JP2013244216A - インプラント及びアバットメント体 - Google Patents

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Abstract

【課題】咬合圧を繰り返し受けてもインプラント体とアバットメント体の締結の緩みが発生しづらいインプラントを提供する。
【解決手段】インプラント5は、嵌合穴部14が形成されたインプラント体10と、嵌合穴部14に嵌合する嵌合軸部22が形成されたアバットメント20と、アバットメント20の貫通孔に挿通されると共に、インプラント体10の中心穴の連れ回り規制穴部に係合する連れ回り規制軸部33を有するクランパピン30と、クランパピン30のくびれ部に係合するスナップフィット係合部を有するロックブッシュ50と、クランパピン30の抜け止め軸部32とインプラント体10の抜け止め穴部15Aに係合してクランパピン30の移動を規制するクランパ40と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明はインプラント及びアバットメント体に関する。例えば永久歯の歯根欠損等の際に顎の骨に埋め込まれる歯科用インプラント及びアバットメント体に関する。
体内に埋め込まれるインプラントとして、特に歯科用インプラントが注目されている。
歯科用インプラントは、一般に、虫歯や破損により永久歯の歯根が失われた場合、歯槽骨に設けた穴にインプラント体を挿入して固定するものである。従来、歯科用インプラントは、歯槽骨に固定されるインプラント体と、インプラント体に螺着され人工歯冠を装着可能なアバットメント体と、で構成される。
特許文献1に記載されるように、インプラント体は、その上端面に開口する穴部を有する。この穴部には、六角形穴部とテーパー穴部が形成される。
また、インプラント体には、上記六角形穴部に挿入される六角形軸部と、上記テーパー穴部に接触するテーパー軸部が形成される。
六角形穴部及び六角形部は、回転防止機構として機能する。回転防止部は、咬合圧に対して垂直方向周りの回転を防止する。回転防止部は、インプラント体に対するアバットメントの回転を防止する。
テーパー穴部及びテーパー軸部は、咬合圧を受ける耐圧機構として機能する。耐圧機構は、回転防止部(六角形穴部及び六角形部)に隣接して形成される。
インプラント体の穴部にアバットメント体を差し込むことで、テーパー穴部にテーパー軸部が楔状に食い込む。
特開2004−113718号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
特許文献1に記載の技術では、咬合圧を繰り返し受けると、インプラント体とアバットメント体の締結に緩みが発生するという問題がある。
特許文献1に記載の技術では、耐圧機構(テーパー穴部、テーパー軸部)に咬合圧が集中するため、インプラント体のテーパー穴部の近傍等に亀裂が発生しやすい。最悪の場合には、インプラント体が割れてしまうという問題がある。
また、回転防止機構は、繰り返し咬合圧を受けると、六角形形状の頂点部分が磨耗して、徐々にガタが発生するという問題がある。
また、従来のアバットメントの材料には純チタンが多く採用されているが、黒色のチタン色が人工骨表面に映ってしまうという問題がある。また、術後に歯茎が下がった場合、アバットメントが露出してチタン色が目立ってしまい、審美性に劣るという不都合もある。
このため、審美性に優れた白色のセラミックスを用いてアバットメントを形成することが検討されている。しかし、アバットメント自体にネジを形成する従来の固定構造を採用すると、非常に高硬度なジルコニア等のセラミックスでネジ締結を行うとネジが破損してしまうおそれがある。
本発明は、咬合圧を繰り返し受けてもインプラント体とアバットメント体の締結に緩みが発生しづらいインプラント及びアバットメント体を提供することを目的とする。
また、本発明は、高い咬合圧を受けても亀裂等が発生しづらい構造を備えつつ、インプラント体に対するアバットメントの回転を長期間に亘って安定して防止することができるインプラント及びアバットメント体を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
本発明に係るインプラントは、中心穴の一部に内径が奥行き方向にかけて縮小するテーパー形の嵌合穴部を有するインプラント体と、前記嵌合穴部に嵌合するテーパー形の嵌合軸部を有するアバットメントと、前記アバットメントの軸方向に沿って形成された貫通孔に挿通されると共に、前記インプラント体の前記中心穴に形成された連れ回り規制穴部に係合して軸周りの回転が規制される連れ回り規制軸部を有するクランパピンと、前記アバットメントの前記貫通孔に形成された段差部に当接する当接面及び前記クランパピンの一部に形成された被係合部に係合するスナップフィット係合部を有するロックブッシュと、前記クランパピンと前記インプラント体の前記中心穴の間に介在し、前記クランパピンと前記アバットメントが相対移動して前記被係合部に前記スナップフィット係合部が係合するのに伴って、前記クランパピンの抜け止め軸部と前記インプラント体の抜け止め穴部に係合して、前記クランパピンと前記インプラント体の相対移動を規制するクランパと、を備えることを特徴とする。
前記クランパピンは、前記貫通孔の内部に露出する外ネジを有し、前記外ネジに前記貫通孔の開口側への力を作用させると、前記アバットメントに対して移動して前記被係合部に前記スナップフィット係合部が係合することを特徴とする。
前記ロックブッシュは、前記貫通孔の内部に露出する内ネジを有し、前記内ネジに前記貫通孔の開口側への力を作用させると、前記アバットメントに対して移動して前記被係合部と前記スナップフィット係合部の係合が解除することを特徴とする。
前記嵌合穴部及び前記嵌合軸部により耐圧機構が形成され、前記インプラント体に対する前記アバットメントの回転を防止する回転防止機構と前記耐圧機構が一体的に形成されることを特徴とする。
前記耐圧機構の長さは、前記インプラント体の全長の1/2以上の長さに形成されることを特徴とする。
前記回転防止機構は、前記嵌合穴部の内周面に前記奥行き方向に沿って形成された複数の突出部と、前記嵌合軸部の外周面に軸方向に沿って形成されて前記複数の突出部がそれぞれ差し込まれる複数の溝部と、からなることを特徴とする。
