JP2018517734A - デフェラシロクスの改善された製剤およびその作製方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、デフェラシロクス(DFX)を含有する改善された薬学的組成物およびその製造方法を提供する。特に、該組成物を熱動力学的配合を用いて調製し、改善された特性ならびにより効率的な製造方法を提供する。

Description

本出願は2015年6月17日提出の米国特許仮出願第62/180,998号に対する優先権の恩典を主張し、その全内容は参照により本明細書に組み入れられる。
1. 分野
本開示は、一般には薬剤調製および製造の分野、より具体的には熱動力学的配合を用いてのデフェラシロクスの薬学的製剤に関する。
2. 関連技術の説明
可能性がある多くの治療分子の有益な適用は、薬物動態特性が不良であるとの理由で開発中に断念されたため、または生成物の性能が次善的であるためのいずれかにより、十分に実現されないことが多い。または、生産されたとしても、そのような分子の製剤に関連する費用が、それらの広範な使用への障壁を作り出すこともある。製剤に伴う問題は低い溶解性によることが多く、不良なバイオアベイラビリティ、経費の増大、および最終的には生成物の終了をもたらす。近年、製薬産業は、薬物溶解性を改善するため、製剤法にさらに大きく頼り始めている。その結果、難水溶性薬物の溶解特性増強を目的とする高度の製剤技術が、現代の薬物送達にとってますます重要となりつつある。
デフェラシロクス(DFX;Exjade(登録商標)、Desirox(登録商標)、Defrijet(登録商標)、Desifer(登録商標)、Jadenu(登録商標)として市販)は、経口鉄キレート剤である。その主な用途は、βサラセミアおよび他の慢性貧血などの状態に対して長期輸血を受けている患者の慢性鉄過剰症を軽減するためである。デフェラシロクスはこの目的のために米国で承認された最初の経口薬である。2005年11月に米国食品医薬品局(FDA)によって承認された。FDA(2007年5月)によれば、デフェラシロクス経口懸濁用錠を服用している患者で腎不全および血球減少が報告されている。デフェラシロクスは欧州連合では欧州医薬品庁(EMA)により、6歳以上の小児の反復輸血による慢性鉄過剰症に対して承認されている。
経口投与されたDFXの薬物動態は、変動性が高いことで特徴付けられ得、変動性の原因として最も可能性が高いのはそのpH依存的溶解性である。胃液中で溶解性が低い弱酸性化合物は、適切な送達系なしに長期間酸性媒質に曝されると、不溶性の凝集構造を形成する傾向がある。胃内でこれらの不溶性構造が形成されると、遊離化合物の腸液中での比較的良好な溶解性にもかかわらず、腸管腔からの化合物の溶解および吸収は実質的に低減する。胃腸のpHは、栄養および疾患状態ならびに/または薬物治療の影響に基づき、所与の個体で日によって、また個体間で大きく変動しうるため、DFXの溶解特性は一貫性のない経口吸収と、その結果としての、治療成績の低下につながりうる。
したがって、デフェラシロクスは慢性鉄過剰症に対して顕著な治療的価値を有するが、薬学的製剤に関して非常に難しい特性も示す。結果として、この薬物の改善された組成物および製造方法を提供することが強く必要とされている。
概要
したがって、本開示に従い、(a)結晶性デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤を提供する段階;(b)段階(a)の材料を熱動力学的ミキサー中で、200℃以下で約300秒未満の間配合する段階を含む、薬学的組成物の作製方法であって、DFXおよび1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤の熱動力学的配合が、溶融ブレンドされた薬学的複合物を形成する、該方法が提供される。薬剤はDFXに加えて第二の医薬品有効成分を含んでもよく、例えば、ここで第二の薬医薬品有効成分は第二の鉄キレート剤、骨粗鬆症の処置もしくは予防において用いる薬剤、抗真菌剤、またはアンホテリシンB、デフェリプロン、デフェロキサミン、エリスロポエチン、もしくはリセドロネートなどの、赤血球の産生速度を増大させる薬剤である。段階(b)は、段階(a)の材料を熱動力学的ミキサー中で、約240秒未満、約180秒未満、約120秒未満、約90秒未満、約60秒未満、または約30秒未満の間配合する段階を含んでもよい。
1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤は、薬学的ポリマー、界面活性剤、または1種類もしくは複数種類の界面活性剤および1種類もしくは複数種類のポリマー担体を含んでもよい。複合物は非晶質分散物であってもよい。薬学的ポリマーはポリ(ビニルアセテート)-コ-ポリ(ビニルピロリドン)コポリマー、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル-セルロースナトリウム、ジメチルアミノエチルメタクリレート-メタクリル酸エステルコポリマー、エチルアクリレート-メチルメタクリレートコポリマー、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメレテート、ポリ(ビニルアセテート)フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリ(メタクリレートエチルアクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:2)コポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートおよびポリビニルカプロラクタム-ポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーからなる群より選択される作用物質を含んでもよい。
1種類または複数種類の界面活性剤はドデシル硫酸ナトリウム、ジオクチルソジウムスルホスクシネート、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、グリセロールポリエチレングリコールオキシステアレート-脂肪酸グリセロールポリグリコールエステル-ポリエチレングリコール-グリセロールエトキシレート、ポリエチレングリコール-ポリエチレングリコール-エトキシル化グリセロールのグリセロール-ポリエチレングリコールリシノレート-脂肪酸エステル、ビタミンE TPGSおよびソルビタンラウレートからなる群より選択される作用物質を含んでもよい。
特定の場合に、界面活性剤はドデシル硫酸ナトリウム、ジオクチルソジウムスルホスクシネート、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、グリセロールポリエチレングリコールオキシステアレート-脂肪酸グリセロールポリグリコールエステル-ポリエチレングリコール-グリセロールエトキシレート、ポリエチレングリコール-ポリエチレングリコール-エトキシル化グリセロールのグリセロール-ポリエチレングリコールリシノレート-脂肪酸エステル、ビタミンE TPGSおよびソルビタンラウレートからなる群より選択される作用物質を含み、かつ薬学的ポリマーはポリ(ビニルアセテート)-コ-ポリ(ビニルピロリドン)コポリマー、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル-セルロースナトリウム、ジメチルアミノエチルメタクリレート-メタクリル酸エステルコポリマー、エチルアクリレート-メチルメタクリレートコポリマー、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメレテート、ポリ(ビニルアセテート)フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリ(メタクリレートエチルアクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:2)コポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートおよびポリビニルカプロラクタム-ポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーからなる群より選択される作用物質を含む。
組成物は、開放容器中、約40℃、相対湿度約75%での保存後、5週間の時点で、x線回折分析によると非晶質のままでありうる。組成物は、約30%〜60%DFX、約40%〜60%DFX、約30%DFX、35%DFX、40%DFX、45%DFX、50%DFX、55%DFX、または60%DFXを含んでもよい。段階(b)は約100℃、約125℃、約150℃、約180℃、または約100℃〜200℃の温度で実施してもよい。組成物は、単一のガラス転移温度を有してもよい。前記組成物中のDFXの純度は、約95%であってもよく、約99%であり、約99.5%であり、または約95%〜約100%である。DFXと薬学的ポリマーとの比は、約3:7、約4:6、約1:1、または約6:4を含む、約2:8〜約7:3であってもよい。
1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤は、可塑剤などの処理剤を含んでもよい。または、組成物は処理剤/可塑剤を含まなくてもよい。1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤は、水溶性薬学的ポリマー、例えば、ポリ(ビニルアセテート)-コ-ポリ(ビニルピロリドン)コポリマー、ポリ(ビニルピロリドン)、セルロースアセテートフタレート、ポリ(ビニルアセテート)フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリ(メタクリレートエチルアクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:2)コポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ポリ(ビニルアルコール)、およびポリビニルカプロラクタム-ポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーからなる群より選択される水溶性ポリマーを含む。
1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤は、カルボマー、クロスポビドン、またはクロスカルメロースナトリウムなどの、架橋薬学的ポリマーを含んでもよい。1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤は、高い溶融粘度の薬学的ポリマーを含んでもよい。1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤は、熱不安定性薬学的ポリマーを含んでもよい。1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤は、ポリ(メタクリレートエチルアクリレート)(1:1)コポリマーまたはポリ(ビニルアセテート)-コ-ポリ(ビニルピロリドン)を含んでもよい。1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤は、ポリ(メタクリレートエチルアクリレート)(1:1)コポリマーおよびポリ(ビニルアセテート)-コ-ポリ(ビニルピロリドン)を含んでもよい。1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤は、ポリ(ビニルアセテート)-コ-ポリ(ビニルピロリドン)およびヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートを含んでもよい。
もう1つの態様において、デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤の非晶質分散物を含む薬学的組成物が提供される。組成物は、単一のガラス転移温度を有してもよい。組成物は、開放容器中、約40℃、相対湿度約75%での保存後、5週間の時点で、x線回折分析によると非晶質のままでありうる。1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤は、1種類または複数種類のポリマー、処理剤および/または界面活性剤を含んでもよい。組成物は、約30%〜60%DFX、約40%〜60%DFX、約30%DFX、35%DFX、40%DFX、45%DFX、50%DFX、55%DFX、または60%DFXの薬物負荷を示してもよい。組成物は、約1.0%未満のデフェラシロクス(DFX)分解産物を有してもよい。DFXと薬学的ポリマーとの比は、約3:7、約4:6、約1:1、または約6:4を含む、約2:8〜約7:3であってもよい。前記組成物中で用いるDFXの純度は、約95%であってもよく、約99%であり、約99.5%であり、または約95%〜約100%である。前記組成物の純度は、約95%であってもよく、約99%であり、約99.5%であり、または約95%〜約100%である。薬学的組成物は、約90mgのDFX、約125mgのDFX、約250mgのDFX、約360mgのDFX、または約500mgのDFXを含んでもよい。
薬学的組成物は、DFXに加えて第二の医薬品有効成分を含んでもよく、例えば、ここで第二の医薬品有効成分は第二の鉄キレート剤、骨粗鬆症の処置もしくは予防において用いる薬剤、抗真菌剤、またはアンホテリシンB、デフェリプロン、デフェロキサミン、エリスロポエチン、もしくはリセドロネートなどの、赤血球の産生速度を増大させる薬剤である。
1種類または複数種類の薬学的ポリマーは、ポリ(ビニルアセテート)-コ-ポリ(ビニルピロリドン)コポリマー、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル-セルロースナトリウム、ジメチルアミノエチルメタクリレート-メタクリル酸エステルコポリマー、エチルアクリレート-メチルメタクリレートコポリマー、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメレテート、ポリ(ビニルアセテート)フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリ(メタクリレートエチルアクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:2)コポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートおよびポリビニルカプロラクタム-ポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーからなる群より選択される作用物質を含んでもよい。
界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、ジオクチルソジウムスルホスクシネート、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、グリセロールポリエチレングリコールオキシステアレート-脂肪酸グリセロールポリグリコールエステル-ポリエチレングリコール-グリセロールエトキシレート、ポリエチレングリコール-ポリエチレングリコール-エトキシル化グリセロールのグリセロール-ポリエチレングリコールリシノレート-脂肪酸エステル、ビタミンE TPGS、およびソルビタンラウレートからなる群より選択される作用物質を含んでもよく、かつ薬学的ポリマーはポリ(ビニルピロリドン)、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびカルボキシメチル-セルロースナトリウムおよびポリビニルカプロラクタム-ポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーからなる群より選択される作用物質を含む。
薬学的組成物は、可塑剤などの処理剤を含んでも、または含まなくてもよい。組成物は複合物であってもよく、かつ均質であるか、不均質であるか、または異成分からなる均質な組成物であってもよい。1種類または複数種類の薬学的ポリマーは、水溶性ポリマー、例えば、ポリ(ビニルアセテート)-コ-ポリ(ビニルピロリドン)コポリマー、ポリ(ビニルピロリドン)、セルロースアセテートフタレート、ポリ(ビニルアセテート)フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリ(メタクリレートエチルアクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:2)コポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ポリ(ビニルアルコール)、およびポリビニルカプロラクタム-ポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーからなる群より選択される水溶性ポリマーである。DFXと水溶性薬学的ポリマーとの比は、約1:2、約2:3、約1:1. 約3:2または約2:1であってもよい。1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤は、高い溶融粘度の薬学的ポリマーを含んでもよい。1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤は、熱不安定性薬学的ポリマーを含んでもよい。
薬学的組成物は、pH範囲4〜8の水性緩衝液中で、400、425、450、475、500、525、550、575または600μg/mLなどの、400〜600μg/mLよりも大きい、組成物中のDFXの最高溶解度を示してもよい。pH範囲4〜8の水性緩衝液中での8時間の溶解試験後の、DFXおよび標準品DFXの最高溶解度は、4:1よりも大きい比を有してもよい。組成物中のDFXのAUCおよび標準品DFXのAUCは、5:3、2:1、7:3および4:1などの、4:3よりも大きい比を有してもよい。薬学的組成物は、未処理のデフェラシロクス(DFX)と比べて、少なくとも約97%のデフェラシロクス(DFX)の薬物効力を有してもよい。
薬学的組成物は、錠剤、カプセル剤、またはサシェ剤などの経口剤形として製剤してもよく、ここで錠剤は丸い平面の錠剤、丸い凹面の錠剤、細長い錠剤、またはミニタブであってもよい。経口剤形は持続放出剤形または即時放出剤形であってもよい。経口剤形は崩壊錠または浸食錠である。
同様に提供されるのは、(a)結晶性デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤を提供する段階;(b)段階(a)の材料を熱動力学的ミキサー中で、約200℃以下で約300秒未満の間配合する段階を含むプロセスによって生成される薬学的組成物であって、DFXおよび1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤の熱動力学的配合が、溶融ブレンドされた薬学的組成物を形成する、該薬学的組成物である。1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤は、1種類または複数種類の水溶性薬学的ポリマー、例えば、ポリ(ビニルアセテート)-コ-ポリ(ビニルピロリドン)コポリマー、ポリ(ビニルピロリドン)、セルロースアセテートフタレート、ポリ(ビニルアセテート)フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリ(メタクリレートエチルアクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:2)コポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ポリ(ビニルアルコール)、またはポリビニルカプロラクタム-ポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーを含んでもよい。組成物はナノコンポジットであってもよく、または部分的もしくは全体に非晶質分散物であってもよい。段階(b)は、段階(a)の材料を熱動力学的ミキサー中で、約240秒未満、約180秒未満、約120秒未満、約90秒未満、約60秒未満、または約30秒未満の間配合する段階を含んでもよい。
