JP2013245271A - 導電性樹脂組成物および導電性樹脂フィルム - Google Patents

導電性樹脂組成物および導電性樹脂フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP2013245271A
JP2013245271A JP2012119144A JP2012119144A JP2013245271A JP 2013245271 A JP2013245271 A JP 2013245271A JP 2012119144 A JP2012119144 A JP 2012119144A JP 2012119144 A JP2012119144 A JP 2012119144A JP 2013245271 A JP2013245271 A JP 2013245271A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polymer
conductive resin
resin composition
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012119144A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5880276B2 (ja
Inventor
Susumu Komiyama
晋 小宮山
Toshiyuki Hayakawa
俊之 早川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP2012119144A priority Critical patent/JP5880276B2/ja
Publication of JP2013245271A publication Critical patent/JP2013245271A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5880276B2 publication Critical patent/JP5880276B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】導電性フィラーの割合が高くても、柔軟性および高い強度が得られ、優れたフィルム成形加工性が得られる導電性樹脂組成物および導電性樹脂フィルムを提供する。
【解決手段】極限粘度[η]が0.9〜1.5である熱可塑性樹脂と、カルボキシ基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシ基、イソシアネート基またはオキサゾリン基を有するオレフィン系重合体と、カルボキシ基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシ基、イソシアネート基またはオキサゾリン基を有する水素添加ジエン系重合体と、導電性フィラーとを含有してなり、前記熱可塑性ポリエステル樹脂、前記オレフィン系重合体および前記水素添加ジエン系重合体の合計100質量部に対して、前記導電性フィラーが10〜60質量部である。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性ポリエステル樹脂を含有してなる導電性樹脂組成物およびこの導電性樹脂組成物よりなる導電性樹脂フィルムに関する。
近年、種々の電子機器や電子ペーパーなどにおいて、導電性樹脂フィルムが用いられている。この導電性樹脂フィルムは、樹脂中に導電性カーボンブラック等の導電性フィラーが含有された導電性樹脂組成物よりなるものが知られており、例えば導電性樹脂組成物をTダイが設けられた押出機によって溶融した後、Tダイから吐出する溶融した導電性樹脂組成物をフィルム引取り装置によってフィルム化することにより製造される。
このような導電性樹脂フィルムにおいては、導電性フィラーを高い割合で含有させることによって高い導電性が得られる。しかし、導電性フィラーの割合が高くなるに従って、得られる導電性樹脂フィルムの柔軟性が損なわれる、という問題がある。
このような問題を解決するために、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂などの汎用樹脂をマトリックス樹脂とした導電性樹脂フィルムとして、水素添加ジエン系重合体等の熱可塑性エラストマーが含有された導電性樹脂組成物よりなるものが提案されている(特許文献1参照。)。
一方、導電性樹脂フィルムを構成するマトリックス樹脂として、例えばエンジニアプラスチックである熱可塑性ポリエステル樹脂を用いることにより、機械的強度の高い導電性樹脂フィルムが得られる点で有利である。
しかしながら、熱可塑性ポリエステル樹脂をマトリックス樹脂とした導電性樹脂フィルムを製造する場合には、柔軟性を付与するために水素添加ジエン系重合体等の熱可塑性エラストマーを含有させると、当該導電性樹脂組成物の溶融状態における引張伸度が著しく低下するため、Tダイから吐出する溶融した導電性樹脂組成物がフィルム引取り装置によって引取られる際に切断してしまい、フィルム化することが困難となる。また、フィルム化が可能であっても、得られる導電性樹脂フィルムの機械的強度が著しく低下する、という問題があることが判明した。
このような問題が生ずるのは、導電性樹脂組成物における熱可塑性ポリエステル樹脂と水素添加ジエン系重合体との相溶性または親和性が低いためであると考えられる。
国際公開WO2010/087440号パンフレット
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、導電性フィラーが高い割合で含有されていても、フィルムに成形されたときに優れた柔軟性および高い強度が得られ、しかも、優れたフィルム成形加工性が得られる導電性樹脂組成物およびこの導電性樹脂組成物よりなる導電性樹脂フィルムを提供することにある。
本発明の導電性樹脂組成物は、(A)フェノールとテトラクロロエタンとの同質量混合物を溶媒とし、温度30℃の条件下で測定した極限粘度[η]が0.9〜1.5dl/gである熱可塑性ポリエステル樹脂と、
(B)カルボキシ基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシ基、イソシアネート基およびオキサゾリン基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有するオレフィン系重合体と、
(C)カルボキシ基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシ基、イソシアネート基およびオキサゾリン基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する水素添加ジエン系重合体と、
(D)導電性フィラーと
を含有してなり、
前記(A)熱可塑性ポリエステル樹脂、前記(B)オレフィン系重合体および前記(C)水素添加ジエン系重合体の合計100質量部に対して、前記(D)導電性フィラーが10〜60質量部であることを特徴とする。
本発明の導電性樹脂組成物においては、前記(B)オレフィン系重合体は、エポキシ基を有するオレフィン系重合体または無水マレイン酸変性オレフィン系重合体であることが好ましい。
また、前記(C)水素添加ジエン系重合体は、
共役ジエン化合物に由来する構造単位が50質量%を超えて含有されてなるブロックであり、当該共役ジエンに由来する構造単位中、ビニル結合含量が30〜90モル%である重合体ブロック(C1)と、他の重合体ブロック(Cx)の一つ以上とを有し、
前記他の重合体ブロック(Cx)が、
芳香族アルケニル化合物に由来する構造単位が50質量%を超えて含有されてなる重合体ブロック(C2)および、
共役ジエン化合物に由来する構造単位が50質量%を超えて含有されてなり、当該共役ジエンに由来する構造単位中、ビニル結合含量が30モル%未満である重合体ブロック(C3)からなる群から選ばれる少なくとも一つである、
ジエン系ブロック共重合体の水素添加物であることが好ましい。
また、前記(A)熱可塑性ポリエステル樹脂がポリブチレンテレフタレート樹脂であることが好ましい。