前記複数の突出部の前記奥行き方向に直交する断面形状及び前記複数の溝部の前記軸方向に直交する断面形状は、それぞれ円弧形に形成されることを特徴とする。
前記インプラント体及び前記アバットメントが、セラミックスで形成されることを特徴とする。
前記インプラント体及び前記アバットメントが、ジルコニアで形成されることを特徴とする。
前記クランパピン、前記クランパ及び前記ロックブッシュが、チタンまたはチタン合金で形成されることを特徴とする。
本発明に係るアバットメント体は、インプラント体の中心穴に嵌合するアバットメント体において、テーパー軸部を有するアバットメントと、前記アバットメントの軸方向に沿って形成された貫通孔に挿通されると共に、前記インプラント体の前記中心穴に形成された連れ回り規制穴部に係合して軸周りの回転が規制される連れ回り規制軸部を有するクランパピンと、前記アバットメントの前記貫通孔に形成された段差部に当接する当接面及び前記クランパピンの一部に形成された被係合部に係合するスナップフィット係合部を有するロックブッシュと、前記クランパピンと前記インプラント体の前記中心穴の間に介在し、前記クランパピンと前記アバットメントが相対移動して前記被係合部に前記スナップフィット係合部が係合するのに伴って、前記クランパピンの抜け止め軸部と前記インプラント体の抜け止め穴部に係合して、前記クランパピンと前記インプラント体の相対移動を規制するクランパと、を備えることを特徴とする。
外径が軸方向にかけて縮小すると共に、外周面に前記軸に沿う複数の溝部が形成されたテーパー軸部を有することを特徴とする。
本発明によれば、咬合圧を繰り返し受けてもインプラント体とアバットメント体の締結に緩みが発生しづらいインプラント及びアバットメント体を実現できる。
また、本発明によれば、高い咬合圧を受けても亀裂等が発生しづらい構造を備えつつ、インプラント体に対するアバットメントの回転を長期間に亘って安定して防止することができるインプラント及びアバットメント体を実現できる。
インプラントの歯科分野における使用例の説明図である。 第一実施形態に係るインプラントの分解斜視図である。 インプラントの側面図である。 インプラントの縦断面図である。 インプラントの横断面図である。 インプラント体を示す図である。 アバットメント体を示す図である。 アバットメントを示す図である。 クランパピンを示す図である。 クランパを示す図である。 ロックブッシュを示す図である。 外側ブッシュを示す図である。 内側ブッシュを示す図である。 スナップフィット作動工具を示す図である。 スナップフィット結合機構の作動前と作動後を示す図である。 スナップフィット解除工具を示す図である。 第二実施形態に係るインプラントの分解斜視図である。 アバットメント体を示す図である。 ロックブッシュを示す図である。 外側ブッシュを示す図である。 内側ブッシュを示す図である。 リング部材を示す図である。 スナップフィット結合機構の作動前と作動後を示す図である。
〔第一実施形態〕
以下、本発明の第一実施形態につき図面を参照して説明する。なお、下記説明において示す各種寸法等は一例である。
図1は、インプラント5の歯科分野における使用例の説明図である。
インプラント5は、歯槽骨2に固定されるインプラント体10と、インプラント体10に対して着脱可能なアバットメント体8と、を備えている。アバットメント体8には、人工歯冠6が装着される。
インプラント体10の外周面には、雄ネジ12が形成される。雄ネジ12を歯槽骨2に形成した穴に螺合することで、インプラント体10が歯槽骨2に固定される。
アバットメント体8の外周面には接着剤等を用いて人工歯冠6が装着される。インプラント体10とアバットメント体8との当接部Sは、歯茎4または歯槽骨2によって覆われることになる。
当接部Sの当接面は精度良く仕上げられて、当接面が相互に密着して異物の侵入を防止する。
図2は、本実施形態のインプラント5の分解斜視図である。
図3は、インプラント5の側面図である。
図4は、インプラント5の縦断面図である(図3のF4−F4断面)。
図5は、インプラント5の横断面図である。(a)は図3のF5a−F5a断面、(b)は図3のF5b−F5b断面、(c)は図3のF5c−F5c断面、(d)は図3のF5d−F5d断面である。
図6は、アバットメント体8を示す図である。
上述したように、インプラント5は、インプラント体10とアバットメント体8を備える。
アバットメント体8は、アバットメント20、クランパピン30、クランパ40及びロックブッシュ50を組み立てたものである。
アバットメント20は、人工歯冠6が装着される軸形部材である。クランパピン30は、アバットメント20の貫通孔24に挿通すると共に、インプラント体10に係合する軸形部材である。クランパ40は、クランパピン30に嵌め合わされるリング形部材である。ロックブッシュ50は、アバットメント20の貫通孔24に挿入されると共に、クランパピン30に螺合するリング形部材である。
以下の説明では、クランパピン30の中心軸をZ軸(Z方向、軸方向)とする。インプラント体10側を+Z側(+Z方向、奥行き方向)とする。アバットメント20側を−Z側(−Z方向)とする。
図7は、インプラント体10を示す図である。(a)は上面図、(b)は側面及び縦断面を示す図(図7(a)のF7b−Fb断面)、(c)は下面図である。
インプラント体10は、ジルコニア等のセラミックス材料で形成された円柱状(軸形)の部材である。インプラント体10は、フィクスチャーとも呼ばれる。インプラント体10の外周面には、雄ネジ12が形成される。
インプラント体10の−Z側端面の中心には、中心穴13が開口する。
中心穴13は、テーパー穴部14、逆テーパー穴部15及び係合穴部16が奥行き方向(+Z側)に向かって連続して形成されたものである。
テーパー穴部14は、−Z側端面から+Z側に向かって内径が徐々に縮小(縮径)する。逆テーパー穴部15は、+Z側に向かって内径が徐々に拡大(拡径)する部位(逆テーパー部15B)などを有する。係合穴部16は、平行かつ対向する二つの内側面からなる平行二面16Aを有する。
テーパー穴部14のテーパー角は、例えば4°である。テーパー穴部14の長さ(深さ)は、インプラント体10の全長(例えば10mm)の1/3以上の長さ(例えば4〜5mm)に形成される。好ましくは、テーパー穴部14の長さは、インプラント体10の全長(例えば12mm)の3/5程度の長さ(例えば8mm)に形成される。
