JP2013250337A - 偏向器 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板部に支持部を介して揺動可能に載置された揺動部を有する偏向器において、揺動部の上方にストッパを設けることなく、揺動部が外れてしまうことを防ぐことが可能な技術を提供する。
【解決手段】本明細書が開示する偏向器は、基板部と、基板部に下端を固定された支持部と、支持部の上端に揺動可能に載置された揺動部と、揺動部の上面に形成された反射部と、揺動部に揺動軸周りのトルクを印加する駆動機構と、少なくとも揺動部を支持部から引き離す力が作用する場合に、揺動部を支持部に向けて付勢する付勢機構を備えている。
【選択図】図2

Description

本明細書は、偏向器に関する。
特許文献1に、偏向器が開示されている。この偏向器は、基板部と、基板部に下端を固定された支持部と、支持部の上端に揺動可能に載置された揺動部と、揺動部の上面に形成された反射部と、揺動部に揺動軸周りのトルクを印加する駆動機構を備えている。この偏向器では、駆動機構によって揺動部を揺動させることで、入射光の反射角度を変化させる。この偏向器では、揺動部が矩形の平板形状に形成されており、揺動部の上方には、揺動部の四隅に対応するストッパが設けられている。この偏向器では、揺動部を支持部から引き離す力が作用しても、ストッパによって揺動部が外れてしまうことを防いでいる。
特開2007−199096号公報
特許文献1の技術では、揺動部の上方、すなわち反射部の上方にストッパが存在するため、ストッパによって入射光や反射光が遮られてしまい、偏向器の反射面積を実質的に小さくしてしまうという問題がある。基板部に支持部を介して揺動可能に載置された揺動部を有する偏向器において、揺動部の上方にストッパを設けることなく、揺動部が外れてしまうことを防ぐことが可能な技術が期待されている。
本明細書は上記課題を解決する技術を提供する。本明細書では、基板部に支持部を介して揺動可能に載置された揺動部を有する偏向器において、揺動部の上方にストッパを設けることなく、揺動部が外れてしまうことを防ぐことが可能な技術を提供する。
本明細書が開示する偏向器は、基板部と、基板部に下端を固定された支持部と、支持部の上端に揺動可能に載置された揺動部と、揺動部の上面に形成された反射部と、揺動部に揺動軸周りのトルクを印加する駆動機構と、少なくとも揺動部を支持部から引き離す力が作用する場合に、揺動部を支持部に向けて付勢する付勢機構を備えている。
上記の偏向器では、揺動部を支持部に向けて付勢する付勢機構によって、揺動部が外れてしまうことを防いでいる。揺動部の上方にストッパを設けることなく、揺動部が外れてしまう事態を防ぐことができる。また、上記の偏向器では、付勢機構が揺動部を支持部に向けて付勢するので、重力の作用する方向に関わりなく偏向器を所望の向きで配置することができる。なお、上記の偏向器では、付勢機構は少なくとも揺動部を支持部から引き離す力が作用する場合に揺動部を支持部に向けて付勢するものであればよく、例えば、常に揺動部を支持部に向けて付勢するものであってもよいし、揺動部を支持部から引き離す力が作用する場合にのみ揺動部を支持部に向けて付勢するものであってもよい。
上記の偏向器において、付勢機構は種々の方式で実現することができる。例えば、付勢機構は、支持部および揺動部の少なくとも一方に設けられた磁石を備えており、磁力を利用して揺動部を支持部に向けて付勢するように構成することができる。この場合、揺動部が磁石を備えており、支持部が磁性体を備えることが好ましい。
あるいは、付勢機構は、支持部および揺動部の少なくとも一方に設けられた絶縁体と、支持部および揺動部の間に電圧を印加する電圧印加手段を備えており、静電力を利用して揺動部を支持部に向けて付勢するように構成してもよい。
あるいは、付勢機構は、揺動部と支持部の当接部分に塗布された不揮発性液体を備えており、揺動部を支持部から引き離す力が作用する場合に、不揮発性液体の表面張力を利用して揺動部を支持部に向けて付勢するように構成してもよい。この場合、不揮発性液体が塗布される部分に親液性処理が施されていることが好ましい。
