このような、遊技球搬送装置では、複数の遊技球を球詰まりさせることなく一列にして出口まで搬送することが必要である。しかしながら、前述した従来の遊技球搬送装置では、遊技球が螺旋コイルの先端ではじかれることは防止されるが、遊技球が螺旋コイルによって搬送される際には、遊技球は、螺旋コイルの外周部によってガイド孔の内周面に押圧される。このため、遊技球に対する摩擦が大きくなり、遊技球搬送装置を駆動させる際の負荷が大きくなるとともに、汚れや粉塵などが発生しやすくなる。この汚れや粉塵が原因となって、遊技球に球詰まりが生じることもある。
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、複数の遊技球を球詰まりさせることなく、スムーズに搬送することのできる遊技球搬送装置を提供することである。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
前述した目的を達成するため、本発明に係る遊技球搬送装置の構成上の特徴は、回転軸(31,51,61)と、回転軸との間に遊技球(B,B1,B2,B3)を通すための搬送路(A)を形成するガイド部(22c)と、回転軸の外周側に設けられ、回転軸とともに軸周り方向に回転することにより搬送路で複数の遊技球を順次搬送する螺旋スクリュー(36,56,66)とを備えた遊技球搬送装置において、螺旋スクリューに、遊技球の搬送方向の後端部に当接して遊技球を搬送路が延びる方向に押圧する進行方向押圧部(D)を設けたことにある。
本発明に係る遊技球搬送装置は、回転軸とガイド部とで遊技球が通過する搬送路を形成し、回転軸とともに回転する螺旋スクリューによって遊技球を搬送するように構成されている。このとき、遊技球は、後端部が螺旋スクリューの進行方向押圧部に当接することによって搬送路が延びる方向に押圧される。この場合の遊技球の後端部とは、遊技球を搬送方向の後方から見たときの中央部になる部分である。このため、遊技球は、回転軸やガイド部に対して接触はするが強く押圧されることはない状態で、搬送路を形成する空間の前方に向かって移動するようになる。
この結果、遊技球が回転軸やガイド部から受ける摩擦抵抗が大幅に減少し、遊技球搬送装置を駆動させる際にエネルギーロスが生じることを極力防止できるとともに、汚れや粉塵などの発生を減少させることができる。これによって、複数の遊技球は、搬送路を一列になってスムーズに移動するようになり、球詰まりが生じ難くなる。なお、進行方向押圧部は、螺旋スクリューの外周側端部で構成してもよいし、外周側端部よりも内周側に遊技球に当接する部分を設けて、その遊技球に当接する部分で構成してもよい。この進行方向押圧部は、螺旋スクリューにおける搬送方向の前面に螺旋状に形成される。また、ガイド部は真っ直ぐに延びる溝状部分を備えた構成にして、複数の遊技球を溝状部分内で直線状に搬送できるようにすることが好ましい。
本発明に係る遊技球搬送装置の他の構成上の特徴は、回転軸の外周面と進行方向押圧部との間の長さを遊技球の半径と同じ長さにしたことにある。
本発明によると、遊技球が回転軸に沿って移動する際に、進行方向押圧部が遊技球の後端部に正確に当接するため、遊技球の搬送をよりスムーズにすることができる。なお、この場合の遊技球の半径と同じ長さは、正確に同じでなくても、遊技球が回転軸に接しているときに、進行方向押圧部が遊技球の後端部に当接して、遊技球を搬送路が延びる方向に押圧できるようになっていればよい。また、ここで言う回転軸の外周面と進行方向押圧部との間の長さとは最短距離の長さであることは言うまでもない。さらに、ガイド部の内面と進行方向押圧部との間の長さも遊技球の半径と略同じ(同じか僅かに長い)長さにして移動する遊技球ががたつかないようにすることが好ましい。
本発明に係る遊技球搬送装置のさらに他の構成上の特徴は、ガイド部における上流端近傍に、遊技球を搬送路内に取り込むための球入口(24a)を設けて、螺旋スクリューにおける球入口に対向する部分に、回転軸の外周面との間の長さが遊技球の半径よりも短くなった外周方向押圧部(C)を設け、遊技球を搬送路が延びる方向だけでなく螺旋スクリューの外周側にも押圧できるようにしたことにある。
本発明によると、遊技球が球入口から搬送路に入る際、遊技球がスムーズに搬送路に入るようになるとともに、遊技球が球入口の周縁部と螺旋スクリューとの間に挟まれて球詰まりが発生することを防止できる。例えば、外周方向押圧部を螺旋スクリューの外周端部側に設けた場合には、外周方向押圧部と回転軸との間の長さを短くすることによって、遊技球が回転軸に接近する際に障害となる部分が少なくなるため、遊技球はスムーズに搬送路に入るようになる。
また、遊技球が球入口から搬送路に入ろうとしているときに、螺旋スクリューの回転により球入口の周縁部に押し付けられたとしても、遊技球に当接する外周方向押圧部と回転軸との間の長さが短いため、遊技球は球入口の周縁部と外周方向押圧部とで挟まれる位置までは進みにくくなる。このため、複数の遊技球が接触した状態で供給されても、各遊技球は、螺旋スクリューによって形成された空間に順序よく入っていくようになる。この場合、遊技球は、外周方向押圧部によって、搬送路が延びる方向だけでなく螺旋スクリューの外周側にも押圧されるため、球入口の周縁部と螺旋スクリューとの間に挟まれかけても球入口の上流側に弾かれて一旦後退したのちに再度前進して搬送路に入っていくようになる。
