋸刃10と相違するのはその目立てパターンである。即ち、鋸刃110では、歯の2本連なりが現れる反復パターン内に、更に非目立て歯の対も現れている。図6に示す通り、歯の2本連なりが現れる反復パターンは、鋸刃110では、先行する第1方向乃至左軽目立て歯116に第1方向乃至左重目立て歯118が後続し、それら第1方向目立て歯同士の対に非目立て歯116,118の連なりたる非目立て歯対が後続し、その非目立て歯対に第2方向乃至右軽目立て歯116が後続し、そしてその第2方向乃至右軽目立て歯116に第2方向乃至右重目立て歯118が後続するパターンとなっている。図6に示す通り、重目立て歯の刃先は軽目立て歯の刃先に比し低い位置を占めている。
図7及び図8に、本発明の他の実施形態に係る鋸刃の概略を参照符号210で示す。この鋸刃210は図2〜図6を参照して上述した鋸刃10,110に似ているので、鋸刃10の構成部材の参照符号に「2」を冠した符号、或いは鋸刃110の構成部材の符号冒頭にある「1」を「2」に置き換えた符号を、それに対応する部材の参照符号として使用することにする。その歯形態は図2〜図6を参照して上述した鋸刃10,110のそれと同じであるので、図2における描写及びそれに関連する詳細な説明は図7及び図8の鋸刃210にも問題なく当てはまる。鋸刃210が鋸刃10,110と相違するのはその目立てパターンである。図8に示す通り、歯216,218の2本連なりが現れる反復パターンとしては、先行する非目立て歯216に第1方向乃至右目立て歯218が後続し、その第1方向乃至右目立て歯218に第2の非目立て歯216が後続し、その非目立て歯216に第2方向乃至左目立て歯218が後続するパターンが使用されている。図7に示す通り、非目立て歯216の刃先は目立て歯のそれに比し高い位置にある。
図9に、本発明の他の実施形態における歯形態の概略を参照符号316,318で示す。歯316,318の形態は図2を参照して上述した歯16,18の形態に似ているので、対応する構成部材の参照符号に「3」を冠した符号をその構成部材の参照符号として使用することにする。歯316,318の形態が上述した歯形態と異なる点は、その二次逃げ面324及び三次逃げ面336が曲面になっていることである。この面は一通り又は複数通りの曲率半径を呈している。その曲面のうち二次逃げ面324として働く部分への接線で二次逃げ角326、三次逃げ面334として働く部分への接線で三次逃げ角336が規定される。なお、この図には歯形態を一通りしか示さなかったが、これは、図2を参照して上述した通り、その寸法、歯の高さ、一次逃げ角、二次逃げ角、すくい面深さ、一次逃げ面深さ、刃溝深さ等を適宜定めることで第1歯316にも第2歯318にもなるからである。
図10〜図12に、本発明の他の実施形態に係る鋸刃の概略を参照符号410で示す。図10に示す通り、この鋸刃410はプランジカットに適する往復鋸刃である。この鋸刃410の一端には、図示しない動力ソーのチャックに連結される小身460があり、他端にはワークピースに刺さり込む末身端450がある。切削用の歯は、小身460から末身端450にかけて切れ刃上に並んでいる。その歯による切削の方向は矢印X、その歯が戻される方向は矢印Yで示されている。図10及び図12に示す通り、それら切削用の歯は目立て歯416,418の2本連なりが現れる反復パターン、特に歯416,418の群間に非目立て検歯416A/B,416B/Cが挟まるパターンを呈している。より具体的には、その切れ刃上に、歯416,418の三対連鎖たる第1目立て歯群A、六対連鎖たる第2目立て歯群B及び五対連鎖たる第3目立て歯群Cに加え、群A・B間に第1非目立て歯416A/B、群B・C間に第2非目立て歯416B/Cが現れ、群Cと末身端450付近にある末身検歯442との間に2本の比較的低背な歯440,440が連なるパターンが現れている。