また、前記(A)熱可塑性ポリエステル樹脂、前記(B)オレフィン系重合体および前記(C)水素添加ジエン系重合体の合計100質量部中、当該(A)熱可塑性ポリエステル樹脂が60〜99.8質量部、当該(B)オレフィン系重合体が0.01〜20質量部、当該(C)水素添加ジエン系重合体が0.01〜20質量部となる割合で含有されていることが好ましい。
また、前記(D)導電性フィラーは、DBP吸油量が100cm3 /100g以上の導電性カーボンブラックであることが好ましい。
本発明の導電性樹脂フィルムは、上記の導電性樹脂組成物よりなることを特徴とする。
本発明の導電性樹脂組成物によれば、上記の官能基を有する水素添加ジエン系重合体およびオレフィン系重合体が含有されているため、導電性フィラーが高い割合で含有されていても、フィルムに成形されたときに優れた柔軟性および高い強度が得られ、しかも、優れたフィルム成形加工性が得られる。
従って、本発明の導電性樹脂組成物は、導電性樹脂フィルムの材料として好適なものである。
以下、本発明の導電性樹脂組成物および導電性樹脂フィルムの実施の形態について説明する。
[導電性樹脂組成物]
本発明の導電性樹脂組成物は、熱可塑性ポリエステル樹脂よりなる(A)成分と、特定の官能基を有するオレフィン系重合体よりなる(B)成分と、特定の官能基を有する水素添加ジエン系重合体よりなる(C)成分と、導電性フィラーよりなる(D)成分とを含有してなるものである。
<(A)成分>
(A)成分は、熱可塑性ポリエステル樹脂成分である。(A)成分を構成する熱可塑性ポリエステル樹脂としては、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸またはそのエステル類と、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの脂肪族ジオールとから得られるものを用いることができ、その具体例としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂などが挙げられる。これらの中では、ポリブチレンテレフタレート樹脂が好ましい。
また、熱可塑性ポリエステル樹脂は、フェノールとテトラクロロエタンとの同質量混合物を溶媒とし、温度30℃の条件下で常法に基づき測定した極限粘度[η]が0.9〜1.5dl/gのものであり、極限粘度[η]が1.1〜1.5dl/gのものが好ましい。熱可塑性ポリエステル樹脂の極限粘度[η]が0.9dl/g以上であれば、成形されたフィルムの機械的強度が低下することを防止することができる。一方、熱可塑性ポリエステル樹脂の極限粘度[η]が1.5dl/g以下であれば、得られる導電性樹脂組成物の溶融粘度が高くなり流動性が低下することを防止し、フィルムの成形性を維持することができる。
このような(A)成分の使用割合は、(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計100質量部中、60〜99.8質量部であることが好ましく、より好ましくは80〜99質量部である。(A)成分の使用割合が60質量%以上であれば、得られる導電性樹脂フィルムの機械的強度が低下することを防止することができる。
<(B)成分>
(B)成分は、カルボキシ基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシ基、イソシアネート基およびオキサゾリン基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基(以下、「特定の官能基X」という。)を有するオレフィン系重合体(以下、「特定の官能基含有オレフィン系重合体」という。)である。
この(B)成分が含有されることにより、成形加工性に優れた導電性樹脂組成物を得ることが可能となる。
特定の官能基含有オレフィン系重合体のベースポリマーとなるオレフィン系重合体は、オレフィン化合物、すなわちエチレンおよび/またはα−オレフィンに由来する構造単位を含有してなる重合体である。
α−オレフィンの具体例としては、プロペン(以下、「プロピレン」という。)、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン等の炭素数3〜12のα−オレフィンを挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(B)成分を構成する特定の官能基含有オレフィン系重合体は、ベースポリマーに特定の官能基Xが導入された重合体であるが、特定の官能基Xにおいて特に好ましいものは、カルボキシ基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アルコキシシリル基およびヒドロキシ基である。
また、特定の官能基含有オレフィン系重合体の1分子中における特定の官能基Xの数は、平均で0.01〜1000個であることが好ましく、より好ましくは0.1〜500個である。1分子中における特定の官能基Xの数が平均で0.01個以上であれば、(A)成分、(B)成分および(C)成分の良好な相溶化が達成され、優れたフィルム成形加工性が得られる。一方、1分子中における特定の官能基Xの数が平均で1000個以下であれば、得られる導電性樹脂組成物の流動性が低下して成形性が著しく低下することを防止することができる。
なお、上記特定の官能基Xがエポキシ基である場合を一例として挙げると、エポキシ基の個数は、例えばJIS K 7236に基づく過塩素酸法によりエポキシ当量として測定することができる。
また、ベースポリマーに特定の官能基Xを導入する方法としては、オレフィン化合物と、特定の官能基Xを含有する、当該オレフィン化合物と共重合可能な単量体とを共重合させる方法を挙げることができる。例えば、オレフィン化合物と(メタ)アクリル酸とを共重合させることにより、カルボキシ基を含有する特定の官能基含有オレフィン系重合体が得られ、オレフィン化合物と無水マレイン酸とを共重合させることにより、酸無水物基を含有する特定の官能基含有オレフィン系重合体が得られ、オレフィン化合物と下記一般式(1)で表される(メタ)アクリロイル基含有化合物とを共重合させることにより、(メタ)アクリロイル基を含有する特定の官能基含有オレフィン系重合体が得られ、オレフィン化合物と下記一般式(2)で表されるエポキシ基含有化合物とを共重合させることにより、エポキシ基を含有する特定の官能基含有オレフィン系重合体が得られる。
なお、特定の官能基含有オレフィン系重合体は、オレフィン化合物と特定の官能基Xを含有する単量体とのランダム共重合体に限定されるものではなく、グラフト共重合体であってもよい。
Figure 2013245271
〔一般式(1)において、R1 は水素原子またはメチル基、Aは単結合またはヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、または炭化水素の一部がヘテロ原子で置換された基、X1 はアルコキシシリル基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、エポキシ基、イソシアネート基またはオキサゾリン基を示し、qは、X1 がアミノ基のときには1〜3の整数、その他の官能基のときには1である。〕
Figure 2013245271
〔一般式(2)において、R2 は炭素数2〜18のアルケニル基、Xはカルボニルオキシ基、メチレンオキシ基またはフェニレンオキシ基を示す。〕
特定の官能基含有オレフィン系重合体の具体例としては、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体をNa、Zn、Mg等の金属イオンによってカルボキシ基の一部を中和させたアイオノマー、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のけん化物、エチレン−(メタ)アクリロイル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−ビニルイソシアネート共重合体、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エポキシ変性エチレン−プロピレン共重合体、ヒドロキシル変性ポリエチレン、ヒドロキシル変性エチレン−プロピレン共重合体などを挙げることができる。
