JP2013258078A - 車両用灯具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 遮光部材を用いて直射光を遮光する車両用灯具において、遮光部材によりリフレクタからの有効な反射光までもが遮光されない車両用灯具を提供する。
【解決手段】 この発明は、半導体発光素子22と、リフレクタ23と、遮光部材26と、ヒートシンク21を備え、半導体発光素子22がヒートシンク21の段部21Dよりも奥まった位置に形成される光源設置面21Hに設置されることにより、遮光部材26がリフレクタ23側へ突出することを抑制でき、リフレクタ23の反射面23Bからの反射光が配光パターンに有効に利用されるよう構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は車両用灯具に係り、特に、光源として発光素子を用いた車両用灯具に関する。
この種の車両用灯具は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の車両用灯具について説明する。
この種の車両用灯具としては、たとえば、ヒートシンク、発光素子、反射板、とから構成され、発光素子は、ヒートシンクの平坦面の一領域に、その光照射面からの光が該平坦面と交差する第1方向に出射するように搭載され、反射板は、発光素子とともにヒートシンクの平坦面を被うようにして配置され、発光素子からの光を反射させた後に前記第1方向と交差する第2方向へ出射させるように形成されており、発光素子からの直射光がエクステンションなどに入射し、グレア光となるのを抑制する遮光部材が設けられたものが知られている(特許文献1参照)。
特開2008-243476号公報
しかし、特許文献1に記載の車両用灯具においては、発光素子からの直射光を遮光する遮光部材が反射板と一体で形成されており、また、反射板側へ突出するように形成されているため、反射板からの反射光が遮光される恐れがあり、反射板を有効に利用することが出来なかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、発光素子を光源とする車両用灯具において、グレア光を抑制し、かつ、反射板からの反射光を配光パターンの形成に有効に利用することができる車両用灯具を提供することにある。
本発明の構成(1)は、半導体発光素子からなる光源と、光源からの光を前方に照射する反射面を有するリフレクタと、光源およびリフレクタが取り付けられる放熱部材と、光源からの直射光を遮蔽する遮光部材とを有し、放熱部材には、光源を設置する光源設置面が設けられており、光源設置面の車両前方側にはリフレクタ側へ向かって突出する段部が形成され、段部と光源の間には遮光部材が設けられている、ことを特徴とする。
本発明の構成(2)は、遮光部材が段部よりもリフレクタ側に突出しないように設けられていること、を特徴とする。
本発明の構成(3)は、遮光部材が、光源の光照射面と略水平に延在するように形成されていること、を特徴とする。
本発明の構成(4)は、遮光部材が、放熱部材と一体に形成されていること、を特徴とする。
上述した構成の車両用灯具によれば、半導体発光素子からなる光源からの直射光がグレア光として照射されることを抑制でき、遮光部材によってリフレクタからの反射光が遮られることなく、最適な配光パターンを照射する車両用灯具を提供することができる。
本発明の車両用灯具の実施態様1の全体を示す図2(a)I‐I断面図である。 本発明の車両用灯具の実施態様1に具備されるランプユニットを示す正面図、左側面図、右側面図、上面図である。 本発明の車両用灯具の実施態様1に具備されるランプユニットの分解斜視図である。 本発明の車両用灯具の実施態様2に具備されるランプユニットを示す図2(a)I‐I断面図である。 本発明の車両用灯具の実施様態3に具備されるランプを示す図2(a)I‐I断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
(実施態様1)
図1は、本発明の車両用灯具の実施態様1の概略を示す断面図である。図1に示す車両用灯具10は、たとえば前照灯(ヘッドランプ)を示している。図1中x、y、z方向は、該車両用灯具10を車両に取り付けた場合において、それぞれ、車両の幅方向、高さ方向、前後方向に一致させて示している。
(車両用灯具全体の説明)
図1において、車両用灯具10は、前面レンズ11とハウジング12によって灯室13を画成するようになっている。ハウジング12は車両の前方部に開口12Aを有し、その開口12Aの縁において前面レンズ11の周縁部11Aを挿入させる溝部14が形成されている。ハウジング12の溝部14にはシール剤15が塗布され、このシール剤15によって前面レンズ11の周縁部11Aを固着させるとともに水分侵入を防止するシール性を確保できるようになっている。
