JP2013512893A - デフェラシロクスの調製方法、及びデフェラシロクスの多形体 - Google Patents

デフェラシロクスの調製方法、及びデフェラシロクスの多形体 Download PDF

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Abstract

本発明は、たとえば、複数回の輸血による鉄過剰症を治療するために開発された経口鉄キレート剤であるデフェラシロクスの調製方法に関する。本発明はさらに、新規のデフェラシロクス擬似多形体、デフェラシロクスの新規の非晶質形態、それらの調製方法、並びにそれを含む医薬製剤、及び鉄過剰症を治療するためのその使用を提供する。
【選択図】図なし

Description

本発明は、たとえば、複数回輸血による慢性鉄過剰症を治療するために開発された経口鉄キレート剤であるデフェラシロクスの調製方法に関する。本発明はさらに、新規のデフェラシロクス擬似多形体及びデフェラシロクスの新規の非晶質形態、それらの調製方法、並びにそれを含む医薬製剤及び鉄過剰症の治療におけるその使用を提供する。
サラセミア又は鎌状赤血球貧血のような慢性貧血の患者は定期的な赤血球輸血を要することが多い。輸血の繰り返しの結果、身体の種々の組織における不溶性フェリチンとしての毒性で最終的には致命的な鉄の蓄積を生じる。この慢性的な鉄過剰症は、身体が積極的に鉄を排除することが出来ないために生じる。慢性鉄過剰症は重篤な状態であり、結果的な鉄の沈着のために臓器不全を生じ得る。心臓又は肝臓が冒されると、状態は命に関わるかも知れない。鉄過剰症は、鉄の沈着を身体から排泄され得る可溶性錯体に移動させる鉄キレート剤の投与によって治療される。現在利用可能な第一選択の鉄キレート剤であるデフェロキサミン(デスフェラール(登録商標)は、8〜12時間かけた静脈内点滴又は減速皮下点滴を週に5〜7回必要とする。このことによって患者の製品への低いコンプライアンスが生じている。デフェロキサミンはまた、局所及び全身性の反応も起こし得る。経口で利用できる鉄キレート剤であるデフェリプロンも作用の持続時間が短く、重篤な副作用と関連する可能性がある。従って、ノバルティスは、最終的には完全に新しい部類の化合物、ビスヒドロキシフェニルトリアゾールにつながる経口鉄キレート剤を特定する主要な研究プログラムに乗り出した。この部類の最良の化合物は、FDAに認可され、輸血による鉄過剰症(輸血性ヘモジデリン沈着症)の治療のために商品名エクジェイド(登録商標)のもとで市販されている経口活性三座化合物である、デフェラシロクス(ICL−670A)であることが分かった[Drugs of the Future 2004, 29(4): 331−335]。
デフェラシロクスは、化学名4−[3,5−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]安息香酸を有し、以下の構造式(1)によって表される。
Figure 2013512893
米国特許第6,465,504号は、置換された3,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール及び医薬用金属キレート剤としてのその使用を開示している。この特許は、170℃で加熱し、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンズ[e][1,3]オキサジン−4−オン(5)を得、還流エタノールにてそれを4−ヒドラジノ安息香酸(6)と反応させて(1)を得ることによって、サリチルアミド(2)の塩化サリチロイルによる縮合を含む4−[3,5−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]安息香酸(デフェラシロクス)の調製方法を記載している(スキーム1)。
Figure 2013512893
高い反応温度(170℃)と、腐食性で危険なHCl気体の放出と、全体的な収率の低さ(<50%)のために、この方法は高価で、産業規模では実現可能ではないとされている。
米国特許出願公開番号2005/080120は、デフェラシロクス類似体の別の調製方法を提供している。この方法は、Eur.J.Inorg.Chem.2004,4177−4192にも記載されており、二段階から成る。第一段階である、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾ−4H−[1,3]−オキサジン−4−オンの形成には、激しく攪拌しながら4時間にわたるキシレン又はトルエンの還流下ピリジンの存在下での塩化チオニルとのサリチル酸とサリチルアミドの反応が関与する。SO2とHClの激しい放出が言及された。付加の終了時、生成物は結晶化し始めた。攪拌をさらに30分間継続し、減圧にて蒸留によって溶媒を取り除いた。得られた固形残留物をEtOHと酢酸に懸濁した。混合物を穏やかに加熱し、次いで20℃に冷却した。沈殿物を濾過し、2−メトキシエタノールから再結晶化して50〜55%の収率にて所望の化合物を得た。第二段階は、前に言及した特許(米国特許第6,465,504号)に従って進行し、沸騰しているエタノール中での2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾ−4H−[1,3]−オキサジン−4−オンの4−ヒドラジン安息香酸との反応から成る。この段階の報告された収率は80%だった。
この方法は塩化サリチロイルでのサリチルアミドの形成に基づくものより技術的ではあるが、全体的な収率は未だ中程度(40〜45%)である。中程度の収率は、塩化サリチロイルの分子間反応の結果としての副産物、直鎖と環状のポリエステル(たとえば、(7))の混合物の形成に起因し得る[Chinese J. Struct. Chem., 2003, 22(5): 512−516](スキーム2)。
Figure 2013512893
従って、重大な加熱を必要とせず、HClのような腐食性で危険な気体と同様にポリエステルの形成をできるだけ減らす又は回避する方法に対するニーズがある。
デフェラシロクスは、抗真菌活性及び抗菌活性のような重要な医薬活性を持つ置換1,2,4−トリアゾール複素環のファミリーに属する。1,2,4−トリアゾールの合成方法は文献[たとえば、1,2,4−TRIAZOLES: SYNTHETIC APPROACHES AND PHARMACOLOGICAL IMPORTANCE” in Chemistry of Heterocyclic Compounds, 2006, 42(11): 1377−1403を見直すこと]に十分に記載されているが、これらの方法のほとんどは1,3,5−置換1,2,4−トリアゾールの構築には好適ではない。
デフェラシロクスに構造的に近い置換3,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール[I]の調製は欧州特許第0572142号に見出され、以下のスキームに従って、不活性溶媒中での一般式[II]を有するアルキルN−アシル(チオ)イミデート誘導体と一般式[III]を有するヒドラジン誘導体の間の反応によって達成することができる。
Figure 2013512893
一般式[II]の出発化合物は、以下のスキームに従って塩基の存在下でイミン[IV]を無水ハロゲン[V]と反応させることによって調製した。
Figure 2013512893
この工程には、デフェラシロクスの工程で使用されるものよりも複雑な出発物質の使用が関与する。そのような物質は市販されておらず、その調製は工程の数と各工程での中間体単離の必要性を増やす。
前述の特許で提示された別の方法は、ニトリリウムイオン([VI]と塩化アルミニウムから生成される)を介した塩化ヒドラゾノイル[VI]とニトリルの反応から成る。
Figure 2013512893
この方法によって良好な収率で所望の物質が得られるが、それはさらに複雑である(工程の数の多さ、市販されていない出発物質及びさらなる単離と精製を要する中間体)。
その結果、上述のような技術工程での問題を克服するだけでなく、安全で、費用効率が高く、工業的に実現可能であるデフェラシロクスの調製方法に対する長年にわたる切実なニーズがある
異なった結晶形態の発生である多形は、一部の分子及び分子錯体の特性である。デフェラシロクスのような単一分子は、識別可能な結晶構造と、融点、X線回折パターン、赤外線吸収フィンガープリント、及び固形状態のNMRスペクトルのような物性を有する種々の結晶形態を生じ得る。1つの結晶形態は別の結晶形態とは異なる熱挙動を生じ得る。熱挙動は、結晶形態を性状分析するのに使用されてきたキャピラリー融点、熱重量分析(「TGA」)及び示差走査熱量測定)「DSC」)のような技法によって実験室で測定することができる。化合物の新しい形態は、他の結晶形態又は非晶質形態とは異なり、それを超えて有利である物性を持ち得る。これらには、モル体積、密度及び吸湿性のような充填特性;融解温度、蒸気圧及び溶解度のような熱動態特性;種々の保存条件下での解離速度及び安定性のような力学特性;表面積、濡れ性、界面張力及び形状のような表面特性;硬度、引っ張り強度、相溶性、取り扱い、流量及び混合のような機械的特性;並びにさらに良好な濾過特性が挙げられる。これらの特性のいずれか1つの変動が、生体利用効率と同様に化合物の化学的な加工及び医薬の加工に影響を及ぼすが、医学用途に有利な新しい形態を提供し得ることが多い。
デフェラシロクスの幾つかの多形体が当該技術で既知である。公開番号IPCOM000 146862Dは、約13.2、14.1及び16.6±0.2度の2θでピークを有するX線粉末回折を特徴とする形態Iと命名されたデフェラシロクスの結晶形態を記載している。形態Iはさらに、約6.6、10.0、10.6、20.3、23.1、25.7及び26.2±0.2度の2θでピークを有するX線粉末回折及び図1で示すX線粉末回折パターンを特徴としてもよい。
米国のTeva Pharmaceuticalsによって出願されたWO2008/094617は形態II、III及びIVと命名されたデフェラシロクスの3種の結晶形態を記載している(THF溶媒和物)。ノバルティスによって出願されたWO2008/065123は、形態A、B、C及びDと命名されたデフェラシロクスのほかの結晶形態、並びにデフェラシロクスの非晶質形態、及び形態SAとSBと命名されたデフェラシロクスの溶媒和物を記載している。Pliva Hrvatska D.O.Oによって出願されたWO2009/016359は形態I〜Vと命名されたデフェラシロクスの5つの結晶形態及び形態I〜IVと命名された4つの非晶質形態を記載している。
良好な物理化学特性、望ましい生体利用効率及び有利な医薬パラメータを有するデフェラシロクスの有利な固形状態の形態に対する満たされていないニーズが依然として残る。
本発明は経口鉄キレート剤として有用であるデフェラシロクスの調製方法を提供する。これらの方法は以後、「方法A]及び「方法B」と呼ぶ。本発明はさらに、新規のデフェラシロクス擬似多形体及びデフェラシロクスの新規の非晶質形態、並びにそれらの調製方法を提供する。
方法A
一実施形態では、本発明は、有機溶媒中にて、Xがヒドロキシル保護基である式II
Figure 2013512893
の化合物を、Yはカルボキシル保護基である式III:
Figure 2013512893
の化合物と反応させて式I又はIa又はIb又はIc:
Figure 2013512893
の化合物を形成することを含む、式Iの化合物(デフェラシロクス)、又は保護されたその類似体、化合物Ia、Ib若しくはIcを調製する方法を提供する。
一部の実施形態では、Xはシリル、アルキル、及びアシルの保護基から選択される。他の実施形態では、Xはシリル保護基であり、たとえば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、又はトリフェニルシリルである。現在好まれる実施形態では、Xはトリメチルシリルである。他の実施形態では、Xはアルキル保護基であり、たとえば、メチル、メトキシメチル(MOM)、ベンジルオキシメチル、メトキシエトキシメチル、2−(トリメチルシリル)エトキシ−メチル、テトラヒドロピラニル、t−ブチル又は4−メトキシベンジルである。別の実施形態では、Xはアシル保護基、たとえば、−COCH3(Ac)である。各可能性は、本発明の別々の実施形態を表す。
現在好まれる実施形態では、Xはメトキシメチル(MOM)である。別の現在好まれる実施形態では、Xは−COCH3(Ac)である。
一部の実施形態では、Yはシリル、アルキル、及びアリールカルボキシの保護基から選択される。現在好まれる実施形態では、Yはエチルである。
前述の反応で使用される有機溶媒は変化し得るが、一般にC1〜C4脂肪族アルコール類、C6〜C10芳香族及び脂肪族の炭化水素、C2〜C8脂肪族エステル類、C4〜C8エーテル類、C1〜C6ハロ置換のアルキル及びC2〜C8脂肪族アミド類から成る群から選択される。一部の例となる実施形態では、有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、トルエン、ベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸t−ブチル、酢酸イソプロピル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエチレン、テトラクロロエタン、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミドから成る群から選択される。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。
一部の実施形態では、化合物IIは、式IV
Figure 2013512893
の化合物を硫酸化剤と反応させることによって形成され、式中、Xは上述のようなヒドロキシル保護基である。
一部の実施形態では、硫酸化剤は三酸化イオウ又は三酸化イオウのルイス塩基錯体である。たとえば、三酸化イオウのルイス塩基錯体は、ピリジン、トリメチルアミン、硫化ジメチル、スルホラン、トリフェニルホスフィン、酸化トリフェニルホスフィン、酸化トリアルキルホスフィン、リン酸トリアルキル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ニトロメタン、ジオキサン、及び1,4−オキサチアンから選択されるルイス塩基を含む。現在好まれる実施形態では、硫酸化剤はトリメチルシリル−クロロ−スルホネートである。別の現在好まれる実施形態では、硫酸化剤は三酸化イオウピリジン錯体又は三酸化イオウジオキサン錯体である。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。三酸化イオウピリジン錯体は、一部の実施形態ではジオキサン中でのピリジンとのクロロスルホン酸トリメチルシリルの反応によってその場で生成され得る。
硫酸化剤と式IVの化合物のモル比は変化し得るが、一般に約1:2である。スルホン化反応は一般に溶媒系、好ましくは有機溶媒又は溶媒の混合物で行われる。
他の実施形態では、本発明はスキーム6で示すような式Iの化合物(デフェラシロクス)の調製方法を提供する。該方法は以下の工程を含む
(a)X=Hである式IVの化合物を、Qが式IVの化合物を形成するように脱離基であり、Xがヒドロキシル保護基である保護基試薬XQと反応させること;
(b)任意で反応混合物から式IVの化合物を単離することと任意で式IVの前記単離された化合物を精製すること;
(c)有機溶媒の存在下で式IVの化合物の約2モル当量に対して約1モル当量の量での硫酸化試薬と工程(a)又は工程(b)で形成された式IVの化合物を反応させて式IIの化合物を形成すること;
(d)任意で反応混合物から式IIの化合物を単離することと任意で式IIの前記単離された化合物を精製すること;
(e)有機溶媒の存在下で工程(c)の反応混合物又は工程(d)の精製化合物を式IIIの化合物で処理して式I、Ia、Ib又はIcの化合物を形成すること;及び
(f)式Ia、Ib又はIcの化合物を式Iの化合物に変換すること。
Figure 2013512893
本発明の方法で形成される特定の中間体は新規であり、本発明の別々の実施形態を表す。従って、一実施形態では、本発明は式(Ia)の化合物を指向する。別の実施形態では、本発明は式(Ib)の化合物を指向する。別の実施形態では、本発明は式(Ic)の化合物を指向する。別の実施形態では、本発明は式(II)の化合物を指向する。
方法B
別の実施形態では、本出願者らはさらにデフェラシロクスの調製について追加の方法を発見した。この方法は以下のスキーム7にて例示される:
Figure 2013512893
方法には以下の工程が含まれる
(a)サリチル酸(8)をその塩化アシル(3)に変換すること;
Figure 2013512893
(b)塩化サリチル(3)をアミド化試薬と反応させて式(4)のデフェラシロクス中間体を生成すること;
Figure 2013512893
(c)中間体)(4)を4−ヒドラジノ安息香酸(6)と反応させてデフェラシロクスを形成すること。
Figure 2013512893
一部の実施形態では、工程(b)におけるアミド化試薬は、一般式(R1R2R3Si)2NHのジシラザン及び一般式(R1R2SiNH)nのシクロシラザンから成る群から選択され、式中、nは3又は4であり、R1、R2及びR3はそれぞれ独立してアルキル(たとえば、C1〜C6アルキル)又はアリールである。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。現在好まれる実施形態では、アミド化試薬はヘキサメチルジシラザンである。
一部の実施形態では、工程(b)は溶媒中で実施される。溶媒の性質は変化し得るが、好ましくは、それは炭化水素及びそのハロゲン化誘導体、芳香族炭化水素及びそのハロゲン化誘導体、エステル類、エーテル類、DMFのようなカルボン酸アミド、アセトニトリル及びこれら溶媒の好適な混合物から成る群から選択される。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。現在好まれる実施形態では、溶媒はトルエンである。
一部の実施形態では、工程(b)において塩化サリチルとアミド化試薬の反応は触媒の存在下で実施される。一部の実施形態では、触媒は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンのような3級アミン、N−メチルモルフォリン、ピリジン、ルチジン、DBU、DBN、DABCO又はピコリンであり、好ましくは、ピリジン、又はDMF及びジメチルアセトアミドのようなアミドである。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。現在好まれる実施形態では、触媒はピリジンである。別の現在好まれる実施形態では、触媒はDMFである。