この鋸刃410に備わる切削用の歯は図2〜図6を参照して上述した鋸刃10,110と概ね同一であるので、鋸刃10の構成部材の参照符号に「4」を冠した符号、或いは鋸刃110の構成部材の符号冒頭にある「1」を「4」に置き換えた符号を、それに対応する部材の参照符号として使用することにする。実際、歯の2本連なりが現れる反復パターン中の目立て歯416,418及び非目立て検歯416A/B,416B/Cは、上述した鋸刃10,110における第1歯16,116及び第2歯18,118のうち対応するものに似た形態を呈している。従って、図2における描写及びそれに関連する詳細な説明は、鋸刃410に備わる歯416,418,416A/B,416B/Cにも遜色なく当てはまる。図10及び図11に示す通り、また上述の通り、鋸刃10,110に対する鋸刃410の相違点は、鋸刃410上に2本の低背歯440があること、末身端450付近に末身検歯442があること、並びに目立て歯群間に都合2個の非目立て検歯416A/B,416B/Cがあることである。
図10及び図12に示す通り、第1目立て歯群Aでは目立て歯416,418が三対連なっている。この群Aにおける目立てパターンは、左軽目立て歯416、左重目立て歯418、右軽目立て歯416、右重目立て歯418、左軽目立て歯416及び左重目立て歯418がこの順で現れるパターンである。
第1目立て歯群Aには、第1非目立て検歯416A/Bを挟み第2目立て歯群Bが後続している。この群Bでは目立て歯416,418が六対連なっている。同群Bにおける目立てパターンは、先行する群Aのそれに対し連続的である。従って、群Bにおける目立てパターンは、右軽目立て歯416、右重目立て歯418、左軽目立て歯416、左重目立て歯418、右軽目立て歯416、右重目立て歯418、左軽目立て歯416、左重目立て歯418、右軽目立て歯416、右重目立て歯418、左軽目立て歯416及び左重目立て歯418がこの順で現れるパターンとなる。
第2目立て歯群Bには、第2非目立て検歯416B/Cを挟み第3目立て歯群Cが後続している。この群Cでは目立て歯416,418が五対連なっている。同群Cにおける目立てパターンは、先行する群A,Bのそれに対し連続的である。従って、群Cにおける目立てパターンは、右軽目立て歯416、右重目立て歯418、左軽目立て歯416、左重目立て歯418、右軽目立て歯416、右重目立て歯418、左軽目立て歯416、左重目立て歯418、右軽目立て歯416及び右重目立て歯418がこの順で現れるパターンとなる。ご理解頂ける通り、各目立て歯群A〜Cにおける目立てパターンは、左軽目立て歯に左重目立て歯、右軽目立て歯及び右重目立て歯がこの順で後続する四歯連続対が(非目立て検歯416A/B,416B/Cを挟み)反復するパターンとなっている。
図示しないが、相連なる目立て歯416,418の対が反復する反復パターンに沿い所定空間間隔、例えば約2インチおきのピッチで、歯416に似ているが目立てされていない歯を差し挟む形態とすることもできる。このように非目立て歯のピッチが一定の実施形態では、各目立て歯群に含まれる歯の本数が互いに同一になろう。
図12に示す通り、第2目立て歯群Bの先行歯416’及び第3目立て歯群Cの先行歯416”では、その鋸刃410に備わる他の目立て歯416,418、非目立て歯416A/B,416B/Cのいずれよりも、その第2刃溝半径R2が小さくなっている。図示例における先行歯416’,416”の第2刃溝半径R2は約1/25インチである。いわゆる当業者には本願による教示に基づきご理解頂ける通り、この刃溝半径は一例であり、他の値の刃溝半径も遜色なく使用することができる。