(ランプユニットの説明)
車両用灯具10の灯室13にはランプユニット20が配設されている。このランプユニット20は、概略を示すと、ヒートシンク21と、このヒートシンク21に搭載された半導体発光素子(例えば、LEDや有機ELなどからなる)22と、この半導体発光素子22から光Lを反射させ前面レンズ11側に出射させるリフレクタ23の反射面23Bと、このリフレクタ23の前面レンズ11側の周縁部23Aの近傍に配置され該リフレクタ23の背後にまで延在されて形成されるカバー部材24とから構成されている。
図2(a)、(b)、(c)、(d)は、上述したランプユニット20の詳細を示す構成図である。図2(a)は正面図、図2(b)は左側面図、図2(c)は右側面図、図2(d)は上面図である。図2(a)、(b)、(c)、(d)に示すx、y、z方向は、それぞれ、図1に示したx、y、z方向と一致づけて示しており、この図2以降の他の図においても同様となっている。
(ヒートシンクの説明)
図2(a)、(b)、(c)、(d)において、まず、ランプユニット20の上部にはヒートシンク21が配置されている。このヒートシンク21は、図中xz面に対して図中z方向に角度θの傾きを有する板状放熱材21Aと、この板状放熱材21Aの上面に形成される放熱フィン21Bとから構成されている。
本発明における板状放熱材21Aは、正面視において、車両の内側(図2(a)中左側)が低く、車両の外側(図2(a)中右側)が高くなるように傾いて配置されている。しかし、板状放熱材21Aは、水平に配置されていても良い。板状放熱材21Aは、比較的大きな面積で構成され、ランプユニット20の外枠の一部を構成するようになっている。放熱フィン21Bは、複数からなり、たとえば、図中x方向に並設され、図中z方向に延在されて形成されている。また、この放熱フィン21Bは、たとえば、ランブ20の背面図である図2(b)および図2(c)に示すように、板状放熱材21Aの後端部において下側に屈曲されて延在されるように構成され、これにより、放熱フィン21Bの表面積を増大させ、放熱効果の向上を図っている。
また、図1に示すように、板状放熱材21Aのリフレクタ23と対向する面には、半導体発光素子22が配置される光源設置面21Hが設けられている。光源設置面21Hは、平面からなり、半導体発光素子22の照射光軸をリフレクタ23の反射面23Bに向かうように配置することができる。
光源設置面21Hの車両前方側にはリフレクタ23側へ向かって突出した段部21Dが設けられており、段部21Dの高さは、半導体発光素子22よりも高く形成され、正面視において半導体発光素子22が直接目視されないようになっている。
(半導体発光素子の説明)
半導体発光素子22は、一つまたは複数の発光チップを有する半導体素子からなり、その主面の一部に光照射領域22Aが形成されている。半導体発光素子22の光照射領域22Aの光軸がリフレクタ23の反射面23Bに向かうよう、光源設置面21Hに設置されている。
(リフレクタの説明)
半導体発光素子22が搭載されたヒートシンク21の板状放熱材21Aと対向して、該板状放熱材21Aを被うようにしてリフレクタ23が配置されている。リフレクタ23は、たとえば熱可塑性樹脂や金属部材から構成され、半導体発光素子22の光照射領域22Aと対向する側の内面には、金属蒸着や銀塗装などにより光反射面処理がなされた放物面を基本とする自由曲面からなる反射面23Bを有し、ランプユニット20の前方部における周縁部23Aにおいて、ヒートシンク21とともに開口を有するように配置されている。これにより、半導体発光素子22からの光は、リフレクタ23の反射面23Bによって反射され、車両前方方向に照射される。また、リフレクタ23の板状放熱材21Aに当接する個所には、リフレクタ23と板状放熱材21Aを螺子33により固定するための切り欠き23Eが形成されている(図3参照)。
ここで、この実施様態1のリフレクタ23では、半導体発光素子22からの光を車両の前方側へ反射させる機能のみを有するものとして構成されている。すなわち、リフレクタ23は、車両前方側の周縁部23Aにおいて、半導体発光素子22からの光のうち反射面23Bに反射されることのない光(図1において符号L’で示す)を遮光あるいは拡散させるようにした立ち壁としての領域を備えていないものとして構成されているが、従来通り立ち壁を有するリフレクタ23としても良い。
(遮光部材の説明)