有利なことに、スキーム7の方法の工程(a)と工程(b)はワンポット合成として組み合わせられる。好ましくは、これらの工程は、好ましくはトルエンである同一の溶媒にて実施される。
他の実施形態では、スキーム7の方法の工程(c)は酸の存在下にて有機溶媒中で行われる。溶媒の性質は変化し得るが、好ましくは、それはアルコール類、エーテル類、DMF、NMP、DMSO、水及びこれらの混合物から成る群から選択される。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。現在好まれる実施形態では、溶媒はエタノールである。
工程(c)における酸は、たとえば、塩酸、臭化水素酸、リン酸又は硫酸のような無機酸であり得る。或いは、酸はたとえば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸又はプロピオン酸のような有機酸であり得る。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。現在好まれる実施形態では、酸はトリフルオロ酢酸である。
デフェラシロクス多形体
さらなる実施形態では、本発明は、デフェラシロクスの新規の非晶質形態と同様にデフェラシロクス新しい多形体及び擬似多形体の形態、前記化合物を含む医薬組成物、その調製方法、並びに輸血依存性の慢性鉄過剰症の治療におけるその使用を提供する。
本発明は、本明細書で開示される新しい形態が、薬物としてのそれらの加工を有益にする有利な物理化学的な特性を持つという予期しない知見に部分的に基づく。本発明の形態は、医薬用途に特に好適な異なった様々な製剤への組み入れを可能にする望ましい安定性特性と同様に良好な生体利用効率を有する。
第1の態様によれば、本発明は、約15.6±0.1及び24.7±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)を提供する。
一実施形態では、本発明は、約11.9±0.1、15.6±0.1、24.7±0.1及び25.6±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、約10.0±0.1、10.4±0.1、11.9±0.1、13.4±0.1、13.7±0.1、15.6±0.1、17.3±0.1、17.9±0.1、19.1±0.1、20.1±0.1、22.0±0.1、22.6±0.1、22.9±0.1、24.7±0.1、25.6±0.1、26.6±0.1、27.0±0.1、27.7±0.1、29.1±0.1及び32.7±0.1の2シータ値にて少なくとも3つの回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、約10.0±0.1、10.4±0.1、11.9±0.1、13.4±0.1、13.7±0.1、15.6±0.1、17.3±0.1、17.9±0.1、19.1±0.1、20.1±0.1、22.0±0.1、22.6±0.1、22.9±0.1、24.7±0.1、25.6±0.1、26.6±0.1、27.0±0.1、27.7±0.1、29.1±0.1及び32.7±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)を提供する。
他の実施形態では、本発明は、図4に示すようなX線粉末回折パターンを実質的に有する結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)を提供する。一実施形態では、結晶性デフェラシロクス半水和物はさらに、約53℃及び約260℃にて吸熱ピークを有するDSC特性を特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクス半水和物はさらに、図5に示すようなDSC特性を実質的に特徴とする。
一実施形態では、結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)は、(a)溶解工程が好ましくは熱のもとで実施される、DMF及びDMSOから選択される溶媒にデフェラシロクス、好ましくはデフェラシロクス形態Iを溶解する工程と、反溶媒としての水を添加してデフェラシロクス形態IIを沈殿させる工程を含む方法によって調製され得る。
第2の態様によれば、本発明は、約25.8±0.1及び26.2±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)を提供する。
一実施形態では、本発明は、約13.3±0.1、16.7±0.1、25.8±0.1及び26.2±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、約6.6±0.1、10.2±0.1、10.7±0.1、13.3±0.1、14.2±0.1、15.0±0.1、15.5±0.1、16.7±0.1、17.5±0.1、17.8±0.1、19.0.0±0.1、19.7±0.1、20.4±0.1、21.6±0.1、22.6±0.1、23.2±0.1、23.9±0.1、25.2±0.1、25.8±0.1、26.2±0.1、27.3±0.1、27.7±0.1、28.5±0.1、31.2±0.1、33.5±0.1、33.8±0.1及び34.3±0.1の2シータ値にて少なくとも3つの回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、約6.6±0.1、10.2±0.1、10.7±0.1、13.3±0.1、14.2±0.1、15.0±0.1、15.5±0.1、16.7±0.1、17.5±0.1、17.8±0.1、19.0.0±0.1、19.7±0.1、20.4±0.1、21.6±0.1、22.6±0.1、23.2±0.1、23.9±0.1、25.2±0.1、25.8±0.1、26.2±0.1、27.3±0.1、27.7±0.1、28.5±0.1、31.2±0.1、33.5±0.1、33.8±0.1及び34.3±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)を提供する。
他の実施形態では、本発明は、図21に示すようなX線粉末回折パターンを実質的に有する結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)を提供する。一実施形態では、結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物はさらに、約89℃及び約260℃にて吸熱ピークを有するDSC特性を特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物はさらに、図22に示すようなDSC特性を実質的に特徴とする。
一実施形態では、結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物は、(a)溶解工程が好ましくは熱のもとで実施される、DMSO:DMF及びDMSO:THFから選択される溶媒混合物にデフェラシロクス、好ましくはデフェラシロクス形態Iを溶解する工程と、(b)溶媒を蒸発させてデフェラシロクス形態Vを沈殿させる工程を含む方法によって調製され得る。現在好まれる実施形態では、DMSOとDMF又はDMSOとTHFの比は約1:1(v/v)である。
第3の態様によれば、本発明は、約9.9±0.1及び16.6±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)を提供する。
一実施形態では、本発明は、約9.9±0.1、10.6±0.1、16.6±0.1及び20.0±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、約5.3±0.1、9.9±0.1、10.3±0.1、10.6±0.1、16.0±0.1、16.6±0.1、18.8±0.1、20.0±0.1、20.7±0.1、21.4±0.1、22.7±0.1、24.0±0.1、25.7±0.1、26.8±0.1、30.1±0.1、32.3±0.1、33.6±0.1及び33.9±0.1の2シータ値にて少なくとも3つの回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、約5.3±0.1、9.9±0.1、10.3±0.1、10.6±0.1、16.0±0.1、16.6±0.1、18.8±0.1、20.0±0.1、20.7±0.1、21.4±0.1、22.7±0.1、24.0±0.1、25.7±0.1、26.8±0.1、30.1±0.1、32.3±0.1、33.6±0.1及び33.9±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)を提供する。
他の実施形態では、本発明は、図27に示すようなX線粉末回折パターンを実質的に有する結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)を提供する。一実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物はさらに、約117℃、約125℃及び約260℃にて吸熱ピークを有するDSC特性を特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物はさらに、図28に示すようなDSC特性を実質的に特徴とする。
一実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)は、(a)2−メチルTHF:DMFを含む溶媒混合物におけるデフェラシロクス、好ましくはデフェラシロクス形態Iの懸濁液を提供する工程と(b)懸濁液を攪拌する工程と(c)濾過してデフェラシロクス形態VIを提供する工程を含む方法によって調製され得る。現在好まれる実施形態では、2−メチルTHFとDMFの比は約3:1(v/v)である。
さらに別の実施形態では、本発明は、約140℃での発熱ピークと約260℃での吸熱ピークを有するDSC特性を特徴とするデフェラシロクスの非晶質形態を提供する。特定の実施形態では、デフェラシロクスの非晶質形態はさらに、図33で示すようなX線粉末回折パターンを実質的に特徴とする。他の実施形態では、デフェラシロクスの非晶質形態はさらに、図34で示すようなDSC特性を実質的に特徴とする。他の実施形態では、デフェラシロクスの非晶質形態はさらに、図35で示すようなTGA特性を実質的に特徴とする。
非晶質デフェラシロクスは、(a)デフェラシロクス、好ましくはデフェラシロクス形態Iを加熱して融解する工程と(b)非晶質デフェラシロクスを提供できるように工程(a)で得られた融解デフェラシロクスを急速に冷却する工程を含む方法によって調製され得る。
他の実施形態では、本発明は、約9.8±0.1及び16.5±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを特徴とする結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物(形態III)を調製する方法を提供する。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物(形態III)はさらに、22.4±0.1及び23.8±0.1の2シータ値での回折ピークを特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物(形態III)は、約2.9±0.1、9.1±0.1、9.8±0.1、10.1±0.1、10.5±0.1、11.6±0.1、12.5±0.1、14.4±0.1、14.8±0.1、15.4±0.1、15.8±0.1、16.5±0.1、17.5±0.1、18.0±0.1、18.7±0.1、19.8±0.1、20.5±0.1、21.4±0.1、22.4±0.1、23.1±0.1、23.8±0.1、24.3±0.1、25.0±0.1、25.6±0.1、26.6±0.1、28.0±0.1、31.1±0.1、32.1±0.1、33.5±、36.0±0.1及び36.8±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物は、図9で示すようなX線粉末回折パターンを実質的に特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物は、図10で言及されるようなDSC特性を実質的に特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物は、約114℃と約260℃にて吸熱ピークを有するDSC特性を特徴とする。
結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物(形態III)は、(a)DMFにおけるデフェラシロクス、好ましくはデフェラシロクス形態Iの懸濁液を提供する工程と(b)懸濁液を攪拌する工程と(c)濾過してデフェラシロクス形態IIIを提供する工程を含む方法によって調製され得る。
或いは、結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物(形態III)は、(a)溶解工程が好ましくは熱のもとで行われる、DMF:1,4−ジオキサン、DMF:THF、DMF:EtOH及びDMF:EtOAcから選択される溶媒混合物にデフェラシロクス、好ましくはデフェラシロクス形態Iを溶解する工程と、(b)溶媒を蒸発させてデフェラシロクス形態IIIを沈殿させる工程を含む方法によって調製され得る。現在好まれる実施形態では、DMFと1,4−ジオキサン、THF、EtOH又はEtOAcの比は約1:1(v/v)である。
他の実施形態では、本発明は、約19.8±0.1及び24.2±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを特徴とする結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物(形態IV)を調製する方法を提供する。別の実施形態では、デフェラシロクスのTHF一溶媒和物はさらに約15.2±0.1及び20.1±0.1の2シータ値での回折ピークを特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物(形態IV)は、約6.8±0.1、10.0±0.1、10.6±0.1、11.8±0.1、13.5±0.1、15.2±0.1、16.6±0.1、17.7±0.1、19.2±0.1、19.8±0.1、20.1±0.1、20.8±0.1、21.9±0.1、22.4±0.1、24.2±0.1、24.7±0.1、25.6±0.1、26.0±0.1、27.4±0.1、28.3±0.1、29.4±0.1、31.1±0.1、34.4±0.1、37.6±0.1、38.4±0.1及び38.8±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物は、図15に示すようなX線粉末回折パターンを実質的に特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物は、図16で言及されるようなDSC特性を実質的に特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物は、約97℃と約260℃にて吸熱ピークを有するDSC特性を特徴とする。
結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物(形態IV)は、(a)THFにおけるデフェラシロクス、好ましくはデフェラシロクス形態Iの懸濁液を提供する工程と(b)懸濁液を攪拌する工程と(c)濾過してデフェラシロクス形態IVを提供する工程を含む方法によって調製され得る。
或いは、結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物(形態IV)は、(a)溶解工程が好ましくは熱のもとで実施される、THF:MEK及びTHF:アセトンから選択される溶媒混合物にデフェラシロクス、好ましくはデフェラシロクス形態Iを溶解する工程と(b)溶媒を蒸発させてデフェラシロクス形態IVを沈殿させる工程を含む方法によって調製され得る。現在好まれる実施形態では、THFとMEK又はTHFとアセトンの比は約1:1(v/v)である。
さらに別の実施形態では、本発明は、図1に示すようなX線回折パターンを実質的に特徴とする結晶性デフェラシロクス形態Iを調製する方法を提供する。方法は、結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)、結晶性デフェラシロクスのDMSO半溶媒和物(形態V)、結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)、非晶質デフェラシロクス及び結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物(形態III)から成る群から選択されるデフェラシロクスを乾燥させる工程を含み、これらの形態は本明細書で記載されるが、乾燥はほぼ室温から約160℃の温度で実施される。別の実施形態では、乾燥は約60℃の温度で実施される。
他の実施形態では、本発明は、有効成分としての本発明のデフェラシロクス形態のいずれか1つ、すなわち、結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)、結晶性デフェラシロクスのDMSO半溶媒和物(形態V)、結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)、又は非晶質デフェラシロクスと、薬学上許容可能なキャリアとを含む医薬組成物を提供する。
特定の実施形態では、医薬組成物は錠剤の形態である。
種々の実施形態では、本発明は、鉄過剰症の治療に使用するための、有効成分としての本発明のデフェラシロクス形態のいずれか1つと薬学上許容可能なキャリアを含む医薬組成物を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、それを必要とする対象に、本発明のデフェラシロクス形態のいずれか1つ、たとえば、結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)、結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)、結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)、又は非晶質デフェラシロクスを含む有効量の組成物を投与することを含む、鉄過剰症を治療する方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、鉄過剰症を治療するための薬物の調製のための本発明のデフェラシロクス形態のいずれか1つの使用を提供する。追加の実施形態では、本発明は、鉄過剰症を治療するための本発明のデフェラシロクス形態のいずれか1つの使用を提供する。
