JP5965154B2 - エンボスキャリアテープ、および部品収納体 - Google Patents
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Description
目的地へ搬送された部品は、実装機により基板等の所定の位置に載置される。具体的には、部品がキャリアテープの部品収納部に収納され、部品収納部をカバーテープで封止された部品収納体を実装機のカセットにかけ、カバーテープを剥離しながらバキュームピンセットなどを用いて部品を一つずつピックアップし、基板等に載置する。
そこで、部品を容易にピックアップできるキャリアテープとして、例えば部品収納部に部品を押し上げて剥離するためのピン挿入用孔を設けた電子部品用搬送体(例えば特許文献3参照)、粘着部を電子部品面に対して不均一な接着力の分布で形成させた電子部品用搬送体(例えば特許文献4参照)、収納孔から粘着テープの粘着部を露出させ、かつ収納孔のテープ幅方向の両側縁に内側に向けて突出する張り出し部を設け、該張り出し部により粘着テープを収納孔の上面にまで押し上げて支持する電子部品の搬送帯(例えば特許文献5参照)などが提案されている。
特許文献4に記載の電子部品用搬送体は、粘着部の粘着力分布が不均一になるように粘着材料を設計する必要があった。
特許文献5に電子部品の搬送帯は、収納孔に張り出し部を設ける必要があるため、搬送帯の成形が複雑となる。
このように、粘着部を備えた従来のキャリアテープは、部品をピックアップするのが困難であり、ピックアップするためにはピンなどの専用の治具が必要であった。また、粘着剤の設計や複雑な成形は、キャリアテープの生産性の低下につながる。
[1]部品を収納するための凹状の部品収納部が形成されたエンボスキャリアテープにおいて、部品を粘着固定する、可撓性を有する粘着材料からなる粘着部の裏面が、前記部品収納部の底部に接着して設けられ、部品が粘着部の表面に粘着固定された際に、粘着部が部品収納部の底部に接着している接着領域における部品が粘着部と接する部分の面積の合計が、部品の粘着部に接する側の面の表面積よりも小さくなるように、粘着部の裏面が部品収納部の底部に部分接着または全面接着していることを特徴とするエンボスキャリアテープ。
[2]前記粘着部がフィルム状であり、部品収納部の底部に部分接着していることを特徴とする[1]に記載のエンボスキャリアテープ。
[3]部品が粘着部の表面に粘着固定された際に、前記接着領域以外で部品が粘着部と接するように、粘着部が部品収納部の底部に部分接着していることを特徴とする[2]に記載のエンボスキャリアテープ。
[4]前記粘着部の周縁が、部品収納部の底部に接着していることを特徴とする[2]または[3]に記載のエンボスキャリアテープ。
[5][1]に記載のエンボスキャリアテープの部品収納部に部品が収納された部品収納体であって、前記部品は、前記接着領域における部品が粘着部と接する部分の面積の合計が、部品の粘着部に接する側の面の表面積よりも小さくなるように、粘着部の表面に粘着固定されていることを特徴とする部品収納体。
[6]前記部品は、前記接着領域以外で粘着部の表面に粘着固定されていることを特徴とする[5]に記載の部品収納体。
[7]前記部品が収納された部品収納部がカバーテープで封止されたことを特徴とする[5]または[6]に記載の部品収納体。
<エンボスキャリアテープ>
本発明の第1実施形態のエンボスキャリアテープについて、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態のエンボスキャリアテープ1の斜視図であり、図2は図1に示すエンボスキャリアテープ1に部品20が収納された部品収納体100を幅方向に切断した断面図である。
なお、図1および後述する図2〜17においては、説明の便宜上、寸法比などは実際のものと異なったものである。また、図2〜17において、図1と同じ構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。
