JP2013249072A - エンボスキャリアテープ、および部品収納体 - Google Patents

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Abstract

【課題】破損しやすい部品を収納する場合でも保持性に優れ、かつ専用の治具を用いることなく部品を容易にピックアップでき、生産性に優れたエンボスキャリアテープ、および該エンボスキャリアテープに部品が収納された部品収納体を提供する。
【解決手段】部品20を収納するための凹状の部品収納部11が形成されたエンボスキャリアテープ1において、部品20を粘着固定する、可撓性を有する粘着材料からなる粘着部13が、前記部品収納部11の底部14には接着せず、部品収納部11の相対する2対の側壁部15のうちの少なくとも1対に接着して設けられていることを特徴とするエンボスキャリアテープ1と、該エンボスキャリアテープ1の部品収納部11に部品20が収納された部品収納体100。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンボスキャリアテープ、および部品収納体に関する。
従来、半導体チップや電子部品(例えばセラミックコンデンサ、チップ抵抗、コイル等)などの部品は、紙製のキャリアテープやプラスチック製のエンボスキャリアテープ等のキャリアテープの部品収納部に収納される。そして、キャリアテープの表面から部品が飛び出さないように部品収納部をカバーテープで封止してから、各種サイズのリールに巻き取られる。さらに、通常は湿気の影響を受けにくくする目的で乾燥剤を入れたポリエチレン製の袋などに収容し、袋の口を溶着シールした後、段ボール箱等に梱包した状態で目的地へ搬送される。
目的地へ搬送された部品は、実装機により基板等の所定の位置に載置される。具体的には、部品がキャリアテープの部品収納部に収納され、部品収納部をカバーテープで封止された部品収納体を実装機のカセットにかけ、カバーテープを剥離しながらバキュームピンセットなどを用いて部品を一つずつピックアップし、基板等に載置する。
近年、半導体チップの厚さが薄くなるなど、部品の微小化が進行している。薄い半導体チップは、搬送中の振動や衝撃で割れやすい。また、チップ同士が積層された三次元積層チップや、三次元的な形状を設けたMEMSと呼ばれる電子部品なども、搬送中の振動や衝撃により壊れやすい。そのため、薄くて割れやすい半導体チップや壊れやすい電子部品などをキャリアテープで搬送し、実装することは容易ではなかった。
そこで、振動や衝撃により壊れやすい部品を収納する保持具として、2インチ、3インチ、4インチなどの外形を有するトレイの表面に、部品を載置可能な粘着フィルムが接着された粘着トレイが用いられている。このような粘着トレイとしては、例えば減圧孔が穿孔されたトレイの表面に、シリコーンゲルからなる粘着フィルムがメッシュ状の網体を介して接着された粘着トレイが知られている。この粘着トレイによれば、部品は粘着フィルムに粘着固定されるので、搬送中の部品の破損を防止できる。また、部品を実装する際は、減圧孔より網体を通じて減圧することで、粘着フィルムが網体に追従して凹凸に変形し、その結果、部品との接触面積が小さくなり、部品を容易にピックアップできるようになる。
しかしながら、シリコーンゲルからなる粘着フィルムは、低分子シロキサンを多く含み、粘着トレイから部品をピックアップする際に低分子シロキサンが部品に移行することがあった。低分子シロキサンが移行した部品を基板上に載置した後でハンダ付けを行うと、低分子シロキサンがハンダの濡れ性に影響を与えることとなり、部品を基板に確実に接続することが困難となる。
そこで、この問題を解決する粘着トレイとして、例えば特許文献1には、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル系樹脂などからなるエラストマーを材料とした粘着層が、保持板に着脱自在に積層された部品保持具が提案されている(例えば特許文献1参照)。この部品保持具によれば、シリコーンゲルに代わる材料からなる粘着層を備えているので、部品への低分子シロキサンの移行を解消でき、ハンダ付けを行ってもハンダの濡れ性に影響を与えることがない。
ところで、部品を基板などに実装する実装機としては、部品がキャリアテープと粘着トレイのいずれに収納されていても対応できるように、キャリアテープと粘着トレイの両方を導入できる実装機が用いられているが、キャリアテープのみに対応した実装機も数多く販売、使用されている。
そのため、キャリアテープの外形を有し、かつ粘着トレイのように部品を粘着固定できるキャリアテープが求められており、例えば図17に示すような部品収納部11の底部14にフィルム状の粘着部13が接着部16により接着して設けられたエンボスキャリアテープ4や、図18に示すような所定の間隔で収納孔51が形成された基材シート10の裏面に、テープ本体52と粘着部13とで構成された粘着テープ53を貼り付け、収納孔51から粘着テープ53の粘着部13を露出させたキャリアテープ5が提案されている(例えば特許文献2参照)。
しかしながら、図17、18に記載のキャリアテープは、粘着トレイと同様に部品が粘着部に粘着固定されているので保持性に優れる一方で、部品が粘着部から剥がれにくく、無理に剥がそうとすれば部品が破損することがあった。
そこで、部品を容易にピックアップできるキャリアテープとして、例えば部品収納部に部品を押し上げて剥離するためのピン挿入用孔を設けた電子部品用搬送体(例えば特許文献3参照)、粘着部を電子部品面に対して不均一な接着力の分布で形成させた電子部品用搬送体(例えば特許文献4参照)、収納孔から粘着テープの粘着部を露出させ、かつ収納孔のテープ幅方向の両側縁に内側に向けて突出する張り出し部を設け、該張り出し部により粘着テープを収納孔の上面にまで押し上げて支持する電子部品の搬送帯(例えば特許文献5参照)などが提案されている。
