JP2013249852A - 磁気浮上装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】実質的なゼロパワー制御だけでなく、浮上体の絶対位置をゼロに収束させる制御を用いることによって、摩擦等による浮上体の初期位置変動をなくすことができると共に、定常的な外力に起因する浮上体の位置変動を抑制する。
【解決手段】浮上体10と、浮上体10に永久磁石及び電磁石による磁気回路を形成する磁石ユニット23と、磁石ユニット23を固定する可動枠22と、可動枠22を支持する固定枠21と、固定枠21に対して可動枠22を支持すると共に固定枠21と可動枠22との距離を調整可能な可動枠支持機構27と、浮上体10と磁石ユニット23との相対変位を測定する第1のセンサ24と、固定枠21と可動枠22との相対変位を測定する第2のセンサ25と、第1及び第2のセンサ24,25の各出力に応じて電磁石の電流を制御することにより浮上体10を安定的に非接触支持する制御部と、を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気力で浮上体を支持する磁気浮上装置に関する。
回転体を非接触支持する手段として、磁気軸受が広く使用されている。通常、磁気軸受は、回転するロータの回転軸に直交する動きを非接触支持するラジアル軸受と、回転軸に平行な動きを非接触支持するスラスト軸受で構成される。その場合、浮上体であるロータを安定的に非接触支持するために、何れかの軸受に対して電磁石の吸引力を制御する常電導吸引式磁気浮上方式が適用されるのが一般的である。
常電導吸引式磁気浮上方式では、浮上体を定常的に非接触支持するために、電磁石にバイアス電流を流すことによって常に所定の吸引力を形成する必要がある。そのため、ロータに作用する外力の有無によらず常に電力を消費することになる。また、常に電磁石のコイルが通電状態となるため発熱が避けられず、何らかの冷却手段を講じる必要がある。
少ない電力消費で吸引式磁気浮上を行うために、永久磁石と電磁石で磁石ユニットを構成し、浮上状態の安定性を維持しながら電磁石への励磁電流をゼロに収束させる、いわゆるゼロパワー制御を適用する方法がある(例えば、特許文献1,2参照)。このような構成とすることで、浮上体を非接触支持するために必要な磁力を永久磁石に起因する磁力によってまかなうことができ、定常的に非接触支持するために電磁石に流す必要があるバイアス電流が不要となる。また、浮上体と磁石ユニットとの相対変位が大きい場合でも電磁石への少ない励磁電流で大きな電磁力を制御することができる。
しかし、ゼロパワー制御を適用して磁気軸受を構成した場合、電磁石への励磁電流を常にゼロに収束させるように磁気浮上制御が行われるため、励磁電流がゼロに収束すると共に空隙長が変化し、結果的に永久磁石の磁力のみで磁気浮上できる位置で安定となる。従って、ロータの自重や定常的な外力が磁気軸受に作用する場合、ロータの回転中心がその外力に応じて変位することになる。回転中心が変位することによって、例えば、高速回転する機器では振れ回りの問題が生じ、ポンプなどでは回転位置による効率の変動が問題となり、場合によってはロータが容器やパイプに接触する可能性がある。
特開昭61−102105号公報 特開2001−19286号公報
前述したように、磁気軸受の電力消費を低減させ、磁石ユニットと浮上体との間の相対変位を大きく設計するためには、電磁石と永久磁石で磁石ユニットを構成し、ゼロパワー制御を適用する方法が有効である。しかし、ゼロパワー制御を適用して磁気軸受を構成した場合、定常的な外力が磁気軸受に作用すると、ロータの回転中心がその外力に応じて変位してしまう問題があった。これは、高速回転する機器においては、振れ回りの問題が発生し、効率の低下を招く大きな要因となる。
本発明はかかる課題を解決するためになされたもので、実質的なゼロパワー制御だけでなく、浮上体の絶対位置をゼロに収束させる制御を用いることによって、摩擦等による浮上体の初期位置変動を抑制することができると共に、定常的な外力に起因する浮上体の位置変動を抑制することができ、且つ動的な外力が作用した場合でも良好な追従性を得ることのできる磁気浮上装置を提供する。
