JP2013241588A - ポリエチレン系樹脂組成物およびそれを含む成形体 - Google Patents

ポリエチレン系樹脂組成物およびそれを含む成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】外観に優れ、高い引張破断伸びを有し、剛性と耐衝撃性とのバランスに優れたポリエチレン系樹脂成形体、及びこのような成形体を与えることができるポリエチレン系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリエチレン系樹脂組成物は、190℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレートが12〜100g/10分であり、密度が940〜970kg/m3であるポリエチレン50〜99重量%と、密度が850〜875kg/mであるエチレン−α−オレフィン共重合体1〜50重量%とを含有し(但し、該ポリエチレンと該エチレン−α−オレフィン共重合体との合計を100重量%とする。)、該組成物の230℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレートは5〜100g/10分である。
【選択図】なし

Description

本発明は、外観に優れ、高い引張破断伸びを有し、剛性と耐衝撃性とのバランスに優れたポリエチレン系樹脂成形体、およびそれを与えることができるポリエチレン系樹脂組成物に関するものである。
ポリエチレンは、射出成形により自動車部品等に加工されるオレフィン系熱可塑性エラストマーの原料として用いられている。
例えば、特許文献1には、ポリエチレン樹脂と、エチレン−α−オレフィン系共重合体とを含むゴム弾性が改良されたオレフィン系熱可塑性エラストマーが記載されている。特許文献2には、高密度ポリエチレン樹脂と、ムーニー粘度が限定されたエチレン−α−オレフィン系共重合体とを含むゴム弾性と押出成形性が改良されたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が記載されている。
特開2000−327718号公報 特開2005−171190号公報
しかしながら、上記特許文献1や2に記載の組成物を用いて製造された射出成形品は、外観、引張破断伸び、剛性と耐衝撃性とのバランスなどについて、更なる改良が求められている。
本発明の目的は、外観に優れ、高い引張破断伸びを有し、剛性と耐衝撃性とのバランスに優れたポリエチレン系樹脂成形体、およびこのような成形体を与えることができるポリエチレン系樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、190℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレートが12〜100g/10分であり、密度が940〜970kg/m3であるポリエチレン50〜99重量%と、密度が850〜875kg/mであるエチレン−α−オレフィン共重合体1〜50重量%とを含有し、230℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレートが5〜100g/10分であるポリエチレン系樹脂組成物(但し、該ポリエチレンと該エチレン−α−オレフィン共重合体との合計を100重量%とする。)に係るものである。
また、本発明は、上記のポリエチレン系樹脂組成物を含む成形体に係るものである。
本発明によれば、外観に優れ、高い引張破断伸びを有し、剛性と耐衝撃性とのバランスに優れた成形体を与えることができる。
本発明のポリエチレン系樹脂組成物は、190℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレートが12〜100g/10分であり、密度が940〜970kg/m3であるポリエチレン50〜99重量%と、密度が850〜875kg/mであるエチレン−α−オレフィン共重合体1〜50重量%とを含有する。なお、前記のようなポリエチレンを、以下、「高密度ポリエチレン」と記すことがある。
本発明に用いられる高密度ポリエチレンの190℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレートは、12〜100g/10分であり、好ましくは、12〜90g/10分であり、より好ましくは、12〜80g/10分であり、更に好ましくは、15〜70g/10分である。メルトフローレートが12g/10分未満の場合には、成形体の外観が悪化することがあり、メルトフローレートが100g/10分を超えた場合には、成形体の耐衝撃性が低下することがある。
本発明に用いられる高密度ポリエチレンの密度は、成形体の剛性と耐衝撃性とのバランスという観点から940〜970kg/m3であり、好ましくは、945〜970kg/m3であり、更に好ましくは、950〜965kg/m3である。該密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112−1980のA法に従って測定される。
本発明に用いられる高密度ポリエチレンは、エチレン単独重合体またはエチレン−α−オレフィン共重合体である。エチレン−α−オレフィン共重合体としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、及びエチレン−4−メチル−ペンテン−1が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
高密度ポリエチレンは、公知の方法を用いて製造することができるが、例えば、遷移金属原子を含む触媒を用いた方法を用いることができる。