なお、外周方向押圧部と回転軸との間の長さを遊技球の半径よりも短くすることは、球入口と搬送路との位置関係を考慮した実験結果から得られたもので、この値に設定することですべての場合に良好な結果を得ることができた。球入口と搬送路との位置関係としては、球入口と搬送路とが直接連通して球入口が位置する側に直線状の搬送路が形成されている場合および球入口から螺旋スクリューに形成された空間部を介して回転軸の周方向に延びたところから直線状の搬送路が形成されている場合がある。また、これらの場合、搬送路は直線状でなく曲線状に形成されていてもよい。
本発明に係る遊技球搬送装置のさらに他の構成上の特徴は、回転軸における球入口に対向する部分の直径と、回転軸の下流側部分の直径とを同じ長さにし、回転軸の外周面と外周方向押圧部との間の長さを、回転軸の外周面と進行方向押圧部との間の長さよりも短くしたことにある。
本発明に係る遊技球搬送装置では、回転軸における螺旋スクリューが設けられる部分の直径をすべて同じにし、回転軸の外周面と外周方向押圧部との間の長さを、回転軸の外周面と進行方向押圧部との間の長さよりも短くしている。このため、螺旋スクリューにおける外周方向押圧部が設けられた部分の外径を進行方向押圧部が設けられた部分の外径よりも短くするだけの簡単な構造で、遊技球を球入口から搬送路にスムーズに入れることができ、搬送路に入った遊技球を、摩擦抵抗を小さくして搬送路内で移動させることができる。これによって球詰まりをより確実に防止することができる。なお、本発明でいう下流側とは球搬送方向の下流側であり、回転軸の下流側部分とは、回転軸における球入口に対向する部分よりも下流側の部分である。
本発明に係る遊技球搬送装置のさらに他の構成上の特徴は、回転軸における球入口に対向する部分(53c)の直径を回転軸の下流側部分(52)の直径よりも長くし、外周方向押圧部によって形成される螺旋形状の直径と、進行方向押圧部によって形成される螺旋形状の直径とを同じ長さにしたことにある。
本発明に係る遊技球搬送装置では、回転軸における外周方向押圧部に対応する部分の直径を進行方向押圧部に対応する部分の直径よりも長くするだけの簡単な構造で、遊技球を球入口から搬送路にスムーズに入れることができ、搬送路に入った遊技球を、摩擦抵抗を小さくして搬送路内で移動させることができる。これによって球詰まりを防止することができる。この場合、進行方向押圧部を螺旋スクリューの外周側端部に設けると、螺旋スクリューの直径は、上流端から下流端まで同じになるため、螺旋スクリューの製造が容易になる。なお、本発明における螺旋形状の直径とは、螺旋形状が含まれる円筒形状を想定したときの円筒形状の直径である。
本発明に係る遊技球搬送装置のさらに他の構成上の特徴は、進行方向押圧部のピッチから螺旋スクリューにおける進行方向押圧部が位置する部分の搬送方向の厚みを引いた長さを、遊技球の直径よりも長く、外周方向押圧部のピッチから螺旋スクリューにおける外周方向押圧部が位置する部分の搬送方向の厚みを引いた長さよりも短く設定し、外周方向押圧部のピッチから螺旋スクリューにおける外周方向押圧部が位置する部分の搬送方向の厚みを引いた長さを、遊技球の直径の1.5倍よりも短く設定したことにある。
本発明に係る遊技球搬送装置では、進行方向押圧部のピッチから螺旋スクリューにおける進行方向押圧部が位置する部分の搬送方向の厚みを引いた長さ、すなわち螺旋スクリューの進行方向押圧部が設けられた部分における遊技球が位置する部分の幅を、遊技球の直径よりも長くしているため、遊技球が螺旋スクリューに形成された隙間に十分入ることができる。
また、螺旋スクリューの外周方向押圧部が設けられた部分における遊技球が位置する部分の幅を、螺旋スクリューの進行方向押圧部が設けられた部分における遊技球が位置する部分の幅よりも長くしているため、遊技球が球入口から搬送路に入りやすくなる。さらに、螺旋スクリューの外周方向押圧部が設けられた部分における遊技球が位置する部分の幅を、遊技球の直径の1.5倍よりも短くすることにより、遊技球が位置する部分の幅が広すぎて複数の遊技球による球詰まりが生じることを防止することができる。
本発明に係る遊技球搬送装置のさらに他の構成上の特徴は、螺旋スクリュー(36,56)を線状部材で構成したことにある。この場合、螺旋スクリューの両端部を回転軸に連結し、螺旋スクリューの両端部以外は、回転軸の外周面から一定間隔を保って配置することが好ましい。本発明によると、螺旋スクリューを簡単な構造で、かつ安価に構成することができる。なお、本発明においては、螺旋スクリューの直径やピッチの基準は、線状部材の断面の中心となる。
本発明に係る遊技球搬送装置のさらに他の構成上の特徴は、螺旋スクリュー(66)を、回転軸と一体に形成され表面に研磨面が形成された帯状部材で構成したことにある。本発明によると、螺旋スクリューは、遊技球を搬送するだけでなく、遊技球の表面に付着した汚れを除去することもできる。また、本発明では、帯状部材からなる螺旋スクリューは、回転軸と一体に形成されるため、回転軸および螺旋スクリューの製造が容易になる。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を、図面を用いて説明する。図1および図2は、同実施形態に係る遊技球搬送装置20を備えた封入球式のパチンコ機10の概略を示している。図1は、パチンコ機10を正面側から見た内部を示し、図2は、パチンコ機10を裏面側から見た内部を示しており、以下、本明細書では、パチンコ機10の左右、前後および上下の各方向は、図1に基づいて記載する。
