JPWO2017002223A1 - インプラント、フィクスチャー、アバットメント - Google Patents

インプラント、フィクスチャー、アバットメント Download PDF

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Abstract

インプラント(5)は、骨(2)に固定されるセラミックス製のインプラント体(10)と、インプラント体(10)に形成された被接触部(14)に接触する接触部(22)を有するセラミックス製の接続体(20)と、被接触部(14)と接触部(22)の間に配置されて、被接触部(14)と接触部(22)から発生した磨耗粉を封止する封止体(9)と、を備える。封止体は、骨(2)に触れない領域に配置される。封止体(9)は、被接触部(14)と接触部(22)の両方又はいずれか一方に、固着される。

Description

本発明は、インプラント、フィクスチャー、アバットメント、基端側骨コンポーネント、先端側骨コンポーネントに関する。例えば顎の骨に埋め込まれる歯科用インプラントや、股関節等に埋め込まれる人工関節インプラントに関する。
体内に埋め込まれるインプラントが注目されている。
例えば歯科用インプラントは、虫歯や破損により永久歯の歯根が失われた場合に、歯槽骨に設けた穴に挿入して固定するものである。この歯科用インプラントは、歯槽骨に固定されるフィクスチャー(人工歯根)と、フィクスチャーに螺着されるアバットメント(支台)とで構成される。アバットメントには、インプラントクラウン(人工歯冠)が装着される。
歯科用インプラント(フィクスチャー、アバットメント)は、チタンやチタン合金等の金属の他、アルミナやジルコニア等のセラミックスにより形成される。
特許文献1に記載されるように、フィクスチャーは、先端面に開口する穴部を有する。この穴部には、テーパー穴部が形成される。アバットメントには、上記テーパー穴部に挿入されるテーパー軸部が形成される。テーパー穴部及びテーパー軸部は、咬合圧を受け止める耐圧部となる。
フィクスチャーの穴部にアバットメントを差し込むことにより、テーパー穴部にテーパー軸部が楔状に入り込む。これにより、フィクスチャーとアバットメントが嵌合する。
特開2004−113718号公報
セラミックス製の歯科用インプラントでは、耐圧部(テーパー穴部、テーパー軸部)に亀裂が発生しやすいという問題がある。
テーパー穴部とテーパー軸部は、密着(接触)して、咬合圧を繰り返し受ける。フィクスチャーやアバットメントがセラミックス製の場合には、耐圧部から微細な磨耗粉が発生する。そして、この磨耗粉が耐圧部に溜まると、テーパー穴部とテーパー軸部の接触が阻害されて、耐圧部の一部に応力集中が起こる。
セラミックスは、脆性材料であるため、金属のように塑性変形しない。このため、耐圧部の一部に応力集中が起こると、耐圧部に亀裂が発生する。最悪の場合には、亀裂が進行して、フィクスチャーやアバットメントが破損してしまう。
人工関節インプラント(基端側骨コンポーネント、先端側骨コンポーネント)も、アルミナやジルコニア等のセラミックスにより形成される場合がある。
基端側骨コンポーネントや先端側骨コンポーネントがセラミックス製の場合には、基端側骨コンポーネントに対して先端側骨コンポーネントが摺接することにより磨耗粉が発生する。このため、歯科用インプラントと同様に、基端側骨コンポーネントや先端側骨コンポーネントに亀裂が発生して、破損してしまう。また、人工関節インプラントから磨耗粉が放出され続けると、人体に悪影響を与えるおそれがある。
本発明の目的は、セラミックスを用いた歯科用インプラントや人工関節等において、長期間に亘って亀裂発生や破損を防止できるインプラント、フィクスチャー、アバットメント、基端側骨コンポーネント、先端側骨コンポーネントを提供することである。
本発明に係るインプラントの第一実施態様は、骨に固定されるセラミックス製のインプラント体と、前記インプラント体に形成された被接触部に対して接触する接触部を有するセラミックス製の接続体と、前記被接触部と前記接触部の間に配置されて、前記被接触部と前記接触部から発生した磨耗粉を封止する封止体と、
を備えることを特徴とする。
本発明に係るインプラントの第二実施態様は、第一実施態様において、前記封止体は、前記磨耗粉の発生を防止することを特徴とする。
本発明に係るインプラントの第三実施態様は、第一または第二実施態様において、前記封止体は、前記骨に触れない領域に配置されることを特徴とする。
本発明に係るインプラントの第四実施態様は、第一から第三実施態様のいずれかにおいて、前記封止体は、前記被接触部と前記接触部の両方又はいずれか一方に、固着されることを特徴とする。
本発明に係るインプラントの第五実施態様は、第四実施態様において、耐放射線性と耐熱性を有することを特徴とする。
本発明に係るインプラントの第六実施態様は、第一から第五実施態様のいずれかにおいて、前記封止体は、パラキシリレンの重合体からなることを特徴とする。
本発明に係るインプラントの第七実施態様は、第一から第六実施態様のいずれかにおいて、前記封止体は、厚みが0.1μm以上、50μm以下であることを特徴とする。
本発明に係るインプラントの第八実施態様は、第一から第七実施態様のいずれかにおいて、前記インプラント体は、歯槽骨に埋め込まれるフィクスチャーであり、前記接続体は、前記フィクスチャーに嵌合するアバットメントであることを特徴とする。
本発明に係るインプラントの第九実施態様は、第八実施態様において、前記被接触部は、奥行方向に向かって縮径するテーパー穴部であり、前記接触部は、基端側に向かって縮径するテーパー軸部であり、前記テーパー穴部と前記テーパー軸部が前記封止体を介して嵌合することを特徴とする。
本発明に係るインプラントの第十実施態様は、第一から第七実施態様のいずれかにおいて、前記インプラント体は、関節の基端側の骨に固定される基端側骨コンポーネントであり、前記接続体は、前記関節の先端側の骨に固定されて、前記基端側骨コンポーネントに対して摺接する先端側骨コンポーネントであることを特徴とする。
本発明に係るインプラントの第十一実施態様は、第十実施態様において、前記被接触部は、球形または円弧形に窪むカップであり、前記接触部は、球形または円弧形に突出するヘッドであり、前記カップと前記ヘッドが前記封止体を介して摺接する
本発明に係るインプラントの第十二実施態様は、第十一実施態様において、前記関節は、股関節、肩関節または足首であることを特徴とする。
本発明に係るインプラントの第十三実施態様は、第十実施態様において、前記被接触部は、球形または円弧形に突出するヘッドであり、前記接触部は、球形または円弧形に窪むカップであり、前記ヘッドと前記カップが前記封止体を介して摺接することを特徴とする。
本発明に係るインプラントの第十四実施態様は、第十三実施態様において、前記関節は、膝関節、肩関節または肘関節であることを特徴とする。
本発明に係るフィクスチャーの第一実施態様は、歯槽骨に固定されるセラミックス製のフィクスチャーであって、金属製のアバットメントに形成された嵌合部が嵌合する被嵌合部を有し、前記被嵌合部から発生した磨耗粉を封止する封止体が前記被嵌合部に配置されることを特徴とする。
本発明に係るフィクスチャーの第二実施態様は、歯槽骨に固定される金属製のフィクスチャーであって、セラミックス製のアバットメントに形成された嵌合部が嵌合する被嵌合部を有し、前記嵌合部から発生した磨耗粉を封止する封止体が前記被嵌合部に配置されることを特徴とする。
本発明に係るアバットメントの第一実施態様は、歯槽骨に固定される金属製のフィクスチャーに嵌合するセラミックス製のアバットメントであって、前記フィクスチャーに形成された被嵌合部に嵌合する嵌合部を有し、前記嵌合部から発生した磨耗粉を封止する封止体が前記嵌合部に配置されることを特徴とする。
本発明に係るアバットメントの第二実施態様は、歯槽骨に固定されるセラミックス製のフィクスチャーに嵌合する金属製のアバットメントであって、前記フィクスチャーに形成された被嵌合部に嵌合する嵌合部を有し、前記被嵌合部から発生した磨耗粉を封止する封止体が前記嵌合部に配置されることを特徴とする。
本発明に係る基端側骨コンポーネントの第一実施態様は、関節の基端側の骨に固定されるセラミックス製の基端側骨コンポーネントであって、前記関節の先端側の骨に固定される金属製の先端側骨コンポーネントに形成された摺接部が摺接する被摺接部を有し、前記被摺接部から発生した磨耗粉を封止する封止体が前記被摺接部に配置されることを特徴とする。
本発明に係る基端側骨コンポーネントの第二実施態様は、関節の基端側の骨に固定される金属製の基端側骨コンポーネントであって、前記関節の先端側の骨に固定されるセラミックス製の先端側骨コンポーネントに形成された摺接部が摺接する被摺接部を有し、前記摺接部から発生した磨耗粉を封止する封止体が前記被摺接部に配置されることを特徴とする。
本発明に係る先端側骨コンポーネントの第一実施態様は、関節の先端側の骨に固定されるセラミックス製の先端側骨コンポーネントであって、前記関節の基端側の骨に固定される金属製の基端側骨コンポーネントに形成された被摺接部に摺接する摺接部を有し、前記摺接部から発生した磨耗粉を封止する封止体が前記摺接部に配置されることを特徴とする。
本発明に係る先端側骨コンポーネントの第二実施態様は、関節の先端側の骨に固定される金属製の先端側骨コンポーネントであって、前記関節の基端側の骨に固定されるセラミックス製の基端側骨コンポーネントに形成された被摺接部に摺接する摺接部を有し、前記被摺接部から発生した磨耗粉を封止する封止体が前記摺接部に配置されることを特徴とする。
本発明に係るインプラント、フィクスチャー、アバットメント、基端側骨コンポーネント、先端側骨コンポーネントは、セラミックスの磨耗粉を封止する。これにより、長期間に亘ってセラミックスにおける亀裂発生や破損を防止できる
本発明の実施形態に係る歯科用インプラント5を示す図である。 歯科用インプラント5の分解斜視図である。 歯科用インプラント5の側面図である。 歯科用インプラント5を示す図であって、(a)上面図、(b)縦断面図(IV−IV断面)である。 歯科用インプラント5の横断面図であって、(a)Va−Va断面、(b)Vb−Vb断面、(c)Vc−Vc断面、(d)Vd−Vd断面、(e)Ve−Ve断面、(f)Vf−Vf断面である。 フィクスチャー10を示す縦断面図である。 アバットメントユニット8を示す図であって、(a)上面図、(b)側面及び縦断面図(VIIb−VIIb断面)、(c)下面図である。 アバットメント20を示す図であって、(a)側面図、(b)縦断面図(VIIIb−VIIIb断面)、(c)下面図である。 クランパピン30を示す図であって、(a)側面図、(b)下面図である。 クランパ40を示す図であって、(a)側面図、(b)下面図、(c)縦断面図(Xc−Xc断面)である。 ロックナット50を示す図であって、(a)上面図、(b)縦断面図(XIb−XIb断面)である。 歯科用インプラント5の疲労試験(比較試験)の結果を示す図である。 歯科用インプラント5の疲労試験(耐久試験)の結果を示す図である。 本発明の実施形態に係る人工股関節インプラント105を示す図である。 本発明の実施形態に係る人工膝関節インプラント115を示す図である。 本発明の実施形態に係る人工肩関節インプラント125を示す図である。 本発明の実施形態に係る反転型人工肩関節インプラント135を示す図である。 本発明の実施形態に係る人工肘関節インプラント145を示す図である。 本発明の実施形態に係る人工足首インプラント155を示す図である。
