JP2013247178A - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡易な方法による光電変換装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 光電変換装置11の製造方法は、下部電極層2上に光電変換層Sを作製する工程と、金属または半導体を含む微粒子が第1の溶媒に分散した微粒子分散液を光電変換層S上に塗布して塗布膜Lを形成する工程と、塗布膜L中の前記微粒子を沈殿させる工程と、塗布膜Lの上澄み液を除去して微粒子を含む皮膜を形成する工程と、皮膜を加熱して上部電極層5にする工程とを具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】 光電変換装置11の製造方法は、下部電極層2上に光電変換層Sを作製する工程と、金属または半導体を含む微粒子が第1の溶媒に分散した微粒子分散液を光電変換層S上に塗布して塗布膜Lを形成する工程と、塗布膜L中の前記微粒子を沈殿させる工程と、塗布膜Lの上澄み液を除去して微粒子を含む皮膜を形成する工程と、皮膜を加熱して上部電極層5にする工程とを具備する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、透明導電膜を有する光電変換装置の製造方法に関するものである。
太陽光発電等に使用される光電変換装置として、光電変換を行なう半導体層に電気的に接合された、電極として機能する透明導電膜とを具備するものがある(例えば特許文献1参照)。このような光電変換装置は、ガラス等の基板の上に、金属電極等の下部電極と、カルコパイライト型の光吸収層と、この光吸収層に形成されたInS等のバッファ層と、スパッタリング法によって形成された透明導電膜から成る上部電極層とが、この順に積層されて構成されている。
しかしながら、透明導電膜の形成に用いるスパッタリング法は、真空系の設備を必要とし、工程および設備が複雑となる。
本発明の目的は、簡易な方法による光電変換装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法は、下部電極層上に光電変換層を作製する工程と、金属または半導体を含む微粒子が第1の溶媒に分散した微粒子分散液を前記光電変換層上に塗布して塗布膜を形成する工程と、該塗布膜中の前記微粒子を沈殿させる工程と、前記塗布膜の上澄み液を除去して前記微粒子を含む皮膜を形成する工程と、該皮膜を加熱して上部電極層にする工程とを具備する。
本発明によれば、光電変換装置を容易に作製することが可能となる。
以下に本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法について図面を参照しながら詳細に説明する。
<(1)光電変換装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法を用いて作製した光電変換装置を示す斜視図であり、図2はその断面図である。光電変換装置11は、基板1と、下部電極層2と、光電変換層Sと、上部電極層5とを含んでいる。本実施例においては、光電変換層Sは第1の半導体層3と第2の半導体層4との積層体から成る例を示している。
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法を用いて作製した光電変換装置を示す斜視図であり、図2はその断面図である。光電変換装置11は、基板1と、下部電極層2と、光電変換層Sと、上部電極層5とを含んでいる。本実施例においては、光電変換層Sは第1の半導体層3と第2の半導体層4との積層体から成る例を示している。
図1、図2において、光電変換装置11は複数個の光電変換セル10が並べられて形成されている。なお、図1、図2においては図示の都合上、2つの光電変換セル10のみを示しているが、実際の光電変換装置11においては、図面左右方向、あるいはさらにこれに垂直な方向に、多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配設されていてもよい。
図1、図2において、基板1上に複数の下部電極層2が平面配置されている。隣接する下部電極層2のうち、一方の下部電極層2上から他方の下部電極層2上にかけて、第1の半導体層3、第2の半導体層4および上部電極層5が設けられている。これら、下部電極層2、第1の半導体層3、第2の半導体層4および上部電極層5によって、1つの光電変換セル10を構成している。そして、隣接する光電変換セル10のうち、一方の光電変換セル10の上部電極層5と、他方の光電変換セル10の下部電極層2とが接続導体6を介して電気的に接続されている。このような構成によって、隣接する光電変換セル10同士が直列接続されている。