特開2009−23725号公報 特許第2532448号公報 実開平5−42187号公報 実開平2−114667号公報 特許第2887110号公報
しかしながら、特許文献3に記載の電子部品用搬送体は、部品をピックアップする際にピン等の専用の治具を用いなければならない。
特許文献4に記載の電子部品用搬送体は、粘着部の粘着力分布が不均一になるように粘着材料を設計する必要があった。
特許文献5に電子部品の搬送帯は、収納孔に張り出し部を設ける必要があるため、搬送帯の成形が複雑となる。
このように、粘着部を備えた従来のキャリアテープは、部品をピックアップするのが困難であり、ピックアップするためにはピンなどの専用の治具が必要であった。また、粘着剤の設計や複雑な成形は、キャリアテープの生産性の低下につながる。
本発明は上記事情を鑑みてなされたもので、破損しやすい部品を収納する場合でも保持性に優れ、かつ専用の治具を用いることなく部品を容易にピックアップでき、生産性に優れたエンボスキャリアテープ、および該エンボスキャリアテープに部品が収納された部品収納体の提供を目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]部品を収納するための凹状の部品収納部が形成されたエンボスキャリアテープにおいて、部品を粘着固定する、可撓性を有する粘着材料からなる粘着部が、前記部品収納部の底部には接着せず、部品収納部の相対する2対の側壁部のうちの少なくとも1対に接着して設けられていることを特徴とするエンボスキャリアテープ。
[2]前記粘着部がフィルム状であり、前記部品収納部の底部の内面の周縁のうち、前記粘着部が接着している側壁部側の周縁が中央部よりも低く、かつ部品収納部の側壁部に接着している粘着部の最下部が、前記中央部よりも低い位置にあることを特徴とする[1]に記載のエンボスキャリアテープ。
[3][1]または[2]に記載のエンボスキャリアテープの部品収納部に部品が収納された部品収納体。
[4]前記部品が収納された部品収納部がカバーテープで封止されたことを特徴とする[3]に記載の部品収納体。
本発明によれば、破損しやすい部品を収納する場合でも保持性に優れ、かつ専用の治具を用いることなく部品を容易にピックアップでき、生産性に優れたエンボスキャリアテープ、および該エンボスキャリアテープに部品が収納された部品収納体を提供できる。
本発明の第1実施形態のエンボスキャリアテープの一例を示す斜視図である。 図1に示すエンボスキャリアテープに部品が収納された部品収納体を幅方向に切断した断面図である。 部品が粘着部から剥がれる様子を示す断面図である。 (a)は、第1実施形態のエンボスキャリアテープの他の例を示す断面図であり、(b)は、第1実施形態の部品収納体の他の例を示す断面図である。 (a)は、第1実施形態のエンボスキャリアテープの他の例を示す断面図であり、(b)は、第1実施形態の部品収納体の他の例を示す断面図である。 (a)は、第1実施形態の部品収納体の他の例を示す断面図であり、(b)、(c)は、部品が粘着部から剥がれる様子を示す断面図である。 第1実施形態の部品収納体がリールに巻き取られた状態の一例を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態のエンボスキャリアテープの一例を示す斜視図である。 図8に示すエンボスキャリアテープに部品が収納された部品収納体を幅方向に切断した断面図である。 第2実施形態の部品収納体の他の例を示す断面図である。 (a)は、第2実施形態の部品収納体の他の例を示す断面図であり、(b)、(c)は、部品が粘着部から剥がれる様子を示す断面図である。 本発明の第3実施形態のエンボスキャリアテープの部品収納部の底部の内面形状の一例を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態のエンボスキャリアテープの一例を示す斜視図である。 図13に示すエンボスキャリアテープに部品が収納された部品収納体を幅方向に切断した断面図である。 第3実施形態の部品収納体の他の例を示す断面図である。 (a)は、第3実施形態の部品収納体の他の例を示す断面図であり、(b)、(c)は、部品が粘着部から剥がれる様子を示す断面図である。 従来のエンボスキャリアテープを幅方向に切断した断面図である。 従来のキャリアテープを幅方向に切断した断面図である。
[第1実施形態]
<エンボスキャリアテープ>
本発明の第1実施形態のエンボスキャリアテープについて、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態のエンボスキャリアテープ1の斜視図であり、図2は図1に示すエンボスキャリアテープ1に部品20が収納された部品収納体100を幅方向に切断した断面図である。
なお、図1および後述する図2〜18においては、説明の便宜上、寸法比などは実際のものと異なったものである。また、図2〜18において、図1と同じ構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。
この例のエンボスキャリアテープ1は、長尺な基材シート10をエンボス加工して、凹状の部品収納部11が一定間隔で形成されたものである。本実施形態における部品収納部11の形状は、開口部が平面視略矩形の有底四角筒状の凹状とされている。
また、エンボスキャリアテープ1には、幅方向の一方の端部側に、搬送用の送り孔12が一定間隔で形成されている。
基材シート10の材質としては、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体等が挙げられる。