本発明の実施形態につき図面を参照して説明する。下記説明において示す各種寸法等は一例である。
〔歯科用インプラント5〕
図1は、本発明の実施形態に係る歯科用インプラント5を示す図である。
歯科用インプラント(インプラント)5は、歯槽骨(骨)2に固定されるフィクスチャー10と、フィクスチャー10に嵌合するアバットメントユニット8と、を備えている。アバットメントユニット8には、インプラントクラウン6が装着される。
インプラントクラウン6よりも基端側は、歯茎4に覆われる。
歯科用インプラント5の長手方向をZ方向、軸方向または縦と言う。Z方向のうち、フィクスチャー10側を+Z方向、+Z側、基端側または奥行方向と言う。+Z方向の端部を基端と呼ぶ。
Z方向のうち、インプラントクラウン6側を−Z方向、−Z側または先端側と言う。−Z方向の端部を先端と呼ぶ。Z方向に直行する方向を横と呼ぶ。
+Z方向から見たときを下面図、−Z方向から見たときを上面図とする。
フィクスチャー10の外周面には、雄ネジ12が形成される。フィクスチャー10は、雄ネジ12を歯槽骨2に形成した穴に螺合することにより、歯槽骨2に固定される。アバットメントユニット8の先端側(−Z方向)の外周面には、インプラントクラウン6が接着剤等を用いて装着される。
図2は、本実施形態の歯科用インプラント5の分解斜視図である。
図3は、歯科用インプラント5の側面図である。
図4は、歯科用インプラント5を示す図であって、(a)上面図、(b)縦断面図(IV−IV断面)である。
図5は、歯科用インプラント5の横断面図であって、(a)Va−Va断面、(b)Vb−Vb断面、(c)Vc−Vc断面、(d)Vd−Vd断面、(e)Ve−Ve断面、(f)Vf−Vf断面である。
図6は、アバットメントユニット8を示す縦断面図である。
歯科用インプラント5は、フィクスチャー10とアバットメントユニット8を備える。アバットメントユニット8は、アバットメント20、クランパピン30、クランパ40及びロックナット50を組み立てたものである。
また、歯科用インプラント5は、フィクスチャー10とアバットメントユニット8(アバットメント20)の間に配置される封止膜9を備える。
〔フィクスチャー10〕
図7は、フィクスチャー10を示す図であって、(a)上面図、(b)側面及び縦断面図(VIIb−VIIb断面)、(c)下面図である。
フィクスチャー10は、円柱形の部材であり、ジルコニア等のセラミックス材料により形成される。
フィクスチャー(インプラント体)10の外周面には、雄ネジ12が設けられる。
フィクスチャー10の−Z側の端面の中心には、中心穴13が開口する。中心穴13には、奥行き方向(+Z方向)に向かって、テーパー穴部14、逆テーパー穴部15及び係合穴部16が連続して形成される。
テーパー穴部(被接触部、被嵌合部)14は、+Z方向に向かうにしたがって内径が徐々に縮小(縮径)する。逆テーパー穴部15は、+Z方向に向かうにしたがって内径が徐々に拡大(拡径)する。係合穴部16には、平行かつ対向する二つの内側面からなる平行二面16Aが形成される。
テーパー穴部14のテーパー角は、例えば4°である。テーパー穴部14の長さ(深さ)は、フィクスチャー10の全長(例えば10mm)の1/3以上の長さ(例えば4〜5mm)に形成される。好ましくは、テーパー穴部14の長さは、フィクスチャー10の全長(例えば12mm)の3/5程度の長さ(例えば8mm)に形成される。
テーパー穴部14の内周側面には、Z方向に沿う複数の突起17が形成される。複数の突起17は、中心穴13の周方向において、等間隔(等角度)に配置される。突起17は5本である。突起17の横断面の形状は、半円弧形に膨らむ形状である。
逆テーパー穴部15には、+Z方向に向かって、小径部15A、逆テーパー部15B及び大径部15Cが連続して形成される。小径部15Aの内径は、テーパー穴部14の最小内径よりも小さい。
逆テーパー部15Bは、+Z方向に向かうにしたがって内径が徐々に拡大(拡径)する。逆テーパー部15Bのテーパー角は、例えば10°である。逆テーパー部15Bの長さ(深さ)は、例えば0.25mmである。
大径部15Cの内径は、小径部15Aの内径よりも大きい。大径部15Cの長さ(深さ)は、例えば1.0mmである。
したがって、逆テーパー穴部15の小径部15Aは、中心穴13の内周側に突出する。
係合穴部16は、対向する二つの円弧形の内周側面と、平行かつ対向する二つの内側面(平行二面16A)とからなる。係合穴部16の長さ(深さ)は、例えば0.8mmである。二つの平行二面16Aの幅(二面幅)は、約0.7mmである。
〔アバットメント20〕
図8は、アバットメント20を示す図であって、(a)側面図、(b)縦断面図(VIIIb−VIIIb断面)、(c)下面図である。
アバットメント(接続体)20は、軸形部材であり、審美性に優れた白色のセラミックス材料により形成される。セラミックス材料には、例えばジルコニアが用いられる。アバットメント20は、基端側がフィクスチャー10の中心穴13に嵌め込まれ、先端側にはインプラントクラウン6が装着される。
アバットメント20は、本体部21とテーパー軸部22とからなる。
本体部21には、インプラントクラウン6が装着される。テーパー軸部22は、本体部21の基端側(+Z側)から延設して、フィクスチャー10の中心穴13に内挿される。
テーパー軸部(接触部、嵌合部)22のテーパー角は、例えば4°である。つまり、フィクスチャー10の中心穴13のテーパー穴部14の角度と同一である。
テーパー軸部22の長さは、テーパー穴部14と同一又は長く形成される。テーパー軸部22の長さは、例えば、8.1mmである。
テーパー軸部22の外周側面には、Z方向に沿って、複数の溝部23が形成される。複数の溝部23は、テーパー軸部22の周方向において、等間隔(等角度)に配置される。溝部23は5本である。つまり、テーパー穴部14の内周側面に形成される突起17と同数である。
溝部23の横断面の形状は、半円弧形に窪む形状である。つまり、テーパー穴部14の内周側面に形成される突起17とは逆の形状である。
フィクスチャー10の中心穴13にアバットメント20のテーパー軸部22を挿入すると、テーパー軸部22が中心穴13のテーパー穴部14に嵌合する。
テーパー穴部14にテーパー軸部22を密着(接触)させることで、アバットメントユニット8(アバットメント20)に作用する外力(咬合圧F)を受け止めることができる。つまり、テーパー穴部14とテーパー軸部22は、耐圧部60として機能する(図5(c),(d)参照)。
テーパー軸部22がテーパー穴部14に嵌合すると同時に、5本の溝部23が5本の突起17に差し込まれて密着する。
5本の突起17と5本の溝部23が噛合うので、フィクスチャー10に対するアバットメント20の回転が抑止できる。つまり、突起17と溝部23は、回転防止部70として機能する(図5(c),(d)参照)。
アバットメント20の中心には、Z方向に貫通する貫通孔24が形成される。
貫通孔24のうち、本体部21に対応する部位(本体部側貫通孔24A)は、内径が約2.5mmに形成される。本体部側貫通孔24Aには、ロックナット50が挿入される。
貫通孔24のうち、テーパー軸部22に対応する部位(テーパー軸部側貫通孔24B)は、内径が約1mmに形成される。テーパー軸部側貫通孔24Bには、クランパピン30の本体部31がほぼ隙間なく挿通される。
本体部側貫通孔24Aとテーパー軸部側貫通孔24Bの境には、−Z方向を向く段差面25が形成される。
〔封止膜9〕
封止膜(封止体)9は、アバットメント20のテーパー軸部22に配置(固着)される。封止膜9は、静止状態において、せん断応力が発生する固体である。すなわち、封止膜9は、流動体や液状体の様に移動可能する物体とは異なる。具体的には、封止膜9は、コーキング剤や接着剤等とは異なる物体である。
封止膜9は、例えば樹脂膜である。封止膜9は、例えばパラキシリレンの重合体からなる。パラキシリレンの重合体は、無色透明である。
パラキシリレンの重合体には、例えば、第三化成株式会社のdiX(登録商標)や日本パリレン合同会社のパリレン(登録商標)を用いることができる。
パラキシリレンの重合体は、人体に対して安全であり、耐摩耗、耐薬品、絶縁性、防湿性が高い樹脂である。このため、パラキシリレンの重合体は、歯科用インプラント5に配置する材料として好適である。
封止膜9は、アバットメント20のテーパー軸部22にコーティングされる。封止膜9は、化学蒸着法(CVD)によりコーティング(成膜)される。封止膜9は、テーパー軸部22のほぼ全体(全域)に亘ってコーティングされる(図8参照)。封止膜9は、テーパー軸部22に形成された5本の溝部23にもコーティングされる。つまり、封止膜9は、アバットメント20の表面のうち、フィクスチャー10が接触する領域に配置される。
封止膜9は、ほぼ均一の膜厚にコーティングされる。封止膜9の膜厚(厚み)は、0.1μm〜50μmである。好ましくは、1μm〜20μmである。
封止膜9は、アバットメント20を滅菌(殺菌)処理する前にコーティングされ、その後に加熱処理される。つまり、封止膜9が配置されたアバットメント20は、γ線滅菌処理され、その後に100〜300℃の温度で加熱処理される。ジルコニアで形成されたアバットメント20は、γ線滅菌処理を施すと濃茶色化する。その後に加熱処理を施して、アバットメント20は白色化して審美性を向上させる(WO2015/025656,JP2015039422A1参照)。
このため、封止膜9は、γ線照射と加熱により変質しない性質(耐放射線性、耐熱性)が求められる。パラキシリレンの重合体は、耐放射線性と耐熱性を有するので、封止膜9として好適である。
封止膜9は、歯槽骨2に触れる部位にはコーティングされない。封止膜9が歯槽骨2に触れると、歯科用インプラント5との骨結合(osseointegration)が阻害されるおそれがあるからである。アバットメント20は、歯槽骨2に触れないので、アバットメント20の全面に封止膜9をコーティングしてもよい。
封止膜9は、テーパー軸部22の表面に存在する凹凸に入り込む。特に、封止膜9がパラキシリレンの重合体からなるので、封止膜9が微細な凸凹のある表面に対して、均一な膜厚でピンホールもなくコーティングされる。封止膜9は、液状コーティングでは入り込むことが困難な、微細な凸凹にもコーティングされる。
〔クランパピン30〕
図9は、クランパピン30を示す図であって、(a)側面図、(b)下面図である。