基板1は、光電変換セル10を支持するためのものである。基板1に用いられる材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂および金属等が挙げられる。基板1としては、例えば、厚さ1〜3mm程度の青板ガラス(ソーダライムガラス)を用いることができる。
下部電極層2は、基板1上に設けられた、Mo、Al、TiまたはAu等の導電体である。下部電極層2は、スパッタリング法または蒸着法などの公知の薄膜形成手法を用いて、0.2μm〜1μm程度の厚みに形成される。
光電変換層Sは光電変換可能な半導体層である。光電変換層Sは、シリコン等の半導体や各種化合物半導体が用いられる。本実施例では、光電変換層Sは、第1の半導体層3と第2の半導体層4との積層体の例を示しており、第1の半導体層3は光吸収層として機能し、第2の半導体層4は、バッファ層としてあるいは第1の半導体層3とpn接合を形成するための半導体層として機能するものである。
第1の半導体層3は、第1導電型を有し、例えば1μm〜3μm程度の厚みの半導体層である。第1の半導体層3としては、シリコン、II−VI族化合物、I−III−VI族化合物
およびI−II−IV−VI族化合物等が挙げられる。
およびI−II−IV−VI族化合物等が挙げられる。
II−VI族化合物とは、II−B族(12族元素ともいう)とVI−B族元素(16族元素ともいう)との化合物半導体である。II−VI族化合物としては、例えば、CdTe等が挙げられる。
I−III−VI族化合物とは、I−B族元素(11族元素ともいう)とIII−B族元素(13族元素ともいう)とVI-B族元素との化合物である。I−III−VI族化合物としては、例えば、CuInSe2(二セレン化銅インジウム、CISともいう)、Cu(In,Ga
)Se2(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)2(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)が挙げられる。あるいは、第1の半導体層3は、薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等の多元化合物半導体薄膜にて構成されていてもよい。
)Se2(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)2(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)が挙げられる。あるいは、第1の半導体層3は、薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等の多元化合物半導体薄膜にて構成されていてもよい。
I−II−IV−VI族化合物とは、I−B族元素とII−B族元素とIV−B族元素(14族元素ともいう)とVI−B族元素との化合物である。I−II−IV−VI族化合物としては、例えば、Cu2ZnSnS4(CZTSともいう)、Cu2ZnSn(S,Se)4(CZTSSeともいう)、およびCu2ZnSnSe4(CZTSeともいう)が挙げられる。
第1の半導体層3は、スパッタリング法、蒸着法などのいわゆる真空プロセスによって形成可能であるほか、いわゆる塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによって形成することもできる。塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスは、第1の半導体層3の構成元素の錯体溶液を下部電極層2の上に塗布し、その後、乾燥・熱処理を行うプロセスである。
第2の半導体層4は、例えば、金属カルコゲナイド等が用いられる。金属カルコゲナイドとは、金属元素とカルコゲン元素との化合物である。第2の半導体層4は第1の半導体層3が有する第1の導電型とは異なる第2の導電型(第1の導電型がp型であればn型またはi型)を有していてもよい。また、カルコゲン元素とは、VI−B族元素のうちのS、Se、Teをいう。第2の半導体層4に含まれる金属カルコゲナイドとしては、例えば、II−VI族化合物やIII−VI族化合物等が挙げられる。第2の半導体層4は、例えばケミカ
ルバスデポジション(CBD)法等で10〜200nmの厚みで形成され得る。
ルバスデポジション(CBD)法等で10〜200nmの厚みで形成され得る。
第2の半導体層4に含まれるII−VI族化合物としては、CdS、ZnS等が挙げられる。また、第2の半導体層4に含まれるIII−VI族化合物としては、In2S3等が挙げら
れる。なお、このようなII−VI族化合物およびIII−VI族化合物は、金属カルコゲナイド
