JP2013252162A - ミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】糸切れの発生後の糸通し作業の作業性向上を図る。
【解決手段】ミシンモータ5から上軸22を通じて、縫い針を保持する
針棒12の上下動を行う針上下動機構と、上糸の切断を行う糸切り装置と、縫製一工程分の規定針数を記憶する記憶部103と、縫製開始からの針数を検知する針数検知部31,32と、糸切り装置による糸切りの実行を人為的に入力するための操作部33と、糸切り装置及びミシンモータの動作制御を行う制御部100とを備え、この制御部は、針数検知部により検知された一工程の縫製の開始からの針数が規定針数と一致した状態となる前に、操作部により糸切りの実行が入力された場合に、針棒の上死点位置でミシンモータを停止させる動作制御を行う。
【選択図】図5

Description

本発明は、糸切れ発生後の糸通し作業を好適に行うミシンに関する。
従来のミシンとして、予め縫製針数を設定し、設定針数の縫製を行った後に自動的に糸切りを実行して縫製を終了するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、一般にミシンにおいては、途中で予期せずに上糸が千切れた場合に、糸張力によって縫い針の目穴から上糸が抜けてしまうことがあり、糸切れを生じた縫い目から縫製を再開する場合には、上糸を再び縫い針の目穴に挿入し直す必要がある。
そこで、上記従来のミシンでは、糸切れが発生したときには、操作ペダルを後踏みして糸切り動作を行っていた。
既に上糸が切れてしまっているので糸切りの動作そのものは必要ないが、糸切り動作を実行すると、上軸が上停止位置(上軸角度約50°)で停止し、縫い針を針板より上方の位置で停止させることができる。このため、糸切れによって縫い針の目穴から上糸が抜けてしまった場合に、上糸の糸通し作業を行うことが可能となり、比較的迅速に縫製を再開することができるからである。
特開平11−333177号公報
しかしながら、従来のミシンは、糸切りの際には上停止位置で上軸が停止され、当該上停止位置は上軸角度50°付近に定められている(針棒の上死点を0°とした場合)。このため、縫い針が最も高い位置となる針棒上死点(0°)を通過して下降途中の位置となる。このため、縫い針の目穴は若干低位置となり、作業領域が狭くなって糸通しの作業性がよくないという問題があった。
その場合、作業性を良くするためにミシンの上軸に装備されたプーリを手操作で回転させて針棒を上死点位置に戻すこともできるが、当該回転作業が煩雑となり、縫製の復帰を迅速に行うことの妨げにもなっていた。
また、近年のミシンは、縫い針の下側の領域に作業者の指が入らないように柵状の指ガードが設けられている場合があり、このような場合には、縫い針下側の領域がさらに狭くなるため、糸通し作業の作業性の悪化がより顕著となっていた。
また、糸切れが発生した場合に、ミシンモータを誤って作動させることがないように主電源を切断してから糸通し等の復帰作業を行う場合がある。このような場合も、縫い針の目穴の下側に作業領域を確保することが困難となり、プーリの回転操作が必要となり、復帰作業を迅速に行うことができないという問題が生じていた。
なお、上記従来例では、設定針数に基づいて縫製を行うミシンを例示したが、操作ペダルによるマニュアル操作を行うミシンの場合も同様の問題を生じていた。
即ち、マニュアル操作のミシンの場合には、一般に、操作ペダルの前踏み状態を維持することで縫製が連続的に行われ、中立位置に戻すと上軸が下停止位置(縫い針が布地に刺さったままの状態)で停止され、後踏みを行うと上軸が上停止位置で停止して糸切りが実行される。
従って、このようなマニュアル操作のミシンの場合も、糸切れが生じた場合には、操作ペダルを後踏みして糸切りを実行し、上停止位置で上軸を停止させてから縫い針の目穴に上糸を通して縫製を再開する必要があった。このため、前述した設定針数に基づいて縫製を行うミシンと全く同様に、糸通しの作業領域が狭くなるという問題を生じていた。
本発明は、上糸の糸切れの発生後の糸通しの作業領域を広く確保することが可能なミシンを提供することをその目的とする。
本発明は、ミシンモータから上軸を通じて、縫い針を保持する針棒の上下動を行う針上下動機構と、上糸の切断を行う糸切り装置と、縫製一工程分の規定針数を記憶する記憶部と、縫製開始からの針数を検知する針数検知部と、前記糸切り装置による糸切りの実行を人為的に入力するための操作部と、前記糸切り装置及び前記ミシンモータの動作制御を行う制御部とを備えるミシンにおいて、前記制御部は、前記針数検知部により検知された一工程の縫製の開始からの針数が前記規定針数と一致した状態となる前に、前記操作部により糸切りの実行が入力された場合に、前記針棒の上死点位置で前記ミシンモータを停止させる動作制御を行うことを特徴とする。
上記構成では、針数検知部による検知針数が規定針数に達する前に糸切りの実行が入力されると、針棒の上死点位置でミシンモータを停止させる動作制御を行う構成としている。
縫製中に上糸が切れると、規定針数に達しない状態で糸切りを実行させることになるので、制御部は、当該糸切りの実行の入力から上糸の不慮の切断の発生を検出し、ミシンモータを針棒の上死点位置で停止させる。これにより、糸切れ後の縫い針の目穴に対する上糸の挿通をする際に、その下側領域を広く確保することが可能となり、作業性の向上を図ることが可能となる。また、プーリ操作も不要であることから、煩雑性の解消と復帰作業の迅速化を図ることが可能である。
また、本発明は、上記構成に加えて、前記針棒の上死点位置で停止したミシンモータの停止状態の解除を入力する解除入力部を備え、前記制御部は、前記解除入力部から解除の入力を受けるまで前記ミシンモータを駆動禁止とする制御を行う構成としても良い。