クランパピン30は、細長い軸形部材であり、チタンまたはチタン合金により形成される。クランパピン30は、アバットメント20の貫通孔24に挿通される。また、クランパピン30は、フィクスチャー10に係合する。クランパピン30の本体部31の直径は、約1mmである。クランパピン30の基端側(+Z側)には、テーパー部32及び係合軸部33が設けられる。
テーパー部32は、+Z方向に向かうにしたがって外径が徐々に拡大(拡径)する。テーパー部32の角度は、約40°である。テーパー部32は、フィクスチャー10の中心穴13に形成された逆テーパー穴部15に収容される。
係合軸部33には、円柱軸に平行かつ背向する二つ外側面(平行二面33A)が形成される。平行二面33Aの幅(二面幅)は、約0.8mmである。係合軸部33は、中心穴13の最深部に形成された係合穴部16に嵌め込まれる。
クランパピン30の先端側(−Z側)には、M1サイズの右ネジである雄ネジ34が設けられる。雄ネジ34のネジ寸法等は、本体部31の直径等に応じて、適宜変更可能である。クランパピン30は、歯科用インプラント5を組み立てたときに、雄ネジ34がアバットメント20の貫通孔24の本体部側貫通孔24Aに露出(位置)する長さに形成される。
〔クランパ40〕
図10は、クランパ40を示す図であって、(a)側面図、(b)下面図、(c)縦断面図(Xc−Xc断面)である。
クランパ40は、リング形の部材であり、チタンまたはチタン合金により形成される。クランパ40は、クランパピン30に嵌め合わされる。
クランパ40の外径は、フィクスチャー10の中心穴13の逆テーパー穴部15の最小内径(小径部15Aの内径)より僅かに小径である。クランパ40の外径は、例えば約1.4mmである。
クランパ40の内径は、約1mmである。クランパ40は、クランパピン30に外嵌して用いられる。クランパ40は、クランパピン30のテーパー部32に引っ掛かる位置に配置される。クランパ40は、歯科用インプラント5を組み立てたときに、フィクスチャー10の中心穴13の逆テーパー穴部15に収容される。クランパ40の外径を逆テーパー穴部15の最小内径よりも僅かに大径に形成して、逆テーパー穴部15に押し入れてもよい。
クランパ40の基端側(+Z側)には、8本の櫛歯41が形成される。櫛歯41は、クランパ40がクランパピン30のテーパー部32の乗り上がったときに、外周側に向けて弾性変形して広がる。
クランパ40の櫛歯41は、いわゆるコレットチャックと同様な動作をする。クランパ40の櫛歯41が外周側に向けて広がると、クランパ40の最大外径は、テーパー穴部14の最小内径(小径部15Aの内径)よりも大径になる。このため、クランパ40は、逆テーパー穴部15の小径部15Aに引っ掛かる。したがって、クランパ40が外嵌されたクランパピン30は、−Z方向への移動が抑止される。
〔ロックナット50〕
図11は、ロックナット50を示す図であって、(a)上面図、(b)縦断面図(XIb−XIb断面)である。
ロックナット50は、リング形(円筒形)部材であり、チタンまたはチタン合金により形成される。ロックナット50は、アバットメント20の貫通孔24に挿入されて、クランパピン30に螺合する。
ロックナット50の内周面には、M1サイズの右ネジである雌ネジ52が設けられる。雌ネジ52のネジ寸法等は、雄ネジ34に対応して適宜変更可能である。
ロックナット50の基端側(+Z側)の端面50Aは、アバットメント20の貫通孔24の段差面25に当接(係合)しつつ、中心軸回りに回転可能に形成される。
ロックナット50の先端側(−Z側)の端面50Bには、マイナスドライバ(不図示)が挿入される直線溝53が設けられる。つまり、マイナスドライバをこの直線溝53に係合して回転させると、ロックナット50が回転する。
ロックナット50は、アバットメント20の貫通孔24(本体部側貫通孔24A)に挿入される。ロックナット50の外周面50Sと本体部側貫通孔24Aとの間には、僅かな隙間が設けられる。ロックナット50の雌ネジ52は、本体部側貫通孔24Aに露出するクランパピン30の雄ネジ34に螺合する。
このため、歯科用インプラント5を組み立てた状態で、ロックナット50を右回転させると、ロックナット50の端面50Aがアバットメント20の貫通孔24の段差面25に当接しつ摺動する。これと同時に、雌ネジ52に螺合するクランパピン30がアバットメント20に対して−Z方向に移動する。
〔歯科用インプラント5の組み立て〕
歯科用インプラント5の組み立ては、WO2012/070606A1に記載された組み立てと同一であるため、その説明を省略する。
(JP2012110601A1(JP5688757B2),US2013224689A1(US8740615B2),EP2644151A1,CN103118624A1参照)
〔検証試験〕
図12は、歯科用インプラント5の疲労試験の結果を示す図である(比較試験)。
図13は、歯科用インプラント5の疲労試験の結果を示す図である(耐久試験)。
図12、図13のグラフにおいて、縦軸は繰り返し荷重の振幅(mm)、横軸は繰り返し荷重の回数(cycle)を示す。
封止膜9の効果を検証するため、2つの歯科用インプラント5A,5Bに対して繰り返し荷重を加える疲労試験を行った。歯科用インプラント5A,5Bは、封止膜9の有無以外は、同一構成である。
歯科用インプラント5Aは、上述した歯科用インプラント5と同一であって、テーパー穴部14とテーパー軸部22の間に封止膜9を備える。
歯科用インプラント5Bは、上述した歯科用インプラント5とは異なって、テーパー穴部14とテーパー軸部22の間に封止膜9を備えない。
2つの歯科用インプラント5A,5Bに対して、ISO14801規格に準拠した疲労試験機を用いて疲労試験を行った。具体的には、歯科用インプラント5A,5Bに対して、200Nの荷重を2Hzのサイクルで繰り返し加えた。
(ISO 14801:2007 Dentistry - Implants - Dynamic fatigue test for endosseous dental implants)
フィクスチャー10とアバットメント20は、脆性材料であるジルコニアによりそれぞれ形成されている。このため、テーパー穴部14とテーパー軸部22が衝突し合うと、磨耗粉が発生する。この磨耗粉は、テーパー穴部14とテーパー軸部22の間に形成される僅かな隙間に沿って、重力に従って落下(移動)する。このため、磨耗粉が耐圧部60や回転防止部70の一部に堆積する。
磨耗粉が耐圧部60や回転防止部70の一部に堆積すると、耐圧部60や回転防止部70に掛かる外力が不均一になる。このようにして、磨耗粉は、耐圧部60や回転防止部70に応力集中を引き起こす。
そして、ジルコニア等のセラミックスに応力集中が起こると、材料内の欠陥を起点にして亀裂が発生する。最悪の場合には、亀裂が進行して破折に至る。
歯科用インプラント5Bでは、封止膜9を備えていないので、テーパー穴部14やテーパー軸部22から磨耗粉が発生した。磨耗粉は、耐圧部60や回転防止部70の一部に堆積して、応力集中を引き起こした、亀裂を発生させた。
よって、図12に示すように、歯科用インプラント5Bは、7173回の繰り返し荷重を受けて破折した。
一方、歯科用インプラント5Aは、封止膜9を備える。封止膜9は、テーパー穴部14とテーパー軸部22の間に介在する。特に、封止膜9がパラキシリレンの重合体からなるので、封止膜9は、テーパー穴部14とテーパー軸部22の表面の微細な凸凹に対して、均一な膜厚でピンホールもなくコーティングされる。封止膜9は、液状コーティングでは入り込むことが困難な、微細な凸凹にもコーティングされる。
このため、歯科用インプラント5Aでは、テーパー穴部14やテーパー軸部22から磨耗粉が発生したときに、封止膜9が磨耗粉を内部に封じ込める(封止する)。つまり、封止膜9は、テーパー穴部14とテーパー軸部22の間に形成される僅かな隙間に沿って、磨耗粉が重力に従って落下(移動)することを阻止する。
封止膜9の膜厚は、ジルコニアの磨耗粉の粒径よりも厚い。このため、封止膜9は、磨耗粉を確実に封じ込める(封止する)ことができる。
また、封止膜9は、テーパー穴部14とテーパー軸部22を均一に接触させるので、磨耗粉の発生を防止する。このため、耐圧部60や回転防止部70に磨耗粉が堆積することを長期間に亘って回避できた。したがって、歯科用インプラント5Aでは、耐圧部60や回転防止部70に応力集中が起きず、テーパー穴部14やテーパー軸部22に亀裂は発生しなかった。
よって、図12に示すように、歯科用インプラント5Aは、200万回の繰り返し荷重を受けても破損しなかった。
歯科用インプラント5Aの疲労試験を継続した(耐久試験)。
図13に示すように、歯科用インプラント5Aは、2000万回の繰り返し荷重を受けても破損しなかった。2000万回の繰り返し荷重は、100年間の人の咬合回数に相当する。したがって、歯科用インプラント5(5A)は、歯槽骨2に装着された後に、人(装着者)が生きている間に破損する可能性は殆どない。
〔歯科用インプラント5の作用効果〕
歯科用インプラント5では、フィクスチャー10のテーパー穴部14にアバットメント20のテーパー軸部22を嵌合(接触)させると、封止膜9は、テーパー穴部14とテーパー軸部22の間に介在する。封止膜9は、テーパー穴部14とテーパー軸部22の間に形成される微小な隙間を埋める。
封止膜9は、フィクスチャー10とアバットメント20が擦れ(衝突し)合って磨耗粉が発生したときに、この磨耗粉を内部に封じ込める。言い換えれば、封止膜9は、磨耗粉の移動を阻止する。
封止膜9は、テーパー穴部14やテーパー軸部22から発生した磨耗粉を封止する層として機能する。
封止膜9は、テーパー穴部14とテーパー軸部22を均一に接触させる。これにより、テーパー穴部14とテーパー軸部22が擦れ(衝突し)合うことを防止する。言い換えれば、封止膜9は、磨耗粉の発生を防止する。
封止膜9は、テーパー穴部14やテーパー軸部22から磨耗粉が発生することを防止する層としても機能する。
歯科用インプラント5は、耐圧部60(テーパー軸部22、テーパー穴部14)に配置された封止膜9を備える。このため、咬合圧Fを繰り返し受けて、テーパー軸部22やテーパー穴部14から磨耗粉が発生しても、封止膜9が磨耗粉を封じ込める(封止する)。また、歯科用インプラント5Aでは、テーパー穴部14とテーパー軸部22が封止膜9を介して接触するので、磨耗粉の発生を防止できる。
封止膜9は、回転防止部70(突起17、溝部23)にも配置される。このため、咬合圧Fを繰り返し受けても、突起17や溝部23から発生した磨耗粉を封じ込める(封止する)。突起17や溝部23から磨耗粉が発生することも防止できる。
このため、歯科用インプラント5は、磨耗粉が耐圧部60や回転防止部70の一部に堆積することを長期間に亘って回避できる。したがって、耐圧部60や回転防止部70に応力集中が起きて、テーパー穴部14やテーパー軸部22に亀裂が発生することを防止できる。
よって、歯科用インプラント5は、長期間に亘って破損を防止できる。
