JP6550788B2 - 車両用灯具 - Google Patents
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Description
このように、反射カバーが傾斜を調整するだけで形成されるのは、投影レンズの形状が円形状であるためと考えられる。
このような場合に、特許文献1の開示に従った反射カバーを設けることを考えると、発光チップと投影レンズとを直線的に結ぶ反射カバーは矩形状になり、反射カバーで反射する光をレンズの所定の位置に配光特性を考慮して入射させるためには、傾斜を調整するだけでなく、その反射する面も複雑に制御する必要が出てくることが考えられ、設計や製作に費用がかかり部品コストの上昇を招くことが懸念される。
(1)本発明の車両用灯具は、放熱部材と、発光面を有し、前記放熱部材上に設けられる半導体型光源と、正面視がほぼ横長矩形状で前記発光面より前方側に配置されるレンズと、前記放熱部材に設けられ、前記レンズの入射面より上側に向かう光を前記入射面側に反射する前記発光面と前記レンズとの間に配置される反射面を有するリフレクタと、を備え、前記反射面が、正面視において、前記発光中心よりも上側となる前記発光面の周囲を囲い、前記反射面が、前記発光面の発光中心を通る上下方向の上側よりも前記発光面の左右両端側の方が前記発光中心から離れるように形成されている。
(2)上記(1)の構成において、前記反射面の前記発光中心を通る上下方向の上側の部分よりも前記発光面の左右両端側の方が前記発光中心から離れるように形成される形状は、前記レンズの左右上側の前記入射面の外となる配光設計されていない前記レンズの部分へ向かう光を反射する形状である。
(3)上記(1)又は(2)の構成において、前記反射面の焦点が、前記発光面の発光中心よりも下側に位置する。
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つの構成において、前記反射面は、側面視における垂直断面が、前記発光中心を通り前方に延びる光軸に対して、前記発光面側から前方側に向かって、前記光軸から距離が離れる湾曲形状を有している。
(5)上記(1)から(4)のいずれか1つの構成において、前記放熱部材に設けられ、前記レンズが取付けられるレンズホルダを備える。
(6)上記(1)から(5)のいずれか1つの構成において、前記リフレクタは、前記発光面の発光中心の上側に位置する前記反射面の光源側縁部が前記発光中心から3.0mm以内に位置するように、前記放熱部材に設けられている。
なお、以下では、車両用灯具101Lのことを、単に「車両用灯具」と記載する。
なお、灯具ユニット10は、左右の車両用灯具(101R、101L)で同じものが使用される。
図2に示すように、灯具ユニット10は、放熱部材20と、半導体型光源22と、リフレクタ30と、レンズ40と、レンズホルダ50と、を備える。
放熱部材20は、熱伝導率の高い金属材料(例えば、アルミ等)や樹脂材料からなる。
放熱部材20上は、リフレクタ30を設けるためのリフレクタ取付部21を備えており、また、放熱部材20上には、半導体型光源22が設けられる。
なお、リフレクタ30の取付け構造は上記構造に限定されるものでなく、適宜変更しても良い。
半導体型光源22は、本実施形態では、給電用の電気配線などが形成された基板上に発光チップが設けられたLEDである。
本実施形態では、正方形の発光チップが横方向に複数並んで長方形の発光面22aを構成するものを示しているが、発光チップの形状は特に限定されるものではなく、長方形のような形状でもよい。
また、基板上に設ける発光チップの個数も特に限定されるものでなく、1つであっても良い。
リフレクタ30は、反射面32と取付構造部31と、を備える。
取付構造部31には、上述したように、放熱部材20のリフレクタ取付部21に設けられるボス21aを通す2つの孔31aとリフレクタ30をリフレクタ取付部21に固定するネジ33を通すネジ孔31bが形成されている。
なお、図3では、リフレクタ30と発光面22aだけを示したものになっている。
図3に示すように、リフレクタ30の反射面32は、正面視において、半導体型光源22の発光中心Oよりも上側の発光面22aの周囲を囲う弓形形状をしている。
より具体的には、本実施形態では、距離Hが2.6mmとなるようにしている。
このため、リフレクタ30は、発光面22aの発光中心Oの上側に位置する反射面32の光源側縁部32aが発光中心Oから3.0mm以内に位置するように放熱部材20に取付けられている。
つまり、発光面22aからの距離が離れたところでは光が広がるので、その光を反射するためには、広い反射面32を設ける必要があるが、発光中心Oの近くに反射面32を配置すれば、まだ、光が大きく広がっていないので、小さい反射面32で効率よく光を反射することができる。
なお、本実施形態では、距離Jを2.8mmとしている。
図2に示すように、レンズ40は、前方側から見た正面視で、全体形状が横長矩形状をしている。
レンズ40は、半導体型光源22側に向く入射面41と入射面41と反対側に位置する出射面42とを有するレンズ本体部と、そのレンズ本体部の左右両端の側辺に設けられるフランジ部43aとを備えている。
また、レンズ40の後方焦点が、発光中心Oの位置若しくはその近傍に位置するように、レンズ40は配置される。
図2に示すように、レンズホルダ50は、前面壁56と、前面壁56の周囲を覆うように前面壁56から放熱部材20側に延びる周壁57と、周壁57の放熱部材20側の終端の周囲に設けられるフランジ部58と、を備える。
前面壁56には、レンズ本体部を通す開口56aが設けられるとともに、その開口56aの左右両側には、レンズ40のフランジ部43aを受ける受け面が設けられている。
図4は、灯具ユニット10の組立てられた状態を示す図であり、図4(a)は、灯具ユニット10を上から見た上面図である。
但し、半導体型光源22の位置がわかるように、放熱部材20の図示を省略している。
また、図4(b)は、図4(a)のA−A線に沿った断面図であり、図4(c)は、図4(a)のB−B線に沿った断面図である。