あるいは、付勢機構は、揺動部と支持部の当接部分を接着する接着剤を備えており、揺動部を支持部から引き離す力が作用する場合に、接着剤の復元力を利用して揺動部を支持部に向けて付勢するように構成してもよい。
あるいは、付勢機構は、揺動部と基板部を接続する弾性部材を備えており、揺動部を支持部から引き離す力が作用する場合に、弾性部材の復元力を利用して揺動部を支持部に向けて付勢するように構成してもよい。
上記の偏向器では、支持部の揺動部と当接する部分に凸部が形成されており、揺動部の支持部と当接する部分に凹部が形成されていることが好ましい。このような構成とすることで、揺動部が支持部から外れてしまうことを確実に防ぐことができる。
本明細書が開示する別の偏向器は、基板部と、基板部に揺動可能に載置された支持部と、支持部の上端に固定された揺動部と、揺動部の上面に形成された反射部と、揺動部に揺動軸周りのトルクを印加する駆動機構と、少なくとも支持部を基板部から引き離す力が作用する場合に、支持部を基板部に向けて付勢する付勢機構を備えている。
上記の偏向器では、支持部を基板部に向けて付勢する付勢機構によって、揺動部と支持部が外れてしまうことを防いでいる。揺動部の上方にストッパを設けることなく、揺動部が外れてしまう事態を防ぐことができる。また、上記の偏向器では、付勢機構が揺動部を支持部に向けて付勢するので、重力の作用する方向に関わりなく偏向器を所望の向きで配置することができる。なお、上記の偏向器では、付勢機構は少なくとも支持部を基板部から引き離す力が作用する場合に支持部を基板部に向けて付勢するものであればよく、例えば、常に支持部を基板部に向けて付勢するものであってもよいし、支持部を基板部から引き離す力が作用する場合にのみ支持部を基板部に向けて付勢するものであってもよい。
上記の偏向器において、付勢機構は種々の方式で実現することができる。例えば、付勢機構は、基板部および支持部の少なくとも一方に設けられた磁石を備えており、磁力を利用して支持部を基板部に向けて付勢するように構成することができる。この場合、基板部が磁石を備えており、支持部が磁性体を備えることが好ましい。
あるいは、付勢機構は、基板部および支持部の少なくとも一方に設けられた絶縁体と、基板部および支持部の間に電圧を印加する電圧印加手段を備えており、静電力を利用して支持部を基板部に向けて付勢するように構成することもできる。
あるいは、付勢機構は、基板部と支持部の当接部分に塗布された不揮発性液体を備えており、支持部を基板部から引き離す力が作用する場合に、不揮発性液体の表面張力を利用して支持部を基板部に向けて付勢するように構成することもできる。この場合、不揮発性液体が塗布される部分に親液性処理が施されていることが好ましい。
あるいは、付勢機構は、基板部と支持部の当接部分を接着する接着剤を備えており、支持部を基板部から引き離す力が作用する場合に、接着剤の復元力を利用して支持部を基板部に向けて付勢するように構成することもできる。
あるいは、付勢機構は、揺動部と基板部を接続する弾性部材を備えており、支持部を基板部から引き離す力が作用する場合に、弾性部材の復元力を利用して支持部を基板部に向けて付勢するように構成することもできる。
上記の偏向器では、支持部の基板部と当接する部分に凸部が形成されており、基板部の支持部と当接する部分に凹部が形成されていることが好ましい。このような構成とすることで、揺動部と支持部が外れてしまうことを確実に防ぐことができる。
本明細書が開示する技術によれば、基板部に支持部を介して揺動可能に載置された揺動部を有する偏向器において、揺動部の上方にストッパを設けることなく、揺動部が外れてしまうことを防ぐことができる。