特定の実施形態では、鉄過剰症は、複数回の輸血の結末として生じ、すなわち、輸血依存性の慢性鉄過剰症である。
特定の実施形態では、対象は哺乳類、特にヒトである。
本発明のさらなる実施形態及び応用性の全範囲は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、この詳細な説明から本発明の精神と範囲の中にある種々の変更及び修正が当業者に明らかになるので、詳細な説明及び具体的な実施例は、本発明の好ましい実施形態を示す一方で説明のみの目的で提示されることが理解されるべきである。
デフェラシロクスの結晶形態Iの特徴的なX線回折パターンを示す図である。 デフェラシロクスの結晶形態Iの特徴的な示差走査熱量測定(DSC)の特性を示す図である。 デフェラシロクスの結晶形態Iの特徴的な熱重量分析(TGA)の特性を示す図である。 デフェラシロクスの結晶形態II(半水和物)の特徴的なX線回折パターンを示す図である。 デフェラシロクスの結晶形態II(半水和物)の特徴的な示差走査熱量測定(DSC)の特性を示す図である。 デフェラシロクスの結晶形態II(半水和物)の特徴的な熱重量分析(TGA)の特性を示す図である。 60℃で1時間乾燥させる前(7C)と後(7B)のデフェラシロクスの結晶形態II(半水和物)の特徴的なX線回折パターンを示す図である。比較のために示すのは、「DFX−API」と呼ばれるデフェラシロクス形態I(7D)と25℃で48時間乾燥させた後のデフェラシロクス形態II(7A)のX線回折パターンである。 60℃で1時間乾燥させる前(8C:重量1.1740mg)と後(8B:重量2.1120mg)のデフェラシロクスの結晶形態II(半水和物)の特徴的な示差走査熱量測定(DSC)の特性を示す図である。比較のために示すのは、「DFX−API」と呼ばれるデフェラシロクス形態I(8D:重量4.3050mg)と25℃で48時間乾燥させた後のデフェラシロクス形態II(8A:重量1.6420mg)の示差走査熱量測定の特性である。 デフェラシロクスの結晶形態III(DMF半溶媒和物)の特徴的なX線回折パターンを示す図である。 デフェラシロクスの結晶形態III(DMF半溶媒和物)の特徴的な示差走査熱量測定(DSC)の特性を示す図である。 デフェラシロクスの結晶形態III(DMF半溶媒和物)の特徴的な熱重量分析(TGA)の特性を示す図である。 デフェラシロクスの結晶形態III(DMF半溶媒和物)の特徴的な核磁気共鳴(NMR)特性を示す図である。 120℃で1時間乾燥させる前(13B)と後(13A)のデフェラシロクスの結晶形態III(DMF半溶媒和物)の特徴的なX線回折パターンを示す図である。比較のために示すのは、「DFX−API」と呼ばれるデフェラシロクス形態I(13C)のX線回折パターンである。 120℃で1時間乾燥させる前(14B:重量2.3200mg)と後(14C:重量4.0990mg)のデフェラシロクスの結晶形態III(DMF半溶媒和物)の特徴的な示差走査熱量測定(DSC)の特性を示す図である。比較のために示すのは、「DFX−API」と呼ばれるデフェラシロクス形態I(14A:重量4.3050mg)の示差走査熱量測定の特性である。 デフェラシロクスの結晶形態IV(THF一溶媒和物)の特徴的なX線回折パターンを示す図である。 デフェラシロクスの結晶形態IV(THF一溶媒和物)の特徴的な示差走査熱量測定(DSC)の特性を示す図である。 デフェラシロクスの結晶形態IV(THF一溶媒和物)の特徴的な熱重量分析(TGA)の特性を示す図である。 デフェラシロクスの結晶形態IV(THF一溶媒和物)の特徴的な核磁気共鳴(NMR)特性を示す図である。 120℃で1時間乾燥させる前(19B)と後(19A)のデフェラシロクスの結晶形態IV(THF一溶媒和物)の特徴的なX線回折パターンを示す図である。比較のために示すのは、「DFX−API」と呼ばれるデフェラシロクス形態I(19C)のX線回折パターンである。 120℃で1時間乾燥させる前(20B:重量2.9030mg)と後(20C:重量3.0980mg)のデフェラシロクスの結晶形態IV(THF一溶媒和物)の特徴的な示差走査熱量測定(DSC)の特性を示す図である。比較のために示すのは、「DFX−API」と呼ばれるデフェラシロクス形態I(20A:重量4.3050mg)の示差走査熱量測定の特性である。 デフェラシロクスの結晶形態V(DMSO半溶媒和物)の特徴的なX線回折パターンを示す図である。 デフェラシロクスの結晶形態V(DMSO半溶媒和物)の特徴的な示差走査熱量測定(DSC)の特性を示す図である。 デフェラシロクスの結晶形態V(DMSO半溶媒和物)の特徴的な熱重量分析(TGA)の特性を示す図である。 デフェラシロクスの結晶形態V(DMSO半溶媒和物)の特徴的な核磁気共鳴(NMR)特性を示す図である。 120℃で1時間乾燥させる前(25B)と後(25A)のデフェラシロクスの結晶形態V(DMSO半溶媒和物)の特徴的なX線回折パターンを示す図である。比較のために示すのは、「DFX−API」と呼ばれるデフェラシロクス形態I(25C)のX線回折パターンである。 120℃で1時間乾燥させる前(26B:重量3.9140mg)と後(26A:重量4.6780mg)のデフェラシロクスの結晶形態V(DMSO半溶媒和物)の特徴的な示差走査熱量測定(DSC)の特性を示す図である。比較のために示すのは、「DFX−API」と呼ばれるデフェラシロクス形態I(26C:重量4.3050mg)の示差走査熱量測定の特性である。 デフェラシロクスの結晶形態VI(DMF一溶媒和物)の特徴的なX線回折パターンを示す図である。 デフェラシロクスの結晶形態VI(DMF一溶媒和物)の特徴的な示差走査熱量測定(DSC)の特性を示す図である。 デフェラシロクスの結晶形態VI(DMF一溶媒和物)の特徴的な熱重量分析(TGA)の特性を示す図である。 デフェラシロクスの結晶形態VI(DMF一溶媒和物)の特徴的な核磁気共鳴(NMR)特性を示す図である。 120℃で1時間乾燥させる前(31B)と後(31A)のデフェラシロクスの結晶形態VI(DMF一溶媒和物)の特徴的なX線回折パターンを示す図である。比較のために示すのは、「DFX−API」と呼ばれるデフェラシロクス形態I(31C)のX線回折パターンである。 120℃で1時間乾燥させる前(32B:重量2.5670mg)と後(32A:重量2.2030mg)のデフェラシロクスの結晶形態VI(DMF一溶媒和物)の特徴的な示差走査熱量測定(DSC)の特性を示す図である。比較のために示すのは、「DFX−API」と呼ばれるデフェラシロクス形態I(32C:重量4.3050mg)の示差走査熱量測定の特性である。 非晶質デフェラシロクスの特徴的なX線回折パターンを示す図である。 非晶質デフェラシロクスの特徴的な示差走査熱量測定(DSC)の特性を示す図である。 非晶質デフェラシロクスの特徴的な熱重量分析(TGA)の特性を示す図である。 160℃で5分間乾燥させる前(36B)と後(36A)の非晶質デフェラシロクスの特徴的なX線回折パターンを示す図である。比較のために示すのは、「DFX−API」と呼ばれるデフェラシロクス形態I(36C)のX線回折パターンである。 160℃で5分間乾燥させる前(37B:重量1.8250mg)と後(37C:重量2.9020mg)の非晶質デフェラシロクスの特徴的な示差走査熱量測定(DSC)の特性を示す図である。比較のために示すのは、「DFX−API」と呼ばれるデフェラシロクス形態I(37A:重量4.3050mg)の示差走査熱量測定の特性である。
デフェラシロクスの方法
一部の実施形態では、本発明は、本明細書では方法A及び方法Bとしたデフェラシロクスの合成方法を提供する。
方法A
本明細書で熟考されるように、方法Aは、以下の工程を含む:
(a)Xがヒドロキシル保護基である式II:
Figure 2013512893
の化合物を、Yがカルボキシル保護基である式III:
Figure 2013512893
の化合物と反応させて式I、Ia、Ib又はIcの化合物を形成すること。
一実施形態では、式IIの化合物は、式IV:
Figure 2013512893
の化合物の硫酸化剤との反応によって調製され、式中、Xはヒドロキシル保護基である。
本明細書に記載される反応は、好ましくは最適な収率で所望の生成物を製造するのに十分な時間及び条件下で実施されることが十分に理解されるであろう。反応条件は当業者によって容易に決定される。
本発明の方法Aの一部の実施形態の一般的な概略は上記スキーム6で提供されている。スキーム6で見られるように、式IVの化合物はフェノール位で選択的に保護され、次いで硫酸化剤と反応させて式IIの化合物を得、続いてそれを式(III)の化合物と反応させて化合物(I)及び/又はその保護された類似体Ia、Ib又はIcを得る。一部の実施形態では、反応混合物から式Iの化合物を単離する後処理の間、後処理条件は式Ia、Ib及びIcの化合物の保護基X及びYを取り除くのに十分であり、式Iの化合物が得られる。他の実施形態では、しかしながら、本発明の方法はさらに、残ったヒドロキシル及び/又はカルボキシルの保護基を取り除くことによって式Ia、Ib又はIcの化合物を式Iの化合物に変換する工程を含む。
一部の実施形態では構造XQを有するヒドロキシ保護基試薬に式IVの化合物を反応させることによってヒドロキシル保護基が付加されるが、その際、Xは保護基であり、Qは式IV(X=H)の化合物のフェノール性酸素原子によって置き換えられる脱離基である。
好適なヒドロキシル保護基には、構造−SiRRRを有するシリル保護基が挙げられるが、これに限定されず、その際、各Rは独立してアルキル(たとえば、C1〜C6アルキル)又はアリール、たとえば、フェニルである。現在好まれるヒドロキシル保護基の1つは塩化トリメチルシリル(TMS)であり、それは、ヒドロキシル保護基試薬、塩化トリメチルシリル又はヘキサメチルシラザン又はそれらの混合物との反応によって式IV(X=H)の化合物のフェノール性ヒドロキシルに連結され得る。
好適なヒドロキシル保護基のそのほかの非限定例には、たとえば、メチル、メトキシメチル、メトキシエトキシメチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、テトラヒドロピラニル、t−ブチル、4−メトキシベンジルのようなアルキル保護基及び類似の基が挙げられる。現在好まれるヒドロキシル保護基の1つはメトキシメチル(MOM)であり、それは、ジメトキシメタン(メチラール)との反応によって式IV(X=H)の化合物のフェノール性ヒドロキシルに連結され得る。そのほかの好適なヒドロキシル保護基はたとえば、−COOH3(Ac)のようなアシル保護基である。
他の好適なヒドロキシル保護基及びヒドロキシル保護基試薬は、Greene及びWuts,Protective Groups in Organic Synthesis,第2版、John Wiley & Sons,New York,1991に開示されており、その開示全体が参照によって本明細書に組み入れられる。
通常、式IIの化合物と式IIIの化合物の反応は、溶媒系、好ましくは単一溶媒であり得る又は溶媒の混合物を含み得る有機溶媒にて行われる。エーテル類(ジメトキシメタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、フラン、ジエチルエーテル、テトラヒドロピラン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、及びt−ブチルメチルエーテル)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、N−メチルピロリジノン(NMP)、ホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、プロピオニトリル、ギ酸エチル、酢酸メチル、ヘキサクロロアセトン、酢酸エチル、スルホラン、N,N−ジメチルプロピオンアミド、テトラメチルウレア、ニトロベンゼン、又はヘキサメチルホスホンアミド、炭化水素、ハロゲン化溶媒及びアルコール類を含む多種多様な好適な溶媒を採用することができる。
一部の実施形態では、反応は水に混和性の溶媒と水を含む溶媒系で実施されるので、1つの方法段階で脱保護工程と単離工程を実施する選択肢を提供する。
通常、好適な温度(たとえば、室温)にて式IIの化合物が溶媒に添加され、次いで、式IIIの化合物の添加に先立って、溶液をたとえば、約10℃未満、好ましくは約−10℃〜10℃の間、たとえば、0℃の温度に冷却する。種々の技法、たとえば、TLCのようなクロマトグラフィ法によって反応の進行をモニターすることができる。通常、式IIの化合物と式IIIの化合物の間の反応は約0.5時間〜約10時間後に完了する。この時間の間に反応が完了しなければ、反応混合物を35℃〜還流、好ましくは55〜60℃の間の温度に加熱する。反応が完了すると、標準の後処理手順、たとえば、反応混合物を濾過し、残留物を蒸発させる等によって式I、又はIa、Ib、Icの化合物を反応混合物から単離することができる。所望であれば、次いで生成物を常法、たとえば、結晶化又はシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィによって精製することができる。一般に、精製に先立って脱保護工程(そのようなものが必要であれば)を実施する。一部の実施形態では、「ワンポット」法として脱保護と精製の工程を実施する。精製工程のための溶媒又は溶媒の混合物は、そのような溶媒又は溶媒の混合物から結晶化又は沈殿によって式Iの化合物の所望の多形体形態が提供されるような方法で選択され得る。
一般に、後処理は、式Ia、Ib及びIcの化合物の保護基X及びYを取り除く又は式Iの化合物を直接得るのに十分である。しかしながら、後処理条件が、式Ia、Ib及びIcの化合物のヒドロキシル保護基X及びYを取り除くのに十分ではない実施形態では、本発明の方法は保護基X及びYを取り除くさらなる工程を含む。保護基を取り除くのに有効な条件の選択は採用される具体的な保護基によって変化し、たとえば、酸若しくは塩による処理、又は中和試薬が含まれる。ヒドロキシル保護基の除去は当業者に知られるように実施される。
一部の実施形態では、式Iの化合物の収率は、約55%、60%、65%、75%、80%又は85%より大きい。
さらに、上記スキーム6で見られるように、式IIの化合物は硫酸化剤との式IVの化合物の反応によって調製することができる。幾つかの硫酸化試薬は、芳香族ヒドロキシル基を含むヒドロキシル基の硫酸化で知られる。一部の実施形態では、硫酸化試薬は安定化された形態での三酸化イオウである。一部の実施形態では、硫酸化試薬は三酸化イオウのルイス塩基との錯体である。一部の実施形態では、硫酸化試薬は三酸化イオウとアミドの錯体、たとえば、三酸化イオウとN,N−ジメチルホルムアミドの錯体である。一部の実施形態では、硫酸化試薬は三酸化イオウとアミン、たとえば、3級アミン(非環式アミン、たとえば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルフェニルアミン及びジメチルベンジルアミン;環状アミン、たとえば、1−メチルピロリジン及び1−メチルピペリジン;芳香環の環形成原子として1以上の窒素原子を有する芳香族アミン、たとえば、1−メチルイミダゾール、ピリジン及びピリミジン)の錯体である。一部の実施形態では、硫酸化試薬は三酸化イオウ/ピリジンの錯体である。三酸化イオウと3級アミンの他の錯体、たとえば、三酸化イオウとトリメチルアミンの錯体又は三酸化イオウとトリエチルアミンの錯体も硫酸化試薬として使用することができる。一部の実施形態では、硫酸化試薬は三酸化イオウと3級ホスフィン、酸化ホスフィン及びリン酸の錯体である。一部の実施形態では、硫酸化試薬は三酸化イオウと硫化ジメチル、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ニトロメタン、ジオキサン又は1,4−オキサチアンの錯体である。
一部の実施形態では、硫酸化試薬はクロロスルホン酸トリメチルシリルである。ジオキサンにおけるこの試薬のピリジンとの反応は三酸化イオウピリジン錯体を生成し、トリメチルクロロシランを遊離する。そのような混合物との式IV(X=H)の化合物の反応は式II(X=SiMe3)の化合物の自然発生的な形成又は段階的な形成を提供する。
一般に、約1:2の硫酸化試薬と式IVの化合物のモル比で硫酸化試薬が採用される。
通常、式IVの化合物と硫酸化試薬の反応は溶媒又は溶媒の混合物を含む溶媒系で実施される。上記のものを含む、好ましくは、極性の非プロトン性有機溶媒、すなわち、強い塩基性の反応物又は試薬の存在下で容易に脱プロトン化されない有機溶媒を含む多種多様な好適な溶媒を採用することができる。一部の実施形態では、反応はジオキシンを含む又はジオキシンから成る溶媒系で実施される。
式IVの化合物と硫酸化試薬の反応は一般に好都合な温度、たとえば、約20℃〜約60℃で実施される。一般に、反応温度を高めて反応の速度を加速することができる。一部の実施形態では、反応の溶媒系にて反応混合物を還流まで加熱する。通常、式IVの化合物を溶媒に溶解し、硫酸化剤をゆっくり加える。反応の進行は、種々の技法によって、たとえば、クロマトグラフィ法(好ましくはTLC)によってモニターすることができる。式IIの化合物と硫酸化試薬との間の反応は一般に約0.5時間〜約2日間の後完了する。
本明細書に記載される方法は、当該技術で既知の好適な方法に従ってモニターすることができる。たとえば、生成物の形成は、分光法、たとえば、核磁気共鳴分光法(たとえば、1H又は13C)、赤外線分光法、分光測光法(たとえば、UV−可視)若しくは質量分光測光法、又はクロマトグラフィ、たとえば、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)若しくは薄層クロマトグラフィによってモニターすることができる。
本明細書に記載される方法の反応は、大気中又は不活性雰囲気下で実施することができる。通常、空気と実質的に反応性である試薬又は生成物を含有する反応は、熟練者に周知である空気感受性の合成法を用いて実施することができる。
本明細書に記載される方法に従って化合物の調製を実施する際、通常の単離及び精製の操作、たとえば、濃縮、濾過、抽出、固相抽出、再結晶化、クロマトグラフィなどを用いて所望の生成物を単離してもよい。
方法Aのデフェラシロクス生成物は、多形体形態、擬似多形体形態又は非晶質形態又はこれらの混合物である。
方法B