パチンコ機10は、矩形の外枠11と、外枠11に回転可能に取り付けられた内枠12と、内枠12に取り付けられた遊技盤13とを備えている。そして、外枠11の前部における上下に延びる一方の縁部には、ガラス板を備えた前扉(図示せず)が回転可能に取り付けられている。また、遊技盤13の中央には円形の遊技領域13aが形成され、遊技領域13aには、入賞口(図示せず)やアウト口14などが設けられている。前扉の前面下部には、操作ハンドルが設けられている。
パチンコ機10の内枠12の下部には裏面から正面にかけて搬送機構15が設けられており、この搬送機構15は、内枠12の裏面に形成された集球樋16と、遊技球搬送装置20と、内枠12の裏面から正面にかけて形成された球通路17とで構成されている。集球樋16は、内枠12の裏面で左側から右側に向かって(図2では左右が逆)やや下り傾斜になって延びる樋状の通路で構成されている。遊技領域13aの入賞口やアウト口14に入った遊技球B(図5参照)は、内枠12の裏面に移動してこの集球樋16の内部に落下する。そして、集球樋16に入った遊技球Bは、集球樋16の右下の端部に向かって順次流れていく。
集球樋16の右下の端部の右側には、遊技球Bを上方に搬送する揚送機能を備えた遊技球搬送装置20が設置されており、集球樋16は、この遊技球搬送装置20の内部の下部に連通している。なお、遊技球搬送装置20は、図2に示したように、左下から右上に傾斜して配置されているが、以下、図3ないし図9を用いた遊技球搬送装置20の説明では、モータ21の位置を下方として、左右、前後(表裏)および上下の各方向は、図4に基づいて記載する。この場合、図4は、正面図となり、左右および前後の方向は、図2と逆になる。
遊技球搬送装置20は、図3および図4に示したように、モータ21とケース部材22とを備えており、ケース部材22の内部には、図5に示したように、回転軸31と螺旋スクリュー36とを備えた搬送スクリュー30が設置されている。モータ21は、遊技球搬送装置20の下部に位置しており、上下の軸方向が短い略円柱状に形成されたモータ本体21aと、モータ本体21aの上面から上方に突出した回転軸21bとで構成されている。また、モータ本体21aの上面の左右からは、それぞれ中央にねじ挿通穴が形成された固定片21c,21dが外部側に向かって突出している。そして、固定片21c,21dと、ねじ(図示せず)とを介して、モータ本体21aの上面に、ケース部材22が固定されている。
ケース部材22は、表面ケース22aと、裏面ケース22bとを組み付けて形成されており、上下に延びるスクリュー収容部23と、スクリュー収容部23の下部左側に形成された球入口部24と、スクリュー収容部23の上部右側に形成された球出口部25とを備えている。スクリュー収容部23は、モータ21の上面から上方に延びる細長い略円筒の箱状に形成されており、表面ケース22aにおけるスクリュー収容部23の前面を構成する部分は、幅方向の中央が両側よりも前方に突出したかまぼこ形の曲面に形成されている。
また、図6および図7に示したように、裏面ケース22bにおけるスクリュー収容部23の後面を構成する部分は、幅方向の両側部分が両側から中央側に行くほど後方に突出した曲面に形成され、幅方向の中央部分に、遊技球Bを一列にして通過させることのできる溝状のガイド部22cが形成されている。このため、裏面ケース22bの幅方向の中央部分は両側部分よりもさらに後方に突出しており、これによって裏面ケース22bは、段違いの曲面に形成されている。また、図8および図9に示したように、スクリュー収容部23の左下部には、開口からなる球入口24aが形成され、スクリュー収容部23の右上部には、開口からなる球出口25aが形成されている。
スクリュー収容部23の上端面の中央には軸穴23aが形成されている。また、スクリュー収容部23の下部は、モータ21に連結される固定部26で構成されている。固定部26は、後部を除いた部分がスクリュー収容部23の他の部分よりも外部側に突出しており、これによってスクリュー収容部23は段違いに形成されている。また、固定部26の下端面の中央に、固定部26の内部と外部とを連通する軸挿通穴23bが形成されている。そして、固定部26の左右両側におけるモータ21の固定片21c,21dに対向する部分にそれぞれ筒状のねじ係合部26a,26bが形成されている。
球入口部24は、スクリュー収容部23の左下部における球入口24aが形成された部分から左側に延びる略矢印形の箱状に形成されており、前面に四角形(菱形)の開口部24bが設けられている。この開口部24bの周縁部は、前部における左側部分が切り欠かれて段違いに形成されており、この切欠き部24cを介して開口部24bは集球樋16に連通している。球入口部24の後部は裏面ケース22bの一部によって構成され、球入口部24の前部は表面ケース22aの一部によって構成されており、表面ケース22aにおける開口部24bに対応する部分の左側部分を切り欠くことによって開口部24bは段違いに形成されている。この開口部24bから球入口24aにかけての部分は、遊技球Bが3〜4個通ることのできる大きさに設定されている。