偏向器10の概略の構成を示す斜視図である。 付勢機構24が磁力を利用して揺動板20を支持部材14に向けて付勢する構成の一例を示す側面図である。 付勢機構24が磁力を利用して揺動板20を支持部材14に向けて付勢する構成の別の一例を示す側面図である。 付勢機構24が磁力を利用して揺動板20を支持部材14に向けて付勢する構成の別の一例を示す側面図である。 付勢機構24が磁力を利用して揺動板20を支持部材14に向けて付勢する構成の別の一例を示す側面図である。 付勢機構24が磁力を利用して揺動板20を支持部材14に向けて付勢する構成の別の一例を示す側面図である。 付勢機構24が磁力を利用して揺動板20を支持部材14に向けて付勢する構成の別の一例を示す側面図である。 付勢機構24が磁力を利用して揺動板20を支持部材14に向けて付勢する構成の別の一例を示す側面図である。 付勢機構24が磁力を利用して揺動板20を支持部材14に向けて付勢する構成の別の一例を示す側面図である。 付勢機構24が静電力を利用して揺動板20を支持部材14に向けて付勢する構成の一例を示す側面図である。 付勢機構24が不揮発性液体40の表面張力を利用して揺動板20を支持部材14に向けて付勢する構成の一例を示す側面図である。 付勢機構24が軟質接着剤50の復元力を利用して揺動板20を支持部材14に向けて付勢する構成の一例を示す側面図である。 付勢機構24が弾性部材60の復元力を利用して揺動板20を支持部材14に向けて付勢する構成の一例を示す側面図である。 付勢機構24が弾性部材72,74の復元力を利用して揺動板20を支持部材14に向けて付勢する構成の一例を示す平面図である。 図14の構成の側面図である。 駆動機構22が磁力を用いて揺動板22にトルクを印加する構成を示す側面図である。 駆動機構22がローレンツ力を用いて揺動板22にトルクを印加する構成を示す側面図である。 偏向器100の概略の構成を示す斜視図である。 付勢機構112が磁力を利用して支持部材106を基板102に向けて付勢する構成の一例を示す側面図である。 付勢機構112が磁力を利用して支持部材106を基板102に向けて付勢する構成の別の一例を示す側面図である。 付勢機構112が磁力を利用して支持部材106を基板102に向けて付勢する構成の別の一例を示す側面図である。 付勢機構112が静電力を利用して支持部材106を基板102に向けて付勢する構成の一例を示す側面図である。 付勢機構112が不揮発性液体130の表面張力を利用して支持部材106を基板102に向けて付勢する構成の一例を示す側面図である。 付勢機構112が軟質接着剤140の復元力を利用して支持部材106を基板102に向けて付勢する構成の一例を示す側面図である。 付勢機構112が弾性部材150の復元力を利用して支持部材106を基板102に向けて付勢する構成の一例を示す側面図である。
図1は本実施例の偏向器10を示している。偏向器10は、主に、基板12と、支持部材14と、接続部材18と、揺動板20と、駆動機構22と、付勢機構24を備えている。揺動板20の上面には、入射光を反射する反射膜20aが形成されている。偏向器10は、揺動板20を基板12に対して揺動させることで、反射膜20aによる入射光の反射角度を変化させる。基板12は例えばシリコンウェハに形成されている。揺動板20は例えばシリコンから形成されている。反射膜20aは例えばAl等の蒸着膜である。
基板12の上面中央には、支持部材14の下端が固定されている。揺動板20の下面側中央には、接続部材18が固定されている。支持部材14の上端に接続部材18が当接した状態で、揺動板20は揺動可能に載置されている。
駆動機構22は、揺動板20に揺動軸周りのトルクを印加することで、揺動板20を揺動させる。揺動板20の周縁が基板12に当接することで、揺動板20を揺動させたときの揺動角度が規定される。あるいは、揺動板20に揺動軸周りのトルクを印加した際に復元力が作用する場合には、そのトルクと復元力が釣り合う位置により、揺動角度が規定される。本実施例では、基板12に形成された電極16と、揺動板20に形成された電極(図示せず)によって、駆動機構22が構成される。基板12に形成された電極16と揺動板20に形成された電極の間に電圧を印加することで、両者の間に静電力が作用し、揺動板20に揺動軸周りのトルクが印加される。