薬学的組成物は界面活性剤を含んでもよい。薬学的組成物は、第二の医薬品有効成分と共処理してもよく、例えば、ここで第二の医薬品有効成分は第二の鉄キレート剤、骨粗鬆症の処置もしくは予防において用いる薬剤、抗真菌剤、またはアンホテリシンB、デフェリプロン、デフェロキサミン、エリスロポエチン、もしくはリセドロネートなどの、赤血球の産生速度を増大させる薬剤である。
薬学的組成物は、開放容器中、約40℃、相対湿度約75%での保存後、5週間の時点で、x線回折分析によると非晶質のままでありうる。薬学的組成物は、約30%〜60%DFX、約40%〜60%DFX、約30%DFX、35%DFX、40%DFX、45%DFX、50%DFX、55%DFX、または60%DFXを含んでもよい。組成物の純度は、約95%であってもよく、約99%であり、約99.5%であり、または約95%〜約100%である。前記組成物中で用いるDFXの純度は、約95%であってもよく、約99%であり、約99.5%であり、または約95%〜約100%である。段階(b)は約100℃、約125℃、約150℃、約180℃、または約100℃〜200℃の温度で実施してもよい。組成物は、単一のガラス転移温度を有してもよい。
加えて、複合物へと熱処理された、デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤の非晶質分散物を含む薬学的組成物であって、該複合物が約1.0%未満のデフェラシロクス(DFX)分解産物を有する、該組成物が提供される。薬学的組成物は、約0.5%未満のDFX分解産物、約0.25%未満のDFX分解産物、または約0.1%未満のDFX分解産物を有する。薬学的組成物は処理剤を含まなくてもよい。組成物は、錠剤、カプセル剤、サシェ剤またはペレットなどの経口剤形として製剤してもよい。錠剤は丸い平面の錠剤、丸い凹面の錠剤、細長い錠剤、またはミニタブであってもよい。経口剤形は持続放出剤形または即時放出剤形であってもよい。経口剤形は崩壊錠または浸食錠である。
組成物は、開放容器中、約40℃、相対湿度約75%での保存後、5週間の時点で、x線回折分析によると非晶質のままでありうる。組成物は、約30%〜60%DFX、約40%〜60%DFX、約30%DFX、35%DFX、40%DFX、45%DFX、50%DFX、55%DFX、または60%DFXを含んでもよい。薬学的組成物は、pH範囲4〜8の水性緩衝液中で、400、425、450、475、500、525、550、575または600μg/mLなどの、400〜600μg/mLよりも大きい、組成物中のDFXの最高溶解度を示してもよい。pH範囲4〜8の水性緩衝液中での8時間の溶解試験後の、DFXおよび標準品DFXの最高溶解度は、4:1よりも大きい比を有してもよい。組成物中のDFXのAUCおよび標準品DFXのAUCは、4:3よりも大きい比を有してもよい。
1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤は、1種類または複数種類の水溶性薬学的ポリマー、例えば、ポリ(ビニルアセテート)-コ-ポリ(ビニルピロリドン)コポリマー、ポリ(ビニルピロリドン)、セルロースアセテートフタレート、ポリ(ビニルアセテート)フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリ(メタクリレートエチルアクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:2)コポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ポリ(ビニルアルコール)、またはポリビニルカプロラクタム-ポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーを含んでもよい。DFXと水溶性薬学的ポリマーとの比は、約1:2、約2:3、約1:1. 約3:2、または約2:1であってもよい。薬学的組成物は、約90mgのDFX、約125mgのDFX、約250mgのDFX、約360mgのDFX、または約500mgのDFXを含んでもよい。組成物は単一のガラス転移温度を有してもよい。
さらなる態様において、下記が提供される:
複合物へと熱処理された、デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤の非晶質分散物を含む薬学的組成物であって、デフェラシロクス(DFX)および各賦形剤の実質的分解を有しない、該組成物;
複合物へと熱処理された、デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤の非晶質分散物を含む薬学的組成物であって、約1.0%未満のデフェラシロクス(DFX)分解産物を有し、各賦形剤の実質的分解を有さず、かつ処理剤を含まない、該組成物;
複合物へと熱処理された、デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤の非晶質分散物を含む薬学的組成物であって、約1.0%未満のデフェラシロクス(DFX)分解産物を有し、かつ処理剤を含まない、該組成物;
複合物へと熱処理された、デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤の非晶質分散物を含む薬学的組成物であって、熱動力学的配合以外のプロセスで熱処理されたデフェラシロクス(DFX)および同じ薬学的に許容される賦形剤の製剤が2つ以上のガラス転移温度を示すのに対して、該組成物において該複合物は単一のガラス転移温度を示し、かつ該組成物はデフェラシロクス(DFX)の実質的分解を有しない、該組成物;および
複合物へと熱処理された、デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤の非晶質分散物を含む薬学的組成物であって、該組成物においてガラス転移温度が熱動力学的配合以外のプロセスで熱処理されたデフェラシロクス(DFX)および同じ薬学的に許容される賦形剤の製剤のガラス転移温度よりも有意に高く、かつ該組成物がデフェラシロクス(DFX)の実質的分解を有せず、かつ処理剤を含まない、該組成物。
前述の態様のいずれの薬学的組成物も、未処理のデフェラシロクス(DFX)と比べて、少なくとも約97%のデフェラシロクス(DFX)薬物効力を有してもよい。薬学的組成物は経口剤形として製剤してもよい。経口剤形は錠剤、カプセル剤、サシェ剤またはペレットであってもよい。錠剤は丸い平面の錠剤、丸い凹面の錠剤、細長い錠剤、またはミニタブであってもよい。経口剤形は持続放出剤形または即時放出剤形であってもよい。経口剤形は崩壊錠または浸食錠であってもよい。
薬学的組成物は、開放容器中、約40℃、相対湿度約75%での保存後、5週間の時点で、x線回折分析によると非晶質のままでありうる。組成物は、約30%〜60%DFX、約40%〜60%DFX、約30%DFX、35%DFX、40%DFX、45%DFX、50%DFX、55%DFX、または60%DFXを含んでもよい。薬学的組成物は、pH範囲4〜8の水性緩衝液中で、400、425、450、475、500、525、550、575または600μg/mLなどの、400〜600μg/mLよりも大きい、組成物中のDFXの最高溶解度を示してもよい。pH範囲4〜8の水性緩衝液中での8時間の溶解試験後の、DFXおよび標準品DFXの最高溶解度は、4:1よりも大きい比を有してもよい。組成物中のDFXのAUCおよび標準品DFXのAUCは、4:3よりも大きい比を有してもよい。
1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤は、1種類または複数種類の水溶性薬学的ポリマー、例えば、ポリ(ビニルアセテート)-コ-ポリ(ビニルピロリドン)コポリマー、ポリ(ビニルピロリドン)、セルロースアセテートフタレート、ポリ(ビニルアセテート)フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリ(メタクリレートエチルアクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:2)コポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ポリ(ビニルアルコール)、またはポリビニルカプロラクタム-ポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーを含んでもよい。DFXと水溶性薬学的ポリマーとの比は、約1:2、約2:3、約1:1. 約3:2、または約2:1であってもよい。薬学的組成物は、約90mgのDFX、約125mgのDFX、約250mgのDFX、約360mgのDFX、または約500mgのDFXを含んでもよい。
加えて、TKCによって作製した、前述の新規薬学的組成物または複合物は、圧縮成形、錠剤圧縮、カプセル充填、フィルムコーティング、または射出成形を含むが、それらに限定されない、当業者には周知の方法に従って、最終生成物へとさらに処理してもよい。ある特定の態様において、TKCによって作製した複合物は最終生成物である。もう1つの態様は、DFXおよび1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤の約1:2、1:2.5、1:3、1:3.5、1:4、1:4.5、1:5、1:5.5、1:6、1:6.5、1:7、1:7.5、1:8、1:8.5、1:9、1:9.5、または1:10の比での添加を目的とする。さらにもう1つの態様は、DFXおよび1種類または複数種類の薬学的に許容される補助剤の約1:2、1:2.5、1:3、1:3.5、1:4、1:4.5、1:5、1:5.5、1:6、1:6.5、1:7、1:7.5、1:8、1:8.5、1:9、1:9.5、1:10、1:15、1:20 1:25、1:30、1:40、1:50、1:60、1:70、1:80、1:90、1:100、1:150、1:200、1:300、1:400または1:500の比での添加を目的とする。さらなる態様は、DFXおよび1種類または複数種類のさらなる医薬品有効成分(「API」)の添加を目的とする。DFXと他のAPIとの比は20:1、16:1、6:1、 2:1、1:1、1:2、1:6、1:16、1:20であってもよい。
熱動力学的処理は、熱動力学的チャンバー内で行ってもよい。熱動力学的チャンバーは、その中でTKCが起こる密閉された容器またはチャンバーである。1つの局面において、DFXおよび1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤、補助剤、さらなるAPI、またはその任意の組み合わせの、複合物への最適な熱動力学的混合を達成するために、チャンバー内の平均温度を、処理の期間中、あらかじめ規定された最終温度まで上昇させる。もう1つの局面において、DFXおよび1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤、補助剤、さらなるAPI、またはその任意の組み合わせの、複合物への最適な熱動力学的混合を、最小限の熱分解で達成するために、1回の連続回転TKC操作中に複数の速度を用いる。熱動力学的混合中の処理および高い温度または速度への曝露の長さは、一般にはDFX、賦形剤、補助剤、またはさらなるAPIの熱感受性閾値よりも短い。もう1つの局面において、熱動力学的処理は、DFX、賦形剤、補助剤、もしくはさらなるAPIの融点以下の平均温度で実施するか;熱動力学的処理は、DFX、賦形剤、補助剤、もしくはさらなるAPIのガラス転移温度以下の平均温度で実施するか;または熱動力学的処理は、DFX、賦形剤、補助剤、もしくはさらなるAPIの溶融転移点以下の平均温度で実施する。
ある特定の態様において、熱動力学的処理は、DFX、賦形剤、補助剤またはさらなるAPIの分解を実質的に排除する。例えば、TKCは、約2.0%、1.0%、0.75%、0.5%、0.1%、0.05%、または0.01%未満のDFX、補助剤、賦形剤またはさらなるAPIの分解産物を有する組成物および複合物を生成してもよい。他の態様において、TKCは、DFXに関して、最低限少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99.9%の薬物効力を有する組成物を生成しうる。TKCの例は、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、75、100、120、150、180、240および300秒未満の間実施してもよい。一般に、TKCは、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、75、100、120、150、180、240および300秒未満、ならびにその中の任意の範囲の間実施してもよい。ある特定の態様において、DFXは非晶質形態を有する。
ある特定の態様において、製剤は、DFXの薬学的に許容されるポリマー、担体、界面活性剤、賦形剤、補助剤またはその任意の組み合わせとの混合を通じて、DFXの溶解性増強を提供してもよい。したがって、例えば、溶解性増強を示す組成物は、DFXおよび界面活性剤、DFXおよび薬学的担体(熱結合剤)、またはDFXならびに界面活性剤および薬学的担体の組み合わせからなる。
本開示のさらなる態様は、DFXおよび1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤、補助剤、さらなるAPI、またはその組み合わせを含む薬学的組成物であって、pH約1.2の水性媒質からpH4〜8の間の水性緩衝液への媒質変更後2時間以内に用量の約80%よりも多くが溶解する、該組成物である。
本開示のさらなる態様は、DFXおよび1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤、補助剤、さらなるAPI、またはその組み合わせを含む薬学的組成物であって、組成物中のDFXの最高溶解度と標準品DFXの最高溶解度との比が約2:1、3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、または約10:1よりも大きい、該組成物である。
本開示のさらなる態様は、DFXおよび1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤、補助剤、またはさらなるAPIを含む薬学的組成物であって、経口送達した場合の、組成物中のDFXのAUCおよび標準品DFXのAUCが、約4:3、5:3、2:1、または約5:1よりも大きい比を有する、該組成物である。
本開示のさらなる態様は、DFXのバイオアベイラビリティを増大させるための、DFXおよび1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤、補助剤、さらなるAPI、またはその任意の組み合わせを含む薬学的組成物の、TKCによる製剤方法であって、複合物へと溶融ブレンドされるまで、1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤、補助剤、さらなるAPI、またはその任意の組み合わせとDFXを熱動力学的に処理する段階を含む、該方法である。
本開示のさらなる態様は、DFXおよび1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤、補助剤、さらなるAPI、またはその任意の組み合わせを含む薬学的組成物であって、単一のガラス転移温度を有する、均質であるか、不均質であるか、または異成分からなる均質な、該組成物である。
本開示のさらなる態様は、複合物へと処理された、DFXおよび1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤、補助剤、さらなるAPI、またはその任意の組み合わせを含む薬学的組成物であって、該複合物が、約1.0%、約2%、約3%、約4%または約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%未満のDFX分解産物を有する、均質であるか、不均質であるか、または異成分からなる均質な、該組成物である。
本開示のさらなる態様は、DFXが混和性でない、適合性でない、または混和性もしくは適合性でない賦形剤担体系における、DFXの粒径低減である。粒径低減は、溶融賦形剤担体と同時混合するTKCプロセスによって付与される機械力による、API粒子の摩擦によって達成することができる。粒径低減は、DFXを担体と共に、TKC処理によって高温で溶融し、続いて急冷後にDFXを担体中の微細粒子として再結晶させることにより達成することもできる。この方法により、再結晶プロセスを完了させるために、二次的焼鈍段階が必要とされることもある。1つの局面において、DFXは賦形剤担体系と共にナノコンポジットの形である。
TKCによって作製され、本明細書において開示する、新規薬学的組成物または複合物は、対象、例えば、βサラセミア、非輸血依存性サラセミア(NTDT)症候群および他の慢性貧血を含むがそれらに限定されない血液障害などの状態に対して長期輸血を受けている対象における慢性鉄過剰症を軽減するために、ヒト患者または対象を含むがそれらに限定されない哺乳動物を処置するために投与してもよい。慢性鉄過剰症は、特に2歳以上の患者における輸血が原因でありうる。ある特定の態様において、そのような組成物または複合物を、現在利用可能なDFX製剤(例えば、Exjade(登録商標)、Desirox(登録商標)、Defrijet(登録商標)、Desifer(登録商標)、Jadenu(登録商標))の最大承認用量に対して次善的または不十分な反応を経験する対象の処置法において用いてもよい。そのような次善的または不十分な反応は、負の鉄バランスを達成しない対象をもたらしうる。そのような組成物または複合物で処置しうる対象には、小児、少年、若年成人および任意の年齢の成人が含まれる。特定の態様において、そのような組成物または複合物のバイオアベイラビリティは食物の影響に無関係である。例えば、そのような組成物または複合物のバイオアベイラビリティは、そのような組成物または複合物の投与の前、同時、またはすぐ後の、対象による高脂肪食のいかなる摂取にも無関係である。薬学的組成物の哺乳動物への投与は、対象が絶食していたか、または組成物の投与の直前に高脂肪食を摂取したかにかかわらず、統計学的に等価であるAUC値をもたらしうる。
同様に提供されるのは、熱動力学的配合によって複合物へと熱処理された、デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤の非晶質分散物を含む薬学的組成物であって、該組成物において該複合物は単相非晶質複合物であり、薬学的に許容される賦形剤の少なくとも1つは、熱動力学的配合以外のプロセスで熱処理された場合、DFXと非混和性である、該組成物である。
特に、デフェラシロクス(DFX)の非非晶質分散物または結晶形に対して次善的または不十分な反応を経験する対象の慢性鉄過剰症について、対象を処置する方法であって、対象にDFXの非晶質分散物および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物を投与する段階を含む方法が提供される。DFXの非晶質分散物は、熱動力学的配合によって複合物へと熱処理されてもよく、かつDFXの非非晶質分散物または結晶形は、熱動力学的配合以外のプロセスで熱処理されてもよい。対象は、βサラセミア、非輸血依存性サラセミア(NTDT)症候群または慢性貧血などの血液障害を有してもよい。DFXの非晶質分散物のバイオアベイラビリティは、高脂肪食の摂取による食物の影響などの、食物のいかなる影響とも無関係でありうる。