この構成の場合、糸切れの復帰作業中において誤って縫製開始等の入力が行われた場合でも、ミシンモータの動作を禁じることが可能となる。
また、他の構成として、本発明は、ミシンモータから上軸を通じて縫い針を保持する針棒の上下動を行う針上下動機構と、上糸の切断を行う糸切り装置と、縫製一回分の規定針数を記憶する記憶部と、縫製開始からの針数を検知する針数検知部と、前記糸切り装置による糸切りの実行を人為的に入力するための操作部と、前記糸切り装置及び前記ミシンモータの動作制御を行う制御部と、外部電源から前記ミシンモータに電源供給を行う電源回路と、前記電源回路による外部電源から前記ミシンモータへの電源の供給と切断とを切り換える電源スイッチとを備えるミシンにおいて、前記電源回路は蓄電部を備え、前記制御部は、前記針数検知部により検知された縫製開始からの針数が前記規定針数と一致した状態となる前に、前記電源スイッチにより電源の切断に切り換えられた場合に、前記針棒の上死点位置で前記ミシンモータを停止させる動作制御を行うことを特徴とする。
上記の構成の場合には、針数検知部による検知針数が規定針数に達する前に電源スイッチが切断されると、針棒の上死点位置でミシンモータを停止させる動作制御を行っている。
縫製中に上糸が切れると、規定針数に達しない状態で電源を切断する場合があるので、制御部は、当該電源スイッチの切断から上糸の不慮の切断の発生を検出し、ミシンモータを針棒の上死点位置で停止させる。これにより、糸切れ後の縫い針の目穴に対する上糸の挿通をする際に、その下側領域を広く確保することが可能となり、作業性の向上を図ることが可能となる。また、プーリ操作も不要であることから、煩雑性の解消と復帰作業の迅速化を図ることが可能である。
また、本発明は、上記各構成に加えて、前記制御部は、前記針数検知部により一つの工程の縫製開始からの針数をカウントし、カウント針数が前記規定針数に達すると、自動的に糸切りを実行させる動作制御を行う構成としても良い。
このような構成とした場合には、自動化により作業者負担の低減を図ると共に縫い品質の均一化を図ることが可能となる。
また、本発明は、上記各構成に加えて、毎工程の縫製時に、前記針数検知部により縫製開始から糸切り実行までの針数を記録する針数記録部と、前記針数記録部により記録された一又は複数回の記録針数から前記規定針数を定める規定針数決定部とを備える構成としても良い。
かかる構成とした場合には、規定針数を設定する作業負担を低減し、また、設定するための構成を不要とすることが可能となる。
さらに、仮に、規定針数を設定する機能のないミシンでも、糸切れ時の糸通し作業の作業性の向上を図ることが可能となる。
以上のように、本発明は、糸切りの実行が入力された場合又は電源の切断が入力された場合の針数が規定針数に達しない場合に、針棒の上死点位置でミシンモータを停止させるので、糸切れ後の縫い針の目穴に対する上糸の挿通をする際に、縫い針の下側領域を広く確保して作業性を向上すると共に、プーリ操作を排除して作業の煩雑性の解消と復帰作業の迅速化を図ることが可能である。
本実施形態である本縫いミシンの全体構成を示す斜視図である。 ミシンの制御系を示すブロック図である。 複数の工程から構成されている縫製パターンを示す説明図である。 基本的な縫製動作制御を示すフローチャートである。 第一の停止制御について示すフローチャートである。 第二の停止制御について示すフローチャートである。 マニュアル縫製における停止制御について示すフローチャートである。
[ミシン概要]
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。図1は本実施形態であるミシン10の全体構成を示す斜視図である。なお、以下の説明では、水平であって後述するミシンアーム部2aの長手方向に平行な方向をY軸方向(前後方向)とし、水平であってY軸方向に直交する方向をX軸方向、鉛直上下方向をZ軸方向(上下方向)とする。
図1に示すように、ミシン10は、いわゆる本縫いミシンであり、全体構成を支持するミシンフレーム2と、縫い針11を保持する針棒12を上下動させる針上下動機構(図示略)と、上糸を切断する糸切り装置(図示略)と、ミシンモータ5,糸切り装置等のミシン各部の動作制御を行う制御手段としての制御部100とを主に備えている。
なお、図1における符号14は上糸に糸張力を付与する糸調子器である。また、本縫いミシンに一般的に搭載されている天秤機構、釜機構、布送り機構などは当然に備えているが、これらは従来の周知構造のものと同様であるため説明は省略する。
[ミシンフレーム]
ミシンフレーム2は、正面視にて外形が略コ字状を呈している。このミシンフレーム2は、該ミシンフレーム2の上部をなし前後方向に延びるミシンアーム部2aと、ミシンフレーム2の下部をなし前後方向に延びるミシンベッド部2bと、ミシンアーム部2aとミシンベッド部2bとを連結する縦胴部2cとを備えている。
[針上下動機構]
ミシンアーム部2aには、針上下動機構が内蔵されている。この針上下動機構は、駆動源となるミシンモータ5(図2参照)と、ミシンモータ5により回転駆動が行われる上軸22と、縫い針11を下端部で保持すると共に上下動可能にミシンアーム部2aに支持された針棒12と、上軸22の回転をZ軸方向に沿った往復動作に変換するクランク機構(図示略)とを備えている。
また、上軸22の一端部にはフレーム外部から手回し操作が可能な回転プーリ15が固定装備されている。
[針棒の周囲の構成]
上記針棒12の下側には、下降時の縫い針11を囲繞するように指ガード16が設けられている。この指ガード16はミシンアーム部2aに支持されている。
また、針棒12に隣接して、布押さえ17がミシンアーム部2aに支持されている。この布押さえ17は、上下動可能に支持されており、下降時には針板13上の被縫製物である布地を上方から押さえ付け、上昇時には布地を解放するようになっている。また、布押さえ17の上下動は押さえ上げソレノイド18(図2参照)により付与される。