に加えて金属酸化物および金属水酸化物の少なくとも一方を含んだ混晶化合物であってもよい。また、第2の半導体層4はII−VI族化合物およびIII−VI族化合物の混晶化合物を
含んでいてもよい。
れる。なお、このようなII−VI族化合物およびIII−VI族化合物は、金属カルコゲナイド
に加えて金属酸化物および金属水酸化物の少なくとも一方を含んだ混晶化合物であってもよい。また、第2の半導体層4はII−VI族化合物およびIII−VI族化合物の混晶化合物を
含んでいてもよい。
上部電極層5は、0.05〜3.0μmの厚みを有する透明導電膜である。上部電極層5は、第2の半導体層4よりも抵抗率の低い層である。このような材料としては、例えば、ZnO、In2O3およびSnO2等の金属酸化物半導体等が採用され得る。これらの金属酸化物半導体には、Al、B、Ga、In、Sn、SbおよびF等の元素が含まれても良い。このような元素が含まれた金属酸化物半導体の具体例としては、例えば、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、GZO(Gallium Zinc Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine tin Oxide)等がある。
上部電極層5は、光電変換層Sで生じた電荷を良好に取り出すという観点からは、抵抗率が1Ω・cm以下でシート抵抗が50Ω/□以下であってもよい。光電変換装置11は、上部電極層5側から光が入射され、上部電極層5および第2の半導体層4を透過した光が第1の半導体層3で吸収され、光電変換されることにより、発電が行なわれる。
また、光電変換装置11は、図1、図2に示すように、上部電極層5上にさらに集電電極7が形成されていてもよい。集電電極7は、光電変換層Sで生じた電荷をさらに良好に取り出すためのものである。集電電極7は、例えば、図1に示すように、光電変換セル10の一端から接続導体6にかけて線状に形成されている。これにより、光電変換層Sで生じた電流が上部電極層5を介して集電電極7に集電され、接続導体6を介して隣接する光
電変換セル10に良好に導電される。
電変換セル10に良好に導電される。
集電電極7は、第1の半導体層3への光透過率を高めるとともに良好な導電性を有するという観点から、50〜400μmの幅を有していてもよい。また、集電電極7は、枝分かれした複数の分岐部を有していてもよい。
集電電極7は、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散させた金属ペーストがパターン状に印刷され、これが硬化されることによって形成される。
接続導体6は、隣接する光電変換セル10のうち、一方の光電変換セル10の上部電極層5(あるいは集電電極6)と、隣接する光電変換セル10の下部電極層2とを電気的に接続するように、光電変換層Sを跨るように設けられた導体である。接続導体6は、金属や導電ペースト等が用いられ得る。図1、図2においては、集電電極7を延伸して接続導体6が形成されているが、これに限定されない。例えば、上部電極層5が延伸したものであってもよい。
<(2)光電変換装置の製造方法>
図3から図11は、光電変換装置11の製造途中の様子をそれぞれ模式的に示す断面図または斜視図である。なお、図3から図7および図9から図11で示される各断面図は、図2で示された断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。
図3から図11は、光電変換装置11の製造途中の様子をそれぞれ模式的に示す断面図または斜視図である。なお、図3から図7および図9から図11で示される各断面図は、図2で示された断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。
まず、図3で示されるように、洗浄された基板1の略全面に、スパッタ法等を用いて、Mo等からなる下部電極層2を成膜する。そして、下部電極層2の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の基板1の上面にかけて、第1溝部P1を形成する。第1溝部P1は、例えば、YAGレーザー等によるレーザー光を走査しつつ形成対象位置に照射することで溝加工を行なう、スクライブ加工によって形成することができる。図4は、第1溝部P1を形成した後の状態を示す図である。