本発明の別の実施形態では、本出願者らは、3つの工程(上記スキーム7)にて式(8)の化合物から工業上の規模でデフェラシロクスを調製し得る代替の新しい方法(本明細書では「方法B」とする)を開示している。以下の考察及び実施例にて該方法を詳細に記載する。
ここで原料として使用されるサリチル酸、4−ヒドラジノ安息香酸及びヘキサメチルジシラザンは市販の試薬である。
一実施形態では、本発明はデフェラシロクス中間体(3)を調製する方法に関するものであり、それは、好ましくは有機溶媒中で触媒の存在下にて塩素化試薬との反応によってサリチル酸をその塩化アシルに変換する工程を含む。
好適な塩素化試薬は、塩化チオニル、塩化オキサリル、ホスゲン、POCl3、PCl3、PCl5、塩化シアヌル、たとえば、トリフェニルホスフィンと四塩化炭素のようなトリオルガノホスフィンの組み合わせ、などであり得る。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。現在好まれる一実施形態では、塩素化剤は塩化チオニルである。
触媒は、たとえば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンのような3級アミン、N−メチルモルフォリン、ピリジン、ルチジン、DBU、DBN、DABCO、及びピコリン、好ましくはピリジン又はたとえば、DMF及びジメチルアセトアミドのようなアミドであり得る。
本発明はさらに、塩化サリチル(3)をアミド化試薬と反応させることを含む、デフェラシロクス中間体(4)を調製する方法に関する。
アミド化試薬の例には、一般式(R1R2R3Si)2NHのジシラザン及び一般式(R1R2SiNH)nのシクロシラザンが挙げられるが、これらに限定されず、式中、n=3,4であり、各R1、R2及びR3はアルキル(たとえば、C1〜C6アルキル)又はアリールである。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。
現在好まれる一実施形態では、アミド化剤はヘキサメチルジシラザンである。この反応におけるヘキサメチルジシラザンの独特の役割はシラザンの多官能性の性質による。これらはアミド化剤であることができ、塩化水素アクセプター及びOH基の保護基としても役立つことができるので、技術的な方法における問題、すなわち、腐食性で危険なHCl気体と同様にポリエステル副産物の形成を克服することができる。さらに、反応は低温で(たとえば、5〜10℃)で十分に進行することができる。
本発明の方法の一実施形態では、塩化サリチルはヘキサメチルジシラザンと反応してトリメチルシリルアミド(9)とトリメチルクロロシランを形成する。トリメチルクロロシランは化合物(9)のOH基と反応して、保護された化合物(10)を形成する一方で、HClを遊離し、それは、不溶性の固形物として不活性の塩化アンモニウムを形成するトリメチルジシラザンによって捕捉される。化合物(9)のヒドロキシル基の保護はたとえば、化合物(7)のような直鎖及び環状のポリエステルの形成を妨げることが熟考される。保護された化合物(10)の塩化サリチル(3)とのさらなる反応は保護されたアミド(11)を生じ、それは、従来の後処理によって所望のアミド(4)に変換される(スキーム8)。
Figure 2013512893
反応は好適な溶媒にて実施され、それは、たとえば、脂肪族炭化水素及びそのハロゲン化誘導体、芳香族炭化水素及びそのハロゲン化誘導体、エステル類、エーテル類、ニトリル類、ケトン類、カルボン酸アミド類、たとえば、DMF、アセトニトリル、及びこれら溶媒の好適な混合物から成る群から選択されてもよい。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。現在好まれる溶媒はヘキサン又はトルエンである。
反応は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンのような3級アミン、N−メチルモルフォリン、ピリジン、ルチジン、N−エチルピペリジン、DBU、DBN、DABCO及びピコリン、好ましくは、ピリジン、又はDMF及びジメチルアセトアミドのようなアミドの添加によって触媒されてもよい。
必要に応じて、反応は、たとえば、アルゴン又は窒素のような不活性気体の雰囲気で実施されてもよい。
通常、好適な温度(たとえば、室温)にて塩化サリチルを溶媒系に加え、この混合物を同一溶媒中のヘキサメチルジシラザンのようなアミド化剤の溶液に加える。種々の技法、たとえば、方法Aで上述されたようなクロマトグラフィ法によって反応の進行をモニターすることができる。通常、塩化サリチルとヘキサメチルジシラザンの間の反応は約2時間〜約12時間後に完了する。この時間の間に反応が完了しなければ、反応混合物を加熱して還流する。還流温度はこの反応で使用される溶媒の選択に左右される。反応が完了すると、標準の後処理手順によって、たとえば、反応混合物を濾過し、その後、濾液を蒸発させることによって生成物(4)を反応混合物から単離することができる。所望であれば、次いで常法、たとえば、結晶化又はシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィによって生成物を精製することができる。
本発明はさらに、塩化サリチルの調製の工程とそのような塩化物のヘキサメチルジシラザンとの反応の工程を「ワンポット」法で実施することができる、デフェラシロクス中間体(4)の調製方法を提供する。この場合、工程(a)で使用する溶媒は工程(b)と同一であり、たとえば、トルエンであり得る。
本発明は、アミド(4)の4−ヒドラジノ安息香酸(6)との反応を含む、デフェラシロクスの調製方法を含む。そのような反応の条件は当業者によって決定され得る。一般に、ジアシルアミンによるヒドラジンの縮合は文献[Potts, Chemical Reviews, 1961, 61(2): 87−127]で周知である。そのような反応は高温にて溶媒の非存在下で生じ、Pellizzari反応[Pellizzari, Gazztta, 1911, 41, II, 20]と呼ばれる。
本出願者らは、アミド(4)の4−ヒドラジノ安息香酸(6)との反応が酸の存在下にて溶媒中で実施され、必要とされるトリアゾール(1)を得ることができることを見つけた。そのような反応で使用される好適な溶媒には、アルコール類、エーテル類、DMF、NMP、DMSO、水又はこれら溶媒の好適な混合物が挙げられるが、これらに限定されない。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。好まれる溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール類、又は水とのその混合物であり、さらに好ましくはエタノールである。
好適な酸は、たとえば、塩酸、臭化水素酸、リン酸若しくは硫酸のような無機酸、又はたとえば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸若しくはプロピオン酸のような有機酸である。好みは酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸のような有機酸にあり、特定の好みはトリフルオロ酢酸にある。
普通の方法によって反応混合物から生成物を単離してもよく、分離手段、たとえば、結晶化又はクロマトグラフィによって不純物、副産物、混入物などという点で容易に精製することができる。
精製工程のための溶媒又は溶媒の混合物は、そのような溶媒又は溶媒の混合物からの結晶化又は沈殿によって式Iの化合物の所望の多形体形態が提供されるような方法で選択することができる。
方法Bのデフェラシロクス生成物は、多形体形態、擬似多形体形態又は非晶質形態又はこれらの混合物であり得る。
化学的定義
「アルキル」基は本明細書で使用されるとき、直鎖、分枝鎖及び環状のアルキル基(シクロアルキル)を含む飽和脂肪族炭化水素を指す。一実施形態では、アルキル基はここではC1〜C12アルキルとされる1〜12の炭素を有する。別の実施形態では、アルキル基はここではC1〜C6アルキルとされる1〜6の炭素を有する。別の実施形態では、アルキル基はここではC1〜C4アルキルとされる1〜4の炭素を有する。アルキル基は非置換であってもよく又はハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、カルボキシル、チオ及びチオアルキルを含むが、これらに限定されない1以上の基によって置換されてもよい。
「シクロアルキル」基は、非芳香族の単環式又は多環式の系を指す。一実施形態では、シクロアルキル基は3〜10の炭素原子を有する。別の実施形態では、シクロアルキル基は5〜10の炭素原子を有する。例となる単環式シクロアルキル基には、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。アルキルシクロアルキルは、本明細書で定義されるようなシクロアルキル基に結合する本明細書で定義されるようなアルキル基である。シクロアルキル基は非置換であってもよく又はアルキルについて上記で定義された置換基の1以上で置換され得る。
「アリール」基は、6〜14の環炭素原子を含有する芳香族環系を指す。アリール環は、単環、二環、三環などであり得る。アリール基の非限定例は、フェニル、1−ナフチル及び2−ナフチルを含むナフチル、などである。アリール基は非置換であってもよく又はアルキルについて上記で定義された置換基の1以上によって利用可能な炭素原子を介して置換され得る。
「シリル」基は、SiRRR基を指し、各Rは独立して上記で記載されたようなアルキル又はアリールである。
「アシル」基はC(=O)R基を指し、Rは上記で記載されたようなアルキル又はアリールである。
デフェラシロクスの新しい形態
本発明は、4−[3,5−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]安息香酸(デフェラシロクス)の新規の多形体、擬似多形体及び非晶質の形態を指向するが、それは以下の構造式(1)によって表すことができる。
Figure 2013512893
本発明はさらに、本発明の化合物の非晶質形態と同様に擬似多形体の形態と薬学上許容可能なキャリアを含む医薬組成物、及び鉄過剰症を治療することにおけるその使用を指向する。
多形体は、分子の異なった配置及び/又は配座を持つ同一化合物の2以上の固体相である。擬似多形体は、1以上の溶媒を構造に組み入れる多形体である。活性医薬化合物の異なった多形体及び擬似多形体は、たとえば、色、安定性、加工性、溶解及びさらに生体利用効率のような異なった物理的及び化学的な特性を示す。
薬物の有効成分として使用される化合物の重要な物性は、特に保存条件下での水分に対する周囲条件での安定性である。従って、薬学上活性のある化合物の種々の多形体及び擬似多形体の特定及び性状分析は、特定の溶解速度、粉砕特性、嵩密度、熱安定性又は保存可能期間を含む所望の特性を持つ薬物を得るのに非常に重要である。本発明のデフェラシロクスの形態は、吸湿性、嵩密度、水性媒体への溶解性の改善された特徴を持つ。さらに、本発明のデフェラシロクスの形態は、改善された化学的な及び固体状態の安定性を有する。従って、これらの形態は、長い間保存した場合さらに安定であり得る。
デフェラシロクス形態II
一態様によれば、本発明は、結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)を提供する。結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)は、TGAで示されたようにおよそ2.1%のH2Oを含有する。結晶性デフェラシロクス形態IIは半水和物であり、すなわち、デフェラシロクスの1分子に対してH2Oのおよそ0.5分子を含有する。
結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)は、約15.6±0.1及び24.7±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを特徴とする。一実施形態では、結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)は、約11.9±0.1、15.6±0.1、24.7±0.1及び25.6±0.1の2シータ値での回折ピークを特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)は、約10.0±0.1、10.4±0.1、11.9±0.1、13.4±0.1、13.7±0.1、15.6±0.1、17.3±0.1、17.9±0.1、19.1±0.1、20.1±0.1、22.0±0.1、22.6±0.1、22.9±0.1、24.7±0.1、25.6±0.1、26.6±0.1、27.0±0.1、27.7±0.1、29.1±0.1及び32.7±0.1度の2シータから選択される少なくとも3つのX線回折ピークを特徴とする。特定の実施形態では、結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)は、約10.0±0.1、10.4±0.1、11.9±0.1、13.4±0.1、13.7±0.1、15.6±0.1、17.3±0.1、17.9±0.1、19.1±0.1、20.1±0.1、22.0±0.1、22.6±0.1、22.9±0.1、24.7±0.1、25.6±0.1、26.6±0.1、27.0±0.1、27.7±0.1、29.1±0.1及び32.7±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを特徴とする。
特定の実施形態では、本発明は、表1で言及される回折ピークを特徴とするX線粉末回折パターンを有する結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)を提供する。
Figure 2013512893
走査:2.0/40.0/0.02/0.12(秒)、Cu(40kV,40mA),I(max)=671
ピーク:25(pts)パラボラフィルター、閾値=4.0、カットオフ=3.0%、BG=3/3.0、ピーク−トップ=頂点
他の実施形態では、結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)は図4に示すようなX線粉末回折パターンを実質的に特徴とする。一実施形態では、結晶性デフェラシロクス半水和物はさらに約53℃と約260℃にて吸熱ピークを有するDSC特性を特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクス半水和物はさらに図5に示すようなDSC特性を実質的に特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクス半水和物はさらに図6に示すようなTGA特性を実質的に特徴とする。
60℃で1時間加熱した後、結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)は形態Iに転換した。脱水工程の前と後の形態IIのXRPD及びDSCの特性はそれぞれ図7及び図8で言及される。比較のために図7及び図8で示されるのはまた、それぞれデフェラシロクス形態I(「DFX−API」)のX線回折パターン及びDSC特性である。
一実施形態では、結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)は、(a)溶解工程が好ましくは熱のもとで実施される、DMF及びDMSOから選択される溶媒にデフェラシロクス、好ましくはデフェラシロクス形態Iを溶解する工程と、反溶媒としての水を添加してデフェラシロクス形態IIを沈殿させる工程を含む方法によって調製され得る。好ましくは、溶解工程は約50℃〜約100℃の温度にて、さらに好ましくは約80℃の温度にて実施される。水の添加に先立って、デフェラシロクスのDMF又はDMSO溶液を濾過することができる。
デフェラシロクス形態V
別の態様によれば、本発明は結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)を提供する。結晶性デフェラシロクス形態Vは、TGA及びNMRによって示されたようにおよそ7.3%のDMSOを含有する。結晶性デフェラシロクス形態VはDMSO半溶媒和物であり、すなわち、デフェラシロクスの1分子に対してDMSOのおよそ0.5分子を含有する。
一実施形態では、結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)は、約25.8±0.1及び26.2±01の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)は、約13.3±0.1、16.7±0.1、25.8±0.1及び26.2±01の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)は、約6.6±0.1、10.2±0.1、10.7±0.1、13.3±0.1、14.2±0.1、15.0±0.1、15.5±0.1、16.7±0.1、17.5±0.1、17.8±0.1、19.0.0±0.1、19.7±0.1、20.4±0.1、21.6±0.1、22.6±0.1、23.2±0.1、23.9±0.1、25.2±0.1、25.8±0.1、26.2±0.1、27.3±0.1、27.7±0.1、28.5±0.1、31.2±0.1、33.5±0.1、33.8±0.1及び34.3±0.1度の2シータから選択される少なくとも3つのX線回折ピークを特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)は、約6.6±0.1、10.2±0.1、10.7±0.1、13.3±0.1、14.2±0.1、15.0±0.1、15.5±0.1、16.7±0.1、17.5±0.1、17.8±0.1、19.0.0±0.1、19.7±0.1、20.4±0.1、21.6±0.1、22.6±0.1、23.2±0.1、23.9±0.1、25.2±0.1、25.8±0.1、26.2±0.1、27.3±0.1、27.7±0.1、28.5±0.1、31.2±0.1、33.5±0.1、33.8±0.1及び34.3±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを特徴とする。
特定の実施形態では、本発明は、表2で言及される回折ピークを特徴とするX線粉末回折パターンを有する結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)を提供する。
Figure 2013512893
走査:2.0/40.0/0.02/0.12(秒)、Cu(40kV,40mA),I(max)=530.