さらに、熱動力学的配合によって複合物へと熱処理された、デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物であって、該組成物の絶食ヒト対象への投与が、熱動力学的配合以外のプロセスによって熱処理された、DFXおよび1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物の投与と比べると、少なくとも15%大きいAUC0-T値を提供する、該組成物が提供される。AUC0-T値は、少なくとも25%大きい値でありうる。
同様に提供されるのは、熱動力学的配合によって複合物へと熱処理された、デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物であって、該組成物のヒト対象への投与が、熱動力学的配合以外のプロセスによって熱処理された、DFXおよび1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物の投与と比べると、少なくとも50%のAUC増大を提供する、該組成物である。
同様に提供されるのは、熱動力学的配合によって複合物へと熱処理された、デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物であって、該組成物の絶食ヒト対象への投与が、30%未満のCmax標準偏差および35%未満のAUC0-∞標準偏差を提供する、該組成物である。
以下の図面は本明細書の一部を形成し、本開示の一定の局面をさらに示すために含まれる。本開示は、これらの図面の1つまたは複数を、本明細書において示す具体的態様の詳細な説明と組み合わせて参照することにより、よりよく理解されるであろう。
ロット13-004-50(40%DFX、60% Eudragit L100-55)のKinetiSol(登録商標)処理特性。 ロット13-004-79(50%API、50%コポビドン(Copovidone))のKinetiSol(登録商標)処理特性。 ロット13-004-37(40%DFX、60%コポビドン)のXRD分析。上の曲線は生成物の初期状態を表し、下の曲線は40℃、75%RH(開放容器)で2ヶ月間保存後の生成物を表す。両方の状態で、結晶性DFXに対応するピークがないことは、薬物が製剤中で実質的に非晶質であったことを示す。 ロット13-004-38(40%DFX、60%コポビドン)のXRD分析。上の曲線は生成物の初期状態を表し、下の曲線は40℃、75%RH(開放容器)で2ヶ月間保存後の生成物を表す。両方の状態で、結晶性DFXに対応するピークがないことは、薬物が製剤中で実質的に非晶質であったことを示す。 ロット13-004-58(50%DFX、50%コポビドン)のXRD分析。下の曲線は生成物の初期状態を表し、上の曲線は40℃、75%RH(開放容器)で5週間保存後の生成物を表す。両方の状態で、結晶性DFXに対応するピークがないことは、薬物が製剤中で実質的に非晶質であったことを示す。 ロット13-004-79(50%DFX、50%コポビドン)のXRD分析。上の曲線は生成物の初期状態を表し、下の曲線は40℃、75%RH(開放容器)で4週間保存後の生成物を表す。両方の状態で、結晶性DFXに対応するピークがないことは、薬物が製剤中で実質的に非晶質であったことを示す。 ロット13-004-40(60%DFX、40%コポビドン)のXRD分析。上の曲線は生成物の初期状態を表し、下の曲線は40℃、75%RH(開放容器)で2ヶ月間保存後の生成物を表す。両方の状態で、結晶性DFXに対応するピークがないことは、薬物が製剤中で実質的に非晶質であったことを示す。 ロット13-004-41(20%DFX、80%HPMCAS-LF)のXRD分析。上の曲線は生成物の初期状態を表し、下の曲線は40℃、75%RH(開放容器)で3週間保存後の生成物を表す。両方の状態で、結晶性DFXに対応するピークがないことは、薬物が製剤中で実質的に非晶質であったことを示す。 ロット13-004-50(40%DFX、60% Eudragit L100-55)のXRD分析。上の曲線は生成物の初期状態を表し、下の曲線は40℃、75%RH(開放容器)で8週間保存後の生成物を表す。両方の状態で、結晶性DFXに対応するピークがないことは、薬物が製剤中で実質的に非晶質であったことを示す。 ロット13-004-57(40%DFX、30% Eudragit L100-55、30%コポビドン)のXRD分析。上の曲線は生成物の初期状態を表し、下の曲線は40℃、75%RH(開放容器)で5週間保存後の生成物を表す。両方の状態で、結晶性DFXに対応するピークがないことは、薬物が製剤中で実質的に非晶質であったことを示す。 ロット13-004-60(50%DFX、25% Eudragit L100-55、25%コポビドン)のXRD分析。下の曲線は生成物の初期状態を表し、上の曲線は40℃、75%RH(開放容器)で4週間保存後の生成物を表す。両方の状態で、結晶性DFXに対応するピークがないことは、薬物が製剤中で実質的に非晶質であったことを示す。 ロット13-004-47(50%DFX、33.33%コポビドン、16.67%HPMCAS-LF)のXRD分析。上の曲線は生成物の初期状態を表し、下の曲線は40℃、75%RH(開放容器)で8週間保存後の生成物を表す。両方の状態で、結晶性DFXに対応するピークがないことは、薬物が製剤中で実質的に非晶質であったことを示す。 カプセル中のコンパレーター(Jadenu(登録商標)およびExjade(登録商標))、純粋なAPIおよび非晶質中間体の溶解特性。Jadenu(登録商標)−Jadenu(登録商標)の360mg錠;Jadenu(登録商標)×2−Jadenu(登録商標)の2つの360mgカプセル、合計720mg;API−180mgニートAPIの2つのカプセル、合計360mg;37−ロット13-004-37(40%API、60%コポビドン)非晶質中間体を含む2つのカプセル、合計360mg DFXと等価;40−ロット13-004-40(60%API、40%コポビドン)非晶質中間体を含む2つのカプセル、合計360mg DFXと等価;47−ロット13-004-47(50%API、3.33%コポビドン、16.67%HPMCAS L)非晶質中間体を含む2つのカプセル、合計360mg DFXと等価;50−ロット13-004-50(40%API、60% Eudragit L100-55)非晶質中間体を含む2つのカプセル、合計360mg DFXと等価;57−ロット13-004-57(40%API、30%コポビドン、30% Eudragit L100-55)非晶質中間体を含む2つのカプセル、合計360mg DFXと等価;58−ロット13-004-58(50%API、50%コポビドン)非晶質中間体を含む2つのカプセル、合計360mg DFXと等価;39−ロット13-004-39(60%API、40%コポビドン)部分的結晶性中間体を含む2つのカプセル、合計360mg DFXと等価。 非晶質中間体を含む崩壊および浸食錠の溶解特性。73−錠剤ロット13.004.73、ロット13-004-58(50%API、50%コポビドン)非晶質中間体を含む崩壊錠;74−錠剤ロット13.004.74、ロット13-004-58(50%API、50%コポビドン)非晶質中間体を含む浸食錠;75−錠剤ロット13.004.75、ロット13-004-60(50%API、25%コポビドン、25% Eudragit L100-55)非晶質中間体を含む崩壊錠;76−錠剤ロット13.004.76、ロット13-004-60(50%API、25%コポビドン、25% Eudragit L100-55)非晶質中間体を含む浸食錠;77−錠剤ロット13.004.77、ロット13-004-50(40%API、60% Eudragit L100-55)非晶質中間体を含む崩壊錠;78−錠剤ロット13.004.78、ロット13-004-50(40%API、60% Eudragit L100-55)非晶質中間体を含む浸食錠。 ロット13-004-40(60%API、40%コポビドン)非晶質中間体を含む、異なる形状の浸食錠の溶解特性。細長い:錠剤ロット13.004.84 #1、1錠;円形:錠剤ロット13.004.84 #2、1錠;細長い+マンニトール:錠剤ロット13.004.84 #3、1錠;ミニタブ:錠剤ロット13.004.84 #4、3錠;カプセル中のミニタブ:錠剤ロット13.004.84 #4、サイズ00のカプセルに充填した3錠;50%DFX AI錠:参照;錠剤ロット13.004.74、ロット13-004-58(50%API、50%コポビドン)非晶質中間体を含む1錠。 処置1(製剤30011、絶食)、処置2(Jadenu(登録商標)参照、絶食)、処置4(製剤30012、絶食)および処置5(Jadenu(登録商標)参照、絶食)についての、時間に対する血漿濃度のプロット。 個々の対象の処置1(製剤30011、絶食)と処置2(Jadenu(登録商標)参照、絶食)についての、時間に対する血漿DFX濃度曲線。 個々の対象の処置1(製剤30011、絶食)と処置2(Jadenu(登録商標)参照、絶食)についての、時間に対する血漿DFX濃度曲線。 個々の対象の処置1(製剤30011、絶食)と処置2(Jadenu(登録商標)参照、絶食)についての、時間に対する血漿DFX濃度曲線。
詳細な説明
本開示の様々な態様の作製および使用を以下に詳細に論じるが、本開示は多様な文脈において具体化しうる多くの発明概念を提供することが理解されるべきである。本明細書において論じる特定の局面および態様は、本開示を作製および使用するためのやり方の例示にすぎず、本開示の範囲を限定するものではない。
本明細書において記載するのは、改善されたデフェラシロクス(DFX)組成物およびそれらの製造方法である。この方法は、高い非晶質薬物負荷を有するDFX非晶質固体分散物を生成するための熱処理を可能にする。高い薬物負荷のDFX非晶質分散物を得るために必要とされる処理温度はポリマーの分解温度を超えるため、DFXの高い融点は、本明細書に記載の非晶質分散組成物を生成するための、他の熱処理技術、すなわち溶融押し出しの使用を妨げる。さらに、高い薬物負荷のDFX非晶質分散物を生成するのに必要な温度での典型的溶融押出プロセスの長い処理時間は、高い薬物関連不純物含有量(>1%)を生じることになると予想される。さらに、この方法の非溶媒性は、溶媒系プロセスに関連する問題、すなわち、費用、安全性、および環境廃棄物を排除する。さらに、比較的少量の固体を得るために大量の溶媒を蒸発させることになる、一般的な揮発性有機溶媒中のDFXの限られた溶解性の結果として、この方法は、主な溶媒系プロセス;すなわち、噴霧乾燥よりも非常に効率的である。本開示の方法は、薬物製造および送達においてさらなる利点を有する、イオン性、非イオン性、架橋、高粘性、および熱不安定性ファルマポリマーを含む、一連の薬学的担体とのDFXの独特な非晶質分散組成物を可能にする。
本明細書に記載の処理法を用いて、非晶質分散製剤による溶解動力学の増強およびDFXのpH依存的溶解性の緩和が達成され、結晶性DFXを含む組成物に比べて薬動力学的(PK)特性の改善をもたらす。例えば、結晶性DFXを含む組成物に比べて、ヒト対象におけるDFXの全経口吸収(AUC)の増大、DFXの最高血漿濃度(Cmax)の増大、PK変動性の低減、食物の影響の緩和、完全かつ一貫した吸収、および化合物の結晶形を十分に吸収できない患者におけるDFX有効性の増強がすべて達成される。
世界中で何万もの輸血依存性(例えば、サラセミア)患者が慢性鉄過剰症およびその致死的となる可能性のある合併症を患っている。2006年以来、多くの国で市販されているDFXは、輸血性ヘモジデリン沈着症の患者にとって大きな進歩であり、ある割合の患者は最大承認用量(30mg/kg/日)に対して次善的反応を有し、負の鉄バランスを達成しない。Chirnomas et al. (2009)は、不十分なデフェラシロクス反応(>30mg/kg/日のデフェラシロクス用量に対してフェリチン上昇傾向または肝臓鉄上昇)を示す10名の輸血患者を十分な反応を示す対照輸血依存性患者と比較する、経口デフェラシロクス薬物動態(PK)の前向き試験を報告した。デフェラシロクスに対して不十分な反応を示す患者は、対照患者と比べて、有意に低い全身薬物曝露を有した。Cmax、分布量/バイオアベイラビリティ(Vd/F)、および排出半減期(t(1/2))は群間で差がなく、見込みのある判別子としてのバイオアベイラビリティが示唆された。
本明細書に記載の組成物によって得られたDFXの溶解および溶解性増強は現在利用可能な組成物よりもすぐれているため、これらの新しい製剤により、実質的に結晶形で経口投与した場合にDFXに対して不十分な反応を示すことが以前に特定されている患者で、実質的により低い用量で治療濃度が達成されうるであろう。これは、妥当な用量で治療的血中レベルを達成し、より速やかで一貫した用量滴定を可能にすることにより、これらの患者におけるDFXの有効性を改善し、同時にこれらの製剤は投与用量を実質的に低減し、その結果有害事象の頻度および重症度を低減するため、これらの患者におけるDFXの安全特性を改善することになる。
本開示のこれら、および他の局面を以下に詳細に論じる。
I. 定義
本開示の理解を容易にするために、いくつかの用語を以下に定義する。本明細書において定義する用語は、本開示に関連する領域の当業者によって一般に理解される意味を有する。「a」、「an」および「the」などの用語は、単数の実体のみを指すことを意図するものではなく、一般的クラスを含み、その具体例を例示のために用いてもよい。
本明細書において挙げる値または範囲に関して、「約」なる用語は、述べられた数と実質的に同じ結果を達成しうる、述べられた数よりも高い、および低い変動を取り込むことが意図される。本開示において、様々に述べられた範囲のそれぞれは、各範囲の述べられた最小値と最大値との間の各数値パラメーターを含むために、連続的であることが意図される。例えば、約1〜約4の範囲は約1、1、約2、2、約3、3、約4、および4を含む。本明細書における用語は、本開示の具体的態様を記載するために用いられるが、それらの使用は、特許請求の範囲に概要を示す以外は、本開示の範囲を定めるものではない。
本明細書において言及するすべての出版物および特許出願は、本開示が属する分野の技術者の技術のレベルを示すものである。すべての出版物および特許出願は、それぞれ個々の出版物または特許出願が具体的かつ個別に参照により本明細書に組み入れられると示されたのと同程度に、参照により本明細書に組み入れられる。
「a」または「an」なる用語の使用は、特許請求の範囲および/または明細書において「含む」なる用語と共に用いられる場合、「1つ」を意味しうるが、「1つまたは複数」、「少なくとも1つ」、および「1つまたは1つよりも多く」の意味とも一致する。本開示は代替物のみ、および「および/または」を意味する定義を支持するが、特許請求の範囲における「または」なる用語の使用は、代替物だけを意味する、または代替物が互いに排他的であると明らかに示されていないかぎり、「および/または」を意味するために用いられる。本出願の全体を通して、「約」なる用語は、値がその値をもとめるために用いている装置、方法に固有の誤差の変動、または試験対象の間に存在する変動を含むことを示すために用いられる。
本明細書および特許請求の範囲において用いられる、「含む(comprising)」(ならびに「含む(comprise)」および「含む(comprises)」などの含む(comprising)の任意の形)、「有する(having)」(ならびに「有する(have)」および「有する(has)」などの有する(having)の任意の形)、「含む(including)」(ならびに「含む(includes)」および「含む(include)」などの含む(including)の任意の形)または「含む(containing)」(ならびに「含む(contains)」および「含む(contain)」などの含む(containing)の任意の形)なる用語は、包括的または無制限であり、さらなる、列挙していない要素または方法段階を除外しない。
本明細書において用いられる「またはその組み合わせ」なる用語は、用語の前にある列挙した項目のすべての順列および組み合わせを意味する。例えば、「A、B、C、またはその組み合わせ」は、以下の少なくとも1つを含むことが意図される:A、B、C、AB、AC、BC、またはABC、および特定の文脈において順序が重要である場合は、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、またはCAB。この例に続いて、特に含まれるのは、BB、AAA、MB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABBなどの、1つまたは複数の項目または用語の繰り返しを含む組み合わせである。当業者であれば、文脈からそうではないことが明らかでない限り、典型的には、任意の組み合わせにおける項目または用語の数に制限はないことを理解するであろう。
本明細書において用いられる「熱動力学的配合」または「TKC」なる用語は、溶融ブレンドされるまで熱動力学的混合する方法を意味する。TKCは、処理が凝集のいくらか前の時点で終わる熱動力学的混合プロセスまたは熱動力学的処理として説明されうる。このプロセスの商標は「KinetiSol(登録商標)」である。
本明細書において用いられる「均質であるか、不均質であるか、もしくは異成分からなる均質な複合物または非晶質複合物」なる語句は、TKC法を用いて作製しうる様々な組成物を意味する。
本明細書において用いられる「異成分からなる均質な複合物」なる用語は、体積の全体に均等かつ均一に分配された、少なくとも2つの異なる材料を有する材料組成物を意味する。
本明細書において用いられる「標準品医薬品有効成分」なる語句は、現在利用可能な最も熱力学的に安定な形の医薬品有効成分を意味する。
「DFX」または「さらなるAPI」なる用語と共に、本明細書において用いられる「実質的分解」なる用語は、毒物学試験により認定されている閾値を超える、または未知の不純物に対して許容可能な閾値を超えるレベルの不純物の生成につながる分解を意味する。例えば、Guidance for Industry, Q3B(R2) Impurities in New Drug Products (International Committee for Harmonization, published by the U.S. Department of Health and Human Services, Food and Drug Administration, Center for Drug Evaluation and Research (CDER), Center for Biologics Evaluation and Research, July, 2006を参照されたい。「賦形剤」なる用語と共に、本明細書において用いられる「実質的分解」なる用語は、賦形物が承認された薬局方、例えば、米国薬局方の公式研究書に示される明細にもはや適合しない程度の、賦形剤の分解を意味する。
本明細書において用いられる「高い溶融粘度」なる用語は、10,000Pa*sよりも大きい溶融粘度を意味する。
本明細書において用いられる「熱不安定性API」なる用語は、その結晶融点で分解するAPIか、または非結晶(非晶質)形態である場合に該結晶融点よりも低い温度で分解するAPIを意味する。本明細書において用いられる「熱不安定性ポリマー」なる用語は、約200℃以下で分解するポリマーを意味する。