さらに、本実施形態におけるエンボスキャリアテープ1には、部品を粘着固定する、可撓性を有する粘着材料からなるフィルム状の粘着部13が、部品収納部11の底部14には接着せず、部品収納部11の相対する1対の側壁部15に接着して設けられている。具体的には、粘着部13の相対する1対の端部13a,13aがL字状に折り曲げられ、部品収納部11の底部14を覆うように、かつ底部14との間に隙間G1が形成されるように、接着剤からなる接着部16を介して側壁部15に接着している。なお、この例では、相対する2対の側壁部15のうち、エンボスキャリアテープ1の幅方向に対して垂直となる方の1対の側壁部15に粘着部13が接着している。
本発明のエンボスキャリアテープ1によれば、粘着部13が部品収納部11の底部14には接着せず、相対する1対の側壁部15に接着しているので、図2に示すように部品20を粘着部13に粘着固定して部品収納部11に収納した部品収納体100から、部品20を容易にピックアップできる。かかる理由は以下の通りである。
すなわち、粘着部13が部品収納部11の底部14には接着せず、相対する1対の側壁部15に接着していると、図3に示すように、部品20を持ち上げたときに可撓性を有する粘着材料からなる粘着部13も引っ張られることで、粘着部13が伸びて変形する。その結果、部品20と粘着部13との間に隙間G2が形成され、剥離の起点となる(図3(a))。そして、部品20をより高く持ち上げるに連れて隙間G2が徐々に大きくなっていくことで部品20と粘着部13の接触面積が小さくなり(図3(b))、やがて部品20が粘着部13から剥がれ(図3(c))、部品20を容易にピックアップできる。
また、本実施形態のエンボスキャリアテープ1は、粘着部13と部品収納部11の底部14との間に隙間G1が形成されている。よって、図3に示すように部品20を持ち上げたときに、粘着部13が引っ張られやすく、伸びて変形しやすい。従って、部品20をより容易にピックアップできる。
さらに、本実施形態のエンボスキャリアテープ1は、図2に示すように、部品20の粘着部13に接する側の面20aの全面が粘着部13に接触しているので、部品20を部品収納部11に収納したときの保持性が高まり、搬送時などにおいて部品20が粘着部13から剥がれにくくなる。
粘着部13を構成する粘着材料は、少なくとも室温(部品を実装する際の室内温度)において可撓性を有する材料である。このような粘着材料としては、例えばスチレン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系等のエラストマーなどが挙げられる。
粘着部13の厚さd13は特に限定されないが、25〜250μmであることが好ましい。
接着部16を構成する接着剤としては、例えばシリコーン系、アクリル系、エチレンプロピレンゴム系、エポキシ系、ウレタン系、ポリイミド系、ポリエステル系等の接着剤が挙げられる。
エンボスキャリアテープ1は、例えば以下のようにして製造できる。
まず、基材シート10をエンボス加工し、部品収納部11を形成する。エンボス加工の方法としては、例えばプレス成形法、圧空成形法、真空成形法、あるいはこれらを組み合わせた成形方法を適用できる。また、部品収納部11の形状や大きさについては特に制限されず、収納する部品に応じて適宜決定される。
ついで、基材シート10の幅方向の一方の端部側に送り孔12を形成する。送り孔12の形成方法としては、公知の穿孔方法を適用できる。
ついで、部品収納部11の相対する1対の側壁部15の下方に、底部14との間に隙間ができるように接着剤を塗布し、別途作製した粘着材料からなるフィルム状の粘着部13を貼り付け、部品収納部11の相対する1対の側壁部15に粘着部13を接着させて、エンボスキャリアテープ1を得る。
なお、送り孔12は、エンボス加工と同時に成形してもよいし、エンボス加工の前に形成してもよいし、エンボス加工の後かつ粘着部13の接着前に形成してもよいし、粘着部13の接着後に形成してもよい。また、接着剤からなる両面テープを部品収納部11の相対する1対の側壁部15の所定の箇所に貼着してもよい。
以上説明した本実施形態のエンボスキャリアテープ1は、部品収納部11に粘着部13が設けられているので、部品20を粘着部13に粘着固定でき、破損しやすい部品を収納する場合でも保持性に優れる。
ところで、例えば図17に示すように、従来のエンボスキャリアテープ4は、部品収納部11の底部14に粘着部13が全面接着して設けられている。すなわち、部品20の粘着部13に接する側の面20aの全面が、粘着部13が接着部16を介して部品収納部11に接着している部分(接着領域)に粘着固定されている。
従って、部品20を持ち上げても粘着部13が接着部16によって部品収納部11の底部14に固定されているため伸びにくく、変形しにくい。よって、部品20をピックアップするのが困難であり、ピンなどの専用の治具を用いてピックアップする必要があった。また、粘着材料の設計や複雑な形状の部品収納部11の成形が必要となり、エンボスキャリアテープ4の生産性が低下しやすかった。
また、例えば図18に示すような、所定の間隔で収納孔51が形成された基材シート10の裏面に、テープ本体52と粘着部13とで構成された粘着テープ53を貼り付け、収納孔51から粘着テープ53を露出させたキャリアテープ5についても、図17に示すエンボスキャリアテープ4と同様に、テープ本体52に粘着部13が固定されているため粘着部13が伸びにくく、変形しにくい。よって、部品20をピックアップするのが困難であった。そのため、テープ本体52を伸び易い材料で成形する必要があるが、その場合は基材シート10を巻回した際に、基材シート10が裏側から押され、部品20が剥がれて動いてしまうという問題があった。