付勢機構24は、少なくとも揺動板20を支持部材14から引き離す方向の力が作用する場合に、揺動板20を支持部材14に向けて付勢する。付勢機構24によって、揺動板20が支持部材14から外れてしまうことを防ぐことができる。
本実施例の偏向器10では、磁力を用いて揺動板20を支持部材14に向けて付勢し、付勢機構24を実現する。図2に示すように、支持部材14は、例えばNiなどの磁性体により形成されている。接続部材18は、電磁石や永久磁石などの磁石により形成されている。接続部材18は、例えば接着剤等を用いて揺動板20の下面に固定されている。接続部材18の磁力の極性の向きは、揺動板20に直交する方向に配置されている。支持部材14の先端には凸部が形成されており、接続部材18の下面中央には凹部が形成されている。支持部材14の先端の凸部が接続部材18の凹部に当接することで、揺動板20は支持部材14に揺動可能に支持される。このような構成とすると、支持部材14と接続部材18の間に作用する磁力によって、揺動板20は支持部材14に向けて常に付勢されており、揺動板20が支持部材14から外れてしまうことを防ぐことができる。
支持部材14の先端の凸部の形状は、接続部材18の凹部と当接して、揺動板20を揺動可能に支持することが可能であれば、どのような形状としてもよく、例えば三角錐状に形成してもよいし、半球状に形成してもよい。また、接続部材18の凹部は、支持部材14の先端の凸部と当接して、揺動板20が揺動可能に支持されるのであれば、どのような形状としてもよい。
なお、支持部材14は、上述のように、全体をNi等の磁性体によって形成してもよいし、図3に示すように、全体をAl等の非磁性体により形成しておいて、先端部分のみにNi等の磁性体のメッキ14aを施してもよい。
図4に示すように、接続部材18に凸部を形成し、支持部材14の先端に凹部を形成してもよい。この場合も、支持部材14は、全体を磁性体によって形成してもよいし、全体を非磁性体によって形成しておいて、先端部分のみに磁性体のメッキを施してもよい。
図5に示すように、接続部材18の磁力の極性の向きを、揺動板20に沿う方向に配置してもよい。
図6に示すように、支持部材14と当接する接続部材18とは別に、電磁石や永久磁石などの磁石26を揺動板20に設ける構成としてもよい。このような構成とした場合も、支持部材14と磁石26の間に作用する磁力によって、揺動板20は支持部材14に向けて常に付勢されており、揺動板20が支持部材14から外れてしまうことを防ぐことができる。
図7に示すように、支持部材14を電磁石や永久磁石などの磁石により形成し、接続部材18をNi等の磁性体により形成してもよい。この場合、接続部材18の全体を磁性体により形成してもよいし、接続部材18の支持部材14との当接部分のみに磁性体のメッキを施してもよい。また、この場合、接続部材18に凸部を形成し、支持部材14の先端に凹部を形成してもよい。
あるいは、図8に示すように、接続部材18と当接する支持部材14とは別に、電磁石や永久磁石などの磁石28を基板12に設ける構成としてもよい。このような構成とした場合も、磁石28と接続部材18の間に作用する磁力によって、揺動板20は支持部材14に向けて常に付勢されており、揺動板20が支持部材14から外れてしまうことを防ぐことができる。
あるいは、図9に示すように、接続部材18を設けることなく、支持部材14の先端が直接的に揺動板20に当接して、揺動板20を揺動可能に支持する構成としてもよい。この場合、揺動板20の全体を磁性体によって形成してもよいし、揺動板20の支持部材14と当接する箇所にのみ磁性体によるメッキを施してもよい。図9に示すように、支持部材14の先端に凸部を形成し、揺動板20に凹部を形成してもよいし、支持部材14の先端に凹部を形成し、揺動板20に凸部を形成してもよい。
上記では、付勢機構24が磁力によって揺動板20を支持部材14に付勢する構成を説明したが、他の種類の力を利用して付勢機構24が揺動板20を支持部材14に付勢する構成としてもよい。