球出口部25は、スクリュー収容部23の右上部における球出口25aが形成された部分から右上側に傾斜して延びる略四角形の箱状に形成されており、前面に略四角形の開口部25bが設けられている。この球出口部25は裏面ケース22bに形成されており、球出口25aから開口部25bにかけての部分は遊技球Bを1個通すことのできる大きさに設定されている。このため、遊技球Bは、集球樋16から、ケース部材22の前部下部側に位置する開口部24bから球入口24aを通ってスクリュー収容部23の内部に入り、スクリュー収容部23の後部に位置するガイド部22cの内部を移動し、球出口25aからスクリュー収容部23の前部上部側に位置する開口部25bを通ってケース部材22の外部に出ることができる。
このように構成されたケース部材22は、スクリュー収容部23の軸挿通穴23b内に、モータ21の回転軸21bを挿通させ、ねじ係合部26a,26bを、それぞれねじを介して固定片21c,21dに固定することにより、モータ21に組み付けられている。
搬送スクリュー30は、耐摩耗性を備えた合成樹脂からなる回転軸31と、回転軸31の外周面と間隔を保って回転軸31の外周側に配置され、上下両端が回転軸31に固定されたステンレスからなる螺旋スクリュー36とで構成されている。また、回転軸31は、回転軸本体32と、回転軸本体32の下端に組み付けられ、螺旋スクリュー36の下端が固定される下部連結部材33と、回転軸本体32の上端に組み付けられ、螺旋スクリュー36の上端が固定される上部連結部材34と、上部連結部材34に組み付けられる支持部材35とで構成されている。
回転軸本体32は、スクリュー収容部23の内部における固定部26の上端近傍部分から球出口25aの上下方向の中央に対応する部分にかけて配置された棒状体で構成されている。そして、回転軸本体32の周面と表面ケース22aの内面との間には遊技球Bの半径(5.5mm)よりも長く、遊技球Bの直径(11mm)よりも短い間隔(例えば、6〜10mm)が設けられ、回転軸本体32の周面と裏面ケース22bにおけるガイド部22cの内面との間には遊技球Bの直径よりも僅かに長い間隔(例えば、11.1〜12mm)が設けられるようにして回転軸本体32は、スクリュー収容部23内に配置される。
また、回転軸本体32の両端には、それぞれ他の部分よりも直径が短くなった細径部32a,32bが形成されている。そして、回転軸本体32の外周面における細径部32aの上方には、軸方向に沿って上方に延びる軸方向溝と、その軸方向溝に直交して周方向に延びる周方向溝とからなるT字状の係合溝32cが形成され、細径部32bの下方には、係合溝32cと対向して軸方向に沿って下方に延びる軸方向溝と、その軸方向溝に直交して周方向に延びる周方向溝とからなるT字状の係合溝32dが形成されている。なお、係合溝32c,32dの周方向溝は、ともに軸方向溝よりも深い溝で構成されている。このため、軸方向溝と周方向溝との間にはそれぞれ段差が形成されている。
下部連結部材33は、筒状の連結部33aと、連結部33aの外周下端側に設けられたフランジ状の支持部33bと、連結部33aの上端から上方に延びる筒状の軸受け部33cと、軸受け部33cの上端における所定部分から上方に延びるフック部33dとを一体成形して構成されている。連結部33aは、内部に、モータ21の回転軸21bが挿し込まれることにより、モータ21に連結される。また、連結部33aは、外径が回転軸本体32の中央部分の直径よりも長く設定され、軸方向の長さがスクリュー収容部23の固定部26の上下の長さよりも僅かに短く設定されており、外周面に螺旋スクリュー36の下端側部分が係合する。
支持部33bは、上面で螺旋スクリュー36の下端部を支受する。軸受け部33cは、外径が回転軸本体32の中央部分の直径と同じで、内径が細径部32aの直径と同じに設定されており、内部に細径部32aが挿し込まれることにより、回転軸本体32に組み付けられている。フック部33dは、回転軸本体32の係合溝32cの軸方向溝に嵌合する棒状部分と、棒状部分の先端から屈曲して周方向溝に係合する係合部とで構成されており、下部連結部材33に対して回転軸本体32が周方向に回転することを防止する。
上部連結部材34は、筒状の連結部34aと、連結部34aの外周上端に設けられたフランジ状の支持部34bと、連結部34aの下端から下方に延びる筒状の軸受け部34cと、軸受け部34cの下端における所定部分から下方に延びるフック部34dとを一体成形して構成されている。また、支持部材35は、スクリュー収容部23の上端面に形成された軸穴23aに回転可能に挿通する円筒軸35aと、支持部材35が軸穴23aから抜け出ることを防止する円板部35bと、円板部35bの下面中央から下方に突出する軸部35cとで構成されている。この支持部材35は、スクリュー収容部23の内部側から円筒軸35aを軸穴23aに挿通させて、スクリュー収容部23に回転可能に組み付けられる。
そして、上部連結部材34の連結部34aは、内部に、軸部35cが挿し込まれることにより、支持部材35に連結される。また、連結部34aは、下部連結部材33の連結部33aよりも外径が長く、軸方向の長さが短く設定されており、外周面に螺旋スクリュー36の上端側部分が係合する。支持部34bは、下面で螺旋スクリュー36の上端部を支受する。軸受け部34cは、外径が回転軸本体32の中央部分の直径と同じで、内径が細径部32bの直径と同じに設定されており、内部に細径部32bが挿し込まれることにより、回転軸本体32に組み付けられている。フック部34dは、回転軸本体32の係合溝32dの軸方向溝に嵌合する棒状部分と、棒状部分の先端から屈曲して周方向溝に係合する係合部とで構成されており、回転軸本体32に対して上部連結部材34が周方向に回転することを防止する。