しかし、本実施形態のエンボスキャリアテープ1であれば、粘着部13が部品収納部11の底部14には接着せず、部品収納部11の相対する1対の側壁部15に接着している。よって、図3に示すように、部品20を持ち上げたときに粘着部13も引っ張られることで、粘着部13が伸びて変形する。その結果、部品20と粘着部13との間に隙間G2が発生し、この隙間が剥離の起点となって、部品20が粘着部13から剥がれる。
従って、本発明のエンボスキャリアテープ1は、ピンなどの専用の治具を用いなくても部品20を容易にピックアップできる。また、本発明のエンボスキャリアテープ1は部品20を容易にピックアップできるので、粘着部13の粘着力分布が不均一になるように粘着材料を設計したり、部品収納部11の形状を複雑に成形したりする必要がない。よって、生産性にも優れる。
また、本実施形態のエンボスキャリアテープ1は、粘着部13と部品収納部11の底部14との間に隙間G1が形成されているので、部品20を持ち上げたときに、粘着部13が引っ張られやすく、伸びて変形しやすい。従って、部品20をより容易にピックアップできる。
さらに、本実施形態のエンボスキャリアテープ1は、部品20の粘着部13に接する側の面20aの全面が粘着部13に接触しているので、部品20を部品収納部11に収納したときの保持性が高まり、搬送時などにおいて部品20が粘着部13から剥がれにくくなる。
しかも、粘着部13は部品収納部11の底部14には接着せず、側壁部15のみに接着しているので、部品20の粘着部13に接する側の面20aの全面を、粘着部13の部品収納部11に接着していない部分(非接着領域)に粘着固定できる。このとき、粘着部13は側壁部15に接着しているので、粘着部13の非接着領域を部品収納部11の底部14の面積と略等しくできる。よって、部品20の粘着部13に接する側の面20aの全面を粘着部13の非接着領域のみに粘着固定させたい場合、部品収納部11の粘着固定面積(本実施形態の場合は、概ね部品収納部11の底部14の面積)を有効に利用できるので、部品収納部11に収納する部品20の大きさの制限を広くできる。
本発明のエンボスキャリアテープは、部品を収納(保持)するものであり、部品を搬送したり、保管したりする場合に適している。特に、薄くて割れやすい半導体チップや壊れやすい電子部品など、振動や衝撃により破損しやすい部品を収納して搬送するのに好適である。
なお、本実施形態のエンボスキャリアテープ1は、図1〜3に示す形態に限定されない。図1〜3に示すエンボスキャリアテープ1は、粘着部13と部品収納部11の底部14との間に隙間G1が形成されているが、例えば図4(a)に示すように、粘着部13は部品収納部11の底部14に接触していてもよい。
また、図1〜3に示すエンボスキャリアテープ1は、フィルム状の粘着部13によって部品収納部11の底部14の全面が覆われている(すなわち、底部14と粘着部13の大きさが略等しい)が、粘着部13の形状や大きさについては特に限定されず、例えば図5(a)に示すように、底部14の一部が粘着部13により覆われ、残りが露出していてもよい。
なお、図1〜5に示すエンボスキャリアテープ1は、部品収納部11の相対する2対の側壁部15のうち、エンボスキャリアテープ1の幅方向に対して垂直となる方の1対に粘着部13が接着しているが、粘着部13はエンボスキャリアテープ1の幅方向に対して平行となる方の1対に接着していてもよいし、2対の側壁部15に接着していてもよい。
<部品収納体>
次に、本発明の部品収納体について、図面を参照して説明する。図2は、図1に示す第1実施形態のエンボスキャリアテープ1に部品20が収納された部品収納体100を幅方向に切断した断面図である。
部品20としては特に限定されないが、半導体チップや、セラミックコンデンサ、チップ抵抗、コイル等の電子部品などが好適である。
電子部品の大きさについても特に限定されず、0603、0402、03015、0201など、各大きさの電子部品に対応できる。また、薄くて割れやすい半導体チップや、壊れやすい電子部品(例えば三次元積層チップ、MEMS等)など、振動や衝撃により破損しやすい部品にも対応できる。
この例の部品収納体100は、部品20が、部品20の粘着部13に接する側の面20aの全面が粘着部13に接して粘着固定されている。
部品収納体100は、通常、図7に示すように、部品が収納された部品収納部がカバーテープ30で封止され、さらにリール40に巻き取られた状態で保管、搬送される。カバーテープ30の材質としては、基材シート10と同様の材質のものが挙げられる。
以上説明した本実施形態の部品収納体100は、本発明のエンボスキャリアテープ1の部品収納部11に部品20が収納されている。よって、部品20が搬送等の衝撃で破損しやすい場合でも、保持性に優れる。特に、部品収納体100は、部品20の粘着部13に接する側の面20aの全面が粘着部13に接して粘着固定されているので、部品20を部品収納部11に収納したときの保持性が高まり、搬送時などにおいて部品20が粘着部13から剥がれにくい。
また、部品20を実装する際は、カバーテープを剥離しながらバキュームピンセットなどを用いて部品20を一つずつピックアップし、基板等に載置するが、本発明の部品収納体100であれば、図3に示すように、部品20を持ち上げたときに粘着部13も引っ張られることで、粘着部13が伸びて変形する。その結果、部品20と粘着部13との間に隙間G2が発生し、この隙間G2が剥離の起点となって、部品20が粘着部13から剥がれる。よって、ピンなどの専用の治具を用いなくても部品20を容易にピックアップできる。
なお、本実施形態の部品収納体100は、図2、3に示す形態に限定されない。図2、3に示す部品収納体100は、粘着部13と部品収納部11の底部14との間に隙間G1が形成されたエンボスキャリアテープ1に部品20が収納されているが、例えば図4(b)に示すように、粘着部13が部品収納部11の底部14に接触しているエンボスキャリアテープ1に部品20が収納されていてもよい。