例えば、図10に示すように、接続部材18の支持部材14と当接する部分に絶縁体30を設けておいて、支持部材14と接続部材18の間に電圧印加機構32によって電圧を印加する構成とすることで、静電力を利用する付勢機構24を実現することもできる。この場合、支持部材14と接続部材18の間に作用する静電力によって、揺動板20は支持部材14に向けて常に付勢される。なお、絶縁体30は、支持部材14と接続部材18の導通を防ぐことができればどのように配置されていてもよく、例えば支持部材14の接続部材18と当接する部分に設けてもよいし、支持部材14と接続部材18の双方に設けてもよい。
あるいは、図11に示すように、支持部材14と接続部材18の当接する箇所に不揮発性液体40を塗布して、付勢機構24を実現することもできる。この場合、揺動板20を支持部材14から引き離す力が作用すると、不揮発性液体40の表面張力によって揺動板20が支持部材14に向けて付勢され、揺動板20が支持部材14から外れてしまうことを防ぐことができる。図11に示す構成の場合、支持部材14および/または接続部材18の不揮発性液体40を塗布する箇所に、親液性の表面処理を行ってもよい。特に不揮発性液体40が油である場合には、支持部材14および/または接続部材18の不揮発性液体40を塗布する箇所に、親油性の表面処理を行ってもよい。不揮発性液体40としては、例えばシリコンオイルやグリスなどを用いることができる。
あるいは、図12に示すように、支持部材14と接続部材18の当接する箇所を、軟質接着剤50によって接着して、付勢機構24を実現することもできる。この場合、揺動板20を支持部材14から引き離す力が作用すると、軟質接着剤50の復元力によって揺動板20が支持部材14に向けて付勢され、揺動板20が支持部材14から外れてしまうことを防ぐことができる。軟質接着剤50としては、例えばエポキシ系接着剤やシリコンゴムなどを用いることができる。
あるいは、図13に示すように、揺動板20に直交する方向(図13の上下方向)の弾性を有する弾性部材60を用いて揺動板20と基板12を接続することで、付勢機構24を実現することもできる。図13に示す例では、基板12に固定された固定部材62と、揺動板20の周縁との間を、弾性部材60により接続している。この場合、揺動板20を支持部材14から引き離す力が作用すると、弾性部材60の復元力によって揺動板20が支持部材14に向けて付勢され、揺動板20が支持部材14から外れてしまうことを防ぐことができる。
図14および図15は、中間支持板70と、2組の弾性部材72,74を用いて、揺動板20を基板12に接続する構成を示している。図14に示すように、弾性部材72,74は、例えばミアンダ梁であってもよい。この場合、折れ曲がり部の角を丸くしておくことで、弾性部材72,74の耐久性を向上することができる。弾性部材72は、揺動板20の周縁と中間支持板70とを接続している。弾性部材74は、中間支持板70と基板12に固定された固定部材76の間を接続している。このような構成とした場合も、揺動板20を支持部材14から引き離す力が作用すると、弾性部材72,74の復元力によって揺動板20が支持部材14に向けて付勢され、揺動板20が支持部材14から外れてしまうことを防ぐことができる。
上記では、駆動機構22が静電力を利用して揺動板20にトルクを印加する構成について説明したが、他の種類の力を利用して駆動機構22が揺動板20にトルクを印加する構成としてもよい。
例えば、図16に示すように、基板12に電磁石80a,80bを配置し、揺動板20に電磁石82a,82bを配置し、それぞれの電磁石のオン/オフを制御することで、揺動板20にトルクを印加する構成としてもよい。
あるいは、図17に示すように、揺動板20の周縁に沿う配線90を揺動板20の内部に設けて、磁石92によって揺動板20に沿う方向の磁界を生成して、電流源94によって配線90に電流を流したときに配線90に作用するローレンツ力を利用して、揺動板20にトルクを印加する構成としてもよい。なお、駆動機構22を図17のように構成し、付勢機構24を図13,図14および図15のように弾性部材60,72,74によって構成する場合、揺動板20の内部の配線90への電流供給経路を弾性部材60,72,74の内部に形成することもできる。