本発明の一実施形態に係わる磁気浮上装置は、少なくとも一部が強磁性体で形成された浮上体と、永久磁石と電磁石を備え、前記浮上体を挟んで対向配置され、前記浮上体に空隙を介して前記永久磁石に起因する磁束の磁気回路を形成すると共に、前記浮上体に当該空隙を介して前記電磁石に起因する磁束の磁気回路を形成する磁石ユニットと、前記浮上体に前記磁石ユニットが対向するように、前記磁石ユニットが固定された可動枠と、前記可動枠及び前記浮上体に加わる荷重を支持する固定枠と、前記固定枠に対して前記可動枠を支持し、当該固定枠と前記可動枠との距離を調整可能な可動枠支持手段と、前記浮上体と前記磁石ユニットとの相対変位を測定する第1のギャップセンサと、前記固定枠と前記可動枠との相対変位を測定する第2のギャップセンサと、前記第1のギャップセンサと前記第2のギャップセンサの各出力に応じて前記電磁石の電流を制御することにより、前記浮上体を非接触支持する制御手段と、前記第1のギャップセンサと前記第2のギャップセンサから導出した浮上体の絶対位置をゼロに収束させる手段と、を具備したことを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、実質的なゼロパワー制御だけでなく、浮上体の絶対位置をゼロに収束させる制御を用いることによって、摩擦等による浮上体の初期位置変動を抑制することができると共に、定常的な外力に起因する浮上体の位置変動を抑制することができる。
第1の実施形態に係わる磁気浮上装置の概略構成を示す斜視図。 第1の実施形態の磁気浮上装置に用いた縦方向支持装置の構成を示す斜視図。 図2の縦方向支持装置に取り付けられた磁石ユニットの構成を示す斜視図。 第1の実施形態の磁気浮上装置に用いた横方向支持装置の構成を示す斜視図。 第1の実施形態における電磁石電流の制御装置の構成を示す概略図。 図5の制御装置に用いた制御演算器の回路構成を示すブロック図。 第1の実施形態における磁気支持特性とばね支持特性との関係を示す特性図。 第2の実施形態に係わる磁気浮上装置を説明するためのもので、制御演算器の回路構成を示すブロック図。 第3の実施形態に係わる磁気浮上装置を説明するためのもので、制御演算器の回路構成を示すブロック図。 第4の実施形態に係わる磁気浮上装置を説明するためのもので、制御演算器の回路構成を示すブロック図。
前述した定常的な外力による浮上体の変位を防止するために、ゼロパワー制御を適用した磁気浮上系に対して、弾性体で支持された可動枠内部に磁石ユニットを配置し、浮上体に作用する外力の大きさに応じて変化する相対変位の変化を機械的に吸収する構成が考えられる。このような構成とすることで、浮上体の絶対位置を所定の位置に維持することができる。
しかし、ゼロパワー制御を用いた場合、磁気ばねと弾性体のばね定数の違い、弾性体支持による摩擦等の影響により、浮上体の初期位置変動が生じる可能性がある。浮上体の回転中心がずれることになり、高精度を要する機器では問題となる。
そこで本発明では、浮上体の初期位置変動をゼロに収束させ、且つ動的な外力が作用した場合でも良好に追従し、浮上体の絶対位置の変動を低減すると共に、構成上の特徴として励磁電流を低減できる磁気浮上装置を提供する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係わる磁気浮上装置の概略構成を示す斜視図である。
本実施形態の磁気浮上装置は、円筒状の浮上体10と、浮上体10をz方向(上下方向)に支持する縦方向支持装置20と、浮上体10をy方向(左右方向)に支持する横方向支持装置30とで構成されている。浮上体10は、x方向の軸芯を中心に回転するものであり、全体が強磁性材料で形成されるか、又は一部が強磁性材料で形成されている。
図2に、縦方向支持装置20の構成を示す。縦方向支持装置20は、縦方向固定枠21、縦方向可動枠22、縦方向可動枠22の上下内部にそれぞれ配置された磁石ユニット(Z軸磁石ユニット)23、浮上体10と磁石ユニット23との相対変位を測定する第1のギャップセンサ24、縦方向固定枠21と縦方向可動枠22との相対変位を測定する第2のギャップセンサ25、縦方向可動枠22を上下方向に動作可能にするリニアガイド26、及び縦方向可動枠22を弾性的に支持するばね27で構成されている。縦方向可動枠22は、リニアガイド26とばね27を介して縦方向固定枠21に接続されており、縦方向固定枠21内で上下方向に移動可能な構造となっている。