さらに、針棒12の近傍にはワイパー19が設けられている。このワイパー19は、ミシンアーム部2aによりその基端部が回動可能に支持されている。ワイパー19は、糸払いソレノイド20(図2参照)によって、その下端部が縫い針11の真下を通過するように回動する。そして、このワイパー19は、かかる回動により、縫い針11から針板13の針穴13aに渡る切断済みの上糸を払って布地から引き抜くことを可能としている。
[糸切り装置]
糸切り装置は、針板13の下側に設けられた回動可能な動メスと、固定メスと、動メスに回動動作を付与する動力伝達機構とから構成される。動力伝達機構は、上軸22と連動回転する図示しない下軸から得た動力を動メスに伝達可能な状態と切断状態とを切り替え可能なカム機構と、カム機構の切り換えを行う糸切りソレノイド21(図2参照)とを備えている。
上記動メスは、針板水平方向に沿って針穴の真下を通過するように前後に往復回動を行い、前進回動時に切断対象となる糸のみの選り分けを行い、後退回動時に糸の切断を行うようになっている。
カム機構は、例えば、カムの主節と従節と糸切りソレノイド21とから主に構成されている。
カムの主節は、例えば、所定の変位を生じるカム溝やカム面を備え、下軸で作動する。従節は、カム溝やカム面に従って動作するコロのような部材からなり、動メスに往復回動動作を伝達する。アクチュエータとしての糸切りソレノイド21は、従節に対して主節のカム溝やカム面に対する係合動作又は離脱動作の付与を行う。
なお、このカム機構は下軸から動力を得ているが、ミシン10の各部の動作制御は全て検出された上軸角度に基づいてその動作タイミングを決定しているので、動作制御の動作タイミングに関する説明は全て上軸角度を基準に行うものとする。
そして、このカム機構も、上軸角度が針棒12の上停止位置(後述)手前のタイミングで動メスが上糸を切断するようにカム形状が設計されている。
なお、針棒12の上停止位置とは、通常の縫製終了時に上軸22が回転を停止する角度であり、この上停止位置は糸切り動作を完了後に停止する位置である。
上述のように、上糸は上軸22が上停止位置で停止する手前のタイミングで切断されるが、動メスが回動を開始するより前にカム機構の従節を主節に係合させる必要があるので、糸切りソレノイド21の作動は上停止位置よりも前のタイミングとなる針棒12の下位置で行われる。例えば、針棒12が最も上昇する針棒上死点の上軸角度を0°とした場合、上停止位置は50°、下位置は205〜250°程度に設定される。
つまり、上記構成からなる糸切り装置は、糸切り実行時には、上軸22が停止直前の最後の半回転を行っている時に、糸切りソレノイド21により下位置の上軸角度でカムの従節が主節のカム溝等に係合するよう動作付与を行う。これにより、カム形状に従って作動するカムの従節に連動して動メスが往復回動を行い、上停止位置に到達する手前のタイミングで上糸切断が行われる。
[ミシンの制御系]
図2はミシン10の制御系を示すブロック図である。この図2に示すように、ミシン10の制御部100は、ミシンの各部に対する制御プログラムを実行するCPU101と、プログラム処理の作業領域となる作業メモリ102と、各種の制御に関する設定データや実行プログラムを記憶するデータメモリ103と、外部からのパルス信号をカウントするカウンタ104とを備えている。
また、制御部100には、ミシンモータ5、押さえ上げソレノイド18、糸払いソレノイド20、糸切りソレノイド21がそれぞれ駆動回路5a,18a,20a,21aを介して接続されている。
さらに、制御部100には、上軸22が所定の角度であることを検出する針位置検出器31と、上軸22の軸角度の変化を検出する角度センサー32と、オペレータが縫製の動作制御に関する各種設定入力を行うための操作パネル33と、オペレータが糸切り装置による糸切りの実行等の各種動作を制御部100に対して人為的に指示入力するための操作部としての操作ペダル34から操作信号を検出するペダルセンサー35と、縫製の動作制御に関する各種設定データを記憶する記録媒体36の読み取り/書き込み装置37と、復帰ボタン38とが、それぞれ図示しないインターフェイスを介して接続されている。
上述した操作ペダル34は、中立位置を基準位置として前踏み及び後踏みを行うことを可能としている。また、ペダルセンサー35は、操作ペダル34に設けられ、中立位置、前踏み又は後踏みのいずれの位置であるかを検出して制御部100に入力する。
そして、制御部100は、操作ペダル34に対して前踏みが行われることで縫製を開始し、後踏みが行われることで縫製停止及び糸切りを実行する。
上記針位置検出器31は、主に、光センサーと上軸22に固定された遮光板とから構成されている。遮光板は、上軸22に固定装備され、当該上軸22が所定の角度範囲の時に光センサーに対して遮光を行う。これにより、制御部100は、光センサーの出力変化により遮光される角度範囲の始点と終点の上軸角度を検出することが可能となっている。
ミシン10では、前述したように、ペダル操作に応じて上停止位置となる上軸角度と、後述する第一及び第二の停止制御に従って針棒12が上死点となる上軸角度とでミシンモータ5を停止させる制御を行っている。
従って、針位置検出器31では、針棒12の上停止位置と針棒12の上死点となる上軸角度を検出することが可能となっている。
また、前述したように、糸切り装置の糸切りソレノイド21は下位置で作動させる必要があるので、当該下位置となる上軸角度も検出することが可能となっている。
なお、具体的には、針棒12の上死点となる上軸角度を0°とすると、上停止位置は50°、下位置は205°であり、針位置検出器31は、0°と50°と205°とを検出可能となっている。下位置は205〜250°の範囲とすることが望ましく、ここでは一例として205°を例示している。