これらの中でも、延性、耐衝撃性に優れた導電性樹脂組成物が得られる点で、エポキシ基を含有するオレフィン系重合体が好ましく、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体が更に好ましい。また、優れた成形加工性が得られ、良好な成形外観を有するフィルムが得られることから、酸無水物基を含有するオレフィン系重合体重合体も好ましく、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレンが更に好ましい。
特定の官能基含有オレフィン系重合体の分子量については特に制限はないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が1万〜200万であることが好ましく、2万〜150万であることが更に好ましく、3万〜100万であることが特に好ましい。この重量平均分子量が1万以上であれば、得られる導電性樹脂組成物の延性、耐衝撃性が低下することを防止することができる。一方、重量平均分子量が200万以下であれば、得られる導電性樹脂組成物の流動性が低下して成形加工性が低下することを防止することができる。
このような(B)成分の使用割合は、(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計100質量部中、0.01〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量部である。(B)成分の使用割合が0.01質量部以上であれば、得られる導電性樹脂組成物の溶融状態における引張伸度が維持され、ダイから吐出されるフィルムを引取り装置で引取る際に切断しやすくなることを防止することができる。一方、(B)成分の使用割合が20質量%以下であれば、得られる導電性樹脂組成物の溶融粘度が高くなり流動性が低下することを防止し、フィルムの成形性を維持することができる。
<(C)成分>
(C)成分は、カルボキシ基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシ基、イソシアネート基およびオキサゾリン基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基(以下、「特定の官能基Y」という。)を有する水素添加ジエン系重合体(以下、「特定の官能基含有水素添加ジエン系重合体」という。)である。
特定の官能基含有水素添加ジエン系重合体のベースポリマーとなるジエン系重合体は、共役ジエン化合物に由来する構造単位を含有してなる重合体である。
共役ジエン化合物の具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、ミルセン、クロロプレン等を挙げることができる。これらの化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。 また、本発明においては、原料となる単量体の入手容易性、重合性の観点や、耐衝撃性および耐寒性に優れた導電性樹脂組成物を得られるという観点から、共役ジエン化合物として1,3−ブタジエンまたはイソプレンを用いることが好ましい。
特定の官能基含有水素添加ジエン系重合体のベースポリマーとなるジエン系重合体は、共役ジエン化合物以外の化合物に由来する構造単位を含有してなるものであってもよい。このような化合物としては、芳香族アルケニル化合物を用いることが好ましい。
芳香族アルケニル化合物の具体例としては、スチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン等を挙げることができる。これらの化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
また、本発明においては、原料となる単量体の入手容易性、重合性の観点や、また、耐衝撃性、耐寒性に優れた導電性樹脂組成物を得られるという観点から、共役ジエン化合物以外の化合物として、スチレンまたはtert−ブチルスチレンを用いることが好ましい。
本発明において、ジエン系重合体を得るための単量体における共役ジエン化合物と芳香族アルケニル化合物との質量比は100:0〜20:80であることが好ましく、97:3〜40:60であることが更に好ましい。芳香族アルケニル化合物の割合が80質量%以下であれば、得られる重合体のガラス転移点が高くなりすぎることがなく、得られる導電性樹脂組成物の耐衝撃性や耐寒性が低下することを防止することができる。
また、特定の官能基含有水素添加ジエン系重合体は、
共役ジエン化合物に由来する構造単位が50質量%を超えて含有されてなるブロックであり、当該共役ジエンに由来する構造単位中、ビニル結合含量が30〜90モル%である重合体ブロック(C1)と、他の重合体ブロック(Cx)の一つ以上とを有し、
前記他の重合体ブロック(Cx)が、
芳香族アルケニル化合物に由来する構造単位が50質量%を超えて含有されてなる重合体ブロック(C2)および、
共役ジエン化合物に由来する構造単位が50質量%を超えて含有されてなり、当該共役ジエンに由来する構造単位中、ビニル結合含量が30モル%未満である重合体ブロック(C3)からなる群から選ばれる少なくとも一つである、
ジエン系ブロック共重合体の水素添加物であることが好ましい。
なお、本発明において、ビニル結合含量とは、水添前の重合体ブロック中に1,2−結合、3,4−結合および1,4−結合の結合様式で組み込まれている共役ジエン化合物のうち、1,2−結合および3,4−結合で組み込まれているものの合計割合(モル%基準)である。このビニル結合含量は、赤外分析法を用い、ハンプトン法により求めることができる。
上記のジエン系ブロック共重合体としては、上記重合体ブロック(C1)を(C1)、上記重合体ブロック(C2)を(C2)、上記重合体ブロック(C3)を(C3)、Zをカップリング剤、xを2以上の整数としたとき、(C1)−(C2)型、(C1)−(C3)型、[(C1)−(C2)]x −Z型、[(C1)−(C3)]x −Z型、(C2)−(C1)−(C3)型、(C3)−(C1)−(C3)型、(C2)−(C1)−(C2)型、[(C2)−(C1)−(C3)]x −Z型、[(C2)−(C1)−(C2)]x −Z型、[(C1)−(C3)−(C1)]x −Z型、(C2)−(C1)−(C2)−(C1)型、(C1)−(C2)−(C1)−(C2)型、(C1)−(C3)−(C1)−(C3)型、(C3)−(C1)−(C3)−(C1)型、[(C2)−(C1)−(C2)−(C1)]x −Z型、(C2)−(C1)−(C2)−(C1)−(C2)型、[(C2)−(C1)−(C2)−(C1)−(C2)]x −Z型、[(C1)−(C2)]x −Z型、[(C3)−(C1)]x −Z型、(C1)−(C2)−(C1)−(C3)型、(C1)−(C2)−(C3)−(C1)、[(C3)−(C2)−(C1)−(C3)]x −Z型のブロック構造を有するジエン系ブロック共重合体を用いることができる。
これらの中では、外側の重合体ブロックの一方または両方がブロック(C2)またはブロック(C3)であるジエン系ブロック共重合体が好ましく、特に(C1)−(C2)型、(C1)−(C3)型、[(C1)−(C2)]x −Z型、[(C1)−(C3)]x −Z型、(C2)−(C1)−(C2)型、(C2)−(C1)−(C3)型のブロック構造を有するものが好ましい。
上記のような2種以上の重合体ブロックを有するジエン系ブロック共重合体は、共役ジエン化合物に由来する構造単位または芳香族アルケニル化合物に由来する構造単位の含有率が重合体ブロック中で連続的に変化するテーパー型のものであっても、ランダム型のものであってもよい。
また、ジエン系ブロック共重合体を得るためにカップリング剤を用いる場合において、当該カップリング剤の具体例としては、メチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、テトラクロロシラン、ジブロモエタン、テトラクロロ錫、ブチルトリクロロ錫、テトラクロロゲルマニウム、ビス(トリクロロシリル)エタン等のハロゲン化合物;エポキシ化大豆油等のエポキシ化合物;アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジメチル、ジメチルテレフタル酸、ジエチルテレフタル酸等のカルボニル化合物、ジビニルベンゼン等のポリビニル化合物;ポリイソシアネート等を挙げることができる。