また、図2、3に示す部品収納体100は、フィルム状の粘着部13によって部品収納部11の底部14の全面が覆われているエンボスキャリアテープ1に部品20が収納されているが、例えば図5(b)に示すように、底部14の一部が粘着部13により覆われ、残りが露出していているエンボスキャリアテープ1に部品20が収納されていてもよい。
ただし、図5(a)に示すエンボスキャリアテープ1に部品20を収納する場合には、図5(b)に示すように、部品収納部11の1対の側壁部15に接着している2つの粘着部13を1つの部品20が橋掛けするように、部品20を2つの粘着部13に粘着固定する。
また、図2〜5に示す部品収納体100は、部品収納部11の相対する2対の側壁部15のうち、エンボスキャリアテープ1の幅方向に対して垂直となる方の1対に粘着部13が接着しているエンボスキャリアテープ1に部品20が収納されているが、幅方向に対して平行となる方の1対に粘着部13が接着したエンボスキャリアテープや、2対の側壁部15に粘着部13が接着したエンボスキャリアテープに部品20が収納されていてもよい。
また、上述した部品収納体100は、1つの部品収納部11に対して1つの部品20が収納されているが、1つの部品収納部11に収納される部品20の数は1つに限定されず、例えば図6(a)に示すように複数の部品20が収納されていてもよい。この場合、図6(b)、(c)に示すように特定の部品20だけをピックアップすることもできる。
なお、1つの部品収納部11に複数の部品20を収納する場合には、粘着部13によって部品収納部11の底部14の全面が覆われているエンボスキャリアテープ1を用いる。
[第2実施形態]
<エンボスキャリアテープ>
次に、本発明の第2実施形態のエンボスキャリアテープについて、図面を参照して説明する。図8は、本実施形態のエンボスキャリアテープ2の斜視図であり、図9は図8に示すエンボスキャリアテープ2に部品20が収納された部品収納体200を幅方向に切断した断面図である。
本実施形態のエンボスキャリアテープ2は、部品収納部11の相対する1対の側壁部15の内面の高さ方向の略中央に、高さ方向と直交する方向に伸びた階段状の段差部15aが形成されている。そして、この段差部15aのステップ部15bに、接着部16を介して粘着部13が接着している。なお、この例では、相対する2対の側壁部15のうち、エンボスキャリアテープ2の幅方向に対して垂直となる方の1対の側壁部15に段差部15aが形成されている。
ここで、段差部15aのステップ部15bとは、部品収納部11の底部14と平行な面のことである。
本実施形態のエンボスキャリアテープ2は、部品収納部11の側壁部15の内面に段差部15aが形成されている点と、粘着部13が段差部15aのステップ部15bに接着している点以外は、第1実施形態のエンボスキャアテープと同じである。すなわち、本実施形態のエンボスキャリアテープ2と第1実施形態のエンボスキャリアテープ1の相違点は以下の通りである。
本実施形態のエンボスキャリアテープ2は、部品収納部11の底部14と平行な面であるステップ部15bに接着部16を介して粘着部13が側壁部15に接着しているので、粘着部13の側壁部15に接着している面(接着面)も底部14と平行である。
一方、第1実施形態のエンボスキャリアテープ1は、図2に示すように粘着部13の相対する1対の端部13a,13aがL字状に折り曲げられて側壁部15に接着しているので、粘着部13の接着面は底部14に対して略垂直である。
このように、第1実施形態のエンボスキャリアテープ1の場合は、粘着部13を部品収納部11の側壁部15に接着する際に、粘着部13の端部13aをL字状に折り曲げる必要がある。
しかし、本実施形態のエンボスキャリアテープ2であれば、部品収納部11の底部14と平行な面であるステップ部15bに粘着部13を接着すればよいので、粘着部の端部を折り曲げることなくフィルム状の粘着部13を水平の状態で上から下へ移動させるだけで粘着部13を側壁部15に接着でき、生産性がより向上する。
エンボスキャリアテープ2は、例えば以下のようにして製造できる。
まず、部品収納部11の側壁部15が図8に示す形状となるような金型を用い、基材シート10をエンボス加工して、側壁部15の内面に段差部15aが形成された部品収納部11を形成する。
ついで、基材シート10の幅方向の一方の端部側に送り孔12を形成する。送り孔12の形成方法としては、公知の穿孔方法を適用できる。
ついで、部品収納部11の相対する1対の側壁部15のステップ部15b上に接着剤を塗布し、別途作製した粘着材料からなるフィルム状の粘着部13を貼り付け、部品収納部11の相対する1対の側壁部15のステップ部15bに粘着部13を接着させて、エンボスキャリアテープ2を得る。
なお、送り孔12は、エンボス加工と同時に成形してもよいし、エンボス加工の前に形成してもよいし、エンボス加工の後かつ粘着部13の接着前に形成してもよいし、粘着部13の接着後に形成してもよい。また、接着剤からなる両面テープを部品収納部11の側壁部15のステップ部15bに貼着してもよい。
以上説明した本実施形態のエンボスキャリアテープ2は、部品収納部11に粘着部13が設けられているので、部品20を粘着部13に粘着固定でき、破損しやすい部品を収納する場合でも保持性に優れる。
また、本実施形態のエンボスキャリアテープ2は、ピンなどの専用の治具を用いなくても部品20を容易にピックアップできる。また、本発明のエンボスキャリアテープ2は部品20を容易にピックアップできるので、粘着部13の粘着力分布が不均一になるように粘着材料を設計したり、部品収納部11の形状を複雑に成形したりする必要がない。しかも、粘着部13の端部を折り曲げることなく粘着部13を側壁部15に接着できる。よって、生産性に特に優れる。