封止膜9は、咬合の際にフィクスチャー10とアバットメント20の間に食べかす等が侵入することを防止する。このため、歯科用インプラント5は、食べかす等が侵入して不衛生になることを回避できる。
封止膜9は、歯科用インプラント5からセラミックスの磨耗粉が体内に放出されることも防止する。フィクスチャー10とアバットメント20の間で発生した磨耗粉が人体に向けて排出されないので、健康被害の発生を回避できる。つまり、セラミックの磨耗粉が人体に悪影響を与えることを回避できる。
封止膜9を化学蒸着法によりアバットメント20のテーパー軸部22にコーティングしたので、封止膜9をテーパー軸部22の全体(全域)に亘って斑なく均一に固着させることができる。このため、封止膜9の機能を十分に発揮できる。
封止膜9にパラキシリレンの重合体を用いたので、人体に対して安全であり、耐摩耗、耐薬品、絶縁性、防湿性に優れる。
封止膜9の膜厚(厚み)は0.1μm以上、50μm以下である。好ましくは、1μm以上、20μm以下である。ジルコニアの磨耗粉の粒径は、0.1μm以下である。このため、封止膜9の膜厚は、磨耗粉の粒径よりも厚い。したがって、封止膜9は、磨耗粉を確実に封じ込める(封止する)ことができる。
仮に、磨耗粉の粒径が封止膜9の膜厚よりも大きい場合であっても、この磨耗粉の大部分が封止膜9に覆われるので、磨耗粉の移動が阻止される。
〔人工股関節インプラント105〕
図14は、本発明の実施形態に係る人工股関節インプラント105を示す図である。
人工股関節インプラント(インプラント)105は、骨盤(骨)102に固定される骨盤コンポーネント106と、骨盤コンポーネント106に対して摺接する大腿骨コンポーネント107と、を備えている。大腿骨コンポーネント107は、大腿骨(骨)103に固定される。
骨盤コンポーネント(インプラント体、基端側骨コンポーネント)106は、球形に窪むカップ106aを有し、骨盤102に固定される。
大腿骨コンポーネント(接続体、先端側骨コンポーネント)107は、大腿骨103に埋め込まれるステム107aと、ステム107aから球形に突出してカップ106aに摺接するヘッド107bを有する。
カップ(被接触部、被摺接部)106aとヘッド(接触部、摺接部)107bは、それぞれジルコニア等のセラミックス材料により形成される。カップ106aとヘッド107bの表面には、封止膜9がコーティングされる。
このため、人工股関節インプラント105は、カップ106aに対してヘッド107bが摺接(接触)して磨耗粉が発生しても、封止膜9が磨耗粉を封じ込める(封止する)。また、カップ106aとヘッド107bが封止膜9を介して接触するので、磨耗粉の発生を防止できる。したがって、カップ106aとヘッド107bの間に堆積することを長期間に亘って回避でき、カップ106aとヘッド107bに亀裂が発生することを防止できる。
よって、人工股関節インプラント105は、長期間に亘って破損を防止できる。
人工股関節インプラント105は、セラミックスの磨耗粉の放出を封止膜9が阻止するので、健康被害の発生を防止できる。
〔人工膝関節インプラント115〕
図15は、本発明の実施形態に係る人工膝関節インプラント115を示す図である。
人工膝関節インプラント(インプラント)115は、大腿骨(骨)112に固定される大腿骨コンポーネント116と、大腿骨コンポーネント116に対して摺接する脛骨コンポーネント117と、を備えている。脛骨コンポーネント117は、脛骨113に固定される。
大腿骨コンポーネント(インプラント体、基端側骨コンポーネント)116は、円弧形に突出するヘッド116aを有し、大腿骨112に固定される。
脛骨コンポーネント(接続体、先端側骨コンポーネント)117は、脛骨113に埋め込まれるベース117aと、ベース117aに連結して円弧形に窪むカップ117bを有する。カップ117bは、ヘッド116aに摺接する。ベース117aとカップ117bは、一体成形される場合もある。
ヘッド(被接触部、被摺接部)116aとカップ(接触部、摺接部)117bは、それぞれジルコニア等のセラミックス材料により形成される。ヘッド116aとカップ117bの表面には、封止膜9がコーティングされる。
このため、人工膝関節インプラント115は、ヘッド116aに対してカップ117bが摺接(接触)して磨耗粉が発生しても、封止膜9が磨耗粉を封じ込める(封止する)。つまり、人工股関節インプラント105と同一の作用効果を奏する。
よって、人工膝関節インプラント115は、長期間に亘って破損を防止できる。また、セラミックスの磨耗粉の放出を封止膜9が阻止するので、健康被害の発生を防止できる。
〔人工肩関節インプラント125〕
図16は、本発明の実施形態に係る人工肩関節インプラント125を示す図である。
人工肩関節インプラント(インプラント)125は、肩甲骨(骨)122に固定される肩甲骨コンポーネント126と、肩甲骨コンポーネント126に対して摺接する上腕骨コンポーネント127と、を備えている。上腕骨コンポーネント127は、上腕骨123に固定される。
肩甲骨コンポーネント(インプラント体、基端側骨コンポーネント)126は、円弧形に窪むカップ126aを有し、肩甲骨122に固定される。
上腕骨コンポーネント(接続体、先端側骨コンポーネント)127は、上腕骨123に埋め込まれるステム127aと、ステム127aから球形に突出してカップ126aに摺接するヘッド127bを有する。
カップ(被接触部、被摺接部)126aとヘッド(接触部、摺接部)127bは、それぞれジルコニア等のセラミックス材料により形成される。カップ126aとヘッド127bの表面には、封止膜9がコーティングされる。
このため、人工肩関節インプラント125は、カップ126aに対してヘッド127bが摺接(接触)して磨耗粉が発生しても、封止膜9が磨耗粉を封じ込める(封止する)。つまり、人工股関節インプラント105等と同一の作用効果を奏する。
よって、人工肩関節インプラント125は、長期間に亘って破損を防止できる。また、セラミックスの磨耗粉の放出を封止膜9が阻止するので、健康被害の発生を防止できる。
〔反転型人工肩関節インプラント135〕
図17は、本発明の実施形態に係る反転型人工肩関節インプラント135を示す図である。
反転型人工肩関節インプラント(インプラント)135は、人工肩関節インプラント125において、カップ126aとヘッド127bを入れ替えたものである。
このため、反転型人工肩関節インプラント135は、ヘッド(被接触部、被摺接部)127bに対してカップ(接触部、摺接部)126aが摺接(接触)して磨耗粉が発生しても、封止膜9が磨耗粉を封じ込める(封止する)。つまり、人工肩関節インプラント125と同一の作用効果を奏する。
よって、反転型人工肩関節インプラント135は、長期間に亘って破損を防止できる。また、セラミックスの磨耗粉の放出を封止膜9が阻止するので、健康被害の発生を防止できる。
〔人工肘関節インプラント145〕
図18は、本発明の実施形態に係る人工肘関節インプラント145を示す図である。
人工肘関節インプラント(インプラント)145は、上腕骨(骨)142に固定される上腕骨コンポーネント146と、上腕骨コンポーネント146に対して摺接する橈骨コンポーネント147と、を備えている。橈骨コンポーネント147は、橈骨143に固定される。
上腕骨コンポーネント(インプラント体、基端側骨コンポーネント)146は、上腕骨142に埋め込まれるステム146aと、ステム146aに連結して円弧形に窪むカップ146bを有する。ステム146aとカップ146bは、一体成形される場合もある。
橈骨コンポーネント(接続体、先端側骨コンポーネント)147は、円弧形に突出するヘッド147aを有し、橈骨143に固定される。ヘッド147aは、カップ146bに摺接する。
カップ(被接触部、被摺接部)146bとヘッド(接触部、摺接部)147aは、それぞれジルコニア等のセラミックス材料により形成される。カップ146bとヘッド147aの表面には、封止膜9がコーティングされる。
このため、人工肘関節インプラント145は、カップ146bに対してヘッド147aが摺接(接触)して磨耗粉が発生しても、封止膜9が磨耗粉を封じ込める(封止する)。つまり、人工股関節インプラント105と同一の作用効果を奏する。
よって、人工肘関節インプラント145は、長期間に亘って破損を防止できる。また、セラミックスの磨耗粉の放出を封止膜9が阻止するので、健康被害の発生を防止できる。
〔人工足首インプラント155〕
図19は、本発明の実施形態に係る人工足首インプラント155を示す図である。
人工足首インプラント(インプラント)155は、脛骨(骨)152に固定される脛骨コンポーネント156と、脛骨コンポーネント156に対して摺接する距骨コンポーネント157と、を備えている。距骨コンポーネント157は、距骨153に固定される。
脛骨コンポーネント(インプラント体、基端側骨コンポーネント)156は、円弧形に窪むカップ156aを有し、脛骨152に固定される。
距骨コンポーネント(接続体、先端側骨コンポーネント)157は、円弧形に突出するヘッド157aを有し、距骨153に固定される。ヘッド157aは、カップ156aに摺接する。
カップ(被接触部、被摺接部)156aとヘッド(接触部、摺接部)157aは、それぞれジルコニア等のセラミックス材料により形成される。カップ156aとヘッド157aの表面には、封止膜9がコーティングされる。
このため、人工足首インプラント155は、カップ156aに対してヘッド157aが摺接して磨耗粉が発生しても、封止膜9が磨耗粉を封じ込める(封止する)。つまり、人工股関節インプラント105と同一の作用効果を奏する。
よって、人工足首インプラント155は、長期間に亘って破損を防止できる。また、セラミックスの磨耗粉の放出を封止膜9が阻止するので、健康被害の発生を防止できる。
〔本発明に含まれるその他の構成〕
本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。実施形態で挙げた具体的な材料等はほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
歯科用インプラント5において、フィクスチャー10がテーパー穴部14を有し、アバットメント20がテーパー軸部22を有する場合に限らない。フィクスチャー10がテーパー軸部22を有し、アバットメント20がテーパー穴部14を有する場合であってもよい。
歯科用インプラント5において、封止膜9は、アバットメント20のテーパー軸部22に固着される場合に限らない。フィクスチャー10のテーパー穴部14のみに配置される場合であってもよい。テーパー穴部14とテーパー軸部22の両方に配置される場合であってもよい。
封止膜9は、耐圧部60(テーパー穴部14、テーパー軸部22)に配置されていればよく、テーパー穴部14やテーパー軸部22から取り外し可能であってもよい。
封止膜9は、耐圧部60と回転防止部70(突起17、溝部23)の両方に配置される場合に限らない。封止膜9は、耐圧部60に配置されていればよい。