特定の官能基含有水素添加ジエン系重合体は、共役ジエン化合物に由来する構造単位における二重結合に対する水素添加率が80%以上のものであることが好ましく、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上のものである。この水素添加率が80%以上であれば、高温での混練の際に激しい熱劣化を起こすことがなく、所期の物性を有する導電性樹脂組成物が得られる。
(C)成分を構成する特定の官能基含有水素添加ジエン系重合体は、ベースポリマーに特定の官能基Yが導入された重合体であるが、特定の官能基Yにおいて特に好ましいものは、アミノ基である。
また、特定の官能基含有水素添加ジエン系重合体の1分子中における特定の官能基Yの数は、平均で0.01〜100個であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10個である。1分子中における特定の官能基Xの数が平均で0.01個以上であれば、(A)成分との相溶性が低下することを防止することができる。一方、1分子中における特定の官能基Yの数が平均で100個以下であれば、得られる導電性樹脂組成物の流動性が低下して成形性が著しく低下することを防止することができる。
なお、特定の官能基Yにアミノ基を用いる場合、変性量は、重合体中のN原子含有極性基の含有量であり、下記式により表される。
変性量=アミノ基(個)/重合体(一分子鎖)
変性量は、Analy.Chem.564(1952)記載のアミン滴定法による定量により求めることができる。即ち、水添変性重合体を精製後、有機溶剤に溶解し、指示薬としてメチルバイオレットを用い、溶液の色が紫から水色に変化するまでHClO4 /CH3 COOHで滴定することにより、変性量を求めることができる。
特定の官能基含有水素添加ジエン系重合体の分子量については特に制限はないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が3万〜200万であることが好ましく、4万〜100万であることが更に好ましく、5万〜50であることが特に好ましい。この重量平均分子量が3万以上であれば、得られる導電性樹脂組成物の強度や寸法安定性が低下することを防止することができる。一方、この重量平均分子量が200万以下であれば、当該特定の官能基含有水素添加ジエン系重合体の溶融粘度が高くなりすぎることがなく、得られる導電性樹脂組成物の加工性や生産性が低下することを防止することができる。
特定の官能基含有水素添加ジエン系重合体は、例えば、下記製法(1)〜下記製法(5)のいずれかの方法により製造することができる。
製法(1):
製法(1)は、共役ジエン化合物を単独で、或いは、共役ジエン化合物および芳香族アルケニル化合物を、有機アルカリ金属化合物の存在下でブロック共重合し、得られたブロック共重合体を水素添加することによって、水素添加ジエン系重合体を調製し、この水素添加ジエン系重合体に、上記一般式(1)で表される(メタ)アクリロイル基含有化合物、上記一般式(2)で表されるエポキシ基含有化合物および無水マレイン酸の群から選択される少なくとも1種の化合物を、溶液中または押し出し機等の混練機中で反応させる方法である。
このような製法(1)によって得られる特定の官能基含有水素添加ジエン系重合体の具体例としては、無水マレイン酸変性スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体、無水マレイン酸変性スチレン−エチレン・プロピレンースチレンブロック共重合体、無水マレイン酸変性スチレン−エチレン・ブチレン・プロピレンースチレンブロック共重合体、エポキシ変性スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体、エポキシ変性スチレン−エチレン・プロピレンースチレンブロック共重合体、エポキシ変性スチレン−エチレン・ブチレン・プロピレンースチレンブロック共重合体等を挙げることができる。
製法(2):
製法(2)は、共役ジエン化合物を単独で、或いは、共役ジエン化合物および芳香族アルケニル化合物を、下記一般式(3)または一般式(4)で表される、アミノ基を有する有機アルカリ金属化合物の存在下でブロック共重合した後、得られたブロック共重合体を水素添加する方法である。この製法(2)においては、末端にアミノ基を有する特定の官能基含有水素添加ジエン系重合体が得られる。
Figure 2013245271
〔一般式(3)において、R3 およびR4 は、全体で炭素数3〜18のトリアルキルシリル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数1〜100のオルガノシロキシ基から選ばれ、R3 およびR4 の少なくとも一方が前記トリアルキルシリル基であり、R5 は炭素数1〜20のアルキレン基またはアルキリデン基を示す。〕
Figure 2013245271
〔一般式(4)において、R5 は、炭素数1〜20のアルキレン基またはアルキリデン基、R6 は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数1〜100のオルガノシロキシ基を示す。〕
上記の一般式(3)または一般式(4)で表される有機アルカリ金属化合物の具体例としては、
3−リチオ−1−[N,N−ビス(トリメチルシリル)]アミノプロパン(CAS No.289719−98−8)、2−リチオ−1−[N,N−ビス(トリメチルシリル)]アミノエタン、3−リチオ−2,2−ジメチル−1−[N,N−ビス(トリメチルシリル)]アミノプロパン、2,2,5,5−テトラメチル−1−(3−リチオプロピル)−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン、2,2,5,5−テトラメチル−1−(3−リチオ−2,2−ジメチル−プロピル)−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン、2,2,5,5−テトラメチル−1−(2−リチオエチル)−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン、3−リチオ−1−[N−(tert−ブチル−ジメチルシリル)−N−トリメチルシリル]アミノプロパン、3−リチオ−1−(N−メチル−N−トリメチルシリル)アミノプロパン及び3−リチオ−1−(N−エチル−N−トリメチルシリル)アミノプロパン等を挙げることができる。
製法(3):
製法(3)は、共役ジエン化合物を単独で、或いは、共役ジエン化合物および芳香族アルケニル化合物を、下記一般式(5)に表される、アミノ基を有する不飽和単量体と、有機アルカリ金属化合物の存在下でブロック共重合した後、得られたブロック重合体を水素添加する方法である。この製法(3)においては、アミノ基を有する特定の官能基含有水素添加ジエン系重合体が得られる。
Figure 2013245271
〔一般式(5)において、R7 およびR8 は、全体で炭素数3〜18のトリアルキルシリル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数1〜100のオルガノシロキシ基から選ばれ、R7 およびR8 の少なくとも一方が前記トリアルキルシリル基であり、R9 は単結合または炭素数1〜20のアルキレン基若しくはアルキリデン基を示し、nは1〜3の整数である。〕
上記の一般式(5)で表される不飽和単量体の具体例としては、p−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]スチレン、p−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノメチル]スチレン、p−{2−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]エチル}スチレン、m−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]スチレン、p−(N−メチル−N−トリメチルシリルアミノ)スチレン及びp−(N−メチル−N−トリメチルシリルアミノメチル)スチレン等を挙げることができる。