本開示の組成物が、均質であるか、不均質であるか、もしくは異成分からなる均質な組成物、非晶質組成物またはその組み合わせであろうとなかろうと、TKC処理条件は、熱処理されたか、またはMBP法を用いて、例えば可塑剤を使用してもしくは使用せずに処理された、薬物および薬学的に許容される賦形剤、補助剤、さらなるAPI、またはその任意の組み合わせの同じ組み合わせのガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する組成物を生成することができる。TKC処理条件は、単一のガラス転移温度を有する組成物も生成することができ、ここで熱処理された、同じAPIおよび薬学的に許容される賦形剤、補助剤、さらなるAPI、またはその任意の組み合わせの同じ組み合わせは、複数のガラス転移温度を有する。他の態様において、本開示の薬学的組成物は、熱処理された同じ組み合わせの最も低いガラス転移温度よりも、少なくとも約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%高い単一のガラス転移温度を有する。または、熱動力学的処理を用いて作製した組成物は、各薬物に関して最低限少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99.9%の治療効力を有する組成物を生成しうる。
本明細書において用いられる「熱動力学的チャンバー」なる用語は、その中でTKC法を用いて本開示の新規組成物を作製する、密閉された容器またはチャンバーを意味する。
本明細書において用いられる「熱処理された(thermally processed)」または「熱処理された(processed thermally)」とは、構成要素がホットメルト押出、溶融造粒、圧縮成形、錠剤圧縮、カプセル充填、フィルムコーティング、または射出成形によって処理されることを意味する。
本明細書において用いられる「押出」は、湿った、または溶融した組成物に、それが孔または規定された開口部を通って流れるまで圧を適用する周知の方法である。押出可能な長さは、押し出す材料の物理的特徴、押出の方法、および押出後の粒子の操作プロセスによって変動する。ねじ、ふるいおよびかご、ロール、ならびにラム押出機などの、様々な種類の押出装置を用いることができる。さらに、押出は溶融押し出しにより実施することもできる。本開示の構成要素を溶融し、添加物を含む、または含まない、連続、無溶媒押出プロセスにより押し出すことができる。そのようなプロセスは当業者には周知である。
本明細書において用いられる「噴霧コーティング」は、液体から流動性粉末を得るため、およびペレットを提供するために、材料の構造を変化させる際に一般に用いられる方法である。噴霧凝結は、関心対象の物質を溶融させ、分散させ、または他の添加物のホットメルト中に溶解させ、次いで温度が製剤構成要素の融点よりも低いエアーチャンバー中に噴霧して、凝結ペレットを提供するプロセスである。そのようなプロセスは当業者には周知である。
本明細書において用いられる「溶媒脱水」または「噴霧乾燥技術」は、高温ガスで急速に乾燥することにより、液体またはスラリーから乾燥粉末を生成するために、一般に用いられる。これは、食物および薬剤などの、多くの熱感受性材料を乾燥する、1つの好ましい方法である。水または有機溶媒系製剤を、窒素、アルゴンなどの不活性処理ガスを用いて、噴霧乾燥することができる。そのようなプロセスは当業者には周知である。
本明細書において用いられる「バイオアベイラビリティ」とは、薬物が体に投与された後に標的組織に対して利用可能となる程度を意味する。不良なバイオアベイラビリティは、薬学的組成物、特に溶解性が高くない薬物を含む薬学的組成物の開発中に遭遇する重大な問題である。
本明細書において用いられる「薬学的に許容される」なる語句は、一般にヒトに投与されたときに、アレルギー反応または同様の有害反応を生じない、分子実体、組成物、材料、賦形剤、担体などを意味する。
本明細書において用いられる「難溶性」とは、投与する用量がpH1〜7.5の範囲の水性媒質250mlに十分に溶解することができないような溶解度を有する薬物、溶解速度が遅い薬物、および例えば、送達している治療薬物の薬理効果のバイオアベイラビリティ低減を引き起こす、低い平衡溶解度を有する薬物を意味する。
本明細書において用いられる「誘導体」とは、元の薬物の所望の効果または特性を依然として保持する、化学修飾された阻害剤または刺激剤を意味する。そのような誘導体は、親分子上の1つまたは複数の化学部分の付加、除去、または置換によって誘導してもよい。そのような部分には、水素もしくはハロゲン化物などの元素、またはメチル基などの分子基が含まれうるが、それらに限定されない。そのような誘導体は、当業者には公知の任意の方法によって調製してもよい。そのような誘導体の特性は、それらの所望の特性について、当業者には公知の任意の手段によって検定してもよい。本明細書において用いられる「類縁体」は、構造等価物または模倣物を含む。
溶液中で用いる溶解剤は、水などの水性、1種類または複数種類の有機溶媒、またはその組み合わせでありうる。使用する場合、有機溶媒は水混和性または水非混和性でありうる。適切な有機溶媒には、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、アセトン、tert-ブチルアルコール、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、ジエチル−テル、塩化メチレン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、およびその組み合わせが含まれるが、それらに限定されない。
「即時放出」とは、放出が始まった後、数秒から約30分以内の期間にわたる環境へのAPIの放出を意味し、放出は投与後約2分以内に始まる。即時放出は、薬物の放出における著しい遅延を示さない。
「急速放出」とは、放出が始まった後、1〜59分または0.1分から3時間までの期間にわたる環境へのAPIの放出を意味し、放出は、投与後数分以内または投与後の遅延期間(時間のずれ)の終了後に始まりうる。
本明細書において用いられる「持続放出」特性なる用語は、薬学の分野において広く認識される定義を想定している。持続放出剤形は、APIを実質的に一定の速度で長期間にわたって放出する、または実質的に一定の量のAPIが長期間にわたって徐々に放出される。持続放出錠は一般に、通常の剤形(例えば、液剤または急速放出する通常の固形剤形)として提供されるAPIと比較して、投薬頻度を少なくとも2分の1に減少させる。
「制御放出」とは、約8時間から最大約12時間、16時間、18時間、20時間、1日、または1日よりも長い期間での、環境へのAPIの放出を意味する。「徐放」とは、デバイスを投与する対象の血中または標的組織中で一定の薬物レベルを維持するための、活性剤の持続放出を意味する。
薬物放出に関する「制御放出」なる用語は、「持続放出」、「長期放出」、「徐放」、または「緩徐放出」なる用語が薬学において用いられる場合のこれらの用語を含む。制御放出は、投与後数分以内、または投与後の遅延期間(時間のずれ)の終了後に始まりうる。
「緩徐放出剤形」は、APIが、例えば、3時間、6時間、12時間、18時間、1日、2日以上、1週間、または2週間以上の期間にわたってゆっくり、かつほぼ持続的に放出されるように、APIの低速放出を提供する剤形である。
本明細書において用いられる「混合放出」なる用語は、1種類または複数種類の医薬品有効成分に対する複数の放出特性を含む薬剤を意味する。例えば、混合放出は、即時放出および持続放出部分を含んでもよく、これらはそれぞれ同じAPIであってもよく、またはそれぞれが異なるAPIであってもよい。
「持効性剤形」は、使用環境への最初の曝露の瞬間から測定して、所定の期間後にAPIを放出し始める剤形である。
「ターゲティングされた放出剤形」は、一般には、APIを対象の胃腸管の特定の部分に送達するよう設計された、経口剤形を意味する。例示的なターゲティングされた剤形は、薬物を対象の胃または口中でなく中央部から下部腸管中に送達する腸溶剤形である。他のターゲティングされた剤形は、胃、空腸、回腸、十二指腸、盲腸、大腸、小腸、結腸、または直腸などの、胃腸管の他の部分に送達することができる。
「遅延放出」とは、APIの最初の放出がおおよその遅延(またはずれ)期間の終了後に起こることを意味する。例えば、持続放出組成物からのAPIの放出が2時間遅れる場合、APIの放出は組成物、または剤形の対象への投与の約2時間後に始まる。一般に、遅延放出は、APIの放出が投与後数分以内に始まる即時放出の反対である。したがって、特定の組成物からのAPI放出特性は、遅延-持続放出または遅延-急速放出でありうる。「遅延-持続」放出特性は、APIの持続放出が最初の遅延期間の終了後に始まるものである。「遅延-急速」放出特性は、APIの急速放出が最初の遅延期間の終了後に始まるものである。
「パルス状放出剤形」は、低濃度トラフが介在する、高いAPI濃度のパルスを提供する剤形である。2つのピークを含むパルス状特性は「二峰性」と記載してもよい。3つ以上のピークのパルス状特性は多峰性と記載してもよい。
「偽一次放出特性」は、一次放出特性に近似するものである。一次放出特性は、単位時間あたりに最初のAPI投入量の一定のパーセンテージを放出する剤形の放出特性を特徴付けるものである。
「偽ゼロ次放出特性」は、ゼロ次放出特性に近似するものである。ゼロ次放出特性は、単位時間あたりにAPIの一定の量を放出する剤形の放出特性を特徴付ける。
II. 熱動力学的配合
ある特定の態様において、本開示の薬学的製剤を、米国特許第8,486,423号に記載の熱動力学的チャンバー内で処理し、この特許は参照により本明細書に組み入れられる。本開示は、いかなる実質的な熱分解も最小化するために、熱不安定性構成要素を含むバッチに対する1回の連続回転操作中に複数の速度を用いて、熱動力学的ミキサー中で一定の熱感受性または熱不安定性構成要素をブレンドする方法を目的とし、したがって得られる薬学的組成物は高いバイオアベイラビリティおよび安定性を有する。
TKCチャンバーにおいて、APIおよび1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤、補助剤、さらなるAPI、またはその任意の組み合わせの、複合物への熱動力学的配合を達成するために、チャンバー内の平均温度を、処理の期間中、あらかじめ規定された最終温度まで上昇させる。熱動力学的配合中の処理および高い温度への曝露の長さは、一般にはAPI、賦形剤、補助剤、もしくはさらなるAPI、またはこれらすべての熱感受性閾値よりも短い。APIならびに1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤、補助剤およびさらなるAPI、またはその組み合わせの、複合物への最適な熱動力学的混合を、最小限の熱分解で達成するために、1回の連続回転TKC操作中に複数の速度を用いてもよい。あらかじめ規定された最終温度および速度は、処理中にAPI、賦形剤、補助剤、さらなるAPIおよび/もしくは処理剤が分解される、またはそれらの機能性が損なわれる可能性を低減するように選択される。一般に、あらかじめ規定された最終温度、圧、処理時間および他の環境条件(例えば、pH、湿気、緩衝剤、イオン強度、O2)は、API、賦形剤、補助剤、さらなるAPIおよび/または処理剤の分解を実質的に排除するように選択されることになる。
他の態様には下記が含まれる:
低温で非常に短時間処理することにより、さらなるAPIを伴って、または伴わずに、DFXの固体分散物を生成すること;
低温で非常に短時間処理することにより、熱不安定性ポリマーおよび賦形剤中に、さらなるAPIを伴って、または伴わずに、DFXの固体分散物を生成すること;
DFXを、ポリマー、非ポリマー、または組み合わせの賦形剤担体系に分散していると同時に、さらなるAPIを伴って、または伴わずに、非晶質にすること;
DFXを、ポリマー、非ポリマー、または組み合わせの賦形剤担体系および補助剤に分散していると同時に、さらなるAPIを伴って、または伴わずに、非晶質にすること;
処理剤を使用せずに、さらなるAPIを伴って、または伴わずに、DFXおよび1種類または複数種類の熱不安定性ポリマーを含む複合物を生成すること;および
加えて、本開示の組成物を、融合または溶媒系技術を含む、当業者には公知の任意の技術を用いて処理して、固体製剤を生成してもよい。これらの技術の具体例には、押出、溶融押出、ホットメルト押出、噴霧凝結、噴霧乾燥、ホットスピン混合、超音波圧縮、および静電スピニングが含まれる。
III. デフェラシロクス
A. 背景
デフェラシロクス(DFX)は、慢性鉄過剰症の処置に対して指示される経口活性鉄(Fe3+として)キレート剤である。DFXは高い親和性により2:1の比で鉄に結合する三座配位子である。DFXの分子構造を以下に提供する:
Figure 2018517734
その分子式はC21H15N3O4で、対応する分子量は373.4g/molである。DFXの融点は264〜265℃であり、6.3のLogP値を有する(Merck Index)。4.57、8.71、および10.56のpKa値を有し、化合物が弱酸性であることを示している[1]。DFXはpH依存的溶解性を示す:DFXは酸性媒質中では不溶性で、pHの上昇と共に溶解性が高くなる[1]。DFXの報告された水溶性は25℃で0.4mg/mlである[1]
前述のとおり、経口投与されたDFXの薬物動態は、変動性が高いことで特徴付けることができ、変動性の原因として最も可能性が高いのはそのpH依存的溶解性である。胃液中で溶解性が低い弱酸性化合物は、適切な送達系なしに長期間酸性媒質に曝されると、不溶性の凝集構造を形成する傾向がある[2]。胃内でこれらの不溶性構造が形成されると、遊離化合物の腸液中での比較的良好な溶解性にもかかわらず、腸管腔からの化合物の溶解および吸収は実質的に低減する。胃腸のpHは、栄養および疾患状態ならびに/または薬物治療の影響に基づき、所与の個体で日によって、また個体間で大きく変動しうるため、DFXの溶解特性は一貫性のない経口吸収と、その結果としての、治療成績の低下につながりうる。
DFX経口懸濁用錠(Exjade(登録商標))の絶対バイオアベイラビリティは、静脈内用量と比べて70%であると報告されている(Exjade(登録商標)の添付文書参照)。しかし、輸血性鉄過剰症患者のかなりの割合はDFXに対して反応が悪いとも報告されており、これは最近の臨床試験における低い全身曝露に直接相関していた[3]。さらに、DFXについて実質的な正の食物の影響が報告されており、鉄過剰症患者はDFXを高脂肪食と共に投与すると、2倍高い曝露を示した。定常状態(7日間投与)で、全DFX用量の84%が未変化の薬物として糞便中に回収され、これは部分的には不完全な腸管吸収に起因していた[4]。これらの臨床での知見は、DFXの改善された経口送達系は下記によって治療成績を改善しうることを示唆している:(1)患者内および患者間の変動性を低減すること、(2)非反応者に対して吸収を改善する/治療を可能にすること、および(3)食物の影響を排除すること。最後に、バイオアベイラビリティ増強を通じて治療用量を低減すること、および変動性を緩和することも、DFX毒性に関連する有害事象の頻度の低減につながる可能性がある。
B. 鉄毒性
鉄過剰症は、ヘモクロマトーシスとしても公知で、任意の原因による体内の鉄の蓄積を示す。最も重要な原因は、遺伝障害である遺伝性ヘモクロマトーシス(HHC)、および繰り返す輸血によって起こり得る輸血性鉄過剰症である。
1. 徴候と症状
ヘモクロマトーシスに一般に冒される臓器は肝臓、心臓、および内分泌腺である。ヘモクロマトーシスは以下の臨床症候群を示しうる:
肝臓の硬変症(帯状の鉄沈着から線維症まで変動)
機能不全および細胞死につながる膵島ベータ細胞における選択的鉄沈着による糖尿病
心筋症
関節炎(関節におけるピロリン酸カルシウム沈着)
精巣機能不全
皮膚のスレートグレー変色
関節痛および骨痛
2. 発生
原因は一次症例(遺伝性または遺伝学的に判定)と頻度が低い二次症例(生存中に獲得)との間で区別することができる。ケルト族(アイルランド人、スコットランド人、ウェールズ人、コーンウォール人、ブルトン人など)、ブリトン族、およびスカンジナビア人起源の人々は、特に高い発生率を有し、その約10%はHLA-A3に関連するHFE遺伝子上のC282Y変異のキャリアで、1%はこの状態を患っている。
一次ヘモクロマトーシス
20世紀のほとんどの間、ヘモクロマトーシスのほとんどの症例は遺伝性であることが知られていたが、誤って単一の遺伝子に依存すると考えられていた。圧倒的大多数は実際、1996年に見出されたHFE遺伝子の変異に依存するが、それ以来、他の変異が発見され、時には「非古典的遺伝性ヘモクロマトーシス」、「非HFE関連遺伝性ヘモクロマトーシス」または「非HFEヘモクロマトーシス」として分類されている。遺伝性ヘモクロマトーシスのほとんどの型は常染色体劣性遺伝を有するが、4型は常染色体優性遺伝を有する。
二次ヘモクロマトーシス
血管内溶血および無効赤血球生成(骨髄内の溶血)を含む、任意の原因の重症慢性溶血。複数回の高頻度の輸血(全血または赤血球のみのいずれでも)、通常は遺伝性貧血(重症型βサラセミア、鎌状赤血球貧血、およびダイアモンド・ブラックファン貧血などの)の個人または骨髄異形成症候群におけるなどの重症後天性貧血の高齢患者のいずれかが必要とする。鉄中毒で急性に起こりうるものなどの、過剰な非経口鉄補給剤。
通常はそれ自体ではヘモクロマトーシスの原因とならない障害でも、他の素因存在下では原因となることもある。これらには肝硬変(特にアルコール乱用関連の)、任意の原因の脂肪性肝炎、晩発性皮膚ポルフィリン症、長期血液透析、および門脈大静脈シャント後が含まれる。
3. 検出
血清フェリチン、肝生検、HFEおよびMRIを含む、鉄負荷を診断およびモニターするのに利用可能ないくつかの方法がある。血清フェリチン試験は、体内鉄貯蔵を評価するための、低コスト、容易に利用可能で、侵襲性が最小限の方法である。しかし、この試験を鉄過剰症の指標として使用する際の大きな問題は、血清フェリチンは感染、炎症、発熱、肝疾患、腎疾患、および癌を含む、鉄レベルに無関係の一連の他の医学的状態で上昇しうることである。また、総鉄結合能が低い場合であっても、正常である可能性もある。
陽性HFE分析は、血液検査で鉄貯蔵の増大を示す無症候性の個人における、またはヘモクロマトーシスの家族歴を有する個人の予知試験のための、ヘモクロマトーシスの臨床診断を確認する。HFE遺伝子分析によって評価される対立遺伝子は、ヘモクロマトーシスの患者の約80%で明白であり;HFE遺伝子陰性の報告はヘモクロマトーシスを排除するものではない。HFE遺伝子試験が陰性で、他に明らかな理由なしに鉄状態が上昇し、肝疾患の家族歴を有する患者では、肝臓鉄濃度のさらなる評価が必要である。この場合、ヘモクロマトーシスの診断は生化学分析および肝生検の組織学的検査に基づく。肝鉄指数(HII)の評価は、ヘモクロマトーシスの診断の「至適基準」と考えられる。磁気共鳴画像法(MRI)は、肝臓ならびに心臓、関節、および下垂体における鉄沈着レベルを正確に推定するための非侵襲的代替法として登場しつつある。
一次ヘモクロマトーシス患者の家族は、キャリアであるかどうか、または疾患を発生しうるかどうかを判定するためにスクリーニングすべきである。これにより、予防手段を行うことが可能となりうる。一般集団のスクリーニングは推奨されない。
4. 処置
それ以外は健康な人の日常的処置は、定期的に計画された瀉血(放血)である。初めて診断された時点では、鉄レベルを正常範囲内にすることができるまで、瀉血はかなり頻繁に、おそらくは1週間に1回という高頻度であってもよい。鉄および他のマーカーが正常範囲内になれば、瀉血は患者の鉄負荷の速度に応じて、1ヶ月おき、または3ヶ月に1回で計画してもよい。各回は典型的には450〜500cc採血する。