なお、ギャップセンサ24は、上側及び下側の各磁石ユニット23と浮上体10との相対変位を測定するために縦方向可動枠22の上側及び下側の両方に設けても良いが、上下の磁石ユニット23間の距離が一定であり一方のみを測定すれば良いことから、例えば図2に示すように上側のみに配置されている。ギャップセンサ25も同様に、縦方向可動枠22の上端及び下端と縦方向固定枠21との相対変位を測定するために縦方向固定枠21の上側及び下側の両方に設けても良いが、一方のみを測定すれば両方が分かることから、例えば図2に示すように下側のみに配置されている。
図3に、磁石ユニット23の構成を示す。磁石ユニット23は、永久磁石41と、継鉄42及び継鉄42に巻かれたコイル43で構成された電磁石44と、で構成されている。即ち、永久磁石41の両端に継鉄42がそれぞれ接続され、各々の継鉄42にコイル43が巻回されている。そして、磁石ユニット23は、浮上体10に空隙を介して永久磁石41に起因する磁束の磁気回路を形成すると共に、浮上体10に当該空隙を介して電磁石44に起因する磁束の磁気回路を形成するようになっている。また、コイル43に流す電流の向きに応じて電磁石44によって生成される磁束の向きが変わり、永久磁石41が形成する磁束を強めたり弱めたりすることが可能となっている。
図4に、横方向支持装置30の構成を示す。縦方向支持装置20と同様に横方向支持装置30は、横方向固定枠31と、横方向可動枠32と、横方向可動枠32の左右内部にそれぞれ配置された磁石ユニット(Y軸磁石ユニット)33、浮上体10と横方向可動枠32との相対変位を測定する第1のギャップセンサ34、横方向固定枠31と横方向可動枠32との相対変位を測定する第2のギャップセンサ35、横方向可動枠32を左右方向に動作可能にするリニアガイド36、及び横方向可動枠32を弾性的に支持するばね37で構成されている。横方向可動枠32は、リニアガイド36とばね37を介して横方向固定枠31に接続されており、左右方向に移動可能な構造となっている。
磁石ユニット33の構成は、磁石ユニット23と同様であり、永久磁石と電磁石で形成されている。ギャップセンサ34は、左側及び右側の各磁石ユニット33と浮上体10との相対変位を測定するために可動枠32の左側及び右側の両方に設けても良いが、左右の磁石ユニット33間の距離が一定であり一方のみを測定すれば良いことから、例えば図4に示すように右側のみに配置されている。ギャップセンサ35も同様に、横方向可動枠32の左端及び右端と横方向固定枠31との相対変位を測定するために横方向固定枠31の左側及び右側の両方に設けても良いが、一方のみを測定すれば両方が分かることから、例えば図4に示すように左側のみに配置されている。また、横方向支持装置30は、位置調整脚38を備えており、上下方向の位置調整が可能となっている。
磁石ユニット23は浮上体10をz方向から挟むように対向配置され、磁石ユニット33は浮上体10をy方向から挟むように対向配置される。そして、磁石ユニット23,33は、電磁石44への印加電圧を制御して浮上体10を非接触支持するため、電磁石44のコイル43を制御装置に接続している。図5に、電磁石電流の制御装置の概要構成を示す。縦方向支持装置20と横方向支持装置30は同じ構成で制御を行うため、ここでは縦方向支持装置20の制御装置を例にとって説明する。
制御装置は、磁気浮上装置の状態量を検出するセンサ部50と、センサ部50からの信号に応じて浮上体10を安定的に非接触支持するために電磁石44への印加電圧を演算する制御演算器60と、制御演算器60の出力に応じて電磁石44を励磁するパワーアンプ55とで構成されており、これらによって磁石ユニット23と浮上体10との間に発生する磁気力を制御している。センサ部50は、浮上体10と磁石ユニット23との相対変位zrを測定する第1のギャップセンサ24、縦方向固定枠21と縦方向可動枠22との相対変位zfを測定する第2のギャップセンサ25、及び電磁石44への励磁電流izを検出するための電流センサ51で構成されている。