ピーク:27(pts)パラボラフィルター、閾値=4.0、カットオフ=3.0%、BG=3/3.0、ピーク−トップ=頂点
他の実施形態では、結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)は、図21に示すようなX線粉末回折パターンを実質的に特徴とする。一実施形態では、結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物はさらに、約89℃と約260℃にて吸熱ピークを有するDSC特性を特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物はさらに、図22に示すようなDSC特性を実質的に特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物はさらに、図23に示すようなTGA特性を実質的に特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物はさらに、図24に示すようなNMRスペクトルを実質的に特徴とする。
真空で120℃にて1時間乾燥させた後、結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)は形態Iに転換した。120℃で1時間の乾燥の前と後の形態VのXRPD及びDSCの特性はそれぞれ図25及び図26で言及される。比較のために図25及び図26で示されるのはまた、それぞれデフェラシロクス形態I(「DFX−API」)のX線回折パターン及びDSC特性である。
一実施形態では、結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)は、(a)溶解工程が好ましくは熱のもとで実施される、DMSO:DMF及びDMSO:THFから選択される溶媒混合物にデフェラシロクス、好ましくはデフェラシロクス形態Iを溶解する工程と、(b)溶媒を蒸発させてデフェラシロクス形態Vを沈殿させる工程を含む方法によって調製され得る。現在好まれる実施形態では、DMSOとDMF又はDMSOとTHFの比は約1:1(v/v)である。好ましくは、溶媒蒸発工程は、約50℃〜約60℃の温度で実施される。溶媒蒸発工程に先立って、デフェラシロクスのDMSO:DMF又はDMSO:THF溶液を濾過することができる。
デフェラシロクス形態IV
別の態様によれば、本発明は結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)を提供する。結晶性デフェラシロクス形態VIはTGA及びNMRによって示されたようにおよそ10%のDMFを含有する。結晶性デフェラシロクス形態VIはDMF一溶媒和物であり、すなわち、デフェラシロクスの1分子に対してDMFのほぼ1分子を含有する。
結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)は、約9.9±0.1及び16.6±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)は、約9.9±0.1、10.6±0.1、16.6±0.1及び20.0±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、本発明は、約5.3±0.1、9.9±0.1、10.3±0.1、10.6±0.1、16.0±0.1、16.6±0.1、18.8±0.1、20.0±0.1、20.7±0.1、21.4±0.1、22.7±0.1、24.0±0.1、25.7±0.1、26.8±0.1、30.1±0.1、32.3±0.1、33.6±0.1及び33.9±0.1度の2シータから選択される少なくとも3つのX線回折ピークを特徴とする結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)を提供する。特定の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)は、約5.3±0.1、9.9±0.1、10.3±0.1、10.6±0.1、16.0±0.1、16.6±0.1、18.8±0.1、20.0±0.1、20.7±0.1、21.4±0.1、22.7±0.1、24.0±0.1、25.7±0.1、26.8±0.1、30.1±0.1、32.3±0.1、33.6±0.1及び33.9±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを特徴とする。
特定の実施形態では、本発明は、表3で言及される回折ピークを特徴とするX線粉末回折パターンを有する結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)を提供する。
Figure 2013512893
走査:2.0/40.0/0.02/0.12(秒)、Cu(40kV,40mA),I(max)=4695
ピーク:19(pts)パラボラフィルター、閾値=4.0、カットオフ=3.0%、BG=3/3.0、ピーク−トップ=頂点
他の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)は、図27に示すようなX線粉末回折パターンを実質的に特徴とする。一実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物はさらに、約117℃、約125℃及び約260℃にて吸熱ピークを有するDSC特性を特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物はさらに、図28に示すようなDSC特性を実質的に特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物はさらに、図29に示すようなTGA特性を実質的に特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物はさらに、図30に示すようなNMRスペクトルを実質的に特徴とする。
真空で120℃にて1時間乾燥させた後、結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)は形態Iに転換した。120℃で1時間の乾燥の前と後の形態VIのXRPD及びDSCの特性はそれぞれ図31及び図32で言及される。比較のために図31及び図32で示されるのはまた、それぞれデフェラシロクス形態I(「DFX−API」)のX線回折パターン及びDSC特性である。
一実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)は、(a)2−メチルTHF:DMFを含む溶媒混合物におけるデフェラシロクス、好ましくはデフェラシロクス形態Iの懸濁液を提供する工程と(b)懸濁液を攪拌する工程と(c)濾過してデフェラシロクス形態VIを提供する工程を含む方法によって調製され得る。現在好まれる実施形態では、2−メチルTHFとDMFの比は約3:1(v/v)である。様々な持続時間の間、たとえば、1〜48時間、さらに好ましくは12〜24時間、一層さらに好ましくは約24時間、懸濁液を攪拌することができる。濾過工程の後、十分な時間、たとえば、1〜24時間、たとえば、一晩、濾過ケーキを室温で又は加熱して乾燥させることができる。
非晶質デフェラシロクス
別の態様によれば、本発明は非晶質デフェラシロクスを提供するが、それは約140℃での発熱ピークと約260℃での吸熱ピークを有するDSC特性を特徴とする。特定の実施形態では、デフェラシロクスの非晶質形態はさらに図33に示すようなX線粉末回折パターンを実質的に特徴とする。他の実施形態では、デフェラシロクスの非晶質形態はさらに図34に示すようなDSC特性を実質的に特徴とする。他の実施形態では、デフェラシロクスの非晶質形態はさらに図35に示すようなTGA特性を実質的に特徴とする。
非晶質のデフェラシロクスは、(a)デフェラシロクス、好ましくはデフェラシロクス形態Iを加熱して融解する工程と(b)非晶質デフェラシロクスを提供できるように工程(a)で得られた融解デフェラシロクスを急速に冷却する工程を含む方法によって調製され得る。好ましくは、加熱工程は真空下で実施され、沈殿方法は急速冷却によって制御される。
160℃で5分間加熱した後、非晶質のデフェラシロクスは形態Iに転換した。このことは、DSC特性における発熱ピークが非晶質形態から形態Iへの形質転換によるものであり、吸熱ピークが形態Iの融解事象であることを示した。160℃での乾燥の前と後の非晶質のデフェラシロクスのXRPD及びDSCの特性はそれぞれ図36及び図37で言及される。比較のために図36及び図37で示されるのはまた、それぞれデフェラシロクス形態I(「DFX−API」)のX線回折パターン及びDSC特性である。
デフェラシロクス形態III
本発明はさらに、結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物(形態III)を調製する方法を提供する。結晶性デフェラシロクス形態IIIは、TGA及びNMRによって示されたようにおよそ12%のDMFを含有する。結晶性デフェラシロクス形態IIIは、DMF半溶媒和物であり、すなわち、デフェラシロクスの1分子に対してDMFのおよそ0.5分子を含有する。DMF半溶媒和物(形態III)も本発明によって熟考される。
一実施形態では、デフェラシロクスのDMF半溶媒和物(形態III)は、約9.8±0.1及び16.5±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物(形態III)はさらに、約22.4±0.1及び23.8±0.1の2シータ値での回折ピークを特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物(形態III)は、約2.9±0.1、9.1±0.1、9.8±0.1、10.1±0.1、10.5±0.1、11.6±0.1、12.5±0.1、14.4±0.1、14.8±0.1、15.4±0.1、15.8±0.1、16.5±0.1、17.5±0.1、18.0±0.1、18.7±0.1、19.8±0.1、20.5±0.1、21.4±0.1、22.4±0.1、23.1±0.1、23.8±0.1、24.3±0.1、25.0±0.1、25.6±0.1、26.6±0.1、28.0±0.1、31.1±0.1、32.1±0.1、33.5±、36.0±0.1及び36.8±0.1の2シータ値にて少なくとも3つの回折ピークを持つX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物(形態III)は、約2.9±0.1、9.1±0.1、9.8±0.1、10.1±0.1、10.5±0.1、11.6±0.1、12.5±0.1、14.4±0.1、14.8±0.1、15.4±0.1、15.8±0.1、16.5±0.1、17.5±0.1、18.0±0.1、18.7±0.1、19.8±0.1、20.5±0.1、21.4±0.1、22.4±0.1、23.1±0.1、23.8±0.1、24.3±0.1、25.0±0.1、25.6±0.1、26.6±0.1、28.0±0.1、31.1±0.1、32.1±0.1、33.5±、36.0±0.1及び36.8±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを特徴とする。
特定の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物(形態III)は表4で言及される回折ピークを特徴とするX線粉末回折パターンを特徴とする。
Figure 2013512893
走査:2.0/40.0/0.02/0.12(秒)、Cu(40kV,40mA),I(max)=1136
ピーク:21(pts)パラボラフィルター、閾値=4.0、カットオフ=3.0%、BG=3/3.0、ピーク−トップ=頂点
別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物は図9で示すようなX線回折パターンを実質的に特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物は図10で言及されるようなDSC特性を実質的に特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物は約114℃と約260℃で吸熱ピークを有するDSC特性を特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物は図11で言及されるようなTGA特性を実質的に特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物は図12で言及されるようなNMRスペクトルを実質的に特徴とする。
120℃で1時間乾燥させた後、結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物(形態III)は形態Iに転換した。120℃で1時間の乾燥の前と後の形態IIIのXRPD及びDSCの特性はそれぞれ図13及び図14で言及される。比較のために示されるのはまた、デフェラシロクス形態IのX線回折パターンである。
結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物(形態III)は、(a)DMFにおけるデフェラシロクス、好ましくはデフェラシロクス形態Iの懸濁液を提供する工程と(b)懸濁液を攪拌する工程と(c)濾過してデフェラシロクス形態IIIを提供する工程を含む方法によって調製され得る。様々な持続時間の間、たとえば、1〜48時間、さらに好ましくは12〜24時間、一層さらに好ましくは約24時間、懸濁液を攪拌することができる。濾過工程の後、十分な時間、たとえば、1〜24時間、たとえば、一晩、濾過ケーキを室温で又は加熱して乾燥させることができる。
或いは、結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物(形態III)は、(a)溶解工程が好ましくは熱のもとで行われる、DMF:1,4−ジオキサン、DMF:THF、DMF:EtOH及びDMF:EtOAcから選択される溶媒混合物にデフェラシロクス、好ましくはデフェラシロクス形態Iを溶解する工程と、(b)溶媒を蒸発させてデフェラシロクス形態IIIを沈殿させる工程を含む方法によって調製され得る。現在好まれる実施形態では、DMFと1,4−ジオキサン、THF、EtOH又はEtOAcの比は約1:1(v/v)である。好ましくは、溶媒の蒸発工程は約50℃〜約60℃の温度で実施される。溶媒の蒸発工程に先立って、DMF:1,4−ジオキサン、DMF:THF、DMF:EtOH又はDMF:EtOAcにおけるデフェラシロクスの溶液を濾過することができる。
デフェラシロクス形態IV
本発明はさらに、結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物(形態IV)を調製する方法を提供する。結晶性デフェラシロクス形態IVはTGA及びNMRによって示されたようにおよそ16%のDMSOを含有する。結晶性デフェラシロクス形態IVはTHF一溶媒和物であり、すなわち、デフェラシロクスの1分子に対してTHFのほぼ1分子を含有する。THF一溶媒和物(形態IV)も本発明によって熟考される。
一実施形態では、結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物(形態IV)は、約19.8±0.1及び24.2±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、デフェラシロクスのTHF一溶媒和物はさらに、約15.2±0.1及び20.1±0.1の2シータ値での回折ピークを特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物(形態IV)は、約6.8±0.1、10.0±0.1、10.6±0.1、11.8±0.1、13.5±0.1、15.2±0.1、16.6±0.1、17.7±0.1、19.2±0.1、19.8±0.1、20.1±0.1、20.8±0.1、21.9±0.1、22.4±0.1、24.2±0.1、24.7±0.1、25.6±0.1、26.0±0.1、27.4±0.1、28.3±0.1、29.4±0.1、31.1±0.1、34.4±0.1、37.6±0.1、38.4±0.1及び38.8±0.1の2シータ値にて少なくとも3つの回折ピークを持つX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物(形態IV)は、約6.8±0.1、10.0±0.1、10.6±0.1、11.8±0.1、13.5±0.1、15.2±0.1、16.6±0.1、17.7±0.1、19.2±0.1、19.8±0.1、20.1±0.1、20.8±0.1、21.9±0.1、22.4±0.1、24.2±0.1、24.7±0.1、25.6±0.1、26.0±0.1、27.4±0.1、28.3±0.1、29.4±0.1、31.1±0.1、34.4±0.1、37.6±0.1、38.4±0.1及び38.8±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを特徴とする。
特定の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物(形態IV)は、表5で言及される回折ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする。
Figure 2013512893
走査:2.0/40.0/0.02/0.12(秒)、Cu(40kV,40mA),I(max)=597
ピーク:27(pts)パラボラフィルター、閾値=2.0、カットオフ=4.0%、BG=1/2.0、ピーク−トップ=頂点
別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物は図15で示すようなX線回折パターンを実質的に特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物は図16で言及されるようなDSC特性を実質的に特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物は約97℃と約260℃にて吸熱ピークを有するDSC特性を特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物は図17で言及されるようなTGA特性を実質的に特徴とする。別の実施形態では、結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物は図18で言及されるようなNMRスペクトルを実質的に特徴とする。
120℃で1時間乾燥させた後、結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物(形態IV)は形態Iに転換した。120℃で1時間の乾燥の前と後の形態IVのXRPD及びDSCの特性はそれぞれ図19及び図20で言及される。比較のために図19及び図20で示されるのはまた、それぞれデフェラシロクス形態IのX線回折パターンとDSC特性である。
結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物(形態IV)は、(a)THFにおけるデフェラシロクス、好ましくはデフェラシロクス形態Iの懸濁液を提供する工程と(b)懸濁液を攪拌する工程と(c)濾過してデフェラシロクス形態IVを提供する工程を含む方法によって調製され得る。様々な持続時間の間、たとえば、1〜48時間、さらに好ましくは12〜24時間、一層さらに好ましくは約24時間、懸濁液を攪拌することができる。濾過工程の後、十分な時間、たとえば、1〜24時間、たとえば、一晩、濾過ケーキを室温で又は加熱して乾燥させることができる。
或いは、結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物(形態IV)は、(a)溶解工程が好ましくは熱のもとで実施される、THF:MEK及びTHF:アセトンから選択される溶媒混合物にデフェラシロクス、好ましくはデフェラシロクス形態Iを溶解する工程と(b)溶媒を蒸発させてデフェラシロクス形態IVを沈殿させる工程を含む方法によって調製され得る。現在好まれる実施形態では、THFとMEK又はTHFとアセトンの比は約1:1(v/v)である。好ましくは、溶媒の蒸発工程は約50℃〜約60℃の温度で実施される。溶媒の蒸発工程に先立って、THF:MEK又はTHF:アセトンにおけるデフェラシロクスの溶液を濾過することができる。
デフェラシロクス形態I
上記で言及したように、IPCOM000 146862Dは形態Iとされるデフェラシロクスの結晶性形態を記載している。一実施形態では、形態Iは約13.2、14.1及び16.6±0.2度の2シータでピークを有するX線粉末回折を特徴とする。形態Iはさらに、約6.6、10.0、10.6、20.3、23.1、25.7及び26.2±0.2度の2シータでピークを有するX線粉末回折及び図1に示されるX線粉末回折パターンを特徴とする。形態Iはまた、図2で言及されるDSC特性及び図3で言及されるTGA特性を特徴とし得る。
さらに別の実施形態では、本発明は、図1に示すようなX線回折パターンを実質的に特徴とする結晶性デフェラシロクス形態Iの調製方法を提供する。方法は、これら形態が本明細書で記載されるとして、結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)、結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)、結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)及び非晶質デフェラシロクス及び結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物(形態III)から成る群から選択されるデフェラシロクスを乾燥させる工程を含み、その際、乾燥はほぼ室温〜約160℃の温度にて実施される。一実施形態では、方法は約120℃の温度にて実施される。別の実施形態では、乾燥は約60℃で実施される。