前記遷移金属原子を含む触媒としては、例えば、遷移金属化合物(A)、遷移金属化合物(A)と活性化剤(B)とからなる組成物、及び遷移金属化合物(A)と活性化剤(B)と担体(C)とからなる組成物が挙げられる。
遷移金属化合物(A)としては、周期表3〜11族またはランタノイド系列の遷移金属原子と、ハロゲン原子と、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基またはヘテロ原子を含有する基とを含む遷移金属化合物が挙げられる。前記基が複数ある場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。また、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基同士、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基とヘテロ原子を含有する基、またはヘテロ原子を含有する基同士は、直接連結されていてもよく、炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子を含有する残基を介して連結されていてもよい。
前記遷移金属原子としては、例えば、スカンジウム原子、イットリウム原子、チタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子、バナジウム原子、ニオビウム原子、タンタル原子、クロム原子、鉄原子、ルテニウム原子、コバルト原子、ロジウム原子、ニッケル原子、パラジウム原子、サマリウム原子、及びイッテルビウム原子が挙げられる。
前記シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基としては、例えば、置換または無置換のシクロペンタジエニル基、置換または無置換のインデニル基、置換または無置換のヒドロインデニル基、置換または無置換のフルオレニル基が挙げられる。
前記ヘテロ原子を含有する基におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子等が挙げられ、かかる基としてはアルコキシ基、アリールオキシ基、チオアルコキシ基、チオアリールオキシ基、アミノ基、イミノ基、ホスフィノ基、キレート性配位子、及びヘテロ原子を環内に有する芳香族もしくは脂肪族複素環基が挙げられる。
活性化剤(B)は、遷移金属化合物(A)を活性化して、それによりイオン対を形成できるものであればよく、例えば、有機アルミニウム化合物、有機アルミニウムオキシ化合物、ホウ素化合物、粘土鉱物、スルホン酸塩、カルボン酸誘導体、表面処理された固体酸化物もしくは固体ハロゲン化物が挙げられる。これらの化合物は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
担体(C)としては、例えば、無機酸化物、粘土、粘土鉱物などの無機物質や粒子状有機ポリマーが挙げられる。無機酸化物としては、例えば、SiO2 、Al23 、MgO、ZrO2、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2、およびこれらの混合物が挙げられる。粘土または粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、バイロフィライト、タルク、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト等が挙げられる。担体(C)は、表面処理や化学処理が施されていてもよい。
前記遷移金属原子を含む触媒のその他の例としては、周期表4〜6族遷移金属化合物を用いて調製した固体触媒成分と周期表第1、2、または13族金属の有機金属化合物とからなるいわゆるチーグラー−ナッタ触媒が挙げられる。
高密度ポリエチレンの製造方法としては、例えば、前記遷移金属原子を含む触媒を用いたスラリー重合法、気相重合法、溶液重合法が挙げられ、重合温度、重合時間、重合圧力、モノマー濃度などの重合条件は特に限定されない。また、界面活性剤、帯電防止剤、電子供与性化合物などの追加的成分を重合反応系に共存させてもよい。
本発明に用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、850〜875kg/mであり、成形体の剛性と耐衝撃性とのバランスという観点から、好ましくは、855〜875kg/m3である。
本発明に用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体のα−オレフィンは、好ましくは、炭素数3〜10のα−オレフィンであり、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、環状構造を有するα−オレフィン等が挙げられ、好ましくは、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンである。
本発明に用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体に含有されるエチレンに由来する構成単位の含有量(以下、エチレン含有量と記す)は、成形体の引張破断伸び及び耐衝撃性という観点から、好ましくは、30〜90mol%であり、より好ましくは、35〜85mol%であり、更に好ましくは、40〜80mol%である(但し、エチレンに由来する構成単位とα−オレフィンの由来する構成単位との合計量を100mol%とする。)。
本発明に用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体の190℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレートは、成形体の外観及び耐衝撃性という観点から、好ましくは、0.01〜20g/10分であり、より好ましくは、0.05〜15g/10分であり、更に好ましくは、0.1〜10g/10分である。