図6に、制御演算器60の具体的構成を示す。制御演算器60は、変位の変動分Δzr,Δzfから速度を算出する微分器61,62と、適切なフィードバックゲインを乗じるためのゲイン補償器63と、絶対位置偏差目標値を設定する絶対位置偏差目標値発生器64と、Δzr,Δzfを加算する加算器65と、加算出力(Δzr+Δzf)を絶対位置偏差目標値から減じる減算器66と、減算器66の出力値を積分して適切なフィードバックゲインを乗じる積分補償器67と、ゲイン補償器63の出力値の総和を加算する加算器68と、加算器68の出力値を積分補償器67の出力値から減じて電磁石44への制御電圧ezを出力する減算器69とで構成されている。
微分器61は、第1のギャップセンサ24の出力値より算出した浮上体10と磁石ユニット23との相対変位の微小変動分Δzrから、浮上体10と磁石ユニット23との相対変位の変化速度の微小変動分Δvrを演算する。微分器62は、第2のギャップセンサ25の出力値より算出した縦方向固定枠21と縦方向可動枠22との相対変位の微小変動分Δzfから、縦方向固定枠21と縦方向可動枠22との相対変位の変化速度の微小変動分Δvfを演算する。ゲイン補償器63は、Δzr,Δvr,Δzf,Δvf,及び電流センサ51の出力値より算出した電磁石44への励磁電流の微小変動分Δizに対し、それぞれ適切なフィードバックゲインを乗じる。
ここで、絶対位置偏差目標値発生器64の値をゼロとした場合、浮上体10が非接触で安定的に支持されている状態では、浮上体10の絶対位置変動をゼロに収束させることができる。これにより、摩擦等による浮上体10の初期位置変動をなくすことができると共に、定常的な外力に起因する浮上体10の位置変動を抑制することができる。即ち、センサ部50、制御演算器60,パワーアンプ55からなる制御ループにより電磁石44への励磁電流を制御することにより、浮上体10を非接触で安定支持することができる。この状態で、絶対位置偏差目標値をゼロに設定することにより、浮上体10の非接触支持を維持したまま、浮上体10の絶対位置変動をゼロに収束させることができる。
横方向支持装置30の磁石ユニット33に対しても前記図5と同様の制御装置及び前記図6と同様の制御演算器を用いることにより、z方向だけではなくy方向にも上記と同様に制御を実現することができる。これにより、浮上体10を非接触で支持することが可能となる。
前記構成のように縦方向可動枠22及び横方向可動枠32を、リニアガイド26,36とばね27,37を介してそれぞれ縦方向固定枠21及び横方向固定枠31に接続した場合、永久磁石41の磁気力による変位−吸引力特性と同等の変位−復元力特性を有するばね27,37によって、磁気支持特性と逆の傾きを有するばね支持特性と合成させる。それによって、特性上、図7のように結果的に合成支持特性のような荷重−変位特性となり、浮上体10の絶対位置の変動が大幅に低減される。
しかしながら、磁気支持特性とばね支持特性を完全に一致させない限り、構成上、絶対位置の変動をゼロにすることはできない。そこで、本構成に加えて、浮上体10の絶対位置変動をゼロに収束させる制御を適用することによって、絶対位置を一定に保ちながら消費電力を略ゼロにすることができる。
なお、本実施形態では、距離を測定するセンサとして、例えば渦電流式ギャップセンサを用いることにより高精度での測定を実現することができる。一方、検出対象が金属以外のものである場合には、光学式ギャップセンサを用いることにより、検出対象を金属に限定しない。また、接触式を用いた場合には廉価なシステムが構成できる。なお、パワーアンプの出力指令値は電流又は電圧の一方に限定されるものではなく、何れの場合でも同様の構成で効果を得ることができる。これは、以降に説明する実施形態においても同様である。
このように本実施形態によれば、固定枠21,31にリニアガイド26,36及びばね27,37を介して可動枠22,32を設け、可動枠22,32に固定した磁石ユニット23,33により浮上体10の磁気浮上制御を行うことにより、定常的な外力による浮上体10の中心ずれを可動枠22,32で吸収することができ、定常的な外力による浮上体の中心ずれを抑制することができる。しかも、可動枠22,32の変位を加味してフィードバック制御することにより、動的な外力などが作用した場合にも良好な追従特性を得ることができる。