テーパー穴部14の内周側面には、Z方向に沿う複数の突起17(突出部)が形成される。複数の突起17(突出部)は、中心穴13の周方向において、等間隔(等角度)に配置される。本実施形態では、突起17は5本である。
突起17のZ軸に直交する断面の形状は、蒲鉾形である。つまり、断面の形状は、頂部側が円弧形に膨らむ。
逆テーパー穴部15は、−Z側から+Z側に向かって、小径部15A、逆テーパー部15B及び大径部15Cが連続して形成されたものである。
小径部(抜け止め穴部)15Aの内径は、テーパー穴部14の最小内径よりも小さい。
逆テーパー部15Bは、+Z側に向かって内径が徐々に拡大(拡径)する。逆テーパー部15Bのテーパー角は、例えば10°である。逆テーパー穴部15Bの長さ(深さ)は、例えば0.25mmである。
大径部15Cの内径は、小径部15Aの内径よりも大きい。大径部15Cの長さ(深さ)は、例えば1.0mmである。
したがって、逆テーパー穴部15の小径部15Aは、中心穴13の内周側に突出する部位となる。
係合穴部16は、対向する二つの円弧形内周側面と、平行かつ対向する二つの内側面(平行二面16A)とからなる。係合穴部16の長さ(深さ)は、例えば0.7mmである。二つの平行二面(連れ回り規制穴部)16Aの幅(二面幅)は、約0.8mmである。
図8は、アバットメント20を示す図である。(a)は側面図、(b)は縦断面図(図8(a)のF8b−F8b断面)、(c)は下面図である。
アバットメント20は、本体部21とテーパー軸部22とからなる。
本体部21は、人工歯冠6が装着される部位である。テーパー軸部22は、本体部21の一端側(+Z側)から延設してインプラント体10の中心穴13に内挿される部位である。
アバットメント20は、審美性に優れた白色のセラミックス材料により一体的に形成される。セラミックス材料として、例えばジルコニアが採用される。
テーパー軸部22のテーパー角は、例えば4°である。つまり、インプラント体10の中心穴13のテーパー穴部14の角度と同一である。
テーパー軸部22の長さは、テーパー穴部14と同一又は長く形成される。テーパー軸部22の長さは、例えば、8.1mmである。
テーパー軸部22の外周側面には、Z方向に沿って、複数の溝部23が形成される。複数の溝部23は、テーパー軸部22の周方向において、等間隔(等角度)に配置される。本実施形態では、溝部23は5本である。つまり、テーパー穴部14の内周側面に形成される突起17と同数である。
また、溝部23のZ軸に直交する断面の形状は蒲鉾形である。断面の形状は、頂部側が円弧形に膨らむ。つまり、テーパー穴部14の内周側面に形成される突起17と同一形状である。
インプラント体10の中心穴13にアバットメント20を挿入すると、アバットメント20のテーパー軸部22がインプラント体10の中心穴13のテーパー穴部14に嵌合する。この際、テーパー軸部22に形成された5本の突起17は、テーパー穴部14の5本の溝部23に差し込まれて密着する。
アバットメント20の中心には、Z方向に貫通する貫通孔24が形成される。
貫通孔24のうち、本体部21に対応する部位(本体部側貫通孔24A)は、内径が約2.5mmに形成される。本体部側貫通孔24Aには、ロックブッシュ50が挿入される。
また、貫通孔24のうち、テーパー軸部22に対応する部位(テーパー軸部側貫通孔24B)は、内径が約1mmに形成される。テーパー軸部側貫通孔24Bには、クランパピン30の本体部31がほぼ隙間なく挿通される。
本体部側貫通孔24Aとテーパー軸部側貫通孔24Bの境には、Z方向に垂直な段差面25が形成される。
図9は、クランパピン30を示す図である。(a)は側面図、(b)は下面図、(c)は一部拡大図(図9(a)のF9cの拡大図)である。
クランパピン30は、チタンまたはチタン合金により形成された細長い軸形部材である。クランパピン30の本体部31の直径は、約1mmである。
クランパピン30の一端側(+Z側)には、テーパー部32及び係合軸部33が設けられる。
テーパー部(抜け止め軸部)32は、+Z側に向けて外径が徐々に拡大(拡径)する部位である。テーパー部32の角度は、約40°である。テーパー部32は、インプラント体10の中心穴13に形成された逆テーパー穴部15に収容される。
係合軸部33は、円柱軸に平行かつ背向する二つ外側面(平行二面33A)を形成した部位である。平行二面(連れ回り規制軸部)33Aの幅(二面幅)は、約0.8mmである。係合軸部33は、中心穴13の最深部に形成された係合穴部16に嵌め込まれる。
クランパピン30の他端側(−Z側)には、M1サイズの右ネジである外ネジ34が設けられる。外ネジ34のネジ寸法などは、本体部31の直径等に応じて、適宜変更可能である。
クランパピン30の長さは、インプラント5を組み立てた際に、外ネジ34がアバットメント20の貫通孔24の本体部側貫通孔24Aに露出する(位置する)ような長さである。
クランパピン30の本体部31と外ネジ34の接続部分には、本体部31及び外ネジ34の直径(外径)よりも細いくびれ部35が設けられる。
くびれ部(被係合部)35は、+Z側から−Z側に向けて直径が徐々に細くなり、外ネジ34の手前(+Z側)で最も直径が細くなってから急激に外ネジ34と同一の直径に戻る形状に形成される。したがって、外ネジ34の手前には、くびれ部35による段差35Aが形成される。
なお、くびれ部35には、ロックブッシュ50(爪部54A)が嵌まり込んで、いわゆるスナップフィット結合機構80として機能する。
図10は、クランパ40を示す図である。(a)は側面図、(b)は下面図、(c)は縦断面図(図10(a)のF10c−F10c断面)である。
クランパ40は、チタンまたはチタン合金により形成されたリング形部材である。クランパ40の外径は、インプラント体10の中心穴13の逆テーパー穴部15の最小内径(小径部15Aの内径)より僅かに小径である。クランパ40の外径は、例えば約1.4mmである。
クランパ40の内径は、約1mmである。クランパ40は、クランパピン30に外嵌して用いられる。クランパ40は、クランパピン30のテーパー部32に引っ掛かる位置に配置される。クランパ40は、インプラント5を組み立てた際に、インプラント体10の中心穴13の逆テーパー穴部15に収容される。