本発明に用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体は、重合触媒を用いてモノマーを重合することにより製造することができる。
重合触媒としては、例えば、メタロセン触媒系、チーグラー−ナッタ型触媒系等が挙げられる。
メタロセン触媒系としては、例えば、シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とアルキルアルミノキサンからなる触媒系、シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とそれと反応してイオン性の錯体を形成する化合物及び有機アルミニウム化合物からなる触媒系、シリカ、粘土鉱物等の無機粒子にシクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物、イオン性の錯体を形成する化合物及び有機アルミニウム化合物等の触媒成分を担持させた触媒系等が挙げられる。
チーグラー−ナッタ型触媒系としては、例えば、チタン含有固体状遷移金属成分と有機金属成分を組み合わせて用いる触媒系が挙げられる。
また、上記の触媒系の存在下でエチレンやα−オレフィンを予備重合させて調製される予備重合触媒を用いてエチレンとα−オレフィンとの重合を行いエチレン−α−オレフィン共重合体を製造することもできる。
本発明のポリエチレン系樹脂組成物は、前記高密度ポリエチレンと前記エチレン−α−オレフィン共重合体とをそれぞれ50〜99重量%および1〜50重量%、好ましくはそれぞれ60〜97重量%および3〜40重量%、より好ましくはそれぞれ70〜95重量%および5〜30重量%含有する。高密度ポリエチレンの含有量が99重量%を超えると(すなわち、エチレン−α−オレフィン共重合体が1重量%未満であると)、耐衝撃性が低下することがあり、高密度ポリエチレンが50重量%未満であると(すなわち、エチレン−α−オレフィン共重合体の含有量が50重量%を超えると)、成形体の剛性が低下することがある。
本発明のポリエチレン系樹脂組成物の温度230℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレートは、成形体の外観及び耐衝撃性という観点から、好ましくは、3〜200g/10分であり、より好ましくは、5〜150g/10分であり、更に好ましくは、5〜100g/10分であり、更に好ましくは5〜50g/10分であり、更に好ましくは5〜30g/10分であり、特に好ましくは10〜25g/10分である。
本発明のポリエチレン系樹脂組成物は、高密度ポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合体以外の追加的な樹脂やゴム、添加剤、及び、無機充填剤等を含有しても良い。
高密度ポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合体以外の追加的な樹脂やゴムとしては、例えば、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合)樹脂、AAS(特殊アクリルゴム/アクリロニトリル/スチレン共重合)樹脂、ACS(アクリロニトリル/塩素化ポリエチレン/スチレン共重合)樹脂、ポリクロロプレン、塩素化ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、ポリアセタール、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体やスチレン−イソプレン−スチレン共重合体を水添したスチレン系共重合体ゴム等が挙げられる。
上記の添加剤としては、例えば、中和剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、造核剤、粘着剤、防曇剤、アンチブロッキング剤等が挙げられる。
上記の無機充填剤としては、非繊維状無機充填材、繊維状無機充填材が挙げられる。
非繊維状無機充填材とは、粉末状、フレーク状、顆粒状等、繊維形状以外の形状を有する無機充填材をいう。具体的には、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、クレー、アルミナ、シリカ、硫酸カルシウム、けい砂、カーボンブラック、酸化チタン、水酸化マグネシウム、ゼオライト、硫化モリブデン、けいそう土、セリサイト、シラス、水酸化カルシウム、亜硫酸カルシウム、硫酸ソーダ、ベントナイト、黒鉛等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。このうちタルクを用いることが好ましい。
非繊維状無機充填材は、無処理のまま使用してもよいが、高密度ポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合体との界面接着性を向上させ、かつ、本発明のポリエチレン系樹脂組成物中での分散性を向上させるために、シランカップリング剤、又はチタンカップリング剤、若しくは界面活性剤で表面を処理して使用しても良い。界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸塩類等が挙げられる。
非繊維状無機充填材の平均粒子径は、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。ここで本発明における「平均粒子径」とは、遠心沈降式粒度分布測定装置を用いて水、アルコール等の分散媒中に懸濁させて測定した篩下法の積分分布曲線から求めた累積百分率50%相当粒子径D50のことを意味する。