(第2の実施の形態)
図8は、第2の実施形態に係わる磁気浮上装置を説明するためのもので、制御演算器の回路構成を示すブロック図である。なお、図6と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
第1の実施形態においては、Δzr,Δvr,Δzf,Δvf,Δiz及びΔzr+Δzfの積分値の6つをフィードバックして制御電圧ezを算出する構成とした。ここでは更に、Δizの積分値をフィードバックするループを設け、Δzr+Δzfの積分値とΔizの積分値を切り換える実施形態を説明する。
図8に示すように、前記図6の構成に加え、電流偏差目標値発生器74と、Δizを電流偏差目標値発生器74より減じる減算器76と、減算器76の出力値を積分して適切なフィードバックゲインを乗じる積分補償器77と、積分補償器67,77の何れかを選択する積分切換器81と、積分補償器67,77の出力値を加算する加算器82とを備えている。そして、減算器69により、加算器82の出力値を加算器68の出力値から減じて電磁石への制御電圧ezを出力するようになっている。
積分切換器81は、Δzr+Δzfの積分値とΔizの積分値のどちらを選択するかを決定する。その際に、選択されなかった積分補償器67,77の何れかはゼロにリセットする。
Δizの積分値をフィードバックするループにより、ゼロパワー制御が実現できる。従って、積分切換器81を用いることによって、絶対位置変動と励磁電流の何れを積極的にゼロに収束させるかを決定することができる。また、選択していない積分補償器67,77の何れかをゼロにすることによって、スムーズな切り換えが実現できる。横方向支持装置4においても同じ構成で制御を行うことができる。
このように本実施形態によれば、Δzr+Δzfの積分値をフィードバックするループに加え、Δizの積分値をフィードバックするループを設け、何れかのループを選択することにより、絶対位置変動と励磁電流の何れを積極的にゼロに収束させるかを決定することができる。従って、先の第1の実施形態と同様の効果が得られるのは勿論のこと、磁気浮上装置の磁気軸受けとして要求される性能に応じた制御が可能になる利点がある。
(第3の実施形態)
図9は、第3の実施形態に係わる磁気浮上装置を説明するためのもので、制御演算器の回路構成を示すブロック図である。なお、図8と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
本実施形態が先に説明した第2の実施形態と異なる点は、制御装置の制御演算器60で微分器を用いる代わりに状態観測器を用いたことにある。状態観測器は、必要な運動モデルの計算式を持っており、各種のセンサ情報から必要な情報を推定するものである。本実施形態の状態観測器71は、第1のギャップセンサ24、第2のギャップセンサ25を用いて算出したΔzr,Δzfを導入することで、Δvr,Δvfを推定するようになっている。
先の第2の実施形態においては、Δzr,Δvr,Δzf,Δvf,Δiz,及びΔzr+Δzfの積分値又はΔizの積分値の6つをフィードバックして制御電圧ezを算出する構成とした。その際、Δvr及びΔvfを求めるためにΔzr及びΔzfの出力値を微分器61,62を介して得る構成としたが、本実施形態では状態観測器71を用いた。本実施形態においても、基本的には変わらないが、Δvr及びΔvfを求めるためにΔzr及びΔzfの出力値を微分するのではなく、状態観測器91を用いてΔvr及びΔvfを求めている。
本実施形態のように状態観測器91を用いた場合、微分器61,62を用いた場合に比べてノイズに強く、また推定誤差の収束の速さを任意に変えることができるため、より安定的に浮上体10を非接触支持することができる。横方向支持装置30においても同じ構成で制御を行うことができる。
このように本実施形態によれば、先の第2の実施形態と同様の効果が得られるのは勿論のこと、変化速度の微小変動分Δvr,Δvfを求める際のノイズが少ないので、浮上体10の浮上制御をより安定して行うことが可能となる。
(第4の実施形態)