図11に示す通り、第3目立て歯群C・末身検歯442間に位置する低背歯440には逃げ面420が1個ずつあり、その逃げ角422は第1方向目立て歯416の一次逃げ角422に比し大きく且つ第2方向目立て歯418の一次逃げ角422の一次逃げ角422とほぼ等しい。即ち、各低背歯440の逃げ角422は約30〜40°の範囲内である。図示例では、各低背歯440の逃げ角422を約35°としてある。これらの低背歯440は、高さによる目立て幅制限を受けるため非目立て歯又は軽目立て歯となる。図示例では、第3目立て歯群C内にあり低背歯440に先行している目立て歯416,418が上述の如く順に右軽目立て歯,右重目立て歯となっているので、それら2本の低背歯440は、鋸刃410における四歯反復的目立てパターンによれば左軽目立て歯となる。なお、いわゆる当業者には本願による教示からご理解頂ける通り、図示例における低背歯の本数及びその目立て具合は一例に過ぎない。例えば、低背歯を非目立て歯や右目立て歯にすること、低背歯同士で目立て幅を違えること、鋸刃上の低背歯本数を1本にすることや3本以上にすること等も可能である。
図11に示す通り、各低背歯440の高さは鋸刃410上のどの歯よりも低い。即ち、各低背歯440の刃先は、その鋸刃410上にある他のどの歯の目立て前刃先位置よりも低い位置にある。各低背歯440は非目立ての末身検歯442に比し約30〜90%低背にするのが望ましい。各低背歯440と第1方向目立て歯416及び非目立ての検歯442との間の目立て前高さ差ΔH2は、約0.01〜0.05インチ、好ましくは約0.02〜0.4インチの範囲内とする。図示例では、各低背歯440を第1方向目立て歯416及び検歯442に比し目立て前高さで約0.03インチ低背にしてある。また、同図に示す通り、各低背歯440のすくい面深さD4は目立て歯416,418のすくい面深さD2に比し小さい。図示例では、各低背歯440のすくい面深さD4を約0.028インチとしてある。更に、各低背歯440の第1刃溝半径R1は目立て歯416,418のそれに比し大きく、第2刃溝半径R2は目立て歯416,418のそれに比し小さい。図示例では、各低背歯440の第1刃溝半径R1が約0.045インチ、第2刃溝半径R2が約0.025インチとされている。いわゆる当業者には本願による教示に基づきご理解頂ける通り、これら逃げ角、歯の高さ、刃溝半径及びすくい面深さは一例であり、他の値の逃げ角、歯の高さ、刃溝半径及びすくい面深さも遜色なく使用することができる。
とりわけ図11に示す通り、末身検歯442は非目立て歯であり、低背歯440や第2方向目立て歯418よりも高背で、且つ第1歯416の目立て前高さとほぼ同じ高さを呈している。この検歯442に備わる逃げ面420は1個であり、各低背歯440の逃げ角422や目立て歯416,418の一次逃げ角422に比し大きな逃げ角422を呈している。検歯442の逃げ面420が呈する逃げ角422は約35〜45°の範囲内である。図示例では、検歯442の逃げ面420における逃げ角422が約40°とされている。また、同図に示す通り、この検歯442では第1刃溝半径R1と第2刃溝半径R2がほぼ同じ値である。検歯442の刃溝半径R1,R2は低背歯440の第1刃溝半径R1即ち約0.045インチともほぼ等しい。図10〜図12に示す通り、検歯442の逃げ面420と鋸刃410の背452の境目は末身端450、即ちその鋸刃410の終端部となっている。この末身端450によって、切削に際する戻し方向Yに沿った鋸刃410の動きが支えられる一方、検歯442の刃先が鋸刃410のプランジ切削方向、即ちその鋸刃410の切削方向X及び戻し方向Yに略直交する方向に沿ってワークピースに食い入っていく。