繊維状無機充填材とは、繊維形状を有する無機充填材をいう。具体的には、繊維状マグネシウムオキシサルフェート、チタン酸カリウム繊維、水酸化マグネシウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、ケイ酸カルシウム繊維、炭酸カルシウム繊維、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維、芳香族ポリアミド繊維等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。このうち、繊維状マグネシウムオキシサルフェート、またはケイ酸カルシウム繊維を用いることが好ましく、繊維状マグネシウムオキシサルフェートを用いることがより好ましい。
繊維状無機充填材は、無処理のまま使用してもよいが、高密度ポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合体との界面接着性を向上させ、かつ、本発明のポリエチレン系樹脂組成物中での分散性を向上させるために、シランカップリング剤、又は高級脂肪酸金属塩で表面を処理して使用しても良い。高級脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
電子顕微鏡観察によって測定した繊維状無機充填材の平均繊維長は、好ましくは3μm以上であり、より好ましくは3〜20μmであり、更に好ましくは7〜15μmである。また、電子顕微鏡観察によって測定した平均繊維径は、好ましくは、0.2〜1.5μmであり、更に好ましくは0.3〜1.0μmである。そして、アスペクト比は、好ましくは10以上であり、より好ましくは10〜30であり、更に好ましくは12〜25である。ここで、繊維状無機充填材の「アスペクト比」とは、該繊維状無機充填材の平均繊維径に対する平均繊維長の比(平均繊維長/平均繊維径)を意味する。
本発明のポリエチレン系樹脂組成物は、前記高密度ポリエチレン、前記エチレン−α−オレフィン共重合体の各成分を溶融混練して調製することができ、得られた組成物は、更に成形して成形体とすることができる。
上記に記載の溶融混練は、公知の方法及び公知の装置を用いて行うことができる。例えば、前記高密度ポリエチレン、前記エチレン−α−オレフィン共重合体を、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、タンブルミキサー等の混合装置を用いて混合した後、更に溶融混練する方法や、定量供給機を用いて、一定の割合で、前記高密度ポリエチレン及び前記エチレン−α−オレフィン共重合体と、必要に応じて各種添加剤とをそれぞれ連続的に供給して混合物を得た後、該混合物を単軸又は二軸以上の押出機、バンバリーミキサー、ロール式混練機等を用いて溶融混練する方法が挙げられる。
上記の溶融混練の温度は、好ましくは140℃以上であり、より好ましくは、140℃〜300℃であり、より好ましくは、150℃〜280℃であり、さらに好ましくは、180℃〜250℃である。
本発明のポリエチレン系樹脂組成物は、それを含む成形体を与えることができる。本発明のポリエチレン系樹脂組成物を成形して得られる成形体は、好ましくは、該組成物を射出成形して製造された成形体である。射出成形法としては、例えば、一般的な射出成形法、射出発泡成形法、超臨界射出発泡成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、ガスアシスト射出成形法、サンドイッチ成形法、サンドイッチ発泡成形法、インサート・アウトサート成形法等が挙げられる。
この成形体の用途としては、例えば、容器、容器のキャップ、包装材料、文具、玩具、日用雑貨、家具用材料、自動車用材料、家電用材料、医療用材料、又は建築材料等が挙げられる。
以下、本発明について実施例及び比較例を用いて説明する。なお、発明の詳細な説明及び実施例及び比較例における各項目の測定値は、下記の方法で測定した。
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
メルトフローレートは、JIS K7210に従って測定した。高密度ポリエチレン、およびエチレン−α−オレフィンのメルトフローレートは、温度190℃、荷重21.18Nで測定した。ポリエチレン系樹脂組成物のメルトフローレートは、温度230℃、荷重21.18Nで測定した。
(2)エチレン−α−オレフィンのエチレン含量(単位:mol%)
エチレン−α−オレフィンのエチレン含量は、ASTM D5017−96に記載の方法に従い求めた。
(3)曲げ弾性率(単位:MPa)
曲げ弾性率は、下記条件にて測定した。
測定温度:23℃
サンプル形状:10mm×80mm(4mm厚)
スパン:64mm
引張速度:2mm/分
(4)引張破断伸び(単位:%)
引張破断伸びは、下記条件にて測定した。
測定温度:23℃
サンプル形状:JIS1号小型ダンベル(2mm厚)
引張速度:50mm/分
(5)IZOD衝撃強度(単位:kJ/m
IZOD衝撃強度は、下記条件にて測定した。
測定温度:23℃
サンプル形状:10mm×65mm(4mm厚)[Vノッチあり]
(6)外観評価
外観評価は、射出成形品に、縞模様のフローマークが殆どなければ「良好」、縞模様のフローマークが顕著に確認されれば「不良」と判定した。
[実施例1]