日常的採血に耐えることができない患者のために、使用可能なキレート剤がある。薬物デフェロキサミンは血流中の鉄に結合し、尿および糞便からのその排出を増大させる。慢性鉄過剰症の典型的処置は、毎日8〜12時間にわたる皮下注射を必要とする。サラセミアを処置するために定期的な輸血を受けている(したがって、結果として鉄過剰症を発生する)患者での使用が認可されている、2つの新しい鉄キレート薬はデフェラシロクスおよびデフェリプロンである。
5. 予後
未処置の患者の3分の1は肝細胞癌を発生する。40歳を過ぎたまたは血清フェリチンレベルが高い罹患した個人は、肝硬変を発生するリスクが高い。約10人に1人で重大な問題が起こる。
C. 送達
DFXを必要のある患者に送達するために、様々な投与経路が利用可能である。選択される特定の経路は、選択される特定の薬物、患者の体重および年齢、ならびに治療効果のために必要とされる用量に依存することになる。薬学的組成物は単位剤形で都合よく提供してもよい。本開示に従って使用するのに適したDFX、ならびにその薬学的に許容される塩、誘導体、類縁体、プロドラッグ、および溶媒和物は単独で投与することもできるが、一般には意図される投与経路および標準の薬務に関して選択される適切な薬学的賦形剤、補助剤、希釈剤、または担体との混合物で投与され、ある特定の場合には、1種類または複数種類のさらなるAPIと共に、好ましくは同じ単位剤形で投与することもできる。
DFXは、錠剤、カプセル剤または懸濁剤としての経口送達;肺および鼻送達;乳剤、軟膏またはクリームとしての局所送達;経皮送達;ならびに懸濁剤、マイクロエマルジョンまたはデポーとしての非経口送達を含む、様々な適用様式で用いてもよい。本明細書において用いられる「非経口」なる用語は、皮下、静脈内、筋肉内、または注入投与経路を含む。
D. 賦形剤
本開示の組成物および複合物において用い得る賦形剤および補助剤は、独自にいくらかの活性、例えば、抗酸化剤活性を有する可能性があるが、一般には本出願のためにDFXの効率および/または有効性を増強する化合物と定義される。所与の溶液中に複数のAPIを有することも可能であり、したがって形成される粒子は複数のAPIを含む。
当業者には公知の任意の薬学的に許容される賦形剤を用いて、本明細書において開示する複合物および組成物を生成してもよい。本開示により用いるための賦形剤の例には、例えば、薬学的に許容されるポリマー、熱不安定性ポリマー賦形剤、または非ポリマー賦形剤が含まれるが、それらに限定されない。賦形剤の他の非限定例には、ラクトース、グルコース、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸、水、単シロップ、グルコース溶液、デンプン溶液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、シェラック、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、寒天末、カルシウムカルメロース、デンプンおよびラクトースの混合物、スクロース、バター、硬化油、四級アンモニウム塩基およびラウリル硫酸ナトリウムの混合物、グリセリンおよびデンプン、ラクトース、ベントナイト、コロイド状ケイ酸、タルク、ステアレート、およびポリエチレングリコール、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポロキサマー(ポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックコポリマー)、スクロースエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸、ラウリン酸、ビタミンE TPGS、ポリオキシエチル化グリコール分解グリセリド、ジパルミトイルホスファジチルコリン、グリコール酸および塩、デオキシコール酸および塩、フシジン酸ナトリウム、シクロデキストリン、ポリエチレングリコール、ポリグリコール化グリセリド、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリビニルピロリドン、ホスファチジルコリン誘導体、セルロース誘導体と、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)から選択される生体適合性ポリマーならびにそのブレンド、組み合わせおよびコポリマーが含まれる。
前述のとおり、賦形剤および補助剤をAPIの有効性および効率を増強するために用いてもよい。含まれうる化合物のさらなる非限定例は、結合剤、担体、凍結保護剤、凍結乾燥保護剤、界面活性剤、充填剤、安定化剤、ポリマー、プロテアーゼ阻害剤、抗酸化剤、バイオアベイラビリティ増強剤および吸収増強剤である。賦形剤は、流動、もしくはバイオアベイラビリティを改善することにより有効成分の所期の機能を改変するため、またはAPIの放出を制御する、もしくは遅延させるために選択してもよい。具体的な非限定例には:スクロース、トレハロース、スパン80、スパン20、トゥイーン80、ブリジ35、ブリジ98、プルロニック、スクロエステル7、スクロエステル11、スクロエステル15、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS、ドデシル硫酸ナトリウム。SDS)、ジオクチルソジウムスルホスクシネート (DSS、DOSS、ジオクチルドキュセートナトリウム)、オレイン酸、ラウレス-9、ラウレス-8、ラウリン酸、ビタミンE TPGS、クレモフォール(Cremophor)(登録商標)EL、クレモフォール(登録商標)RH、ゲルシア(登録商標)50/13、ゲルシア(登録商標)53/10、ゲルシア(登録商標)44/14、ラブラフィル(登録商標)、ソルトール(Solutol)(登録商標)HS、ジパルミトイルホスファジチルコリン、グリコール酸および塩、デオキシコール酸および塩、フシジン酸ナトリウム、シクロデキストリン、ポリエチレングリコール、ラブラソール(Labrasol)(登録商標)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンならびにチロキサポールが含まれる。本開示のプロセスを用いて、有効成分の形態を改変し、高度に多孔性のミクロ粒子およびナノ粒子を得ることができる。
本開示の組成物および複合物において用いうる例示的ポリマー担体または熱結合剤には、ポリエチレンオキサイド;ポリプロピレンオキサイド;ポリビニルピロリドン;ポリビニルピロリドン-コ-酢酸ビニル;アクリレートおよびメタクリレートコポリマー;ポリエチレン;ポリカプロラクトン;ポリエチレン-コ-ポリプロピレン;メチルセルロースなどのアルキルセルロース;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシブチルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロース;ヒドロキシエチルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのヒドロキシアルキルアルキルセルロース;デンプン、ペクチン;トラガカント、アラビアゴム、グアーゴム、およびザンサンゴムなどの多糖が含まれるが、それらに限定されない。結合剤の1つの態様はポリ(エチレンオキサイド)(PEO)であり、これはDow Chemical Companyなどの会社から市販されており、この会社ではPOLY OX(登録商標)という登録商標でPEOを販売しており、その例示的等級には約200,000;1,000,000;および2,000,000の平均分子量を有するWSR N80が含まれうる。
可塑剤を必要としてもしなくてもよい適切なポリマー担体または熱結合剤には、例えば、Eudragit(登録商標) RS PO、Eudragit(登録商標) S100、コリドン(登録商標)SR(ポリ(酢酸ビニル)-コ-ポリ(ビニルピロリドン)コポリマー)、(
エトセル)Ethocel(登録商標)(エチルセルロース)、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)、酢酸酪酸セルロース、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリ(エチレンオキサイド)(PEO)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチル-セルロース(CMC)ナトリウム、ジメチルアミノエチルメタクリレート-メタクリル酸エステルコポリマー、エチルアクリレート-メチルメタクリレートコポリマー(GA-MMA)、C-5または60 SH-50(Shin-Etsu Chemical Corp.)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、酢酸トリメレト酸(trimelletate)セルロース(CAT)、ポリ(ビニルアセテート)フタレート(PVAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、ポリ(メタクリレートエチルアクリレート)(1:1)コポリマー(MA-EA)、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:1)コポリマー(MA-MMA)、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:2)コポリマー、Eudragit(登録商標)L-30-D(MA-EA、1:1)、Eudragit(登録商標)L-100-55(MA-EA、1:1)、Eudragit(登録商標)EPO(ポリ(ブチルメタシレート(methacylate)-コ-(2-ジメチルアミノエチル)メタクリレート-コ-メチルメタクリレート) 1:2:1)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、コアテリック(Coateric)(商標登録)(PVAP)、アクアテリック(Aquateric)(登録商標)(CAP)、およびアクアコート(登録商標)(HPMCAS)、ソルプラス(Soluplus)(登録商標) (ポリビニルカプロラクタム-ポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、BASF)、ルビテック(Luvitec)(登録商標)K 30(ポリビニルピロリドン、PVP)、コリドン(登録商標)(ポリビニルピロリドン、PVP)、ポリカプロラクトン、デンプン、ペクチン;トラガカント、アラビアゴム、グアーゴム、およびザンサンゴムなどの多糖が含まれる。
担体は、下記などの、様々な機能的賦形剤を含んでもよい:親水性ポリマー、抗酸化剤、超崩壊剤、両親媒性分子を含む界面活性剤、湿潤剤、安定化剤、遅延剤、同様の機能的賦形剤、またはその組み合わせ、ならびにクエン酸エステル、ポリエチレングリコール、PG、トリアセチン、フタル酸ジエチル、ひまし油、および当業者には公知の他のものを含む可塑剤。押し出される材料は、酸性化剤、吸着剤、アルカリ化剤、緩衝剤、着色剤、着香剤、甘味剤、希釈剤、不透明化剤、錯化剤、芳香剤、保存剤またはその組み合わせを含んでもよい。
本明細書において開示する複合物または組成物に含まれうる第一または第二のポリマー担体でありうる例示的親水性ポリマーには、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリエチレン-ポリプロピレングリコール(例えば、ポロキサマー(登録商標))、カルボマー、ポリカルボフィル、またはキトサンが含まれる。本開示で用いるための親水性ポリマーには、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、グアーゴム、アカシアゴム、トラガカントゴム、またはザンサンゴムなどの天然ゴム、およびポビドンの1つまたは複数も含まれうる。親水性ポリマーには、ポリエチレンオキサイド、カルボキシメチセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシポリメチレン、ポリエチレングリコール、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリホスファジン、ポリオキサゾリジン、ポリ(ヒドロキシアルキルカルボン酸)、カラギネートアルギネート(carrageenate alginates)、カルボマー、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、またはその混合物も含まれる。
溶解性が増強された組成物は、DFXおよびDFXの溶解性を増強する添加物を含んでもよい。そのような添加物の例には、界面活性剤、ポリマー担体、薬学的担体、熱結合剤または他の賦形剤が含まれるが、それらに限定されない。特定の例は、DFXと界面活性剤、DFXとポリマー、またはDFXと界面活性剤およびポリマー担体の組み合わせの混合物であってもよい。さらなる例は、DFXがその誘導体または類縁体である組成物である。
開示する組成物において溶解性を増強するために用いうる界面活性剤は以前に提示している。そのような界面活性剤の特定の例には、ドデシル硫酸ナトリウム、ジオクチルドキュセートナトリウム、トゥイーン80、スパン20、クレモフォール(登録商標)ELまたはビタミンE TPGSが含まれるが、それらに限定されない。開示する組成物において溶解性を増強するために用いうるポリマー担体は以前に提示している。そのようなポリマー担体の特定の例には、ソルプラス(登録商標)、Eudragit(登録商標)L100-55、Eudragit(登録商標)EPO、コリドン(登録商標)VA 64、ルビテック(登録商標)K 30、コリドン(登録商標)、AQOAT(登録商標)-HF、およびAQOAT(登録商標)-LFが含まれるが、それらに限定されない。本開示の組成物は、したがって、本明細書において提示する1種類または複数種類のAPI、ゼロ、1種類または複数種類の界面活性剤、またはゼロ、1種類または複数種類のポリマーの任意の組み合わせでありうる。
溶解度は最高溶解度で示すことができ、これは指定の媒質中で行った溶解性実験中、経時的に関心対象の種の到達した最高濃度である。増強された溶解性は、同じ条件下での標準品作用物質の最高溶解度と比べての、本開示の薬学的組成物中の作用物質の最高溶解度の比として表すことができる。好ましくは、最高溶解度を判定するために、例えば、pH4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.2、6.4、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.4、7.6、7.8、または8.0などの、約pH4〜pH8、約pH5〜pH8、約pH6〜pH7、約pH6〜pH8、または約pH7〜pH8の範囲のpHの水性緩衝液を用いてもよい。この最高溶解度の比は約2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、12:1、15:1、20:1、25:1、30:1、35:1、40:1、45:1、50:1、55:1またはそれ以上でありうる。
バイオアベイラビリティは、インビボ試験中に判定したDFXのAUCで示すことができ、ここでAUCはDFXの時間に対する血中濃度の曲線下面積である。増強されたバイオアベイラビリティは、同じ条件下での標準品DFXのAUCと比べての、本開示の薬学的組成物中のDFXのAUCの比として表すことができる。増強されたバイオアベイラビリティを反映しているこのAUC比は、約4:3、5:3、2:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、12:1、15:1、20:1、25:1、30:1、35:1、40:1、45:1、50:1、55:1、60:1、65:1、70:1、75:1、80:1、85:1、90:1、95:1、98:1、99:1、100:1またはそれ以上でありうる。
E. 他のAPI
1つの態様において、第二の医薬品有効成分を、開示する方法に従って生成したDFXと組み合わせてもよい。当業者であれば、共製剤を達成するのに適切な錠剤構成(並列錠剤、積層錠、コーティング錠など)に精通している。第二の医薬品有効成分は第二の鉄キレート剤、骨粗鬆症の処置もしくは予防において用いる薬剤、抗真菌剤、またはアンホテリシンB、デフェリプロン、デフェロキサミン、エリスロポエチン、もしくはリセドロネートなどの、赤血球の産生速度を増大させる薬剤であってもよい。
IV. 実施例
本明細書に記載の特定の態様を本開示の例示のために示すが、限定としてではないことが理解されるであろう。本開示の主な特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な態様において用いることができる。本明細書において開示し、特許請求する組成物および/または方法はすべて、本開示に照らせば、過度の実験を行うことなく作製し、実施することができる。本開示の組成物および方法を好ましい態様に関して記載してきたが、当業者には、本開示の概念、精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の組成物および/または方法ならびに方法の段階または段階の順序に変動を適用しうることは明らかであろう。当業者には明らかなすべてのそのような類似の代替物および改変は、添付の特許請求の範囲によって規定される、本開示の精神、範囲および概念の範囲内であると考えられる。
実施例1−様々なデフェラシロクス組成物のKinetiSol(登録商標)処理
KinetiSol(登録商標)処理を、DisperSol Technologiesによって設計されたcGMP TC-254B配合器により実施した。配合前に、DFXおよび賦形剤を正確に秤量し、PE袋に加え、5分間手でブレンドした。次いで、各試行のためにブレンドをKinetiSol(登録商標)チャンバーに手動で充填した。処理中、温度、回転速度、およびモーターのアンペア数を、設定温度に達した後に生成物を即座に排出するまで、連続的にモニターした。KinetiSol(登録商標)配合器からの生成物排出の直後、溶融生成物塊を空気圧プレスに速やかに移し、15cmの丸いステンレススチール製の型内部で高圧で冷却した。
冷却後、各KinetiSol(登録商標)生成物バッチを、0.020インチのスクリーンを取り付けたハンマー型のL1A FitzMill(登録商標) Comminutor(The Fitzpatrick Company、Elmhurst、IL)を6500〜8000RPMで用いて粉砕した。粉砕した生成物を60メッシュのふるい(250μm)を通した。
(表1)KinetiSol(登録商標)により生成した非晶質DFX組成物の概要
Figure 2018517734
図1は、DFXおよびEudragit L100-55を含む非晶質中間体の代表的処理特性である。特性は、薬物およびポリマーが高温に曝された時間は約10秒間に限定され、最高処理温度はDFXの融点よりも約95℃低い170℃であったことを示す。融点よりも十分に低い温度で、非常に短時間の熱処理により、高い薬物負荷を有する完全に非晶質のDFX組成物を生成することは、KinetiSol(登録商標)プロセスによって独自に可能となる驚くべき結果である。さらに、熱曝露の期間および程度を限定することは、許容される薬物およびポリマー純度を有する本組成物の生成物を獲得するために重大である。
図2は、DFXおよびコポビドンを含む非晶質中間体の代表的処理特性を示す。特性は、薬物およびポリマーが高温に曝された時間は約3秒間に限定され、最高処理温度はDFXの融点よりも約95℃低い170℃であったことを示す。前述のとおり、ロット79の条件で高い薬物負荷を有する完全に非晶質のDFX組成物を獲得することは、KinetiSol(登録商標)プロセスに特有の驚くべき結果である。前述のとおり、熱曝露の期間および程度を限定することは、許容される薬物およびポリマー純度を有する本組成物の生成物を獲得するために重大である。