製法(4):
製法(4)は、共役ジエン化合物を単独で、或いは、共役ジエン化合物および芳香族アルケニル化合物を、有機アルカリ金属化合物の存在下でブロック共重合し、得られたブロック共重合体の活性点に下記一般式(6)で表されるアルコキシシラン化合物を反応させた後、その重合体を水素添加する方法である。
一般式(6) R10 4-m-n Si(OR11m 2 n
〔一般式(6)において、R10は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又または炭素数1〜100のオルガノシロキシ基を示す。R10が複数ある場合には、各々のR10は互いに同一の基であっても異なる基であってもよい。R11は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基を示す。OR11が複数あるときには、各々のR11は互いに同一の基であっても異なる基であってもよい。X2 はN原子を含む極性基を有する置換基を示す。Xが複数あるときには、各々のXは互いに同一の基であっても異なる基であってもよい。また、各々のXは独立の置換基であっても互いに環状構造を形成していてもよい。mおよびnは1〜3の整数である。但し、mとnの和は1〜4の整数である。〕
上記の一般式(6)で表されるアルコキシシラン化合物としては、例えば、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルジメチルエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルジメチルエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルジメチルメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルトリメトキシシラン、
N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルトリエトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルジメチルエトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルジメチルエトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルジメチルメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、
N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン、
N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(メチルジメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(メチルジメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(メチルジメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(メチルジメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(メチルジメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、
N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(ジメチルメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(ジメチルメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(ジメチルメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(ジメチルメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(ジメチルメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン等を挙げることができる。
製法(5):
製法(5)は、共役ジエン化合物を単独で、或いは、共役ジエン化合物および芳香族アルケニル化合物を、有機アルカリ金属化合物の存在下でブロック共重合し、得られたブロック共重合体の活性点に、エポキシ化合物、ケトン化合物または上記の一般式(3)〜一般式(6)で表される化合物を除く含窒素化合物(以下、「その他の含窒素化合物」という。)を反応させ、その重合体を水素添加する方法である。
ここで、エポキシ化合物の具体例としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。
また、ケトン化合物の具体例としては、アセトン、ベンゾフェノン等が挙げられる。
また、その他の含窒素化合物の具体例としては、下記一般式(7)で表される含窒素化合物等を挙げることができる。
一般式(7) R1213C=N−Y
〔一般式(7)において、R12およびR13は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数1〜100のオルガノシロキシ基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。Yは水素原子、炭素数3〜18のトリアルキルシリル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数1〜100のオルガノシロキシ基を示す。〕
上記の一般式(7)で表される含窒素化合物の具体例としては、N−ベンジリデンメチルアミン、N−ベンジリデンエチルアミン、N−ベンジリデンブチルアミン、N−ベンジリデンアニリン等を挙げることができる。
このような(C)成分の使用割合は、(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計100質量部中、0.01〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量部である。(C)成分の使用割合が0.01質量部以上であれば、得られる導電性樹脂組成物の溶融状態における引張伸度が維持され、ダイから吐出されるフィルムを引取り装置で引取る際に切断しやすくなることや、引取られたフィルムをロールに巻取った後に屈曲に耐えられずフィルムが割れることを防止することができる。一方、(C)成分の使用割合が20質量部以下であれば、得られる導電性樹脂組成物の溶融粘度が高くなり流動性が低下することを防止し、フィルムの成形性を維持することができる。
本発明においてオルガノシロキシ基としては、例えば、下記一般式(8)で表される構造を有するものが挙げられる。このオルガノシロキシ基の炭素数の上限値は、100であり、好ましくは50であり、更に好ましくは30である。
Figure 2013245271
式中、rは、このオルガノシロキシ基の炭素数の上限値が上記要件を充たす限り特に限定されないが、通常0または正の整数であり、好ましくは0〜5の整数である。式中、Rは、それぞれ独立に有機基を示す。有機基としては、例えば、アルキル基、アリール基、ポリエーテル基およびフッ素含有基が挙げられる。アルキル基は、直鎖、分枝鎖または環状であってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基およびシクロヘキシル基が挙げられ、メチル基およびエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。アリール基としては、フェニル基が好ましい。ポリエーテル基としては、例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基およびポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン基が挙げられる。フッ素含有基としては、例えば、置換基として1つ以上のフッ素原子を有する、アルキル基およびアルケニル基が挙げられ、ここでアルキル基およびアルケニル基は、直鎖、分枝鎖または環状であってもよい。