螺旋スクリュー36は、線状のステンレスを螺旋状に形成して構成されており、図8の下方から見た状態では、下方から上方に向かって時計周り方向に延びている。また、螺旋スクリュー36は、下部側の球入口24aに対応する部分が直径が短くピッチが長く形成され、その上部側部分が下部側部分よりも直径が長くピッチが短く形成されている。この場合、螺旋スクリュー36の下部の細径部36aの直径(螺旋スクリュー36を構成する線材の断面中心を基準にした直径)から回転軸本体32の直径(軸受け部33c,34cの外径も同じ)を引いた長さが遊技球Bの直径よりも短くなるように設定されている。また、螺旋スクリュー36の上部の大径部36bの直径(螺旋スクリュー36を構成する線材の断面中心を基準にした直径)から回転軸本体32の直径を引いた長さが遊技球Bの直径と略同じになるように設定されている。
また、大径部36bのピッチ(螺旋スクリュー36を構成する線材の断面中心を基準にしたピッチ)から螺旋スクリュー36の線径を引いた長さは、遊技球Bの直径よりも長く、細径部36aのピッチ(螺旋スクリュー36を構成する線材の断面中心を基準にしたピッチ)から螺旋スクリュー36の線径を引いた長さよりも短く設定されている。そして、細径部36aのピッチから螺旋スクリュー36の線径を引いた長さは、遊技球Bの直径の1.5倍よりも短く設定されている。例えば、回転軸本体32の直径を10mmとし、螺旋スクリュー36の線径を1mmとした場合、細径部36aは、直径を15〜20.5mm、ピッチを12.5〜17mmとすることができ、大径部36bは、直径を21mm、ピッチを12mmよりも長く細径部36aのピッチよりも短い所定の長さにすることができる。
そして、回転軸本体32の直径や螺旋スクリュー36の線径が変更されたときには、細径部36aおよび大径部36bの直径やピッチもその変化された値に応じて適宜変更する。このように構成された螺旋スクリュー36は、細径部36aの下部を軸受け部33cの外周面に係合させて下端を支持部33bに当接させ、大径部36bの上部を軸受け部34cの外周面に係合させて上端を支持部34bに当接させて回転軸31に組み付けられ、回転軸31と一体となって軸周り方向に回転する。
遊技球搬送装置20は、このように構成されているため、モータ21が作動すると、搬送スクリュー30は、図5,8.9に示した下方から見た状態で反時計周り方向に回転する。これによって、遊技球Bは、集球樋16から、前方左側が開口した開口部24bに入り、球入口24aを通過して回転軸31の外周面の周方向に沿って後方に移動したのちに、回転軸31の外周面とガイド部22cの内面との間に形成される搬送路Aを一列になって移動する。そして、遊技球Bは、搬送路Aの上端から、回転軸31の外周面の周方向に沿って前方に移動して、球出口25aに進み、開口部25bから前方の外部に出ていく。
このときに、遊技球Bが球入口24aから搬送路Aに移動する状態を、図10(a)〜(b)に示している。図10(a)〜(b)は、図8を紙面の裏面側から見て球入口24aを上方に位置させた状態の断面を示しており、その状態で、図10(a)は上方から見た断面図、図10(b)は正面から見た断面図、図10(c)は側方から見た断面図である。図10(a)〜(b)は、搬送路Aに遊技球B1,B2が入り、続いて、遊技球B3が球入口24aに達したときに、遊技球B3が遊技球B2に接触して搬送路A内に進めない状態を示している。
このような場合に、球入口24aの周縁部と螺旋スクリュー36との間に遊技球B3が挟まれそうになっても、螺旋スクリュー36の細径部36aは直径が短く回転軸31の外周面との間には僅かな間隔しかないため、遊技球B3は、球入口24aの周縁部と螺旋スクリュー36の細径部36aにおける遊技球B2が接触している部分の近傍とに挟まれる位置まで進入することはできない。このため、遊技球B3は、螺旋スクリュー36の細径部36aに押し戻されるようにして、一旦、後退したのちに、搬送路Aにおける遊技球B2が通過したのちの位置に進んでいく。
このようなことが、繰り返し行われるため、球入口24aに複数の遊技球Bが入っても、各遊技球Bは球詰まりすることなく、一列になって、搬送路Aを進んでいくようになる。この場合、図10(a),(b)において、遊技球B2が接触している細径部36aの部分が外周方向押圧部Cとなる。この外周方向押圧部Cは、細径部36aの球搬送方向の面における中央よりも外周側の部分に連続した螺旋状の線となって表れる。
また、遊技球Bが搬送路A内を移動する状態を、図11(a)〜(b)に示している。図11(a)〜(b)は、遊技球搬送装置20における搬送路Aが位置する部分を、図10(a)〜(b)と同じ方向から見た状態の断面を示しており、その状態で、図11(a)は上方から見た断面図、図11(b)は正面から見た断面図、図11(c)は側方から見た断面図である。この場合、各遊技球Bは、後端部、すなわち、図11(c)に示した状態の遊技球Bの中心部を、螺旋スクリュー36の大径部36bによって、球搬送方向に押されながら移動していく。