遮光部材26は、板状放熱材21Aの半導体発光素子22よりも車両前方側(図中z方向)に取り付けられており、半導体発光素子22と段部21Dの間に形成されている。この遮光部材26は、半導体発光素子22の光照射領域22Aからインナーパネル25や前面レンズ11など反射面23B以外の部品に入射する直射光を遮光するよう配置されている。このとき、半導体発光素子22が段部21Dよりも奥まった位置(リフレクタ23から遠い位置)に設けられ、段部21Dの高さtの分、遮光部材26がリフレクタ23側へ突出することを抑制することができる。これにより、正面視において遮光部材26がリフレクタ23側へ突出する高さを最小限に抑えられ、遮光部材26の端部をリフレクタ23の反射面23Bからの反射光を遮らない位置に設定することが可能となり、反射面23Bからの反射光を有効に利用することができる。また、ランプユニット20を正面から目視した際の見栄えも向上させることができる。
(カバー部材の説明)
カバー部材24は、リフレクタ23と別体で構成され、半導体発光素子22からの光のうち該リフレクタ23に反射されることのない光(図1中符号L’で示す)をたとえば遮光あるいは拡散させるような表面処理が施されて構成されている。なお、このように構成されるランプユニット20とハウジング12の間には、それらの間隙を塞ぐようにしてインナーパネル25が配置され、このインナーパネル25によってランプユニット20の背部が目視されないようになっている。
(カバー部材の詳細な説明)
また、カバー部材24は、図1に示すように、リフレクタ23の周縁部23Aのほぼ全域に及んで、該周縁部23Aとの間に隙間を有して配置されている。この間隙は、たとえば、リフレクタ23の周縁部23Aのほぼ全域に及んでほぼ等しく設定されており、リフレクタ23を覆うように形成されている。カバー部材24の半導体発光素子22側の面全域あるいは一部においては、複数のプリズム等が形成され、これらプリズム等によって半導体発光素子22からの光のうち該リフレクタ23の反射面23Bに反射されることのない光を拡散させるようになっている。なお、カバー部材24は、たとえば、光反射率を低くするような加工を施し、あるいは光遮光機能をもたせるような加工を施すようにしてもよいことはもちろんである。本実施例以外の実施例においては、カバー部材24を用いず、従来通りリフレクタに立ち壁を設けるようにしてもよい。
(ランプユニットの固定方法)
図3は、上述したランプユニット20のヒートシンク21、半導体発光素子22、遮光部材26、リフレクタ23、カバー部材24を分解した状態を固定手段である螺子31、32、33、34とともに示した斜視図である。
図3において、半導体発光素子22は、たとえば2個の螺子31によってヒートシンク21の板状放熱材21Aに取り付けられるようになっている。遮光部材26は、たとえば1個の螺子32によってヒートシンク21の板状放熱材21Aに取り付けられるようになっている。リフレクタ23は、たとえば3個の螺子33によってヒートシンク21の板状放熱材21Aに取り付けられるようになっている。リフレクタ23は、周縁部23Aを除く他の周縁部23A’においてヒートシンク21の板状放熱材21Aに当接する個所となっており、この周縁部23A’において前記螺子33が挿入される切り欠き23Eが形成されている。カバー部材24は、たとえば3個の螺子34によってヒートシンク21の板状放熱材21Aに取り付けられるようになっている。カバー部材24の板状放熱材21Aへの取り付け個所は、カバー部材24のリフレクタ23後方部分に設けられた後部延在部24Qの後端部となっており、この後端部にはカバー部材24の幅方向(図中x方向)に順次高さの異なる3個の螺子挿入筒24Nが並設されて設けられている。各螺子挿入筒24Nは、それらが取り付けられるカバー部材24の面が図中xz面に平行であるのに対し、ヒートシンク21の板状放熱材21Aは図中xz面の図中z方向に角度θを有して配置される(図2(a)参照)ことから、それらの間隙を埋めるように、高さが異なるように構成されている。各螺子34は、それぞれの螺子挿入筒24Nに挿入されてヒートシンク21の板状放熱材21Aに螺入されるようになっている。
これら半導体発光素子22、遮光部材26、リフレクタ23、カバー部材24のヒートシンク21への取り付けは、全て、一方向(図中y方向)から螺子31、32、33、34によって行うことができ、ランプユニット20の組み立てを容易にできるという効果を奏する。また、螺子31、32は、ヒートシンク21の板状放熱材21Aの光源設置面21Hに螺入され、螺子33、34はリフレクタ23の背部に配置されて螺入されることとからランプユニット20を正面側から観た場合に、これら螺子31、32、33、34を目視することができないという効果を奏する。