この鋸刃410は特にプランジカットに長じている。末身検歯442の刃先でワークピースを開削し、鋸刃410が入っていく糸口をそのワークピース上に発生させられるからである。検歯442の刃先でワークピースに糸口が形成されれば、その鋸刃410でそのワークピース内を更に開削することができる。検歯442は比較的高背且つ強靱な歯であるので、ワークピース内には後続歯が進入できる筋道が形成される。従って、ワークピース開削時に検歯442及び低背歯440で目立て歯416,418を守ることができる。また、低背歯440によって鋸刃410を安定させ開削中の方向ずれを防ぐことができる。更に、非目立ての検歯442、第1非目立て歯416A/B及び第2非目立て歯416B/Cの働きで切削力が鋸刃410上に集中するため、ワークピースの開削中及びそのワークピース内での往復運動中に鋸刃410が曲がり又は捻れることを概ね防ぐことができる。鋸刃410上に切削力を集中させその鋸刃410の曲がりや捻れを防ぐことができるので、鋸刃410をかなり長尺(例.約6インチ以上)にし、プランジカット動作に関する広範な要望に応えることができる。
本発明の実施形態としては、非目立ての末身検歯と歯の2本連なりが現れる反復パターンとの間に比較的低背な歯を1本又は複数本備える往復鋸刃のほかに、非目立ての末身検歯と歯の2本連なりが現れる反復パターンとの間に付加的な非目立て歯を1本又は複数本備える往復鋸刃もある。例えば、非目立ての末身検歯と歯の連なりの反復パターンとの間に付加的な非目立て歯を2本備えるものである。当該付加的な非目立て歯の高さは非目立ての末身検歯のそれとほぼ等しくするのが望ましい。当該付加的な非目立て歯を上述した非目立ての末身検歯に比し低背にしてもよい。
本発明に係る鋸刃には、更に、従来型鋸刃に比しその性能が顕著に高い、例えば鋸刃寿命が長いという長所もある。下表にまとめたのは、本発明の実施形態に係る往復鋸刃と従来型鋸刃の対照試験結果である。本発明の実施形態に係る鋸刃としては、図2〜図4を参照して上述したものと同様のものを使用し、従来型鋸刃としては、本発明の譲受人がモデル番号656Rを付し販売している鋸刃を使用した。両鋸刃の試験は、共に、同一素材(直径1インチのブラックパイプ)を往復鋸刃速度=約1000ストローク毎分(SPM)、鋸刃押下力=約25ポンド重で切断することで行った(1ポンド=約0.5kg)。そして、その鋸刃での切断所要時間が(i)最近三回の平均で90秒、(ii)直近の一回で120秒超、のいずれかに該当するときにその鋸刃が故障モードに達したと認めるようにした。その結果、次に示す試験結果が得られた。
Figure 2013526421
ご理解頂ける通り、本発明の実施形態に係る鋸刃の寿命は、驚くべきことに、比較相手の従来型鋸刃に比し顕著な(ほぼ三倍に達する)長さとなった。このほかにも、本発明に係る鋸刃には、比較的緩やかな二次逃げ角を呈する頑健な歯形態であるため、従来型鋸刃に比べ非理想的使用条件下での歯の早期破損がかなり生じにくい、という長所がある。本発明に係る鋸刃には、更に、歯の刃先に破損が生じたとしても、その歯に備わる比較的緩やかな二次逃げ面には破損が生じにくく、従ってその鋸刃を引き続き使用することができる、という長所がある。
本発明に係る往復鋸刃に、本願出願人を譲受人とする2007年12月21日付米国特許出願第11/963474号(名称:可変高歯を有する往復鋸刃及び関連する方法(Reciprocating Saw Blade Having Variable-Height Teeth and Related Method);この参照を以て本願に明示的に組み込まれるものとする)に記載の往復鋸刃に備わる諸特徴を付加することも可能である。
本願では、語「往復鋸刃」を、動力工具による回転的、直線的乃至斜行的な駆動下で往復運動する切削用鋸刃、例えば往復歯鋸として広く知られる動力工具(例.Milwaukee Electric Tool Corporationが販売しているawzall(商標)やPorter−Cable Corporationが販売しているTiger Saw(商標))で駆動されるもののほか、ジグソーで使用される鋸刃、エアソーで使用される鋸刃、ポータブルパワーハックマシンで使用される鋸刃等を包括する意味で使用している。