このため、遊技球Bは、ガイド部22cの内面や、回転軸31に強く押されることなく、搬送路A内をスムーズに移動していく。これによって、遊技球Bと強く接触することによって、ガイド部22cの内面や、回転軸31に汚れや粉塵などが発生することが防止され、搬送路A内で球詰まりが発生することも防止される。また、遊技球Bとガイド部22cとの間、および遊技球Bと搬送スクリュー30との間に生じる摩擦抵抗が小さくなるため、モータ21の作動に無駄な負荷が加わることも防止できる。この場合、図11(a),(b)において、遊技球Bが接触している大径部36bの部分が進行方向押圧部Dとなる。この進行方向押圧部Dは、大径部36bの球搬送方向の面における中央部分に連続した螺旋状の線となって表れる。
また、搬送機構15の球通路17は、内枠12の裏面における遊技球搬送装置20の球出口部25の開口部25bから内枠12の表面に貫通する穴部17aと、内枠12の正面で、穴部17aから左側に向かってやや下方に傾斜して延びる傾斜部17bとで構成されている。そして、内枠12の前面における傾斜部17bの左端側に、打球装置37が設置されている。この打球装置37は、プランジャ式ソレノイド38、弾発部および球発射部(図示せず)などで構成されており、球発射部の上方には、打撃された遊技球Bを、遊技領域13a内に導くガイドレール39が設けられている。このため、遊技球搬送装置20の上方に送り出された遊技球Bは、球通路17を通過して、球発射部に送られ、打球装置37の作動により、遊技領域13a内に発射される。この打球装置37は操作ハンドルの回転操作により作動する。
また、パチンコ機10には、入賞口やアウト口14に入った遊技球Bを検出するセンサが備わっている。さらに、パチンコ機10、またはパチンコ機10の近傍には、入賞口に入った遊技球Bに基づく景品球の数を加算したり、入賞口とアウト口14とに入った遊技球Bの数を減算したりする加減算装置や、加減算装置が算出した値を記憶する記憶装置およびその値を表示する数値表示装置等も設けられている。すなわち、この封入球式のパチンコ機10では、入賞に基づく景品球を払い出すことなく景品球の数を加算していくとともに、その数から使用した遊技球Bの数を減算して記憶し、その記憶した数の範囲内で遊技球Bを発射して遊技が行われる。
このように構成されたパチンコ機10を使用する場合には、まず、遊技球搬送装置20の作動により、所定量の遊技球Bが、集球樋16から球通路17に向けて搬送される。その際、遊技球Bは、集球樋16を無整列の状態で流れ、開口部24bおよび球入口24aを通過してスクリュー収容部23の内部に入っていく。そして、遊技球Bは、搬送スクリュー30の下部に到達したところで、1個ずつ搬送路Aに入っていき、図5に示したように、搬送スクリュー30の回転によって、一列になって上方に向かって移動していく。さらに、遊技球Bは、搬送路Aの上部を通過して、順次、球出口25aおよび開口部24bを通過して球通路17に流れて行く。
そして、所定量の遊技球Bが、球通路17内に溜まったところで、操作ハンドルを操作して、打球装置37を作動させることにより、球通路17から球発射部に送られる遊技球Bが1個ずつ遊技盤13の遊技領域13aに放出される。これによって、遊技球Bは、遊技領域13aの入賞口またはアウト口14に入る。入賞口に入った入賞球やアウト口14に入ったアウト球は、それぞれ所定の通路を通って集球樋16に落下する。また、加減算装置は、入賞口に入った入賞球をセンサが検出すると景品球の数を加算し、その値は、数値表示装置に表示される。
その際、入賞口やアウト口14に入った遊技球Bの数は、減算される。すなわち、加減算装置は、センサの検出に応じて常時加減算を行っており、それによって算出された値は、数値表示装置に表示され、実物の景品球が払い出されることはない。このため、パチンコ機10内では、一定数の遊技球Bが循環するようになる。なお、遊技球Bに付いた汚れは、定期的に、研磨装置(図示せず)によって除去される。
以上のように、本実施形態に係る遊技球搬送装置20では、搬送スクリュー30の回転軸31とガイド部22cとで遊技球Bが通過する搬送路Aを形成し、搬送スクリュー30の螺旋スクリュー36によって遊技球Bを搬送するように構成されている。また、螺旋スクリュー36を、上流側(下部)に位置する細径部36aと、下流側(上部)に位置する大径部36bとで構成して、細径部36aの直径から回転軸31の直径を引いた長さを、遊技球Bの直径よりも短くし、大径部36bの直径から回転軸31の直径を引いた長さを、遊技球Bの直径と同じにしている。
このため、螺旋スクリュー36における遊技球Bが回転軸31に接近する際に障害となる部分が少なくなり、遊技球Bが球入口24aから搬送路Aに入る際に、遊技球Bはスムーズに搬送路Aに入るようになる。また、遊技球Bが球入口24aの周縁部と螺旋スクリュー36の細径部36aとの間に挟まれて球詰まりが発生することも防止できる。さらに、遊技球Bが大径部36bの押圧によって搬送路Aを移動する際には、遊技球Bの後端部に、大径部36bの進行方向押圧部Dが当接して遊技球Bは搬送路Aの延びる方向に真っ直ぐに押圧される。この場合、進行方向押圧部Dは、大径部36bにおける最も外周側の部分に位置するため、遊技球Bの後端部に正確に当接するようになる。