なお、本実施形態のエンボスキャリアテープ2は、図8、9に示す形態に限定されない。図8、9に示すエンボスキャリアテープ2は、部品収納部11の側壁部15のステップ部15bの表面全体に接着部16を介して粘着部13が接着しているが、ステップ部15bの表面の一部に接着部16を介して粘着部13が接着していてもよい。
また、図8、9に示すエンボスキャリアテープ2は、部品収納部11の相対する2対の側壁部15のうち、エンボスキャリアテープ2の幅方向に対して垂直となる方の1対の側壁部15の内面に階段状の段差部15aが形成されているが、段差部15aは幅方向に対して平行となる方の1対の側壁部15に形成されていてもよいし、2対の側壁部15に形成されていてもよい。そして、粘着部13は2対の側壁部15のステップ部15bに接着していてもよい。
<部品収納体>
次に、本発明の部品収納体について、図面を参照して説明する。図9は、第2実施形態のエンボスキャリアテープ2に部品20が収納された部品収納体200の断面図である。
この例の部品収納体200は、部品20が、部品20の粘着部13に接する側の面20aの全面が粘着部13に接して粘着固定されている。
部品収納体200は、第1実施形態の部品収納体と同様に、通常は、部品が収納された部品収納部がカバーテープで封止され、さらにリールに巻き取られた状態で保管、搬送される。
以上説明した本実施形態の部品収納体200は、本発明のエンボスキャリアテープ2の部品収納部11に部品20が収納されている。よって、部品20が搬送等の衝撃で破損しやすい部品であっても、保持性に優れる。
また、本発明の部品収納体200であれば、部品20を持ち上げたときに粘着部13も引っ張られることで、粘着部13が伸びて変形する。その結果、部品20と粘着部13との間に隙間が発生し、この隙間が剥離の起点となって、部品20が粘着部13から剥がれる。よって、ピンなどの専用の治具を用いなくても部品20を容易にピックアップできる。
なお、本実施形態の部品収納体200は、図9に示す形態に限定されない。図9に示す部品収納体200は、部品収納部11の側壁部15のステップ部15bの表面全体に接着部16を介して粘着部13が接着しているエンボスキャリアテープ2に部品20が収納されているが、ステップ部15bの表面の一部に接着部16を介して粘着部13が接着しているエンボスキャリアテープに部品20が収納されていてもよい。
また、図9に示す部品収納体200は、部品収納部11の相対する2対の側壁部15のうち、エンボスキャリアテープ2の幅方向に対して垂直となる方の1対の側壁部15の内面に階段状の段差部15aが形成されているエンボスキャリアテープ2に部品20が収納されているが、幅方向に対して平行となる方の1対の側壁部15に段差部15aが形成されているエンボスキャリアテープや、2対の側壁部15に段差部15aが形成され、粘着部13が2対の側壁部15のステップ部15bに接着しているエンボスキャリアテープに部品20が収納されていてもよい。
また、図9に示す部品収納体200は、粘着部13が接着部16を介して部品収納部11の側壁部15のステップ部15bに接着している部分(接着領域)以外、すなわち粘着部13が部品収納部11の側壁部15に接着していない部分(非接着領域)のみに部品20が粘着固定されているが、例えば図10に示すように、部品20が接着領域でも粘着部13に接するように、粘着部13に粘着固定されていてもよい。
また、上述した部品収納体200は、1つの部品収納部11に対して1つの部品20が収納されているが、1つの部品収納部11に収納される部品20の数は1つに限定されず、例えば図11(a)に示すように複数の部品20が収納されていてもよい。この場合、図11(b)、(c)に示すように特定の部品20だけをピックアップすることもできる。
[第3実施形態]
<エンボスキャリアテープ>
次に、本発明の第3実施形態のエンボスキャリアテープについて、図面を参照して説明する。図12は、本実施形態のエンボスキャリアテープの部品収納部の底部の内面形状を示す斜視図であり、図13は本実施形態のエンボスキャリアテープ3の斜視図であり、図14は図13に示すエンボスキャリアテープ3に部品20が収納された部品収納体300を幅方向に切断した断面図である。
本実施形態のエンボスキャリアテープ3は、開口部が平面視四角形の有底中空状の凹状とされている。
また、部品収納部11の底部14の形状は平面視略四角形であり、底部14の内面の周縁のうち、粘着部13が接着される側壁部側の周縁に凹み部Hが形成され、凹み部Hが形成された周縁が中央部Pよりも低くなっている。なお、この例では、相対する2対の側壁部15のうち、エンボスキャリアテープ3の幅方向に対して垂直となる方の1対の側壁部15に粘着部が接着される。
凹み部Hの幅wや深さhは特に限定されないが、フィルム状の粘着部を部品収納部11に設ける際に、粘着部が底部14の内面形状に追従できる大きさであることが好ましく、凹み部Hの幅wは概ね0.5〜2mmが好ましく、凹み部Hの深さhは概ね0.05〜1mmが好ましい。
さらに、本実施形態のエンボスキャリアテープ3は、相対する2対の側壁部15のうち、エンボスキャリアテープ3の幅方向に対して垂直となる方の1対の側壁部15に接着部16を介して粘着部13が接着しており、1対の側壁部15に接着している部分の粘着部の最下部13bが、部品収納部11の底部14の内面の中央部Pよりも低い位置にある。
本実施形態のエンボスキャリアテープ3は、底部14の内面の周縁のうち、粘着部13が接着している側壁部側の周縁に凹み部Hが形成され、凹み部Hが形成された周縁が中央部Pよりも低くなっている点と、側壁部15に接着している粘着部13の最下部13bが中央部Pよりも低い位置にある点以外は、第1実施形態のエンボスキャアテープと同じである。