図4(b)に示すように、発光面22aから斜め上側に照射される光のうち、レンズ40の半導体型光源22側の面でレンズ40の出射面42の上側の端に入射できる位置、つまり、入射面41の上端を超えない光(光線L1参照)は、リフレクタ30の反射面32に遮られることなく、入射面41に入射する。
なお、光線L1は、入射面41の最上端に向かう光線を示したものである。
一方、入射面41の上端を超えるような角度で発光面22aから斜め上側に照射される光は、反射面32で下側に向かうように反射され、光線L2のように、入射面41に入射する。
また、レンズ40については、その少しオフセットした位置を通る光が到達するレンズ40部分の垂直断面を側面視で見たものになっている。
この部分は、配光設計を行っていないダミー部となっている。
したがって、この部分に光が入射するとグレア光が発生する恐れがある。
なお、図4(c)において、光線L1、L2が反射面32に重なっているようになっているのは、この断面で見えている反射面32が、発光面22aよりも、さらに紙面奥側に位置する反射面32が見えているためである。
つまり、反射面32は、図3の距離Hを半径とする円弧よりもより緩やかに大きい円弧を描くように半径がH+Jである円弧に近い形状とされている。
なお、本実施形態の反射面32は完全な円の一部である円弧状ではなく、楕円の一部のような円弧を描くようになっている。
つまり、本実施形態の反射面32は、レンズ40の左右上側の入射面41の外となる範囲に合わせるようにするために、図3に示すように、反射面32の焦点O’を発光中心Oよりも下側に位置させるようにし、反射面32が、発光中心Oの上側よりも発光面22aの左右両端側の方が発光中心Oから離れるようにされている。
より具体的には、反射面32の弓形形状が、発光中心Oの上側よりも発光面22aの左右両端側の方が発光中心Oから離れるようにされている。
つまり、この端部が、前方向側に2.0mmより離れない程度に発光面22aの近くに位置するように反射面32を設けるようにするのが好適である。
図5は、スクリーン上での配光パターンを示すものであり、「VU-VD」はスクリーンの垂直線を示し、「HL−HR」はスクリーンの水平線を示している。
つまり、反射面32は、正面視において、発光中心Oよりも上側の発光面22aの周囲を囲う弓形形状としている。
このため、反射面32で反射された光は、レンズ40の入射面41の下側に入射する光となり、図5に示すように、スクリーンの水平線HL−HRよりも下側に照射される光となる。
したがって、反射面32は、発光中心Oよりも上側の発光面22aの周囲を囲うように形成することが好適である。
しかしながら、図3に示すように、発光面22aが横長形状である場合などにおいては、反射面32を理想的な円形状の一部である円弧のような反射面32とすると、発光面22aの左右両端の近傍に位置する反射面32が発光面22aに近接することになる。
そうすると、この発光面22aに近接している反射面32の部分が熱による劣化を起こす場合がある。
20 放熱部材
21 リフレクタ取付部
21a ボス
21b 固定孔
22 半導体型光源
22a 発光面
23a 表面
23b 裏面
24a ネジ孔
30 リフレクタ
31 取付構造部
31a 孔
31b ネジ孔
32 反射面
32a 光源側縁部
33 ネジ
40 レンズ
41 入射面
42 出射面
43a フランジ部
50 レンズホルダ
51a 固定部
52a 孔
54a ネジ
56 前面壁
56a 開口
57 周壁
58 フランジ部
59 切欠部
D 部分
L1 光線
L2 光線
LP ロービーム配光パターン
RP 補助配光パターン
O 発光中心
O’ 焦点
101L、101R 車両用灯具
102 車両
Claims (6)
- 放熱部材と、
発光面と該発光面の発光中心を通り前方に延びる光軸とを有し、前記発光面が前記光軸と略垂直に配置されるように、前記放熱部材上に設けられる半導体型光源と、
正面視がほぼ横長矩形状で前記発光面より前方側に前記光軸上に配置されるレンズと、
前記放熱部材に設けられ、前記レンズの入射面より上側に向かう光を前記入射面側に反射する前記発光面と前記レンズとの間に配置される反射面を有するリフレクタと、を備え、
前記反射面が、正面視において、前記発光中心よりも上側となる前記発光面の周囲を囲い、
前記反射面が、前記発光面の発光中心を通る上下方向の上側よりも前記発光面の左右両端側の方が前記発光中心から離れるように形成され、
前記レンズの後方焦点が、前記発光中心の位置若しくはその近傍に位置し、
前記レンズと前記リフレクタが、前記半導体光源からの光のうち前記レンズの入射面に直接入射する光がロービーム配光パターンを形成し、前記反射面で反射されて前記入射面に入射する光が前記ロービーム配光パターンの一部に重畳配置される補助配光パターンを形成するように構成されていることを特徴とする車両用灯具。 - 前記反射面の前記発光中心を通る上下方向の上側よりも前記発光面の左右両端側の方が前記発光中心から離れるように形成される形状は、前記レンズの左右上側の前記入射面の外となる配光設計されていない前記レンズの部分へ向かう光を反射する形状であることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
- 前記反射面の焦点が、前記発光面の発光中心よりも下側に位置することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用灯具。
- 前記反射面は、側面視における垂直断面が、前記光軸に対して、前記発光面側から前方側に向かって、前記光軸から距離が離れる湾曲形状を有していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用灯具。
- 前記放熱部材に設けられ、前記レンズが取付けられるレンズホルダを備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用灯具。
- 前記リフレクタは、前記発光面の発光中心の上側に位置する前記反射面の光源側縁部が前記発光中心から3.0mm以内に位置するように、前記放熱部材に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車両用灯具。
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