実施例2−KinetiSol(登録商標)処理したデフェラシロクス組成物のX線回折および変調示差走査熱量測定による固体状態分析
XRD法および結果
Equinox 100独立型ベンチトップX線回折計(INEL, Inc.、Stratham NH)を用いて、固体分散物の製造直後および促進条件での保存後にDFX結晶化度の存在について分析した。試料をアルミニウムのるつぼに入れ、回転試料ホルダーにロードした。CuK放射線源(λ=1.5418Å)を用い、42kVおよび0.81mAで操作して、試料を600秒間分析した。
図3〜12に提供する結果は、KinetiSol(登録商標)により、様々な組成の実質的に非晶質のDFX固体分散物が製造されたことを示す。同様にこれらの図に含まれるのは、これらの組成物が促進条件:40℃/75%RH、開放容器での長期保存後に非晶質のままであることを示す結果である。その結果、この分析により、KinetiSol(登録商標)プロセスは、他の熱処理技術の使用を排除する、化合物の高い融点にもかかわらず、高い薬物負荷でDFX非晶質固体分散物を生成しうることが確認された。
mDSC法および結果
TA Instruments Model Q20変調示差走査熱量計(New Castle、Delaware)を用い、流速50ml/分の高純度窒素下で操作して、変調示差走査熱量測定(mDSC)分析を実施した。試料の一定量をTzeroアルミニウム試料パンに10〜15mgの試料重量範囲内で秤量した。次いで、パンにTzeroのふたでキャップし、Tzero試料プレスを用いて圧着した。試料を25〜310℃の温度範囲、5℃/分の傾斜率、1℃の振幅、および60秒間で、変調法により分析した。
(表2)KinetiSol(登録商標)により生成したいくつかの非晶質DFX分散物のmDSC分析の選択した結果
Figure 2018517734
表2に示す結果は、それらの単一のガラス転移温度(Tg)により示されるとおり、KinetiSol(登録商標)によって様々なポリマー系におけるDFXの単相非晶質分散物が獲得されたことを示す。さらに、すべての系のTgは、予測される最高保存温度(約40℃)よりも実質的に高く、すべての系は薬学的に関連する保存期間(≦2年)の間、物理的に安定であることを示唆している。また、これらのTgは、他の熱技術が可塑剤の導入によって可能になり得たとしても、これらの技術によって処理した場合にこれらの系で達成されうるものよりも実質的に高い。可塑剤の添加により、組成物のTgは実質的に低下し、相応に、生成物の貯蔵寿命も低減するであろう。
実施例3−KinetiSol(登録商標)処理したデフェラシロクス組成物のHPLC分析
デフェラシロクス試料を、逆相HPLC分析によって効力および不純物について分析した。標準および試料の希釈液はアセトニトリルとメタノールとの50/50混合物であった。標準および試料を溶液1mLあたり0.05mgのデフェラシロクスAPIの濃度で調製した。必要があれば、短時間の超音波処理を実施して、試料の溶解を助けた。分析前にすべての試料を0.45μmナイロンシリンジフィルターを通してろ過した。
pHを8.00に調節した50mMリン酸アンモニウム一塩基緩衝液を移動相Aとして用い、100%アセトニトリルを移動相Bとして用いた。この方法は、0.25mL/分の一定の流速で、移動相の組成を調節するために勾配(下記)を用いた。全勾配実行時間は14分であった。標準および検定試料の注入量は2μLで、不純物注入量は10μLであった。試料は周囲温度で維持した。用いたカラムは、PhenomenexのLuna 2.5 um C18(2) HSTカラム、製品番号00D-4446-B0で、分析中は40℃に維持した。デフェラシロクスの検出波長は247nm、典型的なデフェラシロクス保持時間は3.3分であった。勾配法のパラメーターを以下に示す:
Figure 2018517734
表3に示すHPLC分析の結果は、すべてのロットが99.5%を超える純度値を有し、ほとんどは99.9%の純度を超えていたことを明らかにするものである。これらのデータは、KinetiSol(登録商標)によって、プロセス関連の不純物の生成は無視できる程度の、様々なポリマー系におけるDFXの実質的非晶質分散物を生成しえたことを示している。この結果は、高融点DFXで高い薬物負荷の非晶質分散物が獲得された、短い処理時間および低い温度ゆえに、KinetiSol(登録商標)によって独自に可能となる。
(表3)様々なKinetiSol(登録商標)処理したDFX非晶質固体分散物のHPLCによる効力および純度分析の概要
Figure 2018517734
実施例4−KinetiSol(登録商標)処理したデフェラシロクスの非晶質中間体の打錠またはカプセル化
様々なDFX非晶質固体分散物の性能を市販のExjade(登録商標)およびJadenu(登録商標)製品と比べて評価するために、非晶質中間体を最終剤形、すなわち錠剤およびカプセル剤へとさらに処理した。これらの錠剤およびカプセル剤を生成した方法ならびにそれらの定量的組成を以下に示す。
打錠手順
ボトルブレンディングアタッチメントを備えたMaxiBlend Lab Blender(GlobePharma、North Brunswick、NJ)中で、粉砕したDFX非晶質固体分散物をすべての非滑沢性賦形剤とガラス瓶内で10分間ブレンドした。次いで、滑沢剤を加え、混合物をさらに5分間ブレンドした。ブレンドの個々の部分を秤量し、(特に記載がないかぎり)Manual Tablet Compaction Machine(MTCM-1、Globe Pharma, Inc.、New Brunswick、NJ)を用い、3,000〜4,000psigの圧縮力で、9.28mm×19mmの改変カプセル型の錠剤へと圧縮した。
(表4)溶解分析のためのロット13.004.73の錠剤組成
Figure 2018517734
(表5)溶解分析のためのロット13.004.74の錠剤組成
Figure 2018517734
(表6)溶解分析のためのロット13.004.75の錠剤組成
Figure 2018517734
(表7)溶解分析のためのロット13.004.76の錠剤組成
Figure 2018517734
(表8)溶解分析のためのロット13.004.77の錠剤組成
Figure 2018517734
(表9)溶解分析のためのロット13.004.78の錠剤組成
Figure 2018517734
(表10)ロット13.004.84.1〜4:溶解試験のための異なる形状の錠剤
Figure 2018517734
カプセル化手順
180mgのDFXに等価であるあらかじめ秤量した一定量の非晶質中間体を、サイズ0のゼラチン硬カプセル中に手で充填することにより、DFX粉砕非晶質中間体を含むカプセル剤を調製した。360mgのDFXに等価である2個のカプセル剤をインビトロ溶解試験に用いた。
実施例5−KinetiSol(登録商標)処理したデフェラシロクスの非晶質中間体を含む錠剤およびカプセル剤のインビトロ溶解分析
様々なデフェラシロクス試料の溶解特性を、USP装置2溶解試験器を用い、定量のために逆相HPLC法により試験した。0.1N HCl(pH1.1)および0.2Mリン酸ナトリウム三塩基溶液を溶解媒質のために調製した。いずれも脱気し、使用前にあらかじめ加熱した。加えて、アセトニトリル/水 50/50からなる希釈液を溶解試料希釈のために調製した。溶解するために溶解媒質および希釈液の適切な組み合わせを用いて、標準を溶液1mLあたり0.05mgデフェラシロクスAPIの基準濃度で調製した。750mLの0.1N HClを各分析容器に加え、37℃まで平衡化させた。360mgのデフェラシロクスAPIの等価物を各容器に加え、パドル回転を50rpmで開始した。1時間および2時間の時点で、5mLの一定量を各分析容器から抜き取り、0.45μmのナイロンシリンジフィルターを通してろ過した。2時間の抜き取りの直後、250mLのあらかじめ加熱した0.2Mリン酸ナトリウム三塩基溶液を各分析容器に急速に加えて、pH6.8とした。合計実行時間2.25、2.5、3、4、6、および8時間の時点で、5mLの一定量を各分析容器から抜き取り、0.45μmのナイロンシリンジフィルターを通してろ過した。すべてのろ過試料を、希釈係数10を用いて希釈液で急速に希釈し、次いで分析のためにHPLCバイアルに移した。
pHを8.00に調節した50mMリン酸アンモニウム一塩基緩衝液を移動相Aとして用い、100%アセトニトリルを移動相Bとして用いた。この方法は、0.25mL/分の一定の流速で、移動相A/移動相B 60/40の均一溶媒比を用いた。全勾配実行時間は4分であった。標準および試料の注入量は2μLで、試料は周囲温度で維持した。用いたカラムは、PhenomenexのLuna 2.5 um C18(2) HSTカラム、製品番号00D-4446-B0で、分析中は40℃に維持した。デフェラシロクスの検出波長は247nm、典型的なデフェラシロクス保持時間は2.0分であった。
図13は、カプセルに充填した純粋なDFX API、Jadenu(登録商標)、Exjade(登録商標)およびいくつかの非晶質DFX固体分散物を比較する、溶解結果を示す。試験したすべての製剤は、DFXが酸性媒質中で不溶性が高いことにより、試験の最初の2時間(酸相)の間は最小限の放出を示す。pH6.8の緩衝液に媒質を交換した後、結晶性のDFX品目(純粋なAPI、Jadenu(登録商標)、およびExjade(登録商標))はすべて、比較的速いが、限定された放出を示し、その理論的薬物含有量の約25%を超える組成物放出は見られない。DFXの報告された水溶性に基づき、この溶解試験の中性相には400mgの薬物が溶解すべきであるため、この結果は驚くものであり;したがって、なぜ結晶製剤が20%付近の薬物放出の漸近線に達し始めるかは不明である。部分的に結晶性であるロット39を含む、すべてのKinetiSol(登録商標)処理した製剤は、結晶対照と比べて急速かつ大々的な溶解を示した。すべての実質的に非晶質の製剤は、理論的薬物含有量の約80%放出の限界に収束し;これは結晶性DFX対照試料の約4倍であった。ロット50を除いて、すべての実質的に非晶質のDFX製剤は、第一の時点までにそれらの最高薬物濃度に達し、コポビドンを含む製剤で非常に急速な溶解を示した。Eudragit L100-55およびDFXだけを含むロット50は、他の非晶質組成物に比べて幾分遅い放出速度を示したが、同じプラトー濃度近くに達した。
図14に示す溶解結果は、様々なDFX非晶質中間体を崩壊錠または浸食錠として製剤することにより達成しうる、異なる放出特性を示す。急速崩壊錠は非晶質中間体と非常に類似のDFX放出を示す一方で、浸食錠は実質的に低い放出速度で生成することができる。インビトロでのこの放出調節がインビボでの調整可能な薬物動態特性につながるとすれば、治療的に最も有益なPK特性の達成を可能にしうるため、本開示の組成物の重要な利点を表すであろう。
図15に示す結果は、DFX:コポビドン(60:40w/w)非晶質分散物を含む浸食錠の放出速度に対する、錠剤の形状の効果を示す。これらの結果は、錠剤の表面積の変更は、非晶質DFXの浸食錠の放出速度を調節しうるもう1つの様式を提供することを示唆するものである。
実施例6−KinetiSol(登録商標)処理したデフェラシロクスの非晶質中間体を含む錠剤およびカプセル剤のイヌにおける薬物動態評価
新規DFX非晶質分散組成物およびJadenu(対照)を含む3つのプロトタイプDFX製剤の経口投与後に、薬物動態分析を雄ビーグル犬で実施した。各イヌ群(n=4)を投与前に終夜絶食させ;投与後4時間の採血後に食物を戻した。8〜12kgの各動物に、360mgのDFXを含む1単位を投与した。橈側皮静脈の直接静脈穿刺により採取した血液試料1mLに対し、ヘパリンナトリウムを抗凝固剤として用い、2〜8℃の湿氷上に置いた。試料を投与後0.5、1、1.5、2、3、4、6、12、24、および48時間の時点で採取した。試料を2〜8℃、3500rpmで10分間遠心分離して、血漿を単離した。得られた血漿を個々のポリプロピレンチューブに移し、ただちにドライアイス上に置いた後、分析のために名目上-20℃で保存した。血漿試料を全DFX種(遊離および鉄結合DFX)濃度について、研究等級のLC-MS/MS検定を用いて分析した。線形台形ノンコンパートメント薬物動態解析をWinNonlin Version 2.1で実施した。試験製剤の定量的組成およびイヌ薬物動態解析の結果を表11〜13に示す。
(表11)製剤1(浸食錠)の定量的組成
Figure 2018517734
(表12)製剤2(崩壊錠)の定量的組成
Figure 2018517734
(表12)製剤3(カプセル剤)の定量的組成
Figure 2018517734
(表13)新しいDFX非晶質分散製剤および市販の製品Jadenu(登録商標)(対照)の経口投与後の薬物動態パラメーター
Figure 2018517734
これらの結果は、製剤2および3がDFXのバイオアベイラビリティをJadenu(登録商標)に比べてそれぞれ58%および44%(平均AUC0-∞に基づき)改善したことを示す。製剤3は、Jadenu(登録商標)に比べて全DFX曝露(AUC0-∞)の変動性低減を提供することも判明した。浸食錠からのDFX持続放出のために設計された製剤1は、Jadenu(登録商標)に比べて実質的に低い経口吸収を提供することが判明した(平均AUC0-∞の47%)。
PK結果は、インビトロでの溶解結果と共に、溶解特性および経口バイオアベイラビリティの増強に関して、DFXの非晶質分散製剤の実質的利点を示す。製剤1および2は同じ非晶質固体分散製剤(50%DFX、50%コポビドン)を含むこと、ならびに異なるのは錠剤設計だけであることを考慮すると、この中間体によるPK性能は錠剤組成の外相および浸食錠の形状を単に調節することにより調整しうることが明らかである。この特徴は、広範な潜在的に望ましいPK特性を達成するために、最終剤形を調整する能力を提供する。
実施例7−ヒトにおける薬物動態実験
絶食状態の健常対象に単一経口用量として投与した場合の、2つの試験デフェラシロクス製剤の投与後に得られた経口バイオアベイラビリティおよびデフェラシロクス最高血漿濃度を評価し、Jadenu(商標)錠(デフェラシロクス)で得られた結果と比較するために、インビボでのヒト試験を実施した。同様に、試験デフェラシロクス360mg錠剤製剤no.30011およびno.30012に対する食物の影響、絶食および摂食状態の健常対象における異なるデフェラシロクス剤形の間のTmax、t1/2および他の薬物動態パラメーターの比較、ならびに絶食および/または摂食状態の健常対象に投与した場合の、各試験デフェラシロクス製剤およびJadenu(商標)の単一用量の安全性モニタリングを行った。
試験は一施設無作為単一用量施設内盲検3期間3配列交差様式であった。24名の患者を算入するよう計画し(各群12名)、試験を完全に登録した。患者における中止の際に、24名を分析した。24名の患者を薬動力学的および統計学的分析において考察し(対象013、期間3は処置-6および処置-5の食物の影響の比較から除外した)、24名を安全性分析において考察した。
対象は男性または女性で、18歳以上、60歳以下であった。主な算入基準は下記であった:
・軽度、非または元喫煙者
・肥満度指数(BMI)≧20.00kg/m2および<30.00kg/m2
・体重65kg以上、90kg未満
・試験登録時に行った12誘導ECGで臨床上重大な異常が見られなかった
・女性対象では妊娠検査陰性
・病歴、全身理学的検査(バイタルサインを含む)および臨床検査(一般生化学、血液および尿検査)により健常
試験1は実施例1に記載の方法に従って生成したデフェラシロクス(製剤no.30011)を用いた。経口投与用の錠剤剤形を、最も近い全360mg錠に丸めた、14mg/kgの単一用量で投与した。バッチno.は15L001であった。
試験2は実施例1に記載の方法に従って生成したデフェラシロクス(製剤no.30012)を用いた。経口投与用の錠剤剤形を、最も近い全360mg錠に丸めた、14mg/kgの単一用量で投与した。バッチno.は15L002であった。
参照製品はJadenu(商標)(デフェラシロクス)であった。経口投与用の錠剤剤形を、最も近い全360mg錠に丸めた、14mg/kgの単一用量で投与した。バッチno.はF0007であった。
群1(対象001〜012)の処置は以下のとおりであった:
処置-1:試験-1製剤を、10時間の終夜絶食後の朝に240mLの水と共に経口投与
処置-2:参照製剤を、10時間の終夜絶食後の朝に240mLの水と共に経口投与
処置-3:試験-1製剤を、10時間の終夜絶食後の朝、高脂肪、高カロリー朝食開始の30分後に240mLの水と共に経口投与
群2(対象013〜024)の処置は以下のとおりであった:
処置-4:試験-2製剤を、10時間の終夜絶食後の朝に240mLの水と共に経口投与
処置-5:参照製剤を、10時間の終夜絶食後の朝に240mLの水と共に経口投与
処置-6:試験-2製剤を、10時間の終夜絶食後の朝、高脂肪、高カロリー朝食開始の30分後に240mLの水と共に経口投与
最も近い全360mg錠に丸めた、単一の14mg/kgのデフェラシロクスを、各試験期間中、絶食(処置-1、処置-2、処置-4、および処置-5)および摂食(処置-3および処置-6)状態で投与した。薬物投与は7カレンダー日の休薬によって分離した。
各試験期間において、19の血液試料を採取した。第一の血液試料を薬物投与前に採取し、他は薬物投与後最大48時間まで採取した。
ヒト血漿中のデフェラシロクスの分析を、MS/MS検出によるHPLCを用いて実施した。検定範囲は0.100μg/mL〜100.000μg/mLであった。
安全性を、有害事象の評価、標準臨床評価、バイタルサイン、および身体検査を通じて評価した。
主な吸収および素因パラメーターを、対数線形終末期仮説によるノンコンパートメントアプローチを用いて計算した。台形法則を用いて曲線下面積を推定した。終末期推定は、決定係数の最大化に基づいていた。この試験の薬物動態パラメーターはCmax、Tmax、AUC0-T、AUC0-∞、AUC0-T/∞、λZ、CLTOT/F、VD/FおよびThalfであった。
統計解析は薬物動態パラメーターのパラメトリックANOVAモデルに基づいていた;Cmax、AUC0-TおよびAUC0-∞の幾何平均の比の両側90%信頼区間は、ln変換データに基づいていた;Tmaxは順位変換した。
ANOVAモデルを適用し、順序、期間、処置の固定因子、および対象の無作為因子(順序内に入れ子状態)を用いた。
食物の影響を、試験-1および試験-2生成物の投与後に絶食および摂食状態について得たCmax、AUC0-T、AUC0-∞およびTmaxを比較することにより判定した。絶食状態で投与したデフェラシロクスは参照処置と考え、高脂肪食と共に投与したデフェラシロクスは試験処置と考えることになる。試験生成物の薬物動態特性に対して食物の影響がないことは、以下の場合に示される:
・試験-1について、ln変換パラメーターCmax、AUC0-TおよびAUC0-∞の処置-3と処置-1との間の差の指数関数から計算した、対応する90%信頼区間を有する幾何LS平均の比は、すべて80.00〜125.00%の生物学的同等性の範囲内であった。
・試験-2について、ln変換パラメーターCmax、AUC0-TおよびAUC0-∞の処置-6と処置-4との間の差の指数関数から計算した、対応する90%信頼区間を有する幾何LS平均の比は、すべて80.00〜125.00%の生物学的同等性の範囲内であった。
これらの試験の結果を以下の表に示す。
(表14)処置1(製剤30011、絶食)および処置2(Jadenu参照、絶食)の薬物動態パラメーター
Figure 2018517734
aメジアン(範囲)
bλZ、AUC0-∞、AUC0-T/∞、Thalf、VD/FおよびClTOT/Fについてn=11
(表15)処置3(製剤30011、摂食)および処置1(製剤30011、絶食)の薬物動態パラメーター
Figure 2018517734