なお、クランパ40の外径を逆テーパー穴部15の最小内径より僅かに大径として、逆テーパー穴部15にこじ入れてもよい。
クランパ40は、一端側(+Z側)に、8本の櫛歯41が形成される。櫛歯41は、クランパ40がクランパピン30のテーパー部32の乗り上がった際に、外周側に向けて弾性変形して広がる部位である。
クランパ40の櫛歯41は、いわゆるコレットチャックと同様な動作をする。クランパ40の櫛歯41が外周側に向けて広がると、クランパ40の最大外径は、テーパー穴部14の最小内径(小径部15B)よりも大径になる。したがって、クランパ40は、逆テーパー穴部15の小径部15Bに引っ掛かる(介在する)。このため、クランパ40が外嵌されたクランパピン30は、−Z側への移動が規制される。
図11は、ロックブッシュ50を示す図である。(a)は上面図、(b)は縦断面図(図11(a)のF11b−F11b断面)、(c)は側面図である。
図12は、外側ブッシュ51を示す図である。(a)は上面図、(b)は縦断面図(図12(a)のF12b−F12b断面)、(c)は側面図である。
図13は、内側ブッシュ53を示す図である。(a)は上面図、(b)は縦断面図(図13(a)のF13b−F13b断面)、(c)は側面図である。
ロックブッシュ50は、リング形(円筒形)の部材である。ロックブッシュ50は、リング形の外側ブッシュ51の内周側に、リング形の内側ブッシュ53を嵌め合わせたものである。
外側ブッシュ51及び内側ブッシュ53は、チタンまたはチタン合金により形成される。
外側ブッシュ51は、一方の端部に円環形の底部51Bが設けられた円筒形部材である。
外側ブッシュ51の外径は、アバットメント20の貫通孔24の本体部側貫通孔24Aの内径よりもやや細く形成される。例えば、約2.4mmに形成される。
底部51Bには、中心穴52が形成される。この中心穴52には、クランパピン30が挿通される。
内側ブッシュ53は、外側ブッシュ51よりも短い円筒形部材である。
内側ブッシュ53の一端側(+Z側)には、4本の櫛歯54が設けられる。櫛歯54の先端には、内周側に突出する断面円弧形の爪部54Aが形成される。櫛歯54は、外周側に弾性変形可能な部位である。櫛歯54の弾性変形に伴って、爪部54Aは外周側に移動する。
内側ブッシュ53の他端側(−Z側)の内周面には、内ネジ55が設けられる。
内側ブッシュ53の内径は、内ネジ55の領域では、クランパピン30の直径(外径)よりも大きい。内側ブッシュ53の内径は、櫛歯54(爪部54A)の領域では、クランパピン30の直径(外径)よりも小さい。
内側ブッシュ53の外径は、外側ブッシュ51の内径よりもやや大きく形成される。したがって、内側ブッシュ53は、外側ブッシュ51の内周側に対して圧入される(締まり嵌め)。
また、内側ブッシュ53の長さは、外側ブッシュ51の他端(−Z側)から底部51Bまでの長さ(深さ)よりもやや短い。したがって、外側ブッシュ51の内周側に内側ブッシュ53を嵌め合わせて、両者の他端(−Z側)を一致させると、内側ブッシュ53の櫛歯54は、外側ブッシュ51の底部51Bに当接することなく、隙間を隔てて配置される。また、内側ブッシュ53の櫛歯54と、外側ブッシュ51の内周面51Tとの間には、隙間が設けられる。
ロックブッシュ50は、アバットメント20の貫通孔24(本体部側貫通孔24A)に挿入される。ロックブッシュ50は、+Z側の端面(底部51B)がアバットメント20の貫通孔24の段差面25に当接する位置に配置される。ロックブッシュ50の外周面50Sと本体部側貫通孔24Aの間には、殆ど隙間はない(隙間嵌め)。
ロックブッシュ50(内側ブッシュ53)の内周側には、本体部側貫通孔24Aに露出するクランパピン30が挿通される。
ロックブッシュ50(内側ブッシュ53)に対して、クランパピン30の外ネジ34が+Z側から−Z側に向けて挿入される。この際、クランパピン30の外ネジ34の外径は、内側ブッシュ53の櫛歯54(爪部54A)の領域の内径よりも大きいので、爪部54Aが外ネジ34に乗り上げて、櫛歯54が外周側に弾性変形する。さらにクランパピン30が−Z側に向けて挿入されると、爪部54Aがクランパピン30のくびれ部35に嵌まり込んで、櫛歯54の弾性変形が開放される(復元する)。
これにより、爪部54Aがくびれ部35の段差35Aに引っ掛かるため、クランパピン30を反対方向(+Z側)に戻せなくなる。
このように、ロックブッシュ50(内側ブッシュ53)の櫛歯54(爪部54A)とクランパピン30のくびれ部35(段差35A)は、いわゆるスナップフィット結合機構80(snap-fit)として機能する。
スナップフィット結合機構80とは、ボルト等の締結部材や接着剤等を用いることなく、金属材料(櫛歯54)の弾性を利用して二つの部材(くびれ部35、爪部54A)を嵌め込んで結合(固定)するものである。
スナップフィット結合機構80は、爪部54Aが段差35Aに当接するので、クランパピン30の+Z側への移動を規制する。爪部54Aが段差35Aに当接する(引っ掛かる)ため、櫛歯54を再び弾性変形させて爪部54Aを外周側に移動させなければ、クランパピン30を+Z側に移動させることはできない。
インプラント5の組み立ては、以下の手順に従って行われる(インプラント治療の二回法)。
まず、予めインプラント体10を患者の歯槽骨2に埋入した後、歯茎4を縫い合わせる。個人差があるが、歯槽骨2とインプラント体10を3〜6ヶ月程度かけて骨密着させる。
インプラント体10とは別に、アバットメント20側を組み立てる(図6参照)。アバットメント20、クランパピン30、クランパ40及びロックブッシュ50により、アバットメント体8を組み立てる。なお、アバットメント体8は、組み立てた形態で販売(譲渡)され、流通する。
まず、ロックブッシュ50を組み立てる。ロックブッシュ50は、外側ブッシュ51の内周側に内側ブッシュ53を圧入する。この際、外側ブッシュ51と内側ブッシュ53のそれぞれの他端(−Z側)を一致させる。
次に、クランパ40をクランパピン30に外嵌する。そして、クランパピン30をアバットメント20の貫通孔24の+Z側から挿入して、クランパピン30の他端側(−Z側)を本体部側貫通孔24Aに配置する(露出させる)。クランパピン30に外嵌したクランパ40がアバットメント20のZ側の端面に当接する位置まで、クランパピン30を貫通孔24(テーパー軸部側貫通孔24B)に挿入する。