デフェラシロクスの新規形態を調製するために本明細書で言及される方法は、事実上例となるものであり、当業者に知られるように変化してもよい。従って、本発明の結晶性の擬似多形体は新規の非晶質形態と同様に、たとえば、好適な溶媒からの結晶化/沈殿又は再結晶化、昇華、融解物からの成長、別の相からの固体状態の転換、超臨界流体からの結晶化/沈殿、及びジェットスプレーを含む種々の方法によって調製することができる。溶媒混合物からの結晶性形態の結晶化又は再結晶化のための技法には、たとえば、溶媒の蒸発、溶媒混合物の温度の降下、分子及び/又は塩の過飽和溶媒混合物の結晶播種、溶媒混合物の凍結乾燥、及び溶媒混合物への反溶媒(カウンター溶媒)の添加が挙げられる。用語「反溶媒」は本明細書で使用されるとき、化合物が低い溶解度を有する溶媒を指す。水は、本発明の文脈で使用される反溶媒の例となる及び非限定の例である。
結晶を調製するための好適な溶媒及び反溶媒には、極性溶媒及び非極性溶媒が挙げられる。溶媒(単数)又は溶媒(複数)の選択は通常、そのような溶媒における化合物の溶解度、結晶化の技法、及び溶媒の蒸気圧を含む1以上の因子に左右される。溶媒の組み合わせが採用されてもよく;化合物を第1の溶媒に溶解し、次いで反溶媒を添加し、溶液中でのその化合物の溶解度を低下させて結晶化を誘導してもよい。好適な溶媒には、極性の非プロトン性溶媒及び極性のプロトン性溶媒及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な極性の非プロトン性溶媒の特定の例には、アセトニトリル(ACN)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルTHF(2−MeTHF)、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチル−t−ブチルケトン(MTBE)、ジクロロメタン(CH2Cl2)、アセトン、酢酸エチル(EtOAc)、酢酸イソプロピル(oPrOAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、トルエン、1,4−ジオキサン、ヘプタン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な極性のプロトン性溶媒の例には、メタノール(MeOH)、エタノール(EtOH)、イソプロパノール(IPA)、1−ブタノール、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
種晶を結晶化混合物に加えて当該技術で既知のように結晶化を促進してもよい。或いは、結晶性形態は、当業者に既知であるもののような蒸留又は溶媒添加の技法によって得てもよい。この目的に好適な溶媒には、たとえば、アルコール類(たとえば、メタノール、エタノール及びイソプロパノール)のようなプロトン性極性溶媒、非プロトン性極性溶媒(上記で列記したものを含む)及びケトン(たとえば、アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン)を含む、本明細書に記載されるそれら溶媒のいずれかが挙げられる。
本発明の多形体、擬似多形体及び非晶質のデフェラシロクスの形態のそれぞれを調製するのに使用される例となる方法が本明細書で提供される。
「溶液からの結晶化」の方法には、濃縮法、減速冷却法、反応法(拡散法、電解法)、水熱成長法、融合剤法などが挙げられるが、これらに限定されない。溶液は過飽和溶液であることができ、任意で溶媒の沸点を下回る温度に加熱され得る。固体状態の形態の回収は、たとえば、懸濁液を濾過し、乾燥させることによって行われ得る。
特に、本発明のデフェラシロクスの形態は当該技術で周知であるようにスラリー法によって調製することができる。異なった溶媒又は溶媒の混合物における有効成分の懸濁液を調製し、長い間隔(通常24時間)で振盪する。室温で蒸発させることが可能である異なった溶媒又は溶媒の混合物における飽和溶液からの減速した又は急速な沈殿を用いて本発明のデフェラシロクスの形態を調製することができる。或いは、飽和溶液を加熱し、その後冷却して当該技術で既知であるように沈殿を誘導することができる。
本発明によって熟考されるのはまた、異なった溶媒又は溶媒の混合物における有効成分の飽和溶液に反溶媒を添加して沈殿を誘導する反溶媒沈殿の方法である。
当該技術で既知であるように種々の力を用いて有効成分を圧縮する高圧技法も本発明の範囲内である。
医薬組成物及び治療上の使用
デフェラシロクスの新規の形態は鉄過剰症の治療に有用である。従って本発明は、有効成分としての本明細書で開示されるデフェラシロクス多形体及び擬似多形体(すなわち、形態I、II、III、IV、V、及びVI、好ましくは形態II、形態V又は形態VI)、又は本明細書で開示される非晶質デフェラシロクスと、薬学上許容可能なキャリアを含む医薬組成物を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、有効成分としての本発明のデフェラシロクス形態のいずれか1つ、たとえば、結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)、結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)、結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)又は非晶質デフェラシロクスと、薬学上許容可能なキャリアを含む医薬組成物を提供する。
本発明の固体状態の多形体は経口で又は非経口で(たとえば、局所、直腸)安全に投与することができる。医薬組成物は、錠剤(糖衣錠、発泡性錠剤及びフィルム被覆錠剤を含む)、粉剤、顆粒剤、カプセル剤(軟質カプセル剤を含む)、経口崩壊錠剤及び当該技術で周知であるような徐放性製剤として製剤化することができる。
本発明の医薬組成物を製造するのに使用され得る薬学上許容可能なキャリアには、賦形剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤、水溶性ポリマー及び塩基性無機塩を含むが、これらに限定されない種々の有機キャリア又は無機キャリアが挙げられる。医薬組成物はさらに、たとえば、保存剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、酸味剤、発泡剤及び香味剤のような、しかしこれらに限定されない添加剤を含み得る。
好適な賦形剤には、たとえば、ラクトース、スクロース、D−マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶性セルロース、軽質無水ケイ酸、及び酸化チタンが挙げられる。好適な潤滑剤には、たとえば、ステアリン酸マグネシウム、スクロース脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、タルク及びステアリン酸が挙げられる。好適な結合剤には、たとえば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶性セルロース、α−デンプン、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム粉末、ゼラチン、プルラン及び低置換ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。好適な崩壊剤には、たとえば、架橋ポビドン(ポリビニルピロリドン(PVPP)及び1−ビニル−2−ピロリドンのホモポリマーを含む架橋された1−エテニル−2−ピロリドンホモポリマー)、架橋されたセルメロースナトリウム、セルメロースカルシウム、カルボキシメチルデンプンナトリウム、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチなどが挙げられる。好適な水溶性ポリマーには、たとえば、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースのようなセルロース誘導体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、アルギンン酸ナトリウム、グアーゴムなどが挙げられる。好適な塩基性無機塩には、たとえば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム及び/又はカルシウムの塩基性無機塩が挙げられる。特定の実施形態は、マグネシウム及び/又はカルシウムの塩基性無機塩を含む。ナトリウムの塩基性無機塩には、たとえば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム等が挙げられる。カリウムの塩基性無機塩には、たとえば、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。マグネシウムの塩基性無機塩には、たとえば、重質炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、合成ハイドロタルサイト、水酸化アルミナマグネシウム等が挙げられる。カルシウムの塩基性無機塩には、たとえば、沈殿した炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。
好適な保存剤には、たとえば、安息香酸ナトリウム、安息香酸、及びソルビン酸が挙げられる。好適な抗酸化剤には、たとえば、亜硫酸塩、アスコルビン酸、及びα−トコフェロールが挙げられる。好適な着色剤には、たとえば、食品着色剤黄色5番、食品着色剤赤色2番及び食品着色剤青色2番などのような食品着色剤が挙げられる。好適な甘味剤には、たとえば、サッカリンナトリウム、グリシルレチン酸二カリウム、アスパルテーム、ステビア及びタウマチンが挙げられる。好適な酸味剤には、たとえば、クエン酸(無水クエン酸)、酒石酸及びリンゴ酸が挙げられる。好適な発泡剤には、たとえば、重炭酸ナトリウムが挙げられる。好適な香味剤には、たとえば、レモン、ライム、オレンジ、メントール及びイチゴを含む合成物質又は天然に存在する物質が挙げられる。
本発明の固体形態は、錠剤、カプセル剤、丸薬、糖衣錠、粉剤、顆粒剤などの形態で経口投与するのに特に好適である。錠剤は、当該技術で既知であるように任意で1以上の賦形剤と共に圧縮する又は成形することによって作製され得る。具体的には、成形された錠剤は、不活性の液体希釈剤によって湿らせた粉体化有効物質の混合物を好適な機械にて成形することによって作製され得る。
本明細書に記載される医薬組成物の錠剤又はそのほかの固形投与形態は任意で、当該技術で周知である腸溶コーティング及びそのほかのコーティングのようなコーティング及びシェルと共に得られてもよく又は調製されてもよい。たとえば、所望の放出特性を提供するように様々な比率でのヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いて、そのほかのポリマーマトリクス等を用いてその中の有効成分の減速放出又は制御放出を提供できるようにもそれらを製剤化してもよい。有効成分はまた、適宜、上述の賦形剤を伴ったマイクロカプセル化した形態であることもできる。
本発明は、本発明のデフェラシロクスの形態を用いた、たとえば、複数回の輸血による慢性鉄過剰症を治療する方法を提供する。
種々の実施形態では、本発明は、有効成分としての本発明のデフェラシロクスの形態のいずれか1つと、薬学上許容可能なキャリアを含む、鉄過剰症を治療するのに使用するための医薬組成物を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、それを必要とする対象に、本発明のデフェラシロクスの形態のいずれか1つ、たとえば、結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)、結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)、結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)、又は非晶質デフェラシロクスを含む有効量の組成物を投与することを含む、たとえば、複数回の輸血による慢性鉄過剰症を治療する方法を提供する。
追加の実施形態では、本発明は、鉄過剰症を治療するために薬物を調製するための本発明のデフェラシロクスの形態のいずれか1つの使用を提供する。追加の実施形態では、本発明は、鉄過剰症を治療するための本発明のデフェラシロクスの形態のいずれか1つの使用を提供する。
本明細書に記載されるそのほかの多形体形態(すなわち、形態I、形態III(DMF半溶媒和物)又は形態IV(THF一溶媒和物)も本発明の医薬組成物及び方法で使用することができる。
具体的な実施形態では、対象は哺乳類、特にヒトである。本発明の治療方法から恩恵を受けることが期待される患者集団には、定期的な赤血球輸血を必要とすることが多い、サラセミア又は鎌状赤血球貧血のような慢性の貧血を有する者が挙げられる。従って、本発明の新規のデフェラシロクスの形態は、輸血依存性の慢性鉄過剰症又は鉄過剰症を特徴とするそのほかの障害(たとえば、消化管からの鉄の高い取り込み後)を治療するのに有用である。本発明のデフェラシロクスの形態はまた、生体組織におけるほかの金属、特に3価の金属の過剰(たとえば、アルツハイマー病と同様に透析脳症及び骨軟化症におけるアルミニウムの過剰)に関連する障害を治療するのにも有用である。
「有効量」又は代わりに「治療上有効な量」は本明細書で使用されるとき、対象への単回又は複数回の投与の際、対象に治療上の利益を提供するのに有効である剤の量を指す。一実施形態では、治療上の利益は輸血依存性の慢性鉄過剰症の治療である。
本発明の原理は以下の非限定の実施例によって明らかにされる。
実施例
具体的な実施例を手段として本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例は説明目的のために提供され、いかなる方法においても本発明を限定することを意図するものではない。当業者は変更し、又は修正して本質的に同様の結果を得ることができる種々の重要ではないパラメータを容易に認識するであろう。
特に言及されない限り、実施例で使用される材料は市販の供給者から容易に得られたか、又は化学合成の当業者に既知の常法によって合成された。各工程の後処理は通常の方法によって適用することができ、その際、単離及び精製は必要に応じて、たとえば、結晶化、再結晶化、蒸留、区画化、シリカゲルクロマトグラフィ、分取用HPLCなどのような従来の方法を選択する又は組み合わせることによって実施する。
実施例1:方法A
o−トリメチルシロキシベンゾニトリル(IV、X=SiMe3)は、英国特許GB1330265又はTetrahedron Letters,1986,27(3):347−348に記載されたように調製した。
2−(メトキシメチル)オキシベンゾニトリル(IV、X=MOM)は、Tetrahedron,2003,59:5831−5836に従って調製した。
2−アセトキシベンゾニトリル(IV、X=Ac)は、Bulletin de la Societe Chimique de France,1958,185−187に記載されたように調製した。
式IIの化合物の典型的な調製
不活性雰囲気下にて冷却し、攪拌しながら、0〜3℃で75mLのジクロロエタン中のジオキサン17.6g(0.2モル)を16.0g(0.2モル)の三酸化イオウで処理してジオキサン三酸化イオウ錯体のスラリーを得た。次いで100mLのジクロロエタン中のニトリルIV(0.4モル)を反応混合物に加え、温度をゆっくり室温に高めた。TLCによって反応のモニターを行った。反応の完了後、固形物を濾別し、ジクロロエタンで洗浄し、真空で乾燥させた。母液の蒸発によって一般に追加の半固形物塊が得られるが、静置してそれを結晶化する。収率は78〜95%である。
化合物I(デフェラシロクス)の調製
4−ヒドラジノ安息香酸エチルエステル(0.3モル)の150mL無水エタノール溶液に0.2モルの化合物II(X=SiMe3)を加えた。TLCのモニターのもとで室温にて混合物を攪拌した。反応の完了の後、若干の揺らぎ(すなわち、沈殿の最初の兆候)が認められるまで水を加えた。減圧下で50%の総容量まで混合物を濃縮し、6MのHCl水溶液(70mL)を加えた。TLC解析によって保護基の完全な脱保護とデフェラシロクスの形成が示されるまで混合物を攪拌した。得られた固形物を濾過し、エタノール/水の混合物で洗浄し、真空で24時間乾燥させた(収率85%)。固形物を静置して大気にさらし、一水和物を形成した。
実施例2:方法B
塩化サリチロイルの調製
サリチル酸(5.0g、36.2ミリモル)を無水ヘキサン(40mL)の懸濁し、窒素雰囲気下で塩化チオニル(4.52g、38ミリモル)を加え、次いでピリジン一滴を加えた。攪拌しながら混合物を2時間還流した。透明な黄色の溶液を冷却し、真空で濃縮して次の工程で使用する濃厚な油を得た。
2−ヒドロキシ−N−(2−ヒドロキシベンゾイル)ベンズアミド[ジ(サリチル)イミド](4)の調製
6塩化サリチル+5(Me3Si)2NH→3ジ(サリチル)イミド+4Me3SiCl+2NH4Cl
前に調製した塩化サリチルを無水トルエン(10mL)に溶解し、ヘキサメチルジシラザン(4.954g、30.8ミリモル)の無水トルエン(20mL)溶液に一滴ずつ加えた。窒素雰囲気下、0〜10℃にて1時間、混合物を攪拌した。次いで混合物を濾過し、減圧下で濾液を濃縮した。残留物にエタノールを加え、反応混合物を還流した。冷却した後、沈殿物を濾過し、真空で乾燥させて、収率50%にて白〜白っぽい固形物を得た。母液からの分離によって全体の収率75%にて追加の量の化合物(4)を得た。
m.p.197−199°;lit.m.p.188−190°[J.Chem.Soc.,1958,23,893−896]
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6):δ:7.831(dd,J=7.5,2Hz,1H),7.745(td,J=7.5,1.5Hz,1H),7.388(s,1H),7.286(s,1H),7.184(s,1H),7.077(d,J=8.5Hz,1H),6.975(t,J=7.5Hz1H)
ESIMS(+):[M+H]=257.9;ESIMS(−):[M−H]=256.1
4−[3,5−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1,2,4−トリアゾール−1−イル]安息香酸(デフェラシロクス)の調製
ジサリチルイミド(4)(3.7g、14.32ミリモル)と4−ヒドラジノ安息香酸(2.6g、17.14ミリモル)をエタノール(50mL)に懸濁し、HPLCによって反応の進行をモニターしながら、ほとんどの試薬が溶解するまで(6%v/v)TFAを少しずつ加えながら、還流した。4時間後、出発材料は存在しなかった。混合物を冷却し、濃縮した。冷却した後、沈殿物を濾過した。エタノール/水から固形物を再結晶化し、濾過し、エタノール/水混合物で洗浄し、真空で24時間乾燥させて85%の収率にて所望の化合物を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ:6.87(d,J=8.4Hz,1H),7.045−6.97(m,3H),7.24(m,2H),7.405(qd,J=7.6,1.6Hz,2H),7.558(d,J=10Hz,3H),7.98(d,J=8.4Hz,2H),8.059(dd,J=7.6,2Hz,1H),10.059(s,OH),10.812(s,OH)
EI−MS:C21H15N3O4、計算値MW373.11,観察値m/z373.11
解析.C21H15N3O4(373.36):計算値C,67.56;H,4.05;N,11.25;観察値:C,67.48;H,4.0;N,10.98.
実施例3:デフェラシロクス多形体の一般的な調製方法
1.試薬
アセトニトリル,HPLC等級,Sigma,LotNo.07278PH
エタノール,HPLC等級,Sigma,LotNo.11085CH
DMSO,HPLC等級,Sigma,LotNo.05737BH
二塩化メタン,Alfa Aesar,HPLC等級,LotNo.C27S008
メタノール,AR,SCRC、LotNo.T20090912
エタノールアセトン,AR,Yixing Secondary Chemical Company,LotNo.090607
MIBK,AR,SCRC,LotNo.T20080411
イソプロピルアルコール,AR,Sinopharm Chemical Reagent Co.Ltd,LotNo.T20090813
アセトン,AR,Sinopharm Chemical Reagent Co.Ltd,LotNo.090104
トルエン,AR,SCRC,LotNo.T20090603
tert−ブチルメチルエーテル,HPLC等級,Fluka,LotNo.1359496
THF,AR,Yixing Secondary Chemical,LotNo.090901
1−ブタノール,AR,SCRC,LotNo.T20080818
MEK,AR,SCRC,LotNo.T20090724
iPrOAc,AR,Shanghai Experimental Reagent Company,LotNo.20080410
2−Me−THF,AR,Shanghai Jiachen Chemical Reagent Co.Ltd,LotNo.090323
ヘプタン,HPLC等級,Sigma−Aldrich,LotNo.05442LH
N−メチルピロリドン,HPLC等級,Sigma−Aldrich,LotNo.S86863−279
2.機器
Sartorius CP 225Dはかり
ELGA水精製装置
Mettler Toledo DSC 1
Mettler Toledo TGA/DSC 1
Rigaku D/MAX 2200 X−線粉末回折計
Thermo Nicolet 380 FT−IR
NMR Varian 400
Nikon LV100偏光光学顕微鏡
3.XRPD、DSC、TGA及び顕微鏡の方法
3.1.XRPD法
試験で使用したXRPD法の詳細を以下に言及する。
−X線発生器:Cu,kα,(λ=1.54056A).
−チューブ電圧:40kV,チューブ電流:40mA.