いわゆる当業者には本願による教示に基づきご理解頂ける通り、上掲のものを含め本発明の諸実施形態には、別紙特許請求の範囲で定義される本発明の技術的範囲内で様々な改変、改良を施すことができる。例えば、上述した歯形態とは異なる歯形態、一部の特徴を欠いた歯形態、更なる特徴が付加された歯形態、全ての歯を一様な形態にする反復パターン等を採用することができる。同様に、鋸刃上での歯のピッチ、目立てパターン、それと歯の高さとの組合せ方等を、上述したものと違えることもできる。例えば、歯同士の高さ差がない構成や、歯同士で目立て幅が様々な構成(上掲の通り重目立て及び軽目立てが共存する構成やその他の目立て幅が共存する構成)である。同じく、逃げ角、歯の高さ、刃溝半径、すくい面深さ等が既知の又は今後そうなる値で、且つ上掲のものと異なる値のものも、遜色なく使用することができる。また、上述した鋸刃は往復鋸刃であったが、本発明は、既知の又は今後そうなる他種鋸刃、例えば冠鋸やホールカッタにも適用することができる。同じく、上掲の諸特徴を備えるもののその寸法が上掲の値に比し小さい又は大きい鋸刃にすることもできる。このように、現下で好ましい実施形態に関するこれまでの詳細な説明は、要旨限定的なものではなく例示的なものと認められるべきである。

Claims (43)

  1. 鋸身及びその鋸身沿いに延びる切れ刃を備え、その切れ刃に備わる歯のうち複数本が、それぞれ、比較的急な一次逃げ角を呈する一次逃げ面、比較的緩やかな二次逃げ角を呈する二次逃げ面、刃先、その刃先から見て一次逃げ面の逆側にあるすくい面、並びに刃溝を有する往復鋸刃。
  2. 請求項1記載の往復鋸刃であって、その切れ刃における歯の反復パターンが、比較的急な一次逃げ角を呈する一次逃げ面、比較的緩やかな二次逃げ角を呈する二次逃げ面、刃先、その刃先から見て一次逃げ面の逆側にあるすくい面、並びに刃溝を有する歯が1本又は複数本現れるパターンである往復鋸刃。
  3. 請求項2記載の往復鋸刃であって、その切れ刃における歯の反復パターンが、比較的急な一次逃げ角を呈する一次逃げ面、比較的緩やかな二次逃げ角を呈する二次逃げ面、刃先、その刃先から見て一次逃げ面の逆側にあるすくい面、並びに刃溝をめいめいに有する歯の2本連なりが現れるパターンである往復鋸刃。
  4. 請求項1記載の往復鋸刃であって、その一次逃げ角が約17〜45°、二次逃げ角が約15〜25°の範囲内である往復鋸刃。
  5. 請求項1記載の往復鋸刃であって、個々の歯が、刃溝から見てすくい面とは逆側にあり第1刃溝半径を呈する部位と、刃溝・すくい面間にあり第2刃溝半径を呈する部位と、を有し、その刃溝の深さが第2刃溝半径より大きい往復鋸刃。
  6. 請求項5記載の往復鋸刃であって、その第2刃溝半径が第1刃溝半径より大きい往復鋸刃。
  7. 請求項1記載の往復鋸刃であって、そのすくい面の深さが、先行する刃溝の深さに比し約20〜60%の範囲内である往復鋸刃。
  8. 請求項7記載の往復鋸刃であって、そのすくい面の深さが、先行する刃溝の深さに比し約30〜50%の範囲内である往復鋸刃。
  9. 請求項1記載の往復鋸刃であって、その一次逃げ面の深さが、後続する刃溝の深さに比し約10〜45%の範囲内である往復鋸刃。
  10. 請求項9記載の往復鋸刃であって、その一次逃げ面の深さが、後続する刃溝の深さに比し約15〜40%の範囲内である往復鋸刃。
  11. 請求項1記載の往復鋸刃であって、その歯のピッチが約14ピッチ以上の粗さである往復鋸刃。
  12. 請求項3記載の往復鋸刃であって、上掲の2本連なりのうち一方の歯が他方の歯のそれに比し急な一次逃げ角及び緩やかな二次逃げ角を呈する往復鋸刃。
  13. 請求項12記載の往復鋸刃であって、急な一次逃げ角及び緩やかな二次逃げ角を呈する方の歯が他方の歯に比し低背な往復鋸刃。
  14. 請求項13記載の往復鋸刃であって、上掲の2本連なりにおける歯同士の目立て前高さ差が約0.002〜0.010インチの範囲内である往復鋸刃。