以下では別実施形態に係る偏向器100について説明する。図18は本実施例の偏向器100を示している。偏向器100は、主に、基板102と、接続部材104と、支持部材106と、揺動板108と、駆動機構110と、付勢機構112を備えている。揺動板108の上面には、入射光を反射する反射膜108aが形成されている。偏向器100は、揺動板108を基板102に対して揺動させることで、反射膜108aによる入射光の反射角度を変化させる。
基板102の上面中央には、接続部材104が固定されている。揺動板108の下面中央には、支持部材106の上端が固定されている。支持部材106の下端が接続部材104に当接した状態で、揺動板108は揺動可能に載置されている。
駆動機構110は、揺動板108に揺動軸周りのトルクを印加することで、揺動板108を揺動させる。揺動板108の周縁が基板102に当接することで、揺動板108を揺動させたときの揺動角度が規定される。本実施例では、基板102に形成された電極114と、揺動板108に形成された電極(図示せず)によって、駆動機構110が構成される。基板102に形成された電極114と揺動板108に形成された電極の間に電圧を印加することで、両者の間に静電力が作用し、揺動板108に揺動軸周りのトルクが印加される。
付勢機構112は、少なくとも支持部材106を基板102から引き離す方向の力が作用する場合に、支持部材106を基板102に向けて付勢する。付勢機構112によって、支持部材106が接続部材104から外れてしまうことを防ぐことができる。
本実施例の偏向器100では、磁力を用いて支持部材106を基板102に向けて付勢し、付勢機構112を実現する。図19に示すように、支持部材106は、例えばNiなどの磁性体により形成されている。接続部材104は、電磁石や永久磁石などの磁石により形成されている。接続部材104は、例えば接着剤等を用いて基板102に固定されている。接続部材104の磁力の極性の向きは、基板102に直交する方向に配置されている。支持部材106の先端には凸部が形成されており、接続部材104の中央には凹部が形成されている。支持部材106の先端の凸部が接続部材104の凹部に当接することで、揺動板108は基板102に揺動可能に支持される。このような構成とすると、支持部材106と接続部材104の間に作用する磁力によって、支持部材106は基板102に向けて常に付勢されており、支持部材106が接続部材104から外れてしまうことを防ぐことができる。
支持部材106の先端の凸部の形状は、接続部材104の凹部と当接して、揺動板108を揺動可能に支持することが可能であれば、どのような形状としてもよく、例えば三角錐状に形成してもよいし、半球状に形成してもよい。また、接続部材104の凹部は、支持部材106の先端の凸部と当接して、揺動板108が揺動可能に支持されるのであれば、どのような形状としてもよい。
なお、支持部材106は、上述のように、全体をNi等の磁性体によって形成してもよいし、全体をAl等の非磁性体により形成しておいて、先端部分のみにNi等の磁性体のメッキを施してもよい。また、接続部材104の磁力の極性の向きは、上述のように、基板102に直交する方向に配置してもよいし、基板102に沿う方向に配置してもよい。
図20に示すように、接続部材104に凸部を形成し、支持部材106の先端に凹部を形成してもよい。この場合も、支持部材106は、全体を磁性体によって形成してもよいし、全体を非磁性体によって形成しておいて、先端部分のみに磁性体のメッキを施してもよい。
図21に示すように、支持部材106を電磁石や永久磁石などの磁石により形成し、接続部材104をNi等の磁性体により形成してもよい。この場合、接続部材104の全体を磁性体により形成してもよいし、接続部材104の支持部材106との当接部分のみに磁性体のメッキを施してもよい。また、この場合、接続部材104に凸部を形成し、支持部材106の先端に凹部を形成してもよい。また、この場合、接続部材104と当接する支持部材106とは別に、電磁石や永久磁石などの磁石を揺動板108に設ける構成としてもよい。