また、アバットメント20の貫通孔24にロックブッシュ50を挿入する。ロックブッシュ50の+Z側の端面(底部51B)がアバットメント20の貫通孔24の段差面25に当接するまで、ロックブッシュ50を貫通孔24(本体部側貫通孔24A)に挿入する。
これにより、ロックブッシュ50の爪部54Aがクランパピン30の外ネジ34に乗り上げて、櫛歯54が外周側に弾性変形する。爪部54Aは、クランパピン30のくびれ部35(段差35A)よりも−Z側の位置に配置される(停止する)。つまり、この段階では、爪部54Aがくびれ部35に嵌まり込まない位置で停止するので、スナップフィット結合機構80は未作動状態である。
このように、スナップフィット結合機構80が未作動状態のままで、アバットメント体8の組み立てが完了する。櫛歯54の弾性力により爪部54Aがクランパピン30の外ネジ34を押圧するので、アバットメント体8が自然に分解することはない(仮固定状態)。
そして、患者の歯槽骨2に埋入したインプラント体10の中心穴13にアバットメント体8を挿入する。これにより、アバットメント20のテーパー軸部22は、インプラント体10の中心穴13のテーパー穴部14に楔状に嵌め込まれる。
また、クランパピン30の一端側(−Z側)の係合軸部33がインプラント体10の中心穴13の最底部(+Z側)の係合穴部16に差し込まれる。つまり、クランパピン30の係合軸部33の平行二面33Aとインプラント体10の係合穴部16の平行二面16Aが密着(嵌合)する。
次に、スナップフィット作動工具201を用いて、インプラント体10に対してアバットメント体8を強固に固定する。
図14は、スナップフィット作動工具201を示す図である。(a)は側面図、(b)はスナップフィット作動工具201の使用方法を示す図である。
図15は、スナップフィット結合機構80の作動前と作動後を示す図である。(a)はスナップフィット結合機構80の作動前(解除後)を示す図、(b)は作動後(解除前)を示す図である。
まず、図14に示すように、スナップフィット作動工具201の軸部203をアバットメント20の貫通孔24(本体部側貫通孔24A)から挿入し、さらにロックブッシュ50の内周側に挿入する。
そして、スナップフィット作動工具201のハンドル202を回転させて、軸部203の先端面に形成したタップ穴(内ネジ204)をクランパピン30の外ネジ34に螺合する。軸部203に設けた+Z側を向く段差面203Aがロックブッシュ50の−Z側の端面に当接するまで、スナップフィット作動工具201の内ネジ204をクランパピン30の外ネジ34に対して螺合する。
ハンドル202をさらに回転させると、クランパピン30がアバットメント20及びロックブッシュ50に対して−Z側に移動し始める。スナップフィット作動工具201はロックブッシュ50を介してアバットメント20に当接して+Z側に移動できない一方で、スナップフィット作動工具201の内ネジ204に対してクランパピン30の外ネジ34がさらに深く螺合するためである。
この際、クランパピン30の係合軸部33がインプラント体10の係合穴部16に差し込まれて、係合軸部33の平行二面33Aと係合穴部16の平行二面16Aが密着(嵌合)している。このため、クランパピン30の回転が規制されて、ロックブッシュ50と共に連れ回ることがない。したがって、クランパピン30は、−Z方向に移動する。
そして、図15に示すように、クランパピン30が−Z側に移動し始めると、クランパピン30に外嵌したクランパ40の内周側にクランパピン30のテーパー部32が差し込まれる(クランパ40がテーパー部32に乗り上がる)。これにより、クランパ40の+Z側の8本の櫛歯41が外周側に向けて弾性変形して広がる。したがって、クランパ40がインプラント体10の中心穴13の小径部15Aに引っ掛かり、クランパ40及びクランパピン30の−Z側への移動が規制される。
また、クランパピン30が−Z側に移動し始めると、ロックブッシュ50(内側ブッシュ53)の爪部54Aがクランパピン30の段差35Aを越えてくびれ部35に嵌まり込む。つまり、スナップフィット結合機構80が作動する。スナップフィット結合機構80が作動すると、爪部54Aが段差35Aに当接する(引っ掛かる)ので、クランパピン30の+Z側への移動も規制される。
このように、スナップフィット作動工具201を用いて、クランパピン30をアバットメント20を−Z方向に移動させる。これにより、クランパ40が作用してクランパピン30の−Z側への移動が規制される。このため、アバットメント20がインプラント体10に向けて更に移動して、アバットメント20のテーパー軸部22がインプラント体10の中心穴13のテーパー穴部14に更に楔状に食い込む。
また、スナップフィット結合機構80が作動して、クランパピン30の+Z側への移動も規制される。したがって、アバットメント体8がインプラント体10に対して強固に固定される。
このようにして、インプラント5がガタツキなく強靭に組み立てられる。
その後に、インプラント5のアバットメント20の−Z側の外周面に接着剤等を用いて人工歯冠6を装着する。
これにより、インプラント5の組み立てが完了する。
なお、スナップフィット解除工具211を用いて、インプラント体10とアバットメント体8の締結を解除することができる。
図16は、スナップフィット解除工具211を示す図である。(a)は側面図、(b)はスナップフィット解除工具211の使用方法を示す図である。
まず、図16に示すように、アバットメント20に人工歯冠6が装着されていない状態において、スナップフィット解除工具211の軸部213をアバットメント20の貫通孔24(本体部側貫通孔24A)から挿入する。
そして、スナップフィット解除工具211のハンドル212を回転させて、軸部213の先端に形成した外ネジ214をロックブッシュ50(内側ブッシュ53)の内ネジ55に螺合する。軸部213の先端面に設けた逃げ穴213Bの底面にクランパピン30の端面が当接するまで、スナップフィット解除工具211の外ネジ214をロックブッシュ50の内ネジ55に螺合する。