このため、遊技球Bは、回転軸31やガイド部22cに対して強く押圧されることなく、搬送路Aを形成する空間の前方に向かって移動していくようになる。この結果、遊技球Bが回転軸31やガイド部22cから受ける摩擦抵抗が大幅に減少し、モータ21を作動させる際にエネルギーロスが生じることを極力防止できるとともに、汚れや粉塵などの発生を減少させることができる。これによって、複数の遊技球Bは、搬送路Aを一列になってスムーズに移動するようになり、球詰まりが生じなくなる。
さらに、本実施形態に係る遊技球搬送装置20では、大径部36bにおける進行方向押圧部Dのピッチから螺旋スクリュー36の線径を引いた長さを、遊技球Bの直径よりも長くするとともに、細径部36aにおける外周方向押圧部Cのピッチから螺旋スクリュー36の線径を引いた長さを、進行方向押圧部Dのピッチから螺旋スクリュー36の線径を引いた長さよりもさらに長くしている。このため、遊技球Bは、球入口24aから搬送路Aに入りやすくなるとともに、大径部36bの隙間に位置して搬送されやすくなる。
また、細径部36aにおける外周行方向押圧部Cのピッチから螺旋スクリュー36の線径を引いた長さを、遊技球Bの直径の1.5倍よりも短くしたため、遊技球Bが位置する部分の幅が広すぎて複数の遊技球Bによる球詰まりが生じることを防止できる。さらに、螺旋スクリュー36を線状部材で構成したため、螺旋スクリュー36を簡単な構造で、かつ安価に構成することができるとともに、外周行方向押圧部Cおよび進行方向押圧部Dの位置を正確に設定することができる。
(第2実施形態)
図12ないし図17は、本発明の第2実施形態に係る遊技球搬送装置40またはその一部を示している。この遊技球搬送装置40は、前述した遊技球搬送装置20のモータ21およびケース部材22と略同じ(裏面ケース22bの形状は多少異なっている)モータ41およびケース部材42を備えている。したがって、モータ41およびケース部材42を構成する各部分については、第1実施形態と同じ符号を記して説明は省略する。
遊技球搬送装置40では、搬送スクリュー50が、耐摩耗性を備えた合成樹脂からなる回転軸51と、回転軸51の外周面と間隔を保って回転軸51の外周側に配置され、上下両端が回転軸51に固定されたステンレスからなる螺旋スクリュー56とで構成されている。また、回転軸51は、回転軸本体52と、回転軸本体52の下端に組み付けられ、螺旋スクリュー56の下端が固定される下部連結部材53と、回転軸本体52の上端に組み付けられ、螺旋スクリュー56の上端が固定される上部連結部材54と、上部連結部材54に組み付けられる支持部材55とで構成されている。
回転軸本体52は、直径が前述した回転軸本体32の直径よりも短い、例えば、直径5mmの棒状体で構成されている。下部連結部材53は、筒状の連結部53aと、連結部53aの外周下端側に設けられたフランジ状の支持部53bと、連結部53aの上端から上方に延びる筒状の軸受け部53cとを一体成形して構成されている。連結部53aは、内部に、モータ41の回転軸21bが挿し込まれることにより、モータ41に連結される。また、連結部53aは、内径が回転軸本体52の直径と略同じ長さに設定され、外周面に螺旋スクリュー56の下端側部分が係合する。
支持部53bは、上面で螺旋スクリュー56の下端部を支受する。軸受け部53cは、内径が回転軸本体52の直径と略同じで、外径が連結部53aの直径よりも短く設定されており、外周面の上部は上方に行くほど先細りになっている。この軸受け部53cは、内部に回転軸本体52の下部が挿し込まれることにより、回転軸本体52に固定されている。上部連結部材54は、筒状の連結部54aと、連結部54aの外周上端に設けられたフランジ状の支持部54bと、連結部54aの下端から下方に延びる筒状の軸受け部54cとを一体成形して構成されている。
また、支持部材55は、前述した支持部材35と同じ構成をしており、円筒軸55aと、円板部55bと、軸部55cとで構成されている。この支持部材55は、スクリュー収容部23の内部側から円筒軸55aを軸穴23aに挿通させて、スクリュー収容部23に回転可能に組み付けられる。そして、連結部54aは、内部に、軸部55cが挿し込まれることにより、支持部材55に連結される。また、連結部54aは、下部連結部材53の連結部53aと外径および内径が同じで、軸方向の長さが短く設定されており、外周面に螺旋スクリュー56の上端側部分が係合する。支持部54bは、下面で螺旋スクリュー56の上端部を支受する。
軸受け部54cは、下部連結部材53の軸受け部53cと外径および内径が同じで、軸方向の長さが短く設定されており、外周面の下部は下方に行くほど先細りになっている。この軸受け部54cは、内部に回転軸本体52の上部が挿し込まれることにより、回転軸本体52に固定されている。螺旋スクリュー56は、線状のステンレスを螺旋状に形成して構成されており、全体が同じ直径で同じピッチに形成されている。この場合、螺旋スクリュー56の直径(螺旋スクリュー56を構成する線材の断面中心を基準にした直径)から回転軸本体52の直径を引いた長さは、遊技球Bの直径と略同じになるように設定されている。