  15. 請求項3記載の往復鋸刃であって、歯の2本連なりが現れる上掲の反復パターンが、第1目立て方向へと目立てされた1本又は複数本の第1方向目立て歯、並びに第1目立て方向とは逆の第2目立て方向へと目立てされた1本又は複数本の第2方向目立て歯を併せ、複数本の目立て歯が現れるパターンである往復鋸刃。
  16. 請求項15記載の往復鋸刃であって、歯の2本連なりが現れる上掲の反復パターンが、第1方向へと比較的軽く目立てされた1本又は複数本の第1方向軽目立て歯、第1方向へと比較的重く目立てされた1本又は複数本の第1方向重目立て歯、第2方向へと比較的軽く目立てされた1本又は複数本の第2方向軽目立て歯、並びに第2方向へと比較的重く目立てされた1本又は複数本の第2方向重目立て歯が現れるパターンである往復鋸刃。
  17. 請求項16記載の往復鋸刃であって、歯の2本連なりが現れる上掲の反復パターンが、先行する第1方向軽目立て歯に第1方向重目立て歯が後続し、その第1方向重目立て歯に第2方向軽目立て歯が後続し、その第2方向軽目立て歯に第2方向重目立て歯が後続するパターンである往復鋸刃。
  18. 請求項17記載の往復鋸刃であって、その重目立て歯の刃先が軽目立て歯の刃先より低い位置にある往復鋸刃。
  19. 請求項18記載の往復鋸刃であって、歯の2本連なりが現れる上掲の反復パターンが、更に1本又は複数本の非目立て歯が現れるパターンである往復鋸刃。
  20. 請求項19記載の往復鋸刃であって、歯の2本連なりが現れる上掲の反復パターンが、先行する第1方向軽目立て歯に第1方向重目立て歯が後続し、それらの歯からなる第1方向目立て歯対に非目立て歯の連なりたる非目立て歯対が後続し、その非目立て歯対に第2方向軽目立て歯が後続し、その第2方向軽目立て歯に第2方向重目立て歯が後続するパターンである往復鋸刃。
  21. 請求項20記載の往復鋸刃であって、その重目立て歯の刃先が軽目立て歯の刃先より低い位置にある往復鋸刃。
  22. 請求項16記載の往復鋸刃であって、歯の2本連なりが現れる上掲の反復パターンが、先行する1本又は複数本の非目立て歯に、その鋸刃の切削方向に沿い1本又は複数本の目立て歯が後続すると共に、当該1本又は複数本の目立て歯として、第1方向へと目立てされた第1方向目立て歯、並びに第1方向とは逆の第2方向へと目立てされた第2方向目立て歯が現れるパターンである往復鋸刃。
  23. 請求項22記載の往復鋸刃であって、歯の2本連なりが現れる上掲の反復パターンが、先行する第1非目立て歯に第1方向目立て歯が後続し、その第1方向目立て歯に第2非目立て歯が後続し、その第2非目立て歯に第2方向目立て歯が後続するパターンである往復鋸刃。
  24. 請求項23記載の往復鋸刃であって、その非目立て歯の刃先が、複数本ある目立て歯の刃先より高い位置にある往復鋸刃。
  25. 請求項15記載の往復鋸刃であって、歯の2本連なりが現れる上掲の反復パターンが、第1方向へと目立てされた歯の連なりたる第1方向目立て歯対が先行し、第1方向とは逆の第2方向へと目立てされた歯の連なりたる第2方向目立て歯対が後続するパターンである往復鋸刃。
  26. 請求項25記載の往復鋸刃であって、その第1方向目立て歯対が軽目立て歯及びそれに後続する重目立て歯を含み、第2方向目立て歯対が軽目立て歯及びそれに後続する重目立て歯を含む往復鋸刃。
  27. 請求項26記載の往復鋸刃であって、歯の連なりが現れる上掲の反復パターンが、更に、非目立て歯の連なりたる非目立て歯対が第1方向目立て歯対・第2方向目立て歯対間に差し挟まるパターンである往復鋸刃。
  28. 請求項27記載の往復鋸刃であって、歯の連なりたる個々の対内で先行している歯の刃先がその対内で後続している歯の刃先より高い位置にある往復鋸刃。