オルガノシロキシ基の具体例としては、1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキシ基、1,1,1,3,3−ペンタエチルジシロキシ基、1,1,1,3,3−ペンタフェニルジシロキシ基が挙げられる。
<(D)成分>
(D)成分は、導電性フィラー成分である。導電性フィラーとしては、導電性カーボンブラック、炭素繊維、金属粉末、金属酸化物粉末などを用いることができるが、導電性カーボンブラックまたは炭素繊維が好ましく、特に導電性カーボンブラックが好ましい。
導電性カーボンブラックとしては、DBP吸油量が100cm3 /100g以上のものを用いることが好ましく、より好ましくは150cm3 /100g以上である。DBP吸油量が100cm3 /100g以上の導電性カーボンブラックを用いることにより、確実に高い導電性を得ることができる。
このような導電性カーボンブラックの商品名としては、「ケッチェンブラックEC600JD」(ケッチェンブラック・インターナショナル社製)、「トーカブラック#5500」(東海カーボン社製)、「デンカブラックHS−100」(電気化学工業社製)などが挙げられる。
このような(D)成分の使用割合は、(A)成分、(B)成分および(D)成分の合計100質量部に対して10〜60質量部とされ、好ましく15〜55質量部、より好ましくは20〜50質量部である。(D)成分の使用割合が10質量部以上であれば、確実に高い導電性を得ることができる。一方、(D)成分の割合が60質量%以下であれば、得られる導電性樹脂組成物の溶融状態における引張伸度が低下され、引取る際に切断しやすくなることを防止することができ、また溶融粘度が高くなり流動性が低下することを防止し、フィルムの成形性を維持することができる。
<その他の成分>
本発明の導電性樹脂組成物においては、導電性、柔軟性およびフィルム成形加工性を損なわない範囲内において、上記の(A)成分〜(D)成分以外のその他の成分が含有されていてもよい。
このようなその他の成分としては、パラフィン系オイル、液状の低分子量ポリオレフィンなどの液状添加剤、酸化防止剤、耐候剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、光安定剤、ブリード・ブルーム防止剤、シール性改良剤、結晶核剤、難燃化剤、防菌・防かび剤、分散剤、軟化剤、着色防止剤などの各種添加剤、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、1,2−ポリブタジエン、アクリルゴム(AR)、クロロプレンゴム(CR)、ポリイソブチレン(IIR)などのその他の重合体成分、有機繊維、複合繊維、無機ウィスカ、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレーク、アスベスト、マイカ、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、カオリン、ケイソウ土、グラファイト、軽石、エポ粉、コットンフロック、コルク粉、硫酸バリウム、ボリマービーズなどの充填剤などを用いることができる。
<導電性樹脂組成物の調製方法>
本発明の導電性樹脂組成物は、上記の(A)成分〜(D)成分および必要に応じて用いられるその他の成分を溶融混練処理することによって調製することができる。
各成分の溶融混練処理を行うための混練機としては、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、一軸押出機、二軸押出機などを用いることができる。また、加圧ニーダーやバンバリーミキサーを用いる場合には、溶融混練した後、フィーダールーダー等によってペレット化することができる。
また、溶融混練処理における加熱温度は、例えば100〜350℃である。
本発明の導電性樹脂組成物によれば、機械的強度が高くフィルム用途に適した(A)成分熱可塑性ポリエステルをマトリックス樹脂として用いても、(B)成分として特定の官能基含有オレフィン系重合体が含有されていると共に、(C)成分として特定の官能基含有水素添加ジエン系重合体が含有されているため、(D)成分である導電性フィラーが高い割合で含有されていても、フィルムに成形されたときに優れた柔軟性および高い強度が得られ、しかも、優れたフィルム成形加工性が得られる。
このような効果が得られるのは、例えば以下の理由によると推測される。
熱可塑性ポリエステル樹脂は、その分子鎖の末端に活性プロトンを含むカルボキシ基およびヒドロキシ基を有するものである。そして、このような活性プロトンを有する基は、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アルコキシシリル基、ヒドロキシ基、イソシアネート基およびオキサゾリン基などの官能基と反応しやすい、或いは親和性が高いものである。また、アミノ基は、カルボキシ基と反応してアミド結合を形成しやすく、また、高温においては熱可塑性ポリエステル樹脂の分子中のエステル結合に対してエステルアミド交換反応を引き起し得るものである。従って、水素添加ジエン系重合体として上記の官能基を有するものを用いると共に、上記の官能基を有するオレフィン系重合体を含有させることにより、熱可塑性ポリエステル樹脂に対する水素添加ジエン系重合体の相溶性または親和性が高まるため、優れたフィルム成形加工性が得られるものと推測される。
[導電性樹脂フィルム]
本発明の導電性樹脂フィルムは、上記の導電性樹脂組成物よりなるものである。
本発明の導電性樹脂フィルムは、例えば上記の導電性樹脂組成物のペレットを、Tダイが設けられた押出機によって溶融した後、Tダイから吐出する溶融した導電性樹脂組成物をフィルム引取り装置によってフィルム化することによって製造することができる。
以上において、押出機の設定温度は、例えば100〜350℃である。
導電性樹脂フィルムの厚みは、特に限定されず、用途に応じて適宜設定することができるが、通常、10〜200μmである。
導電性樹脂フィルムの体積固有抵抗(電気抵抗率)は、1×103 Ω・cm以下であることが好ましく、より好ましくは1×102 Ω・cm以下、さらに好ましくは1×10Ω・cm以下である。
以下、本発明の導電性樹脂組成物および導電性樹脂フィルムの具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
また、以下の実施例および比較例において、原材料として下記のものを用いた。
[熱可塑性ポリエステル樹脂]
PBT(a1):ポリブチレンテレフタレート樹脂「ノバデュラン5026」(三菱エンジニアリングプラスチック社製,極限粘度[η]=1.26dl/g)
PBT(a2):ポリブチレンテレフタレート樹脂「ノバデュラン5050CSZ」(三菱エンジニアリングプラスチック社製,極限粘度[η]=1.5dl/g)
PBT(a3):ポリブチレンテレフタレート樹脂「ノバデュラン5008」(三菱エンジニアリングプラスチック社製,極限粘度[η]=0.85dl/g)
[特定の官能基含有オレフィン系重合体]
EGMA:エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体「ボンドファーストCG5001」(住友化学株式会社製,MFR(190℃、2.16kg荷重):380g/10min)
[特定の官能基含有水素添加ジエン系重合体]