なお、針位置検出器31は、光センサーと遮光板が一つずつでは上軸角度を二位置以上検出するのは難しいので、上記のように三位置を検出する場合には、光センサーと遮光板とをさらに増やしても良い。また、或いは、針位置検出器31では一又は二位置のみを検出し、残りの二位置又は一位置については後述する角度センサー32のパルスをカウントして検出しても良い。
角度センサー32は、いわゆるエンコーダであり、上軸22が回転を行うと、その微小な均一角度間隔でパルス信号出力を行う。制御部100は、パルス信号のカウンタ104を備えており、パルス信号を数えて積算することで上軸22の角度変化量を検出することができる。
例えば、制御部100では、上述の針位置検出器31の何れかの位置検出信号が入力されてからの積算パルス数によって現在の上軸角度を認識することが可能となっている。
また、制御部100では、縫製開始からの角度センサー32の積算パルス数をカウントすることで、縫製開始からの針数を認識することも可能となっている。つまり、角度センサー32は、「縫製開始からの針数を検知する針数検知部」として機能するものである。
操作パネル33は、縫製動作制御に用いる縫製データ内の各種のパラメータの設定と、複数ある縫製データから縫製対象となる縫製データを選択するための入力インターフェイスである。
ミシンモータ5の駆動開始から糸切りまでを縫製の一つの工程とする場合、ミシン10が縫いを行う一つの縫製パターンは、一乃至複数の工程から構成されている。例えば、図3に示す縫製パターンPの場合には、当該縫製パターンPは四つの工程K1〜K4から構成されている。そして、各工程K1〜K4はいずれも予め設定された規定針数で縫製が行われ、規定針数の最終針で糸切りC1〜C4が行われる。
つまり、制御部100は、各工程K1〜K4について予め定められた規定針数分の針落ちを行うと、自動的に糸切り装置による上糸の糸切りを実行する動作制御を行う。
従って、一つの縫製パターンの縫製データDには、当該縫製パターンを構成する一乃至複数の工程と、各工程毎の規定針数とがパラメータとして記録されている。そして、操作パネル33からは、縫製データDにおける工程数と各工程の規定針数とを設定入力することが可能となっている。
操作パネル33により設定された縫製データDはデータメモリ103内に記憶される。また、縫製データDは、外部の縫製データ作成装置で作成することも可能であり、このような場合には、不揮発性の記録媒体36に記録される。そして、その場合、制御部100に併設された記録媒体36の読み取り/書き込み装置37で縫製データDが読み込まれ、設定内容に従って縫製制御が実行される。
即ち、データメモリ103及び記録媒体36は、「縫製一工程分の規定針数を記憶する記憶部」として機能するものである。
復帰ボタン38は、後述する第一の停止制御の実行後において、縫製の再開を指示入力する場合に押下するボタンである。第一の停止制御の実行後は、制御部100は、操作ペダル34からの指示入力を受け付けなくなる縫製禁止状態となる。従って、この復帰ボタン38の押下により、制御部100の縫製禁止状態を解除し、操作ペダル34による指示入力に従って縫製の再開を可能とする。
また、ミシン10は、外部の家庭用電源又は商用電源から電源供給を受けて、これを整流し、ミシンモータ5,制御部100及び各アクチュエータ18,20,21の各々に対して適正な電圧で電源供給を行う電源回路50を備えている。
電源回路50には、外部電源の供給と切断を切り換える電源スイッチ53が併設されている。そして、電源回路50は、電源スイッチ53による電源供給状態と切断状態とを検知する電源切り換え検知部51と、電源供給時に一時的に電荷を蓄える蓄電部としての電解コンデンサー52とを備えている。
電解コンデンサー52は、電源供給時に電荷を蓄えて、電源スイッチ53による電源切断時に、制御部100による電源切断時の後処理や後述する第二の停止制御などを行うための電力を各部に供給する機能を有している。
また、電源切り換え検知部51は、電源スイッチ53による電源供給状態への切り換えと切断状態への切り換えとを検知し、各々の検知信号を制御部100に入力する。
[縫製動作制御]
次に、制御部100が実行する縫製に関する各種の制御について説明する。
まず、基本的な縫製動作制御について、図4に示すフローチャートに基づいて説明する。
この縫製動作制御は、縫製データが操作パネル33により選択された状態で実行される。
まず、制御部100は、操作ペダル34の前踏みの検出待ちを行い(ステップS1)、当該前踏みがペダルセンサー35により検出されると、ミシンモータ5の駆動を開始する(ステップS3)。
また、ミシンモータ5の駆動開始に伴い、角度センサー32の出力パルスを積算して縫製を行った針数をカウントする(ステップS5)。
そして、制御部100は、カウントしている針数が現在の工程に定められた規定針数に到達したか否かを監視する(ステップS7)。
ミシンモータ5の開始から規定針数に達するまでの間では、制御部100は、ペダルセンサー35の出力信号から操作ペダル34の後踏みが行われたか否かを判定する(ステップS9)。そして、操作ペダル34の後踏みが検出された場合には、制御部100は、糸切れが発生したものとして第一の停止制御を実行する(ステップS11)。この第一の停止制御については図5に示すサブルーチンフローチャートにより後述する。
また、ミシンモータ5の開始から規定針数に達するまでの間で操作ペダル34の後踏みが検出されない場合には、制御部100は、電源切換検知部51により、電源スイッチ53の電源切断が行われたか否かを判定する(ステップS13)。そして、電源スイッチ53の電源切断が検出された場合にも、制御部100は、糸切れが発生したものとして第二の停止制御を実行する(ステップS15)。この第二の停止制御については図6に示すサブルーチンフローチャートにより後述する。