第1溝部P1を形成した後、下部電極層2の上に、第1の半導体層3を形成する。第1の半導体層3は、スパッタリング法、蒸着法などのいわゆる真空プロセスによって形成可能であるほか、いわゆる塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによって形成することもできる。塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスは、第1の半導体層3の構成元素の錯体溶液等を下部電極層2の上に塗布し、その後、乾燥・熱処理を行うプロセスである。図5は、第1の半導体層3を形成した後の状態を示す図である。
第1の半導体層3を形成した後、第1の半導体層3の上に、第2の半導体層4を形成する。第2の半導体層4は、溶液成長法(CBD法とも言う)によって形成することができる。例えば、酢酸カドミウムとチオ尿素とをアンモニア水に溶解し、これに第1の半導体層3の形成まで行なった基板1を浸漬することで、第1の半導体層3の上にCdSを含む第2の半導体層4を形成することができる。図6は、第2の半導体層4を形成した後の状態を示す図である。
第2の半導体層4を形成した後、第2の半導体層4の上に、上部電極層5を形成する。上部電極層5は以下のようにして作製される。まず、金属または半導体を含む微粒子が第1の溶媒に分散した微粒子分散液を作製する。このような微粒子としては、例えば、Ag、Au、In、In−Sn合金、In−Zn合金、Sn−Sb合金、Zn−Al合金等の金属微粒子や、AZO、GZO、IZO、ITO、FTO等の半導体微粒子が挙げられる。このような微粒子は、平均粒径が例えば500nm以下であれば、表面活性力が高くなるため、低抵抗で欠陥の少ない第2の半導体層4を良好に形成可能となる。微粒子分散液としては、例えば、株式会社アルバック製のナノメタルインク、株式会社巴製作所製のナ
ノディスパーITO、住友金属鉱山株式会社製のDX−ink等がある。
ノディスパーITO、住友金属鉱山株式会社製のDX−ink等がある。
第1の溶媒は上記微粒子を安定に分散させることができれば、特に限定されず、例えば、アルコールやケトン等の各種有機溶媒を用いることができる。また、上記微粒子をより安定して分散させるために、第1の溶媒中に界面活性剤等の分散剤等を添加してもよい。
そして、この微粒子分散液を上記光電変換層S上(第2の半導体層4上)に塗布して塗布膜Lを形成する。塗布膜Lの形成方法としては、スプレーやダイコータ等を用いることができる。図7は、塗布膜Lを形成した後の状態を示す図である。
塗布膜Lを形成した後、この塗布膜L中の微粒子を沈殿させる。そして、この上澄み液を除去して、微粒子を含む皮膜を形成する。微粒子の沈殿を生じさせる方法としては、例えば、微粒子分散液を第2の半導体層4上に塗布する直前にこの微粒子分散液に添加剤を添加する第1の方法、あるいは、第2の半導体層4上に形成した塗布膜Lに添加剤を添加する第2の方法がある。
上記第1の方法について詳細に説明する。まず、微粒子分散液を第2の半導体層4上に塗布する直前に、微粒子分散液に微粒子の分散性を低下させるような添加剤を添加する。そして、添加後直ぐにこの微粒子分散液を第2の半導体層4上に塗布して塗布膜Lを形成する。そして、この塗布膜Lを静置することにより、微粒子が沈殿して第2の半導体層4上に堆積する。
このような微粒子の分散性を低下させるような添加剤としては、微粒子分散液に用いられる第1の溶媒や、微粒子分散液に添加されている分散剤等の性質によって異なる。このような添加剤の一例としては、トルエン、キシレン、ベンゼン、テトラデカン等の無極性溶媒や低極性溶媒が挙げられる。塗布膜Lの塗布を良好に行なうという観点では、添加剤として、即効性の高いものよりも徐々に沈殿が生じてくるようなものを選択するのがよい。例えば、微粒子分散液に添加してから数分から数十分程度で沈殿が生じるようなものを用いてもよい。
次に、上記第2の方法について詳細に説明する。まず、微粒子分散液を第2の半導体層4上に塗布して塗布膜Lを形成する。そして、この塗布膜Lに微粒子の分散性を低下させるような添加剤を吹き付けることにより、微粒子が沈殿して第2の半導体層4上に堆積する。
このような微粒子の分散性を低下させるような添加剤としては、第1の方法と同様に、微粒子分散液に用いられる第1の溶媒や、微粒子分散液に添加されている分散剤等の性質によって異なる。このような添加剤の一例としては、トルエン、キシレン、ベンゼン、テトラデカン等の無極性溶媒や低極性溶媒が挙げられる。添加剤の吹き付け方法としては、添加剤を塗布膜Lの上方からスプレー等によって行なうことができる。
塗布膜L中の微粒子を沈殿させた後、塗布膜Lの上澄み液を除去して微粒子を含む皮膜を形成する。塗布膜Lの上澄み液の除去は、例えば図8に示すように、塗布膜Lに対して垂直な線を中心軸として塗布膜Lを回転させ、上澄み液を吹き飛ばすことによって行なうことができる。塗布膜Lを回転させて上澄み液を除去した場合、遠心力によって微粒子同士の間隔が狭まり、より緻密な皮膜を形成することができる。