また、エンボスキャリアテープ1には、幅方向の一方の端部側に、搬送用の送り孔12が一定間隔で形成されている。
なお、図2に示す部品収納体100の場合、部品20が粘着部13の非接着領域IIのみに粘着固定されており、接着領域Iでは部品20は粘着部13に粘着固定されていない。従って、接着領域Iにおける部品20が粘着部13と接する部分の合計T=0である。
粘着部13の厚さd13は特に限定されないが、25〜250μmであることが好ましい。
まず、基材シート10をエンボス加工し、部品収納部11を形成する。エンボス加工の方法としては、例えばプレス成形法、圧空成形法、真空成形法、あるいはこれらを組みあわせた成形方法を適用できる。また、部品収納部11の形状や大きさについては特に制限されず、収納する部品に応じて適宜決定される。
ついで、基材シート10の幅方向の一方の端部側に送り孔12を形成する。送り孔12の形成方法としては、公知の穿孔方法を適用できる。
ついで、部品収納部11の底部11aの周縁4辺に接着剤を塗布し、別途作製した粘着材料からなるフィルム状の粘着部13を貼り付け、部品収納部11の底部11aに粘着部13を部分接着させて、エンボスキャリアテープ1を得る。
なお、送り孔12は、エンボス加工と同時に成形してもよいし、エンボス加工の前に形成してもよいし、エンボス加工の後かつ粘着部13の接着前に形成してもよいし、粘着部13の接着後に形成してもよい。また、接着剤からなる両面テープを部品収納部11の底部11aの周縁4辺に貼着してもよい。
従って、部品20を持ち上げても粘着部13が接着部14によって部品収納部11の底部11aに固定されているため伸びにくく、変形しにくい。よって、部品20をピックアップするのが困難であり、ピンなどの専用の治具を用いてピックアップする必要があった。また、粘着材料の設計や複雑な形状の部品収納部11の成形が必要となり、エンボスキャリアテープ3の生産性が低下しやすかった。
従って、本発明のエンボスキャリアテープ1は、ピンなどの専用の治具を用いなくても部品20を容易にピックアップできる。また、本発明のエンボスキャリアテープ1は部品20を容易にピックアップできるので、粘着部13の粘着力分布が不均一になるように粘着材料を設計したり、部品収納部11の形状を複雑に成形したりする必要がない。よって、生産性にも優れる。
さらに、本実施形態のエンボスキャリアテープ1は、粘着部13の裏面13aの周縁のみが部品収納部11の底部11aに接着しているので、部品20を粘着部13の非接着領域IIのみに、部品20の粘着部13に接する側の面20aの全面を粘着部13に接触させることができる。よって、部品20を部品収納部11に収納したときの保持性が高まり、搬送時などにおいて部品20が粘着部13から剥がれにくい。
また、例えば図4(a)に示すように、少なくとも部品20の一方の端部が、非接着領域IIに位置するように、粘着部13が部品収納部11の底部11aに部分接着していることが好ましい。これにより、部品20を持ち上げたときに、部品20の非接着領域IIに位置する側の端部から、部品20が粘着部13より剥がれるので、剥離の起点が形成されやすく、部品20の両端が接着領域Iに位置するように粘着部13が部品収納部11の底部11aに部分接着している場合(例えば図4(b))よりも部品20をピックアップしやすくなる。
また、例えば図8に示すように、粘着部13の裏面が接着部14を介してドット状に底部11aに接着していてもよい。なお、図8は、エンボスキャリアテープの平面図である。
なお、図1〜10に示すエンボスキャリアテープ1は、フィルム状の粘着部13を備えているが、粘着部13の形状はフィルム状に限定されない。フィルム状以外の形状の粘着部を備えたエンボスキャリアテープについては、後述の第2実施形態において説明する。
次に、本発明の部品収納体について、図面を参照して説明する。図2は、図1に示す第1実施形態のエンボスキャリアテープ1に部品20が収納された部品収納体100を幅方向に切断した断面図である。