−DivSlit:1度
−DivH.L.Slit:10mm
−SctSlit:1度
−RecSlit:0.15mm
−単色光分光器:固定単色光分光器
−走査、傾き:2−40度
−走査、段階:10度/分
3.2.DSC及びTGAの方法
試験で使用したDSC法の詳細を以下に言及する。
−10℃/分で30℃から350℃まで加熱
試験で使用したTGA法の詳細を以下に言及する。
−10℃/分で30℃から380℃まで加熱
4.デフェラシロクス形態Iの性状分析
デフェラシロクスの形態IをXRPD、DSC(ピンホール付のアルミニウム皿にデフェラシロクスを入れた)及びTGAによって性状分析した。結果はそれぞれ図1〜図3に示す。
5.一般の調製方法
5a.一般法I:スラリー法
異なった溶媒又は混合溶媒におけるデフェラシロクス(形態I)の懸濁液を調製し、24時間振盪を保った。懸濁液を濾過し、濾過ケーキを室温で一晩乾燥させ、XRPDで検査した。以下の実施例で言及するように幾つかの結晶形態、すなわち、形態III、IV及びVIが見出された。
5b.一般法II:溶媒蒸発法
異なった溶媒中のデフェラシロクスの形態Iの溶液を調製し、0.22μmのフィルターで清浄な容器に濾過した。50℃又は60℃で溶媒を蒸発させ、結晶を形成した。形成した結晶をXRPDによって検査した。以下の実施例で言及するように幾つかの結晶形態、すなわち、形態III、IV及びVが見出された。
5c.一般法III:反溶媒沈殿
80℃にて種々の溶媒にデフェラシロクスの形態Iを溶解して飽和溶液を調製した。0.22μmの微細多孔性フィルムで溶液を濾過し、透明な溶液を得た。次いで種々の量の反溶媒を加え(反応を25℃又は80℃に保持して)結晶を沈殿させた。形成された結晶を湿ったケーキとしてXRPDによって解析した。以下の実施例で言及するように、この方法によって形態IIが特定された。
5d.一般法IV:熱的な加熱/冷却
真空下でデフェラシロクスの形態Iを加熱して融解し、速く又はゆっくりそれを冷却することによって融解化合物の結晶化を制御した。形成された結晶をXRPDによって検査した。以下の実施例で言及するように、この方法によって非晶質のデフェラシロクスが特定された。
実施例4:デフェラシロクス形態II(一般法III)
一般法IIIを実施した。こうして、およそ100mgのデフェラシロクス形態Iを80℃にてDMSO又はDMFに溶解して飽和溶液を調製した。0.22μmの微細多孔性フィルムで溶液を濾過して透明な溶液を得た。次いで10mLの水を加えて結晶を析出させ、それをデフェラシロクス形態IIとして特定した。
形態IIはDSC特性にて2つの吸熱ピーク(約53℃と約260℃)を示し、TGAによって示されたようにおよそ2.1%のH2Oを含有した。
XRPD、DSC、TGA及びNMRによって検査した後、形態IIをさらに加熱して(たとえば、60℃で1時間)乾燥させた。脱水工程に続いて形態IIのXRPD及びDSCを再検査した。乾燥の際、形態IIは形態Iに転換したが、それは、形態IIが半水和物であることを示した。
図4は、デフェラシロクスの結晶性形態IIの特徴的なX線回折パターンを示す。図5は、デフェラシロクスの結晶性形態IIの特徴的なDSC特性を示す。図6は、デフェラシロクス形態IIの結晶性形態IIの特徴的なTGA特性を示す。図7は、60℃で乾燥させる前後のデフェラシロクスの結晶性形態IIの特徴的なX線回折パターンを示す(比較のために示すのはデフェラシロクス形態IのX線回折パターンである)。図8は、60℃で乾燥させる前後のデフェラシロクスの結晶性形態IIの特徴的なDSC特性を示す(比較のために示すのはデフェラシロクス形態IのDSC特性である)。
実施例5:デフェラシロクス形態III(一般法I及びII)
一般法Iを実施した。デフェラシロクス形態IのDMF懸濁液を調製し、24時間振盪を保った。懸濁液を濾過し、濾過ケーキを室温で一晩乾燥させ、次いでXRPDによって検査した。
或いは、一般法IIを実施した。DMF:1,4−ジオキサン(1:1、v/v)、DMF:THF(1:1、v/v)、DMF:EtOH(1:1、v/v)又は「DMF:EtOAc(1:1、v/v)におけるデフェラシロクス形態Iの懸濁液を調製し、0.22μmのフィルターで清浄な容器に濾過した。溶媒を50℃又は60℃で蒸発させてデフェラシロクス形態IIIの結晶を形成した。
形態IIIはDSC特性にて2つの吸熱ピーク(約114℃と約260℃)を示し、TGA及びNMRによって示されたようにおよそ12%のDMFを含有した。
XRPD、DSC、TGA及びNMRによって検査した後、形態IIIをさらに120℃で乾燥させた。XRPD及びDSCを再び検査した。真空下120℃で1時間加熱した後、形態IIIは形態Iに転換したが、それは、形態IIIがDMF半溶媒和物であることを示した。
図9は、デフェラシロクスの結晶性形態IIIの特徴的なX線回折パターンを示す。図10は、デフェラシロクスの結晶性形態IIIの特徴的なDSC特性を示す。図11は、デフェラシロクスの結晶性形態IIIの特徴的なTGA特性を示す。図12は、デフェラシロクスの結晶性形態IIIの特徴的なNMR特性を示す。図13は、120℃で1時間乾燥させる前後のデフェラシロクスの結晶性形態IIIの特徴的なX線回折パターンを示す(比較のために示すのはデフェラシロクス形態IのX線回折パターンである)。図14は、120℃で1時間乾燥させる前後のデフェラシロクスの結晶性形態IIIの特徴的なDSC特性を示す(比較のために示すのはデフェラシロクス形態IのDSC特性である)。
実施例6:デフェラシロクスIV(一般法I及びII)
一般法Iを実施した。デフェラシロクス形態IのTHF懸濁液を調製し、24時間振盪を保った。懸濁液を濾過し、濾過ケーキを室温で一晩乾燥させ、XRPDによって検査した。
或いは、上述のように一般法IIを実施した。THF:MEK(1:1、v/v)又はTHF:アセトン(1:1、v/v)におけるデフェラシロクス形態Iの懸濁液を調製し、0.22μmのフィルターで清浄な容器に濾過した。溶媒を50℃又は60℃で蒸発させてデフェラシロクス形態IVの結晶を形成した。
形態IVはDSC特性にて2つの吸熱ピーク(約97℃と約260℃)を示し、TGA及びNMRによって示されたようにおよそ16%のDMSOを含有した。
真空下120℃で1時間加熱した後、形態IVは形態Iに転換したが、それは、形態IVがTHF一溶媒和物であることを示した。
図15は、デフェラシロクスの結晶性形態IVの特徴的なX線回折パターンを示す。図16は、デフェラシロクスの結晶性形態IVの特徴的なDSC特性を示す。図17は、デフェラシロクスの結晶性形態IVの特徴的なTGA特性を示す。図18は、デフェラシロクスの結晶性形態IVの特徴的なNMR特性を示す。図19は、120℃で1時間乾燥させる前後のデフェラシロクスの結晶性形態IVの特徴的なX線回折パターンを示す(比較のために示すのはデフェラシロクス形態IのX線回折パターンである)。図20は、120℃で1時間乾燥させる前後のデフェラシロクスの結晶性形態IVの特徴的なDSC特性を示す(比較のために示すのはデフェラシロクス形態IのDSC特性である)。
実施例7:デフェラシロクス形態V(一般法II)
一般法IIを実施した。DMSO:THF(1:1、v/v)又はDMSO:DMF(1:1、v/v)中のデフェラシロクス形態Iの溶液を調製し、0.22μmのフィルターを介して清浄な容器に濾過した。溶媒を50℃又は60℃で蒸発させてデフェラシロクス形態Vの結晶を形成した。
形態VはDSC特性にて2つの吸熱ピーク(約89℃と約260℃)を示し、TGA及びNMRによって示されたようにおよそ7.3%のDMSO溶媒を含有した。
真空にて120℃で1時間加熱した後、形態Vは形態Iに転換したが、それは、形態VがDMSO半溶媒和物であることを示した。
図21は、デフェラシロクスの結晶性形態Vの特徴的なX線回折パターンを示す。図22は、デフェラシロクスの結晶性形態Vの特徴的なDSC特性を示す。図23は、デフェラシロクスの結晶性形態Vの特徴的なTGA特性を示す。図24は、デフェラシロクスの結晶性形態Vの特徴的なNMR特性を示す。図25は、120℃で1時間乾燥させる前後のデフェラシロクスの結晶性形態Vの特徴的なX線回折パターンを示す(比較のために示すのはデフェラシロクス形態IのX線回折パターンである)。図26は、120℃で1時間乾燥させる前後のデフェラシロクスの結晶性形態Vの特徴的なDSC特性を示す(比較のために示すのはデフェラシロクス形態IのDSC特性である)。
実施例8:デフェラシロクス形態VI(一般法I)
一般法Iを実施した。2−Me−THF:DMF(3:1、v/v)中のデフェラシロクス形態Iの懸濁液を調製し、24時間振盪を保った。懸濁液を濾過し、濾過ケーキを室温で一晩乾燥させ、次いでXRPDによって検査した。デフェラシロクス形態VIの結晶が特定された。
形態VIはDSC特性にて3つの吸熱ピーク(約117℃と約125℃と約260℃)を示し、TGA及びNMRによって示されたようにおよそ10%のDMFを含有した。
真空にて120℃で1時間加熱した後、形態VIは形態Iに転換したが、それは、形態VIがDMF一溶媒和物であることを示した。
図27は、デフェラシロクスの結晶性形態VIの特徴的なX線回折パターンを示す。図28は、デフェラシロクスの結晶性形態VIの特徴的なDSC特性を示す。図29は、デフェラシロクスの結晶性形態VIの特徴的なTGA特性を示す。図30は、デフェラシロクスの結晶性形態VIの特徴的なNMR特性を示す。図31は、120℃で1時間乾燥させる前後のデフェラシロクスの結晶性形態VIの特徴的なX線回折パターンを示す(比較のために示すのはデフェラシロクス形態IのX線回折パターンである)。図32は、120℃で1時間乾燥させる前後のデフェラシロクスの結晶性形態VIの特徴的なDSC特性を示す(比較のために示すのはデフェラシロクス形態IのDSC特性である)。
実施例9:非晶質デフェラシロクス(一般法IV)
一般法IVを実施した。真空下でデフェラシロクスの形態Iを加熱して融解し、急速に冷却することによって融解化合物の結晶化を制御した。形成された結晶をXRPDによって検査し、非晶質デフェラシロクスであることを見出した。
非晶質形態は、発熱ピーク(約140℃)1つと吸熱ピーク(約260℃)1つで構成される独特のDSC特性を示した。真空下で非晶質デフェラシロクスを160℃にて加熱し、5分間この温度で保持した。形成された結晶をXRPD及びDSCによって再検査した。加熱工程の間、非晶質形態は形態Iに転換したが、それは、DSC特性の発熱ピークが非晶質から形態Iへの転換によるものであり、吸熱ピークが形態Iの融解事象であることを示した。
図33は、非晶質デフェラシロクスの特徴的なX線回折パターンを示す。図34は、非晶質デフェラシロクスの特徴的なDSC特性を示す。図35は、非晶質デフェラシロクスの特徴的なTGA特性を示す。図36は、160℃で5分間乾燥させる前後の非晶質デフェラシロクスの特徴的なX線回折パターンを示す(比較のために示すのはデフェラシロクス形態IのX線回折パターンである)。図37は、160℃で5分間乾燥させる前後の非晶質デフェラシロクスの特徴的なDSC特性を示す(比較のために示すのはデフェラシロクス形態IのDSC特性である)。
結論
すべての結果に基づいて、デフェラシロクスの非晶質形態1つと水和物1つと幾つかの溶媒和物が見出され、本明細書で言及されたように性状分析した。
当業者は、本発明の態様又は実施形態に対して種々の変更及び/又は修正を行ってもよく、そのような変更及び/又は修正が本発明の精神から逸脱することなく行われてもよいことを認識するであろう。従って、添付の特許請求の範囲は本発明の精神と範囲の中に入るそのような同等の変異すべてを網羅することが意図される。
本特許文書で言及された書物を含む特許、出願及び印刷された出版物のそれぞれは、その全体が参照によって本明細書に組み入れられることが意図される。

Claims (79)

  1. デフェラシロクス(I)の調製方法であって、
    (a)サリチル酸(8)をその塩化アシル(3)に変換する工程と
    Figure 2013512893
    (b)式(4)のデフェラシロクス中間体を製造するように塩化サリチル(3)をアミド化試薬と反応させる工程と
    Figure 2013512893
    (c)中間体(4)を4−ヒドラジノ安息香酸(6)と反応させてデフェラシロクス(I)を形成する工程
    Figure 2013512893
    を含む方法。
  2. 工程(b)におけるアミド化試薬が、一般式(R1R2R3Si)2NHのジシラザン及び一般式(R1R2SiNH)nのシクロシラザンから成る群から選択され、式中、nは3又は4であり、R1、R2及びR3はそれぞれ独立してアルキル又はアリールである請求項1に記載の方法。
  3. アミド化試薬がヘキサメチルジシラザンである請求項2に記載の方法。
  4. 工程(b)が溶媒中で実施され、前記溶媒が好ましくは、炭化水素及びそのハロゲン化誘導体、芳香族炭化水素及びそのハロゲン化誘導体、エステル類、エーテル類、DMFのようなカルボン酸アミド類、アセトニトリル、及びこれら溶媒の好適な混合物から成る群から選択され、さらに好ましくは、溶媒はトルエンである請求項1に記載の方法。
  5. 工程(b)にて塩化サリチルとアミド化試薬の間の反応が触媒の存在下で行われ、前記触媒が好ましくは、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンのような3級アミン、N−メチルモルフォリン、ピリジン、ルチジン、DBU、DBN、DABCO又はピコリンから成る群から選択され、好ましくは触媒は、ピリジン、又はDMF及びジメチルアセトアミドのようなアミドであり、さらに好ましくは触媒はピリジン又はDMFである請求項1に記載の方法。
  6. 工程(a)と工程(b)が、好ましくはトルエンである好ましくは同一溶媒にてワンポット合成として組み合わせられる請求項1に記載の方法。
  7. 工程(c)が酸の存在下で溶媒中にて行われる請求項1に記載の方法。
  8. 前記溶媒が、アルコール類、エーテル類、DMF、NMP、DMSO、水及びこれらの混合物から成る群から選択される請求項7に記載の方法。
  9. 前記酸が、塩酸、臭化水素酸、リン酸若しくは硫酸のような無機酸;又は、たとえば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸若しくはプロピオン酸のような有機酸であり、好ましくは、酸はトリフルオロ酢酸である請求項7に記載の方法。
  10. 式I又はIa又はIb又はIcの化合物を調製する方法であって、
    Figure 2013512893
    有機溶媒中で式II:
    Figure 2013512893
    の化合物を式III:
    Figure 2013512893
    の化合物と反応させて式I又はIa又はIb又はIcの化合物を形成する工程を含み、式中、Xはヒドロキシル保護基であり、Yはカルボキシル保護基である方法。
  11. Xがシリル、アルキル、及びアシルの保護基から選択される請求項10に記載の方法。
  12. Xが、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル及びトリフェニルシリルから成る群から選択され、好ましくは、Xはトリメチルシリルである請求項11に記載の方法。
  13. Xが、メチル、メトキシメチル(MOM)、ベンジルオキシメチル、メトキシエトキシメチル、2−(トリメチルシリル)エトキシ−メチル、テトラヒドロピラニル、t−ブチル、−COCH3(Ac)又は4−メトキシベンジルであり、好ましくは、Xはメトキシメチル又は−COCH3であるある請求項11に記載の方法。
  14. Yが、シリル、アルキル、及びアリールの保護基から選択され、好ましくはYはエチルである請求項10に記載の方法。
  15. 有機溶媒が、C1〜C4脂肪族アルコール類、C6〜C10芳香族及び脂肪族の炭化水素、C2〜C8脂肪族エステル類、C4〜C8エーテル類、C1〜C6ハロ置換のアルキル、及びC2〜C8脂肪族アミドから成る群から選択される上記請求項のいずれかの方法。
  16. 有機溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、トルエン、ベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸t−ブチル、酢酸イソプロピル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエチレン、テトラクロロエタン、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミドから成る群から選択される上記請求項のいずれかの方法。
  17. Xがヒドロキシル保護基である式IV:
    Figure 2013512893
    のニトリルを硫酸化試薬と反応させることによって式IIの化合物を調製する工程をさらに含む請求項10に記載の方法。
  18. Xが、シリル、アルキル、及びアシルの保護基から選択される請求項17に記載の方法。
  19. Xが、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、及びトリフェニルシリルから成る群から選択され、好ましくは、Xはトリメチルシリルである請求項18に記載の方法。
  20. Xが、メチル、メトキシメチル(MOM)、ベンジルオキシメチル、メトキシエトキシメチル、2−(トリメチルシリル)エトキシ−メチル、テトラヒドロピラニル、t−ブチル、−COCH3(Ac)又は4−メトキシベンジルであり、好ましくは、Xはメトキシメチル又は−COCH3である請求項18に記載の方法。
  21. 硫酸化試薬が、三酸化イオウ又は三酸化イオウのルイス塩基錯体である請求項17に記載の方法。
  22. 三酸化イオウのルイス塩基錯体が、ピリジン、トリメチルアミン、硫化ジメチル、スルホラン、トリフェニルホスフィン、酸化トリフェニルホスフィン、酸化トリアルキルホスフィン、トリアルキルホスフェート、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ニトロメタン、ジオキサン及び1,4−オキサチアンから選択されるルイス塩基を含む請求項21に記載の方法。
  23. 硫酸化試薬がトリメチルシリルクロロ−スルホネートである請求項17に記載の方法。
  24. 硫酸化試薬が、三酸化イオウピリジン錯体又は三酸化イオウジオキサン錯体を含み、好ましくは、硫酸化試薬が、ジオキサン中のピリジンとのクロロスルホン酸トリメチルシリルの反応によってその場で生成される三酸化イオウピリジン錯体である請求項17に記載の方法。
  25. 硫酸化試薬と式IVの化合物のモル比が約1:2である請求項17に記載の方法。
  26. 硫酸化反応が、溶媒系、好ましくは、有機溶媒又は溶媒の混合物にて実施される請求項17〜25のいずれかの方法。
  27. 式Iの化合物を調製する方法であって、
    (a)X=Hである式IVの化合物をQが脱離基である保護基試薬AQと反応させ、前記反応は、Xがヒドロキシル保護基である式IVの化合物を形成する工程と、
    Figure 2013512893
    (b)工程(a)の反応混合物から式IVの化合物を任意で単離し、式IVの前記単離された化合物を任意で精製する工程と、
    (c)有機溶媒の存在下で式IVの化合物の約2モル当量に対して約1モル当量の量での硫酸化試薬と工程(a)又は(b)で形成された式IVの化合物を反応させて式IIの化合物を形成する工程と、
    Figure 2013512893
    (d)反応混合物から式IIの化合物を任意で単離し、式IIの前記単離された化合物を任意で精製する工程と、
    (e)有機溶媒の存在下で工程(c)の反応混合物又は工程(d)の精製された化合物を式IIIの化合物と反応させて式I、Ia、Ib又はIcの化合物を形成する工程と、
    Figure 2013512893