ハンドル212をさらに回転させると、ロックブッシュ50がアバットメント20及びクランパピン30に対して−Z側に移動し始める。スナップフィット解除工具211はクランパピン30に当接して+Z側に移動できない一方で、スナップフィット解除工具211の外ネジ214に対してロックブッシュ50の内ネジ55がさらに深く螺合するためである。
この際、ロックブッシュ50の外周面50Sと本体部側貫通孔24Aの間には殆ど隙間はないため、ロックブッシュ50の回転が規制されて、スナップフィット解除工具211と共に連れ回ることがない。したがって、ロックブッシュ50は、−Z方向に移動する。
そして、ロックブッシュ50が−Z側に移動し始めると、ロックブッシュ50(内側ブッシュ53)の爪部54Aがクランパピン30の段差35Aを乗り越える。つまり、爪部54Aがくびれ部35から外ネジ34に乗り上げて、櫛歯54が外周側に弾性変形する。
こうして、スナップフィット結合機構80が解除される(図15(a)参照)。
このように、スナップフィット解除工具211を用いて、ロックブッシュ50を−Z方向に移動させる。これにより、スナップフィット結合機構80が解除されて、クランパピン30の+Z側への移動が可能となる。したがって、アバットメント体8のインプラント体10に対する締結が解除される。
インプラント5では、アバットメント20に作用する外力(咬合圧F)を繰り返し受けたとしても、インプラント体10とアバットメント20の締結に緩みは殆ど発生しない。
インプラント体10とアバットメント20の締結の緩みは、ネジ締結の緩みが原因となりうる。しかし、インプラント5では、ネジ締結は用いらていない。インプラント5では、インプラント体10とアバットメント20の締結は、逆テーパー穴部15(小径部15A)、クランパ40及びテーパー部32による固定と、スナップフィット結合機構80による固定が用いられる。
特に、くびれ部35(段差35A)及び櫛歯54(爪部54A)によるスナップフィット結合機構80は、組立が容易であると共に、固定が確実である。
また、インプラント5では、テーパー軸部22とテーパー穴部14を嵌合する(差し込む)ことで、アバットメント20に作用する外力(咬合圧F)を受け止める耐圧機構60として機能させている(図1参照)。
特に、耐圧機構60は、テーパー軸部22とテーパー穴部14のZ方向の長さが従来よりも十分に長いので、咬合圧Fを受け止める面積が大きくなり、高い耐圧性能を備える。したがって、アバットメント20に対して、Z軸方向に対して交差する方向から咬合圧Fを受ける場合(インプラント5を前歯に使用する場合)においても、咬合圧Fを確実に受け止めるので、アバットメント20やインプラント体10に亀裂が発生したり、欠けたりすることがない。
また、アバットメント20をインプラント体10の中心穴13に挿入する際に、インプラント体10の中心穴13のテーパー穴部14の内周側面に形成された5本の突起17が、アバットメント20のテーパー軸部22の外周側面に形成された5本の溝部23に差し込まれる。
このように、テーパー穴部14の内周側面の突起17とテーパー軸部22の外周側面の溝部23が噛合うので、インプラント体10に対するアバットメント20の回転が規制される。つまり、テーパー穴部14の突起17とテーパー軸部22の溝部23が回転防止機構70として機能する。
言い換えれば、インプラント5では、咬合圧Fを受け止める耐圧機構60(テーパー軸部22とテーパー穴部14)と回転防止機構70(突起17と溝部23)を一体的に形成しているので、従来よりも咬合圧Fを受け止める耐圧機構60を長く(深く)形成することができる。具体的には、耐圧機構60(テーパー軸部22とテーパー穴部14)の長さを、インプラント体10の全長の1/2以上の長さにする。
したがって、インプラント5は、アバットメント20やインプラント体10に亀裂や欠けが発生することなく、強い咬合圧Fを確実に受け止めることができる。
〔第二実施形態〕
以下、本発明の第二実施形態につき図面を参照して説明する。なお、第二実施形態と同一の部材等には、同一の符号を付して、その説明を省略又は簡略にする。
図17は、第二実施形態に係るインプラント105の分解斜視図である。
図18は、アバットメント体108を示す図である。
図19は、ロックブッシュ150を示す図である。(a)は上面図、(b)は縦断面図(図19(a)のF19b−F19b断面)である。
図20は、外側ブッシュ151を示す図である。(a)は上面図、(b)は縦断面図(図20(a)のF20b−F20b断面)である。
図21は、内側ブッシュ153を示す図である。(a)は上面図、(b)は縦断面図(図21(a)のF21b−F21b断面)である。
図22は、リング部材157を示す図である。(a)は上面図、(b)は縦断面図(図22(a)のF22b−F22b断面)である。
インプラント105は、インプラント体10とアバットメント体108を備える。アバットメント体108は、アバットメント20、クランパピン30、クランパ40及びロックブッシュ150を組み立てたものである。
インプラント105(アバットメント体108)は、インプラント5(アバットメント体8)と比べると、ロックブッシュ50に代えてロックブッシュ150を用いている点が異なっている。
ロックブッシュ150は、リング形(円筒形)の部材である。ロックブッシュ150は、リング形の外側ブッシュ151の内周側に、リング形の内側ブッシュ153を嵌め合わせ、さらに外側ブッシュ151と内側ブッシュ153の間にリング部材157を配置したものである。
外側ブッシュ151、内側ブッシュ153及びリング部材157は、チタンまたはチタン合金により形成される。
外側ブッシュ151は、一方の端部に円環形の底部151Bが設けられた円筒形部材である。
外側ブッシュ151の外径は、アバットメント20の貫通孔24の本体部側貫通孔24Aの内径よりもやや細く形成される。例えば、約2.4mmに形成される。
底部151Bには、中心穴152が形成される。この中心穴152には、クランパピン30が挿通される。
外側ブッシュ151の内周側には、段差面151Cが形成される。
内側ブッシュ153は、一方の端部に円環形の底部153Bが設けられた、外側ブッシュ151よりも短い円筒形部材である。
底部153Bには、中心穴154が形成される。この中心穴154には、クランパピン30が挿通される。