a単位は、Cmaxはμg/mL、AUC0-TおよびAUC0-∞はμg・h/mL
(表16)処置4(製剤30012、絶食)および処置5(Jadenu参照、絶食)の薬物動態パラメーター
Figure 2018517734
aメジアン(範囲)
bλZ、AUC0-∞、AUC0-T/∞、Thalf、VD/FおよびClTOT/Fについてn=11
(表17)処置6(製剤30012、摂食)および処置4(製剤30012、絶食)の薬物動態パラメーター
Figure 2018517734
a単位は、Cmaxはμg/mL、AUC0-TおよびAUC0-∞はμg・h/mL
b処置6のAUC0-∞についてn=10
c処置4のAUC0-∞についてn=11
表14に提供するPKパラメーターは、製剤30011(実施例1に記載の方法に従って作製した組成物)が参照製剤であるJadenu(登録商標)に比べて絶食ヒト対象ですぐれた薬物動態性能を示したことを示す。具体的には、Cmax値はJadenu(登録商標)よりも30%大きいと判定され、全経口吸収は、AUC0-TおよびAUCinfにより示されるとおり、それぞれ17%および13%大きかった。Jadenu(登録商標)に対する製剤30011のすぐれたPK特性は、図16から定性的に観察することもできる。この図から、処置1(30011)の時間に対する血漿濃度のプロットを処置2(Jadenu(登録商標))と比べることにより、増強されたCmaxおよびAUCを容易に認識することができる。CmaxおよびAUC0-∞のC.V.値パーセントにより示されるとおり、30011製剤ではJadenu(登録商標)に比べて薬物動態変動性の低減も観察された。Cmaxについては、C.V.値パーセントは30011およびJadenu(登録商標)でそれぞれ25.4%および38.8%であり;AUC0-∞については、C.V.値パーセントは30011およびJadenu(登録商標)でそれぞれ31.9%および46.4%であった。図17の試験後、製剤30011は、対象3を除く、試験のすべての対象で、Jadenu(登録商標)とほぼ同等またはそれよりも良好にはたらいたことが明らかである。対象5、7、9、および12について;30011での全経口吸収はJadenu(登録商標)よりも実質的に良好であることが判明した。このことは、本発明の組成物が、結晶DFXをあまり吸収できないと観察された患者で、DFXの治療有効性の有意な改善を提供しうることのいくらかの証拠を提供する。最後に、表15に示す結果は、製剤30011が、絶食時の結果を製剤を高脂肪食後に投与した場合のものと比べた場合に、食物の無視できる影響を有することを示す。具体的には、摂食状態と絶食状態との間のAUCの比は、97%よりも大きい。まとめると、製剤30011は、健常ヒト対象でのこれらの実験により、絶食状態でJadenuに比べてすぐれたPK性能を有すること、および薬物吸収に対して本質的に食物の影響はないことが示された。
表16に提供するPKパラメーターは、製剤30012(実施例1に記載の方法に従って作製した組成物)が参照製剤であるJadenu(登録商標)に比べて絶食ヒト対象ですぐれた薬物動態性能を示したことを示す。具体的には、Cmax値はJadenu(登録商標)よりも27%大きいと判定され、全経口吸収は、AUC0-TおよびAUCinfにより示されるとおり、それぞれ16%および13%大きかった。Jadenu(登録商標)に対する製剤30012のすぐれたPK特性は、図16から定性的に観察することもできる。この図から、処置4(30012)の時間に対する血漿濃度のプロットを処置5(Jadenu(登録商標))と比べることにより、増強されたCmaxおよびAUCを容易に認識することができる。最後に、表17に示す結果は、製剤30012が、絶食時の結果を製剤を高脂肪食後に投与した場合のものと比べた場合に、食物の限られた影響を有することを示す。具体的には、摂食状態と絶食状態との間のAUCの比は、87%よりも大きい。まとめると、製剤30012は、健常ヒト対象でのこれらの実験により、絶食状態でJadenu(登録商標)に比べてすぐれたPK性能を有すること、および薬物吸収に対して食物の限られた影響を有することが示された。
本明細書において開示および特許請求する組成物および方法のすべては、本開示を参照すれば、過度の実験を伴うことなく、作製および実行することができる。本開示の組成物および方法を、好ましい態様に関して記載してきたが、本明細書に記載の組成物および方法に対して、ならびに方法の段階または段階の順序において、本開示の概念、精神および範囲から逸脱することなく、変形を適用しうることは当業者には明らかであろう。より具体的には、化学的および生理的の両方で関連する一定の作用物質を、本明細書に記載の作用物質の代わりに用いうる一方で、同じまたは類似の結果が達成されるであろうことは明らかであろう。当業者には明らかなすべてのそのような類似の代替および改変は、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、本開示の精神、範囲および概念の範囲内であるとみなされる。
V. 参照文献
以下の参照文献は、それらが本明細書に示すものを補う例示的手順または他の詳細を提供する程度に、具体的に参照により本明細書に組み入れられる。
Figure 2018517734

Claims (138)

  1. (a)結晶性デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤を提供する段階;
    (b)段階(a)の材料を熱動力学的ミキサー中で、200℃以下で約300秒未満の間配合する段階
    を含む、薬学的組成物の作製方法であって、
    DFXおよび1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤の熱動力学的配合が、溶融ブレンドされた薬学的複合物を形成する、該方法。
  2. 前記薬剤がDFXに加えて第二の医薬品有効成分を含む、請求項1記載の方法。
  3. 1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤が薬学的ポリマーを含む、請求項1記載の方法。
  4. 1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤が界面活性剤を含む、請求項1記載の方法。
  5. 1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤が1種類または複数種類の界面活性剤および1種類または複数種類のポリマー担体を含む、請求項1記載の方法。
  6. 前記複合物が非晶質分散物である、請求項1記載の方法。
  7. 薬学的ポリマーが、ポリ(ビニルアセテート)-コ-ポリ(ビニルピロリドン)コポリマー、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル-セルロースナトリウム、ジメチルアミノエチルメタクリレート-メタクリル酸エステルコポリマー、エチルアクリレート-メチルメタクリレートコポリマー、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメレテート、ポリ(ビニルアセテート)フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリ(メタクリレートエチルアクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:2)コポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートおよびポリビニルカプロラクタム-ポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーからなる群より選択される作用物質を含む、請求項3記載の方法。
  8. 1種類または複数種類の界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウム、ジオクチルソジウムスルホスクシネート、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、グリセロールポリエチレングリコールオキシステアレート-脂肪酸グリセロールポリグリコールエステル-ポリエチレングリコール-グリセロールエトキシレート、ポリエチレングリコール-ポリエチレングリコール-エトキシル化グリセロールのグリセロール-ポリエチレングリコールリシノレート-脂肪酸エステル、ビタミンE TPGSおよびソルビタンラウレートからなる群より選択される作用物質を含む、請求項4記載の方法。
  9. 界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウム、ジオクチルソジウムスルホスクシネート、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、グリセロールポリエチレングリコールオキシステアレート-脂肪酸グリセロールポリグリコールエステル-ポリエチレングリコール-グリセロールエトキシレート、ポリエチレングリコール-ポリエチレングリコール-エトキシル化グリセロールのグリセロール-ポリエチレングリコールリシノレート-脂肪酸エステル、ビタミンE TPGSおよびソルビタンラウレートからなる群より選択される作用物質を含み、かつ薬学的ポリマーが、ポリ(ビニルアセテート)-コ-ポリ(ビニルピロリドン)コポリマー、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル-セルロースナトリウム、ジメチルアミノエチルメタクリレート-メタクリル酸エステルコポリマー、エチルアクリレート-メチルメタクリレートコポリマー、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメレテート、ポリ(ビニルアセテート)フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリ(メタクリレートエチルアクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:2)コポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートおよびポリビニルカプロラクタム-ポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーからなる群より選択される作用物質を含む、請求項5記載の方法。
  10. 前記組成物が、開放容器中、約40℃、相対湿度約75%での保存後、5週間の時点で、x線回折分析によると非晶質のままである、請求項1記載の方法。
  11. 前記組成物が、約30%〜60%DFX、約40%〜60%DFX、約30%DFX、35%DFX、40%DFX、45%DFX、50%DFX、55%DFX、または60%DFXを含む、請求項1記載の方法。
  12. 1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤が、可塑剤などの処理剤を含む、請求項1記載の方法。
  13. 段階(b)が、約100℃、約125℃、約150℃、約180℃、または約100℃〜200℃の温度で実施される、請求項1記載の方法。
  14. 1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤が水溶性薬学的ポリマーを含む、請求項1記載の方法。
  15. 水溶性薬学的ポリマーが、ポリ(ビニルアセテート)-コ-ポリ(ビニルピロリドン)コポリマー、ポリ(ビニルピロリドン)、セルロースアセテートフタレート、ポリ(ビニルアセテート)フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリ(メタクリレートエチルアクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:2)コポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ポリ(ビニルアルコール)、およびポリビニルカプロラクタム-ポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーからなる群より選択されるポリマーを含む、請求項14記載の方法。
  16. 1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤が架橋薬学的ポリマーを含む、請求項1記載の方法。
  17. 前記架橋薬学的ポリマーが、カルボマー、クロスポビドン、またはクロスカルメロースナトリウムである、請求項16記載の方法。
  18. 1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤が、高い溶融粘度の薬学的ポリマーを含む、請求項1記載の方法。
  19. 1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤が、熱不安定性薬学的ポリマーを含む、請求項1記載の方法。
  20. 1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤が、ポリ(メタクリレートエチルアクリレート)(1:1)コポリマーまたはポリ(ビニルアセテート)-コ-ポリ(ビニルピロリドン)を含む、請求項1記載の方法。
  21. 1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤が、ポリ(メタクリレートエチルアクリレート)(1:1)コポリマーおよびポリ(ビニルアセテート)-コ-ポリ(ビニルピロリドン)を含む、請求項1記載の方法。
  22. 1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤が、ポリ(ビニルアセテート)-コ-ポリ(ビニルピロリドン)およびヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートを含む、請求項1記載の方法。
  23. 前記組成物が単一のガラス転移温度を有する、請求項1記載の方法。
  24. 前記組成物中のDFXの純度が、約95%であるか、約99%であるか、約99.5%であるか、または約95%〜約100%である、請求項1記載の方法。
  25. DFXと薬学的ポリマーとの比が、約1:1を含む、約2:8〜約7:3である、請求項1記載の方法。
  26. デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤の非晶質分散物を含む、薬学的組成物。
  27. 単一のガラス転移温度を有する、請求項26記載の薬学的組成物。
  28. 開放容器中、約40℃、相対湿度約75%での保存後、5週間の時点で、x線回折分析によると非晶質のままである、請求項26記載の薬学的組成物。
  29. 1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤が、1種類または複数種類のポリマー、処理剤および/または界面活性剤を含む、請求項26記載の薬学的組成物。
  30. 約30%〜60%DFX、約40%〜60%DFX、約30%DFX、35%DFX、40%DFX、45%DFX、50%DFX、55%DFX、または60%DFXの薬物負荷を示す、請求項26記載の薬学的組成物。
  31. 複合物が約1.0%未満のデフェラシロクス(DFX)分解産物を有する、請求項26記載の薬学的組成物。
  32. 第二の医薬品有効成分を含む、請求項26記載の薬学的組成物。
  33. 1種類または複数種類の薬学的ポリマーが、ポリ(ビニルアセテート)-コ-ポリ(ビニルピロリドン)コポリマー、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル-セルロースナトリウム、ジメチルアミノエチルメタクリレート-メタクリル酸エステルコポリマー、エチルアクリレート-メチルメタクリレートコポリマー、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメレテート、ポリ(ビニルアセテート)フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリ(メタクリレートエチルアクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:2)コポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートおよびポリビニルカプロラクタム-ポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーからなる群より選択される作用物質を含む、請求項29記載の薬学的組成物。
  34. 界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウム、ジオクチルソジウムスルホスクシネート、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、グリセロールポリエチレングリコールオキシステアレート-脂肪酸グリセロールポリグリコールエステル-ポリエチレングリコール-グリセロールエトキシレート、ポリエチレングリコール-ポリエチレングリコール-エトキシル化グリセロールのグリセロール-ポリエチレングリコールリシノレート-脂肪酸エステル、ビタミンE TPGSおよびソルビタンラウレートからなる群より選択される作用物質を含み、かつ薬学的ポリマーが、ポリ(ビニルピロリドン)、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびカルボキシメチル-セルロースナトリウム、およびポリビニルカプロラクタム-ポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーからなる群より選択される作用物質を含む、請求項29記載の薬学的組成物。
  35. 前記組成物中で用いるDFXの純度が、約95%であるか、約99%であるか、約99.5%であるか、または約95%〜約100%である、請求項26記載の薬学的組成物。
  36. 処理剤を含まず、かつ/または可塑剤を含まない、請求項26記載の薬学的組成物。
  37. 約90mgのDFX、約125mgのDFX、約250mgのDFX、約360mgのDFX、または約500mgのDFXを含む、請求項26記載の薬学的組成物。
  38. 複合物であり、かつ均質であるか、不均質であるか、または異成分からなる均質な組成物である、請求項26記載の薬学的組成物。
  39. 1種類または複数種類の薬学的ポリマーが水溶性ポリマーである、請求項29記載の薬学的組成物。
  40. 1種類または複数種類の薬学的水溶性ポリマーが、ポリ(ビニルアセテート)-コ-ポリ(ビニルピロリドン)コポリマー、ポリ(ビニルピロリドン)、セルロースアセテートフタレート、ポリ(ビニルアセテート)フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリ(メタクリレートエチルアクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:2)コポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ポリ(ビニルアルコール)、およびポリビニルカプロラクタム-ポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーからなる群より選択される、請求項39記載の薬学的組成物。
  41. DFXと水溶性薬学的ポリマーとの比が約2:3である、請求項26記載の薬学的組成物。
  42. DFXと水溶性薬学的ポリマーとの比が約1:1である、請求項26記載の薬学的組成物。