人工股関節インプラント105等では、骨盤コンポーネント106等の基端側骨コンポーネントがインプラント体、大腿骨コンポーネント107等の先端側骨コンポーネントが接続体に該当した。このように、接続体は、インプラント体と同様に、骨に固定される場合であってもよい。
基端側骨コンポーネントが接続体、先端側骨コンポーネントがインプラント体に該当する場合であってもよい。
なお、カップ106a等は、骨受、ソケット、アセタブラーシェルまたはグレノイド等とも呼ばれる場合がある。ヘッド107b等は、骨頭、ボールまたはグレノスフェア等とも呼ばれる場合がある。
人工股関節インプラント105等において、封止膜9は、カップ106a等とヘッド107b等の両方に配置される場合に限らない。カップ106a等のみに配置される場合や、ヘッド107b等のみに配置される場合であってもよい。
封止膜9は、カップ106a等やヘッド107b等から取り外し可能であってもよい。
封止体は、膜状の形態(封止膜9)に限らない。封止体は、膜以外の形態であってもよい。封止体は、例えばシート状、テープ状、紐状、粒状、粉状等の形態であってもよい。
歯科用インプラント5のフィクスチャー10やアバットメント20、人工股関節インプラント105等のカップ106a等やヘッド107b等は、ジルコニア(酸化ジルコニウム)により形成される場合に限らない。
これらの部材は、アルミナ(酸化アルミニウム)や酸化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化シリコーン、酸化マグネシウム、酸化セリウム等の生体適合性セラミックス材料であってもよい。
で形成してもよい。
フィクスチャー10またはアバットメント20のいずれか一方は、チタンやチタン合金等の金属材料で形成してもよい。
セラミックス製のフィクスチャー10と金属製のアバットメント20の組み合わせでは、テーパー穴部14に封止膜9を配置することにより、テーパー穴部14から発生した磨耗粉を封止できる。
セラミックス製のフィクスチャー10と金属製のアバットメント20の組み合わせでは、テーパー軸部22に封止膜9を配置することにより、テーパー穴部14から発生した磨耗粉を封止できる。
金属製のフィクスチャー10とセラミックス製のアバットメント20の組み合わせでは、テーパー穴部14に封止膜9を配置することにより、テーパー軸部22から発生した磨耗粉を封止できる。
金属製のフィクスチャー10とセラミックス製のアバットメント20の組み合わせでは、テーパー軸部22に封止膜9を配置することにより、テーパー軸部22から発生した磨耗粉を封止できる。
基端側骨コンポーネント(骨盤コンポーネント106等)または先端側骨コンポーネント(大腿骨コンポーネント107等)のいずれか一方は、チタンやチタン合金等の金属材料で形成してもよい。具体的には、被摺接部(カップ106a等)または摺接部(ヘッド107b等)のいずれか一方は、金属材料で形成してもよい。
セラミックス製の基端側骨コンポーネントと金属製の先端側骨コンポーネントの組み合わせでは、被摺接部に封止膜9を配置することにより、被摺接部から発生した磨耗粉を封止できる。
セラミックス製の基端側骨コンポーネントと金属製の先端側骨コンポーネントの組み合わせでは、摺接部に封止膜9を配置することにより、被摺接部から発生した磨耗粉を封止できる。
金属製の基端側骨コンポーネントとセラミックス製の先端側骨コンポーネントの組み合わせでは、被摺接部に封止膜9を配置することにより、摺接部から発生した磨耗粉を封止できる。
金属製の基端側骨コンポーネントとセラミックス製の先端側骨コンポーネントの組み合わせでは、摺接部に封止膜9を配置することにより、摺接部から発生した磨耗粉を封止できる。
人工関節インプラントは、股関節等の他、手首、指関節または顎関節等の関節に配置される場合であってもよい。
インプラント(歯科用インプラント、人工関節インプラント)は、人間に限らず、犬や猫等のペット、牛や馬等の家畜に適用される場合であってもよい。
2 歯槽骨(骨) 5 歯科用インプラント(インプラント) 9 封止膜(封止体) 10 フィクスチャー(インプラント体) 14 テーパー穴部(被接触部、被嵌合部) 20 アバットメント(接続体) 22 テーパー軸部(接触部、嵌合部) 102 骨盤(骨) 103 大腿骨(骨) 105 人工股関節インプラント(インプラント) 106 骨盤コンポーネント(インプラント体、基端側骨コンポーネント) 106b カップ(被接触部、被摺接部) 107 大腿骨コンポーネント(接続体、先端側骨コンポーネント) 107b ヘッド(接触部、摺接部) 112 大腿骨(骨) 113 脛骨(骨) 115 人工膝関節インプラント(インプラント) 116 大腿骨コンポーネント(インプラント体、基端側骨コンポーネント) 116a ヘッド(被接触部、被摺接部) 117 脛骨コンポーネント(接続体、先端側骨コンポーネント) 117b カップ(接触部、摺接部) 122 肩甲骨(骨) 123 上腕骨(骨) 125 人工肩関節インプラント(インプラント) 126 肩甲骨コンポーネント(インプラント体、基端側骨コンポーネント) 126a カップ(被接触部、被摺接部) 127 上腕骨コンポーネント(接続体、先端側骨コンポーネント) 127b ヘッド(接触部、摺接部) 135 反転型人工肩関節インプラント(インプラント) 127b ヘッド(被接触部、被摺接部) 126a カップ(接触部、摺接部) 142 上腕骨(骨) 143 橈骨(尺骨)(骨) 145 人工肘関節インプラント(インプラント) 146 上腕骨コンポーネント(インプラント体、基端側骨コンポーネント) 146b カップ(被接触部、被摺接部) 147 橈骨コンポーネント(接続体、先端側骨コンポーネント) 147a ヘッド(接触部、摺接部) 152 脛骨(骨) 153 距骨(骨) 155 人工足首インプラント(インプラント) 156 脛骨コンポーネント(インプラント体、基端側骨コンポーネント) 156a カップ(被接触部、被摺接部) 157 距骨コンポーネント(接続体、先端側骨コンポーネント) 157a ヘッド(接触部、摺接部)
本発明は、インプラント、フィクスチャー、アバットメントに関する。例えば顎の骨に埋め込まれる歯科用インプラントに関する。
体内に埋め込まれるインプラントが注目されている。
例えば歯科用インプラントは、虫歯や破損により永久歯の歯根が失われた場合に、歯槽骨に設けた穴に挿入して固定するものである。この歯科用インプラントは、歯槽骨に固定されるフィクスチャー(人工歯根)と、フィクスチャーに螺着されるアバットメント(支台)とで構成される。アバットメントには、インプラントクラウン(人工歯冠)が装着される。
歯科用インプラント(フィクスチャー、アバットメント)は、チタンやチタン合金等の金属の他、アルミナやジルコニア等のセラミックスにより形成される。
特許文献1に記載されるように、フィクスチャーは、先端面に開口する穴部を有する。この穴部には、テーパー穴部が形成される。アバットメントには、上記テーパー穴部に挿入されるテーパー軸部が形成される。テーパー穴部及びテーパー軸部は、咬合圧を受け止める耐圧部となる。
フィクスチャーの穴部にアバットメントを差し込むことにより、テーパー穴部にテーパー軸部が楔状に入り込む。これにより、フィクスチャーとアバットメントが嵌合する。
特開2004−113718号公報
セラミックス製の歯科用インプラントでは、耐圧部(テーパー穴部、テーパー軸部)に亀裂が発生しやすいという問題がある。
テーパー穴部とテーパー軸部は、密着(接触)して、咬合圧を繰り返し受ける。フィクスチャーやアバットメントがセラミックス製の場合には、耐圧部から微細な磨耗粉が発生する。そして、この磨耗粉が耐圧部に溜まると、テーパー穴部とテーパー軸部の接触が阻害されて、耐圧部の一部に応力集中が起こる。
セラミックスは、脆性材料であるため、金属のように塑性変形しない。このため、耐圧部の一部に応力集中が起こると、耐圧部に亀裂が発生する。最悪の場合には、亀裂が進行して、フィクスチャーやアバットメントが破損してしまう。
本発明の目的は、セラミックスを用いた歯科用インプラントにおいて、長期間に亘って亀裂発生や破損を防止できるインプラント、フィクスチャー、アバットメントを提供することである。
本発明に係る歯科用インプラントの第一実施態様は、歯槽骨に埋め込まれるセラミックス製のフィクスチャーと、前記フィクスチャーに形成された被嵌合部に対して嵌合する嵌合部を有するセラミックス製のアバットメントと、前記被嵌合部と前記嵌合部の間に配置されて、前記被嵌合部と前記嵌合部から発生した磨耗粉の堆積を防止する封止体と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る歯科用インプラントの第二実施態様は、第一実施態様において、前記封止体は、前記磨耗粉の発生を防止することを特徴とする。
本発明に係る歯科用インプラントの第三実施態様は、第一または第二実施態様において、前記封止体は、前記歯槽骨に触れない領域に配置されることを特徴とする。
本発明に係る歯科用インプラントの第四実施態様は、第一から第三実施態様のいずれかにおいて、前記封止体は、前記被嵌合部と前記嵌合部の両方又はいずれか一方に、固着されることを特徴とする。
本発明に係る歯科用インプラントの第五実施態様は、第四実施態様において、耐放射線性と耐熱性を有することを特徴とする。
本発明に係る歯科用インプラントの第六実施態様は、第一から第五実施態様のいずれかにおいて、前記封止体は、パラキシリレンの重合体からなることを特徴とする。
本発明に係る歯科用インプラントの第七実施態様は、第一から第六実施態様のいずれかにおいて、前記封止体は、厚みが0.1μm以上、50μm以下であることを特徴とする。
本発明に係る歯科用インプラントの第八実施態様は、第一から第七実施態様のいずれかにおいて、前記被嵌合部は、奥行方向に向かって縮径するテーパー穴部であり、前記嵌合部は、基端側に向かって縮径するテーパー軸部であることを特徴とする。
本発明に係るフィクスチャーの第一実施態様は、歯槽骨に固定されるセラミックス製のフィクスチャーであって、金属製のアバットメントに形成された嵌合部が嵌合する被嵌合部を有し、前記被嵌合部から発生した磨耗粉の堆積を防止する封止体が前記被嵌合部に配置されることを特徴とする。
本発明に係るフィクスチャーの第二実施態様は、歯槽骨に固定される金属製のフィクスチャーであって、セラミックス製のアバットメントに形成された嵌合部が嵌合する被嵌合部を有し、前記嵌合部から発生した磨耗粉の堆積を防止する封止体が前記被嵌合部に配置されることを特徴とする。
本発明に係るアバットメントの第一実施態様は、歯槽骨に固定される金属製のフィクスチャーに嵌合するセラミックス製のアバットメントであって、前記フィクスチャーに形成された被嵌合部に嵌合する嵌合部を有し、前記嵌合部から発生した磨耗粉の堆積を防止する封止体が前記嵌合部に配置されることを特徴とする。