そして、第一又は第二の停止制御に移行することなく、縫製を行った針数が規定針数に到達すると、制御部100は、針位置検出器31により上軸角度が糸切りソレノイド21の作動を行う下位置に到達したか否かを監視する(ステップS17)。
そして、上軸22が下位置に到達したことが針位置検出器31により検出されると、制御部100は糸切りソレノイド21を作動させる(ステップS19)。これにより、糸切り装置のカム機構の従節が主節に係合し、動メスの回動動作が開始される。
その後、制御部100は、針位置検出器31による上停止位置の検出待ちとなり(ステップS21)、その間、上軸が上停止位置に到達する手前のタイミングで、糸切り装置では、往復回動中の動メスが切断位置に到達して、固定メスとの協働により上糸の切断を完了する。
そして、上停止位置が検出されると、ミシンモータ5の駆動を停止させる(ステップS23)。
さらに、制御部100は、糸払いソレノイド20を作動させて上糸を払い、糸切り後の上糸の布地からの引き抜きを行う(ステップS25)。
そして、制御部100は、押さえ上げソレノイド18を作動させて布押さえ17を上昇させ、布地を解放して縫製の一工程を終了する(ステップS27)。
なお、縫製データが複数工程から構成されている場合には、上記ステップS1〜S27までの処理が工程毎に繰り返し実行される。
[第一の停止制御]
次に、第一の停止制御について図5のフローチャートに基づいて説明する。
第一の停止制御において、制御部100は、針位置検出器31により上軸角度が下位置に到達したか否かを監視する(ステップS41)。
そして、上軸22が下位置に到達したことが針位置検出器31により検出されると、制御部100は糸切りソレノイド21を作動させる(ステップS43)。これにより、糸切り装置のカム機構の従節が主節に係合し、動メスの回動動作が開始される。
その後、制御部100は、針位置検出器31による上停止位置の検出待ちとなり(ステップS45)、その間、上停止位置の手前で、糸切り装置の動メスが切断位置に到達して、上糸が布地の下側に残っている場合に、これを切断除去する。
そして、上停止位置に到達すると、ミシンモータ5の駆動を逆回転に切り換える(ステップS47)。この状態において、制御部100は、針位置検出器31による上死点の検出待ちとなり(ステップS49)、上死点が検出されて上軸が針棒12の上停止位置から上死点位置まで戻されると、制御部100はミシンモータ5の駆動を停止させる(ステップS51)。
このように、針棒12が上死点で停止すると、針棒下端部の縫い針11が最大限に上方に引き上げられた状態で停止するので、その下側に指ガード16が設けられている場合でも、針下の作業領域を広く確保することが可能となる。従って、この縫い針11の目穴に対する上糸の糸通し作業を容易且つ円滑に行うことが可能である。
また、縫い針11が最大限に引き上げられているので、プーリ15の手回し作業で縫い針11を引き上げる必要がなく、糸通し作業を迅速に行うことが可能となる。
また、ミシンモータ5が停止した後には、制御部100は、ペダルセンサー35を通じて操作ペダル34の指示入力を受け付けないペダル操作禁止状態となる(ステップS53)。そして、第一の停止制御を終了する。
上記ペダル操作禁止状態となった場合には、制御部100は、復帰ボタン38が押下されるまでは操作ペダル34の操作は受け付けない。ミシンモータ5の停止は、縫い針11に対する糸通し作業が行われている可能性があるので、ペダル操作禁止状態とすることで、糸通し作業中に誤ってミシンモータ5が駆動されることを防止することが可能となる。
なお、上述のように規定針数に満たない状態で糸切れが発生し、復帰作業を行って縫製を再開する場合には、その工程については、規定針数で自動的に糸切りを行う自動縫製制御は行わずに、マニュアル縫製に切り換えられる。
つまり、オペレータが糸切れの発生に気づいて操作ペダル34の後踏みを行った時点では、既に上糸が切れて空縫いが複数針行われている可能性が有り、それまでのカウント針数から縫製を再開しても、針数が足りない可能性が高いからである。
[第二の停止制御]
次に、第二の停止制御について図6のフローチャートに基づいて説明する。
なお、この第二の停止制御を実行する時には、既に電源スイッチ53が切断されて外部からの電源供給が断たれているので、各部に要する電源は全て電源回路50の電解コンデンサー52が電源供給時に蓄えた電荷によりまかなわれる。
第二の停止制御において、制御部100は、針位置検出器31により上軸角度が下位置に到達したか否かを監視する(ステップS71)。
そして、上軸22が下位置に到達したことが針位置検出器31により検出されると、制御部100は糸切りソレノイド21を作動させる(ステップS73)。これにより、糸切り装置のカム機構の従節が主節に係合し、動メスの回動動作が開始される。
その後、制御部100は、針位置検出器31による上停止位置の検出待ちとなり(ステップS75)、その間、上停止位置の手前で、糸切り装置の動メスが切断位置に到達して、上糸が布地の下側に残っている場合に、これを切断除去する。
そして、上停止位置に到達すると、ミシンモータ5の駆動を逆回転に切り換える(ステップS77)。この状態において、制御部100は、針位置検出器31による上死点の検出待ちとなり(ステップS79)、上死点が検出されて上軸が針棒12の上停止位置から上死点位置まで戻されると、制御部100はミシンモータ5の駆動を停止させる(ステップS81)。
第一の停止制御と同様に、針棒12が上死点で停止すると、糸通し作業の作業性を向上し、プーリ15の手回し作業を不要として作業の迅速化が図られる。
そして、制御部100は、操作パネル33において縫製データDの設定パラメータに修正が加えられていた場合には、そのまま電源が落ちてしまうと修正が記録に残らないので、修正後の縫製データDをデータメモリ103又は記録媒体36に記録する(ステップS83)。