上記では、付勢機構112が磁力によって支持部材106を基板102に付勢する構成を説明したが、他の種類の力を利用して付勢機構112が支持部材106を基板102に付勢する構成としてもよい。
例えば、図22に示すように、接続部材104の支持部材106と当接する部分に絶縁体120を設けておいて、接続部材104と支持部材106の間に電圧印加機構122によって電圧を印加する構成とすることで、静電力を利用する付勢機構112を実現することもできる。この場合、接続部材104と支持部材106の間に作用する静電力によって、支持部材106は基板102に常に付勢される。なお、絶縁体120は、接続部材104と支持部材106の導通を防ぐことができればどのように配置されていてもよく、例えば支持部材106の接続部材104と当接する部分に設けてもよいし、接続部材104と支持部材106の双方に設けてもよい。
あるいは、図23に示すように、接続部材104と支持部材106の当接する箇所に不揮発性液体130を塗布して、付勢機構112を実現することもできる。この場合、支持部材106を基板102から引き離す力が作用すると、不揮発性液体130の表面張力によって支持部材106が基板102に向けて付勢され、支持部材106が接続部材104から外れてしまうことを防ぐことができる。図23に示す構成の場合、接続部材104および/または支持部材106の不揮発性液体130を塗布する箇所に、親液性の表面処理を行ってもよい。特に不揮発性液体130が油である場合には、接続部材104および/または支持部材106の不揮発性液体130を塗布する箇所に、親油性の表面処理を行ってもよい。不揮発性液体130としては、例えばシリコンオイルやグリスなどを用いることができる。
あるいは、図24に示すように、接続部材104と支持部材106の当接する箇所を、軟質接着剤140によって接着して、付勢機構112を実現することもできる。この場合、支持部材106を基板102から引き離す力が作用すると、軟質接着剤140の復元力によって支持部材106が基板102に向けて付勢され、支持部材106が接続部材104から外れてしまうことを防ぐことができる。軟質接着剤140としては、例えばエポキシ系接着剤やシリコンゴムなどを用いることができる。
あるいは、図25に示すように、揺動板108に直交する方向(図25の上下方向)の弾性を有する弾性部材150を用いて揺動板108と基板102を接続することで、付勢機構112を実現することもできる。図25に示す例では、基板102に固定された固定部材152と、揺動板108の周縁との間を、弾性部材150により接続している。この場合、支持部材106を基板102から引き離す力が作用すると、弾性部材150の復元力によって支持部材106が基板102に向けて付勢され、支持部材106が接続部材104から外れてしまうことを防ぐことができる。
上記では、駆動機構110が静電力を利用して揺動板108にトルクを印加する構成について説明したが、図16で説明したのと同様に磁力を利用して揺動板108にトルクを印加する構成としてもよいし、図17で説明したとの同様にローレンツ力を利用して揺動板108にトルクを印加する構成としてもよい。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10 偏向器;12 基板;14 支持部材;14a メッキ;16 電極;18 接続部材;20 揺動板;20a 反射膜;22 駆動機構;24 付勢機構;26,28 磁石;30 絶縁体;32 電圧印加機構;40 不揮発性液体;50 軟質接着剤;60,72,74 弾性部材;62,76 固定部材;70 中間支持板;80a,80b,82a,82b 電磁石;90 配線;92 磁石;94 電流源;100 偏向器;102 基板;104 接続部材;106 支持部材;108 揺動板;108a 反射膜;110 駆動機構;112 付勢機構;114 電極;120 絶縁体;122 電圧印加機構;130 不揮発性液体;140 軟質接着剤;150 弾性部材;152 固定部材