    (f)式Ia、Ib又はIcの化合物を式Iの化合物に変換する工程
    を含む方法。
  28. 式Iaの構造によって表される化合物:
    Figure 2013512893
    (式中、Yは、シリル、アルキル及びアリールの保護基から選択されるカルボキシル保護基である)。
  29. 式Ibの構造によって表される化合物:
    Figure 2013512893
    (式中、Xは、シリル、アルキル及びアシルの保護基から選択されるヒドロキシル保護基である)。
  30. 式Icの構造によって表される化合物:
    Figure 2013512893
    (式中、Xは、シリル、アルキル及びアシルの保護基から選択されるヒドロキシル保護基であり、Yは、シリル、アルキル及びアリールの保護基から選択されるカルボキシル保護基である)。
  31. 式IIの構造によって表される化合物:
    Figure 2013512893
    (式中、Xは、シリル、アルキル及びアシルの保護基から選択されるヒドロキシル保護基である)。
  32. 約140℃にて発熱ピークを有し、約260℃にて吸熱ピークを有するDSC特性を特徴とするデフェラシロクスの非晶質形態。
  33. さらに、図33に示すようなX線粉末回折パターンを実質的に特徴とする請求項32に記載のデフェラシロクスの非晶質形態。
  34. さらに、図35に示すようなTGA特性を実質的に特徴とする請求項32又は33に記載のデフェラシロクスの非晶質形態。
  35. 請求項32〜34のいずれか1項に記載の非晶質デフェラシロクスを調製する方法であって、
    (a)デフェラシロクス、好ましくはデフェラシロクス形態Iを加熱して融解する工程と
    (b)非晶質デフェラシロクスを提供するように、工程(a)で得た融解されたデフェラシロクスを急速に冷却する工程を含む方法。
  36. 約15.6±0.1及び24.7±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)。
  37. さらに、約11.9±0.1及び25.6±0.1の2シータ値にて回折ピークを含む請求項36に記載の結晶性デフェラシロクス半水和物。
  38. 約0.0±0.1、10.4±0.1、11.9±0.1、13.4±0.1、13.7±0.1、15.6±0.1、17.3±0.1、17.9±0.1、19.1±0.1、20.1±0.1、22.0±0.1、22.6±0.1、22.9±0.1、24.7±0.1、25.6±0.1、26.6±0.1、27.0±0.1、27.7±0.1、29.1±0.1及び32.7±0.1のから成る群から選択される2シータ値にて少なくとも3つの回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する請求項36に記載の結晶性デフェラシロクス半水和物。
  39. 約10.0±0.1、10.4±0.1、11.9±0.1、13.4±0.1、13.7±0.1、15.6±0.1、17.3±0.1、17.9±0.1、19.1±0.1、20.1±0.1、22.0±0.1、22.6±0.1、22.9±0.1、24.7±0.1、25.6±0.1、26.6±0.1、27.0±0.1、27.7±0.1、29.1±0.1及び32.7±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する請求項38に記載の結晶性デフェラシロクス半水和物。
  40. 図4に示すようなX線粉末回折パターンを実質的に有する請求項36〜39のいずれかに記載の結晶性デフェラシロクス半水和物。
  41. さらに、約53℃と約260℃にて吸熱ピークを有するDSC特性を特徴とする請求項36〜40のいずれかに記載の結晶性デフェラシロクス半水和物。
  42. 請求項36〜40のいずれか1項に記載の結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)を調製する方法であって、
    (a)溶解工程が好ましくは熱のもとで実施される、DMF及びDMSOから選択される溶媒にデフェラシロクス、好ましくはデフェラシロクス形態Iを溶解する工程と、
    (b)反溶媒としての水を添加してデフェラシロクス形態IIを沈殿させる工程を含む方法。
  43. 約25.8±0.1及び26.2±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)。
  44. さらに、約13.3±0.1及び16.7±0.1の2シータ値にて回折ピークを含む請求項43に記載の結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物。
  45. 約6.6±0.1、10.2±0.1、10.7±0.1、13.3±0.1、14.2±0.1、15.0±0.1、15.5±0.1、16.7±0.1、17.5±0.1、17.8±0.1、19.0.0±0.1、19.7±0.1、20.4±0.1、21.6±0.1、22.6±0.1、23.2±0.1、23.9±0.1、25.2±0.1、25.8±0.1、26.2±0.1、27.3±0.1、27.7±0.1、28.5±0.1、31.2±0.1、33.5±0.1、33.8±0.1及び34.3±0.1から成る群から選択される2シータ値にて少なくとも3つの回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する請求項43に記載の結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物。
  46. 約6.6±0.1、10.2±0.1、10.7±0.1、13.3±0.1、14.2±0.1、15.0±0.1、15.5±0.1、16.7±0.1、17.5±0.1、17.8±0.1、19.0.0±0.1、19.7±0.1、20.4±0.1、21.6±0.1、22.6±0.1、23.2±0.1、23.9±0.1、25.2±0.1、25.8±0.1、26.2±0.1、27.3±0.1、27.7±0.1、28.5±0.1、31.2±0.1、33.5±0.1、33.8±0.1及び34.3±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する請求項45に記載の結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物。
  47. 図21に示すようなX線粉末回折パターンを実質的に有する請求項43〜46のいずれかに記載の結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物。
  48. さらに、約89℃と約260℃にて吸熱ピークを有するDSC特性を特徴とする請求項43〜47のいずれかに記載の結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物。
  49. 請求項43〜48のいずれか1項に記載の結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)を調製する方法であって、
    (a)溶解工程が好ましくは熱のもとで実施される、DMSO:DMF及びDMSO:THFから選択される溶媒混合物にデフェラシロクス、好ましくはデフェラシロクス形態Iを溶解する工程と、
    (b)溶媒を蒸発させてデフェラシロクス形態Vを沈殿させる工程を含む方法。
  50. DMSOとDMF又はDMSOとTHFの比が約1:1(v/v)である請求項49に記載の方法。
  51. 約9.9±0.1及び16.6±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態IV)。
  52. さらに、約10.6±0.1及び20.0±0.1の2シータ値にて回折ピークを含む請求項51に記載の結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物。
  53. 約5.3±0.1、9.9±0.1、10.3±0.1、10.6±0.1、16.0±0.1、16.6±0.1、18.8±0.1、20.0±0.1、20.7±0.1、21.4±0.1、22.7±0.1、24.0±0.1、25.7±0.1、26.8±0.1、30.1±0.1、32.3±0.1、33.6±0.1及び33.9±0.1から成る群から選択される2シータ値にて少なくとも3つの回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する請求項51に記載の結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物。
  54. 約5.3±0.1、9.9±0.1、10.3±0.1、10.6±0.1、16.0±0.1、16.6±0.1、18.8±0.1、20.0±0.1、20.7±0.1、21.4±0.1、22.7±0.1、24.0±0.1、25.7±0.1、26.8±0.1、30.1±0.1、32.3±0.1、33.6±0.1及び33.9±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する請求項53に記載の結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物。
  55. 図27に示すようなX線粉末回折パターンを実質的に有する請求項51〜54のいずれかに記載の結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物。
  56. さらに、約117℃と約125℃と約260℃にて吸熱ピークを有するDSC特性を特徴とする請求項51〜55のいずれかに記載の結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物。
  57. 請求項51〜56のいずれか1項に記載の結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)を調製する方法であって、
    (a)2−メチルTHF:DMFを含む溶媒混合物におけるデフェラシロクス、好ましくはデフェラシロクス形態Iの懸濁液を提供する工程と、
    (b)懸濁液を攪拌する工程と、
    (c)濾過してデフェラシロクス形態VIを提供する工程を含む方法
  58. 2−メチルTHFとDMFの比が約3:1(v/v)である請求項57に記載の方法。
  59. 薬学上許容可能なキャリアと、請求項32〜34のいずれか1項に記載の非晶質デフェラシロクス、請求項36〜41のいずれか1項に記載の結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)、請求項43〜48のいずれか1項に記載の結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)、及び請求項51〜56のいずれか1項に記載の結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)から成る群から選択される有効成分とを含む医薬組成物。
  60. 錠剤の形態である請求項59に記載の医薬組成物。
  61. 鉄過剰症、好ましくは輸血に依存した慢性鉄過剰症を治療するのに使用するための請求項59に記載の医薬組成物。
  62. それを必要とする対象、好ましくはヒト対象に、請求項32〜34のいずれか1項に記載の非晶質デフェラシロクス、請求項36〜41のいずれか1項に記載の結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)、請求項43〜48のいずれか1項に記載の結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)、及び請求項51〜56のいずれか1項に記載の結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)を含む有効量の組成物を投与することを含む、鉄過剰症、好ましくは輸血に依存した慢性鉄過剰症を治療する方法。
  63. 鉄過剰症、好ましくは輸血に依存した慢性鉄過剰症を治療するために薬物を調製するための請求項32〜34のいずれか1項に記載の非晶質デフェラシロクス、請求項36〜41のいずれか1項に記載の結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)、請求項43〜48のいずれか1項に記載の結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)、又は請求項51〜56のいずれか1項に記載の結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)の使用。
  64. 鉄過剰症、好ましくは輸血に依存した慢性鉄過剰症を治療するための請求項32〜34のいずれか1項に記載の非晶質デフェラシロクス、請求項36〜41のいずれか1項に記載の結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)、請求項43〜48のいずれか1項に記載の結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)、又は請求項51〜56のいずれか1項に記載の結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)の使用。
  65. 約9.8±0.1及び16.5±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物(形態III)を調製する方法であって、
    (a)DMFにおけるデフェラシロクス、好ましくはデフェラシロクス形態Iの懸濁液を提供する工程と
    (b)懸濁液を攪拌する工程と
    (c)濾過してデフェラシロクス形態IIIを提供する工程を含む方法。
  66. 約9.8±0.1及び16.5±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物(形態III)を調製する方法であって、
    (a)溶解工程が好ましくは熱のもとで行われる、DMF:1,4−ジオキサン、DMF:THF、DMF:EtOH及びDMF:EtOAcから選択される溶媒混合物にデフェラシロクス、好ましくはデフェラシロクス形態Iを溶解する工程と、
    (b)溶媒を蒸発させてデフェラシロクス形態IIIを沈殿させる工程を含む方法。
  67. DMFと1,4−ジオキサン、THF、EtOH又はEtOACの比が約1:1(v/v)である請求項66に記載の方法。
  68. 結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物がさらに、約22.4±0.1及び23.8±0.1の2シータ値にて回折ピークを含む請求項65〜67のいずれかの方法。
  69. 結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物が、約2.9±0.1、9.1±0.1、9.8±0.1、10.1±0.1、10.5±0.1、11.6±0.1、12.5±0.1、14.4±0.1、14.8±0.1、15.4±0.1、15.8±0.1、16.5±0.1、17.5±0.1、18.0±0.1、18.7±0.1、19.8±0.1、20.5±0.1、21.4±0.1、22.4±0.1、23.1±0.1、23.8±0.1、24.3±0.1、25.0±0.1、25.6±0.1、26.6±0.1、28.0±0.1、31.1±0.1、32.1±0.1、33.5±、36.0±0.1及び36.8±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを特徴とする請求項65〜68のいずれかの方法。
  70. 結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物が、図9に示すようなX線粉末回折パターンを特徴とする請求項65〜69のいずれかの方法。
  71. 結晶性デフェラシロクスのDMF半溶媒和物がさらに、約114℃と約260℃にて吸熱ピークを有するDSC特性を特徴とする請求項65〜70のいずれかの方法。
  72. 約19.8±0.1及び24.2±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物(形態IV)を調製する方法であって、
    (a)THFにおけるデフェラシロクス、好ましくはデフェラシロクス形態Iの懸濁液を提供する工程と
    (b)懸濁液を攪拌する工程と
    (c)濾過してデフェラシロクス形態IVを提供する工程を含む方法。
  73. 約19.8±0.1及び24.2±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物(形態IV)を調製する方法であって、
    (a)溶解工程が好ましくは熱のもとで実施される、THF:MEK及びTHF:アセトンから選択される溶媒混合物にデフェラシロクス、好ましくはデフェラシロクス形態Iを溶解する工程と
    (b)溶媒を蒸発させてデフェラシロクス形態IVを沈殿させる工程を含む方法
  74. THFとMEK又はTHFとアセトンの比が約1:1(v/v)である請求項73に記載の方法。
  75. 結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物がさらに、約15.2±0.1及び20.1±0.1の2シータ値にて回折ピークを含む請求項72〜74のいずれかの方法。
  76. 結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物が、約6.8±0.1、10.0±0.1、10.6±0.1、11.8±0.1、13.5±0.1、15.2±0.1、16.6±0.1、17.7±0.1、19.2±0.1、19.8±0.1、20.1±0.1、20.8±0.1、21.9±0.1、22.4±0.1、24.2±0.1、24.7±0.1、25.6±0.1、26.0±0.1、27.4±0.1、28.3±0.1、29.4±0.1、31.1±0.1、34.4±0.1、37.6±0.1、38.4±0.1及び38.8±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを特徴とする請求項72〜75のいずれかの方法。
  77. 結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物がさらに、図15に示すようなX線粉末回折パターンを特徴とする請求項72〜76のいずれかの方法。
  78. 結晶性デフェラシロクスのTHF一溶媒和物がさらに、約97℃と約260℃にて吸熱ピークを有するDSC特性を特徴とする請求項72〜77のいずれかの方法。
  79. 図1に示すようなX線回折パターンを実質的に特徴とする結晶性デフェラシロクス形態Iを調製する方法であって、請求項32〜34のいずれか1項に記載の非晶質デフェラシロクス、請求項36〜41のいずれか1項に記載の結晶性デフェラシロクス半水和物(形態II)、請求項43〜48のいずれか1項に記載の結晶性デフェラシロクスDMSO半溶媒和物(形態V)、請求項51〜56のいずれか1項に記載の結晶性デフェラシロクスのDMF一溶媒和物(形態VI)及び約9.8±0.1と16.5±0.1の2シータ値にて回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する結晶性デフェラシロクスDMF半溶媒和物(形態III)から成る群から選択されるデフェラシロクスを乾燥させる工程を含み、前記乾燥がほぼ室温〜約160℃の温度で行われる方法。
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