そして、これ以降、電解コンデンサー52に残留する電荷でミシンモータ5などが誤作動しないように電解コンデンサー52内の電荷を全て消去する(ステップS85)。これにより、制御部100の電源供給も完全に絶たれて自動的に制御が終了する。
[実施形態の技術的効果]
上記ミシン10では、図4のステップS9に示すように、角度センサー32の出力パルスに基づく検知針数が現在の工程に定められた規定針数に達する前に操作ペダル34の後踏みにより糸切りの実行が入力されると、制御部100は、第一の停止制御に基づいて、針棒12の上死点位置でミシンモータ5を停止させる動作制御(参照:図5のステップS51)を行う。
縫製中において、規定針数に達する前に操作ペダル34の後踏みが行われるのは、糸切れの発生に気付いたオペレータが復帰作業を行うためにミシンを停止させるという理由である可能性が高い。従って、制御部100は、上記操作ペダル34の後踏みを上糸の糸切れが発生したものと見なして、ミシンモータ5を針棒12の上死点位置で停止させる。これにより、縫い針11が最も高い位置と来るので、縫い針11の下側領域を広く確保することができ、縫い針11の目穴に対する上糸の挿通をする場合の作業性の向上を図ることが可能となる。また、縫い針11を上に移動するためのプーリ操作も不要であることから、煩雑性の解消と復帰作業の迅速化を図ることが可能である。
また、ミシン10では、図4のステップS13に示すように、角度センサー32の出力パルスに基づく検知針数が現在の工程に定められた規定針数に達する前に電源スイッチ53のOFF(電源切断状態への切り換え)が電源切換検知部51により検出されると、制御部100は、第二の停止制御に基づいて、針棒12の上死点位置でミシンモータ5を停止させる動作制御(参照:図6のステップS81)を行う。
縫製中において、規定針数に達する前に電源スイッチ53のOFFされるのも、糸切れの発生に気付いたオペレータが復帰作業を行うためにミシンを停止させるという理由である可能性が高い。従って、制御部100は、上記電源スイッチ53のOFFを上糸の糸切れが発生したものと見なして、ミシンモータ5を針棒12の上死点位置で停止させる。これにより、縫い針11の目穴に対する上糸の挿通をする場合の作業性の向上を図ると共に復帰作業の迅速化を図ることが可能である。
また、上記制御部100は、第一及び第二の停止制御において、「下位置検出」、「糸切りソレノイド作動」、「上停止位置検出」、「ミシンモータ逆回転」を行っているが、これにより、糸通し作業を行うためのミシンモータ5の停止の前に必ず上糸の糸切りを実行することが可能である。これにより、上糸の糸切れがよる布地の下側の残糸を切除することが可能となる。
また、上記ミシン10は、第一の停止制御の実行後において、針棒12の上死点位置で停止したミシンモータ5の停止状態の解除を入力する解除入力部としての復帰ボタン38を備え、制御部100が復帰ボタン38から解除の入力を受けるまでペダル操作禁止状態としてミシンモータ5を駆動禁止とする制御を行っている(参照:図5のステップS53)。
これにより、糸切れの復帰作業として縫い針11に糸通し作業を行っている場合でも、誤って操作ペダル34から縫製開始等の入力が行われた場合でも、ミシンモータ5の動作を禁じることが可能となる。
また、制御部100は、角度センサー32の出力により縫製データDの一工程における縫製開始からの針数をカウントし(参照:図5のステップS5)、カウント針数が当該工程の規定針数に達すると、自動的に糸切りを実行させる動作制御を行っている(参照:図5のステップS19)。
これにより、ここの動作指示を操作ペダル34からオペレータが入力指示するマニュアル縫製に比べて作業者負担を低減すると共に縫い品質の均一化を図ることが可能となる。
[マニュアル縫製における停止制御]
上記ミシン10は、オペレータが動作指示を操作ペダル34から逐一入力指示するマニュアル縫製を行うことが可能である。前述した縫製データDに基づく自動糸切りを行うモードとマニュアル縫製のモードとの切り替えは、操作パネル33から選択することが可能である。
マニュアル縫製モードでは、制御部100は、ペダルセンサー35により、操作ペダル34の前踏みが検出されるとミシンモータ5を駆動して縫製を行い、前踏みから中立位置への移行が検出されると上軸角度の下位置(205°)でミシンモータ5を停止し、後踏みが検出されると下位置(205°)で糸切りソレノイド21を作動させて上軸角度の上停止位置(50°)でミシンモータ5を停止する。
なお、前踏みから中立位置への操作により、上軸角度の下位置でミシンモータ5を停止させるのは、縫い針11が布地に刺さったままの状態で停止させることで、手作業による縫い方法の変更を容易にするためである。
マニュアル縫製では、縫製データに基づく縫製の場合のように一工程に要する針数が設定されていないので、糸切りを行ったときの針数から糸切れが発生したか否かを判定することが困難である。
しかし、一台のミシンに対して決まられた工程を繰り返し行う場合には、制御部100は、以下に示す制御により、糸切れを検出して針棒12を上死点位置に停止させることができる。
上記マニュアル縫製モードでは、制御部100は、毎工程の縫製時に、角度センサー32の出力パルスをカウントして、縫製開始から糸切り実行までの針数をマニュアル縫製時の仮規定針数データとしてデータメモリ103に記録する針数記録処理を実行する。
具体的には、制御部100は、マニュアル縫製モードが選択され、操作ペダル34の前踏みが検出されてミシンモータ5が駆動を開始すると、角度センサー32の出力するパルスのカウントを開始し、操作ペダル34の後踏みが検出さるまでに積算されたパルス数から縫製に要した針数を算出する。そして、求められた針数をマニュアル縫製時の仮規定針数データとしてデータメモリ103に記録する。