  29. 請求項1記載の往復鋸刃であって、上掲の反復パターンが、歯の2本連なりが他の歯を差し挟まずに反復するパターンである往復鋸刃。
  30. 請求項1記載の往復鋸刃であって、個々の歯が、更に、平面状又は曲面状であり三次逃げ角を呈する三次逃げ面を有し、その三次逃げ角が対応する二次逃げ角に比し大きい往復鋸刃。
  31. 請求項30記載の往復鋸刃であって、個々の歯における三次逃げ角が対応する一次逃げ角に比し大きく、その一次逃げ角が対応する二次逃げ角に比し大きい往復鋸刃。
  32. 請求項1記載の往復鋸刃であって、更に、その鋸身の一端に小身、その小身から見て鋸身の他端に末身端があり、その切れ刃のうち末身端付近の部位に逃げ面及び刃先を有する非目立て末身検歯が、またその非目立て末身検歯と他の歯の間に位置する部位に1本又は複数本の(i)比較的低背な歯、(ii)非目立て歯、又はその双方がある往復鋸刃。
  33. 請求項32記載の往復鋸刃であって、その切れ刃のうち、比較的高背な非目立て末身検歯と他の歯とに挟まれた部位に、比較的低背な歯の2本連なりがある往復鋸刃。
  34. 請求項33記載の往復鋸刃であって、それら比較的低背な歯それぞれが非目立て歯又は軽目立て歯である往復鋸刃。
  35. 請求項32記載の往復鋸刃であって、それら比較的低背な歯のうち少なくとも1本が非目立て末身検歯に比し約30〜90%低背な往復鋸刃。
  36. 鋸身及びその鋸身沿いに延びる切れ刃を備え、その切れ刃に備わる歯のうち複数本が、それぞれ、刃先、その刃先の片側に位置するすくい面、そのすくい面から見て刃先の逆側にある刃溝、刃先から見てすくい面の逆側にあり歯に切削速度を付与すると共に一次逃げ角を規定する第1手段、並びに第1手段から見て刃先の逆側にあり歯に頑健さを付与すると共に二次逃げ角を規定する第2手段を有し、その二次逃げ角が一次逃げ角より小さい往復鋸刃。
  37. 請求項36記載の往復鋸刃であって、個々の歯が、刃溝から見てすくい面とは逆側にあり第1刃溝半径を呈する部位と、刃溝・すくい面間にあり第2刃溝半径を呈する部位と、を有し、そのすくい面の深さが刃溝の深さより小さい往復鋸刃。
  38. 請求項36記載の往復鋸刃であって、その一次逃げ角が約25〜45°、二次逃げ角が約15〜25°の範囲内である往復鋸刃。
  39. 請求項34記載の往復鋸刃であって、その切れ刃における歯の反復パターンが、他の歯を差し挟まないで連なる歯対が複数個反復するパターンであり、各歯対を構成する歯のうち一方が、対をなす他方の歯のそれに比し大きな一次逃げ角を呈する部位と、当該他方の歯のそれに比し小さな二次逃げ角を呈する部位と、当該他方の歯のそれに比し低い位置を占める刃先と、を有する往復鋸刃。
  40. 請求項34記載の往復鋸刃であって、その第1手段が一次逃げ面、第2手段が二次逃げ面である往復鋸刃。
  41. 鋸身及びその鋸身沿いに延びる直線的な切れ刃を備え、その切れ刃における歯の反復パターンが、歯の2本連なりが他の歯を差し挟まずに現れるパターンであり、その2本連なりを構成する歯それぞれが、比較的急な一次逃げ角を呈する一次逃げ面、比較的緩やかな二次逃げ角を呈する二次逃げ面、刃先、その刃先から見て一次逃げ面の逆側にあるすくい面、並びに刃溝を有する往復鋸刃。
  42. 請求項41記載の往復鋸刃であって、上掲の2本連なりを構成する歯それぞれが、更に、刃溝から見てすくい面とは逆側にあり第1刃溝半径を呈する部位と、刃溝・すくい面間にあり第2刃溝半径を呈する部位と、を有し、その刃溝の深さが第2刃溝半径より大きい往復鋸刃。
  43. 請求項41記載の往復鋸刃であって、各歯対を構成する歯のうち一方が、地卯をなす他方の歯のそれに比し急な一次逃げ角及び緩やかな二次逃げ角を呈し、且つ当該他方の歯のそれに比し低い位置を占める刃先を有する往復鋸刃。
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