図10は、第4の実施形態に係わる磁気浮上装置を説明するためのもので、制御演算器の概略構成を示すブロック図である。なお、図8と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
本実施形態が先に説明した第2の実施形態と異なる点は、先の第3の実施形態と同様に状態観測器92でΔvr,Δvfを推定することに加え、浮上体10及び縦方向可動枠22にかかる外力を推定し、制御電圧ezにフィードバックすることにある。
即ち、状態観測器92には、第1のギャップセンサ24、第2のギャップセンサ25を用いて算出したΔzr,Δzf、及び電流センサ51を用いて算出したΔizが入力される。そして、状態観測器92は、Δvr,Δvf、浮上体10にかかる外力ur及び縦方向可動枠22にかかる外力ufを推定する。また、ゲイン補償器63は、Δzr,Δvr,Δzf,Δvf,Δizに加えur,ufに対して、それぞれ適切なフィードバックゲインを乗じるものとなっている。他の構成は、第2の実施形態と同様である。
本実施形態のように状態観測器92を用いた場合、浮上体10にかかる外力を推定することによって、推定外力に相当する制御入力を加えることができ、外力の影響を低減することができる。また、縦方向可動枠22には通常、外力がかからないが、縦方向可動枠22にかかる外力を予め推定しておくことによって、例えば縦方向可動枠22に予期せぬ外乱が作用した場合に、浮上体10と縦方向可動枠22が接触するような状態を回避することが可能となる。横方向支持装置30においても同じ構成で制御を行うことができる。
このように本実施形態によれば、第2の実施形態と同様の効果が得られるのは勿論のこと、可動枠22,32にかかる外力を予め推定しておくことによって、浮上体10と可動枠22,32が接触するような状態を回避することが可能となり、浮上制御の更なる信頼性の向上をはかることができる。
(変形例)
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。実施形態では、浮上体として回転体を用いたが、浮上体は必ずしも回転体に限らず、一方向のみの支持が必要なものであっても良い。例えば、鋼板を非接触で搬送する用途では、縦方向支持枠のみで良い。
また、可動枠を固定枠に支持するための手段としては、螺旋状のばねに限らず板ばねであっても良いし、必ずしもばねに限らず弾性体を用いることができる。さらに、弾性体の代わりにアクチュエータを用いることも可能である。
本発明の幾つかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…浮上体
20…縦方向支持装置
21…縦方向固定枠
22…縦方向可動枠
23,33…磁石ユニット
24,34…第1のギャップセンサ
25,35…第2のギャップセンサ
26,36…リニアガイド
27,37…ばね
30…横方向支持装置
31…横方向固定枠
32…横方向可動枠
38…位置調整脚
41…永久磁石
42…継鉄
43…コイル
44…電磁石
50…センサ部
51…電流センサ
55…パワーアンプ
60…制御演算器
61,62…微分器
63…ゲイン補償器
64…絶対位置偏差目標発生器
65,68,82…加算器
66,69,76…減算器
67,77…積分補償器
74…電流偏差目標発生器
81…積分切換器
91,92…状態観測器

Claims (10)

  1. 少なくとも一部が強磁性体で形成された浮上体と、
    永久磁石と電磁石を備え、前記浮上体を挟んで対向配置され、前記浮上体に空隙を介して前記永久磁石に起因する磁束の磁気回路を形成すると共に、前記浮上体に当該空隙を介して前記電磁石に起因する磁束の磁気回路を形成する磁石ユニットと、
    前記浮上体に前記磁石ユニットが対向するように、前記磁石ユニットが固定された可動枠と、
    前記可動枠及び前記浮上体に加わる荷重を支持する固定枠と、
    前記固定枠に対して前記可動枠を支持し、当該固定枠と前記可動枠との距離を調整可能な可動枠支持手段と、
    前記浮上体と前記磁石ユニットとの相対変位を測定する第1のギャップセンサと、
    前記固定枠と前記可動枠との相対変位を測定する第2のギャップセンサと、