  43. DFXと水溶性薬学的ポリマーとの比が約3:2である、請求項26記載の薬学的組成物。
  44. 1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤が、高い溶融粘度の薬学的ポリマーを含む、請求項26記載の薬学的組成物。
  45. 1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤が、熱不安定性薬学的ポリマーを含む、請求項26記載の薬学的組成物。
  46. 前記組成物の純度が、約95%であるか、約99%であるか、約99.5%であるか、または約95%〜約100%である、請求項26記載の薬学的組成物。
  47. 前記組成物中のDFXの最高溶解度が、pH範囲4〜8の水性緩衝液中で、400μg/mLよりも大きい、請求項26記載の薬学的組成物。
  48. pH範囲4〜8の水性緩衝液中での8時間の溶解試験後の、DFXおよび標準品DFXの最高溶解度が、4:1よりも大きい比を有する、請求項26記載の薬学的組成物。
  49. 前記組成物中のDFXのAUCおよび標準品DFXのAUCが、4:3よりも大きい比を有する、請求項26記載の薬学的組成物。
  50. 経口剤形として製剤される、請求項26記載の薬学的組成物。
  51. 経口剤形が錠剤、カプセル剤、またはサシェ剤である、請求項51記載の薬学的組成物。
  52. 錠剤が丸い平面の錠剤、丸い凹面の錠剤、細長い錠剤、またはミニタブである、請求項51記載の薬学的組成物。
  53. 前記経口剤形が持続放出剤形または即時放出剤形である、請求項51記載の薬学的組成物。
  54. 前記経口剤形が崩壊錠または浸食錠である、請求項51記載の薬学的組成物。
  55. 前記第二の医薬品有効成分が第二の鉄キレート剤、骨粗鬆症の処置もしくは予防において用いる薬剤、抗真菌剤、またはアンホテリシンB、デフェリプロン、デフェロキサミン、エリスロポエチン、もしくはリセドロネートなどの、赤血球の産生速度を増大させる薬剤である、請求項32記載の薬学的組成物。
  56. (a)結晶性デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤を提供する段階;
    (b)段階(a)の材料を熱動力学的ミキサー中で、200℃以下で約300秒未満の間配合する段階
    を含むプロセスによって生成される薬学的組成物であって、
    DFXおよび1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤の熱動力学的配合が、溶融ブレンドされた薬学的組成物を形成する、該薬学的組成物。
  57. 前記1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤が、1種類または複数種類の水溶性薬学的ポリマーを含む、請求項56記載の薬学的組成物。
  58. 水溶性薬学的ポリマーが、ポリ(ビニルアセテート)-コ-ポリ(ビニルピロリドン)コポリマー、ポリ(ビニルピロリドン)、セルロースアセテートフタレート、ポリ(ビニルアセテート)フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリ(メタクリレートエチルアクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:2)コポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ポリ(ビニルアルコール)、およびポリビニルカプロラクタム-ポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーである、請求項57記載の薬学的組成物。
  59. 界面活性剤を含む、請求項56記載の薬学的組成物。
  60. 第二の医薬品有効成分と共処理される、請求項56記載の薬学的組成物。
  61. 開放容器中、約40℃、相対湿度約75%での保存後、5週間の時点で、x線回折分析によると非晶質のままである、請求項56記載の薬学的組成物。
  62. 約30%〜60%DFX、約40%〜60%DFX、約30%DFX、35%DFX、40%DFX、45%DFX、50%DFX、55%DFX、または60%DFXを含む、請求項56記載の薬学的組成物。
  63. 前記組成物の純度が、約95%であるか、約99%であるか、約99.5%であるか、または約95%〜約100%である、請求項56記載の薬学的組成物。
  64. 段階(b)が、約100℃、約125℃、約150℃、約180℃、または約100℃〜200℃の温度で実施される、請求項56記載の薬学的組成物。
  65. 単一のガラス転移温度を有する、請求項56記載の薬学的組成物。
  66. 複合物へと熱処理された、デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤の非晶質分散物を含む薬学的組成物であって、該複合物が、約1.0%未満のデフェラシロクス(DFX)分解産物を有する、該組成物。
  67. 前記複合物が、約0.5%未満のDFX分解産物、約0.25%未満のDFX分解産物、または約0.1%未満のDFX分解産物を有する、請求項66記載の薬学的組成物。
  68. 処理剤を含まない、請求項66記載の薬学的組成物。
  69. 経口剤形として製剤される、請求項66記載の薬学的組成物。
  70. 経口剤形が錠剤、カプセル剤、サシェ剤またはペレットである、請求項69記載の薬学的組成物。
  71. 錠剤が丸い平面の錠剤、丸い凹面の錠剤、細長い錠剤、またはミニタブである、請求項70記載の薬学的組成物。
  72. 前記経口剤形が持続放出剤形または即時放出剤形である、請求項69記載の薬学的組成物。
  73. 前記経口剤形が崩壊錠または浸食錠である、請求項69記載の薬学的組成物。
  74. 開放容器中、約40℃、相対湿度約75%での保存後、5週間の時点で、x線回折分析によると非晶質のままである、請求項66記載の薬学的組成物。
  75. 約30%〜60%DFX、約40%〜60%DFX、約30%DFX、35%DFX、40%DFX、45%DFX、50%DFX、55%DFX、または60%DFXを含む、請求項66記載の薬学的組成物。
  76. 組成物中のDFXの最高溶解度が、pH範囲4〜8の水性緩衝液中で、400μg/mLよりも大きい、請求項66記載の薬学的組成物。
  77. pH範囲4〜8の水性緩衝液中での8時間の溶解試験後の、DFXおよび標準品DFXの最高溶解度が、4:1よりも大きい比を有する、請求項66記載の薬学的組成物。
  78. 前記組成物中のDFXのAUCおよび標準品DFXのAUCが、4:3よりも大きい比を有する、請求項66記載の薬学的組成物。
  79. 前記1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤が、1種類または複数種類の水溶性薬学的ポリマーを含む、請求項66記載の薬学的組成物。
  80. 水溶性薬学的ポリマーが、ポリ(ビニルアセテート)-コ-ポリ(ビニルピロリドン)コポリマー、ポリ(ビニルピロリドン)、セルロースアセテートフタレート、ポリ(ビニルアセテート)フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリ(メタクリレートエチルアクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:2)コポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ポリ(ビニルアルコール)、およびポリビニルカプロラクタム-ポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーである、請求項79記載の薬学的組成物。
  81. DFXと水溶性薬学的ポリマーとの比が約2:3である、請求項79記載の薬学的組成物。
  82. DFXと水溶性薬学的ポリマーとの比が約1:1である、請求項79記載の薬学的組成物。
  83. DFXと水溶性薬学的ポリマーとの比が約3:2である、請求項79記載の薬学的組成物。
  84. 約90mgのDFX、約125mgのDFX、約250mgのDFX、約360mgのDFX、または約500mgのDFXを含む、請求項66記載の薬学的組成物。
  85. 単一のガラス転移温度を有する、請求項66記載の薬学的組成物。
  86. 複合物へと熱処理された、デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤の非晶質分散物を含む薬学的組成物であって、デフェラシロクス(DFX)および各賦形剤の実質的分解を有しない、該組成物。
  87. 複合物へと熱処理された、デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤の非晶質分散物を含む薬学的組成物であって、約1.0%未満のデフェラシロクス(DFX)分解産物を有し、各賦形剤の実質的分解を有さず、かつ処理剤を含まない、該組成物。
  88. 複合物へと熱処理された、デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤の非晶質分散物を含む薬学的組成物であって、約1.0%未満のデフェラシロクス(DFX)分解産物を有し、かつ処理剤を含まない、該組成物。
  89. 複合物へと熱処理された、デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤の非晶質分散物を含む薬学的組成物であって、熱動力学的配合以外のプロセスで熱処理されたデフェラシロクス(DFX)および同じ薬学的に許容される賦形剤の製剤が2つ以上のガラス転移温度を示すのに対して、該組成物において該複合物は単一のガラス転移温度を示し、かつ該組成物はデフェラシロクス(DFX)の実質的分解を有しない、該組成物。
  90. 複合物へと熱処理された、デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤の非晶質分散物を含む薬学的組成物であって、該組成物においてガラス転移温度が熱動力学的配合以外のプロセスで熱処理されたデフェラシロクス(DFX)および同じ薬学的に許容される賦形剤の製剤のガラス転移温度よりも有意に高く、かつ該組成物がデフェラシロクス(DFX)の実質的分解を有せず、かつ処理剤を含まない、該組成物。
  91. 未処理のデフェラシロクス(DFX)と比べて、少なくとも約97%のデフェラシロクス(DFX)の薬物効力を有する、請求項86、89または90のいずれか一項記載の薬学的組成物。
  92. 経口剤形として製剤される、請求項86〜90のいずれか一項記載の薬学的組成物。
  93. 経口剤形が錠剤、カプセル剤、サシェ剤またはペレットである、請求項86〜90のいずれか一項記載の薬学的組成物。
  94. 錠剤が丸い平面の錠剤、丸い凹面の錠剤、細長い錠剤、またはミニタブである、請求項93記載の薬学的組成物。
  95. 前記経口剤形が持続放出剤形または即時放出剤形である、請求項92記載の薬学的組成物。
  96. 前記経口剤形が崩壊錠または浸食錠である、請求項92記載の薬学的組成物。
  97. 開放容器中、約40℃、相対湿度約75%での保存後、5週間の時点で、x線回折分析によると非晶質のままである、請求項86〜90のいずれか一項記載の薬学的組成物。
  98. 約30%〜60%DFX、約40%〜60%DFX、約30%DFX、35%DFX、40%DFX、45%DFX、50%DFX、55%DFX、または60%DFXを含む、請求項86〜90のいずれか一項記載の薬学的組成物。
  99. 前記組成物中のDFXの最高溶解度が、pH範囲4〜8の水性緩衝液中で、400μg/mLよりも大きい、請求項86〜90のいずれか一項記載の薬学的組成物。
  100. pH範囲4〜8の水性緩衝液中での8時間の溶解試験後の、DFXおよび標準品DFXの最高溶解度が、4:1よりも大きい比を有する、請求項86〜90のいずれか一項記載の薬学的組成物。
  101. 前記組成物中のDFXのAUCおよび標準品DFXのAUCが、4:3よりも大きい比を有する、請求項86〜90のいずれか一項記載の薬学的組成物。
  102. 前記1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤が、1種類または複数種類の水溶性薬学的ポリマーを含む、請求項86〜90のいずれか一項記載の薬学的組成物。
  103. 水溶性薬学的ポリマーが、ポリ(ビニルアセテート)-コ-ポリ(ビニルピロリドン)コポリマー、ポリ(ビニルピロリドン)、セルロースアセテートフタレート、ポリ(ビニルアセテート)フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリ(メタクリレートエチルアクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:1)コポリマー、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:2)コポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ポリ(ビニルアルコール)、およびポリビニルカプロラクタム-ポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーである、請求項102記載の薬学的組成物。
  104. DFXと水溶性薬学的ポリマーとの比が約2:3である、請求項102記載の薬学的組成物。
  105. DFXと水溶性薬学的ポリマーとの比が約1:1である、請求項102記載の薬学的組成物。
  106. DFXと水溶性薬学的ポリマーとの比が約3:2である、請求項102記載の薬学的組成物。
  107. 約90mgのDFX、約125mgのDFX、約250mgのDFX、約360mgのDFX、または約500mgのDFXを含む、請求項86〜90のいずれか一項記載の薬学的組成物。
  108. 段階(b)が、段階(a)の材料を熱動力学的ミキサー中で、約240秒未満、約180秒未満、約120秒未満、約90秒未満、約60秒未満、または約30秒未満の間配合することを含む、請求項1記載の方法。
  109. 段階(b)が、段階(a)の材料を熱動力学的ミキサー中で、約240秒未満、約180秒未満、約120秒未満、約90秒未満、約60秒未満、または約30秒未満の間配合することを含む、請求項56記載の薬学的組成物。
  110. 前記複合物がナノコンポジットである、請求項56記載の薬学的組成物。
  111. 慢性鉄過剰症について対象を処置する方法であって、対象に請求項1〜25または108のいずれか一項によって作製した薬学的組成物を投与する段階を含む、該方法。
  112. 対象が血液障害を有する、請求項111記載の方法。
  113. 前記血液障害がβサラセミアまたは非輸血依存性サラセミア(NTDT)症候群である、請求項112記載の方法。
  114. 前記血液障害が慢性貧血である、請求項112記載の方法。
  115. 対象がデフェラシロクス(DFX)の非非晶質分散物または結晶形に対して次善的または不十分な反応を有する、請求項111記載の方法。
  116. 前記組成物のバイオアベイラビリティが食物のいかなる影響とも無関係である、請求項111記載の方法。
  117. 食物の影響が高脂肪食を摂取することである、請求項116記載の方法。
  118. 薬学的組成物の対象への投与が、対象が絶食していたか、または該組成物の投与の直前に高脂肪食を摂取したかにかかわらず、統計学的に等価であるAUC値をもたらす、請求項116記載の方法。
  119. 熱動力学的配合によって複合物へと熱処理された、デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤の非晶質分散物を含む薬学的組成物であって、該組成物において該複合物は単相非晶質複合物であり、薬学的に許容される賦形剤の少なくとも1つは、熱動力学的配合以外のプロセスで熱処理された場合、DFXと非混和性である、該組成物。
  120. 慢性鉄過剰症について対象を処置する方法であって、対象に請求項26〜108、110または119のいずれか一項記載の薬学的組成物を投与する段階を含む、該方法。
  121. 対象が血液障害を有する、請求項120記載の方法。
  122. 前記血液障害がβサラセミアである、請求項121記載の方法。
  123. 前記血液障害が慢性貧血である、請求項121記載の方法。
  124. 対象がデフェラシロクス(DFX)の非非晶質分散物または結晶形に対して次善的または不十分な反応を有する、請求項120記載の方法。
  125. 前記組成物のバイオアベイラビリティが食物のいかなる影響とも無関係である、請求項120記載の方法。
  126. 食物の影響が高脂肪食を摂取することである、請求項125記載の方法。
  127. 薬学的組成物の対象への投与が、対象が絶食していたか、または組成物の投与の直前に高脂肪食を摂取したかにかかわらず、統計学的に等価であるAUC値をもたらす、請求項120記載の方法。
  128. デフェラシロクス(DFX)の非非晶質分散物または結晶形に対して次善的または不十分な反応を経験する対象の慢性鉄過剰症について、対象を処置する方法であって、対象にDFXの非晶質分散物および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物を投与する段階を含む、該方法。
  129. DFXの非晶質分散物が、熱動力学的配合によって複合物へと熱処理され、かつDFXの非非晶質分散物または結晶形が、熱動力学的配合以外のプロセスで熱処理されている、請求項128記載の方法。
  130. 対象が血液障害を有する、請求項128または129記載の方法。
  131. 前記血液障害がβサラセミアである、請求項130記載の方法。
  132. 前記血液障害が慢性貧血である、請求項130記載の方法。
  133. DFXの非晶質分散物のバイオアベイラビリティが食物のいかなる影響とも無関係である、請求項128または129記載の方法。
  134. 食物の影響が高脂肪食を摂取することである、請求項133記載の方法。
  135. 熱動力学的配合によって複合物へと熱処理された、デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物であって、該組成物の絶食ヒト対象への投与が、熱動力学的配合以外のプロセスによって熱処理された、DFXおよび1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物の投与と比べると、少なくとも15%大きいAUC0-T値を提供する、該組成物。
  136. AUC0-T値が少なくとも25%大きい、請求項135記載の方法。
  137. 熱動力学的配合によって複合物へと熱処理された、デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物であって、該組成物のヒト対象への投与が、熱動力学的配合以外のプロセスによって熱処理された、DFXおよび1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物の投与と比べると、少なくとも50%のAUC増大を提供する、該組成物。
  138. 熱動力学的配合によって複合物へと熱処理された、デフェラシロクス(DFX)および1種類または複数種類の薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物であって、該組成物の絶食ヒト対象への投与が、30%未満のCmax標準偏差および35%未満のAUC0-∞標準偏差を提供する、該組成物。
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