部品20としては特に限定されないが、半導体チップや、セラミックコンデンサ、チップ抵抗、コイル等の電子部品などが好適である。
電子部品の大きさについても特に限定されず、0603、0402、03015、0201など、各大きさの電子部品に対応できる。また、薄くて割れやすい半導体チップや、壊れやすい電子部品(例えば三次元積層チップ、MEMS等)など、振動や衝撃により破損しやすい部品にも対応できる。
部品収納体100は、通常、図11に示すように、部品が収納された部品収納部がカバーテープ30で封止され、さらにリール40に巻き取られた状態で保管、搬送される。カバーテープ30の材質としては、基材シート10と同様の材質のものが挙げられる。
<エンボスキャリアテープ>
次に、本発明の第2実施形態のエンボスキャリアテープについて、図面を参照して説明する。図12は、本実施形態のエンボスキャリアテープ2に部品20が収納された部品収納体200を幅方向に切断した断面図である。
本実施形態のエンボスキャリアテープ2は、粘着部13がフィルム状でなく、かつ粘着部13が部品収納部11の底部11aに部分接着していない点で、第1実施形態のエンボスキャリアテープと異なる。
しかし、図16に示す従来のエンボスキャリアテープ3の場合は、上述したように、接着領域Iにおける部品20が粘着部13と接する部分20bの面積の合計Tが、部品20の粘着部13に接する側の面20aの表面積Sと等しくなるように、部品収納部11の底部11aに粘着部13が全面接着して設けられている。具体的には、部品収納部11の底部11aに全面接着された粘着部13上に、部品20が全面粘着固定されている。そのため、部品20を持ち上げても粘着部13が接着部14によって部品収納部11の底部11aに固定されているため伸びにくく、変形しにくい。
また、粘着部13の厚さd13は、200〜500μmであることが好ましい。
また、本発明のエンボスキャリアテープ2は、粘着部13を構成する粘着材料がゲル状なので、ピンなどの専用の治具を用いなくても部品20を容易にピックアップできる。特に、粘着部13の厚さd13が上記範囲内であれば、部品20をより容易にピックアップできる。
また、本発明のエンボスキャリアテープ2は部品20を容易にピックアップできるので、粘着部13の粘着力分布が不均一になるように粘着材料を設計したり、部品収納部11の形状を複雑に成形したりする必要がない。よって、生産性にも優れる。
また、図12に示すエンボスキャリアテープ2は、2つの粘着部13が部品収納部11の底部11aの中央に位置しているが、粘着部13の位置についても特に制限されず、例えば図14(a)に示すように粘着部13が部品収納部11の底部11aの端部に位置していてもよい。
次に、本発明の部品収納体について、図面を参照して説明する。図12は、第2実施形態のエンボスキャリアテープ2に部品20が収納された部品収納体200の断面図である。
この例の部品収納体200は、部品20が、エンボスキャリアテープ2の粘着部13の接着領域Iにおける部品20が粘着部13と接する部分20bの面積の合計Tが、部品の粘着部に接する側の面20aの表面積Sよりも小さくなるように、粘着部13の表面13bに粘着固定されている。
部品収納体200は、第1実施形態の部品収納体と同様に、通常は、部品が収納された部品収納部がカバーテープで封止され、さらにリールに巻き取られた状態で保管、搬送される。
また、本発明の部品収納体200であれば、部品20を持ち上げたときに粘着部13も引っ張られることで、粘着部13が伸びて変形する。その結果、部品20と粘着部13との間に隙間が発生し、この隙間が剥離の起点となって、部品20が粘着部13から剥がれる。よって、ピンなどの専用の治具を用いなくても部品20を容易にピックアップできる。
また、図12に示す部品収納体200は、部品20が粘着部13の表面13bの全面に接しているが、例えば図14(b)に示すように、部品20が粘着部13の表面13bの一部に接していてもよい。