    前記第1のギャップセンサと前記第2のギャップセンサの各出力に応じて前記電磁石の電流を制御することにより、前記浮上体を非接触支持する制御手段と、
    前記第1のギャップセンサと前記第2のギャップセンサの各出力から導出される浮上体の絶対位置をゼロに収束させる手段と、
    を具備したことを特徴とする磁気浮上装置。
  2. 前記制御手段は、前記第1のギャップセンサの出力から導出された前記相対変位及び該相対変位の時間変化速度、前記第2のギャップセンサの出力から導出された前記相対変位及び該相対変位の時間変化速度、及び前記第1のギャップセンサと前記第2のギャップセンサの各出力から導出される前記浮上体の絶対位置の目標値からの偏差、にそれぞれ所定のゲインをかけて制御出力とするものであることを特徴とする請求項1に記載の磁気浮上装置。
  3. 前記電磁石への励磁電流を測定する手段と、
    前記電磁石への励磁電流をゼロに収束させる手段と、
    前記浮上体の絶対位置をゼロに収束させる手段と前記電磁石への励磁電流をゼロに収束させる手段とを選択する切り換え手段と、
    を更に備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気浮上装置。
  4. 前記制御手段は、前記第1のギャップセンサの出力から前記浮上体と前記磁石ユニットとの相対変位の時間変化速度を求める第1の微分器と、前記第2のギャップセンサの出力から前記固定枠と前記可動枠との相対変位の時間変化速度を求める第2の微分器と、を備えていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の磁気浮上装置。
  5. 前記制御手段は、前記第1のギャップセンサの出力及び前記第2のギャップセンサの出力を入力とし、前記浮上体と前記磁石ユニットとの相対変位の時間変化速度、前記固定枠と前記可動枠との相対変位の時間変化速度を推定する状態観測器と、を備えていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の磁気浮上装置。
  6. 前記制御手段は、前記第1のギャップセンサの出力、前記第2のギャップセンサの出力、及び前記電磁石への励磁電流を入力とし、前記浮上体と前記磁石ユニットとの相対変位の時間変化速度、前記固定枠と前記可動枠との相対変位の時間変化速度、及び前記浮上体及び前記可動枠に加わる外力を推定する状態観測器と、を備えていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の磁気浮上装置。
  7. 前記浮上体の絶対位置をゼロに収束させる手段は、前記第1のギャップセンサと前記第2のギャップセンサから導出した前記浮上体の絶対位置の目標値を設定する目標値発生器と、前記目標値発生器で設定された目標値と前記浮上体の絶対位置との偏差にゲインをかけて積分する積分補償器と、を備えていることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の磁気浮上装置。
  8. 前記電磁石の励磁電流をゼロに収束させる手段は、前記電磁石への励磁電流の目標値を設定する目標値発生器と、前記目標値発生器で設定された目標値と前記電磁石への励磁電流との偏差にゲインをかけて積分する積分補償器と、を備えていることを特徴とする請求項3記載の磁気浮上装置。
  9. 前記可動枠支持手段は、弾性要素を備えていることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の磁気浮上装置。
  10. 前記浮上体は回転体であり、
    前記磁石ユニットは、前記浮上体を該浮上体の回転軸方向Xと直交するY方向から挟む一対のY軸磁石ユニットと、前記浮上体を前記X方向及びY方向と直交するZ方向から挟む一対のZ軸磁石ユニットとを有し、
    前記可動枠は、前記Y軸磁石ユニットを固定するY軸可動枠と、前記Z軸磁石ユニットを固定するZ軸可動枠とを有し、
    前記固定枠は、前記Y軸可動枠を支持するY軸固定枠と、前記Z軸可動枠を支持するZ軸固定枠とを有することを特徴とする請求項1記載の磁気浮上装置。
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