窒素置換された内容積50Lの反応容器に、シクロヘキサン25kg、2,2,5,5−テトラメチル−1−(3−リチオプロピル)−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン14.5g、テトラヒドロフラン750g、およびスチレン500gを加え、50℃からの断熱重合を行った。反応完結後、温度を20℃として1,3−ブタジエン4250gを添加し、更に重合を行った。そして、30分間経過後、スチレン250gを添加し、更に重合を行った。重合が完結した後、水素ガスを0.4MPa−Gaugeの圧力で供給し、20分間攪拌し、リビングアニオンの活性ポリマー末端のリチウムと反応させ、水素化リチウムとした。反応溶液を90℃にし、チタノセンジクロリドを主体とする触媒を使用して水素添加反応を行った。水素の吸収が終了した時点で、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出し、次いで、反応溶液を水中に攪拌投入して溶媒をスチームストリッピングにより除去することによって、特定の官能基含有水素添加ジエン系重合体を得た。得られた特定の官能基含有水素添加ジエン系重合体の分子特性を測定したところ、赤外分光法により算出されるポリブタジエンブロック(重合体ブロックC1)のビニル結合含量は78モル%であった。また、得られた特定の官能基含有水素添加ジエン系重合体について、水素添加前の共役ジエン系重合体の結合スチレン含量を、四塩化炭素を溶媒とする 1H−NMRスペクトルより測定した結果、15%であった。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、商品名:HLC−8120、東ソー社製)を用いてポリスチレン換算の重量平均分子量を求めたところ13万であり、MFR(230℃、21.2N荷重)は22g/10分であった。また、Analy.Chem.564(1952)記載のアミン滴定法に準拠し、特定の官能基の含量を測定した結果、1分子あたり0.98個/ポリマーであった。以下、得られた特定の官能基含有水素添加ジエン系重合体を「SEBS」という。
[導電性フィラー]
カーボンブラック(d1):「トーカブラック#5500」(東海カーボン社製,DBP吸油量:155cm3 /100g)
カーボンブラック(d2):「ケッチェンブラックEC600JD」(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製,DBP吸油量:495cm3 /100g)
〈実施例1〉
[導電性樹脂組成物の調製]
(A)成分であるPBT(a1)を、150℃に設定した除湿乾燥機によって8時間乾燥処理した後、このPBT(a1)95質量部と、(B)成分であるEGMA3質量部と、(C)成分であるSEBS2質量部と、(D)成分であるカーボンブラック(d1)32質量部とを、シリンダーの温度を250℃に設定した二軸押出機によって混練処理することにより、ペレット状の導電性樹脂組成物を調製した。
[導電性樹脂フィルムの製造]
得られた導電性樹脂組成物を、80℃に設定した除湿乾燥機によって8時間乾燥処理した後、この導電性樹脂組成物を、300mm幅のコートハンガー型のTダイが設けられた、シリンダー温度が250℃に設定した30mm単軸押出機(L/D=38)によって溶融した後、Tダイから吐出する溶融した導電性樹脂組成物を、フィルム引取り装置によってニップ幅が0.05mm、引き取り速度が8m/minの条件で引き取ることにより、厚みが50μmの導電性樹脂フィルムを製造した。
[評価]
得られた導電性樹脂組成物および導電性樹脂フィルムについて、下記の評価を行った。結果を下記表1に示す。
(1)導電性樹脂組成物のフィルム成形加工性:
上記の導電性フィルムの製造において、導電性樹脂組成物のフィルム成形加工性を下記の基準で評価した。
○:安定的に厚みムラのないフィルムが得られる。
△:厚みムラの多いフィルムが得られる、もしくは引取り後にフィルムが割れる。
×:Tダイから吐出する溶融した導電性樹脂組成物の引張伸度が低く、フィルム引取り装置によって引き取ることができない。
(2)導電性樹脂フィルムの体積固有抵抗:
JIS−K7194に従い、4短針法によって体積固有抵抗を測定した。なお、測定器としては、三菱化学アナリテック社製の抵抗率計「ロレスタGP」および「ASPプローブ」を用いた。
(3)導電性樹脂フィルムの引裂強度:
JIS−K7128−3に従い、導電性樹脂フィルムの直角形引裂荷重の最大値(N)を測定し、当該最大値を導電性樹脂フィルムの厚みで除した値を引裂強度(N/mm)とした。
〈実施例2〜4および比較例1〉
(A)成分〜(D)成分の種類および使用量を下記表1に従って変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性樹脂組成物を調製すると共に、導電性樹脂フィルムを製造し、得られた導電性樹脂フィルムの評価を行った。結果を下記表1に示す。
〈比較例2〉
(A)成分〜(D)成分の種類および使用量を下記表1に従って変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性樹脂組成物を調製すると共に、導電性樹脂フィルムの製造を行ったが、Tダイから吐出する溶融した導電性樹脂組成物の引張伸度が低く、フィルム引取り装置によって引き取ることができなかった。
〈比較例3〉
(A)成分〜(D)成分の種類および使用量を下記表1に従って変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性樹脂組成物を調製すると共に、導電性樹脂フィルムの製造を行ったが、Tダイから吐出する溶融した導電性樹脂組成物の引張伸度が低く、フィルム引取り装置によって引き取ることができなかった。
Figure 2013245271
表1の結果から明らかなように、実施例1〜4に係る導電性樹脂組成物によれば、フィルムに成形されたときに優れた柔軟性および高い強度が得られ、しかも、優れたフィルム成形加工性が得られ、更に、導電性フィラーの含有割合が高いため、優れた導電性が得られることが確認された。

Claims (7)

  1. (A)フェノールとテトラクロロエタンとの同質量混合物を溶媒とし、温度30℃の条件下で測定した極限粘度[η]が0.9〜1.5dl/gである熱可塑性ポリエステル樹脂と、
    (B)カルボキシ基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシ基、イソシアネート基およびオキサゾリン基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有するオレフィン系重合体と、
    (C)カルボキシ基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシ基、イソシアネート基およびオキサゾリン基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する水素添加ジエン系重合体と、
    (D)導電性フィラーと
    を含有してなり、
    前記(A)熱可塑性ポリエステル樹脂、前記(B)オレフィン系重合体および前記(C)水素添加ジエン系重合体の合計100質量部に対して、前記(D)導電性フィラーが10〜60質量部である導電性樹脂組成物。
  2. 前記(B)オレフィン系重合体は、エポキシ基を有するオレフィン系重合体または無水マレイン酸変性オレフィン系重合体である請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
  3. 前記(C)水素添加ジエン系重合体は、
    共役ジエン化合物に由来する構造単位が50質量%を超えて含有されてなるブロックであり、当該共役ジエンに由来する構造単位中、ビニル結合含量が30〜90モル%である重合体ブロック(C1)と、他の重合体ブロック(Cx)の一つ以上とを有し、
    前記他の重合体ブロック(Cx)が、
    芳香族アルケニル化合物に由来する構造単位が50質量%を超えて含有されてなる重合体ブロック(C2)および、
    共役ジエン化合物に由来する構造単位が50質量%を超えて含有されてなり、当該共役ジエンに由来する構造単位中、ビニル結合含量が30モル%未満である重合体ブロック(C3)からなる群から選ばれる少なくとも一つである、
    ジエン系ブロック共重合体の水素添加物である請求項1または請求項2に記載の導電性樹脂組成物。
  4. 前記(A)熱可塑性ポリエステル樹脂がポリブチレンテレフタレート樹脂である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