ポリ塩化ビニルからなる長尺な基材シート(幅24mm×厚さ0.3mm)をプレス成形機に移送し、縦15mm×横15mm×深さ5mmであり、底部が四角状の部品収納部を、長さ方向に沿って20mmピッチで成形した。また、直径1.5mmの位置決めのための送り孔を打ち抜き加工した。
ついで、部品収納部の底部の周縁に、アクリル系接着剤からなる両面テープを幅1mmで貼り付けて接着部を形成し、その上に、ポリスチレン系エラストマー(住友化学株式会社製、「アクリフト」)からなるフィルム(厚さ100μm)を、縦15mm×横15mmにカットしたものを、弛まないように接着して粘着部を形成し、図15に示すようなエンボスキャリアテープ1Aを得た。
得られたエンボスキャリアテープ1Aの粘着部13の表面の中央に、部品20として縦10mm×横10mm×厚さ100μmのチップを粘着固定し、部品収納部11に部品20を収納した。
次に、部品収納部11を上向きにしてエンボスキャリアテープ1Aを作業台に固定し、部品20を上方からバキュームピンセットで持ち上げたところ、粘着部13が部品20の周縁から徐々に剥がれ、最終的に全てが剥がれ、部品20をエンボスキャリアテープ1Aの部品収納部11から容易に取り出すことができ、良好なピックアップ性を示した。
部品収納部の底部の全面に、アクリル系接着剤からなる両面テープを貼り付けて接着部を形成し、その上に、ポリスチレン系エラストマー(住友化学株式会社製、「アクリフト」)からなるフィルム(厚さ100μm)を、縦15mm×横15mmにカットしたものを、弛まないように接着して粘着部を形成した以外は、実施例1と同様にして、図16に示すようなエンボスキャリアテープ3を得た。
得られたエンボスキャリアテープ3を用い、実施例1と同様にして、部品収納部11に部品20を収納した。
次に、部品収納部11を上向きにしてエンボスキャリアテープ3を作業台に固定し、部品20を上方からバキュームピンセットで持ち上げようとしたが、粘着部13が部品20から剥がれず、ピックアップできなかった。そこで、部品20を無理に持ち上げようとしたところ、部品20が割れた。
4:キャリアテープ、
10:基材シート、
11:部品収納部、
11a:底部(部品収納部の底部)、
12:送り孔、
13:粘着部、
13a:裏面(粘着部の裏面)、
13b:表面(粘着部の表面)、
14:接着部、
20:部品、
20a:部品の粘着部に接する側の面、
20b:接着領域における部品が粘着部と接する部分、
30:カバーテープ、
40:リール、
100、200:部品収納体。
Claims (4)
- 部品を収納するための凹状の部品収納部が形成されたエンボスキャリアテープにおいて、
部品を粘着固定する、可撓性を有する粘着材料からなるフィルム状の粘着部の裏面が、前記部品収納部の底部に接着して設けられ、
部品が粘着部の表面に粘着固定された際に、粘着部が部品収納部の底部に接着している接着領域における部品が粘着部と接する部分の面積の合計が、部品の粘着部に接する側の面の表面積よりも小さくなるように、かつ前記接着領域以外で部品が粘着部と接するように、粘着部の裏面が部品収納部の底部に部分接着していることを特徴とするエンボスキャリアテープ。 - 前記粘着部の周縁が、部品収納部の底部に接着していることを特徴とする請求項1に記載のエンボスキャリアテープ。
- 請求項1に記載のエンボスキャリアテープの部品収納部に部品が収納された部品収納体であって、
前記部品は、前記接着領域における部品が粘着部と接する部分の面積の合計が、部品の粘着部に接する側の面の表面積よりも小さくなるように、前記接着領域以外で粘着部の表面に粘着固定されていることを特徴とする部品収納体。 - 前記部品が収納された部品収納部がカバーテープで封止されたことを特徴とする請求項3に記載の部品収納体。
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