微粒子を含む皮膜を形成した後、この皮膜を加熱して微粒子同士を結合させることによって上部電極層5にする。皮膜の加熱温度は、例えば、150〜600℃とすることができる。図9は、上部電極層5を形成した後の状態を示す図である。
このように微粒子分散液で塗布膜を形成し、塗布膜中の微粒子を沈殿させた後に上澄み液を除去する工程を用いることによって、上部電極層5皮膜を容易に形成できる。すなわち、微粒子分散液を用いて皮膜を形成することにより、スパッタリング法等のように真空系の設備を必要とせず、製造工程および製造設備を簡略化することができる。また、塗布膜中の微粒子を沈殿させて上澄み液を除去することによって、微粒子同士が接近した緻密な皮膜を形成でき、この皮膜を加熱すれば、微粒子同士が良好に結合して、抵抗率の低い上部電極層5を得ることができる。
上部電極層5を形成した後、上部電極層5の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第2溝部P2を形成する。第2溝部P2は、例えば、40〜50μm程度のスクライブ幅のスクライブ針を用いたスクライビングを、ピッチをずらしながら連続して数回にわたって行なうことで形成できる。また、スクライブ針の先端形状を第2溝部P2の幅に近い程度にまで広げたうえでスクライブすることによって第2溝部P2を形成しても良い。あるいは、2本または2本を超えるスクライブ針を相互に当接または近接した状態で固定し、1回から数回のスクライブを行なうことによって第2溝部P2を形成しても良い。図9は、第2溝部P2を形成した後の状態を示す図である。第2溝部P2は、第1溝部P1よりも若干X方向(図中では+X方向)にずれた位置に形成される。
第2溝部P2を形成した後、集電電極7および接続導体6を形成する。集電電極7および接続導体6については、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散させた導電性を有するペースト(導電ペーストとも言う)を、所望のパターンを描くように印刷することで形成できる。図10は、集電電極7および接続導体6を形成した後の状態を示す図である。
集電電極7および接続導体6を形成した後、上部電極層5の上面のうちの直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第3溝部P3を形成する。第3溝部P3の幅は、例えば、40〜1000μm程度とすることができる。また、第3溝部P3は、第2溝部P2と同様に、メカニカルスクライビングによって形成することができる。このようにして、第3溝部P3の形成によって、図1および図2で示された光電変換装置11が製作されたことになる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が施されることは何等差し支えない。
1:基板
2:下部電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
5:上部電極層
6:接続導体
7:集電電極
10:光電変換セル
11:光電変換装置
S:光電変換層
2:下部電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
5:上部電極層
6:接続導体
7:集電電極
10:光電変換セル
11:光電変換装置
S:光電変換層
Claims (4)
- 下部電極層上に光電変換層を作製する工程と、
金属または半導体を含む微粒子が第1の溶媒に分散した微粒子分散液を前記光電変換層上に塗布して塗布膜を形成する工程と、
該塗布膜中の前記微粒子を沈殿させる工程と、
前記塗布膜の上澄み液を除去して前記微粒子を含む皮膜を形成する工程と、
該皮膜を加熱して上部電極層にする工程と
を具備する光電変換装置の製造方法。 - 前記塗布膜を形成する工程において、前記微粒子分散液に前記第1の溶媒よりも極性の低い低極性溶媒を添加した後に前記塗布膜を形成する、請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
- 前記微粒子を沈殿させる工程において、前記第1の溶媒よりも極性の低い低極性溶媒を前記塗布膜に吹きかけることによって前記微粒子を沈殿させる、請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
- 前記皮膜を形成する工程において、前記塗布膜を回転させて前記上澄み液を除去する、請求項1乃至3のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
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