  5. 前記(A)熱可塑性ポリエステル樹脂、前記(B)オレフィン系重合体および前記(C)水素添加ジエン系重合体の合計100質量部中、当該(A)熱可塑性ポリエステル樹脂が60〜99.8質量部、当該(B)オレフィン系重合体が0.01〜20質量部、当該(C)水素添加ジエン系重合体が0.01〜20質量部となる割合で含有されている請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
  6. 前記(D)導電性フィラーは、DBP吸油量が100cm3 /100g以上の導電性カーボンブラックである請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の導電性樹脂組成物よりなる導電性樹脂フィルム。
JP2012119144A 2012-05-25 2012-05-25 導電性樹脂組成物および導電性樹脂フィルム Active JP5880276B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012119144A JP5880276B2 (ja) 2012-05-25 2012-05-25 導電性樹脂組成物および導電性樹脂フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012119144A JP5880276B2 (ja) 2012-05-25 2012-05-25 導電性樹脂組成物および導電性樹脂フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013245271A true JP2013245271A (ja) 2013-12-09
JP5880276B2 JP5880276B2 (ja) 2016-03-08

Family

ID=49845318

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012119144A Active JP5880276B2 (ja) 2012-05-25 2012-05-25 導電性樹脂組成物および導電性樹脂フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5880276B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS535795A (en) * 1976-07-07 1978-01-19 Toray Industries Conductive composition and electric heat member
JP2008139815A (ja) * 2006-03-29 2008-06-19 Bridgestone Corp 導電性エンドレスベルト
WO2009053470A1 (en) * 2007-10-24 2009-04-30 Queen Mary And Westfield College, University Of London Conductive polymer composite
WO2010087440A1 (ja) * 2009-01-29 2010-08-05 Jsr株式会社 導電性組成物、その製造方法、及び導電性フィルム
JP2011063791A (ja) * 2009-08-19 2011-03-31 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 電磁波抑制用樹脂組成物及び成形品

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS535795A (en) * 1976-07-07 1978-01-19 Toray Industries Conductive composition and electric heat member
JP2008139815A (ja) * 2006-03-29 2008-06-19 Bridgestone Corp 導電性エンドレスベルト
WO2009053470A1 (en) * 2007-10-24 2009-04-30 Queen Mary And Westfield College, University Of London Conductive polymer composite
WO2010087440A1 (ja) * 2009-01-29 2010-08-05 Jsr株式会社 導電性組成物、その製造方法、及び導電性フィルム
JP2011063791A (ja) * 2009-08-19 2011-03-31 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 電磁波抑制用樹脂組成物及び成形品

Also Published As

Publication number Publication date
JP5880276B2 (ja) 2016-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7122594B2 (en) Modified block copolymer composition
JP5437247B2 (ja) 水添ブロック共重合体組成物及びこれを用いた成形体
JP2018028018A (ja) 変性共役ジエン系重合体組成物、トレッド用ゴム組成物、及びタイヤ
JP4721900B2 (ja) 履物用ゴム組成物
JPWO2014123163A1 (ja) 熱可塑性重合体組成物、シューズおよびアウターソール
JP4208176B2 (ja) 官能基含有ブロック共重合体及びその組成物
JP2007056145A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP4639870B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP5880276B2 (ja) 導電性樹脂組成物および導電性樹脂フィルム
JP5288858B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
US20240117178A1 (en) Resin composition and molded body
JP2006291117A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP5562004B2 (ja) 変性ブロック共重合体及びその組成物
JP4610167B2 (ja) 熱可塑性エラストマーと無機物の複合材料
JP4748965B2 (ja) オレフィン系樹脂組成物
JP4698135B2 (ja) オレフィン系樹脂組成物
JP2021042357A (ja) 樹脂組成物
JPWO2007029497A1 (ja) 熱可塑性樹脂組成物、導電性フィルムおよび導電性シート
JP5235094B2 (ja) 変性ブロック共重合体及びその組成物
JP4947652B2 (ja) 官能基含有ブロック共重合体及びその組成物
JP2009249489A (ja) 熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法
JP3872375B2 (ja) 動架橋変性ブロック共重合体組成物
JP2004204210A (ja) 熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及びその成形品
JP3895213B2 (ja) 動架橋ブロック共重合体組成物
JP4439159B2 (ja) 動架橋変性重合体組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150109

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151027

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5880276

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250