Claims (18)

  1. 基板部と、
    基板部に下端を固定された支持部と、
    支持部の上端に揺動可能に載置された揺動部と、
    揺動部の上面に形成された反射部と、
    揺動部に揺動軸周りのトルクを印加する駆動機構と、
    少なくとも揺動部を支持部から引き離す力が作用する場合に、揺動部を支持部に向けて付勢する付勢機構を備える偏向器。
  2. 付勢機構が、支持部および揺動部の少なくとも一方に設けられた磁石を備えており、磁力を利用して揺動部を支持部に向けて付勢する請求項1の偏向器。
  3. 揺動部が磁石を備えており、
    支持部が磁性体を備える請求項2の偏向器。
  4. 付勢機構が、支持部および揺動部の少なくとも一方に設けられた絶縁体と、支持部および揺動部の間に電圧を印加する電圧印加手段を備えており、静電力を利用して揺動部を支持部に向けて付勢する請求項1の偏向器。
  5. 付勢機構が、揺動部と支持部の当接部分に塗布された不揮発性液体を備えており、揺動部を支持部から引き離す力が作用する場合に、不揮発性液体の表面張力を利用して揺動部を支持部に向けて付勢する請求項1の偏向器。
  6. 不揮発性液体が塗布される部分に親液性処理が施されている請求項5の偏向器。
  7. 付勢機構が、揺動部と支持部の当接部分を接着する接着剤を備えており、揺動部を支持部から引き離す力が作用する場合に、接着剤の復元力を利用して揺動部を支持部に向けて付勢する請求項1の偏向器。
  8. 付勢機構が、揺動部と基板部を接続する弾性部材を備えており、揺動部を支持部から引き離す力が作用する場合に、弾性部材の復元力を利用して揺動部を支持部に向けて付勢する請求項1の偏向器。
  9. 支持部の揺動部と当接する部分に凸部が形成されており、
    揺動部の支持部と当接する部分に凹部が形成されている請求項1から8の何れか一項の偏向器。
  10. 基板部と、
    基板部に揺動可能に載置された支持部と、
    支持部の上端に固定された揺動部と、
    揺動部の上面に形成された反射部と、
    揺動部に揺動軸周りのトルクを印加する駆動機構と、
    少なくとも支持部を基板部から引き離す力が作用する場合に、支持部を基板部に向けて付勢する付勢機構を備える偏向器。
  11. 付勢機構が、基板部および支持部の少なくとも一方に設けられた磁石を備えており、磁力を利用して支持部を基板部に向けて付勢する請求項10の偏向器。
  12. 基板部が磁石を備えており、
    支持部が磁性体を備える請求項11の偏向器。
  13. 付勢機構が、基板部および支持部の少なくとも一方に設けられた絶縁体と、基板部および支持部の間に電圧を印加する電圧印加手段を備えており、静電力を利用して支持部を基板部に向けて付勢する請求項10の偏向器。
  14. 付勢機構が、基板部と支持部の当接部分に塗布された不揮発性液体を備えており、支持部を基板部から引き離す力が作用する場合に、不揮発性液体の表面張力を利用して支持部を基板部に向けて付勢する請求項10の偏向器。
  15. 不揮発性液体が塗布される部分に親液性処理が施されている請求項14の偏向器。
  16. 付勢機構が、基板部と支持部の当接部分を接着する接着剤を備えており、支持部を基板部から引き離す力が作用する場合に、接着剤の復元力を利用して支持部を基板部に向けて付勢する請求項10の偏向器。
  17. 付勢機構が、揺動部と基板部を接続する弾性部材を備えており、支持部を基板部から引き離す力が作用する場合に、弾性部材の復元力を利用して支持部を基板部に向けて付勢する請求項10の偏向器。
  18. 支持部の基板部と当接する部分に凸部が形成されており、
    基板部の支持部と当接する部分に凹部が形成されている請求項10から17の何れか一項の偏向器。
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