そして、制御部100は、上記マニュアル縫製モードにおける縫製が所定回数行われ、所定回数分の仮規定針数データが蓄積されると、これら各データが示す針数を平均化し、求められた針数をマニュアル縫製時の規定針数として、データメモリ103に確定的に登録する。これ以降、マニュアル縫製モードにおける縫製が行われると、直近の複数回分の仮規定針数データから確定的に登録される規定針数が更新される。
そして、制御部100は、確定的なマニュアル縫製時の規定針数が得られると、毎回のマニュアル縫製時において仮規定針数データが取得されたときに、当該仮規定針数データとして得られた針数が直前の規定針数と一致するか否かを判定する。なお、この場合の一致とは完全一致でなくとも良く、例えば、直前の規定針数の±10〜20%の範囲なら同一範囲であるものとして一致と判定する、等のように一致の幅を持たせても良い。
そして、一致する場合には、当該最新の仮規定針数データと直前の所定数分の仮規定針数データとを平均化して得られた針数に基づいて新たな規定針数を算出し、データメモリ103の記録を更新する。
また、一致しない場合には、縫製の途中で糸切れが発生したことに起因するものと見なして、前述した第一の停止制御と同じ停止制御を実行する。即ち。上軸を上停止位置まで回転させた後にミシンモータ5を逆転させて針棒12の上死点位置で停止させる。
以下、図7のフローチャートによりマニュアル縫製における停止制御について説明する。
まず、制御部100は、操作ペダル34の前踏みが検出されると(ステップS101)、ミシンモータ5の駆動を開始し(ステップS3)、さらに、角度センサー32の出力パルスを積算して縫製を行った針数カウントを開始する(ステップS105)。
その後、制御部100は、操作ペダル34の後踏みの検出待ちとなり(ステップS107)、操作ペダル34の後踏みが検出されない場合には、電源スイッチ53の電源切断が行われたか否かを判定する(ステップS109)。
そして、電源スイッチ53の電源切断も検出されない場合にはステップS107に処理を戻す。
また、電源スイッチ53の電源切断が検出された場合には、制御部100は、現在までの針数が直前の規定針数の同一範囲内か否かを判定し(ステップS111)、同一であれば通常の停止処理で電源をオフする(ステップS113)。即ち、制御部100はミシンモータ5の駆動を停止し、規定針数などの修正されたデータ等があればデータメモリ103に記録し、電解コンデンサー52内の電荷を消去して自動的に制御が終了する。
また、制御部100は、現在までの針数が直前の規定針数の同一範囲ではない場合には、糸切れの発生に起因する電源オフであるものと見なして、前述した第二の停止制御と同じ停止制御を行う(ステップS115:図6参照)。
一方、ステップS107において、操作パネル33の後踏みが検出されると、これまでの針数を示す仮規定針数データが算出され(ステップS117)、これまでのマニュアル縫製における規定針数の同一範囲か否かが判定される(ステップS119)。
そして、仮規定針数データが示す針数が規定針数から逸脱する値の場合には、糸切れの発生に起因する糸切りの実行指示であるものと見なして、前述した第一の停止制御と同じ停止制御を行う(ステップS121:図5参照)。
一方、仮規定針数データが示す針数が規定針数の同一範囲内である場合には、当該仮規定針数データを含む直前の所定数の仮規定針数データを平均化して、新たな規定針数を算出する(ステップS123)。
その後、制御部100は、上軸角度が下位置に到達したか否かを監視し(ステップS125)、下位置に到達すると糸切りソレノイド21を作動させる(ステップS127)。
さらに、制御部100は、上停止位置の検出待ちを行い(ステップS129)、上停止位置が検出されると、ミシンモータ5の駆動を停止し(ステップS131)、糸払いソレノイド20による糸払いを行い(ステップS133)、押さえ上げソレノイド18により布押さえ17を上昇させて縫製を終了する(ステップS135)。
このように、制御部100は、一工程の縫製において角度センサー32の出力により仮規定針数データを求めること(図7のステップS117参照)により、「毎工程の縫製時に針数検知部により縫製開始から糸切り実行までの針数を記録する針数記録部」として機能する。
また、制御部100は、複数回の縫製による仮規定針数データを平均化して規定針数を更新すること(図7のステップS123参照)により、「前記針数記録部により記録された一又は複数回の記録針数から前記規定針数を定める規定針数決定部」として機能する。
そして、制御部100が上記制御を行うことにより、針数が設定されないマニュアル縫製の実行時においても、規定針数を自動的に取得し、糸切れの発生を検出可能とし、復帰作業の作業性向上及び作業時間の迅速化を図ることが可能となる。
なお、上記マニュアル縫製の例では、一工程の縫製のみを対象とする場合を例示したが、例えば、図3の示すような針数が異なる複数工程からなる縫製パターンについてマニュアル縫製で行う場合にも、各工程の仮規定針数データを取得して第一及び第二の停止制御を行うことは可能である。
例えば、n個の工程からなる縫製を行う場合には、工程数を操作パネル33から設定する。これにより、制御部100は、1番目からn番目までの仮規定針数データの記録領域をデータメモリ103内に用意し、操作パネル33の前踏みから後踏みまでを一つの工程として、工程が一つ進む毎に、取得した仮規定針数データを1番目からn番目までの仮規定針数データの記録領域に順番に記録する。これにより、n個の工程のそれぞれについて仮規定針数データを取得することができ、これを複数回繰り返すことでそれぞれの工程の規定針数を確定することが可能である。
そして、各工程の規定針数が確定した後は、順番に繰り返される各工程毎にその仮規定針数データと対応する工程の規定針数との一致判定を行うことにより、糸切れの発生を検出し、第一又は第二の停止処理を行うことが可能である。
[その他]