本実施形態のエンボスキャリアテープ3によれば、側壁部15に接着している粘着部13の最下部13bが中央部Pよりも低い位置にあるので、中央部P上において、粘着部13に張力がかかるようになっており、その結果、部品収納体300の搬送中の振動や、部品20の実装時に実装機から受ける振動などにより、粘着部13がばたつくのを効果的に抑制できる。振動によって粘着部13がばたつくと、部品20が部品収納部11の底部14の内面や側壁部15の内面に衝突して破損する場合がある。また、部品収納部11がカバーテープで封止されリールに巻き取られた状態の場合は、カバーテープやカバーテープを介して部品収納部11の底部14の外面に部品20が衝突することもある。
しかし、本実施形態のエンボスキャリアテープ3のように、側壁部15に接着している粘着部13の最下部13bが中央部Pよりも低い位置にあれば、搬送中や実装中の振動により粘着部13がばたつくのを効果的に抑制できるので、部品20が底部14や側壁部15などに衝突して破損することを容易に防止できる。
側壁部15に接着している粘着部13の最下部13bから中央部Pまでの垂直距離sは0.5mm以上であることが好ましい。垂直距離sが0.5mm以上であれば中央部Pの部品20が密着される粘着部13に適度な張力がかかりやすくなる。一方、垂直距離sの上限値については特に制限されず、中央部Pの高さ(すなわち、凹み部Hの深さh)と同じでもよい。
エンボスキャリアテープ3は、例えば以下のようにして製造できる。
まず、部品収納部11の底部14が図12に示す形状となるような金型を用い、基材シート10をエンボス加工して、底部14の内面の周縁のうち、粘着部13が接着される側壁部側の周縁に凹み部Hが形成され、凹み部Hが形成された周縁が中央部Pよりも低くなっている部品収納部11を形成する。
ついで、基材シート10の幅方向の一方の端部側に送り孔12を形成する。送り孔12の形成方法としては、公知の穿孔方法を適用できる。
ついで、部品収納部11の側壁部15のうち、凹み部Hが形成されている側の相対する1対の側壁部15の下方に、粘着部13の最下部13bが底部14の中央部Pよりも低い位置となるように接着剤を塗布し、別途作製した粘着材料からなるフィルム状の粘着部13を貼り付け、部品収納部11の相対する1対の側壁部15に粘着部13を接着させて、エンボスキャリアテープ3を得る。
なお、送り孔12は、エンボス加工と同時に成形してもよいし、エンボス加工の前に形成してもよいし、エンボス加工の後かつ粘着部13の接着前に形成してもよいし、粘着部13の接着後に形成してもよい。また、接着剤からなる両面テープを部品収納部11の相対する1対の側壁部15の所定の箇所に貼着してもよい。
以上説明した本実施形態のエンボスキャリアテープ3は、部品収納部11に粘着部13が設けられているので、部品20を粘着部13に粘着固定でき、破損しやすい部品を収納する場合でも保持性に優れる。
また、本実施形態のエンボスキャリアテープ3は、ピンなどの専用の治具を用いなくても部品20を容易にピックアップできる。また、本発明のエンボスキャリアテープ3は部品20を容易にピックアップできるので、粘着部13の粘着力分布が不均一になるように粘着材料を設計したり、部品収納部11の形状を複雑に成形したりする必要がない。よって、生産性に特に優れる。
さらに、本実施形態のエンボスキャリアテープ3は、粘着部13が接着している側壁部側の底部14の内面の周縁に凹み部Hが形成され、その周縁が中央部Pよりも低くなっているので、側壁部15に接着している粘着部13の最下部13bを中央部Pよりも低い位置にできる。そして、側壁部15に接着している粘着部13の最下部13bが中央部Pよりも低い位置にあるので、搬送中や実装中の振動により粘着部13がばたつくのを効果的に抑制でき、部品20が底部14や側壁部15などに衝突して破損することを容易に防止できる。
なお、本実施形態のエンボスキャリアテープ3は、図13、14に示す形態に限定されない。図13、14に示すエンボスキャリアテープ3は、部品収納部11の底部14の内面の周縁のうち、前記粘着部13が接着している側壁部側の周縁に凹み部Hが形成されているが、周縁全てに凹み部Hが形成されてもよい。そして、粘着部13は2対の側壁部15に接着していてもよい。
<部品収納体>
次に、本発明の部品収納体について、図面を参照して説明する。図14は、第3実施形態のエンボスキャリアテープ3に部品20が収納された部品収納体300の断面図である。
この例の部品収納体300は、部品20が、部品20の粘着部13に接する側の面20aの全面が粘着部13に接して粘着固定されている。
部品収納体300は、第1実施形態の部品収納体と同様に、通常は、部品が収納された部品収納部がカバーテープで封止され、さらにリールに巻き取られた状態で保管、搬送される。
以上説明した本実施形態の部品収納体300は、本発明のエンボスキャリアテープ3の部品収納部11に部品20が収納されている。よって、部品20が搬送等の衝撃で破損しやすい部品であっても、保持性に優れる。
また、本実施形態の部品収納体300であれば、部品20を持ち上げたときに粘着部13も引っ張られることで、粘着部13が伸びて変形する。その結果、部品20と粘着部13との間に隙間が発生し、この隙間が剥離の起点となって、部品20が粘着部13から剥がれる。よって、ピンなどの専用の治具を用いなくても部品20を容易にピックアップできる。
さらに、本実施形態の部品収納体300は、側壁部15に接着している粘着部13の最下部13bが中央部Pよりも低い位置にあるエンボスキャリアテープ3の部品収納部11に部品20が収納されているので、搬送中や実装中に部品収納体300が振動しても粘着部13がばたつきにくく、部品20が底部14や側壁部15などに衝突して破損することを容易に防止できる。