内側ブッシュ53の外径は、外側ブッシュ51の内径よりもやや大きく形成される。したがって、内側ブッシュ53は、外側ブッシュ51の内周側に対して圧入される(締まり嵌め)。
内側ブッシュ153の他端側(−Z側)の内周面には、内ネジ156が設けられる。
内側ブッシュ153の他端側(−Z側)には、フランジ155が設けられる。
外側ブッシュ151の内周側に内側ブッシュ153を嵌め合わせると、内側ブッシュ153のフランジ155が外側ブッシュ151の他端に当接すると同時に、底部153Bが段差面151Cに当接する。
リング部材157は、外側ブッシュ151の底部151Bと内側ブッシュ153の底部153Bの間に配置される、C字形の部材である。
リング部材157の外径は、外側ブッシュ151の内径よりも小さい。このため、リング部材157と外側ブッシュ151の内周面151Tとの間には、隙間が設けられる。リング部材157の内径は、クランパピン30の直径(外径)よりも小さい。
リング部材157には、切れ目158が設けられるため、弾性変形可能である。リング部材157の内周部157Aは、リング部材157自体の弾性変形に伴って、内周部157Aは外周側に移動する。
ロックブッシュ150は、アバットメント20の貫通孔24(本体部側貫通孔24A)に挿入される。ロックブッシュ150は、+Z側の端面(底部51B)がアバットメント20の貫通孔24の段差面25に当接する位置に配置される。ロックブッシュ50の外周面50Sと本体部側貫通孔24Aの間には、殆ど隙間はない(隙間嵌め)。
ロックブッシュ150(リング部材157)の内周側には、本体部側貫通孔24Aに露出するクランパピン30が挿通される。
ロックブッシュ150(リング部材157)に対して、クランパピン30の外ネジ34が+Z側から−Z側に向けて挿入される。この際、クランパピン30の外ネジ34の外径は、リング部材157の内径よりも大きいので、内周部157Aが外ネジ34に乗り上げて、リング部材157が外周側に弾性変形する。さらにクランパピン30が−Z側に向けて挿入されると、内周部157Aがクランパピン30のくびれ部35に嵌まり込んで、リング部材157の弾性変形が開放される(復元する)。
これにより、内周部157Aがくびれ部35の段差35Aに引っ掛かるため、クランパピン30を反対方向(+Z側)に戻せなくなる。
このように、ロックブッシュ150(リング部材157)の内周部157Aとクランパピン30のくびれ部35(段差35A)は、いわゆるスナップフィット結合機構180(snap-fit)として機能する。
スナップフィット結合機構180とは、ボルト等の締結部材や接着剤等を用いることなく、金属材料(リング部材157)の弾性を利用して二つの部材(くびれ部35、内周部157A)を嵌め込んで結合(固定)するものである。
スナップフィット結合機構180は、内周部157Aが段差35Aに当接するので、クランパピン30の+Z側への移動を規制する。内周部157Aが段差35Aに当接する(引っ掛かる)ため、リング部材157を再び弾性変形させて内周部157Aを外周側に移動させなければ、クランパピン30を+Z側に移動させることはできない。
このように、ロックブッシュ150は、弾性変形してクランパピン30のくびれ部35に嵌まり込む部位(リング部材157)が内側ブッシュ153とは別体に形成される。
もっとも、ロックブッシュ150は、内側ブッシュ53と櫛歯54が一体的に形成されたロックブッシュ50と同様に動作して、機能する。
図23は、スナップフィット結合機構180の作動前と作動後を示す図である。(a)はスナップフィット結合機構180の作動前(解除後)を示す図、(b)は作動後(解除前)を示す図である。
スナップフィット結合機構180の作動及び解除の方法は、スナップフィット結合機構80と同一である。すなわち、スナップフィット作動工具201を用いることにより、スナップフィット結合機構180を作動させることができる。また、スナップフィット解除工具211を用いることにより、スナップフィット結合機構180を解除することができる。
インプラント105は、インプラント5と同様の効果を奏する。インプラント105は、アバットメント20に作用する外力(咬合圧F)を繰り返し受けたとしても、インプラント体10とアバットメント20の締結に緩みは殆ど発生しない。
インプラント105では、インプラント体10とアバットメント20の締結は、逆テーパー穴部15(小径部15A)、クランパ40及びテーパー部32による固定と、スナップフィット結合機構180による固定が用いられる。
特に、くびれ部35(段差35A)及びリング部材157(内周部157A)によるスナップフィット結合機構180は、組立が容易であると共に、固定が確実である。
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な材料や層構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、実施形態では、インプラント体10、アバットメント20を構成する生体適合性セラミックス材料としてジルコニア(酸化ジルコニウム)を採用したが、アルミナ(酸化アルミニウム)や酸化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化シリコーン、酸化マグネシウム、酸化セリウム等を採用してもよい。
なお、インプラント体10、アバットメント20は、チタンやチタン合金等の金属材料で形成してもよい。
また、実施形態では、クランパ40を構成する金属材料として生体親和性に優れたチタンを採用したが、チタン合金を採用してもよい。チタン合金として、例えばチタンとアルミニウムとの合金を採用することができる。クランパ40を形状記憶合金で形成してもよい。また、クランパ40を、樹脂(ゴム)などの弾性体材料で形成してもよい。
また、クランパの櫛歯41の本数は8本の場合に限らない。櫛歯41の本数は、少なくとも2本以上であればよい。
インプラント体10の係合穴部16とクランパピン30の係合軸部33にそれぞれ平行二面16A,33Aを形成して嵌合させる場合について説明したが、これに限らない。平行二面16A,33Aに代えて、多角形穴部と多角形軸部にしてもよい。