本発明に係るアバットメントの第二実施態様は、歯槽骨に固定されるセラミックス製のフィクスチャーに嵌合する金属製のアバットメントであって、前記フィクスチャーに形成された被嵌合部に嵌合する嵌合部を有し、前記被嵌合部から発生した磨耗粉の堆積を防止する封止体が前記嵌合部に配置されることを特徴とする。
本発明に係るインプラント、フィクスチャー、アバットメントは、セラミックスの磨耗粉の堆積を防止する。これにより、長期間に亘ってセラミックスにおける亀裂発生や破損を防止できる
本発明の実施形態に係る歯科用インプラント5を示す図である。 歯科用インプラント5の分解斜視図である。 歯科用インプラント5の側面図である。 歯科用インプラント5を示す図であって、(a)上面図、(b)縦断面図(IV−IV断面)である。 歯科用インプラント5の横断面図であって、(a)Va−Va断面、(b)Vb−Vb断面、(c)Vc−Vc断面、(d)Vd−Vd断面、(e)Ve−Ve断面、(f)Vf−Vf断面である。 フィクスチャー10を示す縦断面図である。 アバットメントユニット8を示す図であって、(a)上面図、(b)側面及び縦断面図(VIIb−VIIb断面)、(c)下面図である。 アバットメント20を示す図であって、(a)側面図、(b)縦断面図(VIIIb−VIIIb断面)、(c)下面図である。 クランパピン30を示す図であって、(a)側面図、(b)下面図である。 クランパ40を示す図であって、(a)側面図、(b)下面図、(c)縦断面図(Xc−Xc断面)である。 ロックナット50を示す図であって、(a)上面図、(b)縦断面図(XIb−XIb断面)である。 歯科用インプラント5の疲労試験(比較試験)の結果を示す図である。 歯科用インプラント5の疲労試験(耐久試験)の結果を示す図である。
本発明の実施形態につき図面を参照して説明する。下記説明において示す各種寸法等は一例である。
〔歯科用インプラント5〕
図1は、本発明の実施形態に係る歯科用インプラント5を示す図である。
歯科用インプラント5は、歯槽骨2に固定されるフィクスチャー10と、フィクスチャー10に嵌合するアバットメントユニット8と、を備えている。アバットメントユニット8には、インプラントクラウン6が装着される。
インプラントクラウン6よりも基端側は、歯茎4に覆われる。
歯科用インプラント5の長手方向をZ方向、軸方向または縦と言う。Z方向のうち、フィクスチャー10側を+Z方向、+Z側、基端側または奥行方向と言う。+Z方向の端部を基端と呼ぶ。
Z方向のうち、インプラントクラウン6側を−Z方向、−Z側または先端側と言う。−Z方向の端部を先端と呼ぶ。Z方向に直行する方向を横と呼ぶ。
+Z方向から見たときを下面図、−Z方向から見たときを上面図とする。
フィクスチャー10の外周面には、雄ネジ12が形成される。フィクスチャー10は、雄ネジ12を歯槽骨2に形成した穴に螺合することにより、歯槽骨2に固定される。アバットメントユニット8の先端側(−Z方向)の外周面には、インプラントクラウン6が接着剤等を用いて装着される。
図2は、本実施形態の歯科用インプラント5の分解斜視図である。
図3は、歯科用インプラント5の側面図である。
図4は、歯科用インプラント5を示す図であって、(a)上面図、(b)縦断面図(IV−IV断面)である。
図5は、歯科用インプラント5の横断面図であって、(a)Va−Va断面、(b)Vb−Vb断面、(c)Vc−Vc断面、(d)Vd−Vd断面、(e)Ve−Ve断面、(f)Vf−Vf断面である。
図6は、アバットメントユニット8を示す縦断面図である。
歯科用インプラント5は、フィクスチャー10とアバットメントユニット8を備える。アバットメントユニット8は、アバットメント20、クランパピン30、クランパ40及びロックナット50を組み立てたものである。
また、歯科用インプラント5は、フィクスチャー10とアバットメントユニット8(アバットメント20)の間に配置される封止膜9を備える。
〔フィクスチャー10〕
図7は、フィクスチャー10を示す図であって、(a)上面図、(b)側面及び縦断面図(VIIb−VIIb断面)、(c)下面図である。
フィクスチャー10は、円柱形の部材であり、ジルコニア等のセラミックス材料により形成される。
フィクスチャー10の外周面には、雄ネジ12が設けられる。
フィクスチャー10の−Z側の端面の中心には、中心穴13が開口する。中心穴13には、奥行き方向(+Z方向)に向かって、テーパー穴部14、逆テーパー穴部15及び係合穴部16が連続して形成される。
テーパー穴部(被嵌合部)14は、+Z方向に向かうにしたがって内径が徐々に縮小(縮径)する。逆テーパー穴部15は、+Z方向に向かうにしたがって内径が徐々に拡大(拡径)する。係合穴部16には、平行かつ対向する二つの内側面からなる平行二面16Aが形成される。
テーパー穴部14のテーパー角は、例えば4°である。テーパー穴部14の長さ(深さ)は、フィクスチャー10の全長(例えば10mm)の1/3以上の長さ(例えば4〜5mm)に形成される。好ましくは、テーパー穴部14の長さは、フィクスチャー10の全長(例えば12mm)の3/5程度の長さ(例えば8mm)に形成される。
テーパー穴部14の内周側面には、Z方向に沿う複数の突起17が形成される。複数の突起17は、中心穴13の周方向において、等間隔(等角度)に配置される。突起17は5本である。突起17の横断面の形状は、半円弧形に膨らむ形状である。
逆テーパー穴部15には、+Z方向に向かって、小径部15A、逆テーパー部15B及び大径部15Cが連続して形成される。小径部15Aの内径は、テーパー穴部14の最小内径よりも小さい。
逆テーパー部15Bは、+Z方向に向かうにしたがって内径が徐々に拡大(拡径)する。逆テーパー部15Bのテーパー角は、例えば10°である。逆テーパー部15Bの長さ(深さ)は、例えば0.25mmである。
大径部15Cの内径は、小径部15Aの内径よりも大きい。大径部15Cの長さ(深さ)は、例えば1.0mmである。
したがって、逆テーパー穴部15の小径部15Aは、中心穴13の内周側に突出する。
係合穴部16は、対向する二つの円弧形の内周側面と、平行かつ対向する二つの内側面(平行二面16A)とからなる。係合穴部16の長さ(深さ)は、例えば0.8mmである。二つの平行二面16Aの幅(二面幅)は、約0.7mmである。
〔アバットメント20〕
図8は、アバットメント20を示す図であって、(a)側面図、(b)縦断面図(VIIIb−VIIIb断面)、(c)下面図である。
アバットメント20は、軸形部材であり、審美性に優れた白色のセラミックス材料により形成される。セラミックス材料には、例えばジルコニアが用いられる。アバットメント20は、基端側がフィクスチャー10の中心穴13に嵌め込まれ、先端側にはインプラントクラウン6が装着される。
アバットメント20は、本体部21とテーパー軸部22とからなる。
本体部21には、インプラントクラウン6が装着される。テーパー軸部22は、本体部21の基端側(+Z側)から延設して、フィクスチャー10の中心穴13に内挿される。
テーパー軸部(嵌合部)22のテーパー角は、例えば4°である。つまり、フィクスチャー10の中心穴13のテーパー穴部14の角度と同一である。
テーパー軸部22の長さは、テーパー穴部14と同一又は長く形成される。テーパー軸部22の長さは、例えば、8.1mmである。
テーパー軸部22の外周側面には、Z方向に沿って、複数の溝部23が形成される。複数の溝部23は、テーパー軸部22の周方向において、等間隔(等角度)に配置される。溝部23は5本である。つまり、テーパー穴部14の内周側面に形成される突起17と同数である。
溝部23の横断面の形状は、半円弧形に窪む形状である。つまり、テーパー穴部14の内周側面に形成される突起17とは逆の形状である。
フィクスチャー10の中心穴13にアバットメント20のテーパー軸部22を挿入すると、テーパー軸部22が中心穴13のテーパー穴部14に嵌合する。
テーパー穴部14にテーパー軸部22を密着(接触)させることで、アバットメントユニット8(アバットメント20)に作用する外力(咬合圧F)を受け止めることができる。つまり、テーパー穴部14とテーパー軸部22は、耐圧部60として機能する(図5(c),(d)参照)。
テーパー軸部22がテーパー穴部14に嵌合すると同時に、5本の溝部23が5本の突起17に差し込まれて密着する。
5本の突起17と5本の溝部23が噛合うので、フィクスチャー10に対するアバットメント20の回転が抑止できる。つまり、突起17と溝部23は、回転防止部70として機能する(図5(c),(d)参照)。
アバットメント20の中心には、Z方向に貫通する貫通孔24が形成される。
貫通孔24のうち、本体部21に対応する部位(本体部側貫通孔24A)は、内径が約2.5mmに形成される。本体部側貫通孔24Aには、ロックナット50が挿入される。
貫通孔24のうち、テーパー軸部22に対応する部位(テーパー軸部側貫通孔24B)は、内径が約1mmに形成される。テーパー軸部側貫通孔24Bには、クランパピン30の本体部31がほぼ隙間なく挿通される。
本体部側貫通孔24Aとテーパー軸部側貫通孔24Bの境には、−Z方向を向く段差面25が形成される。
〔封止膜9〕
封止膜(封止体)9は、アバットメント20のテーパー軸部22に配置(固着)される。封止膜9は、静止状態において、せん断応力が発生する固体である。すなわち、封止膜9は、流動体や液状体の様に移動可能する物体とは異なる。具体的には、封止膜9は、コーキング剤や接着剤等とは異なる物体である。
封止膜9は、例えば樹脂膜である。封止膜9は、例えばパラキシリレンの重合体からなる。パラキシリレンの重合体は、無色透明である。
パラキシリレンの重合体には、例えば、第三化成株式会社のdiX(登録商標)や日本パリレン合同会社のパリレン(登録商標)を用いることができる。
パラキシリレンの重合体は、人体に対して安全であり、耐摩耗、耐薬品、絶縁性、防湿性が高い樹脂である。このため、パラキシリレンの重合体は、歯科用インプラント5に配置する材料として好適である。
封止膜9は、アバットメント20のテーパー軸部22にコーティングされる。封止膜9は、化学蒸着法(CVD)によりコーティング(成膜)される。封止膜9は、テーパー軸部22のほぼ全体(全域)に亘ってコーティングされる(図8参照)。封止膜9は、テーパー軸部22に形成された5本の溝部23にもコーティングされる。つまり、封止膜9は、アバットメント20の表面のうち、フィクスチャー10が接触する領域に配置される。
封止膜9は、ほぼ均一の膜厚にコーティングされる。封止膜9の膜厚(厚み)は、0.1μm〜50μmである。好ましくは、1μm〜20μmである。
封止膜9は、アバットメント20を滅菌(殺菌)処理する前にコーティングされ、その後に加熱処理される。つまり、封止膜9が配置されたアバットメント20は、γ線滅菌処理され、その後に100〜300℃の温度で加熱処理される。ジルコニアで形成されたアバットメント20は、γ線滅菌処理を施すと濃茶色化する。その後に加熱処理を施して、アバットメント20は白色化して審美性を向上させる(WO2015/025656,JP2015039422A1参照)。