なお、本実施形態の部品収納体300は、図14に示す形態に限定されない。図14に示す部品収納体300は、部品収納部11の底部14の内面の周縁のうち、前記粘着部が接着している側壁部側の周縁に凹み部Hが形成されているエンボスキャリアテープ3に部品20が収納されているが、周縁全てに凹み部Hが形成され、粘着部13が2対の側壁部15に接着しているエンボスキャリアテープに部品20が収納されていてもよい。
また、図14に示す部品収納体300は、部品収納部11の底部14の内面の中央部Pのみに部品20が粘着固定されているが、例えば図15に示すように、部品20が中央部Pからはみ出るように粘着部13に粘着固定されていてもよい。図15に示す部品収納体300であれば、部品20を粘着部13に粘着固定した時点で、すなわち、部品20を持ち上げる前から粘着部13と部品20との間に隙間G2が形成されるので、部品20をより容易にピックアップできる。
また、上述した部品収納体300は、1つの部品収納部11に対して1つの部品20が収納されているが、1つの部品収納部11に収納される部品20の数は1つに限定されず、例えば図16(a)に示すように複数の部品20が収納されていてもよい。この場合、図16(b)、(c)に示すように特定の部品20だけをピックアップすることもできる。
以下、本発明について実施例を示して具体的に説明する。
[実施例1]
ポリ塩化ビニルからなる長尺な基材シート(幅24mm×厚さ0.3mm)をプレス成形機に移送し、縦15mm×横15mm×深さ5mmであり、図12に示すような、底部14の内面の周縁のうち粘着部が接着される側壁部側の周縁に、幅wが1mm、深さhが1mmの凹み部Hが形成され、その周縁が中央部Pよりも低くなっている、平面視四角状の部品収納部11を、長さ方向に沿って20mmピッチで成形した。また、直径1.5mmの位置決めのための送り孔を打ち抜き加工した。
ついで、部品収納部11の側壁部15のうち、凹み部Hが形成されている側の相対する1対の側壁部15の下方に、粘着部の最下部が底部14の中央部Pよりも低い位置となるように、アクリル系接着剤からなる両面テープを幅2mmで貼り付けて接着部を形成し、そこに特殊エチレン系コポリマー(住友化学株式会社製、「アクリフト」)からなるフィルム(厚さ100μm)を、縦20mm×横15mmにカットしたものを、弛まないように接着して粘着部を形成し、図13に示すようなエンボスキャリアテープ3を得た。
得られたエンボスキャリアテープ3の粘着部13の中央部P上に、部品20として縦13mm×横13mm×厚さ100μmのチップを粘着固定して部品収納部11に部品20を収納し、図14に示すような部品収納体300を得た。
得られた部品収納体300を10cmの長さに切り出し、部品収納部11を下向きにして10cmの高さからテーブル上に落下させたが、部品20は粘着部13から剥がれず、良好な保持性を示した。
次に、部品収納部11を上向きにして部品収納体300を作業台に固定し、部品20を上方からバキュームピンセットで持ち上げたところ、粘着部13が部品20の周縁、特に粘着部13が部品収納部11の側壁部15に接着している側の周縁から徐々に剥がれ、最終的に全てが剥がれ、部品20をエンボスキャリアテープ3の部品収納部11から容易に取り出すことができ、良好なピックアップ性を示した。
[比較例1]
実施例1と同様にして成形した部品収納部の底部の全面に、アクリル系接着剤からなる両面テープを貼り付けて接着部を形成し、その上に、特殊エチレン系コポリマー(住友化学株式会社製、「アクリフト」)からなるフィルム(厚さ100μm)を、縦20mm×横15mmにカットしたものを、弛まないように接着して粘着部を形成し、エンボスキャリアテープを得た。
得られたエンボスキャリアテープを用い、実施例1と同様にして、部品収納部に部品を収納した。
部品収納後のエンボスキャリアテープを10cmの長さに切り出し、部品収納部を下向きにして10cmの高さからテーブル上に落下させたが、部品は粘着部から剥がれず、良好な保持性を示した。
次に、部品収納部を上向きにしてエンボスキャリアテープを作業台に固定し、部品を上方からバキュームピンセットで持ち上げようとしたが、粘着部が部品から剥がれず、ピックアップできなかった。そこで、部品を無理に持ち上げようとしたところ、部品が割れた。
1、2、3、4:エンボスキャリアテープ、
5:キャリアテープ、
10:基材シート、
11:部品収納部、
12:送り孔、
13:粘着部、
13a:端部(粘着部の端部)、
13b:最下部、
14:底部(部品収納部の底部)、
15:側壁部(部品収納部の側壁部)、
15a:段差部、
15b:ステップ部、
16:接着部、
20:部品、
20a:部品の粘着部に接する側の面、
30:カバーテープ、
40:リール、
100、200、300:部品収納体、
H:凹み部、
P:中央部。

Claims (4)

  1. 部品を収納するための凹状の部品収納部が形成されたエンボスキャリアテープにおいて、
    部品を粘着固定する、可撓性を有する粘着材料からなる粘着部が、前記部品収納部の底部には接着せず、部品収納部の相対する2対の側壁部のうちの少なくとも1対に接着して設けられていることを特徴とするエンボスキャリアテープ。
  2. 前記粘着部がフィルム状であり、前記部品収納部の底部の内面の周縁のうち、前記粘着部が接着している側壁部側の周縁が中央部よりも低く、かつ部品収納部の側壁部に接着している粘着部の最下部が、前記中央部よりも低い位置にあることを特徴とする請求項1に記載のエンボスキャリアテープ。
  3. 請求項1または2に記載のエンボスキャリアテープの部品収納部に部品が収納された部品収納体。
  4. 前記部品が収納された部品収納部がカバーテープで封止されたことを特徴とする請求項3に記載の部品収納体。
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