また、螺旋スクリュー56の直径から下部連結部材53の軸受け部53cの下部の外径を引いた長さは、遊技球Bの直径よりも短くなるように設定されている。さらに、螺旋スクリュー56のピッチ(螺旋スクリュー36を構成する線材の断面中心を基準にしたピッチ)から螺旋スクリュー56の線径を引いた長さは、遊技球Bの直径よりも僅かに長く設定されている。なお、この遊技球搬送装置40では、図13に示したように、螺旋スクリュー56における軸受け部53cに対応する部分の球搬送方向の面の幅方向の中央よりも外周側に、外周方向押圧部Cが位置し、螺旋スクリュー56における外周方向押圧部Cが位置する部分の上部側部分の球搬送方向の面の幅方向の中央に進行方向押圧部Dが位置するようになる。この遊技球搬送装置40のそれ以外の部分の構成については、前述した遊技球搬送装置20と同一である。
この遊技球搬送装置40によると、回転軸51における下部側部分の直径を上部側部分の直径よりも長くするだけの簡単な構造で、遊技球Bを球入口24aから搬送路Aにスムーズに入れることができ、搬送路Aに入った遊技球Bを、摩擦抵抗を小さくして搬送路A内で移動させることができる。これによって球詰まりを防止することができる。また、螺旋スクリュー56の直径およびピッチは、下端から上端まで同じになるため、螺旋スクリュー56の製造が容易になる。この遊技球搬送装置40のそれ以外の作用効果については、前述した遊技球搬送装置20と同様である。
(第3実施形態)
図18(a)〜(b)および図19は、本発明の第3実施形態に係る遊技球搬送装置に備わっている搬送スクリュー60を示している。この搬送スクリュー60は、耐摩耗性を備えた合成樹脂を一体成形して形成されており、筒状の回転軸61と、帯状の螺旋スクリュー66とからなっている。この搬送スクリュー60は、回転軸61の周面に帯状の螺旋スクリュー66を下方から見た状態で時計周り方向に回転させながら下部から上部に巻き付けた形状をしており、螺旋スクリュー66の下部は細径部66aで構成され、細径部66aの上部側は大径部66bで構成されている。また、螺旋スクリュー66の表面は、粗面からなる研磨面で構成されている。
そして、回転軸61の外径、細径部66aの直径および大径部66bの直径は、それぞれ遊技球搬送装置20の回転軸31の外径、細径部36aの直径および大径部36bの直径と同じに設定されている。なお、細径部66aおよび大径部66bの直径は、外周側端部を基準にしたものとする。また、細径部66aおよび大径部66bのピッチは、遊技球搬送装置20の大径部36bのピッチと同じに設定されている。そして、搬送スクリュー60では、外周方向押圧部Cは、細径部66aの球搬送方向の面における幅方向の略中央部分に位置し、進行方向押圧部Dは、大径部66bの球搬送方向の面における外周側端部に位置するようになる。
また、図示は省略しているが、第3実施形態に係る遊技球搬送装置においても、モータおよびケース部材としては、遊技球搬送装置20のモータ21およびケース部材22と同じものが備わっている。そして、回転軸61の下端部には、モータの回転軸を挿入させて固定できる下部連結部材が連結され、回転軸61の上端部には、上部連結部材を介して、ケース部材の上端に設けられた軸穴に回転可能に支持される支持部材が連結されている。このように構成された搬送スクリュー60は、モータの作動により回転する。この第3実施形態に係る遊技球搬送装置のそれ以外の部分の構成については、前述した遊技球搬送装置20と同一である。
本実施形態に係る遊技球搬送装置によると、搬送スクリュー60は、遊技球Bを搬送することに加えて、遊技球Bの表面に付着した汚れを除去することもできる。また、回転軸61と螺旋スクリュー66とが一体成形によって成形されているため、搬送スクリュー60の製造が容易になる。この遊技球搬送装置のそれ以外の作用効果については、前述した遊技球搬送装置20と同様である。
また、本発明に係る遊技球搬送装置は、前述した実施形態に限定するものでなく、適宜変更することができる。例えば、前述した実施形態では、搬送路Aの上流端を球入口24aから回転軸31,51,61の外周面の周方向に沿って略90度進んだところに位置させているが、この搬送路Aの上流端を球入口24aに直接連通させてもよい。また、搬送路Aは、直線状に限らず螺旋状などの曲線状になるようにしてもよい。
さらに、前述した搬送スクリュー60では、外周方向押圧部Cを、細径部66aの球搬送方向の面における幅方向の略中央部分に位置させているが、この外周方向押圧部Cは、細径部66aの球搬送方向の面における外周側端部に位置するようにしてもよい。また、前述した搬送スクリュー60では、進行方向押圧部Dを、大径部66bの球搬送方向の面における外周側端部に位置させているが、この進行方向押圧部Dは、大径部66bの球搬送方向の面における幅方向の中央側部分に位置するようにしてもよい。この場合、大径部66bの直径は前述した実施形態よりも長くなる。
さらに、前述した実施形態では、回転軸本体32等の外周面と進行方向押圧部Dとの間の長さを遊技球Bの半径と同じ長さにして、進行方向押圧部Dの配置を決める基準位置を回転軸本体32等の外周面にしているが、この基準位置を、ガイド部22cの内面としてもよい。この場合、ガイド部22cの内面と進行方向押圧部Dとの間の長さが遊技球Bの半径と同じ長さになる。また、前述した実施形態では、遊技球搬送装置20,40等を封入球式のパチンコ機10の内部に組み込んでいるが、この遊技球搬送装置20,40等は、従来の島設備に備わっている球送り装置に組み込むこともできる。さらに、本発明に係る遊技球搬送装置のそれ以外の部分の構成についても本発明の技術的範囲内で適宜変更して実施することが可能である。