このため、封止膜9は、γ線照射と加熱により変質しない性質(耐放射線性、耐熱性)が求められる。パラキシリレンの重合体は、耐放射線性と耐熱性を有するので、封止膜9として好適である。
封止膜9は、歯槽骨2に触れる部位にはコーティングされない。封止膜9が歯槽骨2に触れると、歯科用インプラント5との骨結合(osseointegration)が阻害されるおそれがあるからである。アバットメント20は、歯槽骨2に触れないので、アバットメント20の全面に封止膜9をコーティングしてもよい。
封止膜9は、テーパー軸部22の表面に存在する凹凸に入り込む。特に、封止膜9がパラキシリレンの重合体からなるので、封止膜9が微細な凸凹のある表面に対して、均一な膜厚でピンホールもなくコーティングされる。封止膜9は、液状コーティングでは入り込むことが困難な、微細な凸凹にもコーティングされる。
〔クランパピン30〕
図9は、クランパピン30を示す図であって、(a)側面図、(b)下面図である。
クランパピン30は、細長い軸形部材であり、チタンまたはチタン合金により形成される。クランパピン30は、アバットメント20の貫通孔24に挿通される。また、クランパピン30は、フィクスチャー10に係合する。クランパピン30の本体部31の直径は、約1mmである。クランパピン30の基端側(+Z側)には、テーパー部32及び係合軸部33が設けられる。
テーパー部32は、+Z方向に向かうにしたがって外径が徐々に拡大(拡径)する。テーパー部32の角度は、約40°である。テーパー部32は、フィクスチャー10の中心穴13に形成された逆テーパー穴部15に収容される。
係合軸部33には、円柱軸に平行かつ背向する二つ外側面(平行二面33A)が形成される。平行二面33Aの幅(二面幅)は、約0.8mmである。係合軸部33は、中心穴13の最深部に形成された係合穴部16に嵌め込まれる。
クランパピン30の先端側(−Z側)には、M1サイズの右ネジである雄ネジ34が設けられる。雄ネジ34のネジ寸法等は、本体部31の直径等に応じて、適宜変更可能である。クランパピン30は、歯科用インプラント5を組み立てたときに、雄ネジ34がアバットメント20の貫通孔24の本体部側貫通孔24Aに露出(位置)する長さに形成される。
〔クランパ40〕
図10は、クランパ40を示す図であって、(a)側面図、(b)下面図、(c)縦断面図(Xc−Xc断面)である。
クランパ40は、リング形の部材であり、チタンまたはチタン合金により形成される。クランパ40は、クランパピン30に嵌め合わされる。
クランパ40の外径は、フィクスチャー10の中心穴13の逆テーパー穴部15の最小内径(小径部15Aの内径)より僅かに小径である。クランパ40の外径は、例えば約1.4mmである。
クランパ40の内径は、約1mmである。クランパ40は、クランパピン30に外嵌して用いられる。クランパ40は、クランパピン30のテーパー部32に引っ掛かる位置に配置される。クランパ40は、歯科用インプラント5を組み立てたときに、フィクスチャー10の中心穴13の逆テーパー穴部15に収容される。クランパ40の外径を逆テーパー穴部15の最小内径よりも僅かに大径に形成して、逆テーパー穴部15に押し入れてもよい。
クランパ40の基端側(+Z側)には、8本の櫛歯41が形成される。櫛歯41は、クランパ40がクランパピン30のテーパー部32の乗り上がったときに、外周側に向けて弾性変形して広がる。
クランパ40の櫛歯41は、いわゆるコレットチャックと同様な動作をする。クランパ40の櫛歯41が外周側に向けて広がると、クランパ40の最大外径は、テーパー穴部14の最小内径(小径部15Aの内径)よりも大径になる。このため、クランパ40は、逆テーパー穴部15の小径部15Aに引っ掛かる。したがって、クランパ40が外嵌されたクランパピン30は、−Z方向への移動が抑止される。
〔ロックナット50〕
図11は、ロックナット50を示す図であって、(a)上面図、(b)縦断面図(XIb−XIb断面)である。
ロックナット50は、リング形(円筒形)部材であり、チタンまたはチタン合金により形成される。ロックナット50は、アバットメント20の貫通孔24に挿入されて、クランパピン30に螺合する。
ロックナット50の内周面には、M1サイズの右ネジである雌ネジ52が設けられる。雌ネジ52のネジ寸法等は、雄ネジ34に対応して適宜変更可能である。
ロックナット50の基端側(+Z側)の端面50Aは、アバットメント20の貫通孔24の段差面25に当接(係合)しつつ、中心軸回りに回転可能に形成される。
ロックナット50の先端側(−Z側)の端面50Bには、マイナスドライバ(不図示)が挿入される直線溝53が設けられる。つまり、マイナスドライバをこの直線溝53に係合して回転させると、ロックナット50が回転する。
ロックナット50は、アバットメント20の貫通孔24(本体部側貫通孔24A)に挿入される。ロックナット50の外周面50Sと本体部側貫通孔24Aとの間には、僅かな隙間が設けられる。ロックナット50の雌ネジ52は、本体部側貫通孔24Aに露出するクランパピン30の雄ネジ34に螺合する。
このため、歯科用インプラント5を組み立てた状態で、ロックナット50を右回転させると、ロックナット50の端面50Aがアバットメント20の貫通孔24の段差面25に当接しつ摺動する。これと同時に、雌ネジ52に螺合するクランパピン30がアバットメント20に対して−Z方向に移動する。
〔歯科用インプラント5の組み立て〕
歯科用インプラント5の組み立ては、WO2012/070606A1に記載された組み立てと同一であるため、その説明を省略する。
(JP2012110601A1(JP5688757B2),US2013224689A1(US8740615B2),EP2644151A1,CN103118624A1参照)
〔検証試験〕
図12は、歯科用インプラント5の疲労試験の結果を示す図である(比較試験)。
図13は、歯科用インプラント5の疲労試験の結果を示す図である(耐久試験)。
図12、図13のグラフにおいて、縦軸は繰り返し荷重の振幅(mm)、横軸は繰り返し荷重の回数(cycle)を示す。
封止膜9の効果を検証するため、2つの歯科用インプラント5A,5Bに対して繰り返し荷重を加える疲労試験を行った。歯科用インプラント5A,5Bは、封止膜9の有無以外は、同一構成である。
歯科用インプラント5Aは、上述した歯科用インプラント5と同一であって、テーパー穴部14とテーパー軸部22の間に封止膜9を備える。
歯科用インプラント5Bは、上述した歯科用インプラント5とは異なって、テーパー穴部14とテーパー軸部22の間に封止膜9を備えない。
2つの歯科用インプラント5A,5Bに対して、ISO14801規格に準拠した疲労試験機を用いて疲労試験を行った。具体的には、歯科用インプラント5A,5Bに対して、200Nの荷重を2Hzのサイクルで繰り返し加えた。
(ISO 14801:2007 Dentistry - Implants - Dynamic fatigue test for endosseous dental implants)
フィクスチャー10とアバットメント20は、脆性材料であるジルコニアによりそれぞれ形成されている。このため、テーパー穴部14とテーパー軸部22が衝突し合うと、磨耗粉が発生する。この磨耗粉は、テーパー穴部14とテーパー軸部22の間に形成される僅かな隙間に沿って、重力に従って落下(移動)する。このため、磨耗粉が耐圧部60や回転防止部70の一部に堆積する。
磨耗粉が耐圧部60や回転防止部70の一部に堆積すると、耐圧部60や回転防止部70に掛かる外力が不均一になる。このようにして、磨耗粉は、耐圧部60や回転防止部70に応力集中を引き起こす。
そして、ジルコニア等のセラミックスに応力集中が起こると、材料内の欠陥を起点にして亀裂が発生する。最悪の場合には、亀裂が進行して破折に至る。
歯科用インプラント5Bでは、封止膜9を備えていないので、テーパー穴部14やテーパー軸部22から磨耗粉が発生した。磨耗粉は、耐圧部60や回転防止部70の一部に堆積して、応力集中を引き起こした、亀裂を発生させた。
よって、図12に示すように、歯科用インプラント5Bは、7173回の繰り返し荷重を受けて破折した。
一方、歯科用インプラント5Aは、封止膜9を備える。封止膜9は、テーパー穴部14とテーパー軸部22の間に介在する。特に、封止膜9がパラキシリレンの重合体からなるので、封止膜9は、テーパー穴部14とテーパー軸部22の表面の微細な凸凹に対して、均一な膜厚でピンホールもなくコーティングされる。封止膜9は、液状コーティングでは入り込むことが困難な、微細な凸凹にもコーティングされる。
このため、歯科用インプラント5Aでは、テーパー穴部14やテーパー軸部22から磨耗粉が発生したときに、封止膜9が磨耗粉を内部に封じ込める(封止する)。つまり、封止膜9は、テーパー穴部14とテーパー軸部22の間に形成される僅かな隙間に沿って、磨耗粉が重力に従って落下(移動)することを阻止する。
封止膜9の膜厚は、ジルコニアの磨耗粉の粒径よりも厚い。このため、封止膜9は、磨耗粉を確実に封じ込める(封止する)ことができる。
また、封止膜9は、テーパー穴部14とテーパー軸部22を均一に接触させるので、磨耗粉の発生を防止する。このため、耐圧部60や回転防止部70に磨耗粉が堆積することを長期間に亘って回避できた。したがって、歯科用インプラント5Aでは、耐圧部60や回転防止部70に応力集中が起きず、テーパー穴部14やテーパー軸部22に亀裂は発生しなかった。
よって、図12に示すように、歯科用インプラント5Aは、200万回の繰り返し荷重を受けても破損しなかった。
歯科用インプラント5Aの疲労試験を継続した(耐久試験)。
図13に示すように、歯科用インプラント5Aは、2000万回の繰り返し荷重を受けても破損しなかった。2000万回の繰り返し荷重は、100年間の人の咬合回数に相当する。したがって、歯科用インプラント5(5A)は、歯槽骨2に装着された後に、人(装着者)が生きている間に破損する可能性は殆どない。
〔歯科用インプラント5の作用効果〕
歯科用インプラント5では、フィクスチャー10のテーパー穴部14にアバットメント20のテーパー軸部22を嵌合(接触)させると、封止膜9は、テーパー穴部14とテーパー軸部22の間に介在する。封止膜9は、テーパー穴部14とテーパー軸部22の間に形成される微小な隙間を埋める。
封止膜9は、フィクスチャー10とアバットメント20が擦れ(衝突し)合って磨耗粉が発生したときに、この磨耗粉を内部に封じ込める。言い換えれば、封止膜9は、磨耗粉の移動を阻止する。
封止膜9は、テーパー穴部14やテーパー軸部22から発生した磨耗粉を封止する層として機能する。
封止膜9は、テーパー穴部14とテーパー軸部22を均一に接触させる。これにより、テーパー穴部14とテーパー軸部22が擦れ(衝突し)合うことを防止する。言い換えれば、封止膜9は、磨耗粉の発生を防止する。