高密度ポリエチレンとしてKEIYOポリエチレンM6910(京葉ポリエチレン株式会社製、密度=958kg/m3、MFR=23g/10分)85重量%と、エチレン−α−オレフィン共重合体としてエチレン−プロピレン共重合体(タフマーS4030、三井化学株式会社製、エチレン含量=43mol%、密度=860kg/m3、MFR=0.2g/10分、)15重量%と、を均一に混合し、内径15mmの二軸混練機(テクノベル社製KZW15−45MG、内径:15mm、L/D=45)にて設定温度:220℃、スクリュー回転数:500rpmで加熱溶融混練し、MFR=23g/10分のポリエチレン系樹脂組成物を得た。
得られたポリエチレン系樹脂組成物を、東洋機械金属株式会社製Si−30III型射出成形機を用い、成形温度220℃、金型冷却温度50℃で射出成形し、射出成形体である試験片を得た。得られた試験片の特性を表2に示した。
[実施例2]
実施例1に記載のエチレン−プロピレン共重合体(タフマーS4030、三井化学株式会社製、エチレン含量=43mol%、密度=860kg/m3、MFR=0.2g/10分、)をエチレン−オクテン共重合体(エンゲージ8842、ダウケミカル株式会社製、エチレン含量=83mol%、密度=857kg/m3、MFR=1g/10分)15重量%とした以外は、実施例1と同様の方法によって、MFR=21g/10分のポリエチレン系樹脂組成物を得た。
得られたポリエチレン系樹脂組成物を、実施例1と同様に射出成形し、射出成形体である試験片を得た。得られた試験片の特性を表2に示した。
[実施例3]
実施例1に記載のKEIYOポリエチレンM6910(京葉ポリエチレン株式会社製、密度=958kg/m3、MFR=23g/10分)をハイゼックス1300J(プライムポリマー製、密度=961kg/m3、MFR=12g/10分)とした以外は、実施例1と同様の方法によって、MFR=14g/10分のポリエチレン系樹脂組成物を得た。
得られたポリエチレン系樹脂組成物を、実施例1と同様に射出成形し、射出成形体である試験片を得た。得られた試験片の特性を表2に示した。
[比較例1]
実施例1に記載のエチレン−プロピレン共重合体(タフマーS4030、三井化学株式会社製、エチレン含量=43mol%、密度=860kg/m3、MFR=0.2g/10分、)を用いず、KEIYOポリエチレンM6910(京葉ポリエチレン株式会社製、密度=958kg/m3、MFR=23g/10分)を100重量%とした以外は、実施例1と同様の方法によって、MFR=32g/10分のポリエチレン系樹脂組成物を得た。
得られたポリエチレン系樹脂組成物を、実施例1と同様に射出成形し、射出成形体である試験片を得た。得られた試験片の特性を表2に示した。
[比較例2]
実施例1に記載のエチレン−プロピレン共重合体(タフマーS4030、三井化学株式会社製、エチレン含量=43mol%、密度=860kg/m3、MFR=0.2g/10分、)をエチレン−プロピレン共重合体(バーシファイ2000、ダウケミカル株式会社製、エチレン含量=6mol%、密度=888kg/m3、MFR=0.9g/10分)15重量%とした以外は、実施例1と同様の方法によって、MFR=24g/10分のポリエチレン系樹脂組成物を得た。
得られたポリエチレン系樹脂組成物を、実施例1と同様に射出成形し、射出成形体である試験片を得た。得られた試験片の特性を表2に示した。
[比較例3]
実施例2に記載のKEIYOポリエチレンM6910(京葉ポリエチレン株式会社製、密度=958kg/m3、MFR=23g/10分)を直鎖状低密度ポリエチレンFV403(住友化学株式会社製、密度=918kg/m3、MFR=3.8g/10分)とした以外は、実施例2と同様の方法によって、MFR=6.1g/10分のポリエチレン系樹脂組成物を得た。
得られたポリエチレン系樹脂組成物を、実施例1と同様に射出成形し、射出成形体である試験片を得た。得られた試験片の特性を表2に示した。
[比較例4]
実施例1に記載のKEIYOポリエチレンM6910(京葉ポリエチレン株式会社製、密度=958kg/m3、MFR=23g/10分)をハイゼックス3300F(プライムポリマー製、密度=950kg/m3、MFR=1.1g/10分)とした以外は、実施例1と同様の方法によって、MFR=1.8g/10分のポリエチレン系樹脂組成物を得た。
得られたポリエチレン系樹脂組成物を、実施例1と同様に射出成形し、射出成形体である試験片を得た。得られた試験片の特性を表2に示した。
Figure 2013241588
Figure 2013241588

Claims (5)

  1. 190℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレートが12〜100g/10分であり、密度が940〜970kg/m3であるポリエチレン50〜99重量%と、密度が850〜875kg/mであるエチレン−α−オレフィン共重合体1〜50重量%とを含有し、230℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレートが5〜100g/10分であるポリエチレン系樹脂組成物(但し、該ポリエチレンと該エチレン−α−オレフィン共重合体との合計を100重量%とする。)。
  2. エチレン−α−オレフィン共重合体のα−オレフィンが、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンである、請求項1記載のポリエチレン系樹脂組成物。
  3. エチレン−α−オレフィン共重合体のエチレン含有量が30〜90mol%である、請求項1又は2に記載のポリエチレン系樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載のポリエチレン系樹脂組成物を含む成形体。
  5. 請求項1〜3いずれかに記載のポリエチレン系樹脂組成物を射出成形して製造された成形体。
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