<本発明の効果>
このように構成された車両用灯具は、ヒートシンク21の光源設置面21Hが段部21Dよりも車両後方側に位置し、段部21Dがリフレクタ23側に突出しており、光源設置面21Hが凹部となっているため、光源22からの直射光を遮光する遮光部材26がリフレクタ23のリフレクタ23側への突出する高さを抑制することができる。それにより、遮光部材26により光源22からの直射光以外の光が遮光されることが抑制され、リフレクタ23の反射面23Bからの反射光を配光パターンとして有効に利用することができる、という効果が得られる。
さらに、遮光部材26を段部21D高さよりもリフレクタ23側へ突出しないように形成すれば、さらにリフレクタ23の反射面23Bからの反射光を遮光することを抑制でき、反射面23Bからの反射光を配光パターンとして有効に利用することができる。
さらに、遮光部材26が光源22の光照射面22Aと略水平に延在させて設けられることにより、遮光部材26の上下方向の高さを抑制させることができるとともに、光源22の光照射面22Aの近傍で光を遮蔽することができることにより、リフレクタ23の反射面23Bからの光を遮蔽することなく、光源22からの直射光も確実に遮蔽することができる。
(実施態様2)
遮光部材26は、図4および図5に示されるように、遮光部材26をヒートシンク21と一体に形成し、ヒートシンク21の一部を延在させて、遮光部材26を設けるようにしてもよい。
(実施様態3)
実施態様1に示した車両用灯具10は、ヒートシンク21が上に、リフレクタ23、カバー部材24が下になるように灯室13内に配置されるものについて説明したものである。しかし、これに限定されることはなく、上下配置を逆にして、リフレクタ23、カバー部材24が上に、ヒートシンク21が上になるように灯室13内に配置させるようにしてもよい。
(実施態様4)
実施態様1に示したランプユニット20は、ヒートシンク21、半導体発光素子22、リフレクタ23、カバー部材24とで構成したものである。しかし、これに限定されることはなく、たとえば、該ランプユニット20の光照射角度を変化できるような駆動機構を具備するように構成されたものであってもよい。
(実施態様5)
実施態様1に示した車両用灯具10は、前照灯(ヘッドランプ)として用いる場合を例に挙げて示したものである。しかし、これに限定されることはなく、(例えばフォグランプなど)他のランプにも適用可能である。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10……車両用灯具、11……前面レンズ、11A……周縁部(前面レンズの)、12……ハウジング、12A……開口(ハウジングの)、13……灯室、14……溝部、15……シール剤、20……ランプユニット、21……ヒートシンク、21A……板状放熱材、21B……放熱フィン、21D……段部、21H……光源設置面、22……光源(半導体発光素子)、22A……光照射面(光照射領域)、23……リフレクタ、23A……周縁部(反射板の)、23B……反射面、24……カバー部材、24Q……後方延在部(カバー部材の)、24N……螺子挿入筒、25……インナーパネル、26……遮光部材(シェード)、31、32、33、34……螺子、L……光

Claims (4)

  1. 半導体発光素子からなる光源と、光源からの光を前方に照射する反射面を有するリフレクタと、前記光源および前記リフレクタが取り付けられる放熱部材と、前記光源からの直射光を遮蔽する遮光部材とを有し、前記放熱部材には、前記光源を設置する光源設置面が設けられており、前記光源設置面の車両前方側には前記リフレクタ側へ向かって突出する段部が形成され、前記段部と前記光源の間には前記遮光部材が設けられている、ことを特徴とする車両用灯具。
  2. 前記遮光部材は前記段部よりも前記リフレクタ側に突出しないように設けられていること、を特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
  3. 前記遮光部材は、前記光源の光照射面と略水平に延在するように形成されていること、を特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具。
  4. 前記遮光部材は、前記放熱部材に一体に形成されていること、を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両用灯具。
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