封止膜9は、テーパー穴部14やテーパー軸部22から磨耗粉が発生することを防止する層としても機能する。
歯科用インプラント5は、耐圧部60(テーパー軸部22、テーパー穴部14)に配置された封止膜9を備える。このため、咬合圧Fを繰り返し受けて、テーパー軸部22やテーパー穴部14から磨耗粉が発生しても、封止膜9が磨耗粉を封じ込める(封止する)。また、歯科用インプラント5Aでは、テーパー穴部14とテーパー軸部22が封止膜9を介して接触するので、磨耗粉の発生を防止できる。
封止膜9は、回転防止部70(突起17、溝部23)にも配置される。このため、咬合圧Fを繰り返し受けても、突起17や溝部23から発生した磨耗粉を封じ込める(封止する)。突起17や溝部23から磨耗粉が発生することも防止できる。
このため、歯科用インプラント5は、磨耗粉が耐圧部60や回転防止部70の一部に堆積することを長期間に亘って回避できる。したがって、耐圧部60や回転防止部70に応力集中が起きて、テーパー穴部14やテーパー軸部22に亀裂が発生することを防止できる。
よって、歯科用インプラント5は、長期間に亘って破損を防止できる。
封止膜9は、咬合の際にフィクスチャー10とアバットメント20の間に食べかす等が侵入することを防止する。このため、歯科用インプラント5は、食べかす等が侵入して不衛生になることを回避できる。
封止膜9は、歯科用インプラント5からセラミックスの磨耗粉が体内に放出されることも防止する。フィクスチャー10とアバットメント20の間で発生した磨耗粉が人体に向けて排出されないので、健康被害の発生を回避できる。つまり、セラミックの磨耗粉が人体に悪影響を与えることを回避できる。
封止膜9を化学蒸着法によりアバットメント20のテーパー軸部22にコーティングしたので、封止膜9をテーパー軸部22の全体(全域)に亘って斑なく均一に固着させることができる。このため、封止膜9の機能を十分に発揮できる。
封止膜9にパラキシリレンの重合体を用いたので、人体に対して安全であり、耐摩耗、耐薬品、絶縁性、防湿性に優れる。
封止膜9の膜厚(厚み)は0.1μm以上、50μm以下である。好ましくは、1μm以上、20μm以下である。ジルコニアの磨耗粉の粒径は、0.1μm以下である。このため、封止膜9の膜厚は、磨耗粉の粒径よりも厚い。したがって、封止膜9は、磨耗粉を確実に封じ込める(封止する)ことができる。
仮に、磨耗粉の粒径が封止膜9の膜厚よりも大きい場合であっても、この磨耗粉の大部分が封止膜9に覆われるので、磨耗粉の移動が阻止される。
〔本発明に含まれるその他の構成〕
本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。実施形態で挙げた具体的な材料等はほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
歯科用インプラント5において、フィクスチャー10がテーパー穴部14を有し、アバットメント20がテーパー軸部22を有する場合に限らない。フィクスチャー10がテーパー軸部22を有し、アバットメント20がテーパー穴部14を有する場合であってもよい。
歯科用インプラント5において、封止膜9は、アバットメント20のテーパー軸部22に固着される場合に限らない。フィクスチャー10のテーパー穴部14のみに配置される場合であってもよい。テーパー穴部14とテーパー軸部22の両方に配置される場合であってもよい。
封止膜9は、耐圧部60(テーパー穴部14、テーパー軸部22)に配置されていればよく、テーパー穴部14やテーパー軸部22から取り外し可能であってもよい。
封止膜9は、耐圧部60と回転防止部70(突起17、溝部23)の両方に配置される場合に限らない。封止膜9は、耐圧部60に配置されていればよい。
封止体は、膜状の形態(封止膜9)に限らない。封止体は、膜以外の形態であってもよい。封止体は、例えばシート状、テープ状、紐状、粒状、粉状等の形態であってもよい。
歯科用インプラント5のフィクスチャー10やアバットメント20、人工股関節インプラント105等のカップ106a等やヘッド107b等は、ジルコニア(酸化ジルコニウム)により形成される場合に限らない。
これらの部材は、アルミナ(酸化アルミニウム)や酸化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化シリコーン、酸化マグネシウム、酸化セリウム等の生体適合性セラミックス材料であってもよい。
で形成してもよい。
フィクスチャー10またはアバットメント20のいずれか一方は、チタンやチタン合金等の金属材料で形成してもよい。
セラミックス製のフィクスチャー10と金属製のアバットメント20の組み合わせでは、テーパー穴部14に封止膜9を配置することにより、テーパー穴部14から発生した磨耗粉を封止できる。
セラミックス製のフィクスチャー10と金属製のアバットメント20の組み合わせでは、テーパー軸部22に封止膜9を配置することにより、テーパー穴部14から発生した磨耗粉を封止できる。
金属製のフィクスチャー10とセラミックス製のアバットメント20の組み合わせでは、テーパー穴部14に封止膜9を配置することにより、テーパー軸部22から発生した磨耗粉を封止できる。
金属製のフィクスチャー10とセラミックス製のアバットメント20の組み合わせでは、テーパー軸部22に封止膜9を配置することにより、テーパー軸部22から発生した磨耗粉を封止できる。
歯科用インプラントは、人間に限らず、犬や猫等のペット、牛や馬等の家畜に適用される場合であってもよい。
2 歯槽骨 5 歯科用インプラント 9 封止膜(封止体) 10 フィクスチャー 14 テーパー穴部(被嵌合部) 20 アバットメント 22 テーパー軸部(嵌合部)

Claims (22)

  1. 骨に固定されるセラミックス製のインプラント体と、
    前記インプラント体に形成された被接触部に対して接触する接触部を有するセラミックス製の接続体と、
    前記被接触部と前記接触部の間に配置されて、前記被接触部と前記接触部から発生した磨耗粉を封止する封止体と、
    を備えるインプラント。
  2. 前記封止体は、前記磨耗粉の発生を防止する請求項1に記載のインプラント。
  3. 前記封止体は、前記骨に触れない領域に配置される請求項1または2に記載のインプラント。
  4. 前記封止体は、前記被接触部と前記接触部の両方又はいずれか一方に、固着される請求項1から3のうちいずれか一項に記載のインプラント。
  5. 前記封止体は、耐放射線性と耐熱性を有する請求項4に記載のインプラント。
  6. 前記封止体は、パラキシリレンの重合体からなる請求項1から5のうちいずれか一項に記載のインプラント。
  7. 前記封止体は、厚みが0.1μm以上、50μm以下である請求項1から6のうちいずれか一項に記載のインプラント。
  8. 前記インプラント体は、歯槽骨に埋め込まれるフィクスチャーであり、
    前記接続体は、前記フィクスチャーに嵌合するアバットメントである請求項1から7のうちいずれか一項に記載のインプラント。
  9. 前記被接触部は、奥行方向に向かって縮径するテーパー穴部であり、
    前記接触部は、基端側に向かって縮径するテーパー軸部であり、
    前記テーパー穴部と前記テーパー軸部が前記封止体を介して嵌合する請求項8に記載のインプラント。
  10. 前記インプラント体は、関節の基端側の骨に固定される基端側骨コンポーネントであり、
    前記接続体は、前記関節の先端側の骨に固定されて、前記基端側骨コンポーネントに対して摺接する先端側骨コンポーネントである請求項1から7のうちいずれか一項に記載のインプラント。
  11. 前記被接触部は、球形または円弧形に窪むカップであり、
    前記接触部は、球形または円弧形に突出するヘッドであり、
    前記カップと前記ヘッドが前記封止体を介して摺接する請求項10に記載のインプラント。
  12. 前記関節は、股関節、肩関節または足首である請求項11に記載のインプラント。
  13. 前記被接触部は、球形または円弧形に突出するヘッドであり、
    前記接触部は、球形または円弧形に窪むカップであり、
    前記ヘッドと前記カップが前記封止体を介して摺接する請求項10に記載のインプラント。
  14. 前記関節は、膝関節、肩関節または肘関節である請求項13に記載のインプラント。
  15. 歯槽骨に固定されるセラミックス製のフィクスチャーであって、
    金属製のアバットメントに形成された嵌合部が嵌合する被嵌合部を有し、
    前記被嵌合部から発生した磨耗粉を封止する封止体が前記被嵌合部に配置されるフィクスチャー。
  16. 歯槽骨に固定される金属製のフィクスチャーであって、
    セラミックス製のアバットメントに形成された嵌合部が嵌合する被嵌合部を有し、
    前記嵌合部から発生した磨耗粉を封止する封止体が前記被嵌合部に配置されるフィクスチャー。
  17. 歯槽骨に固定される金属製のフィクスチャーに嵌合するセラミックス製のアバットメントであって、
    前記フィクスチャーに形成された被嵌合部に嵌合する嵌合部を有し、
    前記嵌合部から発生した磨耗粉を封止する封止体が前記嵌合部に配置されるアバットメント。
  18. 歯槽骨に固定されるセラミックス製のフィクスチャーに嵌合する金属製のアバットメントであって、
    前記フィクスチャーに形成された被嵌合部に嵌合する嵌合部を有し、
    前記被嵌合部から発生した磨耗粉を封止する封止体が前記嵌合部に配置されるアバットメント。
  19. 関節の基端側の骨に固定されるセラミックス製の基端側骨コンポーネントであって、
    前記関節の先端側の骨に固定される金属製の先端側骨コンポーネントに形成された摺接部が摺接する被摺接部を有し、
    前記被摺接部から発生した磨耗粉を封止する封止体が前記被摺接部に配置される基端側骨コンポーネント。
  20. 関節の基端側の骨に固定される金属製の基端側骨コンポーネントであって、
    前記関節の先端側の骨に固定されるセラミックス製の先端側骨コンポーネントに形成された摺接部が摺接する被摺接部を有し、
    前記摺接部から発生した磨耗粉を封止する封止体が前記被摺接部に配置される基端側骨コンポーネント。
  21. 関節の先端側の骨に固定されるセラミックス製の先端側骨コンポーネントであって、
    前記関節の基端側の骨に固定される金属製の基端側骨コンポーネントに形成された被摺接部に摺接する摺接部を有し、
    前記摺接部から発生した磨耗粉を封止する封止体が前記摺接部に配置される先端側骨コンポーネント。
  22. 関節の先端側の骨に固定される金属製の先端側骨コンポーネントであって、
    前記関節の基端側の骨に固定されるセラミックス製の基端側骨コンポーネントに形成された被摺接部に摺接する摺接部を有し、
    前記被摺接部から発生した磨耗粉を封止する封止体が前記摺接部に配置される先端側骨コンポーネント。

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