なお、上述した実施形態として本縫いミシンを例示したが、ミシンの種類はこれに限定されるものではなく、一定の針数で縫製を行う一乃至複数の工程からなる縫製パターンを縫うミシン全般について第一又は第二の停止制御を適用することが可能である。
例えば、布地を保持枠で保持し、当該保持枠を水平面に沿って任意に移動させる制御を行うことにより任意の針落ち位置に針落ちを行う、いわゆる電子サイクル縫いミシンにも適用可能である。この電子サイクル縫いミシンは、縫製パターンを構成する全ての針数について個別に針落ち位置又は布移動量が設定された縫製データに基づいて縫製が行われるので、縫製データに定められた縫製パターンを構成する全針数を規定針数として第一又は第二の停止制御を行うことが可能である。
また、縫製を行う針数がデータとして用意されていないミシンの場合にも、前述したマニュアル縫製における停止制御を適用すれば良い。
また、上記ミシン10の制御部100は、第一及び第二の停止制御において、「下位置検出」、「糸切りソレノイド作動」、「上停止位置検出」、「ミシンモータ逆回転」を行っているが、これらの処理を省略し、ミシンモータ5の駆動開始から規定針数に達するまでに、操作ペダル34の後踏み又は電源スイッチOFFが検出されたら、そのまま上死点の検出を行い、検出したらミシンモータ5を停止させる動作制御を行ってもよい。
また、ミシン10は、針位置検出器31と角度センサー32とを備えているが、針位置検出器31で検出する上軸角度をメモリ内に記憶し、角度センサー32に原点センサーを設ければ、全ての検出すべき上軸角度を角度センサー32によって検出することが可能であり、その場合には、角度センサー32のみを搭載する構成としても良い。その場合は、角度センサー32のみが「針数検知部」として機能することとなる。
また、針位置検出器31の光センサーと遮光板の数を増やすことにより、制御に必要な全ての検出すべき上軸角度について針位置検出器31により検出することも可能である。その場合は、針位置検出器31のみが「針数検知部」として機能することとなる。
また、針位置検出器31と角度センサー32は、下軸に設けてそれらの角度を検出する構成としても良い。
また、マニュアル縫製における停止制御において、複数回の仮規定針数データから規定針数を取得しているが、精度は下がるが一回の仮規定針数データをそのまま規定針数として、次回の仮規定針数データとの一致判定を行っても良い。その場合、毎回の仮規定針数データはバラツキが大きくなる恐れがあるので、規定針数と同一範囲とする幅を大きくすることが望ましい。
5 ミシンモータ
10 ミシン
11 縫い針
12 針棒
16 指ガード
22 上軸
31 針位置検出器(針数検知部)
32 角度センサー(針数検知部)
33 操作パネル
34 操作ペダル(操作部)
36 記録媒体(記憶部)
38 復帰ボタン(解除入力部)
50 電源回路
51 電源切換検知部
52 電解コンデンサー(蓄電部)
53 電源スイッチ
100 制御部(針数記録部、規定針数決定部)
103 データメモリ(記憶部)

Claims (5)

  1. ミシンモータから上軸を通じて、縫い針を保持する針棒の上下動を行う針上下動機構と、
    上糸の切断を行う糸切り装置と、
    縫製一工程分の規定針数を記憶する記憶部と、
    縫製開始からの針数を検知する針数検知部と、
    前記糸切り装置による糸切りの実行を人為的に入力するための操作部と、
    前記糸切り装置及び前記ミシンモータの動作制御を行う制御部とを備えるミシンにおいて、
    前記制御部は、前記針数検知部により検知された一工程の縫製の開始からの針数が前記規定針数と一致した状態となる前に、前記操作部により糸切りの実行が入力された場合に、前記針棒の上死点位置で前記ミシンモータを停止させる動作制御を行うことを特徴とするミシン。
  2. 前記針棒の上死点位置で停止したミシンモータの停止状態の解除を入力する解除入力部を備え、
    前記制御部は、前記解除入力部から解除の入力を受けるまで前記ミシンモータを駆動禁止とする制御を行うことを特徴とすることを特徴とする請求項1記載のミシン。
  3. ミシンモータから上軸を通じて縫い針を保持する針棒の上下動を行う針上下動機構と、
    上糸の切断を行う糸切り装置と、
    縫製一回分の規定針数を記憶する記憶部と、
    縫製開始からの針数を検知する針数検知部と、
    前記糸切り装置による糸切りの実行を人為的に入力するための操作部と、
    前記糸切り装置及び前記ミシンモータの動作制御を行う制御部と、
    外部電源から前記ミシンモータに電源供給を行う電源回路と、
    前記電源回路による外部電源から前記ミシンモータへの電源の供給と切断とを切り換える電源スイッチとを備えるミシンにおいて、
    前記電源回路は蓄電部を備え、
    前記制御部は、前記針数検知部により検知された縫製開始からの針数が前記規定針数と一致した状態となる前に、前記電源スイッチにより電源の切断に切り換えられた場合に、前記針棒の上死点位置で前記ミシンモータを停止させる動作制御を行うことを特徴とするミシン。
  4. 前記制御部は、前記針数検知部により一つの工程の縫製開始からの針数をカウントし、カウント針数が前記規定針数に達すると、自動的に糸切りを実行させる動作制御を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のミシン。
  5. 毎工程の縫製時に、前記針数検知部により縫製開始から糸切り実行までの針数を記録する針数記録部と、
    前記針数記録部により記録された一又は複数回の記録針数から前記規定針数を定める規定針数決定部とを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のミシン。
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