ロックブッシュ50,150を複数の部材を組み合わせて構成する場合について説明したが、これに限らない。ロックブッシュ50,150は、単一の部材であってもよい。また、ロックブッシュ50,150は、他の部材等を組み合わせて構成する場合であってもよい。
また、本発明のインプラント5は、歯科治療に用いる場合に限らない。インプラント5を使用した骨折治療方法や、インプラント5を人工関節に使用してもよい。
5…インプラント、 8…アバットメント体、 10…インプラント体、 13…中心穴、 14…テーパー穴部(嵌合穴部)、 15A…小径部(抜け止め穴部)、 15B…逆テーパー部、 16…係合穴部(連れ回り規制穴部)、 16A…平行二面、 17…突起(突出部)、 20…アバットメント、 22…テーパー軸部(嵌合軸部)、 23…溝部、 24…貫通孔、 25…段差面(段差部)、 30…クランパピン、 32…テーパー部(抜け止め軸部)、 33…係合軸部(連れ回り規制軸部)、 33A…平行二面、 34…外ネジ、 35…くびれ部(被係合部)、 35A…段差、 40…クランパ、 50…ロックブッシュ、 51…外側ブッシュ、 51B…底部(当接面)、 53…内側ブッシュ、 54…櫛歯、 54A…爪部(スナップフィット係合部)、 55…内ネジ、 60…耐圧機構、 70…回転防止機構、 80…スナップフィット結合機構、 105…インプラント、 108…アバットメント体、 150…ロックブッシュ、 151…外側ブッシュ、 151B…底部(当接面)、 153…内側ブッシュ、 156…内ネジ、 157…リング部材、 157A…内周部、 180…スナップフィット結合機構、 201…スナップフィット作動工具、 211…スナップフィット解除工具、 F…咬合圧

Claims (12)

  1. 中心穴の一部に内径が奥行き方向にかけて縮小するテーパー形の嵌合穴部を有するインプラント体と、
    前記嵌合穴部に嵌合するテーパー形の嵌合軸部を有するアバットメントと、
    前記アバットメントの軸方向に沿って形成された貫通孔に挿通されると共に、前記インプラント体の前記中心穴に形成された連れ回り規制穴部に係合して軸周りの回転が規制される連れ回り規制軸部を有するクランパピンと、
    前記アバットメントの前記貫通孔に形成された段差部に当接する当接面及び前記クランパピンの一部に形成された被係合部に係合するスナップフィット係合部を有するロックブッシュと、
    前記クランパピンと前記インプラント体の前記中心穴の間に介在し、前記クランパピンと前記アバットメントが相対移動して前記被係合部に前記スナップフィット係合部が係合するのに伴って、前記クランパピンの抜け止め軸部と前記インプラント体の抜け止め穴部に係合して、前記クランパピンと前記インプラント体の相対移動を規制するクランパと、
    を備えることを特徴とするインプラント。
  2. 前記クランパピンは、前記貫通孔の内部に露出する外ネジを有し、
    前記外ネジに前記貫通孔の開口側への力を作用させると、前記アバットメントに対して移動して前記被係合部に前記スナップフィット係合部が係合することを特徴とする請求項1に記載のインプラント。
  3. 前記ロックブッシュは、前記貫通孔の内部に露出する内ネジを有し、
    前記内ネジに前記貫通孔の開口側への力を作用させると、前記アバットメントに対して移動して前記被係合部と前記スナップフィット係合部の係合が解除することを特徴とする請求項1又は2に記載のインプラント。
  4. 前記嵌合穴部及び前記嵌合軸部により耐圧機構が形成され、
    前記インプラント体に対する前記アバットメントの回転を防止する回転防止機構と前記耐圧機構が一体的に形成されることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載のインプラント。
  5. 前記耐圧機構の長さは、前記インプラント体の全長の1/2以上の長さに形成されることを特徴とする請求項4に記載のインプラント。
  6. 前記回転防止機構は、
    前記嵌合穴部の内周面に前記奥行き方向に沿って形成された複数の突出部と、
    前記嵌合軸部の外周面に軸方向に沿って形成されて前記複数の突出部がそれぞれ差し込まれる複数の溝部と、
    から形成されることを特徴とする請求項4又は5に記載のインプラント。
  7. 前記複数の突出部の前記奥行き方向に直交する断面形状及び前記複数の溝部の前記軸方向に直交する断面形状は、それぞれ円弧形に形成されることを特徴とする請求項6に記載のインプラント。
  8. 前記インプラント体及び前記アバットメントが、セラミックスで形成されることを特徴とする請求項1から7のうちいずれか一項に記載のインプラント。
  9. 前記インプラント体及び前記アバットメントが、ジルコニアで形成されることを特徴とする請求項8に記載のインプラント。
  10. 前記クランパピン、前記クランパ及び前記ロックブッシュが、チタンまたはチタン合金で形成されることを特徴とする請求項1から9のうちいずれか一項に記載のインプラント。
  11. インプラント体の中心穴に嵌合するアバットメント体において、
    テーパー軸部を有するアバットメントと、
    前記アバットメントの軸方向に沿って形成された貫通孔に挿通されると共に、前記インプラント体の前記中心穴に形成された連れ回り規制穴部に係合して軸周りの回転が規制される連れ回り規制軸部を有するクランパピンと、
    前記アバットメントの前記貫通孔に形成された段差部に当接する当接面及び前記クランパピンの一部に形成された被係合部に係合するスナップフィット係合部を有するロックブッシュと、
    前記クランパピンと前記インプラント体の前記中心穴の間に介在し、前記クランパピンと前記アバットメントが相対移動して前記被係合部に前記スナップフィット係合部が係合するのに伴って、前記クランパピンの抜け止め軸部と前記インプラント体の抜け止め穴部に係合して、前記クランパピンと前記インプラント体の相対移動を規制するクランパと、
    を備えることを特徴とするアバットメント体。
  12. 外径が軸方向にかけて縮小すると共に、外周面に前記軸に沿う複数の溝部が形成されたテーパー軸部を有することを特徴とする請求項11に記載のアバットメント体。
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